JP2001527051A - 組織灌流方法 - Google Patents

組織灌流方法

Info

Publication number
JP2001527051A
JP2001527051A JP2000526242A JP2000526242A JP2001527051A JP 2001527051 A JP2001527051 A JP 2001527051A JP 2000526242 A JP2000526242 A JP 2000526242A JP 2000526242 A JP2000526242 A JP 2000526242A JP 2001527051 A JP2001527051 A JP 2001527051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tissue
solution
active agent
volume
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000526242A
Other languages
English (en)
Inventor
ピエトロネグロ,デニス
デクレシト,ヴィンセント
クロネンタール,リチャード
マクベス,ディーン
Original Assignee
ダイレクト・セラピューティクス,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダイレクト・セラピューティクス,インコーポレイテッド filed Critical ダイレクト・セラピューティクス,インコーポレイテッド
Publication of JP2001527051A publication Critical patent/JP2001527051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
    • A61K47/08Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
    • A61K47/10Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 直接組織内に注射した後に、活性薬剤を組織に容易に灌流させるための組成物および方法が開示される。標的は、細胞、細胞成分、および/または細胞外成分からなってもよい。灌流効率が高いので、高濃度の活性薬剤を組織標的に送達することができる。この送達により高度の効力が生じ、ある場合では、以前には知られていなかったか、または以前にはインビボで達成できなかった活性薬剤の新規な薬理学的活性を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 同封の本出願は、1997年12月31日に出願した仮特許出願第60/07
0,175号に基づく。本出願人は、米国特許法第119条(e)項(1)によ
り前記仮出願の出願日遡及の特典を主張する。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接組織内に送達した後に、活性薬剤を組織中に容易に灌流させる
ための組成物および方法に関する。別の態様において、本発明は、組織内に送達
した後に、活性薬剤の新規な薬理学的活性を生じることができる組成物およびそ
の組成物を同定するための方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
薬剤が組織全体に灌流し、細胞に浸透し、その標的で生物学的に有効なレベル
を達成できないことは、薬物送達分野において長年の問題であった。この問題を
克服する方法として、以下による活性薬剤の組織への標的化が挙げられる。
【0004】 ・細胞表面上の特異的レセプターに標的化された送達ビヒクル(例えば、モノ
クローナル抗体)の使用。抗体−活性薬剤結合体が固形組織に適切に拡散しない
ことによる制限がある。
【0005】 ・活性薬剤の標的が標的細胞でのみ発現する活性薬剤(例えば、組織特異的プ
ロモーターを含むDNA)の使用。この薬剤を送達するベクターが固形組織を通
って多数の細胞に接近できないこと、有効量の活性薬剤を産生できないこと、ウ
イルスベクター/DNAが標的細胞とその周囲の細胞に対して潜在的に危険であ
ることによる制限がある。
【0006】 ・細胞膜LDLレセプターを介した細胞内取込みのための、活性薬剤と低密度
リポタンパク質(LDL)との結合。この結合は、標的組織への全身薬物送達を
妨げる生理学的障壁(例えば、薬剤が血液溶液中のタンパク質により捕獲される
こと、多くの薬剤が血液脳関門を効果的に横断できないこと)を克服するために
試みられてきた。この場合でも、結合により薬剤送達の特異性が欠如し、標的部
位で適切な量の薬剤を得ることに問題が生じる。血液脳関門を横断する薬物送達
を増大させるために、高流量微小輸液が試みられている。
【0007】 ・他の送達方法として、薬剤を、親水性水性空間に、または疎水性化合物につ
いては脂質二重層にカプセル化するためのリポソームの使用。この使用は、固形
組織を通って適切な標的化および灌流できないことによる制限がある。
【0008】 抗腫瘍薬溶質を含む水混和性有機溶媒ビヒクルからなる抗腫瘍溶液は、迅速か
つ効果的に固形腫瘍を灌流させることに有効であることが以前に示されている(
Pietronigro 1991、米国特許第5,051,257号およびP
ietronigro 1992、米国特許第5,162,115号)。
【0009】 しかし、非腫瘍組織への効果的な灌流には依然として問題が残っている。非腫
瘍哺乳動物組織は、触知可能な固形腫瘍など新しく異常な組織形成物で完全に構
成されていない組織または組織領域である。むしろ、本質的に元々の正常組織で
構成され、今では、異常な(すなわち損傷または病変した)組織成分(例えば、
分散した個々のガン細胞、虚血細胞、血栓症に罹患した血管、特定の異常遺伝子
産物(単数または複数)を発現する細胞、異常量の特定の遺伝子産物を産生する
