JP2002015639A - 押釦スイッチ用部材 - Google Patents
押釦スイッチ用部材Info
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- JP2002015639A JP2002015639A JP2000079945A JP2000079945A JP2002015639A JP 2002015639 A JP2002015639 A JP 2002015639A JP 2000079945 A JP2000079945 A JP 2000079945A JP 2000079945 A JP2000079945 A JP 2000079945A JP 2002015639 A JP2002015639 A JP 2002015639A
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- JP
- Japan
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- push button
- key
- button switch
- resin film
- key top
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 キートップの包絡面が複雑な曲面であるもの
にも対応可能なように、どの方向にも湾曲ないし屈曲が
可能な押釦スイッチ用部材を提供する。 【解決手段】 樹脂フィルム6を型絞りして形成される
複数の凸状押釦部1を有する押釦スイッチ用部材におい
て、各凸状押釦部1を連結する連結部4の幅が該凸状押
釦部1のキートップ部2の天面の形状が矩形の場合には
その辺長さ、楕円の場合にはその楕円の軸長さ、円の場
合にはその直径、の50%以下の長さでかつ1mm以上
とする。樹脂フィルム6として、厚さ100〜150μ
mのポリエステル系樹脂フィルムを用いることが望まし
い。連結された凸状押釦部は複数のブロックに分けるこ
とができる。
にも対応可能なように、どの方向にも湾曲ないし屈曲が
可能な押釦スイッチ用部材を提供する。 【解決手段】 樹脂フィルム6を型絞りして形成される
複数の凸状押釦部1を有する押釦スイッチ用部材におい
て、各凸状押釦部1を連結する連結部4の幅が該凸状押
釦部1のキートップ部2の天面の形状が矩形の場合には
その辺長さ、楕円の場合にはその楕円の軸長さ、円の場
合にはその直径、の50%以下の長さでかつ1mm以上
とする。樹脂フィルム6として、厚さ100〜150μ
mのポリエステル系樹脂フィルムを用いることが望まし
い。連結された凸状押釦部は複数のブロックに分けるこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器の入
力装置に利用できる、特には携帯電話、PDA等の携帯
用通信機器・携帯用情報端末の入力用部材として好適で
ある、押釦スイッチ用部材に関する。
力装置に利用できる、特には携帯電話、PDA等の携帯
用通信機器・携帯用情報端末の入力用部材として好適で
ある、押釦スイッチ用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話に代表される携帯用通信
機器の普及率は目覚しいものがあり、装置自体の軽量
化、デザインの差別化等も広範に推進されている状況で
ある。従来の携帯電話に用いられている押釦スイッチ用
部材には以下の3種類があった。 全体がゴム製のゴムキーパッドのもの。このものは、
図8に示されるような、シリコーンゴム等のゴム材料を
原料とし、プレス成形により、複数のゴム製キートップ
部bがゴム製シート状ベース部aに一体成形されている
ものである。 樹脂キートップを有するゴムキーパッドのもの。この
ものは、図9に示されるような、の構成のキーパッド
において、キートップ部bの上方部分に高硬度の樹脂キ
ートップcを有するものである。具体的には、別途製造
した樹脂製キーボタンをゴム製キーパッド天面に接着剤
で接着するか、もしくは該ゴム製キーパッドのシート状
ベース部aを構成するゴム部材と一体成形が可能な高硬
度樹脂を選択し一体成形して得られるものである。
機器の普及率は目覚しいものがあり、装置自体の軽量
化、デザインの差別化等も広範に推進されている状況で
ある。従来の携帯電話に用いられている押釦スイッチ用
部材には以下の3種類があった。 全体がゴム製のゴムキーパッドのもの。このものは、
図8に示されるような、シリコーンゴム等のゴム材料を
原料とし、プレス成形により、複数のゴム製キートップ
部bがゴム製シート状ベース部aに一体成形されている
ものである。 樹脂キートップを有するゴムキーパッドのもの。この
ものは、図9に示されるような、の構成のキーパッド
において、キートップ部bの上方部分に高硬度の樹脂キ
ートップcを有するものである。具体的には、別途製造
した樹脂製キーボタンをゴム製キーパッド天面に接着剤
で接着するか、もしくは該ゴム製キーパッドのシート状
ベース部aを構成するゴム部材と一体成形が可能な高硬
度樹脂を選択し一体成形して得られるものである。
【0003】樹脂フィルム製キートップ板のもの。こ
のものは、図10に示される、特開平7−302526
号公報に開示されたものである。枚葉状の樹脂フィルム
dを金型等で絞り加工することで押釦形状凸部eを形成
し、該凸部の内側、すなわち逆凹部h、に流動性樹脂を
充填して硬化もしくは固化させてキー樹脂部fとしたも
のである。なお、gは押圧子である。 近年、携帯電話の外装ケースの形状もデザイン面で多様
化が進み、入力操作側の面は平坦とは限らず、面に一定
の曲率が設定されていて、キートップ部天面の位置が順
次変化しているような設計も求められる。特開平7−3
02526号公報に記載されたものでは、樹脂フィルム
が組成上ゴム材料のようにあらゆる方向に湾曲させるこ
とができない点に着目し、製品の一方向については樹脂
フィルムからなるベース部自体を湾曲させるとともに、
押圧子gの下の面を基板平面に揃えることができる長さ
に設計しておくことによって、連続配置されているキー
トップ部の天面位置が順次連続曲面化させている(図1
0(d))。そして、ベース部を湾曲させられない方向
については、キーの配列順にそれぞれのキートップ部の
高さを変えることで、外装ケースから露出しているキー
トップ部の天面の位置に変化をもたせている(図10
(c))。
のものは、図10に示される、特開平7−302526
号公報に開示されたものである。枚葉状の樹脂フィルム
dを金型等で絞り加工することで押釦形状凸部eを形成
し、該凸部の内側、すなわち逆凹部h、に流動性樹脂を
充填して硬化もしくは固化させてキー樹脂部fとしたも
のである。なお、gは押圧子である。 近年、携帯電話の外装ケースの形状もデザイン面で多様
化が進み、入力操作側の面は平坦とは限らず、面に一定
の曲率が設定されていて、キートップ部天面の位置が順
次変化しているような設計も求められる。特開平7−3
02526号公報に記載されたものでは、樹脂フィルム
が組成上ゴム材料のようにあらゆる方向に湾曲させるこ
とができない点に着目し、製品の一方向については樹脂
フィルムからなるベース部自体を湾曲させるとともに、
押圧子gの下の面を基板平面に揃えることができる長さ
に設計しておくことによって、連続配置されているキー
トップ部の天面位置が順次連続曲面化させている(図1
0(d))。そして、ベース部を湾曲させられない方向
については、キーの配列順にそれぞれのキートップ部の
高さを変えることで、外装ケースから露出しているキー
トップ部の天面の位置に変化をもたせている(図10
(c))。
【0004】のタイプの、全体がゴム製のキーパッド
は、製造が容易であることから、様々な電子機器用の入
力部材として用いられている。しかし、操作者がキート
ップ部の天面の材質がゴムであることで、粘着指触感を
嫌う傾向がある。更に、携帯用通信機器・携帯用情報端
末用の部材とした場合には、ゴムベースの薄型化には限
界があった。つまり、こののタイプの場合、ゴムベー
スの厚みは1〜2mmと厚くせざるをえない。なぜなら
ば、ゴムの引き裂き強度が樹脂フィルムなどに比べて格
段に劣るため、複数のキートップ部を形成するために金
型に設けられている複数の凹凸キャビティから、成形し
たキーパッドを離型する場合、部材が薄い部分、具体的
には1mm以下の厚みの部分は容易に破れやすいためで
ある。そして、実際は薄肉可動部など、製品機能上やむ
をえない箇所のみを薄くしている。また、キーパッドの
ベース部分が厚いということは、キーパッド自体の厚み
分についての重量そのものもさることながら、キーパッ
ドを収納する外装ケースもそれに応じて厚くなるため、
装置全体で考えた場合でも軽量化は難しかった。
は、製造が容易であることから、様々な電子機器用の入
力部材として用いられている。しかし、操作者がキート
ップ部の天面の材質がゴムであることで、粘着指触感を
嫌う傾向がある。更に、携帯用通信機器・携帯用情報端
末用の部材とした場合には、ゴムベースの薄型化には限
界があった。つまり、こののタイプの場合、ゴムベー
