JP2002005058A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2002005058A
JP2002005058A JP2000190069A JP2000190069A JP2002005058A JP 2002005058 A JP2002005058 A JP 2002005058A JP 2000190069 A JP2000190069 A JP 2000190069A JP 2000190069 A JP2000190069 A JP 2000190069A JP 2002005058 A JP2002005058 A JP 2002005058A
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scroll compressor
scroll
discharge port
spiral
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JP2000190069A
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Masamitsu Takeuchi
真実 竹内
Yasuji Maruiwa
保治 丸岩
Takahide Ito
隆英 伊藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出ポート内に残留する流体による妨げを受
けずに運転効率の向上が得られるスクロール圧縮機の提
供を課題とする。 【解決手段】 固定スクロール12の端板12aに、こ
れを壁体12bが形成された側の裏面側から対向視した
場合に、その表面側に形成された低部位12gよりも中
心側に位置する凹部50を形成し、該凹部50内に、前
記表面側から前記裏面側に向かって貫通された吐出ポー
ト25より吐出される流体の逆流を阻止する吐出弁51
を設けた構成を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置や冷
凍装置等に具備されるスクロール圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機は、固定スクロールと
旋回スクロールとを渦巻き状の壁体どうしを組み合わせ
て配置し、固定スクロールに対して旋回スクロールを公
転旋回運動させることで、各壁体間に形成される圧縮室
の容積を漸次減少させ、この圧縮室内の流体の圧縮を行
うものである。
【0003】スクロール圧縮機の設計上の圧縮比は、圧
縮室の最小容積(壁体どうしのかみ合いが外れて圧縮室
が消滅する直前の容積)に対する、圧縮室の最大容積
(壁体どうしがかみ合って圧縮室が形成された時点の容
積)の比であり、次式(I)で表される。 Vi={A(θsuc)・L}/{A(θtop)・L}=A(θsuc)/A(θtop) … (I) (I)式において、A(θ)は旋回スクロールの旋回角θに
応じて容積を変化させる圧縮室の旋回面に平行な断面積
を表す関数、θsucは圧縮室が最大容積となるときの旋
回スクロールの旋回角、θtopは圧縮室が最小容積とな
るときの旋回スクロールの旋回角、Lは壁体どうしのラ
ップ(重なり)長である。
【0004】従来、スクロール圧縮機の圧縮比Viの向
上を図るには、両スクロールの壁体の巻き数を増やして
最大容積時の圧縮室の断面積A(θ)を大きくする手法が
採られてきた。しかしながら、壁体の巻き数を増やす従
来の手法では、スクロールの外形が拡大して圧縮機自体
が大型化するため、大きさの制限が厳しい自動車用等の
空気調和装置には採用し難いという問題点があった。
【0005】上記の問題点を解決すべく、以下に示す技
術が特許第1296413号に開示されている。すなわち、図
9(a)及び図9(b)は、それぞれ、同提案で採用さ
れている固定スクロール1及び旋回スクロール2の斜視
図であり、固定スクロール1においては、端板1aと、
該端板1aの一側面に立設された渦巻き状の壁体1bと
を備えた構成となっている。同様に、旋回スクロール2
においては、端板2aと、該端板2aの一側面に立設さ
れた渦巻き状の壁体2bとを備えた構成となっている。
【0006】固定スクロール1および旋回スクロール2
の各端板1a、2aの一側面に、壁体1b、2bの渦巻
きの外周端から2π(rad)に位置して、中心部側が高く
外周端側が低い段差部3,3が形成されている。さら
に、この端板1a、2aの段差部3、3に対応して、両
スクロール1,2が備える壁体1b,2bの渦巻き状の
上縁には中心部側が低く外周端側が高い段差部4、4が
形成されている。
【0007】上記のようなスクロール圧縮機において、
固定スクロール1及び旋回スクロール2それぞれの壁体
1b、2bをかみ合わせ、最大容積の圧縮室Pが形成さ
れた状態が図10(a)であり、圧縮室Pについて、渦
巻方向に沿って見た断面図が図10(b)である。図1
0(b)の紙面左方向が渦巻き中心側となっている。図
10(b)からわかるように、段差部3よりも外周端側
におけるラップ長L1は内側のラップ長Lsより長く形
成されている。このため、ラップ長がLsのままの一様
である場合と比較すると、段差部3より外側のラップ長
が長い分だけ圧縮室Pの最大容積が大きくなることがわ
かる。したがって、壁体の巻き数を増やさなくても、設
計上の圧縮比を向上させることが可能となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記説
明の従来のスクロール圧縮機においては、以下に説明す
る問題を有していた。すなわち、図11の断面図に示す
ように、固定スクロール1の中心部分には、端板1aを
貫通する吐出ポート5が形成されており、ここより圧縮
室P内の高圧流体を吐出する構造となっているが、この
吐出ポート5内の容積が比較的大きいので、流体がスム
ーズに吐出できず、運転効率の向上を困難ならしめてい
るという問題である。
【0009】つまり、上述したように、固定スクロール
