JP2002022633A - 既設建造物における構成材の簡易試験方法とそのための携帯式簡易試験器具 - Google Patents

既設建造物における構成材の簡易試験方法とそのための携帯式簡易試験器具

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JP2002022633A JP2000209852A JP2000209852A JP2002022633A JP 2002022633 A JP2002022633 A JP 2002022633A JP 2000209852 A JP2000209852 A JP 2000209852A JP 2000209852 A JP2000209852 A JP 2000209852A JP 2002022633 A JP2002022633 A JP 2002022633A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既設建造物の躯体や外装材、内装材、仕上げ材
を現場での便利良く試験して、材料強度や耐摩耗性、劣
化度、耐剥離性などの諸性能をすばやく評価できる携帯
式簡易試験器具を提供する。 【解決手段】既設建造物(B)の構成材穿孔用、研摩用
又は突き刺し用先端ビット(17)が抜き差し交換自在
に差し込み装備される回転動力工具(10)と、その回
転動力工具(10)へ相対的な進退自在に差し込み套嵌
された把持ケース(21)と、上記先端ビット(17)
を既設建造物(B)の表面に向かって進出させるべく、
その回転動力工具(10)へ後方から一定の押圧力を与
える押圧付勢部材(24)とから組立ユニット化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は既設建造物の躯体や
外装材、内装材、仕上げ材(以下、これらを本明細書に
おいて「構成材」と総称する。)を現場での便利良く試
験して、その構成材の材料強度や耐摩耗性、劣化度、耐
剥離性などの諸性能をすばやく評価できる簡易試験方法
と、そのための携帯式簡易試験器具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、既設建造物の構成材はコンクリ
ートやモルタル、塗装材、石材、レンガなどの各種から
成るが、これらの耐摩耗性試験はJIS規格の定めに基
いて、下表の方法により行なわれている通例である。
【0003】
【表】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
JIS規格に基く試験方法は、既設建造物の現場から採
取した試験片を室内で試験するものであり、その試験片
の設置状態も制約されるため、既設建造物の存在する現
場において、その構成材を簡易にすばやく試験すること
ができず、不便である。
【0005】又、構成材における表層のみの耐摩耗性や
材料強度、劣化度などを平均的な数値として、試験片の
試験から計測・評価することは可能であるが、その構成
材の深さ度合いに応じた内部での諸性能を試験すること
は不可能である。
【0006】つまり、例えば構成材の劣化がどの程度の
深さまで進行しているかを試験することはできず、その
結果これを補強するための適切な対策なども講じられな
いことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の改良を企図しており、そのため既設建造物における構
成材の簡易試験方法として、第1に既設建造物の構成材
穿孔用又は研摩用先端ビットが付属装備された回転動力
工具を、その把持ケースの内部へ進退自在に差し込みセ
ットし、
【0008】その把持ケースを握り乍ら既設建造物の表
面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具の
先端ビットにより既設建造物の構成材を一定な押圧力の
もとで穿孔加工又は研摩加工し、その時間当り又は回転
数当りの加工深さを計測した数値に基き、上記構成材の
深さに応じた強度や耐摩耗性、劣化度などの諸性能を現
場にて試験することを特徴とし、
【0009】又、第2に既設建造物の構成材突き刺し用
先端ビットが付属装備された回転動力工具を、その把持
ケースの内部へ進退自在に差し込みセットし、
【0010】その把持ケースを握り乍ら既設建造物の表
面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具の
先端ビットを既設建造物の構成材へ突き刺して回転さ
せ、その回転トルクを計測した数値に基き、上記構成材
の耐剥離性を現場にて試験することを特徴とする。
【0011】更に、上記方法の実施に用いる携帯式簡易
試験器具として、その構成上既設建造物の構成材穿孔
用、研摩用又は突き刺し用先端ビットが抜き差し交換自
在に差し込み装備される回転動力工具と、
【0012】その回転動力工具へ相対的な進退自在に差
し込み套嵌された把持ケースと、
【0013】上記先端ビットを既設建造物の表面に向か
って進出させるべく、その回転動力工具へ後方から一定
の押圧力を与える押圧付勢部材とから組立ユニット化し
たことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の詳細
を説明すると、先ず図1〜5はその本発明に用いる携帯
式簡易試験器具(A)の基本実施形態を示しており、
(10)は電動グラインダーやその他の手持ち可能な回
転動力工具であって、そのモーター(図示省略)を内蔵
した工具本体胴(11)の中途部からは、後述の把持ケ
ース受け止め用ストッパー(12)が突設されている。
図例の場合、そのストッパー(12)は加工深さ計測用
の指針を兼ねている。
【0015】(13)(14)は同じく工具本体胴(1
1)の後端部に並列設置された電源スイッチと変速調整
ダイヤル、(15)は電源コード、(16)は先端ビッ
ト(17)のチャック機構であって、上記モーターによ
る回転駆動軸(図示省略)の前端部へ植え込まれるコレ
ットチャック(図示省略)と、同じく回転駆動軸へ螺合
締結される円錐型のカバーナット(18)とから成り、
上記工具本体胴(11)から突出するロックボタン(1
9)を押し込んで、カバーナット(18)を螺退操作す
