JP2002028855A - 磁気バニシング加工方法およびその装置 - Google Patents

磁気バニシング加工方法およびその装置

Info

Publication number
JP2002028855A
JP2002028855A JP2000216791A JP2000216791A JP2002028855A JP 2002028855 A JP2002028855 A JP 2002028855A JP 2000216791 A JP2000216791 A JP 2000216791A JP 2000216791 A JP2000216791 A JP 2000216791A JP 2002028855 A JP2002028855 A JP 2002028855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
tool
workpiece
burnishing
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000216791A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitomi Yamaguchi
ひとみ 山口
Takeo Suzumura
武男 進村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2000216791A priority Critical patent/JP2002028855A/ja
Publication of JP2002028855A publication Critical patent/JP2002028855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工装置の小型化と工具挙動の制御を可能に
してエネルギー損失を大幅に減少させ、機能性精密部品
の高精度、高効率での表面加工を可能とした磁気バニシ
ング加工方法およびその装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 磁性工具5を磁場内にて磁力駆動するこ
とにより生じる非磁性体または磁性体の工作物4との間
の相対運動によって、磁性工具5を前記工作物4表面に
衝接せしめ、該工作物4表面を仕上げ加工するととも
に、硬化加工することを特徴とするもので、磁性工具5
が磁場変動により制御された形態にて工作物4表面に衝
接して、効率的に滑りと転がり運動によって工作物4表
面を平滑化するとともに、加工硬化させて疲労強度を向
上させることが可能となり、装置の小型化と工具挙動の
制御を可能にしてエネルギー損失を大幅に減少させ、さ
らには、磁性工具の材質、形状、寸法を含めた適正な加
工条件を選定して、複雑な精密部品や細部加工も可能と
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ関連
部品等の各種機能性精密部品、特に非磁性体工作物の内
面、外面および細部における表面層の硬化、圧縮応力の
残留による曲げ疲労強度の向上が図れる磁気バニシング
加工およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ関連部品等の各種機
能性精密部品は、小型化、緻密化が進行し、これらを支
える加工技術として、面精度や形状精度のみならず表面
性状についても制御できる新技術の開発が求められてい
る。また、これらの機能性精密部品にあっては加工によ
る残留砥粒を極度に嫌うものもある。近年では、残留砥
粒の洗浄工程によって生じた廃棄物の処理に課題を残
し、環境問題の観点からも好ましいものではない。その
ようなことから、工具の滑りまたは転がり接触(衝接)
によって工作物表面を塑性変形させ、表面の突起を除去
して滑らかに仕上げるとともに、表面層の硬化加工が行
え、圧縮残留応力による曲げ疲労強度を向上させること
ができる上に、加工後の残留砥粒の発生もないバニシン
グ加工が注目を浴びてきている。
【0003】バニシング加工の代表的なものとしては、
特開平5−337820号公報や特開平10−427号
公報等に記載されたバニシングローラを用いて円管の外
周面や内周面を展延して平滑化するものや、円管等の内
周面に工具となる鋼球を押し入れ、これを無理に引き抜
くことで、工作物である円管の内周面の凹凸を押し潰し
て平滑化し、表面加工を行うボールバニシング加工法が
ある。しかしながら、これらのバニシングローラやバニ
シングボールを用いたバニシング加工法では円管等の工
作物の内周面あるいは外周面加工にのみ限定されてしま
い、加工できる製品が限定されていた。このような中
で、近年、微細部品の表面加工を可能にする振動バニシ
ング加工法が提案された。この振動バニシング加工法
は、工作物と工具を充填した容器を機械的に振動させる
ことによって、工作物と工具との間に相対運動を発生さ
せ、工具を工作物の表面に衝接させて工作物の表面仕上
げを行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これによって、工具は
