JP2002011324A - 排ガスの処理方法 - Google Patents
排ガスの処理方法Info
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Abstract
量を低減することができ、経済性のよい排ガスの処理方
法を提供する。 【解決手段】 少なくとも塵埃および有害物質を含む排
ガスから塵埃を除去した後、塵埃が除去された排ガスに
炭素水素系ガスを注入する。その後炭素水素系ガスを含
む排ガスを非平衡プラズマが発生する空間に通過させ
る。この排ガスが非平衡プラズマ中を通過することによ
って、炭素水素系ガスからOHラジカルが生成されると
ともに有害物質が活性状態になる。活性状態の有害物質
とOHラジカルとが化学反応して無害な物質を生成す
る。このようにして少ない電力消費量であっても有害物
質の分解除去が促進され、ガス処理のための電力消費量
を低減することができ、また経済性がよい。
Description
に関し、さらに詳しくは、都市ごみ焼却炉から排出され
る排ガスからNOxおよびダイオキシン類などの有害物
質を、非平衡プラズマを用いて効率よく分解除去するこ
とができる排ガスの処理方法に関する。
社会問題となっており、特に都市ごみ焼却設備からの排
出が問題となっている。この問題は、都市ごみ量の増加
とともに都市ごみ焼却設備の焼却炉の性能の低下が主な
原因である。この問題を解決するためには、焼却炉を交
換して性能を向上すればよいが、焼却炉の交換にはコス
トがかかり過ぎ、現状では困難である。
ために、これまでにダイオキシン類を含む排ガスを非平
衡プラズマを用いて浄化する、既存の都市ごみ焼却設備
に設置可能な浄化装置を提案してきている。たとえば特
開平11−128660号公報に開示される浄化装置
は、集塵部と非平衡プラズマ発生部とを含み、集塵部で
集塵された排ガスを非平衡プラズマ発生部で発生する非
平衡プラズマの高速の電子によって、排ガス中のダイオ
キシン類などの有害物質を分解除去し、排ガスを浄化し
ている。
ズマとは、ガスにエネルギを加えることによって、ガス
中の電子、イオンおよび励起分子が加速された状態であ
る。このプラズマにおいて、質量の小さい電子の電子速
度と質量の大きいイオンおよび励起分子の分子速度との
両方が高い場合には、電子温度とイオン温度とが熱力学
的に平衡した状態にあり、このプラズマは熱プラズマと
呼ばれる。これは、たとえば物体が燃焼したときの火焔
に相当する。
プラズマは電子温度とイオン温度とが熱力学的に平衡し
ていない状態であり、非平衡プラズマまたはコールドプ
ラズマと呼ばれる。これは、たとえば電気集塵機内で発
生させるコロナ放電などが相当する。
気集塵機のコロナ放電よりも高い電圧を放電空間に印加
することによって、より高い電子速度を得ようとする非
平衡プラスマである。このプラズマは、直流パルス電圧
を放電空間に印加することによって得られ、これによっ
てより高速の電子が多量に生成される。このように高速
度、たとえば10電子ボルトの電子がガス中の分子に衝
突することによって、分子の最外殻にある電子を弾き出
し、より反応性の高いラジカルが生成される。このラジ
カルを用いることによって、化学反応が促進される。こ
のような非平衡プラズマをガス処理に用いた装置が脱臭
装置として、広く実用化されている。
し、排ガス中に含まれるダイオキシン類およびNOxを
除去することが試みられている。NOxの除去に関して
は、世界各地で研究されてきており、多数の論文が発表
されている。またダイオキシン類の除去に関しては、こ
れまでに本願発明者が行った非平衡プラズマを用いたダ
イオキシン類の分解除去実験によって、ガス量5000
Nm3/hの燃焼排ガスからダイオキシン類が高効率で
除去されることが実証されている。
いて、たとえばダイオキシン類を90%以上分解除去し
ようとすると、排ガス1Nm3/hを処理するために、
10W以上の電力を要し、パルス発生電源の効率を考慮
すると、入力電力としては約15Wを要することとな
り、大量の排ガスを処理するには電力消費量がかなり大
きくなってしまい、経済的ではないことが判った。
したまま、電力消費量を低減することができ、経済性の
