JP2002005952A - 加速度センサー - Google Patents

加速度センサー

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JP2002005952A
JP2002005952A JP2000186524A JP2000186524A JP2002005952A JP 2002005952 A JP2002005952 A JP 2002005952A JP 2000186524 A JP2000186524 A JP 2000186524A JP 2000186524 A JP2000186524 A JP 2000186524A JP 2002005952 A JP2002005952 A JP 2002005952A
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diaphragm
vibration
acceleration sensor
case
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JP2000186524A
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Hiroyuki Baba
啓之 馬場
Noriyuki Murata
紀行 村田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造で、特に周波数の高い共振
周波数fo近傍を使用する場合に大きな効果を得ること
ができる、高感度で、かつ安定した耐振性を有する温度
特性に優れた低価格で高性能の加速度センサーを提供す
ること。 【解決手段】 圧電素子13を接着した振動板12を支
柱15aにより支持する金属ベース15と、この金属ベ
ース15を溶接して圧電素子13および振動板12を収
装する振動空間Vを画成する固定用ケース11と、圧電
素子13の電極14に接続した接続ピン17を金属ベー
ス15の外側まで引き出して外部コネクタと接続可能に
配設するコネクタ16とによりケースを構成し、ケース
としての共振周波数を圧電素子13および振動板12の
振動体としての共振周波数の略3倍以上に設定するとと
もに、コネクタ16の素材として曲げ弾性率が8×10
3(Mpa)以上かつ対数減衰率が8(1/s)以上の
材料を選定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度センサーに
関し、詳しくは、圧電素子を振動板に固設してケース内
に収装する状態で加速度を検出するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、実用化されている加速度セン
サーとしては、電磁型、圧電型、半導体型等の種々の方
式により加えられた加速度を検出するものが知られてお
り、そのうちの圧電型にあっては、圧電素子が屈撓する
ことによって加えられた加速度を検出するものがある。
このような加速度センサーは、特に車載用等に多用され
ており、ノッキング制御やエアバッグ制御などに必要な
加速度を検出する。
【0003】この種の圧電型の加速度センサーとして
は、例えば、図7に示すようなもの(第1従来例)があ
る。この加速度センサー100は、枠形状に形成した金
属製の固定側ケース101の底面中央に支柱101aを
一体に立設して、図8に示すように、その支柱101a
に円盤形状に形成した金属製の振動板102を溶接して
支持するとともに、この振動板102の上面にドーナツ
形状に形成した圧電素子103を同軸となるように接着
することにより構成されている。圧電素子103には、
表裏の両面に同軸となるように検出電極104が形成さ
れており、検出電極104の一方には振動板102が導
通接触されているとともに、他方の検出電極104には
ワイヤボンデイング等による半田105aによって接続
されたワイヤ105を介して、外部のコネクタに接続す
る椀形状に形成した樹脂製の接続側ケース106に設け
られている接続ピン107に接続されている。なお、固
定側ケース101と接続側ケース106とは、互いの開
放端部101c、106cを嵌合してかしめることによ
り、画成する振動空間内に振動板102と圧電素子10
3を内装するとともに、開放端部101c、106cの
間にOリング108を挟み込んでその振動空間を防水構
造に組み立てている。
【0004】また、この種の圧電型の加速度センサーと
しては、図9に示すようなもの(第2従来例)もある。
この加速度センサー110は、枠形状に形成した金属製
の固定側ケース111の開放端部111cに、円盤形状
に形成した金属ベース112を溶接して蓋をするととも
