JP2002017792A - 床ずれ防止機能付介護用ベッド - Google Patents
床ずれ防止機能付介護用ベッドInfo
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- JP2002017792A JP2002017792A JP2000207634A JP2000207634A JP2002017792A JP 2002017792 A JP2002017792 A JP 2002017792A JP 2000207634 A JP2000207634 A JP 2000207634A JP 2000207634 A JP2000207634 A JP 2000207634A JP 2002017792 A JP2002017792 A JP 2002017792A
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- bed
- sheet
- floor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 寝たきりの患者に発症しがちな床ずれを防
ぎ、かつ患者の姿勢変更を手助けする介護人の労力負担
を軽減することが可能な介護用ベッドの提供。 【解決手段】 ベッド上の床面をほぼ覆うように広げら
れた通気性のあるシートの両側方縁部を交互または同時
に原動機を用いて上下動させることにより、身体支持面
を水平にしたり、支持面の片側のみを傾斜させたり、更
には上方が開いたU字形にしたりすること等によって、
身体の姿勢変更もしくは支持状態変更を周期的または間
歇的に行うことによって、圧迫による血流の阻害および
蒸れによる雑菌繁殖等を防止し、床ずれの発症を防止す
る。
ぎ、かつ患者の姿勢変更を手助けする介護人の労力負担
を軽減することが可能な介護用ベッドの提供。 【解決手段】 ベッド上の床面をほぼ覆うように広げら
れた通気性のあるシートの両側方縁部を交互または同時
に原動機を用いて上下動させることにより、身体支持面
を水平にしたり、支持面の片側のみを傾斜させたり、更
には上方が開いたU字形にしたりすること等によって、
身体の姿勢変更もしくは支持状態変更を周期的または間
歇的に行うことによって、圧迫による血流の阻害および
蒸れによる雑菌繁殖等を防止し、床ずれの発症を防止す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、介護用のベッドに
関し、特に長期に渡って寝たきりで自らが身動きができ
ない様な被介護者(以下単に被介護者と称する)を床ず
れの発症から守るために有効なベッドの構造に関する。
関し、特に長期に渡って寝たきりで自らが身動きができ
ない様な被介護者(以下単に被介護者と称する)を床ず
れの発症から守るために有効なベッドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被介護者を寝かすベッドとして
は、一般に広く用いられている様な、身体を支える上面
部が単に平らな床面で構成されるものがある。
は、一般に広く用いられている様な、身体を支える上面
部が単に平らな床面で構成されるものがある。
【0003】しかし、このような単純なものでは、床面
に対して被介護者の身体の各部位は常時かつ同条件で接
することになり、特に接触部圧が高い部位では身体の血
行が阻害されるばかりでなく、皮膚部の雰囲気が滞留す
ることによって湿度が高まり、その結果、細菌類の増殖
を招いて、床ずれを発症させる一要因となる。また、よ
く知られている他の構造のベッドして、起伏式すなわ
ち、上半身部を引き起こしたり、脚部を持ち上げたりす
ることを手動または自動で行わせるものがある。しかし
この構造のものに於いては、身体を横に向けるような身
返りをすることができないばかりか、身体各部とこれを
支持する床面との接触部位置はほとんど変化せず、わず
かに接触圧が変化するに過ぎず、床ずれの発症防止の効
果はあまり期待できないばかりでなく、自らが身動きが
とれないような重症の寝たきりの被介護者には適当とは
言えない。更に、他の床ずれ発症防止の構造もしくは策
として、気体もしくは液体等の圧力を加えて部分的に膨
張または収縮するバッグもしくは機械的に上下動する装
置を身体下部一面もしくは所要の位置に敷いて身体を支