1の端板1aの側面に前記段差部3が形成されている関
係上、端板1aの中心部分は、段差部3を境とする外周
部分よりも比較的肉厚が厚くなっているので、吐出ポー
ト5の長さも長くなり、ひいては吐出ポート5内の容積
が比較的大きなものとなる。このような吐出ポート5内
に圧縮室Pから流れ込んだ流体は、長方形平板形状の吐
出弁6に弾性変形を生じさせて該吐出ポート5を開口さ
せ、この開口より吐出キャビティ(図示せず)に向かっ
て流れ出ようとするが、その容積が大きい関係上、前記
吐出キャビティ内の昇圧によって再び吐出弁6が閉じら
れるまでに十分に流体を導出することができず、残留す
ることとなる。
【0010】そして、残留した流体は、圧縮室P内へと
戻るように逆流し、次に圧縮されるべき流体の圧力を昇
圧させてしまう。当然、低圧の流体を圧縮する場合に比
較して高圧の流体を圧縮する方が更なる動力の付加、す
なわち固定スクロール1に対する旋回スクロール2の回
転駆動力を増加させなければならない。したがい、吐出
ポート5から逆流してくる流体により、余分な負荷が、
旋回スクロール2の回転駆動源であるモータに加わるの
で、より大きな電力を消費してしまうこととなり、運転
効率の向上を困難ならしめている。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、吐出ポート内に残留する流体による妨げを受
けずに運転効率の向上が得られるスクロール圧縮機の提
供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のスクロー
ル圧縮機は、端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体
を有し、定位置に固定された固定スクロールと、他の端
板の一側面に立設された渦巻き状の他の壁体を有し、前
記各壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転
旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、前
記各壁体の上縁が、複数の部位に分割され、これら部位
の高さが渦巻き方向の中心側で低くかつ外周端側で高く
なる段付き形状とされ、前記各端板の一側面が、前記各
部位に対応してその高さが渦巻き方向の中心側で高くな
る高部位と、外周端側で低くなる低部位と、これら高部
位及び底部位間の境となる段付き部とを有する段付き形
状とされたスクロール圧縮機において、前記固定スクロ
ールの端板には、これをその前記壁体が形成された表面
とは反対側の裏面側から対向視した場合に、前記表面側
に形成された前記低部位よりも中心側に位置する凹部が
形成され、該凹部内には、前記表面側から前記裏面側に
向かって貫通された吐出ポートより吐出される流体の逆
流を阻止する吐出弁が設けられていることを特徴とす
る。上記請求項1記載のスクロール圧縮機によれば、凹
部を形成することによって、固定スクロールの端板の吐
出ポートが位置する部分の肉厚を薄くすることができ、
ひいては吐出ポート内容積を狭小化させることができる
ので、ここに残留する流体を減らすことができる。
【0013】また、請求項2記載のスクロール圧縮機
は、請求項1記載のスクロール圧縮機において、前記固
定スクロールの端板の段付き部分が、その壁体の渦巻き
に沿って外周端から中心部に向かう進行角で2π±π/4
(rad)に至る位置までに形成され、前記凹部が、こ
の端板を前記裏面側から対向視した場合に、前記外周端
から前記段付き部に至るまでの前記低部位によって囲ま
れていることを特徴とする。上記請求項2記載のスクロ
ール圧縮機によれば、請求項2と同様の作用を得ること
ができる。
【0014】また、請求項3記載のスクロール圧縮機
は、請求項1または2記載のスクロール圧縮機におい
て、前記吐出弁が、前記吐出ポートの開口を覆って塞ぐ
閉塞部と、該閉塞部より渦巻状に形成された弾性部と、
該弾性部の外終端を固定する固定部とを有する渦巻きリ
ード弁であることを特徴とする。上記請求項3記載のス
クロール圧縮機によれば、比較的小型の弁体である渦巻
きリード弁を採用することで、狭い凹部内でも無理なく
吐出弁を設置することができる。
【0015】また、請求項4記載のスクロール圧縮機
は、請求項1または2記載のスクロール圧縮機におい
て、前記吐出弁が、前記吐出ポートの開口面積よりも大
きい表面積を備えた板体とされ、かつ前記凹部内に配置
されたフリー弁であることを特徴とする。上記請求項4
記載のスクロール圧縮機によれば、比較的小型の弁体で
あるフリー弁を採用することで、狭い凹部内に対しても
容易に設置することが可能となる。なお、このフリー弁
としては、円盤形状の丸形フリー弁の採用がより好まし
い。
【0016】また、請求項5記載のスクロール圧縮機
は、請求項4記載のスクロール圧縮機において、前記フ
リー弁には、前記吐出ポートの開口に重なる中心部分を
除いて、該中心部分を中心としてその周囲に複数の通風
部が形成されていることを特徴とする。上記請求項5記
載のスクロール圧縮機によれば、フリー弁は、その中心
部分が吐出ポートの開口を覆うのに十分な閉塞面積を有
しているので、吐出ポート閉塞時には確実に前記開口を
閉塞する。また、吐出ポートからの流体吐出時には、フ
リー弁の外周囲のみならず、その各通風部を通ってフリ
ー弁を通過させることができるので、このフリー弁を通
過する流体に対して加える抵抗を低減させることができ
る。
【0017】また、請求項6記載のスクロール圧縮機
は、請求項1または2記載のスクロール圧縮機におい
て、前記吐出弁が、前記吐出ポートを塞ぐ弁体と、該弁
体を前記吐出ポートに向けて付勢する付勢部材とを備え
たチェックバルブであることを特徴とする。上記請求項
6記載のスクロール圧縮機によれば、比較的小型の弁体
であるチェックバルブを採用することで、狭い凹部内に
対しても容易に設置することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のスクロール圧縮機の各実
