JP2002002138A - スクリーン版、その製造方法およびスクリーン印刷方法 - Google Patents

スクリーン版、その製造方法およびスクリーン印刷方法

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JP2002002138A
JP2002002138A JP2001111130A JP2001111130A JP2002002138A JP 2002002138 A JP2002002138 A JP 2002002138A JP 2001111130 A JP2001111130 A JP 2001111130A JP 2001111130 A JP2001111130 A JP 2001111130A JP 2002002138 A JP2002002138 A JP 2002002138A
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plate
screen
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emulsion layer
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Naokazu Mazaki
直和 真崎
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に、板ガラスの平面端部に至るまで印刷
を行なうことができるスクリーン版を提供すること。 【解決手段】 微細パターンを有し、該微細パターンに
おける乳剤層は、板状基体側の面におけるインクに対す
る撥油性が、スキージ側の面におけるインクに対する撥
油性よりも大きく形成されていることを特徴とするスク
リーン版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製版したスクリー
ン版、その製造方法およびスクリーン印刷方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のフロントガラスやリヤガ
ラスなどの如き自動車用窓ガラスなどの板ガラスにおい
て、該板ガラスの周辺部には種々の目的をもって所謂
「黒セラ」と称されるスクリーン印刷層が形成されてい
る。該板ガラスにおいて、その平面端部に至るまで所望
の幅で確実に印刷層を形成する場合、図14に示すよう
に、板ガラス4の外形状などのバラツキを考慮すると、
スクリーン版1の印刷パターン(インクの通過領域)2
は、板ガラス4の平面端部5より幾分大きく設定する必
要がある。
【0003】上記従来技術のスクリーン印刷で印刷を行
なうと、図15に示すように、板ガラス4の平面端部5
より外側のスクリーン版1の裏面には、板ガラス4に転
写されなかったインク12が押し出されて溜り、印刷を
繰り返すうちに溜ったインク12が垂れ落ち、印刷中の
板ガラス4を汚してしまうことになる。そのために従来
技術では、印刷パターンを分割して複数の工程に分けて
印刷する方法(特開平4−279382号公報)、印刷
パターンより大きな外形状の板ガラスに印刷を行なった
後に所定の外形に板ガラスを切断する方法(特開平5−
70164号公報)、あらかじめ板ガラス周囲にマスキ
ングを施し、板ガラス外形より大きなパターンで印刷を
行なった後にマスキングを除去する方法(特開平5−7
0179号公報)、板ガラス外形より大きなパターンで
印刷を行なった後にスクリーン版裏面に押し出されたイ
ンクを空気圧で除去する方法(特開平5−70180号
公報)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のいずれの方法においても、印刷工程およびそれに付
随する工程が増える、専用の設備が必要になる、板ガラ
スの印刷品質が安定しない、などの多くの問題があっ
た。従って、本発明の目的の第一は、前記従来技術が有
していた前述の欠点、例えば、印刷時におけるインクの
垂れの問題がなく、容易に板状基体の平面端部に至るま
