JP2002004144A - 絣織物及びその製織方法 - Google Patents
絣織物及びその製織方法Info
- Publication number
- JP2002004144A JP2002004144A JP2000183702A JP2000183702A JP2002004144A JP 2002004144 A JP2002004144 A JP 2002004144A JP 2000183702 A JP2000183702 A JP 2000183702A JP 2000183702 A JP2000183702 A JP 2000183702A JP 2002004144 A JP2002004144 A JP 2002004144A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn
- kasuri
- ground
- dyed
- color
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Woven Fabrics (AREA)
- Looms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製織工程の省力化や短縮化、並びにコス
トダウンを可能とし、伝統的な絣織物の良さに加え、さ
らなる斬新さを付与する。 【解決手段】 地色のタテ上糸28と絣のタテ上糸29
とが組み合わされたタテ上糸と、地色のタテ下糸30と
絣のタテ下糸31とが組み合わされたタテ下糸とからな
るタテ糸に対して、地の部分と絣の部分が連続してから
成る1種類のヨコ糸32を織り込み、組絣27を有する
絣織物26を製織する。
トダウンを可能とし、伝統的な絣織物の良さに加え、さ
らなる斬新さを付与する。 【解決手段】 地色のタテ上糸28と絣のタテ上糸29
とが組み合わされたタテ上糸と、地色のタテ下糸30と
絣のタテ下糸31とが組み合わされたタテ下糸とからな
るタテ糸に対して、地の部分と絣の部分が連続してから
成る1種類のヨコ糸32を織り込み、組絣27を有する
絣織物26を製織する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絣織物及びその製
織方法に関し、詳しくは、従来の絣織物を改良し、絣が
さらに発展化、多様化した絣(本明細書では、これを
「組絣」と言う。)を特徴とする絣織物及びその製織方
法に関するものである。
織方法に関し、詳しくは、従来の絣織物を改良し、絣が
さらに発展化、多様化した絣(本明細書では、これを
「組絣」と言う。)を特徴とする絣織物及びその製織方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絣織物としては、広く結城紬が知られて
いる。結城紬は、常陸紬ともいわれ、古くより茨城県結
城市、栃木県絹村を中心として製織され、慶長の頃から
結城紬と称され、稀に見る古様を伝えるもので、織糸は
真綿からひき出した紬糸、絣縊りは手縊り、織機は最も
原始的ないざり機が用いられている(昭和31年3月2
4日の、文化財の専門審議会諮問説明資料より引用)。
いる。結城紬は、常陸紬ともいわれ、古くより茨城県結
城市、栃木県絹村を中心として製織され、慶長の頃から
結城紬と称され、稀に見る古様を伝えるもので、織糸は
真綿からひき出した紬糸、絣縊りは手縊り、織機は最も
原始的ないざり機が用いられている(昭和31年3月2
4日の、文化財の専門審議会諮問説明資料より引用)。
【0003】上記の説明は、重要無形文化財指定の三要
件(手紬糸、絣くくり、地機=じばた)を満たす「本場
結城紬」に関するもので、産地には他に「石下(いし
げ)紬」に見られるように、タテ糸に絹糸(生糸)や手
紡糸、ヨコ糸に手紬糸や手紡糸を使用する織物も、一般
的に「結城紬」と呼ばれている。なお、本発明は、「本
場結城紬」に限定せずに、一般的な「結城紬」に関する
ものである。
件(手紬糸、絣くくり、地機=じばた)を満たす「本場
結城紬」に関するもので、産地には他に「石下(いし
げ)紬」に見られるように、タテ糸に絹糸(生糸)や手
紡糸、ヨコ糸に手紬糸や手紡糸を使用する織物も、一般
的に「結城紬」と呼ばれている。なお、本発明は、「本
場結城紬」に限定せずに、一般的な「結城紬」に関する
ものである。
【0004】本発明に係る絣織物は、この結城紬及びそ
の製織方法の良さを活かし、その短所を少なくした、い
わば結城紬の改良に関する発明であり、後述する本発明
に係る絣織物及びその製織方法の説明上、従来技術とし
ての結城紬について以下詳細に説明する。
の製織方法の良さを活かし、その短所を少なくした、い
わば結城紬の改良に関する発明であり、後述する本発明
に係る絣織物及びその製織方法の説明上、従来技術とし
ての結城紬について以下詳細に説明する。
【0005】織物の基本的な原理は、タテ糸を一列に並
べその先端を固定し、タテ糸を1本おきに上下させ、そ
の間にヨコ糸を通して打ち込む作業を交互に連続して繰
り返すことだが、タテ糸を上下に分けるための開口装置
を綜絖(そうこう)と呼ぶ。結城紬では原則として、昔
ながらの「地機(いざり機)」を使用し、糸の負担を軽
減するために、下糸だけを上下させる片口開口として、
上記綜絖は、綿糸による「糸綜絖」が用いられる。
べその先端を固定し、タテ糸を1本おきに上下させ、そ
の間にヨコ糸を通して打ち込む作業を交互に連続して繰
り返すことだが、タテ糸を上下に分けるための開口装置
を綜絖(そうこう)と呼ぶ。結城紬では原則として、昔
ながらの「地機(いざり機)」を使用し、糸の負担を軽
減するために、下糸だけを上下させる片口開口として、
上記綜絖は、綿糸による「糸綜絖」が用いられる。
【0006】(従来の技術1−平織り)図1は、地機に
よる平織りの構成及びその製織方法、さらにその断面図
を示す図である。図1の(a)において、まず、タテ上
糸(上下運動をしない固定されたタテ糸)1及びタテ下
糸(「糸綜絖」により上下するタテ糸)2が準備され
る。ヨコ糸3は、タテ上下糸1、2に対して横方向に打
ち込まれて下から上へ織り進められる。また、平織りと
は、タテ糸、ヨコ糸各2本の糸を最小単位として、タテ
糸、ヨコ糸を交互に上下に繰り返し交叉させる織り方
で、図1の右下の断面図(b)に見られるように、タテ
糸、ヨコ糸いずれの糸も1本ごとに浮沈している。
よる平織りの構成及びその製織方法、さらにその断面図
を示す図である。図1の(a)において、まず、タテ上
糸(上下運動をしない固定されたタテ糸)1及びタテ下
糸(「糸綜絖」により上下するタテ糸)2が準備され
る。ヨコ糸3は、タテ上下糸1、2に対して横方向に打
ち込まれて下から上へ織り進められる。また、平織りと
は、タテ糸、ヨコ糸各2本の糸を最小単位として、タテ
糸、ヨコ糸を交互に上下に繰り返し交叉させる織り方
で、図1の右下の断面図(b)に見られるように、タテ
糸、ヨコ糸いずれの糸も1本ごとに浮沈している。
【0007】地機による実際の織成作業では、タテ糸
は、織る人の腰に当てられた腰当に固く直結してあり、
織る人の上体の動作によって、糸の張力を調節すること
ができる。また、タテ糸を上下に分けて、ヨコ糸3を通
すための開口装置は、前述(段落0005参照)のよう
に「糸綜絖」と呼ばれ、織る前の段階で準備される。す
なわち、タテ糸全体の中から1本おきに糸を選び、それ
らの糸を綿糸で作った輪に通し、これを横棒にまとめ、
足で引く綱に繋げて、タテ下糸2を作成する。
は、織る人の腰に当てられた腰当に固く直結してあり、
織る人の上体の動作によって、糸の張力を調節すること
ができる。また、タテ糸を上下に分けて、ヨコ糸3を通
すための開口装置は、前述(段落0005参照)のよう
に「糸綜絖」と呼ばれ、織る前の段階で準備される。す
なわち、タテ糸全体の中から1本おきに糸を選び、それ
らの糸を綿糸で作った輪に通し、これを横棒にまとめ、
足で引く綱に繋げて、タテ下糸2を作成する。
【0008】一連の製織動作は、まず始めに腰を引き、
タテ糸を張って開口(正常口)する。そのタテ上糸1と
タテ下糸2によって開かれた部分を杼口と言うが、そこ
にヨコ糸3を通し、打ち込む。(ヨコ糸3を示す右上の
図中、左から右方向へ通す。)次に、引いた腰を戻しタ
テ上糸1を若干緩んだ状態にして、足を引くと、1本お
きに輪に通されたタテ下糸2が引き上げられ開口(逆
口)する。
タテ糸を張って開口(正常口)する。そのタテ上糸1と
タテ下糸2によって開かれた部分を杼口と言うが、そこ
にヨコ糸3を通し、打ち込む。(ヨコ糸3を示す右上の
図中、左から右方向へ通す。)次に、引いた腰を戻しタ
テ上糸1を若干緩んだ状態にして、足を引くと、1本お
きに輪に通されたタテ下糸2が引き上げられ開口(逆
口)する。
【0009】その開いた杼口に、再び折り返すように、
ヨコ糸3を通し、打ち込む。(ヨコ糸3を示す右上の図
中、右から左方向へ通す。)この動作を繰り返すことに
より、織物4が製織される。このように、地機を使用す
る結城紬では、一般的な織物と異なり、タテ上糸1は、
タテ下糸2と異なり、上下運動をおこなわずにいつも固
定され、タテ下糸2だけが、糸綜絖により上下運動をお
こなっている。すなわち、地機を使用する結城紬では、
タテ糸において常に、上糸及び下糸の区別があるという
点に特徴がある。
ヨコ糸3を通し、打ち込む。(ヨコ糸3を示す右上の図
中、右から左方向へ通す。)この動作を繰り返すことに
より、織物4が製織される。このように、地機を使用す
る結城紬では、一般的な織物と異なり、タテ上糸1は、
タテ下糸2と異なり、上下運動をおこなわずにいつも固
定され、タテ下糸2だけが、糸綜絖により上下運動をお
こなっている。すなわち、地機を使用する結城紬では、
タテ糸において常に、上糸及び下糸の区別があるという
点に特徴がある。
【0010】(従来技術2−絣糸の染色方法)ところ
で、絣織物に使用される絣糸は、柄を織り表すための、
予め染めた糸のことであるが、図2(a)〜(c)は、
結城紬に使用する絣糸の三つの染色方法の夫々の工程を
説明する図である。夫々の染色方法を次に説明する。な
お、タテ糸とヨコ糸の染色方法は同じである。
で、絣織物に使用される絣糸は、柄を織り表すための、
予め染めた糸のことであるが、図2(a)〜(c)は、
結城紬に使用する絣糸の三つの染色方法の夫々の工程を
説明する図である。夫々の染色方法を次に説明する。な
お、タテ糸とヨコ糸の染色方法は同じである。
【0011】(a)くくりによる染色(単色)の方法
(図2(a)) (1)まず、糸5を準備する。 (2)絣になる部分の色M(これを「目色」という。図
2(a)では淡い色)で糸5全体を染める。 (3)絣になる部分に印6をつける(これを「墨付け」
という。)。 (4)印6をつけた箇所を綿糸7でくくる。これは、所
望の図案の柄をもとに、糸束の部分部分を手作業によっ