れば、上記コレットチャックが弛緩するようになってい
る。
【0016】上記回転動力工具(10)の先端ビット
(17)として、図例では既設建造物(B)における構
成材(20)の就中外装材に対する穿孔用又は研摩用を
示しているが、その先端ビット(17)は予じめ構成材
(20)の種類に応じた材質と、その構成材(20)の
試験加工に適した先端形状とを備えた各種として用意さ
れており、上記回転動力工具(10)へチャック機構
(16)を介して抜き差し交換自在に差し込み使用され
ることとなる。
【0017】(21)は上記回転動力工具(10)の把
持ケースであって、透明又は半透明の硬質なアクリル樹
脂やその他の合成樹脂から、上記工具本体胴(11)よ
りも若干太く且つ片手で握り持てる一定長さ(L)の円
筒型に造形されており、その工具本体胴(11)へ差し
込み套嵌されることによって、上記回転動力工具(1
0)を前後方向へ進退移動し得るように案内作用する。
【0018】つまり、把持ケース(21)は上記回転動
力工具(10)に装備された先端ビット(17)から、
工具本体胴(11)の中途部までを包囲できる一定長さ
(L)だけ延在し、その工具本体胴(11)の後端部に
並列する電源スイッチ(13)と変速調整ダイヤル(1
4)の露出状態にある。
【0019】そして、その把持ケース(21)の後端部
に切り欠かれたスライドガイド溝レール(22)が、上
記工具本体胴(11)側のストッパー(12)と係合し
ており、回転動力工具(10)とその把持ケース(2
1)との相対的に空転しないようになっている。(2
3)はそのスライドガイド溝レール(22)に沿って付
与された加工深さ計測用の目盛である。
【0020】又、(24)は上記回転動力工具(10)
へ後方から一定の押圧力を与える押圧付勢部材であり、
図例の場合ゴムやバネなどの引張り弾性部材(24a)
として、上記把持ケース(21)の中途部から一体的に
突出する左右一対の係止ピン(25)と、工具本体胴
(11)の後端部に陥没する係止凹溝(26)との前後
相互間に亘って、安定良く連繋張架されている。
【0021】その回転動力工具(10)の押圧付勢部材
(24)によって、上記先端ビット(17)が把持ケー
ス(21)の先端部から前方へ常時一定量(S)だけ進
出する付勢状態に組み立てユニット化されているのであ
り、そのため上記把持ケース(21)を握り持ち使用し
て、その先端部を既設建造物(B)の表面へ押し付け固
定すれば、上記引張り弾性部材(24a)の強制的に引
き伸ばされる復元力が、既設建造物(B)の構成材(2
0)に対する先端ビット(17)の一定な押圧力として
作用することになる。
【0022】尚、(27)は上記把持ケース(21)の
握り持ち使用上、その片手によって引張り弾性部材(2
4a)が押え付けられてしまうことを防ぐ逃しカバー片
の左右一対であり、把持ケース(21)から一体的に突
出している。
【0023】図1〜5の基本実施形態では、上記回転動
力工具(10)の押圧付勢部材(24)を引張り弾性部
材(24a)から具体化しているが、これに代るゴムや
バネなどの圧縮弾性部材(24b)を採用して、図6の
第1変形実施形態から明白なように、その圧縮弾性部材
(24b)を回転動力工具(10)における工具本体胴
(11)の後端部と、その工具本体胴(11)を包囲し
た把持ケース(21)の後端部との前後相互間へ封入し
ても良い。(28)は回転動力工具(10)の電源スイ
ッチを兼ねた変速調整ダイヤルであり、上記把持ケース
(21)から露出していることは言うまでもない。
【0024】又、同じく回転動力工具(10)の押圧付
勢部材(24)としては、図7の第2変形実施形態に示
すような重錘(24c)を採用して、これを回転動力工
具(10)における工具本体胴(11)の後端部から、
その把持ケース(21)の中途部に軸支された遊転ガイ
ドローラー(29)を経て、前向きに張り掛け延長され
た索条(30)へ吊り下げ状態に取り付けてもさしつか
えない。(31)はその索条(30)の係止片、(3
2)は同じく索条(30)を片手により押え付けてしま
わないように防ぐ逃しカバー片である。
【0025】更に、回転動力工具(10)の押圧付勢部
材(24)としてサーボモーター(24d)を採用し、
これを図8の第3変形実施形態に示す如く、上記把持ケ
ース(21)の後端部へ付属一体化させても良い。
【0026】そして、そのサーボモーター(24d)か
ら把持ケース(21)内への前向きに突出する出力軸
(33)へ、ナット(34)を一体回転し得るように嵌
め付けると共に、回転動力工具(10)から対応的な後
向きに突出する入力軸(35)を、上記ナット(34)
と螺合締結することにより、そのサーボモーター(24
d)の回転駆動力を先端ビット(17)の一定な押圧力
として作用させるのである。(36)はその先端ビット
(17)による加工深さ計測器、(37)は電源コード
を示している。
【0027】上記第2、3変形実施形態の場合、先端ビ
ット(17)を回転動力工具(10)へ抜き差し交換自
在に差し込み使用できるようにするため、その回転動力
工具(10)における把持ケース(21)の先端部(2
1a)を、残余の本体部とネジ(38)などによって、
着脱可能に締結する。
【0028】尚、第1〜3変形実施形態におけるその他
の構成は、図1〜5の上記基本実施形態と実質的に同一
であるため、その図6〜8に図1〜5との対応符号を記
入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0029】何れにしても、本発明では上記のような簡
易試験器具(A)を現場へ携帯して、既設建造物(B)
における各種構成材(20)の材料強度や耐摩耗性、劣
化度などの諸性能を、次の方法により試験するのであ
る。
【0030】即ち、本発明の試験方法を上記基本実施形
態の簡易試験器具(A)に基いて説明すると、その試験
器具(A)では回転動力工具(10)の先端ビット(1
7)が穿孔用又は研摩用として、押圧付勢部材(24)
のゴムやバネなどから具体化された引張り弾性部材(2
4a)により、図3のように把持ケース(21)の先端
部から予じめ前方へ一定量(S)だけ進出した付勢状態