で印刷を行なうことができるスクリーン版、その製造方
法およびスクリーン印刷方法を提供することにある。第
二は、長期間に渡ってインク垂れの問題がない前記スク
リーン版、その製造方法およびスクリーン印刷方法を提
供することである。第三は、印刷時における印刷カスレ
の問題もなく、板状基体の平面端部に至るまで印刷を行
なうことができるスクリーン版、その製造方法およびス
クリーン印刷方法を提供することである。第四は、上記
平面端部が、板状基体の内部に設けられた孔部における
平面端部である場合にも、インク垂れせずに、平面端部
に至るまで容易に印刷を行うことができるスクリーン版
(特に安定した品質で印刷できるスクリーン版、さらに
は印刷カスレのないスクリーン版)、その製造方法およ
びスクリーン印刷方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、板状基体の周
辺部に印刷を行なうために製版されたスクリーン版にお
いて、該スクリーン版が、板状基体の平面端部より幾分
外側から該平面端部より内側の平面部に至るまでの所望
幅に相当する領域に、微細パターンを有し、該微細パタ
ーンにおける乳剤層は、板状基体側の面におけるインク
に対する撥油性が、スキージ側の面におけるインクに対
する撥油性よりも大きく形成されていることを特徴とす
るスクリーン版、その製造方法および該スクリーン版を
用いる印刷方法を提供する。
【0006】また、本発明は、平面内に貫通孔部を有す
る板状基体の該孔部の周辺部に印刷を行なうために製版
されたスクリーン版において、該スクリーン版が、上記
孔部における平面端部より幾分孔中心側から該平面端部
より孔中心とは反対側の平面部に至るまでの所望幅に相
当する領域に、微細パターンを有し、該微細パターンに
おける乳剤層は、板状基体側の面におけるインクに対す
る撥油性が、スキージ側の面におけるインクに対する撥
油性よりも大きく形成されていることを特徴とするスク
リーン版、その製造方法および該スクリーン版を用いる
印刷方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。図1は、本発明の製版
されたスクリーン版の基本構成の平面図であり、図2
は、図1における印刷前の状態のA−A線拡大断面図で
ある。図中Xは、スクリーン版の枠体であり、1は、該
枠体X内に張設されたテトロン(登録商標)(ポリエス
テル)繊維などからなるスクリーンメッシュであり、該
メッシュ1は通常90〜380メッシュ、例えば、18
0メッシュである。2は、自動車のフロントガラスやリ
ヤガラスなどの板状基体4の平面端部5の内側に所望の
幅を有するように製版された印刷パターン、3は、該印
刷パターン2の外側周辺に設けられ、且つ板状基体4の
外周端部6付近から内側に向かって平面端部5を跨いで
印刷パターン2に連続している所望幅の微細孔からなる
パターンである。この微細パターン3は、例えば、上記
平面端部5より約0.5〜2.0mm(好ましくは約
0.5〜1.5mm)の幅で外側に離れたところ(外周
端部6付近)から、印刷パターン2に至るまで連続して
いる。
【0008】本発明において、平面部とは面取りされた
部分を含まない意であり、平面端部とは面取り部と平面
部との境界部分の意である。本発明のスクリーン版は、
以上のような構成において、上記微細パターン3の板状
基体4側の乳剤層の面におけるインクに対する撥油性
が、微細パターン3のスキージ側の乳剤層の面における
インクに対する撥油性よりも大きく形成されていること
を特徴としている。
【0009】上記スクリーン版は、枠体Xと、該枠体X
内に張設されたスクリーンメッシュ1とからなる周知の
スクリーン原版に、感光性乳剤層(以下、非撥油性乳剤
層ともいう)を塗設し、該感光性乳剤層の何れか一方の
面に、前記感光性乳剤層よりもインクに対する撥油性が
高い別の感光性乳剤層(以下、撥油性乳剤層ともいう)
を形成し、常法により露光および現像して、上記の印刷
パターン2および微細パターン3を形成することによっ
て得られる。ここで使用するスクリーン原版および感光
