JP2002013470A - ポンプ式ディスペンサ - Google Patents

ポンプ式ディスペンサ

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JP2002013470A
JP2002013470A JP2000199395A JP2000199395A JP2002013470A JP 2002013470 A JP2002013470 A JP 2002013470A JP 2000199395 A JP2000199395 A JP 2000199395A JP 2000199395 A JP2000199395 A JP 2000199395A JP 2002013470 A JP2002013470 A JP 2002013470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1回毎の吐出量の変動が少なくて精度を高く
でき、耐久性に優れ、高速動作も可能なポンプ式ディス
ペンサを提供すること。 【解決手段】 ポンプ式ディスペンサは、摺接面および
吐出開口、吸入開口を有するバルブブロックと、摺接面
および1本のプランジャ挿入孔を有するポンプブロック
と、プランジャ挿入孔に摺動自在に挿入されたプランジ
ャと、ポンプブロックを回転させ、プランジャを進退さ
せるポンプ駆動軸60と、ポンプ駆動軸60を1回転単
位で制御可能に回転駆動するモータ11とを備える。ポ
ンプ駆動軸60にはローラ65が取付けられている。ポ
ンプ駆動軸60の軸に直交する基準面に対して傾斜角度
調整可能に設けられ、かつポンプ駆動軸60の回転に伴
い移動するローラ65を案内してポンプ駆動軸60を進
退駆動させるガイド部材20を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プランジャの往復
動を利用して液体を吸入、吐出するポンプ式ディスペン
サに関する。
【0002】
【背景技術】液体のディスペンサ(液体吐出装置)とし
ては、従来、シリンジに詰めた液を短時間空気で加圧し
て押し出す方式や、液体を加圧しておいて短時間バルブ
を開ける方式などが主流であった。しかし、これらの方
式では、吐出量の精度があまり高くなく、かつ微量吐出
も難しいため、これらの要求を満たすポンプ式のディス
ペンサが増えてきた。
【0003】ポンプ式ディスペンサとしては、回転量に
比例するギヤポンプ、粘性ポンプ、ネジポンプ、自動弁
を用いたポジロードポンプなど制御の容易なポンプ式デ
ィスペンサが利用されている。これらのディスペンサ
は、ポンプ方式以外のディスペンサに比べれば精度も高
くなっていたが、医薬品の分析装置等に用いられる極微
量吐出ディスペンサや、半導体製造ラインなどにおいて
ICチップなどを接着する接着剤を吐出するためのディ
スペンサ等に求められるような、さらなる精度向上、微
量吐出の要求には必ずしも応えることができない場合が
あった。
【0004】このような高精度でかつ微量吐出の用途に
は、制御は多少難しくなるが、高精度を実現できる強制
弁プランジャポンプ方式のディスペンサが利用されてい
る。このようなディスペンサとしては下記のものが知ら
れている。
【0005】(1)Dカットプランジャポンプ 先端を塞ぎ、両サイドに吸入吐出のポートを設けたプラ
ンジャバレルに、回転してバルブの切替を行うDカット
プランジャポンプを組み合わせてポンプにしたものであ
る。ディスペンサとしては、僅かな漏れが生じる点と、
滞留部分が避けられない点、構造上、数マイクロリット
ルから数ナノリットルなどの極微量の吐出が難しい点な
どの短所の他はシンプルで優れた方式である。 (2)回転バルブ式プランジャポンプ 平面バルブ、円筒バルブとプランジャとを独立に設け、
組み合わせてポンプにする方式である。バルブとプラン
ジャとが別々のため、滞留部分が多くなるというデメリ
ットがある。
【0006】(3)円筒プランジャポンプ 本出願人が出願した特開平2−55878号公報や特開
平2−230975号公報に記載されたように、平面バ
ルブ、円筒バルブ、プランジャを同心円状に配置して一
体化することで、上記(1)、(2)の方式に比べ、滞
留部分を極めて小さくして精度を著しく向上させたポン
プである。但し、シール構造が複雑になるため、液中ポ
ンプ構造を避けることは困難である。
【0007】(4)平面バルブプランジャポンプ 上記(3)は吐出精度は大幅に向上できたが、シール構
造が複雑になるという問題があった。このため、本出願
人は、さらに特開平9−324743号公報に記載され
たように、2つの平面バルブとプランジャとを一体化す
ることで、上記(1)、(2)の方式に比べ、滞留部分
を極めて小さくして精度を著しく向上させるとともに、
シール構造を簡略化できる平面バルブプランジャポンプ
式のディスペンサを開発した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平9−324743号公報に記載された平面バルブプ
ランジャポンプ式ディスペンサでは、速度(一回の吐出
時間)を上げることが難しく、かつ耐久性の点で問題が
あった。すなわち、前記ディスペンサでは、クラッチを
設けて、プランジャが挿入されるポンプブロックを回転
させたり、停止させて、吸入動作や吐出動作時には、プ
ランジャが挿入される孔を吸入孔や吐出孔に一致させた
状態で停止できるように構成していた。このため、吐出
動作の1サイクルで、回転および停止を2回ずつ行わな
ければならず、その分、1サイクルの動作時間の短縮に
限界があった。
【0009】また、前記ディスペンサでは、ボールネジ
を用いて、ポンプブロックに対するプランジャの進退移
動を行っていたため、動作時間の短縮が難しくかつその
短縮を行うと耐久性が低下するという問題があった。す
なわち、吐出時間を短縮するには、このボールネジを高
速で進退移動させる必要があるが、ボールネジはこのよ
うな短い距離の往復移動を高速で行うことが難しく、か
つ摩耗が激しくなって耐久性が低下するという問題があ
った。
【0010】本発明の目的は、1回毎の吐出量の変動が
少なくて精度を高くでき、耐久性に優れ、高速動作も可
能なポンプ式ディスペンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポンプ式ディス
ペンサは、摺接面を有するバルブブロックと、前記バル
ブブロックの摺接面に当接可能な摺接面を有するポンプ