て綿糸7でくくる「絣くくり」あるいは「絣しばり」と
呼ばれる防染のための作業である。 (5)くくられた糸束を「たたき染め」と呼ばれる染色
方法によって地色Jに染める。このたたき染めは、絣く
くりの箇所以外の「地」といわれる部分を染めるため
に、糸束を棒の先に結び付け、染料を含ませた後、板の
上にたたきつけて染色する染色方法である。 (6)綿糸7でくくった箇所をほどくと、絣糸8(部分
的に染め分けた糸)が作成される。絣の部分9は、目色
Mが表れる。
(図2(a)) (1)まず、糸5を準備する。 (2)絣になる部分の色M(これを「目色」という。図
2(a)では淡い色)で糸5全体を染める。 (3)絣になる部分に印6をつける(これを「墨付け」
という。)。 (4)印6をつけた箇所を綿糸7でくくる。これは、所
望の図案の柄をもとに、糸束の部分部分を手作業によっ
て綿糸7でくくる「絣くくり」あるいは「絣しばり」と
呼ばれる防染のための作業である。 (5)くくられた糸束を「たたき染め」と呼ばれる染色
方法によって地色Jに染める。このたたき染めは、絣く
くりの箇所以外の「地」といわれる部分を染めるため
に、糸束を棒の先に結び付け、染料を含ませた後、板の
上にたたきつけて染色する染色方法である。 (6)綿糸7でくくった箇所をほどくと、絣糸8(部分
的に染め分けた糸)が作成される。絣の部分9は、目色
Mが表れる。
【0012】(b)くくりによる染色(多色)(図2
(b)) 上記単色の(3)の工程までは同じであり、この上記
(3)に続いて次の(4’)からがこの染色の特徴であ
る。 (4’)目色Mで染色した糸5の一部を綿糸10でくく
る。 (5’)綿糸10でくくった部分以外の目色Mの部分を
脱色をする。 (6’)再び、絣になる他の部分の色Nで糸全体を染め
る。 (7’)絣になる他の部分を綿糸11でくくる。 (8’)「たたき染め」によって地色Jを染める。 (9’)綿糸10、11でくくった箇所をほどく。する
と、糸5は、地色Jとともに、色Mの絣の部分と色Nの
絣の部分が染色される。
(b)) 上記単色の(3)の工程までは同じであり、この上記
(3)に続いて次の(4’)からがこの染色の特徴であ
る。 (4’)目色Mで染色した糸5の一部を綿糸10でくく
る。 (5’)綿糸10でくくった部分以外の目色Mの部分を
脱色をする。 (6’)再び、絣になる他の部分の色Nで糸全体を染め
る。 (7’)絣になる他の部分を綿糸11でくくる。 (8’)「たたき染め」によって地色Jを染める。 (9’)綿糸10、11でくくった箇所をほどく。する
と、糸5は、地色Jとともに、色Mの絣の部分と色Nの
絣の部分が染色される。
【0013】なお、柄が多色で、絣の色が多くなれば、
その色の数だけ染色−くくり−脱色−という作業工程を
繰り返し、最後にたたき染めによって、地の部分を染色
すればよい。
その色の数だけ染色−くくり−脱色−という作業工程を
繰り返し、最後にたたき染めによって、地の部分を染色
すればよい。
【0014】(c)すりこみによる染色(多色)(図2
(c)) (1’)絣になる部分を綿糸12でくくる。 (2’)たたき染めによって地色Kを染める。 (3’)綿糸12でくくった箇所をほどき、それぞれの
部分に異なった染料液P、Qをすりこみ捺染する。この
すりこみ捺染は、多色に絣を染め分ける技術であり、糸
束の柄の箇所をステンレス製のへらに染料液をつけてこ
すりつける染色方法である。
(c)) (1’)絣になる部分を綿糸12でくくる。 (2’)たたき染めによって地色Kを染める。 (3’)綿糸12でくくった箇所をほどき、それぞれの
部分に異なった染料液P、Qをすりこみ捺染する。この
すりこみ捺染は、多色に絣を染め分ける技術であり、糸
束の柄の箇所をステンレス製のへらに染料液をつけてこ
すりつける染色方法である。
【0015】(従来技術3−亀甲絣織物)結城紬の柄を
構成するために、柄の構成要素が六角形の亀甲である、
「亀甲絣」が一般的に利用されている。図3(a)は、
亀甲絣の構成及びその製織方法を説明する図であり、図
3(b)は、亀甲絣の絣織物(80亀甲絣:1尺の織り
幅に80個の亀甲が織り込まれた亀甲絣。)の実寸図を
示す図である。なお、図3(b)の枠内を拡大した図
が、図3(a)の左上の図である。
構成するために、柄の構成要素が六角形の亀甲である、
「亀甲絣」が一般的に利用されている。図3(a)は、
亀甲絣の構成及びその製織方法を説明する図であり、図
3(b)は、亀甲絣の絣織物(80亀甲絣:1尺の織り
幅に80個の亀甲が織り込まれた亀甲絣。)の実寸図を
示す図である。なお、図3(b)の枠内を拡大した図
が、図3(a)の左上の図である。
【0016】亀甲絣13を有する絣織物14による柄
は、あらかじめ描かれた図案をもとに、上述の手作業に
よる浸染や防染あるいは捺染方法を用いて染めた、4種
類の糸、即ち、タテ地糸(上糸と下糸)15、15’、
タテ絣糸(上糸)16、ヨコ地糸17及びヨコ絣糸18
の4種類の糸を準備する。
は、あらかじめ描かれた図案をもとに、上述の手作業に
よる浸染や防染あるいは捺染方法を用いて染めた、4種
類の糸、即ち、タテ地糸(上糸と下糸)15、15’、
タテ絣糸(上糸)16、ヨコ地糸17及びヨコ絣糸18
の4種類の糸を準備する。
【0017】タテ地糸(上糸と下糸)15、15’及び
ヨコ地糸17は、上記した地糸、即ち全体的に同じ色で
染色した糸であり、タテ絣糸(上糸)16及びヨコ絣糸
18は、絣糸、即ち地色Jの地に対して部分的に異なる
目色Mが染色された糸である。
ヨコ地糸17は、上記した地糸、即ち全体的に同じ色で
染色した糸であり、タテ絣糸(上糸)16及びヨコ絣糸
18は、絣糸、即ち地色Jの地に対して部分的に異なる
目色Mが染色された糸である。
【0018】そして、上記平織りの製織方法を利用し
て、ヨコ地糸17とヨコ絣糸18を、タテ地糸15、1
5’及びタテ絣糸16に、予め描かれた図案の絣の柄に
合わせながら織り込んで製織する。これにより、亀甲絣
13を有する絣織物14が得られる。
て、ヨコ地糸17とヨコ絣糸18を、タテ地糸15、1
5’及びタテ絣糸16に、予め描かれた図案の絣の柄に
合わせながら織り込んで製織する。これにより、亀甲絣
13を有する絣織物14が得られる。
【0019】(従来技術4−あじろ織物)また、結城紬
の一部には、絣糸による構成ではなく、2色の糸の組み
合わせによって作成される「あじろ」あるいは「くず
し」と呼ばれる連続模様を有する織物がある。一般的に
「あじろ(網代)」とは、網の代わりに竹などを組んだ
ものだが、結城紬における「あじろ」あるいは「くず
し」(本明細書では、これを「あじろ・くずし」とい
う。)とは、その模様の構成要素となる「織りの文様も
しくは構造の名称」である。
の一部には、絣糸による構成ではなく、2色の糸の組み
合わせによって作成される「あじろ」あるいは「くず
し」と呼ばれる連続模様を有する織物がある。一般的に
「あじろ(網代)」とは、網の代わりに竹などを組んだ
ものだが、結城紬における「あじろ」あるいは「くず
し」(本明細書では、これを「あじろ・くずし」とい
う。)とは、その模様の構成要素となる「織りの文様も
しくは構造の名称」である。
【0020】なお、本明細書で、「文様」とは、平織り
によって規則的に構成された糸の組み合わせの単位を言
い、「模様」とは、文様を基本として、それらが集まり
連続して展開したもの言い、「柄」とは、絣糸によって
作成された文様による、ある形をもった模様をいう。
によって規則的に構成された糸の組み合わせの単位を言
い、「模様」とは、文様を基本として、それらが集まり
連続して展開したもの言い、「柄」とは、絣糸によって
作成された文様による、ある形をもった模様をいう。
【0021】図4(a)は、あじろ・くずしの構成及び
その製織方法を説明する図であり、図4(b)は、あじ
ろ・くずしの織物の実寸図を示す図である。図4(b)
の枠内を拡大した図が、図4(a)の左上の図である。
あじろ・くずしは、亀甲絣と同様に平織りの製織方法を
用い、絣糸ではなく濃淡2色の地糸の効果によって織り
出された文様、さらにはそれらが集まり連続して展開し
た模様である。
その製織方法を説明する図であり、図4(b)は、あじ
ろ・くずしの織物の実寸図を示す図である。図4(b)
の枠内を拡大した図が、図4(a)の左上の図である。
あじろ・くずしは、亀甲絣と同様に平織りの製織方法を
用い、絣糸ではなく濃淡2色の地糸の効果によって織り
出された文様、さらにはそれらが集まり連続して展開し
た模様である。
【0022】タテ地糸は、淡色Lのタテ上糸19、濃色
Dのタテ上糸20、淡色Lのタテ下糸21、濃色Dのタ
テ下糸22とを含む。ヨコ地糸は、淡色Lのヨコ地糸2
3と濃色Dのヨコ地糸24とを含む。これらの糸を平織
りにより織成して上記あじろ・くずしの織物25が得ら
れる。
Dのタテ上糸20、淡色Lのタテ下糸21、濃色Dのタ
テ下糸22とを含む。ヨコ地糸は、淡色Lのヨコ地糸2
3と濃色Dのヨコ地糸24とを含む。これらの糸を平織
りにより織成して上記あじろ・くずしの織物25が得ら
れる。
【0023】淡色のタテ地糸、上下の19、21とその
上に浮いている淡色のヨコ地糸23がひとつになり、1
本のタテ縞(タテ・ヨコを入れ替えればヨコ縞)のよう
に見える文様であるため、「亀甲絣」に比べれば、織り
上がった模様がはっきりしている(右下の実寸図参
照)。
上に浮いている淡色のヨコ地糸23がひとつになり、1
本のタテ縞(タテ・ヨコを入れ替えればヨコ縞)のよう
に見える文様であるため、「亀甲絣」に比べれば、織り
上がった模様がはっきりしている(右下の実寸図参
照)。
【0024】濃淡2色の織り出す縞の本数によって、
「二くずし」、「四くずし」などと呼ばれる。例えば、
四くずしの製織は、図4(a)に示されるように、タテ
上糸は、「濃・濃・濃・濃・濃・淡・淡・淡・淡」の順
序によって、タテ下糸は、「淡・淡・淡・淡・濃・濃・
濃・濃・濃」の順序によって、ヨコ糸は、「濃・淡・濃
・淡・濃・淡・濃・淡・濃・濃・淡・濃・淡・濃・淡・
濃・淡・濃」の順序によって織り出される。
「二くずし」、「四くずし」などと呼ばれる。例えば、
四くずしの製織は、図4(a)に示されるように、タテ
上糸は、「濃・濃・濃・濃・濃・淡・淡・淡・淡」の順
序によって、タテ下糸は、「淡・淡・淡・淡・濃・濃・
濃・濃・濃」の順序によって、ヨコ糸は、「濃・淡・濃
・淡・濃・淡・濃・淡・濃・濃・淡・濃・淡・濃・淡・
濃・淡・濃」の順序によって織り出される。
【0025】又、図示はしないが、二くずしの製織方法
は、タテ上糸は、「濃・濃・濃・淡・淡」の順序によっ
て、タテ下糸は、「淡・淡・濃・濃・濃」の順序によっ
て、ヨコ糸は、「濃・淡・濃・淡・濃・濃・淡・濃・淡
・濃」の順序によって織り出される。さらに、一くずし
の製織方法は、タテ上糸は、「濃・濃・淡」の順序によ
って、タテ下糸は、「淡・濃・濃」の順序によって、ヨ
