JP2002025478A - 平板型表示装置 - Google Patents

平板型表示装置

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JP2002025478A
JP2002025478A JP2000208243A JP2000208243A JP2002025478A JP 2002025478 A JP2002025478 A JP 2002025478A JP 2000208243 A JP2000208243 A JP 2000208243A JP 2000208243 A JP2000208243 A JP 2000208243A JP 2002025478 A JP2002025478 A JP 2002025478A
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control electrode
anode
voltage
vkon
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Tomio Yaguchi
富雄 矢口
Susumu Sasaki
進 佐々木
Makoto Okai
誠 岡井
Yasuhiko Muneyoshi
恭彦 宗吉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電圧制御のもとで均一の電子放出特性が得ら
れる高効率の平板型表示装置を提供すること。 【解決手段】低電界により電子放出する材料を用いたラ
イン状の陰極と、陰極から放出される電子によって発光
する蛍光体を備えた陽極と、ライン状陰極と直交しかつ
ライン状陰極に近接して配置されるライン状の制御電極
であって、陰極と陽極の間に印加される電子放出のため
の電界を遮断する制御電極とを備える。必要に応じて、
制御電極表面を電子放出が生じにくい材料により被覆す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的低い電界で
電子放出を生じる陰極材料、特に炭素ナノチューブ、微
細炭素ファイバ、ダイヤモンド等の炭素系材料又は窒化
硼素系材料を陰極に用いた平板型画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の金属を用いた電界放射型電子源と
比較して極めて低い電界で十分な電子放出が得られる電
子源材料として、ダイヤモンドや炭素ナノチューブ等の
炭素系材料が見出されており、この電子源材料を用いた
平板型表示装置が提案されている。特開平11−265
653号公報に開示されている従来例は、複数の縞状の
炭素膜陰極ラインと、これと垂直方向の縞状となるよう
に対向させた蛍光体を備える陽極ラインから構成されて
おり、それぞれの電極から一部を選択することによりそ
の交点において電子を放出させて陽極上の蛍光体を発光
させることにより画像を表示する。このため、蛍光体を
発光させるのに必要な数百V〜数kVの高い陽極電圧が
表示に応じて切り換えられる。
【0003】また、特開平10−149760号公報に
よって開示されている別の例では、炭素ナノチューブを
用いた縞状陰極に近接した位置に陰極とは垂直方向とな
る縞状の引出し電極を形成し、該引出し電極と陰極のそ
れぞれから一部を選択して電圧を印加することにより、
選択された引出し電極と陰極の間の電界により電子が放
出され、この電子の注入によって陽極上の面状の蛍光体
が発光し、画像が表示される。陽極には高電圧が掛かる
が、表示のための電圧切り替えは、引出し電極に掛ける
電圧によって行なわれる。引出し電極が陰極に近い位置
に設置されるので、引出し電極の電圧は低く、表示のた
めの電圧切り替えが低い電圧で行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子源に炭素ナノチュ
ーブ、微細炭素ファイバ、ダイヤモンド等の炭素系材料
又は窒化硼素を用いることにより、鋭利な突起を形成す
ることなく比較的低い電界で電子線を発生させることが
可能になり、容易に平板型表示装置を得ることができ
る。
【0005】しかしながら、特開平11−265653
に示された構造では、高電圧を切り換えるための駆動回
路が複雑になることが避けられない。一方、特開平10
−149760に示されている引出し電極と陰極の間の
電界により電子放出を生じさせる方法では、上記のよう
に、低い電位差で電子放出を生じさせるに必要な電界を
得る駆動方式が採用されているが、引出し電極と陰極の