細胞、もしくは物質を不自然に細胞外蓄積する細胞;および/または外来要素、
例えば、細菌、ウイルス、真菌などの感染性病原体を産生する細胞)を部分的に
含む組織である。混合組織は、正常組織領域と非腫瘍組織領域の両方を含む組織
である。
【0010】 固形腫瘍の構造は、水混和性有機溶媒ビヒクルが浸透して、薬剤が腫瘍全体の
細胞に送達されるのに理想的であるが、一方、正常組織、非腫瘍組織、および混
合組織の構造には、活性薬剤が効果的に浸透するのに障害が多い。
【0011】 腫瘍には大きな間質空間があり、正常組織において見出される間質空間の6倍
まで大きくなることがある(Jain 1987,Cancer Resear
ch,47,3039−3051)。腫瘍における間質空間増大の要因は、存在
する細胞の密度がより低いことである。細胞構造および組織化もまた、腫瘍組織
と正常組織とで非常に異なる。正常組織に見出される構造の完全性は、細胞間結
合(例えば、密着結合、デスモソーム)、細胞間表面接着分子(例えば、カドヘ
リン)、および細胞−基底膜接着分子(例えば、インテグリン)が存在するため
である。腫瘍では、これらの相互作用を担う分子の発現が減少しているために、
細胞間および細胞−基底膜の接着は低下している(Dvorak 1998,C
ritical issues in Tumor Microcircula
tion,Angiogenesis and Metastasis,Lec
ture 1,1−17,St.Croix 1997,Current Op
inion in Oncology,9,549−556)。腫瘍内の細胞は
、細胞間接着も構造完全性もほとんどなく、間質空間全体に分布する小さな凝集
塊において増殖する。正常組織は、細胞の高度に組織化された3次元配置からな
り、しばしば多くの細胞層分の厚さである。
【0012】 腫瘍血管には正常組織血管の構造完全性がない。腫瘍血管は高浸透性であり(
Dvorak 1998,Critical issues in Tumor
Microcirculation,Angiogenesis and M
etastasis,Lecture 1,1−17)、正常組織血管を取り囲
む正常基底膜を欠いている。腫瘍には正常組織に存在するリンパ系がない。正常
組織においては、間質空間液はリンパ管により排出される。腫瘍にはリンパ系が
ないことと血管が高浸透性であるために間質液は増加し、このため間質空間内の
圧力は増加する。腫瘍には圧力勾配があり、その最高圧は腫瘍中心にあり、腫瘍
末端に向かって減少する(Jain,1997,Microcirculati
on,4(1),1−23)。
【0013】 固形腫瘍の低細胞密度と間質空間増加は、水混和性有機溶媒ビヒクルが浸透す
るのに理想的な媒体をもたらす。細胞間の接着がほとんどなく細胞が凝集塊内に
配置されているので、腫瘍全体の細胞全てに抗腫瘍溶液を灌流させることが可能
である。腫瘍の中心から外縁にかけて存在する間質圧力勾配は、腫瘍中心に注射
した抗腫瘍溶液の灌流を助けるであろう。
【0014】 対照的に、非腫瘍組織には強固な細胞組織化および構造完全性があることに加
えて、間質空間は比較的小さく、直接注射により投与された活性薬剤の輸送に対
して多くの障壁がある。高度の細胞間相互作用および細胞−基底膜相互作用、高
細胞密度、ならびに多細胞層は、活性薬剤分布に対して物理的障壁をもたらす。
圧力勾配がないこともまた、組織全体の溶液分布を小さくするように働くと考え
られる。従って、非腫瘍組織、正常組織、または混合組織への効果的な灌流には
依然として問題が残る。
【0015】 上記を考えると、先行技術で知られている組織灌流の限界は容易に明らかであ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、活性薬剤を組織全体に容易に灌流させるための組成
物および方法を提供することにある。
【0017】 本発明の別の目的は、活性薬剤の組織全体への容易な灌流により、組織の成分
(component)の一部(subset)に選択的に作用する組成物および方法を提供するこ とにある。
【0018】 本発明の別の目的は、組織を(以前には得られなかった)高用量の活性薬剤で
処置するための組成物および方法を提供することにある。
【0019】 本発明の別の目的は、組織内において活性薬剤の新規な薬理学的活性を生じる
ための組成物および方法を提供することにある。
【0020】 本発明の別の目的は、インビボで達成できる活性薬剤の活性範囲を変えるため
の組成物および方法を提供することにある。
【0021】 本発明の別の目的は、活性薬剤の新規な薬理学的活性を同定するための方法を
提供することにある。
【0022】 本発明の他の目的および利点は、部分的には明らかであり、部分的には以下に
記載される。
【0023】 これらおよび他の目的が本発明により実現される方法は、以下に記載の要約お
よび詳細な説明から明らかになるであろう。
【0024】
【発明の要約】
本発明によれば、活性薬剤を哺乳動物組織に容易に灌流させることは、活性薬
剤溶質を含む水混和性有機溶媒ビヒクルからなる溶液を直接組織内に注射するこ
とにより達成される。活性薬剤は、水混和性有機溶媒ビヒクル中で可溶性、安定
性、およびバイオアベイラビリティーがあるように選択される。これらの溶液の
組織内注射により、高レベルの活性薬剤溶質は、組織を通り細胞に容易に浸透し
、それにより標的部位で以前には得られなかったレベルを達成することができる
。容易に灌流させることで高度の効力が生じ、灌流組織の異常組織成分および外
来要素に対して選択的な効果を生じることができる。また、容易に灌流させるこ
とで高レベルの活性薬剤が組織に送達されるので、以前にはインビボで知られて
いなかったか、または達成できなかった新規な薬理学的作用または生化学的作用
を生じることもできる。
【0025】 発明の詳細な説明 本明細書中に引用された特許出願、特許、および参考文献は全て、その全体が