持するものがある。(実開平7−28535,特開平7
−8523,特開平−28535)しかしこの方法に於
いては身体を転回させるようなことができないし、また
身体との接触部が一様的でないために被介護者に違和感
を与えてしまうばかりでなく、下方への通気性を阻害
し、床ずれ発症防止の効果を阻害する一因ともなる。更
に、他の方法として、左右独立して膨張または収縮する
バッグを身体下部に敷いたもの等がある。(特開平7−
116258,特開平7−80029,特開平−228
180,特開平5−146472)しかし、この方法に
於いては身体の姿勢は左右に若干は変えられるものの、
身体との接触面の一様性の点では劣るばかりではなく、
過剰にふわふわした感触の弾力感があり、また前述同様
に通気性の問題もあって、被介護者にとっては決して十
分な満足度が与えられるものではない。
に対して被介護者の身体の各部位は常時かつ同条件で接
することになり、特に接触部圧が高い部位では身体の血
行が阻害されるばかりでなく、皮膚部の雰囲気が滞留す
ることによって湿度が高まり、その結果、細菌類の増殖
を招いて、床ずれを発症させる一要因となる。また、よ
く知られている他の構造のベッドして、起伏式すなわ
ち、上半身部を引き起こしたり、脚部を持ち上げたりす
ることを手動または自動で行わせるものがある。しかし
この構造のものに於いては、身体を横に向けるような身
返りをすることができないばかりか、身体各部とこれを
支持する床面との接触部位置はほとんど変化せず、わず
かに接触圧が変化するに過ぎず、床ずれの発症防止の効
果はあまり期待できないばかりでなく、自らが身動きが
とれないような重症の寝たきりの被介護者には適当とは
言えない。更に、他の床ずれ発症防止の構造もしくは策
として、気体もしくは液体等の圧力を加えて部分的に膨
張または収縮するバッグもしくは機械的に上下動する装
置を身体下部一面もしくは所要の位置に敷いて身体を支
持するものがある。(実開平7−28535,特開平7
−8523,特開平−28535)しかしこの方法に於
いては身体を転回させるようなことができないし、また
身体との接触部が一様的でないために被介護者に違和感
を与えてしまうばかりでなく、下方への通気性を阻害
し、床ずれ発症防止の効果を阻害する一因ともなる。更
に、他の方法として、左右独立して膨張または収縮する
バッグを身体下部に敷いたもの等がある。(特開平7−
116258,特開平7−80029,特開平−228
180,特開平5−146472)しかし、この方法に
於いては身体の姿勢は左右に若干は変えられるものの、
身体との接触面の一様性の点では劣るばかりではなく、
過剰にふわふわした感触の弾力感があり、また前述同様
に通気性の問題もあって、被介護者にとっては決して十
分な満足度が与えられるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、被介護者を床ずれの発症によ
る苦痛から、および介護者を労力的,精神的負担から開
放するをことが可能なベッドを提供することを目的とす
る。
来技術の問題点を解決し、被介護者を床ずれの発症によ
る苦痛から、および介護者を労力的,精神的負担から開
放するをことが可能なベッドを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベッド上に横
臥する被介護者の身体を周期的に左右に所要角度だけ回
転させ、または上方に持上げ支持することによって、身
体が支持される部位の圧力および支持される部位の位置
を時間経過と共に変化させることにより身体の血行が妨
げられることを防ぎ、更には支持される皮膚部近傍の雰
囲気を時間経過と共に置換させることにより、細菌類の
増殖を防ぎ、床ずれが発症することを防止する。
臥する被介護者の身体を周期的に左右に所要角度だけ回
転させ、または上方に持上げ支持することによって、身
体が支持される部位の圧力および支持される部位の位置
を時間経過と共に変化させることにより身体の血行が妨
げられることを防ぎ、更には支持される皮膚部近傍の雰
囲気を時間経過と共に置換させることにより、細菌類の
増殖を防ぎ、床ずれが発症することを防止する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者は前記した従来技術の問題点を解決する
ために鋭意検討した結果、身体を支持するシートの左右
