JP2002019856A - 液体容器 - Google Patents

液体容器

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JP2002019856A
JP2002019856A JP2000209022A JP2000209022A JP2002019856A JP 2002019856 A JP2002019856 A JP 2002019856A JP 2000209022 A JP2000209022 A JP 2000209022A JP 2000209022 A JP2000209022 A JP 2000209022A JP 2002019856 A JP2002019856 A JP 2002019856A
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liquid
porous structure
container
liquid container
container according
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JP2000209022A
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Isamu Takahashi
勇 高橋
Kenichi Yuya
賢一 油谷
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用しても、収容室に収容された内
容液の無菌状態を維持できるとともに、流出液が微生物
により汚染されることを防止できる液体容器を提供す
る。 【解決手段】 内容液3を収容する収容室5及び開口部
7とを有する液体容器において、内容液3の通過を許容
するとともに微生物の通過を阻止するフィルタ部材9を
開口部7を覆うように配置し、さらに内容液3が透過可
能で、抗菌性が付与された多孔質構造体11をフィルタ
部材9の排出表面9aの全面に実質的に接触して配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を収容する容
器に関し、特に、容器の使用開始後に収容室に収容され
た液体及び流出させた液体が微生物により汚染されるこ
とを防止できる液体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】点眼液などの微生物汚染が懸念される液
体を収容する容器として、容器壁を押圧することにより
ノズルから液体を絞り出す、所謂スクイーズボトル型の
液体容器が知られている。このような液体容器はノズル
を露出させて使用するため、大気中の微生物が付着した
り、人体等に直接接触して、ノズルが微生物により汚染
されやすい。さらに、容器壁を押圧して液体を絞り出し
た後、該容器壁が復元する際、ノズルに付着、残留した
液体や外気を吸引して、外気中に存在する微生物やノズ
ルに付着していた微生物を容器内に取り込みやすい。そ
のため、ノズルから流出させた液体がノズルに付着した
微生物により汚染されたり、収容室に収容された液体自
体が微生物により汚染されやすい。従来、このような容
器では無菌状態で製造しても、繰り返し使用すると前記
のように液体の無菌状態を維持することができなくなる
ため、予め液体中に防腐剤を配合して、微生物による汚
染を防止していた。しかし、防腐剤の使用は目の炎症や
アレルギー反応をしばしば引き起こすなどの欠点があ
る。そのため、防腐剤を配合することなく、無菌状態を
維持できる容器が望まれていて、多数の容器が提案され
ている。
【0003】例えば特表平9−510629号公報に
は、微生物が収容室に侵入することを防止するため、ノ
ズルと収容室との間に液体の通過を許容するとともに微
生物の通過を阻止するメンブレンフィルタを、該ノズル
とメンブランフィルタとの間に溝などの流路を設けて配
置し、該メンブレンフィルタ及びノズルの流路内に抗菌
材を存在させた容器が提案されている。このような容器
によれば、メンブレンフィルタにより微生物を捕捉して
抗菌材の作用により静菌または殺菌できるため、収容室
内に微生物が侵入することがなく、繰り返し使用しても
収容室内の液体を無菌状態で維持することが可能であ
る。
【0004】しかしながら、この液体容器ではメンブレ
ンフィルタの静菌または殺菌作用は得られるものの、ノ
ズルに区画された流路、或いはメンブレンフィルタとノ
ズルとの間に区画された溝などの空間では間隙が大きい
ため、抗菌材が存在していても十分かつ確実な静菌また
