JP2002022625A - マイクロサンプリングシステム及びマイクロナイフ - Google Patents

マイクロサンプリングシステム及びマイクロナイフ

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JP2002022625A
JP2002022625A JP2000209751A JP2000209751A JP2002022625A JP 2002022625 A JP2002022625 A JP 2002022625A JP 2000209751 A JP2000209751 A JP 2000209751A JP 2000209751 A JP2000209751 A JP 2000209751A JP 2002022625 A JP2002022625 A JP 2002022625A
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Akira Maruyama
昭 丸山
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム、プラスチックス、塗料膜などの工業
品(中間品を含む)への混入異物などで例えば50μm
以下のサンプルを切除或いは剥離などにより採取して分
析測定するのに利用されるマイクロサンプリングシステ
ム及びマイクロナイフを明らかにする。 【解決手段】被験物から大きさ1μm〜100μmのサ
ンプルの切除・剥離が可能である工業目的サンプリング
用のマイクロナイフにおいて、モース硬度6以上の硬度
を有する材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプ
ルのサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備え
ていることを特徴とする工業目的サンプリング用のマイ
クロナイフである。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロサンプリ
ングシステム及びマイクロナイフに関し、更に詳しく
は、フィルム、プラスチックス、塗料膜などに混入した
異物を原因究明用のサンプルとして切除或いは剥離など
により採取して分析測定するのに利用されるマイクロサ
ンプリングシステム及びマイクロナイフに関する。特に
本発明は、実体顕微鏡・CCDカメラ及びモニター・マ
イクロマニピュレーター・超マイクロナイフの組み合わ
せで、例えば50μm以下のサンプルを採取して行うマ
イクロサンプリングに好ましく適用されるシステム及び
マイクロナイフに関する。また、本発明は、生物のマイ
クロ手術やマイクロサンプリングなどにも適用されるも
のである。
【従来技術】工業用マイクロサンプリングを行うマイク
ロマニピュレーターシステムとしては、例えば島津製作
所社製のMMS−77(同社製品名)が知られている
が、このシステムで利用される顕微鏡は光学顕微鏡であ
り、マイクロマニピュレーターで操作されるのは、ガラ
ス製キャピラリー(Capillary)、金属(刃物
用鋼鉄)製ブレードないし針、ダイヤモンド針である。
【発明が解決しようとする課題】従来のシステムにより
マイクロサンプリングを行うと、第1に光学顕微鏡が利
用されるために、例えば50μm以下のサイズのサンプ
リングを行おうとすると、レンズの焦点距離(被写界深
度)が浅く、焦点ずれのために観察範囲外にずれてしま
いやすく操作が非常に困難を極める。従来バイオ目的の
ために生体細胞や卵細胞などを扱うのに利用されている
ガラス製キャピラリー・金属(刃物用鋼鉄)製ブレード
ないし針などにより上記した工業製品のサンプリングを
行おうとすると、サンプリング対象物の硬度が生体細胞
や卵細胞などと大きく異なるので、切除や剥離といった
作業を行うには硬度が不足である。ちなみに、ナイフの
刃のモース硬度は5強、鑢(やすり)のモース硬度は6
強で、石英のモース硬度7弱より下である。更に、サン
プリング対象のサイズが例えば50μm以下となると、
ナイフ(ブレード)を更にマイクロ化する必要があるの
で、上記の硬度不足はより重要な問題となる。ダイヤモ
ンド製であれば硬度に関しては問題ないが、製造上やコ
スト上の困難性を伴う。従来のシステムにおいてもダイ
ヤモンド製のものが利用されているが、形状は先端が鋭
利なだけの所謂針であり、この形状では、サイズが例え
ば50μm以下である(工業品)サンプルの切除・剥離
は困難である。上記した理由により、従来のガラス製キ
ャピラリー・金属(刃物用鋼鉄)製ブレードないし針、
或いはダイヤモンド針などは、工業目的のサンプリング
に利用するマイクロナイフとしては実用できない。上記
から明らかなように、本発明は、フィルム、プラスチッ
