JP2002009514A - 高周波フィルタ - Google Patents

高周波フィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路基板に一括形成可能な構造により平面回
路としての優れた量産性を有し、しかも低損失な共振器
により構成した、挿入損失が低くかつ量産性に優れた高
周波フィルタを提供する。 【解決手段】 誘電体基板1の下面に下面接地導体層4
が形成され、上面に中心周波数の高周波信号の信号波長
の略4分の1の長さの上面接地導体層3が形成されると
ともに、所定の配列で下面および上面接地導体層4・3
間を電気的に接続する2列の貫通導体群5が形成されて
成る誘電体導波管線路部と、誘電体基板1に下面接地導
体層4に対向させ、かつ誘電体導波管線路部の開口のそ
れぞれに対向させて形成された、この開口の幅に対応す
る幅の終端部を有する一対の高周波信号入出力用の信号
導体2とを具備する高周波フィルタである。誘電体導波
管線路部による共振器と信号導体2とを効率よく結合で
き、低挿入損失で量産性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信機器やセンサ等
の無線部に使用される高周波フィルタに関し、特に回路
基板に一体形成可能で、平面回路としての量産性に優れ
た構造により低コスト化を実現した高周波フィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波・ミリ波帯において使
用される高周波フィルタとしては、空洞共振器もしくは
誘電体共振器を用いたものや、回路基板上に形成された
平面回路系共振器を組み合わせたものが用いられてい
た。
【0003】このうち空洞共振器を用いるものは、金属
から成る中空の筐体における共振を利用するものである
ことから、筐体内壁に銀等の低損失な導体を用いること
により、共振器自体の損失を低く、すなわちQ値を高く
することが可能であり、挿入損失の低いフィルタを実現
することができる。
【0004】また、誘電体共振器を用いるものは、低損
失かつ高誘電率の誘電体材料を直方体状や円筒状に加工
することにより構成されることから、誘電体内部におけ
る電磁波の物理的波長が圧縮される効果から共振器の小
型化が可能になり、また回路基板上に配置することによ
り、外部回路が平面回路である場合にも対応することが
可能となる。
【0005】また平面回路系共振器を用いた高周波フィ
ルタでは、セラミック材料から成る基板等への厚膜印刷
による同時焼成や、プリント回路基板へのエッチング
等、量産性の高い製造方法による製作が可能であり、回
路素子、ひいては機器全体の小型化・低価格化を実現す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の高周波フィルタにおいては、以下のような
問題点がある。
【0007】空洞共振器を用いた高周波フィルタの場合
は、空洞共振器自体に共振波長に応じた空洞寸法が必要
とされるために、小型化が困難であるという問題点があ
る。また空洞共振器と外部回路の接続において、共振し
ている電磁界モードとの結合を効率よく実現するために
は導波管や同軸線路を用いなければならないが、これら
の伝送路を用いたものは、機器全体の大型化が避けられ
ないという問題点があり、また量産性が低いために低価
格化が困難であるという問題点もあった。
【0008】誘電体共振器を用いた場合は、平面回路に
共振器を配置することにより外部回路との電磁界の結合
を実現することができるが、平面回路基板作製の後工程
において共振器を配置・実装する精度によって結合度の
ばらつきが生じてしまうという問題点があり、高精度の
実装を行なう必要がある点が量産性を低下させる要因と
なっているという問題点もあった。また、ミリ波帯のよ
うな超高周波においては、共振器の物理寸法が小さくな
ってしまうために、後工程における良品率を向上させる
ことが困難であるという問題もあった。
【0009】また、平面回路系共振器を用いた場合は、
共振器を構成する線路導体の形状の不連続部における電
磁波の放射の存在や、周波数が高くなるにつれて配線導
体の導体損が優位になってしまうことから、空洞共振器
等の立体回路系共振器を用いた場合に比べて損失が大き
くなってしまうという問題点があった。
【0010】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、回路基板に一括
形成可能な構造により平面回路としての優れた量産性を
有し、しかも低損失な共振器により構成した、挿入損失
が低くかつ量産性に優れた高周波フィルタを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波フィルタ
