JP2002005985A - 絶縁診断装置 - Google Patents

絶縁診断装置

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JP2002005985A
JP2002005985A JP2000181609A JP2000181609A JP2002005985A JP 2002005985 A JP2002005985 A JP 2002005985A JP 2000181609 A JP2000181609 A JP 2000181609A JP 2000181609 A JP2000181609 A JP 2000181609A JP 2002005985 A JP2002005985 A JP 2002005985A
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diameter
opening
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Toshihiro Hoshino
俊弘 星野
Satoshi Matsumoto
松本  聡
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ識別を容易に行うことができる、高精
度の絶縁診断装置を提供する。 【解決手段】 診断対象となる電力機器20は中心導体
1と金属タンク2からなり、この金属タンク2に形成さ
れた開口部3に、絶縁診断装置30の外輪4を金属ボル
ト5によって金属密閉して取り付ける。また、絶縁診断
装置の外部電極6及び内部電極7をそれぞれ略円錐形状
に形成し、開口部3の平面から信号取出口8までの間、
これらの直径比が一定となるように構成することによ
り、開口部3の平面から信号取出口8まではどの断面に
おいても特性インピーダンスZが一定となるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力機器に使用す
る絶縁診断・監視装置に係り、特に、電力機器内部の絶
縁異常を電気的に検出する絶縁診断装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁開閉装置やガス絶縁遮断器等の
ガス絶縁機器において、機器内部の絶縁異常を検出する
ために、絶縁異常の際に発生する電磁波を検出する方法
がある。例えば、特開平10−341519号公報及び
特開平01−213577号公報に示された発明では、
ガス絶縁機器内部を伝搬する電磁波を金属電極によって
検出している。
【0003】通常、ガス絶縁機器は、中心導体−金属タ
ンク間が高電界下に曝されており、仮に機器内部に微小
な金属異物が存在した場合、金属異物から部分放電が発
生し始め、最終的には中心導体−金属タンク間の絶縁が
破れて閃絡を引き起こすことが考えられる。そこで、閃
絡の前兆である部分放電の段階で、ガス絶縁機器内部を
伝搬してくる電磁波を検出することにより、絶縁異常を
事前に見極める診断手法が採られている。
【0004】この部分放電信号の検出には様々な手法が
提案されているが、近年、絶縁診断の高信頼度化に対し
て最も有用視されているのが、UHF(Ultra High Fre
quency)法と呼ばれる手法である。このUHF法は、電
力機器の金属タンクの内部に金属円盤を設け、静電分圧
の原理を利用して、主にUHF帯域(300MHz〜3
GHz)の高周波電磁波を検出する手法である。例え
ば、このUHF法を利用したUHFセンサは、図7に示
したように、電力機器の金属タンク2に設けられた開口
部3に、上記金属円盤13を金属タンク2と接触させな
い構成で取り付けて信号を検出する絶縁診断装置であ
る。
【0005】一般に、伝搬波形14には、部分放電信号
と外部ノイズ信号の2種類が考えられるが、部分放電に
よって発生する伝搬波形14は非常に微弱であるので、
外部ノイズ信号との識別が困難であり、UHF帯域のよ
うな高周波帯域では信号検出自体も容易ではなくなる。
しかし、図7に示したようなUHFセンサは電力機器の
内部に組み込まれているため、伝搬波形14が外部ノイ
ズ信号である確率は非常に少なく、理想的な状態で微弱
な部分放電信号を検出することができる。したがって、
図7に示したようなスペーサ10の両側に箔11を貼り