ブロックと、このポンプブロックの軸方向に沿って穿設
された1本のプランジャ挿入孔に軸方向摺動自在に挿入
されたプランジャと、前記ポンプブロックと共に回転可
能にかつ前記ポンプブロックに対してプランジャと共に
進退可能に支持されたポンプ駆動軸と、このポンプ駆動
軸を1回転単位で制御可能に回転駆動する回転駆動手段
と、前記ポンプ駆動軸を前記バルブブロックに向かって
進退動させる進退駆動手段とを備え、前記バルブブロッ
クには、前記摺接面に形成された吐出開口と前記摺接面
に対向する外面側に形成された吐出口とを連通する吐出
ポートと、前記摺接面に形成された吸入開口と液体の供
給側に開口された供給口とを連通する吸入ポートとが設
けられ、前記ポンプブロックのプランジャ挿入孔は、前
記バルブブロックの吐出開口および吸入開口に連通可能
な位置に軸方向に沿って穿設され、前記進退駆動手段
は、前記ポンプ駆動軸に取り付けられた従動部と、前記
ポンプ駆動軸の軸方向に直交する基準面に対して傾斜角
度調整可能に設けられ、かつ前記ポンプ駆動軸の回転に
伴い移動する従動部を案内してポンプ駆動軸を進退駆動
させるガイド部材とで構成されることを特徴とするもの
である。
【0012】このような本発明では、ポンプ駆動軸を回
転かつ進退駆動させるにあたって、ボールネジを用いず
に、ガイド部材および従動部からなるカム方式を採用し
たため、高速回転つまりは高速吐出が可能になり、耐久
性も向上できる。また、1本のプランジャ挿入孔および
プランジャのみを設けたので、ポンプ駆動軸つまりはポ
ンプブロックの1回転により、1回の吐出動作が行われ
るため、1回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出
量の精度も向上する。
【0013】さらに、ガイド部材の傾斜角度を調整すれ
ば、吐出量はその傾斜角度に比例して調整できるため、
カムを用いた場合に比べて、吐出量の調整、変更が容易
になり、汎用性の高いディスペンサにすることができ
る。
【0014】ここで、前記ガイド部材の一端側は、ケー
スに固定された固定軸に対して回動自在に軸支されてい
るとともに、前記ガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の
軸方向に移動させてガイド部材の前記基準面に対する傾
斜角度を調整可能な吐出量設定手段を有することが好ま
しい。
【0015】このように構成すれば、吐出量設定手段に
よってガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移
動させるだけで、ガイド部材の傾斜角度を調整でき、吐
出量を容易に調整できる。
【0016】また、前記吐出量設定手段は、前記ガイド
部材の他端側を、固定軸と同じ基準面に位置する状態か
ら、固定軸に対してポンプブロックから離れる方向にの
み移動可能に設けられていることが好ましい。
【0017】このように構成すれば、従動軸が固定軸に
近接した状態、つまり、ポンプ駆動軸つまりはプランジ
ャが最もバルブブロック側に近接する状態の位置を固定
できる。このため、この状態の位置を、プランジャ先端
がポンプブロックのプランジャ挿入孔の端面位置に略揃
うようにしておけば、プランジャがバルブブロック側に
最も移動した際のデッドスペースを小さくでき、プラン
ジャ挿入孔内での液体の滞留を防止することができる。
その上、ガイド部材を傾斜させた際のストローク量の調
整範囲を最も広くでき、吐出量の調整範囲を大きくする
ことができる。
【0018】ここで、前記吐出量設定手段はマイクロメ
ータを備えて構成され、前記ガイド部材の他端側はマイ
ロクメータのスピンドルの進退移動に連動して移動され
るように構成されていることが好ましい。マイクロメー
タを用いれば、吐出量の設定をマイクロメータの目盛り
を利用して行うことができ、その設定作業を容易にかつ
高精度に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施例の
ディスペンサ1の正面図が示されている。ディスペンサ
1は、駆動機構を内蔵する駆動部2およびポンプ部3を
備えて構成されている。
【0020】駆動部2は、図2にも示すように、複数の
板材やブロック材でボックス状に形成されたボディ10
と、このボディ10に固定されたモータ11とを備えて
いる。このモータ11は、サーボモータやステッピング
モータなどが用いられ、後述する回転位置検出センサ1
7や、サーボモータ内に内蔵されるエンコーダ等の位置
検出センサを用いて1回転毎に制御が可能なモータが用
いられる。
【0021】モータ11の出力軸には、略円筒状に形成
された回転連動部材12が固定されている。この回転連
動部材12には、図4に示すように、1カ所に切欠き1
2Bが設けられたフランジ12Aが形成され、このフラ
ンジ12A部分に配置された回転位置検出センサ17に
より、前記切欠き12Bが回転位置検出センサ17部分
を通過することで、回転連動部材12つまりはモータ1
1の1回転を検出できるようにされている。また、回転
連動部材12の下方部分(先端部分)の周面には、図4
にも示すように、3つのローラ13が軸支されている。
このローラ13は、回転連動部材12の周面に中心角が
120度間隔で配置されている。
【0022】この回転連動部材12、モータ11の軸線
上には、ボディ10に対して回動自在に支持されたポン
プ駆動軸60が配置されている。ポンプ駆動軸60は、
図2,3に示すように、駆動部2からポンプ部3まで延
長されており、かつ駆動部2部分に配置される駆動部側
駆動軸60Aと、ポンプ部3部分に配置されるポンプ部
側駆動軸60Bとに分離可能に形成されている。これに
より、ポンプ部3を洗浄する場合等、ポンプ部3を駆動
部2から取り外す際に、ポンプ部側駆動軸60Bもポン
プ部3と一緒に取り外すことができる。
【0023】駆動部側駆動軸60Aの上端(モータ11
側)には、略円筒状に形成され、前記ローラ13がガイ
ドされる3つのガイド溝15Aが形成された回転伝道部
材15が固定されている。この回転伝道部材15のガイ
ド溝15A内に前記ローラ13が配置されていることに
より、ポンプ駆動軸60は、回転連動部材12つまりモ
ータ11に対してその軸方向に進退可能(上下動可能)
に、かつモータ11の回転力はそのまま伝達されて回転
連動部材12と共に回転するように構成されている。
【0024】ボディ10には、図5にも示すように、駆
動部側駆動軸60Aに隣接し、かつ軸60Aに直交する
