JP2002020448A - コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
グを形成するコーティング組成物と、それに使用する新
規な結合剤成分ならびにそれに使用する新規な構成成分
を提供すること。 【解決手段】 本発明は、(i)ポリヒドロキシル第三
級アミンを有機ポリイソシアナートと共に混合して製造
するポリオール反応生成物の新規な組成物であって、前
記アミンの少なくとも2個のヒドロキシル基が前記アミ
ンの窒素原子に少なくとも2個の炭素原子を含有する分
子鎖によって間接的に結合しており、前記ポリイソシア
ナートのイソシアナート基は本質的に全てが前記アミン
のヒドロキシル基と反応していることを特徴とする新規
組成物、およびこの新規組成物(i)を含むコーティン
グ組成物を提供する。
Description
ート上のクリアーコーティングとして特に有用なコーテ
ィング組成物に関する。
のクリアーコート/カラーコート仕上げのクリアーコー
トとして使用することができるクリアーコーティング組
成物が開示されている。このクリアーコーティング組成
物は、フィルム形成性結合剤および揮発性有機液体キャ
リヤを有しており、この結合剤は、ヒドロキシ官能性の
アクリル性ポリマーおよび有機ポリイソシアナートを含
んでおり、この組成物は速やかに硬化して粘着性がな
く、塗布後3時間〜4時間程度の迅速さでバフ仕上げで
き、塗装工場の生産性を向上させることができる仕上げ
を形成することにより特徴づけられる。
は、より一層速いクリアーコートの硬化が望まれる。ヒ
ドロキシ−イソシアナート架橋反応用の触媒、典型的に
は有機スズ化合物がクリアーコーティング組成物中に存
在する。硬化を加速するためにこの触媒の量を増加した
場合、可使時間の減少およびコーティング品質の低下を
含む他の問題が発生する。後者には、より早い硬化によ
って液体キャリヤが乾燥したクリアーコーティング中に
とらえられて、そのコーティングが光沢および像の鮮明
度の低下を起こす原因となる。
えば、塗布後どのくらい速くフィルムコーティングがダ
ストフリーとなるまで乾燥し、塗装された製品(車両)
を塗装ブースから移動し、次の車両を塗装するための場
所をつくることができるかということである。車両は、
ウォータースポットによる損傷がないようにフィルムコ
ーティングがさらに乾燥した後にのみ、塗装工場の外、
すなわち、屋外に移動することができる。
にダストフリーおよびウォータースポット耐性となるこ
と、および/または、バフ仕上げするために十分なよう
に急速に硬化することが、すべて周囲温度(20℃)で
起こるという1つまたは複数の特徴によって決定される
改善された生産性を提供するフィルムコーティングを形
成するコーティング組成物と、(b)(a)で使用する
新規な結合剤成分と、(c)(b)で使用する新規な構
成成分とを提供する。
成物(a)は、フィルム形成性結合剤および揮発性有機
液体キャリヤを含有しており、該結合剤は、(A)ヒド
ロキシル含有アクリル性ポリマー、および、ポリヒドロ
キシル第三級アミンを有機ポリイソシアナートと共に反
応させて調製されるポリオールであって、該ポリヒドロ
キシル第三級アミンが少なくとも2個の炭素原子を含有
する分子鎖を介して前記アミンの窒素原子に間接的に結
合している少なくとも2個のヒドロキシル基を有してお
り、前記有機ポリイソシアナートの本質的に全てのイソ
シアナート基が前記アミンのヒドロキシル基と反応して
いるポリオールと、(B)有機ポリイソシアナートであ
って、(A)中のヒドロキシル基の当量当たりの、
(B)中のイソシアナートの当量の比が0.5/1から
3.0/1の範囲にある有機ポリイソシアナートと、
(C)前記組成物を硬化させるのに有効な量の触媒とを
含有する。
しくはまた揮発性有機液体キャリヤ中に含有された、上
記で成分(A)として説明されたヒドロキシル含有アク
リル性ポリマーおよびポリオールの組み合わせであり、
該ヒドロキシル含有アクリル性ポリマーおよびポリオー
ルの組み合わせはまた、フィルム形成性結合剤を構成す
る。成分(A)および(B)は、別々にパッケージング
され、塗布の直前に組み合わせる。なぜなら、成分
(B)は組み合わされた成分を架橋するからである。成
分(C)は、架橋反応を加速するが、(A)、(B)の
一部として、または別の成分として架橋反応に供され
る。少なくとも、組み合わされた成分の可使時間は、コ
ーティングされる基体、典型的には車体全体を含めた車
体部分に、組み合わせた成分を、典型的にはスプレー塗
装によって、塗布するのに十分である。
形成した後の該組成物の硬化は、(B)のイソシアナー
ト基が、(A)のアクリル性ポリマーおよびポリオール
の両方のヒドロキシル基と反応してウレタン結合を形成
することによって起こり、これによって硬化したコーテ
ィングフィルムはポリウレタンとなる。このポリオール
は、触媒(C)と同様に硬化反応を加速すると共に、そ
のヒドロキシル基とイソシアナート基との反応によって
架橋構造の一部となる。したがって、このポリオール
は、該組成物の硬化の間の架橋反応速度を増大するのに
有効な量で存在する。前記アクリル性ポリマーの量は、
好ましくは、(A)の全重量に基づいて40重量%〜9
9重量%であり、ポリオールの量は1重量%〜60重量
%である。
(A)のポリオールである。このポリオールには、この
ポリオールとヒドロキシル含有アクリル性ポリマーが組
み合わされて成分(A)となるときにこれらの間で目立
った反応が起きないように本質的にイソシアナート基が
ないことが望ましい。さもないと、成分(A)の架橋が
早すぎ、このことはスプレーによるようなこのコーティ
ング組成物の塗布を妨害し、スプレーはできたとしても
欠陥のあるコーティングを与えることになる。成分
(A)のポリオールを形成するポリヒドロキシル第三級
アミンとポリイソシアナートの間の反応は自発的であ
る。すなわち、これらの構成成分を周囲温度および大気
圧下で互いに単に混合するだけで反応が起こる。このポ
リオール反応生成物は、様々な数のアミン分子が単一の
ポリイソシアナート分子と反応した反応生成物、およ
び、1個のアミン分子が複数のポリイソシアナート分子
と反応している反応生成物の混合物である。この反応に
おいてポリイソシアナートのイソシアナート基が基本的
に全て使い尽くされるという事実、および、反応生成物
がポリオールであるという事実は、この反応においてポ
リヒドロキシル第三級アミンによって提供されるヒドロ
キシル基が過剰に存在することを示す。ポリオール中の
これらヒドロキシル基はアミンの窒素に対してポリヒド
ロキシル第三級アミン反応物におけるものと同じ関係に
ある。
ルムコーティングは、一般に、10分以内そして5分以