よい排ガスの処理方法を提供することである。
びアース電極間のコロナ放電によって発生する非平衡プ
ラズマを用いる排ガスの処理方法において、少なくとも
塵埃および有害物質を含む排ガスから塵埃を除去する工
程と、塵埃が除去された排ガスに、炭素水素系ガスを注
入する工程と、前記炭化水素系ガスを含む排ガスが非平
衡プラズマが発生する空間を通過するように、前記排ガ
スを導いて排ガス中の有害物質を分解除去する工程とを
含む排ガスの処理方法である。
害物質を含む排ガスは、塵埃が除去された後、この塵埃
が除去された排ガスに炭化水素系ガスが注入される。炭
化水素系ガスが注入された排ガスは、放電電極およびア
ース電極間のコロナ放電によって発生する非平衡プラズ
マ中を通過する。このとき非平衡プラズマには、多量の
高速の電子が存在している。この高速の電子は、炭化水
素系ガスに衝突して反応性の高いOHラジカルを生成す
る。これとともに、この高速の電子は、有害物質を分解
または励起して活性化した状態にする。このOHラジカ
ルは、活性状態の有害物質と反応して、別の無害な物質
を生成して、有害物質を分解除去する。このようにして
排ガスを無害化する。
ラズマによって排ガスを処理するので、塵埃が非平衡プ
ラズマを発生させる放電電極およびアース電極に付着せ
ず、装置のメンテナンスが容易であるとともに、塵埃の
付着によって放電距離が短くなり、放電の形態がコロナ
放電から火花放電に遷移することがなく、これによって
可燃性の炭化水素系ガスを用いても安全である。また注
入ガスとして炭化水素系ガスが用いられるので、非平衡
プラズマ中でOHラジカルが生成され、このOHラジカ
ルによって活性状態の有害物質との反応が促進され、高
効率で有害物質を分解除去することができる。このよう
にして排ガスの処理はOHラジカルに寄与するので、従
来のような高速の電子だけで有害物質を分解除去する方
法と比べて、排ガス処理に要する電力消費量を低減する
ことができる。
素、アルコールまたは燃料から成ることを特徴とする。
スは商業的に安価にかつ容易に入手できるガスであるの
で、経済性がよく、排ガス処理に要するコストを低く抑
えることができる。
プラズマとは、ガスにエネルギを加えることによって、
ガス中の電子、イオンおよび励起分子が加速された状態
である。このプラズマにおいて、質量の小さい電子の電
子速度と質量の大きいイオンおよび励起分子の分子速度
との両方が高い場合には、電子温度とイオン温度とが熱
力学的に平衡した状態にあり、このプラズマは熱プラズ
マと呼ばれる。これは、たとえば物体が燃焼したときの
火焔に相当する。
プラズマは電子温度とイオン温度とが熱力学的に平衡し
ていない状態であり、非平衡プラズマまたはコールドプ
ラズマと呼ばれる。これは、たとえば電気集塵機内で発
生させるコロナ放電などが相当する。
塵機のコロナ放電よりも高い電圧を放電空間に印加する
ことによって、より高い電子速度を得ようとする非平衡
プラスマである。このプラズマは、直流パルス電圧を放
電空間に印加することによって得られ、これによってよ
り高速の電子が多量に生成される。このように高速度、
たとえば10電子ボルトの電子がガス中の分子に衝突す
ることによって、分子の最外殻にある電子を弾き出し、
より反応性の高いラジカルが生成される。このラジカル
を用いることによって、化学反応が促進される。
いる排ガスの処理方法を行うための処理装置を備えた都
市ごみ焼却設備1を構成を簡略化して示す系統図であ
る。都市ごみ焼却設備1は、焼却炉2と、ガスクーラ3
と、電気集塵機4と、排ガス処理装置5と、誘引ファン
6と、煙突7とを含む。焼却炉1と電気集塵機4とは、
流路8によって接続され、該流路8にはガスクーラ3が
介在される。電気集塵機4と排ガス処理装置5とは、流
路9によって接続される。排ガス処理装置5と誘引ファ
ン6の吸引口とは、流路10によって接続される。誘引
ファン6の排出口と煙突7とは、流路11によって接続
される。
排ガス処理装置本体13と、直流パルス電源14とを含
む。排ガス処理装置本体13のガス流入口13aには、
流路9が接続される。ガスクーラ12は押込み空気ファ
ンを備え、流路9に介在される。排ガス処理装置本体1
