JP2002022026A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2002022026A
JP2002022026A JP2000209571A JP2000209571A JP2002022026A JP 2002022026 A JP2002022026 A JP 2002022026A JP 2000209571 A JP2000209571 A JP 2000209571A JP 2000209571 A JP2000209571 A JP 2000209571A JP 2002022026 A JP2002022026 A JP 2002022026A
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Japan
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rod
seal
lip
packing
oil
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Yoshiyuki Abe
良行 阿部
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用初期のスティックスリップを防止する高
性能な密封装置を提供する。 【解決手段】 ダストシールDのオイルリップ13及び
ダストリップ14のロッド104表面に摺動する摺動面
には、自己潤滑性を向上する表面処理17が施されてい
る。このため、ロッドシーリングシステム1が使用初期
で、オイルリップ13及びダストリップ14の摺動面と
ロッド104表面との間に形成される油膜が不完全な場
合でも、表面処理17によってオイルリップ13及びダ
ストリップ14はスティックスリップが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば建設機械や
運搬車輌等のアクチュエータとして用いられる油圧シリ
ンダ等に使用されるロッドシーリングシステム等のシー
リングシステムとして適用される密封装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の密封装置としてのロッドシーリン
グシステムが使用される代表的な油圧シリンダについて
図3を用いて説明する。図3は、油圧シリンダの概略断
面構成を説明する図である。
【0003】この油圧シリンダ101は、シリンダ10
2と、シリンダ102内部に摺動自在に挿嵌されるピス
トン103と、ピストン103に連結されるロッド10
4と、を備えている。
【0004】また、ピストン103の取付溝に装着され
てシリンダ102内周に対するピストン103の摺動面
をシールするピストンシーリングシステムと、シリンダ
102の端部の取付溝に装着されてシリンダ102内周
とロッド104との隙間をシールするロッドシーリング
システムと、が設けられている。
【0005】そして、シリンダ102には、ピストン1
03を挟む位置に2つの油圧導入孔105,106が設
けられており、この油圧導入孔105,106に選択的
に作動油の油圧をかけることでピストン103を軸方向
に移動させ、シリンダ102及びロッド104の取付部
102a,104aの相対位置を変更する。
【0006】ここで、ピストンシーリングシステムは、
先端側に加わる圧力を保持しロッド104を往復動させ
ると共にシリンダ102出力を維持するピストンパッキ
ンPと、ピストン103の軸受でピストン103のカジ
リを防止するウェアリングWと、作動油中の異物でピス
トンパッキンPが損傷することを防止するために異物を
捕らえるコンタミシールCと、を備えた構成である。
【0007】また、ロッドシーリングシステムは、外部
への作動油の漏れを防止するロッドパッキンRと、ロッ
ドパッキンRの油圧側に装着されて高負荷時の衝撃圧や
変動圧を緩衝したり高温の作動油のロッドパッキンR側
への流入をカットしてロッドパッキンRの耐久性を向上
させるバッファリングBと、ロッドパッキンRの外部側
で外部の泥水やダストの侵入を防止するダストシールD
と、を備えた構成である。
【0008】このようなロッドシーリングシステムを用
いることで、極めて効果的なシールを行うことができ、
種々の使用条件や用途に応じたシールを行うことができ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のロッドシーリングシステムには、以下の問題が