は殺菌作用が得られなかった。即ち、液体に対して難溶
性の抗菌材は通常極微量に溶出されることにより静菌ま
たは殺菌効果を発現できるが、極微量にしか溶出されな
いため、抗菌材が存在する面から離間した位置では静菌
または殺菌効果を得にくいのである。また、溶出しない
抗菌材においても、流路や溝等における液体との接触面
積が少ないため十分な静菌または殺菌効果が得られない
のである。そのため、このような容器では収容室内に収
容された液体自体は無菌状態に維持できるとしても、繰
り返し使用中にノズルの流路やフィルタとノズルとの間
隙に残留した液体中で微生物が繁殖してしまい、その結
果、次回の使用時に流出させた液体が微生物により汚染
されてしまうという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の問題
点を解決するためになされたもので、長期間繰り返し使
用しても、収容室に収容された液体を無菌状態で維持で
きるとともに、流出させた液体が微生物により汚染され
ることを防止できる液体容器を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、液体を収容する収容室及び開口部とを有する液体
容器において、前記液体の通過を許容するとともに微生
物の通過を阻止するフィルタ部材が前記開口部を覆うよ
うに配置され、該液体が透過可能で、抗菌性が付与され
た多孔質構造体が該フィルタ部材の排出表面の実質的に
全面に接触して配置されたことを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明によれば、液体の通過を許容すると
ともに微生物の通過を阻止するフィルタ部材を容器の開
口部を覆うように配置したので、自然対流により容器内
に外気が侵入したり、使用後容器壁が復元する際に外気
やノズルの残留液が収容室に流入しても、容器の収容室
内に微生物が侵入することがなく、収容室内に収容され
た液体を確実に無菌状態に維持することができる。しか
も、液体が透過可能で、抗菌性が付与された多孔質構造
体をフィルタ部材の排出表面の実質的に全面に接触して
配置したので、使用後に多孔質構造体内に残留液が残留
した場合、多孔質構造体の内部が微細なポアの集合体で
従来のノズルの流路に比べて大幅に狭く、しかも内壁面
の表面積が大きくて残留液との接触面積を大きくでき、
残留液に対する静菌または抗菌作用を十分かつ確実に得
ることができ、残留液中で微生物が繁殖するようなこと
がない。また、多孔質構造体なので、フィルタ部材との
間に従来のノズルのような液体の通路を設ける必要がな
く、多孔質構造体をフィルタ部材の排出表面に実質的に
全面に接触させることができ、多孔質構造体とフィルタ
部材との間に液体が残留して微生物が繁殖するようなこ
とがない。従って、次回の使用時に流出させた液体が微
生物により汚染されることを十分かつ確実に防止するこ
とができる。
【0008】また、本発明は、特に次のような構成を採
用することが好ましい。多孔質構造体の外表面および内
部に内容液に対して難溶性の抗菌材を存在させる。多孔
質構造体の外表面に付着した微生物に対する静菌または
殺菌効果と、内部に残留した液体の静菌または殺菌効果
を得るためである。難溶性の抗菌材は、微量に溶出され
ることにより抗菌性を発現するが、多孔質構造体の微細
なポアの集合体内部の残留液との接触面積が大きいた
め、従来のノズルの流路に比べ、残留液に対する十分な
溶出量が得られて十分な静菌または殺菌効果が得られ
る。また、収容室に収容されている液体は抗菌材と接触
していないので実質的に抗菌材を溶存せず、使用時に収
容室から液体を取り出すとき、残留液が収容室からの液
体と混合されて、抗菌材の濃度が希釈されながら流出す
るため、液体中に防腐剤を配合する場合に比べて難溶性
の抗菌材の溶存量を十分に少なくすることができる。ま
た、多孔質構造体を外側に突出した液体の案内部を有す
る形状にする。使用時に、フィルタを通過した液体が多
孔質構造体の内部を透過して排出側の外表面から流出す
る際、流出液が液体の案内部に案内されて流出するた
め、多孔質構造体からの流出位置を特定することがで
き、使い勝手がよいからである。さらに、多孔質構造体
を排出側に開口した凹部を有する形状にする。液体が多
孔質構造体を透過して案内部の外表面に流出する抵抗に
比べて、凹部の底面或いは内面まで流体が透過する抵抗
が小さく、流体を凹部から流出させやすいからである。
また、フィルタ部材に、液体に対して難溶性の抗菌材を
存在させる。使用後残留液や外気を吸引した際、同伴さ
れた微生物が多孔質構造体を透過してフィルタ部材に達