は、誘電体基板の下面に下面接地導体層が形成され、上
面に中心周波数の高周波信号の信号波長の略4分の1の
長さの上面接地導体層が形成されるとともに、高周波信
号の伝送方向に所定の間隔で、かつ前記伝送方向と直交
する方向に所定の幅で前記下面接地導体層および前記上
面接地導体層間を電気的に接続する2列の貫通導体群が
形成されて成る、前記下面接地導体層、前記上面接地導
体層および前記貫通導体群で囲まれた伝送領域によって
前記高周波信号を伝送する誘電体導波管線路部と、前記
誘電体基板に前記下面接地導体層に対向させ、かつ前記
誘電体導波管線路部の開口のそれぞれに対向させて形成
された、該開口の幅に対応する幅の終端部を有する一対
の高周波信号入出力用の信号導体とを具備することを特
徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の高周波フィルタによれ
ば、誘電体基板に形成された略4分の1波長の長さの誘
電体導波管線路部と、この誘電体導波管線路部の開口の
それぞれに対向させて形成されたマイクロストリップ線
路またはストリップ線路構造の高周波信号入出力用の信
号導体とを具備する構造としたことにより、誘電体基板
内部に両端が開放された、両開放端間の距離が中心周波
数の高周波信号の信号波長(管内波長)の約4分の1に
対応した導波管共振器が存在している状態に相当するも
のとなり、この導波管構造にその共振器長に対応した共
振周波数で共振が生じる。このとき誘電体導波管線路部
の内部における電磁界分布の主モードは、高周波信号の
伝送方向をz軸とし、このz軸に垂直な面において、上
面もしくは下面接地導体層に平行な方向と垂直な方向を
それぞれx軸とy軸とみた場合に、電界はTE101モー
ドに対応した分布となり、磁界はTE101モードと類似
した分布であるが、この誘電体導波管線路部の内部で磁
束が閉じる形態ではなく、2列の貫通導体群により構成
される導波管側壁に相当する部位をそれぞれ取り巻きつ
つ閉じる形態として分布する。この誘電体導波管線路部
内における側壁近傍の磁界の向きは、TE101モードの
磁界に対応した向きとなる。したがって、この誘電体導
波管線路部の開口に相当する部位における電界の分布は
TE10モードとみなせることから、誘電体基板に対して
垂直に分布しており、高周波信号入出力用の信号導体の
開放終端部における電界の向きに一致する。しかも、こ
れら信号導体の開放終端部においては、その幅を誘電体
導波管線路部の開口の幅に対応するように広げているた
めに、線路状の信号導体に対して終端部が二分岐した線
路構造をとって、そのそれぞれの終端が開放となってい
る構造ともみなせることから、磁界はそれぞれの終端を
見る方向において同一方向に線路方向を取り巻くように
分布することとなる。すなわちこの誘電体導波管線路部
の開口に相当する部位を見る方向においては、それぞれ
の分岐線路における磁界の向きは逆向きとなることか
ら、この開口相当部位の両側面における磁界の向きに一
致することとなる。その結果、終端部を有するマイクロ
ストリップ線路状あるいはストリップ線路状の信号導体
と、約4分の1波長長さの誘電体導波管線路部による共
振器との結合を効率よく行なうことが可能となり、低損
失な立体回路系の共振器に類似した共振構造を有する高
周波フィルタを、平面回路内に一括形成可能な構造で組
み込むことが可能となる。これにより、挿入損失が低
く、平面回路としての量産性に優れた構造を有する、低
コストで製作できる高周波フィルタを提供することがで
きる。
【0013】そして、本発明の高周波フィルタは、該誘
電体導波管線路部による共振器の共振周波数を中心周波
数とした帯域通過特性を有するフィルタとなる。
【0014】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0015】図1は本発明の高周波フィルタの例を示す
斜視図、図2はその上面図、図3はその要部拡大斜視図
である。これらの図において、1は誘電体基板、2は誘
電体基板1の上面に形成された高周波信号入出力用の信
号導体、3は誘電体基板1の上面に中心周波数の高周波
信号の信号波長の略4分の1の長さで形成された上面接
地導体層、4は誘電体基板1の下面のほぼ全面に形成さ
れた下面接地導体層、5は誘電体基板1の内部に形成さ
れた、高周波信号の伝送方向に所定の間隔で、かつ伝送
方向と直交する方向に所定の幅で下面接地導体層4およ
び上面接地導体層3間を電気的に接続する2列の貫通導
体群である。
【0016】上面接地導体層3および下面接地導体層4
は所定の厚みの誘電体基板1を挟持する位置に一対の導
体層として、誘電体基板1の少なくとも導波管線路形成