に組み立てユニット化されているので、上記把持ケース
(21)を片手で握り持ち乍ら図4のように、その先端
部を既設建造物(B)の表面へ押し付け固定する。
【0031】そうすれば、その押し付け固定された状態
にある把持ケース(21)と相対して、回転動力工具
(10)は後退移動することになり、上記引張り弾性部
材(24a)が強制的に引き伸ばされる結果、その引き
伸ばしに伴なう復元力が回転動力工具(10)の先端ビ
ット(17)を、既設建造物(B)の構成材(20)へ
一定な押圧力のもとで押圧作用する。この準備状態は、
把持ケース(21)を通じて透視することができる。
【0032】そこで、回転動力工具(10)の先端ビッ
ト(17)を一定な回転数のもとに回転駆動し、上記既
設建造物(B)の構成材(20)を図5のように穿孔加
工又は研摩加工する。その際、把持ケース(21)は既
設建造物(B)の表面へ押し付けられた固定状態にある
関係上、回転動力工具(10)の先端ビット(17)が
振れ動いたり、踊ったりするおそれはなく、既設建造物
(B)の構成材(20)に向かって正しく直進する。
又、先端ビット(17)による構成材(20)の加工粉
塵は、上記把持ケース(21)の内部へ自づと捕集され
ることになり、その飛び散る危険もなく、安全に作業す
ることができる。
【0033】そして、上記構成材(20)に対する時間
当り又は回転数当りの加工深さ(G)を計測すれば、そ
の計測した数値に基いて、上記構成材(20)の深さに
応じた内部での耐摩耗性や劣化度、材料強度などの諸性
能を試験できる結果となる。上記回転動力工具(10)
の先端ビット(17)が既設建造物(B)の構成材(2
0)へ押し付けられる押圧力を初め、その先端ビット
(17)の回転数や材質、先端形状などを悉く一定に設
定できるからであり、その意味から試験の再現にも支障
がない。
【0034】この点、既設建造物(B)の構成材(2
0)が外装モルタルから成る場合を一例に挙げて、一層
具体的に言及すると、予じめ各種強度のモルタルを作成
して、これらを上記試験器具(A)により穿孔加工又は
研摩加工し、図9のような加工時間と加工深さとの相関
的な評価基準となる強度グラフを準備しておく。
【0035】そして、或る既設建造物(B)の同種材料
である外装モルタルから施工されている構成材(20)
の複数個所を、上記方法により現場において穿孔加工又
は研摩加工し、その加工時間当りの加工深さ(G)を実
測した数値(複数個所での平均値)に基き作成した図1
0の強度グラフと、上記評価基準として予じめ作成され
た図9の強度グラフとを比較する。
【0036】これによれば、図10の強度グラフは図9
のうち、300Kgf/cm2 の強度グラフとほぼ等しい勾配
を描く関係上、その現場において試験した上記既設建造
物(B)の構成材(外装モルタル)(20)が、約30
0Kgf/cm2 の強度を有するものと評価できることにな
る。
【0037】又、上記方法によりやはり現場において別
な既設建造物(B)の構成材(外装モルタル)(20)
を穿孔加工又は研摩加工し、その加工時間当りの加工深
さ(G)を計測した数値に基き作成した強度グラフが、
図11に示す結果であったとした場合、その評価基準と
なる図9の強度グラフと比較することにより、その加工
深さ(G)が0mm〜2mmの間では図9の50Kgf/cm2
ほぼ等しい勾配を描くため、この深さ部分における構成
材(20)の強度は約50Kgf/cm2 、2mm〜3mmの間で
は図9の100Kgf/cm2 とほぼ等しい勾配を描くため、
この深さ部分における構成材(20)の強度は約100
Kgf/cm2 、3mm〜4mmの間では図9の200Kgf/cm2
ほぼ等しい勾配を描くため、この深さ部分における構成
材(20)の強度は約200Kgf/cm2 、又4mm〜5mmの
間では図9の300Kgf/cm2 とほぼ等しい勾配を描くた
め、この深さ部分における構成材(20)の強度は約3
00Kgf/cm2 であると云うように、その各深さ部分での
強度を評価することができ、その構成材(20)におけ
る深さ部分毎の劣化度も診断し得ることとなる。
【0038】更に、図11の強度試験結果を示した既設
建造物(B)の構成材(外装モルタル)(20)につい
て、その劣化部分を補修するため、表面から浸透性の強
化剤を塗布し、その効果を本発明の試験方法により調べ
た結果が、図12の強度グラフに示す通りであると仮定
した場合、図11の補修前と図12の補修後との比較に
基き、その構成材(20)における0mm〜2mmの深さ部
分では強度の向上が認められるため、その程度から浸透
性強化剤の補修効果も評価できることになる。
【0039】尚、構成材(20)の種類毎に予じめ評価
基準となる強度グラフを作成しておき、これを現場での
実際に試験・計測した強度グラフと比較・評価する旨と
して説明したが、その評価基準となる構成材(20)の
強度や耐摩耗性などの計測データを、予じめコンピユー
ターに記憶させておき、現場での実際に試験加工した強
度や耐摩耗性などの計測数値と、その評価基準である計
測データとをコンピユーターに比較演算させて、その構
成材(20)の試験結果を判定・評価することも可能で
ある。
【0040】先には、既設建造物(B)の構成材(2
0)として外装モルタルを一例に挙げて、その強度の試
験方法を説明したが、回転動力工具(10)の先端ビッ
ト(17)として図13〜15のような針(39)付き
の突き刺し用を使い、これを既設建造物(B)に塗装さ
れた構成材(仕上げ材)(20)へ一定深さ(G)だけ
突き刺した状態のもとに、回転動力工具(10)を回転
駆動し、その回転トルクを計測した数値に基き、上記構
成材(20)の耐剥離性(付着度)を現場にて試験する
こともできる。(40)は回転動力工具(10)に設け
られた回転トルク計測器を示している。
【0041】逆に、上記仕上げ材が撤去されるか又は打
放し状態にあるコンクリート造りの躯体、仕上げの無い
レンガ造りや石造りの躯体などを既設建造物(B)の構
成材(20)として、その深さに応じた材料強度や耐摩
耗性、劣化度、その他の諸性能を上記方法により、現場
にて試験することも可能である。
【0042】このように先端ビット(17)の先端形状
や材質、既設建造物(B)の表面に対する先端ビット
