JP2002028848A - ラップ工具およびその製造方法 - Google Patents

ラップ工具およびその製造方法

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JP2002028848A
JP2002028848A JP2000216292A JP2000216292A JP2002028848A JP 2002028848 A JP2002028848 A JP 2002028848A JP 2000216292 A JP2000216292 A JP 2000216292A JP 2000216292 A JP2000216292 A JP 2000216292A JP 2002028848 A JP2002028848 A JP 2002028848A
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lapping tool
microcapsules
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lapping
workpiece
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Toshiyuki Enomoto
俊之 榎本
Yasuhiro Tani
泰弘 谷
Katsura Eto
桂 江藤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作物に対し、加工時に化学的作用を及ぼす
液状物質を内包したマイクロカプセルをその内部に添加
することによって、その内部より加工点に対して極微少
量の液状物質を確実かつ効果的に供給することができ、
加工能率および加工面品位の向上に好適なラップ工具お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 工作物に対して化学的作用を及ぼす液状
物質(例えば、フッ素系オイル2a)を内包した所定の
大きさのマイクロカプセル2をラップ工具10中に分散
添加する。あるいは、ラップ工具10を形成する金属材
料(金属膜3)やセラミックス材料中に予め所定量のマ
イクロカプセル2を添加し、この材料を用いてラップ工
具10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン、ガラス
などの硬脆材料や、鉄鋼、アルミニウムなどの金属材料
を遊離砥粒研磨加工するためのラップ工具およびその製
造方法に関し、特に加工の高能率化、高品位化に好適な
ラップ工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェーハなどの比較的単純な形
状の工作物を、バッチ方式で大量に加工する場合は、工
具として硬質なラップ工具、あるいは軟質な研磨布を用
いた、遊離砥粒加工法が多方面で用いられてきた。これ
ら砥粒加工においては、砥粒による機械的な除去作用
に、研磨剤やラップ剤スラリー(砥粒を含む加工液)の
溶媒溶液などによる化学的作用を重畳させることによ
り、容易に加工の高能率化や高品位化を実現できること
が知られている。
【0003】しかしながら、前記ラップ剤スラリーが、
極めて高い潤滑性を有する場合、通常の遊離砥粒加工の
ように、工具にスラリーを供給すると、工作物が工具上
を上滑りしてしまい、工作物の除去が行われないという
問題がある。
【0004】こうした問題に対し、本出願人は、工作物
に対し、加工時に化学的作用を及ぼす液状物質を内包し
たマイクロカプセルをその内部に添加することによっ
て、その内部より加工点に対して極微少量の潤滑性を有
する液状物質を確実かつ効果的に供給できる「研磨布お
よびその製造方法」を提案している(特願平11−19
4380号)。この研磨布およびその製造方法によれ
ば、仕上げ加工への適用を目的とした、軟質な工具(研
磨布)を提供することができ、この研磨布を用いること
によって高い加工面品位が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高い加
工能率の要求される粗加工において、前記研磨布を使用
することは極めて困難である。これは、硬質な工具(例
えば、ラップ工具)を用いた場合に比べると、軟質な研
磨布を用いた場合の方が工作物の形状精度が劣化しやす
く、加工能率も一般に低いためである。このように、ラ
ップ工具は高い加工能率の要求される粗加工に適する
が、ラップ工具についても、工作物の加工点に対して極
微少量の潤滑性を有する液状物質を確実かつ効果的に供
給することが望ましい。
【0006】そこで本発明は、工作物に対し、化学的作
用を及ぼす液状物質を内包したマイクロカプセルをその
内部に添加することによって、その内部より加工点に対
し極微少量の潤滑性を有する液状物質を確実かつ効果的