本明細書により参考として援用される。
【0026】 本発明は、少なくとも約0.1の分配係数を有する薬学的に受容可能な水混和
性有機溶媒ビヒクルと活性薬剤溶質とを組織に直接注射することにより、活性薬
剤を組織に迅速かつ効率的に浸透させる(すなわち、容易に灌流させる)方法を
提供する。
【0027】 活性薬剤を容易に灌流させるのに有用な溶媒ビヒクルは、水に溶解し、水溶液
から生物学的細胞膜中へ、かつその膜を通って分配および拡散もする水混和性有
機溶媒である。その有用性は、治療薬を溶解する力だけでなく、組織に効果的に
浸透する能力に基づいている。本発明の溶媒ビヒクル中での水相を介した分子運
動は、このようなビヒクルの高い水溶性により駆動される。好ましい実施態様に
おいて、この水溶性は、生理学的条件で無限またはほぼ無限である。組織物質の
大部分は水溶性であるので、有機溶媒成分が水混和性または水溶性であることは
重要である。さらに、本発明の水混和性有機ビヒクルには、水溶液から細胞膜に
移動するのに十分な親油性がある。この能力を付与する分子特性は、約1000
ダルトン未満の分子量および電気的中性(すなわち電荷がないこと)である。分
子量は、MorrisonおよびBoyd,Organic Chemistr
y,412−413頁,Allyn and Bacon Inc.,Bost
on,1996に記載のように測定され、電気的中性は分子式により証明される
。水溶液から脂質への分子運動の直接的な尺度は分配係数である。分配係数は、
例えば、Cornfordら、「Comparison of Lipid−M
ediated Blood−Brain−Barrier Penetrab
ility in Neonates and Adults」、Americ
an Journal of Physiology 243(1982),C
161−C168頁により記載されている。本発明の好ましい水混和性有機溶媒
は、少なくとも約0.1の分配係数を有する。Cornfordら、前出はまた
、分配係数と、脳取込み指数を用いた真の細胞膜拡散係数測定値との間の密接な
相関を証明している。前述の特性を有し、従って本発明の直接送達ビヒクルとし
て有用な、例示的な水混和性有機溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−プロペン−3−オール(アリルアルコール)、
2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)、ジアセトンア
ルコール、N’N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−
ジオクサン、アセトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、
およびプロピレングリコールであり、単独または組み合せて使用される。好まし
い溶媒は無水エタノールである。これらに加えて、他の有用な有機溶媒ビヒクル
もまた、その水溶性および生物学的膜拡散係数により同定できる。上記で具体的
に列挙されたアルコールとは対照に、1−ブタノールの有用性はいくらか限定さ
れ、一方、C4より大きな脂肪族アルコールの使用については、このようなアル
コールの水溶性があまり大きくないため本発明における使用は禁忌である。
【0028】 活性薬剤として、上記の溶媒に溶解し、標的細胞、細胞成分(上皮細胞、内皮
細胞、および間葉細胞など)、または細胞外成分(細胞外マトリクスタンパク質
、炭水化物、および脂質など)に作用する薬剤(BCNUすなわちカルムスチン
などの抗腫瘍薬、ホルモン、細胞膜レセプターリガンド、および代謝拮抗物質を
含む)が挙げられる。エタノールに溶解する1つの特に有用な活性薬剤は、カル
ムスチン(抗腫瘍薬)である。
【0029】 活性薬剤が拡散または対流により組織の水性環境に効果的に浸透できず、非標
的組織に対して所望でない有害な副作用を生じることなく、その標的で治療レベ
ルを達成できないことは、薬物送達分野における主な障害である。さらに、この
障害に、水溶液に溶解する薬剤が脂質細胞膜に浸透できないことが加わる。これ
らの問題を克服するために、組織の水性環境と混和でき、細胞膜に浸透するのに
十分に親油性である送達ビヒクルが、本発明において使用するために選択された
。これらのビヒクルを利用して、これらの溶媒中で安定かつバイオアベイラブル
な溶質を送達することができる。送達ビヒクルおよび溶質は、溶質の標的である
組織に直接注射される。
【0030】 好ましくは、活性薬剤は、本発明の治療に有効な体積の溶液が組織に送達され
る場合、その有効量の50%(ED50)(すなわち標的細胞の50%に対して
所望の治療効果を生じる組織中の薬剤量)より少なくとも2対数分大きな、組織
中の薬剤溶質量を生じる濃度で有機溶媒に溶解される。これにより、得られた溶
液が組織に直接注射される場合、十分な濃度の薬剤が、少なくともかなりの体積
の組織全体に確実に送達される。有機ビヒクルは組織に浸透するにつれて、治療
有効濃度の薬剤溶質を共に輸送する。このようにして、高レベルの活性薬剤を、
別個にかつ比較的安全に組織に送達することができる。溶液の水混和性有機ビヒ
クル成分は組織内での薬剤の可溶性を増大させ、それにより治療有効レベルの活
性薬剤が組織を包囲できると考えることもできる。本発明の水混和性有機溶媒ビ
ヒクルに非常に溶解する活性薬剤自体には、通常、優れた細胞拡散特性がある傾
向があり、従って、直接組織内に投与する際に薬剤だけで比較的効率的に拡散で
き、多くの場合、溶媒ビヒクル成分の灌流領域を超えて拡散することも理解しな
ければならない。選択された溶媒ビヒクル中の活性薬剤の安定性およびバイオア
ベイラビリティーは、高レベルの活性薬剤が組織に確実に浸透する助けとなる。
【0031】 本発明には、組織の活性薬剤での灌流をモニターするために画像装置を使用す
ること、および組織に対する活性薬剤の効果を地理的に評価するために画像装置
を使用する方法が含まれる。