極端に寸法を小さくできることとなったものの、加工原
理として加工槽を振動させて工具を駆動する必要がある
ことから、エネルギー損失も大きくて大がかりな加工装
置が求められる他、工具の挙動が重力と振動による慣性
力にのみ依存するため、工具挙動の制御性能に劣り、複
雑な機能性精密部品の細部の精密加工は困難であった。
【0005】そこで、本発明では、加工装置の小型化と
工具挙動の制御を可能にしてエネルギー損失を大幅に減
少させ、機能性精密部品の高精度、高効率での表面加工
を可能とした磁気バニシング加工方法およびその装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、磁性
工具を磁場内にて磁力駆動することにより生じる非磁性
体または磁性体の工作物との間の相対運動によって、磁
性工具を前記工作物表面に衝接せしめ、該工作物表面を
仕上げ加工するとともに、硬化加工することを特徴とす
るものである。また本発明は、所定間隔をおいて配設さ
れた複数の磁極間に容器を配置し、該容器内に非磁性体
または磁性体の工作物と磁性工具を投入するとともに、
前記磁極間に作用する磁場変動により前記磁性工具を磁
力駆動するように構成したことを特徴とするものであ
る。また本発明は、磁石を設置して配設された少なくと
も一対の回転駆動される円板間に、容器を配置するとと
もに、該容器内に非磁性体または磁性体の工作物と磁性
工具を投入したことを特徴とするものである。また本発
明は、磁石を設置して配設された少なくとも一対の回転
駆動される円板間に、工作物である非磁性体の容器を配
置するとともに、該容器内に磁性工具を投入したことを
特徴とするものである。また本発明は、前記容器内に磁
性工具に加えて非磁性工具を混入させたことを特徴とす
るものである。また本発明は、前記磁石が電磁石である
ことを特徴とするものである。また本発明は、前記磁石
による磁場を円板の回転数あるいは電磁石への通電周波
数変動により制御することを特徴とするものである。ま
た本発明は、前記工作物を支持ジグにて静止させるよう
に構成したことを特徴とするものである。また本発明
は、前記工具として形状異方性、磁気異方性あるいはボ
ール状工具を、順次あるいは適宜に組み合わせて用いた
ことを特徴とするものである。また本発明は、前記工具
として、磁性工具を樹脂等の非磁性材料にてコーティン
グするか、あるいは非磁性工具を磁性材料にてコーティ
ングして構成したことを特徴とするもので、これらを課
題解決のための手段とするものである。
【0007】
【実施の形態】以下、本発明における磁気バニシング加
工方法およびその装置の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1〜図12は本発明の磁気バニシング加工方
法およびその装置の1実施の形態を示すもので、図1は
本発明の磁気バニシング加工方法の加工原理図、図2は
磁気バニシング加工装置の概略図、図3は磁気バニシン
グ加工による表面粗さの時間的変化図、図4は工作物固
定方式の磁気バニシング加工装置の概略図、図5〜図9
は実験結果図、図10〜図12は実験条件図である。本
発明の磁気バニシング加工方法は、磁性工具5を磁場内
にて磁力駆動することにより生じる非磁性体または磁性
体の工作物4との間の相対運動によって、磁性工具5を
前記工作物4表面に衝接せしめ、該工作物4表面を仕上
げ加工するとともに、硬化加工することを特徴とするも
のである。装置例としては、図1に示すように、磁石2
を設置して配設された少なくとも一対の回転駆動される
円板1、1間に、容器3を配置するとともに、該容器3
内に非磁性体または磁性体の工作物4と磁性工具5を投
入して構成される。円板1、1としては、図示のものの
ように平行状に対向配設される一対のものに限定される
ことなく、2個以上の回転円板体が適宜の配置(3次元
配置も含む)にて容器の周囲に配設されてもよい。
【0008】前記円板1に設置される磁石2としては、
1個以上の永久磁石、好適には多数の永久磁石が埋設さ
れる。また、磁石2としては励磁力を適正に制御可能な
電磁石が採用され得ることは言うまでもない。図1の例
では、対向配設されたこれら一対の円板1、1を相反す
る方向に(磁性工具5を磁気駆動できるのであれば、円
板1、1は異なった回転数で同方向であってもよい)回
転駆動することによって、円板1、1間に変動磁場が形
成され、工作物4と磁性工具5を供給した容器3内にて
磁性工具5のみが磁場の変動に感応する。磁性工具5
は、外部磁場に対して磁気吸引・磁気反発を繰り返しな
がら容器3内をランダムに飛び回る。一方、工作物4が
非磁性体の場合、容器3内の工作物4は外部磁場の変動
に感応しないので磁性工具5との間に激しい相対運動を
生ずる。工作物4が磁性体の場合、工作物は磁性工具5
とともに外部磁場の変動に感応して容器3内をランダム
に飛び回りながら、両者感間に相対運動が生じる。この
ため、磁性工具5は工作物4の表面に衝接して滑り作用
および転がり作用を示して微小凹凸を潰しながら平滑化
