JP2002025207A - ディスクドライブ装置 - Google Patents

ディスクドライブ装置

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JP2002025207A
JP2002025207A JP2000215885A JP2000215885A JP2002025207A JP 2002025207 A JP2002025207 A JP 2002025207A JP 2000215885 A JP2000215885 A JP 2000215885A JP 2000215885 A JP2000215885 A JP 2000215885A JP 2002025207 A JP2002025207 A JP 2002025207A
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JP
Japan
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magnet
disk medium
coil
suspension arm
head
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Application number
JP2000215885A
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English (en)
Inventor
Seiichi Mizuno
征一 水野
Toshiyasu Sawano
俊康 沢野
Takashi Shiono
孝芝 塩野
Takashi Fujisawa
隆 藤沢
Tetsuo Yuki
哲生 湯木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ごく簡素な機構で、高温環境下での
アクチュエータの起動不良及び位置制御を失ったアクチ
ュエータの暴走によるディスク及びヘッドの損傷を防止
し、小型ディスク装置の高信頼性に適したアクチュエー
タのストッパ機構を備えたディスクドライブ装置を提供
することである。 【解決手段】上記目的を達成するため、アクチュエ−タ
のストッパ機構の緩衝材とコイルホルダの係合部の互い
に当接する表面に凹凸を設け又は高温の炉内で加熱放置
を施された緩衝材で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスクドライブ装
置のアクチュエータに係り、特に、高い衝撃を伴う取り
扱いや、高温環境下でのディスクドライブ装置の耐衝撃
性の向上、高信頼性の確保に好適なアクチュエータのス
トッパ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】データ記憶装置としてディスクドライブ
装置が広く用いられており、従来からロード/アンロー
ド(以下、L/ULと略す。)と呼ばれるアクチュエー
タの移動方法が採用されている。このL/ULは、ディス
クに関するデータの読み書きを行わないときには、ヘッ
ドをディスクの表面から離脱させ、ディスク媒体の外周
より外側に位置する退避場所にヘッドを保持しておき
(アンロード、以下、ULと略す。)、データの読み書き
の必要に応じてヘッドを退避場所からディスク表面上に
ロードする(起動の際も同じ動作を行う。以下、場合に
よりLと略す。)。そして停止のときには、再びヘッド
をディスク媒体の外周より外側の退避位置に移動し、保
持する技術である。
【0003】一方、ディスクドライブ装置又はディスク
ドライブ装置の組み込まれたコンピュータの取り扱いに
おいて、過大な衝撃力が発生し、ドライブ装置のアクチ
ュエータやヘッドが、ディスク媒体上で浮動し、ディス
ク媒体の表面やヘッドが損傷するという問題が増大して
いる。
【0004】このため従来から、特開平8−33964
5公報に開示される様に、ヘッドをディスクの外側に保
持する手段として、アクチュエータの一端をディスク装
置内の所定の位置にマグネットで磁気的に吸着させる電
磁ラッチ・アセンブリや、慣性ラッチ・アセンブリが設
