JP2002010256A - 画像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体

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JP2002010256A JP2000192407A JP2000192407A JP2002010256A JP 2002010256 A JP2002010256 A JP 2002010256A JP 2000192407 A JP2000192407 A JP 2000192407A JP 2000192407 A JP2000192407 A JP 2000192407A JP 2002010256 A JP2002010256 A JP 2002010256A
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秀樹 大塚
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丈晴 西片
Takeshi Kunihiro
威 國弘
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孝文 森藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MPEGエンコードされた画像等に生じる歪
みを、容易に低減して、高画質の復号画像を得る。 【解決手段】 ブロック境界段差検出部21は、注目ブ
ロックの境界における画素値と、その注目ブロックに隣
接するブロックである隣接ブロックの境界における画素
値との差分に対応する差分情報を求め、補正値算出部2
3は、注目ブロックの差分情報に対して、その注目ブロ
ックのアクティビティに基づく重みを付すことにより、
補正値を得る。そして、補正値加算部31は、注目ブロ
ックのDCT係数を、補正値によって補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び画像処理方法、並びに記録媒体に関し、特に、例え
ば、MPEG(Moving Picture Experts Group)符号化さ
れた画像に生じる歪みを、容易に低減することができる
ようにする画像処理装置および画像処理方法、並びに記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、MPEG1や2等の規格に基づ
いてエンコード(MPEGエンコード)された画像デー
タをMPEGデコードして得られる復号画像には、MP
EGエンコードの際に、DCT(Discrete Cosine Trans
form)係数が量子化されることに起因して、ブロック歪
み等の各種の歪みが発生する。
【0003】即ち、DCT係数を量子化すると、その一
部が失われ、DCT処理を施す単位であるブロックのパ
ターンが単純化し、隣接するブロックにおいて、画素値
が大きく異なる値となることによる不連続な段差が現れ
るが、これは、ブロック歪みと呼ばれる。
【0004】ブロック歪みは、ブロック単位の画素をD
CT処理して量子化するというMPEG方式のエンコー
ドでは避けられないものであり、MPEGエンコードさ
れたビデオストリームを、MPEGの規格に準拠してデ
コードする限り、少なからず発生する。なお、ブロック
歪みは、平坦な画像において特に目立ち、また、圧縮率
を高くすると(量子化スケールを大きくすると)、顕著
に現れる。
【0005】そこで、例えば、再公表特許WO98/5
4892等には、MPEGデコードして得られる復号画
像について、ブロックの境界の位置を判定し、その境界
で発生している画素値の段差を検出して、その段差を、
ブロック境界付近の画素値を操作することで低減する方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MPE
Gエンコーダでは、P(前方向予測符号化)ピクチャや
B(両方向予測符号化)ピクチャについては、既にエン
コードされてローカルデコードされた画像を参照画像と
して、その参照画像に動き補償を施すことにより得られ
る予測画像との差分(予測残差)がDCT処理されて量
子化される。従って、MPEGデコーダでも、Pピクチ
ャやBピクチャは、既にデコードされた画像を参照画像
として、その参照画像に動き補償を施すことにより得ら
れる予測画像と、その予測残差とが加算されることによ
りデコードされるが、上述の方法では、予測画像を得る
ときに行われる動き補償によって移動する参照画像のブ
ロックの境界を、その参照画像について動き検出を行う
ことにより追跡する必要があり、面倒であった。
【0007】さらに、その動き検出においては、MPE
Gエンコーダで検出された動きベクトルと同一の動きベ
クトルを得る必要があるが、参照画像、即ち、MPEG
デコーダでデコードされた画像を用いて動き検出を行っ
ても、MPEGエンコーダで検出されたのと同一の動き
ベクトルを検出することができるとは限らず、この場
合、参照画像に生じているブロック歪みが、その参照画
像に動き補償を施すことにより得られる予測画像を用い
てデコードされる画像に現れることとなる。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、MPEGエンコードされた画像等に生じ
る歪みを、容易に低減し、これにより、高画質の復号画
像を得ることができるようにするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、ブロックの境界における画素値と、そのブロックに
隣接するブロックである隣接ブロックの境界における画
素値との差分に対応する差分情報を求める差分情報演算
手段と、差分情報に基づいて、直交変換係数の補正に用
いる補正情報を求める補正情報演算手段とを備えること
を特徴とする。
【0010】本発明の画像処理方法は、ブロックの境界
における画素値と、そのブロックに隣接するブロックで
ある隣接ブロックの境界における画素値との差分に対応
する差分情報を求める差分情報演算ステップと、差分情
報に基づいて、直交変換係数の補正に用いる補正情報を
求める補正情報演算ステップとを備えることを特徴とす
る。
【0011】本発明の記録媒体は、ブロックの境界にお
ける画素値と、そのブロックに隣接するブロックである
隣接ブロックの境界における画素値との差分に対応する
差分情報を求める差分情報演算ステップと、差分情報に
基づいて、直交変換係数の補正に用いる補正情報を求め
る補正情報演算ステップとを備えるプログラムが記録さ
れていることを特徴とする。
【0012】本発明の画像処理装置および画像処理方
法、並びに記録媒体においては、ブロックの境界におけ
る画素値と、そのブロックに隣接するブロックである隣
接ブロックの境界における画素値との差分に対応する差
分情報が求められ、その差分情報に基づいて、直交変換
係数の補正に用いる補正情報が求められる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した画像処
理装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0014】この画像処理装置は、入力画像分析部1、
歪補正値算出部2、および画像再構成部3で構成され、
例えば、MPEG1や2等の規格に準拠してエンコード
された画像データをデコードするようになっている。
【0015】入力画像分析部1は、MPEGデコード部
11、DCT係数抽出/逆量子化部12、およびサイド
インフォメーション(side information)抽出部13で構
成されており、そこには、画像データをMPEGエンコ
ードすることにより得られたビデオストリーム(以下、
適宜、MPEGビデオストリームという)が入力される
ようになっている。
【0016】MPEGデコード部11には、入力画像分
析部1に入力されるMPEGビデオストリームの他、画
像再構成部3の画像メモリ34に記憶された、歪みの低
減された復号画像が、参照画像として供給されるように
なっている。MPEGデコード部11は、そこに供給さ
れるMPEGビデオストリームをMPEGデコードし、
その結果得られる復号画像を、歪補正値算出部2のブロ
ック境界段差検出部21およびアクティビティ算出部2
2に供給する。また、MPEGデコード部11は、I
(イントラ符号化)ピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャ
のうちの、PピクチャとBピクチャの復号に用いられる
予測画像(既に復号された画像を参照画像として、その
参照画像に、動きベクトルにしたがって動き補償を施す
ことにより得られる画像)を、画像再構成部3の出力画
像作成部33に供給する。
【0017】なお、MPEGデコード部11は、その内
部で得られる復号画像ではなく、上述のようにして画像
メモリ34から供給される、歪みの低減された復号画像
を参照画像として用い、その参照画像に対して、MPE
Gビデオストリームに含まれる動きベクトルにしたがっ
て動き補償を施すことにより、予測画像を得るようにな
っている。
【0018】従って、MPEGデコード部11における
動き補償は、歪みの低減された復号画像を参照画像とし
て用いて行われるため、参照画像に生じているブロック
歪みが、その参照画像に動き補償を施すことにより得ら
れる予測画像を用いてデコードされる画像に現れること
を防止することができる。即ち、MPEGデコード部1
1において、そこでMPEGデコードされたIまたはP
ピクチャを参照画像として動き補償により予測画像を生
成する場合には、その参照画像とするIまたはPピクチ
ャにおいて生じているブロック歪みが、動き補償により
移動する。さらに、その動き補償により得られる予測画
像には、PまたはBピクチャの予測残差が加算されて、
そのPまたはBピクチャが復号されるが、その復号され
たPまたはBピクチャには、予測画像における歪みに加
えて、予測残差における歪みも現れ、歪み自体の検出が
困難となる。これに対して、MPEGデコード部11
は、上述のようにして画像メモリ34から供給される、
歪みの低減された復号画像を参照画像として用い、その
参照画像に対して、MPEGビデオストリームに含まれ
る動きベクトルにしたがって動き補償を施すので、上述
のような歪み検出の問題は生じない。
【0019】DCT係数抽出/逆量子化部12には、入
力画像分析部1に入力されるMPEGビデオストリーム
が供給されるようになっている。DCT係数抽出/逆量
子化部12は、そこに供給されるMPEGビデオストリ
ームから、量子化されたDCT係数を抽出して逆量子化
し、その結果得られる8×8画素のブロックごとのDC
T係数を、画像再構成部3の補正値加算部31に供給す
る。
【0020】サイドインフォメーション抽出部13に
は、入力画像分析部1に入力されるMPEGビデオスト
リームが供給されるようになっている。サイドインフォ
メーション抽出部13は、そこに供給されるMPEGビ
デオストリームに含まれる、例えば、量子化スケールや
量子化テーブル、DCTタイプ等のサイドインフォメー
ションを抽出し、歪補正値算出部2および画像再構成部
3に供給する。即ち、例えば、量子化スケールは、画像
再構成部3の補正値加算部31に供給され、DCTタイ
プは、歪補正値算出部2のブロック境界段差検出部21
およびアクティビティ算出部22、並びに画像再構成部
3の補正値加算部31に供給される。
【0021】歪補正値算出部2は、ブロック段差検出部
21、アクティビティ算出部22、補正値算出部23、
DCT変換部24、および高域低減部25から構成さ
れ、入力画像分析部1のDCT係数抽出/逆量子化部1
2が出力する、逆量子化されたDCT係数の補正に用い
る補正値を算出する。
【0022】即ち、ブロック境界段差検出部21は、M
PEGデコード部11からのブロック単位の復号画像に
ついて、各ブロックを順次、注目ブロックとし、注目ブ
ロックの境界を構成する画素値と、その注目ブロックに
隣接するブロックの境界を構成する画素値との差分を、
サイドインフォメーション部13から供給されるDCT
タイプを参照することで演算し、注目ブロックの境界の
差分情報として、補正値算出部23に供給する。
【0023】アクティビティ算出部22は、MPEGデ
コード部11からのブロック単位の復号画像について、
注目ブロックのアクティビティを演算するとともに、そ
の注目ブロックに隣接するブロックのアクティビティ
を、サイドインフォメーション部13から供給されるD
CTタイプを参照することで演算し、補正値算出部23
および高域低減部25に供給する。
【0024】補正値算出部23は、ブロック境界段差検
出部21からのブロックの境界の差分情報に対して、ア
クティビティ算出部22からのアクティビティに基づく
重み付けを行い、その重み付け結果を、DCT係数抽出
/逆量子化部12が出力する、逆量子化されたDCT係
数の補正に用いる補正値として、DCT変換部24に供
給する。
【0025】DCT変換部24は、補正値算出部23か
らの補正値にDCT処理を施し、高域低減部25に供給
する。即ち、図1において、補正値算出部23が出力す
る補正値は、空間領域の値(画素値の差分)となってい
るので、DCT変換部24は、その空間領域の補正値を
DCT処理することで、周波数領域の補正値としてのD
CT係数に変換し、高域低減部25に供給する。
【0026】高域低減部25は、DCT変換部24から
の補正値としてのDCT係数を、アクティビティ算出部
22からのアクティビティに基づいて修正し、その修正