あった。
【0010】ロッドシーリングシステムでは、ロッドパ
ッキンRで作動油の外部側への漏れが防止されるため、
摺動対象のロッド表面との間に形成される油膜となる作
動油の供給がロッドパッキンRで絞られており、ロッド
パッキンRの外部側のダストシールDとロッド表面との
間の油膜は徐々に薄く形成される。
【0011】このため、ロッドシーリングシステムの使
用初期においては、ロッドパッキンRの外部側への作動
油の供給が不足してダストシールDとロッド表面との間
に形成される油膜が不完全であるため、ダストシールD
はスティックスリップを生じてしまう。
【0012】近年では、このロッドシーリングシステム
が使用される油圧シリンダを採用する油圧ショベル,ト
ラッククレーン等で、例えば荷吊り作業等のロッドを低
速で移動させる作業を行う場合があり、このような場合
には薄い油膜は破断してしまい易く、使用初期のロッド
シーリングシステムでスティックスリップが生じ易かっ
た。
【0013】このようなスティックスリップは、例え
ば、工作機械では加工精度の低下や刃物の損傷、油圧シ
ョベル,トラッククレーンでは重量物を運搬しての位置
決めの時の揺れによる作業上の不具合、スティックスリ
ップによって発生する異常音では使用者の不快感,機器
の安全に対する不安感等を引き起こす。
【0014】従来、スティックスリップ対策として、ス
ティックスリップを生じるシールのリップ先端にRを付
ける(角を丸くする)ことで、シールの面圧分布を変化
させて油膜厚みを確保する方法が知られていたが、この
場合には十分な作動油が供給されていることが必要であ
る。そのため、この方法では上記の使用初期に発生する
スティックスリップを防止することはできなかった。
【0015】本発明は、上記した従来技術の問題を解決
するものであり、その目的とするところは、使用初期の
スティックスリップを防止する高性能な密封装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、往復動する2部材間の環状隙間
で、流体圧側から外部側へ少なくとも2つのシールを順
に配置して構成される密封装置において、前記少なくと
も2つのシールの内の外部側シールは、2部材の内一方
の部材に対する摺動面に、自己潤滑性を向上する表面処
理が施されたことを特徴とする。
【0017】ここで、密封装置では、流体圧側シールで
流体の外部側への漏れが防止されるため、摺動対象面と
の間に形成される流体膜となる流体の供給が流体圧側シ
ールで絞られており、外部側シールと摺動対象面との間
の流体膜は徐々に薄く形成される。
【0018】したがって、密封装置の使用初期において
は、流体圧側シールの外部側への流体の供給が不足して
外部側シールと摺動対象面との間に形成される流体膜が
不完全であるが、外部側シールの摺動面に自己潤滑性を
向上する表面処理が施されており、外部側シールで生じ
るスティクスリップが防止できる。
【0019】また、表面処理を施すだけであるので、シ
ールの設計変更等が不要であり、金型製作費等の高いコ
ストを必要としない。密封性,流体かき出し性,ダスト
侵入防止性といった本来のシールの性能が変化せず、機
能上のリスクが少ない。シールの耐摩耗性の改善も同時
にでき、使用初期にシールが摩耗してシールの面圧分布
が崩れることが抑制できる。
【0020】さらに、外部側シールの摺動面に施された
自己潤滑性を向上する表面処理は、徐々に摺動対象面に
転移するので、摺動対象面の自己潤滑性が向上し、流体
圧側シールの低摩擦化・低摩耗化・耐久性の向上をも図
ることができる。即ち、外部側シールのスティクスリッ
プ防止だけでなく、流体圧側シールを含む密封装置全体
の低摩擦化・低摩耗化・耐久性の向上を図ることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0022】実施の形態に係る密封装置としてのロッド
シーリングシステムは、従来技術と同様に例えば建設機
械や運搬車輌等のアクチュエータとして用いられる油圧
シリンダ等に使用される。なお、ロッドシーリングシス
テムが使用される代表的な油圧シリンダについては従来
技術で説明したので、ここでは本発明の密封装置として
のシーリングシステムであるロッドシーリングシステム
構成について説明する。
【0023】図1は実施の形態に係るロッドシーリング
システム1を示す半断面図である。図1のロッドシーリ