スの厚みは1〜2mmと厚くせざるをえない。なぜなら
ば、ゴムの引き裂き強度が樹脂フィルムなどに比べて格
段に劣るため、複数のキートップ部を形成するために金
型に設けられている複数の凹凸キャビティから、成形し
たキーパッドを離型する場合、部材が薄い部分、具体的
には1mm以下の厚みの部分は容易に破れやすいためで
ある。そして、実際は薄肉可動部など、製品機能上やむ
をえない箇所のみを薄くしている。また、キーパッドの
ベース部分が厚いということは、キーパッド自体の厚み
分についての重量そのものもさることながら、キーパッ
ドを収納する外装ケースもそれに応じて厚くなるため、
装置全体で考えた場合でも軽量化は難しかった。
【0005】またのタイプは、キートップ部の天面を
高硬度樹脂化したため、のタイプの不具合である粘着
指触感の問題は解消されるものの、ベース部がゴム製で
あることにはかわりがないため、ベース部薄型化が難し
いという問題点、それに伴い装置全体の軽量化にも限界
があるという問題点は解消されていない。また、キーパ
ッドのキートップ部とベース部とが性質の異なる二種類
の材質により形成されていることから、常にその部分の
接合性にも十分な配慮が必要である。なお、高硬度樹脂
は、密度の点ではゴムよりも大きいため、その面からも
軽量化の妨げとなっている。
高硬度樹脂化したため、のタイプの不具合である粘着
指触感の問題は解消されるものの、ベース部がゴム製で
あることにはかわりがないため、ベース部薄型化が難し
いという問題点、それに伴い装置全体の軽量化にも限界
があるという問題点は解消されていない。また、キーパ
ッドのキートップ部とベース部とが性質の異なる二種類
の材質により形成されていることから、常にその部分の
接合性にも十分な配慮が必要である。なお、高硬度樹脂
は、密度の点ではゴムよりも大きいため、その面からも
軽量化の妨げとなっている。
【0006】のタイプの樹脂フィルム製キートップ板
は、ベース部が剛性に富む樹脂フィルムdであることか
ら、部材を金型から取り出すことに伴う破損も生じにく
く、ベース部分の薄型化が可能となるという利点があ
る。なお、こののタイプの場合は、前述したように、
製品の一方向についてはベース部自体を湾曲させること
ができるものの、同時に他方向についてはベース部自体
を湾曲させることができないため、他方向にもキートッ
プ部の包絡面を曲面化するためにはキートップ部の高さ
自体を順次変えなくてはならない(図10(c))。該
キートップ板は、樹脂フィルムを型絞りして逆凹状の外
殻を形成し、該逆凹部h内部に流動性の高硬度樹脂を充
填し、硬化もしくは固化されているが、当然に、キート
ップ部の天面が高い位置に設定されている場合には、該
キートップ部は他のキートップ部に比べてより多量の高
硬度樹脂を充填する必要が生じる(図10(b))。従
って、高硬度樹脂充填量の異同に伴う不具合は避けられ
ない。
は、ベース部が剛性に富む樹脂フィルムdであることか
ら、部材を金型から取り出すことに伴う破損も生じにく
く、ベース部分の薄型化が可能となるという利点があ
る。なお、こののタイプの場合は、前述したように、
製品の一方向についてはベース部自体を湾曲させること
ができるものの、同時に他方向についてはベース部自体
を湾曲させることができないため、他方向にもキートッ
プ部の包絡面を曲面化するためにはキートップ部の高さ
自体を順次変えなくてはならない(図10(c))。該
キートップ板は、樹脂フィルムを型絞りして逆凹状の外
殻を形成し、該逆凹部h内部に流動性の高硬度樹脂を充
填し、硬化もしくは固化されているが、当然に、キート
ップ部の天面が高い位置に設定されている場合には、該
キートップ部は他のキートップ部に比べてより多量の高
硬度樹脂を充填する必要が生じる(図10(b))。従
って、高硬度樹脂充填量の異同に伴う不具合は避けられ
ない。
【0007】すなわち、例えば、この方式の樹脂フィル
ム製キートップ板に文字照光方式機能をもたせた製品を
想定する。この場合、キートップ板の下方からLED等
の発光源の光が、キートップ部の天面に設けられた遮光
層文字パターン部を除いて、透光性のキートップ中を通
過してキーを照光するわけであるが、逆凹部h内部の高
硬度樹脂の充填量の差に応じて、多少ではあるが、各キ
ーの輝度にばらつきが生じてしまう不具合が発生する。
更に、充填樹脂量の違いは、押圧感の差や耐久性の差、
打鍵時に発生する音の差などにもつながる。また、2方
向に湾曲しているかのように見られ得ることから、デザ
インの多様化にある程度は対応可能であるが、ゴムキー
パッドのような自在な湾曲・屈曲を期待することが難し
い。これは単に、複雑なデザイン(例えばキーが外装ケ
ースの上面だけではなく側面にも配列されるようなも
の)に該キートップ板では対処しきれないというような
問題に限らず、外装ケースや対向基板などの実際の加工
精度、ロット間のばらつきなどを考えた場合に、ある程
度寸法ばらつきを吸収できる柔軟性のある部材の存在が
最終製品の良品率向上に結びつくわけで、このタイプの
キートップ板の場合は、ベース部を湾曲可能である方向
については外装ケースの寸法ばらつきなどにも対応が可
能であるものの、ベース部を湾曲できない方向について
は対応が難しいという不具合があった。
ム製キートップ板に文字照光方式機能をもたせた製品を
想定する。この場合、キートップ板の下方からLED等
の発光源の光が、キートップ部の天面に設けられた遮光
層文字パターン部を除いて、透光性のキートップ中を通
過してキーを照光するわけであるが、逆凹部h内部の高
硬度樹脂の充填量の差に応じて、多少ではあるが、各キ
ーの輝度にばらつきが生じてしまう不具合が発生する。
更に、充填樹脂量の違いは、押圧感の差や耐久性の差、
打鍵時に発生する音の差などにもつながる。また、2方
向に湾曲しているかのように見られ得ることから、デザ
インの多様化にある程度は対応可能であるが、ゴムキー
パッドのような自在な湾曲・屈曲を期待することが難し
い。これは単に、複雑なデザイン(例えばキーが外装ケ
ースの上面だけではなく側面にも配列されるようなも
の)に該キートップ板では対処しきれないというような
問題に限らず、外装ケースや対向基板などの実際の加工
精度、ロット間のばらつきなどを考えた場合に、ある程
度寸法ばらつきを吸収できる柔軟性のある部材の存在が
最終製品の良品率向上に結びつくわけで、このタイプの
キートップ板の場合は、ベース部を湾曲可能である方向
については外装ケースの寸法ばらつきなどにも対応が可
能であるものの、ベース部を湾曲できない方向について
は対応が難しいという不具合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決すべき課題は、上記従来技術の問題点を解決し、生
産性と取り扱い簡便性が従来の樹脂シートによるキート
ップ板に劣らず、かつ、キートップ部の包絡面が複雑な
曲面であるものにも対応可能なように、どの方向にも湾
曲ないし屈曲が可能な押釦スイッチ用部材を提供するこ
とにある。
解決すべき課題は、上記従来技術の問題点を解決し、生
産性と取り扱い簡便性が従来の樹脂シートによるキート
ップ板に劣らず、かつ、キートップ部の包絡面が複雑な
曲面であるものにも対応可能なように、どの方向にも湾
曲ないし屈曲が可能な押釦スイッチ用部材を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、樹脂フィルムを型絞りして形成される複
数の凸状押釦部を有する押釦スイッチ用部材において、
各凸状押釦部を連結する連結部の幅が該凸状押釦部のキ
ートップ部の天面の形状が矩形の場合にはその辺長さ、
楕円の場合にはその楕円の軸長さ、円の場合にはその直
径、の50%以下の長さでかつ1mm以上とする。樹脂
フィルムとして、厚さ100〜150μmのポリエステ
ル系樹脂フィルムを用いることが望ましい。凸状押釦部
の連結が複数のブロックに分けられて組み込まれてもよ
い。
に、本発明は、樹脂フィルムを型絞りして形成される複
数の凸状押釦部を有する押釦スイッチ用部材において、
各凸状押釦部を連結する連結部の幅が該凸状押釦部のキ
ートップ部の天面の形状が矩形の場合にはその辺長さ、
楕円の場合にはその楕円の軸長さ、円の場合にはその直
径、の50%以下の長さでかつ1mm以上とする。樹脂
フィルムとして、厚さ100〜150μmのポリエステ
ル系樹脂フィルムを用いることが望ましい。凸状押釦部
の連結が複数のブロックに分けられて組み込まれてもよ
い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、凸状押釦部を幅の比較
的狭い連結部で連結することを基本とする。近年の携帯
電話等の入力部材における押釦スイッチ用部材の製品サ
イズを解析すると、約60mm×約30mm(それぞれ
±6mm程度の差異はある)の略長方形枚葉上に、数字
キーが主体であるいわゆるテンキーが12キー、その他
テンキーと同一サイズもしくはわずかに小さいサイズの
機能キー(通話キー、クリアキー、ホールドキー等)が
3〜7キー、機種毎にサイズ、形状の変化にもっとも富
んでいるカーソルキー(一般的には2方向もしくは4方
