JP2002000283A - カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法 - Google Patents

カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法

Info

Publication number
JP2002000283A
JP2002000283A JP2000184755A JP2000184755A JP2002000283A JP 2002000283 A JP2002000283 A JP 2002000283A JP 2000184755 A JP2000184755 A JP 2000184755A JP 2000184755 A JP2000184755 A JP 2000184755A JP 2002000283 A JP2002000283 A JP 2002000283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
erythritol
fermentation
glucose
hours
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000184755A
Other languages
English (en)
Inventor
Jin Hoo Seo
ジン ホー セオ
Yen Uu Ryuu
イェン ウー リュウ
Soo Ryun Jung
ソー リュン ジュング
Sang Yong Kim
サング ヨング キム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bolak Co Ltd
BioNgene Co Ltd
Original Assignee
Bolak Co Ltd
BioNgene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bolak Co Ltd, BioNgene Co Ltd filed Critical Bolak Co Ltd
Priority to JP2000184755A priority Critical patent/JP2002000283A/ja
Publication of JP2002000283A publication Critical patent/JP2002000283A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、カンジダ菌種の塩耐性突然変異体
[カンジダ・マグノリアエ(Candida magnoliae) SR101:
KCCM-10160]を用いてエリスリトールを高い生産性で
製造するための発酵方法に関する。 【解決手段】培養の環境条件、例えば培地成分、pH、
温度、通気率および撹拌速度などを最適化することによ
り、エリスリトールを最大限に産生させる最適発酵条件
下でエリスリトールを製造する発酵方法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カンジダ菌種の塩
耐性突然変異体[カンジダ・マグノリアエ(Candida mag
noliae) SR101: KCCM-10160]を用いてエリスリトール
を高い生産性で製造するための発酵方法に関し、更に詳
しくは、培養の環境条件、例えば培地成分、pH、温
度、通気率および撹拌速度などを最適化して、エリスリ
トールを最大限に産生させる最適条件下でエリスリトー
ルを製造するための発酵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】四炭素糖アルコールの一つであるエリス
リトールは天然に存在する物質であり、自然界に広く分
布している。他の大部分のポリオールと同様に、これは
海草およびマッシュルームの代謝物質または貯蔵化合物
である。メロン、ブドウおよび西洋梨のような果実もま
たエリスリトールを含有している。エリスリトールは、
多くの場合バクテリア、菌類および酵母によって産生さ
れるので、ワインまたはビールのような発酵食品系、お
よび加工野菜、例えば醤油または東洋ビーンペーストた
る味噌の中にも、しばしば存在している。
【0003】エリスリトールは、10%溶液でショ糖の
60〜70%の甘さを有する中甘味性増量剤である。そ
の高い正の溶液エンタルピーは、結晶性物質に強い冷却
効果を与える。エリスリトールはショ糖に極めて近い味
を持ち、苦い後味がないので、アスパルテームのような