けられて来た。
【0005】マグネットストッパ機構は、所定の大きさ
の衝撃力を受けてもアクチュエータの回動を抑えてヘッ
ドをディスクから離脱した待避位置に保持し続けること
が可能であり、簡単な構造でディスク装置の耐衝撃性の
向上に有効ではある。
【0006】より詳細には、従来のマグネットストッパ
機構では、UL時にヘッドが退避位置に戻る際に、アク
チュエータの揺動部分の一部と、これに対し固定された
位置に在るマグネットが、接触又は当接し保持される
が、この当接の衝撃力を吸収させるため、マグネットの
周囲にはゴム、樹脂、ゲル状物質その他の緩衝材が具備
されている。アクチュエータが高速度でマグネットと当
接し、その反動で再びヘッドがディスク上に戻り、取り
扱いの際に衝撃を受けることと同様の事象が起きて、デ
ィスク表面やヘッドに損傷を与えないようにするためで
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のマグネットスト
ッパ機構は、ドライブ装置が高温環境下で使用されるこ
とに関して考慮されていなかった。つまり、マグネット
周囲の緩衝材が高温環境下で表面に粘着力が生じ、緩衝
材とアクチェータの揺動部分の一部(突起部)との間で
吸着し、所定の磁気吸着力以上の吸着力となることが考
慮されていなかった。
【0008】従来のドライブ装置の起動時には、この吸
着力のため、アクチュエータが固定位置から解除され
ず、(マグネットストッパ機構を解除できず)起動不良
が発生する。また、非常時の解除機能(初期設定値より
過大なストッパ解除力を加えること)の実行により、加
速したアクチュエータの回動は、位置制御による制御不
能に陥り、アクチュエータ先端に保持されたヘッドがデ
ィスク媒体上を暴走し、ディスク媒体及びヘッドに損傷
を与えるという虞があった。
【0009】本発明では、上記課題を解決し、ごく簡素
な機構で、特に、高温環境下において、アクチュエータ
のロード不良(起動不良)、ディスク媒体及びヘッドの
損傷を防止し、また、小型ディスクドライブ装置の高信
頼性に適したアクチュエータのストッパ機構、及びこれ
を備えたディスクドライブ装置の実施例を提供してい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】マグネットストッパ機構
における緩衝材と、アクチェータの揺動部分の一部(突
起部)について、当接部分の物理的性格を所定のものと
することで、課題を解決している。即ち、 1)緩衝材は、突起部と当接する表面の表面粗さが、中
心線平均粗さ(Ra)表示で、 3.2a<Ra<12.5a 且つ、許容最大高さ(Rmax)表示で Rmax<25s の関係で形成されている凹凸部を有すること。
【0011】2)緩衝材は、表面の表面粗さが、最大高
さ(Rmax)表示で 12.5s<Rmax<25s の関係で形成されている凹凸部を有すること。
【0012】3)突起部の長手方向と直交する方向に溝
状の凹凸部(以下、鋸を挽いた痕跡に類似することから
「挽目」と呼ぶ。)を有した緩衝材とすること。
【0013】4)突起部の長手方向と平行する方向に挽
目を有した緩衝材とすること。
【0014】5)緩衝材と当接する突起部の表面に、表
面焼き入れによる熱処理の後バレル研磨を施し、表面粗
さが中心線平均粗さ(Ra)表示で、 0.1a<Ra<0.2a 且つ、最大高さ(Rmax)表示で 0.3s<Rmax<0.8s の関係で形成されている凹凸部を有すること。
【0015】6)緩衝材に、100℃〜150℃、最短
で12時間の熱処理を施すこと。
【0016】である。より具体的に表現すれば、高速回
転を行なうスピンドルモータを搭載したベースと、スピ
ンドルモータに固定された1個または複数のディスク
と、ディスクの半径方向に回動可能にベースに固定さ
れ、弾性部材で設けられたサスペンションアームと、電
流が流されることで回動力を発生させるコイルを保持す
るコイルホルダとを有するアクチュエータと、サスペン
ションアームの先端部に組み込まれディスクの表面にデ
ータの書込み、またはディスク表面からデータを読み取
るヘッド及びスライダと、上記コイルを挟む形で組み込