内にもダストフリーとなり、30分以内にウォータース
ポットの損傷から開放されるようになり、かつ塗布後3
時間未満および可能性としては1時間という早さでバフ
仕上げすることができる。これらはすべて周囲温度での
乾燥と硬化であり、コーティング組成物を塗布すること
の容易さを犠牲にすること、または、クリアーコートの
最終的な品質を犠牲にすることがない。もちろんバフ仕
上げが可能となる前に、このフィルムコーティングはタ
ックフリーになる。したがって、本発明のコーティング
組成物は、このコーティング組成物を再仕上げ用クリア
ーコートとして用いて、車両のクリアーコート/カラー
コート仕上げを修理するのに極めて有用であり、その方
法は、塗布後短時間で車両を外に移動することを可能に
し、必要なら、研磨をする(湿式または乾式)か、バフ
仕上げをするか、または、磨き上げをするための仕上げ
をして、小さな欠点を取り除き、光沢を高めることを可
能にする。これによって同じ時間またはより短時間でよ
り多くの車両を処理することが可能となり再仕上げ作業
の生産性が大幅に改善される。
(a)は、低VOC(揮発性有機物含量)の組成物であ
って自動車の再仕上げにおけるクリアーコートとして使
用するのに特に適しているものである。この組成物は、
フィルム形成性結合剤と通常はその結合剤のための溶媒
である有機液体キャリヤを含有する。本発明は低VOC
組成物を指向しているので、液体キャリヤ部分に使用さ
れる有機溶媒の量は、ASTM D−3960に規定さ
れている手順で測定した場合、この組成物は、この組成
物1リットル当たり0.6キログラム(1ガロン当たり
5ポンド)未満、好ましくは、この組成物1リットル当
たり約0.25キログラム〜約0.53キログラム(1
ガロン当たり2.1ポンド〜4.4ポンド)の範囲の有
機溶媒のVOC含量を有する組成物となる。これは、通
常、約25重量%〜約90重量%のフィルム形成性結合
剤含量(成分(A)+成分(B)+成分(C))および
約10重量%〜約75重量%の有機液体キャリヤ含量、
好ましくは、約30重量%〜約55重量%の結合剤およ
び約45重量%〜約70重量%のキャリヤと換言でき
る。成分(A)は、それ自身有機液体キャリヤ中におい
て、成分(A)中に成分(C)が存在しても、または存
在しなくても、その同じ固形分含量を有することができ
る。本明細書で用いる「固形分含量」とは、組成物中の
フィルム形成性結合剤の含量を指す。すなわち、結合剤
はキャリヤ中で溶液であるが、キャリヤが蒸発すれば結
合剤の固体コーティングフィルムが残留する。
ヒドロキシル官能性アクリル性ポリマーは、従来の溶液
重合技術によって調製され、この重合技術においては、
モノマーと、溶媒と、重合触媒とを従来の重合反応容器
に入れ、約0.5時間〜約6時間にわたって約60℃〜
約200℃に加熱し、好ましくは約2,000〜約1
3,000、より好ましくは約3,000〜約11,0
00の重量平均分子量(Mw)を有するポリマーを形成
する。
りがない限り、ポリメタクリル酸メチル標準を使用した
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)によって測定し
た。
また、一般に、少なくとも20℃、好ましくは、約40
℃〜約80℃のガラス転位温度(Tg)を有する。
て、DSC(示差走査熱量測定法)によって測定した。
イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シアノシク
ロヘキサン)のようなアゾタイプの触媒、過酢酸t−ブ
チルのようなアセテート、過酸化ジ−t−ブチルのよう
な過酸化物、過安息香酸t−ブチルのような安息香酸エ
ステル、過オクタン酸t−ブチルのようなオクタノエー
トなどである。
チルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトンのようなケトン類、トルエン、キシレンのよ
うな芳香族炭化水素、プロピレンカーボネートのような
アルキレンカーボネート、n−メチルピロリドン、エー
テル類、酢酸ブチルのようなエステル、および上記の任
意の混合物である。
は、好ましくは、互いに共重合して所望の塗布特性およ
び硬化コーティングフィルム特性を与えるモノマー、主
として(メタ)アクリル性モノマーの混合物を重合する
ことにより構成される。本発明によれば、該アクリル性
ポリマーはまた、アクリル性ポリマーを形成するために
使用される1個または複数のコモノマーによって与えら
れるヒドロキシル基を含有することが重要である。好ま
しいコモノマー混合物は、スチレンと、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、またはこれらモノマーの混合物のいずれかで
あるメタクリレートと、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、ま
たはこれらモノマーの混合物のいずれかである第2のメ
タクリレートモノマーと、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシブロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル
などのようなアルキル基に1個〜8個の炭素原子を有す
るメタクリル酸ヒドロキシアルキルまたはアクリル酸ヒ
ドロキシアルキルとである。
%〜30重量%のスチレンと、1重量%〜50重量%の
メタクリレートと、30重量%〜60重量%の第2のメ
タクリレートと、10重量%〜40重量%のメタクリル
酸ヒドロキシアルキルを含有する。ポリマー中のモノマ
ーの百分率の合計は100%に等しい。特に好ましいア
クリル性ポリマーの1つは、上記の百分率範囲内で以下
の構成要素、すなわち、スチレン、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸イソブチル、およびメタクリル酸ヒド
ロキシエチルを含有する。別の好ましいアクリル性ポリ
マーは、上記の百分率範囲内で以下の構成要素、すなわ
ち、スチレン、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル
酸エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、お
よびメタクリル酸ヒドロキシプロピルを含有する。さら
に別の好ましいアクリル性ポリマーは、上記の百分率範
囲内で以下の構成要素、すなわち、スチレン、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸
エチルヘキシル、メタクリル酸イソブチル、およびメタ
クリル酸ヒドロキシエチルを含有する。最も好ましく