3のガス排出口13bには、流路10が接続される。流
路9のガスクーラ12よりもガスの流下方向上流側と流
路10との間には、流路10内のガスの一部を流路9に
戻して循環させる戻り流路15が接続される。戻り流路
15には、流路9に戻すガスを加熱する循環ガスヒータ
16が介在され、さらに循環ガスヒータ16の入口側と
出口側とには戻り流路15内を流れるガスの流量を調整
するダンパ17,18が介在される。
略化して示す正面図であり、図3は図2の切断面線II
I−IIIから見た断面図である。排ガス処理装置本体
13は、基部21と、集塵部22と、炭化水素系ガス注
入部23と、非平衡プラズマ発生部24とを含む。基部
21は、前記都市ガス処理設備1の床面25に設置され
る。基部21には、集塵部22、炭化水素系ガス注入部
23および非平衡プラズマ発生部24が載置される。集
塵部22、炭化水素系ガス注入部23および非平衡プラ
ズマ発生部24は、ガス流入口13aとガス排出口13
bとを連通する流路を形成する。
7と複数のバグフィルタ28とを含む。ケーシング26
の下部側面には、ガス流入口13aが設けられる。ケー
シング26の内部空間は、仕切板27によって下部空間
29と上部空間30とに仕切られる。仕切板27には、
バグフィルタ29の口径以下の図示しない複数の透孔が
設けられ、該透孔に関連して設けられる図示しないバグ
フィルタ取付部材を介して複数のバグフィルタ28が下
部空間29側に垂下して設けられる。複数のバグフィル
タ28は、格子状に整列して配置される。上部空間30
側には、各透孔に臨んで配置され、各バグフィルタ28
を逆洗する逆洗装置31が設けられる。
の上部に隣接して設けられ、ケーシング32と、炭化水
素系ガス供給源33とを含む。ケーシング32の内部空
間34は、集塵部22の上部空間30と連通する。炭化
水素系ガス供給源33は、ごく少量の炭化水素系ガス、
たとえばプロパンをケーシング32の内部空間34に注
入する。
ガス注入部23の下部に隣接して設けられ、ケーシング
35と、複数の放電電極36と、複数のアース電極37
とを含む。ケーシング35の内部空間38は、炭化水素
系ガス注入部23の内部空間34に連通する。該内部空
間38には、複数の放電電極36および複数のアース電
極37が収容される。ケーシング35の下部には、ガス
排出口13bが設けられる。
状体から成り、鉛直方向に延びて設けられ、水平方向に
相互に間隔をあけて2列設けられる。この線状体の断面
形状は、正方形状である。ケーシング35の上部には、
その内部空間38に臨んで配置される碍子39が設けら
れる。該碍子39には、各放電電極36の上端部を保持
する保持部材41がケーシング35と電気的に絶縁され
た状態で設けられる。ケーシング35の下部には、その
内部空間38に臨み、前記碍子39に対向する位置に配
置される碍子40が設けられる。該碍子40には、前記
保持部材41に対向するように配置され、各放電電極3
6の下端部を保持する保持部材42がケーシング35と
電気的に絶縁された状態で設けられる。このようにして
各放電電極36は、各保持部材41,42間に鉛直方向
に延びて設けられる。
3が挿通可能な碍子44が装入される。該碍子44に
は、給電線43が装入される。該給電線43は、その一
端部が前記床面25に排ガス処理装置本体13に隣接し
て設置される前記直流パルス電源14の出力端子に接続
され、他端部が該電源14からの電力を各放電電極36
の下端部に共通に供給するように、各放電電極36に接
続される。本実施形態において、放電電極36の断面の
一辺の長さは、2〜6mm程度、好ましくは4mmに選
ばれる。直流パルス電源14の電力は、給電体44を介
して放電電極36の下端部に給電されるので、電源14
から給電位置までの距離が最短となり、これによって給
電体44の静電容量を最小にすることができる。
直径5mm程度の線状体が螺旋状に形成される螺旋状体
から成る。各アース電極37は、その中心軸線と各放電
電極36の軸線とが同軸になるように配置される。各ア
ース電極37は、ケーシング35を介して接地される。
本実施形態において、アース電極37において、軸線方
向長さ3m程度であり、ピッチは30mm程度であり、