まれ電流の流れるコイルに回動力を発生させる磁界を作
るマグネットを有したVCM(ボイスコイルモータ)
と、ディスクの外周より外側に配置され、サスペンショ
ンアームがディスクの外周より外側の退避位置に回動さ
れたときに、サスペンションアームが摺動可能に乗り上
げる傾斜部と平坦部を有し、平坦部及び傾斜部とサスペ
ンションアームとの摺動により生じる摩擦力により、ヘ
ッドをディスクから離脱された退避位置に保持するラン
プと、から構成されるディスクドライブ装置において、
ヘッドをディスクから離脱された退避位置にアンロード
された際に、サスペンションアームが磁気吸着される様
に、VCMの所定の位置に保持されているマグネット
と、マグネットの周囲に設けられた所定の物理的性質を
有する緩衝材とから構成されるストッパ機構と、コイル
ホルダの一端にストッパ機構と当接するように設けら
れ、且つマグネットとの間で磁気吸着力を生じる磁性体
から成る所定の表面形状の突起部とを備えているディス
クドライブ装置とすることである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を参照して、本
発明の一実施例の構成及びその作用等を詳細に説明す
る。図1は、本発明に関するストッパ機構2を搭載した
ディスクドライブ装置1の平面図の概略を示したもので
ある。図2は、アクチュエータ4をディスク媒体上に移
動させ、磁気ヘッドによるデータの読み取り又はデータ
の書き込みの動作を示す平面図の概略である。図3は、
ディスク媒体3及びアクチュエータ4の層状構造の一例
を示す断面図である。
【0018】最初に、図1〜図3により装置全体の概略
を説明する。本実施例のディスク装置1では、スピンド
ルモータ5(図3)の回転軸にディスク媒体3が固定さ
れ、データは、回転中のディスク媒体3の表面上を通過
する読取り/書込み用のヘッド6によってディスク媒体
3に読取り/書込みされる。ヘッド6は、サスペンショ
ンアーム8の先端部に支持されており、アクチュエータ
4の動作により、ヘッド6が、ディスク媒体3の表面上
を揺動する。また、このディスクドライブ装置1では、
L/ULと呼ばれる、ヘッド6をディスク媒体3の表面
から離脱させ、ディスク媒体3外側に設けたランプ9
(図1、図2)上の退避位置に保持し、起動時にヘッド
6を前記退避位置よりディスク媒体3表面上にロード
し、停止時には、再びヘッド6をランプ9上の退避位置
に移動し、保持する機構を採用している。
【0019】更に、停止時には、アクチュエータ4は、
ランプ9の摩擦力によるストッパ効果の他に、後述する
ストッパ機構2により回動を制御され、ヘッド6はラン
プ9上の退避位置に保持される。
【0020】以下、各部について詳細に説明する。ディ
スク媒体3は、図3に示す様に所定の速度で回転するス
ピンドルモータ5を中心に、一枚又は複数のディスク媒
体3が同軸状に、複数媒体のときは媒体間にスペーサ1
2を配して互いに所定の間隔を取って、固定されてい
る。各ディスク媒体3上に記録されるデータは、0.5
〜5μm程度の間隔をとった同心円上のトラック13、
更に、各トラック13を分割したセクタ14に区分さ
れ、所定のフォーマットにて記録される。
【0021】ディスク媒体3にデータの書き込み、また
は読み取りを行なうヘッド6は、アクチュエータ4に固
定されたサスペンションアーム8の先端に組み込まれて
いるスライダ7の、通常は、端面に設けられている。
【0022】ディスク媒体3の表面を移動するスライダ
7のディスク媒体3面側には、凹凸形状が設けられてお
り、この凹凸形状は、スピンドルモータ5により高速で
回転されるディスク媒体3の表面上に生じる空気流を利
用し、ディスク媒体3とスライダ7との間に生じる空気
膜が、0.03〜0.07μmに管理される様に、所定の
幾何学的形状を有している。この空気膜の膜厚は、ディ
スク装置1の記録密度を決定する因子であり、非常に重
要な要素である。この空気膜は、ディスク媒体3とスラ
イダ7の摩耗、損傷、摩擦熱によるディスク媒体3の変
質を防ぐことにも効果がある。
【0023】通常、ディスク媒体3の表裏両面に対しデ
ータを書き込み若しくは読み取りを行なうため、アクチ
