JP2002022954A - 光学補償フィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板と液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板と液晶表示装置

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JP2002022954A
JP2002022954A JP2000210366A JP2000210366A JP2002022954A JP 2002022954 A JP2002022954 A JP 2002022954A JP 2000210366 A JP2000210366 A JP 2000210366A JP 2000210366 A JP2000210366 A JP 2000210366A JP 2002022954 A JP2002022954 A JP 2002022954A
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polarizing plate
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Seiji Kondo
誠司 近藤
Kazuyoshi Tsuchimoto
一喜 土本
Shinichi Sasaki
伸一 佐々木
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】要求される特性を面内に均一に有する光学補償
フィルムとその製造方法、及びそれを用いた偏光板と液
晶表示装置を提供する。 【解決手段】ポリマーからなるフィルムを縦延伸した後
に横延伸し、その後前記縦延伸の延伸倍率よりも小さい
延伸倍率で再度縦延伸することにより、フィルムの厚さ
をd、フィルムの面内の主屈折率をnx、ny、nx>ny
で、厚さ方向の主屈折率をnz、面内の位相差をRe、厚
さ方向の位相差をRthとした場合、下記の関係を面内
に均一に有する光学補償フィルムとする。 0nm≦Re=(nx−ny)d≦500nm 0nm≦Rth=(nx−nz)d≦500nm Re÷Rth<1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型、反射型、
半透過型の液晶表示装置(以下、LCDと略称すること
がある。)の視野角改善やコントラスト改善に使用され
る光学補償フィルムとその製造方法、及びそれを用いた
偏光板と液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LCDは、パソコン等に使用されてお
り、近年、急激にその需要が増加している。LCDの用
途は広がってきており、近年はモニター用途にも使用さ
れるようになってきている。
【0003】LCDに使用する偏光板は、例えば、ポリ
ビニルアルコール(以下、PVAと略称することがあ
る。)フィルムを、二色性を有するヨウ素又は二色性染
料で染色する染色工程、ホウ酸やホウ砂等で架橋する架
橋工程、及び一軸延伸する延伸工程の後に乾燥し、トリ
アセチルセルロース(以下、TACと略称することがあ
る。)フィルム等の保護層と貼り合わせて製造されてい
る。なお、染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行なう
必要はなく同時に行なってもよく、また、各工程の順番
も任意でよい。
【0004】ところで、液晶表示装置の視野角改善やコ
ントラスト改善に使用される光学補償フィルムの特性と
しては、フィルムの厚さをd、フィルムの面内の主屈折
率をnx、ny、nx>nyで、厚さ方向の主屈折率を
z、面内の位相差をRe、厚さ方向の位相差をRth
とした場合、下記の関係を有することが要求されてい
る。
【0005】 0nm≦Re=(nx−ny)d≦500nm 0nm≦Rth=(nx−nz)d≦500nm Re÷Rth<1 しかし、上記特性を満足する光学補償フィルムは、従来
の縦一軸延伸のみや横一軸延伸のみによる方法では得ら
れなかった。また、汎用の包装用フィルム等の製造に使
用されている逐次二軸延伸でも部分的には上記特性は得
られるが、フィルム面内の均一性に欠けるという問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するため、前記特性をフィルム面内に均一に
有する光学補償フィルムとその製造方法、及びそれを用
いた偏光板と液晶表示装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の光学補償フィルムの製造方法は、ポリマーから
なるフィルムを縦延伸した後に横延伸し、その後前記縦
延伸の延伸倍率よりも小さい延伸倍率で再度縦延伸する
ことを特徴とする。
【0008】また、前記の方法により製造された本発明
の光学補償フィルムは、フィルムの厚さをd、フィルム
の面内の主屈折率をnx、ny、nx>nyで、厚さ方向の
主屈折率をnz、面内の位相差をRe、厚さ方向の位相差
をRthとした場合、下記の関係を有していることを特
徴とする。
【0009】 0nm≦Re=(nx−ny)d≦500nm 0nm≦Rth=(nx−nz)d≦500nm Re÷Rth<1 次に、本発明の偏光板は、前記光学補償フィルムを少な
くとも1枚以上貼付して形成されていることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の液晶表示装置は、前記偏光
板を液晶セルの少なくとも片側に備えていることを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】光学補償フィルムは、液晶表示装
置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た
場合でも、画像が比較的鮮明に見えるように視角を広げ
るためのフィルムである。
【0012】このような光学補償フィルムとしては、ト
リアセチルセルロースフィルムなどにディスコティック
液晶を塗工したものや、位相差板が用いられる。通常の
位相差板には、その面方向に一軸に延伸された複屈折を
有するポリマーフィルムが用いられる。しかし、従来の
縦一軸延伸のみや横一軸延伸のみによる方法では、光学
補償フィルムに要求される特性のすべてを満足すること
は困難であった。また、汎用の包装用フィルム等の製造
に使用されている逐次二軸延伸でも部分的には上記特性
は得られるが、フィルム面内の均一性に欠けるという問
題があった。
【0013】そこで、本発明は、ポリマーからなるフィ
ルムを縦延伸した後に横延伸し、その後前記縦延伸の延
伸倍率よりも小さい延伸倍率で再度縦延伸することによ
り、フィルム面内に均一な特性を有する光学補償フィル
ムを得ることができるようにしたものであり、その結
果、より高性能な偏光板及び液晶表示装置を提供するも
のである。
【0014】本発明で用いる偏光板の基本的な構成は、
二色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム
等からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層、例
えばビニルアルコール系ポリマー等からなる接着層を介
して保護層となる透明保護フィルムを接着したものから
なる。
【0015】偏光子(偏光フイルム)としては、例えば
ポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルア
ルコールなどの従来に準じた適宜なビニルアルコール系
ポリマーよりなるフィルムにヨウ素や二色性染料等より
なる二色性物質による染色処理や延伸処理や架橋処理等
の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してなり、自然光
を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いう
る。特に、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。
【0016】偏光子(偏光フィルム)の片側又は両側に
設ける透明保護層となる保護フィルム素材としては、適
宜な透明フィルムを用いうる。そのポリマーの例として
トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂が一般
的に用いられるが、これに限定されるものではない。
【0017】偏光特性や耐久性などの点より、特に好ま
しく用いうる透明保護フィルムは、表面をアルカリなど
でケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムであ
る。なお、偏光フィルムの両側に透明保護フィルムを設
ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明保
護フィルムを用いてもよい。
【0018】保護層に用いられる透明保護フイルムは、