後の補正値を、画像再構成部3の補正値加算部31に供
給する。
【0027】画像再構成部3は、補正値加算部31、逆
DCT変換部32、出力画像作成部33、画像メモリ3
4、およびピクチャ選択部35で構成され、入力画像分
析部1のDCT係数抽出/逆量子化部12が出力するブ
ロック単位のDCT係数に対して、歪補正値算出部2が
出力する補正値に基づく補正を施し、その補正後のDC
T係数を用いて、画像を復号する。
【0028】即ち、補正値加算部31は、DCT係数抽
出/逆量子化部12が出力するブロックのDCT係数
と、高域低減部25が出力する補正値としてのDCT係
数とを加算(減算)し、これにより、ブロックのDCT
係数を補正して、逆DCT変換部32に供給する。
【0029】逆DCT変換部32は、補正値加算部31
が出力するブロックの、補正されたDCT係数を逆DC
T処理し、画素値のブロックを復号して、出力画像作成
部33に供給する。
【0030】出力画像作成部33は、必要に応じて、逆
DCT変換部32からの画素値のブロックに対して、M
PEGデコード部11が出力する予測画像を、サイドイ
ンフォメーション部13が出力するDCTタイプを参照
することで加算することにより、復号画像のブロックを
得る。さらに、出力画像作成部33は、その復号画像の
ブロックを、ピクチャ選択部35に供給するとともに、
必要に応じて、画像メモリ34に供給する。
【0031】画像メモリ34は、出力画像作成部33が
出力する復号画像のうち、PまたはBピクチャの予測画
像を作成するための参照画像となるものを記憶する。そ
して、画像メモリ34に記憶された画像は、必要に応じ
て読み出され、MPEGデコード部11に参照画像とし
て供給されるとともに、ピクチャ選択部35に供給され
る。なお、MPEG1や2において、予測画像の作成に
用いられる参照画像となるのは、Iピクチャか、Pピク
チャなので、本実施の形態では、画像メモリ34に記憶
されるのは、IピクチャとPピクチャだけで、Bピクチ
ャは記憶されない。
【0032】ピクチャ選択部35は、出力画像作成部3
3が出力する画像、または画像メモリ34から読み出さ
れる画像のうちのいずれか一方を、必要に応じて選択し
て出力する。即ち、MPEGでは、画像のデコード(エ
ンコード)順序と、表示順序とが一致していないため、
ピクチャ選択部35は、出力画像作成部33が出力する
画像、または画像メモリ34に記憶された画像のうち
の、いま表示すべき方を選択して出力する。
【0033】なお、図1の画像処理装置(後述する図2
2の画像処理装置においても同様)においては、実際に
は、各ブロックにおける遅延に対処するのに、タイミン
グ調整用のメモリと同期信号が必要となるが、図が煩雑
になるのを避けるため、その図示は省略してある。
【0034】次に、図2のフローチャートを参照して、
図1の画像処理装置による画像の復号処理について説明
する。
【0035】入力画像分析部1に対して、MPEGビデ
オストリームが供給されると、入力画像分析部1は、ス
テップS1において、いま復号対象となっているのがI
ピクチャであるかどうかを判定する。
【0036】ステップS1において、いま復号対象とな
っているのがIピクチャであると判定された場合、ステ
ップS2に進み、MPEGデコード部11は、そのIピ
クチャをMPEGデコードし、ブロック境界段差検出部
21およびアクティビティ算出部22に供給する。さら
に、ステップS2では、DCT係数抽出/逆量子化部1
2が、MPEGビデオストリームから、MPEGデコー
ド部11で復号されたIピクチャの、量子化されたDC
T係数を抽出して逆量子化し、補正値加算部31に供給
するとともに、サイドインフォメーション部13が、M
PEGビデオストリームから、MPEGデコード部11
で復号されたIピクチャについての量子化スケールおよ
びDCTタイプを抽出する。量子化スケールは、補正値
加算部31に供給され、DCTタイプは、ブロック境界
段差検出部21、アクティビティ算出部22、および補
正値加算部31に供給される。
【0037】一方、ステップS1において、いま復号対
象となっているのがIピクチャでないと判定された場
合、即ち、復号対象がPまたはBピクチャである場合、
ステップS3に進み、MPEGデコード部11は、画像
メモリ34から参照画像を読み出して動き補償を施すこ
とにより、いま復号対象となっているPまたはBピクチ
ャの予測画像を作成して、出力画像作成部33に供給
し、ステップS4に進む。
【0038】ステップS4では、MPEGデコード部1
1は、いま復号対象となっているPまたはBピクチャ
の、量子化されたDCT係数を逆量子化および逆DCT
処理し、その結果得られる画素値の予測残差に、ステッ
プS3で得た予測画像を加算することで、いま復号対象
となっているPまたはBピクチャを復号する。そして、
MPEGデコード部11は、このPまたはBピクチャの
復号結果を、ブロック段差検出部31およびアクティビ
ティ算出部22に供給する。さらに、ステップS4で
は、DCT係数抽出/逆量子化部12が、MPEGビデ
オストリームから、MPEGデコード部11で復号され
たPまたはBピクチャの、量子化されたDCT係数を抽
出して逆量子化し、補正値加算部31に供給するととも
に、サイドインフォメーション部13が、MPEGビデ
オストリームから、MPEGデコード部11で復号され
たPまたはBピクチャについての量子化スケールおよび
DCTタイプを抽出する。量子化スケールは、補正値加
算部31に供給され、DCTタイプは、ブロック境界段
差検出部21、アクティビティ算出部22、および補正
値加算部31に供給される。
【0039】ステップS2またはS4の処理後は、いず
れも、ステップS5に進み、ブロック境界段差検出部2
1は、MPEGデコード部11からの復号画像のブロッ
クを、順次、注目ブロックとし、注目ブロックの境界を
構成する画素値と、その注目ブロックに隣接するブロッ
クの境界を構成する画素値との差分を、サイドインフォ
メーション部13から供給されるDCTタイプを参照し
ながら演算し、注目ブロックの境界の差分情報として、
補正値算出部23に供給して、ステップS6に進む。
【0040】ステップS6では、アクティビティ算出部
22は、MPEGデコード部11からの復号画像におけ
る注目ブロックのアクティビティと、その注目ブロック
に隣接するブロックのアクティビティとを、サイドイン
フォメーション部13から供給されるDCTタイプを参
照しながら演算し、補正値算出部23および高域低減部
25に供給して、ステップS7に進む。
【0041】ステップS7では、補正値算出部23は、
ブロック境界段差検出部21からのブロックの境界の差
分情報に対して、アクティビティ算出部22からのアク
ティビティに基づく重みを付し、その重み付け結果を、
補正値として、DCT変換部24に供給して、ステップ
S8に進む。ステップS8では、DCT変換部24は、
補正値算出部23からの補正値にDCT処理を施し、高
域低減部25に供給して、ステップS9に進む。ステッ
プS9では、高域低減部25は、DCT変換部24から
の補正値としてのDCT係数のうちの高次のものを、ア
クティビティ算出部22からのアクティビティに基づい
て修正し、その修正後の補正値を、補正値加算部31に
供給して、ステップS10に進む。
【0042】ステップS10では、画像再構成部3が、
いま復号対象となっているのがIピクチャであるかどう
かを判定し、Iピクチャであると判定した場合、ステッ
プS11に進み、補正値加算部31は、DCT係数抽出
/逆量子化部12が出力するブロックのDCT係数と、
高域低減部25が出力する補正値としてのDCT係数と
を加算し、即ち、ここでは、DCT係数抽出/逆量子化
部12が出力するブロックのDCT係数から、高域低減
部25が出力する補正値としてのDCT係数を減算し、
これにより、ブロックのDCT係数を補正して、逆DC
T変換部32に供給する。
【0043】逆DCT変換部32は、ステップS12に
おいて、補正値加算部31が出力するブロックの、補正
されたDCT係数を逆DCT処理し、画素値のブロック
を復号して、出力画像作成部33に供給する。
【0044】一方、ステップS10において、いま復号
対象となっているのがIピクチャでないと判定された場
合、即ち、復号対象がPまたはBピクチャである場合、
ステップS13に進み、補正値加算部31は、ステップ
S11における場合と同様に、DCT係数抽出/逆量子
化部12が出力するブロックのDCT係数(いまの場
合、このDCT係数は、PまたはBピクチャと予測画像
との差分である予測残差をDCT処理して得られるもの
(残差DCT係数)である)と、高域低減部25が出力
する補正値としてのDCT係数とを加算し、これによ
り、ブロックのDCT係数を補正して、逆DCT変換部
32に供給する。
【0045】逆DCT変換部32は、ステップS14に
おいて、ステップS12における場合と同様に、補正値
加算部31が出力するブロックの、補正されたDCT係
数を逆DCT処理し、画素値(予測残差)のブロックを
復号して、出力画像作成部33に供給し、ステップS1
5に進む。
【0046】ステップS15では、出力画像作成部33
は、逆DCT変換部32からの予測残差のブロックに、
MPEGデコード部11から供給される予測画像を加算
することで、復号画像を得る。即ち、いまの場合、復号
対象が、予測画像との差分値である予測残差がエンコー
ドされたPまたはBピクチャの画像であるため、逆DC
T変換部32からのブロックは、予測残差のブロックと
なっている。そこで、ステップS15では、その予測残
差に、予測画像が加算されることにより、PまたはBピ
クチャの画像が復号される。
【0047】ステップS12またはS15の処理の後
は、いずれも、ステップS16に進み、出力画像作成部
33は、いま復号された画像がBピクチャであるかどう
かを判定する。
【0048】ステップS16において、復号された画像
がBピクチャでないと判定された場合、即ち、復号され
た画像が、参照画像となり得るIまたはPピクチャであ
る場合、ステップS17に進み、出力画像作成部33
は、その復号されたIまたはPピクチャを、画像メモリ
34に供給して記憶させ、ステップS18に進む。ステ
ップS18では、ピクチャ選択部35が、画像メモリ3
4に記憶された、前回復号されたIまたはPピクチャを
選択して出力する。そして、ステップS1に戻り、以
下、同様の処理を繰り返す。
【0049】また、ステップS16において、復号され
た画像が、参照画像とされないBピクチャであると判定
された場合、出力画像作成部33は、その復号されたB
ピクチャを、ピクチャ選択部35に供給して、ステップ
S19に進む。ステップS19では、ピクチャ選択部3
5が、出力画像作成部33が出力するBピクチャを選択
して出力する。そして、ステップS1に戻り、以下、同
様の処理を繰り返す。
【0050】次に、図1の歪補正値算出部2および画像
再構成部3における処理について、詳述する。
【0051】歪補正算出部2を構成するブロック境界段
差検出部21は、上述したように、注目ブロックの境界
を構成する画素値と、その注目ブロックに隣接するブロ
ックの境界を構成する画素値との差分を演算し、注目ブ
ロックの境界の差分情報として出力する。
【0052】即ち、ブロック境界段差検出部21は、図
3に示すように、注目ブロックの境界を構成する28の
画素値と、その注目ブロックの上下左右それぞれに隣接
するブロックの境界を構成する画素値との差分を演算す
る。なお、注目ブロックの、例えば、最も左上の画素値
は、注目ブロックの上のブロックと、その左のブロック
との両方に隣接するが、このような場合は、それぞれの
ブロックとの差分が演算される。即ち、最も左上の画素
値については、上に隣接するブロックの画素値との差分
と、左に隣接するブロックの画素値との差分の、2つの
差分が演算される。注目ブロックの右上、左下、右下の
画素についても同様である。従って、ブロック境界段差
検出部21では、注目ブロックの境界を構成する画素に
ついて、32(=8×4)個の差分値が演算される。
【0053】ここで、MPEGでは、画像が16×16
画素のマクロブロックに分割され、さらに、そのマクロ
ブロックが8×8画素のブロックに分割され、ブロック
単位でDCT処理および量子化処理が施されるが、マク
ロブロックをブロック分割してDCT処理を施すモード
としては、フレームDCTモードとフィールドDCTモ
ードとが用意されている。
【0054】即ち、例えば、いま図4(A)に示すよう
に、16×16画素のマクロブロックの最上行のライン
を第1ラインとすると、フレームDCTモードでは、輝
度信号に注目した場合、マクロブロックが、図4(B)
に示すように、奇数ラインと偶数ラインとが交互に並ん
だフレームで構成されるような4個のブロックに分割さ
れる。これに対して、フィールドDCTモードでは、輝
度信号に注目した場合、マクロブロックが、図4(C)
に示すように、奇数ラインだけと偶数ラインだけとから
なるフィールドで構成されるような4個のブロックに分
割される。
【0055】フレームDCTモードとフィールドDCT
モードとは、マクロブロック単位で切り替えることが可
能であり、いずれのモードを用いてMPEGエンコード
されたかは、MPEGビデオストリームに含まれるサイ
ドインフォメーションの1つであるDCTタイプを参照
することで認識することができる。
【0056】従って、注目ブロックが属するマクロブロ
ック(以下、適宜、注目マクロブロックという)と、そ
の注目マクロブロックに隣接するマクロブロックにおけ