ュエータ4は、ヘッド6及びスライダ7を複数組向い合
せて配置したサスペンションアーム8を有する。コイル
15及び磁性体よりなる突起部30を固定したコイルホ
ルダ16が、スピンドルモータ5に積層されているディ
スク媒体3の高さに合わせて、スペーサ20を介在し
て、ベース21に固定される。サスペンションアーム8
は、アクチュエータ4の揺動の中心となる軸受部22に
積層される。
【0024】アクチュエータ4のコイルホルダ16に設
けたコイル15は、VCM(ボイスコイルモータ)23
の上部ヨーク24と下部ヨーク25の隙間内で揺動し、
これにより、コイルホルダ16と一体に構成されたサス
ペンションアーム8も、ディスク媒体3の表面上を揺動
する。突起部30は、VCM23の上部ヨーク24に固
定されたマグネット31の磁気吸着力により吸着され、
アクチュエータ4を保持することとなる。コイル15
と、VCM23の上部ヨーク24と下部ヨーク25は、
制御回路部26から送出された制御信号により相互作用
で働く。アクチュエータ4は、VCM23により作られ
た磁界の存在下、アクチュエータ4の揺動方向及び強さ
を制御する制御電流がコイル15に流れると、コイル1
5の周囲に磁界が生じ、この磁界とVCM23の磁界と
の間で磁力による、吸着/反発のトルクが生じる。ま
た、このトルクは、コイル15に流れる制御電流の極性
でサスペンションアーム8に対応する揺動運動を生み出
す。
【0025】制御回路部26は、ディスク媒体3へのデ
ータの送受信を調整し、ディスク媒体3へのデータの書
込み、及びディスク媒体3からのデータの読取りの際
に、サスペンションアーム8及びヘッド6をディスク媒
体3上の所定のトラック13および所定のセクタ14の
位置に移動させるために、コイル15及びVCM23と
相互作用を制御する電子回路である。
【0026】ランプ9は、ディスク装置1が停止すると
き、又はデータの書込み及び読み取り信号を待ち受けの
際(待機状態)に、サスペンションアーム8及びヘッド
6がディスク媒体3の外周より外側の退避位置に移動す
るときの案内部材である。ランプ9は、退避位置の平坦
部11とヘッド6がディスク媒体3面上に移動するとき
の案内となる、又はディスク媒体3より離脱するときの
引きはがしを助ける、ディスク媒体3側の傾斜部10a
と、平坦部11への案内及び、アクチュエータ4が制動
を失って揺動するのを防ぐブレーキ効果を持つ傾斜部1
0b、とから構成される。
【0027】サスペンションアーム8の先端部に設けて
ある先端突起部27は、上記ランプ9と係合し、ヘッド
6をディスク媒体3外周に離脱するとき、ディスク媒体
3を挟んで向い合わせに積層されたサスペンションアー
ム8及びヘッド6が、互いに接触して破損しない様にラ
ンプ9の傾斜部10a、10b及び平坦部11を移動
し、アクチェータ4を退避位置に案内する。
【0028】退避位置に案内されたアクチュエータ4
は、後述するマグネット31、緩衝材32により構成さ
れたストッパ機構2により、コイルホルダ16の先端に
設けられた突起部30がストッパ機構2の緩衝材32の
端面にマグネット31の磁気吸着力で当接し、アクチェ
ータ4の揺動動作を停止する。
【0029】ストッパ機構2は、アクチュエータ4のロ
ック機構である。ストッパ機構2と当接したアクチュエ
ータ4は、外部からの衝撃により生じる回転に対して
は、その磁気吸着が解除されない程度の吸着力により固
定(ロック)されている。アクチュエータ4のロードの
際には、予め定められた制御信号によって、コイル15
とVCM23間にトルクを発生させ、この結果、コイル
ホルダ16がストッパ機構2から離脱し、アクチュエー
タ4はランプ9の案内に従ってヘッド6をディスク媒体
3上面に移動することができる。
【0030】図4は、ストッパ機構2を示す上面図であ
る。図5は、図4のA方向から見た側面図である。スト
ッパ機構2は、VCM23と一体に組み込まれており、
一端を上部ヨーク24に組み込んでいる。アクチュエー
タ4の衝撃力を吸収する緩衝材32は、衝撃による発塵
の極めて少ない材料によって成形されている。また少な
くともコイルホルダ16に設けられた突起部30と当接
する緩衝材32の面には微小の凹凸部35が形成されて