性乳剤は、従来から広く使用されているものでよく特に
限定されない。スクリーンメッシュに塗設する非撥油性
乳剤(非撥油性乳剤層を形成する感光性乳剤)として
は、例えば、製品名KV−800((株)栗田化学研究
所)、製品名ACT COAT(アイセロ化学(株))
などとして入手して本発明で使用できる。また、撥油性
乳剤(撥油性乳剤層を形成する撥油性が高い感光性乳
剤)は、例えば、弗素系樹脂などの撥油物質を含む感光
性乳剤であって、例えば、製品名AS−395(王子化
工(株))、製品名INT21((株)アイエヌティス
クリーン)などとして入手して本発明で使用できる。
【0010】印刷パターン2および微細パターン3の形
成方法自体は従来周知の方法でよく、例えば、印刷パタ
ーン2および微細パターン3は、これらのパターンとポ
ジ−ネガ関係にある同一のパターンが形成されているマ
スクを使用し、露光および現像することによって形成で
きる。上記製版に際し、印刷パターン2の領域は、感光
性乳剤の大部分が現像除去され、メッシュ本体を除く開
口率はほぼ100%に近くなっているが、100%にす
ることは必須ではなく、板状基体4に所望の厚さの印刷
層または所望の印刷パターンが形成できる開口率であれ
ばよい。なお、本発明において、開口率とは、乳剤層に
よるインク目止め部の領域と該インク目止め部以外の領
域(以下、開口領域という)とからなるパターンにおけ
る開口領域の割合をいい、スクリーンメッシュによる開
口率は含まない。
【0011】微細パターン3は、図2にその1例を示す
ように、板状基体4の外周端部6付近から内側に平面端
部5を跨いで印刷パターン2までの間の領域のスクリー
ン版に設けられ、その幅は特に限定されないが、板状基
体4が、上記のような自動車用窓ガラスの場合には約1
〜2mm程度の幅が好ましい。また、微細パターン3の
開口率は、特には限定されないが、例えば、粘度25〜
100Pa・s at1.04sec-1のインクを使用して、上
記スクリーン版を用いて印刷を行なう際には、印刷カス
レおよび板状基体4へのインク垂れ落ち防止を考慮する
と、開口率は55〜85%が好ましい。より好ましい開
口率は60〜80%である。
【0012】図6は、図2における微細パターン3の拡
大図であり、7はスキージ、8は微細パターン3の板状
基体4側の面に3〜30μm、好ましくは5〜20μ
m、例えば、10μmの厚みで塗設した撥油性乳剤層で
あり、9は微細パターン3のスキージ7側の面およびス
クリーンメッシュ内に塗設した非撥油性乳剤層を示す。
該層9は55〜180μm、好ましくは65〜110μ
m、例えば、85μmの厚みに形成されている。これら
の乳剤層8および9は、前記のように、微細パターン3
の板状基体4側の面におけるインクに対する撥油性が、
微細パターン3のスキージ7側の面におけるインクに対
する撥油性よりも大きなるように設定されていればよ
い。例えば、フッ素系樹脂などの撥油性成分の含有割合
が、非撥油性乳剤層に比べ撥油性乳剤層の方が多くなる
ように形成する。
【0013】図7は、図6の微細パターン3の好ましい
1例の一部拡大平面図であり、この微細パターン10
は、幅40μmおよび1辺の長さ128μmの微細網目
線状パターンによる六角形パターンである。この図示の
例は、好ましい1例であって、微細パターン3は、微細
網目線状パターン、微細ドットなど、いずれの形状でも
よいが、印刷カスレ防止、スクリーン版の長寿命化の観
点からは、微細網目線状パターンで構成されていること
が好ましく、微細網目線状パターンの形状などは特には
問わない。板状基体4の平面端部5より内側部分の板状
基体4へのインクの抜け性、および板状基体4の平面端
部5より外側部分の微細パターン3内でのインクの保持
性を考慮すると、微細網目線状パターンの形状は略円形
が好ましい。
【0014】次に上記本発明のスクリーン版を用いる印
刷方法を説明する。本発明の印刷方法は、印刷されるべ
き板状基体4に前記スクリーン版1を正確に位置合せ
し、スクリーン版上にインクを乗せ、該インクをスキー
ジによりしごき、インクを印刷パターン2および微細パ