ングシステム1は、外部への作動油の漏れを防止するメ
インシールとしてのロッドパッキンRと、ロッドパッキ
ンRの油圧側Oに装着されて高負荷時の衝撃圧や変動圧
を緩衝したり高温の作動油のロッドパッキンR側への流
入をカットしてロッドパッキンRの耐久性を向上させる
バッファリングBと、ロッドパッキンRの外部側Aで外
部の泥水やダストの侵入を防止するダストシールDと、
を備えた構成である。
【0024】ロッドシーリングシステム1は、油圧側O
から外部側Aに向かって、バッファリングB、ロッドパ
ッキンR、ダストシールDが順に配置されて構成されて
いる。
【0025】バッファリングBは、Uパッキン2と、U
パッキン2の内周ヒール部5に嵌め込まれるバックアッ
プリング6と、を用いた構成である。
【0026】バッファリングBのUパッキン2は、内周
リップ部3及び内周リップ部3よりも短い外周リップ部
4を備え、油圧側Oに内周リップ部3先端及び外周リッ
プ部4先端が向かう状態でシリンダ102内周の取付溝
7に装着されている。
【0027】内周リップ部3先端には、内周リップ部3
と外周リップ部4間のU字状溝への油圧導入とU字状溝
に溜まった油圧を油圧側Oへ取り除く蓄圧回避のために
周まわり等配して切り欠き3aを設けている。
【0028】ここで、バッファリングBのUパッキン2
は、外周リップ部4が内周リップ部3よりも短いため、
バッファリングBとロッドパッキンR間に油圧が溜まっ
た場合にシリンダ102内周に設けられた取付溝7内で
バッファリングBが油圧側Oへ寄せられると、取付溝7
の油圧側O側面に内周リップ部3は当接するが外周リッ
プ部4は側面に当接せず、取付溝7を回り込む流路が形
成されるので、バッファリングBとロッドパッキンR間
に溜まった油圧をUパッキン2のU字状溝へ逃がすこと
ができる。そして、内周リップ部3先端の切り欠き3a
で油圧側Oへさらに逃がすことができる。
【0029】また、バッファリングBのバックアップリ
ング6は、高圧付与時にUパッキン2の内周ヒール部5
のはみ出しが防止できればよく、その形状、材質は限定
されるものではないので、Uパッキン2の外部側Aに隣
接して設けられる平板ワッシャ状のものでもよい。
【0030】ロッドパッキンRは、Uパッキン8と、U
パッキン8の外部側Aに隣接して設けられる平板ワッシ
ャ状のバックアップリング11と、を用いた構成であ
る。
【0031】ロッドパッキンRのUパッキン8は、内周
リップ部9及び外周リップ部10が等しい長さであり、
バッファリングBのUパッキン2と同様に、油圧側Oに
内周リップ部9先端及び外周リップ部10先端が向かう
状態でシリンダ102内周の取付溝12に装着される。
【0032】このUパッキン8の内周リップ部9先端及
び外周リップ部10先端には、ロッドパッキンRとダス
トシールD間に溜まった油圧を油圧側Oへ取り除く蓄圧
回避のための切り欠き9a,10aが周まわり等配して
設けられている。
【0033】ここで、ロッドパッキンRとダストシール
D間に油圧が溜まった場合にシリンダ102内周に設け
られた取付溝12内でロッドパッキンRが油圧側Oへ寄
せられると、取付溝12の油圧側O側面に内周リップ部
9及び外周リップ部10が当接してしまうが、切り欠き
9a,10aが流路を形成するので、ロッドパッキンR
とダストシールD間に溜まった油圧をロッドパッキンR
の油圧側Oへ逃がすことができる。
【0034】また、バックアップリング11は、Uパッ
キン8に高油圧が付与された場合でもUパッキン8の内
周ヒール部のはみ出しを防止し、ロッドパッキンRの耐
圧性能を向上している。
【0035】ダストシールDは、シリンダ102内周の
取付溝16に装着されるもので、油圧側Oに設けられる
オイルリップ13と外部側Aに設けられるダストリップ
14をロッド104表面に摺接し、取付溝16に装着さ
れる外周の嵌め合い部に金属環15を焼き付け固定した
構成である。金属環15は外部側Aに内径フランジ部1
5aを有している。
【0036】ダストシールDのオイルリップ13及びダ
ストリップ14のロッド104表面に摺動する摺動面に
は、自己潤滑性を向上する表面処理17が施されてい
る。このため、ロッドシーリングシステム1が使用初期
で、オイルリップ13及びダストリップ14の摺動面と
ロッド104表面との間に形成される油膜が不完全な場
合でも、表面処理17によってオイルリップ13及びダ
ストリップ14はスティックスリップが防止される。
【0037】また、使用が進むと表面処理17は摺動面