(17)の押圧力、先端ビット(17)の回転数などは
構成材(20)の種類に応じて適当に変えることができ
ることは、言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上を要するに、本発明の簡易試験方法
では既設建造物(B)の構成材穿孔用又は研摩用先端ビ
ット(17)が付属装備された回転動力工具(10)
を、その把持ケース(21)の内部へ進退自在に差し込
みセットし、
【0044】その把持ケース(21)を握り乍ら既設建
造物(B)の表面へ押し付けた固定状態において、上記
回転動力工具(10)の先端ビット(17)により既設
建造物(B)の構成材(20)を一定な押圧力のもとで
穿孔加工又は研摩加工し、その時間当り又は回転数当り
の加工深さ(G)を計測した数値に基き、上記構成材
(20)の深さに応じた強度や耐摩耗性、劣化度などの
諸性能を現場にて試験すするようになっているため、冒
頭に述べた従来技術の課題が確実に改良されることとな
り、既設建造物(B)の存在する現場において、その構
成材(20)の材料強度や耐摩耗性、劣化度などの諸性
能を誰でも簡易にすばやく試験することができ、著しく
便利である。
【0045】しかも、既設建造物(B)における構成材
(20)の表層のみならず、その深さ度合いに応じた内
部での上記諸性能も計測・評価することができるため、
特に劣化部分の進行状態に応じた最適な補修対策を講じ
得る効果がある。
【0046】又、回転動力工具(10)の先端ビット
(17)を構成材(20)の穿孔用や研摩用から、針
(39)付きの突き刺し用に交換して、請求項2の試験
方法を行なうことにより、仕上げ塗装された構成材(2
0)の耐剥離性(付着度)も現場にて便利良く試験する
ことができ、構成材(20)の種類に対する互換性にも
優れる。
【0047】更に、上記方法の実施に用いる簡易試験器
具(A)として、請求項3に特定された構成によれば、
既設建造物(B)の存在する現場へ便利良く携帯できる
ことは勿論、回転動力工具(10)の先端ビット(1
7)には後方から押圧付勢部材(24)の一定な押圧力
が与えられるようになっているため、その回転動力工具
(10)の把持ケース(21)を握り持ち使用し、これ
を既設建造物(B)の表面へ押し付け固定することによ
り、上記先端ビット(17)の振れ動きや踊り動きなど
を生ずることなく、しかも加工粉塵の飛散するおそれも
なく、安全・確実に構成材(20)の穿孔加工や研摩加
工を行なえるのであり、上記先端ビット(17)の回転
数を一定化できることや、その先端ビット(17)を交
換できることとも相俟って、試験の再現性にも効果があ
る。
【0048】特に、請求項4や請求項5の構成を採用す
るならば、携帯式の簡易試験器具(A)として小型コン
パクトに組立ユニット化することができ、その回転動力
工具(10)の先端ビット(17)を既設建造物(B)
の構成材(20)へ一定な押圧力のもとに押圧作用させ
ることも容易となる。
【0048】請求項6の構成を採用するならば、回転動
力工具(10)の把持ケース(21)を一層安定良く握
り持ち使用でき、その先端ビット(17)が既設建造物
(B)の構成材(20)を試験加工する作用状態や、加
工粉塵の捕集状態などを把持ケース(21)の外部から
透視することも可能であり、取扱い上の安全性に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る簡易試験器具の基本実施形態を示
す分解斜面図である。
【図2】図1の組立状態を示す一部破断の平面図であ
る。
【図3】図2の側面図である。
【図4】試験器具の把持ケースを既設建造物の表面へ押
し付けた固定状態の断面図である。
【図5】試験器具の先端ビットによる構成材の加工状態
を示す断面図である。
【図6】簡易試験器具の第1変形実施形態を示す図4に
対応する断面図である。
【図7】簡易試験器具の第2変形実施形態を示す図4に
対応する断面図である。
【図8】簡易試験器具の第3変形実施形態を示す図4に
対応する断面図である。
【図9】構成材(外装モルタル)の評価基準となる強度
グラフである。
【図10】或る既設構造物の構成材(外装モルタル)を
現場にて試験した強度グラフである。
【図11】別な既設建造物の同種構成材(外装モルタ
ル)を現場にて試験した強度グラフである。
【図12】構成材(外装モルタル)の補修効果を現場に
て試験した強度グラフである。
【図13】突き刺し用先端ビットによる構成材の加工状
態を示す図5に対応する断面図である。
【図14】図13の先端ビットを抽出して示す正面図で
ある。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【符号の説明】 (10)・回転動力工具 (11)・工具本体胴 (12)・ストッパー (13)・電源スイッチ (14)・変速調整ダイヤル (16)・チャック機構 (17)・先端ビット (20)・構成材 (21)・把持ケース (22)・スライドガイド溝レール (23)・目盛 (24)・押圧付勢部材 (24a)・引張り弾性部材 (24b)・圧縮弾性部材 (24d)・サーボモーター (25)・係止ピン (26)・係止凹溝 (27)・逃しカバー片 (33)・出力軸 (35)・入力軸 (A)・簡易試験器具 (B)・既設建造物 (G)・加工深さ (S)・一定量
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月12日(2000.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は既設建造物の躯体や
外装材、内装材、仕上げ材(以下、これらを本明細書に
おいて「構成材」と総称する。)を現場での便利良く試
験して、その構成材の材料強度や耐摩耗性、劣化度、耐
剥離性などの諸性能をすばやく評価できる簡易試験方法
と、そのための携帯式簡易試験器具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、既設建造物の構成材はコンクリ
ートやモルタル、塗装材、石材、レンガなどの各種から
成るが、これらの耐摩耗性試験はJIS規格の定めに基