るDCTタイプが同一である場合には、問題はないが、
DCTタイプが異なる場合には、注目ブロックの境界を
構成する画素(以下、適宜、境界画素という)に隣接す
るブロックの画素が、本来隣接する画素でないこと(最
終的に1フレームの画像の画像の状態で、隣接しない画
素であること)がある。
【0057】そこで、ブロック境界段差検出部21は、
境界画素と本来隣接する画素との差分を演算するため
に、上述のように、サイドインフォメーション部13か
ら供給されるDCTタイプを参照し、これにより、注目
マクロブロックと、それに隣接するマクロブロックが、
フレームDCTモードまたはフィールドDCTモードの
いずれでMPEGエンコードされたものであるかを認識
して、例えば、以下のように、注目ブロックの境界画素
との差分を演算するようになっている。
【0058】即ち、いま、図5に示すように、注目マク
ロブロックをMBNと表すとともに、その上、下、左に
隣接するマクロブロックを、それぞれMBU,MBD,M
Lと表す。さらに、例えば、マクロブロックMBNを構
成する4個のブロックのうち、ラスタスキャン順で、i
番目のブロックを、BN-iと表すこととする。さらに、
注目マクロブロックMBNを構成する4つのブロックB
N-1,BN-2,BN-3,BN-4のうち、例えば、その左上の
ブロックBN-1が注目ブロックであるとする。
【0059】そして、いま、例えば、図5に示すよう
に、注目マクロブロックMBN、マクロブロックMBU
MBD,MBLが、いずれもフレームDCTモードである
場合には、注目ブロックBN-1の上、下、左、右それぞ
れの境界画素については、その上、下、左、右に隣接す
る画素との差分がとられる。
【0060】即ち、注目ブロックBN-1の上の境界画素
それぞれについては、注目マクロブロックMBNの上に
隣接するマクロブロックMBUの左下のブロックBU-3
第8ラインの画素それぞれとの差分がとられる。また、
下の境界画素については、注目マクロブロックMBN
左下のブロックBN-3の第1ラインの画素それぞれとの
差分がとられる。さらに、左の境界画素については、注
目マクロブロックMBNの左に隣接するマクロブロック
MBLの右上のブロックBL-2の第1乃至第8ラインの最
後(第8列)の画素それぞれとの差分がとられる。ま
た、右の境界画素については、注目マクロブロックMB
Nの右上のブロックBN-2の第1乃至第8ラインの先頭
(第1列)の画素それぞれとの差分がとられる。
【0061】次に、例えば、図6に示すように、注目マ
クロブロックMBNがフィールドDCTモードであり、
マクロブロックMBU,MBD,MBLが、いずれもフレ
ームDCTモードである場合には、まず、注目ブロック
N-1の右に隣接するブロックBN-2は、注目マクロブロ
ックMBNを構成するブロックであり、従って、注目ブ
ロックBN-1と、その右に隣接するブロックBN-2とは同
一のライン構造を有するから、注目ブロックBN-1の右
の境界画素については、その右隣の画素との差分がとら
れる。即ち、右の境界画素については、注目マクロブロ
ックMBNの右上のブロックBN-2の第1乃至第8ライン
の先頭の画素それぞれとの差分がとられる。
【0062】また、注目ブロックBN-1の上の境界画素
それぞれについては、その上に隣接する画素、即ち、注
目マクロブロックMBNの上に隣接するマクロブロック
MBUの左下のブロックBU-3の第7ラインの画素それぞ
れとの差分がとられる。
【0063】さらに、注目ブロックBN-1の左の境界画
素に関しては、その第1乃至第4ラインの境界画素それ
ぞれについては、注目マクロブロックMBNの左隣のマ
クロブロックMBLを構成する右上のブロックBL-2の第
1,3,5,7ラインの最後の画素それぞれとの差分が
とられ、第5乃至第8ラインの境界画素それぞれについ
ては、注目マクロブロックMBNの左隣のマクロブロッ
クMBLを構成する右下のブロックBL-4の第1,3,
5,7ラインの最後の画素それぞれとの差分がとられ
る。
【0064】また、注目ブロックBN-1の下の境界画素
それぞれについては、注目マクロブロックMBNの下に
隣接するマクロブロックMBDを構成する左上のブロッ
クBD- 1の第1ラインを構成する画素それぞれとの差分
がとられる。
【0065】次に、例えば、図7に示すように、注目マ
クロブロックMBNがフレームDCTモードであり、マ
クロブロックMBU,MBD,MBLが、いずれもフィー
ルドDCTモードである場合には、図6における場合と
同様に、注目ブロックBN-1と、その右に隣接するブロ
ックBN-2とは同一のライン構造を有するから、注目ブ
ロックBN-1の右の境界画素については、その右隣の画
素との差分がとられる。即ち、右の境界画素について
は、注目マクロブロックMBNの右上のブロックBN-2
第1乃至第8ラインの先頭の画素それぞれとの差分がと
られる。
【0066】また、注目ブロックBN-1の下の境界画素
それぞれについては、その下に隣接する画素、即ち、注
目マクロブロックMBNの左下のブロックBN-3の第1ラ
インの画素それぞれとの差分がとられる。
【0067】さらに、注目ブロックBN-1の左の境界画
素に関しては、その第1,3,5,7ラインの境界画素
それぞれについては、注目マクロブロックMBNの左隣
のマクロブロックMBLを構成する右上のブロックBL-2
の第1乃至4ラインの最後の画素それぞれとの差分がと
られ、第2,4,6,8ラインの境界画素それぞれにつ
いては、注目マクロブロックMBNの左隣のマクロブロ
ックMBLを構成する右下のブロックBL-4の第1乃至4
ラインの先頭の画素それぞれとの差分がとられる。
【0068】また、注目ブロックBN-1の上の境界画素
それぞれについては、注目マクロブロックMBNの上に
隣接するマクロブロックMBUを構成する左下のブロッ
クBU- 3の第8ラインを構成する画素それぞれとの差分
がとられる。
【0069】次に、例えば、図8に示すように、注目マ
クロブロックMBNと、マクロブロックMBU,MBD
MBLが、いずれもフィールドDCTモードである場合
には、図6における場合と同様に、注目ブロックBN-1
と、その右に隣接するブロックBN-2とは同一のライン
構造を有するから、注目ブロックBN-1の右の境界画素
については、その右隣の画素との差分がとられる。即
ち、右の境界画素については、注目マクロブロックMB
Nの右上のブロックBN-2の第1乃至第8ラインの先頭の
画素それぞれとの差分がとられる。
【0070】また、注目ブロックBN-1の上の境界画素
それぞれについては、その上に隣接する画素、即ち、注
目マクロブロックMBNの上に隣接するマクロブロック
MBUの左下のブロックBU-1の第8ラインの画素それぞ
れとの差分がとられる。
【0071】さらに、注目ブロックBN-1の左の境界画
素それぞれについては、注目マクロブロックMBNの左
隣のマクロブロックMBLを構成する右上のブロックB
L-2の第1乃至第8ラインの最後の画素それぞれとの差
分がとられる。
【0072】なお、MBU,MBL,MBOがそれぞれ異
なるDCTタイプである場合、図5と7、または図6と
8の組み合わせとなる。
【0073】また、注目ブロックBN-1の下の境界画素
それぞれについては、注目マクロブロックMBNの下に
隣接するマクロブロックMBDを構成する左上のブロッ
クBD- 1の第1ラインを構成する画素それぞれとの差分
がとられる。
【0074】以上のように、ブロック境界段差検出部2
1は、サイドインフォメーション部13から供給される
DCTタイプを参照することにより注目マクロブロック
と、それに隣接するマクロブロックを構成するブロック
のライン構造を認識し、注目ブロックの境界画素につい
て、その境界画素と本来隣接する画素との差分を演算
し、差分情報を得る。
【0075】次に、図1の歪補正値算出部2を構成する
アクティビティ算出部22の処理について説明する。
【0076】アクティビティ算出部22は、MPEGコ
ード部11から供給される画素値のブロックについて、
そのアクティビティを計算する。即ち、いま、ブロック
の第i行第j列の画素値を、p(i,j)と表すと、ア
クティビティ算出部22は、ブロックのアクティビティ
actを、例えば、次式にしたがって計算する。
【0077】 Vact=Σ(p(i,j))2/(I×J)-(Σp(i,j)/(I×J))2 ・・・(1) 但し、式(1)において、Σは、i,jを、1からI,
Jまでに変えてのサメーションを表し、IとJは、ブロ
ックを構成する画素のライン数と列数を、それぞれ表
す。従って、本実施の形態では、I,Jは、ともに8で
ある。
【0078】なお、アクティビティ算出部22は、注目
ブロックについてアクティビティを計算するとともに、
その注目ブロックの上下左右にそれぞれ隣接するブロッ
クのアクティビティも計算する。但し、アクティビティ
算出部22は、注目ブロックの上下左右にそれぞれ隣接
するブロックに関しては、サイドインフォメーション抽
出部13から供給されるDCTタイプを参照することに
より、そのブロックを構成するライン構造を認識し、注
目ブロックと同一構成のライン構造のブロックについ
て、アクティビティを計算する。
【0079】即ち、例えば、図5に示したように、注目
マクロブロックMBNと、マクロブロックMBU,M
D,MBLが、いずれもフレームDCTモードである場
合には、アクティビティ算出部22は、注目ブロックB
N-1の上下左右に隣接するブロックのアクティビティ
を、それぞれ、注目ブロックBN-1の上に隣接するブロ
ックBU-3の第1乃至第8ライン、下に隣接するブロッ
クBN-3の第1乃至第8ライン、左に隣接するブロック
L-2の第1乃至第8ライン、右に隣接するブロックB
N-2の第1乃至第8ラインから、式(1)にしたがって
演算する。
【0080】また、例えば、図6に示したように、注目
マクロブロックMBNがフィールドDCTモードであ
り、マクロブロックMBU,MBD,MBLが、いずれも
フレームDCTモードである場合には、アクティビティ
算出部22は、注目ブロックB N-1の上下左右に隣接す
るブロックのアクティビティを、それぞれ、注目ブロッ
クBN-1の上に隣接するマクロブロックMBUのブロック
U-1の4つの奇数ラインおよびブロックBU-3の4つの
奇数ライン、下に隣接するマクロブロックMBDのブロ
ックBD-1の4つの奇数ラインおよびブロックBD-3の4
つの奇数ライン、左に隣接するマクロブロックMBL
ブロックBL-2の4つの奇数ラインおよびブロックBL-4
の4つの奇数ライン、右に隣接するブロックBN-2の第
1乃至第8ラインから、式(1)にしたがって演算す
る。
【0081】さらに、例えば、図7に示したように、注
目マクロブロックMBNがフレームDCTモードであ
り、マクロブロックMBU,MBD,MBLが、いずれも
フィールドDCTモードである場合には、アクティビテ
ィ算出部22は、注目ブロックBN-1の上下左右に隣接
するブロックのアクティビティを、それぞれ、注目ブロ
ックBN-1の上に隣接するマクロブロックMBUのブロッ
クBU-1の第5乃至第8ラインおよびブロックBU-3の第
5乃至第8ライン、下に隣接するブロックBN-3の第1
乃至第8ライン、左に隣接するマクロブロックMBL
ブロックBL-2の第1乃至第4ラインおよびブロックB
L-4の第1乃至第4ライン、右に隣接するブロックBN-2
の第1乃至第8ラインから、式(1)にしたがって演算
する。
【0082】また、例えば、図8に示したように、注目
マクロブロックMBN、マクロブロックMBU,MBD
MBLが、いずれもフィールドDCTモードである場合
には、アクティビティ算出部22は、注目ブロックB
N-1の上下左右に隣接するブロックのアクティビティ
を、それぞれ、注目ブロックBN-1の上に隣接するマク
ロブロックMBUのブロックBU-1の第1乃至第8ライ
ン、下に隣接するマクロブロックMBDのブロックBD-1
の第1乃至第8ライン、左に隣接するブロックBL-2
第1乃至第8ライン、右に隣接するブロックBN-2の第
1乃至第8ラインから、式(1)にしたがって演算す
る。
【0083】次に、図1の歪補正値算出部2を構成する
補正値算出部23の処理について説明する。
【0084】補正値算出部23は、ブロック境界段差検
出部21から供給される注目ブロックの境界の差分情報
を、アクティビティ算出部22からの注目ブロックおよ
びその上下左右に隣接するブロックのアクティビティに
基づいて処理することにより、補正値を算出する。
【0085】即ち、補正値算出部23は、注目ブロック
と、それに隣接するブロック(以下、適宜、隣接ブロッ
クという)とのアクティビティがほぼ等しい場合には、
その注目ブロックの境界画素の画素値と、その境界画素
に隣接する隣接ブロックの画素値とを、それらの2つの
画素値の中間値に近づけるような補正値を求める。
【0086】具体的には、例えば、いま差分情報として
用いている、注目ブロックの境界画素の画素値と、その
境界画素に隣接する隣接ブロックの画素値との差分を、
差分画素値というものとすると、補正値算出部23は、
例えば、図9(A)に示すように、ブロック歪みを低減
するために、注目ブロックの境界画素の画素値を、差分
画素値の7/16だけ、その境界画素に隣接する隣接ブ
ロックの画素値に近づけるような補正値を求める。
【0087】なお、境界画素に隣接する隣接ブロックの
画素値については、その隣接ブロックが注目ブロックと
なった場合に、上述の場合と同様にして、差分画素値の
7/16だけ画素値を補正するような補正値が求められ