を同時もしくは単独で上下させることによって、身体に
加わる接触部の位置及び接触圧力を変化させて皮膚部の
血流を阻害することを防ぎ、かつ皮膚近辺の雰囲気の滞
留を軽減することが可能で、結果的に床ずれの発症防止
に効果的であることを見出し、本発明に至った。なお、
本発明は必ずしも要治療者または被介護者に限らず、一
般の健常者にとっても快適な睡眠や休息を得るために好
適である。
する。本発明者は前記した従来技術の問題点を解決する
ために鋭意検討した結果、身体を支持するシートの左右
を同時もしくは単独で上下させることによって、身体に
加わる接触部の位置及び接触圧力を変化させて皮膚部の
血流を阻害することを防ぎ、かつ皮膚近辺の雰囲気の滞
留を軽減することが可能で、結果的に床ずれの発症防止
に効果的であることを見出し、本発明に至った。なお、
本発明は必ずしも要治療者または被介護者に限らず、一
般の健常者にとっても快適な睡眠や休息を得るために好
適である。
【0007】図1乃至図9に本発明による床ずれ防止機
能付介護用ベッドの構造の一例を示す。
能付介護用ベッドの構造の一例を示す。
【0008】図1はベッドを正面から見た正面図、図2は
図1のA−A方向から見た側面図、図3は同じくB−B方
向から見た平面図、図4は同じくC−C方向から見た水
平断面図、図5は図2のD−D方向から見た縦断面図、
更に図6は図1のE−E方向から見た横断面図を示す。
図1のA−A方向から見た側面図、図3は同じくB−B方
向から見た平面図、図4は同じくC−C方向から見た水
平断面図、図5は図2のD−D方向から見た縦断面図、
更に図6は図1のE−E方向から見た横断面図を示す。
【0009】更に、図7乃至図9は、図6に相当する横
断面図であり、作動状況を説明する図である。これらの
図に於いて、1はベッド本体を示し、これは上部に位置
する平らな床面2、これを支持するフレーム3及び脚
4、床面2を覆うように広がるシート5、シート5の縁
部5aを固定し、かつ後述する複数のリンク7を互いに
連結するためのシート支持バー6、シート支持バー6を
円弧を描いて上下に昇降可能に支持するための、ほぼL
形状に曲げられた複数のリンク7、及びこのリンク7を
駆動するための駆動装置8等の主要部品で構成されてい
る。リンク7はその一端7a側を、ベッド長手方向中心
線を超えてシート5の縁部5a固定側に対して反対側
で、かつ床面2の下方に設けられた支持軸9によって回
転自在に支持されており、その他端7b側はシート支持
バー6で互いに連結されている。リンク7、支持バー
6、支持軸9等は左右対称に対となるように2組が対向
する様に配設されている。尚、シート5の縁部5aは支
持バー6に確実に固着されており、一体的に上下動す
る。シート5は、図6に示す様に、両側のシート支持バ
ー6が両方共に床面2の高さ位置まで下降している時
に、これが適度に緊張した張り具合になる様な横幅に決
められており、上に載る身体を懸垂曲線状に宙に支える
に十分な抗張力を有している。このシート5の材質とし
ては、身体近辺部の湿度を下げて衛生状態を保つために
通気性の良好なものが好適であり、例えばメッシュ状の
帆布等の織物、もしくは金網等が適用でき、場合によっ
ては所要の間隔でベッド長手方向に数多く並べられたベ
ルトまたは紐等を用いることができる。駆動装置8は前
述のリンク7を所要角度だけ回転駆動させるものであ
り、その目的さえ達成できれば構成は問わないが、本例
に於いてはリンク7を吊り下げるためのチエーン11、
これを巻き上げるためのチエーンホイール12、これに
回転力を伝達するための回転軸13、これを回転支持す
るための軸受14、回転軸13を回転駆動するためのモ
ータ15、これを制御するための制御装置16等から成
っている。チエーン11は、その一端部がリンク7の吊
点7cに連結固定されており、また他端部がチエーンホ
イール12の周上の一点に連結固定されており、チエー
ンホイール12の回転によって上下方向に昇降駆動され
て、結果的にこれに繋がるリンク7は支持軸9部を中心
として上下に円弧を描いて動かされる。チエーンホイー
ル12のピッチ円周の長さ、換言すれば歯数は、チエー
ン7の最大昇降量に匹敵するピッチ数より、少なくとも
1歯以上に多く選定されており、チエーン11をチエー
ンホイール12に最大に巻き取っても支障が生じないよ
うに配慮されている。制御装置16の指令によって回転