しても静菌または殺菌効果を得るためである。
【0009】さらに、多孔質構造体の外表面と接触する
接触部を有し、かつ着脱可能なキャップにより多孔質構
造体を被覆し、該接触部に該液体に対して難溶性の抗菌
材を存在させる。多孔質構造体の外表面は使用時に露出
させるため、外気中の埃等が直接付着したり使用者が直
接接触して、他の部分に比べて微生物により強度に汚染
されやすい。一方、多孔質構造体の外表面は内部のよう
に空間が制限されていないため、外表面から離間した位
置に微生物が存在することが起こりやすい。そのため、
接触部により外表面の空間を無くして微生物に対する静
菌或いは殺菌効果を十分に得るのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図を用い
て説明する。図1は実施形態の液体収容容器としての点
眼容器である。図において、1は無菌液体3を収容する
略円筒状の収容室5及び開口部7とを有する容器本体で
ある。本発明では容器本体の収容対象は、輸液、点眼液
等の医療用薬液、調味料等の液体状食品、ローション等
の化粧品などの液体、特に微生物汚染が懸念される液体
であり、この実施形態では、無菌溶液3として点眼液が
収容されている。容器本体1は、容器壁が弾性変形可能
な材料により形成されているのが好ましく、例えば、ポ
リエチエレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリカーボネート、ポリエステルなどの合成樹脂か
らなるものが挙げられる。
【0011】9は無菌液体3の通過を許容するとともに
微生物の通過を阻止するフィルタ部材であり、開口部7
全面を覆い、開口部7との間に無菌液体及び外気が通過
可能な隙間を形成しないように、接着、溶着等の手段に
より容器本体1に配置固定されている。フィルタ部材9
の材質としては、特に限定されるものではないが、天然
繊維若しくは合成繊維の織布または不織布、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレン、ニトロセルロース、セルロース
混合エステル、若しくはセルロースアセテート等の合成
樹脂からなるメンブレンフィルタなどが例示できる。ま
た、平均孔径が特に微細な場合には、親水性の合成樹脂
からなるものが好ましい。フィルタ部材9の平均孔径
は、微生物の通過を阻止できると同時に収容室からの無
菌液を通過させることができる寸法を有する必要があ
る。そのため、平均孔径は0.1μm以上1.2μm以
下、より好ましくは0.65μm以下であるのが好適で
ある。開口部7を被覆して形成されるフィルタ部材9の
排出表面9aは、フィルタ部材9の孔径により適宜選択
されるが、一般に、微生物の通過を阻止可能な孔径を有
するものは流出抵抗が大きくなるため、人手により流出
させる容器では少なくとも20mm以上とするのが好
ましい。さらに、このフィルタ部材9には、後述するよ
うな内容液に対して難溶性の抗菌材を存在させている。
使用後に残留液や外気を吸引してそれらに同伴された微
生物がフィルタ部材9に達した場合に静菌または殺菌効
果を得るためである。
【0012】次に、図中11は、無菌液体3が透過可能
で、抗菌性が付与された多孔質構造体であり、略円錐形
状の液体の案内部13を有するとともに、フィルタ部材
9の排出表面9aに対応した形状、ここでは平面状の底
面15を有していて、フィルタ部材9の排出表面9aの
実質的に全面に接触して配置され、容器本体1に例えば
溶着、接着等の手段により固定されている。ここでフィ
ルタ部材9の実質的に全面に接触して配置するとは、フ
ィルタ部材9の排出表面9aと多孔質部材11の底面1
5との間に液体を流通させる目的の空間を設けずに両者
を配置して製造していることをいう。この多孔質構造体
11のポアサイズは適宜選択されるが、少なくともフィ
ルタ部材9の平均孔径以上であるのが好ましい。無菌液
体3の排出抵抗の増加を防止するためである。一方、従
来のノズルの流路の径と同等では、多孔質構造体11内
に残留した液体に対する静菌或いは殺菌効果が不十分に
なるため好ましくない。従って、フィルタ部材9の平均
孔径が0.25μmの場合、例えば、0.25μm以上
1000μm以下、好ましくは500μm以下とするの
が好適である。このような多孔質構造体11は、例え
ば、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂
焼結体、真鍮、ステンレス等の金属焼結体、セラミック
ス焼結体などにより形成することができる。また、流出
する液体の案内部13の形状は、該流体が外表面に沿っ