る。また、この場合、注目ブロックの境界画素の画素値
と、その境界画素に隣接する隣接ブロックの画素値と
が、互いに、差分画素値の7/16だけ近づくように補
正されることとなり、従って、それらの2つの補正後の
画素値の間には、差分画素値の1/8(=2/16)だ
けの差が生じるが、これは、隣接するブロックの境界画
素どうしの間に、ある程度の差がある方が、そのブロッ
クどうしが滑らかに繋がり、自然に見えるからである。
【0088】一方、補正値算出部23は、注目ブロック
と、隣接ブロックとのアクティビティに、ある程度の差
がある場合には、その注目ブロックの境界画素の画素
値、またはその境界画素に隣接する隣接ブロックの画素
値のうちの、アクティビティが大きい方のブロックの画
素値を、アクティビティが小さい方のブロックの画素値
に近づけるような補正値を求める。
【0089】即ち、注目ブロックと、隣接ブロックとの
アクティビティに、ある程度の差がある場合には、その
うちのアクティビティの大きい方のブロックがモスキー
トノイズを含んでいる可能性が高いため、そのモスキー
トノイズが、他方のブロック(アクティビティが小さい
方のブロック)に伝搬(影響)することを防止する必要
がある。
【0090】そこで、補正値算出部23は、注目ブロッ
クと隣接ブロックとのアクティビティに、ある程度の差
がある場合において、そのうちの注目ブロックのアクテ
ィビティの方が大きいときには、例えば、図9(B)に
示すように、注目ブロックの境界画素の画素値を、差分
画素値の分だけ、その境界画素に隣接する隣接ブロック
の画素値に近づけるような補正値、即ち、注目ブロック
の境界画素の画素値を、その境界画素に隣接する隣接ブ
ロックの画素値に一致させるような補正値を求める。
【0091】補正値算出部23は、以上のような補正値
を、ブロック境界段差検出部21からの差分画素値であ
る差分情報と、アクティビティ算出部22からのアクテ
ィビティを用いて、例えば、次のようにして求める。
【0092】即ち、例えば、いま、図10に示すよう
に、注目ブロックのアクティビティをCで表すととも
に、その上下左右に隣接するブロックのアクティビティ
を、それぞれA,E,B,Dでそれぞれ表すとすると、
補正値算出部23は、注目ブロックの上下左右の境界の
差分情報としての差分画素値それぞれに対して付す重み
Gu,Gd,Gl,Grを、次式にしたがって演算す
る。
【0093】 Gu=7/16+(C-A)/(C+A)×1/2+|C-A|/|C+A|×1/16 Gd=7/16+(C-E)/(C+E)×1/2+|C-E|/|C+E|×1/16 Gl=7/16+(C-B)/(C+B)×1/2+|C-B|/|C+B|×1/16 Gr=7/16+(C-D)/(C+D)×1/2+|C-D|/|C+D|×1/16 ・・・(2)
【0094】そして、補正値算出部23は、図11に示
すように、注目ブロックの上下左右の境界それぞれの差
分情報としての差分画素値を、Gu,Gd,Gl,Gr
倍して補正値を得る。
【0095】なお、補正値算出部23は、差分情報のう
ちの、例えば、最も左上の差分画素値については、重み
GuとGlとの平均値を重みとして付す。同様に、補正
値算出部23は、最も右上の差分画素値については、重
みGuとGrとの平均値を、最も左下の差分画素値につ
いては、重みGlとGdとの平均値を、最も右下の差分
画素値については、重みGrとGdとの平均値を、それ
ぞれ重みとして付す。
【0096】従って、補正値算出部23では、境界部分
に、重みが付された差分画素値が配置され、残りの部分
に、0が配置されている8×8のブロックの補正値が得
られる。
【0097】また、上述の場合には、差分情報に対し
て、アクティビティにのみ基づく重みを付して補正値を
求めるようにしたが、補正値は、その他、例えば、注目
ブロックに隣接する隣接ブロックが、注目マクロブロッ
クではないマクロブロックに属し、かつ、注目ブロック
と隣接ブロックとの量子化スケールが異なるときには、
差分情報に対して、アクティビティと量子化スケールと
に基づく重みを付して求めるようにすること等が可能で
ある。
【0098】次に、図1の歪補正値算出部2を構成する
高域低減部25の処理について説明する。
【0099】高域低減部25には、補正値算出部23に
おいて得られる空間領域の8×8のブロックの補正値
が、DCT変換部24において、図12(A)に示すよ
うにDCT処理され、8×8個の周波数領域のDCT係
数とされたものが供給される。
【0100】高域低減部25は、そこに供給される補正
値としてのDCT係数のうちの高次のものを低減するこ
とにより、即ち、例えば、図12(B)に示すように、
補正値としての8×8個のDCT係数のうちの第5行乃
至第8行、および第5列乃至第8列のものを0とするこ
と等により、その補正値を修正し、補正値加算部31に
供給する。
【0101】即ち、DCT変換部24が出力する補正値
を、そのまま、DCT係数抽出/逆量子化部12が出力
するブロックのDCT係数の補正に用いると、そのブロ
ックの境界付近の画素値しか補正されず、その結果、例
えば、図13(A)に示すような急峻な段差のあるブロ
ックの境界部分の画素値は、図13(B)に示すように
補正される。従って、ブロックの境界は、補正前よりも
目立たなくはなるが、それでも、ブロックの境界部分の
段差が、まだ急峻であるため、復号画像にブロック構造
が現れる。
【0102】そこで、高域低減部25は、補正値として
のDCT係数の高次のものを低減することにより、その
補正値を修正する。このような修正後の補正値を、DC
T係数抽出/逆量子化部12が出力するブロックのDC
T係数の補正に用いた場合には、そのブロックの境界付
近だけでなく、その内部の画素値も補正され、その結
果、例えば、図13(A)に示すような急峻な段差のあ
るブロックの境界部分の画素値は、図13(C)に示す
ように補正される。従って、ブロックの境界部分の段差
が滑らかになるため、復号画像にブロック構造が現れる
ことを、十分低減することができる。
【0103】次に、高域低減部25において、補正値と
してのDCT係数の高次のものを低減するように、補正
値を修正する方法としては、図12(B)に示したよう
な、高次のDCT係数を0とする方法以外の方法を採用
することが可能である。
【0104】即ち、例えば、図14(A)に示すよう
に、補正値は、第5行乃至第8行、および第5列乃至第
8列のものを0に修正するのではなく、任意の第i行以
上、および第i列以上のものを0に修正するようにする
ことができる。そして、この場合、変数iは、注目ブロ
ックのアクティビティや、注目ブロックの量子化に用い
られた量子化スケール等に基づいて決定することができ
る。即ち、例えば、注目ブロックのアクティビティが大
きい場合には、より高次のDCT係数だけを0に修正す
るようにし、そのアクティビティが小さい場合には、よ
り低次のDCT係数も0に修正するようにすることがで
きる。また、例えば、注目ブロックの量子化スケールが
小さい場合には、より高次のDCT係数だけを0に修正
するようにし、その量子化スケールが大きい場合には、
より低次のDCT係数も0に修正するようにすることが
できる。
【0105】なお、注目ブロックのアクティビティや量
子化スケール等に基づいて、0に修正するDCT係数の
次数を決定する場合には、その次数の下限値を設定して
おくようにすることができる。即ち、例えば、第4行以
下および第4列以下のDCT係数は、0に修正しないよ
うな設定をしておくことが可能である。この場合、0に
修正するDCT係数は、第5行乃至第8行、および第5
列乃至第8列の範囲で変化することになる。
【0106】また、補正値は、図14(A)に示したよ
うに、8×8のDCT係数のうち、同一の行と列以上の
ものを0に修正する他、0に修正する行と列を、独立に
決定することも可能である。
【0107】即ち、例えば、図14(B)に示すよう
に、注目ブロックの左と右にそれぞれ隣接するブロック
のアクティビティが大きい場合には、水平方向の、より
高次のDCT係数だけを0に修正するようにし、その左
右に隣接するブロックのアクティビティが小さい場合に
は、水平方向の、より低次のDCT係数も0に修正する
ようにすることができる。また、例えば、注目ブロック
の上と下にそれぞれ隣接するブロックのアクティビティ
が大きい場合には、垂直方向の、より高次のDCT係数
だけを0に修正するようにし、上下に隣接するブロック
のアクティビティが小さい場合には、垂直方向の、より
低次のDCT係数も0に修正するようにすることができ
る。
【0108】さらに、例えば、注目ブロックの左と右に
それぞれ隣接するブロックの量子化スケールが小さい場
合には、水平方向の、より高次のDCT係数だけを0に
修正するようにし、その左右に隣接するブロックの量子
化スケールが大きい場合には、水平方向の、より低次の
DCT係数も0に修正するようにすることができる。ま
た、例えば、注目ブロックの上と下にそれぞれ隣接する
ブロックの量子化スケールが小さい場合には、垂直方向
の、より高次のDCT係数だけを0に修正するように
し、その上下に隣接するブロックの量子化スケールが大
きい場合には、垂直方向の、より低次のDCT係数も0
に修正するようにすることができる。
【0109】さらに、図14(A)や図14(B)に示
した場合においては、注目ブロックと、その上下に隣接
するブロックや左右に隣接するブロックとのアクティビ
ティの和等に基づいて、0に修正するDCT係数の次数
を決定することも可能である。
【0110】また、補正値としてのDCT係数は、例え
ば、そのDCT係数に、所定の重み付けを行うことによ
り修正することも可能である。
【0111】即ち、例えば、図14(C)に示すよう
に、補正値としての8×8のDCT係数のうち、第v行
第u列のDCT係数を、F(u,v)と表すとともに、
修正後の補正値としてのDCT係数を、F’(u,v)
と表すこととすると、補正値としてのDCT係数は、例
えば、次の2つの式のいずれかにしたがって修正するこ
とが可能である。
【0112】 F’(u,v)=a×F(u,v)/(b×u+c×v) F’(u,v)=a×F(u,v)/√((b×u)2+(c×v)2) ・・・(3) 但し、式(3)において、a,b,cは、注目ブロック
や、その上下左右に隣接するブロックのアクティビテ
ィ、あるいは量子化スケール等に基づいて設定される定
数を表す。
【0113】また、補正値としてのDCT係数は、例え
ば、注目ブロックの量子化に用いられた量子化テーブル
に基づく重み付けを行うことにより修正することも可能
である。
【0114】即ち、注目ブロックの量子化に用いられた
量子化テーブルqが、例えば、図14(D)に示すよう
なものであった場合において、その量子化テーブルqの
第v行第u列の値をq(u,v)と表すと、補正値とし
てのDCT係数は、例えば、次式にしたがって修正する
ことが可能である。
【0115】 F’(u,v)=a×F(u,v)/q(u,v) ・・・(4) 但し、式(4)において、aは、式(3)における場合
と同様に、注目ブロック等のアクティビティ等に基づい
て設定される定数を表す。
【0116】次に、図1の画像再構成部3を構成する補
正値加算部31の処理について説明する。
【0117】補正値加算部31は、図15(A)に示す
ように、DCT係数抽出/逆量子化部12から供給され
る、ビデオストリームから抽出された注目ブロックのD
CT係数から、高域低減部25から供給される、注目ブ
ロックに対応する補正値としてのDCT係数を減算する
ことで、注目ブロックのDCT係数を補正し、逆DCT
変換部32に供給する。逆DCT変換部32では、この
ようにして補正値加算部31から供給される補正後の注
目ブロックのDCT係数が逆DCT処理され、これによ
り、図15(B)に示すような空間領域の8×8画素の
ブロックが得られる。
【0118】なお、P,Bピクチャについては、MPE
Gエンコードの際、元の画像と、その予測画像との差分
(予測残差)がDCT処理され、さらに量子化されるか
ら、その量子化の結果得られるDCT係数は、すべて0
となることがあり、この場合、ビデオストリームに、D
CT係数は含められない。このような場合には、補正値
加算部31は、ブロックのDCT係数が、すべて0であ
るとして、その0から、補正値を減算して、補正後のD
CT係数を得る。
【0119】また、上述の場合には、補正値加算部31
において、注目ブロックのDCT係数を、補正値によっ
て必ず補正するようにしたが、注目ブロックのDCT係
数によって十分な画質が得られる場合(ブロック歪み等
が目立たない場合等)には、補正を行わないようにする
ことが可能である。
【0120】即ち、補正値加算部31では、例えば、マ
クロブロック単位で、そのマクロブロックを構成するブ
ロックの補正を行うかどうかを、サイドインフォメーシ
ョン抽出部13から供給される量子化スケール等に基づ
いて判定するようにすることが可能である。具体的に
は、例えば、ブロックの量子化スケールが所定の閾値以
下(未満)の場合(量子化が細かい場合)には、ブロッ
クの補正を行わず、ブロックの量子化スケールが所定の
閾値より大(以上)の場合(量子化が粗い)には、ブロ
ックの補正を行うようにすることが可能である。
【0121】次に、図16および図17は、本件発明者
が行ったシミュレーション結果を示している。なお、図
16および図17の左側に四角形で囲んである部分は、
それぞれの画像の一部分を拡大したものである。
【0122】図16は、従来のMPEG方式によりエン
コードした画像を、従来のMPEG方式によりデコード