間の距離が小さいことから、この距離の揺らぎが電子放
出特性のばらつきに大きな影響を与えるという不都合が
避けられない。特に、印刷法により炭素ナノチューブ等
の粉末を用いた陰極を形成する場合には、数μmから十
μm程度の表面凹凸は避けられない。また、気相成長法
を用いた場合においても、膜厚に対する制御性が良くな
いため、やはり数μm程度の表面凹凸は避けられない。
数十Vの電位差により電子放出を生じさせようとする
と、制御電極と陰極の間の距離は数十μmとなり、その
ため、数V/μm程度の電界により電子放出が生じる炭
素ナノチューブを用いた場合においても、印刷法により
生じる数μmから十μm程度の凹凸は無視できないもの
となり、これが表示画面の場所により電子放出特性が異
なる要因となる可能性が高い。また、陰極から制御電極
に向かう電界により電子放出を生じさせるため、陰極か
ら放出された電子の一部が制御電極に入射してしまい、
必要な発光強度を得るに必要な消費電力が高くなるとい
う別の問題もあった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来技術の持つ課
題を解決し、低電圧制御のもとで均一の電子放出特性が
得られる高効率の平板型表示装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の平板型表示装置は、基板面に膜状に形成した
陰極ラインと、当該陰極ライン上に膜状に形成した電子
を放出する陰極と、当該陰極から放出される電子によっ
て発光する蛍光体を備えた陽極と、陰極ラインと直角の
方向に形成されかつ陰極に近接して配置されるライン状
の制御電極であって、陰極と陽極の間に印加される電子
放出のための電界を遮断する制御電極とを有しており、
陽極の電圧をVa、蛍光体を発光させるときの陰極の電
圧及び制御電極の電圧をそれぞれVkon,Vcon、陰極−
陽極間距離及び制御電圧−陽極間距離をそれぞれDak,
Dacとした場合に、(Vcon−Vkon)の値が(Va−Vk
on)×(Dak−Dac)/Dakの値に対して±20%の範
囲にあることを特徴とする。
【0008】発光時に陰極から放出される電子が制御電
極によって妨げられないように、制御電極と陰極の間の
電位差が陽極と制御電極の間に形成される電界に制御電
極と陰極の間の距離を乗じて得る電位差と20%以内で
ほぼ等しくなる電圧が制御電極に印加される。一方、無
発光時には、陰極と制御電極の間に形成される電界が発
光に達しない電界となるように、陰極と制御電極に所定
の電圧が印加される。制御電極が陰極に近接して配置さ
れるので、陰極と制御電極との間の電位差は発光、無発
光時とも低く、発光、無発光の制御が陰極と制御電極に
与えられる低い電圧で行なわれる。また、陰極には、ダ
イヤモンド、炭素ナノチューブ、微細炭素ファイバ、ダ
イヤモンドライク炭素等の炭素系材料又は窒化硼素系材
料等の低電圧で電子を放出する材料が用いられる。
【0009】さて、上に述べたように、発光は、陰極と
陽極の間に形成される電界によって生じる。このとき、
構造上、陰極と陽極の間の距離は数百μm前後になるの
で、陰極の表面の凹凸は、この距離に対して影響する。
従来は、陰極−引出し電極間の数十μmの距離に対して
影響していたので、本発明の表示装置の電子放出特性
は、電界を決定するための距離が増大することによって
大幅に均一化されることとなる。
【0010】ところで、制御電極の上記作用は、制御電
極と陰極を同一平面上に形成する、言い換えると、面状
の陽極面に平行でかつ平坦な切断面に対して陰極と制御
電極とに接触する切断面があるように陰極と制御電極と
を配置することにって同様に得ることことができる。こ
の構造により、電子放出時に電子軌道に与える制御電極
の影響即ち電子線の発散を少なくすることができ、本発
明の効果を更に高め、一層高効率とすることができる。
【0011】なお、制御電極表面には陰極表面と同程度
の電界が印加されるので、制御電極の状態によっては、
制御電極表面から異常電子放出が生じる場合がある。こ
れを防止するには、制御電極表面に電子放出が生じにく
い材料による被覆膜を形成することが効果的であり、そ
の他、電子放出が生じやすいと思われる部位を絶縁材料
により覆うことが効果的である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る平板型表示装
置を図面に示した実施例による発明の実施の形態を参照
して更に詳細に説明する。なお、図1,2及び図4〜6
における同一の記号は、同一物又は類似物を表示するも
のとする。
【0013】