向のものが主)が1キーの、トータル16〜20キーの
キートップ部が形成されている。なお、キートップ部自
体の仕様は、カーソルキー以外のキーについては、形状
としては楕円形状・長円形状、コーナーRを有する略長
方形状等を呈しており、キートップ部の寸法としては、
長手方向:8(±3)mm×短手方向:5(±2)mm
の範囲内(但し、長手方向と短手方向との寸法比率は約
8:5程度で、かつ、短手方向の最小寸法が3mm)と
なっている。
的狭い連結部で連結することを基本とする。近年の携帯
電話等の入力部材における押釦スイッチ用部材の製品サ
イズを解析すると、約60mm×約30mm(それぞれ
±6mm程度の差異はある)の略長方形枚葉上に、数字
キーが主体であるいわゆるテンキーが12キー、その他
テンキーと同一サイズもしくはわずかに小さいサイズの
機能キー(通話キー、クリアキー、ホールドキー等)が
3〜7キー、機種毎にサイズ、形状の変化にもっとも富
んでいるカーソルキー(一般的には2方向もしくは4方
向のものが主)が1キーの、トータル16〜20キーの
キートップ部が形成されている。なお、キートップ部自
体の仕様は、カーソルキー以外のキーについては、形状
としては楕円形状・長円形状、コーナーRを有する略長
方形状等を呈しており、キートップ部の寸法としては、
長手方向:8(±3)mm×短手方向:5(±2)mm
の範囲内(但し、長手方向と短手方向との寸法比率は約
8:5程度で、かつ、短手方向の最小寸法が3mm)と
なっている。
【0011】また、キートップ部の高さは、大多数のキ
ーが2〜3mmの高さとされるが、近年ではデザインの
多様化もあり、一つの押釦スイッチ用部材において、最
小高さが1mmで、最大高さが10mmというものもあ
る。さらにまた、キーとキーとの間隔は、1.5〜3m
mに設定されたものが大半である。この間隔を1.5m
m以下に設定した場合には、人間の指に対してもはや間
隔が狭すぎて、適当な入力操作が行い難いという、いわ
ば人間工学的な制約による。間隔の上限についても、ス
ムーズな入力操作性と、近年の入力装置のコンパクト化
の動きの点で、上限約3mmが主となったものと思われ
る。
ーが2〜3mmの高さとされるが、近年ではデザインの
多様化もあり、一つの押釦スイッチ用部材において、最
小高さが1mmで、最大高さが10mmというものもあ
る。さらにまた、キーとキーとの間隔は、1.5〜3m
mに設定されたものが大半である。この間隔を1.5m
m以下に設定した場合には、人間の指に対してもはや間
隔が狭すぎて、適当な入力操作が行い難いという、いわ
ば人間工学的な制約による。間隔の上限についても、ス
ムーズな入力操作性と、近年の入力装置のコンパクト化
の動きの点で、上限約3mmが主となったものと思われ
る。
【0012】以上の携帯用電子機器の現在の仕様トレン
ドを前提に、今後消費者要求が高まるデザイン仕様を予
想すると、入力操作可能でなければならない点で、キー
とキーとの間隔や、キーのサイズ自体は現在の仕様と変
らないものの、それ以外のデザイン的工夫が要請され、
また、一層の軽量化を目指すことは十分考えられる。そ
の場合、例えば、現在は製品の上面にのみ設けられてい
るキーの一部が、装置側面などに設けられることや、隣
接配置するキーのキートップ部の天面位置に従来品以上
の差を持たせた、多様なデザインの携帯用通信機器の出
現が予想される。本発明は、それら製品にも組み込むこ
とが可能な押釦スイッチ用部材を提供するものである。
ドを前提に、今後消費者要求が高まるデザイン仕様を予
想すると、入力操作可能でなければならない点で、キー
とキーとの間隔や、キーのサイズ自体は現在の仕様と変
らないものの、それ以外のデザイン的工夫が要請され、
また、一層の軽量化を目指すことは十分考えられる。そ
の場合、例えば、現在は製品の上面にのみ設けられてい
るキーの一部が、装置側面などに設けられることや、隣
接配置するキーのキートップ部の天面位置に従来品以上
の差を持たせた、多様なデザインの携帯用通信機器の出
現が予想される。本発明は、それら製品にも組み込むこ
とが可能な押釦スイッチ用部材を提供するものである。
【0013】以下、図面を参照して、本発明の実施の形
態を詳細に説明する。図1は、本発明の押釦スイッチ用
部材の凸状押釦部の斜視図である。図2は、本発明の凸
状押釦部の連結の諸態様を示す説明図であり、図2
(a)〜図2(n)に実施の形態を具体的に例示する。
図3は、後述する本発明の実施例1における押釦スイッ
チ用部材の態様を示す図であって、図3(a)はその平
面図、図3(b)は押釦スイッチ用部材を組み込んだ姿
勢の斜視図、図3(c)は図3(b)の側面図であり、
図4は、本発明の実施例1の押釦スイッチ用部材を組み
込んだ携帯電話の斜視図である。図5は、後述する本発
明の実施例2の押釦スイッチ用部材を組み込んだ携帯電
話の斜視図、図6は、後述する本発明の実施例3および
比較例1・3・5を説明する図であって、図6(a)は
宅内コードレスフォンの斜視図、図6(b)は図6
(a)の宅内コードレスフォンに組み込む本発明の実施
例3の押釦スイッチ用部材の平面図(イ)とA−A線・
B−B線にそれぞれ沿う二方向の断面図(ロ)・(ハ)
である。図7は、同実施例4および比較例2・4・6を
説明する図であって、図7(a)は宅内コードレスフォ
ン斜視図、図7(b)は図7(a)の宅内コードレスフ
ォンに組み込む本発明の実施例4の押釦スイッチ用部材
の平面図(イ)とC−C線・D−D線にそれぞれ沿う二
方向断面図(ロ)・(ハ)である。
態を詳細に説明する。図1は、本発明の押釦スイッチ用
部材の凸状押釦部の斜視図である。図2は、本発明の凸
状押釦部の連結の諸態様を示す説明図であり、図2
(a)〜図2(n)に実施の形態を具体的に例示する。
図3は、後述する本発明の実施例1における押釦スイッ
チ用部材の態様を示す図であって、図3(a)はその平
面図、図3(b)は押釦スイッチ用部材を組み込んだ姿
勢の斜視図、図3(c)は図3(b)の側面図であり、
図4は、本発明の実施例1の押釦スイッチ用部材を組み
込んだ携帯電話の斜視図である。図5は、後述する本発
明の実施例2の押釦スイッチ用部材を組み込んだ携帯電
話の斜視図、図6は、後述する本発明の実施例3および
比較例1・3・5を説明する図であって、図6(a)は
宅内コードレスフォンの斜視図、図6(b)は図6
(a)の宅内コードレスフォンに組み込む本発明の実施
例3の押釦スイッチ用部材の平面図(イ)とA−A線・
B−B線にそれぞれ沿う二方向の断面図(ロ)・(ハ)
である。図7は、同実施例4および比較例2・4・6を
説明する図であって、図7(a)は宅内コードレスフォ
ン斜視図、図7(b)は図7(a)の宅内コードレスフ
ォンに組み込む本発明の実施例4の押釦スイッチ用部材
の平面図(イ)とC−C線・D−D線にそれぞれ沿う二
方向断面図(ロ)・(ハ)である。
【0014】本発明でいうところの凸状押釦部1とは、
図1で示すところにより、上方に膨出するキートップ部
2と、該キートップ部2膨出開始点から0.3〜1.5
mm幅で、より好ましくは0.5〜0.7mm幅で、該
キートップ部2の外周に設けられるキートップ支持ベー
ス部3とを併せた部位をいう。なお、キートップ部2と
キートップ支持ベース部3とは、下に凸にRを付けて接
続されている。凸状押釦部1は、連結部4により、他の
凸状押釦部1と連結される。キートップ支持ベース部3
の幅は、0.3〜1.5mmの間で選択され、原則的に
一定の幅でキートップ部外周に設けられている。樹脂フ
ィルム6(図6(b))のキートップ支持ベース部3の
面積が少なければ少ないほど、押釦スイッチ用部材の軽
量化を図ることができ、自在湾曲性、自在配置性も高ま
り好ましいが、キー押圧操作の際に確実にキートップ部
を支持し、キートップ部が傾斜した形で押込まれ外装ケ
ース7(図4等)のキートップ天面露出孔にキーが引っ
かかる等のトラブルが発生しないために、この幅は最小
で0.3mmとする必要がある。
図1で示すところにより、上方に膨出するキートップ部
2と、該キートップ部2膨出開始点から0.3〜1.5
mm幅で、より好ましくは0.5〜0.7mm幅で、該
キートップ部2の外周に設けられるキートップ支持ベー
ス部3とを併せた部位をいう。なお、キートップ部2と
キートップ支持ベース部3とは、下に凸にRを付けて接
続されている。凸状押釦部1は、連結部4により、他の
凸状押釦部1と連結される。キートップ支持ベース部3
の幅は、0.3〜1.5mmの間で選択され、原則的に
一定の幅でキートップ部外周に設けられている。樹脂フ
ィルム6(図6(b))のキートップ支持ベース部3の
面積が少なければ少ないほど、押釦スイッチ用部材の軽
量化を図ることができ、自在湾曲性、自在配置性も高ま
り好ましいが、キー押圧操作の際に確実にキートップ部
を支持し、キートップ部が傾斜した形で押込まれ外装ケ
ース7(図4等)のキートップ天面露出孔にキーが引っ
かかる等のトラブルが発生しないために、この幅は最小
で0.3mmとする必要がある。
【0015】この幅の最大値を1.5mmとしたのは、
既存の押釦スイッチ用部材の寸法解析結果より、キーと
キーとの間の距離(主要部である数字キー部分)が1.