クス、塗料膜などの工業品(中間品を含む)への混入異
物などで例えば50μm以下のサンプルを切除或いは剥
離などにより採取して分析測定するのに利用されるマイ
クロサンプリングシステム及びマイクロナイフを明らか
にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロナ
イフは、被験物から大きさ1μm〜100μmのサンプ
ルの切除・剥離が可能である工業目的サンプリング用の
マイクロナイフにおいて、モース硬度6以上の硬度を有
する材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプルの
サンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備えてい
ることを特徴とする。本発明に係るマイクロサンプリン
グシステムは、顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイ
クロマニピュレーターから成り、被験物から大きさ1μ
m〜100μmのサンプルの切除・剥離が可能である工
業目的マイクロサンプリングシステムであり、該顕微鏡
が実体顕微鏡であり、また、該マイクロマニピュレータ
ーにより操作されるマイクロナイフが、モース硬度6以
上の硬度を有する材料で形成され、且つ、50μm以下
のサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備えて
いることを特徴とする。本発明に係るマイクロサンプリ
ング装置は、顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイク
ロマニピュレーターから成り、被験物から大きさ1μm
〜100μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業
目的マイクロサンプリング装置であり、該顕微鏡が実体
顕微鏡であり、また、該マイクロマニピュレーターによ
り操作されるマイクロナイフが、モース硬度6以上の硬
度を有する材料で形成され、且つ、50μm以下のサン
プルの切除・剥離が可能であるブレードを備えているこ
とを特徴とする。本発明に係るマイクロサンプルの分析
法は、実体顕微鏡、CCDカメラ、モニター、モース硬
度6以上の硬度を有する材料で形成され、且つ、50μ
m以下のサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを
備えているマイクロナイフを操作するマイクロマニピュ
レーターから成る工業目的マイクロサンプリングを装置
により、被験物から大きさ1μm〜100μmのサンプ
ルの切除・剥離を行い、該サンプルの化学的ないし物性
的分析を行うことを特徴とする。
【発明の実施の形態】図1に従って、本発明に係るマイ
クロサンプリングシステムを説明する。先ず、サンプル
として被採取物(異物)を採取する被験物10は、実体
顕微鏡20の下に配置される基台21上に配置され、接
眼レンズ22により位置決めが行われる。実体顕微鏡2
0を通して得られる拡大映像は、CCDカメラ30によ
り撮像されてモニター40に映し出される。被験物10
からのサンプルの採取は、一対で構成されるマイクロマ
ニピュレーター50の操作によって駆動されるアーム5
1の先端に取り付けられているマイクロナイフ60によ
り行われる。実体顕微鏡20としては、ニコン社製、オ
リンパス社製、カールツアイス社製などの市販品が利用
できるが、観察総合倍率が50〜200倍でリング照明
及びグラスファイバーなどのような集光照明による反射
と透過の観察機能を持ち、CCDカメラ30が取り付け
可能であり、三眼鏡筒を備えた機種を選択する。実体顕
微鏡20の観察倍率と観察サイズの相関は以下の数値と
なるが、観察サイズが1mmを超えると、取り扱いが十
分に容易である。 物質実体 観察倍率 観察サイズ 2μm 200倍 0.4mm 5μm 200倍 1mm 10μm 100倍 1mm 20μm 50倍 1mm マイクロマニピュレーター50としては、前述の島津社
製の工業用マイクロマニピュレータ(MMS−77)或
いはナリシダ社製のバイオ研究用マニピュレーターが利
用できる。但し、両装置は光学顕微鏡を利用するシステ
ムとして構成されているので、本発明に利用するには、
実体顕微鏡20が組み込みできるよう、付属装置・備品
などを改良すればよい。マイクロマニピュレーター50
のアーム51に取り付けて利用されるマイクロナイフ6
0を説明する。図2及び図3に示すように、マイクロナ
イフ60は、先端にブレード61が形成されているナイ
フ軸62と、このナイフ軸62を保持すると共にアーム
51に接続するための保持部63とで構成されている。
ブレード61は、サンプルに対し直接に接触して、その