付けた箔電極法や、電力機器の外部に設置したアンテナ
12により受信する外部アンテナ法と比較して、非常に
精度の高い診断を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなUHFセンサを用いる方法には、次の様な問題
点があった。すなわち、図7に示したようなUHFセン
サは一般的に図8の等価回路で表され、中心導体1−金
属円盤13における静電容量C1、及び金属円盤13−
外部電極6における静電容量C2で静電分圧された出力
信号が得られる。すなわち、理想的な周波数特性を有す
る場合には、伝搬波形14に対応した歪みのない出力信
号が信号取出口8から得られる。
【0007】しかし、完全に静電分圧された場合には出
力信号の利得が大幅に低下するため、部分放電信号とU
HFセンサの検出信号の相関関係が得にくくなり、放電
電荷量の校正に支障をきたす。また、外部ノイズ信号は
伝搬波形14に含まれないとは完全に保証できず、その
ため信号取出口8からの出力信号から外部ノイズ信号と
部分放電信号を識別することは難しくなる。このよう
に、理想的な周波数特性を追求しても、かえってその意
義が薄れることになる。
【0008】また、現状のUHFセンサは、大きな金属
円盤13を使用している都合上、図8に示したC1、C2
の静電分圧が完全に行われるわけではない。例えば、金
属円盤13−外部電極6や金属円盤13−開口部3にも
2が現れてしまう。また、中心導体1−開口部3や中
心導体1−外部電極6にもC1が現れてしまう。その結
果、信号取出口8からの出力信号は、目的・用途に見合
った周波数特性から大きく外れることが予想される。
【0009】このように、現状のUHFセンサではノイ
ズ識別に見合った出力信号を得ているとは言い難く、出
力信号自身は得られても、その出力信号が外部ノイズ信
号か部分放電信号か判断しにくい点が大きな課題となっ
ている。
【0010】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、電力機器内における伝搬波形を目的・用途に応じて
出力信号に反映させることにより、ノイズ識別を容易に
行うことができる、高精度の絶縁診断装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、外部ノイ
ズ信号と部分放電信号を識別するためには、絶縁診断装
置の出力信号を電力機器内の伝搬波形の波形急峻度に対
応させる方法が効果的であり、また、高利得化を可能と
するためには、絶縁診断装置の出力信号を開口部定在波
の周波数に同調させて抽出する方法が効果的であると考
え、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させたもので
ある。
【0012】すなわち、上記の目的を達成するため、請
求項1に記載の発明は、測定対象となる電力機器の金属
容器の外被に形成された開口部に気密に対向配置して取
り付けられ、前記開口部の開口面と対向して同心的に一
側端部開口面を配置すると共に、他側端部開口面までの
直径比を同一にしてなる同軸形状の内部電極及び外部電
極を備えてなると共に、前記容器内に発生する部分放電
信号を測定する所定の測定機器に接続された絶縁診断装
置において、前記外部電極と内部電極の直径比が、前記
一側端部開口面から前記他側端部開口面まで所定の特性
インピーダンスZとなるように構成されていることを特
徴とする。
【0013】上記のような構成を有する請求項1に記載
の発明によれば、静電容量C2を0に近づけることがで
きるので、当該絶縁診断装置の出力信号は電力機器内部
の伝搬波形の波形急峻度、すなわち伝搬波形の時間変化
分に比例して得られる。したがって、波形急峻度に基づ
いて部分放電信号と外部ノイズ信号を識別することが可
能となる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の絶縁診断装置において、前記外部電極の直径が、前記
開口部の直径に対して1/2以下となるように構成され
ていることを特徴とする。上記のような構成を有する請
求項2に記載の発明によれば、電力機器内部の伝搬波形
のうち、開口部で決定される定在波の周波数のみを限定
して検出することができるので、絶縁診断装置の出力信
号を周波数解析すれば、定在波の周波数において非常に