に供給することができ、加工能率および形状精度の向上
に好適なラップ工具およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は、ラップ工具に対する添加物の潤滑性お
よび工作物に対する化学的作用からフッ素系オイルを含
む液状物質に着目し、さらに加工時、その液状物質を加
工点のみに効果的に供給するために、その液状物質を内
包したマイクロカプセルを硬質なラップ工具中に分散添
加することに想い至った。
【0008】請求項1に係る発明は、工作物に化学的作
用を及ぼす液状物質を内包したマイクロカプセルを分散
添加したことに特徴がある。
【0009】前記マイクロカプセルを分散添加したラッ
プ工具が、加工時に工作物や砥粒と接触することによっ
て、マイクロカプセル壁が破壊され、このカプセルに内
包した化学的作用を及ぼす液状物質が放出され、工作物
に対して化学的作用を生じさせる。この結果、工作物の
表面を除去しやすい物質に変化させるとともに、その変
質層を逐次除去することができるため、工作物の加工能
率および加工面品位の向上を図ることができる。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1におい
て、前記液状物質がフッ素系オイルであることに特徴が
ある。
【0011】フッ素系オイルは、フッ素原子の特性に基
づき、極めて潤滑性が高く、優れた潤滑剤として通常用
いられている。一方、このオイルは境界潤滑下において
分解し、金属材料や硬脆材料に対して、化学的作用を生
じる。このような潤滑性の極めて高いフッ素系オイルが
極微少量のみ加工点に供給されるため、工作物はラップ
工具上を上滑りすることなく加工がなされ、同時にフッ
素系オイルが工作物に対し化学的作用を働くため、加工
精度、加工能率の向上、加工面品位の向上を行うことが
できる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1または2
において、前記マイクロカプセルの平均粒径が1〜20
0μmに設定されることに特徴がある。
【0013】前記マイクロカプセルの大きさが平均粒径
1μm未満であると、加工時に破壊困難で含有物質が放
出されにくく、前記平均粒径が200μmを超えると、
ラップ工具成形時といった加工前に破壊し含有物質が放
出されてしまう恐れがある。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれかにおいて、前記マイクロカプセルの添加率が5〜
40vol%であることに特徴がある。
【0015】前記マイクロカプセルの添加率が5vol
%未満であると添加の効果がなく、40vol%を超え
るとラップ工具基体材料の量が少なすぎて、ラップ工具
が著しく脆くなり、工具として用いることができない。
【0016】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれかにおいて、前記ラップ工具の結合材材料が、金属
材料または/およびセラミックス材料からなることに特
徴がある。
【0017】前記ラップ工具の結合材として、例えば鋳
鉄や工具鋼といった金属材料や、ガラスやアルミナとい
ったセラミックス材料を用いることができる。また、工
具の硬度や、切り屑、砥粒と工具との親和性を考慮し、
金属材料とセラミックス材料を混在させることも可能で
ある。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかにおいて、前記ラップ工具の結合材に、高分子材
料を配合、添加したことに特徴がある。
【0019】ラップ工具は研磨布に比べ、硬質であるた
め、高い加工能率や高い形状精度(平坦度)を達成でき
るが、硬質であるがゆえに、砥粒が工具上に保持されに
くく、加工面が砥粒転動面により形成されるため、「ス
クラッチが発生しやすい」などの問題がある。そこで、
基体材料中に、金属材料よりも軟質な高分子材料を配
合、添加することにより、その箇所において砥粒を保持
することができ、スクラッチを低減することが可能とな
る。また、工具自体が弾性を有することによって、加工
機振動などによるスクラッチ発生を抑制することができ
る。
【0020】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれかにおいて、前記マイクロカプセルの壁物質が、化
学的作用により溶解することに特徴がある。
【0021】ラップ工具中のマイクロカプセルは、通
常、加工時に加工圧力や加工熱により、破壊し、芯物質
であるオイルを加工点に放出するが、加工負荷の小さ
な、例えば仕上げ加工時には、カプセルを破壊するだけ
の加工圧力や加工熱を得ることができない。これに対
し、マイクロカプセル壁物質が、アルカリや酸などの化
学的作用により溶解する場合、例えば、加工液のpHを