に、その上に外部コネクタに接続する接続ピン107を
設けられている円盤形状のコネクタ116を重ねてかし
めることにより、振動板102および圧電素子103を
収装する振動空間を画成するようになっており、この圧
電素子103を固設された振動板102は、固定側ケー
ス111に支柱を設けることなく、金属ベース112に
立設した支柱112aに支持させるようになっている。
具体的には、振動板102および圧電素子103を双方
共にドーナツ形状に形成するとともに、コネクタ116
の樹脂材料により絶縁性を保持しつつ金属ベース112
の支柱112a内に接続ピン107を貫通させて、その
接続ピン107と圧電素子103の検出電極104に接
続円盤115を半田115aにより固設することによっ
て、振動可能に支持するようになっている。なお、この
加速度センサー110では、固定側ケース111の内周
面と金属ベース112の外周面との間にOリング118
を挟み込むことにより振動空間を防水構造に組み立てら
れており、振動板102や圧電素子103の振動を妨げ
ないように、接続円盤115の剛性は極力小さくするの
が好ましいが、接続円盤115に代えて、振動板102
を支柱112aに溶接すると共に検出電極104にはワ
イヤ105により電気的に接続するようにすることもで
きる。
【0005】これら加速度センサー100、110は、
固定側ケース101、111の下面側に設けた雄ねじ1
01b、111bをねじ込んだエンジン等の検出対象の
振動を加えられたときに、振動板102の振動に応じて
圧電素子103に生じる電圧を固定側ケース101、1
11や金属ベース112をアースとして検出電極104
から接続ピン107を介して取り出し、その加速度を検
出することができるようになっている。
【0006】このような加速度センサーは、一定加速度
の振動に対する周波数特性を図10に示すように、共振
点f0付近では高いQを得られる一方、中・低周波数領
域では平坦となる周波数特性であるので、一般的には、
使用目的に応じて平坦部またはf0近傍の振動出力を使
用するようになっており、実質的に使用帯域の上限はこ
の共振点fo近傍までとなる。なお、感度という面から
すると、図7に示す加速度センサー100よりも、図9
に示す加速度センサー110の方が高感度化が可能であ
ることが実験的に分かっており、これは金属ベース11
2上に振動板102が構成されているためであると考え
られ、金属ベース112が完全な剛体ではなく、加速度
により振動板102と同様に僅かではあるが振動するた
め、振動板102の振動がトランスのように機能して増
幅される様な働きをするためと考えられる。
【0007】なお、圧電素子103に形成する電極とし
ては、小径の励振電極と大径の検出電極とに2分割して
同軸二重となるように形成してもよく、励振電極を介し
て圧電素子103に外部から交流電圧を印加することに
より圧電素子103の圧電効果により振動板102を振
動させ、この振動により生じる検出電極の電位からセン
サー機能の良否や故障の有無の自己診断あるいは検出レ
ベルの校正をすることができるようにしたものもある。
また、この従来技術では、中央に立設する支柱101
a、112aにより振動板102を支持させるが、円盤
形状の周縁部をクランプするタイプや、棒状の振動板を
片持ちに固定するタイプなど種々の方式がある。また、
圧電素子103の検出電極104と接続ピン107との
間に電気インビーダンス変換器、アンプ、補正回路等の
電子部品を設けられているプリント基板をワイヤ105
によって接続して内蔵させるものもあり、固定側ケース
101、111などにアースを兼用する接続ピン107
のみの一端子タイプの他にも、そのアースを出力端子に
引き出した二端子タイプのものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな圧電型の加速度センサー100の第1従来例にあっ
ては、検出出力を取り出すために、圧電素子103の検
出電極104と接続側ケース106の接続ピン107と
をワイヤ105の半田付けなどにより電気的に接続する
作業が必要になるので、組立作業を自動化することが困
難であり、コスト削減の妨げになってしまう。この接続
のために、リード線やワイヤボンデング等を使わずに圧
接接続する接触端子等による接触方式も考えられるが、
その接触端子には接触抵抗を下げるための金メッキ処理
等が必要となってしまい、安価に、かつ高信頼性を得る
ことが難しい、という問題があった。
【0009】一方、圧電型の加速度センサー110の第
2従来例にあっては、接続ピン107は圧電素子103
の検出電極104に接続円盤115を固設して、電気的
かつ機械的に接続するので、組立作業を容易に自動化す