高利得な信号検出が可能となる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の絶縁診断装置において、前記外部電極の直径が、管状
である前記金属容器の直径に対して1/5以下となるよ
うに構成されていることを特徴とする。上記のような構
成を有する請求項3に記載の発明によれば、絶縁診断装
置の出力信号において、開口部定在波に起因した振動成
分が除去されるので、電力機器内部の伝搬波形に対する
絶縁診断装置の出力信号の信頼度を向上させることがで
きる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれか一に記載の絶縁診断装置において、前
記絶縁診断装置から前記所定の特性インピーダンスZを
有する前記測定機器までを、前記所定の特性インピーダ
ンスZを有する接続ケーブルを介して接続したことを特
徴とする。上記のような構成を有する請求項4に記載の
発明によれば、絶縁診断装置と測定機器との間でインピ
ーダンス不整合による反射を抑制することができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の絶縁診断装置において、前記測定機器を所定の周波数
解析装置によって構成し、開口部定在波の発生周波数帯
域に同調させて電磁波を抽出するように構成したことを
特徴とする。上記のような構成を有する請求項5に記載
の発明によれば、絶縁診断装置の出力信号を用いて、商
用周波数に対する発生位相特性や利得特性がリアルタイ
ムで表示できるようになり、また、定在波の発生する複
数の周波数信号成分を比較することにより、部分放電信
号におけるノイズ識別も可能になる。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の絶縁診断装置において、前記測定機器を所定の波形解
析装置によって構成し、絶縁診断装置における出力信号
のうち、時間軸波形における第1波高値の正ピーク値及
び負ピーク値の比を求め、この比が1に近いほど所要信
号であると判定してノイズ識別を行うように構成したこ
とを特徴とする。上記のような構成を有する請求項6に
記載の発明によれば、部分放電信号と外部ノイズ信号を
時間軸波形から直接判定できるので、ノイズ識別が確実
となる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項4に記載
の絶縁診断装置において、前記測定機器を所定の波形解
析装置によって構成し、絶縁診断装置における出力信号
に対して、時間軸波形における負のピークにトリガをか
けて所要信号を検出するように構成したことを特徴とす
る。上記のような構成を有する請求項7に記載の発明に
よれば、絶縁診断装置の出力信号の中から外部ノイズ信
号の検出回数を減らし、部分放電信号の検出回数を上げ
ることができるので、ノイズ識別技術を向上させること
ができ、診断効率を上げることができる。また、絶縁診
断に関する特別なアルゴリズムや複雑な監視システム装
置を必要としないため、変電所での機器の保守や簡易診
断にも効果的である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る絶縁診断装置
の実施の形態(以下、実施形態という)について、図面
を参照して具体的に説明する。なお、図7に示した従来
型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略す
る。
【0021】[1.第1実施形態] [1−1.構成]図1は、本実施形態による絶縁診断装
置の構成を示した図である。すなわち、図において、診
断対象となる電力機器20は中心導体1と金属タンク2
からなり、この金属タンク2に開口部3が形成されてい
る。一方、絶縁診断装置30の外輪4は、金属ボルト5
によって前記開口部3に金属密閉して取り付けられてい
る。また、絶縁診断装置の外部電極6及び内部電極7は
それぞれ略円錐形状に形成され、同心的に配置されて、
開口部3の平面から信号取出口8までの間、これらの直
径比が一定となるように構成されている。これにより、
開口部3の平面から信号取出口8まではどの断面におい
ても特性インピーダンスZが一定となっている。
【0022】また、絶縁診断装置30の内部電極7と電
力機器20の金属タンク2との間に特定の静電容量を設