5〜3mmであるため、この長さの1/2以下のキート
ップ支持ベース部3の幅を設定しないと、連結部4を除
いて各キートップ部を分離するという本発明の構成が成
り立たないからである。なお、キートップ支持ベース部
3の幅を押釦スイッチ用部材全体で均一とすることで、
各凸状押釦部の押圧に要する荷重、クリック感のばらつ
きが解消される。この幅が場所によって異なると、押釦
スイッチ用部材の下方に設けられる皿バネの性能が大き
く影響するとはいうものの、該押釦スイッチ用部材自
体、剛性が大きい樹脂フィルム製であるため、キートッ
プ支持ベース部のばらつきが荷重やクリック感の差とし
て出ることもあるからである。
既存の押釦スイッチ用部材の寸法解析結果より、キーと
キーとの間の距離(主要部である数字キー部分)が1.
5〜3mmであるため、この長さの1/2以下のキート
ップ支持ベース部3の幅を設定しないと、連結部4を除
いて各キートップ部を分離するという本発明の構成が成
り立たないからである。なお、キートップ支持ベース部
3の幅を押釦スイッチ用部材全体で均一とすることで、
各凸状押釦部の押圧に要する荷重、クリック感のばらつ
きが解消される。この幅が場所によって異なると、押釦
スイッチ用部材の下方に設けられる皿バネの性能が大き
く影響するとはいうものの、該押釦スイッチ用部材自
体、剛性が大きい樹脂フィルム製であるため、キートッ
プ支持ベース部のばらつきが荷重やクリック感の差とし
て出ることもあるからである。
【0016】凸状押釦部1は、樹脂フィルムを絞り加工
して逆凹状部8を形成し、該逆凹状部8内に高硬度樹脂
を所定量、好ましくはキートップ支持ベース部3と同一
平面状となるまで、充填してキートップ部2とし、更
に、該押釦スイッチ用部材下面に配置される樹脂製皿バ
ネもしくは金属製皿バネと対応するサイズの押圧子5
(図6(b))をも形成する。押圧子5のサイズは、例
えばキートップ部2の投影平面、もしくはキートップ部
2の投影平面の内接円のサイズの30〜60%の平面サ
イズを有し、かつその長さは0.5〜3mmの範囲で所
望により異ならせることができる。押圧子5の設けられ
る位置は、通常はキーの中央部が一般的とされる。な
お、カーソルキーの場合は設定された方向数と同数、通
常は円形断面を有する押圧子がキー中に設けられる。押
圧子5は、キートップ部の天面が押圧されると同時に下
方に設けられている皿バネを変形させる役割を持ってい
る。
して逆凹状部8を形成し、該逆凹状部8内に高硬度樹脂
を所定量、好ましくはキートップ支持ベース部3と同一
平面状となるまで、充填してキートップ部2とし、更
に、該押釦スイッチ用部材下面に配置される樹脂製皿バ
ネもしくは金属製皿バネと対応するサイズの押圧子5
(図6(b))をも形成する。押圧子5のサイズは、例
えばキートップ部2の投影平面、もしくはキートップ部
2の投影平面の内接円のサイズの30〜60%の平面サ
イズを有し、かつその長さは0.5〜3mmの範囲で所
望により異ならせることができる。押圧子5の設けられ
る位置は、通常はキーの中央部が一般的とされる。な
お、カーソルキーの場合は設定された方向数と同数、通
常は円形断面を有する押圧子がキー中に設けられる。押
圧子5は、キートップ部の天面が押圧されると同時に下
方に設けられている皿バネを変形させる役割を持ってい
る。
【0017】樹脂フィルム6の厚みについては、型絞り
が可能であるという点、押圧操作に対する耐久性という
点、更には調達容易性等を勘案すると、75〜200μ
mの範囲のものから選択するとよい。なお、精密形状の
型絞りを重視する場合は75〜150μmの範囲で選択
すべきであり、押圧操作の高耐久性を期待する場合は1
00〜200μmの範囲で選択すれば良い。樹脂フィル
ム6の材質は、型絞り加工できるものであれば特に制限
はないが、市販されていて入手容易なものとしては、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブ
チレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタ
レート)などのポリエステル系樹脂フィルムや、ウレタ
ン系樹脂フィルムを選択すると良い。特にウレタン系樹
脂フィルムは、素材自体も柔軟性を持つため、好まし
い。また、逆凹状部8中に充填される高硬度樹脂との一
体化が容易、確実という点等を勘案すると、複数材料の
アロイフィルムを選択することも好ましい。アロイフィ
ルムの具体例としては、PBT/ポリカーボネート・ア
ロイフィルム等がある。
が可能であるという点、押圧操作に対する耐久性という
点、更には調達容易性等を勘案すると、75〜200μ
mの範囲のものから選択するとよい。なお、精密形状の
型絞りを重視する場合は75〜150μmの範囲で選択
すべきであり、押圧操作の高耐久性を期待する場合は1
00〜200μmの範囲で選択すれば良い。樹脂フィル
ム6の材質は、型絞り加工できるものであれば特に制限
はないが、市販されていて入手容易なものとしては、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブ
チレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタ
レート)などのポリエステル系樹脂フィルムや、ウレタ
ン系樹脂フィルムを選択すると良い。特にウレタン系樹
脂フィルムは、素材自体も柔軟性を持つため、好まし
い。また、逆凹状部8中に充填される高硬度樹脂との一
体化が容易、確実という点等を勘案すると、複数材料の
アロイフィルムを選択することも好ましい。アロイフィ
ルムの具体例としては、PBT/ポリカーボネート・ア
ロイフィルム等がある。
【0018】逆凹状部8に充填する樹脂としては、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂など、ショアD硬度40度
以上のものの中から選択すると優れた硬質指触感が得ら
れ好ましい。また、指疲労を低減したいような場合は、
ショアA硬度50度以上のゴム状弾性体を充填しても良
い。樹脂フィルム6の型絞りの方法には特に制限はない
が、熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、例えば型
絞り適正温度に加熱した凹型と凸型の間に数秒間、該樹
脂フィルムを載置し、樹脂フィルム自体が熱変形可能と
なる温度に加温されたら凹型と凸型を閉じ加圧した後、
そのままの状態で凹型凸型を急冷した後、複数の逆凹状
部8が形成された樹脂フィルムを金型から取り出す。該
逆凹状部8が形成された樹脂フィルム6を、別途用意し
た所定温度に加熱されている高硬度樹脂充填用治具中に
セットし、高硬度樹脂の液状体をディスペンサー等で充
填した後、これを硬化又は固化させて、該逆凹状部8内
に高硬度樹脂を一体化する、という方法で枚葉状基材を
得ても良いし、射出成形法による高硬度樹脂液状体の圧
入により、樹脂の圧入と同時に樹脂フィルム6の型絞り
をも完了させる方法で枚葉状基材を得てもよい。
カーボネート、エポキシ樹脂など、ショアD硬度40度
以上のものの中から選択すると優れた硬質指触感が得ら
れ好ましい。また、指疲労を低減したいような場合は、
ショアA硬度50度以上のゴム状弾性体を充填しても良
い。樹脂フィルム6の型絞りの方法には特に制限はない
が、熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、例えば型
絞り適正温度に加熱した凹型と凸型の間に数秒間、該樹
脂フィルムを載置し、樹脂フィルム自体が熱変形可能と
なる温度に加温されたら凹型と凸型を閉じ加圧した後、
そのままの状態で凹型凸型を急冷した後、複数の逆凹状
部8が形成された樹脂フィルムを金型から取り出す。該
逆凹状部8が形成された樹脂フィルム6を、別途用意し
た所定温度に加熱されている高硬度樹脂充填用治具中に
セットし、高硬度樹脂の液状体をディスペンサー等で充
填した後、これを硬化又は固化させて、該逆凹状部8内
に高硬度樹脂を一体化する、という方法で枚葉状基材を
得ても良いし、射出成形法による高硬度樹脂液状体の圧
入により、樹脂の圧入と同時に樹脂フィルム6の型絞り
をも完了させる方法で枚葉状基材を得てもよい。
【0019】このようにして得た枚葉状基材を、トマソ
ン刃等の抜き加工治具もしくは抜き加工装置で打ち抜き
加工することで、凸状押釦部1が連結部4で連結された
本発明の押釦スイッチ用部材が得られる。打ち抜き痕は
可能な限りRをもたせることで、組み込み等、押釦スイ
ッチ用部材取扱い作業の際に部材の破損が生じないよう
にする。鋭角な切り込みが入っていた場合、そこをきっ
かけに裂けてしまう可能性もあるからである。なお、各