は、上記アクリル性ポリマー2つ以上の相溶性のあるブ
レンドを使用する。
クリル性ポリマーの重量に基づいて約0.5重量%〜約
2重量%のN−第三級ブチルアクリルアミドまたはN−
第三級ブチルメタクリルアミドのようなアクリルアミド
またはメタクリルアミドをアクリル性ポリマーと共重合
させて含有させることができる。
で述べたように、有機ポリイソシアナートとポリヒドロ
キシル第三級アミンを互いに混合して得られる反応生成
物であり、結果として生ずるポリオールはアクリル性ポ
リマーとの混合物として液体キャリヤ中に溶液状態で
(A)中に存在する。
しては、その本質的な成分には、少なくとも1個の第三
級アミンの窒素原子と複数のヒドロキシル基が存在し、
少なくとも2個のヒドロキシル基は、少なくとも2個の
炭素原子を含有する二官能性の基を介して少なくとも1
個のその窒素原子に結合している。すなわち−OH置換
基は窒素原子に対してβ位より接近していることはな
い。−OH置換基とアミン窒素原子とのこの位置関係
は、ポリオール反応生成物に持ち越される。この二官能
性の基は好ましくは2個〜12個の炭素原子を含有する
脂肪族基であり得る。第三級アミンが2個の窒素原子を
有するときは、好ましくは少なくとも1個の−OH基が
各窒素原子に上述のように間接的に置換されている。こ
のポリオールはアクリル性ポリマーとは非反応性であ
り、本発明の組成物中に、単一のポリイソシアナート/
ポリヒドロキシル第三級アミン反応生成物として、また
は、異なるポリイソシアナート/ポリヒドロキシル第三
級アミン反応生成物の混合物として使用することができ
る。
ができるポリヒドロキシル第三級アミンとしては、次式
で表されるものが含まれる。
るアルキレンまたはオキシアルキレンであり、Xおよび
Yは独立してR1Hであり、ただし、R1は、−(CH2
CH2O)n−または−(CH2C(CH3)HO)n−で
あり、ただし、nは1〜3の整数であり、AはR−X、
R−Y、R2、またはZであり、ただし、R2は炭素原子
1個〜20個を含有するアルキル基であり、Zは
好ましくは少なくとも3個の−OH基(R1Hによって
与えられる)があることを条件とする炭素原子1個から
10個を含有するアルキレン基である。好ましくは、R
は、存在するときは、炭素原子2個から4個を含有する
アルキレンであり、R1は−(CH2CH2O)n−であ
り、ただしnは1または2であり、R2は炭素原子1個
〜4個または炭素原子8個から20個を含有するアルキ
ル基であり、R3は炭素原子2個から6個を含有するア
ルキレン基である。RとR1の組み合わせは−OH基を
窒素原子に間接的に結合する脂肪族基の1形態を形成す
る。
N,N−ジエタノールアルキルアミン、トリエタノール
アミンのような単純な化合物と、Akzo Nobel
社から市販されているEthomeen(登録商標)
(第三級アミン窒素原子1個)化合物およびEthod
uomeen(登録商標)(第三級アミン窒素原子2
個)化合物のようなオリゴマーとみなすことができるよ
り複雑な化合物が含まれる。第三級アミン窒素がただ1
個だけあるこれらの化合物の例は、次式で表される。
と同じ意味を有し、R2は、好ましくは、炭素原子8個
から20個を有する。基R2の例は、獣脂、オレイル、
やし油、大豆油由来である。好ましい化合物群は、次式
によって特徴づけられるジエトキシレート類である。
有する。2個の第三級アミン窒素原子を含有する化合物
の例には、次式
選択される整数であり、oは1から4までの整数であ
る)を有する化合物のようなEthoduomeen類
が含まれる。
hoduomeen(登録商標)化合物類が含有するR
2の基に関して、このような基は次の表Aに示されるア
ルキル基の混合物である。
ポリイソシアナート反応物は、単一のポリイソシアナー
トまたは異なるポリイソシアナートのブレンドであって
もよく、次式によって表すことができる。
たは芳香族の核であり、pは少なくとも2の整数であ
る。一般にpは6より大きくない整数である。
ト、3官能性イソシアナート、およびポリオールとジイ
ソシアナートのイソシアナート官能性付加化合物のどれ
も本発明のポリオールを製造するための反応物として使
用できる。その脂肪族ポリイソシアナートは脂環式であ
り得る。
り得ることがわかろう。一般には、有用なジイソシアナ
ートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、4,4’−ビフェニレンジ
イソシアナート、トルエンジイソシアナート、ビスシク
ロヘキシルジイソシアナート、テトラメチレンキシレン
ジイソシアナート、エチルエチレンジイソシアナート、
2,3−ジメチルエチレンジイソシアナート、1−メチ
ルトリメチレンジイソシアナート、1,3−シクロペン
チレンジイソシアナート、1,4−シクロヘキシレンジ
イソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアナート、ビス(4−
イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、4,4’−ジ
イソシアナトジフェニルエーテル、その他である。
ートは、トリフェニルメタントリイソシアナート、1,
3,5−ベンゼントリイソシアナート、2,4,6−ト
ルエントリイソシアナート、その他である。「デスモジ
ュール(Desmodur)」N−3300若しくはN
−3390、または、「トロネート(Tolonat
e)」HDT若しくはHDT−LVの商品名のもとで販
売されているヘキサメチレンジイソシアナート(HD
I)の三量体のような他のジイソシアナートの三量体も
使用することができる。イソホロンジイソシアナート
(IPDI)の三量体もまた使用することができる。イ
ソホロンジイソシアナートからの三量体の形成において
は、イソシアナート基の1つがイソシアヌレート基を形
成する。しかしながら、結果として得られる三量体はイ
ソシアナート基3個を有する。一般には、有用なIPD
Iの三量体は、「デスモジュール(Desmodu
r)」Z−4470BAまたはSN/BAまたはSNま
たはMPA/Xの商品名のもとで販売されている。IP
DIの三量体は硬化するとそれによって得られるコーテ
ィングに優れた硬度を与える。
用することが可能であり、これは有機ポリイソシアナー
トとポリオールから形成される(付加化合物を形成する
反応はポリオールの−OH基を消費し尽くす)。前述の
ポリイソシアナートはいずれもポリオールと共に使用し
て付加化合物を形成することができる。トリメチロール
プロパンまたはトリメチロールエタンのようなトリメチ
ロールアルカン類のようなポリオールを使用することが
できる。1つの有用な付加物は、テトラメチルキシリデ
ンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの反応生
成物であり、「Cythane3160」の商品名で販
売されている。
三級アミンの間の反応は、周囲温度および大気圧で単に
これらの原料を混合することで起こるが、この反応は窒
素での覆い下のような不活性ガス雰囲気中で行うのが好
ましい。この反応は、ポリヒドロキシル第三級アミンの
1分子がポリイソシアナートのイソシアナート基1個の
みと反応することにより起こるのが好ましく、この場合
ポリオール反応生成物は次の式で表される。
べたものと同じ意味を有する。反応物を共に混合する過
程で、アミン反応物を過剰量(アミン分子対イソシアナ
ート分子)となるように維持する場合、反応はこの反応
生成物の形成に有利であり、これによって反応生成物全
体としてはこの有利な反応生成物を少なくとも50モル
%含有するであろう。アミン反応物は、ポリヒドロキシ
ル第三級アミン反応物溶液中にポリイソシアナート反応
物をゆっくり加え、その結果起こる反応によって基本的
に全てのイソシアナート基が反応できるように一定の時
間をおくようにすることによって、過剰状態に維持する
ことができる。このゆっくりした添加は滴下による添加
であり得る。好ましくは、このポリイソシアナートの添
加は、アミン反応物にポリイソシアナートを100重量
%加えるまで、20重量%/分を超えない、より好まし
くは、10重量%/分を超えない速さで行う。このゆっ
くりした添加方法であっても、ポリヒドロキシル第三級
アミンの1分子がポリイソシアナート反応物の同一分子
の複数のイソシアナート基に付加して次式で表される反
応生成物を形成し得る。
ヒドロキシル第三級アミン1分子のヒドロキシル基がポ
リイソシアナート反応物の異なる分子のイソシアナート
基と反応する可能性はさらに高い。
分(B))で架橋される本発明のヒドロキシル基含有ア
クリル性ポリマーとポリオールの組み合わせ(成分
(A))は、透明でタフな光沢のあるフィルムコーティ
ングを生成する。迅速な硬化と共にこの結果を生み出す
ために必要なアクリル性ポリマーとポリオールの比率
は、選択される個々のアクリル性ポリマーとポリオール
に依存し、ある程度までは成分(B)として選択される
個々のポリイソシアナートに依存する。しかしながら好
ましくは、コーティングを塗布し、続いて周囲温度(2
0℃)で乾燥したのち1時間後にはウォータースポット
の損傷が起こらないように硬化時間を短縮するために、
本発明のポリオールの有効な量を存在させる。典型的に
は、この目標を達成するために必要なポリオールの量
は、成分(A)の1重量%から20重量%までである。
w)が約3,000を超えず(オリゴマー)、好ましく
は、約200〜2,000であり、多分散性(MwをM
nで除したもの)が約1.7未満であるようなヒドロキ
シル末端のポリエステルを含有してもよい。
には、末端ヒドロキシル基を含有するカプロラクトンオ
リゴマーが含まれ、これはスズ触媒存在下で従来の溶液
重合技術により、カプロラクトンと、環状ポリオール特
に脂環式ポリオールとの重合を開始することによって調
製することができる。このようなカプロラクトンオリゴ
マーはよく知られており、1994年10月11日に発
行されたAndersonらの米国特許第535479
7号に詳細に記載されている。カプロラクトン成分とし
ては、一般的には、イプシロン(ε)−カプロラクトン
が脂環式ジオールと1/1〜5/1のモル比で使用され
る。一般的には、有用な脂環式ポリオールモノマーに
は、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、および2,2’−ビス(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)プロパンが含まれる。好まし
いカプロラクトンオリゴマーは、ε−カプロラクトンと
1,4−シクロヘキサンジメタノールとからモル比2/
1から3/1で反応させて形成される。
ロキシル基を含有するアルキレンオキシドポリエステル
オリゴマーが含まれる。これらは、化学量論量の脂環式
単量体酸無水物と直鎖または分岐ポリオールを、高温の
溶液中スズ触媒の存在下で、標準的な技法を用いて反応
させ、次いでそのように形成された酸オリゴマーを1官
能性のエポキシ類、特にアルキレンオキシドと、大気圧
より上であるが約200psi(約1,400kPa)
を超えない圧力下、60℃〜200℃の温度で1時間か
ら24時間かけてキャッピングすることによって製造す
ることができる。そのようなアルキレンオキシドオリゴ
マーはよく知られており、Barsotti他の、19
99年5月14日に刊行されたPCT特許出願No.U
S98/23337号に詳細に記載されている。
キサヒドロ無水フタル酸のような環状脂肪族無水物モノ
マーが、典型的には、上記のアルキレンオキシドオリゴ
マーに使用される。無水コハク酸または無水フタル酸の
ような脂肪族または芳香族無水物もまた、上記の無水物
と共に使用することができる。一般的には、有用な直鎖
または分岐ポリオールには、ヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリトリトールが含まれる。有用な1官能性
エポキシ類には、炭素原子2個から12個のアルキレン
オキシドが含まれる。エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ブチレンオキシドが好ましいが、エチレンオキ
シドが最も好ましい。Exxon Chemicals
から供給される「Cardura」E−5または「Ca
rdura」E−10グリシジルエーテルのような、他
のエポキシ類も上記の1官能性エポキシ類と共に使用す
ることができる。特に好ましいアルキレンオキシドオリ
ゴマーは、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸と、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリトリトールのいずれかと、エチレンオキ
シドとを化学量論量で反応させて形成する。
ルの相溶性ブレンドも、結合剤のヒドロキシル成分
(A)中に使用することができる。成分(A)の全重量
に基づいてヒドロキシル末端ポリエステルは、通常、0
%から39%を加えるが、好ましくは、その量は1%か
ら20%である。
アナート成分(B)には、架橋剤としての有機ポリイソ
シアナートが含まれる。その有機ポリイソシアナート
は、単一のポリイソシアナートまたは異なるポリイソシ
アナートのブレンドであり得る。
イソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナート、芳香族