してバニシング加工がなされる。
【0009】前記加工原理に基づいて、図2に示すよう
な磁気バニシング加工装置を立案した。対向配設される
一対(前述同様に、図示の平行状に対向配設される一対
のものに限定されることなく、2個以上の回転円板体が
適宜に配置されてもよい)の円板1、1はアルミニウム
合金等の非磁性材料にて構成し、それぞれ直径22.5
mmのNd−Fe−B希土類永久磁石2を19個埋設し
た。磁石2の配置および円板1、1間の間隔(直動ベア
リング8による)、アクリル容器3の高さは自由に調整
可能に構成されている。容器3内の加工部における磁場
の変動制御のため、円板1の回転数は、円板1、1をそ
れぞれ回転駆動するモータ7、7に接続されたインバー
タ(図示省略)により制御される。
【0010】図2の実験装置を用いて変動磁場に投入さ
れたバニシング磁性工具の挙動を調べた。本実験では、
磁性バニシング加工に適した磁性工具を探るため、予め
図10の実験条件に示すような12種類の市販のバニシ
ング磁性工具を準備してそれらの工具の挙動を観察し
た。加工容器内にバニシング磁性工具のみを投入した場
合(容器自体が工作物)と、磁性工具とともに工作物
(アルミニウム合金材料)を投入した場合について、そ
れぞれ磁性工具の挙動を観察した。これら磁性工具挙動
の観察結果から、コーン5、ピン1、ピン2、円柱工具
3の4種類の磁性工具が、外部磁場変動に連れて容器内
を活発に運動することが把握され、これらのバニシング
磁性工具を用いて加工実験を行い、加工特性を検討する
こととした。
【0011】図11に示す実験条件にて、工作物を容器
内に1個投入し、該工作物1個に対する加工特性を検討
した。磁性工具の供給量については、各実験毎に改めて
磁性工具の挙動観察を行い、その結果を基にして、磁性
工具が最も活発な挙動を示す供給量を投入した。図3
は、表面粗さの時間的変化を示すもので、表面粗さは3
回測定した結果の平均値である。この実験結果により、
全ての場合において、加工時間の経過とともに表面が粗
面化することが理解される。磁性工具の加工力は工具に
作用する磁力Fに左右され、磁力Fは F=kVχH・gradH ・・・・・ (1) で表される。ここで、k:定数、V:磁性工具の体積、
χ:磁性工具の磁化率、H:加工部の磁場強度である。
式(1)により、磁性工具の寸法形状が大きい程、磁性
工具には高い磁力が発生し、また、磁場内の磁性工具は
磁束の流れに沿って配列されるため、形状異方性が高い
程、磁性工具が磁場変動に感応して運動する際に発生す
るモーメントが増大することが導かれる。以上により、
工具の寸法形状が大きく、しかも、形状異方性を持つ磁
性工具程、高い加工力が得られるものと期待される。
【0012】図10に示した実験条件のうち、円柱工具
3の体積が最も大きく、ピン1が最も高い形状異方性を
有する。したがって、これらのバニシング磁性工具には
コーン5やピン2に比べて大きい加工力が作用し、深い
加工痕が生じたものと考えられる。これらの事象は顕微
鏡観察によっても確認された。さらに、加工痕の不均一
性も観察されている。これは、本条件では工作物と磁性
工具との間に一様な相対運動が得られなかったことを意
味する。以上の結果より、本条件では、工作物の表面の
平滑化および一様なバニシング仕上げ面を得るには不充
分であることがわかった。
【0013】次に、工作物固定方式について検討した結
果について述べる。図4は工作物固定方式の磁気バニシ
ング加工装置の概略図で、工作物4は工作物支持ジグ6
によって容器3の略中央に鉛直方向に固定され、加工実
験の開始前に図11の実験条件を設定してバニシング磁
性工具の挙動を観察した。その結果、磁性工具の工作物
に衝接する回数は極端に減少し、磁性工具は工作物の周
囲を回転しながら移動するに留まった。このことから、
本方式を実現するには、図1および図2に示した工作物
投入方式に比べて多量の磁性工具を供給して、磁性工具
の工作物への衝接回数を増大させることが必要と考えら
れた。多数の磁性工具を磁力駆動するには、加工部であ
る容器内に高い磁場強度とその変化率が求められる。こ
れについては、容器径を小さくして磁極間距離を短くす
ることで対処し、また、磁性工具の挙動観察の結果か
ら、容器両側に設置された円板の回転速度を変化させる
ことによって、磁性工具の活発な挙動を促進できること
も確認された。
【0014】そこで、図12に示す実験条件を設定して
工作物固定方式について加工実験を行うこととした。加
工実験にあたり、図12に示すピン2、コーン5、ボー
ルの3種類のバニシング磁性工具を採用した。その実験
結果を図5および図6に示す。図5は表面粗さの時間的
変化であり、図6は加工前後の工作物表面の顕微鏡写真
である。両図より、ピン2、コーン5は、ボールとは異
なり、磁気異方性を有する。このため、工具の寸法はほ
ぼ同様であっても、ボールに比べて高い加工力が得られ
たものと推察される。したがって、加工時間の経過に連
れて表面粗さは悪化し、深い加工痕が表面に残留したも
のと考えられる。このとき、加工痕はほぼ均一に残留し