施の形態についての説明を図面を参照しながら以下に行
うが、本発明がこれらに限定解釈されるものでないこと
はもちろんである。まず、図1〜図5を参照しながら本
発明の第1の実施の形態について説明する。なお、図1
は、本実施の形態のスクロール圧縮機の全体構成を示す
断面図である。また、図2は、同スクロール圧縮機に用
いられる部品を示す図であって、(a)は固定スクロー
ルの斜視図、(b)は旋回スクロールの斜視図である。
また、図3は、同スクロール圧縮機に用いられる同固定
スクロールを、壁体が設けられた側から見た視図であ
る。また、図4は、同スクロール圧縮機に用いられる吐
出弁である渦巻きリード弁を示す斜視図である。また、
図5は、同スクロール圧縮機の固定スクロール裏面の凹
部内における、同渦巻きリード弁と吐出ポートの開口と
の位置関係を示す平面図である。
【0019】本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロ
ール裏面に形成された凹部と、該凹部内に設けられた吐
出弁とに特に特徴を有するものであるが、まず、スクロ
ール圧縮機の全体構成についての説明を行った後、前記
凹部及び前記吐出弁の詳細についての説明を続けて行う
ものとする。
【0020】図1において、符号11はハウジングを示
しており、このハウジング11は、カップ状に形成され
たハウジング本体11aと、該ハウジング本体11aの
開口端側に固定された蓋板11bとで構成されている。
ハウジング11の内部には、固定スクロール12および
旋回スクロール13からなるスクロール圧縮機構が配設
されている。固定スクロール12は、端板12aの一側
面に渦巻き状の壁体12bが立設された構成となってい
る。旋回スクロール13は、固定スクロール12と同様
に端板13aの一側面に渦巻き状の壁体13bが立設さ
れた構成となっており、壁体13bは固定スクロール1
2側の壁体12bと実質的に同一形状をなしている。ま
た、壁体12b,13bの各上縁には、圧縮室Cの気密
性を高めるチップシール27,28が配設されている。
【0021】固定スクロール12は、ボルト14によっ
てハウジング本体11aに締結されている。また、旋回
スクロール13は、固定スクロール12に対して相互に
公転旋回半径だけ偏心し、かつ180゜だけ位相をずら
せた状態で、壁体12b,13bどうしをかみ合わせて
組み付けられており、蓋板11bと端板13aとの間に
設けられた自転阻止機構15によって自転を阻止されつ
つ公転旋回運動可能に支持されている。
【0022】蓋板11bには、クランク16aを備える
回転軸16が貫通されており、ベアリング17a,17
bを介して蓋板11bに回転自在に支持されている。旋
回スクロール13側の端板13aの他端面の中央にはボ
ス18が突設されている。ボス18にはクランク16a
の偏心部16bが軸受19およびドライブブッシュ20
を介して回動自在に収容されており、旋回スクロール1
3は回転軸16を回転させることによって公転旋回運動
するようになっている。また、回転軸16には、旋回ス
クロール13に与えられたアンバランス量を打ち消すた
めのバランスウェイト21が取り付けられている。
【0023】また、ハウジング11の内部には、固定ス
クロール12の周囲に吸入室22が形成され、さらにハ
ウジング本体11a内の底面と端板12aの他側面とに
よって区画された吐出キャビティ23が形成されてい
る。ハウジング本体11aには、吸入室22に向けて低
圧の流体を導く吸入ポート24が設けられ、固定スクロ
ール12側の端板12aの中央には、容積を漸次減少さ
せながら中心部に移動してきた圧縮室Cから吐出キャビ
ティ23に向けて高圧の流体を導く吐出ポート25が設
けられている。また、端板12aの他側面中央(裏面中
央)に形成された凹部50内には、所定の大きさ以上の
圧力が作用した場合にのみ吐出ポート25を開く吐出弁
51が設けられている(これら凹部50及び吐出弁51
の詳細については後述する)。
【0024】図2(a)に示すように、固定スクロール
12の端板12aには、壁体12bが立設された一側面
に、壁体12bの渦方向に沿って中心部側で高く(高部
位)外周端側で低く(低部位)なるよう形成された段差
部42(段付き部分)が備えられている。また、図2
(b)に示すように、旋回スクロール13側の端板13
aにも端板12aと同様に、壁体13bが立設された一
側面に、壁体13bの渦方向に沿って中心部側で高く外
周端側で低くなるよう形成された段差部43(段付き
部)が備えられている。各段差部42,43は、それぞ
れ壁体12b、壁体13bの渦巻中心を基準として、各
壁体12b、13bの外周端から2π±π/4(ra
d)に至る位置までの間に形成されている。
【0025】端板12aの底面は、段差部42を境とし
て、中心部よりに設けられた底の浅い底面12f(低部
囲)と、外周端よりに設けられた底の深い底面12g
(高部位)との2つの部位に分けられている。隣り合う
底面12f,12g間には、段差部42を構成し、前記
各底面12f,12g間を繋いで垂直に切り立つ連結壁
面12hが形成されている。端板13aの底面も端板1
2aと同様に、段差部43を境として、中心部よりに設
けられた底の浅い底面13fと、外周端よりに設けられ
た底の深い底面13gとの2つの部位に分けられてい
る。隣り合う底面13f,13g間には、段差部43を
構成し、前記各底面13f,13g間を繋いで垂直に切
り立つ連結壁面13hが形成されている。
【0026】また、固定スクロール12側の壁体12b
は、旋回スクロール13の段差部43に対応してその渦
巻き状の上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部
側で低く外周端側で高い段付き形状となっている。旋回
スクロール13側の壁体13bも壁体12bと同様に、
固定スクロール12の段差部42に対応して渦巻き状の
上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部側で低く