けないように、開口部3の平面と内部電極7の平面をほ
ぼ揃えてある。さらに、信号取出口8を特性インピーダ
ンスZのコネクタで構成して、接続ケーブル9を接続で
きるようになっている。
【0023】[1−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置においては、図1の
等価回路を表す図2に示したように、電力機器の中心導
体1と絶縁診断装置の内部電極7の間に静電容量C1
形成される。一方、従来のUHFセンサにおいては、図
8に示したように、金属円盤13−外部電極6に静電容
量C2が形成され、C1とC2で静電分圧された信号が信
号取出口8に出力されていた。
【0024】しかし、図1及び図2に示した本実施形態
の絶縁診断装置においては、開口部3の平面と内部電極
7の平面をほぼ揃えてあるため、静電容量C2を極力0
に近づけることができる。その結果、電力機器の伝搬波
形14に対してC1−C2の静電分圧が行われることはな
く、伝搬波形14における急峻な成分のみC1を通過さ
せることができる。これは、C1により部分放電信号を
時間微分したことに相当するので、部分放電信号の波形
急峻度を出力信号として信号取出口8から取り出すこと
ができる。
【0025】このように、本実施形態の絶縁診断装置は
微分型センサとして機能させることができ、部分放電信
号と外部ノイズ信号の違いを波形急峻度で直接判定でき
るので、ノイズ識別を行うことが可能となる。
【0026】[2.第2実施形態] [2−1.構成]図3は、本実施形態による絶縁診断装
置の構成を示した図である。すなわち、本実施形態にお
いては、外部電極6の直径2rが、開口部3の直径2R
に対して1/2以下(r≦R/2)となるように構成さ
れている。さらに、この外部電極6に対して、上記第1
実施形態と同様に、開口部3の平面から信号取出口8ま
での間、絶縁診断装置の外部電極6及び内部電極7の直
径比が一定となるように構成され、開口部3の平面から
信号取出口8まではどの断面においても特性インピーダ
ンスZが一定となるように構成されている。
【0027】[2−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、電力機器20に形成される開口部3
の直径2Rは一定に保ち、絶縁診断装置における外部電
極6の直径2rを上記開口部3の直径2Rの1/2以下
に制限すると、静電容量C1は小さくなる。この場合、
上記第1実施形態における絶縁診断装置の微分型時間応
答波形は、理論的に12.04dB抑制することができ
る。
【0028】しかし、図4に示したように、電力機器2
0に形成される開口部3の直径2Rは一定であるので、
開口部3により決定される定在波A〜Dの周波数や利得
は変化しない。したがって、開口部定在波に対してC1
−C2の静電分圧を10dB以上抑制できれば、定在波
のみ非常に効率よく受信できるようになる。
【0029】このように、本実施形態の絶縁診断装置は
定在波受信型センサとして機能させることができるの
で、電力機器内部の伝搬波形のうち、開口部で決定され
る定在波の周波数のみを限定して検出でき、その出力信
号を周波数解析すれば、定在波の周波数において非常に
高利得な信号検出が可能となる。
【0030】[3.第3実施形態] [3−1.構成]図5は、本実施形態による絶縁診断装
置の構成を示した図である。すなわち、本実施形態にお
いては、電力機器20に形成される開口部3の直径2R
は、外部電極6の直径2rと等しく構成されると共に、
外部電極6の直径2rが、管状の金属タンク2の直径2
0に対して1/5以下(r≦r0/5)となるように構
成されている。さらに、この外部電極6に対して、上記
第1実施形態と同様に、開口部3の平面から信号取出口
8までの間、絶縁診断装置の外部電極6及び内部電極7
の直径比が一定となるように構成され、開口部3の平面
から信号取出口8まではどの断面においても特性インピ
ーダンスZが一定となるように構成されている。
【0031】[3−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、絶縁診断装置の外部電極6及び内部
電極7を小さくし、また外部電極6及び開口部3の直径
2rを管状の金属タンク2の直径2r0に対して1/5
以下に制限すると、図4に示した開口部3の円周長2?