て流下して、頂部13bまで案内可能な形状を有してい
ればよく、上記の円錐形状の他、多角錐形、球面形、砲
弾形等任意の形状が選択できる。
【0013】さらに、この多孔質構造体11の外表面お
よび内部には、無菌液3に難溶性の抗菌材を存在させて
いる。ここで、難溶性の抗菌材とは、静菌または殺菌作
用を発現できる材料であって、収容室5に収容される液
体と固体状態で接触した際に全く溶解しないか、極微量
に溶解する材料であり、例えば抗菌材1gが液体100
00ml以上に溶解しない程度の溶解性を有する材料で
ある。この抗菌材としては、収容された無菌液体3に応
じて有機系抗菌材または無機系抗菌材を適宜選択できる
が、医薬品、化粧品を収容する容器の場合には、金、
銀、銅、白金、亜鉛、水銀等の重金属、塩化銀、塩化第
二水銀、有機水銀等の重金属化合物などの重金属類を適
宜選択することができる。重金属或いは重金属化合物
は、溶出量が少なくて人体に影響が少ないためである。
重金属類のうち、人体に対する影響が特に少ないという
理由で、金、銀、銅、亜鉛、これらの化合物が好まし
く、特に銀又は銀化合物が好適である。この銀として
は、例えば、金属銀、コロイダル銀等が挙げられ、銀化
合物としては、塩化銀、臭化銀、沃化銀、酸化銀などが
挙げられる。抗菌材を多孔質構造体11に存在させるに
は、多孔質構造体自体を難溶性の抗菌材により形成す
る、多孔質構造体の材料中に難溶性の抗菌材を混合或い
は分散させた状態で多孔質構造体を形成する、多孔質構
造体を製造後に、難溶性の抗菌材を付着させるなどの方
法が採用できる。この内、多孔質構造体を製造後に抗菌
材を付着させる場合、前記重金属類、例えば銀等を無電
解メッキにより行うことができる。多孔質構造体の多数
のポアが微細であるため、メッキ層が付着しやすく、剥
がれにくいというアンカー効果が得られ、製造が容易で
ある。
【0014】更に、図中、17は多孔質構造体13の外
表面13aを被覆するキャップであり、螺合部18によ
り容器本体1に着脱可能に装着されている。このキャッ
プ17の内側には、多孔質構造体13の外表面13aと
接触する接触部19が設けられている。この接触部19
には前記と同様な難溶性の抗菌材が存在している。ここ
で、接触部19を形成する材料としては、硬質プラスチ
ック、金属、樹脂または金属の焼結体、セラミックス、
陶磁器などの硬質材料であってもよいが、例えば、ウレ
タン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、その他の軟質プ
ラスチック、発泡プラスチック等の樹脂、織布、不織
布、綿、ゴムなど、弾性変形可能な材料であれば、変形
することにより外表面13aに密着しやすく好ましい。
この実施形態の液体容器は以上のように構成されてい
る。
【0015】このような液体容器を使用するには、ま
ず、キャップ17を取り外し、容器本体1を倒立させ、
容器壁を押圧することにより収容室5内の内圧を増加さ
せ、これによりフィルタ部材9を通過させて多孔質構造
体11の外表面13aまで無菌液3を透過させる。そし
て、外表面13aまで透過した液体を、案内部13の形
状に従って流下させ、頂部13b付近から滴下させて使
用する。このようにして使用した後は、容器壁の押圧を
解除することにより容器壁を復元させる。このとき多孔
質構造体11の表面及び内部に残留した無菌液の一部が
吸引されて収容室5に収容される。そして、キャップ1
7により多孔質構造体11を被覆して保存し、次回の使
用に供する。
【0016】このような使用時においては、まず、多孔
質構造体11に外側に突出する液体の案内部13が設け
られているので、多孔質構造体11の内部を透過して排
出側の外表面13aに流出した液体が案内部13の形状
に従って頂部13b付近まで案内されて集液されるた
め、流出位置を特定することができ、使い勝手がよい。
微生物の通過を阻止する孔径のフィルタ部材13は、前
述のように排出抵抗が大きいため排出面積を大きく設定
する必要がある。しかし、排出面積が大きいと流出させ
る液体の流出位置を特定できないため、目薬容器などの
滴下用容器では流出位置を特定するための部材が必要と
なる。ところが、従来の点眼容器のようにフィルタ部材
の下流側にノズルを配置して流出位置を特定させると、
下流側の抗菌性が十分に確保できないのである。そこ
で、本発明では、抗菌性を付与した多孔質構造体11に
より液体の案内部13を形成しているのである。
【0017】また、使用後においては、容器壁の復元に
伴い多孔質構造体11内の残留液とともに外気を吸引し
ても、多孔質構造体11が外気中に存在する或いは外表