ていることが確認された。なお、工作物の表面の粗面化
については、材質等の実験条件によって表れるもので、
工具の形状、磁気異方性が工作物の表面を粗面化すると
は限らないことが分かっている。
【0015】一方、ボールの場合は、表面粗さに大きな
変化は見られなかった。図6から理解されるように、表
面は他の磁性工具の場合と同様に均一な加工痕によって
仕上げられているが、当初から見られる方向性のある傷
の残留が見られる。これは、ボールの加工力が過小なた
め、工作物表面は一様に加工はされたものの、バニシン
グ面に変化させるには至らなかったものと考察される。
加工前後の表面硬度を測定した結果、全ての条件におい
て加工後の表面は硬化していた。以上のことから、工作
物固定方式では、一様なバニシング加工面を創成できる
ことを明らかにした。しかし、本条件においても、ステ
ンレス鋼等の非磁性体工作物に対する磁性工具の加工力
が過小であったと言え、表面の平滑化を実現するには不
充分であった。そこで、加工力が比較的小さいと考えら
れるBALL工具に着目し、工作物材質をA2017ア
ルミニウム合金材に替えて加工実験を行い本加工方法の
可能性を追求することとした。
【0016】図7は工作物材質をA2017アルミニウ
ム合金材に替えて行った加工実験による表面粗さの時間
的変化を示す。これにより、ピン2を用いた場合は、加
工時間の経過とともに表面が粗くなるが、ボールの場合
には表面が平滑化されることがわかる。図8に示す顕微
鏡写真からも表面が一様に平滑化されたことが確認でき
る。さらに、図9の加工前後の写真から、加工後の工作
物表面には光沢が観察される。したがって、ボール工具
を用いることによって、アルミニウム合金棒表面を平滑
化しながら、バニシング仕上げをすることができること
を実験的に明らかにした。なお、本条件においても加工
後の表面は硬化していた。以上により、本磁気バニシン
グ加工方法では、ボール状磁性工具の採用により平滑な
仕上げ面を得ることを可能にし、磁気異方性あるいは形
状異方性磁性工具の採用により表面層の硬化加工を行っ
て、圧縮残留応力による曲げ疲労強度を向上させる等
の、工作物の材質、磁性工具の寸法、形状に適値は存在
するものの、表面の平滑化と表面改質に有用であること
を明らかにすることができた。
【0017】また、円板内に設置される磁石として電磁
石を採用した場合は、電磁コイルに交流電流および強弱
電流を通電することにより変動磁場を発生させ、磁性工
具を周波数変動や強弱電流による磁場変動に追従させて
3次元的なランダム挙動をなさしめ、工作物表面と衝接
させて最適なバニシング加工を行うことができる。さら
に、前記容器内に磁性工具に加えて非磁性工具を混入さ
せることにより、磁場変動に追従する磁性工具と衝接す
る非磁性工具の補助的なランダムな挙動によっても工作
物表面のバニシング加工がなされる。また、前記工具と
しては、衝接力の高い形状異方性、磁気異方性あるいは
平滑特性の高いボール状工具を、順次あるいは適宜に組
み合わせて(混合等して)用いてもよいし、磁性工具を
樹脂等の軟質材料またはセラミックス等の硬質材料にて
コーティングしたり、あるいは非磁性工具を磁性材料に
てコーティングして構成したものを用いてもよい。
【0018】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で、円板の形状、材
質、数(平行状に対向する一対に限らず、3個以上を非
平行状に適宜に配置してもよい)、円板の間隔および間
隔の調整形態(直動ベアリングのみならず螺子棒等によ
る調整)およびその回転駆動形態(駆動源は電動のみな
らず油圧、空気圧でもよいし、工具挙動をより活発にす
るため回転する円板同士の回転数および回転方向を異な
らせてもよい)、円板に設置される磁石の数(円板に設
置される磁石の数を異ならせてもよい)およびその磁極
の配列形態(S、N極の配列の他、永久磁石の配設と電
磁石の通電制御との併用も可)、磁石の磁場の変動制御
形態(永久磁石および電磁石が設置された円板の回転数
を制御することで周波数変動により磁場を変動制御した
り、円板に電磁石が設置された場合は、回転数制御に優
先させて電磁石の電流制御により励磁力を変動させて磁
場を変動制御してもよい。また、磁場変動による磁力駆
動方式として、所定間隔を置いて複数個配設された静止
板に電磁石を多数設置し、これらの電磁石への通電を制
御することにより、磁極を回転するごとく変更させた
り、ランダムに変更させたりしてもよい)、容器の形
状、材質、磁性工具の形状、材質、数、非磁性工具の形
状、材質、数、工作物の材質、静止形態、工具の形状異
方性あるいは磁気異方性(磁力の大きさおよび方向を刻
々変動させることで、見かけ上の磁気的異方性を増長さ
せることもできる)の付与形態等については適宜剪定で
きる。
【0019】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明で
は、磁性工具を磁場内にて磁力駆動することにより生じ
る非磁性体および磁性体の工作物との間の相対運動によ