Rが小さくなるので、定在波Cはほとんど無視できるよ
うになる。また線分bdについてもほぼ線分ab程度に
短くなるため、定在波Aは定在波D程度に高周波側にシ
フトさせることができる。
【0032】この場合、絶縁診断装置の出力信号のう
ち、定在波に起因する振動成分は大幅に除去されるた
め、前述のC1−C2の静電分圧に近い出力信号が得られ
る。したがって、電力機器の伝搬波形14に対する絶縁
診断装置の出力信号の信頼度を向上させることができ
る。
【0033】このように、本実施形態の絶縁診断装置は
振動抑制型センサとして機能させることができ、絶縁診
断装置の出力信号において、開口部定在波に起因した振
動成分が除去されるため、絶縁診断装置の出力信号の信
頼度を向上させることができる。
【0034】[4.第4実施形態] [4−1.構成]図6は、本実施形態による絶縁診断装
置の構成を示した図である。すなわち、本実施形態にお
いては、絶縁診断装置の特性インピーダンスZを、接続
ケーブル9及び測定機器15の特性インピーダンスZと
一致させている。言い換えれば、絶縁診断装置から所定
の特性インピーダンスZを有する測定機器15までを、
所定の特性インピーダンスZを有する接続ケーブル9を
介して接続したものである。
【0035】[4−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、絶縁診断装置と測定機器15との間
でインピーダンス不整合による反射がある場合、絶縁診
断装置の出力信号は振動波形になる。しかし、本実施形
態の絶縁診断装置においては、その特性インピーダンス
Zを接続ケーブル9及び測定機器15の特性インピーダ
ンスZと一致させているので、絶縁診断装置の出力信号
を変化させることなく測定機器15まで導くことができ
る。このように、本実施形態の絶縁診断装置において
は、測定機器15との間でインピーダンス不整合による
反射を抑制することができるので、高精度の診断が可能
となる。
【0036】[5.第5実施形態] [5−1.構成]本実施形態は、上記第4実施形態の変
形例であって、図6に示した測定機器15を、スペクト
ラムアナライザのような周波数解析装置によって構成し
たものである。すなわち、一般に用いられている部分放
電検出器、あるいは、上記第1実施形態乃至第3実施形
態の絶縁診断装置における何れかの出力信号に対して、
周波数解析装置で開口部定在波の発生する周波数に同調
させて、商用周波数の1サイクルごとにトリガをかけて
測定するように構成したものである。
【0037】[5−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、商用周波数の1サイクルごとにトリ
ガをかけて測定することにより、商用周波数に対するど
の発生位相においてどのような利得が現れているかをリ
アルタイムで表示できるようになる。また、ガス絶縁開
閉装置の突起状異物、スペーサ付着異物、ボイド放電
等、部分放電信号の欠陥種類を特定することができる。
この場合、定在波の発生する周波数信号成分はUHF帯
域(300MHz〜3GHz)の比較的低い周波数に現
れるため、高感度化に大きく寄与する。
【0038】このように、本実施形態の絶縁診断装置に
おいては、その出力信号を用いて、商用周波数に対する
発生位相特性や利得特性がリアルタイムで表示できるよ
うになる。また、定在波の発生する複数の周波数信号成
分を比較することにより、部分放電信号におけるノイズ
識別も可能になる。
【0039】[6.第6実施形態] [6−1.構成]本実施形態は、上記第4実施形態の変
形例であって、図6に示した測定機器15を、オシロス
コープのような波形解析装置によって構成したものであ
り、上記第1実施形態及び第2実施形態の絶縁診断装置
において得られる時間軸波形にトリガをかけるように構
成したものである。
【0040】[6−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、商用周波数の正サイクル中に発生す
る空気中の外部ノイズ信号は、立ち上がりは急峻である
が、立ち下がりについてはそれほど急峻ではない。した
がって、空気中の外部ノイズ信号に対する絶縁診断装置
の出力波形は、第1波高値の正のピーク値は現れても、
負のピーク値はほとんど現れない。
【0041】しかし、立ち上がり・立ち下がりともに急
峻な部分放電信号では、絶縁診断装置の出力波形におい
ても、第1波高値の正・負のピーク値ともに現れると考
えられる。そこで、トリガをかけた出力信号において、
第1波高値の正ピーク値及び負ピーク値に着目し、正の
ピーク値と負のピーク値の比を求める。ここで、正のピ
ーク値と負のピーク値がほぼ同じ値を示す場合、すなわ
ち比が1に近いほど部分放電信号であると判定する。逆
に、片方のピーク値しか示さない場合、空気中の外部ノ
イズ信号であると判定する。このように、本実施形態の
絶縁診断装置においては、部分放電信号と外部ノイズ信
号を時間軸波形から直接判定することができるので、ノ
イズ識別が確実となる。
【0042】[7.第7実施形態] [7−1.構成]本実施形態は、上記第6実施形態の変
形例であって、図6に示した測定機器15を、オシロス
コープのような波形解析装置によって構成したものであ
り、この絶縁診断装置の出力波形は第1波高値に正及び