外周端側で高い段付き形状となっている。
【0027】具体的には、壁体12bの上縁は、中心部
寄りに設けられた低位の上縁12cと、外周端寄りに設
けられた高位の上縁12dとの2つの部位に分けられ、
隣り合う各上縁12c,12d間には、両者を繋いで旋
回面に対して垂直をなす連結縁12eが形成されてい
る。壁体13bの上縁も壁体12bと同様に、中心部よ
りに設けられた低位の上縁13cと、外周端寄りに設け
られた高位の上縁13dとの2つの部位に分けられ、隣
り合う各上縁13c,13d間には、両者を繋いで旋回
面に対して垂直をなす連結縁13eが形成されている。
【0028】連結縁12eは、壁体12bの渦巻きを対
向視する方向から見た場合に、壁体12bの内外両側面
に滑らかに連続すると共に、壁体12bの肉厚に等しい
直径を有する半円形をなしている。連結縁13eも連結
縁12eと同様に、壁体13bの渦巻きを対向視する方
向から見た場合に、壁体13bの内外両側面に滑らかに
連続すると共に、壁体13bの肉厚に等しい直径を有す
る半円形をなしている。また、連結壁面12hは、これ
を端板12aに垂直な視線から見た場合に、旋回スクロ
ールの旋回に伴って連結縁13eが描く包絡線に一致す
る円弧をなしており、連結壁面13hも連結壁面12h
と同様に、連結縁12eが描く包絡線に一致する円弧を
なしている。
【0029】固定スクロール12に旋回スクロール13
を組み付けると、低位の上縁13cが底の浅い底面12
fに当接し、高位の上縁13dが底の深い底面12gに
当接する。同時に、高位の上縁12dが底の深い底面1
3gに当接し、低位の上縁12cが底の浅い底面13f
に当接する。これにより、両スクロール間には向かい合
う端板12a,13aと壁体12b,13bとに区画さ
れて圧縮室Cが形成される。
【0030】この圧縮室Cは、旋回スクロール13の公
転旋回運動に伴って外周端側から中心部側に向けて移動
する。この時の連結縁12eは、各壁体12b,13b
間の当接点が連結縁12eよりも外周端よりに存在する
間において、壁体12bを挟んで隣接する各圧縮室C
(一方は密閉状態にない)間で流体の漏れをじないよう
に連結壁面13hに摺接するようになっている。また、
この時の連結縁12eは、各壁体12b,13b間の当
接点が該連結縁12eよりも外周端寄りに存在しない間
においては、壁体12bを挟んで隣接する各圧縮室C
(共に密閉状態にある)間での均圧を図るべく連結壁面
13hに摺接しないようになっている。
【0031】連結縁13eも同様に、各壁体12b,1
3b間の当接点が連結縁13eよりも外周端よりに存在
する間においては、壁体13を挟んで隣接する各圧縮室
C(一方は密閉状態にない)間で流体の漏れを生じない
ように連結壁面12hに摺接し、各壁体12b,13b
間の当接点が連結縁13eよりも外周端よりに存在しな
い間においては、壁体13を挟んで隣接する各圧縮室C
(共に密閉状態にある)間での均圧を図るべく連結壁面
12hに摺接しないようになっている。なお、連結縁1
2eと連結壁面13h、および連結縁13eと連結壁面
12hの摺接は、旋回スクロール13が1/2回転する
間で同期して起こる。
【0032】以上に本実施の形態のスクロール圧縮機の
全体構成を説明したが、続いて、本発明の特徴である前
記凹部50及び吐出弁51についての説明を以下に行
う。図3に示すように、凹部50は、固定スクロール1
2の端板12aの、壁体12bが形成された側を表面
(前記圧縮室C側を向く面)、その反対側を裏面(前記
吐出キャビティ23側を向く面)とした場合、前記裏面
側から対向視して、前記表面側に形成された底の深い底
面12g(低い部位)よりも中心側に位置するように形
成されている。さらに詳説すると、前記段差部42(段
付き部分)は、その壁体12bの渦巻きに沿って外周端
から中心部に向かう進行角で2π±π/4(rad)に
至る位置まで形成されているので、凹部50は、この端
板12aを前記裏面側から対向視した場合に、外周端か
ら段差部42に至るまで1周する環状の底面12gによ
って周囲を囲まれた内側に配置される構成となってい
る。
【0033】そして、この凹部50の形状は、図3に示
すように端板12aに垂直な視線において円形をなし、
かつその厚み方向においては、図1で示したように、端
板12bの前記裏面より一定の深さ寸法hをもって窪む
ように形成されているので、概略円盤形状の凹部空間と
なっている。この凹部50の深さ寸法hを深くすること
で、端板12bの、吐出ポート25周囲部分の板厚tを
薄くし、ひいては吐出ポート25内の容積Vを、流路面
積を狭くすることなしに小さくすることが可能となる。
しかしながら、この凹部50の深さ寸法hの設計におい
ては、端板12bに加わる流体圧を考慮して、十分な強
度を保てる板厚tが確保できるように設定すべきである
ことは勿論である。
【0034】続いて、この凹部50内に収納配置される
吐出弁51について説明する。図4及び図5に示すよう
に、本実施の形態の吐出弁51は、吐出ポート25の開
口を覆って塞ぐ閉塞部51aと、該閉塞部51aより渦
巻状に形成された弾性部51bと、該弾性部51bの外
周端を凹部50の底面50aに対して固定する固定部5
1c及びボルト51dとを有する渦巻きリード弁となっ
ている。
【0035】閉塞部51aは、吐出ポート25の開口面
積に比較して大きな表面積を有しており、底面50aに
密着した状態で十分に吐出ポート25の開口を覆って閉
塞可能となっている。弾性部51bは、閉塞部51aに
連続してその周囲を渦を巻くように形成された螺旋状の
板ばねであり、閉塞部51aに対してその板厚方向に流
体圧が加わった場合に、底面50aより離間した閉塞部
51aを再び底面50aに対して密着させるように付勢
可能となっている。
【0036】固定部51cは、弾性部51bの渦巻き終
端部分であり、ボルト51dを通すための貫通孔が形成
されている。同様に、凹部50の底面50aにも、ボル
ト51dを螺着させるための雌ネジ50bが形成されて