いる。
【0031】次に、本実施例におけるストッパ機構にお
ける吸着防止効果について、特に、緩衝材32とコイル
ホルダ16の突起部30との吸着について、詳細に説明
する。図6は図1に示すアンロード状態における従来の
ストッパ機構2を示す。緩衝材32は、マグネット31
を包含してVCM23の上部ヨーク24に保持されてい
る。コイルホルダ16に設けられた突起部30は、例え
ば、鉄、ニッケル、クロム及びこれらの合金からなる磁
性体で構成され、マグネット31との間に緩衝材32を
介して吸着されている。
【0032】これら従来のストッパ機構2の緩衝材32
と、コイルホルダ16に設けられたの突起部30の互い
に当接する面は、共に平滑な面にて構成されている。 図7は高温環境下での従来のストッパ機構2を示す。緩
衝材32内部に含有されていた低分子化合物36が高熱
のため緩衝材32の表面に浮上して相互の吸着作用の為
ゲル状となる。これらゲル状の低分子化合物36は、粘
着性を有しており、結果としてコイルホルダ16の突起
部30とマグネット31を包含した緩衝材32は、マグ
ネット31による磁気吸着力の他に、上記粘着性を有し
たゲル状の低分子化合物36による吸着力が加えられ、
従来のアクチュエータ4では起動時の解除トルクが不足
しマグネット31の吸着からアクチュエータ4を離脱す
ることができず起動不良となるか、または、解除できて
も過大な解除力により加速したアクチュエータ4の回動
は位置制御を失い、アクチュエータ4先端に保持された
ヘッド6がディスク媒体3上を暴走し、ディスク媒体3
及びヘッド6に損傷を与えてしまう。 これに対し図8は本実施例によるストッパ機構2を高温
環境下に置いた場合を示す。緩衝材32内に含有されて
いた低分子化合物36は、同様に緩衝材32の表面に浮
上してくるが、表面の凹凸部35による表面積の増加に
伴い緩衝材32表面に浮上した低分子化合物36の密度
も低減され、かつ突起部30と当接する面積も減少し、
これにより従来のストッパ機構2で生じていたディスク
ドライブ装置1の起動不良に至る低分子化合物36の吸
着を軽減でき、高信頼性のディスクドライブ装置1を実
現できる。
【0033】図9は、本実施例の効果を示す図である。
縦軸は、表面粗さの表示として、中心線平均粗さ(R
a)であり、横軸は、アクチュエータの磁気吸着の解除
力を示す表示として、解除電流の値(mA)である。こ
れより高温になるに従って、また緩衝材32の表面が平
滑になるに従って、緩衝材32と突起部30との吸着力
が増加していることが理解される。 デイスクドライブ装置1において、解除電流の仕様Ma
x値は消費電力により制限があり、本実施例ではImA
である。また、ディスクドライブ装置の装置耐熱仕様は
T℃である。
【0034】これより吸着による起動不良を発生させな
い緩衝材32の表面粗さの条件は、Ra≧3.8a(μ
m)である。
【0035】また、本実施例では低分子化合物36の吸
着作用を低減する手段として、上記緩衝材32に設けた
凹凸部35の他に、緩衝材32の高温加熱による低分子
化合物36の低減を行っている。
【0036】図10〜図12により上記緩衝材32の低
分子化合物36の低減効果について説明する。所定の温
度、例えば100℃〜150℃の炉に所定の時間、例え
ば最短でも12時間の熱処理(12時間以上の加熱放置
処理)すると、図10に示される様な緩衝材32内部に
含有される低分子化合物36は、図11に示される様に
緩衝材32の表面に一旦浮上し、その後、加熱作用を受
けて、緩衝材32の表面から蒸発する。このように加熱
放置された緩衝材32は、表面より低分子化合物36が
追い出されて、図12に示される様に低分子化合物36
が減少した緩衝材32となり、これにより緩衝材32と
突起部30との吸着を防止することができる。長時間の
熱処理により低分子化合物36を有しない緩衝材32と
しても良い。尚、低分子化合物36は、ドライブ装置内
部に別途設けられたフィルター及び緩衝材32を化学分
析することにより、緩衝材32から離脱、蒸発したもの
か否かが特定できる。
【0037】図13は、上記の実施例の緩衝材32の表
面を表面粗さで規定しているのに対し、コイルホルダ1