ることができるとともに、その圧電素子103を接着し
た振動板102は固定側ケース111の蓋をする関係に
なる金属ベース112の支柱112aに支持させるの
で、第1従来例の加速度センサー100よりも高感度化
が可能であり、ノッキング制御やエアバッグ制御などに
好適に車載することができる。
【0010】しかし、この第2従来例の加速度センサー
110でも、特に10kHzを越えるような高周波領域
では、環境温度が変化しても加速度を精度よく検出する
ことが難しくなると共に、加速度による振動以外のノイ
ズが影響してしまう、という課題がある。
【0011】これは、高周波領域では振動伝達が加速度
ばかりではなく、ケース等を構成する部材における振動
伝達が影響するためと考えられ、その伝達時の位相特性
等により、耐振特性や温度特性に問題が生じるものと思
われる。
【0012】具体的には、コネクタ116は樹脂製であ
ると共に、金属ベース112は物理的に完全剛体と考え
ることはできないことから、振動が生じて振動板102
に伝達し、また、コネクタ116(接続ピン107)に
連結した外部からの振動ノイズがそのコネクタ116お
よび金属ベース112を介して振動板102に伝達し、
加速度の検出に支障となる大きな振動ノイズとなって、
加速度の検出精度を劣化させることがあると考えられ
る。
【0013】また、コネクタ116は、樹脂製であると
共に、固定側ケース111の開放端部111cに金属ベ
ース112を介してかしめて固定していることから、高
温時にコネクタ116の弛み等が生じて、金属ベース1
12の振動の影響を受けて、温度特性の劣化につながる
ものと考えられる。
【0014】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、比較的簡単な構造で、特に周波数の
高い共振周波数fo近傍を使用する場合に大きな効果を
得ることができる、高感度で、かつ安定した耐振性を有
する温度特性に優れた低価格で高い性能を有する加速度
センサーを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の加速度センサー
は、振動板の片面または両面に、ドーナツ形状に形成し
た圧電素子を固設して、加えられた加速度に応じた前記
振動板の振動により前記圧電素子に発生する電圧によっ
て前記加速度を検出する加速度センサーであって、前記
圧電素子および前記振動板を収装するケースを、前記圧
電素子を固設した前記振動板の中央部を支持する支柱を
立設されたベース部材と、前記圧電素子および前記振動
板を収装可能な枠形状に形成されて前記ベース部材に前
記枠形状端部を接合されることにより前記圧電素子およ
び前記振動板の振動空間を画成し前記加速度の検出対象
に固定するケース部材と、前記圧電素子の電極に電気的
に接続した接続用端子を前記ベース部材の外側まで引き
出して外部コネクタと接続可能に配設するコネクタ部材
とにより構成し、前記ケースとしての共振周波数を、前
記圧電素子および前記振動板の振動体としての共振周波
数の略3倍以上に設定するとともに、前記コネクタ部材
の素材として、曲げ弾性率が8×103(Mpa)以
上、かつ、対数減衰率が8(1/s)以上の材料を選定
した構成を有している。
【0016】この構成により、加速度を検出する圧電素
子および振動板は、ベース部材の支柱に支持された状態
で、そのベース部材の背面側のコネクタ部材に配設され
た接続用端子に圧電素子の電極を接続されるとともに、
検出対象に固定されたケース部材により画成される振動
空間内に、そのケース部材に直接支持されることなく収
装される。したがって、高感度な構造を採用しつつ、圧
電素子の電極と接続用端子を、フレキシブルなワイヤな
どによらずに、剛性を有する接続用金属片等により電気
的かつ機械的に接続することができ、組立作業の自動化
を実現してコスト低減を図ることができる。
【0017】また、そのコネクタ部材は、曲げ弾性率お
よび対数減衰率が所定値以上の材料により作製されると
ともに、ケース全体としての共振周波数を、圧電素子お
よび振動板の振動体としての共振周波数の略3倍以上に
設定される。したがって、安定した温度特性にしつつ、
振動ノイズにも強くすることができる。
【0018】この結果、比較的簡単に自動化することの
できる構造で、高感度かつ安定した温度特性を有する耐
振性に優れる加速度センサーを低コストに作製すること
ができる。
【0019】ここで、本発明に係る加速度センサーは、
温度特性や耐振特性を向上させるために、前記コネクタ
部材の素材として液晶ポリマー系材料を用いるのが好適
である。また、ベース部材の振動変位が振動板の変位に
影響を与えないようにして、さらにバラツキの少ない高
安定化を図るために、前記ベース部材の前記ケース部材