位置を挟む上下面に形成されている。また、上面接地導
体層3・下面接地導体層4間には上面接地導体層3と下
面接地導体層4とを電気的に接続するスルーホール導体
やビアホール導体等の貫通導体が多数設けられ、これら
多数の貫通導体により2列の貫通導体群5を形成してい
る。
【0017】これら2列の貫通導体群5は、高周波信号
の伝送方向すなわち導波管線路形成方向に所定の繰り返
し間隔で、かつ伝送方向と直交する方向に所定の一定の
間隔(幅)をもって形成されている。これにより、この
誘電体導波管線路部における電気的な側壁を形成してい
る。
【0018】ここで、誘電体基板1の厚みすなわち一対
の上面接地導体層3・下面接地導体層4間の間隔に対す
る制限は特にないが、シングルモードで用いる場合には
2列の貫通導体群5の幅に対して2分の1以下とするこ
とがよく、これにより誘電体導波管線路部のH面に当た
る部分が上面接地導体層3・下面接地導体層4で、E面
に当たる部分が貫通導体群5でそれぞれ形成される。
【0019】そして、2列の貫通導体群5の各列におけ
る貫通導体の間隔が、上面接地導体層3の長さである略
4分の1波長より小さい所定の間隔に設定されること
で、貫通導体群5により電気的な壁が形成できる。ここ
では、各列の貫通導体を複数本ずつ設けることで、信号
波長の4分の1未満の間隔で貫通導体を配設することと
なり、電気的な壁が形成できることとなる。
【0020】また、貫通導体群5の各列を形成する貫通
導体同士を電気的に接続する、上面接地導体層3および
下面接地導体層4と平行に形成された補助導体層を、必
要に応じて適宜設けてもよい。このように一対の上面接
地導体層3・下面接地導体層4と貫通導体群5とで囲ま
れた領域に対してさらに補助導体層を形成することによ
り、誘電体導波管線路部の内部から見るとその側壁は貫
通導体群5と補助導体層とによって細かな格子状にな
り、様々な方向の電磁波が遮蔽される。
【0021】なお、図1〜図3に示した態様では貫通導
体群5は2列に形成したが、この貫通導体群5を4列あ
るいは6列に配設して、2列の貫通導体群5による疑似
的な導体壁を2重・3重に形成することにより導体壁か
らの電磁波の漏れをより効果的に防止することもでき
る。
【0022】このような誘電体導波管線路部によれば、
誘電体導波管による伝送線路となるので、誘電体基板1
の比誘電率をεrとするとその誘電体導波管線路部のサ
イズは通常の導波管の1/√εrの大きさになる。従っ
て、誘電体基板1を構成する材料の比誘電率εrを大き
いものとするほど誘電体導波管線路部のサイズを小さく
することができて高周波フィルタの小型化を図ることが
でき、高密度に配線が形成される多層配線基板または半
導体素子収納用パッケージあるいは車間レーダの平面回
路に一括形成する場合にも利用可能な大きさの誘電体導
波管線路部とすることができる。
【0023】なお、貫通導体群5を構成する貫通導体は
前述のように所定の間隔で配設されており、この間隔は
良好な伝送特性を実現するためには一定の繰り返し間隔
とすることが望ましいが、上面接地導体層3の長さであ
る信号波長の4分の1未満の間隔であれば、適宜変化さ
せたりいくつかの値を組み合わせたりしてもよい。
【0024】誘電体導波管線路部を構成する上面接地導
体層3は、誘電体基板1の上面に形成され、その高周波
信号の伝送方向の長さを高周波フィルタの中心周波数の
高周波信号の略4分の1の長さとされている。これによ
り、誘電体導波管線路部が共振器長が4分の1波長の共
振器として機能するものとなり、この共振器長に対応し
た帯域特性の高周波フィルタを構成することができる。
【0025】誘電体基板1の下面に形成された下面接地
導体層4は、誘電体導波管線路部の下部接地導体層とし
て機能するとともに高周波信号入出力用の信号導体2に
対する接地導体層としても機能するものであり、少なく
ともこれら誘電体導波管線路部および信号導体2が形成
される領域に対応させて誘電体基板1の下面に広面積に
形成される。
【0026】高周波信号入出力用の信号導体2は、誘電
体基板1の上面または内部に下面接地導体層4に対向さ
せて形成され、かつ誘電体導波管線路部の開口すなわち
高周波信号の伝送方向の開口端部のそれぞれに対向させ
て一対形成されている。そして、信号導体2が誘電体導
波管線路の開口と対向する部分は、図1〜図3にも示す
ように、誘電体導波管線路の開口の幅に対応する幅の終
端部とされており、これにより、誘電体導波管線路部と
の結合を効率よく行なうことができ、誘電体導波管線路
部から成る共振器への高周波信号の入力およびこの共振
器からの高周波信号の出力の伝送を良好に行なうことが
できる高周波フィルタが構成される。
【0027】この信号導体2の終端部の幅は、誘電体導