したデコード結果を示している。図16の左側に示した
拡大部分から明らかなように、顕著に、ブロック歪みが
現れている。
【0123】図17は、従来のMPEG方式によりエン
コードした画像を、図1の画像処理装置によりデコード
したデコード結果を示している。図17の左側に示した
拡大部分から明らかなように、図16においてモザイク
状に現れているブロック歪みが十分に低減されているこ
とが分かる。
【0124】なお、MPEGでは、P,Bピクチャにお
いて、スキップマクロブロックが生じると、スキップマ
クロブロックには、DCTタイプが付加されないため、
ブロック境界段差検出部21やアクティビティ算出部2
2等において、ブロックのライン構造が、フレームDC
TモードまたはフィールドDCTモードのうちのいずれ
であるのか認識することができなくなる。このことは、
MPEGデコード部11において得られたIピクチャに
動き補償を施して予測画像を得る場合に問題となるが、
図1で説明したように、出力画像作成部33で得られた
Iピクチャに動き補償を施して予測画像を得る場合に
は、スキップマクロブロックについては、特に処理を行
わずにスキップするだけで良いので、特に問題は生じな
い。
【0125】以上のように、ブロックの境界部分の差分
情報に、アクティビティに基づく重みを付すことにより
補正値を得て、その補正値によって、ブロックのDCT
係数を補正するようにしたので、特に平坦な部分で生じ
やすいブロック歪みを十分に低減した高画質の復号画像
を得ることができる。
【0126】さらに、エッジを含むブロック(アクティ
ビティの高いブロック)で発生するモスキートノイズ
が、平坦なブロックに伝搬することを防止することがで
きる。
【0127】また、モスキートノイズが生じているブロ
ック(アクティビティの高いブロック)の画素値は、図
9(B)で説明したように、平坦なブロック(アクティ
ビティの低いブロック)の画素値に近づくように補正さ
れるため、モスキートノイズが生じているブロックの、
そのモスキートノイズを目立たなくすることができる。
【0128】さらに、図1の画像処理装置は、ブロック
歪み等を除去するための補正値としてのDCT係数を求
め、その補正値によって、ブロックのDCT係数を補正
するため、逆DCT処理を行うMPEGデコード処理と
の親和性が高く、MPEGデコーダに組み込んで、リア
ルタイムで処理を行うようにすることが可能である。
【0129】また、補正値は、ブロックの境界部分の差
分情報、即ち、いわばブロック境界における歪みそのも
のから生成されるため、その補正値による補正の効果
は、基本的に、MPEGエンコード時における圧縮率の
影響をほとんど受けない。
【0130】さらに、高域低減部25における補正値の
修正や、補正値加算部31におけるブロックの補正にお
いては、量子化スケールその他のサイドインフォメーシ
ョンを利用することで、適応的な歪み除去を行うことが
できる。即ち、例えば、補正値加算部31では、上述し
たように、マクロブロックの量子化スケールを参照する
ことにより、量子化誤差による画質の劣化の程度を推測
して、その劣化の程度によって、ブロックの補正を行っ
たり、または行わないようにすることができる。
【0131】次に、図1の画像処理装置では、逆DCT
変換部32において、DCT係数に対して逆DCT処理
を施すことにより、そのDCT係数を画素値に変換する
ようにしたが、DCT係数から画素値への変換は、その
他、例えば、本件出願人が先に提案したクラス分類適応
処理を利用して行うことも可能である。
【0132】クラス分類適応処理は、クラス分類処理と
適応処理とからなり、クラス分類処理によって、データ
を、その性質に基づいてクラス分けし、各クラスごとに
適応処理を施すものであり、適応処理は、以下のような
手法のものである。
【0133】即ち、適応処理では、例えば、DCT係数
と、所定のタップ係数との線形結合により、そのDCT
係数に対応する元の画素値の予測値を求めることで、D
CT係数が、元の画素値に復号される。
【0134】具体的には、例えば、いま、ある画像を教
師データとするとともに、その画像を、ブロック単位で
DCT処理して得られるDCT係数を生徒データとし
て、教師データである画素の画素値yの予測値E[y]
を、幾つかのDCT係数x1,x2,・・・の集合と、所
定のタップ係数w1,w2,・・・の線形結合により規定
される線形1次結合モデルにより求めることを考える。
この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができ
る。
【0135】 E[y]=w1x1+w2x2+・・・ ・・・(5)
【0136】式(5)を一般化するために、タップ係数
wjの集合でなる行列W、生徒データxijの集合でなる
行列X、および予測値E[yj]の集合でなる行列Y’
を、
【数1】 で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0137】 XW=Y’ ・・・(6) ここで、行列Xの成分xijは、i件目の生徒データの集
合(i件目の教師データyiの予測に用いる生徒データ
の集合)の中のj番目の生徒データを意味し、行列Wの
成分wjは、生徒データの集合の中のj番目の生徒デー
タとの積が演算されるタップ係数を表す。また、yi
は、i件目の教師データを表し、従って、E[yi]
は、i件目の教師データの予測値を表す。なお、式
(5)の左辺におけるyは、行列Yの成分yiのサフィ
ックスiを省略したものであり、また、式(5)の右辺
におけるx1,x2,・・・も、行列Xの成分xijのサフ
ィックスiを省略したものである。
【0138】そして、この観測方程式に最小自乗法を適
用して、元の画素値yに近い予測値E[y]を求めるこ
とを考える。この場合、教師データとなる真の画素値y
の集合でなる行列Y、および画素値yに対する予測値E
[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【数2】 で定義すると、式(6)から、次のような残差方程式が
成立する。
【0139】 XW=Y+E ・・・(7)
【0140】この場合、元の画素値yに近い予測値E
[y]を求めるためのタップ係数wjは、自乗誤差
【数3】 を最小にすることで求めることができる。
【0141】従って、上述の自乗誤差をタップ係数wj
で微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たすタ
ップ係数wjが、元の画素値yに近い予測値E[y]を
求めるため最適値ということになる。
【0142】
【数4】 ・・・(8)
【0143】そこで、まず、式(7)を、タップ係数w
jで微分することにより、次式が成立する。
【0144】
【数5】 ・・・(9)
【0145】式(8)および(9)より、式(10)が
得られる。
【0146】
【数6】 ・・・(10)
【0147】さらに、式(7)の残差方程式における生
徒データxij、タップ係数wj、教師データyi、および
残差eiの関係を考慮すると、式(10)から、次のよ
うな正規方程式を得ることができる。
【0148】
【数7】 ・・・(11)
【0149】なお、式(11)に示した正規方程式は、
行列(共分散行列)Aおよびベクトルvを、
【数8】 で定義するとともに、ベクトルWを、数1で示したよう
に定義すると、式 AW=v ・・・(12) で表すことができる。
【0150】式(11)における各正規方程式は、生徒
データxijおよび教師データyiのセットを、ある程度
の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wjの
数Jと同じ数だけたてることができ、従って、式(1
2)を、ベクトルWについて解くことで(但し、式(1
2)を解くには、式(12)における行列Aが正則であ
る必要がある)、最適なタップ係数(ここでは、自乗誤
差を最小にするタップ係数)wjを求めることができ
る。なお、式(12)を解くにあたっては、例えば、掃
き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを用いることが
可能である。
【0151】以上のようにして、最適なタップ係数wj
を求めておく学習処理を行い、さらに、そのタップ係数
wjを用い、式(5)により、元の画素値yに近い予測
値E[y]を求める予測処理を行うのが適応処理であ
る。
【0152】図18は、以上のようなクラス分類適応処
理により、DCT係数を画素値に復号する、逆DCT変
換部32の構成例を示している。
【0153】補正値加算部31が出力する8×8のブロ
ックごとのDCT係数は、予測タップ抽出回路41およ
びクラスタップ抽出回路42に供給されるようになって
いる。
【0154】予測タップ抽出回路41は、そこに供給さ
れるDCT係数のブロック(以下、適宜、DCTブロッ
クという)に対応する画素値のブロック(この画素値の
ブロックは、現段階では存在しないが、仮想的に想定さ
れる)(以下、適宜、画素ブロックという)を、順次、
注目画素ブロックとし、さらに、その注目画素ブロック
を構成する各画素を、例えば、いわゆるラスタスキャン
順に、順次、注目画素とする。さらに、予測タップ抽出
回路41は、注目画素の画素値を予測するのに用いるD
CT係数を抽出し、予測タップとする。
【0155】即ち、予測タップ抽出回路41は、例え
ば、注目画素が属する画素ブロックに対応するDCTブ
ロックのすべてのDCT係数、即ち、8×8の64個の
DCT係数を、予測タップとして抽出する。従って、本
実施の形態では、ある画素ブロックのすべての画素につ
いて、同一の予測タップが構成される。但し、予測タッ
プは、注目画素ごとに、異なるDCT係数で構成するこ
とが可能である。
【0156】予測タップ抽出回路41において得られ
る、画素ブロックを構成する各画素についての予測タッ
プ、即ち、64画素それぞれについての64セットの予
測タップは、積和演算回路45に供給される。但し、本
実施の形態では、上述したように、画素ブロックのすべ
ての画素について、同一の予測タップが構成されるの
で、実際には、1つの画素ブロックに対して、1セット
の予測タップを、積和演算回路45に供給すれば良い。
【0157】クラスタップ抽出回路42は、注目画素
を、幾つかのクラスのうちのいずれかに分類するための
クラス分類に用いるDCT係数を抽出して、クラスタッ
プとする。
【0158】なお、MPEGエンコードでは、画像が、
画素ブロックごとにDCT処理されることから、ある画
素ブロックに属する画素は、例えば、すべて同一のクラ
スにクラス分類することとする。従って、クラスタップ
抽出回路42は、ある画素ブロックの各画素について
は、同一のクラスタップを構成する。即ち、クラスタッ
プ抽出回路42は、例えば、予測タップ抽出回路41に
おける場合と同様に、注目画素が属する画素ブロックに
対応するDCTブロックの8×8個のすべてのDCT係
数を、クラスタップとして抽出する。
【0159】ここで、画素ブロックに属する各画素を、
すべて同一のクラスにクラス分類するということは、そ
の画素ブロックをクラス分類することと等価である。従
って、クラスタップ抽出回路42には、注目画素ブロッ
クを構成する64画素それぞれをクラス分類するための
64セットのクラスタップではなく、注目画素ブロック
をクラス分類するための1セットのクラスタップを構成
させれば良く、このため、クラスタップ抽出回路42
は、画素ブロックごとに、その画素ブロックをクラス分
類するために、その画素ブロックに対応するDCTブロ
ックの64個のDCT係数を抽出して、クラスタップと
するようになっている。
【0160】なお、予測タップやクラスタップを構成す
るDCT係数は、上述したパターンのものに限定される
ものではない。
【0161】クラスタップ抽出回路42において得られ
る、注目画素ブロックのクラスタップは、クラス分類回
路43に供給されるようになっており、クラス分類回路
43は、クラスタップ抽出回路42からのクラスタップ
に基づき、注目画素ブロックをクラス分類し、その結果
得られるクラスに対応するクラスコードを出力する。
【0162】ここで、クラス分類を行う方法としては、
例えば、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)等を採
用することができる。
【0163】ADRCを用いる方法では、クラスタップを構
成するDCT係数が、ADRC処理され、その結果得られる
ADRCコードにしたがって、注目画素ブロックのクラスが
決定される。
【0164】なお、KビットADRCにおいては、例えば、
クラスタップを構成するDCT係数の最大値MAXと最小
値MINが検出され、DR=MAX-MINを、集合の局所的なダイ
ナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づ
いて、クラスタップを構成するDCT係数がKビットに
再量子化される。即ち、クラスタップを構成するDCT
係数の中から、最小値MINが減算され、その減算値がDR/
2Kで除算(量子化)される。そして、以上のようにして
得られる、クラスタップを構成するKビットの各DCT
係数を、所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードと
して出力される。従って、クラスタップが、例えば、1
ビットADRC処理された場合には、そのクラスタップを構
成する各DCT係数は、最小値MINが減算された後に、
最大値MAXと最小値MINとの平均値で除算され、これによ