いて、下表の方法により行なわれている通例である。
【0003】
【表】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
JIS規格に基く試験方法は、既設建造物の現場から採
取した試験片を室内で試験するものであり、その試験片
の設置状態も制約されるため、既設建造物の存在する現
場において、その構成材を簡易にすばやく試験すること
ができず、不便である。
【0005】又、構成材における表層のみの耐摩耗性や
材料強度、劣化度などを平均的な数値として、試験片の
試験から計測・評価することは可能であるが、その構成
材の深さ度合いに応じた内部での諸性能を試験すること
は不可能である。
【0006】つまり、例えば構成材の劣化がどの程度の
深さまで進行しているかを試験することはできず、その
結果これを補強するための適切な対策なども講じられな
いことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の改良を企図しており、そのため既設建造物における構
成材の簡易試験方法として、第1に既設建造物の構成材
穿孔用又は研摩用先端ビットが付属装備された回転動力
工具を、その把持ケースの内部へ進退自在に差し込みセ
ットし、
【0008】その把持ケースを握り乍ら既設建造物の表
面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具の
先端ビットにより既設建造物の構成材を一定な押圧力の
もとで穿孔加工又は研摩加工し、その時間当り又は回転
数当りの加工深さを計測した数値に基き、上記構成材の
深さに応じた強度や耐摩耗性、劣化度などの諸性能を現
場にて試験することを特徴とし、
【0009】又、第2に既設建造物の構成材突き刺し用
先端ビットが付属装備された回転動力工具を、その把持
ケースの内部へ進退自在に差し込みセットし、
【0010】その把持ケースを握り乍ら既設建造物の表
面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具の
先端ビットを既設建造物の構成材へ突き刺して回転さ
せ、その回転トルクを計測した数値に基き、上記構成材
の耐剥離性を現場にて試験することを特徴とする。
【0011】更に、上記方法の実施に用いる携帯式簡易
試験器具として、その構成上既設建造物の構成材穿孔
用、研摩用又は突き刺し用先端ビットが抜き差し交換自
在に差し込み装備される回転動力工具と、
【0012】その回転動力工具へ相対的な進退自在に差
し込み套嵌された把持ケースと、
【0013】上記先端ビットを既設建造物の表面に向か
って進出させるべく、その回転動力工具へ後方から一定
の押圧力を与える押圧付勢部材とから組立ユニット化し
たことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の詳細
を説明すると、先ず図1〜5はその本発明に用いる携帯
式簡易試験器具(A)の基本実施形態を示しており、
(10)は電動グラインダーやその他の手持ち可能な回
転動力工具であって、そのモーター(図示省略)を内蔵
した工具本体胴(11)の中途部からは、後述の把持ケ
ース受け止め用ストッパー(12)が突設されている。
図例の場合、そのストッパー(12)は加工深さ計測用
の指針を兼ねている。
【0015】(13)(14)は同じく工具本体胴(1
1)の後端部に並列設置された電源スイッチと変速調整
ダイヤル、(15)は電源コード、(16)は先端ビッ
ト(17)のチャック機構であって、上記モーターによ
る回転駆動軸(図示省略)の前端部へ植え込まれるコレ
ットチャック(図示省略)と、同じく回転駆動軸へ螺合
締結される円錐型のカバーナット(18)とから成り、
上記工具本体胴(11)から突出するロックボタン(1
9)を押し込んで、カバーナット(18)を螺退操作す
れば、上記コレットチャックが弛緩するようになってい
る。
【0016】上記回転動力工具(10)の先端ビット
(17)として、図例では既設建造物(B)における構
成材(20)の就中外装材に対する穿孔用又は研摩用を
示しているが、その先端ビット(17)は予じめ構成材
(20)の種類に応じた材質と、その構成材(20)の
試験加工に適した先端形状とを備えた各種として用意さ
れており、上記回転動力工具(10)へチャック機構
(16)を介して抜き差し交換自在に差し込み使用され
ることとなる。
【0017】(21)は上記回転動力工具(10)の把
持ケースであって、透明又は半透明の硬質なアクリル樹
脂やその他の合成樹脂から、上記工具本体胴(11)よ
りも若干太く且つ片手で握り持てる一定長さ(L)の円
筒型に造形されており、その工具本体胴(11)へ差し
込み套嵌されることによって、上記回転動力工具(1
0)を前後方向へ進退移動し得るように案内作用する。
【0018】つまり、把持ケース(21)は上記回転動
力工具(10)に装備された先端ビット(17)から、
工具本体胴(11)の中途部までを包囲できる一定長さ
(L)だけ延在し、その工具本体胴(11)の後端部に
並列する電源スイッチ(13)と変速調整ダイヤル(1
4)の露出状態にある。
【0019】そして、その把持ケース(21)の後端部
に切り欠かれたスライドガイド溝レール(22)が、上
記工具本体胴(11)側のストッパー(12)と係合し
ており、回転動力工具(10)とその把持ケース(2
1)との相対的に空転しないようになっている。(2
3)はそのスライドガイド溝レール(22)に沿って付
与された加工深さ計測用の目盛である。
【0020】又、(24)は上記回転動力工具(10)
へ後方から一定の押圧力を与える押圧付勢部材であり、
図例の場合ゴムやバネなどの引張り弾性部材(24a)
として、上記把持ケース(21)の中途部から一体的に
突出する左右一対の係止ピン(25)と、工具本体胴
(11)の後端部に陥没する係止凹溝(26)との前後
相互間に亘って、安定良く連繋張架されている。
【0021】その回転動力工具(10)の押圧付勢部材
(24)によって、上記先端ビット(17)が把持ケー
ス(21)の先端部から前方へ常時一定量(S)だけ進
出する付勢状態に組み立てユニット化されているのであ
り、そのため上記把持ケース(21)を握り持ち使用し