駆動されるモータ15の動力は、回転軸13,チエーン
ホイール12,チエーン11,リンク7,シート支持バ
ー6等を介してシート5の縁部5aに伝達され、ここを
円弧を描いて昇降させる。シート5の縁部5aの昇降位
置関係は、縁部5aが最下点に位置した時には、シート
5が床面に接して水平に緊張状態になる様にほぼ床面の
高さに、また縁部5aが最上点に位置した時には、シー
ト5に形成される傾斜面の傾斜角度が縁部5aから長手
方向中心線方向に向かって下げ勾配となる様にしてあ
り、これらの位置はリンク7の動きの範囲を検知するリ
ミットスイッチ(図示省略)から制御装置16に伝達さ
れる検知信号に基づいて制御される。制御装置16に
は、シート5の縁部5aを最下点と最上点との間で昇降
運動させる制御ばかりでなく、昇降速度、及び昇降を間
欠的に行わせるための時間間隔等をも制御する機能を有
している。尚、前述のシート5に形成される傾斜面の最
大傾斜角度は10〜60度くらいの範囲が選ばれるが、
この角度が大きいと体が横滑りして安定性に欠けるし、
また小さ過ぎると効果が少ないので、30度位に選ぶの
が好適である。図7乃至図9は制御装置16の指令によ
って作り出される主な状態を、前述の図6に倣って表示
した図であり、各状態に於いてシート5上に敷かれた適
度な弾力性を有する通気性のあるマット17上に横たわ
る人体10への影響について述べる。図6はシート5両
側の縁部5aが共に最下点に下降している状態である
が、この時にシート5は床面2に接して水平に張られた
状態となっており、これは普通の何も駆動装置を持たな
い単なる水平なベッドの状態と何ら変わりはない。この
状態では人体10の腰部に加わる圧力は、凸部となる腰
部中央部の10aの点で高くなる。図7は左側の縁部5
aが最下点に下降し、右側の縁部5aが最上点に上昇し
た状態を示し、この時には、シート5の左側には床面2
に接する水平面5bが、また右側には傾斜面5cが、更
に水平面5bと傾斜面5cとが交わる所には湾曲面5d
が形成される。この状態では人体10の腰部は、その右
側が持ち上げられて左方向に所要の角度だけ回転させら
れ、その結果、重力の作用によって人体10の腰部に生
じる圧力は主として比較的に低い位置の10bで高くな
り、反対に、前述の凸部となる腰部中央部の10cの点
では低下する。図8は前述の図7に比して対象的に、右
側の縁部5aが最下点に下降し、左側の縁部5aが最上
点に上昇した状態を示し、この状態では人体10の腰部
は、その左側が持ち上げられて右方向に所要の角度だけ
回転させられ、その結果、図7に示す場合とは反対に身
体に加わる圧力は、10cの点で高くなり、10b点で
は低くなる。もし、図7および図8に示す状態に於い
て、身体が傾けられた結果、低い側への横滑り感がある
ようであれば、最下点側の縁部5aを若干上昇させるこ
とにより容易にこの問題を解消することが出来る。図9
は両側の縁部5aが共に最上点に上昇した状態を示し、
この時にシート5は最下点5e部が床面2と軽く接する
か、もしくは床面2から若干離れた位置関係を保って、
上方が広がるU字形状を形成する。この状態では人体1
0の腰部は、その下面部がハンモックで吊られた如く包
まれる様に支えられ、人体に生じる圧力は広く一様に分
散され腰骨のように突起した部分でも低い値となる。床
ずれは人体の皮膚部が一定以上の圧力を長時間に渡って
受けることによって血流が阻害され、また皮膚部に接す
る部分の換気が長時間に渡って行われずに滞留し細菌類
が増殖すること等によって発症するのであるが、本発明
においては、前述の図6から図9に示す状態を、所要の
時間間隔で周期的及び間歇的に再現することによって、
皮膚部に加わる圧力が発生する位置及び圧力の強さを常
に広範囲に変化させて血流が長時間に渡って阻害される
ことが無いようにすると共に、この圧力の変化によっ
て、シート5上に敷かれたマット17に付随的に生じる
圧縮・膨張による給排気作用を利用して、皮膚近辺の換
気を行わせ、床ずれの発症を防いでいる。皮膚近辺の給
排気作用による換気を詳述すれば以下の如くなる。すな
わち、シート5上に敷かれたマット17は、身体から受
ける圧力が高くなれば圧縮され、この中の空気が外部に
押し出され、その空気の一部は通気性のあるシート5の
メッシュ(編目)を通して下部に排出され、また圧力が
低くなれば弾力による復帰力によって逆に膨張し、この