り、各DCT係数が1ビットとされる(2値化され
る)。そして、その1ビットのDCT係数を所定の順番
で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。
【0165】なお、クラス分類回路43には、例えば、
クラスタップを構成するDCT係数のレベル分布のパタ
ーンを、そのままクラスコードとして出力させることも
可能であるが、この場合、クラスタップが、N個のDC
T係数で構成され、各DCT係数に、Kビットが割り当
てられているとすると、クラス分類回路43が出力する
クラスコードの場合の数は、(2NK通りとなり、DC
T係数のビット数Kに指数的に比例した膨大な数とな
る。
【0166】従って、クラス分類回路43においては、
クラスタップの情報量を、上述のADRC処理や、あるいは
ベクトル量子化等によって圧縮してから、クラス分類を
行うのが好ましい。
【0167】ところで、本実施の形態では、クラスタッ
プは、上述したように、64個のDCT係数で構成され
る。従って、例えば、仮に、クラスタップを1ビットAD
RC処理することにより、クラス分類を行うこととして
も、クラスコードの場合の数は、264通りという大きな
値となる。
【0168】そこで、本実施の形態では、クラス分類回
路43において、クラスタップを構成するDCT係数か
ら、重要性の高い特徴量を抽出し、その特徴量に基づい
てクラス分類を行うことで、クラス数を低減するように
なっている。
【0169】即ち、図19は、図18のクラス分類回路
43の構成例を示している。
【0170】クラスタップは、電力演算回路51に供給
されるようになっており、電力演算回路51は、クラス
タップを構成するDCT係数を、幾つかの空間周波数帯
域のものに分け、各周波数帯域の電力を演算する。
【0171】即ち、電力演算回路51は、クラスタップ
を構成する8×8個のDCT係数を、例えば、図20に
示すような4つの空間周波数帯域S0,S1,S2,S3に
分割する。
【0172】さらに、電力演算回路51は、空間周波数
帯域S0,S1,S2,S3それぞれについて、DCT係数
のAC成分の電力(AC成分の2乗和)P0,P1,P
2,P3を演算し、クラスコード生成回路52に出力す
る。
【0173】クラスコード生成回路52は、電力演算回
路51からの電力P0,P1,P2,P3を、閾値テーブル
記憶部53に記憶された、対応する閾値TH0,TH
1,TH2,TH3とそれぞれ比較し、それぞれの大小
関係に基づいて、クラスコードを出力する。即ち、クラ
スコード生成回路52は、電力P0と閾値TH0とを比
較し、その大小関係を表す1ビットのコードを得る。同
様に、クラスコード生成回路52は、電力P1と閾値T
H1、電力P2と閾値TH2、電力P3と閾値TH3を、
それぞれ比較することにより、それぞれについて、1ビ
ットのコードを得る。そして、クラスコード生成回路5
2は、以上のようにして得られる4つの1ビットのコー
ドを、例えば、所定の順番で並べることにより得られる
4ビットのコード(従って、0乃至15のうちのいずれ
かの値)を、注目画素ブロックのクラスを表すクラスコ
ードとして出力する。従って、本実施の形態では、注目
画素ブロックは、24(=16)個のクラスのうちのい
ずれかにクラス分類されることになる。
【0174】閾値テーブル記憶部53は、空間周波数帯
域S0乃至S3の電力P0乃至P3とそれぞれ比較する閾値
TH0乃至TH3を記憶している。
【0175】なお、上述の場合には、クラス分類処理
に、DCT係数のDC成分が用いられないが、このDC
成分をも用いてクラス分類処理を行うことも可能であ
る。
【0176】図18に戻り、以上のようなクラス分類回
路43が出力するクラスコードは、係数テーブル記憶部
44に、アドレスとして与えられる。
【0177】係数テーブル記憶部44は、上述したよう
な教師データと生徒データとを用いた学習処理が行われ
ることにより得られるタップ係数が登録された係数テー
ブルを記憶しており、クラス分類回路43が出力するク
ラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ
係数を積和演算回路45に出力する。
【0178】ここで、本実施の形態では、画素ブロック
がクラス分類されるから、注目画素ブロックについて、
1つのクラスコードが得られる。一方、画素ブロック
は、本実施の形態では、8×8画素の64画素で構成さ
れるから、注目画素ブロックについて、それを構成する
64画素それぞれを復号するための64セットのタップ
係数が必要である。従って、係数テーブル記憶部44に
は、1つのクラスコードに対応するアドレスに対して、
64セットのタップ係数が記憶されている。
【0179】積和演算回路45は、予測タップ抽出回路
41が出力する予測タップと、係数テーブル記憶部44
が出力するタップ係数とを取得し、その予測タップとタ
ップ係数とを用いて、式(5)に示した線形予測演算
(積和演算)を行い、その結果得られる注目画素ブロッ
クの8×8画素の画素値を、対応するDCTブロックの
復号結果(逆DCT結果)として、出力画像作成部33
(図1)に出力する。
【0180】ここで、予測タップ抽出回路41において
は、上述したように、注目画素ブロックの各画素が、順
次、注目画素とされるが、積和演算回路45は、注目画
素ブロックの、注目画素となっている画素の位置に対応
した動作モード(以下、適宜、画素位置モードという)
となって、処理を行う。
【0181】即ち、例えば、注目画素ブロックの画素の
うち、ラスタスキャン順で、i番目の画素を、piと表
し、画素piが、注目画素となっている場合、積和演算
回路45は、画素位置モード#iの処理を行う。
【0182】具体的には、上述したように、係数テーブ
ル記憶部44は、注目画素ブロックを構成する64画素
それぞれを復号するための64セットのタップ係数を出
力するが、そのうちの画素piを復号するためのタップ
係数のセットをWiと表すと、積和演算回路45は、動
作モードが、画素位置モード#iのときには、予測タッ
プと、64セットのタップ係数のうちのセットWiとを
用いて、式(5)の積和演算を行い、その積和演算結果
を、画素piの復号結果とする。
【0183】次に、図21のフローチャートを参照し
て、図18の逆DCT変換部32の処理について説明す
る。
【0184】補正値加算部31(図1)が出力するブロ
ックごとのDCT係数は、予測タップ抽出回路41およ
びクラスタップ抽出回路42において順次受信され、予
測タップ抽出回路41は、そこに供給されるDCT係数
のブロック(DCTブロック)に対応する画素ブロック
を、順次、注目画素ブロックとする。
【0185】そして、クラスタップ抽出回路42は、ス
テップS21において、そこで受信したDCT係数の中
から、注目画素ブロックをクラス分類するのに用いるも
のを抽出して、クラスタップを構成し、クラス分類回路
43に供給する。
【0186】クラス分類回路43は、ステップS22に
おいて、クラスタップ抽出回路42からのクラスタップ
を用いて、注目画素ブロックをクラス分類し、その結果
得られるクラスコードを、係数テーブル記憶部44に出
力する。
【0187】即ち、ステップS22では、クラス分類回
路43(図19)の電力演算回路51が、クラスタップ
を構成する8×8個のDCT係数を、図20に示した4
つの空間周波数帯域S0乃至S3に分割し、それぞれの電
力P0乃至P3を演算する。この電力P0乃至P3は、電力
演算回路51からクラスコード生成回路52に出力され
る。
【0188】クラスコード生成回路52は、閾値テーブ
ル記憶部53から閾値TH0乃至TH3を読み出し、電
力演算回路51からの電力P0乃至P3それぞれと、閾値
TH0乃至TH3それぞれとを比較し、それぞれの大小
関係に基づいたクラスコードを生成する。
【0189】以上のようにして得られるクラスコード
は、クラス分類回路43から係数テーブル記憶部44に
対して、アドレスとして与えられる。
【0190】係数テーブル記憶部44は、クラス分類回
路43からのアドレスとしてのクラスコードを受信する
と、ステップS23において、そのアドレスに記憶され
ている64セットのタップ係数を読み出し、積和演算回
路45に出力する。
【0191】そして、ステップS24に進み、予測タッ
プ抽出回路41は、注目画素ブロックの画素のうち、ラ
スタスキャン順で、まだ、注目画素とされていない画素
を、注目画素として、その注目画素の画素値を予測する
のに用いるDCT係数を抽出し、予測タップとして構成
する。この予測タップは、予測タップ抽出回路41から
積和演算回路45に供給される。
【0192】ここで、本実施の形態では、各画素ブロッ
クごとに、その画素ブロックのすべての画素について、
同一の予測タップが構成されるので、実際には、ステッ
プS24の処理は、注目画素ブロックについて、最初に
注目画素とされる画素に対してだけ行えば、残りの63
画素に対しては、行う必要がない。
【0193】積和演算回路45は、ステップS25にお
いて、ステップS23で係数テーブル記憶部44が出力
する64セットのタップ係数のうち、注目画素に対する
画素位置モードに対応するタップ係数のセットを取得
し、そのタップ係数のセットと、ステップS24で予測
タップ抽出回路41から供給される予測タップとを用い
て、式(5)に示した積和演算を行い、注目画素の画素
値の復号値を得る。
【0194】そして、ステップS26に進み、予測タッ
プ抽出回路41は、注目画素ブロックのすべての画素
を、注目画素として処理を行ったかどうかを判定する。
ステップS26において、注目画素ブロックのすべての
画素を、注目画素として、まだ処理を行っていないと判
定された場合、ステップS24に戻り、予測タップ抽出
回路41は、注目画素ブロックの画素のうち、ラスタス
キャン順で、まだ、注目画素とされていない画素を、新
たに注目画素として、以下、同様の処理を繰り返す。
【0195】また、ステップS26において、注目画素
ブロックのすべての画素を、注目画素として処理を行っ
たと判定された場合、即ち、注目画素ブロックのすべて
の画素の復号値が得られた場合、積和演算回路45は、
その復号値で構成される画素ブロック(復号ブロック)
を、出力画像作成部33(図1)に出力し、処理を終了
する。
【0196】なお、係数テーブル記憶部44には、ある
画像を教師データとするとともに、その画像をMPEG
エンコードしたものを図1の画像処理装置の入力とした
場合の補正値加算部31の出力を生徒データとして、学
習処理を行うことにより得られるタップ係数を記憶させ
ておく必要がある。
【0197】また、上述の場合には、DCTブロックの
DCT係数のみを用いてクラス分類を行うようにした
が、クラス分類は、DCT係数の他、例えば、そのDC
Tブロックのアクティビティや、量子化スケール、I,
P,Bピクチャの別等をも用いて行うことが可能であ
る。この場合、学習処理においても、DCT係数、アク
ティビティ、量子化スケール、I,P,Bピクチャの別
等を用いてクラス分類を行う必要があるから、タップ係
数が、DCT係数、アクティビティ、量子化スケール、
I,P,Bピクチャの別等に応じて求められることとな
る。従って、そのようなタップ係数を用いて、DCT係
数を画素値に変換する場合には、その画素値で構成され
る画像の高画質化を図ることが可能となる。
【0198】さらに、クラス分類適応処理は、DCT係
数を画素値に変換する場合の他、その逆に、画素値をD
CT係数に変換する場合にも利用することができる。即
ち、例えば、図1のDCT変換部24でも、クラス分類
適応処理を利用して、補正値算出部23の出力をDCT
係数に変換することが可能である。但し、この場合に
は、補正値算出部23の出力を生徒データとするととも
に、その出力をDCT処理して得られるDCT係数を教
師データとして学習処理を行い、タップ係数を求めてお
く必要がある。
【0199】次に、図22は、本発明を適用した画像処
理装置の他の実施の形態の構成例を示している。なお、
図中、図1における場合と対応する部分については、同
一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省
略する。即ち、図22の画像処理装置は、第1に、演算
器4が新たに設けられ、第2に、入力画像分析部1にD
CT変換部14が新たに設けられ、第3に、歪補正値算
出部2のブロック段差検出部21またはアクティビティ
算出部22に替えて、ブロック段差検出部26またはア
クティビティ算出部27がそれぞれ設けられている他
は、図1における場合と同様に構成されている。
【0200】図1の画像処理装置では、ブロックの境界
部分の差分情報、およびブロックのアクティビティを、
いずれも、MPEGデコード部11が出力する画素値か
ら求めるようになっていたが、図22の画像処理装置で
は、差分情報およびアクティビティを、DCT係数から
求めるようになっている。
【0201】即ち、DCT変換部14は、MPEGデコ
ード部11で得られる画素値のブロックをDCT処理
し、DCT係数のブロックとして、演算器4に供給す
る。
【0202】なお、DCT変換部14においても、上述
したクラス分類適応処理を利用して、画素値をDCT係
数に変換することが可能である。
【0203】演算器4には、DCT変換部14が出力す
るDCT係数のブロックの他、DCT係数抽出/逆量子
化部12が出力するDCT係数のブロックも供給される
ようになっており、演算器4は、それらの2つのDCT
係数のブロックを、必要に応じて加算して、ブロック境