て、その先端部を既設建造物(B)の表面へ押し付け固
定すれば、上記引張り弾性部材(24a)の強制的に引
き伸ばされる復元力が、既設建造物(B)の構成材(2
0)に対する先端ビット(17)の一定な押圧力として
作用することになる。
【0022】尚、(27)は上記把持ケース(21)の
握り持ち使用上、その片手によって引張り弾性部材(2
4a)が押え付けられてしまうことを防ぐ逃しカバー片
の左右一対であり、把持ケース(21)から一体的に突
出している。
【0023】図1〜5の基本実施形態では、上記回転動
力工具(10)の押圧付勢部材(24)を引張り弾性部
材(24a)から具体化しているが、これに代るゴムや
バネなどの圧縮弾性部材(24b)を採用して、図6の
第1変形実施形態から明白なように、その圧縮弾性部材
(24b)を回転動力工具(10)における工具本体胴
(11)の後端部と、その工具本体胴(11)を包囲し
た把持ケース(21)の後端部との前後相互間へ封入し
ても良い。(28)は回転動力工具(10)の電源スイ
ッチを兼ねた変速調整ダイヤルであり、上記把持ケース
(21)から露出していることは言うまでもない。
【0024】又、同じく回転動力工具(10)の押圧付
勢部材(24)としては、図7の第2変形実施形態に示
すような重錘(24c)を採用して、これを回転動力工
具(10)における工具本体胴(11)の後端部から、
その把持ケース(21)の中途部に軸支された遊転ガイ
ドローラー(29)を経て、前向きに張り掛け延長され
た索条(30)へ吊り下げ状態に取り付けてもさしつか
えない。(31)はその索条(30)の係止片、(3
2)は同じく索条(30)を片手により押え付けてしま
わないように防ぐ逃しカバー片である。
【0025】更に、回転動力工具(10)の押圧付勢部
材(24)としてサーボモーター(24d)を採用し、
これを図8の第3変形実施形態に示す如く、上記把持ケ
ース(21)の後端部へ付属一体化させても良い。
【0026】そして、そのサーボモーター(24d)か
ら把持ケース(21)内への前向きに突出する出力軸
(33)へ、ナット(34)を一体回転し得るように嵌
め付けると共に、回転動力工具(10)から対応的な後
向きに突出する入力軸(35)を、上記ナット(34)
と螺合締結することにより、そのサーボモーター(24
d)の回転駆動力を先端ビット(17)の一定な押圧力
として作用させるのである。(36)はその先端ビット
(17)による加工深さ計測器、(37)は電源コード
を示している。
【0027】上記第2、3変形実施形態の場合、先端ビ
ット(17)を回転動力工具(10)へ抜き差し交換自
在に差し込み使用できるようにするため、その回転動力
工具(10)における把持ケース(21)の先端部(2
1a)を、残余の本体部とネジ(38)などによって、
着脱可能に締結する。
【0028】尚、第1〜3変形実施形態におけるその他
の構成は、図1〜5の上記基本実施形態と実質的に同一
であるため、その図6〜8に図1〜5との対応符号を記
入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0029】何れにしても、本発明では上記のような簡
易試験器具(A)を現場へ携帯して、既設建造物(B)
における各種構成材(20)の材料強度や耐摩耗性、劣
化度などの諸性能を、次の方法により試験するのであ
る。
【0030】即ち、本発明の試験方法を上記基本実施形
態の簡易試験器具(A)に基いて説明すると、その試験
器具(A)では回転動力工具(10)の先端ビット(1
7)が穿孔用又は研摩用として、押圧付勢部材(24)
のゴムやバネなどから具体化された引張り弾性部材(2
4a)により、図3のように把持ケース(21)の先端
部から予じめ前方へ一定量(S)だけ進出した付勢状態
に組み立てユニット化されているので、上記把持ケース
(21)を片手で握り持ち乍ら図4のように、その先端
部を既設建造物(B)の表面へ押し付け固定する。
【0031】そうすれば、その押し付け固定された状態
にある把持ケース(21)と相対して、回転動力工具
(10)は後退移動することになり、上記引張り弾性部
材(24a)が強制的に引き伸ばされる結果、その引き
伸ばしに伴なう復元力が回転動力工具(10)の先端ビ
ット(17)を、既設建造物(B)の構成材(20)へ
一定な押圧力のもとで押圧作用する。この準備状態は、
把持ケース(21)を通じて透視することができる。
【0032】そこで、回転動力工具(10)の先端ビッ
ト(17)を一定な回転数のもとに回転駆動し、上記既
設建造物(B)の構成材(20)を図5のように穿孔加
工又は研摩加工する。その際、把持ケース(21)は既
設建造物(B)の表面へ押し付けられた固定状態にある
関係上、回転動力工具(10)の先端ビット(17)が
振れ動いたり、踊ったりするおそれはなく、既設建造物
(B)の構成材(20)に向かって正しく直進する。
又、先端ビット(17)による構成材(20)の加工粉
塵は、上記把持ケース(21)の内部へ自づと捕集され
ることになり、その飛び散る危険もなく、安全に作業す
ることができる。
【0033】そして、上記構成材(20)に対する時間
当り又は回転数当りの加工深さ(G)を計測すれば、そ
の計測した数値に基いて、上記構成材(20)の深さに
応じた内部での耐摩耗性や劣化度、材料強度などの諸性
能を試験できる結果となる。上記回転動力工具(10)
の先端ビット(17)が既設建造物(B)の構成材(2
0)へ押し付けられる押圧力を初め、その先端ビット
(17)の回転数や材質、先端形状などを悉く一定に設
定できるからであり、その意味から試験の再現にも支障
がない。
【0034】この点、既設建造物(B)の構成材(2
0)が外装モルタルから成る場合を一例に挙げて、一層
具体的に言及すると、予じめ各種強度のモルタルを作成
して、これらを上記試験器具(A)により穿孔加工又は
研摩加工し、図9のような加工時間と加工深さとの相関
的な評価基準となる強度グラフを準備しておく。
【0035】そして、或る既設建造物(B)の同種材料
である外装モルタルから施工されている構成材(20)
の複数個所を、上記方法により現場において穿孔加工又
は研摩加工し、その加工時間当りの加工深さ(G)を実
