JP2002020286A - 骨・軟骨疾患治療剤 - Google Patents
骨・軟骨疾患治療剤Info
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- JP2002020286A JP2002020286A JP2000197752A JP2000197752A JP2002020286A JP 2002020286 A JP2002020286 A JP 2002020286A JP 2000197752 A JP2000197752 A JP 2000197752A JP 2000197752 A JP2000197752 A JP 2000197752A JP 2002020286 A JP2002020286 A JP 2002020286A
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】新規な骨・軟骨疾患治療剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物はPEBP2α
A活性化を介して骨形成を促進する。この医薬の投与に
より、効果的な骨・軟骨疾患の治療(骨粗鬆症の治療・
予防、骨折治癒の促進、骨・軟骨治癒の促進、骨移植の
術後修復促進)が可能となる。 【化1】
A活性化を介して骨形成を促進する。この医薬の投与に
より、効果的な骨・軟骨疾患の治療(骨粗鬆症の治療・
予防、骨折治癒の促進、骨・軟骨治癒の促進、骨移植の
術後修復促進)が可能となる。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨・軟骨疾患の治
療及び予防に有用な医薬に関し、より詳細には骨形成促
進剤、骨・軟骨欠損および/または骨折治癒促進剤、骨
粗鬆症治療剤に用いうる新規な医薬に関する。
療及び予防に有用な医薬に関し、より詳細には骨形成促
進剤、骨・軟骨欠損および/または骨折治癒促進剤、骨
粗鬆症治療剤に用いうる新規な医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオーマエンハンサー結合蛋白質 P
EBP2αA はコア結合因子 CBFA1とも呼ばれる
ものであり、runt領域を有する遺伝子ファミリーに属す
る転写因子の一つである。PEBP2αAは従来、Tリ
ンパ球特異的な遺伝子転写制御に何らかの役割を果たし
ているものと考えられてきた(Mol.Cell.Biol.15,1662-
1670(1995))。
EBP2αA はコア結合因子 CBFA1とも呼ばれる
ものであり、runt領域を有する遺伝子ファミリーに属す
る転写因子の一つである。PEBP2αAは従来、Tリ
ンパ球特異的な遺伝子転写制御に何らかの役割を果たし
ているものと考えられてきた(Mol.Cell.Biol.15,1662-
1670(1995))。
【0003】しかし、最近になって、このPEBP2αAの
遺伝子ノックアウトマウスは骨芽細胞の分化成熟阻害に
よって骨形成能が完全に欠損していることが示された。
このことから、これまでTリンパ球での作用しか示唆さ
れていなかったPEBP2αA遺伝子が、骨形成におい
て重要な役割を果たしていることが明らかとなった( Ce
ll 89 755-764,765-77 (1997))。その他、(1)PEB
P2αA遺伝子の過剰発現による未分化骨芽細胞あるい
は皮膚繊維芽細胞の骨芽細胞への分化、(2)PEBP
2αA遺伝子のアンチセンスDNAによる骨芽細胞の分
化抑制(Cell 89 747-754 (1997))、(3)PEBP2
αA遺伝子の変異によるヒトの遺伝子疾患:頭蓋鎖骨形
成不全症(Cleidocranial Dysplasia; CCD)の発生( C
ell[前出]、Nature Genet.16 307-310 (1997))、
(4) PEBP2αAによる骨形成マーカー:オステ
オカルシン遺伝子の転写活性化( J. Biol. Chem. 273
30509-30516 (1998))など いずれもPEBP2αA遺
伝子活性化と骨形成賦活の関連を示唆したものである。
遺伝子ノックアウトマウスは骨芽細胞の分化成熟阻害に
よって骨形成能が完全に欠損していることが示された。
このことから、これまでTリンパ球での作用しか示唆さ
れていなかったPEBP2αA遺伝子が、骨形成におい
て重要な役割を果たしていることが明らかとなった( Ce
ll 89 755-764,765-77 (1997))。その他、(1)PEB
P2αA遺伝子の過剰発現による未分化骨芽細胞あるい
は皮膚繊維芽細胞の骨芽細胞への分化、(2)PEBP
2αA遺伝子のアンチセンスDNAによる骨芽細胞の分
化抑制(Cell 89 747-754 (1997))、(3)PEBP2
αA遺伝子の変異によるヒトの遺伝子疾患:頭蓋鎖骨形
成不全症(Cleidocranial Dysplasia; CCD)の発生( C
ell[前出]、Nature Genet.16 307-310 (1997))、
(4) PEBP2αAによる骨形成マーカー:オステ
オカルシン遺伝子の転写活性化( J. Biol. Chem. 273
30509-30516 (1998))など いずれもPEBP2αA遺
伝子活性化と骨形成賦活の関連を示唆したものである。
【0004】さらに、PEBP2αA遺伝子の発現調節領
域、いわゆるプロモーター及びエンハンサー/サイレン
サー領域(あるいはこれらを総称して単にプロモーター
領域とも呼ばれる)の塩基配列、該発現調節領域をレポ
ーター遺伝子と組み合わせた組換えプラスミド、該プラ
スミドにより形質転換された形質転換細胞、該形質転換
細胞を用いたPEBP2αA遺伝子の発現調節剤のスク
リーニング方法などに関しては、本発明者らによる特許
出願が公開されている(WO 99/11787)。
域、いわゆるプロモーター及びエンハンサー/サイレン
サー領域(あるいはこれらを総称して単にプロモーター
領域とも呼ばれる)の塩基配列、該発現調節領域をレポ
ーター遺伝子と組み合わせた組換えプラスミド、該プラ
スミドにより形質転換された形質転換細胞、該形質転換
細胞を用いたPEBP2αA遺伝子の発現調節剤のスク
リーニング方法などに関しては、本発明者らによる特許
出願が公開されている(WO 99/11787)。
【0005】しかし、以上に示した文献や特許明細書には、
PEBP2αA遺伝子の転写を促進する本発明のヘテロ
五員環化合物は記載されておらず、示唆さえされていな
い。
PEBP2αA遺伝子の転写を促進する本発明のヘテロ
五員環化合物は記載されておらず、示唆さえされていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、骨粗鬆症等の骨