ターン3を通過させ、これらのパターン通りに板状基体
4に所望の印刷層を形成する方法であって、これらの印
刷操作自体は公知の方法でよい。図8は、適当なインク
11を印刷した後の状態の図1のA−A線拡大断面図を
示す。微細パターン3の板状基体4の平面端部5より内
側の部分においては、インクは印刷パターン2および微
細パターン3を通して板状基体4に転写され、板状基体
4上でインクがレベリングされ、板状基体4の平面端部
5に至るまで所望の幅および厚さで印刷される。一方、
微細パターン3の板状基体4の平面端部5より外側の部
分においては、板状基体4の平面部が存在しないため、
インク11は板状基体4の表面に転写されず、スクリー
ン版の裏面に押し出された状態に留まっている。
【0015】このとき、微細パターン3の板状基体4側
の面には、撥油性乳剤層8が塗設されており、インク1
1は、撥油性乳剤層8から弾かれるように働き、また、
微細パターン3のスキージ側の面には非撥油性乳剤層9
が塗設されており、インク11は非撥油性乳剤層9に馴
染むように働く。なお、この例では微細パターン3のス
クリーンメッシュ内にも非撥油性乳剤層9が塗設されて
いる。その結果、スキージによる押出圧力から解放され
たインク11は、微細パターン3のスキージ側の面およ
び微細パターン3のスクリーンメッシュ内で保持され、
印刷を繰り返しても板状基体4へのインク垂れ落ちは発
生しない。
【0016】なお、上記の作用効果は、図2に示される
ように、非撥油性乳剤層9がスクリーンメッシュ2の厚
み全体にわたって形成されていることによってのみ奏さ
れるものではなく、例えば、図3および図4に示される
ように、撥油性乳剤層8が板状基体4側に設けられてい
る限り、非撥油性乳剤層9の厚みは薄くてもよく、ま
た、図5に示されるように非撥油性乳剤層9はスクリー
ンメッシュ上に形成されていてもよく、前記のようにイ
ンク11が非撥油性乳剤層9に馴染むように形成されて
いればよい。
【0017】図11および図12は、図1および図2に
示すスクリーン版において、印刷パターン2に対応する
板状基体、例えば、板ガラスに、ワイパーなどの部材を
取り付けるための貫通孔部13が設けられている場合に
おいて、該孔部の周辺部にも正確な印刷パターンを設け
ることができるスクリーン版の例を示している。この例
のスクリーン版は、上記孔部13における平面端部15
より幾分孔中心側から該平面端部より孔中心とは反対側
の平面部に至るまでの所望幅に相当する領域に、微細パ
ターン3を有し、該微細パターンにおける乳剤層8,9
は、板状基体4側の面におけるインクに対する撥油性
が、スキージ側の面におけるインクに対する撥油性より
も大きく形成されていることを特徴としている。なお、
該スクリーン版において孔部13に対応するスクリーン
メッシュは乳剤によって目止されている。上記スクリー
ン版の他の構成およびその製造方法は、前記例示のスク
リーン版の構成および製造方法と原理的に同じであり、
該スクリーン版を用いる印刷方法も原理的に同じであ
る。なお、本発明においては、貫通孔部が設けられてい
る板状基体の、該孔部における平面端部と板状基体の平
面端部の両方の平面端部にまで印刷できるスクリーン版
を形成できる。
【0018】図13は、従来技術におけるスクリーン版
の基本構成の平面図であり、図14は、図13における
印刷前の状態のA−A線拡大断面図を示す。スクリーン
版の印刷パターン2は、板状基体4の外形状のバラツキ
などを考慮し、板状基体4の平面端部5より外側に大き
く設けられている。図15は、図13における印刷後の
状態のA−A線拡大断面図を示す。板状基体4の平面端
部5より外側の部分のスクリーン版裏面では、板状基体
4に転写されなかったインク12が押し出され、印刷を
繰り返す内にインク12が垂れ下がり、板状基体4の平
面端部5より外側の部分に垂れ落ち、板状基体4を汚し
てしまう。本発明は、以上説明のように、このような課
題を解決した。
【0019】以上本発明の特徴部分について説明した
が、本発明において、被印刷物である板状基体として