中に身体の皮膚近辺の空気を取り込む。
断面図であり、作動状況を説明する図である。これらの
図に於いて、1はベッド本体を示し、これは上部に位置
する平らな床面2、これを支持するフレーム3及び脚
4、床面2を覆うように広がるシート5、シート5の縁
部5aを固定し、かつ後述する複数のリンク7を互いに
連結するためのシート支持バー6、シート支持バー6を
円弧を描いて上下に昇降可能に支持するための、ほぼL
形状に曲げられた複数のリンク7、及びこのリンク7を
駆動するための駆動装置8等の主要部品で構成されてい
る。リンク7はその一端7a側を、ベッド長手方向中心
線を超えてシート5の縁部5a固定側に対して反対側
で、かつ床面2の下方に設けられた支持軸9によって回
転自在に支持されており、その他端7b側はシート支持
バー6で互いに連結されている。リンク7、支持バー
6、支持軸9等は左右対称に対となるように2組が対向
する様に配設されている。尚、シート5の縁部5aは支
持バー6に確実に固着されており、一体的に上下動す
る。シート5は、図6に示す様に、両側のシート支持バ
ー6が両方共に床面2の高さ位置まで下降している時
に、これが適度に緊張した張り具合になる様な横幅に決
められており、上に載る身体を懸垂曲線状に宙に支える
に十分な抗張力を有している。このシート5の材質とし
ては、身体近辺部の湿度を下げて衛生状態を保つために
通気性の良好なものが好適であり、例えばメッシュ状の
帆布等の織物、もしくは金網等が適用でき、場合によっ
ては所要の間隔でベッド長手方向に数多く並べられたベ
ルトまたは紐等を用いることができる。駆動装置8は前
述のリンク7を所要角度だけ回転駆動させるものであ
り、その目的さえ達成できれば構成は問わないが、本例
に於いてはリンク7を吊り下げるためのチエーン11、
これを巻き上げるためのチエーンホイール12、これに
回転力を伝達するための回転軸13、これを回転支持す
るための軸受14、回転軸13を回転駆動するためのモ
ータ15、これを制御するための制御装置16等から成
っている。チエーン11は、その一端部がリンク7の吊
点7cに連結固定されており、また他端部がチエーンホ
イール12の周上の一点に連結固定されており、チエー
ンホイール12の回転によって上下方向に昇降駆動され
て、結果的にこれに繋がるリンク7は支持軸9部を中心
として上下に円弧を描いて動かされる。チエーンホイー
ル12のピッチ円周の長さ、換言すれば歯数は、チエー
ン7の最大昇降量に匹敵するピッチ数より、少なくとも
1歯以上に多く選定されており、チエーン11をチエー
ンホイール12に最大に巻き取っても支障が生じないよ
うに配慮されている。制御装置16の指令によって回転
駆動されるモータ15の動力は、回転軸13,チエーン
ホイール12,チエーン11,リンク7,シート支持バ
ー6等を介してシート5の縁部5aに伝達され、ここを
円弧を描いて昇降させる。シート5の縁部5aの昇降位
置関係は、縁部5aが最下点に位置した時には、シート
5が床面に接して水平に緊張状態になる様にほぼ床面の
高さに、また縁部5aが最上点に位置した時には、シー
ト5に形成される傾斜面の傾斜角度が縁部5aから長手
方向中心線方向に向かって下げ勾配となる様にしてあ
り、これらの位置はリンク7の動きの範囲を検知するリ
ミットスイッチ(図示省略)から制御装置16に伝達さ
れる検知信号に基づいて制御される。制御装置16に
は、シート5の縁部5aを最下点と最上点との間で昇降
運動させる制御ばかりでなく、昇降速度、及び昇降を間
欠的に行わせるための時間間隔等をも制御する機能を有
している。尚、前述のシート5に形成される傾斜面の最
大傾斜角度は10〜60度くらいの範囲が選ばれるが、
この角度が大きいと体が横滑りして安定性に欠けるし、
また小さ過ぎると効果が少ないので、30度位に選ぶの
が好適である。図7乃至図9は制御装置16の指令によ
って作り出される主な状態を、前述の図6に倣って表示
した図であり、各状態に於いてシート5上に敷かれた適
度な弾力性を有する通気性のあるマット17上に横たわ
る人体10への影響について述べる。図6はシート5両
側の縁部5aが共に最下点に下降している状態である
が、この時にシート5は床面2に接して水平に張られた
状態となっており、これは普通の何も駆動装置を持たな
い単なる水平なベッドの状態と何ら変わりはない。この
