JP2002010465A - 常温収縮型絶縁体を使用した電力ケーブル用接続部 - Google Patents

常温収縮型絶縁体を使用した電力ケーブル用接続部

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JP2002010465A
JP2002010465A JP2000180244A JP2000180244A JP2002010465A JP 2002010465 A JP2002010465 A JP 2002010465A JP 2000180244 A JP2000180244 A JP 2000180244A JP 2000180244 A JP2000180244 A JP 2000180244A JP 2002010465 A JP2002010465 A JP 2002010465A
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JP
Japan
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cold
insulator
cable
shrinkable
shrinkable insulator
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Application number
JP2000180244A
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English (en)
Inventor
Tamami Shimomura
珠三 霜村
Masahiro Miyauchi
正博 宮内
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量に構成でき、しかも長期間に亙
り良好な絶縁性能を発揮できる構造を実現する。 【解決手段】 常温収縮型絶縁体14の内部で、接続す
べき各電力ケーブル1、1を構成するケーブル導体2、
2の端部に固定した第一、第二の接続端子25、26同
士を接続する。接続作業の際、上記常温収縮型絶縁体1
4を何れかの電力ケーブル1の中央寄りに退避させる必
要がなく、小型・軽量化を図れる。又、上記常温収縮型
絶縁体14の内周面に設けた内周側傾斜面部16、16
と、ケーブル絶縁体3、3側に設けた外周側傾斜面部2
8、28との係合により、上記常温収縮型絶縁体14が
上記各電力ケーブル1、1の軸方向に変位する事がなく
なる。この為、温度変化が大きな場所に設置した場合で
も、長期間に亙り良好な絶縁性能を発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る常温収縮型絶
縁体を使用した電力ケーブル用接続部は、例えば架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブル(CVケーブル)等の高圧
電力ケーブルを構成するケーブル導体の端部同士を接続
する為の直線接続部を構成する為に使用する。
【0002】
【従来の技術】高圧電力ケーブルの端部同士の接続作業
を比較的容易に行なえる構造として、弾性材であるゴム
により造った常温収縮型絶縁体(プレモールドスリー
ブ)により、1対の電力ケーブルを構成するケーブル導
体同士の接続部を覆う構造が知られている。図9は、こ
の様な常温収縮型絶縁体を使用する電力ケーブルの直線
接続部の1例を示している。
【0003】互いに接続すべき1対の電力ケーブル1、
1は、それぞれがケーブル導体2の周囲をケーブル絶縁
体3により被覆して成る。これら1対の電力ケーブル
1、1のケーブル導体2の端部でそれぞれ上記ケーブル
絶縁体3から突出した部分同士は、導体接続子の一種で
ある接続スリーブ4により接続している。そして、この
接続スリーブ4の周囲を、常温収縮型絶縁体5により覆
っている。この常温収縮型絶縁体5は、高分子材料の一
種であるゴムにより円筒状に構成したもので、絶縁性を
有するゴム製の絶縁筒部6の軸方向中間位置の内周面部
分に、高圧電極である、半導電性を有するゴム製の内部
電極7を包埋している。又、上記絶縁筒部6の外周面
は、低圧電極である、半導電性を有するゴム製の外部電
極8により覆っている。