面に付着した埃や微粒子などを外表面で捕捉することが
でき、プレフィルタとしてフィルタ部材9を保護するこ
とができる。また、キャップ17に多孔質構造体11の
外表面13aと接触する接触部19を設け、液体に対し
て難溶性の抗菌材を存在させたため、使用時に外表面1
3aに外気中の埃等が付着したり使用者が直接接触して
も、キャップ17を装着すれば多孔質構造体11の外表
面13a側の空間を無くすことができ、外表面13aの
微生物に対する静菌或いは殺菌効果を十分に得ることが
できる。
【0018】そして、長期間の繰り返し使用において
は、無菌液3の通過を許容するとともに微生物の通過を
阻止するフィルタ部材9により容器本体1の開口部7全
体を被覆しているので、多孔質構造体11の表面13a
や内部の残留液が収容室5内に侵入しても、これらに同
伴された微生物が収容室5内に侵入することがなく、無
菌液3を確実に無菌状態に維持することができる。しか
も、無菌液3が通過可能で、抗菌性が付与された多孔質
構造体11を、フィルタ部材9の排出表面9aの全面に
実質的に接触して配置したので、使用後に多孔質構造体
11内に残留液が残留した場合、多孔質構造体11の内
部が微細なポアの集合体で従来のノズルの流路に比べて
大幅に狭く、しかも内壁面の表面積が大きくて残留液と
の接触面積を大きいため、残留液に対する静菌または抗
菌作用を十分かつ確実に得ることができ、残留液中で微
生物が繁殖するようなことがない。また、多孔質構造体
11なので、フィルタ部材9との間に従来のノズルのよ
うな液体の通路を設ける必要がなく、多孔質構造体11
をフィルタ部材の9排出表面9aに実質的に全面に接触
させることができ、多孔質構造体11とフィルタ部材9
との間に液体が残留して微生物が繁殖するようなことが
ない。従って、次回の使用時に流出させた液体が微生物
により汚染されることを十分かつ確実に防止することが
できる。さらに、多孔質構造体11の外表面および内部
に内容液に対して難溶性の抗菌材を存在させているの
で、使用後から次回の使用時までの間、多孔質構造体1
1中に残留した残留液に難溶性の抗菌材が微量に溶出し
て抗菌性が発現しているが、ここでは、多孔質構造体1
1の微細なポアの集合体内部の残留液との接触面積が大
きいため、従来のノズルの流路に比べ、残留液に対して
十分な抗菌材の溶出量が得られ、十分な静菌または殺菌
効果が得られる。それととともに、難溶性の抗菌材であ
るため、次回の使用時に流出させる液体には、従来の防
腐剤を配合した点眼液のように目の炎症やアレルギー反
応等を引き起こす程度の抗菌材が溶存するようなことは
ない。しかも、収容室5に収容されている液体は難溶性
抗菌材と殆ど接触しないので実質的に抗菌材を溶存しな
いので、次回の使用時に流出液を流出させると、多孔質
構造体11内の残留液が、このような収容室5からの液
体と混合されて抗菌材の濃度が十分に希釈されて流出さ
れるため、流出液中の難溶性抗菌材の溶存量が十分に少
なく、安全な液を流出することができる。例えば、抗菌
材として銀を付着させた多孔質構造体を用いた場合、世
界保健機構(WTO)の飲料水における規制値の上限の
50ppbを十分に下回ることができる。また、この長
期間の繰り返し使用においては、多孔質構造体11の内
部が多数の微細なポアが連続して形成された構造となっ
ているため、アンカー効果により、従来のノズルの流路
のように直線的な流路に比べて抗菌材を保持しやすく、
長期間抗菌性が低下しにくい。
【0019】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の範囲内において適宜変更可能で
ある。例えば、この実施形態において、容器本体の復元
時にフィルタ部材が収容室9側へ変形して破壊されるこ
とを防止するために、収容室3内部に多孔質の支持体を
該フィルタ部材9に接触するように配置することも可能
である。
【0020】次に他の実施形態について説明する。図2
は他の実施形態を示す図である。この液体収容容器はロ
ーション容器である。図において、1は無菌液体3のロ
ーションを収容する収容室5及び開口部7とを有する容
器本体であり、容器壁が弾性変形可能な樹脂材料により
形成されている。9は無菌液体3の通過を許容するとと
もに微生物の通過を阻止するフィルタ部材であり、開口
部7を覆い、開口部7との間に無菌液体及び外気が通過
可能な隙間を形成しないように接着、溶着等の手段によ
り配置固定されている。11は無菌液体3が通過可能
で、抗菌性が付与された多孔質構造体であり、フィルタ
部材9の排出表面9aの全面に実質的に接触して配置さ
れ、溶着、接着等の手段により固定されている。この多