測した数値(複数個所での平均値)に基き作成した図1
0の強度グラフと、上記評価基準として予じめ作成され
た図9の強度グラフとを比較する。
【0036】これによれば、図10の強度グラフは図9
のうち、300Kgf/cm2 の強度グラフとほぼ等しい勾配
を描く関係上、その現場において試験した上記既設建造
物(B)の構成材(外装モルタル)(20)が、約30
0Kgf/cm2 の強度を有するものと評価できることにな
る。
【0037】又、上記方法によりやはり現場において別
な既設建造物(B)の構成材(外装モルタル)(20)
を穿孔加工又は研摩加工し、その加工時間当りの加工深
さ(G)を計測した数値に基き作成した強度グラフが、
図11に示す結果であったとした場合、その評価基準と
なる図9の強度グラフと比較することにより、その加工
深さ(G)が0mm〜2mmの間では図9の50Kgf/cm2
ほぼ等しい勾配を描くため、この深さ部分における構成
材(20)の強度は約50Kgf/cm2 、2mm〜3mmの間で
は図9の100Kgf/cm2 とほぼ等しい勾配を描くため、
この深さ部分における構成材(20)の強度は約100
Kgf/cm2 、3mm〜4mmの間では図9の200Kgf/cm2
ほぼ等しい勾配を描くため、この深さ部分における構成
材(20)の強度は約200Kgf/cm2 、又4mm〜5mmの
間では図9の300Kgf/cm2 とほぼ等しい勾配を描くた
め、この深さ部分における構成材(20)の強度は約3
00Kgf/cm2 であると云うように、その各深さ部分での
強度を評価することができ、その構成材(20)におけ
る深さ部分毎の劣化度も診断し得ることとなる。
【0038】更に、図11の強度試験結果を示した既設
建造物(B)の構成材(外装モルタル)(20)につい
て、その劣化部分を補修するため、表面から浸透性の強
化剤を塗布し、その効果を本発明の試験方法により調べ
た結果が、図12の強度グラフに示す通りであると仮定
した場合、図11の補修前と図12の補修後との比較に
基き、その構成材(20)における0mm〜2mmの深さ部
分では強度の向上が認められるため、その程度から浸透
性強化剤の補修効果も評価できることになる。
【0039】尚、構成材(20)の種類毎に予じめ評価
基準となる強度グラフを作成しておき、これを現場での
実際に試験・計測した強度グラフと比較・評価する旨と
して説明したが、その評価基準となる構成材(20)の
強度や耐摩耗性などの計測データを、予じめコンピユー
ターに記憶させておき、現場での実際に試験加工した強
度や耐摩耗性などの計測数値と、その評価基準である計
測データとをコンピユーターに比較演算させて、その構
成材(20)の試験結果を判定・評価することも可能で
ある。
【0040】先には、既設建造物(B)の構成材(2
0)として外装モルタルを一例に挙げて、その強度の試
験方法を説明したが、回転動力工具(10)の先端ビッ
ト(17)として図13〜15のような針(39)付き
の突き刺し用を使い、これを既設建造物(B)に塗装さ
れた構成材(仕上げ材)(20)へ一定深さ(G)だけ
突き刺した状態のもとに、回転動力工具(10)を回転
駆動し、その回転トルクを計測した数値に基き、上記構
成材(20)の耐剥離性(付着度)を現場にて試験する
こともできる。(40)は回転動力工具(10)に設け
られた回転トルク計測器を示している。
【0041】逆に、上記仕上げ材が撤去されるか又は打
放し状態にあるコンクリート造りの躯体、仕上げの無い
レンガ造りや石造りの躯体などを既設建造物(B)の構
成材(20)として、その深さに応じた材料強度や耐摩
耗性、劣化度、その他の諸性能を上記方法により、現場
にて試験することも可能である。
【0042】このように先端ビット(17)の先端形状
や材質、既設建造物(B)の表面に対する先端ビット
(17)の押圧力、先端ビット(17)の回転数などは
構成材(20)の種類に応じて適当に変えることができ
ることは、言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上を要するに、本発明の簡易試験方法
では既設建造物(B)の構成材穿孔用又は研摩用先端ビ
ット(17)が付属装備された回転動力工具(10)
を、その把持ケース(21)の内部へ進退自在に差し込
みセットし、
【0044】その把持ケース(21)を握り乍ら既設建
造物(B)の表面へ押し付けた固定状態において、上記
回転動力工具(10)の先端ビット(17)により既設
建造物(B)の構成材(20)を一定な押圧力のもとで
穿孔加工又は研摩加工し、その時間当り又は回転数当り
の加工深さ(G)を計測した数値に基き、上記構成材
(20)の深さに応じた強度や耐摩耗性、劣化度などの
諸性能を現場にて試験すするようになっているため、冒
頭に述べた従来技術の課題が確実に改良されることとな
り、既設建造物(B)の存在する現場において、その構
成材(20)の材料強度や耐摩耗性、劣化度などの諸性
能を誰でも簡易にすばやく試験することができ、著しく
便利である。
【0045】しかも、既設建造物(B)における構成材
(20)の表層のみならず、その深さ度合いに応じた内
部での上記諸性能も計測・評価することができるため、
特に劣化部分の進行状態に応じた最適な補修対策を講じ
得る効果がある。
【0046】又、回転動力工具(10)の先端ビット
(17)を構成材(20)の穿孔用や研摩用から、針
(39)付きの突き刺し用に交換して、請求項2の試験
方法を行なうことにより、仕上げ塗装された構成材(2
0)の耐剥離性(付着度)も現場にて便利良く試験する
ことができ、構成材(20)の種類に対する互換性にも
優れる。
【0047】更に、上記方法の実施に用いる簡易試験器
具(A)として、請求項3に特定された構成によれば、
既設建造物(B)の存在する現場へ便利良く携帯できる
ことは勿論、回転動力工具(10)の先端ビット(1
7)には後方から押圧付勢部材(24)の一定な押圧力
が与えられるようになっているため、その回転動力工具
(10)の把持ケース(21)を握り持ち使用し、これ
を既設建造物(B)の表面へ押し付け固定することによ
り、上記先端ビット(17)の振れ動きや踊り動きなど