固定軸21が取り付けられている。この固定軸21に
は、略角板状に形成されたガイド部材20が回動自在に
支持されている。ガイド部材20には、図6にも示すよ
うに、ポンプ駆動軸60が嵌挿可能な貫通孔22と、U
字状の切り欠き23とが形成されている。そして、ガイ
ド部材20の下面(ポンプ部3側の面)において、貫通
孔22の周囲には断面が半円状で貫通孔22の周囲にリ
ング状(円形状)に配置されたローラガイド24が一体
に形成されている。また、前記切り欠き23部分には、
固定軸21と平行な当接軸25が取り付けられている。
【0025】当接軸25の上面側には、当接部材82が
当接している。この当接部材82は、当接軸25に当接
される本体およびこの本体に螺合されたネジで構成さ
れ、このネジの上面には、ボディ10に固定されたマイ
ロクメータ80のスピンドル81が当接されている。一
方、当接軸25の下面側には、ボディ10内に配置され
た付勢手段であるコイルばね85によって上方(モータ
11側)に付勢される付勢部材86が当接されている。
【0026】従って、当接軸25は、付勢部材86によ
って常時上方に付勢され、前記マイロクメータ80の操
作摘みを回動してスピンドル81を進退(上下動)させ
て当接部材82を上下動させると、その移動に連動して
当接軸25も上下動し、その結果、ガイド部材20が固
定軸21を支点に回動して傾斜角度を調整できるように
されている。このため、本実施形態では、前記マイロク
メータ80、当接部材82、コイルばね85、付勢部材
86により、吐出量設定手段が構成されている。
【0027】なお、本実施形態では、ガイド部材20を
ポンプ駆動軸60に対して直交、つまりポンプ駆動軸6
0が垂直方向に沿って配置されていればガイド部材20
が水平な状態の時に、付勢部材86の下端がボディ10
に当接するように設定されている。このため、ガイド部
材20は、固定軸21と当接軸25とが同じ高さ位置、
つまり水平な状態から、当接軸25が固定軸21よりも
上方に位置する状態、つまり当接軸25側が上方に移動
してガイド部材20が傾斜されるように構成されてい
る。また、当接部材82のネジの螺合位置を変えること
で、ガイド部材20が水平な状態の時に、前記マイロク
メータ80の目盛りが「0」(基準位置)になるよう
に、当接部材82の寸法が調整している。
【0028】ガイド部材20のローラガイド24には、
駆動部側駆動軸60Aに固定された従動部であるローラ
65が当接されている。このローラ65は、後述するコ
イルばね(付勢手段)56でポンプ駆動軸60が上方
(モータ11側)に付勢されることで、ローラガイド2
4に常時当接されている。従って、モータ11およびポ
ンプ駆動軸60が回転すると、ローラガイド24に沿っ
てローラ65が移動する。この際、ガイド部材20が水
平な状態であれば、ポンプ駆動軸60は上下動しない
が、前記マイロクメータ80を操作してガイド部材20
が傾斜されていれば、ローラガイド24に沿ってローラ
65が上下動し、その動きに連動してポンプ駆動軸60
も回転しながら上下動する。
【0029】ポンプ部3は、図3に示すように、駆動部
2のボディ10にビス止めされた円筒状の連結部材5に
袋ナット31によって着脱可能に取り付けられた容器
(ケース)30を備えている。なお、連結部材5は前記
ポンプ部側駆動軸60Bを回動自在に支持している。ま
た、連結部材5と容器(ケース)30との連結部分に
は、シール材が介在されており、容器30内の液体7が
駆動部2側や外部に漏れ出さないようにされている。ま
た、容器30は、ステンレス、フッ素樹脂、チタン等で
構成されてほぼ円筒状に形成されている。
【0030】容器30の下端部には、ステンレス製のバ
ルブブロック35がビス止めされている。バルブブロッ
ク35は、図7〜9にも示すように、断面凸状の段付き
円板状に形成され、容器30の内部に面する平滑な摺接
面38と、この摺接面38に連続して形成されて容器3
0内に露出するテーパ面39および側面39Aとを備え
ている。さらに、バルブブロック35には、摺接面38
に形成された吐出開口40から軸方向に貫通された吐出
ポート41と、摺接面38からテーパ面39、側面39
Aにかけて形成された溝状の吸入ポート42とが形成さ
れている。なお、吐出開口40は、吐出ポート41の直
径よりも大きくされている。また、吸入ポート42の摺
接面38に形成された開口部分によって吸入開口43が
形成されている。
【0031】バルブブロック35の下面には、吐出針4
6を有する吐出ノズル45がビス止めされており、吐出
ポート41から吐出された液体7が吐出ノズル45を介
して吐出針46から吐出されるようになっている。ま
た、容器30の側面には、容器30内に吐出液を供給す
る液注入ポート30Aと、空気抜きやドレン用に設けら
れたドレンポート30Bとが容器30の下部および上部
に形成されている。
【0032】容器30内には、バルブブロック35に隣
接して全体がほぼ円筒状に形成されたポンプブロック5
0が配置されている。このポンプブロック50の下端に
は前記バルブブロック35の摺接面38に摺接する平滑
な摺接面51が形成されている。なお、本実施形態で
は、ポンプブロック50は、ポリアミドイミドなどのス
ーパーエンジニアリングプラスチックやセラミックで構
成され、バルブブロック35はステンレスで構成されて
いる。また、前記摺接面38は、ダイヤモンドライクカ
ーボン膜でコーティングされており、摺接面51と摺接
した際のシール性と摺動性とを共に満足し、かつ耐久性
に優れた構造となっている。
【0033】ポンプ駆動軸60の下端に形成された大径
部61には、図8に示すように、2本の回転伝達ロッド
62が係合固定されている。すなわち、大径部61の外
周面には、大径部61の軸方向に2本の係合溝63が形
成されており、円周方向に1本の係合溝64が形成され
ている。そして、回転伝達ロッド62にも係合溝64に
合わせた溝62Aが形成されており、回転伝達ロッド6
2の上端部を各係合溝63に配置し、前記係合溝64と
溝62Aとにバネ性を有するCリング66等の係止部材
を係合させることで、各回転伝達ロッド62は大径部6
1に対して着脱可能に固定されている。
【0034】ポンプブロック50の上端には、前記2本
の回転伝達ロッド62が係合される係合溝52が形成さ
れている。これにより、ポンプ駆動軸60が回転すると
回転伝達ロッド62、係合溝52を介してポンプブロッ
ク50が回転するように構成されている。また、この回