【0004】上述の様な常温収縮型絶縁体5は、上記1
対の電力ケーブル1、1のケーブル導体2の端部同士を
接続スリーブ4により接続するのに先立って、何れか一
方の電力ケーブル1に予め挿通しておく。尚、上記常温
収縮型絶縁体5の内径側には、この常温収縮チュ−ブ5
を拡径状態に保持する為の円筒状の保持スリーブ9(次
述する図10参照)が、工場若しくは現場で、予め挿入
されている。従って、この常温収縮型絶縁体5は、縮径
方向の弾力を付与された状態とされている。そして、上
記1対の電力ケーブル1、1のケーブル導体2の端部同
士を接続スリーブ4により接続した後、上記常温収縮型
絶縁体5を、上記1対の電力ケーブル1、1を構成する
ケーブル絶縁体3、3同士の間に掛け渡す位置に移動さ
せてから、上記保持スリーブを上記常温収縮型絶縁体5
の内径側から抜き取る。
【0005】図10は、この様に、常温収縮型絶縁体5
を拡径状態に保持しておく為の保持スリーブ9の1例を
示している。この保持スリーブ9は、線材をスパイラル
状に巻回した如きもので、上記常温収縮型絶縁体5を拡
径した状態で、この常温収縮型絶縁体5に挿通してい
る。直線接続部の組立時には、図10(B)に示す様に
上記線材の端部10を、上記保持スリーブ9の内側を通
じて抜き取る。この結果、上記常温収縮型絶縁体5の直
径が、その軸方向一端部(図10の左端部)から縮ま
る。この様にして上記保持スリーブ9を常温収縮型絶縁
体5の内径側から抜き取る事に伴い、この常温収縮型絶
縁体5が自身の弾性により縮径し、この常温収縮型絶縁
体5の両端部内周面を、上記各電力ケーブル1、1を構
成するケーブル絶縁体3、3の端部外周面に弾性的に当
接させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した、常温収
縮型絶縁体を使用した電力ケーブル用接続部の1種であ
る直線接続部の場合、接続部全体としての軸方向寸法が
嵩むだけでなく、温度変化が著しい場所に設置した場合
には、長期間経過後に絶縁性能が劣化する可能性があ
る。この点に就いて、以下に説明する。
【0007】先ず、軸方向寸法が嵩む点に就いて説明す
る。常温収縮型絶縁体5及び保持スリーブ9は、互いに
接続すべき1対の電力ケーブル1、1を構成するケーブ
ル導体2、2の端部同士を、接続スリーブ4により接続
するのに先立って、何れか一方の電力ケーブル1に外嵌
しておく必要がある。そして、上記1対のケーブル導体
2、2の端部同士を接続すべく、上記接続スリーブ4を
ダイスにより縮径する際には、上記常温収縮型絶縁体5
及び保持スリーブ9を、上記一方の電力ケーブル1の中
央寄り部分に退避させておかなければならない。従っ
て、この一方の電力ケーブル1の外径は、上記常温収縮
型絶縁体5及び保持スリーブ9を退避させるべき中央寄
り部分まで、この保持スリーブ9の内径よりも小さくし
ておかなければならない。
【0008】この為に従来は、上記一方の電力ケーブル
1を構成するケーブル絶縁体3の周囲に設けた遮蔽層及
び防食層等を、上記常温収縮型絶縁体5の軸方向長さに
相当する分、この電力ケーブルの中央寄り部分まで剥
し、上記常温収縮型絶縁体5及び保持スリーブ9を退避
させるべき場所を確保していた。この様に遮蔽層及び防
食層等を剥した部分は、上記常温収縮型絶縁体5を1対
の電力ケーブル1、1同士の間に掛け渡した後、新たに
遮蔽層及び防食層等により被覆しなければならない。現
場作業により新たに設ける遮蔽層及び防食層等の外径
は、元々上記一方の電力ケーブル1に設けられていた遮
蔽層及び防食層等の外径に比べて大きくなる為、前述し
た様に、接続部全体としての軸方向寸法が嵩む事にな
る。又、接続作業時に上記常温収縮型絶縁体5及び保持
スリーブ9の、上記電力ケーブル1に対する移動距離が
長くなると、その分、高度の絶縁性を要求される上記接
続スリーブ4の設置部分に異物を取り込む可能性が高く
なる為、好ましくない。
【0009】これに対して、上記保持スリーブ9として
内径の大きなものを使用し、この保持スリーブ9及びこ
の保持スリーブ9に外嵌した常温収縮型絶縁体5を、上
記遮蔽層及び防食層を設けた部分の周囲にまで移動させ
られる様にする事が考えられる。但し、この様な方法を
採用した場合には、上記常温収縮型絶縁体5の拡径率
(拡径状態での直径/自由状態での直径)を大きくしな