キーの連結部4の数が少なければ少ないほど、連結部4
の幅が小さければ小さいほど、軽量化という点、およ
び、自在湾曲・屈曲化という点では有利である。連結部
4は、各凸状押釦部1を一体として取扱うためには少な
くとも各凸状押釦部1に一箇所は不可欠であり、また凸
状押釦部1が3個以上必要な製品の場合には、一部の最
端部のもの以外の凸状押釦部1については、最低2箇所
に(言い換えると2方向に)連結部4が必要となる。
ン刃等の抜き加工治具もしくは抜き加工装置で打ち抜き
加工することで、凸状押釦部1が連結部4で連結された
本発明の押釦スイッチ用部材が得られる。打ち抜き痕は
可能な限りRをもたせることで、組み込み等、押釦スイ
ッチ用部材取扱い作業の際に部材の破損が生じないよう
にする。鋭角な切り込みが入っていた場合、そこをきっ
かけに裂けてしまう可能性もあるからである。なお、各
キーの連結部4の数が少なければ少ないほど、連結部4
の幅が小さければ小さいほど、軽量化という点、およ
び、自在湾曲・屈曲化という点では有利である。連結部
4は、各凸状押釦部1を一体として取扱うためには少な
くとも各凸状押釦部1に一箇所は不可欠であり、また凸
状押釦部1が3個以上必要な製品の場合には、一部の最
端部のもの以外の凸状押釦部1については、最低2箇所
に(言い換えると2方向に)連結部4が必要となる。
【0020】図2を用いて、本発明の凸状押釦部1の連
結の態様を説明する。一つの凸状押釦部1に対して最大
4箇所の連結点を有することを許容した場合の典型パタ
ーンが、いわゆる格子状と言われる連結パターンである
(図2(a))。格子状連結パターンであっても従来の
枚葉状のキートップ板と比較した場合、かなり湾曲が容
易化されているが、このパターンによるものは特に既存
の装置に近似するデザインの装置に対応し易い。背骨状
連結パターン(図2(b))は、押釦スイッチ用部材の
中列の配列キーは連結部4が多いので湾曲の自由度が若
干制限されるものの、左右両側のキーはそれぞれ連結部
4がひとつであるため、自在に湾曲が可能である。
結の態様を説明する。一つの凸状押釦部1に対して最大
4箇所の連結点を有することを許容した場合の典型パタ
ーンが、いわゆる格子状と言われる連結パターンである
(図2(a))。格子状連結パターンであっても従来の
枚葉状のキートップ板と比較した場合、かなり湾曲が容
易化されているが、このパターンによるものは特に既存
の装置に近似するデザインの装置に対応し易い。背骨状
連結パターン(図2(b))は、押釦スイッチ用部材の
中列の配列キーは連結部4が多いので湾曲の自由度が若
干制限されるものの、左右両側のキーはそれぞれ連結部
4がひとつであるため、自在に湾曲が可能である。
【0021】図2(c)のタコ足状パターンは、押釦ス
イッチ用部材中のあるひとつのキー(通常は押釦スイッ
チ用部材の中心のキー:『5』キー等)に連結部4を集
中させた連結パターンである。このパターンは、連結部
4が集中したキー(要キー)の位置決め、組込みにのみ
留意すれば、他のキーはすべて連結部4が1ないし2箇
所のみとなるので、かなり自在に湾曲性が高まる。図2
(a)〜図2(c)では、連結部4が集中したキーが中
列ないし最上行または一つのキーに集まっていたが、図
2(d)〜図2(h)に示す櫛歯状パターン1〜5は、
最大集中する連結部4を3方向以下(図2(d)〜図2
(e))に抑え、または押釦スイッチ用部材の中列以外
の行(図2(d))または列(図2(e))の各キート
ップ部に変更し、あるいは、最大4方向の連結部4を設
けたもののキーの数を1(図2(f))ないし2(図2
(g))に限定した例である。このパターンも、櫛の軸
に相当する部分には若干の制限はあるものの、櫛の歯に
相当する部分のキーは自在に湾曲、配列ができる。押釦
スイッチ用部材段階でもある程度のアセンブリ状態を維
持しつつ、実際のアセンブリにおいて若干の微調整が可
能であることを要求する場合には好適な連結パターンで
ある。
イッチ用部材中のあるひとつのキー(通常は押釦スイッ
チ用部材の中心のキー:『5』キー等)に連結部4を集
中させた連結パターンである。このパターンは、連結部
4が集中したキー(要キー)の位置決め、組込みにのみ
留意すれば、他のキーはすべて連結部4が1ないし2箇
所のみとなるので、かなり自在に湾曲性が高まる。図2
(a)〜図2(c)では、連結部4が集中したキーが中
列ないし最上行または一つのキーに集まっていたが、図
2(d)〜図2(h)に示す櫛歯状パターン1〜5は、
最大集中する連結部4を3方向以下(図2(d)〜図2
(e))に抑え、または押釦スイッチ用部材の中列以外
の行(図2(d))または列(図2(e))の各キート
ップ部に変更し、あるいは、最大4方向の連結部4を設
けたもののキーの数を1(図2(f))ないし2(図2
(g))に限定した例である。このパターンも、櫛の軸
に相当する部分には若干の制限はあるものの、櫛の歯に
相当する部分のキーは自在に湾曲、配列ができる。押釦
スイッチ用部材段階でもある程度のアセンブリ状態を維
持しつつ、実際のアセンブリにおいて若干の微調整が可
能であることを要求する場合には好適な連結パターンで
ある。
【0022】『の』の字状パターン(図2(i)、図2
(j))や、ジグザグ状パターン(図2(k)、図2
(l))は、連結部4が最大でも2方向のみであるた
め、最も自在湾曲、自在配置が可能な連結パターンであ
る。これらの他にも、図2(m)、図2(n)などに示
すパターンであっても良い。図2(n)に見られるよう
に、行・列に平行な直線状の連結部4で二つの凸状押釦
部を連結するものだけではなく、X字状の連結部等、3
以上の凸状押釦部を連結する連結部も用いられ得ること
は勿論である。連接部4を多数持つ凸状押釦部1は、そ
れだけ自在湾曲・自在配置性は劣ることに留意して、最
終製品のデザインに最も適する連結部パターンを適宜選
択することが望ましい。連結部4の幅は、押釦スイッチ
用部材中の凸状押釦部1の天面形状に応じて、連結部4
が設けられるその天面形状の辺、軸、あるいは直径の値
の50%以下で、かつ1mm以上の幅とする。この幅を
1mm未満にすると、押釦スイッチ用部材を搬送、組み
込み等行う際に破損するおそれがある。
(j))や、ジグザグ状パターン(図2(k)、図2
(l))は、連結部4が最大でも2方向のみであるた
め、最も自在湾曲、自在配置が可能な連結パターンであ
る。これらの他にも、図2(m)、図2(n)などに示
すパターンであっても良い。図2(n)に見られるよう
に、行・列に平行な直線状の連結部4で二つの凸状押釦
部を連結するものだけではなく、X字状の連結部等、3
以上の凸状押釦部を連結する連結部も用いられ得ること
は勿論である。連接部4を多数持つ凸状押釦部1は、そ
れだけ自在湾曲・自在配置性は劣ることに留意して、最
終製品のデザインに最も適する連結部パターンを適宜選
択することが望ましい。連結部4の幅は、押釦スイッチ
用部材中の凸状押釦部1の天面形状に応じて、連結部4
が設けられるその天面形状の辺、軸、あるいは直径の値
の50%以下で、かつ1mm以上の幅とする。この幅を
1mm未満にすると、押釦スイッチ用部材を搬送、組み
込み等行う際に破損するおそれがある。
【0023】凸状押釦部1の形状、サイズについては、
携帯電話等のひとつの製品中においても様々な形状の押
釦が混在配置される場合がある。以下にそれぞれのケー
ス毎に連接部の幅の上限値について記述する。押釦スイ
ッチ用部材中の押釦の形状、サイズがすべて同一である
場合で、しかもキートップ部の天面の形状が円形である
場合は、該円の直径の50%以下の長さを連結部の幅と
すると良い。またキートップ部の天面の形状が長円もし
くは楕円の場合は、連接部4を設ける場所が、長軸と交
差する方向に設ける場合は、該長軸長さの50%以下の
長さとし、短軸と交差する方向に設ける場合は、該短軸
長さの50%以下とする。この場合、より好ましい連結
部4の幅は、長軸と交差する方向に設ける場合の連結部
の幅と短軸と交差する方向に設ける連結部の幅とを同じ
値にすると、部材全体中の連結部4の機械的強度が均一
となる。
携帯電話等のひとつの製品中においても様々な形状の押
釦が混在配置される場合がある。以下にそれぞれのケー
ス毎に連接部の幅の上限値について記述する。押釦スイ
ッチ用部材中の押釦の形状、サイズがすべて同一である
場合で、しかもキートップ部の天面の形状が円形である
場合は、該円の直径の50%以下の長さを連結部の幅と
すると良い。またキートップ部の天面の形状が長円もし
くは楕円の場合は、連接部4を設ける場所が、長軸と交
差する方向に設ける場合は、該長軸長さの50%以下の
長さとし、短軸と交差する方向に設ける場合は、該短軸