内径は150mm程度である。このように構成によれ
ば、アース電極37の表面積は小さくなるので、静電容
量が小さくなり、電源14の負荷が小さくなる。
びアース電極37間に、直流電圧30k〜200kV、
好ましくは100k〜200kV、周波数100〜20
00Hz、すなわち周期500μs〜10ms、好まし
くは周波数1000Hz、すなわち周期1msのパルス
電圧を印加する。また電圧の立上り時間は、たとえば2
0〜300ns、好ましくは100nsである。この極
端に短い立上り時間の間に質量の小さい電子だけが加速
されて高速の電子が得られる。またパルス電圧の周期は
立上がり時間に比べて充分に長いので、この期間中に冷
却が行われて次のパルス電圧印加時には再び初期状態に
復帰し、ガスの温度上昇が抑制され、ガスの温度は常温
に保たれる。ここでパルス電圧の極性は、放電電極36
を正極とし、アース電極37を負極とする。これは正の
ストリーマコロナが強い進展傾向を有し、放電電極36
およびアース電極37間の空間を橋絡し、全空間にわた
って非平衡プラズマを発生させて単位容積あたりの反応
効果が大幅に向上するためである。
ース電極37間の放電距離に対して決定される。すなわ
ち前記放電距離が大きいときには高い電圧が印加され、
前記放電距離が小さいときには低い電圧が印加される。
印加電圧が30kV未満であるときには、前記放電距離
は小さくて済むが、これにともなって放電電極36およ
びアース電極37の数が増加してしまい、構成が複雑に
なるとともに電源14の負荷が増加してしまい、所望の
パルス電圧を生成することが困難になる。印加電圧が2
00kVを超えるときには、このような電源は高価であ
り、設備コストが高くなる。
z未満であるときには、放電の回数が減少することによ
って電子の放出回数が減少する。これによって電子がガ
スに衝突する回数が減少し、ガスを処理するために、放
電領域における滞留時間を長くする必要があり、ガスの
処理効率が低下するという問題がある。印加されるパル
ス電圧の周期が2000Hzを超えるときには、パルス
休止期間中にガスの充分な冷却が行われず、ガスの温度
が上昇し、熱プラズマに遷移してしまうという問題があ
る。
するには、放電に必要な電力を供給するための電源14
に対する負荷、すなわち放電電極36およびアース電極
37間の静電容量を小さくすることによって実現され
る。前記静電容量を小さくするには、1つの電源に接続
される放電電極36の数を減らすことによって、または
アース電極37の表面積を小さくすることによって、前
記電源14に対する前記静電容量を小さくすることがで
きる。立上り時間が20ns未満であるときには、アー
ス電極37の表面積を変えないときにおいて、立上り時
間を短くするために前記放電電極36の数を減らす必要
がある。これにともなって非平衡プラズマ発生部24に
接続される電源の数が増加してしまうという問題があ
る。前記立上り時間が300nsを超えるときには、パ
ルス電圧の立上りは急峻ではなくなり、プラズマ中の電
子のみならず、プラズマ中のイオンおよび分子も加速さ
れて、火花放電が生じ、熱プラズマへ遷移するという問
題がある。
方法を説明する。燃焼排ガスの処理量は、5000Nm
3/hである。誘引ファン6が駆動されると、焼却炉2
から塵埃およびNOxおよびダイオキシン類などの有害
物質を含む燃焼排ガスが排出される。この燃焼排ガス
は、流路8を介してガスクーラ3で所定の温度に冷却さ
れた後、電気集塵機4に導かれる。電気集塵機4では、
燃焼排ガスから大半の塵埃が除去される。
ーラ12で所定の温度、たとえば180℃に冷却された
後、非平衡プラズマ処理装置本体13のガス流入口13
aから下部空間29に導かれる。下部空間29に導かれ
た燃焼排ガスは、バグフィルタ28で濾過されて上部空
間30に導かれる。この濾過処理によって、燃焼排ガス
中から塵埃が完全に除去される。
水素系ガス注入部23の内部空間34に導かれる。炭化
水素系ガス注入部23において、この燃焼排ガスには、
炭化水素系ガス供給源33からごく少量、たとえば10
0ppmのプロパンが注入される。
衡プラズマ発生部24の内部空間38に導かれる。この