孔質構造体11の形状は、前記実施例とは異なり略円盤
状に形成されている。そのため、無菌液3の流出位置は
外表面11aのいずれかに特定されていない。しかしな
がら、容器本体1の開口部7より広い部分に流出させる
ような場合には、流出位置が特定される必要はなく、使
い勝手はよい。従って、このような容器であっても、前
記と同様の効果が得られる。また、流出時に容器を傾斜
させることにより、多孔質構造体11を透過して流出し
た液は外表面11aの最も低い位置に集液することがで
きるので、流出位置を特定することも可能である。な
お、この実施形態の容器にも、多孔質構造体11の平面
状の外表面と接触する接触部を有するキャップが装着さ
れているが、図示は省略している。
【0021】図3はさらに他の実施形態の点眼容器を示
す断面図である。この実施形態の容器では、多孔質構造
体11が頂部13bから底面15まで貫通しないように
形成された孔状の凹部21を有するとともに、接触部1
9の内表面に前記凹部21の形状に対応した形状の凸部
22を有する他は、図1の容器と同様の構成を有してい
る。ここでは、キャップ17を螺合部18により容器本
体1に装着することにより凹部21に凸部22が挿入さ
れる。キャップ17が装着された状態では、凸部22の
先端部22aが凹部21の底部21a付近、好ましくは
当接するように挿入されているとともに、凸部22の側
面部22bが凹部21の側面部21bに当接している。
凸部22が弾性変形可能な材料から形成されていると、
両側面部21b、22bが密着することができて好まし
い。
【0022】このような液体容器によれば、図1の容器
と同様にして使用することができ、同様の効果が得られ
る上、多孔質構造体11に頂部13b付近から底面15
まで貫通していない凹部21が形成されているので、底
面15から凹部21の底部21aまでの距離が短く、使
用時に多孔質構造体11を液体が透過する際の抵抗が少
なくなり、凹部21から集中して液体が流出しやすくな
る。従って、頂部13bからの液体の滴下が極めて容易
になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例及び比較例 0.22μmのメンブランフィルタを配置する点を共通
にし、該メンブランフィルタの下流側に、超高分量ポリ
エチレンの焼結体からなり、平均ポアサイズが25μm
の多孔質構造体を配置した図1のような実施例容器と、
多孔質構造体の代わりに直径1100μmの貫通孔形状
の流路を有するポリエチレン製のノズルを配置した比較
例容器を用いて、メンブランフィルタの下流側の抗菌作
用を確認した。なお比較例容器のノズルには、前記貫通
孔形状の流路の他にメンブランフィルタの排出表面側に
幅及び深さが800μmの溝が放射状に8本、環状に2
本形成されている。
【0024】重金属類の付着作業 抗菌作用の確認に先立ち、実施例容器の多孔質構造体及
び比較例容器のノズルに、重金属類を付着させた。0.
6%の硝酸銀水溶液に該多孔質構造体を浸漬し、一方の
側を減圧にして該液を多孔質構造体の内部まで導入し、
次に十分量のアンモニア水溶液を前記硝酸銀水溶液に加
え、50℃で加温することにより銀を析出させ、その
後、十分な洗浄を行い銀以外の残留物を除去することに
より、実施例容器の多孔質構造体に重金属類を付着させ
た。一方、比較例容器のノズルにも実施例容器の重金属
類の付着量と同等となるように、重金属類を付着させ
た。この重金属類の付着作業では、本発明の多孔質構造
体は比較例に比べて容易に付着させることができた。
【0025】抗菌材の溶出量の確認 実施例容器及び比較例容器に、防腐剤が配合されていな
い同一の点眼液を収容し、通常の点眼使用と同様にして
多孔質構造体又はノズルから10滴を滴下した。その
後、キャップを装着して1週間放置した。そして、キャ
ップを外して通常の点眼使用と同様に滴下して初めの2
滴を採取し、重金属類の溶出量を確認した。その結果、
実施例容器から採取した液中の重金属類濃度は1〜50
ppbであり、比較例容器に比べて2倍から100倍の
溶出量であった。従って、実施例容器の溶出量であれ
ば、従来の点眼液に配合される防腐剤に比べて害が少な
いにも拘わらず、比較例容器に比べて溶出量が多くて静
菌または殺菌効果の増加が期待できた。
【0026】抗菌作用の確認 一般細菌数が10個/mlの菌液を作成し、収容室を
押圧して収容室を凹ませて収容室内を減圧した後、実施
例容器に装着された多孔質構造体及び比較例容器に装着
されたノズルを浸漬して、収容室内に液が十分に侵入す
るまで該菌液を吸引させた。その後、抗菌性を有し、か