強甘味料と組み合わせて味を改善するのに理想的であ
る。
【0004】分子が小さいため、エリスリトールは強い
束一性、即ち強い氷点降下および沸点上昇効果だけでな
く、高い浸透圧を有する。その低い吸湿性および溶液粘
度が相まって、食品の水分活性を低下させたり制御する
のに極めて有用である。その天然起源、例えば果実およ
び野菜からのエリスリトールの生産は、量が比較的少な
いので実際的ではない。エリスリトールは、メソ−酒石
酸塩の還元、4,6-o-エチリデン-D-グルコースの酸化お
よび還元、デアルデヒド澱粉の加水分解、または水素添
加によって化学的に製造することができる。化学的方法
によるエリスリトールの製造は高価であると認められて
きたので、微生物を用いて効果的にエリスリトールを製
造する代替方法を開発するのは価値あることである。
【0005】エリスリトールは、微生物学的方法によ
り、好浸透性酵母、特にトルロプシス(Torulopsis)属の
種、例えばトルロプシス・マグノリアエ(T. magnolia
e)、トルロプシス・ベラチリス(T. veratilis)およびト
ルロプシス・カンジダ(T. candida);エンドマイコプシ
ス・コダチ(Endomycopsis chodati);ハンセヌラ・スペ
リクルサ(Hansenula supelliculsa);ピキア・ミソ(Pic
hia miso);モニリエラ・トメントーサ変種ポリニス(Mo
nilliella tomentosa var. pollinis);トリゴノプシス
・バリアビリス(Trigonopsis variabilis);トリコスポ
ロノイデス(Trichosporonoides);カンジダ・ゼイラノ
イデス(Candida zeylanoides);およびオーレオバシジ
ウム(Aureobasidium)を用いて産生させることができ
る。ロイコノストク・オエノス(Leuconostoc oenos)の
ような幾つかのバクテリアもまたエリスリトールを産生
できる。モニリエラ・トメントーサ変種ポリニスは、グ
ルコース35.7%を含有する培地上でエリスリトール
を45.6%の収率で産生した。この株を用いたエリス
リトールの産生は、グリセロールおよびリビトールなど
のような副生物のため、工業的規模には適用されなかっ
た。エリスリトールの工業的生産は、オーレオバシジウ
ムの突然変異体で実施されてきた。この突然変異体は、
日研化学および日本の国立研究所の共同研究により単離
され、開発された。この突然変異体は、グルコース2
2.5%を含有する培地上で47.6%の収率および2
g/L―hの容量生産性でエリスリトールを産生した。
しかしながら、この菌類の培養は酵母の培養よりも一層
困難さを有している。
【0006】したがって、この発明では、自然界から単
離されたカンジダ種の野生酵母株を、EMS(エチル−
メタノールスルホネート)処理により突然変異させた。
突然変異体の一つは、グルコースからのエリスリトール
収率、容量生産性および塩耐性において野生株よりも優
れた特性を有する。カンジダ種の突然変異体を使用する
ことにより、最大限のエリスリトール産生のための培養
環境条件の最適化が行われた。
【0007】
【発明の概要】本発明の目的は、エリスリトールを高い
生産性で製造するために、カンジダ・マグノリアエ(Can
dida magnoliae) SR101の新規な突然変異体細胞を提供
することであり、この新規細胞は、ブダペスト条約に基
づき1999年5月21日に韓国微生物カルチャーセン
ターに受託番号KCCM-10160として寄託された。
【0008】本発明の他の目的は、韓国微生物カルチャ
ーセンターに受託番号KCCM-10160として寄託されたカン
ジダ・マグノリアエ(Candida magnoliae) SR101の突然
変異体細胞を用いてエリスリトールを最大限に産生させ
るための最適発酵方法を提供することである。この方法
は、 i)単糖類また二糖類培地を、下記の発酵条件: a) エリスリトールの最大産生のための培地組成が、1
0〜50(w/v)%のグルコース、0.2〜2.0(w/v)%
の酵母エキス、0.1〜10(w/v)%のKH2PO4
0.1〜5.0(w/v)%の(NH42SO4および0.0
1〜1.0(w/v)%のMgSO4・7H2Oを含有する、 b) 培地のpHが6〜8である、 c) 培養温度が26〜30℃である、 d) 通気率が培地体積当たり毎分0.75〜2.0体積
の空気である(vvm)、 e) 撹拌速度が300〜1200rpmである、に制御