【0032】 本発明の組成物および方法を使用して、活性薬剤を非腫瘍組織、正常組織、お
よび混合組織に容易に灌流させることができる。容易な灌流により、注射溶液の
容量より非常に大きな体積の組織を活性薬剤で効果的に処置する。活性薬剤が1
つまたは複数の組織成分または外来要素に対して選択的な効果を生じるように;
高レベルの活性薬剤が組織標的部位に実際に送達されるため、新規な薬理学的、
生化学的、もしくは生物学的効果を生じるように;および/または灌流した組織
領域および要素の全てに対して非選択的効果を生じるように、組成物を処方する
ことができる。
【0033】 本発明により処置することができる非腫瘍組織および混合組織の例として、病
原体(例えば、細菌、ウイルス、真菌)に感染した組織;アルツハイマー病患者
の脳組織;例えば、頭部または脊髄損傷後のもの等の外傷組織;関節炎組織;癲
癇発作を生じる組織病巣;緑内障組織;炎症にかかっている組織;パーキンソン
病組織;散在性ガン細胞および微小転移巣を含む組織;リウマチ性疾患にかかっ
ている組織;良性肥大にかかっている前立腺組織;子宮内膜症組織;骨粗鬆症組
織;うつ病、精神病、または他の神経系疾患を生じる機能不全中枢神経系組織;
脳、心臓、および他の器官の虚血組織;ならびに疼痛反応を生じる組織が挙げら
れる。
【0034】 開発した溶液を改良したものを使用して、活性薬剤が作用する組織の体積を調
節することができる。この溶液は、任意の体積の所望組織に作用するように改良
することができる。この証拠を、エタノールをネコ脳に直接注射した実施例1に
示す。0.4ml容量のエタノールは組織に対して毒性作用がない(直径2〜5
mmおよびそれに対応する体積0.004〜0.065mlの円形病変が見出さ
れた。この病変は針先端の位置と一致し、典型的な局所的機械的破壊である)。
5mg(12.5mg/ml)のカルムスチンを含む同量のエタノール(0.4
ml)はエタノールのみと同じ結果を生じ、毒性作用は観察されなかった。しか
し、20mg(400mg/ml)のカルムスチンを含む0.05ml容量のエ
タノールを正常組織に注射した場合、影響を受けた組織体積の増大が観察され、
直径1〜1.5cmおよび体積1.0〜1.77mlの大きな病変が生じた(図
1)。このことから、活性薬剤が組織へ容易に灌流されるため、高濃度のカルム
スチンと少量のエタノールとの組み合せることによって、注射容量と比較して影
響を受けた組織体積が20〜35倍に増大することが証明された。少量/最小量
の送達は、多くの組織の灌流において重要な要素である。例えば、遺伝子または
核酸誘導体を正常組織、非腫瘍組織、または混合組織に直接注射する場合、これ
らの活性薬剤が組織へ容易に灌流されるため、多数の細胞がトランスフェクトさ
れるであろう。開発した溶液を用いて少量の活性薬剤を直接注射することができ
る。この直接注射により組織への多量溶液投与が本来持っている危険性が克服さ
れ、例えば、溶液の漏出、その結果として所望でない毒性副作用が妨げられる。
【0035】 本発明により、以前に得られなかったレベルの活性な薬学的薬剤、生物学的薬
剤、または放射線治療薬を組織に投薬し、それにより、高度の効力、すなわち全
身投与など標準的な組成物および送達方法を用いて得ることが可能な活性より大
きな薬理学的活性または生物学的活性を生じることができる。実際に、本発明を
用いて、このような高レベルの活性薬剤を組織に灌流させることができ、正常ネ
コ脳への投与を含む実施例1に示されるように、活性薬剤の新規な薬理学的効果
を生じることができる。少容量のエタノール(50μl)と高濃度のカルムスチ
ン(200または400mg/ml)との組み合せにより、分裂終了細胞からな
る比較的大きな体積の組織が破壊された。カルムスチンのこの驚くべきかつ新規
な薬理学的作用は、既知の投与方法を用いて以前には達成できなかった。(3.
3mg/mlの低濃度で見られる)カルムスチンの周知の薬理学的作用には、有
糸分裂細胞が必要である。本発明に従って処方すると高カルムスチン濃度のこの
新規な薬理学的効果が分裂終了細胞に対して生じるため、脳、ならびに肝臓およ
び前立腺でも(実施例1、3、4)見られるように、注射組織は除去される。こ
のような効果は、脳、例えば、パーキンソン病または癲癇の病理領域を安全に除
去することに有用であり得る。これはまた、前立腺、例えば、散在性ガン細胞が
正常前立腺組織全体に散らばっている前立腺ガンを安全に除去するために使用す
ることができる。
【0036】 記載した溶媒中での高濃度カルムスチンの新規な薬理学的作用と同様に、以前
には達成できなかった濃度で薬剤が送達されるために、(以下に記載の薬剤など
)他の活性薬剤の新規な作用(既知の生化学的効果または薬理学的効果とは異な
る)が生じることもまた理解しなければならない。例えば、通常、薬理学的作用
を持続するために長期にわたって与えなければならない活性薬剤は、(カルムス
チンを用いた例と同様に)完全に新しい薬理学的作用を示すことに加えて、単回
多量投与により持続的効果または不可逆的効果を達成するかもしれない。
【0037】 高レベル活性薬剤の組織全体への容易な灌流が可能なため、本発明の組成物お
よび組織内注射方法を使用して、活性薬剤の新規な薬理学的作用および生化学的
作用、すなわち、医療において以前には未知であったか、または得られなかった
作用を同定できる。インビボ組織を利用した方法(実施例1、3、4に記載)な
らびに器官全体、器官切片、組織スライス、細胞スフェロイド、および他の組織
培養調製物などのエクスビボ組織調製物を利用した方法を使用して、活性薬剤の
新規な効果を同定することができる。
【0038】 本発明の溶液は、この溶液を組織領域に直接注射した後に、異常組織成分また
は外来要素に選択的に作用するために、活性薬剤の濃度を調節することができる
。実施例2において、100%エタノールおよび3.3mg/mlカルムスチン
は、腫瘍細胞を選択的に殺傷することがわかった。実施例1および4に示される
ように、正常組織において、カルムスチンを含む溶液は脳では100mg/ml