本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反
射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチ
グレア等を目的とした処理などを施したものであっても
よい。ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止な
どを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系な
どの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優
れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式
などにて形成することができる。
【0019】一方、反射防止処理は偏光板表面での外光
の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた
反射防止膜などの形成により達成することができる。ま
た、スティッキング防止は隣接層との密着防止を目的
に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して
偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に
施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエン
ボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方
式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細
凹凸構造を付与することにより形成することができる。
【0020】前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒
子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒
状物等からなる有機系微粒子などを用いうる。透明微粒
子の使用量は、透明樹脂100質量部あたり2〜70質
量部、とくに5〜50質量部が一般的である。
【0021】透明微粒子配合のアンチグレア層は、透明
保護層そのものとして、あるいは透明保護層表面への塗
工層などとして設けることができる。アンチグレア層
は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散
層(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡
散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシート
などからなる光学層として透明保護層とは別体のものと
して設けることもできる。
【0022】前記偏光子(偏光フィルム)と保護層であ
る透明保護フィルムとの接着処理は、特に限定されるも
のではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーか
らなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルア
ルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール
系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤な
どを介して行なうことができる。かかる接着層は、水溶
液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の
調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触
媒も配合することができる。
【0023】偏光板は、実用に際して他の光学層と積層
した光学部材として用いることができる。その光学層に
ついては特に限定はないが、例えば反射板や半透過反射
板、位相差板(1/2波長板、1/4波長板などのλ板
も含む)、本発明光学補償フィルムや輝度向上フィルム
などの、液晶表示装置等の形成に用いられことのある適
宜な光学層の1層又は2層以上を用いることができ、特
に、前述した本発明の偏光子と保護層からなる偏光板
に、更に反射板または、半透過反射板が積層されてなる
反射型偏光板または半透過反射板型偏光板、前述した偏
光子と保護層からなる偏光板に、更に位相差板が積層さ
れている楕円偏光板または円偏光板、前述した偏光子と
保護層からなる偏光板に、更に本発明光学補償フィルム
が積層されている偏光板、あるいは、前述した偏光子と
保護層からなる偏光板に、更に輝度向上フィルムが積層
されている偏光板が好ましい。
【0024】前記の反射板について説明すると、反射板
は、それを偏光板に設けて反射型偏光板を形成するため
のものであり、反射型偏光板は、通常液晶セルの裏側に
設けられ、視認側(表示側)からの入射光を反射させて
表示するタイプの液晶表示装置などを形成でき、バック
ライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型
化を図りやすいなどの利点を有する。
【0025】反射型偏光板の形成は、必要に応じ上記し
た透明保護フィルム等を介して偏光板の片面に金属等か
らなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行な
うことができる。その具体例としては、必要に応じマッ
ト処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等
の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形
成したものなどが挙げられる。
【0026】また、微粒子を含有させて表面を微細凹凸
構造とした上記の透明保護フィルムの上に、その微細凹
凸構造を反映させた反射層を有する反射型偏光板なども
挙げられる。表面微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱
反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防
止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。透明
保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸
構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプ
レーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式や
メッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護フィルム
の表面に直接付設する方法などにより行なうことができ
る。
【0027】また、反射板は、上記した偏光板の透明保
護フィルムに直接付設する方式に代えて、その透明保護
フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる
反射シートなどとして用いることもできる。反射板の反
射層は、通常、金属からなるので、その反射面がフィル
ムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化によ
る反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の
点や、保護層の別途付設の回避の点などから好ましい。
【0028】なお、半透過型偏光板は、上記において反
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
【0029】次に、前述した偏光子と保護層からなる偏
光板に、更に位相差板が積層されている楕円偏光板また
は円偏光板について説明する。
【0030】直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えた
り、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、ある
いは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板など
が用いられ、特に、直線偏光を楕円偏光または円偏光に
変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変える位
相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも
言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
【0031】楕円偏光板は、スーパーツイストネマチッ