状態では人体10の腰部に加わる圧力は、凸部となる腰
部中央部の10aの点で高くなる。図7は左側の縁部5
aが最下点に下降し、右側の縁部5aが最上点に上昇し
た状態を示し、この時には、シート5の左側には床面2
に接する水平面5bが、また右側には傾斜面5cが、更
に水平面5bと傾斜面5cとが交わる所には湾曲面5d
が形成される。この状態では人体10の腰部は、その右
側が持ち上げられて左方向に所要の角度だけ回転させら
れ、その結果、重力の作用によって人体10の腰部に生
じる圧力は主として比較的に低い位置の10bで高くな
り、反対に、前述の凸部となる腰部中央部の10cの点
では低下する。図8は前述の図7に比して対象的に、右
側の縁部5aが最下点に下降し、左側の縁部5aが最上
点に上昇した状態を示し、この状態では人体10の腰部
は、その左側が持ち上げられて右方向に所要の角度だけ
回転させられ、その結果、図7に示す場合とは反対に身
体に加わる圧力は、10cの点で高くなり、10b点で
は低くなる。もし、図7および図8に示す状態に於い
て、身体が傾けられた結果、低い側への横滑り感がある
ようであれば、最下点側の縁部5aを若干上昇させるこ
とにより容易にこの問題を解消することが出来る。図9
は両側の縁部5aが共に最上点に上昇した状態を示し、
この時にシート5は最下点5e部が床面2と軽く接する
か、もしくは床面2から若干離れた位置関係を保って、
上方が広がるU字形状を形成する。この状態では人体1
0の腰部は、その下面部がハンモックで吊られた如く包
まれる様に支えられ、人体に生じる圧力は広く一様に分
散され腰骨のように突起した部分でも低い値となる。床
ずれは人体の皮膚部が一定以上の圧力を長時間に渡って
受けることによって血流が阻害され、また皮膚部に接す
る部分の換気が長時間に渡って行われずに滞留し細菌類
が増殖すること等によって発症するのであるが、本発明
においては、前述の図6から図9に示す状態を、所要の
時間間隔で周期的及び間歇的に再現することによって、
皮膚部に加わる圧力が発生する位置及び圧力の強さを常
に広範囲に変化させて血流が長時間に渡って阻害される
ことが無いようにすると共に、この圧力の変化によっ
て、シート5上に敷かれたマット17に付随的に生じる
圧縮・膨張による給排気作用を利用して、皮膚近辺の換
気を行わせ、床ずれの発症を防いでいる。皮膚近辺の給
排気作用による換気を詳述すれば以下の如くなる。すな
わち、シート5上に敷かれたマット17は、身体から受
ける圧力が高くなれば圧縮され、この中の空気が外部に
押し出され、その空気の一部は通気性のあるシート5の
メッシュ(編目)を通して下部に排出され、また圧力が
低くなれば弾力による復帰力によって逆に膨張し、この
中に身体の皮膚近辺の空気を取り込む。
【0010】ただし、室内の温度が身体に適した温度に
制御された様な環境下に於いては必ずしもマット17を
用いる必要性は無く、この場合には身体周辺部の空気は
直接にシート5を通過して下方に流れる。
制御された様な環境下に於いては必ずしもマット17を
用いる必要性は無く、この場合には身体周辺部の空気は
直接にシート5を通過して下方に流れる。
【0011】本ベッド本体1を駆動する場合、 図6か
ら図9までの状態の中から、必要とする状態のみを選択
的に抽出して動作させることも可能ではあるが、これら
の動作を順次に繰り返す一連の動作として制御すること
が望ましく、この一連の動作を約2時間程のゆっくりし
た周期で繰り返すことが、床ずれ防止の効果を低下させ
ず、しかも被介護者に対して違和感を与えない点から好
適である。
ら図9までの状態の中から、必要とする状態のみを選択
的に抽出して動作させることも可能ではあるが、これら
の動作を順次に繰り返す一連の動作として制御すること
が望ましく、この一連の動作を約2時間程のゆっくりし
た周期で繰り返すことが、床ずれ防止の効果を低下させ
ず、しかも被介護者に対して違和感を与えない点から好
適である。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0013】前記した図1乃至図9に示すベッド本体1
を用いて、身体に加わる圧力を測定した結果、腰部背面
の中央部に於いて、図6の状態に比べて図7または図8
の状態では、最高値と、これの約4分の1以下との間の
大幅な圧力変化が得られ、また、中央部より若干外れた