まで、肝臓では50mg/mlまで毒性作用がない。従って、非腫瘍組織および
混合組織に、正常組織に作用しないが異常組織成分または外来要素に作用する、
選択した活性薬剤濃度の溶液を灌流させることができる(図2および3)。
【0039】 選択的効果の例として、ホルモンまたは血管新生活性薬剤を含む溶液の送達が
挙げられる。この作用は、相補レセプターを有する細胞に限られる。別の例は抗
感染薬の使用であり、この作用は、感染細胞および/または細胞外感染性病原体
に限られる。
【0040】 薬学的活性薬剤、生物療法(生物学的)活性薬剤、または放射線治療活性薬剤
を、本発明の実施において使用することができる。本発明により使用することが
できる薬学的活性薬剤の例として、抗感染薬(セフロキシム、テトラサイクリン
)、αアドレナリンアゴニスト(塩酸アプラクロニジン)、アルツハイマー病処
置薬(フィゾスチグミン、塩酸タクリン、インドメタシン)、アミノ酸(p−ア
ミノ安息香酸)、中枢神経系薬(アンフェタミン、ハロペリドール、フェニトイ
ン)、筋萎縮性側索硬化症治療薬(ビタミンE、リルゾール)、鎮痛薬(アセト
アミノフェン、フェンタニール、アスピリン)、麻酔薬(コカイン、リドカイン
、塩化エチル)、直腸肛門用製品、食欲抑制剤(マチンドール)、制酸薬(シメ
チジン、ラニチジン)、抗関節炎薬(インドメタシン、イブプロフェン、ケトプ
ロフェン)、抗痙攣薬(ジアゼパム、エトトイン、フェルバメート)、抗鬱薬(
フルオキセチン、ビュープロピオン)、抗糖尿病薬(アセトヘキサミド、グリブ
リド)、抗利尿薬(バソプレシン)、解毒薬(ナロキソン、フィゾスチグミン)
、抗線維症治療薬、抗緑内障薬(臭化デメカリウム)、抗ヒスタミン薬および組
み合せ(アステミゾール、クロルフェニラミン)、抗炎症薬(インドメタシン、
イブプロフェン、ケトプロフェン)、代謝拮抗物質(メルカプトプリン)、抗腫
瘍薬(カルムスチン、シスプラチン、タモキシフェン)、抗パーキンソン症候群
薬(ヒヨスチアミン、メシル酸ブロモクリプチン)、制汗薬、抗精神病薬(ハロ
ペリドール、ロラゼパム)、抗リウマチ薬、良性前立腺肥大治療薬(メシル酸ド
キサゾシン、フィナステリド)、栄養素(ビタミンE,ビタミンD3)、心臓保
護剤、心臓血管薬(アテノロール、ビソプロポール、ジギトキシン)、抗毒素、
脳代謝促進剤、耳用製剤(ナイスタチン、クロラムフェニコール)、コリンエス
テラーゼ阻害剤、避妊薬(プロゲステロン、ニフェジピン)、嚢胞性線維症処置
薬(イブプロフェン、クロラムフェニコール)、細胞保護剤、診断薬(エチルヨ
ウ化油、硫酸ヒヨスチアミン)、ドーパミンレセプターアゴニスト(ブロモクリ
プチン、ペルゴリドメシラート)、応急用具、子宮内膜症処置薬、勃起障害治療
薬、排卵誘発剤(ブロモクリプチン、クロミフェン)、乳汁漏出阻害剤(ブロモ
クリプチン)、血液調節剤(ジピリダモール)、胃腸薬(シメチジン、硫酸ヒヨ
スチアミン)、痛風製剤(ナプロキセン、アロプリノール)、同種療法製剤、ホ
ルモン(プロゲステロン、エストラジオール)、高カルシウム血症処置薬(ヒド
ロコルチゾン、パラメタゾン)、低高カルシウム血症処置薬、免疫抑制剤(シク
ロスポリンA、タクロリムス)、肥満細胞安定剤、偏頭痛製剤(アテノロール、
イブプロフェン)、乗物酔い製品(メクリジン)、多発性硬化症処置薬(メチル
プレドニゾロン、硫酸ヒヨスチアミン)、筋肉弛緩薬(ジアゼパム、カリソプロ
ドール)、麻薬解毒薬、鼻用製剤(グアイフェネシン)、ヌクレオシドアナログ
(ジドブジン、スタブジン)、眼用製剤(スプロフェン、ジクロフェナクナトリ
ウム)、骨粗鬆症製剤(エストラジオール)、分娩促進薬(ジノプロストン)、
副交感神経遮断薬(ヨヒンビン)、副交感神経刺激薬、リン酸結合剤、ポルフィ
リン症薬、プロスタグランジン(アルプロスタジル、ジノプロストン)、精神治
療薬(ハロペリドール、ドロペリドール)、放射線不透過剤(エチルヨウ化油)
、樹脂−イオン交換体、呼吸用薬物(アステミゾール、キシナホ酸サルメテロー
ル)塩代用物、硬化剤(フェノール)、鎮静薬および睡眠薬(ハロペリドール、
抱水クロラール)、皮膚および粘膜用薬剤(コールタール、フェノール)、禁煙
補助薬、交感神経遮断薬(メチセルギド)、ツレット症候群薬(ハロペリドール
)、振せん製剤(ジアゼパム、硫酸ヒヨスチアミン)、尿路用薬剤(ヒヨスチア
ミン)、子宮弛緩薬、膣用製剤(スルファニルアミド、エストラジオール)、血
管拡張薬(ジピリダモール、塩酸パパベリン)、血管新生剤、抗血管新生剤(サ
リドマイド)、アポトーシス誘導剤(アスピリン、フェネチルイソチオシアネー
ト)、アポトーシス阻害剤、ステロイド(テストステロン、エストラジオール、
トリアムシノロンベネトニド)、酸化剤、抗酸化剤(ビタミンE)、造影剤(ヨ
ード化油、ヨーセタム酸)、抗凝固薬(ジピリダモール、ジクマロール)、凝固
薬、制吐薬(ジメンヒドリネート)、抗高血圧薬(アテノロール)、喘息用製品
(アルブテロール)、利尿薬(クロロチアジド)、低血糖薬、プロドラッグ(テ
モゾラミド)、酵素阻害剤(硫酸インジナビル)、抗浮腫薬(クロロチアジド)
、放射線増感剤、ビタミン(ビタミンA、ビタミンE)、レチノイド(全トラン
スレチノイン酸、シスレチノイン酸)、ならびにその機能的に有効な誘導体、お
よびその組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0041】 有用な生物療法活性薬剤として、モノクローナル抗体(例えば、abcixi
mab)、薬物および毒素(例えば、リシンA鎖またはアメリカヤマゴボウ抗ウ
イルスタンパク質)のモノクローナル抗体細胞傷害性結合体;サイトカイン、生
体応答調節物質(例えば、フィルグラスチム)、リンホカイン、インターフェロ
ン(例えば、インターフェロンα2A)、インターロイキン、増殖因子、増殖因
子阻害剤、天然タンパク質、組換えタンパク質、および合成タンパク質(例えば
、アデノウイルスE1b 55Kdタンパク質、プロテイナーゼインヒビター(