って、磁性工具を前記工作物表面に衝接せしめ、該工作
物表面を仕上げ加工するとともに、硬化加工する磁気バ
ニシング加工の採用により、磁性工具が磁場変動により
制御された形態にて工作物表面に衝接して、効率的に滑
りと転がり運動によって工作物表面を平滑化するととも
に、加工硬化させて疲労強度を向上させることが可能と
なり、装置の小型化と工具挙動の制御を可能にしてエネ
ルギー損失を大幅に減少させ、さらには、磁性工具の材
質、形状、寸法を含めた適正な加工条件を選定して、複
雑な精密部品や細部加工も可能となった。
【0020】また、所定間隔をおいて配設された複数の
磁極間に容器を配置し、該容器内に非磁性体または磁性
体の工作物と磁性工具を投入するとともに、前記磁極間
に作用する磁場変動により前記磁性工具を磁力駆動する
ように構成したことにより、少なくとも容器の両側に配
設された磁極を、回転や通電制御等によって有効に移動
させて磁場変動を行わせしめ、磁性工具を工作物表面に
衝接させて、効率的に工作物表面を平滑化するととも
に、加工硬化させることができる。また、磁石を設置し
て配設された少なくとも一対の回転駆動される円板間
に、容器を配置するとともに、該容器内に非磁性体また
は磁性体の工作物と磁性工具を投入した場合は、簡素か
つ小型の加工装置によって変動磁場によって効率的に制
御された磁性工具のバニシング挙動により、磁場に感応
しない非磁性体の工作物あるいは磁性体の工作物との間
に生じる相対運動によって、容器内にてより効率的に工
作物表面の加工が可能となる。さらに、磁石を設置して
配設された少なくとも一対の回転駆動される円板間に、
工作物である非磁性体の容器を配置するとともに、該容
器内に磁性工具を投入した場合は、容器自体を工作物と
して機能させて内表面のバニシング加工がきわめて簡素
な装置により簡便に行うことができる。
【0021】さらにまた、前記容器内に磁性工具に加え
て非磁性工具を混入させた場合は、磁場変動に追従して
ある程度制御された磁性工具の挙動に、該磁性工具に衝
接する非磁性工具の補助的なランダムな挙動が追加され
てより効果的なバニシング加工が可能となる。また、前
記磁石が電磁石である場合は、回転制御による磁場変動
制御に加えて電流制御により磁場を変動制御させること
も可能となり、より精密な磁場制御が可能となる。さら
に、前記磁石による磁場を円板の回転数あるいは電磁石
への通電周波数変動により制御する場合は、磁石が設置
された円板の回転制御あるいは非回転の電磁石への通電
制御にて磁場変動制御を簡便に行うことができる。
【0022】さらにまた、前記工作物を支持ジグにて静
止させるように構成した場合は、一様なバニシング加工
面を創成することが可能である。また、前記工具として
形状異方性、磁気異方性工具あるいはボール状工具を順
次あるいは適宜組み合わせて用いた場合は、比較的大き
な加工力の作用によって、表面層の硬化、圧縮応力の残
留による曲げ疲労強度の向上および平滑化が図れる。さ
らに、前記工具として、磁性工具を樹脂等の非磁性材料
にてコーティングするか、あるいは非磁性工具を磁性材
料にてコーティングして構成した場合は、採用すべき工
具の素材の幅が広がり設計の自由度が向上するととも
に、工作物加工面に対する影響を微妙に調整することも
可能となる。このように本発明によれば、加工装置の小
型化と工具挙動の制御を可能にしてエネルギー損失を大
幅に減少させ、機能性精密部品の高精度、高効率での表
面加工を可能とした磁気バニシング加工方法およびその
装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気バニシング加工方法およびその装
置の1実施の形態を示すもので、本発明の磁気バニシン
グ加工方法の加工原理図である。
【図2】同、磁気バニシング加工装置の概略図である。
【図3】同、磁気バニシング加工による表面粗さの時間
的変化図である。
【図4】同、工作物固定方式の磁気バニシング加工装置
の概略図である。
【図5】同、表面粗さの時間的変化図である。
【図6】同、加工前後の表面の顕微鏡写真図である。
【図7】同、磁気バニシング加工による表面粗さの時間
的変化図である。
【図8】同、加工前後の表面の顕微鏡写真図である。
【図9】同、加工前後の表面の写真図である。
【図10】同、第1の実験条件を示す図である。
【図11】同、第2の実験条件を示す図である。
【図12】同、第3の実験条件を示す図である。
【符号の説明】
1 円板 2 磁石 3 容器 4 工作物 5 磁性工具 6 工作物支持ジグ 7 モータ 8 直動ベアリング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性工具を磁場内にて磁力駆動すること
    により生じる非磁性体または磁性体の工作物との間の相
    対運動によって、磁性工具を前記工作物表面に衝接せし
    め、該工作物表面を仕上げ加工するとともに、硬化加工
    することを特徴とする磁気バニシング加工方法。
  2. 【請求項2】 所定間隔をおいて配設された複数の磁極