【実施例】<実施例1>陰極に炭素ナノチューブ粉末を
用いた平面型表示装置の実施例を図1aの構造図及び図
1bの断面図に示す。本実施例では、ガラス基板2に銀
ペーストを印刷して幅50μmの膜状の陰極ライン3を
形成した。この陰極ライン3上の、電子放出を生じさせ
る領域に0.5μm以下の大きさに粉砕した炭素ナノチ
ューブを重量比で約10%含むペーストを印刷して膜状
の陰極4とした。陰極ライン3上の炭素ナノチューブを
印刷していない領域上に、陰極ライン3に直交するリブ
5となる絶縁材料を印刷し、続いて印刷した絶縁材料を
焼成して、高さ50μm、幅80μmのリブ5を形成し
た。形成したリブ5上に、陰極ライン3と同じ銀ペース
トを用いて導電層を形成し、それを制御電極ラインを兼
ねるライン状の制御電極7とした。
【0014】この際、一本のリブ5の上面には、20μ
mの間隔を置いて2本の制御電極7を形成し、リブ5の
両側の陰極4からの放出電子即ち電子線をそれぞれの側
にある制御電極7によって制御できるようにした。な
お、本明細書では、陰極4と制御電極7の組み合わせを
電子線源と称することとする。
【0015】一本のリブ5上の2本の制御電極7の間に
断面が20μm角のガラス棒を埋め込んで絶縁隔壁8を
形成し、電子線源パネル1とした。
【0016】次いで、リブ5上の一部に、50μm×5
0μmの十字状の断面を持つ高さ450μmのスペーサ
9を立てた。一方、蛍光面パネルガラス基板11に蛍光
膜12及び陽極13としてアルミニウム層を形成した蛍
光面パネル10を形成しておき、スペーサ9の上にこの
蛍光面パネル10を固定して図2に示す表示パネルを作
製した。最後に、排気管16を通して表示パネルの内部
を1μPaまで排気した後に封じ切り、続いてゲッタ1
7を加熱して背面パネル18の内壁に飛散させた。
【0017】さて、本実施例の陰極4は、上記から明ら
かのように、表面が平坦なガラス基板2上に形成した膜
状の陰極ライン3上に膜状に形成したものであるから、
鋭利な突起を一切有していない。このような構造が可能
になるのは、陰極4が低い電界で電子線を発生すること
が可能であるためであり、これによって薄い平板状の表
示装置を実現することができる。
【0018】次に、作製した蛍光面パネルの動作を説明
する。本蛍光面パネルでは、発光させる即ち輝点を生じ
させるための陰極4表面の電界は4V/μmである。選
択された陰極ライン3の陰極4と陽極13の間隔Dakが
500μmであるので、陰極電圧Vkonを0Vとして、
陽極13には2kVの陽極電圧Vaが印加される。この
とき、選択された制御電極ライン即ち制御電極7によっ
て陰極4表面の電界が変化しないように、制御電極7表
面の電界も4V/μmに設定される。制御電極7と陽極
13の間隔Dacが450μmであるので、制御電極7に
は200Vの制御電極電圧Vconが印加される。このと
き、制御電極電圧Vconと陰極電圧Vkonの差による電位
差は、陽極と制御電極の間に形成される電界に制御電極
と陰極の間の距離を乗じて得る電位差と等しくなる。
【0019】これを数式で表すと、(Vcon−Vkon)=
(Va−Vkon)×(Dak−Dac)/Dakとなる。なお、
(Vcon−Vkon)の値は、本発明の効果を得るために
(Va−Vkon)×(Dak−Dac)/Dakの値に対して±
20%の範囲にあることが許容される。
【0020】一方、本蛍光面パネルでは、無発光である
ための陰極4表面の電界は2V/μm以下であることが
認められた。陰極4と制御電極7の間隔をDkcとし、無
発光にするための陰極4及び制御電極7の電圧をそれぞ
れVkoff,Vcoffとすると、陰極ライン3と制御電極7
が共に非選択の交点の状態D、陰極ライン3が非選択で
制御電極7が選択される交点の状態C、陰極ライン3が
選択され制御電極7が非選択の交点の状態B、のいずれ
の状態でも、陰極4と制御電極7の間の電位差によって
形成される電界が2V/μm以下となるように、言い換
えると、(Vcoff−Vkoff)/Dkc,(Vcon−Vkof
f)/Dkc,(Vcoff−Vkon)/Dkcがいずれも2V/
μm以下となるように、Vkoff,Vcoffが設定される。
そのような設定の一例は、Vkoff=Vcoff=100Vで
ある。これは、VkoffとVcoffのそれぞれがVconとVk
onの平均値であることを表しているこのように設定した
場合の上記の状態B,C,Dと、陰極ライン3と制御電
極7が共に選択で輝点が生じる交点の状態Aを図3に示
す。
【0021】以上の設定により、蛍光面パネル10上の