コ糸は、「濃・淡・濃・濃・淡・濃」の順序によって織
り出される。
は、タテ上糸は、「濃・濃・濃・淡・淡」の順序によっ
て、タテ下糸は、「淡・淡・濃・濃・濃」の順序によっ
て、ヨコ糸は、「濃・淡・濃・淡・濃・濃・淡・濃・淡
・濃」の順序によって織り出される。さらに、一くずし
の製織方法は、タテ上糸は、「濃・濃・淡」の順序によ
って、タテ下糸は、「淡・濃・濃」の順序によって、ヨ
コ糸は、「濃・淡・濃・濃・淡・濃」の順序によって織
り出される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記亀甲絣
の場合、六角形(亀甲)の斜めの線を構成する細かい絣
の部分(「中山」又は「ちらし」と呼ばれている。)の
製作工程とそれを調整する製織作業において、高度に熟
練した技術が必要とされる。即ち、絣の製作工程中や染
色時あるいは製織準備作業中における絣糸の伸縮によっ
て、微小面積である絣のズレが生じるからである。
の場合、六角形(亀甲)の斜めの線を構成する細かい絣
の部分(「中山」又は「ちらし」と呼ばれている。)の
製作工程とそれを調整する製織作業において、高度に熟
練した技術が必要とされる。即ち、絣の製作工程中や染
色時あるいは製織準備作業中における絣糸の伸縮によっ
て、微小面積である絣のズレが生じるからである。
【0027】さらに、亀甲絣では、平織りを使用してい
るので、タテ糸、ヨコ糸のいずれの糸も1本ごとに浮沈
している。従って、亀甲絣においても、絣糸が地糸との
交叉によって沈みこみ、しかもタテ糸の部分は、タテ上
糸だけにしか絣がないので、織り上がった柄の不鮮明さ
が避けられない(図3(b)の実寸図参照)。
るので、タテ糸、ヨコ糸のいずれの糸も1本ごとに浮沈
している。従って、亀甲絣においても、絣糸が地糸との
交叉によって沈みこみ、しかもタテ糸の部分は、タテ上
糸だけにしか絣がないので、織り上がった柄の不鮮明さ
が避けられない(図3(b)の実寸図参照)。
【0028】このように面倒な作業を伴うことから、亀
甲絣の製作工程においては、絣の大きさや数の多少によ
って絣の製作日数に数週間から数ケ月、さらに、その絣
を調整しながら手仕事で織り上げる製織作業にも数週間
から数ケ月という多大な時間と労力を要している。
甲絣の製作工程においては、絣の大きさや数の多少によ
って絣の製作日数に数週間から数ケ月、さらに、その絣
を調整しながら手仕事で織り上げる製織作業にも数週間
から数ケ月という多大な時間と労力を要している。
【0029】また一方では、産地、並びに市場の要請と
して、多大な時間と労力のために高価な製品に結びつく
亀甲絣に代わる従来とは違う絣を構成要素とする、新し
い柄の結城紬が求められている。
して、多大な時間と労力のために高価な製品に結びつく
亀甲絣に代わる従来とは違う絣を構成要素とする、新し
い柄の結城紬が求められている。
【0030】その上、伝統産業に共通の問題である就業
者の高齢化に伴い、長時間にいたる作業のなかでの健康
状態の変化(視力・握力の低下)とともに、長期間にわ
たる作業環境の変化(温湿度に関係する紬糸の伸縮)に
よる作業ミスも増大している。
者の高齢化に伴い、長時間にいたる作業のなかでの健康
状態の変化(視力・握力の低下)とともに、長期間にわ
たる作業環境の変化(温湿度に関係する紬糸の伸縮)に
よる作業ミスも増大している。
【0031】そして、あじろ・くずしについては、あら
かじめ想定された文様、あるいは、その文様が連続して
構成された「模様」を考慮しつつ、濃淡2色のタテ糸を
規則的に組み合わす準備とともに、濃淡2色のヨコ糸を
順序よく織り込む作業において、多大な集中力が必要と
される。
かじめ想定された文様、あるいは、その文様が連続して
構成された「模様」を考慮しつつ、濃淡2色のタテ糸を
規則的に組み合わす準備とともに、濃淡2色のヨコ糸を
順序よく織り込む作業において、多大な集中力が必要と
される。
【0032】このように複雑な製織作業ではあるが、模
様の変化が少ないことから、作業時間がかかるのに反し
て低い価格で取引されるため、生産者意欲が半減し、必
然的に、生産量は極端に減少している。
様の変化が少ないことから、作業時間がかかるのに反し
て低い価格で取引されるため、生産者意欲が半減し、必
然的に、生産量は極端に減少している。
【0033】本発明は、上記課題を解決することを目的
とするものであり、その解決すべき具体的な課題は次の
通りである。 (1)従来の絣の持つ良さを活かしながら、さらに絣を
多様に変化させることのできる絣織物の構造及びその製
織方法を実現する。 (2)絣織物の製織工程の省力化、製織作業の短縮化を
図る。 (3)織り出される柄の鮮明化を図る。
とするものであり、その解決すべき具体的な課題は次の
通りである。 (1)従来の絣の持つ良さを活かしながら、さらに絣を
多様に変化させることのできる絣織物の構造及びその製
織方法を実現する。 (2)絣織物の製織工程の省力化、製織作業の短縮化を
図る。 (3)織り出される柄の鮮明化を図る。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の
糸から製織される絣織物であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記タ
テ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地色
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とから
成り、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣糸とから成り、上記タテ上糸及び上記
タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り
出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に
異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸におけるタ
テ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の
箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とが、全体的
に重なることによって、所望の文様又は該文様の集合が
付与されていることを特徴とする絣織物を提供する。
するために、タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の
糸から製織される絣織物であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記タ
テ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地色
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とから
成り、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣糸とから成り、上記タテ上糸及び上記
タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り
出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に
異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸におけるタ
テ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の
箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とが、全体的
に重なることによって、所望の文様又は該文様の集合が
付与されていることを特徴とする絣織物を提供する。
【0035】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全体が
地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記ヨコ糸
は、地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣
糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して
1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸に
おけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合と、ヨ
コ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣の箇所の集合とが、部分的に重なることによ
って、所望の文様又は該文様の集合が付与されているこ
とを特徴とする絣織物を提供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全体が
地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記ヨコ糸
は、地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣
糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して
1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸に
おけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合と、ヨ
コ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣の箇所の集合とが、部分的に重なることによ
って、所望の文様又は該文様の集合が付与されているこ
とを特徴とする絣織物を提供する。
【0036】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が複数染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が複数染色された絣糸とから成り、上
記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が複数
染色された絣糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ
下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出