疾患に対しては主に骨吸収抑制剤が用いられているが、
これらはすでに減少した骨量を回復させる機能がなく、
十分な治療効果は得られていない。また、事故や手術に
よる骨・軟骨欠損や骨折の治癒を促進する薬剤も実用化
されていない。 本発明の目的は、 PEBP2αAプロ
モーターの活性化を介する優れた骨形成促進作用を示す
医薬の創製である。
疾患に対しては主に骨吸収抑制剤が用いられているが、
これらはすでに減少した骨量を回復させる機能がなく、
十分な治療効果は得られていない。また、事故や手術に
よる骨・軟骨欠損や骨折の治癒を促進する薬剤も実用化
されていない。 本発明の目的は、 PEBP2αAプロ
モーターの活性化を介する優れた骨形成促進作用を示す
医薬の創製である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 PEB
P2αAプロモーター活性化作用を有するヘテロ五員環
化合物に、ラット初代培養骨芽細胞のオステオカルシン
産生量(骨形成マーカー)を上昇させる作用、骨減少モ
デル動物である卵巣摘出ラットの骨塩密度を増加させる
作用があることを発見し、該化合物が骨障害に起因する
種々の疾患の治療に有効であることを見出し、本発明を
完成した。
P2αAプロモーター活性化作用を有するヘテロ五員環
化合物に、ラット初代培養骨芽細胞のオステオカルシン
産生量(骨形成マーカー)を上昇させる作用、骨減少モ
デル動物である卵巣摘出ラットの骨塩密度を増加させる
作用があることを発見し、該化合物が骨障害に起因する
種々の疾患の治療に有効であることを見出し、本発明を
完成した。
【0008】すなわち、本発明は、以下のとおりである。 [1] 式(1)
【化4】 [式中、Xは、-O-または -S-を表す。R1、R2はそれ
ぞれ独立して、水素原子または置換または無置換の低級
アルキル基、あるいは一緒になって -CH2-CHR8-、ま
たは−C(=O)−C(=N-NHR8)-を表す。R8は、置換また
は無置換のアリール基を表す。R3、R4は、それぞれ
独立して、水素原子、置換または無置換の低級アルキル
基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換
の低級アルキルカルボニル基、または置換または無置換
の低級アルキルオキシカルボニル基を表し、あるいは一
緒になって置換または無置換のベンゼン環を表す。
R5、R6、R7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基、置換または無置換の低級
アルキル基または置換または無置換の低級アルコキシ基
を表し、あるいは一緒になってメチレンジオキシ基を表
す。また、R1とR5は一緒になって、−C(=O)−N(-CH2
-C(=O)-NHR8)-を形成しても良い。]で表される化合物
またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有す
るPEBP2αAプロモーター活性化剤。 [2] 式(2)
ぞれ独立して、水素原子または置換または無置換の低級
アルキル基、あるいは一緒になって -CH2-CHR8-、ま
たは−C(=O)−C(=N-NHR8)-を表す。R8は、置換また
は無置換のアリール基を表す。R3、R4は、それぞれ
独立して、水素原子、置換または無置換の低級アルキル
基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換
の低級アルキルカルボニル基、または置換または無置換
の低級アルキルオキシカルボニル基を表し、あるいは一
緒になって置換または無置換のベンゼン環を表す。
R5、R6、R7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基、置換または無置換の低級
アルキル基または置換または無置換の低級アルコキシ基
を表し、あるいは一緒になってメチレンジオキシ基を表
す。また、R1とR5は一緒になって、−C(=O)−N(-CH2
-C(=O)-NHR8)-を形成しても良い。]で表される化合物
またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有す
るPEBP2αAプロモーター活性化剤。 [2] 式(2)
【化5】 [式中、 R1’は水素原子または置換または無置換の低
級アルキル基を表す。R5’、R6’、R7’はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ
基、置換または無置換の低級アルキル基または置換また
は無置換の低級アルコキシ基を表し、あるいは一緒にな
ってメチレンジオキシ基を形成してもよい。R9は、水
素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の低級アルキ
ル基、置換または無置換の低級アルコキシ基を表す]で
表される化合物またはその薬学上許容される塩であるP
EBP2αAプロモーター活性化剤。 [3] 式(3)
級アルキル基を表す。R5’、R6’、R7’はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ
基、置換または無置換の低級アルキル基または置換また
は無置換の低級アルコキシ基を表し、あるいは一緒にな
ってメチレンジオキシ基を形成してもよい。R9は、水
素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の低級アルキ
ル基、置換または無置換の低級アルコキシ基を表す]で
表される化合物またはその薬学上許容される塩であるP
EBP2αAプロモーター活性化剤。 [3] 式(3)
【化6】 で表される化合物またはその薬学上許容される塩である
PEBP2αAプロモーター活性化剤。 [4] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨形成促進剤。 [5] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨・軟骨欠損および/又は骨折治
癒促進剤。 [6] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨粗鬆症治療剤。
PEBP2αAプロモーター活性化剤。 [4] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨形成促進剤。 [5] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨・軟骨欠損および/又は骨折治