任意の位置の画素を点灯させることができる。従って、
制御電極7即ち制御電極ラインにおいては、順次走査に
よりラインを1本ずつ選択し、選択したラインにはVco
nの電圧を、その他の制御電極ラインにはVcoffの電圧
を印加し、陰極ライン3には選択した制御ライン上の画
像データに応じ、輝点を生じさせたい場合にはVkonの
電圧を、輝点を生じさせたくない場合にはVkoffの電圧
を印加することにより画像を表示することができる。
【0022】以上の作製した表示パネルにおいて、各画
素に対応する電子線源からの電子放出強度のずれは3%
程度にすることができ、発光強度が均一でばらつきの少
ない画像表示を実現することができた。また、画像表示
の際の画素の蛍光体上の表示領域を電子放出が生じてい
る陰極表面領域と比較したところ、その差は10μm程
度であり、陰極から陽極に向かう電子線の広がりも小さ
いことが確認された。このことから、陰極から制御電極
へ入射される電子が極めて少なく、無駄な電力消費がな
い高効率の平板型表示装置を実現することができた。
【0023】なお、本実施例では、陰極材料として炭素
ナノチューブを採用したが、本発明はこれに限らず、ダ
イヤモンド、微細炭素ファイバ、ダイヤモンドライク炭
素、窒化硼素及び炭素含有窒化硼素等の低電界により電
子放出が得られる他の電子材料を用いることが可能であ
り、同様の効果を得ることができる。
【0024】<実施例2>制御電極7の形成に際して、
その表面の凹凸が大きくなる等の場合に、表示画面の全
面を電子線を生じさせない設定にしたにも拘らず、一部
の画素において僅かな異常発光が認められる場合があっ
た。正常な場合、非発光時には制御電極ラインには電流
が流れないが、この場合には数nAから数十nAの電流
が流れており、制御電極7から電子放出(グリッドエミ
ッション)が生じていることが認められた。
【0025】このような場合に、制御電極7を電子放出
が起こりにくい材料、例えば金で覆うことが効果的であ
る。制御電極表面全体に図4の断面図に示すように、金
メッキにより電子放出抑制層14を形成してパネルを作
製した。その結果、上記の異常発光は認められず、安定
であった。
【0026】金メッキの代わりにクロムメッキを用いて
も同様の効果が得られた。更に、金属メッキ層の変わり
に酸化チタン〔TiOx(0<x<1)〕や酸化ジルコニ
ウム〔ZrOx(0<x<1)〕等の導電性酸化物を電子
放出抑制層14として形成した場合にも本効果は認めら
れた。
【0027】本実施例によるパネルでは、陰極材料とし
て炭素ナノチューブの代わりに、ダイヤモンド粉末や窒
化硼素粉末を含むペーストを用いた場合においても同様
の効果を得ることができた。同様の効果は、数V/μm
の電界強度により必要な電子線強度が得られる他の陰極
材料を用いた場合にも得られることは明らかである。
【0028】<実施例3>制御電極−陽極間距離Dacと
陰極−陽極間距離Dakを同じにした場合即ち制御電極と
陰極を同じ高さにした場合、言い換えると面状の陽極面
に平行でかつ平坦な切断面に対して陰極と制御電極とに
接触する切断面があるように陰極と制御電極とを配置し
た電子線源構造を持つ実施例を図5及び図6に示す。
【0029】本実施例においては、まず、電子線源パネ
ルガラス基板2上に、蒸着・レジスト塗布・マスク露光
・現像・エッチング・レジスト除去からなるフォトプロ
セスにより、ニッケル金属膜を幅100μmピッチ15
0μmの縞状に形成し、陰極ライン3とした。その上に
絶縁層15として、酸化シリコン膜を20μm形成し
た。
【0030】制御電極ラインを兼ねる制御電極7となる
部分には、蒸着によりニッケル金属膜を形成し、その上
に電気メッキにより金の電子放出抑制層14を形成し
た。このとき、陰極ライン3と交差した制御電極7の領
域にはフォトプロセスにより、直径約16μmの円状の
電子放出抑制層14のない領域を30μm間隔で形成し
た。この領域に対して、酸を用いたエッチングにより制
御電極7のうちニッケル金属膜のみの領域を除去し、そ
の中心に10μmの直径を持つ陰極ライン3までの貫通
孔19を形成した。
【0031】露出した貫通孔内の陰極ライン3に対し電
気メッキによりさらに厚さ10μmのニッケル積層層2
0を形成し、その上には化学的気相成長(CVD)法に
より微細炭素ファイバ層21を、制御電極7と同じ高さ
となるように成長させた。これにより、選択した制御電
極7及び陰極ライン3の交点となる電子線源において電
子放出を生じさせることが可能な電子線源パネル1を作
成することができた。なお、本実施例では、ニッケル積