からこすり落ちて消滅するが、その頃にはオイルリップ
13及びダストリップ14の摺動面とロッド104表面
との間に油膜が形成されてくるので、何の問題もない。
【0038】オイルリップ13及びダストリップ14の
摺動面に施される表面処理17としては、例えば、PT
FEを潤滑剤に用いるグライトパンJF148,クリュ
ーバートップ(いずれもNOKクリューバー(株)製)
等のコーティング剤でコーティング皮膜を形成したり、
ミールーブL101WR(NOKクリューバー(株)
製)等のワックスを塗布したり、ポリルーブGLY80
1(NOKクリューバー(株)製)等のグリスを塗布し
たりすることにより行われる(表面処理17はこれらの
例に限られるものではない)。
【0039】この構成によるロッドシーリングシステム
1では、ロッドパッキンRで作動油の外部側Aへの漏れ
が防止されるため、ロッド104表面との間に形成され
る油膜となる作動油の供給がロッドパッキンRで絞られ
ており、ダストシールDとロッド104表面との間の油
膜は徐々に薄く形成される。
【0040】したがって、ロッドシーリングシステム1
の使用初期においては、ロッドパッキンRの外部側Aへ
の作動油の供給が不足してダストシールDとロッド10
4表面との間に形成される油膜が不完全であるが、ダス
トシールDのオイルリップ13及びダストリップ14の
摺動面に自己潤滑性を向上する表面処理17が施されて
おり、オイルリップ13及びダストリップ14で生じる
スティックスリップが防止できる。
【0041】また、オイルリップ13及びダストリップ
14の摺動面に表面処理17を施すだけであるので、使
用初期のスティックスリップを防止するためだけにダス
トシールDの設計変更等を行うことが不要であり、金型
製作費等の高いコストを必要としない。密封性,流体か
き出し性,ダスト侵入防止性といった本来のダストシー
ルDの性能が変化せず、機能上のリスクが少ない。ダス
トシールDの耐摩耗性の改善も同時にでき、使用初期に
ダストシールDのオイルリップ13及びダストリップ1
4が摩耗してダストシールDの面圧分布が崩れることが
抑制できる。
【0042】さらに、ダストシールDのオイルリップ1
3及びダストリップ14の摺動面に施された自己潤滑性
を向上する表面処理17は、徐々にロッド104表面に
転移するので、ロッド104表面の自己潤滑性が向上
し、バッファリングBやロッドパッキンRの低摩擦化・
低摩耗化・耐久性の向上をも図ることができる。即ち、
ダストシールDのスティクスリップ防止だけでなく、バ
ッファリングBやロッドパッキンRを含むロッドシーリ
ングシステム1全体の低摩擦化・低摩耗化・耐久性の向
上を図ることができる。
【0043】(検証試験)図2に実施の形態のロッドシ
ーリングシステム1のダストシールDのスティックスリ
ップ特性の評価を検証した(なお、参考として従来のダ
ストシールDの評価も併記する)。
【0044】ここで、この試験は、図2(b)に示すよ
うな試験装置を用いて行った。図2(b)に示す試験装
置は、シリンダ内に挿入されるロッドの先端のヘッドに
試料としてダストシールDを摺動させるようにし、試料
の一方側に10MPaの油圧P1が導入され、他方側か
ら0MPaの油圧P2が排出されるようになっている。
【0045】そして、移動するロッドの振動加速度をロ
ッドの取付部に設置した加速度センサで検知し、FFT
アナライザを経てプリンタで出力し、スティックスリッ
プ特性を評価した。なお、検知した振動加速度が大きい
程、スティックスリップが生じ易いという評価である。
【0046】ここで、各種条件として、作動油には鉱物
系作動油を用い、環境温度は室温で、ロッドの移動速度
を0.03m/secとした。
【0047】試料であるダストシールDは、グライトパ
ンJF148(NOKクリューバー(株)製)でコーテ
ィング皮膜を形成した「表面処理A」と、ミールーブL
101WR(NOKクリューバー(株)製)のワックス
を塗布した「表面処理B」と、従来のダストシールDで
ある「表面処理無し」と、を用意した。
【0048】この試験結果は、図2(a)に示すように
なった。図2(a)から「表面処理A」及び「表面処理
B」が「表面処理無し」に比して振動加速度が半分以下
に抑えられ、スティックスリップが防止できる効果が確
認できた。
【0049】なお、「表面処理B」は、ロッドの往復移
動が100回程度で消滅して効果が無くなった。また、
「表面処理A」は、「表面処理B」よりも長期にわたり
効果が持続するが、コストは「表面処理B」の方が安