調整することにより、加工時に、確実にカプセルの芯物
質を加工点に放出することができる。
【0022】請求項8に係る発明は、前記ラップ工具の
製造方法であって、前記液状物質をマイクロカプセルに
内包させる内包工程と、ラップ工具中に前記マイクロカ
プセルを分散添加する添加工程と、ラップ工具を成形す
る成形工程とからなることに特徴がある。
【0023】こうすることにより、工作物に対して化学
的作用と機械的除去作用とを重畳させて、加工の高能率
化および高品位化を図ることができる。
【0024】請求項9記載の発明は、請求項8におい
て、前記成形工程では、電着法によって前記マイクロカ
プセルを分散添加した工具を成形することに特徴があ
る。
【0025】こうした方法を用いることにより、ラップ
工具成形法として焼結法を用いた場合に比べ、電着法で
は、その成形圧力や成形熱により、容易に破壊してしま
うようなマイクロカプセルについても、工具内に添加す
ることが可能となる。
【0026】請求項10記載の発明は、請求項8におい
て、前記内包工程が、界面重合法、in situ重合
法、コアセルベーション法、液中硬化被覆法、液中乾燥
法のいずれかによる工程からなることに特徴がある。
【0027】こうすることにより、液状物質をマイクロ
カプセルに確実に内包させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を用いて説明する。
【0029】本実施形態のラップ工具は、所定粒径のマ
イクロカプセルを作製する内包工程と、このマイクロカ
プセルを所定の割合で添加する添加工程と、ラップ工具
を成形する成形工程と、によって製造される。
【0030】前記内包工程では、パーフルオロポリエー
テル(以下、PFPEと略称する)などのフッ素系オイ
ルからなる液状物質をマイクロカプセルに内包する。
【0031】この際、カプセル化条件、例えば、界面重
合法やin situ重合法であれば、オイルのエマル
ション化における溶液の攪拌速度を調整することで、1
〜200μmの所定の大きさのマイクロカプセルを作製
する。
【0032】また、カプセル壁物質については、例えば
in situ重合法であれば、芯物質の外相より適当
なモノマ重合触媒を供給し、芯物質の表層で壁を形成、
重合することで、メラミン樹脂などの材質からなる壁材
を形成する。メラミン樹脂などからなるカプセル壁は、
アルカリや酸などの化学的作用によって溶解するので、
加工液のpHを調整することにより、加工時にカプセル
壁を確実に溶解して、前記芯物質を加工点に放出させ
る。なお、内包工程としては、コアセルベーション法、
液中硬化被覆法、液中乾燥法のいずれかによる工程を用
いてもよい。この内包工程で平均粒径2μmのマイクロ
カプセルを作製した。
【0033】こうして内包工程が終了すると、添加工程
に進み、この添加工程において、前述のマイクロカプセ
ルをラップ工具に添加する。
【0034】ここで、ラップ工具の結合材材料として
は、金属(鋳鉄、工具鋼など)やセラミックス(ガラ
ス、アルミナなど)、あるいはこれらを混在させたもの
を用いることができるが、ラップ工具成形時の温度や圧
力によっては、マイクロカプセルが破壊される恐れがあ
るため、本実施形態では、電着法を採用することによっ
て、マイクロカプセルをラップ工具中に破壊することな
く添加するものである。例えば、マイクロカプセルをメ
ッキ液(電解液)中で混合、攪拌し、得られた混合液に
より電気メッキを行うことにより、金属を結合材材料と
したラップ工具が得られる。
【0035】図1に、電着法(電気メッキ法)を用いた
ラップ工具の製造方法を示す。図1において、電解液7
は、前記マイクロカプセルをメッキ液中で混合、攪拌し
た混合液であり、予め電解槽5に所定量、満たしてお
く。この電解槽5中には、陽極6と陰極4とを対向配置
する。この陰極4は、ラップ工具を形成する導電性の金
属基体であり、前記陽極/陰極間に所定の電圧を印加し
て電解することにより、基体(陰極)4上に前記マイク
ロカプセルを含む金属膜3が形成される。前記電解液7
には、帯電した前記マイクロカプセルが分散されている
ので、電着法で成膜された金属膜3中には前記マイクロ
カプセルが分散添加されることとなる。なお、本実施形
態に限らず、焼結法を用いてもよい。この場合、焼結の
圧力や熱によって破壊されないように、マイクロカプセ
ルの壁圧や壁材を選択する。
【0036】次いで、成形工程に進み、電着法によって
金属膜3が形成された基体4を成形して所望のラップ工
具を得る。図2には、ラップ工具10を形成する金属膜
3中に、フッ素系オイル2aを内包したマイクロカプセ
ル2が分散添加された場合を示す。
【0037】こうして製作したラップ工具10(PFP
Eオイル内包のマクロカプセルを添加したもの)に、砥
粒を含む加工液を供給しながらシリコンウェーハを加工