ければならない。この拡径率を大きくする事は、上記常
温収縮型絶縁体5を上記保持スリーブ9に外嵌する作業
を面倒にするだけでなく、この常温収縮型絶縁体5を構
成するゴム材料に無理な力を加え、この常温収縮型絶縁
体5の耐久性を劣化させる原因となる為、好ましくな
い。又、移動距離は短くならない為、異物を取り込む可
能性を低くする事はできない。
【0010】次に、長期間経過後に絶縁性能が劣化する
可能性の点に就いて説明する。図9に示した従来構造の
場合、1対の電力ケーブル1、1及び接続スリーブ4
と、常温収縮型絶縁体5とは、特に機械的に凹凸係合し
たり、化学的に接着したりしている訳ではない。上記電
力ケーブル1、1及び接続スリーブ4と常温収縮型絶縁
体5とのずれ止めは、この常温収縮型絶縁体5の内周面
と、上記各電力ケーブル1、1を構成するケーブル絶縁
体3、3の外周面との間に働く摩擦力のみで図ってい
る。
【0011】一方、上記常温収縮型絶縁体5とケーブル
絶縁体3、3とは、互いに異なる材料により造られてい
る為、温度変化に伴う熱膨張・収縮量が微妙に異なる。
この為、図9に示す様な直線接続部が、温度変化が著し
い場所に設置された場合には、長期間に亙る使用に伴っ
て、上記1対の電力ケーブル1、1及び接続スリーブ4
に対する上記常温収縮型絶縁体5の装着位置がずれ動く
可能性がある。そして、この装着位置のずれが大きくな
ると、上記直線接続部の絶縁性能が劣化してしまう。
【0012】一方、特開平11−266521号公報に
は、図11に示す様に、接続すべき各電力ケーブル1、
1のケーブル導体2、2の端部に固定した雄端子11、
11同士を雌端子12を介して接続した後、常温収縮型
絶縁体5から保持スリーブ9を抜き取って、直線接続部
を構成する方法が記載されている。上記各雄端子11、
11と雌端子12との接続は、上記保持スリーブ9の内
側で行なえるので、上記各電力ケーブル1、1のケーブ
ル絶縁体3、3を露出させるべき長さが短くて済み、接
続部全体としての軸方向寸法の短縮を図れる。但し、上
記公報に記載された方法により造られた直線接続部の場
合も、長期間経過後に絶縁性能が劣化する可能性は、前
述の図9に示した従来構造の場合と同じである。本発明
は、接続部全体としての軸方向寸法の短縮化を図ると同
時に、温度変化が著しい場所に長期間設置した場合にも
絶縁性能が劣化する事を防止できる、常温収縮型絶縁体
を使用した電力ケーブル用接続部を実現すべく発明した
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の常温収縮型絶縁
体を使用した電力ケーブル用接続部は、前述した従来構
造と同様に、互いに接続すべき1対の電力ケーブルを構
成するケーブル導体の端部で、これら各電力ケーブルを
構成するケーブル絶縁体から突出させた部分同士を、筒
状の常温収縮型絶縁体の内部で互いに接続している。こ
れと共に、この常温収縮型絶縁体の端部内周面を、上記
各電力ケーブルを構成するケーブル絶縁体の端部外周面
に全周に亙り当接させている。
【0014】特に、本発明の常温収縮型絶縁体を使用し
た電力ケーブル用接続部に於いては、上記1対のケーブ
ル導体の端部同士を、これら各ケーブル導体の端部に固
定され、互いに近づけ合う事により互いに接合される、
第一、第二の接続端子から成る接続ユニットにより、互
いに接続している。又、上記常温収縮型絶縁体は、軸方
向中間部でこの接続ユニットに対向する部分の内径が小
さく、軸方向両端部で互いに接続すべき1対の電力ケー
ブルを構成するケーブル絶縁体の端部に対向する部分の
内径が大きくなっている。そして、これら各ケーブル絶
縁体の端部外周面の形状は、上記常温収縮型絶縁体の両
端部内周面の形状に合わせた形状として、これら両周面
同士が密接自在としている。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明の常温収縮型絶縁体
を使用した電力ケーブル用接続部とその組立方法によれ
ば、接続部全体としての軸方向寸法を短くすると共に、
温度変化が著しい場所に長期間設置した場合でも、絶縁
性能が劣化する事を防止できる。
【0016】即ち、接続すべき1対の電力ケーブルを構
成するケーブル導体の端部同士は、これら各電力ケーブ
ルの端部を常温収縮型絶縁体内に挿入し、これら各電力