することにより、細胞により発酵させる工程、 ii) エリスリトール産生期中の培養液に、KCl含有溶
液をその濃度が2〜10%となるように連続的または間
欠的に添加する工程、 iii) 発酵培養物から細胞を除去する工程、および iv) 前記工程iii)の発酵培養物からエリスリトールを分
離して回収する工程を含む。
【0009】
【発明の具体的な説明】本発明は、カンジダ・マグノリ
アエの変異体細胞を用い、培養条件を最適化することに
より、エリスリトールを高い収率および高い容量生産性
で得る方法に関する。本発明に用いられる突然変異体細
胞は、下記の方法により単離される。
【0010】カンジダ菌種はコーム(comb)からスクリー
ニングされた。コームの一片を、グルコース40%およ
び酵母エキス1.0%を含有する培地中に移し、30℃
でインキュベートした。培養液を希釈し、グルコース2
0%、酵母エキス1.0%および寒天2.0%を含有す
る寒天プレート上で30℃にてインキュベートした。得
られたコロニーを、グルコース10%および酵母エキス
1.0%からなる発酵培地上でインキュベートした後、
培養液を遠心して細胞を除去し、上澄み液をエリスリト
ール定量のため分析した。高エリスリトール産生株をエ
リスリトール産生のために選別した。この株はMicroche
ck Co. によりカンジダ・マグノリアエ(Candida magnol
iae)であると同定された。
【0011】この株を、グルコース2.0%、酵母エキ
ス1.0%およびペプトン1.0%を含有する成長培地
上でインキュベートした。成長させた後、培養液を、グ
ルコース10%、酵母エキス0.8%、ペプトン0.3
%および寒天2.0%を含有する寒天プレート上に広
げ、次いで得られたコロニーを、グルコース0.1%、
酵母エキス1.0%および寒天2.0%を含有する胞子
形成培地上に移した。形成された胞子をオートクレーブ
処理蒸留水で採取し、10mMの2-メルカプトエタノー
ルを30分間添加して、リチカーゼ(lyticaze)0.5m
g/mlで4時間処理することにより選別した。
【0012】選別された胞子をEMS(エチルメタノー
ルスルホネート)で処理し、30%のグルコース、18
%のKCl、0.1%の酵母エキスおよび2.0%の寒
天を含有する培地上でインキュベートした。高塩耐性突
然変異体を選別するために急速成長する突然変異体とし
て、単一のコロニーを選別した。選別されたコロニーを
発酵培地上に移し、エリスリトール産生活性を振盪フラ
スコ中で試験した。
【0013】30℃および240rpmで72時間イン
キュベートした後、高エリスリトール産生突然変異体を
選別した。最終的に、突然変異体細胞として成長コロニ
ーを単離し、得られたものを本発明における産生株とし
て使用した。これらの突然変異体細胞は、ブダペスト条
約に基づき韓国微生物カルチャーセンターに受託番号KC
CM-10160として寄託された。
【0014】以下に、突然変異体細胞を用いてエリスリ
トールを産生させるための発酵方法を説明する。種培養 カンジダ・マグノリアエの細胞(KCCM-10160)を、40〜
60mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプトン
1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−m
Lフラスコ中で30℃および240rpmにて48時間
培養し、この種培養物を、主培養でエリスリトールを産
生させるために250−mlフラスコまたは5−L発酵
器に移した。
【0015】主培養 発酵培地でのフラスコ実験を、26〜30℃および30
0〜1200rpmで60〜100時間行った。発酵培
地は、炭素源としてのグルコース10〜50%および酵
母エキス0.2〜2.0%からなり、無機源として、
0.1〜5.0%の(NH42SO4、0.1〜10%
のKH2PO4および0.01〜1.0%のMgSO4
7H2Oを用いた。実験目的のためグルコース濃度を調
節した。発酵器中でのバッチ培養および供給バッチ培養
を、26〜30℃および初期pH7で行った。通気率は
0.75〜2.0vvmの範囲であった。撹拌速度は3
00〜1200rpmであった。供給バッチ培養は、グ
ルコース10〜40%を連続的または間欠的に添加する
ことにより、グルコース濃度5〜10%で行った。
【0016】発酵法は、好ましくは供給バッチ法によ
る。培地中のグルコースが完全に消費された後、炭水化
物分析カラムを装着した高速液体クロマトグラフィーに
よりエリスリトール量を測定する。乾燥細胞重量は、6