切除・剥離を行う部分である。尚、ブレード61とナイ
フ軸62とが同一の材質の部材で構成される態様と、両
部材が異なった材質の部材で構成される態様とがある。
後者の態様は、例えば、ナイフ軸62の先端にブレード
61が接着剤などにより接続ないし結合される構成であ
る。ブレード61の形状は、彫刻刀や鑿などで知られて
いる各種の刃先形状が採用され、刃先の種類としては、
片刃・両刃の何れであってもよい。片刃と両刃の違い
は、図4に示す通りであり、図4のBに示す形状が片
刃、図4のCに示す形状が両刃である。ブレード61の
断面形状は、丸・楕円・三角形・方形・平板状・半円形
・円弧状・V字状など様々の形状であってよい。また、
ブレード61は、直線状のものの外、図4に示すよう
に、屈曲ないし湾曲したものを含む。ブレード61のサ
イズ(幅W、長さL)は、図2及び図3のA〜Eに示す
態様のブレードでは、W1=0.005mm〜0.1m
m、L1=2mm〜20mm、L2=50mm〜200
mmである。ブレード61の刃先先端部の仕上げ加工
は、図4のB及びCに示すように、先端幅W3が0.0
001〜0.002mmである鋭さとする。ブレード6
1の材質について説明する。前述したように、ブレード
61の材質とナイフ軸62の材質とが同一である態様
と、別な材質である態様とがあるが、両態様の違いは、
製造上の問題或いは製造コストの問題に帰する。即ち、
本発明で利用されるマイクロナイフ60は、少なくとも
そのブレード61部分がモース硬度で6以上であること
が要求される。モース硬度は、よく知られているよう
に、ダイヤモンドを10とし、滑石を1として硬度を表
現したものであり、石英ガラスを構成する石英のモース
硬度が7であるから、これを超えるモース硬度を持つ材
質、例えば、黄石(例えばTopaz、モース硬度
8)、鋼玉(例えばルビー、モース硬度9)或いは超鋼
材や焼き入れ鋼(モース硬度6強)などの材質とするこ
とが必要であり、このような材質の材料は一般に高価で
あるから、ブレード61とナイフ軸62とを別材質で形
成する態様が取られる。勿論、これらのような高い硬度
を持つ材料が安価に製造できる場合にあってはナイフ軸
62を含めた一体型とすることが可能である。ジルコニ
ア、サファイヤ、ルビーなどは、硬さの点でモース硬度
6以上であり利用可能であるが、ブレード61の材料と
してはやや脆いところがある。従って、サンプリング対
象物によって選択的に利用される。更に、例えばモース
硬度6〜7である超鋼材や、モース硬度10のダイヤモ
ンドがブレード61の材料として好ましく用いられる。
ブレード61の素材として石英ガラスを検討する。石英
ガラスは、モース硬度6以上の素材であるが、マイクロ
ナイフとして加工すると、刃先の部分(ブレード61の
先端部分)が脆く、本発明の対象となるサンプルを取り
扱うには実用的ではない。また、石英ガラスは、溶融石
英と合成石英とがあり、軟化点が前者は後者より200
〜300℃低いが、それでも1000℃以上の高温であ
り、加熱加工装置のコストが高く、この点からもブレー
ド61の素材として利用するには得策ではない。ダイヤ
モンドは、硬度の点からもブレード61の素材として適
しているが、加工工数が多い点、コストが高い点が難点
であるが、本発明の対象となるサンプルを取り扱うに
は、使用中の耐久性が非常に高く、利用するに好ましい
素材である。ブレード61を形成するには、高価な天然
素材でなくとも、安価な合成物で十分である。カーボン
ランダムや、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つボロンカー
バイドは、モース硬度の点では十分であるが、ブレード
61を形成する素材としては加工性に問題がある外、ナ
イフ素材としては脆弱であり、実用的ではない。モース
硬度6程度のやすり用鋼鉄はブレード61の素材として
利用することができるが、ニッケルメッキした上で超精
密加工処理によりブレードを形成しようとすると、ニッ
ケルメッキ層は数μmの厚さに加工すると膜付きが弱く
なり長期間の使用に耐えられなくなる。また、再生加工
の際に数μmのメッキ膜が剥がれてしまうのでメッキ加
工の意味が失われてしまう難点がある。本発明のより好
ましい態様は、摩耗したブレード61が再研磨処理をし
た後に再利用できるものであることである。本発明のシ
ステムにおけるCCDカメラ30とモニター40とは、
実体顕微鏡20に適用できるよう市販品を改良して利用
すればよい。
【発明の効果】本発明に係るマイクロサンプリングシス
テムによれば、従来の光学顕微鏡によらず実体顕微鏡を
利用するので、採取しようとするサンプルが顕微鏡の視
界からずれてしまうことが少なく、操作性が格段に向上
する。また、高い硬度を持つマイクロナイフを利用する