い。実際の表面処理は、ダストシールDの摺動面と摺動
対称面との間の油膜形成速度によって適宜選択する。
【0050】なお、本実施の形態のダストシールDは、
オイルリップ及びダストリップを備えたダブルリップタ
イプのものであったが、これに限られず、ダストリップ
だけのシングルタイプでもよく、また、ダストシールD
の材質は、例えばゴム状弾性体,樹脂等の各種材料を用
いることができ、形状や材質が限定されるものではな
い。
【0051】また、使用初期においては、バッファリン
グBでも作動油の外部側への流入をカットしてバッファ
リングBの外部側への作動油の供給が不足しており、ロ
ッドパッキンRもダストシールDと同様にスティックス
リップを生じるおそれがあるので、ロッドパッキンRの
摺動面に表面処理を施すこともできる。
【0052】この場合には、使用初期においては、バッ
ファリングBの外部側Aへの作動油の供給が不足してロ
ッドパッキンRとロッド表面との間に形成される油膜が
不完全であるが、ロッドパッキンRの摺動面に自己潤滑
性を向上する表面処理が施されており、ロッドパッキン
Rで生じるスティックスリップが防止できる。
【0053】さらに、密封対象を油として説明したが、
これに限られず、流体等の流体圧が付与される部位に用
いることができる。また、ロッドシーリングシステムに
限られず、例えば軸に設けられた環状の取付溝に配置さ
れ、この軸周りのハウジング内周に摺動して軸とハウジ
ング間の環状隙間をシールするような場合のシーリング
システムにも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、密封装
置の使用初期においては、流体圧側シールの外部側への
流体の供給が不足して外部側シールと摺動対象面との間
に形成される流体膜が不完全であるが、外部側シールの
摺動面に自己潤滑性を向上する表面処理が施されてお
り、外部側シールで生じるスティクスリップが防止でき
る。
【0055】また、表面処理を施すだけであるので、シ
ールの設計変更等が不要であり、金型製作費等の高いコ
ストを必要としない。密封性,流体かき出し性,ダスト
侵入防止性といった本来のシールの性能が変化せず、機
能上のリスクが少ない。シールの耐摩耗性の改善も同時
にでき、使用初期にシールが摩耗してシールの面圧分布
が崩れることが抑制できる。
【0056】さらに、外部側シールの摺動面に施された
自己潤滑性を向上する表面処理は、徐々に摺動対象面に
転移するので、摺動対象面の自己潤滑性が向上し、流体
圧側シールの低摩擦化・低摩耗化・耐久性の向上をも図
ることができる。即ち、外部側シールのスティクスリッ
プ防止だけでなく、流体圧側シールを含む密封装置全体
の低摩擦化・低摩耗化・耐久性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るロッドシーリングシステムを
示す半断面図である。
【図2】実施の形態に係るロッドシーリングシステムの
ダストシールの検証試験結果と試験装置を示す図であ
る。
【図3】油圧シリンダを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ロッドシーリングシステム 2 Uパッキン 3 内周リップ部 4 外周リップ部 5 内周ヒール部 6 バックアップリング 7 取付溝 8 Uパッキン 9 内周リップ部 10 外周リップ部 11 バックアップリング 12 取付溝 13 オイルリップ 14 ダストリップ 15 金属環 15a 内径フランジ部 16 取付溝 17 表面処理 101 油圧シリンダ 102 シリンダ 102a,104a 取付部 103 ピストン 104 ロッド 105,106 油圧導入孔 O 油圧側 A 外部側 B バッファリング R ロッドパッキン D ダストシール W ウェアリング P ピストンパッキン C コンタミシール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】往復動する2部材間の環状隙間で、流体圧
    側から外部側へ少なくとも2つのシールを順に配置して
    構成される密封装置において、 前記少なくとも2つのシールの内の外部側シールは、2
    部材の内一方の部材に対する摺動面に、自己潤滑性を向
    上する表面処理が施されたことを特徴とする密封装置。
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