との接合位置を前記振動板の外径の略1.4倍以下に設
定するとともに前記ベース部材の板厚を前記振動板の板
厚の略6倍以上に設定するのも好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1〜図6は本発明に係る加速度センサーの一
実施形態を説明する図である。
【0021】まず、加速度センサーの構造を説明する。
【0022】図1において、加速度センサー10は、固
定用ケース11と、振動板12と、圧電素子13と、金
属ベース15と、接続用コネクタ16と、Oリング18
とを組み立てることにより作製されており、図9に示す
第2従来例と同様に、ドーナツ形状に形成した金属製の
振動板12上に、略同一内径のドーナツ形状に形成して
表裏面に検出電極14を成膜した圧電素子13を同軸と
なるように接着されることにより、例えば、エンジン等
の検出対象の振動を加えられたときに、振動板12を介
して与えられる応力歪みにより圧電素子13に電荷
[Q]が発生し、その圧電素子13の静電容量[C]に
応じて生じる次式で示す大きさの電圧[V]を取り出
し、加えられた加速度を検出するようになっている。 [V]=Q/C
【0023】固定用ケース11は、円形の底面を有する
有底の円筒枠形状に金属材料により形成されており、底
面中央に支柱を立設されることなく、振動板12および
圧電素子13の双方を収装可能な深さに形成され、その
下面にはエンジンなどの検出対象に設けられているねじ
穴に螺合させて固定する雄ねじ11bを設けられてい
る。
【0024】金属ベース15は、圧電素子13の反対側
の振動板12に溶接する支柱15aを中央に立設された
固定用ケース11と略同径の金属製の円盤形状に作製さ
れており、コネクタ16は、その金属ベース15と略同
等な円盤形状の円盤部16aに外部コネクタを連結固定
可能なコネクタ部16bを樹脂材料の一体成形により作
製されている。
【0025】このコネクタ16は、金属ベース15の支
柱15a内を樹脂材料を貫通させて、その内部に外部コ
ネクタに接続する接続ピン(接続用端子)17を通すこ
とにより、接続ピン17を金属ベース15などから電気
的に絶縁する状態で、圧電素子13の検出電極14の近
傍に露出させており、この接続ピン17および検出電極
14との間に接続円盤19を半田19aにより電気的に
導通させた状態で固定することによって、振動板12お
よび圧電素子13を振動可能に支柱15aに支持させ、
圧電素子13に生じた圧電[V]を接続ピン17を介し
て外部に取り出すことができるようになっている。
【0026】そして、この加速度センサー10は、固定
用ケース11の開放端面11c上に金属ベース15を溶
接するとともに、その上にコネクタ16を重ねて、開放
端外縁の延長部11dをかしめてコネクタ16角部の上
面を押さえることにより、振動板12および圧電素子1
3を収装する振動空間Vを画成するようになっており、
この固定用ケース11の底面中央には、圧電素子13上
面よりも突出する接続円盤19を収納可能な窪み部11
eを形成して、振動板12および圧電素子13の固定用
ケース11または金属ベース15に対面する間隔を狭く
任意に設定することができるようになっている。なお、
Oリング18は、固定用ケース11の開放端延長部11
d内面と金属ベース15の外面との間に挟み込まれて、
振動板12および圧電素子13を収装する振動空間Vの
防水性を確保する。
【0027】したがって、加速度センサー10は、図9
に示す第2従来例と略同様な構造に構築されており、振
動板12および圧電素子13を、固定用ケース11に直
接支持させることなく、金属ベース15側に支持させる
構造にすることにより、高感度にすることができると共
に、容易に自動化を図ることができる。
【0028】このことから、加速度センサー10を第2
従来例よりも安定して加速度を高精度に検出可能にする
には、その第2従来例における課題を解決する構成にす
ればよいことが分かる。このため、特に、10kHzを
越えるような高周波領域においても、環境温度の変化に
よらずに、加速度による振動以外の振動伝達の位相特性
等によるノイズが発生することのないようにするため
に、次のような構成を採用する。
【0029】 振動板12の外径φA1に対する固定
用ケース11の内径を、その振動板12等の振動を妨げ
ない程度に小さくして、金属ベース15の固定用ケース
11との溶接部Pの径φA2を極力小さく構成する。こ
の最適条件としては、溶接部Pの径Aφ2を、振動板2
の外径φA1の約1.4倍以下に設定する。
【0030】 振動板12の板厚t1は薄くするのに
対して、金属ベース15の板厚t2は極力厚く構成す
る。この最適条件としては、金属ベース15の板厚t2