は、特に限定されないが、本発明において特に有効であ
る板状基体は、自動車の窓ガラス、例えば、フロントガ
ラス、リヤガラス、サイドガラス、ルーフガラスなどで
ある。また、本発明で使用するインクは、同様に特に限
定されないが、例えば、ガラス板の周辺部に焼き付ける
ことにより、着色不透明層を形成し、窓ガラスをその周
辺で保持しているウレタンシーラントの紫外線による劣
化を防止する目的、あるいはガラス板の周辺に取り付け
られている電熱線の端子などが車外から透視できないよ
うな目的などに使用されているインクであって、従来公
知のこのようなインクは何れも本発明で使用できる。例
えば、黒色顔料(クロム酸銅など)を10〜30質量
%、ガラスフリットを45〜65質量%、耐火物フィラ
ーを0〜10質量%、樹脂(エチルセルロースなど)を
1〜10質量%、および溶剤(α−テルピネオールな
ど)を5〜20質量%を含むインクなどが挙げられる。
【0020】
【実施例】次に例を挙げて本発明をさらに具体的に説明
する。 例1(スクリーン版の製造例)スクリーン枠内に張設さ
れたスクリーン原版のスキージ側の表面から板状基体側
の表面に至るまでのスクリーンメッシュ(テトロン繊維
からなるスクリーンメッシュで、180メッシュ)内
に、非撥油性乳剤(フッ素樹脂を含んでいない)をほぼ
均一な厚み(約85μm)で塗設し、乾燥後に、板状基
体側の面の前記非撥油性乳剤層の上面に、撥油性乳剤
(フッ素樹脂を含んでいる)を約10μmの厚みで塗設
し、乾燥したスクリーン原版を準備する。一方、幅40
μm、1辺の長さ128μm、開口率67%の六角形の
微細線状による微細パターン3と所望の印刷パターン2
とからなるパターンとポジ−ネガ関係にある同一のパタ
ーンが形成されたマスクを準備し、上記スクリーン原版
とマスクとを用いて、常法により露光および現像を行な
って製版し、本発明のスクリーン版を作製した。なお、
微細パターン3は、印刷パターン2の外側に、板状基体
4の平面端部5より約0.5mm内側の位置から約1.
5mmの幅で外側に離れた位置(板状基体4の外周端部
6付近)に至るまで設けられている(すなわち、微細パ
ターン3は、平面端部5を基準として約1.0mm外側
の位置から約0.5mmの内側の位置まで設けられてい
る)。
【0021】例2(スクリーン版の製造例)スクリーン
枠内に張設されたスクリーン原版のスキージ側の表面か
ら板状基体側の表面に至るまでのスクリーンメッシュ
(テトロン繊維からなるスクリーンメッシュで、180
メッシュ)内に、非撥油性乳剤(フッ素樹脂を含んでい
ない)をほぼ均一な厚み(約85μm)で塗設し、乾燥
後に、板状基体側の面の前記非撥油性乳剤層の上面に、
撥油性乳剤(フッ素樹脂を含んでいる)を約10μmの
厚みで塗設し、乾燥したスクリーン原版を準備する。一
方、径85μm、開口率67%の微細ドットによる微細
パターン3と所望の印刷パターン2とからなるパターン
とポジ−ネガ関係にある同一のパターンが形成されたマ
スクを準備し、上記スクリーン原版とマスクとを用い
て、常法により露光および現像を行なって製版し、本発
明のスクリーン版を作製した。なお、微細パターン3
は、印刷パターン2の外側に、板状基体4の平面端部5
より約0.5mm内側の位置から約1.5mmの幅で外
側に離れた位置(板状基体4の外周端部6付近)に至る
まで設けられている(すなわち、微細パターン3は、平
面端部5を基準として約1.0mm外側の位置から約
0.5mmの内側の位置まで設けられている)。
【0022】例3 前記例1において製版したスクリーン版、および従来技
術(図14)のスクリーン版(比較例)を用い、それぞ
れ粘度40Pa・s at 1.04sec-1(組成は下記の通り
である)のインクを使用して、50枚の板ガラスに印刷
を行なった。その際に板ガラス平面端部5より外側の部
分のスクリーン版裏面に押し出されたインクの量(厚
み)を図9に示す。 [インク組成] 黒色顔料(Cu-Cr-Mn-O系) 20質量% ガラスフリット 55質量% 耐火物フィラー(Al23) 4質量% 樹脂(エチルセルロース) 2質量% 溶剤(α−テルピオネール) 19質量%