し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に異
なる色が複数染色された絣の箇所及びタテ下糸における
タテ下糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所の集合と
が、全体的に重なることによって、複数の色彩をもつ所
望の文様又は該文様の集合が付与されていることを特徴
とする絣織物を提供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が複数染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が複数染色された絣糸とから成り、上
記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が複数
染色された絣糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ
下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出
し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に異
なる色が複数染色された絣の箇所及びタテ下糸における
タテ下糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所の集合と
が、全体的に重なることによって、複数の色彩をもつ所
望の文様又は該文様の集合が付与されていることを特徴
とする絣織物を提供する。
【0037】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全体が
地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記ヨコ糸
は、地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣
糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して
1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸に
おけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の複数の異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下
糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数
の異なる箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対
して部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇
所の集合とが、全体的に重なることによって、所望の複
数の異なる文様又は該文様の集合が付与されていること
を特徴とする絣織物を提供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から製織される
絣織物であって、上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色
された地糸と、上記地色の地に対して部分的に異なる色
が染色された絣糸とから成り、上記タテ下糸は、全体が
地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して部分
的に異なる色が染色された絣糸とから成り、上記ヨコ糸
は、地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣
糸とから成り、上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して
1本の上記ヨコ糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸に
おけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の複数の異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下
糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数
の異なる箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対
して部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇
所の集合とが、全体的に重なることによって、所望の複
数の異なる文様又は該文様の集合が付与されていること
を特徴とする絣織物を提供する。
【0038】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸にお
けるタテ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とを、
全体的に重ねることによって、所望の文様又は該文様の
集合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提
供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸にお
けるタテ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とを、
全体的に重ねることによって、所望の文様又は該文様の
集合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提
供する。
【0039】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸にお
けるタテ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とを、
部分的に重ねることによって、所望の文様又は該文様の
集合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提
供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所及びタテ下糸にお
けるタテ下糸の地に対して部分的に異なる色が染色され
た絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対し
て部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合とを、
部分的に重ねることによって、所望の文様又は該文様の
集合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提
供する。
【0040】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が複数染色された絣糸とから構成し、
上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部
分的に異なる色が複数染色された絣糸とから構成し、上
記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸
を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の
地に対して部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所
及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異
なる色が複数染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸にお
けるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色さ
れた絣の箇所の集合とを、全体的に重ねることによっ
て、複数の色彩をもつ所望の文様又は該文様の集合を付
与することを特徴とする絣織物の製織方法を提供する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が複数染色された絣糸とから構成し、
上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部
分的に異なる色が複数染色された絣糸とから構成し、上
記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸
を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の
地に対して部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所
及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異
なる色が複数染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸にお
けるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色さ
れた絣の箇所の集合とを、全体的に重ねることによっ
て、複数の色彩をもつ所望の文様又は該文様の集合を付
与することを特徴とする絣織物の製織方法を提供する。
【0041】本発明は上記課題を解決するために、タテ
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所及び
タテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣の複数の異なる箇所の集合と、ヨコ糸
におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の複数の異なる箇所の集合とを、全体的に重ねる
ことによって、所望の複数の異なる文様又は該文様の集
合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提供
する。
上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸から絣織物を製
織する絣織物の製織方法であって、上記タテ上糸は、全
体が地色のみ染色された地糸と、上記地色の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣糸とから構成し、上記
タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上記地
色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸とか
ら構成し、上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣糸とから構成し、上記タテ上糸及
び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ糸を組み合わせ
て織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所及び
タテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣の複数の異なる箇所の集合と、ヨコ糸
におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の複数の異なる箇所の集合とを、全体的に重ねる
ことによって、所望の複数の異なる文様又は該文様の集
合を付与することを特徴とする絣織物の製織方法を提供
する。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明に係る絣織物及びその製織
方法の実施形態を実施例に基づいて図面を参照して詳細
に説明する。本発明に係る絣織物では、以下説明するよ
うに、従来の亀甲絣やあじろ・くずしに見られる単純な
絣模様と異なり、多様に変化させることのできる絣模様
が表現できる。
方法の実施形態を実施例に基づいて図面を参照して詳細
に説明する。本発明に係る絣織物では、以下説明するよ
うに、従来の亀甲絣やあじろ・くずしに見られる単純な
絣模様と異なり、多様に変化させることのできる絣模様
が表現できる。
【0043】本発明の組絣は、絹という天然繊維からつ
くられる種々異なる形状の糸、たとえば絹糸、手紡糸、
手紬糸及び糸束を絣あるいは絣状に染色し、それらの糸
を組み合わせて織り出された柄を特徴とする。
くられる種々異なる形状の糸、たとえば絹糸、手紡糸、
手紬糸及び糸束を絣あるいは絣状に染色し、それらの糸
を組み合わせて織り出された柄を特徴とする。
【0044】(実施例1)図5(a)は、本発明に係る
絣織物の実施例1の構成及びその製織方法を説明する図
であり、図5(b)は、本発明に係る絣織物の実寸図を
示す図である。図5において、実施例1の絣織物26
は、組絣の基本的な文様の組絣27を付与するものであ
る。絣織物26を織成するには、タテ上糸、タテ下糸及
びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そして、従来技術
1で説明した平織りの手順に従って、製織される。
絣織物の実施例1の構成及びその製織方法を説明する図
であり、図5(b)は、本発明に係る絣織物の実寸図を
示す図である。図5において、実施例1の絣織物26
は、組絣の基本的な文様の組絣27を付与するものであ
る。絣織物26を織成するには、タテ上糸、タテ下糸及
びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そして、従来技術
1で説明した平織りの手順に従って、製織される。
【0045】この実施例1の絣織物の要素となるタテ上
糸は、地色(濃色)Jだけのタテ地糸(上糸)28と、
地色Jの地に対して部分的に異なる目色(淡色)Mを部
分的に付したタテ絣糸(上糸)29とが組み合わされて
いる。タテ下糸についても、同様に、地色Jだけのタテ
地糸(下糸)30と、地色Jの地に対して部分的に異な
る目色Mを付したタテ絣糸(下糸)31とが組み合わさ
れている。
糸は、地色(濃色)Jだけのタテ地糸(上糸)28と、
地色Jの地に対して部分的に異なる目色(淡色)Mを部
分的に付したタテ絣糸(上糸)29とが組み合わされて
いる。タテ下糸についても、同様に、地色Jだけのタテ
地糸(下糸)30と、地色Jの地に対して部分的に異な
る目色Mを付したタテ絣糸(下糸)31とが組み合わさ
れている。
【0046】ヨコ糸32は1本の連続した絣糸であり、
即ち、ヨコ糸32は、地色Jの地に対して部分的に異な
る目色(淡色)Mが染色された絣糸である。タテ上糸、
タテ下糸及びヨコ糸の絣は、夫々、上記従来技術2で説
明したような染色方法を用いるが、亀甲絣に示したよう
な微小な点状の絣は必要ではなく、やや長い線状の絣に
染色する。
即ち、ヨコ糸32は、地色Jの地に対して部分的に異な
る目色(淡色)Mが染色された絣糸である。タテ上糸、
タテ下糸及びヨコ糸の絣は、夫々、上記従来技術2で説
明したような染色方法を用いるが、亀甲絣に示したよう
な微小な点状の絣は必要ではなく、やや長い線状の絣に
染色する。
【0047】ここで、地色を濃色とし、絣を淡色とした
場合に、地色のタテ糸を「濃」とし、絣のタテ糸を
「絣」で表し、ヨコ糸の地色の部分を「濃」で表し、絣
の部分を「絣」と表した場合、例えば、淡色の部分を組
み合わせて「四くずし」(段落0024参照。)の柄に
するならば、夫々次の順序となる。
場合に、地色のタテ糸を「濃」とし、絣のタテ糸を
「絣」で表し、ヨコ糸の地色の部分を「濃」で表し、絣
の部分を「絣」と表した場合、例えば、淡色の部分を組
み合わせて「四くずし」(段落0024参照。)の柄に
するならば、夫々次の順序となる。
【0048】タテ上糸は、「濃・濃・濃・濃・濃・絣・
絣・絣・絣」の順序で、タテ下糸は、「絣・絣・絣・絣
・濃・濃・濃・濃・濃」の順序で組み合わされる。そし
て、ヨコ糸の地色の部分と絣の部分の連続的な組み合わ
せは、「濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃・濃・絣
・濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃」の順序で構成される。
このように組み合わされた、タテ上糸及びタテ下糸に対
して1本の連続するヨコ糸を組み合わせて織り出して、
所望の文様又は該文様の集合の絣27を有する絣織物2
6が得られる。
絣・絣・絣」の順序で、タテ下糸は、「絣・絣・絣・絣
・濃・濃・濃・濃・濃」の順序で組み合わされる。そし
て、ヨコ糸の地色の部分と絣の部分の連続的な組み合わ
せは、「濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃・濃・絣
・濃・絣・濃・絣・濃・絣・濃」の順序で構成される。
このように組み合わされた、タテ上糸及びタテ下糸に対
して1本の連続するヨコ糸を組み合わせて織り出して、
所望の文様又は該文様の集合の絣27を有する絣織物2
6が得られる。
【0049】 要するに、実施例1では、タテ
上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が
染色された絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地
に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合
と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣の箇所の集合とを、全体的に重ねるよ
うに織り出すことによって、所望の文様又は該文様の集
合が付与された絣織物が得られる。
上糸におけるタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が
染色された絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地
に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合
と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる
色が染色された絣の箇所の集合とを、全体的に重ねるよ
うに織り出すことによって、所望の文様又は該文様の集
合が付与された絣織物が得られる。
【0050】本発明に係る絣織物の特徴は、亀甲絣(従
来技術3)及びあじろ・くずし(従来技術4)の場合の
ように、ヨコ糸に2種類の糸(2本の糸)を使用するの
ではなく、地の部分と絣の部分とが連成した1種類の連
続したヨコ糸32(1種類のヨコ糸とは、途中直列方向
につなげたものを含む1本のヨコ糸の意味。)を用いて
製織した点であり、このような1種類のヨコ糸32を用
いて製織することによって、図5に示すような組絣27
を有する絣織物26を得ることができる。
来技術3)及びあじろ・くずし(従来技術4)の場合の
ように、ヨコ糸に2種類の糸(2本の糸)を使用するの
ではなく、地の部分と絣の部分とが連成した1種類の連
続したヨコ糸32(1種類のヨコ糸とは、途中直列方向
につなげたものを含む1本のヨコ糸の意味。)を用いて
製織した点であり、このような1種類のヨコ糸32を用
いて製織することによって、図5に示すような組絣27
を有する絣織物26を得ることができる。
【0051】以上のことから、組絣の基本的な文様は、
従来よりも簡略化した図案に基づいて作成でき、さら
に、亀甲絣のように細かく柄を調整する必要もなく、製
織作業のより一層の簡便化が計られる。さらに、従来の
線的な亀甲絣よりもタテ・ヨコの絣の密度が高く、柄の
形及び色調が面的により鮮明に織り出される。(図5
(b)の実寸図参照)
従来よりも簡略化した図案に基づいて作成でき、さら
に、亀甲絣のように細かく柄を調整する必要もなく、製
織作業のより一層の簡便化が計られる。さらに、従来の
線的な亀甲絣よりもタテ・ヨコの絣の密度が高く、柄の
形及び色調が面的により鮮明に織り出される。(図5
(b)の実寸図参照)
【0052】(実施例2)図6(a)は、本発明に係る
絣織物の実施例2の構成及びその製織方法を説明する図
であり、図6(b)は、絣織物の実寸図を示す図であ
る。図6において、実施例2の絣織物は、組絣の構成を
さらに変化させており、タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸
の3種類の糸が準備される。そして、従来技術1で説明
した平織りの手順に従って、製織される。
絣織物の実施例2の構成及びその製織方法を説明する図
であり、図6(b)は、絣織物の実寸図を示す図であ
る。図6において、実施例2の絣織物は、組絣の構成を
さらに変化させており、タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸
の3種類の糸が準備される。そして、従来技術1で説明
した平織りの手順に従って、製織される。
【0053】タテ上糸は、全体が地色(濃色)Jのみ染
色されたタテ地糸(上糸)33と、地色Jの地に対して
部分的に異なる目色(淡色)Mを部分的に付したタテ絣