ので、従来のガラス製キャピラリーや金属(刃物用鋼
鉄)製のブレードなどに比べ、高い硬度を持つ工業品の
サンプリングに際しても折れたり曲がったりせず、広範
囲の被験物について適用可能であり、また、使い勝手が
良好である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムを示す概略図
【図2】マイクロナイフを示す平面図及び断面図
【図3】マイクロナイフを示す平面図及び断面図
【図4】マイクロナイフを示す側面図及びブレードの断
面図
【符号の説明】
10−被験物 20−実体顕微鏡 21−基台 22−接眼レンズ 30−CCDカメラ 40−モニター 50−マイクロマニピュレーター 51−アーム 60−マイクロナイフ 61−ブレード 62−ナイフ軸 63−保持部
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月10日(2001.9.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 マイクロサンプリングシステム及
びマイクロナイフ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロサンプリ
ングシステム及びマイクロナイフに関し、更に詳しく
は、フィルム、プラスチックス、塗料膜などに混入した
異物を原因究明用のサンプルとして切除或いは剥離など
により採取して分析測定するのに利用されるマイクロサ
ンプリングシステム及びマイクロナイフに関する。特に
本発明は、実体顕微鏡・CCDカメラ及びモニター・マ
イクロマニピュレーター・超マイクロナイフの組み合わ
せで、例えば50μm以下のサンプルを採取して行うマ
イクロサンプリングに好ましく適用されるシステム及び
マイクロナイフに関する。
【0002】また、本発明は、生物のマイクロ手術やマ
イクロサンプリングなどにも適用されるものである。
【0003】
【従来技術】工業用マイクロサンプリングを行うマイク
ロマニピュレーターシステムとしては、例えば島津製作
所社製のMMS−77(同社製品名)が知られている
が、このシステムで利用される顕微鏡は光学顕微鏡であ
り、マイクロマニピュレーターで操作されるのは、ガラ
ス製キャピラリー(Capillary)、金属(刃物
用鋼鉄)製ブレードないし針、ダイヤモンド針である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のシステムにより
マイクロサンプリングを行うと、第1に光学顕微鏡が利
用されるために、例えば50μm以下のサイズのサンプ
リングを行おうとすると、レンズの焦点距離(被写界深
度)が浅く、焦点ずれのために観察範囲外にずれてしま
いやすく操作が非常に困難を極める。
【0005】従来バイオ目的のために生体細胞や卵細胞
などを扱うのに利用されているガラス製キャピラリー・
金属(刃物用鋼鉄)製ブレードないし針などにより上記
した工業製品のサンプリングを行おうとすると、サンプ
リング対象物の硬度が生体細胞や卵細胞などと大きく異
なるので、切除や剥離といった作業を行うには硬度が不
足である。ちなみに、ナイフの刃のモース硬度は5強、
鑢(やすり)のモース硬度は6強で、石英のモース硬度
7弱より下である。
【0006】更に、サンプリング対象のサイズが例えば
50μm以下となると、ナイフ(ブレード)を更にマイ
クロ化する必要があるので、上記の硬度不足はより重要
な問題となる。
【0007】ダイヤモンド製であれば硬度に関しては問
題ないが、製造上やコスト上の困難性を伴う。従来のシ
ステムにおいてもダイヤモンド製のものが利用されてい
るが、形状は先端が鋭利なだけの所謂針であり、この形
状では、サイズが例えば50μm以下である(工業品)
サンプルの切除・剥離は困難である。
【0008】上記した理由により、従来のガラス製キャ
ピラリー・金属(刃物用鋼鉄)製ブレードないし針、或
いはダイヤモンド針などは、工業目的のサンプリングに
利用するマイクロナイフとしては実用できない。
【0009】上記から明らかなように、本発明は、フィ
ルム、プラスチックス、塗料膜などの工業品(中間品を
含む)への混入異物などで例えば50μm以下のサンプ
ルを切除或いは剥離などにより採取して分析測定するの
に利用されるマイクロサンプリングシステム及びマイク
ロナイフを明らかにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロナ
イフは、被験物から大きさ1μm〜100μmのサンプ
ルの切除・剥離が可能である工業目的サンプリング用の
マイクロナイフにおいて、モース硬度6以上の硬度を有
する材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプルの
切除・剥離が可能であるブレードを備えていることを特
徴とする。
【0011】本発明に係るマイクロサンプリングシステ
ムは、顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイクロマニ
ピュレーターから成り、被験物から大きさ1μm〜10
0μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業目的マ
イクロサンプリングシステムであり、該顕微鏡が実体顕
微鏡であり、また、該マイクロマニピュレーターにより
操作されるマイクロナイフが、モース硬度6以上の硬度
を有する材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプ
ルの切除・剥離が可能であるブレードを備えていること
を特徴とする。
【0012】本発明に係るマイクロサンプリング装置
は、顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイクロマニピ
ュレーターから成り、被験物から大きさ1μm〜100
μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業目的マイ
クロサンプリング装置であり、該顕微鏡が実体顕微鏡で
あり、また、該マイクロマニピュレーターにより操作さ
れるマイクロナイフが、モース硬度6以上の硬度を有す
る材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプルの切
除・剥離が可能であるブレードを備えていることを特徴
とする。
【0013】本発明に係るマイクロサンプルの分析法
は、実体顕微鏡、CCDカメラ、モニター、モース硬度
6以上の硬度を有する材料で形成され、且つ、50μm
以下のサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備
えているマイクロナイフを操作するマイクロマニピュレ
ーターから成る工業目的マイクロサンプリングを装置に
より、被験物から大きさ1μm〜100μmのサンプル
の切除・剥離を行い、該サンプルの化学的ないし物性的
分析を行うことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に従って、本発明に係るマイ
クロサンプリングシステムを説明する。先ず、サンプル
として被採取物(異物)を採取する被験物10は、実体
顕微鏡20の下に配置される基台21上に配置され、接
眼レンズ22により位置決めが行われる。実体顕微鏡2
0を通して得られる拡大映像は、CCDカメラ30によ
り撮像されてモニター40に映し出される。
【0015】被験物10からのサンプルの採取は、一対
で構成されるマイクロマニピュレーター50の操作によ
って駆動されるアーム51の先端に取り付けられている
マイクロナイフ60により行われる。
【0016】実体顕微鏡20としては、ニコン社製、オ
リンパス社製、カールツアイス社製などの市販品が利用
できるが、観察総合倍率が50〜200倍でリング照明
及びグラスファイバーなどのような集光照明による反射
と透過の観察機能を持ち、CCDカメラ30が取り付け
可能であり、三眼鏡筒を備えた機種を選択する。
【0017】実体顕微鏡20の観察倍率と観察サイズの
相関は以下の数値となるが、観察サイズが1mmを超え
ると、取り扱いが十分に容易である。
【0018】 物質実体 観察倍率 観察サイズ 2μm 200倍 0.4mm 5μm 200倍 1mm 10μm 100倍 1mm 20μm 50倍 1mm
【0019】マイクロマニピュレーター50としては、
前述の島津社製の工業用マイクロマニピュレータ(MM
S−77)或いはナリシダ社製のバイオ研究用マニピュ
レーターが利用できる。但し、両装置は光学顕微鏡を利
用するシステムとして構成されているので、本発明に利
用するには、実体顕微鏡20が組み込みできるよう、付
属装置・備品などを改良すればよい。
【0020】マイクロマニピュレーター50のアーム5
1に取り付けて利用されるマイクロナイフ60を説明す
る。
【0021】図2及び図3に示すように、マイクロナイ
フ60は、先端にブレード61が形成されているナイフ
軸62と、このナイフ軸62を保持すると共にアーム5
1に接続するための保持部63とで構成されている。ブ
レード61は、サンプルに対し直接に接触して、その切
除・剥離を行う部分である。
【0022】尚、ブレード61とナイフ軸62とが同一
の材質の部材で構成される態様と、両部材が異なった材
質の部材で構成される態様とがある。後者の態様は、例
えば、ナイフ軸62の先端にブレード61が接着剤など
により接続ないし結合される構成である。
【0023】ブレード61の形状は、彫刻刀や鑿などで