トリイソシアナート、脂肪族トリイソシアナート、環状
脂肪族トリイソシアナート、ポリオールとジイソシアナ
ートのイソシアナート官能性付加化合物のどれも、ポリ
イソシアナート成分(B)としてまたはそのような成分
(B)中に使用することができる。
的に有用なジイソシアナート、トリイソシアナート、イ
ソシアナート官能性付加化合物は、本発明のポリオール
を形成するためのポリヒドロキシル第三級アミンとの反
応物として上で開示したものと同じである。本発明のポ
リオール形成の場合と全く同様に、成分(B)中で使用
するポリイソシアナートがIPDI三量体を含有すると
き、得られるコーティングは硬化して改善された硬度を
示す。したがって、IPDI三量体は、成分(A)中の
本発明のポリオールか、成分(B)の一部か、または両
方のいずれかによって、コーティング組成物中に組み込
むことができる。
(B)は、成分(B)の重量に基づいて、0%である
が、しかし、好ましくは重量で少なくとも3%から約5
0%まで、より好ましくは重量で約5%〜30%のIP
DI三量体を含有する。IPDI三量体が多すぎると、
フィルムコーティングがもろくなり過ぎる原因となる傾
向があり、それによってコーティングフィルムは、時間
が経つとひび割れが発生することになる。
橋成分は、成分(B)の全重量に基づいて、重量で約5
%〜約45%のIPDI三量体と重量で約55%〜約9
5%のHDI三量体の混合物を含む。HDI三量体と組
み合わせて使用するIPDI三量体の好ましい量は、5
重量%から30重量%である。通常では、コーティング
フィルムの柔軟性を保持するためには、IPDI三量体
との組み合わせで、HDI三量体を使用するのが好まし
い。
分(A)および(B)はそれぞれ、好ましくは、イソシ
アナート基とヒドロキシル基の当量比0.8/1から
2.0/1で使用される。
度で硬化させるのに十分な量の触媒(成分(C))を含
有する。IPDI三量体が存在するときは、室温におけ
るIPDI三量体の硬化速度を加速し、それから形成さ
れるコーティングフィルムの可使時間の減少またはつや
引けがほとんどないかまたは全くなく、比較的短時間の
うちにIPDIによって与えられる高度なフィルムの硬
度を達成する一定の触媒の組み合わせが好ましい。この
ように加速された硬化速度であってさえも、コーティン
グ組成物は、周囲温度において少なくとも30分は操作
可能なままであり、粘度調整の必要がなく、再仕上げの
仕事を完了するのに十分な時間を与え、これから形成さ
れる光沢度の高いコーティングフィルムは、時間が経っ
てもつや引けして鈍くぼやけた仕上がりになる兆しを事
実上示さない。
と、任意で少なくとも1種の第三級アミンと、任意で少
なくとも1種の有機酸を以下(触媒システム)に示す量
で含む。
有機スズカルボキシレート、特に脂肪族カルボン酸のジ
アルキルスズカルボキシレート、例えばジブチルスズジ
ラウレート(DBTDL)、ジブチルスズジオクトエー
ト、ジブチルスズジアセテートなどが含まれる。好まし
くはないが、他の通例の有機スズ触媒または有機金属
(Zn、Cd、Pb)触媒のどれでも使用することがで
きる。本コーティング組成物に使用される有機スズ触媒
の量は、個々の結合剤システムおよび要求される初期硬
度の程度に依存してかなり変化し得る。しかしながら、
コーティング組成物は、その組成物を周囲温度で硬化す
るには十分であるが、一方同時に、つや引けをひき起こ
すには不十分な量の有機スズ化合物を含有することが重
要である。
(B)+成分(C))に基づいて重量で約0.005%
〜約0.2%の有機スズ触媒で、要求される特性を付与
するのには十分である。上限の0.2%より多いと硬化
反応が速過ぎてその結果つや引けがおこることがわかっ
ている。0.005%より少ないと、硬化反応が遅過ぎ
て不十分な硬度と機械的特性の発現が貧弱となる。有機
スズ触媒は、それ自身単独の触媒成分として使用するこ
とができる。
ために使用されるポリヒドロキシル第三級アミンとは区
別される、触媒成分(C)中の共触媒として使用できる
一般的に有用な第三級アミンには、第三級脂肪族モノア
ミンまたはジアミンが含まれ、特に、トリアルキレンジ
アミン類、例えばトリエチレンジアミン(DABC
O)、N,N,N’−トリメチル−N’−獣脂−1,3
−ジアミノプロパンのようなN−アルキルトリメチレン
ジアミンなど、ならびに、トリドデシルアミン、トリヘ
キサデシルアミンなどのようなトリアルキルアミン類、
N,N’−ジメチルドデシルアミンなどのようなN,
N’−ジメチルアルキルアミンであって、すべて−OH
基を含まないものが含まれる。これらアミン類のアルキ
ルまたはアルキレン部分は直鎖または分岐であり、炭素
原子1個〜20個を含有しうる。湿度の高い条件におけ
る曇りを低下させるために特に好ましいのはアルキルま
たはアルキレン部分の少なくとも1個に少なくとも6個
の炭素原子を含有するアミンである。
テムにおける第三級アミンの量は、有機スズ化合物の量
におけるように、かなり変化し得る。第三級アミンが存
在する場合には、第三級アミンは成分(A)を含めた上
記のものと共に、組成物が周囲温度で3時間以内、好ま
しくは2時間以内に硬化(バフ仕上げするのに十分なま
で)できるようにする量で存在することのみが望まれ
る。通常は、結合剤の重量に基づいて重量で約0.01
%〜約1%の第三級アミンが要求される特性を付与する
には十分である。上限の約1%より多いと第三級アミン
はダスト乾燥時間をより長くし、かつフィルムの硬度が
不十分なものとなる。約0.01%より少ないと、触媒
効果が通常不十分である。
に有機酸も含ませる。
時間があれば再仕上げの仕事を完了するには通常十分で
ある。一般的には、有用な酸触媒は、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、および任意の他の脂
肪族カルボン酸などである。通常は、結合剤の重量に基
づいて約0.005%〜約1%の酸を使用する。
ミン、または酸単独よりも高い硬化の反応を付与するこ
とがわかった。
重量に基づいて重量で約0.1%〜約10%の紫外光安
定剤、紫外光遮蔽剤、紫外線消光剤、酸化防止剤を添加
することができる。一般的な紫外光遮蔽剤および安定剤
には以下のものが含まれる。
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、スルホン酸
基を含有するヒドロキシベンゾフェノン類などのような
ベンゾフェノン類。
ト、ジフェニロールプロパンのターシャリーブチルベン
ゾエートなどのようなベンゾエート類。
ドロキシフェニル誘導体、ジアルキル−4−ヒドロキシ
フェニルトリアジンの硫黄含有誘導体、ヒドロキシフェ
ニル−1,3,5−トリアジンなどのようなトリアジン