いる。そして、ボルト51dによって固定部51cを底
面50aに対して固定した状態では、閉塞部51aが吐
出ポート25の開口を覆ってかつ底面50aに密着した
状態に取り付けられるようになっている。なお、閉塞部
51a及び弾性部51b及び固定部51cの各板厚とし
ては、全て同じとしても良いし、例えば弾性部51bの
みを他より薄くし又は厚くしたりしてばね強度を調節す
るなど、各部で板厚が異なるものを採用しても良い。さ
らには、弾性部51bの過度の変形を防止することを目
的として、一定高さ以上の閉塞部51aの上昇を阻止す
るストッパ(図示せず)を閉塞部51aの上方に設ける
構成を必要に応じて採用しても良い。
【0037】以上説明の構成を有する本実施の形態のス
クロール圧縮機によれば、図示されないモータによって
前記回転軸16をその軸心回りに回転駆動させると、偏
心軸16bが旋回スクロール13を、固定スクロール1
2に対して自転を阻止されつつ公転旋回運動させる。す
ると、吸入ポート24より取り込まれた低圧の流体は、
前記各圧縮室C内においてその体積を漸次減少させて徐
々に高圧下しながら、外周端側から中心部側に向かって
移動し、ついには吐出ポート25を通って吐出キャビテ
ィ23へと吐出される。
【0038】この時の流体は、吐出弁51(渦巻きリー
ド弁)の閉塞部51aを、弾性部51bの付勢力と、吐
出キャビティ23内の圧力とに逆らって押し上げること
で、吐出ポート25に開口を生じせしめ、ここより吐出
キャビティ23内へと流れ込む。すると、高圧流体の流
入によって吐出キャビティ23内が昇圧するので、再び
閉塞部51aが前記底面50aに密着するように押し付
けられる。このようにして吐出ポート25の開口が閉じ
られることで、該吐出ポート25内に僅かに流体が残る
が、凹部50aの形成によって吐出ポート25内の容積
Vが最小化されているので、殆どの流体はスムーズに吐
出キャビティ23へと吐出されることとなり、従来のス
クロール圧縮機に比較して、次に圧縮すべき流体の圧力
を昇圧しにくくなっている。
【0039】以上説明の本実施の形態のスクロール圧縮
機によれば、凹部50を形成したことによって、固定ス
クロール12の端板12aの、吐出ポート25が位置す
る部分の板厚tを薄くすることができ、ひいては吐出ポ
ート25内の容積Vを狭小化させることができるので、
ここに残留する流体の容量を減らすことができる。した
がって、吐出ポート25内から圧縮室Cに向かって逆流
する流体を極力減らすことができるので、次に圧縮され
るべき流体の圧力を昇圧させることがなく、旋回スクロ
ール13を回転駆動するための動力が少なくて済むの
で、吐出ポート25内に残留する流体による妨げを受け
ずに運転効率の向上を図ることが可能となる。
【0040】また、本実施の形態のスクロール圧縮機に
おいては、凹部50が、壁体12bの渦巻きに沿って外
周端から中心部に向かう進行角で2π±π/4(ra
d)の段差部42に至るまで1周する環状の底面12g
の内側に配置される構成となっている関係上、比較的狭
いスペースとなっているが、比較的小型の弁体である渦
巻きリード弁を吐出弁51として採用しているので、こ
の狭い凹部50内に対しても容易に設置することが可能
となっている。ちなみに、このような狭い凹部50内
に、従来の技術で説明した長方形板形状の前記吐出弁6
を設けようとしても、弾性を確保するためにある程度長
さを取らなければならないので、凹部50内に収めるこ
とができない。しかるに、本実施の形態では、螺旋状の
コンパクトな弾性部51bを有する渦巻きリード弁を採
用しているので、無理なく弾性を確保したまま凹部50
内に収納可能となっているのである。また、本実施の形
態では、吐出ポート25の開口に対して弾性部51bが
付勢部51aを押し付ける構成となっているので、重力
の作用を受けず、スクロール圧縮機自体を縦置きにして
も横置きにしても吐出弁51の機能を損なわず、設置自
由度の高いスクロール圧縮機ともなっている。
【0041】次に、本発明のスクロール圧縮機の第2の
実施の形態について、図6及び図7を参照しながら以下
に説明を行う。なお、本実施の形態は、前記凹部50の
形状と、吐出弁51の構成とが上記第1の実施の形態に
比較して特に異なっているので、この点について説明
し、その他は、上記第1の実施の形態のスクロール圧縮
機に同じであるとしてその説明を省略する。
【0042】図6は、本実施の形態の吐出弁51である
丸形フリー弁(フリー弁)を示す図であって、固定スク
ロール12の吐出ポート25の軸線を通る断面より見た
視図である。図7(a)に示すように、この吐出弁51
は、吐出ポート25の開口面積よりも大きい表面積を備
えた、所定の重量を有する金属製の円盤である。そし
て、図6に示すように、本実施の形態の凹部50は、上
記第1の実施の形態に比較して、その深さhは同じであ
るが、その内径dにおいてはより狭い形状が採用可能と
なっている。これは、ボルト止め等を行うためのスペー
スが不要であることによるものである。同図に示すよう
に、吐出弁51(丸形フリー弁)は、凹部50内で上下
動可能となっており、その円形の下面が凹部50の底面
50aに密着した場合には吐出ポート25の開口を閉塞
し、逆に流体圧を受けて浮き上がった場合には前記開口
を開くようになっている。このように凹部50内で上下
動させるためと、凹部50の内壁面と吐出弁51の外周
縁との間に形成される隙間より流体を通すために、前記
隙間としては、設計条件に応じた所定寸法が採用されて
いる。なお、同図に示す符号54は、吐出弁51が凹部
50より外部に飛び出すのを防止するためのストッパで
ある。
【0043】以上説明の構成を有する本実施の形態のス
クロール圧縮機によれば、図示されないモータによって
前記回転軸16をその軸心回りに回転駆動させると、偏
心軸16bが旋回スクロール13を、固定スクロール1
2に対して自転を阻止されつつ公転旋回運動させる。す
ると、吸入ポート24より取り込まれた低圧の流体は、
前記各圧縮室C内においてその体積を漸次減少させて徐