00nmでの光学密度と乾燥細胞重量との関係から作成
された検量線を用いて評価される。グルコースはジニト
ロサリチル酸法により測定される。
【0017】測定されたエリスリトール収率は、グルコ
ース消費の35〜55%であり、容積生産性は0.7g
/L−hである。最後に、発酵培地を遠心して細胞およ
び他の残留物を除去し、上澄み液を濾過して透析し、エ
リスリトールを得る。
【0018】
【実施例】本発明を下記の実施例により更に詳細に説明
する。実施例は単なる例示であって、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0019】
【実施例I】 突然変異体細胞の単離 カンジダ菌種をコーム(comb)からスクリニーングした。
コームの一片を、グルコース40%および酵母エキス
1.0%を含有する培地中に移し、30℃でインキュベ
ートした。培養液を希釈し、グルコース20%、酵母エ
キス1.0%および寒天2.0%を含有する寒天プレー
ト上で30℃にてインキュベートした。得られたコロニ
ーを、グルコース10%および酵母エキス1.0%から
なる発酵培地上でインキュベートした後、培養液を遠心
して細胞を除去し、上澄み液を分析してエリスリトール
量を決定した。エリスリトール産生のために、高エリス
リトール産生株を選別した。この株はMicrocheck Co.
によりカンジダ・マグノリアエ(Candida magnoliae)で
あると同定された。
【0020】この株を、グルコース2.0%、酵母エキ
ス1.0%およびペプトン1.0%を含有する成長培地
上で30℃にて48時間インキュベートした。成長させ
た後、培養液を、グルコース10%、酵母エキス0.8
%、ペプトン0.3%および寒天2.0%を含有する寒
天プレート上に広げ、30℃で36時間インキュベート
し、次いで得られたコロニーを、グルコース0.1%、
酵母エキス1.0%および寒天2.0%を含有する胞子
形成培地上に移した。胞子は4℃で4日後に形成され
た。形成された胞子をオートクレーブ処理蒸留水で採取
し、10mMの2-メルカプトエタノールを30分間添加
して、リチカーゼ(lyticaze)0.5mg/ml(100,000
単位)で4時間処理することにより胞子を選別した。選
別された胞子をEMSで30分間処理した。チオスルフ
ェート5%の添加により反応を停止させた。胞子を、3
0%のグルコース、18%のKCl、0.1%の酵母エ
キスおよび2.0%の寒天を含有する培地上でインキュ
ベートし、高塩耐性突然変異体を選別した。急速成長す
る突然変異体として、単一のコロニーを選別した。選別
されたコロニーを発酵培地50mL上に移し、エリスリ
トール産生活性を250mL振盪フラスコ中で試験し
た。30℃および240rpmで72時間インキュベー
トした後、高エリスリトール産生の突然変異体を選別し
た。最終的に、成長コロニーを単離し、突然変異体細胞
として得て、本発明における産生株として使用した。こ
れらの突然変異体細胞は、韓国微生物カルチャーセンタ
ーに受託番号KCCM-10160として寄託された。
【0021】
【実施例II】 突然変異体細胞の発酵によるエリスリト
ールの産生 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、主培養でエリスリトールを
産生させるために250−mlフラスコに移した。発酵
培地でのフラスコ実験を、28℃、初期pH7および2
40rpmで84時間行った。発酵培地は、炭素源とし
ての25%のグルコースおよび0.5%の酵母エキス、
0.2%の(NH42SO4、0.5%のKH2PO4
よび0.04%のMgSO4・7H2Oからなっていた。
【0022】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、10%グルコースからのエ
リスリトール量を測定した。得られたエリスリトールは
25g/Lであり、容積生産性は0.30g/L−hで
ある。
【0023】
【比較例I】 野生型細胞の発酵によるエリスリトール
の産生 カンジダ・マグノリアエの野生型細胞を、50mLの成
長培地(グルコース2.0%、ペプトン1.0%、酵母
エキス1.0%)を含有する250−mLフラスコ中で
30℃および240rpmにて48時間培養し、この種
培養物を、エリスリトール産生用の250−mlフラス
コに移した。発酵培地でのフラスコ実験を、28℃、初
期pH7および240rpmで108時間行った。発酵
培地は、炭素源としての25%のグルコースおよび0.