類。
キシベンゾイル)−トリアゾール、ヒドロキシフェニル
トリアゾール等のような置換ベンゾトリアゾールなどの
ようなトリアゾール類。
−4−ピペリジニルセバケート)、ジ[4(2,2,
6,6,テトラメチルピペリジニル)]セバケートなど
のようなヒンダードアミン類、ならびに上で述べたいず
れかの任意の混合物。
アルキルアクリレート、ポリエーテル変性ジメチルポリ
シロキサン共重合体、ポリエステル変性ポリジメチルシ
ロキサンのような流れ調整剤を、結合剤の重量に基づい
て重量で約0.01%〜約5%の量で使用する。
は、乾燥されたコーティングと同じ屈折率を有する顔料
をクリアーコーティング組成物中に使用するのが望まし
い。一般的には、有用な顔料は、約0.015ミクロン
〜約50ミクロンの粒径を持ち、顔料対結合剤の重量比
約1:100〜約10:100で使用される、屈折率約
1.4〜約1.6を有する無機シリカ顔料等のような珪
酸質の顔料である。
液体キャリヤ部分に通例の有機溶媒を含有する。すでに
述べたように、有機溶媒(単独または複数)の添加量
は、組成物の所望される結合剤濃度ならびに所望される
VOCの量に依存する。一般的な有機溶媒は、石油ナフ
サまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、メチルアミル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、またはアセトンのようなケトン類、酢酸ブチルまた
は酢酸ヘキシルのようなエステル類、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコール
エーテルエステル類からなる。組成物のVOCに寄与し
ない溶媒の例には、酢酸メチル、アセトン、1−クロロ
−4−トリフルオロメチルベンゼン、および可能性とし
て、酢酸t−ブチルが含まれる。
は、「2成分型」または「2パック型」コーティング組
成物として調製され、2つの反応性結合剤成分(A)お
よび(B)を別の容器に入れて一般的には密封して保存
する。触媒(成分(C))、有機溶媒、および他の通常
の添加剤は、組成物の意図される用途に応じて、ヒドロ
キシル成分または架橋成分のいずれか一方または両方に
加える。しかしながら、これらの添化剤(いくつかの溶
媒は除いて)は、好ましくは、ヒドロキシル成分(A)
と同じ容器中で保存される。ヒドロキシル成分の容器と
イソシアナート成分の容器の中味は、使用直前に所望の
NCO/OH比で混合し、限定された可使時間を有する
活性化コーティング組成物を形成する。混合は通常塗布
直前に室温で単に撹拌するだけで達成される。そのコー
ティング組成物を次に、所望の厚さの層として、車体全
体を含む自動車車体の一部のような、基材表面に塗布す
る。塗布後、この層を乾燥ならびに硬化して、基材表面
に所望のコーティング特性を有するコーティングを形成
する。
自動車の再仕上げにおけるクリアーコートとして使用さ
れるが、クリアーコート仕上げとしても使用でき、また
は、従来の顔料で着色され、クリアーコート/カラーコ
ート仕上げまたは再仕上げにおけるモノコートとしてま
たはベースコートとして使用できることも理解すべきで
ある。
部のような車両の一部分に対するクリアーコート再仕上
げ剤としてのコーティング組成物の塗布においては、溶
剤型組成物または水性組成物のいずれかであるベースコ
ートを最初に塗布し、次いで十分に乾燥させ、クリアー
コートのための安定したベースコートを形成した後に、
クリアーコートを従来のスプレー塗装によって、通常は
ウェットオンウェットで塗布する。静電スプレーを使用
することもできる。再仕上げ塗布において、組成物は、
好ましくは、周囲温度で乾燥および硬化されるが、熱源
を装備したペイントブース中で、通常は、約30℃〜約
100℃、好ましくは、約35℃〜約65℃の若干高め
にしたブース温度で、約3分〜約30分、好ましくは約
5分〜約15分の短時間で強制的に乾燥および硬化させ
ることもできる。そのようにして形成されたコーティン
グは、一般に約0.5ミル〜約5ミル(0.012mm
〜0.12mm)の厚さである。
に、本発明のクリアーコートは、再仕上げ作業の生産性
を大幅に改善することがわかった。ヒドロキシル含有ポ
リアクリル性樹脂と、本発明のポリオールと、好ましく
はIPDI三量体をいくらか含有するポリイソシアナー
トと、有効な触媒との混合物を組み込むことによって、
該組成物はクリアーコートとして使用したとき、予想外
に、可使時間の減少が最小であり、つや引けを引き起こ
すこともなく、塗布後比較的短時間で乾燥ならびに硬化
して、ダストフリー、耐水性、および研磨(湿式または
乾式)またはバフ仕上げするのに十分硬い状態になり、
そして、車両をバフ仕上げし、じゃまにならないところ
に移動することができ、かつ、従来のクリアーコート組
成物によれば翌日となるのに比べて、塗布したその日の
うちに顧客に引き渡すことが可能となる。本発明の組成
物は、特に、周囲温度において可使時間が少なくとも3
0分であること、周囲温度においてダストフリー時間が
10分以内であること、および、周囲温度においてウォ
ータースポットから開放されて湿式研磨またはバフ仕上
げが可能となる時間が3時間未満、好ましくは2時間未
満、そして1時間程度の速さでさえあることを示す。前
記の特性は、一般に基材のピーク温度が約55℃〜65
℃となる少し高めの温度で約3分〜10分、好ましく
は、約60℃で約6分硬化させることによって、はるか
に速く達成することができ、それによって、驚くべきこ
とに、冷却直後に透明仕上げを研磨またはバフ仕上げす
ることが可能となる。そのうえ、その仕上げは1週間ま
での数日間は研磨またはバフ仕上げが可能な状態が存続
し、その後タフで硬く耐久性のある自動車の外面仕上げ
となる。
しておく金属基材、冷間圧延鋼、電着プライマー、アル
キッド樹脂補修用プライマーなどのような従来のプライ
マーをコートした鋼、ポリエステル強化ファイバーグラ
ス、熱可塑性オレフィン(TPO)、反応射出成形ウレ
タンおよび部分結晶性ポリアミド等のようなプラスチッ
クタイプの基材、ならびに、木材およびアルミニウム基
材のような様々な基材の塗装または補修に使用すること
ができる。
が、研磨、バフ仕上げまたはつや出しの準備ができたと
きを示す別の指標である。コーティングフィルムは、単
独で、予め何も塗布してない冷間圧延鋼(Q)パネル上
で測定した時に、これが研磨、バフ仕上げまたはつや出
しされうる前に、フィルムの厚さが2.2ミルにおい
て、少なくとも35秒(カウント)、好ましくは、約4
0カウント〜約150カウントの範囲のペルソー硬度
(Persoz hardness)を持たなければな
らず、これが実施例において用いる標準値であり、試験