ヒト)A)、血管新生剤(例えば、血管内皮増殖因子、塩基性繊維芽細胞増殖因
子)、抗血管新生剤(例えば、アンギオスタチン)、ワクチン(例えば、毒ヅタ
エキス)、酵素(例えば、パンクレアチン、ドルナーゼ−α)、ペプチド、遺伝
子、核酸、およびその機能的等価物が挙げられる。ペプチド、タンパク質、酵素
、核酸などの活性薬剤が、その天然形態で適切な可溶特性を本来もたない場合、
適切なアミノ酸残基または配列をその分子構造に組込ませるか、または直接の化
学修飾により、薬剤を、本発明の有機溶媒ビヒクル中により可溶にさせることが
できる。この例は、「Inhibition of acquired imm
unodeficiency syndrome virus by olig
odeoxynucleoside methyl phosphonates
」,Sarinら,(Proceedings of the Nationa
l Academy of Science,USA,85(1988),74
48−7451頁)に報告されており、適切な有機溶媒可溶特性をもつアンチセ
ンス核酸アナログが合成された。
【0042】 有用な放射線治療活性薬剤として、放射性同位体標識モノクローナル抗体、他
の放射性同位体標識細胞特異的ホーミング(homing)薬剤、および特定の
細胞または細胞外成分に対して特異的選択性を示す代謝産物、およびいずれの特
定の細胞にも細胞外成分にもホーミング選択性を示さないが、本発明の可溶特性
をもつ放射性同位体標識薬剤が挙げられる。
【0043】 組織内溶液分布および組織に対する活性薬剤の効果は、超音波、MRI(磁気
共鳴画像法)、またはCT(コンピューター連動断層撮影法)などの画像法を使
用してモニターすることができる。造影剤が本発明において使用する溶媒および
活性薬剤と適合するのであれば、超音波、CT、MRI、およびPET(ポジト
ロンエミッショントモグラフィー)などの適切な画像装置と使用するために、造
影剤を含めることもできる。造影剤として、CTと使用するためにはヨード化油
(リピオドール)、イオカルム酸、ヨーダミド、ヨーセタム酸、ヨーベンザム酸
、MRIと使用するためにはガドジアミド、ガドペンテト酸、ガドテリドールな
どの物質、超音波については気泡が挙げられる。
【0044】 現在使用されている特定の活性薬剤の多くは、水溶性が高く、それにより標準
的な先行技術の送達技術に従って薬剤を投与できるためにある程度選択されきた
。しかし、本発明によれば、本発明の1つまたは複数の水混和性有機溶媒ビヒク
ル中での可溶性、安定性、および/またはバイオアベイラビリティーについて最
適化された分子構造を有する、非常に効果的な活性薬剤を設計することができる
。従って、本発明は、合理的薬物設計、処方、および送達の新規なアプローチを
定義する。
【0045】 使用する活性薬剤が効果的に安定かつバイオアベイラブルなままであり、治療
有効濃度まで溶解し、水混和性有機溶媒ビヒクルが水性物質または脂質物質の存
在下でその組織浸透能力を維持することが可能な場合、この溶媒ビヒクルは、こ
のような水性物質または脂質物質がビヒクル中で存在することも許容できる。従
って、この環境に遭遇した場合、本発明の水混和性有機溶媒ビヒクルは、a)溶
媒の組織浸透能力、またはb)活性薬剤の安定性、バイオアベイラビリティー、
もしくは可溶性が有意に喪失する濃度まで、このような水性物質または脂質物質
を含有することができることが企図される。当然、本発明の水混和性有機溶媒ビ
ヒクル中で水性物質または脂質物質が許容される最大濃度は、含有される特定の
水性物質および/または脂質物質(単数または複数)、処方される特定の活性薬
剤、有機溶媒ビヒクル、および活性薬剤濃度の関数として大きく変動し得る。従
って、本発明の範囲内の可能な溶液すべてに有効となる有機溶媒ビヒクル中での
、このような水性物質または脂質物質の特定の最大許容濃度を詳細に述べるのは
不可能である。
【0046】 本明細書中に記載の方法は、好ましくは、溶液を送達するために針を使用する
が、移植可能な装置もまた利用することができる。しかし、このようないずれの
装置を用いても、有機溶媒ビヒクルが治療有効量の薬剤を組織全体に運搬できる
ように、同様の速度でビヒクルおよび活性薬剤は出ることができなければならな
い。針送達には、小さな切開しか必要とせずに大きな処置塊に接近するという利
点がある。
【0047】
【実施例】
本発明は、以下の限定しない実施例により説明される。
【0048】 実施例1 正常ネコ脳モデル 材料と方法 体重が2.5〜3.0kgの雑種ネコをLiberty Research,
Waverly,NYから入手した。0.1mg/kgの筋肉内アセプロマジン
、続いて総量0〜30mgのケタミンを用いて動物に麻酔をかけた。冠状縫合上
から後ろに小さく切開した。冠状縫合から0.75cm後ろ、正中線から0.7
5cm横に3mmのバー穴を作った。定位固定枠を用いて、溶液を感覚皮質野に
深さ0.75cmで注射した。バー穴を骨ろうで閉じ、皮膚を皮膚クリップで閉
じた。5〜20mg用量のカルムスチンを含む0.05〜0.4ml容量の脱水
アルコールを投与した。注射の2週間後に動物を屠殺し、脳全体を取り出し、1
0%緩衝化ホルマリンで固定し、注射部位での病変について脳を目視で調べた。
注射した溶液は、エタノール溶媒ビヒクルのみ、または様々な濃度のカルムスチ
ンを含むエタノール溶媒ビヒクルからなった。
【0049】 結果 実施例1の結果を表1に要約する。脳に直接注射した、0.4ml容量のエタ
ノールは組織に対して毒性作用がなかった(直径2〜5mmおよびそれに対応す
る体積0.004〜0.065mlの円形病変が見出された。この病変は針先端
の位置と一致し、局所的機械的破壊を示す)。5mg(12.5mg/ml)の
カルムスチンを含む同量のエタノール(0.4ml)注射は、エタノール単独の
直接注射と同じ結果を生じ、毒性作用は観察されなかった。しかし、10および
20mg(200および400mg/ml)のカルムスチンをそれぞれ含む0.