5%の酵母エキス、0.2%の(NH42SO4、0.
5%のKH2PO4および0.04%のMgSO4・7H2
Oからなっていた。
【0024】108時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、10%グルコースからの
エリスリトール量を測定した。得られたエリスリトール
は17g/Lであり、容積生産性は0.16g/L−h
である。
【0025】
【実施例III】 エリスリトール産生に対する初期pH
の効果 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、エリスリトール産生用の2
50−mlフラスコに移した。発酵培地でのフラスコ実
験を、28℃および240rpmで84時間行った。発
酵培地は、炭素源としての25%のグルコースおよび
0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH42SO4
0.5%のKH2PO4および0.04%のMgSO4
7H2Oからなっていた。エリスリトール産生に対する
pHの効果を調査した。
【0026】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、初期pH5.0でのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
1.4g/Lであり、容積生産性は0.25g/L−h
である。84時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装
着したHPLCにより、初期pH6.0でのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは23.6
g/Lであり、容積生産性は0.28g/L−hであ
る。
【0027】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、初期pH7.0でのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
5.0g/Lであり、容積生産性は0.30g/L−h
である。84時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装
着したHPLCにより、初期pH8.0でのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは18.6
g/Lであり、容積生産性は0.22g/L−hであ
る。
【0028】
【実施例IV】 エリスリトール産生に対する温度の効果 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、エリスリトール産生用の2
50−mlフラスコに移した。発酵培地でのフラスコ実
験を、初期pH7.0および240rpmで84時間行
った。発酵培地は、炭素源としての25%のグルコース
および0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH42
4、0.5%のKH2PO4および0.04%のMgS
4・7H2Oからなっていた。エリスリトール産生に対
する温度の効果を調査した。
【0029】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、26℃でのエリスリトール
量を測定した。得られたエリスリトールは15.0g/
Lであり、容積生産性は0.18g/L−hである。8
4時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装着したHP
LCにより、28℃でのエリスリトール量を測定した。
得られたエリスリトールは25.0g/Lであり、容積
生産性は0.30g/L−hである。
【0030】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、30℃でのエリスリトール
量を測定した。得られたエリスリトールは20.7g/
Lであり、容積生産性は0.25g/L−hである。
【0031】
【実施例V】 エリスリトール産生に対するKCl濃度
の効果 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、エリスリトール産生用の2
50−mlフラスコに移した。発酵培地でのフラスコ実
験を、28℃および240rpmで84時間行った。発
酵培地は、炭素源としての25%のグルコースおよび
0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH42SO4
0.5%のKH2PO4および0.04%のMgSO4
7H2Oからなっていた。エリスリトール産生に対する
KCl濃度の効果を調査した。
【0032】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、0.0%KClでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
5.0g/Lであり、容積生産性は0.30g/L−h
である。84時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装
着したHPLCにより、1.0%KClでのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは25.2
g/Lであり、容積生産性は0.30g/L−hであ
る。
【0033】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、3.0%KClでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
3.3g/Lであり、容積生産性は0.28g/L−h
である。84時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装
着したHPLCにより、5.0%KClでのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは27.6
g/Lであり、容積生産性は0.33g/L−hであ
る。
【0034】84時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、6.0%KClでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
6.5g/Lであり、容積生産性は0.32g/L−h
である。
【0035】
【比較例II】 野生型細胞を用いたエリスリトール産生
に対するKCl濃度の効果 カンジダ・マグノリアエの野生型細胞を、50mLの成
長培地(グルコース2.0%、ペプトン1.0%、酵母
エキス1.0%)を含有する250−mLフラスコ中で
30℃および240rpmにて48時間培養し、この種