側方部では加圧状態からほぼ零までの広い範囲で変わる
ことが明らかとなった。この様な傾向は背中部分でもほ
ぼ同様であり、身体が圧力を受ける場所および圧力の大
きさが適度に変化していることが数値的に証明できた。
また、このベッド本体1を実用した結果、シート5を通
して下部に湿気が排出されるために身体が蒸れることが
少なく、また自由な姿勢制御ができるために、使用感が
快適で、床ずれの防止に極めて効果的であることが明ら
かとなった。
を用いて、身体に加わる圧力を測定した結果、腰部背面
の中央部に於いて、図6の状態に比べて図7または図8
の状態では、最高値と、これの約4分の1以下との間の
大幅な圧力変化が得られ、また、中央部より若干外れた
側方部では加圧状態からほぼ零までの広い範囲で変わる
ことが明らかとなった。この様な傾向は背中部分でもほ
ぼ同様であり、身体が圧力を受ける場所および圧力の大
きさが適度に変化していることが数値的に証明できた。
また、このベッド本体1を実用した結果、シート5を通
して下部に湿気が排出されるために身体が蒸れることが
少なく、また自由な姿勢制御ができるために、使用感が
快適で、床ずれの防止に極めて効果的であることが明ら
かとなった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、寝たきりで自らが身動
きすることができないような重症の患者の姿勢制御を、
自動的または自らの操作により容易に操作することがで
き、患者自身の苦痛や不快感を伴う床ずれ発症を防ぐと
共に、患者を介護する人の昼夜を問わない労力負担を大
幅に軽減することが可能であり、高齢化社会に於ける貢
献度と需要は多大である。
きすることができないような重症の患者の姿勢制御を、
自動的または自らの操作により容易に操作することがで
き、患者自身の苦痛や不快感を伴う床ずれ発症を防ぐと
共に、患者を介護する人の昼夜を問わない労力負担を大
幅に軽減することが可能であり、高齢化社会に於ける貢
献度と需要は多大である。
【図1】本発明の床ずれ防止機能付介護用ベッドの一例
を示す側面図である。
を示す側面図である。
【図2】図1のA-Aで見た側面図である。
【図3】図1のB-Bで見た平面図である。
【図4】図1のC-Cで見た水平断面図である。
【図5】図2のD-Dで見た縦断面図である。
【図6】図1のE-Eで見た横断面図である。
【図7】図6と同様で作動状況を示す図である。
【図8】図6と同様で作動状況を示す図である。
【図9】図6と同様で作動状況を示す図である。
1 ベッド本体 2 ベッド上部の床面 3 ベッドのフレーム 4 ベッドの脚 5 シート 5a シートの縁部 5b シートの水平面 5c シートの傾斜面 5d シー値の湾曲面 5e シートの最下点 6 シート支持バー 7 リンク 7a リンクの一端 7b リンクの他端 7c リンクの吊点 8 駆動装置 9 支持軸 10 人体 11 チエーン 12 チエーンホイール 13 回転軸 14 軸受 15 モータ 16 制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 介護を主とした目的として使用されるベ
ッドにおいて、ベッド本体の上部の平らな床面の上方
に、前記床面をほぼ覆うような大きさで広げられた身体
を支持するためのシートと、前記シートの縁部を、ベッ
ド長手方向中心線を越えて前記縁部の反対側で、かつ前
述の床面より下方に設けた支持軸を中心として前記床面
より上方において上下方向に円弧運動を為し、かつベッ
ド長手方向中心線を境にして互いに左右対称に設けられ
た二組の駆動機構と、これらの駆動機構を制御するため
の制御装置とを有し、前記シートは、その一方の縁部を
最上点に上げられ、かつ他方の縁部を最下点に降ろされ
た時には、ベッド長手方向中心線をほぼ境として前記シ
ートの縁部が上げられた側には傾斜面を、また降ろされ
た側には前記の床面に接する水平面を、またベッド長手
方向中心線近傍では前記シートの傾斜面と水平面とに接
するほぼ接円面に近い湾曲形状とを形成し、更に、前記
シートは、その縁部の両方を同時に最上点に上げられた
時には、最下点部が前記床面と軽く接するか、もしくは
前記床面から完全に離れた位置関係を保って上方が広が
るU字形懸垂形状を形成し、これらの各形状状態は前述
の制御装置によって自動的に、必要によっては繰り返し