    間に容器を配置し、該容器内に非磁性体または磁性体の
    工作物と磁性工具を投入するとともに、前記磁極間に作
    用する磁場変動により前記磁性工具を磁力駆動するよう
    に構成したことを特徴とする磁気バニシング加工装置。
  3. 【請求項3】 磁石を設置して配設された少なくとも一
    対の回転駆動される円板間に、容器を配置するととも
    に、該容器内に非磁性体または磁性体の工作物と磁性工
    具を投入したことを特徴とする磁気バニシング加工装
    置。
  4. 【請求項4】 磁石を設置して配設された少なくとも一
    対の回転駆動される円板間に、工作物である非磁性体の
    容器を配置するとともに、該容器内に磁性工具を投入し
    たことを特徴とする磁気バニシング加工装置。
  5. 【請求項5】 前記容器内に磁性工具に加えて非磁性工
    具を混入させたことを特徴とする請求項2ないし4のい
    ずれかに記載の磁気バニシング加工装置。
  6. 【請求項6】 前記磁石が電磁石であることを特徴とす
    る請求項2ないし5のいずれかに記載の磁気バニシング
    加工装置。
  7. 【請求項7】 前記磁石による磁場を円板の回転数ある
    いは電磁石への通電周波数変動により制御することを特
    徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の磁気バニ
    シング加工装置。
  8. 【請求項8】 前記工作物を支持ジグにて静止させるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2ないし7のいず
    れかに記載の磁気バニシング加工装置。
  9. 【請求項9】 前記工具として形状異方性、磁気異方性
    あるいはボール状工具を、順次あるいは適宜に組み合わ
    せて用いたことを特徴とする請求項2ないし8のいずれ
    かに記載の磁気バニシング加工装置。
  10. 【請求項10】 前記工具として、磁性工具を樹脂等の
    非磁性材料にてコーティングするか、あるいは非磁性工
    具を磁性材料にてコーティングして構成したことを特徴
    とする請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気バニシ
    ング加工装置。
JP2000216791A 2000-07-18 2000-07-18 磁気バニシング加工方法およびその装置 Pending JP2002028855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000216791A JP2002028855A (ja) 2000-07-18 2000-07-18 磁気バニシング加工方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000216791A JP2002028855A (ja) 2000-07-18 2000-07-18 磁気バニシング加工方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002028855A true JP2002028855A (ja) 2002-01-29

Family

ID=18711993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000216791A Pending JP2002028855A (ja) 2000-07-18 2000-07-18 磁気バニシング加工方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002028855A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2516859C2 (ru) * 2012-07-24 2014-05-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Курганский государственный университет" Способ поверхностного упрочнения изготовленных из ферромагнитных материалов зубчатых колес и устройство для его осуществления
JP2015100915A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 洛陽双瑞精鋳▲タイ▼業有限公司 超薄型蓋付きゴルフクラブヘッドの生産方法
CN110202457A (zh) * 2019-07-11 2019-09-06 辽宁科技大学 磁针磁力研磨长直管内表面的装置
CN113635212A (zh) * 2021-08-30 2021-11-12 兰州兰石能源装备工程研究院有限公司 磁性研磨机