々に高圧下しながら、外周端側から中心部側に向かって
移動し、ついには吐出ポート25を通って吐出キャビテ
ィ23へと吐出される。
【0044】この時の流体は、吐出弁51(丸形フリー
弁)を、その重みと、吐出キャビティ23内の圧力とに
逆らって浮かせるように押し上げることで、吐出ポート
25に開口を生じせしめ、ここより吐出キャビティ23
内へと流れ込む。すると、高圧流体の流入によって吐出
キャビティ23内が昇圧するので、再び吐出弁51が前
記底面50aに密着するように押し下げられる。このよ
うにして吐出ポート25の開口が閉じられることで、該
吐出ポート25内に僅かに流体が残るが、凹部50aの
形成によって吐出ポート25内の容積Vが最小化されて
いるので、殆どの流体はスムーズに吐出キャビティ23
へと吐出されることとなり、従来のスクロール圧縮機に
比較して、次に圧縮すべき流体の圧力を昇圧しにくくな
っている。
【0045】以上説明の本実施の形態のスクロール圧縮
機によれば、凹部50を形成したことによって、上記第
1の実施の形態と同様に、吐出ポート25内から圧縮室
Cに向かって逆流する流体を極力減らすことができるの
で、次に圧縮されるべき流体の圧力を昇圧させることが
なく、旋回スクロール13を回転駆動するための動力が
少なくて済むので、吐出ポート25内に残留する流体に
よる妨げを受けずに運転効率の向上を図ることが可能と
なる。また、本実施の形態のスクロール圧縮機において
は、上記第1の実施の形態よりもさらに狭い凹部50を
採用しているが、さらに小型の弁体である丸形フリー弁
を吐出弁51として採用しているので、この狭い凹部5
0内に対しても容易に設置することが可能となってい
る。
【0046】なお、丸形フリー弁としての吐出弁51の
形状は、単純な円盤形状に限らず、例えば図7(b),
図7(c)に示すように、吐出ポート25の開口に重な
る中心部分を除いて、該中心部分を中心としてその周囲
に複数の通風部55,56が等角度間隔を置いて形成さ
れている構成を採用しても良い。すなわち、図7(b)
の吐出弁51(丸形フリー弁)は、円盤の外周4箇所を
周縁を含めて切り欠くことで、前記通風部55を形成し
ている。また、図7(c)の吐出弁51(丸形フリー
弁)は、円盤の外周4箇所を周縁を残して切り抜くこと
で、前記通風部56を形成している。
【0047】これら変形例の吐出弁51(丸形フリー
弁)によれば、吐出ポート25の閉塞時には、吐出ポー
ト25の開口を十分にシールしながらも、吐出ポート2
5からの流体吐出時には、その外周側のみならず、その
各通風部55,56を通って吐出弁51を通過させるこ
とができるので、この吐出弁51を通過する流体に対し
て加える抵抗を低減させることができるので、吐出ポー
ト25からの流体の抜けを良くすることが可能となる。
また、各通風部55,56は、中心部の周囲に等角度間
隔をおいて配置されているので、円盤状の吐出弁51が
凹部50内で傾きを生じにくくなり、信頼性を向上させ
ることも可能となっている。
【0048】次に、本発明のスクロール圧縮機の第3の
実施の形態について、図8を参照しながら以下に説明を
行う。なお、本実施の形態は、前記凹部50の形状と、
吐出弁51の構成とが上記第1の実施の形態に比較して
特に異なっているので、この点について説明し、その他
は、上記第1の実施の形態のスクロール圧縮機に同じで
あるとしてその説明を省略する。
【0049】図8は、本実施の形態の吐出弁51である
チェックバルブを示す図であって、固定スクロール12
の吐出ポート25の軸線を通る断面より見た視図であ
る。同図に示すように、この吐出弁51は、吐出ポート
25の開口を閉塞する球状の弁体51gと、該弁体51
gを前記開口に向けて付勢する付勢部材であるスプリン
グ51hと、該スプリング51hを固定スクロール12
の裏面側に固定する固定部51iとを備えた構成となっ
ている。そして、同図に示すように、本実施の形態の凹
部50は、上記第1の実施の形態に比較して、その深さ
hは同じであるが、その内径dにおいてはより狭い形状
が採用可能となっている。これは、ボルト止め等を行う
ためのスペースが不要であることによるものである。な
お、符号51jは、吐出ポート25の開口に形成された
環状の面取りであり、弁体51gの表面を傷を付けるこ
となく、面接触可能となっている。
【0050】同図に示すように、吐出弁51(チェック
バルブ)の弁体51gは、凹部50内で上下動可能とな
っており、面取り51jに面接触した場合には吐出ポー
ト25の開口を閉塞し、逆に流体圧を受けて浮き上がっ
た場合には前記開口を開くようになっている。このよう
に凹部50内で上下動させるためと、凹部50の内壁面
と弁体51gの表面との間に形成される隙間より流体を
通すために、前記隙間としては、設計条件に応じた所定
寸法が採用されている。なお、前記固定部51iは、弁
体51gが凹部50より外部に飛び出すのを防止するた
めのストッパの役目をも兼ねている。
【0051】以上説明の構成を有する本実施の形態のス
クロール圧縮機によれば、図示されないモータによって
前記回転軸16をその軸心回りに回転駆動させると、偏
心軸16bが旋回スクロール13を、固定スクロール1
2に対して自転を阻止されつつ公転旋回運動させる。す
ると、吸入ポート24より取り込まれた低圧の流体は、
前記各圧縮室C内においてその体積を漸次減少させて徐
々に高圧下しながら、外周端側から中心部側に向かって
移動し、ついには吐出ポート25を通って吐出キャビテ
ィ23へと吐出される。
【0052】この時の流体は、吐出弁51(チェックバ
ルブ)の弁体51gを、その重みとスプリング51hの
付勢力と吐出キャビティ23内の圧力とによる合成力に
逆らって浮かせるように押し上げることで、吐出ポート
25に開口を生じせしめ、ここより吐出キャビティ23
内へと流れ込む。すると、高圧流体の流入によって吐出
キャビティ23内が昇圧するので、再び弁体51gが面
取り51jに密着するように押し下げられる。このよう
にして吐出ポート25の開口が閉じられることで、該吐