培養物をエリスリトール産生用の250−mlフラスコ
に移した。発酵培地でのフラスコ実験を、28℃および
240rpmで108時間行った。発酵培地は、炭素源
としての25%のグルコースおよび0.5%の酵母エキ
ス、0.2%の(NH42SO4、0.5%のKH2PO
4および0.04%のMgSO4・7H2Oからなってい
た。エリスリトール産生に対するKCl濃度の効果を調
査した。
【0036】108時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより0.0%KClでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは1
7.0g/Lであり、容積生産性は0.16g/L−h
である。108時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを
装着したHPLCにより1.0%KClでのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは24.0
g/Lであり、容積生産性は0.22g/L−hであ
る。
【0037】108時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより2.0%KClでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
3.7g/Lであり、容積生産性は0.26g/L−h
である。108時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを
装着したHPLCにより3.0%KClでのエリスリト
ール量を測定した。得られたエリスリトールは14.2
g/Lであり、容積生産性は0.13g/L−hであ
る。
【0038】
【実施例VI】 発酵器中での通気率の変化によるエリス
リトールの産生カンジダ・マグノリアエの突然変異体細
胞(KCCM-10160)を、50mLの成長培地(グルコース
2.0%、ペプトン1.0%、酵母エキス1.0%)を
含有する250−mLフラスコ中で30℃および240
rpmにて48時間培養し、この種培養物を、エリスリ
トール産生用の5−L発酵器に移した。発酵培地での発
酵器実験を、28℃、初期pH7.0および500rp
mで行った。発酵培地は、炭素源としての25%のグル
コースおよび0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH
42SO4、0.5%のKH2PO4、5.0%のKCl
および0.04%のMgSO4・7H2Oからなってい
た。エリスリトール産生に対する通気率の効果を調査し
た。
【0039】205時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、0.75vvmでのエリ
スリトール量を測定した。得られたエリスリトールは1
31.2g/Lであり、容積生産性は0.64g/L−
hである。205時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、1.00vvmでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは14
3.3g/Lであり、容積生産性は0.70g/L−h
である。
【0040】205時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、1.50vvmでのエリ
スリトール量を測定した。得られたエリスリトールは1
25.0g/Lであり、容積生産性は0.61g/L−
hである。
【0041】
【実施例VII】 発酵器中でのグルコース濃度の変化に
よるエリスリトールの産生 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、エリスリトール産生用の5
−L発酵器に移した。発酵培地での発酵器実験を、28
℃、初期pH7.0、1.0vvmおよび500rpmで
行った。発酵培地は、炭素源としてのグルコースおよび
0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH42SO4
0.5%のKH2PO4、5.0%のKClおよび0.0
4%のMgSO4・7H2Oからなっていた。エリスリト
ール産生に対するグルコース濃度の効果を調査した。
【0042】63時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、10%グルコースでのエリ
スリトール量を測定した。得られたエリスリトールは2
9.1g/Lであり、容積生産性は0.46g/L−h
である。120時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを
装着したHPLCにより、15%グルコースでのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは6
4.9g/Lであり、容積生産性は0.54g/L−h
である。
【0043】160時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、20%グルコースでのエ
リスリトール量を測定した。得られたエリスリトールは
87.2g/Lであり、容積生産性は0.55g/L−
hである。205時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、25%グルコースでのエリ
スリトール量を測定した。得られたエリスリトールは1
43g/Lであり、容積生産性は0.70g/L−hで
ある。
【0044】205時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、30%グルコースでのエ
リスリトール量を測定した。得られたエリスリトールは
117g/Lであり、容積生産性は0.57g/L−h
である。
【0045】
【実施例VIII】 発酵器中でのショ糖濃度の変化による
エリスリトールの産生 カンジダ・マグノリアエの突然変異体細胞(KCCM-10160)
を、50mLの成長培地(グルコース2.0%、ペプト
ン1.0%、酵母エキス1.0%)を含有する250−
mLフラスコ中で30℃および240rpmにて48時
間培養し、この種培養物を、エリスリトール産生用の5
−L発酵器に移した。発酵培地での発酵器実験を、28
℃、初期pH7.0、1.0vvmおよび500rpm
で行った。発酵培地は、炭素源としてのショ糖および
0.5%の酵母エキス、0.2%の(NH42SO4
0.5%のKH2PO4、5.0%のKClおよび0.0
4%のMgSO4・7H2Oからなっていた。エリスリト
ール産生に対するショ糖濃度の効果を調査した。
【0046】65時間の発酵の後、炭水化物分析カラム
を装着したHPLCにより、10%ショ糖でのエリスリ
トール量を測定した。得られたエリスリトールは26.