糸(上糸)34とが組み合わされている。タテ下糸につ
いても、同様に、地色(濃色)Jだけのタテ地糸(下
糸)35と、地色Jの地に対して部分的に異なる目色
(淡色)Mを部分的に付したタテ絣糸(下糸)36とが
組み合わされている。
色されたタテ地糸(上糸)33と、地色Jの地に対して
部分的に異なる目色(淡色)Mを部分的に付したタテ絣
糸(上糸)34とが組み合わされている。タテ下糸につ
いても、同様に、地色(濃色)Jだけのタテ地糸(下
糸)35と、地色Jの地に対して部分的に異なる目色
(淡色)Mを部分的に付したタテ絣糸(下糸)36とが
組み合わされている。
【0054】ヨコ糸37は、地色Jの地に対して部分的
に異なる目色Mが染色された絣糸とから成る。タテ上糸
及びタテ下糸に対して1本のヨコ糸37を組み合わせて
織り出して、所望の文様又は該文様の集合の組絣38が
付与された絣織物39が得られる。
に異なる目色Mが染色された絣糸とから成る。タテ上糸
及びタテ下糸に対して1本のヨコ糸37を組み合わせて
織り出して、所望の文様又は該文様の集合の組絣38が
付与された絣織物39が得られる。
【0055】実施例2の絣織物の組絣のタテ糸の絣の部
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例1の絣織物の組
絣のように、柄全体にわたって、タテ糸の絣、及びヨコ
糸の絣を交叉させるのではなく、いわば組絣の構成を、
一旦、タテ・ヨコ糸の絣に分解し、そのタテ糸とヨコ糸
の絣が部分的に重なった箇所で組絣が作成されるように
再構成する点を特徴としている。
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例1の絣織物の組
絣のように、柄全体にわたって、タテ糸の絣、及びヨコ
糸の絣を交叉させるのではなく、いわば組絣の構成を、
一旦、タテ・ヨコ糸の絣に分解し、そのタテ糸とヨコ糸
の絣が部分的に重なった箇所で組絣が作成されるように
再構成する点を特徴としている。
【0056】要するに、実施例2では、タテ上糸におけ
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色された
絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸
におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の箇所の集合とを、部分的に重なるように織り出
すことによって、所望の文様又は該文様の集合が付与さ
れた絣織物が得られる。
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色された
絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部
分的に異なる色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸
におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が染色さ
れた絣の箇所の集合とを、部分的に重なるように織り出
すことによって、所望の文様又は該文様の集合が付与さ
れた絣織物が得られる。
【0057】(実施例3)図7は、本発明に係る絣織物
の実施例3の構成及びその製織方法、さらに絣織物の実
寸図を示す図である。図7において、実施例3の絣織物
は、組絣の色彩を多様に変化させるものであり、タテ上
糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そ
して、従来技術1で説明した平織りの手順に従って、製
織される。
の実施例3の構成及びその製織方法、さらに絣織物の実
寸図を示す図である。図7において、実施例3の絣織物
は、組絣の色彩を多様に変化させるものであり、タテ上
糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そ
して、従来技術1で説明した平織りの手順に従って、製
織される。
【0058】タテ上糸は、全体が地色(濃色)Jのみ染
色されたタテ地糸(上糸)40と、地色とは異なり、か
つ互いに異なる複数の目色(実施例3では淡色2色)
M、Nを部分的に付したタテ絣糸(上糸)41とが組み
合わされている。タテ下糸についても、同様に、地色
(濃色)Jだけのタテ地糸(下糸)42と、地色とは異
なり、かつ互いに異なる複数の目色(実施例3では淡色
2色)M、Nを部分的に付したタテ絣糸(下糸)43と
が組み合わされている。
色されたタテ地糸(上糸)40と、地色とは異なり、か
つ互いに異なる複数の目色(実施例3では淡色2色)
M、Nを部分的に付したタテ絣糸(上糸)41とが組み
合わされている。タテ下糸についても、同様に、地色
(濃色)Jだけのタテ地糸(下糸)42と、地色とは異
なり、かつ互いに異なる複数の目色(実施例3では淡色
2色)M、Nを部分的に付したタテ絣糸(下糸)43と
が組み合わされている。
【0059】ヨコ糸44は、上記地色Jの地に対し部分
的に異なり、かつ上記複数の色M、N、が部分的に染色
された1本の連続した絣糸から成る。このようなタテ上
糸及び上記タテ下糸に対して1本の連続したヨコ糸44
を組み合わせて織り出して、所望の色彩が付与された組
絣45の形成された絣織物46が得られる。
的に異なり、かつ上記複数の色M、N、が部分的に染色
された1本の連続した絣糸から成る。このようなタテ上
糸及び上記タテ下糸に対して1本の連続したヨコ糸44
を組み合わせて織り出して、所望の色彩が付与された組
絣45の形成された絣織物46が得られる。
【0060】実施例3の絣織物の組絣のタテ糸の絣の部
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例1の絣織物の組
絣のように、単色あるいは同色のタテ糸の絣、及びヨコ
糸の絣を交叉させるのではなく、タテ・ヨコの絣を異な
る色調、あるいは多色に作成し、そのタテ糸とヨコ糸の
絣が重なった箇所で色彩に変化を持つ組絣を構成する点
に特徴がある。
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例1の絣織物の組
絣のように、単色あるいは同色のタテ糸の絣、及びヨコ
糸の絣を交叉させるのではなく、タテ・ヨコの絣を異な
る色調、あるいは多色に作成し、そのタテ糸とヨコ糸の
絣が重なった箇所で色彩に変化を持つ組絣を構成する点
に特徴がある。
【0061】要するに、実施例3では、タテ上糸におけ
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色さ
れた絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対し
て部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所の集合
と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる
色が複数染色された絣の箇所の集合とを、全体的に重な
るように織り出すことによって、複数の色彩をもつ所望
の文様又は該文様の集合が付与された絣織物が得られ
る。
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色さ
れた絣の箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対し
て部分的に異なる色が複数染色された絣の箇所の集合
と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる
色が複数染色された絣の箇所の集合とを、全体的に重な
るように織り出すことによって、複数の色彩をもつ所望
の文様又は該文様の集合が付与された絣織物が得られ
る。
【0062】(実施例4)図8は、本発明に係る絣織物
の実施例4の構成及びその製織方法、さらに絣織物の実
寸図を示す図である。図8において、実施例4の絣織物
は、組絣の文様をさらに変化させるものであり、タテ上
糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そ
して、従来技術1で説明した平織りの手順に従って、製
織される。
の実施例4の構成及びその製織方法、さらに絣織物の実
寸図を示す図である。図8において、実施例4の絣織物
は、組絣の文様をさらに変化させるものであり、タテ上
糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種類の糸が準備される。そ
して、従来技術1で説明した平織りの手順に従って、製
織される。
【0063】この実施例4の絣織物の要素となるタテ上
糸は、全体が地色(濃色)Jのみ染色されたタテ地糸
(上糸)47と、地色Jの地に対して異なる目色(淡
色)Mを、複数の異なる規則性をもって部分的に付した
タテ絣糸(上糸)48とが組み合わされている。タテ下
糸についても、同様に、地色(濃色)Jだけのタテ地糸
(下糸)49と、地色Jの地に対して異なる目色(淡
色)Mを、複数の異なる規則性をもって部分的に付した
タテ絣糸(下糸)50とが組み合わされている。
糸は、全体が地色(濃色)Jのみ染色されたタテ地糸
(上糸)47と、地色Jの地に対して異なる目色(淡
色)Mを、複数の異なる規則性をもって部分的に付した
タテ絣糸(上糸)48とが組み合わされている。タテ下
糸についても、同様に、地色(濃色)Jだけのタテ地糸
(下糸)49と、地色Jの地に対して異なる目色(淡
色)Mを、複数の異なる規則性をもって部分的に付した
タテ絣糸(下糸)50とが組み合わされている。
【0064】ここに、「複数の異なる規則性をもって」
とは、例えば、タテ上糸についてみれば、左から1〜3
番目、及び13〜15番目には地糸を、4〜12番目に
は、下半分に「四くずし」(段落0024参照)の規則
性と、上半分に「一くずし」(段落0025参照)の規
則性とを合わせもつ地糸及び絣糸を組み合わせるよう
に、タテ上糸の異なる部分に異なる規則性をもって目色
を付与するということである。
とは、例えば、タテ上糸についてみれば、左から1〜3
番目、及び13〜15番目には地糸を、4〜12番目に
は、下半分に「四くずし」(段落0024参照)の規則
性と、上半分に「一くずし」(段落0025参照)の規
則性とを合わせもつ地糸及び絣糸を組み合わせるよう
に、タテ上糸の異なる部分に異なる規則性をもって目色
を付与するということである。
【0065】ヨコ糸51は、1本の連続した糸であり、
地色(濃色)Jの地に対して、複数の異なる規則性をも
って部分的に異なる目色(淡色)Mが染色された絣糸で
ある。ここに、「複数の異なる規則性をもって」とは、