ク(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折によって
生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色
のない白黒表示にする場合などに有効に用いられる。更
に、3次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の
画面を斜め方向 から見た際に生じる着色も補償(防
止)することができ好ましい。円偏光板は、例えば画像
がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を
整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機
能も有する。
【0032】前記位相差板の具体例としては、ポリカー
ボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリ
メチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリ
オレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適宜な
ポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性
フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマー
の配向層をフィルムにて支持したものなどが挙げられ
る。また、傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマー
フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその
収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及
び収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたも
のなどが挙げられる。
【0033】前述した偏光子と保護層からなる偏光板
に、輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液
晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上
フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側か
らの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直
線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過す
る特性を示すもので、輝度向上フィルムを前述した偏光
子と保護層とからなる偏光板と積層した偏光板は、バッ
クライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の
透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過
せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した
光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転さ
せて輝度向上板に再入射させ、その一部又は全部を所定
偏光状態の光として透過させて輝度向上フイルムを透過
する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収されにくい偏
光を供給して液晶画像表示等に利用しうる光量の増大を
図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわ
ち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなど
で液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合
には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有す
る光はほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上板に
再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転
している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光
方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させ
て偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率
的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明る
くすることができるのである。
【0034】前記の輝度向上フィルムとしては、例えば
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルム
やその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如
き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射し
て他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを
用いうる。
【0035】従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を
透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光を
そのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光
化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その
位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏
光を直線偏光に変換することができる。
【0036】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルム
の間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差
層からなるものであってよい。
【0037】なお、コレステリック液晶層についても、
反射波長が相違するものの組合せにして2層又は3層以
上重畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広
い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、
それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることが
できる。
【0038】また、偏光板は、上記した偏光分離型偏光
板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層
したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型
偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組合せた反射型楕
円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。2
層又は3層以上の光学層を積層した光学部材は、液晶表
示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形
成しうるものであるが、予め積層して光学部材としたも
のは、品質の安定性や組立作業性等に優れて液晶表示装
置などの製造効率を向上させうる利点がある。なお、積
層には、粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。
【0039】前述した偏光板や光学部材には、液晶セル
等の他部材と接着するための粘着層を設けることもでき
る。その粘着層は、アクリル系等の従来に準じた適宜な
粘着剤にて形成することができる。特に、吸湿による発
泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性
の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性
に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が
低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。ま