した結果、従来のラップ工具と異なり、加工焼けを生じ
ることなく、高能率に、ラッピングを行うことができ
た。一方、従来のラップ工具を用い、PFPEオイルを
ラップ工具上に滴下した場合、オイルの潤滑性が高すぎ
て、工作物が工具上を上滑りしてしまい、加工を行うこ
とが全くできなかった。
【0038】図3に、ラップ工具10を用いてラッピン
グを行うための研磨装置30を示す。この研磨装置30
の基台22上には、工作物Wを装着して昇降(C方
向)、回転(B方向)するためのコラム11と、円環状
のラップ工具10を装着して回転(A方向)するための
回転テーブル21とが設置されている。コラム11にお
いて、加圧サーボモータ12は、送りネジ13を軸周り
に回転させ、この送りネジ13上の送りナット14を上
下方向に移動させるものである。前記送りナット14に
は、主軸モータ15および主軸ヘッド23を支持する支
持スライダ17が取り付けられており、さらに、主軸ヘ
ッド23には工作物Wが装着されている。一方、回転テ
ーブル21は、図示しない駆動モータの駆動で自身の中
心軸周り(A方向)に回転するように構成されている。
また、図示しない加工液供給装置のタンクには、砥粒を
含む加工液が収容されており、回転テーブル21上のラ
ップ工具10に対して、前記タンクからノズルなどで前
記加工液を所定量、供給するように構成されている。
【0039】前記回転テーブル21を回転し、主軸モー
タ15によって工作物Wを回転させた状態で、加圧サー
ボモータ12によって送りネジ13を回転させて支持ス
ライダ17を下降させることにより、切り込み量が与え
られる。こうして、工作物Wはラップ工具10と圧接
し、工作物Wの下面が加工液中の砥粒の転動面によって
研磨加工される。なお、ラップ工具10の形状は、本実
施形態に限らず、研磨装置の型式や加圧方式あるいは工
作物の形状や研磨部位に応じ、例えば角型などに適宜変
更してよい。
【0040】このように本実施形態では、工作物に対し
て化学的作用を及ぼすフッ素系オイル2aからなる液状
物質を内包したマイクロカプセル2をラップ工具中に分
散添加したため、加工時に工作物Wとラップ工具10と
の接触などによって、マイクロカプセル壁を破壊させ、
このカプセル10に内包したフッ素系オイル2aを放出
させ、工作物Wに対して化学的作用を生じさせることが
できる。
【0041】この結果、工作物Wの表面を除去しやすい
物質に変化などさせるとともに、その変質層を逐次除去
することができるため、工作物Wの加工能率および加工
面品位の向上を図ることができる。特に、フッ素系オイ
ル2aはフッ素原子の特性に基づいて金属材料やシリコ
ンなどの硬脆材料に対して化学的作用を生じるので、工
作物Wの加工能率、加工精度および加工面品位を確実に
向上させることができる。
【0042】さらに、ラップ工具10の内部に添加され
たカプセル内からフッ素系オイル2aを加工点に供給し
ているため、一般的なラップ工具のように外部から加工
点に供給する方法に比べ、より効果的に加工点に液状物
質を供給することができ、液状物質による化学的除去効
果を著しく向上させることができるとともに、外部から
の加工液供給も従来技術に比べて極微少量に抑えること
ができる。
【0043】また、マイクロカプセル2の平均粒径を1
〜200μmに設定したため、工作物Wの加工時に液状
物質を放出させやすくすることができるとともに、ラッ
プ工具10の成形時にマイクロカプセル2が不用意に破
壊して、内包した液状物質が放出されてしまうのを確実
に防止することができる。なお、マイクロカプセル2の
平均粒径が1μm未満であると、工作物Wの加工時にマ
イクロカプセル壁が破壊されがたく液状物質を放出しが
たいとともに、マイクロカプセル2の平均粒径が201
μm以上であると、ラップ工具10の成形時にマイクロ
カプセル2が不用意に破壊してしまい、内包した液状物
質が放出されてしまうことがあるため、好ましくない。
【0044】また、マイクロカプセル2の添加率を5〜
40vol%の間にしたため、工作物Wに対して効果的
に化学的作用を生じさせることができる。なお、マイク
ロカプセル2の添加率が5vol%未満であると、工作
物Wに対して効果的に化学的作用を生じさせることがで
きないとともに、マイクロカプセル2の添加率が41v
ol%以上であると、ラップ工具10を主に形成する金
属やセラミックスの量が不足して、ラップ工具10が著
しく脆くなるため、好ましくない。
【0045】さらに、本実施形態に限らず、ラップ工具
10の結合材に金属材料よりも軟質な高分子材料を配
合、添加してもよい。この場合、図4に示すように、硬
質ウレタン樹脂などの高分子材料からなる基材(基体)
4a上に金属薄膜8を蒸着形成し、この金属薄膜8上
に、前述のようにマイクロカプセル2を分散添加した金
属膜3を電着法によって形成してもよい。あるいは、詳
細に図示しないが、前述のメッキ液中にウレタン樹脂な