を、振動板12の板厚t1の約6倍以上に設定する。
【0031】 固定用ケース11が内部に金属ベース
15と共に画成する振動空間Vの高さHを極力小さく構
成する。
【0032】 コネクタ16の材質を曲げ弾性率が大
きく、かつ対数減衰率(内部抵抗・内部損失)が大きい
素材にする。最適条件としては、コネクタ16を構成す
る樹脂材料として、曲げ弾性率が8×103(Mpa)
以上、かつ、対数減衰率が8(1/s)以上のものを選
定する。例えば、ガラス約30%、ミネラル(フィラ
ー)約20%程度を混合した液晶ポリマー系素材が適し
ていることが実験的に確認されている。なお、このコネ
クタ16は樹脂材料により作製することから耐熱性の高
い材料を選択することも必要条件の一つと言える。
【0033】ここで、上記、、は、固定用ケース
11および金属ベース15の共振周波数fo1を、振動
板12および圧電素子13の使用共振周波数foの約3
倍以上にするための構成である。また、上記、は、
振動空間Vによるヘルムホルツの共鳴管現象、筐体隔壁
での定在波等の音響的な反共振(特性上生じるディッ
プ)による特性劣化を防止するための条件でもあり、つ
まり、振動空間Vを小さく構成することにより、前者を
使用帯域上限外にするとともに、後者を気室内の音響抵
抗の増加によりその発生を抑制するための条件である。
さらに、上記は、共振周波数を高くするために極力堅
い素材にするとともに振動振幅を小さくするためにQの
低い高温時に変化の少ない安定素材でコネクタ16を作
製することにより、コネクタ16が振動板12および圧
電素子13の振動に影響を与えることを少なくするため
の条件である。
【0034】次に、加速度センサー10の寸法設計およ
び材料の選定を具体的に説明する。この加速度センサー
10は、固定用ケース11に金属ベース15を溶接して
振動空間Vを画成するが、この振動空間Vに収装する振
動板12および圧電素子13が、次の寸法(単位:m
m)・特性で作製されている場合を一例に説明する。
【0035】<振動板12> 外径φA1=φ16.9 板厚t1=t0.5 ヤング率E=2×1011(N/m2) 密度ρ=7.8×103(kg/m3) ポアソン比σ=0.28
【0036】<圧電素子13> 外径=φ12.5 板厚=t0.45 ヤング率E=6.3×1010(N/m2) 密度ρ=7.65×103(kg/m3) ポアソン比σ=0.34
【0037】これに対して、金属ベース15単体を図2
(a)に示す寸法に設定するとともに、その金属ベース
15を固定用ケース11に、溶接部Pの径φA2がφ
4.3(mm)になるように溶接して、図2(b)に示
す寸法の実験モデルを作製し(ヤング率E、密度ρ、ポ
アソン比σは、振動板12と同一)、図中に△で示す位
置を拘束点として、温度特性や耐振特性を実測した。
【0038】この条件においては、共振周波数foを1
4(kHz)に設定する、高周波の加速度を測定対象に
する場合にも、図3に示すように、実用上問題がないこ
とが確認された。ここでの、実用上問題がないとするの
は、例えば、常温に対する高温時の変化が次に示す範囲
内のレベルであるか否かで判断する。なお、目的によっ
て、このレベルが変化することはいうまでもない。 共振周波数foの変化 :2%以下 感度Voの変化 :10%以下 Q(dB)の変化 :1dB以下 振動ノイズによる感度変化:2dB以下
【0039】これは、金属ベース15の溶接部Pの径
Aφ2を振動板2の外径φA1の約1.4倍以下に、
金属ベース15の板厚t2を振動板12の板厚t1の約
6倍以上に、固定用ケース11および金属ベース15
の画成する振動空間Vの高さHを極力小さく構成するこ
とにより、固定用ケース11および金属ベース15のケ
ースとしての共振周波数fo1が振動板12および圧電
素子13の振動体としての共振周波数foよりも十分高
くなったためであり、振動伝達が位相等の影響を受け
ず、かつ感度Voが主に振動体の変位のみで決定される
ようになったためであると考えられる。
【0040】一方、図9に第2従来例として、例えば、
金属ベース112単体を図5(a)に示す寸法に作製す
るとともに、その金属ベース15を固定用ケース111
に溶接して、図5(b)に示す寸法の実験モデルを作製
したところ、共振周波数foが約11(kHz)を超え
たところで、加速度を精度よく検出することができなく
なる温度特性や耐振特性の劣化が生じて、目的の共振周
波数foを14(kHz)に設定する測定対象では、図
6に示すように、実用化することが困難な結果であっ
た。
【0041】これらの実験より確認された結果からする
と、図5に示すように、第2従来例のfo1が約34k
Hzに対して、foが11kHz付近以上の高周波領域
で特性劣化が現れることから、ケースの共振周波数fo