つ多孔質構造体又はノズルの外表面に接触する接触部を
備えたキャップを装着して、24時間室温にて放置し
た。そして多孔質構造体又はノズル内の液を流出させて
一般細菌数を調べた。この結果、実施例容器の細菌数
は、5個より小さく、比較例容器の細菌数は1.5×1
個となり、実施例容器の抗菌作用が確認できた。さ
らに、実施例容器について上記の抗菌作用の確認を20
日間(10回)繰り返して行ったところ、放置後の菌数
の増加は見られなかった。
【0027】
【発明の効果】以上、詳述の通り、本発明によれば、液
体の通過を許容するとともに微生物の通過を阻止するフ
ィルタ部材が容器本体の開口部を覆うように配置され、
該液体が透過可能で、抗菌性が付与された多孔質構造体
がフィルタ部材の排出表面の実質的に全面に接触して配
置されているので、長期間繰り返し使用しても、収容室
に収容された液体を無菌状態で維持できるとともに、流
出させた液体が微生物により汚染されることを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の液体収容容器の縦断面図で
ある。
【図2】本発明の他の実施形態の液体収容容器の縦断面
図である。
【図3】本発明の他の実施形態の液体収容容器の縦断面
図である。
【符号の説明】 1 容器本体 3 無菌液 5 収容室 7 開口部 9 フィルタ部材 11 多孔質構造体 13 液体の案内部 17 キャップ 19 接触部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E014 PC04 PD24 PD30 PE17 PE30 PF06 3E084 AA04 AA12 AA24 AA25 AA26 AB01 AB05 BA01 CA01 CC01 CC03 CC08 CC10 DA01 DB12 FA09 FB01 GA04 GB04 KB02 LA17 LD01 4C058 AA16 BB07 EE15 JJ03 JJ04 JJ05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収容する収容室及び開口部とを有
    する液体容器において、前記液体の通過を許容するとと
    もに微生物の通過を阻止するフィルタ部材が前記開口部
    を覆うように配置され、該液体が透過可能で、抗菌性が
    付与された多孔質構造体が該フィルタ部材の排出表面の
    実質的に全面に接触して配置されたことを特徴とする液
    体容器。
  2. 【請求項2】 前記多孔質構造体が、焼結体からなる請
    求項1に記載の液体容器。
  3. 【請求項3】 前記多孔質構造体が、前記液体に対して
    難溶性の抗菌材を外表面および内部に存在させたもので
    ある請求項1または2に記載の液体容器。
  4. 【請求項4】 前記多孔質構造体が外側に突出した液体
    の案内部を有する請求項1、2または3に記載の液体容
    器。
  5. 【請求項5】 前記多孔質構造体が、液体の排出側に開
    口した凹部を有する請求項1〜4の何れかに記載の液体
    容器。
  6. 【請求項6】 前記フィルタ部材に、前記液体に難溶性
    の抗菌材を存在させた請求項1〜5のいずれかに記載の
    液体容器。
  7. 【請求項7】 前記抗菌材が、重金属または重金属化合
    物である請求項1〜6のいずれかに記載の液体容器。
  8. 【請求項8】 前記液体が、無菌液である請求項1〜7
    の何れかに記載の液体容器。
  9. 【請求項9】 前記容器が、内容液の滴下用容器である
    請求項8に記載の液体容器。
  10. 【請求項10】 前記多孔質構造体が、該多孔質構造体
    の外表面と接触する接触部を有し、かつ着脱可能なキャ
    ップにより被覆され、前記接触部に前記内容液に難溶性
    の抗菌材が存在する請求項1〜9のいずれかに記載の液
    体容器。
  11. 【請求項11】 前記接触部が、前記凹部に対応する形
    状の凸部を有する請求項5及び10に記載の液体容器。
  12. 【請求項12】 前記接触部が、弾性変形可能な材料か
    らなる請求項10または11に記載の液体容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529425A (ja) * 2008-07-31 2011-12-08 ラボラトワール テア 抗菌保護を備える、滴下式に分配される液体の包装用小瓶

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