どの高分子材料を混合、攪拌して、得られた混合液を用
い、図2に示した基体4に電気メッキを施し、前記高分
子材料およびマイクロカプセルを含む金属膜を基体4上
に形成してもよい。
【0046】このようにラップ工具10の結合材(前記
基材4aまたは基体4上の金属膜3)に高分子材料を配
合、添加すると、工具自体に弾性を生じて加工機振動を
吸収するとともに、加工液に含まれる砥粒を容易に保持
することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工作物に対し、加工時に化学的作用を及ぼす液状物質を
内包したマイクロカプセルをその内部に添加することに
よって、その内部より加工点に対して極微少量の液状物
質を確実かつ効果的に供給することができ、加工能率お
よび加工面品位の向上に好適なラップ工具およびその製
造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電着法によるラッ
プ工具の製造方法を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のラップ工具の断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のラップ工具を用い
た研磨装置の概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のラップ工具の断面
図である。
【符号の説明】
2 マイクロカプセル 2a フッ素系オイル 3 金属膜 4 陰極(基体) 4a 基材(基体) 5 電解槽 6 陽極 7 電解液(メッキ液) 10 ラップ工具
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:00 C10N 40:00 Z 40:22 40:22 (72)発明者 榎本 俊之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷 泰弘 東京都世田谷区宮坂3丁目47番12号 (72)発明者 江藤 桂 東京都中野区大和町4丁目46番5号 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 AC04 DA02 4H104 CD04A EA08A PA22 QA27 RA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工作物に化学的作用を及ぼす液状物質を内
    包したマイクロカプセルを分散添加したことを特徴とす
    るラップ工具。
  2. 【請求項2】前記液状物質がフッ素系オイルであること
    を特徴とする請求項1に記載のラップ工具。
  3. 【請求項3】前記マイクロカプセルの平均粒径が1〜2
    00μmに設定されることを特徴とする請求項1または
    2に記載のラップ工具。
  4. 【請求項4】前記マイクロカプセルの添加率が5〜40
    vol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のラップ工具。
  5. 【請求項5】前記ラップ工具の結合材材料が、金属材料
    または/およびセラミックス材料からなることを特徴と
    する請求項1〜4記載のいずれかに記載のラップ工具。
  6. 【請求項6】前記ラップ工具の結合材に、高分子材料を
    配合、添加したことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のラップ工具。
  7. 【請求項7】前記マイクロカプセルの壁物質が、化学的
    作用により溶解することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のラップ工具。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のラップ工具の製造方法で
    あって、前記液状物質をマイクロカプセルに内包させる
    内包工程と、ラップ工具中に前記マイクロカプセルを分
    散添加する添加工程と、ラップ工具を成形する成形工程
    とからなることを特徴とするラップ工具の製造方法。
  9. 【請求項9】前記成形工程では、電着法によって前記マ
    イクロカプセルを分散添加した工具を成形することを特
    徴とする請求項8に記載のラップ工具の製造方法。
  10. 【請求項10】前記内包工程が、界面重合法、in s
    itu重合法、コアセルベーション法、液中硬化被覆
    法、液中乾燥法のいずれかによる工程からなることを特
    徴とする請求項8に記載のラップ工具の製造方法。
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