1g/Lであり、容積生産性は0.40g/L−hであ
る。154時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装着
したHPLCにより、20%ショ糖でのエリスリトール
量を測定した。得られたエリスリトールは78.3g/
Lであり、容積生産性は0.51g/L−hである。
【0047】175時間の発酵の後、炭水化物分析カラ
ムを装着したHPLCにより、20%ショ糖でのエリス
リトール量を測定した。得られたエリスリトールは10
5g/Lであり、容積生産性は0.60g/L−hであ
る。250時間の発酵の後、炭水化物分析カラムを装着
したHPLCにより、40%ショ糖でのエリスリトール
量を測定した。得られたエリスリトールは126g/L
であり、容積生産性は0.50g/L−hである。
【0048】
【発明の効果】本発明におけるカンジダ・マグノリアエ
KCCM-10160は、グルコースまたはショ糖からエリスリト
ールを高い収率および高い生産性で産生させることがで
き、気泡の発生が殆どなく、グリセロールのような副生
物を生成せず、その結果、回収が容易である。これらの
利点はエリスリトールの可能な商業的製造にとって極め
て重要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 1/16 (C12N 1/16 G C12R 1:72) C12R 1:72) (C12N 1/16 (C12N 1/16 A C12R 1:72) C12R 1:72) (72)発明者 セオ ジン ホー 大韓民国 キュングギ−ドー スングナム −シ ブーンダング−ク セオヒュン−ド ング 292 インクワング エーピーティ ー. 311−601 (72)発明者 リュウ イェン ウー 大韓民国 ソウル カングナム−ク アプ クジュング−ドング ヒュンダイ エーピ ーティー. 31−1005 (72)発明者 ジュング ソー リュン 大韓民国 ソウル ソングパ−ク チャム シル−ドング 86 アジア スンソーチョ ン エーピーティー. 1−901 (72)発明者 キム サング ヨング 大韓民国 キュングギ−ドー クワングミ ュング−シ チュルサン−3−ドング ジ ョーゴング エーピーティー. 1214− 404 Fターム(参考) 4B064 AC05 CA06 CC06 CC07 CC09 CC10 CC12 CD02 DA10 4B065 AA73X AC08 AC14 BA18 BB02 BC02 BC03 BC05 BC09 BC10 CA05 CA07 CA41

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】韓国微生物カルチャーセンターに受託番号
    KCCM-10160として寄託されたカンジダ・マグノリアエ(C
    andida magnoliae) SR101の突然変異体細胞を用いてエ
    リスリトールを産生させるための発酵方法であって、こ
    の方法は、 i)単糖類また二糖類培地を、下記の発酵条件: a) エリスリトールの最大産生のための培地組成が、1
    0〜50(w/v)%のグルコース、0.2〜2.0(w/v)%
    の酵母エキス、0.1〜10(w/v)%のKH2PO4
    0.1〜5.0(w/v)%の(NH42SO4および0.0
    1〜1.0(w/v)%のMgSO4・7H2Oを含有する、 b) 培地のpHが6〜8である、 c) 培養温度が26〜30℃である、 d) 通気率が培地体積当たり毎分0.75〜2.0体積
    の空気である、 e) 撹拌速度が300〜1200rpmであるに制御す
    ることにより、細胞により発酵させる工程、 ii) エリスリトール産生期中の培養液に、KCl含有溶
    液をその濃度が2〜10%となるように連続的または間
    欠的に添加する工程、 iii) 発酵培養物から細胞を除去する工程、および iv) 前記工程iii)の発酵培養物からエリスリトールを分
    離して回収する工程を含む。
  2. 【請求項2】 カンジダ・マグノリアエSR101の新規細
    胞(KCCM-10160)。
JP2000184755A 2000-06-20 2000-06-20 カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法 Pending JP2002000283A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000184755A JP2002000283A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000184755A JP2002000283A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002000283A true JP2002000283A (ja) 2002-01-08

Family

ID=18685161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000184755A Pending JP2002000283A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002000283A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102703334A (zh) * 2012-06-08 2012-10-03 江南大学 一株产赤藓糖醇的菌株及用其生产赤藓糖醇的方法