癒促進剤。 [6] [1]から[3]のPEBP2αAプロモーター活性化剤
を有効成分として含む骨粗鬆症治療剤。
【0009】
【発明の実施の形態】上記式(1)〜式(3)において、低級
アルキル基は、C1-6アルキル基、すなわち、メチル、
エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチルまたは 2-
ブチル基などを意味する。低級アルコキシ基はC1-6ア
ルコキシ基、すなわち、メトキシ、エトキシ、1-プロポ
キシ、2-プロポキシ、1-ブトキシまたは 2-ブトキシ基
などを意味する。低級アルキルカルボニル基はC1-6ア
ルキルカルボニル基、すなわち、メチルカルボニル、エ
チルカルボニルまたはプロピルカルボニル基などを意味
する。低級アルキルオキシカルボニル基はC1-6アルキ
ルオキシカルボニル基、すなわち、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルまたはプロピルオキシカルボニ
ル基などを意味する。ハロゲン原子とは、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素原子を意味する。アリール基として
は、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換ま
たは無置換のアリール基/ベンゼン環/低級アルキル基
/低級アルコキシ基/低級アルキルカルボニル基/低級
アルキルオキシカルボニル基の置換基としては、水酸
基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ニトロ基、メチレンジオキシ基などが挙げられる。
アルキル基は、C1-6アルキル基、すなわち、メチル、
エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチルまたは 2-
ブチル基などを意味する。低級アルコキシ基はC1-6ア
ルコキシ基、すなわち、メトキシ、エトキシ、1-プロポ
キシ、2-プロポキシ、1-ブトキシまたは 2-ブトキシ基
などを意味する。低級アルキルカルボニル基はC1-6ア
ルキルカルボニル基、すなわち、メチルカルボニル、エ
チルカルボニルまたはプロピルカルボニル基などを意味
する。低級アルキルオキシカルボニル基はC1-6アルキ
ルオキシカルボニル基、すなわち、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルまたはプロピルオキシカルボニ
ル基などを意味する。ハロゲン原子とは、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素原子を意味する。アリール基として
は、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換ま
たは無置換のアリール基/ベンゼン環/低級アルキル基
/低級アルコキシ基/低級アルキルカルボニル基/低級
アルキルオキシカルボニル基の置換基としては、水酸
基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ニトロ基、メチレンジオキシ基などが挙げられる。
【0010】PEBP2αAプロモーター活性化能を有する
代表的な化合物を表1に示す。
代表的な化合物を表1に示す。
【表1】
【0011】[合成方法] 表1に記載の化合物は、対応する
アルデヒドまたはケトンを対応するヒドラジンと反応さ
せるための一般的な合成方法、例えば、「新実験化学講
座」第13−1巻 67頁(丸善)記載の方法によって
合成することができる。式(1)〜(3)の化合物には、炭素
−窒素二重結合に基づくシン/アンチの立体異性体が存
在し、これらの異性体が便宜上すべて単一の式で示され
ているが、これによって本発明の記載の範囲は限定され
るものではなく、本発明はすべての異性体および異性体
混合物を含むものである。また薬学上許容される塩の水
和物等、溶媒和物も含まれる。当該化合物の薬学上許容
される塩としては、例えば、無機酸または有機酸との酸
付加塩等が挙げられ、具体的には、塩酸、臭化水素酸、
硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酒
石酸、クエン酸、乳酸等の塩が挙げられる。
アルデヒドまたはケトンを対応するヒドラジンと反応さ
せるための一般的な合成方法、例えば、「新実験化学講
座」第13−1巻 67頁(丸善)記載の方法によって
合成することができる。式(1)〜(3)の化合物には、炭素
−窒素二重結合に基づくシン/アンチの立体異性体が存
在し、これらの異性体が便宜上すべて単一の式で示され
ているが、これによって本発明の記載の範囲は限定され
るものではなく、本発明はすべての異性体および異性体
混合物を含むものである。また薬学上許容される塩の水
和物等、溶媒和物も含まれる。当該化合物の薬学上許容
される塩としては、例えば、無機酸または有機酸との酸
付加塩等が挙げられ、具体的には、塩酸、臭化水素酸、
硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酒
石酸、クエン酸、乳酸等の塩が挙げられる。
【0012】[適用対象疾患]本発明の医薬は、PEBP2α
A活性化を介して骨形成を促進する作用を有し、骨粗鬆
症の治療・予防、骨折治癒の促進、骨・軟骨治癒の促
進、骨移植の術後修復促進に有効である。また、本発明
の医薬は骨形成に支障を来す疾患(骨形成不全症、骨形
成異常症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、変形性脊
椎症、椎間板ヘルニア)の治療に対しても有効である。
さらに、ヒト以外の哺乳動物(例えば、ウシ、ウマ、ブ
タ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)における骨・軟骨の障害/
異常に起因する種々の疾患の治療・予防に適用される。
A活性化を介して骨形成を促進する作用を有し、骨粗鬆
症の治療・予防、骨折治癒の促進、骨・軟骨治癒の促
進、骨移植の術後修復促進に有効である。また、本発明
の医薬は骨形成に支障を来す疾患(骨形成不全症、骨形
成異常症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、変形性脊
椎症、椎間板ヘルニア)の治療に対しても有効である。
さらに、ヒト以外の哺乳動物(例えば、ウシ、ウマ、ブ
タ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)における骨・軟骨の障害/
異常に起因する種々の疾患の治療・予防に適用される。