6の突起部30の長手方向と直交する方向に溝状の挽目
37を、緩衝材32の表面に設けても上記の実施例と同
一の効果が得られる。また、この挽目の実施例における
溝状の構造は、その断面形状が円弧状、4角状、3角状
であってもよく、表面積を増加させるとともに、突起部
30と緩衝材32との接触面積を減少させる機能を有す
れば良い。図14に、溝状の挽目37の別の実施例を示
す。コイルホルダ16の突起部30の長手方向に平行に
挽目を設けても図13の実施例と同一の効果が得られ
る。
【0038】図15は、第1実施例に加えて、又は単独
で、コイルホルダ16の突起部30の表面粗さを規定し
た実施例であり、例えば、突起部30を棒状の金属で構
成した場合、緩衝材32と当接する表面は、表面焼き入
れによる熱処理の後、バレル研磨を施し、表面粗さが中
心線平均粗さ(Ra)表示で0.1a<Ra<0.2a、
且つ、最大高さ(Rmax)表示で 0.3s<Rma
x<0.8s を満足するものである。
【0039】この突起部30の表面処理の実施例は、上
記の実施例と伴に用いることにより、突起部30の緩衝
材32表面の低分子化合物36との接触面積が更に減
り、吸着力を低減させる効果がある。
【0040】
【発明の効果】本発明のディスクドライブ装置によれ
ば、ストッパ機構を構成する緩衝材とコイルホルダに設
けられた突起部のそれぞれの当接する表面に所定の凹凸
部を施すことにより、装置の高温環境下での緩衝材表面
に浮上する低分子化合物の吸着作用による緩衝材と突起
部の吸着力を低減でき、又、緩衝材を所定の炉内で加熱
放置することにより緩衝材に含有される低分子化合物を
蒸発させるにより、同様に緩衝材と突起部との吸着力を
低減でき、装置の起動不良の発生を防ぎ、その結果、デ
ィスクドライブ装置の信頼性を向上することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のディスク装置の非動作時の
正面図である。
【図2】本発明の一実施例のディスク装置の動作時の正
面図である。
【図3】本発明の一実施例のディスク装置の側面断面図
である。
【図4】本発明の一実施例のストッパ機構の上面図であ
る。
【図5】図4のストッパ機構における、矢印Aの方向か
ら見た側面図である。
【図6】アンロード状態における従来のストッパ機構を
説明するための図である。
【図7】高温環境下での従来のストッパ機構の問題点を
説明するための図である。
【図8】本発明の一実施例のストッパ機構を高温環境下
に置いた場合の説明図である。
【図9】ストッパ機構の吸着防止効果を説明するため
の、表面粗さと解除電流の関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第1の実施例において、熱処理され
る前の緩衝材32の内部に、低分子化合物36が含有さ
れている状態を示す図である。
【図11】緩衝材の内部に含有される低分子化合物が、
加熱により緩衝材の表面に一旦浮上し、蒸発する状態を
表わす図である。
【図12】本発明の第1の実施例である、緩衝材32の
内部に含有される低分子化合物が、所定の熱処理により
低分子化合物を減少させた緩衝材となった状態を表わす
図である。
【図13】本発明の第2の実施例である、突起部30と
垂直の挽目を有する緩衝材32を説明するための図であ
る。
【図14】本発明の第3の実施例である、突起部30と
平行の挽目を有する緩衝材32を説明するための図であ
る。
【図15】本発明の第4の実施例である、表面処理をし
た突起部30を説明する図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブ装置、 2…ストッパ機構、
4…アクチュエータ、 6…ヘッド、8…サ
スペンションアーム、 9…ランプ、10a、10
b…傾斜部、 11…平坦部、13…トラック、
14…セクタ、15…コイル、
16…コイルホルダ、23…VCM、
26…制御回路部、30…突起部、
31…マグネット、32…緩衝材、
35…凹凸部、36…低分子化合物