作り出されることによって、ベッド上に横たわる人体
と、これを支持するシートとの接触部位置および接触部
圧力を随時変化させることによって床ずれを防止するこ
とを特徴とする床ずれ防止機能付介護用ベッド。 - 【請求項2】 請求項1記載の床ずれ防止機能付介護用
ベッドにおいて、シートが通気性を有することを特徴と
する床ずれ防止機能付介護用ベッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000207634A JP2002017792A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | 床ずれ防止機能付介護用ベッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000207634A JP2002017792A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | 床ずれ防止機能付介護用ベッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002017792A true JP2002017792A (ja) | 2002-01-22 |
Family
ID=18704368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000207634A Pending JP2002017792A (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | 床ずれ防止機能付介護用ベッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002017792A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6994491B2 (en) * | 2003-01-16 | 2006-02-07 | Kittle Paul A | Gas recovery from landfills using aqueous foam |
JP4746153B1 (ja) * | 2010-12-27 | 2011-08-10 | 忠 岩田 | 揺動式介護ベッド装置 |
KR20210126941A (ko) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 원포올 주식회사 | 욕창 방지 매트 |
CN113730128A (zh) * | 2021-09-14 | 2021-12-03 | 李新仁 | 基于防褥抗淤透气性能佳的肿瘤癌症理疗专用床 |
KR20220067970A (ko) * | 2020-11-18 | 2022-05-25 | 한남대학교 산학협력단 | 욕창 방지용 침대 |
-
2000
- 2000-07-10 JP JP2000207634A patent/JP2002017792A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20210126941A (ko) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | 원포올 주식회사 | 욕창 방지 매트 |
KR102406794B1 (ko) | 2020-04-13 | 2022-06-10 | 원포올 주식회사 | 욕창 방지 매트 |
KR20220067970A (ko) * | 2020-11-18 | 2022-05-25 | 한남대학교 산학협력단 | 욕창 방지용 침대 |
KR102595312B1 (ko) | 2020-11-18 | 2023-10-26 | 한남대학교 산학협력단 | 욕창 방지용 침대 |
CN113730128A (zh) * | 2021-09-14 | 2021-12-03 | 李新仁 | 基于防褥抗淤透气性能佳的肿瘤癌症理疗专用床 |
CN113730128B (zh) * | 2021-09-14 | 2023-08-22 | 南京云科芝生健康科技有限公司 | 基于防褥抗淤透气性能佳的肿瘤癌症理疗专用床 |
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