【0013】[製剤]本発明の医薬は種々の製剤形態(例え
ば、液剤、固形剤、カプセル剤等)をとりうるが、一般
的には有効成分である化合物単独又はそれと慣用の担体
と共に経口剤、注射剤、吸入剤、または坐剤とされる。
経口薬としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、軟又は硬カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロッ
プ剤などの剤形に製剤化され、これらの製剤は製剤化の
常法に準じて調製することができる。注射剤は、常法に
より調製することができ、例えば、当該化合物を適切な
溶剤(例えば、滅菌された水、緩衝液、生理食塩水等)
に溶解した後、フィルター等で濾過して滅菌し、次いで
無菌的な容器に充填することにより調製することができ
る。坐剤は、慣用の基剤(例えば、カカオ脂、ラウリン
脂、グリセロゼラチン、マクロゴール、ウィテップゾル
等)を用いた製剤上の常法によって調製することができ
る。吸入剤は、製剤上の常套手段に準じて調製すること
ができる。製剤中の当該化合物含量は、剤形、適用疾患
などに応じて適宜調整することができる。
ば、液剤、固形剤、カプセル剤等)をとりうるが、一般
的には有効成分である化合物単独又はそれと慣用の担体
と共に経口剤、注射剤、吸入剤、または坐剤とされる。
経口薬としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、軟又は硬カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロッ
プ剤などの剤形に製剤化され、これらの製剤は製剤化の
常法に準じて調製することができる。注射剤は、常法に
より調製することができ、例えば、当該化合物を適切な
溶剤(例えば、滅菌された水、緩衝液、生理食塩水等)
に溶解した後、フィルター等で濾過して滅菌し、次いで
無菌的な容器に充填することにより調製することができ
る。坐剤は、慣用の基剤(例えば、カカオ脂、ラウリン
脂、グリセロゼラチン、マクロゴール、ウィテップゾル
等)を用いた製剤上の常法によって調製することができ
る。吸入剤は、製剤上の常套手段に準じて調製すること
ができる。製剤中の当該化合物含量は、剤形、適用疾患
などに応じて適宜調整することができる。
【0014】製剤化に際して、好ましくは安定化剤が添加さ
れ、安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロブリ
ン、ゼラチン、グリシン、マンニトール、グルコース、
デキストラン、ソルビトール、エチレングリコールなど
が挙げられる。さらに、本発明の製剤は製剤化に必要な
添加物、例えば、賦形剤、溶解補助剤、酸化防止剤、無
痛化剤、等張化剤等を含んでいてもよい。液状製剤とし
た場合は凍結保存、又は凍結乾燥等により水分を除去し
て保存するのが望ましい。凍結乾燥製剤は、用時に注射
用蒸留水などを加え、再溶解して使用される。
れ、安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロブリ
ン、ゼラチン、グリシン、マンニトール、グルコース、
デキストラン、ソルビトール、エチレングリコールなど
が挙げられる。さらに、本発明の製剤は製剤化に必要な
添加物、例えば、賦形剤、溶解補助剤、酸化防止剤、無
痛化剤、等張化剤等を含んでいてもよい。液状製剤とし
た場合は凍結保存、又は凍結乾燥等により水分を除去し
て保存するのが望ましい。凍結乾燥製剤は、用時に注射
用蒸留水などを加え、再溶解して使用される。
【0015】[投与経路]本発明の医薬は、その製剤形態に応
じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、注射
剤の形態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与す
ることができる。当該化合物の投与量は、患者の症状、
年齢、体重などにより適宜調整されるが、通常0.05mg〜
500mg、好ましくは1mg〜100mgであり、これを1日1回
ないし数回に分けて投与するのが適当である。
じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、注射
剤の形態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与す
ることができる。当該化合物の投与量は、患者の症状、
年齢、体重などにより適宜調整されるが、通常0.05mg〜
500mg、好ましくは1mg〜100mgであり、これを1日1回
ないし数回に分けて投与するのが適当である。
【0016】[アッセイ]本発明の「PEBP2αAプロモー
ター活性化剤」とは、インビボあるいはインビトロの系
でPEBP2αA遺伝子の発現を増加させる薬剤を意味
し、好適にはWO 99/11787記載のアッセイ方法にて活性
を評価することができる。 以下は、WO 99/11787記載
の方法の概略である。 (1)PEBP2αA遺伝子含有ベクターの構築 PEBP2αA(I)塩基配列(1〜1811)をPC
Rとアガロース電気泳動で増幅し、1811b pのDNA断
片をルシフェラーゼ遺伝子を担持するレポーターベクタ
ーに導入する。CAT(クロラムフェニコールアセチル
トランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファター
ゼ)、あるいはGH(成長ホルモン)などの遺伝子を組
み込んだレポーターベクター(いずれも市販)も適宜使
用できる。 (2)ステーブル細胞の作製 マウス胎児由来 C3H10T1/2 細胞などの骨芽細胞様細胞
株あるいは骨芽細胞に分化する性質を持つ未分化細胞株
を培養し、リン酸カルシウム法やLT-1(Panvera社製)に
て、PEBP2αA遺伝子連結ルシフェラーゼベクター
を細胞に導入する。このとき、pSV2neo(BRL社製)など
の薬剤耐性遺伝子含有ベクター遺伝子を同時に導入して
おき、 G418(500μg/ml)など抗生物質添加により、形質
転換体の選択を行う。
ター活性化剤」とは、インビボあるいはインビトロの系
でPEBP2αA遺伝子の発現を増加させる薬剤を意味
し、好適にはWO 99/11787記載のアッセイ方法にて活性
を評価することができる。 以下は、WO 99/11787記載
の方法の概略である。 (1)PEBP2αA遺伝子含有ベクターの構築 PEBP2αA(I)塩基配列(1〜1811)をPC
Rとアガロース電気泳動で増幅し、1811b pのDNA断
片をルシフェラーゼ遺伝子を担持するレポーターベクタ