波管線路部の開口の幅と同程度もしくはそれ以下とすれ
ばよく、また、その長さは、信号導体の線路部の幅より
も小さくすればよい。そして、誘電体導波管線路部の開
口との間隔の大小は、共振器と外部回路との結合度の増
減にそれぞれ対応しており、所望のフィルタ特性に適し
た結合度を実現する間隔とすればよい。
【0028】なお、この信号導体2およびその終端部
は、通常は誘電体基板1の上面にマイクロストリップ線
路構造のものとして形成すればよく、この場合には誘電
体導波管線路部との結合を効率よく行なえるとともに、
形成後に終端部をトリミングすることにより結合特性を
容易に調整することができる点でも好適なものとなる。
【0029】また、この信号導体2および終端部を誘電
体基板1の内部に形成し、その上面にも接地導体層を形
成することにより、ストリップ線路構造のものとして形
成してもよい。この場合は、信号導体の終端部からの放
射をより抑制することが可能となり、より高い結合度を
実現しうるものとなる。
【0030】このような本発明の高周波フィルタを構成
する誘電体基板1としては、誘電体として機能し高周波
信号の伝送を妨げることのない特性を有するものであれ
ばとりわけ限定するものではないが、信号導体2や誘電
体導波管線路部を形成する際の精度および製造の容易性
の点からは、誘電体基板1はセラミックスから成ること
が望ましい。
【0031】このようなセラミックスとしてはこれまで
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明にの高周波フィルタに用いるものとしては常誘電
体であることが望ましい。これは、一般に強誘電体セラ
ミックスは高周波領域では誘電損失が大きく伝送損失が
大きくなるためである。従って、誘電体基板1の比誘電
率εrは4〜100程度が適当である。
【0032】このような誘電体基板1としては、例えば
アルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス
・ガラスセラミックス等がある。これらによる誘電体基
板1は、例えばセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤
・溶媒を添加混合して泥漿状になすとともに、これを従
来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミック
グリーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すとと
もにこれらを積層し、アルミナセラミックスの場合は15
00〜1700℃程度、ガラスセラミックスの場合は850〜100
0℃程度、窒化アルミニウムセラミックスの場合は1600
〜1900℃程度の温度で焼成することによって製作され
る。なお、誘電体基板1は誘電体層を複数積層して作製
されるものに限られず、単層の誘電体層からなるもので
あってもよい。
【0033】また、信号導体2および上面接地導体層3
・下面接地導体層4は、例えば誘電体基板1がアルミナ
セラミックスから成る場合には、タングステン等の金属
粉末に適当なアルミナ・シリカ・マグネシア等の酸化物
や有機溶剤・溶媒等を添加混合してペースト状にしたも
のを用いて厚膜印刷法により少なくとも伝送線路を完全
に覆うようにセラミックグリーンシート上に印刷し、し
かる後、約1600℃の高温で焼成し、厚みが5〜50μm程
度となるようにして形成すればよい。なお、金属粉末と
しては、ガラスセラミックスの場合は銅・金・銀が、窒
化アルミニウムセラミックスの場合はタングステン・モ
リブデンが好適である。
【0034】また、貫通導体群5を構成する貫通導体
は、例えばビアホール導体やスルーホール導体等により
形成すればよい。その断面形状は製作が容易な円形の
他、矩形や菱形等の多角形であってもよい。これら貫通
導体は、例えばセラミックグリーンシートに打ち抜き加
工を施して作製した貫通孔に上面および下面接地導体層
3・4と同様の金属ペーストを埋め込み、しかる後、誘
電体基板1と同時に焼成して形成すればよい。なお、貫
通導体は直径50〜300μm程度が適当である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の高周波フィルタについて具体
例を説明する。
【0036】比誘電率が8.8、厚みが0.2mmのアルミナ
セラミックスからなる誘電体基板1上に、同時焼成によ
り、下面のほぼ全面に下面接地導体層4を、上面に線路
部の幅が0.2mmで、幅が1.5mm、長さが0.1mmの開
放終端部を有する高周波信号入出力用の信号導体2、お
よびこの信号導体2の終端から0.1mmの間隔をあけ
て、幅が1.5mm、長さが0.6mmの矩形状の上面接地導