【0023】なお、従来技術のスクリーン版1のメッシ
ュは、テトロン繊維からなるスクリーンメッシュであ
り、180メッシュである。また、印刷パターン2は、
板状基体4の平面端部5から約1.0mmの幅で外側に
離れた、板状基体4の外周端部6付近に至るまで設けら
れている。また、スクリーン版1のスキージ側の表面か
ら板状基体側の表面上の10μmの厚みに至るまで非撥
油性乳剤が約95μmの厚みで塗設されている。本発明
のスクリーン版を用いた例では、従来技術のスクリーン
版を用いた例と比較すると、スクリーン版裏面に押し出
されるインク量は少なく、20枚目以降は、印刷を繰り
返しても押し出されるインク量は変化せず、板ガラスへ
のインク垂れ落ちは発生しない。一方、従来のスクリー
ン版を用いた例では、印刷枚数に比例してインクの溜り
が増大し、インクの垂れが発生した。
【0024】例4 前記例1のスクリーン版の製版において、微細パターン
部の開口率を下記表1に記載の通りに変化させて数種類
のスクリーン版を作製した。この版を用いて、例3と同
じ粘度40 Pa・s at 1.04sec-1のインクを使用し
て、それぞれ50枚の板ガラスに印刷を行なった。この
印刷によって得られた板ガラスの印刷品質(板ガラス平
面端部より内側部分の印刷カスレ、および板ガラス平面
端部より外側部分のインク垂れ落ち)を下記表1に示
す。表1に示されるように、安定した印刷品質の板ガラ
スを確保するためには、例えば、粘度40 Pa・s at
1.04sec-1のインクを使用する際には、微細パター
ンの開口率は55%〜85%が好ましいことがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】例5 前記例1のスクリーン版および例2のスクリーン版を用
いて、例3と同じ粘度40 Pa・s at 1.04sec-1
インクを使用して、それぞれ50枚の板ガラスに印刷し
た。この際、それぞれの微細パターンの開口率を55%
〜85%の範囲で変化させた数種類のスクリーン版を用
いて板ガラスに印刷した。得られた板ガラスの印刷品質
(板ガラス平面端部より内側部分の印刷カスレ)を下記
表2に示す。例1のスクリーン版を用いた場合には、例
2の径85μmの微細ドットを有するスクリーン版を用
いた場合と比較して、微細網目線状パターンによってマ
スクされる幅が狭いため、板ガラス上でインクがレベリ
ングしやすく、印刷カスレが発生し難いことが分かる。
なお、微細ドットを有するスクリーン版の場合には、微
細ドット径を小さくすると、微細ドットが摩耗およびメ
ッシュから脱落などしやすくなり、スクリーン版の寿命
に影響する。表2からして微細パターンとして微細網目
線状パターンを採用する場合には、広い範囲の開口率で
良好な結果が得られるが、微細パターンとして微細ドッ
トを採用する場合には、80%以上の開口率が好ましい
ことがわかる。
【0027】
【表2】
【0028】例6 前記例1のスクリーン版、例2スクリーン版および例3
のインクを用いて、それぞれ板ガラスに5000枚印刷
を行なった後の、スクリーン版の微細パターンの残存率
を100倍の顕微鏡を用いて調べた結果を図10に示
す。その結果、微細ドットは、各ドットがそれぞれ独立
してスクリーンメッシュに絡んでいるのに対し、微細網
目線状パターンは、該パターンがドット状ではなく、連
続的なパターンであるため、印刷時の板ガラスとの摩擦
による乳剤の摩耗、脱落が発生し難く、スクリーン版の
寿命が向上する。従って、本発明では、微細パターンは
微細ドットからなるものであってもよいが、微細ドット
よりも微細網目線状パターンの方が好ましいことが分か
る。
【0029】例7 例1のスクリーン版および例3のインクを用いて板ガラ
スに5000枚印刷を行なったところ、板ガラス平面端
部に至るまで連続印刷を行なうことができた。この時、
板ガラス平面端部より外側の部分ではインクの垂れ落ち
は発生せず、また、板ガラスの平面端部より内側の部分
では印刷カスレは発生せず、良好な印刷品質が確保する