CN114434311A (zh) * 2022-01-19 2022-05-06 杨康 一种生产轴承用轴承圈抛光系统及其使用方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2516859C2 (ru) * 2012-07-24 2014-05-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Курганский государственный университет" Способ поверхностного упрочнения изготовленных из ферромагнитных материалов зубчатых колес и устройство для его осуществления
JP2015100915A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 洛陽双瑞精鋳▲タイ▼業有限公司 超薄型蓋付きゴルフクラブヘッドの生産方法
CN110202457A (zh) * 2019-07-11 2019-09-06 辽宁科技大学 磁针磁力研磨长直管内表面的装置
CN113635212A (zh) * 2021-08-30 2021-11-12 兰州兰石能源装备工程研究院有限公司 磁性研磨机
CN114434311A (zh) * 2022-01-19 2022-05-06 杨康 一种生产轴承用轴承圈抛光系统及其使用方法
CN114434311B (zh) * 2022-01-19 2022-12-30 揭阳市恒成粉末冶金有限公司 一种生产轴承用轴承圈抛光系统及其使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fox et al. Magnetic abrasive finishing of rollers
Singh et al. Analysis of surface texture generated by a flexible magnetic abrasive brush
JPH10180611A (ja) 複数の交番磁界生成による磁気研摩方法及び装置
US8708778B2 (en) Finishing of surfaces of tubes
JP2007268689A (ja) 磁気研磨装置、磁気研磨方法及びそれらに使用される加工工具
JP2007253303A (ja) 振動磁気研磨方法及び装置並びに工具
Karakurt et al. Development of a magnetically driven abrasive polishing process for additively manufactured copper structures
JP2682260B2 (ja) 微小研磨方法及び微小研磨工具
JP2002028855A (ja) 磁気バニシング加工方法およびその装置
JPS6034264A (ja) 磁気研摩仕上装置
Heng et al. A novel auto-gaping magnetic pole system for inner surface finishing of non-circular pipes using magnetic abrasive finishing process
WO2006030854A1 (ja) 複雑形状体の研磨方法および研磨装置
JP2007045878A (ja) 磁性砥粒
JPS61265261A (ja) 内面磁気研磨加工方法
JP2002192453A (ja) 磁気援用加工方法およびその装置
JP5499414B2 (ja) 変動磁場を利用した粒子分散型混合機能性流体の形状復元力の増大方法とこれを利用した研磨装置および研磨法
JP2006272520A (ja) 磁気援用加工法及びこれに用いられる磁性工具
Zou et al. Development of effective magnetic deburring method for a drilled hole on the inside of tubing using a magnetic machining jig
JP2003062747A (ja) 磁性流体利用の加工方法およびその装置
JPS63221965A (ja) 管材の研磨方法および装置
JP4185985B2 (ja) 磁気援用加工法
JP3027673B2 (ja) 移動磁場による表面処理方法
Bi et al. Investigation on roller-type ultrasonic assisted magnetorheological finishing for biomedical small and complex surface of titanium alloy
Verma et al. Advancement in Magnetic Field Assisted Finishing Processes
JP3350403B2 (ja) 磁力線ビーム加工用研磨材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060718