長さの50%以下とする。この場合、より好ましい連結
部4の幅は、長軸と交差する方向に設ける場合の連結部
の幅と短軸と交差する方向に設ける連結部の幅とを同じ
値にすると、部材全体中の連結部4の機械的強度が均一
となる。
【0024】キートップ部の天面の形状が四角形(正方
形、長方形、それぞれにコーナーRを設けたものも含
む)の場合は、径もしくは軸の代りに連結部の設けられ
る辺を基準とし、該辺の長さの50%以下の長さとす
る。次に、複数のサイズ、形状のキーが混在した部材の
連結部の幅であるが、この場合も当該押釦スイッチ用部
材中で最も多いキー天面サイズ(高さは問題としない)
のもの、一般的には数字キー群(これを部材標準キーサ
イズという)を基準として、前記に基づき連結部の幅を
決定すれば良いが、部材標準キーサイズよりも小さいサ
イズのキーと連結する場合は、その部分については小さ
いサイズのキーを基準に連結部の幅を決定する。また、
カーソルキーなど、押釦スイッチ用部材中の部材標準キ
ーサイズよりも大きなキーサイズのものと連結する場合
は、該大きなキーを基準として連結部の幅を決定しても
良いが、好ましくは部材標準キーサイズの連結部の幅で
統一することが望ましい。
形、長方形、それぞれにコーナーRを設けたものも含
む)の場合は、径もしくは軸の代りに連結部の設けられ
る辺を基準とし、該辺の長さの50%以下の長さとす
る。次に、複数のサイズ、形状のキーが混在した部材の
連結部の幅であるが、この場合も当該押釦スイッチ用部
材中で最も多いキー天面サイズ(高さは問題としない)
のもの、一般的には数字キー群(これを部材標準キーサ
イズという)を基準として、前記に基づき連結部の幅を
決定すれば良いが、部材標準キーサイズよりも小さいサ
イズのキーと連結する場合は、その部分については小さ
いサイズのキーを基準に連結部の幅を決定する。また、
カーソルキーなど、押釦スイッチ用部材中の部材標準キ
ーサイズよりも大きなキーサイズのものと連結する場合
は、該大きなキーを基準として連結部の幅を決定しても
良いが、好ましくは部材標準キーサイズの連結部の幅で
統一することが望ましい。
【0025】なお、連結部4に連結する両端のキーのサ
イズが異なる場合に、その各連結する部分をそれぞれの
キーサイズに合わせて設定し、それらを滑らかに繋げ
る、すなわち、連結部4の幅が連続的に異なっている、
というようにすることもできる。各キー同士を連結する
連結部の幅が、基準とするキーの辺長さ、軸長さ、直径
の50%以下であると、部材の湾曲、配列に自由度が十
分付与されるが、50%を超えた長さになると湾曲、配
列の自由度が制限されてしまうため、好ましくない。樹
脂フィルム6を型絞りする前に予め抜き加工した基材を
用いてもよいが、この場合は、型絞り等の工程の位置決
めに十分留意して行なう。
イズが異なる場合に、その各連結する部分をそれぞれの
キーサイズに合わせて設定し、それらを滑らかに繋げ
る、すなわち、連結部4の幅が連続的に異なっている、
というようにすることもできる。各キー同士を連結する
連結部の幅が、基準とするキーの辺長さ、軸長さ、直径
の50%以下であると、部材の湾曲、配列に自由度が十
分付与されるが、50%を超えた長さになると湾曲、配
列の自由度が制限されてしまうため、好ましくない。樹
脂フィルム6を型絞りする前に予め抜き加工した基材を
用いてもよいが、この場合は、型絞り等の工程の位置決
めに十分留意して行なう。
【0026】図2に例示した押釦スイッチ用部材は、基
本的に全てのキーを連結部4で連結しているが、装置へ
の組み込み、および装置内での位置決め固定が可能な工
夫が施されているのであれば、必ずしも全てのキーが1
枚の押釦スイッチ用部材として一連のものとされていな
ければならないということではない。連結されるキー群
を2〜5のブロックに分け、一連のゴム状弾性体等から
なる薄肉シート状体に、接着材等でキー群を位置決め固
定してもよい。この場合、2〜5のブロックを位置決め
する薄肉シート状体は、網状・格子状等の隙間を設けた
形態とすることも考えられる。また、押釦スイッチ用部
材を組み込むケースの側に位置決め固定することも可能
である。薄肉シート状体の具体例としては、シリコーン
ゴム、ウレタンゴム、各種熱可塑性エラストマー等から
任意に選択すればよい。2〜5のブロックに分ける態様
としては、例えば、図2(f)において『クリア』キー
から横に繋がれる連結部を切り離す、とか、図2(i)
において再下段の横に繋がれる連結部を切り離す、更に
は、図2(e)において左列から横に繋がれる連結部を
適宜の数切り離す、等は自由に選択できる。複数のブロ
ックに分割することにより、取り扱う個数は増加する
も、連接部で連接する押釦スイッチ用部材の自在湾曲性
に基づく取り扱いの不便さが大幅に改善される効能が付
加される。
本的に全てのキーを連結部4で連結しているが、装置へ
の組み込み、および装置内での位置決め固定が可能な工
夫が施されているのであれば、必ずしも全てのキーが1
枚の押釦スイッチ用部材として一連のものとされていな
ければならないということではない。連結されるキー群
を2〜5のブロックに分け、一連のゴム状弾性体等から
なる薄肉シート状体に、接着材等でキー群を位置決め固
定してもよい。この場合、2〜5のブロックを位置決め
する薄肉シート状体は、網状・格子状等の隙間を設けた
形態とすることも考えられる。また、押釦スイッチ用部
材を組み込むケースの側に位置決め固定することも可能
である。薄肉シート状体の具体例としては、シリコーン
ゴム、ウレタンゴム、各種熱可塑性エラストマー等から
任意に選択すればよい。2〜5のブロックに分ける態様
としては、例えば、図2(f)において『クリア』キー
から横に繋がれる連結部を切り離す、とか、図2(i)
において再下段の横に繋がれる連結部を切り離す、更に
は、図2(e)において左列から横に繋がれる連結部を
適宜の数切り離す、等は自由に選択できる。複数のブロ
ックに分割することにより、取り扱う個数は増加する
も、連接部で連接する押釦スイッチ用部材の自在湾曲性
に基づく取り扱いの不便さが大幅に改善される効能が付
加される。
【0027】
【実施例】(実施例1)圧さ100μmのウレタン樹脂
系フィルムを、型絞り用樹脂フィルムとして、また、ポ
リカーボネート樹脂を逆凹部内充填用樹脂として選択
し、射出成形法によりポリカーボネート樹脂の注入圧力
により、ポリカーボネート樹脂充填と樹脂フィルムの型
絞りを同時に行ない、これらを一体硬化させた後、金型
から枚葉状の押釦基材を取りだした。この押釦基材を抜
加工治具で抜き加工し、図3(a)、(b)、(c)に
示すような押釦スイッチ用部材とした。すなわち、カー
ソルキーが装置の側面に組み込むことができ、他のキー
は3列に配置され、各列は縦に連結され、各列は連結す
る段が異なって横に連結されているパターンである。こ
れを所定の外装ケースに組み込むことで、図4に示した
ような、上面ばかりか側面にも押釦(2方向カーソルキ
ー)を持つ、斬新なデザインの携帯電話を得ることがで
きた。
系フィルムを、型絞り用樹脂フィルムとして、また、ポ
リカーボネート樹脂を逆凹部内充填用樹脂として選択
し、射出成形法によりポリカーボネート樹脂の注入圧力
により、ポリカーボネート樹脂充填と樹脂フィルムの型
絞りを同時に行ない、これらを一体硬化させた後、金型
から枚葉状の押釦基材を取りだした。この押釦基材を抜
加工治具で抜き加工し、図3(a)、(b)、(c)に
示すような押釦スイッチ用部材とした。すなわち、カー
ソルキーが装置の側面に組み込むことができ、他のキー
は3列に配置され、各列は縦に連結され、各列は連結す
る段が異なって横に連結されているパターンである。こ
れを所定の外装ケースに組み込むことで、図4に示した
ような、上面ばかりか側面にも押釦(2方向カーソルキ
ー)を持つ、斬新なデザインの携帯電話を得ることがで
きた。
【0028】(実施例2)図5に示すような、ワンハン
ドフリーで、片手の親指のみで入力操作可能とすべくデ
ザインした携帯電話用の押釦スイッチ用部材を試作し
た。このものは、外装ケースの底面から側面にかけての
形状が、人間の掌の『生命線』の形状に模することで、
グリップ感を確実なものとしている。外装ケースを持っ
て親指を主に入力操作をしようとすると、親指を円弧を
描くように移動させる動きが主となるため、外装ケース
天面及び組み込まれる押釦スイッチ用部材のキートップ
部の天面部の位置もそれに伴うように配置される。キー
の配列は1列に6乃至5キー設けられ、3列分が必要と
なるわけであるが、円弧状の親指の動きを3列に対して
行なうためには、親指側の配列は全体的に低位置で円弧
を描くように配置され、親指からはなれる列ほど高い位
置にキートップ部の天面が配置されていないと、キーの