条件である。ペルソー硬度は、ドイツのBYK Che
mieにより製造され、フロリダ州ポンパノビーチのP
aul N.Gardness Company,In
c.によって販売されている、GARDCO(登録商
標)振子式硬度計モデルHA−5854(Pendul
um Hardness Tester ModelH
A−5854)によって測定した。
に保存する準備が整う前に、ウォータースポットから開
放されなければならない。フィルム上にウォータースポ
ットの損傷が形成される場合、それは、硬化が完全では
なく、フィルムを湿式研磨するか、または、雨の気象条
件に曝す前にさらなる硬化が必要であることの指標であ
る。ウォータースポットから開放される時間は、再仕上
げフィルム上に水滴を15分毎に24時間まで置くこと
によって測定した。水はフィルムが硬化していない場合
は損傷を与える。その結果、水滴は再仕上げパネル上に
損傷の輪を形成する。損傷の程度を1〜10の尺度で評
価する。10の得点は損傷なしを示し、1はひどいウォ
ータースポットを示す。
決定した。当業界の熟練技術者は、コーティングフィル
ムの初期光沢およびDOI(distinctness
of image 像の鮮鋭性)を、そのフィルムを
一夜乾燥させたままにした後の光沢およびDOIと比較
する。コーティングフィルムが鈍くぼやけた外観を有す
るような、光沢およびDOIのレベルに有意な低下があ
る場合は、つや引けが生じると言う。
パージおよび還流冷却器を備えた重合反応器に以下の成
分を入れ、ヒドロキシル基含有アクリル性ポリマー(ア
クリル性ポリマー1)を調製した。
加熱した。部分2および部分3を共に3時間かけて均一
な速度で反応器に加え、その間、得られた反応混合物を
その還流温度に維持した。反応混合物は還流状態にさら
に1時間保持した。得られたアクリル性ポリマー溶液
は、約60%のポリマー固形分含量を有していた。その
ポリマーは、約10,500の重量平均分子量(Mw)
と約58℃のガラス転位温度を有していた。
140℃まで加熱し、テトラヒドロキシル末端ポリエス
テルオリゴマー(オリゴマー1)を調製した。
水フタル酸645gを1時間かけて加えた。このバッチ
を140℃で6時間保持した。次にそのバッチを25℃
まで冷却し、次いで反応容器を密閉し、エチレンオキシ
ド173gを加え、続いてそのバッチを110℃まで加
熱し、その温度で6時間保持した。次にバッチを窒素パ
ージして過剰のエチレンオキシドを除去した。得られた
オリゴマー(固形分)の酸価は10mgKOH/gであ
った。得られたオリゴマー1の溶液は、重量で80%の
固形分含量を有していた。このオリゴマーはテトラヒド
ロキシル置換されており、それらは全て第一級官能基で
あった。そのオリゴマーはまた、約1,000のMw、
約0℃のTg、約1.1の多分散性(Pd)を有してい
た。
三級アミンは、アクゾノーベル社(Aczo Nobe
l Co.)からEthoduomeen(登録商標)
T/13として入手できるトリエトキシル化N−獣脂−
1,3−ジアミノプロパンである。これは3個のヒドロ
キシル基と2個の第三級アミンを有する。簡便のため、
これをオリゴマー2と呼ぶ。
PDIの三量体から以下のようにして調製した。周囲温
度において、機械かくはん機を備えた1クォート(約
0.95リットル)の反応容器に124gのオリゴマー
2と53.1gの酢酸ブチルを加えた。続いてデスモジ
ュール(登録商標)Z−4470BAとして入手できる
IPDI三量体(酢酸ブチル中固形分70重量%)8
9.9gをその反応容器にゆっくり加えた。すなわち、
この添加を15分間にわたって実質的に均一に行った。
反応容器の中味を、この添加の間およびその後の2時
間、窒素雰囲気中でかくはんした。反応容器をその後7
日間放置したままにして反応を完結させた。すなわち、
IPDIのイソシアナート基はすべてオリゴマー2のヒ
ドロキシル基の少なくとも1個と反応し、過剰のヒドロ
キシル基は化合物すなわちポリオールの末端基として残
した。この実施例においてこのポリオールはオリゴマー
3と呼ぶ。オリゴマー3は分離不可能な反応生成物の混
合物であって、その中で、そのポリオールの約70モル
%はポリヒドロキシル第三級アミンの1分子だけがポリ
イソシアナートの各イソシアナート基に付加しているも
のであるが、オリゴマー2の分子は、そのオリゴマー2
の1個、2個および3個のヒドロキシル基によってIP
DI三量体と反応している。このことは、GPC分析
(Mn2840のところに主ピーク)によって確認し
た。
分1および成分2を形成し、次いでこれらの成分を共に
混合することによって製造した。成分1は最初に濃縮物
1を以下のように調合することによって調製した。
を形成するために使用した。
アナート成分(成分2)を、以下の組成物として調製し
た。
1および成分2を共に混合して製造し、続いてそれらを
試験パネルにスプレー塗装して周囲温度で乾燥した。成
分1と成分2の重量比は以下の通りである。
量37重量%およびVOC含量4.26(0.51kg
溶媒/組成物1リットル)を有していた。各組成物のさ
らなる詳細および塗布後のそれらの試験結果について
は、下記表1(組成物3が本発明のコーティング組成物
の1例である)に示す。
改善されたウォータースポットに対する早期の耐性なら
びにはるかに優れた早期の硬度を示し、塗布後約1時間
〜1/2時間でバフ仕上げが可能であることを示した。
24時間後の硬度は3つの組成物全てが大体同じであっ
た。組成物3のフィルムコーティングはまた、組成物1
および組成物2のフィルムコーティングよりもダストフ
リーになるのが速かった。すなわち、組成物1および組
成物2の約10分に比べて組成物3は約5分であった。
−獣脂−1,3−ジアミノプロパンとIPDIの三量体
とを共に反応させて製造した。この実施例2において
は、異なるポリヒドロキシル第三級アミンとIPDI三
量体とを反応させて、実施例1で説明したものと同じ手
順を使用してポリオールの溶液(固形分70重量%)で
あるオリゴマー4シリーズを得る。反応系に存在する各
構成成分の重量の割合は以下の通りであった。
れ、やし油、大豆、オレイル、獣脂を意味し、「12」
は上記の表Aにおけるような炭素原子の数ではなく、以
下の意味を有する。すなわち、「12」において、
「1」は−CH2CH2O−基の数を指し、「2」は窒素
原子からのCH2CH2O分岐の数を指す。したがって、
EthomeenC−12は次の式を有する。
ル第三級アミンは、構成成分の混合物で、次の重量割合
のものである。オリゴマー1(37)/オリゴマー2
(30)/Ethomeen(登録商標)C−12(3
0)/IPDI三量体(58.3)/酢酸ブチル(3
1.4)。
物を用いて製造した。