転伝達ロッド62の下端には、ピン62Bが軸直交方向
に突設されており、ポンプブロック50の側面切り欠き
部分の範囲内でポンプブロック50に対して回転伝達ロ
ッド62が上下動できるようにされている。
【0035】また、ポンプブロック50には、図7に示
すように、ポンプブロック50を貫通して1本のプラン
ジャ挿入孔53が形成されている。このプランジャ挿入
孔53は、ポンプブロック50の回転に伴い、前記バル
ブブロック35の吐出開口40および吸入開口43に連
通可能な位置に形成されている。
【0036】前記プランジャ挿入孔53にはプランジャ
55が挿入され、このプランジャ55およびポンプブロ
ック50間には付勢手段であるコイルばね56が介装さ
れている。このコイルばね56により、プランジャ55
は常時ポンプ駆動軸60の大径部61に当接されるとと
もに、ポンプブロック50はバルブブロック35側に付
勢され、バルブブロック35の摺接面38とポンプブロ
ック50の摺接面51とが所定の圧力で摺接するように
なっている。なお、プランジャ55の前記プランジャ挿
入孔53に挿入されている部分の直径は適宜設定でき
る。例えば、最も細くした場合には、約0.3〜0.8
mm程度にまで細くできる。一方、太くする場合には、特
に制限はなく、吐出量に応じて設定すればよい。さら
に、コイルばね56は、プランジャ55を介してポンプ
駆動軸60を常時上方に付勢しており、これにより、ロ
ーラ65もガイド部材20のローラガイド24に常時当
接されている。
【0037】次に、本実施形態の作用について図11,
12をも参照して説明する。なお、図11(A)、図1
1(B)、図12(C)、図12(D)の各図におい
て、左側の図は、上からガイド部材20部分の断面図、
ポンプブロック50およびバルブブロック35部分の断
面図、バルブブロック35の上面とプランジャ挿入孔5
3との位置関係を示す模式図であり、右側の図はポンプ
ブロック50およびバルブブロック35部分の左側の断
面図に対して側面方向(90度異なる位置)で断面とし
た図である。
【0038】まず、容器30内に液体7を供給してお
く。この液体7の供給は、容器30を取り外して液体7
を入れて再度取り付けてもよいし、液注入ポート30A
からチューブなどを介して供給してもよい。
【0039】また、予めマイロクメータ80を操作して
ガイド部材20を傾斜させて、吐出量を設定しておく。
本実施形態では、吐出量は、プランジャ55のストロー
ク量に比例して変化する。このストローク量は、ローラ
65の上下移動量つまりガイド部材20のローラガイド
24の下端位置から上端位置までの高さ寸法によって設
定される。このローラガイド24の上下位置の高さ寸法
は、ガイド部材20の傾斜角度に比例し、この傾斜角度
は当接部材82の位置つまりマイロクメータ80のスピ
ンドル81の位置で設定される。従って、予め、マイロ
クメータ80の1目盛り当たりの吐出量を計測しておけ
ば、所望の吐出量に相当する目盛りを算出できるため、
マイロクメータ80を操作して目盛りを合わせておくだ
けで、吐出量の調整が行える。
【0040】また、本実施形態では、図11(A)の状
態を原点としている。原点状態では、プランジャ挿入孔
53が吸入開口43に連通している。また、プランジャ
55は、下方ストロークエンド(ローラ65がガイド部
材20の固定軸21に最も近接する位置)から上方のス
トロークエンド(ローラ65が当接軸25に最も近接す
る位置)に移動する中間位置(上下ストロークエンドの
中間位置)に移動した状態にある。
【0041】この原点状態において、スタートボタンを
押すことなどでスタート信号が入力されると、モータ1
1が作動されて回転連動部材12が回転される。この回
転連動部材12の回転は、回転伝道部材15、ポンプ駆
動軸60、回転伝達ロッド62を介してポンプブロック
50に伝達され、ポンプブロック50をバルブブロック
35と摺接させた状態のまま回転させる。この回転に伴
い、プランジャ55は徐々に上昇し、プランジャ挿入孔
53が吸入開口43から外れるまで、プランジャ挿入孔
53内に吸入ポート42から液7が吸引される。
【0042】そして、図11(B)に示すように、プラ
ンジャ55が上方ストロークエンドの位置まで移動した
時点では、プランジャ挿入孔53は吸入開口43から吐
出開口40に移動する中間位置にあり、これらの各開口
43,40と完全に隔離された状態になるため、プラン
ジャ挿入孔53内に吸引された液7も他の液から区画さ
れる。
【0043】さらに、モータ11による回転が続き、図
12(C)に示すように、プランジャ55が上方ストロ
ークエンドから下方ストロークエンドの中間位置に移動
した時点では、プランジャ挿入孔53は吐出開口40と
連通する位置に移動し、プランジャ55は下方に移動し
続ける。そして、この移動に伴いプランジャ挿入孔53
内の液体7が吐出ポート41を介して吐出針46から吐
出される。
【0044】なお、この液体7の吐出は、吐出開口40
にプランジャ挿入孔53の一部分が連通し始めてから、
吐出開口40から外れるまで、つまり図12(C)の状
態の手前からその後まで続く。
【0045】そして、ポンプブロック50が回転し続け
ることで、プランジャ挿入孔53が吐出開口40から外
れると、液体7の吐出が停止する。その後、図12
(D)に示すように、プランジャ55が下方ストローク
エンドの位置まで移動した時点では、プランジャ挿入孔
53は吐出開口40および吸入開口43の中間位置に移
動し、これらの各開口43,40と完全に隔離された状
態になる。
【0046】さらに、ポンプブロック50が回転し続け
ると、プランジャ55は上昇し、吸入開口43にプラン
ジャ挿入孔53が連通した時点から、プランジャ55の
上昇に伴い液体7がプランジャ挿入孔53内に吸引され
る。そして、図11(A)の状態に戻ると、この回転位
置は、回転位置検出センサ17によって検出されるた
め、モータ11が停止される。以下、前述の各動作を繰
り返すことで、所定量の液体7が順次吐出される。な
お、図11(A)から図11(B)、図12(C)、図
12(D)を経て図11(A)に戻るまで、つまりモー
タ11が1回転するまでは連続して動作し、図11
(B)、図12(C)、図12(D)の各状態で停止す
ることはない。
【0047】なお、前述のように、本実施形態では、モ
ータ11および回転位置検出センサ17によって、ポン
プ駆動軸60を1回転毎制御できる。このため、本実施
形態では、モータ11、回転連動部材12、回転位置検