入力操作が困難となる。その点を考慮し、2方向のカー
ソルキーは、ちょうど外装ケース天面と側面とのエッジ
の部分に配置されている。
ドフリーで、片手の親指のみで入力操作可能とすべくデ
ザインした携帯電話用の押釦スイッチ用部材を試作し
た。このものは、外装ケースの底面から側面にかけての
形状が、人間の掌の『生命線』の形状に模することで、
グリップ感を確実なものとしている。外装ケースを持っ
て親指を主に入力操作をしようとすると、親指を円弧を
描くように移動させる動きが主となるため、外装ケース
天面及び組み込まれる押釦スイッチ用部材のキートップ
部の天面部の位置もそれに伴うように配置される。キー
の配列は1列に6乃至5キー設けられ、3列分が必要と
なるわけであるが、円弧状の親指の動きを3列に対して
行なうためには、親指側の配列は全体的に低位置で円弧
を描くように配置され、親指からはなれる列ほど高い位
置にキートップ部の天面が配置されていないと、キーの
入力操作が困難となる。その点を考慮し、2方向のカー
ソルキーは、ちょうど外装ケース天面と側面とのエッジ
の部分に配置されている。
【0029】このようなデザインの携帯電話に対して
は、従来の各種枚葉状のキーパッド、キートップ板では
十分なフレキシビリティーが得られず、組込みが困難で
あったが、本発明による部材によれば、複雑な外装ケー
ス形状に自在に対応するため、初めて実現可能となっ
た。押釦スイッチ用部材の具体的製造方法は、ほぼ実施
例1の通りであるが、操作者の繰り返し入力操作による
指疲労の低減を考慮し、充填樹脂として、ショアA硬度
50度の液状シリコーンゴムを用い、樹脂フィルムとし
ては、一面にシリコーン系プライマー処理を施した、圧
さ125ミクロンのPETフィルムを用いた。
は、従来の各種枚葉状のキーパッド、キートップ板では
十分なフレキシビリティーが得られず、組込みが困難で
あったが、本発明による部材によれば、複雑な外装ケー
ス形状に自在に対応するため、初めて実現可能となっ
た。押釦スイッチ用部材の具体的製造方法は、ほぼ実施
例1の通りであるが、操作者の繰り返し入力操作による
指疲労の低減を考慮し、充填樹脂として、ショアA硬度
50度の液状シリコーンゴムを用い、樹脂フィルムとし
ては、一面にシリコーン系プライマー処理を施した、圧
さ125ミクロンのPETフィルムを用いた。
【0030】(実施例3、4、比較例1〜6)図6
(a)及び図7(a)のような外観を持つ宅内コードレ
スフォンの部材を得るために、シリコーンゴムのみでベ
ース部、キートップ部が形成されたキーパッドをそれぞ
れ比較例1、2として、シリコーンゴム製のベース部に
ポリカーボネート製のキートップ部をエポキシ系接着剤
で接着してなるキーパッドをそれぞれ比較例3、4とし
て、PET樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂とから
なるキートップ板(製造方法は特開平7−302526
号公報に従ったもの)をそれぞれ比較例5、6として、
それぞれ準備するとともに、PET樹脂フィルムを絞り
加工し、形成された逆凹状部中にポリカーボネート樹脂
を充填し、一体硬化させた後、該枚葉状基材をトマソン
刃で抜き加工して図6(b)及び図7(b)のような本
発明の押釦スイッチ用部材を実施例3、実施例4として
用意した。これらについて、硬質指触感の有無、軽
量化度合い(比較例1又は比較例2を100として比率
で表示)、外装ケースの寸法精度のばらつきに対する
許容度の確認(外装ケースの主要箇所寸法が設計値に対
して±1.5mmとなるものをN=10個用意し、外装
ケースに部材がスムーズにアセンブリできるかどうかを
みる)を行なったところ、表1の通りの結果となった。
(a)及び図7(a)のような外観を持つ宅内コードレ
スフォンの部材を得るために、シリコーンゴムのみでベ
ース部、キートップ部が形成されたキーパッドをそれぞ
れ比較例1、2として、シリコーンゴム製のベース部に
ポリカーボネート製のキートップ部をエポキシ系接着剤
で接着してなるキーパッドをそれぞれ比較例3、4とし
て、PET樹脂フィルムとポリカーボネート樹脂とから
なるキートップ板(製造方法は特開平7−302526
号公報に従ったもの)をそれぞれ比較例5、6として、
それぞれ準備するとともに、PET樹脂フィルムを絞り
加工し、形成された逆凹状部中にポリカーボネート樹脂
を充填し、一体硬化させた後、該枚葉状基材をトマソン
刃で抜き加工して図6(b)及び図7(b)のような本
発明の押釦スイッチ用部材を実施例3、実施例4として
用意した。これらについて、硬質指触感の有無、軽
量化度合い(比較例1又は比較例2を100として比率
で表示)、外装ケースの寸法精度のばらつきに対する
許容度の確認(外装ケースの主要箇所寸法が設計値に対
して±1.5mmとなるものをN=10個用意し、外装
ケースに部材がスムーズにアセンブリできるかどうかを
みる)を行なったところ、表1の通りの結果となった。
【0031】
【表1】
【0032】以上の通り、比較例1もしくは比較例2
は、外装ケースの寸法精度のばらつきに対する許容度は
高いものの、硬質指触感が悪いことと、軽量化の点で不
利であることがわかった。また、比較例3もしくは比較
例4は、硬質指触感は最も優れているが、軽量化の点で
は最も不利であった。さらに、外装ケース寸法のばらつ
きに対する許容度も若干低下することがあることがわか
った。比較例5、比較例6のタイプは、硬質指触感、軽
量化ともに優れていることがわかったが、外装ケースの
寸法精度のばらつきに対する許容度は最も不利であっ
た。それに対して、実施例3と実施例4のタイプは、硬
質指触感が良好であるばかりか、外装ケースの寸法精度
のバラツキに対する許容度は、他のタイプに比べると、
シリコーンゴム一体型に匹敵する高い許容度を有してい
た。
は、外装ケースの寸法精度のばらつきに対する許容度は
高いものの、硬質指触感が悪いことと、軽量化の点で不
利であることがわかった。また、比較例3もしくは比較
例4は、硬質指触感は最も優れているが、軽量化の点で
は最も不利であった。さらに、外装ケース寸法のばらつ
きに対する許容度も若干低下することがあることがわか
った。比較例5、比較例6のタイプは、硬質指触感、軽
量化ともに優れていることがわかったが、外装ケースの
寸法精度のばらつきに対する許容度は最も不利であっ
た。それに対して、実施例3と実施例4のタイプは、硬
質指触感が良好であるばかりか、外装ケースの寸法精度
のバラツキに対する許容度は、他のタイプに比べると、
シリコーンゴム一体型に匹敵する高い許容度を有してい
た。
【0033】
【発明の効果】本発明による押釦スイッチ用部材による
と、硬質指触感を有していることから、操作性もよい
し、外装ケースの寸法制度に対する許容度も大きいこと
から、アセンブリ時点での製品良品率も向上することが
予想される。また近年、多種デザインの別売の組立てキ
ットを消費者自らが購入し、再度組み立てて使用すると
いうケースも増えているが、このような場合でも、アセ
ンブリトラブルの発生が低減することが予想される。さ
らに、フィルム樹脂ベース部の不要部分は予め除去され
るため、軽量化の点でも優れている。特に、従来のキー
パッドやキートップ板では実現が難しかったデザインの
携帯電話等を実現することができる。
と、硬質指触感を有していることから、操作性もよい
し、外装ケースの寸法制度に対する許容度も大きいこと
から、アセンブリ時点での製品良品率も向上することが
予想される。また近年、多種デザインの別売の組立てキ
ットを消費者自らが購入し、再度組み立てて使用すると
いうケースも増えているが、このような場合でも、アセ
ンブリトラブルの発生が低減することが予想される。さ
らに、フィルム樹脂ベース部の不要部分は予め除去され
るため、軽量化の点でも優れている。特に、従来のキー
パッドやキートップ板では実現が難しかったデザインの
携帯電話等を実現することができる。
【図1】 本発明の押釦スイッチ用部材の凸状押釦部の
斜視図
斜視図
【図2】 本発明の凸状押釦部の連結の諸態様を示す説
明図 [図2(a)] 格子状の連結パターン [図2(b)] 背骨状の連結パターン [図2(c)] タコ足状の連結パターン [図2(d)〜(h)] 櫛歯状1〜5の連結パターン [図2(i)〜(j)] 「の」の字状1〜2の連結パ
ターン [図2(k)〜(l)] ジグザグ状1〜2の連結パタ
ーン [図2(m)〜(n)] その他1〜2の連結パターン
明図 [図2(a)] 格子状の連結パターン [図2(b)] 背骨状の連結パターン [図2(c)] タコ足状の連結パターン [図2(d)〜(h)] 櫛歯状1〜5の連結パターン [図2(i)〜(j)] 「の」の字状1〜2の連結パ