出ポート25内に僅かに流体が残るが、凹部50aの形
成によって吐出ポート25内の容積Vが最小化されてい
るので、殆どの流体はスムーズに吐出キャビティ23へ
と吐出されることとなり、従来のスクロール圧縮機に比
較して、次に圧縮すべき流体の圧力を昇圧しにくくなっ
ている。
【0053】以上説明の本実施の形態のスクロール圧縮
機によれば、凹部50を形成したことによって、上記第
1の実施の形態と同様に、吐出ポート25内から圧縮室
Cに向かって逆流する流体を極力減らすことができるの
で、次に圧縮されるべき流体の圧力を昇圧させることが
なく、旋回スクロール13を回転駆動するための動力が
少なくて済むので、吐出ポート25内に残留する流体に
よる妨げを受けずに運転効率の向上を図ることが可能と
なる。また、本実施の形態のスクロール圧縮機において
は、上記第1の実施の形態よりもさらに狭い凹部50を
採用しているが、さらに小型の弁体51gを有するチェ
ックバルブを吐出弁51として採用しているので、この
狭い凹部50内に対しても容易に設置することが可能と
なっている。また、本実施の形態では、吐出ポート25
の開口に対してスプリング51hが弁体51gを押し付
ける構成となっているので、重力の作用を受けず、スク
ロール圧縮機自体を縦置きにしても横置きにしても吐出
弁51の機能を損なわず、設置自由度の高いスクロール
圧縮機ともなっている。
【0054】なお、以上説明の第1〜第3の実施の形態
においては、吐出弁51として、渦巻きリード弁,丸形
フリー弁,チェックバルブを採用した場合を説明した
が、これに限らず、比較的狭い凹部50内への配置が可
能で有れば良く、その他のタイプの弁体を採用しても良
い。また、以上説明の第1〜第3の実施の形態において
は、凹部50は、外周端から中心部に向かう進行角で2
π±π/4(rad)に至る位置までの間に形成されて
いる環状の底面12gによって周囲を覆われた内側に配
置されるものとしたが、この底面12gの範囲としては
2π±π/4(rad)に限ることなく、適宜変更して
も良い。また、以上説明の第1〜第3の実施の形態にお
いては、凹部50の形状を円盤形状としたが、これに限
らず、逆円錐台形状等、必要に応じてその他の形状を適
宜採用しても良い。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のスクロール圧縮
機は、固定スクロールの端板に、これを壁体が形成され
た表面とは反対側の裏面側から対向視した場合に、その
表面側に形成された低部位よりも中心側に位置する凹部
を形成し、該凹部内に、表面側から裏面側に向かって貫
通された吐出ポートより吐出される流体の逆流を阻止す
る吐出弁を設けた構成を採用した。この構成によれば、
凹部を形成したことによって、固定スクロールの端板の
吐出ポートが位置する部分の肉厚を薄くすることがで
き、ひいては吐出ポート内容積を狭小化させることがで
きるので、ここに残留する流体の容量を減らすことがで
きる。したがって、吐出ポート内から圧縮室に向かって
逆流する流体を極力減らすことができるので、次に圧縮
されるべき流体の圧力を昇圧させることがなく、旋回ス
クロールを回転駆動するための動力が少なくて済むの
で、吐出ポート内に残留する流体による妨げを受けずに
運転効率の向上を得ることが可能となる。
【0056】また、請求項2記載のスクロール圧縮機
は、固定スクロールの端板の段付き部分が、その壁体の
渦巻きに沿って外周端から中心部に向かう進行角で2π
±π/4(rad)の位置に至るまでの間に形成され、
凹部が、この端板を裏面側から対向視した場合に、外周
端から段付き部に至るまでの低部位によって囲まれ、該
凹部内に、吐出弁が収納配置されている構成を採用し
た。この構成によれば、請求項1と同様の効果を得るこ
とが可能となる。
【0057】また、請求項3記載のスクロール圧縮機
は、吐出弁として、吐出ポートの開口を覆って塞ぐ閉塞
部と、該閉塞部より渦巻状に形成された弾性部と、該弾
性部の外終端を固定する固定部とを有する渦巻きリード
弁を採用した。この渦巻きリード弁は、比較的小型の弁
体であるので、狭い凹部内に対しても容易に設置するこ
とが可能となる。
【0058】また、請求項4記載のスクロール圧縮機
は、吐出弁として、吐出ポートの開口面積よりも大きい
表面積を備えた板体とされ、かつ凹部内に配置されたフ
リー弁を採用した。このフリー弁は、単純な板体であ
り、比較的小型の弁体であるので、狭い凹部内に対して
も容易に設置することが可能となる。
【0059】また、請求項5記載のスクロール圧縮機
は、フリー弁に、吐出ポートの開口に重なる中心部分を
除いて、該中心部分を中心としてその周囲に複数の通風
部が互いに等角度間隔を置いて形成されている構成を採
用した。このフリー弁によれば、吐出ポートの閉塞時に
は、吐出ポートの開口を十分にシールしながらも、吐出
ポートからの流体吐出時には、フリー弁の外周側のみな
らず、その各通風部を通ってフリー弁を通過することが
でき、このフリー弁を通過する流体に対して加える抵抗
を低減させることができるので、吐出ポートからの流体
の抜けを良くすることが可能となる。また、各通風部
は、中心部の周囲に等角度間隔をおいて配置されている
ので、フリー弁が凹部内で傾きを生じにくくなり、信頼
性を向上させることも可能となる。
【0060】また、請求項6記載のスクロール圧縮機
は、吐出弁として、吐出ポートを塞ぐ弁体と、該弁体を
吐出ポートに向けて付勢する付勢部材とを備えたチェッ
クバルブを採用した。このチェックバルブは、比較的小
型の弁体であるので、狭い凹部内に対しても容易に設置
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスクロール圧縮機の第1の実施の形
態を示す図であって、その全体構成を示す断面図であ
る。
【図2】 同スクロール圧縮機に用いられる部品を示す
図であって、(a)は固定スクロールの斜視図、(b)
は旋回スクロールの斜視図である。
【図3】 同スクロール圧縮機に用いられる同固定スク