ーに導入する。CAT(クロラムフェニコールアセチル
トランスフェラーゼ)、ALP(アルカリホスファター
ゼ)、あるいはGH(成長ホルモン)などの遺伝子を組
み込んだレポーターベクター(いずれも市販)も適宜使
用できる。 (2)ステーブル細胞の作製 マウス胎児由来 C3H10T1/2 細胞などの骨芽細胞様細胞
株あるいは骨芽細胞に分化する性質を持つ未分化細胞株
を培養し、リン酸カルシウム法やLT-1(Panvera社製)に
て、PEBP2αA遺伝子連結ルシフェラーゼベクター
を細胞に導入する。このとき、pSV2neo(BRL社製)など
の薬剤耐性遺伝子含有ベクター遺伝子を同時に導入して
おき、 G418(500μg/ml)など抗生物質添加により、形質
転換体の選択を行う。
【0017】(3)アッセイ用細胞の選択 細胞が増殖してきたら、BMP−4を添加し、更に数日
培養後、細胞を溶解して、ルシフェラーゼ活性を測定す
る。アッセイ基質(プロメガ社)、ルミノメーターML
3000(Dynatech Laboratories)いずれも市販繁用
の試薬や測定器を利用できる。 以上の処理により、B
MP−4添加による活性上昇率の高い細胞(BMP処理
24時間で活性が1.2倍〜1.8倍に、またBMP処理96時
間で活性が1.6倍〜2.3倍に上昇)を得、凍結乾燥にて使
用時まで保存する。 (4)アッセイ 前記形質転換細胞を96穴ウエル培養皿にまきこみ、2
4時間培養を行なう(未分化間葉系細胞である C3H10T1
/2の場合はウシ胎児血清10%添加 Eagle’sBasal Med
iumを使用)。各ウエルに被験化合物溶液(10μg/ml)を2
5μlずつ添加し、24時間培養後、培養上清を吸引し、
ルシフェラーゼの基質(LucLite;パッカード社)を添加
し、常法により定量を行う。 このようなアッセイのポ
ジティブコントロールとしては、BMP−4、レチノイ
ン酸、TGFβs、IGFs、FGFs等、未分化間葉
系細胞を骨芽細胞へ分化させる因子が挙げられ、被検化
合物と同様に系に添加して使用できる。また、SV40
プロモータ遺伝子を導入した細胞で同時にアッセイし、
測定値をネガティブコントロールとして用いることによ
り、より特異的なPEBP2αAプロモータの活性化作
用を評価することができる。
培養後、細胞を溶解して、ルシフェラーゼ活性を測定す
る。アッセイ基質(プロメガ社)、ルミノメーターML
3000(Dynatech Laboratories)いずれも市販繁用
の試薬や測定器を利用できる。 以上の処理により、B
MP−4添加による活性上昇率の高い細胞(BMP処理
24時間で活性が1.2倍〜1.8倍に、またBMP処理96時
間で活性が1.6倍〜2.3倍に上昇)を得、凍結乾燥にて使
用時まで保存する。 (4)アッセイ 前記形質転換細胞を96穴ウエル培養皿にまきこみ、2
4時間培養を行なう(未分化間葉系細胞である C3H10T1
/2の場合はウシ胎児血清10%添加 Eagle’sBasal Med
iumを使用)。各ウエルに被験化合物溶液(10μg/ml)を2
5μlずつ添加し、24時間培養後、培養上清を吸引し、
ルシフェラーゼの基質(LucLite;パッカード社)を添加
し、常法により定量を行う。 このようなアッセイのポ
ジティブコントロールとしては、BMP−4、レチノイ
ン酸、TGFβs、IGFs、FGFs等、未分化間葉
系細胞を骨芽細胞へ分化させる因子が挙げられ、被検化
合物と同様に系に添加して使用できる。また、SV40
プロモータ遺伝子を導入した細胞で同時にアッセイし、
測定値をネガティブコントロールとして用いることによ
り、より特異的なPEBP2αAプロモータの活性化作
用を評価することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 製造例 1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノン (4−フェ
ニル−1,3−チアゾール−2−イル)ヒドラゾンの合
成
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 製造例 1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノン (4−フェ
ニル−1,3−チアゾール−2−イル)ヒドラゾンの合
成
【化7】
【0019】(1)チオセミカルバジド(5.0g,54.
9mmol)のTHF(275ml)懸濁液にジ−t−ブ
チルジカーボネート(35.9g,165mmol)を
加えて1晩室温で攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣
をエーテル/ヘキサンで洗浄後、濾取、減圧下乾燥しN
−t−ブトキシカルボニルチオセミカルバジドを9.6
8g得た。 (収率;92%) 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:ppm 1.39(s,9H),7.38(s,1H),7.8
0(s,1H),8.84(s,1H),9.07
(s,1H). (2)N−t−ブトキシカルボニルチオセミカルバジド
(10.1g,52.9mmol)のエタノール(10
6ml)懸濁液にα−ブロモアセトフェノン(10.5
g,52.9mmol)を水冷下、少量ずつ添加した。
室温で30分攪拌後、1晩放置した。氷冷下、4N−塩
酸/ジオキサン(100ml)を滴下し、その後室温で
5時間攪拌した。エーテル(500ml)を注入し、攪
拌後濾取した。減圧下乾燥し2−ヒドラジノ−4−フェ
ニルチアゾール 臭化水素酸塩を13.7g得た。 (収率;95%) (3)2−ヒドラジノ−4−フェニルチアゾール(1
4.3g,52.6mmol)の酢酸(260ml)溶
液にm−ヒドロキシアセトフェノン(7.2g,52.
6mmol)を添加した。120℃で5時間攪拌後、室
温まで冷却した。水(600ml)を加え、氷冷下1時
間攪拌後、濾取した。減圧下乾燥し1−(3−ヒドロキ
シフェニル)エタノン (4−フェニル−1,3−チア
ゾール−2−イル)ヒドラゾンを9.4g得た。 (収率;58%) 1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:p
pm 2.28(s,3H),6.78(m,1H),7.1
9(s,1H),7.14−7.24(m,2H),
7.28−7.32(m,2H),7.38−7.44
(m,2H),7.82−7.91(m,2H),9.
49(s,1H),11.19(s,1H). IR(KBr):cm−1 3287、1570,1295,1182,1151,
772,704,684.