を生ずることなく、しかも加工粉塵の飛散するおそれも
なく、安全・確実に構成材(20)の穿孔加工や研摩加
工を行なえるのであり、上記先端ビット(17)の回転
数を一定化できることや、その先端ビット(17)を交
換できることとも相俟って、試験の再現性にも効果があ
る。
【0048】特に、請求項4や請求項5の構成を採用す
るならば、携帯式の簡易試験器具(A)として小型コン
パクトに組立ユニット化することができ、その回転動力
工具(10)の先端ビット(17)を既設建造物(B)
の構成材(20)へ一定な押圧力のもとに押圧作用させ
ることも容易となる。
【0049】請求項6の構成を採用するならば、回転動
力工具(10)の把持ケース(21)を一層安定良く握
り持ち使用でき、その先端ビット(17)が既設建造物
(B)の構成材(20)を試験加工する作用状態や、加
工粉塵の捕集状態などを把持ケース(21)の外部から
透視することも可能であり、取扱い上の安全性に優れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 直司 茨城県つくば市吾妻2丁目702−204 Fターム(参考) 2F062 AA42 AA99 BC80 CC22 CC26 CC30 DD40 EE01 EE31 EE62 EE80 GG12 GG38 HH21 HH32 LL02 LL03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設建造物(B)の構成材穿孔用又は研摩
    用先端ビット(17)が付属装備された回転動力工具
    (10)を、その把持ケース(21)の内部へ進退自在
    に差し込みセットし、 その把持ケース(21)を握り乍ら既設建造物(B)の
    表面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具
    (10)の先端ビット(17)により既設建造物(B)
    の構成材(20)を一定な押圧力のもとで穿孔加工又は
    研摩加工し、その時間当り又は回転数当りの加工深さ
    (G)を計測した数値に基き、上記構成材(20)の深
    さに応じた強度や耐摩耗性、劣化度などの諸性能を現場
    にて試験することを特徴とする既設建造物における構成
    材の簡易試験方法。
  2. 【請求項2】既設建造物(B)の構成材突き刺し用先端
    ビット(17)が付属装備された回転動力工具(10)
    を、その把持ケース(21)の内部へ進退自在に差し込
    みセットし、 その把持ケース(21)を握り乍ら既設建造物(B)の
    表面へ押し付けた固定状態において、上記回転動力工具
    (10)の先端ビット(17)を既設建造物(B)の構
    成材(20)へ突き刺して回転させ、その回転トルクを
    計測した数値に基き、上記構成材(20)の耐剥離性を
    現場にて試験することを特徴とする既設建造物における
    構成材の簡易試験方法。
  3. 【請求項3】既設建造物(B)の構成材穿孔用、研摩用
    又は突き刺し用先端ビット(17)が抜き差し交換自在
    に差し込み装備される回転動力工具(10)と、 その回転動力工具(10)へ相対的な進退自在に差し込
    み套嵌された把持ケース(21)と、 上記先端ビット(17)を既設建造物(B)の表面に向
    かって進出させるべく、その回転動力工具(10)へ後
    方から一定の押圧力を与える押圧付勢部材(24)とか
    ら組立ユニット化したことを特徴とする既設建造物にお
    ける構成材の携帯式簡易試験器具。
  4. 【請求項4】押圧付勢部材(24)をゴムやバネなどの
    引張り弾性部材(24a)として、回転動力工具(1
    0)とその把持ケース(21)との相互間へ連繋張架さ
    せるか、又は押圧付勢部材(24)をゴムやバネなどの
    圧縮弾性部材(24b)として、同じく回転動力工具
    (10)とその把持ケース(21)との相互間へ封入す
    ることにより、上記回転動力工具(10)の先端ビット
    (17)を把持ケース(21)から予じめ一定量(S)
    だけ前方へ進出する組立状態に保ち、 その把持ケース(21)を既設建造物(B)の表面へ押
    し付け固定した時、上記引張り弾性部材(24a)の強
    制的に引き伸ばされる復元力又は上記圧縮弾性部材(2
    4b)の強制的に圧縮される復元力が、既設建造物
    (B)の構成材(20)に対する先端ビット(17)の
    一定な押圧力として作用するように定めたことを特徴と
    する請求項3記載の既設建造物における構成材の携帯式
    簡易試験器具。
  5. 【請求項5】押圧付勢部材(24)をサーボモーター
    (24d)として、把持ケース(21)の後端部へ付属
    一体化させると共に、そのサーボモーター(24d)か
    ら把持ケース(21)内への前向きに突出する出力軸
    (33)と、回転動力工具(10)から対応的な後向き
    に突出する入力軸(35)とを螺合締結して、そのサー
    ボモーター(24d)の回転駆動力を既設建造物(B)
    の構成材(20)に対する先端ビット(17)の一定な
    押圧力として作用させるように定めたことを特徴とする
    請求項3記載の既設建造物における構成材の携帯式簡易
    試験器具。
  6. 【請求項6】回転動力工具(10)の把持ケース(2
    1)を透明又は半透明の硬質な合成樹脂から、回転動力
    工具(10)よりも若干太く且つ片手で把持できる一定
    長さ(L)の円筒型に造形して、その回転動力工具(1
    0)の先端ビット(17)を包囲する状態に差し込み套
    嵌させたことを特徴とする請求項3記載の既設建造物に
    おける構成材の携帯式簡易試験器具。
JP2000209852A 2000-07-11 2000-07-11 既設建造物における構成材の簡易試験方法とそのための携帯式簡易試験器具 Expired - Lifetime JP3328663B2 (ja)

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