図8において、下から1〜18番目には、「四くずし」
(
地色(濃色)Jの地に対して、複数の異なる規則性をも
って部分的に異なる目色(淡色)Mが染色された絣糸で
ある。ここに、「複数の異なる規則性をもって」とは、
図8において、下から1〜18番目には、「四くずし」
(
【0024】参照)の規則性と、19〜27番目には、
「一くずし」(
「一くずし」(
【0025】参照)の規則性とを合わせもち、ヨコ糸の
異なる部分に異なる規則性をもって目色を付与するとい
うことである。
異なる部分に異なる規則性をもって目色を付与するとい
うことである。
【0066】このようなタテ上糸及びタテ下糸に対して
連続する1本のヨコ糸51を組み合わせて織り出して、
所望の文様又は該文様の集合の組絣52が付与された絣
織物53が得られる。
連続する1本のヨコ糸51を組み合わせて織り出して、
所望の文様又は該文様の集合の組絣52が付与された絣
織物53が得られる。
【0067】実施例4の絣織物の組絣のタテ糸の絣の部
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例4の絣織物は、
組絣の文様を多様化するものであり、実施例1の絣織物
の基本文様のように「四くずし」といった1種類のタテ
・ヨコ同じ規則性を持つ絣ではなく、タテ糸とヨコ糸の
絣それぞれが複数の異なる規則性を持ち、それらのタテ
糸とヨコ糸の絣の組み合わせによって、文様に変化のあ
る組絣を構成する点に特徴がある。
分及びヨコ糸の絣の部分は、上記従来技術2に示したよ
うな従来の染色方法を用いるが、実施例4の絣織物は、
組絣の文様を多様化するものであり、実施例1の絣織物
の基本文様のように「四くずし」といった1種類のタテ
・ヨコ同じ規則性を持つ絣ではなく、タテ糸とヨコ糸の
絣それぞれが複数の異なる規則性を持ち、それらのタテ
糸とヨコ糸の絣の組み合わせによって、文様に変化のあ
る組絣を構成する点に特徴がある。
【0068】要するに、実施例4では、タテ上糸におけ
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色された
絣の複数の異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の
地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数の異
なる箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の
集合とを、全体的に重なるように織り出すことによっ
て、所望の複数の異なる文様又は該文様の集合が付与さ
れた絣織物が得られる。
るタテ上糸の地に対して部分的に異なる色が染色された
絣の複数の異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の
地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数の異
なる箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の
集合とを、全体的に重なるように織り出すことによっ
て、所望の複数の異なる文様又は該文様の集合が付与さ
れた絣織物が得られる。
【0069】なお、本発明に係る絣織物は、実施例2〜
4の構成の変化、色彩の変化、文様の変化を組み合わせ
て、さらに変化に富んだ組絣を形成したものでもよい。
例えば、従来技術2(段落0014参照)の「すりこみ
による染色」を利用した絣によって、地色と目色を入れ
替えた柄(=濃淡を反転させた柄)を作成してもよい。
さらには、タテの上糸・下糸の組み合わせをひとつにま
とめてヨコ糸とみなし、ヨコ糸の構成を分解してタテの
上糸・下糸とみなすことによって、タテ・ヨコを入れ替
えた柄(=90度回転させた柄)を作成してもよい。
4の構成の変化、色彩の変化、文様の変化を組み合わせ
て、さらに変化に富んだ組絣を形成したものでもよい。
例えば、従来技術2(段落0014参照)の「すりこみ
による染色」を利用した絣によって、地色と目色を入れ
替えた柄(=濃淡を反転させた柄)を作成してもよい。
さらには、タテの上糸・下糸の組み合わせをひとつにま
とめてヨコ糸とみなし、ヨコ糸の構成を分解してタテの
上糸・下糸とみなすことによって、タテ・ヨコを入れ替
えた柄(=90度回転させた柄)を作成してもよい。
【0070】以上、本発明に係る絣織物の実施の形態を
実施例に基づいて説明したが、本発明は以上のような実
施例に限定されることなく、上記特許請求の範囲記載の
技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言
うまでもない。
実施例に基づいて説明したが、本発明は以上のような実
施例に限定されることなく、上記特許請求の範囲記載の
技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言
うまでもない。
【0071】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明に係る絣織物
及びその製造方法によれば、従来の絣織物技術を改良す
ることにより、製織工程の省力化や短縮化、並びにコス
トダウンが可能となり、伝統的な絣織物の良さに加え、
さらなる斬新さを付与することができるという多大な効
果を奏する。
及びその製造方法によれば、従来の絣織物技術を改良す
ることにより、製織工程の省力化や短縮化、並びにコス
トダウンが可能となり、伝統的な絣織物の良さに加え、
さらなる斬新さを付与することができるという多大な効
果を奏する。
【0072】なお、本発明に係る絣織物の効果を確認す
るために、従来の亀甲絣及びあじろ・くずしと比較、一
覧する表を図9として添付する。この表から、本発明に
係る絣織物は、従来の亀甲絣及びあじろ・くずしの長所
は活かしながら、その短所をなるべく少なくしているこ
とが分かる。
るために、従来の亀甲絣及びあじろ・くずしと比較、一
覧する表を図9として添付する。この表から、本発明に
係る絣織物は、従来の亀甲絣及びあじろ・くずしの長所
は活かしながら、その短所をなるべく少なくしているこ
とが分かる。
【図1】従来技術である平織りの構成及びその製織方法
を説明する図、及びその断面図を示す図である。
を説明する図、及びその断面図を示す図である。
【図2】従来技術である、結城紬の絣糸の染色工程を説
明する図である。
明する図である。
【図3】従来技術である亀甲絣の構成及びその製織方法
を説明する図、及びその実寸図を示す図である。
を説明する図、及びその実寸図を示す図である。
【図4】従来技術であるあじろ・くずしの構成及びその
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る絣織物の実施例1の構成及びその
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る絣織物の実施例2の構成及びその
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
【図7】本発明に係る絣織物の実施例3の構成及びその
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
【図8】本発明に係る絣織物の実施例4の構成及びその
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
製織方法を説明する図、及びその実寸図を示す図であ
る。
【図9】本発明に係る絣織物の従来の亀甲絣及びあじろ
・くずしと比較、一覧する表を示す図である。
・くずしと比較、一覧する表を示す図である。
26、39、46、53 絣織物 27、38、45、52 組絣 28、33、40、47 タテ地糸(上糸) 29、34、41、48 タテ絣糸(上糸) 30、35、42、49 タテ地糸(下糸) 31、36、43 50 タテ絣糸(下糸) 32、37、44、51 ヨコ糸 J、K 地色 M、N 目色
Claims (8)
- 【請求項1】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から製織される絣織物であって、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから成り、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所及
びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異な
る色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨ
コ糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇
所の集合とが、全体的に重なることによって、所望の文
様又は該文様の集合が付与されていることを特徴とする
絣織物。 - 【請求項2】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から製織される絣織物であって、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから成り、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所及
びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異な
る色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨ
コ糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇
所の集合とが、部分的に重なることによって、所望の文
様又は該文様の集合が付与されていることを特徴とする
絣織物。 - 【請求項3】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から製織される絣織物であって、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから成り、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから成り、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が複
数染色された絣糸とから成り、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が複数染色された絣の箇
所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に