知られている各種の刃先形状が採用され、刃先の種類と
しては、片刃・両刃の何れであってもよい。片刃と両刃
の違いは、図4に示す通りであり、図4のBに示す形状
が片刃、図4のCに示す形状が両刃である。
【0024】ブレード61の断面形状は、丸・楕円・三
角形・方形・平板状・半円形・円弧状・V字状など様々
の形状であってよい。また、ブレード61は、直線状の
ものの外、図4に示すように、屈曲ないし湾曲したもの
を含む。
【0025】ブレード61のサイズ(幅W、長さL)
は、図2及び図3のA〜Eに示す態様のブレードでは、
W1=0.005mm〜0.1mm、L1=2mm〜2
0mm、L2=50mm〜200mmである。
【0026】ブレード61の刃先先端部の仕上げ加工
は、図4のB及びCに示すように、先端幅W3が0.0
001〜0.002mmである鋭さとする。
【0027】ブレード61の材質について説明する。前
述したように、ブレード61の材質とナイフ軸62の材
質とが同一である態様と、別な材質である態様とがある
が、両態様の違いは、製造上の問題或いは製造コストの
問題に帰する。即ち、本発明で利用されるマイクロナイ
フ60は、少なくともそのブレード61部分がモース硬
度で6以上であることが要求される。モース硬度は、よ
く知られているように、ダイヤモンドを10とし、滑石
を1として硬度を表現したものであり、石英ガラスを構
成する石英のモース硬度が7であるから、これを超える
モース硬度を持つ材質、例えば、黄石(例えばTopa
z、モース硬度8)、鋼玉(例えばルビー、モース硬度
9)或いは超鋼材や焼き入れ鋼(モース硬度6強)など
の材質とすることが必要であり、このような材質の材料
は一般に高価であるから、ブレード61とナイフ軸62
とを別材質で形成する態様が取られる。勿論、これらの
ような高い硬度を持つ材料が安価に製造できる場合にあ
ってはナイフ軸62を含めた一体型とすることが可能で
ある。
【0028】ジルコニア、サファイヤ、ルビーなどは、
硬さの点でモース硬度6以上であり利用可能であるが、
ブレード61の材料としてはやや脆いところがある。従
って、サンプリング対象物によって選択的に利用され
る。更に、例えばモース硬度6〜7である超鋼材や、モ
ース硬度10のダイヤモンドがブレード61の材料とし
て好ましく用いられる。
【0029】ブレード61の素材として石英ガラスを検
討する。石英ガラスは、モース硬度6以上の素材である
が、マイクロナイフとして加工すると、刃先の部分(ブ
レード61の先端部分)が脆く、本発明の対象となるサ
ンプルを取り扱うには実用的ではない。また、石英ガラ
スは、溶融石英と合成石英とがあり、軟化点が前者は後
者より200〜300℃低いが、それでも1000℃以
上の高温であり、加熱加工装置のコストが高く、この点
からもブレード61の素材として利用するには得策では
ない。
【0030】ダイヤモンドは、硬度の点からもブレード
61の素材として適しているが、加工工数が多い点、コ
ストが高い点が難点であるが、本発明の対象となるサン
プルを取り扱うには、使用中の耐久性が非常に高く、利
用するに好ましい素材である。ブレード61を形成する
には、高価な天然素材でなくとも、安価な合成物で十分
である。
【0031】カーボンランダムや、ダイヤモンドに次ぐ
硬さを持つボロンカーバイドは、モース硬度の点では十
分であるが、ブレード61を形成する素材としては加工
性に問題がある外、ナイフ素材としては脆弱であり、実
用的ではない。
【0032】モース硬度6程度のやすり用鋼鉄はブレー
ド61の素材として利用することができるが、ニッケル
メッキした上で超精密加工処理によりブレードを形成し
ようとすると、ニッケルメッキ層は数μmの厚さに加工
すると膜付きが弱くなり長期間の使用に耐えられなくな
る。また、再生加工の際に数μmのメッキ膜が剥がれて
しまうのでメッキ加工の意味が失われてしまう難点があ
る。
【0033】本発明のより好ましい態様は、摩耗したブ
レード61が再研磨処理をした後に再利用できるもので
あることである。
【0034】本発明のシステムにおけるCCDカメラ3
0とモニター40とは、実体顕微鏡20に適用できるよ
う市販品を改良して利用すればよい。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るマイクロサンプリングシス
テムによれば、従来の光学顕微鏡によらず実体顕微鏡を
利用するので、採取しようとするサンプルが顕微鏡の視
界からずれてしまうことが少なく、操作性が格段に向上
する。また、高い硬度を持つマイクロナイフを利用する
ので、従来のガラス製キャピラリーや金属(刃物用鋼
鉄)製のブレードなどに比べ、高い硬度を持つ工業品の
サンプリングに際しても折れたり曲がったりせず、広範