9mmol)のTHF(275ml)懸濁液にジ−t−ブ
チルジカーボネート(35.9g,165mmol)を
加えて1晩室温で攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣
をエーテル/ヘキサンで洗浄後、濾取、減圧下乾燥しN
−t−ブトキシカルボニルチオセミカルバジドを9.6
8g得た。 (収率;92%) 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:ppm 1.39(s,9H),7.38(s,1H),7.8
0(s,1H),8.84(s,1H),9.07
(s,1H). (2)N−t−ブトキシカルボニルチオセミカルバジド
(10.1g,52.9mmol)のエタノール(10
6ml)懸濁液にα−ブロモアセトフェノン(10.5
g,52.9mmol)を水冷下、少量ずつ添加した。
室温で30分攪拌後、1晩放置した。氷冷下、4N−塩
酸/ジオキサン(100ml)を滴下し、その後室温で
5時間攪拌した。エーテル(500ml)を注入し、攪
拌後濾取した。減圧下乾燥し2−ヒドラジノ−4−フェ
ニルチアゾール 臭化水素酸塩を13.7g得た。 (収率;95%) (3)2−ヒドラジノ−4−フェニルチアゾール(1
4.3g,52.6mmol)の酢酸(260ml)溶
液にm−ヒドロキシアセトフェノン(7.2g,52.
6mmol)を添加した。120℃で5時間攪拌後、室
温まで冷却した。水(600ml)を加え、氷冷下1時
間攪拌後、濾取した。減圧下乾燥し1−(3−ヒドロキ
シフェニル)エタノン (4−フェニル−1,3−チア
ゾール−2−イル)ヒドラゾンを9.4g得た。 (収率;58%) 1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:p
pm 2.28(s,3H),6.78(m,1H),7.1
9(s,1H),7.14−7.24(m,2H),
7.28−7.32(m,2H),7.38−7.44
(m,2H),7.82−7.91(m,2H),9.
49(s,1H),11.19(s,1H). IR(KBr):cm−1 3287、1570,1295,1182,1151,
772,704,684.
【0020】実施例1 ラット胎仔頭蓋冠骨芽細胞におけるオステオカルシン産
生促進作用 実験で使用した材料及び方法は以下のとおりである。 [材料と方法] 1. 酵素液の調製 トリプシン 25mg (0.05%)、コラゲナーゼ 50mg (0.1
%)、2NaEDTA 37.2mg (4mM)をはかり取り、リン酸緩衝
生理食塩水 50mlに加え、0.22μMフィルターで濾過滅菌
して使用した。 2. 骨芽細胞の調製および培養 骨芽細胞は文献(J. Clin. Invest. 99,2961-2970,199
7)記載の方法に従って単離した。妊娠ラットより20
日齢の胎仔(約12匹)を取り出し、70%エタノール液
に浸した。先曲がりピンセットおよびハサミを用いて頭
皮を取り頭蓋冠を露出させた。骨膜を取らずに頭蓋冠を
取り出し、牛胎仔血清を含まないα-MinimumEssential
Medium (αMEM) に浸した。頭頂骨と前頭骨以外の結合
組織部分および周囲の軟組織を切り除き、分取したすべ
ての骨片を2mm幅に細切し、50ml遠沈管に入れた。細切
骨片に酵素液3mlを加え室温で20分間振盪した後、骨
片を残して上清を除去した。新たに骨片に酵素液3mlを
加え、室温で20分間振盪した後、細胞が分散した上清
を回収し、ウシ胎児血清10%(10%FBS)添加αMEM3ml
を入れた15ml遠沈管に移し、酵素を不活化した。この
過程で得た処理液を分画液1とする。同様にして、新た
に骨片に酵素液3mlを加え、室温で20分間振盪して得
られた処理液を分画液2として、以下同様に酵素処理を
行い分画液6までを得た。分画液3から6までを、1000
rpmで5分間遠心し上清を除去した後、各々の細胞に10%
FBS添加αMEMを10ml加えた。細胞を培養液でけん濁し
た後10cmシャーレに播き、炭酸ガス培養装置内で2〜
3日間培養した。培養後、0.05%トリプシンEDTAで
処理し細胞を回収し、細胞数を数えた後、1×105細
胞/mlになるように10%FBS添加αMEMを加えた。12穴
プレートに1ウェルあたり1mlの細胞けん濁液を播き、
さらに2日間培養した後、培養液を全て取り除き、化合
物を含む培養液1mlを加えて培養を行った。この時点か
らの培養には分化培養液(石灰化に最適な5mMβ−グ
リセロリン酸、50μg/mlアスコルビン酸、10%FBSを含
むαMEM培地)を用いた。骨形成過程の様々な段階を捕
捉するために、 1)分化培養液、2)100 ng/ml BMP-4を含む分
化培養液、3)100 ng/ml BMP-4および10nM
デキサメタゾンを含む分化培養液の3種類の培養液を使
用した。培養液の交換は2日毎に行い、交換毎に化合物
を添加した。1)分化培養液を使用した細胞上清を8日
目に、2)BMP-4を含む分化培養液、3) BMP-
4およびデキサメタゾンを含む分化培養液を使用した細
胞上清を4日目に回収した。それぞれの回収液を用い
て、培養上清中のオステオカルシン量を測定した(アマ
シャムファルマシアバイオテク社 Osteocalcin rat ELI
SA systemを使用)。
生促進作用 実験で使用した材料及び方法は以下のとおりである。 [材料と方法] 1. 酵素液の調製 トリプシン 25mg (0.05%)、コラゲナーゼ 50mg (0.1
%)、2NaEDTA 37.2mg (4mM)をはかり取り、リン酸緩衝
生理食塩水 50mlに加え、0.22μMフィルターで濾過滅菌
して使用した。 2. 骨芽細胞の調製および培養 骨芽細胞は文献(J. Clin. Invest. 99,2961-2970,199
7)記載の方法に従って単離した。妊娠ラットより20
日齢の胎仔(約12匹)を取り出し、70%エタノール液
に浸した。先曲がりピンセットおよびハサミを用いて頭
皮を取り頭蓋冠を露出させた。骨膜を取らずに頭蓋冠を
取り出し、牛胎仔血清を含まないα-MinimumEssential
Medium (αMEM) に浸した。頭頂骨と前頭骨以外の結合
組織部分および周囲の軟組織を切り除き、分取したすべ
ての骨片を2mm幅に細切し、50ml遠沈管に入れた。細切
骨片に酵素液3mlを加え室温で20分間振盪した後、骨
片を残して上清を除去した。新たに骨片に酵素液3mlを
加え、室温で20分間振盪した後、細胞が分散した上清
を回収し、ウシ胎児血清10%(10%FBS)添加αMEM3ml