出センサ17により、ポンプ駆動軸を1回転単位で回転
駆動する回転駆動手段が構成されている。さらに、ガイ
ド部材20、従動部であるローラ65、ローラ65をガ
イド部材20のローラガイド24に当接させるコイルば
ね56によって進退駆動手段が構成されている。
【0048】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。 (1)ガイド部材20およびローラ65を設け、モータ
11によるポンプ駆動軸60の回転動作に伴いポンプ駆
動軸60が上下動するように構成したので、ボールネジ
等やクラッチを用いた場合に比べて、高速回転を実現で
きる。つまり、ポンプ駆動軸60やプランジャ55は、
回転運動に伴う加速度変化の滑らかな上下動になるた
め、高速回転が可能であり、よって、液体の吐出動作の
高速化を容易に実現できる。
【0049】(2)さらに、吐出開口40や吸入開口4
3をプランジャ挿入孔53よりも大きな面積にしたの
で、これらの各開口40,43部分をプランジャ挿入孔
53が移動している間、吸入動作や吐出動作を続けるこ
とができる。このため、吸入時あるいは吐出時にポンプ
ブロック50の回転を停止させる必要が無く、ポンプブ
ロック50を回転させたまま、吸入や吐出動作を実現で
きるため、より一層の高速回転を容易に実現できる。従
って、ポンプブロック50の1回転つまり1回の吐出動
作を0.1秒以下で行うこともでき、半導体製造関連の
製造ラインなどのような、毎秒10回以上の吐出速度が
求められる場合であっても、十分に対応することができ
る。
【0050】(3)さらに、ポンプ駆動軸60を上下動
させる機構としてガイド部材20およびローラ65を用
いて実現しており、ボールねじを利用する必要がないた
め、耐久性能を高くでき、部品交換サイクルも長期間化
できて、維持管理も容易にできる。
【0051】(4)また、バルブブロック35に対して
ポンプブロック50を摺接させた状態で回転し、摺接面
38に形成された吐出開口40、吸入開口43の切替を
行う平面バルブプランジャポンプ方式を採用しているの
で、プランジャ55は、プランジャ挿入孔53内を進退
移動するだけでよい。従って、Dカットプランジャポン
プのように、それ自身の回転で切替を行う必要がなく、
プランジャ55の直径を非常に細くできる。このため、
プランジャ55の直径とそのストロークで設定される液
体7の吐出量を非常に小さくでき、数マイクロリットル
さらには数ナノリットルといった極微量の液体吐出を容
易に実現できる。
【0052】(5)さらに、プランジャ55つまりプラ
ンジャ挿入孔53を1本しか形成していないため、各摺
接面38、51において、プランジャ挿入孔53、各開
口40,43が形成されていない平面部分の面積を大き
く確保できる。このため、各摺接面38、51が互いに
摺接することによるシール性能を向上でき、吸入開口4
3および吐出開口40間を確実にシールすることができ
る。その上、平面部分の面積が大きいため、プランジャ
挿入孔53を吸入開口43から吐出開口40に移動させ
る間に、プランジャ挿入孔53を各開口40,43から
確実に隔離でき、吐出精度を向上できる。さらに、1本
のプランジャ挿入孔53およびプランジャ55のみを設
けたので、ポンプ駆動軸60つまりはポンプブロック5
0の1回転によって1回の吐出動作が行われるため、1
回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出量の精度も
向上できる。
【0053】(6)また、マイロクメータ80を操作し
てガイド部材20の傾斜角度を変えるだけで、吐出量を
調整できるため、吐出量を容易に調整することができ
る。このため、カムを利用した場合に比べて、容易に吐
出量を調整でき、さらにはディスペンサ1の動作中であ
っても調整が可能であり、汎用性の高いディスペンサ1
にすることができる。その上、吐出量は、ガイド部材2
0の傾斜角度つまりマイロクメータ80の目盛りに比例
しているため、マイロクメータ80の目盛りによって吐
出量を正確にかつ確実に調整できる。さらに、ガイド部
材20においては、ローラガイド24部分の変化量(高
さ方向の変化量)に対して、当接軸25部分の変化量が
比例して拡大されるため、マイロクメータ80の操作量
に対するローラガイド24部分の移動量が小さくなり、
その分、吐出量の微調整を容易に行うことができる。
【0054】(7)また、マイロクメータ80や付勢部
材86によって、ガイド部材20は、固定軸21と当接
軸25とが同じ高さ位置つまり水平な状態から、当接軸
25が固定軸21よりも上方に位置する状態つまり当接
軸25側が上方に移動してガイド部材20が傾斜される
ように構成されているので、プランジャ55の下方スト
ロークエンドの位置を一定にすることができる。このた
め、プランジャ55の下方ストロークエンドの位置を、
プランジャ挿入孔53の下端開口近傍に設定すれば、プ
ランジャ55が下方ストロークエンドに移動した際のプ
ランジャ挿入孔53内のデッドスペースを小さくでき、
プランジャ挿入孔53内での液体7の滞留を防止するこ
とができる。その上、ガイド部材20の傾斜角度で変化
するプランジャ55の上方ストロークエンドの調整範囲
をほぼプランジャ挿入孔53の全範囲(下端から上端ま
で)確保でき、吐出量の調整範囲を大きくすることがで
きる。
【0055】(8)摺接面51にダイヤモンドライクカ
ーボン膜をコーティングしているので、摺接面38、5
1のシール性能、摺動性を向上でき、平面バルブの性能
を大幅に向上することができる。
【0056】(9)図11(A)に示す停止状態では、
プランジャ挿入孔53は、吸入開口43に連通してお
り、吐出開口40は摺接面51によって塞がれているた
め、液漏れの発生を防止することができる。
【0057】(10)液7が入れられる容器30内にバル
ブブロック35、ポンプブロック50、プランジャ55
等を配置したので、仮にプランジャ挿入孔53およびプ
ランジャ55の摺動面から液7が漏れても、それらの液
7は容器30内に戻るだけであり、ポンプ部3の外部や
駆動部2側に液体7が漏れることがない。このため、ポ
ンプ部3に摺動面からの液漏れを防止するためのOリン
グ等のシール材を設ける必要がなく、構造を簡単にでき
かつコストも低減することができて安価に提供すること
ができる。その上、シール材が不要であるから、シール
材を設けた場合に定期的に必要となるシール材の交換作
業を無くすことができる。