ケーブルを構成するケーブル導体の先端部に固定した第
一、第二の接続端子同士を突き合わせる事により接続で
きる。この為、接続作業時に上記常温収縮型絶縁体を、
何れかの電力ケーブルの中央寄りに退避させておく必要
がない。従って、この常温収縮型絶縁体の拡径率を特に
大きくしなくても、互いに接続すべき何れの電力ケーブ
ルに関しても、遮蔽層及び防食層を、上記常温収縮型絶
縁体の軸方向長さに相当する分、中央寄り部分にまで剥
す必要がなくなり、上記電力ケーブル用接続部全体とし
ての軸方向寸法の短縮を図れる。
【0017】又、上記常温収縮型絶縁体の軸方向両端部
の内周面は、開口端部に向かう程内径が大きくなる方向
に傾斜した円すい凹面であり、上記1対の電力ケーブル
を構成するケーブル絶縁体の端部外周面はこの円すい凹
面と密接する円すい凸面であり、上記1対のケーブルを
構成するケーブル導体の端部同士は、上記第一、第二の
接続端子を介して結合固定されている為、上記常温収縮
型絶縁体が上記各電力ケーブルに対し変位する事はな
い。従って、温度変化が著しい場所に長期間設置した場
合でも、絶縁性能が劣化する事を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜8は、本発明の実施の形態
の1例を示している。図1に示した様な構造を有する、
本発明の電力ケーブル用接続部を構成する為に、図2に
示す様な常温収縮型絶縁体ユニット13を用意する。こ
の常温収縮型絶縁体ユニット13は、弾性材製の常温収
縮型絶縁体14の内径側に、この常温収縮型絶縁体14
の直径を弾性的に広げた状態で、1対の保持スリーブ1
5a、15bを保持して成る。特に、本発明の実施に使
用する常温収縮型絶縁体14の内周面の軸方向2個所位
置には、それぞれ円すい凹面状の内周側傾斜面部16、
16を設けている。この様な各内周側傾斜面部16、1
6を設けた、上記常温収縮型絶縁体14は、図3に示す
様なマンドレル17を使用して、図4に示す様にして造
る。
【0019】このマンドレル17は、それぞれが中空管
状に構成した1対の素子18a、18bを組み合わせて
成る。一方(図3の左方)の素子18aの先端面(図3
の右端面)には円形の係合凹部19を、他方(図3の右
方)の素子18bの先端面(図3の左端面)には円形の
係合凸部20を、それぞれ形成している。上記常温収縮
型絶縁体14を造る際には、この係合凸部20と上記係
合凹部19とをがたつきなく嵌合させ、上記1対の素子
18a、18bの先端面同士を隙間なく突き当てる。そ
して、これら両素子18a、18bの中心孔21、21
を挿通した図示しないボルトとナットとを螺合し更に緊
締して上記両素子18a、18bを一体的に結合固定し
たものを、上記常温収縮型絶縁体14を形成する為の金
型内にセットする。そして、この金型により、この常温
収縮型絶縁体14を構成する内部電極7aと、絶縁筒部
6aと、外部電極8とを、内径側から外径側に、順番に
形成する。そして、上記常温収縮型絶縁体14を形成し
た後、上記ボルトを上記中心孔21、21から抜き取っ
て、上記両素子18a、18bを、上記常温収縮型絶縁
体14の両端開口部から抜き取る。
【0020】この様にして得られた常温収縮型絶縁体1
4は、直径を弾性的に広げた状態で、図2に示す様に、
前記1対の保持スリーブ15a、15bに外嵌してお
く。本例の場合に使用するこれら各保持スリーブ15
a、15bは、内端側の小径部22と外端側の大径部2
3とを傾斜部24により連続させたものとしている。こ
の様な1対の保持スリーブ15a、15bは、それぞれ
の内端縁(小径部22の先端縁)を、上記常温収縮型絶
縁体14の軸方向中央部、即ち上記内部電極7aの内径
側部分で突き合わせた状態で、この常温収縮型絶縁体1
4の内径側に保持し、この常温収縮型絶縁体14の直径
が弾性的に縮むのを阻止する。
【0021】一方、互いに接続すべき1対の電力ケーブ
ル1、1を構成するケーブル導体2、2の端部で、これ
ら各電力ケーブル1、1を構成するケーブル絶縁体3、
3から突出させた部分には、図5に示す様に、第一、第
二の接続端子25、26を、それぞれ結合固定してい
る。これら各接続端子25、26は、それぞれの基端部
に設けた圧縮端子部を上記各ケーブル導体2、2の端部
に外嵌した状態で縮径する事により、これら各ケーブル