フロントページの続き (72)発明者 塩野 孝芝 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 藤沢 隆 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 湯木 哲生 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 5D059 LA06 5D068 AA01 BB02 CC12 EE03 EE17 EE18 GG03 5D076 AA01 BB01 CC05 DD20 EE03 EE15 FF25 GG15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピンドルモータと、 前記スピンドルモータに固定された1個以上のディスク
    媒体と、 このディスク媒体の半径方向に揺動可能に支持されたサ
    スペンションアームと、電流が流されることで揺動トル
    クを発生させるコイルと、当該コイルを保持するコイル
    ホルダとを有するアクチュエータと、 前記サスペンションアームの先端部に設けられたヘッド
    と、 前記コイルに揺動トルクを発生させるための磁界を作る
    マグネットを有したVCMと、 前記ディスク媒体の外周より外側に配置され、前記サス
    ペンションアームが前記ディスク媒体の外周より外側の
    退避位置に揺動された際に、該サスペンションアームが
    摺動可能に乗り上げる傾斜部と平坦部を有し、前記ヘッ
    ドを前記ディスク媒体から離脱させた退避位置に保持す
    るランプと、 前記退避位置に前記ヘッドを保持する際に、所定の位置
    に保持されているマグネットと、当該マグネットの近傍
    に設けられた緩衝材と、当該マグネットとの間で磁気的
    吸着力を生じる磁性体を有する突起部であって、前記コ
    イルホルダの一部に設けられたものを有するストッパ機
    構と、を有するディスクドライブ装置において、 前記緩衝材は、前記突起部と当接する表面である凹凸部
    を有し、その表面の粗さが、中心線平均粗さ(Ra)表
    示において、3.2a<Ra<12.5a 且つ、許容最
    大高さ(Rmax)表示において、 Rmax<25S
    であることを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 【請求項2】スピンドルモータと、 前記スピンドルモータに固定された1個以上のディスク
    媒体と、 このディスク媒体の半径方向に揺動可能に支持されたサ
    スペンションアームと、電流が流されることで揺動トル
    クを発生させるコイルと、当該コイルを保持するコイル
    ホルダとを有するアクチュエータと、 前記サスペンションアームの先端部に設けられたヘッド
    と、 前記コイルに揺動トルクを発生させるための磁界を作る
    マグネットを有したVCMと、 前記ディスク媒体の外周より外側に配置され、前記サス
    ペンションアームが前記ディスク媒体の外周より外側の
    退避位置に揺動された際に、該サスペンションアームが
    摺動可能に乗り上げる傾斜部と平坦部を有し、前記ヘッ
    ドを前記ディスク媒体から離脱させた退避位置に保持す
    るランプと、 前記退避位置に前記ヘッドを保持する際に、所定の位置
    に保持されているマグネットと、当該マグネットの近傍
    に設けられた緩衝材と、当該マグネットとの間で磁気的
    吸着力を生じる磁性体を有する突起部であって、前記コ
    イルホルダの一部に設けられたものを有するストッパ機
    構と、を有するディスクドライブ装置において、 前記コイルホルダに設けられた前記突起部と当接する前
    記緩衝材の表面の凹凸部が、該突起部の長手方向と直交
    する方向に溝状の挽目となっている、又は、該突起部の
    長手方向と平行する方向に溝状の挽目となっていること
    を特徴とするディスクドライブ装置。
  3. 【請求項3】スピンドルモータと、 前記スピンドルモータに固定された1個以上のディスク
    媒体と、 このディスク媒体の半径方向に揺動可能に支持されたサ