DE102012104719A1 (de) 2011-12-07 2013-06-13 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Luftreifen

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012104719A1 (de) 2011-12-07 2013-06-13 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Luftreifen
CN102703334A (zh) * 2012-06-08 2012-10-03 江南大学 一株产赤藓糖醇的菌株及用其生产赤藓糖醇的方法
CN102703334B (zh) * 2012-06-08 2013-10-30 江南大学 一株产赤藓糖醇的菌株及用其生产赤藓糖醇的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1992002631A1 (en) Process for producing optically active 3-phenyl-1,3-propanediol
CN114107077B (zh) 一株产酯酵母菌株及其应用
WO1984004542A1 (en) A method for producing ethanol from xylose-containing substance
Ekunsanmi et al. Ethanol tolerance, sugar tolerance and invertase activities of some yeast strains isolated from steep water of fermenting cassava tubers
US5998181A (en) Fermentation process for preparing xylitol using Candida tropicalis
US6287830B1 (en) Fermentation process for preparing erythritol by a high salt tolerant mutant of Candida sp.
US5686277A (en) Fermentation process for preparing xylitol using mutant cells
US6060291A (en) Fermentation process for preparing erythritol using Trichosporonoides madida DS 911
US5989878A (en) Fermentation process for preparing erythritol using mutant cells by controlling osmotic pressure
JP5051727B2 (ja) 耐熱性エタノール生産酵母及びこれを用いたエタノール生産方法
US6001616A (en) Process for preparing erythritol using novel cell of pichia
US5962287A (en) Process for producing erythritol using mutant Trichosporonoides
US6270815B1 (en) Fermentation process for preparing erythritol using mother liquor produced from purification process of palatinose
EP1092781B1 (en) Fermentation process for preparing erythritol by a high salt tolerant mutant of candida sp.
US6916639B2 (en) Erythritol-producing moniliella strains
JP2002000283A (ja) カンジダ菌種の高塩耐性突然変異体によりエリスリトールを製造するための発酵方法
Pavlova et al. Studies of Antarctic yeast for β-glucosidase production
US6316245B1 (en) Mutant cells of Pichia
JP3600803B2 (ja) マンニトール生成菌株カンジダ・マグノリア及びこれを使用したマンニトールの発酵製造方法
JP3007615B1 (ja) カンジダトロピカリスを用いたキシリトール製造のための発酵法
JP2009148212A (ja) マンニトールの発酵製造方法及びその実施に用いる微生物
RU2147034C1 (ru) Дрожжи saccharomyces cerevisiae штамм вгш-2 для бродильных производств
KR100248870B1 (ko) 돌연변이주 캔디다 트로피칼리스 에스디비-101 및 이에 의한자일리톨의 제조 방법
JP4850998B2 (ja) エリトリトール産生酵母菌株
KR100434518B1 (ko) 신균주 슈도지마 츄쿠밴시스에 의한 에리스리톨의 발효제조방법