導体2、2の端部に、機械的且つ電気的に接続してい
る。この接続作業は、予め行なっておく。又、上記第一
の接続端子25の先端部には雄側接続部を、上記第二の
接続端子26の先端部には雌側接続部を、それぞれ設け
ている。これら第一、第二の接続端子25、26を、図
5に示す状態から更に近づけると、上記雄側接続部と上
記雌側接続部とが互いに係合して、上記第一、第二の接
続端子25、26同士が機械的且つ電気的に接続され
る。尚、この様な第一、第二の接続端子25、26から
成る接続ユニット27は、従来から周知のものを使用で
きるので、詳しい図示並びに説明は省略する。
【0022】又、上記各電力ケーブル1、1を構成する
ケーブル絶縁体3、3の端部は斜めに削り取って、先端
に向かう程外径が小さくなる、円すい凸面状の外周側傾
斜面部28、28を形成している。これら各外周側傾斜
面部28、28の傾斜方向並びに傾斜角度は、前記常温
収縮型絶縁体14の内周面に設けた内周側傾斜面部1
6、16の傾斜方向並びに傾斜角度と一致させている。
尚、上記各外周側傾斜面部28、28の傾斜角度と、上
記常温収縮型絶縁体14が自由状態の場合に於ける上記
各内周側傾斜面部16、16の傾斜角度とは、必ずしも
厳密に一致させる必要はない。これら両傾斜面部28、
16の傾斜角度が多少ずれていても、上記常温収縮型絶
縁体14を構成するゴム材料の弾性に基づき、電力ケー
ブル用接続部の完成時に、上記両傾斜面部28、16同
士が密接すれば良い。
【0023】上述の図5に示す様な加工を施した、上記
1対の電力ケーブル1、1同士を、前述の図2に示す様
な常温収縮型絶縁体ユニット13の内径側で結合して、
図1に示した様な構造を有する、本発明の電力ケーブル
用接続部を構成する作業は、次の様にして行なう。
【0024】先ず、図6に示す様に、上記1対の電力ケ
ーブル1、1の接続すべき端部を、上記常温収縮型絶縁
体ユニット13内に、その両端開口から挿入する。そし
て、図7に示す様に、上記両電力ケーブル1、1を構成
する各ケーブル導体2、2の先端部に固定した第一、第
二の接続端子25、26同士を、上記常温収縮型絶縁体
ユニット13の軸方向中央部に設けた内部電極7aの内
径側部分で突き合わせる。この結果、上記各ケーブル導
体3、3同士が、機械的且つ電気的に結合される。
【0025】次いで、上記常温収縮型絶縁体ユニット1
3を構成する前記各保持スリーブ15a、15bを、前
記常温収縮型絶縁体14の内径側から抜き取る。本例の
場合にこの抜き取り作業は、図8に示す様に一方(図8
の左方)の保持スリーブ15a(図2、6、7参照)を
抜き取った後、他方(図8の右方)の保持スリーブ15
bを抜き取る事により行なう。尚、これら両保持スリー
ブ15a、15bの抜き取り作業は、スパイラル状に巻
回されてこれら各保持スリーブ15a、15bを構成す
る線材の先端部を、上記常温収縮型絶縁体14の軸方向
中央部から、これら各保持スリーブ15a、15bの外
周面と常温収縮型絶縁体14の外周面との間の隙間を通
じて抜き取る事により行なう。
【0026】この様にして上記各保持スリーブ15a、
15bを上記常温収縮型絶縁体14内から抜き取ると、
この常温収縮型絶縁体14の直径が弾性的に縮まる。そ
して、図1に示す様に、この常温収縮型絶縁体14の内
周面と、上記各電力ケーブル1、1を構成する各ケーブ
ル絶縁体3、3及び上記第一、第二の接続端子25、2
6の外周面とが密接する。
【0027】この様に本発明の構造によれば、接続すべ
き1対の電力ケーブル1、1を構成するケーブル導体
2、2の端部同士は、これら各電力ケーブル1、1の端
部を常温収縮型絶縁体14内に挿入し、これら各電力ケ
ーブル1、1を構成するケーブル導体2、2の先端部に
固定した第一、第二の接続端子25、26同士を突き合
わせる事により接続できる。この為、接続作業時に上記
常温収縮型絶縁体14を、何れかの電力ケーブル1の中
央寄りに退避させておく必要がない。従って、上記常温
収縮型絶縁体14の拡径率を特に大きくしなくても、互
いに接続すべき何れの電力ケーブル1、1に関しても、
遮蔽層及び防食層を、上記常温収縮型絶縁体14の軸方
向長さに相当する分、中央寄り部分にまで剥す必要がな
くなる。従って、後から遮蔽層及び防食層を設けるべき
部分の長さが短くなり、上記電力ケーブル用接続部全体