囲の被験物について適用可能であり、また、使い勝手が
良好である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムを示す概略図
【図2】マイクロナイフを示す平面図及び断面図
【図3】マイクロナイフを示す平面図及び断面図
【図4】マイクロナイフを示す側面図及びブレードの断
面図
【符号の説明】 10−被験物 20−実体顕微鏡 21−基台 22−接眼レンズ 30−CCDカメラ 40−モニター 50−マイクロマニピュレーター 51−アーム 60−マイクロナイフ 61−ブレード 62−ナイフ軸 63−保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 G02B 21/20 G02B 21/20 21/32 21/32 G01N 1/28 G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被験物から大きさ1μm〜100μmのサ
    ンプルの切除・剥離が可能である工業目的サンプリング
    用のマイクロナイフにおいて、モース硬度6以上の硬度
    を有する材料で形成され、且つ、50μm以下のサンプ
    ルのサンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備え
    ていることを特徴とする工業目的サンプリング用のマイ
    クロナイフ。
  2. 【請求項2】顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイク
    ロマニピュレーターから成り、被験物から大きさ1μm
    〜100μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業
    目的マイクロサンプリングシステムであり、該顕微鏡が
    実体顕微鏡であり、また、該マイクロマニピュレーター
    により操作されるマイクロナイフが、モース硬度6以上
    の硬度を有する材料で形成され、且つ、50μm以下の
    サンプルの切除・剥離が可能であるブレードを備えてい
    ることを特徴とするマイクロサンプリングシステム。
  3. 【請求項3】顕微鏡、CCDカメラ、モニター、マイク
    ロマニピュレーターから成り、被験物から大きさ1μm
    〜100μmのサンプルの切除・剥離が可能である工業
    目的マイクロサンプリング装置であり、該顕微鏡が実体
    顕微鏡であり、また、該マイクロマニピュレーターによ
    り操作されるマイクロナイフが、モース硬度6以上の硬
    度を有する材料で形成され、且つ、50μm以下のサン
    プルの切除・剥離が可能であるブレードを備えているこ
    とを特徴とするマイクロサンプリング装置。
  4. 【請求項4】実体顕微鏡、CCDカメラ、モニター、モ
    ース硬度6以上の硬度を有する材料で形成され、且つ、
    50μm以下のサンプルの切除・剥離が可能であるブレ
    ードを備えているマイクロナイフを操作するマイクロマ
    ニピュレーターから成る工業目的マイクロサンプリング
    を装置により、被験物から大きさ1μm〜100μmの
    サンプルの切除・剥離を行い、該サンプルの化学的ない
    し物性的分析を行うことを特徴とするマイクロサンプル
    の分析法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069329A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Japan Science & Technology Agency 微小立体構造操作具の作製方法及びそれによって作製される微小立体構造操作具
JP2008304340A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Hitachi Ltd 試料分析法および装置
JP2009272484A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Toppan Printing Co Ltd 微小欠陥除去装置
JP2013050665A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 National Univ Corp Shizuoka Univ 微小付着物剥離システムおよび微小付着物剥離方法
CN114008437A (zh) * 2019-06-18 2022-02-01 Xyall私人有限公司 解剖设备

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