燃焼排ガスは、放電電極36およびアース電極37間の
放電空間を通過するように導かれ、非平衡プラズマ中の
高速の電子によって、プロパンからOHラジカルを生成
するとともに、有害物質を分解または励起して活性化し
た状態にする。この活性状態の有害物質とOHラジカル
とが化学反応して、別の無害な物質が生成される。この
ようにして燃焼排ガス中の有害物質が分解除去される。
ス排出口13bから流路10に導かれる。流路10に導
かれた燃焼排ガスの一部は、戻り流路15に導かれ、ダ
ンパ17,18で流量が調整されて循環ガスヒータ16
で加熱された後、流路9に戻される。残余の燃焼排ガス
は、誘引ファン6および流路11を介して煙突7に導か
れて、大気放出される。
のは、分解または励起されて活性化した状態の有害物質
は不安定な状態であり、そのまま排出すると元の安定な
有害物質に戻ってしまう確率が高いからである。これを
防止するために、本発明のように、非平衡プラズマ中
で、活性状態の有害物質とOHラジカルとを化学反応さ
せて、別の安定な無害な物質を生成して燃焼排ガスを無
害化しているのである。
に関して、上述の都市ごみ焼却設備1において本願発明
者が行った実験結果を示す。
あり、ガス処理温度は180℃であり、電源14の容量
は公称50kWである。またプロパンの注入量は、10
0ppmである。
減量との関係を示すグラフである。図4において、横軸
は1Nm3/hあたりの電源14の注入電力(Wh/N
m3)を示し、縦軸はNO除去低減量(ppm)を示
す。図中のラインL1はプロパンが注入されたときの実
験結果であり、L2は従来の無注入のときの実験結果で
ある。
よって酸化されてNO2になる。図4によれば、プロパ
ンを注入することによって同じ電力で、NOの低減量は
1.5〜2倍となることが判った。また100ppmの
NOを除去するとき、プロパン無注入時には、ラインL
2に示されるように、6Wh/Nm3必要であるのに対
し、プロパン注入時には、ラインL1に示されるよう
に、2Wh/Nm3で済み、電力消費量が3分の1にな
ることが判った。
ン類除去効率との関係を示すグラフである。図5におい
て、横軸は1Nm3/hあたりの電源14の注入電力
(Wh/Nm3)を示し、縦軸はダイオキシン類(TE
Q)除去効率(%)を示す。図中のラインL3はプロパ
ンが注入されたときの実験結果であり、L4は従来の無
注入のときの実験結果である。
は、注入電力が6Wh/Nm3のとき、プロパン無注入
時には、ラインL4に示されるように、70%であり、
プロパン注入時には93%となり、20%以上の向上す
ることが判った。また70%のダイオキシン類を除去す
るとき、プロパン無注入時には、L4に示されるよう
に、6Wh/Nm3必要であるのに対し、プロパン注入
時には、L3に示されるように、3Wh/Nm3済み、
電力消費量が2分の1になることが判った。
スを注入することが、NOおよびダイオキシン類の低減
に有効な理由としては、OHラジカルの発生量が増加し
たものと考えられる。非平衡プラズマ中で炭化水素系ガ
スは以下のような反応を起こしているものと考えられ
る。
中の高速の電子によって分解され、HラジカルからOH
ラジカルが生成するものと考えられる。このOHラジカ
ルは、その酸化力がオゾンO3およびOラジカルよりも
大きく、NOの酸化とダイオキシン類の酸化分解とに寄
与したものと考えられる。
された後に非平衡プラズマによって排ガスを処理するの
で、塵埃が非平衡プラズマを発生させる放電電極36お
よびアース電極37に付着せず、装置のメンテナンスが
容易であるとともに、塵埃の付着によって放電距離が短
くなり、放電の形態がコロナ放電から火花放電に遷移す
ることがなく、これによって可燃性のプロパンを用いて
も安全である。また注入ガスとしてごく少量のプロパン
が用いられるので、非平衡プラズマ中でこのプロパンか
らOHラジカルが生成され、このOHラジカルによって
活性状態の有害物質との反応が促進され、高効率で有害
物質を分解除去することができる。またこのプロパン
は、商業的に入手が容易でかつ安価な炭化水素系ガスで
ある。このような排ガスの処理はOHラジカルに寄与す
るので、従来のような高速の電子だけで有害物質を分解