1は振動体による測定対象の共振周波数foの約3倍以
上が望ましいことが分かった。つまり、測定対象に合わ
せてfoを11kHzに設定するときには、その3倍以
上のfo1の共振周波数を有する実力を要し、foが1
4kHzのときには、図2に示すように、その3倍以上
のfo1の共振周波数を有する実力を要することが分か
る。
【0042】また、金属ベース15は、固定用ケース1
1との溶接部Pの径φA2を小さくすると、金属ベース
15自体の変位が小さくなるため安定度が向上して、必
然的に感度Voは小さくなるが、実用的安定度で第1従
来例の構成よりも2〜3(dB)程度以上は高くできる
ことを確認している。なお、ケースとしての共振周波数
fo1を高くする方法としては、本実施形態の寸法設定
に限らないことはいうまでもなく、また、材質に制振特
性を有するものを選択するなど本実施形態以外にも考え
られる。
【0043】次に、金属ベース15の溶接部Pの径φA
2と板厚t2との関係について説明する。
【0044】振動板12と圧電素子13の振動体として
の共振周波数foと感度Voは主に振動板12および圧
電素子13自体の振動特性の合成で決定されるが、各々
の定数から、主体となるのは振動板12と考えられる。
また、加速度センサー10のQを小さくするためには、
図1に図示するように、圧電素子13の外径を振動板1
2の外径よりも小さく構成することが多いが、特に、こ
のような条件の場合には、共振周波数foと感度Voは
振動板12を主体に決定される。このため、振動板12
を基準に最適条件を考えることのが有効である。
【0045】このことから、金属ベース15の溶接部P
の径φA2と振動板12の外径φA1を変化させる実験
を、図2に示す条件と下記のように同様に設定して行っ
たところ(単位mm)、図4に示す実験結果が得られ
た。
【0046】<振動板12> 外径φA=φ16.9 板厚t1=t0.5
【0047】<圧電素子13> 外径=φ12.5 板厚=t0.45
【0048】<金属ベース15> 板厚t2=t3.3
【0049】この実験結果からすると、溶接部Pの径φ
A2は、振動板12の外径φA1の約1.4倍以下に設
定することが実用レベルを確保することができて最適で
あることが分かる。また、約1.3倍以下の方が一層好
適であることも分かる。一方、金属ベース15の板厚t
2については、溶接部Pの径φA2によっても違ってく
るが、金属ベース15の板厚t2がt3.3mmに対し
て振動板12の板厚t1がt0.5mmのときに上記最
適条件を得られていることから、振動板12の板厚t1
の約6倍以上とする必要があるといえる。
【0050】このように、図1に示す本実施形態のよう
に、金属ベース15の溶接部Pの径φA2を振動板12
の外径φA1の約1.4倍以下とし、かつ金属ベース1
5の板厚t2を振動板12の板厚t1の約6倍以上に構
成することにより、金属ベース15の振動変位が振動板
12の変位に影響を与えないようにすることができ、さ
らにバラツキ少なく加速度の検出を安定化することがで
きることが分かる。
【0051】次に、コネクタ16は、各種材料による実
験結果から、上記条件のように、曲げ弾性率が8×1
3(Mpa)以上、かつ、対数減衰率が8(1/s)
以上の樹脂材料により作製するのが、温度特性を改善し
て安定化することができるとともに対外部振動ノイズに
も強くすることができて最適である。特に、液晶ポリマ
ー系素材が耐熱性・耐振性等の点で一般の防振材入りの
PBT(ポリブチレンテレフタレート)やナイロン等に
比較して、さらに安定化することができて優位であり、
例えば、ガラス約30%、ミネラル(フィラー)約20
%程度を混合した液晶ポリマー系素材が耐熱性にも優れ
て適していることが確認された。なお、本実施形態で
は、樹脂材料の性質を曲げ弾性率と対数減衰率で表現し
ているが、その効果は相乗的なものであり、一方が大き
かったりすれば、多少の値の違いは生じることになる
が、この場合でも本発明の主旨と同一であると言える。
【0052】この結果、加速度センサー10としては、
コネクタ16の耐熱性を改善し、共振周波数を上げて振
動に強くすることができ、また、大きな内部抵抗・内部
損失によりそのQを小さくするとともに、振動を抑制す
ることにより、温度に対する安定度の向上および接続ピ
ン17等からの外部振動によるノイズレベルの低下を実
現することができる。
【0053】このように本実施形態においては、振動板
12および圧電素子13の振動体をを、エンジン等の検
出対象に固定する固定用ケース11に直接支持させるの
ではなく、その固定用ケース11の端部に溶接して振動
板12および圧電素子13の振動空間Vを画成する金属
ベース15に支持させることにより、高感度の自動組立