ターン [図2(k)〜(l)] ジグザグ状1〜2の連結パタ
ーン [図2(m)〜(n)] その他1〜2の連結パターン
【図3】 本発明の実施例1における押釦スイッチ用部
材の態様を示す図 [図3(a)] 押釦スイッチ用部材の平面図 [図3(b)] 押釦スイッチ用部材を組み込んだ姿勢
の斜視図 [図3(c)] 図3(b)の側面図
材の態様を示す図 [図3(a)] 押釦スイッチ用部材の平面図 [図3(b)] 押釦スイッチ用部材を組み込んだ姿勢
の斜視図 [図3(c)] 図3(b)の側面図
【図4】 本発明の実施例1の押釦スイッチ用部材を組
み込んだ携帯電話の斜視図
み込んだ携帯電話の斜視図
【図5】 本発明の実施例2の押釦スイッチ用部材を組
み込んだ携帯電話の斜視図
み込んだ携帯電話の斜視図
【図6】 実施例3、比較例1・3・5を説明する図 [図6(a)] 宅内コードレスフォンの斜視図 [図6(b)] 図6(a)の宅内コードレスフォンに
組み込む本発明の実施 例3の押釦スイッチ用部材の平面図(イ)とA−A線・
B−B線にそれぞれ沿う二方向断面図(ロ)・(ハ)
組み込む本発明の実施 例3の押釦スイッチ用部材の平面図(イ)とA−A線・
B−B線にそれぞれ沿う二方向断面図(ロ)・(ハ)
【図7】 実施例4、比較例2・4・6を説明する図 [図7(a)] 宅内コードレスフォン斜視図 [図7(b)] 図7(a)の宅内コードレスフォンに
組み込む本発明の実施例4の押釦スイッチ用部材の平面
図(イ)とC−C線・D−D線にそれぞれ沿う二方向断
面図(ロ)・(ハ)
組み込む本発明の実施例4の押釦スイッチ用部材の平面
図(イ)とC−C線・D−D線にそれぞれ沿う二方向断
面図(ロ)・(ハ)
【図8】 従来のゴムキーパッドの斜視図
【図9】 従来の樹脂キートップを有するゴムキーパッ
ドの斜視図
ドの斜視図
【図10】 従来の樹脂フィルム製キーチップ板の平面
図および二方向断面図 [図10(a)] 平面図 [図10(b)] 図10(a)中F−F線に沿う断面
図 [図10(c)] 図10(a)中E−E線に沿う断面
図 [図10(d)] 図10(b)で、押圧子底面を同一
平面上に合わせた場合の図(c)と同様の断面図
図および二方向断面図 [図10(a)] 平面図 [図10(b)] 図10(a)中F−F線に沿う断面
図 [図10(c)] 図10(a)中E−E線に沿う断面
図 [図10(d)] 図10(b)で、押圧子底面を同一
平面上に合わせた場合の図(c)と同様の断面図
1:凸状押釦部 2:キートップ部 3:キートップ支持ベース部 4:連結部 5:押圧子 6:樹脂フィルム 7:外装ケース 8:逆凹状部 a:シート状ベース部 b:キートップ部 c:樹脂キートップ d:樹脂フィルム e:押釦形状凸部 f:キー樹脂部 g:押圧子 h:逆凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月4日(2001.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
Claims (3)
- 【請求項1】 樹脂フィルムを型絞りして形成される複
数の凸状押釦部を有する押釦スイッチ用部材において、
各凸状押釦部を連結する連結部の幅が、該凸状押釦部の
キートップ部の天面の形状が矩形の場合にはその辺長
さ、楕円の場合にはその楕円の軸長さ、円の場合にはそ
の直径、の50%以下の長さで、かつ1mm以上である
ことを特徴とする押釦スイッチ用部材。 - 【請求項2】 樹脂フィルムとして、厚さ100〜15
0μmのポリエステル系樹脂フィルムを用いることを特
徴とする請求項1に記載された押釦スイッチ用部材。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の押釦ス
イッチ用部材において、凸状押釦部の連結が複数のブロ
ックに分かれていることを特徴とする押釦スイッチ用部
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000079945A JP2002015639A (ja) | 1999-09-08 | 2000-03-22 | 押釦スイッチ用部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-254649 | 1999-09-08 | ||
JP25464999 | 1999-09-08 | ||
JP2000079945A JP2002015639A (ja) | 1999-09-08 | 2000-03-22 | 押釦スイッチ用部材 |
Related Child Applications (4)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003406127A Division JP2004087506A (ja) | 1999-09-08 | 2003-12-04 | 携帯用通信機器の押釦スイッチ用部材 |
JP2003406134A Division JP2004127947A (ja) | 1999-09-08 | 2003-12-04 | 押釦スイッチ用部材 |
JP2003406137A Division JP2004146386A (ja) | 1999-09-08 | 2003-12-04 | 押釦スイッチ用部材の製造方法 |
JP2003409176A Division JP2004193124A (ja) | 1999-09-08 | 2003-12-08 | 携帯用入力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002015639A true JP2002015639A (ja) | 2002-01-18 |
Family
ID=26541776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000079945A Pending JP2002015639A (ja) | 1999-09-08 | 2000-03-22 | 押釦スイッチ用部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002015639A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7383066B2 (en) | 2002-08-14 | 2008-06-03 | Lg Electronics Inc. | Side button switch in mobile communication terminal and vibration-preventing device thereof |
JP2009266751A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Fujitsu Ltd | 携帯端末装置 |
WO2019169698A1 (zh) * | 2018-03-09 | 2019-09-12 | 上海沃雨电子科技有限公司 | 薄膜开关及薄膜开关的按压板的制作方法 |
-
2000
- 2000-03-22 JP JP2000079945A patent/JP2002015639A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7383066B2 (en) | 2002-08-14 | 2008-06-03 | Lg Electronics Inc. | Side button switch in mobile communication terminal and vibration-preventing device thereof |
JP2009266751A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Fujitsu Ltd | 携帯端末装置 |
US8367948B2 (en) | 2008-04-28 | 2013-02-05 | Fujitsu Limited | Handheld device |
WO2019169698A1 (zh) * | 2018-03-09 | 2019-09-12 | 上海沃雨电子科技有限公司 | 薄膜开关及薄膜开关的按压板的制作方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031208 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040123 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20040305 |