異なる色が複数染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸に
おけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色
された絣の箇所の集合とが、全体的に重なることによっ
て、複数の色彩をもつ所望の文様又は該文様の集合が付
与されていることを特徴とする絣織物。 - 【請求項4】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から製織される絣織物であって、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから成り、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから成り、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数の
異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の
集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の集合とが、
全体的に重なることによって、所望の複数の異なる文様
又は該文様の集合が付与されていることを特徴とする絣
織物。 - 【請求項5】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から絣織物を製織する絣織物の製織方法であっ
て、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから構成し、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所及
びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異な
る色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨ
コ糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇
所の集合とを、全体的に重ねることによって、所望の文
様又は該文様の集合を付与することを特徴とする絣織物
の製織方法。 - 【請求項6】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から絣織物を製織する絣織物の製織方法であっ
て、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから構成し、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇所及
びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に異な
る色が染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸におけるヨ
コ糸の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の箇
所の集合とを、部分的に重ねることによって、所望の文
様又は該文様の集合を付与することを特徴とする絣織物
の製織方法。 - 【請求項7】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から絣織物を製織する絣織物の製織方法であっ
て、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから構成し、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が複数染色された
絣糸とから構成し、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が複
数染色された絣糸とから構成し、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が複数染色された絣の箇
所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して部分的に
異なる色が複数染色された絣の箇所の集合と、ヨコ糸に
おけるヨコ糸の地に対して部分的に異なる色が複数染色
された絣の箇所の集合とを、全体的に重ねることによっ
て、複数の色彩をもつ所望の文様又は該文様の集合を付
与することを特徴とする絣織物の製織方法。 - 【請求項8】 タテ上糸、タテ下糸及びヨコ糸の3種
類の糸から絣織物を製織する絣織物の製織方法であっ
て、 上記タテ上糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記タテ下糸は、全体が地色のみ染色された地糸と、上
記地色の地に対して部分的に異なる色が染色された絣糸
とから構成し、 上記ヨコ糸は、地色の地に対して部分的に異なる色が染
色された絣糸とから構成し、 上記タテ上糸及び上記タテ下糸に対して1本の上記ヨコ
糸を組み合わせて織り出し、タテ上糸におけるタテ上糸
の地に対して部分的に異なる色が染色された絣の複数の
異なる箇所及びタテ下糸におけるタテ下糸の地に対して
部分的に異なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の
集合と、ヨコ糸におけるヨコ糸の地に対して部分的に異
なる色が染色された絣の複数の異なる箇所の集合とを、
全体的に重ねることによって、所望の複数の異なる文様
又は該文様の集合を付与することを特徴とする絣織物の
製織方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000183702A JP2002004144A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 絣織物及びその製織方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000183702A JP2002004144A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 絣織物及びその製織方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002004144A true JP2002004144A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18684246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000183702A Pending JP2002004144A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 絣織物及びその製織方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002004144A (ja) |
-
2000
- 2000-06-19 JP JP2000183702A patent/JP2002004144A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shenton | Woven textile design | |
EP3290553B1 (en) | Fabric manufacturing method | |
US658293A (en) | Woven fabric. | |
JP2002004144A (ja) | 絣織物及びその製織方法 | |
JP3605764B2 (ja) | 経糸には絹を用い緯糸には綿を用いた浴衣地 | |
Hill | The weaving industry in Trengganu | |
JP2002088611A (ja) | 日よけ布およびその製造方法 | |
EP3690098B1 (en) | Method for making a fabric | |
Landry et al. | Glossary of Textile Terms | |
Wood | The Orkney Hood an ancient re-cycled textile | |
Naik et al. | Protection and revival of traditional hand embroidery, Kasuti by automation | |
JP3482595B2 (ja) | 綟り様組織を有する織物及びその製織方法 | |
JP2001032147A (ja) | 多種類の色糸を含む緯糸を用い製織する自在織、多彩織の製法 | |
JP2003089941A (ja) | 多重組織の織物並びにその製造方法 | |
Ittig | Glossary of technical and structural terminology | |
JP3650882B2 (ja) | 木炭含有繊維織物及び該織物の染色法 | |
Blackman | The weft-twined structures of cloaks of the New Zealand Maori | |
Waziri et al. | The production and Finishing of the Prototypes of the International traditional narrow strip Fabrics as the basis of Motorizing the Modified floor loom | |
JP2001011748A (ja) | 製織方法 | |
JP2840585B2 (ja) | 布地及びその製造方法 | |
DE212018000267U1 (de) | Verbessertes Textilprodukt | |
Heylin | The Cotton Weaver's Handbook: A Practical Guide to the Construction and Costing of Cotton Fabrics, with Studies of Designs | |
JP2788913B2 (ja) | 織物及びその製造方法 | |
WO1983000707A1 (en) | New plane textile structure of the seaming-knitting type and manufacturing process thereof | |
JP3020198U (ja) | 金属調光沢模様を備えた絹織物地 |