【0058】(11)さらに、プランジャ挿入孔53部分
に気泡などが混入した場合でも、その気泡はプランジャ
挿入孔53およびプランジャ55の摺動面を通して容器
30側に排出され、プランジャ挿入孔53内に留まるこ
とがないため、プランジャ挿入孔53内に区画された液
体7に気泡が含まれることによる吐出量のバラツキを防
止することができ、その分、極微量の液体7を吐出する
場合であっても、精度を高めることができる。なお、プ
ランジャ挿入孔53およびプランジャ55の摺動面にシ
ールが設けられていないことから、液体7も僅かながら
その摺動面から漏れる可能性があるが、吐出動作がポン
プブロック50を1回転させて1回の吐出動作を行うこ
とを繰り返すものであり、液体7の漏れ量も1回毎の吐
出動作で一定しているため、1回毎の吐出量も一定にで
き、十分に精度を確保できる。さらに、液体7の吸入時
に発生する気泡や、気泡を内在する液体7を吐出する場
合に、仮にプランジャ挿入孔53に気泡が溜まっても、
その気泡はプランジャ挿入孔53の上方に集まり、プラ
ンジャ55の摺動時にプランジャ55およびプランジャ
挿入孔53の摺動面を漏れ出す液体7によって押し上げ
られてプランジャ挿入孔53の上端から排出でき、この
点でも、プランジャ挿入孔53内に気泡が溜まることを
防止できて、吐出量の精度向上を実現できる。
【0059】(12)ポンプブロック50をバルブブロッ
ク35に当接させるための押圧ばねと、ローラ65をロ
ーラガイド24に当接させるための押圧ばねを、1つの
コイルばね56で兼用しているため、部品点数を少なく
でき、コストを低減できる。
【0060】(13)ポンプ部3に容器30を設け、この
容器30に液体7を入れてあるため、液体7の移送距離
を短くでき、高粘度の液7であっても加圧手段を設ける
ことなく、プランジャ挿入孔53に確実に供給すること
ができる。その上、液体7の移送距離が短いため、吸入
効率も向上することができる。また、容器30を着脱し
て液7を補充する場合には、圧送ポンプのような移送手
段が不要なため、構造が簡易となり、ディスペンサ1を
安価に提供できる。
【0061】(14)さらに、極微量の液体7を吐出する
場合等のように容器30の容積に対して吐出量が少ない
場合には、容器30に液7を満たせば、半日あるいは1
日分の吐出量を確保できるため、容器30を着脱して液
7を補充する場合であっても、作業性や生産性が低下す
ることもない。なお、液7の補充時期は、液面計を設け
たり、一定時間当たりの吐出量から補充サイクルを設定
することなどで容易に管理することができる。
【0062】(15)また、仮に容器30に、液7を貯蔵
するタンクから圧送ポンプ等を用いて液7を移送する手
段を設けたとしても、容器30に液7が一旦貯められる
ため加圧された液7の圧力を減圧することができる。こ
のため、圧送ポンプを用いていてもポンプ部3における
圧力を低くでき、加圧による液漏れも防止することがで
きる。
【0063】(16)ペーストのように高粘度の液7は、
ポンプ部3と吐出ポート41とが離れていると液7の吐
出に遅れが生じるが、本実施形態によれば、液7を吐出
するプランジャ55と吐出ポート41や吐出針46とが
極めて近いので、液7の吐出の遅れを防止できる。
【0064】(17)沸点が低く気化しやすいアルコール
等の溶剤は、従来のポンプではポンプ内への吸入時ある
いはチェック弁通過時等、流れが複雑になる時に泡が発
生しやすく、この泡が溜まってしまい液7が吐出されな
い場合があるが、本実施形態によればポンプ部3と吐出
ポート41とが極めて近いうえ、比較的大きな開口であ
る吸入ポート42から液を吸入できて液7の吸入面積を
広くでき、液7を円滑に流入することができて流れも複
雑とならないので、吸入負圧を小さくできて泡が発生す
ることもなく、液7を正常に吐出することができる。従
って、気化しやすい液体7の吐出にも利用することがで
きる。また、仮に泡が発生しても、泡は液7に比べて比
重が軽いから容器30内の上方に移動する。このため、
容器30の最下端部に設けられたポンプブロック50や
バルブブロック35部分には泡が残らず、常に泡の含ま
れない液7を吐出することができる。さらに、ポンプブ
ロック50やバルブブロック35が容器30の最下端部
に形成されているので、容器30の最も底の部分から液
体7を吸入し、吐出することができるので、残液を少な
くでき、沈殿物の堆積も防止できる。
【0065】(18)バルブブロック35の吐出ポート4
1および吸入ポート42は、軸直交方向の端面で摺接す
る摺接面38,51によりシールされるから、この部分
においてもOリング等のゴム製品を必要とすることな
く、十分にシール可能である。従って、シール材の変形
による吐出量の変動を無くすことができ、極微量の液7
であっても高精度の吐出が行える。
【0066】(19)また、液体7の1回の吐出動作毎の
吐出量は、マイロクメータ80でガイド部材20の傾斜
角度を調整するだけで簡単に調整でき、かつ吐出速度は
モータ11の回転速度を制御するだけで簡単に調整する
ことができ、取り扱い性も向上することができる。さら
に、プランジャ55の移動によって液7を吸入、吐出し
ているので、空気圧などによって液を吐出するタイプの
ポンプに比べて吐出量の精度を向上でき、極微量の液7
でも正確に吐出することができる。
【0067】(20)ポンプ部3の液7に接する容器30
やバルブブロック35、ポンプブロック50等をステン
レスやセラミックス等の耐薬品性等に優れた材質で形成
することができるので、各種の吐出液7を取り扱うこと
ができる。また、ポンプ部3と駆動部2とが分かれてい
るため、ポンプ部3のみに単価の高いステンレスやセラ
ミックスを用いることもでき、耐薬品性のディスペンサ
1であっても低価格で提供することができる。
【0068】(21)また、ポンプ部3の容器30は、袋
ナット31を外すことで駆動部2から容易に分離するこ
とができる。従って、ポンプ部3のみを洗浄できてメン
テナンスも容易に行うことができ、吐出液7の種類を変
更する場合などでも、簡単に行うことができる。その
上、Cリング66を取り外せば、ポンプ駆動軸60から
回転伝達ロッド62、ポンプブロック50、プランジャ
55等も容易に分解できるため、洗浄やメンテナンス作
業を容易にでき、かつ組立性も向上できる。また、ポン
プ駆動軸60も駆動部側駆動軸60A、ポンプ部側駆動
軸60Bに分割可能なため、連結部材5を取り外せば、
ポンプ部側駆動軸60Bを駆動部2から容易に取り外す