界段差検出部26、アクティビティ算出部27、および
補正値加算部31に供給する。
【0204】即ち、Iピクチャについては、DCT係数
抽出/逆量子化部12が出力するDCT係数のブロック
は、元の画像の画素値のブロックをDCT処理したもの
であり、そのDCT係数を逆DCT処理することによ
り、元の画像の画素値を得ることができるから、演算器
4は、DCT係数抽出/逆量子化部12が出力するDC
T係数のブロックを、そのまま、ブロック境界段差検出
部26、アクティビティ算出部27、および補正値加算
部31に供給する。
【0205】一方、PおよびBピクチャについては、D
CT係数抽出/逆量子化部12が出力するDCT係数の
ブロックは、元の画像の画素値のブロックと予測画像と
の差分(予測残差)をDCT処理したものであり、従っ
て、そのDCT係数を逆DCT処理したのでは、元の画
像の画素値を得ることができない。即ち、PおよびBピ
クチャについては、DCT係数抽出/逆量子化部12が
出力するDCT係数のブロックと、予測画像をDCT処
理して得られるDCT係数とを加算して得られるDCT
係数を逆DCT処理することにより、元の画像の画素値
を得ることができる。そこで、この場合、DCT変換部
14は、MPEGデコード部11で得られる予測画像を
DCT処理し、その結果得られるDCT係数を、演算器
4に供給する。そして、演算器4は、DCT係数抽出/
逆量子化部12が出力するDCT係数のブロックと、D
CT変換部14が出力するDCT係数とを加算し、その
結果得られるDCT係数のブロックを、ブロック境界段
差検出部26、アクティビティ算出部27、および補正
値加算部31に供給する。
【0206】従って、演算器4が出力するDCT係数の
ブロックは、そのピクチャタイプによらず(I,P,B
ピクチャのいずれであっても)、逆DCT処理すること
により、元の画像の画素値のブロックが得られるものと
なっている。
【0207】ここで、以上から、図22では、MPEG
デコード部11は、MPEGデコード処理全体を行うも
のである必要はない。即ち、図22のMPEGデコード
部11は、画像メモリ34に記憶された参照画像を用い
て動き補償を行うことにより、予測画像を生成すること
ができるものであれば良い。
【0208】ブロック境界段差検出部26は、演算器4
が出力するDCT係数のブロックについて、図1のブロ
ック境界段差検出部21における場合と同様にして、差
分情報を求める。従って、ブロック境界段差検出部26
で求められる差分情報は、画素値の差分ではなく、DC
T係数の差分となっている。
【0209】アクティビティ算出部27は、演算器4が
出力するDCT係数のブロックから、そのブロックのア
クティビティを算出する。即ち、ブロックのアクティビ
ティは、そのブロックのDCT係数のうちのAC成分の
2乗和との間に高い相関を有する。そこで、アクティビ
ティ算出部27は、演算器4が出力するDCT係数のブ
ロックのAC成分の2乗和を求め、そのブロックのアク
ティビティとして、補正値算出部23および高域低減部
25に出力する。
【0210】以下、図22の画像処理装置では、図1に
おける場合と同様にして、ブロック歪み等を低減した画
像が復号される。
【0211】但し、演算器4が補正値加算部31に出力
するDCT係数のブロックは、上述したように、そのピ
クチャタイプによらず、逆DCT処理することにより、
元の画像の画素値のブロックが得られるものとなってい
るため、Iピクチャのみならず、PピクチャやBピクチ
ャであっても、出力画像作成部33において、予測画像
を加算する必要はない。
【0212】次に、図23は、本発明を適用した伝送シ
ステムの一実施の形態の構成例を示している。
【0213】この伝送システムは、送信装置61および
受信装置62から構成され、送信装置61から、MPE
Gエンコードされた画像データが、例えば、公衆網や、
インターネット、CATV網、衛星回線等のネットワー
ク63を介して、受信装置62に伝送されるようになっ
ている。
【0214】送信装置61には、画像データが入力され
るようになっており、この画像データは、MPEGエン
コード部71に供給される。MPEGエンコード部71
は、そこに供給される画像データをMPEGエンコード
し、その結果得られる符号化データを、入力画像分析部
72と、MUX(マルチプレクサ)74に供給する。
【0215】入力画像分析部72は、MPEGエンコー
ド部71からの符号化データに対して、例えば、図1の
入力画像分析部1と同様の処理を施し、その処理結果
を、歪補正値算出部73に供給する。歪補正値算出部7
3は、入力画像分析部72の出力を用いて、例えば、図
1の歪補正値算出部2と同様の処理を行い、図1の画像
再構成部3に出力されるのと同様の補正値を得て、MU
X74に供給する。
【0216】MUX74は、MPEGエンコード部71
からの符号化データと、歪補正値算出部73からの補正
値とを多重化し、その結果得られる多重化データを、通
信I/F(Interface)75に供給する。通信I/F75
は、MUX74からの多重化データを、ネットワーク6
3を介して、受信装置62に伝送する。
【0217】受信装置62では、通信I/F81が、上
述のようにして、ネットワーク63を介して、送信装置
61から伝送されてくる多重化データを受信し、DMU
X(デマルチプレクサ)82に供給する。DMUX82
は、通信I/F81からの多重化データを、符号化デー
タと補正値とに分離し、符号化データを入力画像分析部
83に、補正値を画像再構成部84に、それぞれ供給す
る。
【0218】入力画像分析部83は、DMUX82から
の符号化データに対して、例えば、図1の入力画像分析
部1と同様の処理を施し、その処理結果を、画像再構成
部84に供給する。
【0219】画像再構成部84は、操作部85の操作に
したがい、入力画像分析部83の出力を、DMUX82
からの補正値によって補正し、あるいは補正せずに処理
し、復号画像を得て出力する。
【0220】即ち、ユーザが、操作部85を、高画質の
画像を要求するように操作しなかった場合には、画像再
構成部84は、入力画像分析部83の出力を、DMUX
82からの補正値によって補正せずに処理し、復号画像
を得て出力する。従って、この場合、ユーザには、画像
のアクティビティ、あるいは送信装置61のMPEGエ
ンコード部71における画像の圧縮率等によっては、ブ
ロック歪み等の目立つ復号画像が提供される。
【0221】一方、ユーザが、操作部85を、高画質の
画像を要求するように操作した場合には、画像再構成部
84は、入力画像分析部83の出力を、DMUX82か
らの補正値によって補正して処理し、復号画像を得て出
力する。従って、この場合、ユーザには、ブロック歪み
等の低減された高画質の復号画像が提供される。
【0222】さらに、この場合、画像再構成部84は、
補正値による補正を行った高画質の画像を提供した旨の
メッセージ(以下、適宜、高画質画像提供メッセージと
いう)を、通信I/F81に供給する。通信I/F81
は、その高画質画像提供メッセージを、受信装置62に
あらかじめ付されている受信装置ID(Identification)
とともに、ネットワーク63を介して、送信装置61に
伝送する。
【0223】送信装置61では、通信I/F75が、受
信装置62からの高画質画像提供メッセージおよび受信
装置IDを受信し、課金処理部76に供給する。課金処
理部76は、受信装置IDと、その受信装置IDに対応
するユーザに対する課金情報とを対応付けて管理してお
り、高画質画像提供メッセージおよび受信装置IDを受
信すると、その受信装置IDに対応するユーザに対する
課金処理を行い、課金情報を更新する。ユーザに対して
は、この課金情報に基づいて、高画質の画像の提供に対
する対価としての料金請求が行われる。
【0224】なお、上述の場合には、操作部85の操作
に対応して、補正値による補正を行った高画質の画像を
提供し、その後、課金処理を行うようにしたが、その
他、例えば、ユーザから、あらかじめ料金を徴収してお
き、料金を支払ったユーザにのみ、補正値の利用を許可
して、その補正値による補正を行った高画質の画像を提
供するようにすることも可能である。さらに、補正値に
よる補正を行った高画質の画像の提供は、料金の徴収な
しで行うことも可能である。また、補正値は、送信装置
61で生成するのではなく、受信装置62で生成するこ
とも可能である。
【0225】次に、上述した一連の処理は、ハードウェ
アにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行う
こともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う
場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、
汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0226】そこで、図24は、上述した一連の処理を
実行するプログラムがインストールされるコンピュータ
の一実施の形態の構成例を示している。
【0227】プログラムは、コンピュータに内蔵されて
いる記録媒体としてのハードディスク105やROM1
03に予め記録しておくことができる。
【0228】あるいはまた、プログラムは、フロッピー
(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Onl
y Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digita
l Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなど
のリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続
的に格納(記録)しておくことができる。このようなリ
ムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフ
トウエアとして提供することができる。
【0229】なお、プログラムは、上述したようなリム
ーバブル記録媒体111からコンピュータにインストー
ルする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放
送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送し
たり、LAN(Local Area Network)、インターネットとい
ったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送
し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくる
プログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハード
ディスク105にインストールすることができる。
【0230】コンピュータは、CPU(Central Processing
Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス1
01を介して、入出力インタフェース110が接続され
ており、CPU102は、入出力インタフェース110を
介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイ
ク等で構成される入力部107が操作等されることによ
り指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read O
nly Memory)103に格納されているプログラムを実行
する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク
105に格納されているプログラム、衛星若しくはネッ
トワークから転送され、通信部108で受信されてハー
ドディスク105にインストールされたプログラム、ま
たはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体
111から読み出されてハードディスク105にインス
トールされたプログラムを、RAM(Random Access Memor
y)104にロードして実行する。これにより、CPU10
2は、上述したフローチャートにしたがった処理、ある
いは上述したブロック図の構成により行われる処理を行
う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応
じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、
LCD(Liquid CryStal Display)やスピーカ等で構成され
る出力部106から出力、あるいは、通信部108から
送信、さらには、ハードディスク105に記録等させ
る。
【0231】ここで、本明細書において、コンピュータ
に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処
理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載され
た順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あ
るいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるい
はオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0232】また、プログラムは、1のコンピュータに
より処理されるものであっても良いし、複数のコンピュ
ータによって分散処理されるものであっても良い。さら
に、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実
行されるものであっても良い。
【0233】なお、本実施の形態では、MPEGエンコ
ードされた画像を復号する場合を対象としたが、本発明
は、その他、ブロック単位で直交変換することによりエ
ンコードされた画像を復号する場合に適応可能である。
【0234】
【発明の効果】以上の如く、本発明の画像処理装置およ
び画像処理方法、並びに記録媒体によれば、ブロックの
境界における画素値と、そのブロックに隣接するブロッ
クである隣接ブロックの境界における画素値との差分に
対応する差分情報が求められ、その差分情報に基づい
て、直交変換係数の補正に用いる補正情報が求められ
る。従って、その補正情報により補正を行うことによ
り、ブロック歪み等を、容易に低減し、高画質の復号画
像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の第1実施の形
態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図3】ブロック境界段差検出部21の処理を説明する
ための図である。
【図4】MPEGにおけるフレームDCTモードとフィ
ールドDCTモードのマクロブロックを示す図である。
【図5】ブロック境界段差検出部21の処理を説明する
ための図である。
【図6】ブロック境界段差検出部21の処理を説明する
ための図である。
【図7】ブロック境界段差検出部21の処理を説明する
ための図である。
【図8】ブロック境界段差検出部21の処理を説明する
ための図である。
【図9】補正値算出部23の処理を説明するための図で
ある。
【図10】補正値算出部23の処理を説明するための図
である。
【図11】補正値算出部23の処理を説明するための図
である。
【図12】高域低減部25の処理を説明するための図で
ある。
【図13】高域低減部25の処理による効果を説明する
ための図である。
【図14】高域低減部25の処理を説明するための図で
ある。
【図15】補正値加算部31の処理を説明するための図
である。
【図16】本件発明者によるシミュレーション結果を示
すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図17】本件発明者によるシミュレーション結果を示
すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図18】逆DCT変換部32の構成例を示すブロック
図である。
【図19】クラス分類回路43の構成例を示すブロック
図である。
【図20】電力演算回路51の処理を説明するための図
である。
【図21】図18の逆DCT変換部32の処理を説明す
るフローチャートである。
【図22】本発明を適用した画像処理装置の第2実施の
形態の構成例を示すブロック図である。
【図23】本発明を適用した伝送システムの一実施の形
態の構成例を示すブロック図である。
【図24】本発明を適用したコンピュータの一実施の形
態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 入力画像分析部, 2 歪補正値算出部, 3 画
像再構成部, 4 演算器, 11 MPEGデコード
部, 12 DCT係数抽出/逆量子化部,13 サイ
ドインフォメーション抽出部, 14 DCT変換部,
21 ブロック境界段差検出部, 22 アクティビ
ティ算出部, 23 補正値算出部,24 DCT変換
部, 25 高域低減部, 26 ブロック境界段差検
出部, 27 アクティビティ算出部, 31 補正値
加算部, 32 逆DCT変換部, 33 出力画像作
成部, 34 画像メモリ, 35 ピクチャ選択部,
41 予測タップ抽出回路, 42 クラスタップ抽
出回路, 43クラス分類回路, 44 係数テーブル
記憶部, 45積和演算回路, 51電力演算回路,
52 クラスコード生成回路, 53 閾値テーブル記
憶部, 61 送信装置, 62 受信装置, 63
ネットワーク, 71 MPEGエンコード部, 72
入力画像分析部, 73 歪補正値算出部, 74M
UX, 75 通信I/F, 76 課金処理部, 8
1 通信I/F,82 DMUX, 83 入力画像分
析部, 84 画像再構成部, 85 操作部, 10
1 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104
RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部,
107 入力部, 108 通信部, 109 ドラ
イブ, 110 入出力インタフェース, 111 リ
ムーバブル記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜松 俊彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大塚 秀樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 西片 丈晴 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 國弘 威 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 森藤 孝文 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 内田 真史 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C059 KK03 MA00 MA23 MC11 MC14 MC34 NN01 NN28 PP06 PP07 SS20 TA41 TB08 TC04 TC10 TC33 TC34 TC42 TD08 TD13 TD15 UA02 UA05 UA39 UA40

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を所定の大きさのブロックにブロッ
    ク化し、各ブロックを直交変換して得られる直交変換係
    数を処理する画像処理装置であって、 前記ブロックの境界における画素値と、そのブロックに
    隣接するブロックである隣接ブロックの境界における画
    素値との差分に対応する差分情報を求める差分情報演算
    手段と、 前記差分情報に基づいて、前記直交変換係数の補正に用
    いる補正情報を求める補正情報演算手段とを備えること
    を特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記差分情報演算手段は、前記ブロック
    の直交変換係数を逆直交変換することにより得られる画
    素値を用いて、前記差分情報を求めることを特徴とする
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記差分情報演算手段は、前記ブロック
    の直交変換係数を用いて、前記差分情報を求めることを
    特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記補正情報演算手段は、前記差分情報
    に対して、所定の重み付けを行うことにより、前記補正
    情報を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記ブロックのアクティビティを検出す
    るアクティビティ検出手段をさらに備え、 前記補正情報演算手段は、前記差分情報に対して、前記
    アクティビティに基づく重み付けを行うことにより、前
    記補正情報を求めることを特徴とする請求項4に記載の
    画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記補正情報を修正する修正手段をさら
    に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記修正手段は、前記補正情報の高周波
    数成分を低減することにより、前記補正情報を修正する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記補正情報が、直交変換係数である場
    合において、 前記修正手段は、前記補正情報である直交変換係数の高
    次のものを0とすることにより、前記補正情報を修正す
    ることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記ブロックのアクティビティを検出す
    るアクティビティ検出手段をさらに備え、 前記修正手段は、前記アクティビティに基づいて、前記
    補正情報である直交変換係数のうち、0とするものを決
    定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ブロックの直交変換係数が量子化
    されている場合において、 前記修正手段は、前記ブロックの直交変換係数を量子化
    するときに用いられた量子化スケールに基づいて、前記
    補正情報である直交変換係数のうち、0とするものを決
    定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装
    置。
  11. 【請求項11】 前記補正情報が、直交変換係数である
    場合において、 前記修正手段は、前記補正情報である直交変換係数に対
    して、所定の重み付けを行うことにより、前記補正情報
    を修正することを特徴とする請求項6に記載の画像処理
    装置。
  12. 【請求項12】 前記修正手段は、前記補正情報である
    直交変換係数に対して、その直交変換係数の次数に基づ
    く重み付けを行うことを特徴とする請求項11に記載の
    画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記ブロックの直交変換係数が量子化
    されている場合において、 前記修正手段は、前記補正情報である直交変換係数に対
    して、前記ブロックの直交変換係数を量子化するときに
    用いられた量子化テーブルに基づく重み付けを行うこと
    を特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記ブロックの直交変換係数を、前記
    補正情報によって補正し、補正直交変換係数を出力する
    補正手段と、 前記補正直交変換係数を、画素値に変換する変換手段と をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像
    処理装置。
  15. 【請求項15】 前記補正手段は、前記補正情報である
    直交変換係数を、前記ブロックの直交変換係数に対して
    加算または減算することにより、補正直交変換係数を得
    ることを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 前記ブロックの直交変換係数を逆直交
    変換し、その逆直交変換結果と、所定の参照画像を動き
    補償することにより得られる予測画像とを用いて、画像
    を復号する復号手段をさらに備えることを特徴とする請
    求項14に記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】 前記復号手段は、前記変換手段が出力
    する画素値で構成される画像を参照画像として動き補償
    を行うことにより、前記予測画像を得ることを特徴とす
    る請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 画像を所定の大きさのブロックにブロ
    ック化し、各ブロックを直交変換して得られる直交変換
    係数を処理する画像処理方法であって、 前記ブロックの境界における画素値と、そのブロックに
    隣接するブロックである隣接ブロックの境界における画
    素値との差分に対応する差分情報を求める差分情報演算
    ステップと、 前記差分情報に基づいて、前記直交変換係数の補正に用
    いる補正情報を求める補正情報演算ステップとを備える
    ことを特徴とする画像処理方法。
  19. 【請求項19】 画像を所定の大きさのブロックにブロ
    ック化し、各ブロックを直交変換して得られる直交変換
    係数を処理する画像処理を、コンピュータに行わせるプ
    ログラムが記録されている記録媒体であって、 前記ブロックの境界における画素値と、そのブロックに
    隣接するブロックである隣接ブロックの境界における画
    素値との差分に対応する差分情報を求める差分情報演算
    ステップと、 前記差分情報に基づいて、前記直交変換係数の補正に用
    いる補正情報を求める補正情報演算ステップとを備える
    プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒
    体。
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