としての軸方向寸法を短縮できて、マンホール内等の狭
い空間への設置作業が容易になる。又、上記常温収縮型
絶縁体11を、何れの電力ケーブル1、1の中央寄り部
分にも移動させない為、上記電力ケーブル用接続部の内
部に、絶縁不良に結び付く様な異物を取り込む危険性を
少なくできる。
【0028】この様な効果は、通常の電力ケーブル1、
1同士を接続する場合でも十分に得られるが、3本の電
力ケーブルを撚り合わせた、トリプレックス型と呼ばれ
る電力ケーブルの接続を行なう場合に、更に顕著にな
る。即ち、トリプレックス型ケーブルを構成する3本の
電力ケーブルの端部同士を接続する際には、これら3本
の電力ケーブルをほぐす必要がある。前述の図9に示し
た従来構造の様に、何れかの電力ケーブル1の中央寄り
部分に常温収縮チューブ5を外嵌する必要があると、ほ
ぐさなければならない量が多くなるが、本発明によれ
ば、この量を少なくできる。尚、上記トリプレックス型
ケーブルを本発明の構造及び方法により接続する場合に
は、接続に使用する3個の常温収縮型絶縁体を一体的に
束ねておく事もできる。この様にすれば、上記トリプレ
ックス型ケーブルを構成する3本の電力ケーブルの接続
作業を一括して行なう事で接続作業の能率化を図り、更
に保護銅管等による遮蔽処理を一括して行なう事で、電
力ケーブル用接続部全体としての小型化を図れる。
【0029】又、上記1対の電力ケーブル1、1同士が
離れる事は、前記第一、第二の接続端子25、26同士
が機械的に結合される事により防止されており、上記両
電力ケーブル1、1に対し上記常温収縮型絶縁体14が
軸方向にずれ動く事は、この常温収縮型絶縁体14の軸
方向両端部の内周面に形成した前記内周側傾斜面部1
6、16と、上記各電力ケーブル1、1を構成するケー
ブル絶縁体3、3の端部外周面に形成した外周側傾斜面
部28、28との係合により防止される。従って、本発
明の常温収縮型絶縁体を使用した電力ケーブル用接続部
を、温度変化の著しい場所に設置し、上記常温収縮型絶
縁体14と上記各ケーブル絶縁体3、3との熱膨張・収
縮が繰り返された場合でも、上記各電力ケーブル1、1
に対する上記常温収縮型絶縁体14の取付位置がずれ動
く事はない。この結果、長期間に亙る使用に拘らず、上
記電力ケーブル用接続部の絶縁性能を良好なままに維持
できる。
【0030】尚、図示の例では、常温収縮型絶縁体14
と保持スリーブ15a、15bとを組み合わせて常温収
縮型絶縁体ユニット13を構成した状態でも、軸方向中
央部の内径を軸方向両端部の内径よりも大きくしてい
る。但し、常温収縮型絶縁体ユニットの内径は、必ずし
も上記常温収縮型絶縁体14の自由状態或は組み付け状
態と同様に、軸方向に関して変化させる必要はない。即
ち、上記常温収縮型絶縁体14の弾性変形量を軸方向に
関して不同にし、この常温収縮型絶縁体14を、前述の
図10に示す様な、単なる円筒状の保持スリーブ9に外
嵌して、常温収縮型絶縁体ユニットとする事もできる。
この場合には、必ずしも保持スリーブとして軸方向に2
分割されたものを使用しなくても良く、前述の図10に
示す様な一体のものを使用しても良い。
【0031】又、前記第一、第二の接続端子25、26
の外周面と、これら各接続端子25、26を固定した前
記ケーブル導体2、2の端部外周面とは、軸方向に関す
る凹凸面となるが、スペーサ等を用いて、この凹凸をな
くしても良い。即ち、上記第一、第二の接続端子25、
26の外径を互いに一致させ、これら両接続端子25、
26同士を結合した状態で、これら両接続端子25、2
6の外周面により単一円筒面を構成する。これと共に、
上記各ケーブル導体2、2の端部で上記両接続端子2
5、26の基端面と前記各ケーブル導体3、3の先端面
との間に露出した部分に、これら両接続端子25、26
と同じ外径を有する金属製のスリーブを、これら各ケー
ブル導体3、3と接続端子25、26とを結合するのに
先立って、外嵌しておく。この様に構成する事により、
これら両接続端子25、26を設置した部分の電界状態
を良好にして、電力ケーブル用接続部の絶縁性能をより
良好にできる。
【0032】更に、前記内部電極7aの形状を保持する
為に、この内部電極7a内に、金属製の支持部材を包埋
支持する事もできる。この様な支持部材としては、それ
ぞれが短冊状に形成された複数枚の金属板を円筒状に配