05ml容量のエタノールを脳組織に注射した場合、効果を受けた組織体積の増
大効果が観察され、それぞれ、直径1×0.8cmおよび1〜1.5cm、体積
1.0〜1.77mlの大きな病変が生じた。活性薬剤が組織に容易に灌流され
るため、高濃度のカルムスチンと少量のエタノールとの組み合せることによって
、注射容量と比較して効果を受けた組織体積は20〜35倍に増大することが、
本実施例から確証された。同じ容易な灌流特性を有する溶液の作成は、多量の溶
液が投与できないか、または危険である組織に活性薬剤を送達するのに必須であ
る。さらに、非分裂細胞に対するカルムスチンの新規な活性は、200〜400
mg/mlの溶液を組織内注射することにより引き出された。
【0050】 実施例2 WALKER256皮下腫瘍モデル 材料と方法 連続移植されたWalker256腫瘍に由来する腫瘍断片を調製し、雌Ha
rlan Sprague Dawleyラットに皮下移植した。一旦この腫瘍
が適切な大きさに達したら、動物を、5または6匹の動物の処置群と10匹の動
物の非処置コントロール群に無作為に分けた。各動物の腫瘍体積を、以下の式:
体積=(l×w2)/2を用いて計算した。観察には、毎日各動物の全身の健康
状態を目視観察すること、週に3回腫瘍を測定すること、毎週体重測定すること
が含まれる。これらの測定は、効力が明らかになるまで、動物の死期が近くなる
まで、腫瘍が壊死するまで、腫瘍により動物が食べたり飲んだりできなくなるま
で、または投薬開始から10週間経過するまで継続した。
【0051】 550〜1634mm3の腫瘍を有する50匹のラットを、8つの処置群と2 つのコントロール群に無作為に分けた。以下の処置薬を、それぞれ、8つの処置
群に投与した: I群 5%腫瘍体積の無水エタノール(10mg/腫瘍のカルムスチン) II群 10%腫瘍体積の無水エタノール(10mg/腫瘍のカルムスチン) III群 25%腫瘍体積の無水エタノール(10mg/腫瘍のカルムスチン) IV群 50%腫瘍体積の無水エタノール(10mg/腫瘍のカルムスチン) V群 10%腫瘍体積の無水エタノール(33mg/mlのカルムスチン) VI群 100%腫瘍体積の無水エタノール(3.3mg/mlのカルムスチン
) VII群 100%腫瘍体積の無水エタノールおよび水(3.3mg/mlのカ
ルムスチン) VIII群 100%腫瘍体積の水(3.3mg/mlのカルムスチン) コントロール動物には処置薬を与えなかった。
【0052】 結果 3.3mg/mlのカルムスチンを含む100%腫瘍体積の無水エタノールの
溶液を腫瘍含有領域に皮下注射することで、コントロール群の0/5と比較して
、4/5が完全に退縮し、コントロール群の腫瘍増殖が2.8日遅延したのと比
較して、2匹の動物において腫瘍増殖が29.5日遅延した(このうち1匹は再
発以前に完全に退縮した)。100%腫瘍体積のエタノールと3.3mg/ml
カルムスチンを与えた残りの3匹の動物には、屠殺時に腫瘍がなかった(表2)
。腫瘍領域における瘢痕、体毛喪失、残存する赤みの形跡はなかった。これは、
この溶液の腫瘍組織に対する選択的毒性を証明する。
【0053】 実施例3 正常イヌ前立腺モデル 材料と方法 本実験では、無作為に選んだ(random−source)大人雄イヌを使
用した。全動物には、大人の大きさのイヌ前立腺と一致する触知可能な前立腺が
あった。動物は自由に水を飲み、標準的なスケジュールで餌を与えられた。
【0054】 体表面積(m2)を、公表された表を用いて各動物について計算した。
【0055】 手術日に、アセプロマジン(0.22mg/kg)およびアトロピン(0.0
5mg/kg)で動物に筋肉内前麻酔をかけた。全身麻酔を静脈内チオペンター
ルナトリウム(20〜25mg/kg)で誘導し、経口気管内挿管後に、半閉鎖
式循環装置より供給される0.5〜2.0%ハロタン−酸素混合物で維持した。
手術に関する抗生物質は、手術日の静脈内ゲンタマイシン(3mg/kg)およ
び手術後7日間毎日の筋肉内ゲンタマイシン(3mg/kg)からなった。
【0056】 各動物において、8フレンチ尿カテーテルを、尿道を通して膀胱に通し、膀胱
を正常食塩水で満たした。UST664 5/7.5MHZ 2平面直線配列(
biplanar linear array)経直腸プローブ(Wallin
gford,CT)を備えた診断用Aloka Echo SSD650超音波
装置を使用して、最大軸(横)幅、高さ、正中線矢状方向(縦)の長さを決定し
た。長さを、正中線において尖部最下部から前立腺最上部まで測定した。次いで
、体積を、以下の式:長さ×幅×1/2高さを用いて決定した。下腹部正中線を
切開し、腹腔に入った。膀胱および前立腺を暴露し、前立腺周囲の脂肪を、前立
腺底部から注意深く切り裂いた。前立腺をTRUSにより画像化し、腹腔切開に
より直接目で見えるようにして、注射に適したアリコートを含む標準10ccル
ーアー−ロック注射器に取り付けた3インチ20ゲージのスパイナル針を、前立