ことができた。さらに5000枚の印刷終了後、スクリ
ーン版の微細パターン部を100倍の顕微鏡で確認した
ところ、微細パターンは80%以上確保されており、十
分なスクリーン版の寿命が確保されていることが確認で
きた。
【0030】例8 本発明の他の実施形態のスクリーン版を図11(スクリ
ーン版の平面図)および図11のA−A線拡大断面図で
ある図12(印刷後の状態の図)に示す。図11および
図12に示すように、微細パターン3が、印刷パターン
2に隣接し、板ガラス4の孔部13における平面端部1
4の位置を基準として孔中心とは反対側に約0.5mm
の位置から約1.5mmの幅で、孔中心側に離れた位置
(孔部の外周端部15付近)に至るまで設けられている
(すなわち、微細パターン3は、平面端部14を基準と
して約1.0mm孔中心側の位置から約0.5mm孔中
心とは反対側の位置まで設けられている)点を除いて、
例1と同様にして本発明のスクリーン版を作製した。
【0031】例9 例8において製版したスクリーン版および例3のインク
を用いて板ガラス4に印刷を行なったところ、板ガラス
4の孔部13において平面端部14に至るまで印刷を行
なうことができた。このとき、平面端部14より孔中心
側の部分では、インク11は微細パターン3のスキージ
側の面および微細パターン3のスクリーンメッシュ内で
保持され、インク11の垂れ落ちは発生せず、また、平
面端部14より孔中心とは反対側の部分では印刷カスレ
が発生せず、良好な品質で印刷することができた。
【0032】
【発明の効果】上記本発明によれば、インク垂れせず
に、板ガラスなどの板状基体の平面端部に至るまで容易
に印刷を行なえるという優れた効果を有する。また、適
切な開口率を有する構成とすることにより、印刷カスレ
防止という効果も認められる。さらに、微細パターン
を、微細網目線状パターンで構成することにより、印刷
カスレ防止およびスクリーン版の寿命向上などの効果も
認められる。さらに、板状基板に孔部が設けられている
場合においても、該孔部の周囲に上記と同様にインク垂
れせずに、平面端部に至るまで容易に印刷を行える。ま
た、特定の微細パターンとすることで安定した品質で、
印刷カスレなく印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示す平面図
【図2】 図1のA−A線拡大断面図
【図3】 図1の他の実施例のA−A線拡大断面図
【図4】 図1の他の実施例のA−A線拡大断面図
【図5】 図1の他の実施例のA−A線拡大断面図
【図6】 図2の一部拡大断面図
【図7】 図6の一部拡大平面図
【図8】 本発明の作用を説明する図1のA−A線拡大
断面図
【図9】 印刷枚数とスクリーン版裏面のインク量(厚
み)を示す図
【図10】 微細パターン形状と微細パターン残存率の
関係を示す図
【図11】 本発明の他の実施例を示す平面図
【図12】 図11のA−A線拡大断面図
【図13】 従来技術を説明する平面図
【図14】 図13のA−A線拡大断面図
【図15】 従来技術の作用を説明する図13のA−A
線拡大断面図
【符号の説明】
1;スクリーン版 2;印刷パターン 3;微細パターン 4;板ガラス 5;板ガラス平面端部 6;板ガラス外周端部 7;スキージ 8;撥油性乳剤 9;非撥油性乳剤 10;微細パターン形状 11;微細パターン裏面のインク 12;スクリーン版裏面のインク 13;板ガラスの孔部 14;孔部における平面端部 15;孔部の外周端部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状基体の周辺部に印刷を行なうために製
    版されたスクリーン版において、該スクリーン版が、板
    状基体の平面端部より幾分外側から該平面端部より内側
    の平面部に至るまでの所望幅に相当する領域に、微細パ
    ターンを有し、該微細パターンにおける乳剤層は、板状
    基体側の面におけるインクに対する撥油性が、スキージ
    側の面におけるインクに対する撥油性よりも大きく形成
    されていることを特徴とするスクリーン版。