層層20及び微細炭素ファイバ層21が陰極となり、微
細炭素ファイバ層21が電子を放出する部分となる。
【0032】また、本実施例では、制御電極7と陰極3
の間隔が3μmと狭くなるため、電子線を遮断するよう
な電極電圧を印加した際に制御電極から陰極に向かう異
常電子放出が発生するおそれがある。これを防止するた
め、両電極間に図6に示すように高さ2μmの酸化シリ
コンを用いた絶縁障壁22を設けた。
【0033】この電子線源パネル1において、隣接する
制御電極7間に石英ガラスによる高さ500μmのスペ
ーサ9を兼ねた絶縁隔壁8を立て、その上に、ガラス基
板11、蛍光膜12及び陽極13からなる蛍光面パネル
10を固定し、実施例1の場合と同様に内部を真空排気
した。この構造により、炭素ファイバ層21と制御電極
7とは、陽極13に対して同じ高さに保たれ、面状の陽
極面に平行でかつ平坦な切断面に対して陰極と制御電極
とに接触する切断面が得られる。
【0034】以上のようにして作製したパネルに対し
て、蛍光面パネル10上の陽極には1.5kVの電圧を
加えて、輝点を生じさせたいセルの電子線源の陰極表面
には3V/μmの電界が印加されるようにした。また、
制御電極電圧のVconとVcoffとしてそれぞれ0Vと−
15V、陰極電圧のVkonとVkoffとしてそれぞれ0V
と+15Vを設定して、図7に示したような状態の駆動
信号を入力して駆動した。
【0035】本実施例においても、(Vcon−Vkon)の
値は、本発明の効果を得るために(Va−Vkon)×(D
ak−Dac)/Dakの値に対して±20%の範囲にあるこ
とが許容される。また、VkoffとVcoffの平均値がVco
nとVkonの平均値となる。
【0036】表示パネル内の各電子線源は、図7に示し
たA,B,C,Dのいずれかの状態になっており、Aの
状態になった場合のみ電子線を放出する。この図に従っ
た駆動信号を入力したところ、画像を表示させるに必要
な電子線のオン/オフを実施することができた。
【0037】オンのときの電子線軌道によって蛍光面パ
ネル10に達した電子線のビーム径を計算すると、電子
線を生じさせた際には12μm程度となり電子線はほと
んど発散しないことが確認され、電子放出時に電子軌道
に与える制御電極の影響を著しく低く抑えることができ
た。
【0038】更に、陰極電極の表面の影響は、電界を決
定する陰極−陽極間距離が500μmと大であるため、
各画素に対応する電子線源からの電子放出強度のずれを
実施例1の場合と同様、3%程度にすることができ、発
光強度のばらつきの少ない画像表示を実現することがで
きた。
【0039】なお、本実施例においても、陰極材料は微
細炭素ファイバに限ることなく、炭素ナノチューブ、ダ
イヤモンドライク炭素、窒化硼素又は炭素含有窒化硼素
等の低電界により電子放出が得られる他の電子材料を用
いることが可能であり、同様の効果を得ることができ
る。
【0040】
【発明の効果】本実施例によれば、炭素ナノチューブ等
の数V/μmの低電界により鋭利な突起を形成すること
なく必要な電子線強度が得られる陰極材料を用いると共
に、陽極−陰極間の電界により放出される電子線を制御
電極に印加する電圧により遮断する駆動方法を用いるこ
とにより、高画質高効率であり、かつ、容易な制御性を
備えた平面型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平板型表示装置の第1の実施例を
説明するための構造図及び部分断面図。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための断面
図。
【図3】本発明の第1の実施例の駆動方式を説明するた
めの図。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するための断面
図。
【図5】本発明の第3の実施例を説明するための構造
図。
【図6】本発明の第3の実施例を説明するための断面
図。
【図7】本発明の第3の実施例の駆動方式を説明するた
めの図。
【符号の説明】
1…電子線源パネル、2,11…ガラス基板、3…陰極
ライン、4…陰極、5…リブ、7…制御電極ラインを兼
ねる制御電極、8…絶縁隔壁、9…スペーサ、10…蛍
光面パネル、12…蛍光膜、13…陽極、14…電子放
出抑制層、15…絶縁層、19…貫通孔、20…ニッケ
ル積層層、21…微細炭素ファイバ層、22…絶縁障
壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡井 誠 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 (72)発明者 宗吉 恭彦 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 Fターム(参考) 5C036 EE02 EE14 EF01 EF06 EF09 EG12 EG15 EG24 EH23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面に膜状に形成した陰極ラインと、
    当該陰極ライン上に膜状に形成した電子を放出する陰極
    と、当該陰極から放出される電子によって発光する蛍光
    体を備えた陽極と、陰極ラインと直角の方向に形成され
    かつ陰極に近接して配置されるライン状の制御電極であ
    って、陰極と陽極の間に印加される電子放出のための電
    界を遮断する制御電極とを有しており、陽極の電圧をV
    a、蛍光体を発光させるときの陰極の電圧及び制御電極
    の電圧をそれぞれVkon,Vcon、陰極−陽極間距離及び
    制御電圧−陽極間距離をそれぞれDak,Dacとした場合
    に、(Vcon−Vkon)の値が(Va−Vkon)×(Dak−
    Dac)/Dakの値に対して±20%の範囲にあることを
    特徴とする平板型表示装置。
  2. 【請求項2】 基板面に膜状に形成した陰極ラインと、
    当該陰極ライン上に膜状に形成した電子を放出する陰極
    と、当該陰極から放出される電子によって発光する蛍光
    体を備えた面状の陽極と、陰極ラインと直角の方向に形
    成されるライン状の制御電極であって、陰極と陽極の間
    に印加される電子放出のための電界を遮断する制御電極
    とを有し、更に陽極面に平行でかつ平坦な切断面に対し
    て陰極と制御電極とに接触する切断面があるように陰極
    と制御電極とが配置されており、陽極の電圧をVa、蛍
    光体を発光させるときの陰極の電圧及び制御電極の電圧
    をそれぞれVkon,Vcon、陰極−陽極間距離及び制御電
    圧−陽極間距離をそれぞれDak,Dacとした場合に、
    (Vcon−Vkon)の値が(Va−Vkon)×(Dak−Da
    c)/Dakの値に対して±20%の範囲にあることを特
    徴とする平板型表示装置。
  3. 【請求項3】 DacがDakよりも小さく、更に、蛍光体
    を発光させないときの陰極の電圧及び制御電極の電圧を
    それぞれVkoff,Vcoffとした場合に、VkoffとVcoff
    のそれぞれがVconとVkonの平均値であることを特徴と
    する請求項1に記載の平板型表示装置。
  4. 【請求項4】 蛍光体を発光させないときの陰極の電圧
    及び制御電極をそれぞれVkoff,Vcoffとした場合に、
    VkoffとVcoffの平均値がVconとVkonの平均値である
    ことを特徴とする請求項2に記載の平板型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記陰極の電子を放出する部分を構成す
    る材料の主成分が炭素ナノチューブ、微細炭素ファイ
    バ、ダイヤモンド、ダイヤモンドライク炭素、窒化硼素
    及び炭素含有窒化硼素からなる群から選択された電子放
    出材料であることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれか一に記載の平板型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記制御電極の表面の少なくとも一部
    が、金、クロム、導電性酸化物からなる群から選択され
    た電子放出抑制材料を含む層によって覆われていること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の
    平板型表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7259511B2 (en) 2003-02-26 2007-08-21 Hitachi Displays, Ltd. Flat panel display device with surfaces of cathodes and control electrodes lying in the same flat plane

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