のように混合して製造する。
下の組成を有するものを調製した。
ーコーティング組成物を形成するために、成分1および
成分2を以下の割合で互いに混合した。組成物1〜組成
物4および組成物6はそれぞれ187.2/35であ
り、組成物5はそれぞれ188.3/35である。これ
ら組成物は、1.08と1.12のあいだのNCO/O
Hの当量を有し、各組成物のVOCは4.3(0.52
kg/l)未満であった。これらの組成物を試験パネル
に塗布し周囲温度で乾燥した。組成物のさらなる詳細お
よび試験結果を表2に示す。
フィルムは全て、ウォータースポットの損傷からの開放
と硬度を抜群に早く示した。フィルムコーティングはす
べて約1時間〜1/2時間でバフ仕上げが可能であり、
5分未満でダストフリーになった。
のポリオールを加えることによって、塗布後1時間(周
囲温度にて乾燥)でバフ仕上げができるフィルムコーテ
ィングを与えた。
ヒドロキシル成分は、以下の組成を有していた。
のコーティング組成物を調製した。
である。この組成物を試験パネル上にスプレイ塗装し、
空気乾燥させた後1時間以内で、得られたコーティング
フィルムは、バフ仕上げおよび湿式研磨の両方とも可能
であった。これは、コーティングフィルムが非常に早く
ダストフリーとなり(5分以内)、ウォータースポット
から開放され、少なくとも35秒のペルソー硬度を有し
ていたことを示す。これと比較して、成分1としてケー
ス7の組成物を使用したコーティングフィルムは、塗布
後1時間ではバフ仕上げをするには軟らか過ぎ、塗布後
多くの時間が経つまでバフ仕上げの準備はできなかっ
た。乾燥は、コーティングフィルムの両方とも周囲温度
で行った。
らの成分を互いに混合してクリアーコーティング組成物
を製造した。成分1は、以下の組成を有する。
合してクリアーコーティング組成物を形成した(VOC
含量0.51kg/l、固形分37重量%)。
パネルに塗布し、周囲温度で乾燥した。さらに詳細な組
成と試験結果を以下の表に示す。
る。この組成物のコーティングフィルムは、その他の組
成物と比較して改善されたウォータースポット耐性を示
し、約1時間〜1/2時間でバフ仕上げ可能を達成する
という極めて優れた硬化速度を示す。組成物11のコー
ティングフィルムは、塗布後約5分でダストフリーとな
った。
Claims (15)
- 【請求項1】 ポリヒドロキシル第三級アミンを有機ポ
リイソシアナートと共に反応させることにより調製され
るポリオールであって、該ポリヒドロキシル第三級アミ
ンが、少なくとも2個の炭素原子を含有する分子鎖を介
して前記アミンの窒素原子に間接的に結合している少な
くとも2個のヒドロキシル基を有しており、前記有機ポ
リイソシアナートのイソシアナート基の全てが本質的に
前記アミンのヒドロキシル基と反応していることを特徴
とするポリオール。 - 【請求項2】 前記ポリヒドロキシル第三級アミンが2
個の第三級アミンの窒素原子を含有し、それぞれが少な
くとも2個の炭素原子を含有する分子鎖を介して該窒素
原子に間接的に結合している少なくとも1個のヒドロキ
シル基を有していることを特徴とする請求項1に記載の
ポリオール。 - 【請求項3】 前記ポリヒドロキシル第三級アミンが下
式を有することを特徴とする請求項1に記載のポリオー
ル。 【化1】 [式中、Rは炭素原子0個〜6個を含有するアルキレン
またはオキシアルキレンであり、XおよびYは独立して
R1Hであり、ただし、R1は−(CH2CH2O) n−ま
たは−(CH2C(CH3)HO)n−であり、ただし、
nは1〜3の整数であり、AはR−X、R−Y、R2、
またはZであり、ただし、R2は炭素原子1個〜20個
を含有するアルキル基であり、Zは下式であり、 【化2】 ただし、R3は炭素原子1個から10個を含有するアル
キレン基であるが、少なくとも2個のヒドロキシル基が
存在することを条件とするものである。] - 【請求項4】 前記有機ポリイソシアナートが下式であ
ることを特徴とする請求項3に記載のポリオール。 【化3】 [式中、Bはポリイソシアナートの脂肪族または芳香族
の核であり、pは少なくとも2の整数である。] - 【請求項5】 下式を有する化合物を含むことを特徴と
する請求項4に記載のポリオール。 【化4】 - 【請求項6】 フィルム形成性結合剤および揮発性有機
液体キャリヤを含有するコーティング組成物であって、
該結合剤がヒドロキシル含有アクリル性ポリマーおよび
請求項1に記載のポリオールを含有することを特徴とす
る組成物。 - 【請求項7】 前記結合剤が、前記組成物の成分Aを構
成し、有機ポリイソシアナートが成分Bとして存在し、
(A)中のヒドロキシル基の当量当たりの(B)中のイ
ソシアナートの当量の比が0.5/1から3.0/1の
範囲にあり、前記組成物を硬化させるのに有効な量の触
媒が成分Cとして存在することを特徴とする請求項6に
記載のコーティング組成物。 - 【請求項8】 前記組成物の硬化速度を高めるために、
前記成分(A)中に前記ポリオールの有効な量が存在す
ることを特徴とする請求項7に記載のコーティング組成
物。 - 【請求項9】 (A)の全重量に基づいて、前記ヒドロ
キシル含有アクリル性ポリマーの量が40重量%〜99
重量%であり、前記ポリオールの量が1重量%〜60重
量%であることを特徴とする請求項7に記載のコーティ
ング組成物。 - 【請求項10】 前記成分(A)が、(A)の全重量に
基づいて0重量%〜39重量%のヒドロキシル末端ポリ
エステルを含有することを特徴とする請求項7に記載の
コーティング組成物。 - 【請求項11】 該組成物が2パックのコーティング組
成物であり、第1のパックには成分Aおよび成分Cを、
第2のパックには成分Bを含み、各パックの中味が使用
直前に互いに混合されることを特徴とする請求項7に記
載のコーティング組成物。 - 【請求項12】 成分(B)として存在する前記有機ポ
リイソシアナートが、成分(B)の全重量に基づいて0
重量%〜30重量%のイソホロンジイソシアナートの三
量体を含有することを特徴とする請求項7に記載のコー
ティング組成物。 - 【請求項13】 基材を仕上げる方法であって、前記基
材にカラーコートを塗布する工程と、前記カラーコート
上に請求項7に記載のコーティング組成物を塗布してク
リアーコートを形成する工程と、前記クリアーコートを
硬化する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 【請求項14】 請求項13に記載の方法によって仕上
げられることを特徴とする基材。 - 【請求項15】 車両の一部の形態であることを特徴と
する請求項14に記載の基材。
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