た、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとする
こともできる。粘着層は必要に応じて必要な面に設けれ
ばよく、例えば、偏光子と保護層からなる偏光板の保護
層について言及するならば、必要に応じて、保護層の片
面又は両面に粘着層を設ければよい。
【0040】偏光板や光学部材に設けた粘着層が表面に
露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの
間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーする
ことが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィル
ム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成
することができる。
【0041】なお、上記の偏光板や光学部材を形成する
偏光フィルムや透明保護フィルム、光学層や粘着層など
の各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾ
フェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシア
ノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫
外線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外
線吸収能を持たせたものなどであってもよい。
【0042】前記偏光板は、液晶表示装置等の各種装置
の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装
置は、偏光板を液晶セルの片側又は両側に配置してなる
透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に
準じた適宜な構造を有するものとして形成することがで
きる。従って、液晶表示装置を形成する液晶セルは任意
であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクテ
ィブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型や
スーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリ
クス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用い
たものであってよい。
【0043】また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成
に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレ
イシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を
適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に具体的に説明する。
【0045】(実施例1)フィルム厚さ70μmのポリカ
ーボネートフィルムを、延伸温度170℃、延伸倍率
1.15倍の条件にて縦延伸した後、延伸温度170
℃、延伸倍率1.10倍の条件にて横延伸し、その後更
に延伸温度170℃、延伸倍率1.02倍の条件にて縦
延伸して本発明の光学補償フィルムを作製した。
【0046】(実施例2)フィルム厚さ100μmのJS
R製アートンフィルム(ノルボルネン系樹脂フィルム)
を、延伸温度175℃、延伸倍率1.40倍の条件にて
縦延伸した後、延伸温度175℃、延伸倍率1.35倍
の条件にて横延伸し、その後更に延伸温度175℃、延
伸倍率1.02倍の条件にて縦延伸して本発明の光学補
償フィルムを作製した。
【0047】(比較例1)フィルム厚さ70μmのポリカ
ーボネートフィルムを、延伸温度170℃、縦延伸倍率
1.15倍、横延伸倍率1.10の条件にて逐次二軸延
伸して比較例の光学補償フィルムを作製した。
【0048】(比較例2)フィルム厚さ100μmのJS
R製アートンフィルム(ノルボルネン系樹脂フィルム)
を、延伸温度175℃、縦延伸倍率1.40倍、横延伸
倍率1.35倍の条件にて逐次二軸延伸して比較例の光
学補償フィルムを作製した。
【0049】(上記光学補償フィルムの特性評価)上記
実施例及び比較例の光学補償フィルムの厚さをd、フィ
ルムの面内の主屈折率をnx、ny(nx>ny)、厚さ方
向の主屈折率をnzとした場合、フィルム中央のRe=
(nx−ny)d、Rth=(nx−nz)d、Re/Rt
hを王子計測器製の自動複屈折率計(KOBRA21A
DH)にて測定した。また、同時にフィルムの幅方向の
軸角度のバラツキを同装置にて測定した。その結果を表
1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、実施例1、実施
例2、比較例1及び比較例2は、いずれも光学補償フィ
ルムに要求される特性は満たしているが、実施例1及び
2は、比較例1及び2に比べて、フィルムの幅方向の軸
角度のバラツキが小さく、フィルムが均一化されている
ことが分かる。これは、本発明では、フィルムを縦延伸
した後に横延伸し、その後前記縦延伸の延伸倍率よりも
小さい延伸倍率で再度縦延伸しているため、再延伸の効
果により、フィルム特性が安定すると考えられる。
【0052】なお、軸ズレを起こすと液晶パネルでコン
トラストが悪くなる。近年の高精度液晶パネルでは、軸
ズレは±3deg以内が必要となっている。
【0053】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は、ポリマ
ーからなるフィルムを縦延伸した後に横延伸し、その後
前記縦延伸の延伸倍率よりも小さい延伸倍率で再度縦延
伸することにより、フィルムの要求特性を満足し、かつ
フィルム面内の特性の均一性に優れた光学補償フィルム
を提供でき、その工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 11:00 11:00 (72)発明者 佐々木 伸一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA04 BA06 BA12 BA25 BA27 BB03 BB12 BB33 BB42 BB43 BB47 BB48 BB63 BB65 BB67 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z KA10 LA17 LA20 4F210 AA12 AA28 AG01 AH73 QC13 QG01 QG18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーからなるフィルムを縦延伸した
    後に横延伸し、その後前記縦延伸の延伸倍率よりも小さ
    い延伸倍率で再度縦延伸することを特徴とする光学補償
    フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 フィルムの厚さをd、フィルムの面内の
    主屈折率をnx、ny、nx>nyで、厚さ方向の主屈折率
    をnz、面内の位相差をRe、厚さ方向の位相差をRth
    とした場合、下記の関係を有する請求項1に記載の方法
    により製造された光学補償フィルム。 0nm≦Re=(nx−ny)d≦500nm 0nm≦Rth=(nx−nz)d≦500nm Re÷Rth<1
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法によって製造され
    た光学補償フィルムを少なくとも1枚以上偏光板に貼付
    して形成した偏光板。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光学補償フィルムを少
    なくとも1枚以上偏光板に貼付して形成した偏光板。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の偏光板を液晶セ
    ルの少なくとも片側に備えた液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008000955A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Jsr Corp 光学フィルムの製造方法および光学フィルム
US10698208B2 (en) 2016-02-03 2020-06-30 3M Innovative Properties Company Display device and infrared light-cutting film

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