    スペンションアームと、電流が流されることで揺動トル
    クを発生させるコイルと、当該コイルを保持するコイル
    ホルダとを有するアクチュエータと、 前記サスペンションアームの先端部に設けられたヘッド
    と、 前記コイルに揺動トルクを発生させるための磁界を作る
    マグネットを有したVCMと、 前記ディスク媒体の外周より外側に配置され、前記サス
    ペンションアームが前記ディスク媒体の外周より外側の
    退避位置に揺動された際に、該サスペンションアームが
    摺動可能に乗り上げる傾斜部と平坦部を有し、前記ヘッ
    ドを前記ディスク媒体から離脱させた退避位置に保持す
    るランプと、 前記退避位置に前記ヘッドを保持する際に、所定の位置
    に保持されているマグネットと、当該マグネットの近傍
    に設けられた緩衝材と、当該マグネットとの間で磁気的
    吸着力を生じる磁性体を有する突起部であって、前記コ
    イルホルダの一部に設けられたものを有するストッパ機
    構と、を有するディスクドライブ装置において、 前記突起部の前記ストッパ機構と当接する面が、表面焼
    き入れによる熱処理の後、バレル研磨を施し、且つ、表
    面の凹凸部の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)表示
    で、0.1a<Ra<0.2a 且つ、最大高さ(Rma
    x)表示で0.3s<Rmax<0.8s の関係で形成
    されていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  4. 【請求項4】スピンドルモータと、 前記スピンドルモータに固定された1個以上のディスク
    媒体と、 このディスク媒体の半径方向に揺動可能に支持されたサ
    スペンションアームと、電流が流されることで揺動トル
    クを発生させるコイルと、当該コイルを保持するコイル
    ホルダとを有するアクチュエータと、 前記サスペンションアームの先端部に設けられたヘッド
    と、 前記コイルに揺動トルクを発生させるための磁界を作る
    マグネットを有したVCMと、 前記ディスク媒体の外周より外側に配置され、前記サス
    ペンションアームが前記ディスク媒体の外周より外側の
    退避位置に揺動された際に、該サスペンションアームが
    摺動可能に乗り上げる傾斜部と平坦部を有し、前記ヘッ
    ドを前記ディスク媒体から離脱させた退避位置に保持す
    るランプと、 前記退避位置に前記ヘッドを保持する際に、所定の位置
    に保持されているマグネットと、当該マグネットの近傍
    に設けられた緩衝材と、当該マグネットとの間で磁気的
    吸着力を生じる磁性体を有する突起部であって、前記コ
    イルホルダの一部に設けられたものを有するストッパ機
    構と、 を有するディスクドライブ装置において、 前記緩衝材は、100℃〜150℃の熱処理を最短12
    時間施されたことを特徴とするディスクドライブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7468868B2 (en) 2003-05-30 2008-12-23 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Rotary disk storage device
JP2013045494A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Yamauchi Corp 磁気ヘッド用ストッパー

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CN102956240A (zh) * 2011-08-26 2013-03-06 山内株式会社 磁头用制动器
CN102956240B (zh) * 2011-08-26 2014-10-08 山内株式会社 磁头用制动器

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