を入れた15ml遠沈管に移し、酵素を不活化した。この
過程で得た処理液を分画液1とする。同様にして、新た
に骨片に酵素液3mlを加え、室温で20分間振盪して得
られた処理液を分画液2として、以下同様に酵素処理を
行い分画液6までを得た。分画液3から6までを、1000
rpmで5分間遠心し上清を除去した後、各々の細胞に10%
FBS添加αMEMを10ml加えた。細胞を培養液でけん濁し
た後10cmシャーレに播き、炭酸ガス培養装置内で2〜
3日間培養した。培養後、0.05%トリプシンEDTAで
処理し細胞を回収し、細胞数を数えた後、1×105細
胞/mlになるように10%FBS添加αMEMを加えた。12穴
プレートに1ウェルあたり1mlの細胞けん濁液を播き、
さらに2日間培養した後、培養液を全て取り除き、化合
物を含む培養液1mlを加えて培養を行った。この時点か
らの培養には分化培養液(石灰化に最適な5mMβ−グ
リセロリン酸、50μg/mlアスコルビン酸、10%FBSを含
むαMEM培地)を用いた。骨形成過程の様々な段階を捕
捉するために、 1)分化培養液、2)100 ng/ml BMP-4を含む分
化培養液、3)100 ng/ml BMP-4および10nM
デキサメタゾンを含む分化培養液の3種類の培養液を使
用した。培養液の交換は2日毎に行い、交換毎に化合物
を添加した。1)分化培養液を使用した細胞上清を8日
目に、2)BMP-4を含む分化培養液、3) BMP-
4およびデキサメタゾンを含む分化培養液を使用した細
胞上清を4日目に回収した。それぞれの回収液を用い
て、培養上清中のオステオカルシン量を測定した(アマ
シャムファルマシアバイオテク社 Osteocalcin rat ELI
SA systemを使用)。
【0021】3.試験結果
【表2】 3種の分化培養液すべてにおいて、式(3)の化合物 10μ
Mで細胞のオステオカルシン産生量は顕著に上昇した。
Mで細胞のオステオカルシン産生量は顕著に上昇した。
【0022】実施例2 卵巣摘出(OVX)ラットにおける骨形成促進作用 [材料と方法] 1. 使用動物 日本チャールス・リバーよりSD (IGS) 系雌性ラット11
週齢を購入し、温度 23±2 ℃、湿度55±10 % に設定し
た飼育室でプラスチックケージに収容し、マウス・ラッ
ト・ハムスター用飼育繁殖固形飼料(CE-2、日本クレ
ア)、水道水を自由摂取させた。1週間の予備飼育後、
卵巣摘出術を施した。 2. 卵巣摘出術(OVX) 麻酔下においてラットの腹部を毛剃・消毒後、1cm程度
切開し、脂肪ごと卵巣を取り出した。卵巣に近い部位で
子宮・血管を縫合糸で結紮し、輸卵管を含めて卵巣を摘
出した。切開部の筋肉を縫合糸で縫合し、皮膚をスキン
ステイプラーで縫合した。対照群については卵巣の摘出
を行わない偽手術を施した。卵巣摘出後から4週間、一
般症状を観察しながら通常飼育を行い、投与開始前にラ
ットの骨塩量を十分に低下させた。
週齢を購入し、温度 23±2 ℃、湿度55±10 % に設定し
た飼育室でプラスチックケージに収容し、マウス・ラッ
ト・ハムスター用飼育繁殖固形飼料(CE-2、日本クレ
ア)、水道水を自由摂取させた。1週間の予備飼育後、
卵巣摘出術を施した。 2. 卵巣摘出術(OVX) 麻酔下においてラットの腹部を毛剃・消毒後、1cm程度
切開し、脂肪ごと卵巣を取り出した。卵巣に近い部位で
子宮・血管を縫合糸で結紮し、輸卵管を含めて卵巣を摘
出した。切開部の筋肉を縫合糸で縫合し、皮膚をスキン
ステイプラーで縫合した。対照群については卵巣の摘出
を行わない偽手術を施した。卵巣摘出後から4週間、一
般症状を観察しながら通常飼育を行い、投与開始前にラ
ットの骨塩量を十分に低下させた。
【0023】3.化合物の投与 卵巣摘出後4週目の体重をもとに、各ラットを対照群、
偽手術群、化合物投与群に分けた。各群は8匹のラット
よりなる。対照群、偽手術群のラットには0.5%メチル
セルロース溶液を2ml/kgの投与用量で、化合物投与群
のラットには 0.5%メチルセルロース溶液を溶媒とした
式1の化合物溶液(2 mg/ml)を2ml/kgの投与用量で皮
下投与した。投与は1日に1回、5回/週、4週間のスケ
ジュール(計20回)で行った。 4.測定項目 最終投与日の翌日にラットを致死させ、脛骨と血清を採
取した。採取した脛骨は 10% 中性緩衝ホルムアルデヒ
ド液で固定し、骨塩密度測定装置(Dual EnergyX-ray A
bsorptiometry;DCS-600、アロカ社)を用いて脛骨近位
端4-11 mmの骨塩密度を測定した。 5.統計処理法 対照群、偽手術群および化合物投与群間の骨塩密度測定
値の比較を、Studentのt-検定法で行った。
偽手術群、化合物投与群に分けた。各群は8匹のラット
よりなる。対照群、偽手術群のラットには0.5%メチル
セルロース溶液を2ml/kgの投与用量で、化合物投与群
のラットには 0.5%メチルセルロース溶液を溶媒とした
式1の化合物溶液(2 mg/ml)を2ml/kgの投与用量で皮
下投与した。投与は1日に1回、5回/週、4週間のスケ
ジュール(計20回)で行った。 4.測定項目 最終投与日の翌日にラットを致死させ、脛骨と血清を採
取した。採取した脛骨は 10% 中性緩衝ホルムアルデヒ
ド液で固定し、骨塩密度測定装置(Dual EnergyX-ray A
bsorptiometry;DCS-600、アロカ社)を用いて脛骨近位
端4-11 mmの骨塩密度を測定した。 5.統計処理法 対照群、偽手術群および化合物投与群間の骨塩密度測定
値の比較を、Studentのt-検定法で行った。
【0024】6.測定結果
【表3】 式(3)の化合物は卵巣摘出後4週間で低下したラット骨
塩量を有意に増加させ、骨形成促進作用を示した。
塩量を有意に増加させ、骨形成促進作用を示した。
【0025】
【発明の効果】本発明の PEBP2αA活性化を介し
て骨形成を促進する医薬により、より効果的な骨・軟骨
疾患の治療(骨粗鬆症の治療・予防、骨折治癒の促進、
骨・軟骨治癒の促進、骨移植の術後修復促進)が可能と
なる。
て骨形成を促進する医薬により、より効果的な骨・軟骨
疾患の治療(骨粗鬆症の治療・予防、骨折治癒の促進、