ロールを、壁体が設けられた側から見た視図である。
【図4】 同スクロール圧縮機に用いられる吐出弁であ
る渦巻きリード弁を示す斜視図である。
【図5】 同スクロール圧縮機の固定スクロール裏面の
凹部内における、同渦巻きリード弁と吐出ポートの開口
との位置関係を示す平面図である。
【図6】 本発明のスクロール圧縮機の第2の実施の形
態の吐出弁である丸形フリー弁を示す図であって、固定
スクロールの吐出ポートの軸線を通る断面より見た視図
である。
【図7】 (a)は、同スクロール圧縮機の同丸形フリ
ー弁の斜視図であり、(b)及び(c)は、同丸形フリ
ー弁の各種変形例をそれぞれ示す斜視図である。
【図8】 本発明のスクロール圧縮機の第3の実施の形
態の吐出弁であるチェックバルブを示す図であって、固
定スクロールの吐出ポートの軸線を通る断面より見た視
図である。
【図9】 従来のスクロール圧縮機に用いられる部品を
示す図であって、(a)は固定スクロールの斜視図、
(b)は旋回スクロールの斜視図である。
【図10】 従来のスクロール圧縮機において、最大容
積時の圧縮室を示す図であり、(a)はこの時の固定ス
クロールと旋回スクロールとの各壁体どうしの噛み合い
状態を説明する図であり、(b)はこのときに外周端側
に形成された圧縮室を渦巻方向に沿った断面より見た断
面図である。
【図11】 同スクロール圧縮機の同固定スクロールと
同旋回スクロールとを噛み合わせた状態を示す図であっ
て、吐出ポートの軸線を通る断面より見た断面図であ
る。
【符号の説明】
12・・・固定スクロール 12a・・・端板 12b・・・壁体 12f・・・底面(高部囲) 12g・・・底面(低部位) 13・・・旋回スクロール 13a・・・他の端板 13b・・・他の壁体 25・・・吐出ポート 42・・・段差部(段付き部分) 50・・・凹部 51・・・吐出弁(渦巻きリード弁,フリー弁,チェック
バルブ) 51a・・・閉塞部 51b・・・弾性部 51c・・・固定部 51g・・・弁体 51h・・・スプリング(付勢部材) 55,56・・・通風部
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆英 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA16 AB03 BB32 BB42 CC03 CC15 CC25 3H039 AA02 AA12 BB08 BB28 CC03 CC08 CC29 CC30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端板の一側面に立設された渦巻き状の壁
    体を有し、定位置に固定された固定スクロールと、他の
    端板の一側面に立設された渦巻き状の他の壁体を有し、
    前記各壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公
    転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、 前記各壁体の上縁は、複数の部位に分割され、これら部
    位の高さが渦巻き方向の中心側で低くかつ外周端側で高
    くなる段付き形状とされ、 前記各端板の一側面は、前記各部位に対応してその高さ
    が渦巻き方向の中心側で高くなる高部位と、外周端側で
    低くなる低部位と、これら高部位及び底部位間の境とな
    る段付き部とを有する段付き形状とされたスクロール圧
    縮機において、 前記固定スクロールの端板には、これをその前記壁体が
    形成された表面とは反対側の裏面側から対向視した場合
    に、前記表面側に形成された前記低部位よりも中心側に
    位置する凹部が形成され、 該凹部内には、前記表面側から前記裏面側に向かって貫
    通された吐出ポートより吐出される流体の逆流を阻止す
    る吐出弁が設けられていることを特徴とするスクロール
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記固定スクロールの端板の段付き部分は、その壁体の
    渦巻きに沿って外周端から中心部に向かう進行角で2π
    ±π/4(rad)に至る位置までに形成され、 前記凹部は、この端板を前記裏面側から対向視した場合
    に、前記外周端から前記段付き部に至るまでの前記低部
    位によって囲まれていることを特徴とするスクロール圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のスクロール圧縮
    機において、 前記吐出弁は、前記吐出ポートの開口を覆って塞ぐ閉塞
    部と、該閉塞部より渦巻状に形成された弾性部と、該弾
    性部の外終端を固定する固定部とを有する渦巻きリード
    弁であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のスクロール圧縮
    機において、 前記吐出弁は、前記吐出ポートの開口面積よりも大きい
    表面積を備えた板体とされ、かつ前記凹部内に配置され
    たフリー弁であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記フリー弁には、前記吐出ポートの開口に重なる中心
    部分を除いて、該中心部分を中心としてその周囲に複数
    の通風部が形成されていることを特徴とするスクロール
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のスクロール圧縮
    機において、 前記吐出弁は、前記吐出ポートを塞ぐ弁体と、該弁体を
    前記吐出ポートに向けて付勢する付勢部材とを備えたチ
    ェックバルブであることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
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