除去する方法と比べて、本発明のように、処理ガス量に
比べてごく少量の、たとえば100ppmの商業的に入
手が容易でかつ安価なプロパンを注入して非平衡プラズ
マ中で排ガスとともに処理してOHラジカルに寄与する
化学反応を起こさせるだけで、排ガス処理に要する電力
消費量を大幅に低減することができる。
ガスにはプロパンが用いられたが、これに代えて、メタ
ン、エタンおよびブタンなどのパラフィン系炭化水素、
エチレンおよびブチレンなどのオレフィン系炭化水素、
アセチレンなどのアセチレン系炭化水素、メタノールお
よびエタノールなどのアルコール、または天然ガス、都
市ガス、燈油および熱分解ガスなどの燃料から成ってい
てもよい。このような炭化水素系ガスは商業的に安価に
かつ容易に入手できるガスであるので、経済性がよく、
排ガス処理に要するコストを低く抑えることができる。
から塵埃が除去された後に非平衡プラズマによって排ガ
スを処理するので、塵埃が非平衡プラズマを発生させる
放電電極およびアース電極に付着せず、装置のメンテナ
ンスが容易であるとともに、塵埃の付着によって放電距
離が短くなり、放電の形態がコロナ放電から火花放電に
遷移することがなく、これによって可燃性の炭化水素系
ガスを用いても安全である。また注入ガスとして炭化水
素系ガスが用いられるので、非平衡プラズマ中でOHラ
ジカルが生成され、このOHラジカルによって活性状態
の有害物質との反応が促進され、高効率で有害物質を分
解除去することができる。排ガスの処理はOHラジカル
に寄与するので、従来のような高速の電子だけで有害物
質を分解除去する方法と比べて、排ガス処理に要する電
力消費量を低減することができる。
素、アルコールまたは燃料などの炭化水素系ガスは安価
にかつ容易に入手できるので、経済性がよく、排ガス処
理に要するコストを低く抑えることができる。
処理方法を行うための処理装置を備えた都市ごみ焼却設
備1の構成を簡略化して示す系統図である。
す正面図である。
である。
を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 放電電極およびアース電極間のコロナ放
電によって発生する非平衡プラズマを用いる排ガスの処
理方法において、 少なくとも塵埃および有害物質を含む排ガスから塵埃を
除去する工程と、 塵埃が除去された排ガスに、炭素水素系ガスを注入する
工程と、 前記炭化水素系ガスを含む排ガスが非平衡プラズマが発
生する空間を通過するように、前記排ガスを導いて排ガ
ス中の有害物質を分解除去する工程とを含む排ガスの処
理方法。 - 【請求項2】 前記炭化水素系ガスは、炭化水素、アル
コールまたは燃料から成ることを特徴とする請求項1記
載の排ガスの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000199330A JP2002011324A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 排ガスの処理方法 |
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---|---|---|---|
JP2000199330A JP2002011324A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 排ガスの処理方法 |
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JP2000199330A Pending JP2002011324A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 排ガスの処理方法 |
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JP2004173704A (ja) * | 2002-11-22 | 2004-06-24 | Air Water Inc | 滅菌方法 |
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