列したものが考えられる。この様な支持部材により上記
内部電極7aを、その形状を保持した状態のまま直径を
拡縮自在にする事で、前記凹凸をなくした場合と同様
に、上記両接続端子25、26を設置した部分の電界状
態を良好にして、電力ケーブル用接続部の絶縁性能をよ
り良好にできる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、小型且つ軽量で、長期間に亙って良好な絶縁
性能を発揮できる、常温収縮型絶縁体を使用した電力ケ
ーブル用接続部を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、完成状態の
断面図。
【図2】図1の構造を組み立てる為に使用する常温収縮
型絶縁体ユニットの断面図。
【図3】常温収縮型絶縁体を成形する為に使用するマン
ドレルを分解した状態で示す断面図。
【図4】このマンドレルを使用して常温収縮型絶縁体を
成形する状態を示す半部断面図。
【図5】接続すべき1対の電力ケーブルの端部を、結合
前の状態で示す側面図。
【図6】結合作業の初期段階を示す半部切断側面図。
【図7】続く段階を示す半部切断側面図。
【図8】更に続く段階を示す半部切断側面図。
【図9】従来から知られている常温収縮型絶縁体を使用
した電力ケーブル用接続部の1例を示す断面図。
【図10】この従来構造の第1例を構成する為の状態を
示しており、(A)はケーブルに外嵌する前の状態を示
す断面図、(B)はケーブルに外嵌してから保持スリー
ブを引き抜く途中の状態を示す断面図。
【図11】電力ケーブル用接続部の全長を縮める為に考
えられた従来構造の1例を示す部分分解断面図。
【符号の説明】
1 電力ケーブル 2 ケーブル導体 3 ケーブル絶縁体 4 接続スリーブ 5 常温収縮型絶縁体 6、6a 絶縁筒部 7、7a 内部電極 8 外部電極 9 保持スリ−ブ 10 端部 11 雄端子 12 雌端子 13 常温収縮型絶縁体ユニット 14 常温収縮型絶縁体 15a、15b 保持スリーブ 16 内周側傾斜面部 17 マンドレル 18a、18b 素子 19 係合凹部 20 係合凸部 21 中心孔 22 小径部 23 大径部 24 傾斜部 25 第一の接続端子 26 第二の接続端子 27 接続ユニット 28 外周側傾斜面部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに接続すべき1対の電力ケーブルを
    構成するケーブル導体の端部で、これら各電力ケーブル
    を構成するケーブル絶縁体から突出させた部分同士を、
    筒状の常温収縮型絶縁体の内部で互いに接続すると共
    に、この常温収縮型絶縁体の端部内周面を、上記各電力
    ケーブルを構成するケーブル絶縁体の端部外周面に全周
    に亙り当接させて成る、常温収縮型絶縁体を使用した電
    力ケーブル用接続部に於いて、上記1対のケーブル導体
    の端部同士を、これら各ケーブル導体の端部に固定さ
    れ、互いに近づけ合う事により互いに接合される、第
    一、第二の接続端子から成る接続ユニットにより、互い
    に接続しており、上記常温収縮型絶縁体は、軸方向中間
    部でこの接続ユニットに対向する部分の内径が小さく、
    軸方向両端部で互いに接続すべき1対の電力ケーブルを
    構成するケーブル絶縁体の端部に対向する部分の内径が
    大きくなっており、これら各ケーブル絶縁体の端部外周
    面の形状は、上記常温収縮型絶縁体の両端部内周面の形
    状に合わせた形状として、これら両周面同士が密接自在
    としている事を特徴とする、上記常温収縮型絶縁体を使
    用した電力ケーブル用接続部。
JP2000180244A 2000-06-15 2000-06-15 常温収縮型絶縁体を使用した電力ケーブル用接続部 Pending JP2002010465A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100712728B1 (ko) * 2006-03-07 2007-05-04 주식회사 아토 가스분리형 샤워헤드의 세정 장치

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