ことができ、洗浄や組立等も容易に行うことができる。
【0069】(22)従来、ポンプブロック50の回転動
作とプランジャ55の進退動作のように、異なる2つの
動作を行う場合には、2つのステッピングモータを用い
ることが一般的であり、このため駆動部2の小型化が難
しく、コストも高いという問題があった。しかし、本実
施形態では、ガイド部材20およびローラ65を設ける
ことで、ポンプブロック50の回転動作とプランジャ5
5の進退動作とを実現でき、モータ11も1つでよいた
め、ディスペンサ1を小型化でき、かつ安価に提供する
ことができる。その上、カムを用いて上下動させる場合
には、プランジャ55の上下ストロークを変えるため
に、異なるカムを組み込まなければならず、ストローク
の異なるディスペンサ1を複数用意したり、ディスペン
サ1を分解してカムを交換しなければならない。これに
対し、本実施形態では、傾斜角度調整可能なガイド部材
20を設けたので、ストロークの調整も容易にでき、コ
ストを低減できる。
【0070】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲の
変形は本発明に含まれるものである。例えば、ガイド部
材20としては、前記実施形態のものに限らず、例え
ば、図13に示すように、ローラガイド24を円形では
なく、下方ストロークエンドおよび上方ストロークエン
ドとなる部分、つまり固定軸21に近接する部分と、当
接軸25に近接する部分とに、これらの軸と平行となる
平行部24Aを設けたローラガイド24を利用してもよ
い。この平行部24Aを有するローラガイド24を備え
たガイド部材20を用いれば、ローラ65がこの平行部
24A部分を移動する時つまり吐出動作と吸入動作との
切替時であり、プランジャ挿入孔53が摺接面38で塞
がれている時に、プランジャ55が下方ストロークエン
ド位置や上方ストロークエンド位置で停止して上下動し
ないため、より動作を安定させることができる。
【0071】また、前記実施形態では、容器30内に液
体7を供給していたが、図14に示すように、液体7が
入れられる容器90を別途設け、この容器90から液供
給路91、バルブブロック35に形成された吸入ポート
42を介して摺接面38に開口する吸入開口43まで液
体7を供給する通路を形成したものを用いてもよい。な
お、この場合には、ケース30内にプランジャ挿入孔5
3から液体7が漏れないように、プランジャ55および
プランジャ挿入孔53の摺動面にシール材92が介在さ
れている。このシール材92を介在させるために、ポン
プブロック50は上ブロック50Aおよび下ブロック5
0Bに2分割されており、ピン94によって回り止めさ
れて連結されている。このように容器90を別体とすれ
ば、容器90を容易に交換でき、容器90入りで販売さ
れているような高価な液体7も容易に取り扱うことがで
きる。また、ケース30内に液体が入らないため、吐出
液7の種類を変える場合等でもケース30内を洗浄など
する必要性が少なくなり、メンテナンス作業が簡単にな
る。
【0072】さらに、ガイド部材20としては、例えば
ローラガイド24の一部に凹凸を設けるなどして平面以
外の形状にし、例えば、吐出動作が終了する時に、一時
的にプランジャ55を上昇させて吐出ポート41から液
を吸引してから、バルブを切り替えるようにして、吐出
終了時の吐出針46先端の液残りを少なくするようにし
てもよい。
【0073】ポンプブロック50の回転駆動手段として
は、前記モータ11および回転位置検出センサ17を利
用したものに限らない。例えば、回転位置検出センサ1
7を設けずに、前記サーボモータ11内に組み込まれる
エンコーダを利用して位置検出を行ってもよい。具体的
には、1回転に1回パルスを出力するZ相を有するイン
クリメンタル形のエンコーダを有するサーボモータや、
絶対位置を検出可能なアブソリュート形のエンコーダを
有するサーボモータをモータ11として利用する場合に
は、回転位置検出センサ17は設けなくてよい。さら
に、回転駆動手段としては、モータと1回転クラッチな
どを用いてもよく、要するに、ポンプ駆動軸60つまり
ポンプブロック50を1回転毎に制御可能なものであれ
ばよく、実施にあたって適宜選択すればよい。
【0074】さらに、前記実施形態では、図11(A)
に示す吸入開口43にプランジャ挿入孔53が連通され
た状態を原点位置としていたが、吐出する液7の種類な
どに応じて、たとえば図12(C)に示すような吐出開
口40にプランジャ挿入孔53が連通された状態等の他
の状態を原点位置としてもよい。ただし、前記図11
(A)の状態を原点位置とすれば、ディスペンサ1が停
止している際に吐出開口40がポンプブロック50で塞
がれているので、液垂れを確実に防止することができる
利点がある。
【0075】ガイド部材20の傾斜角度を調整する構成
としては、前記実施形態に限らず、例えば、固定軸21
をガイド部材20に対して回動不能に固定し、この固定
軸21にハンドルなどを設け、固定軸21を直接回転さ
せることでガイド部材20を傾斜させるものでもよい。
また、前記マイロクメータ80やハンドルなどのガイド
部材20を傾斜させる部材を電動制御可能に構成し、ラ
イン上に組み込んだ際に、そのラインを流れる製品に応
じて前記マイロクメータ80等を電動駆動して吐出量を
変更できるようにしてもよい。このような構成にすれ
ば、多品種が混在して流れる製造ラインにおいて、その
製品に応じた吐出量の調整を自動化でき、自動製造ライ
ンにも容易に組み込むことができる。
【0076】さらに、前記実施形態では、ガイド部材2
0を傾斜させるにあたって、当接軸25を固定軸21よ
りもモータ11側つまりバルブブロック35から離れる
方向に移動するようにしていたが、逆に当接軸25を固
定軸21よりもバルブブロック35側に近づく方向に移
動するようにしてもよい。さらには、固定軸21を中心
として、当接軸25をモータ11側およびバルブブロッ
ク35側の両方に移動可能に構成してもよい。また、前
記実施形態では、固定軸21をガイド部材20の一端側
に形成していたが、ガイド部材20の両端間の中心部分
や、貫通孔22が形成された部分などに設けてもよい。
【0077】さらに、バルブブロック35の吸入ポート
42は、溝状のものに限らず、吸入開口43と側面39
Aに形成された開口とを連通するようにバルブブロック
35内部に形成されたものでもよい。また、吐出開口4
0の形状や大きさも適宜設定すればよい。その他、ポン