体3を、また上面接地導体3において信号導体2と相対
していない辺に沿って、その辺から0.2mm内側に断面
中心を有する直径が0.1mmのビア導体を0.2mmの等間
隔で、誘電体基板1を貫通して上面接地導体3と下面接
地導体4とを導通するように配設して2列の貫通導体群
5をそれぞれ形成することにより、本発明の高周波フィ
ルタを作製した。
【0037】そして、この高周波フィルタのSパラメー
タをネットワークアナライザにより計測し、挿入損失特
性を求めた。この挿入損失特性の計測結果を図4および
図5に示す。
【0038】図4および図5はこのようにして作製した
本発明の高周波フィルタの通過特性および阻止特性を示
す線図であり、いずれも横軸は周波数(単位:GHz)
を、縦軸はSパラメータのうちS21(単位:dB)を表
わし、特性曲線はそれぞれの周波数特性を示している。
これらより分かるように、本発明の高周波フィルタは48
GHzという超高周波帯域においても挿入損失が2dB
程度となっており、低損失な高周波フィルタである。
【0039】この結果、本発明の高周波フィルタは平面
回路作製プロセスのみにより誘電体基板に一括形成でき
る構造を有する低損失かつ小形な高周波フィルタである
ことが確認できた。
【0040】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。例えば、誘電体導
波管線路部による共振器を伝送方向に複数個形成するこ
とにより、多段構成のフィルタとしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波フィルタ
によれば、誘電体基板に形成された中心周波数の高周波
信号の信号波長の略4分の1波長の長さの誘電体導波管
線路部と、この誘電体導波管線路部の開口のそれぞれに
対向させて形成された開口の幅に対応する幅の終端部を
有する高周波信号入出力用の信号導体とを具備する構造
としたことから、平面回路で構成された終端部を有する
高周波信号入出力用の信号導体と誘電体導波管線路部に
よる共振器との結合を効率よく行なうことが可能とな
り、空洞共振器を用いた高周波フィルタの場合の小型化
が困難で量産性も低いという問題点や、誘電体共振器を
用いた場合の共振器の結合度のばらつきが生じてしまう
という問題点や、平面回路系共振器を用いた場合の放射
の存在や損失が大きくなってしまうという問題点がな
く、平面回路内に一括形成した高周波信号入出力用の信
号導体と誘電体導波管線路部による共振器との結合を効
率よく行なうことができる、挿入損失が低くしかも量産
性に優れた高周波フィルタとなる。
【0042】以上のように、本発明によれば、回路基板
に一括形成可能な構造により平面回路としての優れた量
産性を有し、しかも低損失な共振器により構成した、挿
入損失が低くかつ量産性に優れた高周波フィルタを提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波フィルタの実施の形態の一例を
示す斜視図である。
【図2】本発明の高周波フィルタの実施の形態の一例を
示す平面図である。
【図3】本発明の高周波フィルタの実施の形態の一例を
示す要部拡大斜視図である。
【図4】本発明の高周波フィルタにおける挿入損失特性
のうち通過特性を示す線図である。
【図5】本発明の高周波フィルタにおける挿入損失特性
のうち阻止特性を示す線図である。
【符号の説明】
1・・・・・誘電体基板 2・・・・・高周波信号入出力用の信号導体 3・・・・・上面接地導体 4・・・・・下面接地導体 5・・・・・貫通導体群

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の下面に下面接地導体層が形
    成され、上面に中心周波数の高周波信号の信号波長の略
    4分の1の長さの上面接地導体層が形成されるととも
    に、高周波信号の伝送方向に所定の間隔で、かつ前記伝
    送方向と直交する方向に所定の幅で前記下面接地導体層
    および前記上面接地導体層間を電気的に接続する2列の
    貫通導体群が形成されて成る、前記下面接地導体層、前
    記上面接地導体層および前記貫通導体群で囲まれた伝送
    領域によって前記高周波信号を伝送する誘電体導波管線
    路部と、前記誘電体基板に前記下面接地導体層に対向さ
    せ、かつ前記誘電体導波管線路部の開口のそれぞれに対
    向させて形成された、該開口の幅に対応する幅の終端部
    を有する一対の高周波信号入出力用の信号導体とを具備
    することを特徴とする高周波フィルタ。
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