負のピーク値を有するので、この第1波高値の正、また
は負のピーク値にトリガをかけて部分放電信号を検出す
るようにしたものである。
【0043】[7−2.作用・効果]上記のような構成
を有する本実施形態の絶縁診断装置は、以下のように作
用する。すなわち、上記第6実施形態において、例え
ば、第1波高値の負のピーク値にトリガをかければ、外
部ノイズ信号の検出回数を減らし、部分放電信号の検出
回数を上げることができる。従って、ノイズ識別技術を
向上させることができ、診断効率を上げることができ
る。また、この手法であれば、絶縁診断に関する特別な
アルゴリズムや複雑な監視システム装置を必要としない
ため、変電所での機器の保守や簡易診断にも大きな威力
を発揮する。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、電力機器内における伝
搬波形を目的・用途に応じて出力信号に反映させること
により、ノイズ識別を容易に行うことができる、高精度
の絶縁診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁診断装置の第1実施形態の構
成を示す断面図
【図2】図1に示した絶縁診断装置の等価回路を示す図
【図3】本発明に係る絶縁診断装置の第2実施形態の構
成を示す断面図
【図4】開口部定在波と幾何学的構造との対応関係を示
す図
【図5】本発明に係る絶縁診断装置の第3実施形態の構
成を示す断面図
【図6】本発明に係る絶縁診断装置の第4実施形態乃至
第7実施形態の構成を示す断面図
【図7】従来から電力機器に使用されているUHFセン
サの構成を示す断面図
【図8】図7に示したUHFセンサの等価回路を示す図
【符号の説明】
1…中心導体 2…金属タンク 3…開口部 4…外輪 5…金属ボルト 6…外部電極 7…内部電極 8…信号取出口 9…接続ケーブル 10…スペーサ 11…箔電極 12…アンテナ 13…金属円盤 14…伝搬波形 15…測定機器 20…電力機器 30…絶縁診断装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象となる電力機器の金属容器の外
    被に形成された開口部に気密に対向配置して取り付けら
    れ、前記開口部の開口面と対向して同心的に一側端部開
    口面を配置すると共に、他側端部開口面までの直径比を
    同一にしてなる同軸形状の内部電極及び外部電極を備え
    てなると共に、前記容器内に発生する部分放電信号を測
    定する所定の測定機器に接続された絶縁診断装置におい
    て、 前記外部電極と内部電極の直径比が、前記一側端部開口
    面から前記他側端部開口面まで所定の特性インピーダン
    スZとなるように構成されていることを特徴とする絶縁
    診断装置。
  2. 【請求項2】 前記外部電極の直径が、前記開口部の直
    径に対して1/2以下となるように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の絶縁診断装置。
  3. 【請求項3】 前記外部電極の直径が、管状である前記
    金属容器の直径に対して1/5以下となるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の絶縁診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁診断装置から前記所定の特性イ
    ンピーダンスZを有する前記測定機器までを、前記所定
    の特性インピーダンスZを有する接続ケーブルを介して
    接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れか一に記載の絶縁診断装置。
  5. 【請求項5】 前記測定機器を所定の周波数解析装置に
    よって構成し、開口部定在波の発生周波数帯域に同調さ
    せて電磁波を抽出するように構成したことを特徴とする
    請求項4に記載の絶縁診断装置。
  6. 【請求項6】 前記測定機器を所定の波形解析装置によ
    って構成し、絶縁診断装置における出力信号のうち、時
    間軸波形における第1波高値の正ピーク値及び負ピーク
    値の比を求め、この比が1に近いほど所要信号であると
    判定してノイズ識別を行うように構成したことを特徴と
    する請求項4に記載の絶縁診断装置。
  7. 【請求項7】 前記測定機器を所定の波形解析装置によ
    って構成し、絶縁診断装置における出力信号に対して、
    時間軸波形における負のピークにトリガをかけて所要信
    号を検出するように構成したことを特徴とする請求項4
    に記載の絶縁診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7782063B2 (en) 2005-11-29 2010-08-24 Kyushu Institute Of Technology Partial discharge charge quantity measuring method and device

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