  2. 【請求項2】平面内に貫通孔部を有する板状基体の該孔
    部の周辺部に印刷を行なうために製版されたスクリーン
    版において、該スクリーン版が、上記孔部における平面
    端部より幾分孔中心側から該平面端部より孔中心とは反
    対側の平面部に至るまでの所望幅に相当する領域に、微
    細パターンを有し、該微細パターンにおける乳剤層は、
    板状基体側の面におけるインクに対する撥油性が、スキ
    ージ側の面におけるインクに対する撥油性よりも大きく
    形成されていることを特徴とするスクリーン版。
  3. 【請求項3】微細パターンが、微細網目線状パターンで
    構成されている請求項1または2に記載のスクリーン
    版。
  4. 【請求項4】板状基体の周辺部に印刷を行なうためのス
    クリーン版の製造方法において、スクリーン原版に、感
    光性乳剤層を塗設し、該感光性乳剤層の何れか一方の面
    に、前記感光性乳剤層よりもインクに対する撥油性が高
    い別の感光性乳剤層を塗設し、常法により露光および現
    像して印刷パターンを形成する際、印刷パターンの少な
    くとも一部を、印刷されるべき板状基体の平面端部より
    幾分外側から該平面端部より内側の平面部に至るまでの
    所望幅に相当する領域に、微細パターンとして形成し、
    該微細パターンにおける乳剤層は、板状基体側の面にお
    けるインクに対する撥油性を、スキージ側の面における
    インクに対する撥油性よりも大きく形成することを特徴
    とするスクリーン版の製造方法。
  5. 【請求項5】平面内に貫通孔部を有する板状基体の該孔
    部の周辺部に印刷を行なうためのスクリーン版の製造方
    法において、スクリーン原版に、感光性乳剤層を塗設
    し、該感光性乳剤層の何れか一方の面に、前記感光性乳
    剤層よりもインクに対する撥油性が高い別の感光性乳剤
    層を塗設し、常法により露光および現像して印刷パター
    ンを形成する際、印刷パターンの少なくとも一部を、印
    刷されるべき板状基体の上記孔部における平面端部より
    幾分孔中心側から該平面端部より孔中心とは反対側の平
    面部に至るまでの所望幅に相当する領域に、微細パター
    ンとして形成し、該微細パターンにおける乳剤層は、板
    状基体側の面におけるインクに対する撥油性を、スキー
    ジ側の面におけるインクに対する撥油性よりも大きく形
    成することを特徴とするスクリーン版の製造方法。
  6. 【請求項6】製版されたスクリーン版とインクとを用い
    て、板状基体の周辺部に印刷を行なうスクリーン印刷方
    法において、上記スクリーン版が、請求項1または3に
    記載のスクリーン版であることを特徴とするスクリーン
    印刷方法。
  7. 【請求項7】製版されたスクリーン版とインクとを用い
    て、平面内に貫通孔部を有する板状基体の該孔部の周辺
    部に印刷を行なうスクリーン印刷方法において、上記ス
    クリーン版が、請求項2または3に記載のスクリーン版
    であることを特徴とするスクリーン印刷方法。
  8. 【請求項8】板状基体が、自動車用窓ガラスである請求
    項6または7に記載のスクリーン印刷方法。
  9. 【請求項9】インクが、粘度25〜100Pa・s at
    1.04sec-1のインクである請求項6または7に記載
    のスクリーン印刷方法。
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JP2019116035A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 国立研究開発法人産業技術総合研究所 孔版印刷用製版及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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