プ部3の容器30の形状やディスペンサ1全体の形状等
は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0078】
【発明の効果】このような本発明のポンプ式ディスペン
サによれば、1回毎の吐出量の変動が少なくて精度を高
くでき、耐久性に優れ、高速動作も容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスペンサを示す正面
図である。
【図2】前記実施形態の駆動部を示す縦断面図である。
【図3】前記実施形態のポンプ部を示す縦断面図であ
る。
【図4】図2のIV−IV線に沿った要部の断面図である。
【図5】ガイド部材が水平な状態における図2のV−V
線に沿った断面図である。
【図6】前記実施形態のガイド部材を示す斜視図であ
る。
【図7】図3のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】前記実施形態のポンプ部の要部を示す斜視図で
ある。
【図9】図3のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】前記実施形態のポンプ部の下面図である。
【図11】前記実施形態のポンプ部の動作を示す説明図
である。
【図12】図11の動作の続き示す説明図である。
【図13】本発明の変形例のガイド部材を示す断面図で
ある。
【図14】本発明の変形例のディスペンサを示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 ディスペンサ 2 駆動部 3 ポンプ部 7 液体 10 ボディ 11 モータ 12 回転連動部材 13 ローラ 15 回転伝道部材 17 回転位置検出センサ 20 ガイド部材 21 固定軸 22 貫通孔 23 切り欠き 24 ローラガイド 24A 平行部 25 当接軸 30 容器(ケース) 35 バルブブロック 38 摺接面 39 テーパ面 39A 側面 40 吐出開口 41 吐出ポート 42 吸入ポート 43 吸入開口 45 吐出ノズル 46 吐出針 50 ポンプブロック 50A 上ブロック 50B 下ブロック 51 摺接面 52 係合溝 53 プランジャ挿入孔 55 プランジャ 56 付勢手段であるコイルばね 60 ポンプ駆動軸 60A 駆動部側駆動軸 60B ポンプ部側駆動軸 62 回転伝達ロッド 62A 溝 62B ピン 63 係合溝 64 係合溝 65 従動部であるローラ 66 Cリング 80 マイロクメータ 81 スピンドル 82 当接部材 85 付勢手段であるコイルばね 86 付勢部材 90 容器 91 液供給路 92 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H070 AA07 BB04 BB06 CC07 CC21 CC33 DD03 DD24 DD48 DD57 DD63 EE03 EE09 EE13 3H071 AA01 BB01 BB04 CC11 CC26 CC35 DD02 DD07 DD13 EE03 EE09 EE13 3H075 AA09 AA17 BB03 BB21 CC11 CC18 CC37 DA09 DB03 DB27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺接面を有するバルブブロックと、前記
    バルブブロックの摺接面に当接可能な摺接面を有するポ
    ンプブロックと、このポンプブロックの軸方向に沿って
    穿設された1本のプランジャ挿入孔に軸方向摺動自在に
    挿入されたプランジャと、前記ポンプブロックと共に回
    転可能にかつ前記ポンプブロックに対してプランジャと
    共に進退可能に支持されたポンプ駆動軸と、このポンプ
    駆動軸を1回転単位で制御可能に回転駆動する回転駆動
    手段と、前記ポンプ駆動軸を前記バルブブロックに向か
    って進退動させる進退駆動手段とを備え、 前記バルブブロックには、前記摺接面に形成された吐出
    開口と前記摺接面に対向する外面側に形成された吐出口
    とを連通する吐出ポートと、前記摺接面に形成された吸
    入開口と液体の供給側に開口された供給口とを連通する
    吸入ポートとが設けられ、 前記ポンプブロックのプランジャ挿入孔は、前記バルブ
    ブロックの吐出開口および吸入開口に連通可能な位置に
    軸方向に沿って穿設され、 前記進退駆動手段は、前記ポンプ駆動軸に取り付けられ
    た従動部と、前記ポンプ駆動軸の軸方向に直交する基準
    面に対して傾斜角度調整可能に設けられ、かつ前記ポン
    プ駆動軸の回転に伴い移動する従動部を案内してポンプ
    駆動軸を進退駆動させるガイド部材とで構成されること
    を特徴とするポンプ式ディスペンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポンプ式ディスペンサ
    において、 前記ガイド部材の一端側は、ケースに固定された固定軸
    に対して回動自在に軸支されているとともに、 前記ガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動
    させてガイド部材の前記基準面に対する傾斜角度を調整
    可能な吐出量設定手段を有することを特徴とするポンプ
    式ディスペンサ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポンプ式ディスペンサ
    において、 前記吐出量設定手段は、前記ガイド部材の他端側を、固
    定軸と同じ基準面に位置する状態から、固定軸に対して
    ポンプブロックから離れる方向にのみ移動可能に設けら
    れていることを特徴とするポンプ式ディスペンサ。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のポンプ
    式ディスペンサにおいて、 前記吐出量設定手段はマイクロメータを備えて構成さ
    れ、前記ガイド部材の他端側はマイロクメータのスピン
    ドルの進退移動に連動して移動されるように構成されて
    いることを特徴とするポンプ式ディスペンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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