可能な構造にすることができ、安価に組立作製すること
ができる。
【0054】そして、加速度センサー10を構成する振
動板12、固定用ケース11および金属ベース15の寸
法設定により、ケース全体としての共振周波数を、振動
板12および圧電素子13の共振周波数の略3倍以上に
し、また、コネクタ16の曲げ弾性率および対数減衰率
が所定値以上になるように材質を選定することによっ
て、温度特性を安定化させることができるとともに振動
ノイズによる影響を受けることがないようにすることが
できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、圧電素
子および振動板を、固定側のケース部材に直接支持させ
ることなく、外部コネクタとの接続用のコネクタ部材側
のベース部材に支持させる構造を採用し、コネクタ部材
の曲げ弾性率および対数減衰率が所定値以上の材料にす
るとともに、ケース全体としての共振周波数を、使用範
囲の共振周波数の略3倍以上に設定することにより、高
感度の自動組立可能な構造において、温度特性を安定化
させることができるとともに振動ノイズによる影響を受
けることがないようにすることができる。したがって、
低価格で高い性能を有する加速度センサーを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加速度センサーの一実施形態を示
す図であり、その全体構成を示す縦断面図である。
【図2】その寸法設定を説明する断面モデル図である。
【図3】その特性の測定結果を示す図である。
【図4】その要部の寸法設定の実験を説明する表であ
る。
【図5】その第2従来例の寸法設定を説明する断面モデ
ル図である。
【図6】その第2従来例の特性の測定結果を示す図であ
る。
【図7】その従来技術の第1従来例を示す縦断面図であ
る。
【図8】その要部を示す斜視図である。
【図9】その従来技術の第2従来例を示す縦断面図であ
る。
【図10】その周波数特性例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 加速度センサー 11 固定用ケース 12 振動板 13 圧電素子 14 検出電極 15 金属ベース 15a 支柱 16 コネクタ 17 接続ピン 18 Oリング 19 接続円盤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板の片面または両面に、ドーナツ形
    状に形成した圧電素子を固設して、加えられた加速度に
    応じた前記振動板の振動により前記圧電素子に発生する
    電圧によって前記加速度を検出する加速度センサーであ
    って、 前記圧電素子および前記振動板を収装するケースを、前
    記圧電素子を固設した前記振動板の中央部を支持する支
    柱を立設されたベース部材と、前記圧電素子および前記
    振動板を収装可能な枠形状に形成されて前記ベース部材
    に前記枠形状端部を接合されることにより前記圧電素子
    および前記振動板の振動空間を画成し前記加速度の検出
    対象に固定するケース部材と、前記圧電素子の電極に電
    気的に接続した接続用端子を前記ベース部材の外側まで
    引き出して外部コネクタと接続可能に配設するコネクタ
    部材とにより構成し、 前記ケースとしての共振周波数を、前記圧電素子および
    前記振動板の振動体としての共振周波数の略3倍以上に
    設定するとともに、 前記コネクタ部材の素材として、曲げ弾性率が8×10
    3(Mpa)以上、かつ、対数減衰率が8(1/s)以
    上の材料を選定することを特徴とする加速度センサー。
  2. 【請求項2】 前記コネクタ部材の素材として、液晶ポ
    リマー系材料を用いたことを特徴とする請求項2に記載
    の加速度センサー。
  3. 【請求項3】 前記ベース部材の前記ケース部材との接
    合位置を、前記振動板の外径の略1.4倍以下に設定す
    るとともに、前記ベース部材の板厚を、前記振動板の板
    厚の略6倍以上に設定したことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の加速度センサー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100447544C (zh) * 2004-09-24 2008-12-31 日本特殊陶业株式会社 非谐振型冲击传感器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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