骨・軟骨治癒の促進、骨移植の術後修復促進)が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/427 A61K 31/427 31/428 31/428 A61P 19/08 A61P 19/08 19/10 19/10 43/00 105 43/00 105 // C07D 263/48 C07D 263/48 277/50 277/50 277/82 277/82 417/04 417/04 417/12 417/12 (72)発明者 佐々木 章 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 (72)発明者 勝又 隆 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C033 AD13 AE13 4C056 AA01 AB01 AC02 AD01 AE03 AF04 BB11 4C063 AA01 BB02 BB09 CC62 CC81 DD06 DD62 EE01 4C086 AA01 AA02 BC69 BC82 BC84 GA02 GA07 GA10 MA01 MA04 NA14 ZA96 ZA97 ZB21
Claims (6)
- 【請求項1】式(1) 【化1】 [式中、Xは、-O-または -S-を表す。R1、R2はそれ
ぞれ独立して、水素原子または置換または無置換の低級
アルキル基、あるいは一緒になって -CH2-CHR8-、ま
たは−C(=O)−C(=N-NHR8)-を表す。R8は、置換また
は無置換のアリール基を表す。R3、R4は、それぞれ
独立して、水素原子、置換または無置換の低級アルキル
基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換
の低級アルキルカルボニル基、または置換または無置換
の低級アルキルオキシカルボニル基を表し、あるいは一
緒になって置換または無置換のベンゼン環を表す。
R5、R6、R7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基、置換または無置換の低級
アルキル基または置換または無置換の低級アルコキシ基
を表し、あるいは一緒になってメチレンジオキシ基を表
す。また、R1とR5は一緒になって、−C(=O)−N(-CH2
-C(=O)-NHR8)-を形成しても良い。]で表される化合物
またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有す
るPEBP2αAプロモーター活性化剤。 - 【請求項2】式(2) 【化2】 [式中、 R1’は水素原子または置換または無置換の低
級アルキル基を表す。R5’、R6’、R7’はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ
基、置換または無置換の低級アルキル基または置換また
は無置換の低級アルコキシ基を表し、あるいは一緒にな
ってメチレンジオキシ基を形成してもよい。R9は、水
素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の低級アルキ
ル基、置換または無置換の低級アルコキシ基を表す]で
表される化合物またはその薬学上許容される塩であるP
EBP2αAプロモーター活性化剤。 - 【請求項3】式(3) 【化3】 で表される化合物またはその薬学上許容される塩である
PEBP2αAプロモーター活性化剤。 - 【請求項4】請求項1から3のPEBP2αAプロモー
ター活性化剤を有効成分として含む骨形成促進剤。 - 【請求項5】請求項1から3のPEBP2αAプロモー
ター活性化剤を有効成分として含む骨・軟骨欠損および
/又は骨折治癒促進剤。 - 【請求項6】請求項1から3のPEBP2αAプロモー
ター活性化剤を有効成分として含む骨粗鬆症治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197752A JP2002020286A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 骨・軟骨疾患治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197752A JP2002020286A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 骨・軟骨疾患治療剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002020286A true JP2002020286A (ja) | 2002-01-23 |
Family
ID=18696035
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---|---|---|---|
JP2000197752A Pending JP2002020286A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 骨・軟骨疾患治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002020286A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7960392B2 (en) | 2008-07-17 | 2011-06-14 | Asahi Kasei Pharma Corporation | Nitrogen-containing heterocyclic compounds |
CN107531687A (zh) * | 2015-02-27 | 2018-01-02 | 加利福尼亚大学董事会 | 能够实现软骨复壮的小分子 |
-
2000
- 2000-06-30 JP JP2000197752A patent/JP2002020286A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7960392B2 (en) | 2008-07-17 | 2011-06-14 | Asahi Kasei Pharma Corporation | Nitrogen-containing heterocyclic compounds |
CN107531687A (zh) * | 2015-02-27 | 2018-01-02 | 加利福尼亚大学董事会 | 能够实现软骨复壮的小分子 |
EP3262040A4 (en) * | 2015-02-27 | 2018-09-12 | The Regents of The University of California | Small molecules that enable cartilage rejuvanation |
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