腺右葉底部に導いた。針先端を超音波ガイドにより前立腺実質内に置き、適切に
配置した。
【0057】 動物を無作為にサブグループに分けた。動物A1およびA2には測定した前立
腺体積100%と同量の脱水エタノールを与え、一方、残りの動物には、TRU
S画像化により決定した総前立腺体積50%と同量の98%脱水エタノールを与
えた。これらの動物には、脱水エタノールに溶解した漸増量のカルムスチンを与
えた:A1およびA2、2mg/ml;B1およびB2、5mg/ml;C1お
よびC2、12.5mg/ml;D1およびD2、18mg/ml;ならびにE
1およびE2、25mg/ml。別々の日に、全動物サブグループに、全身麻酔
下で、針を配置するためにTRUSガイドを用いた正中腹腔切開アプローチによ
り注射した。最初に、針を前立腺尖部の腹側部に配置し、次いで、注射中に尖部
から底部に引いた。次いで、針を前立腺尖部の背側部に再配置し、できるだけ多
くの実質を覆うことができるように注射中に底部に引いた。
【0058】 注射の14日後、全動物の前立腺を全身麻酔下でTRUSにより再度画像化し
、次いで、深い全身麻酔下で放血により動物を安楽死させた。膀胱および前立腺
をひとまとめにして摘出し、ホルマリンで固定した。直腸周囲炎症の任意の徴候
または病理の疑いがある場合に、病理学検査のために直腸部分を取り出した。ホ
ルマリンで十分に組織固定した後に、前立腺を連続切片にし(step sec
tion)、影響を受けた前立腺実質の体積(cm3)を、個々の前立腺連続切
片の測定した長さ、高さ、および厚さに基づいて計算し、定量した。次いで、そ
れらの体積を足して、前立腺ごとに影響を受けた前立腺実質体積の合計を定量し
た。次いで、組織を、組織病理学分析のために提出した。
【0059】 結果 全動物には、注射14日後の前立腺実質内のエコールーセント領域について異
なるTRUSパターンがあった。このエコールーセント領域は、前立腺の連続切
片上で同定された出血壊死および凝固壊死の領域と相関関係があった。全動物の
尿道において、粘膜下出血、粘膜びらん、および炎症の徴候が示された。注射間
に前立腺外溢血の徴候はなく、直腸損傷も尿失禁の発現もなく、注射後48時間
経過して動物は鎮痛薬を必要としなかった。
【0060】 組織体積は、等濃度のカルムスチンが作用しても大きく変動した。しかし、カ
ルムスチンの最高濃度と影響を受けた組織の最大体積とは関係があった(表3お
よび図4)。
【0061】 実施例4 正常ラット肝臓モデル 材料と方法 標準的な動物飼育施設において、54匹の雄Sprague−Dawleyラ
ット(体重250〜300g)を処置群により2匹一組でケージに入れ、ラット
は餌と水を自由にとれるようにした。手術の前に、動物に、0.2mlのケタミ
ンおよびキシラジン(それぞれ、30mg/kgおよび4mg/kg)を筋肉内
注射した。ラットに麻酔をかけ、拘束板の上に固定した。腹部の右上四円分の毛
を剃り、ベタジン溶液で準備した。長さ約1cmの傍腹切開を、腹部正中線の2
cm右側、右側最下部肋骨の2cm下に行い、肝臓を暴露した。直接目視で観察
して、27ゲージ針を備えたHamiltonマイクロリットル注射器(702
)を用いて、溶液を約2分かけてゆっくりと肝臓に注射した。針を引き抜き、4
−0プレーンガットを用いて腹膜を密封し、皮膚クリップを用いて皮膚を閉じて
、腹部切開を閉じた。各動物を、手術日の間、4時間の間1時間ごとに観察し、
その後の2週間は毎日観察した。2週間で動物を屠殺し、その肝臓を注射部位の
病変について目視で調べた。
【0062】 結果 実験4の結果を表4に要約する。100μl容量のエタノールでは、ラットは
屠殺時に見たところ正常であり、肝臓を目視検査した際に病変は全くなかったか
、または小さな病変があった。100μl容量のエタノールおよび12.5〜5
0mg/mlカルムスチンでは、ラットは屠殺時に見たところ正常であり、エタ
ノールのみの場合と同様に、肝臓を目視検査した際に病変は全くなかったか、ま
たは小さな病変があった。100μl容量のエタノールおよび100mg/ml
カルムスチンでは、広い面積の組織破壊が見出された。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aおよび1bは、罹患組織体積に対する漸増濃度のBCNUの
効果を示す。
【図2】図2は、腫瘍を外科切除した後の混合組織の活性薬剤での灌流を示
す。
【図3】図3aおよび図3bは、異常組織成分に対する活性薬剤の選択的効
果を示す。
【図4】図4は、注射2週間後での、カルムスチン注射濃度と影響を受けた
前立腺組織パーセントとの相関を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 クロネンタール,リチャード アメリカ合衆国ニュージャージー州07410, フェアローン,ガーウッド・ロード・33 (72)発明者 マクベス,ディーン アメリカ合衆国ニューヨーク州10520,ク ロトン−オン−ハドソン,エレン・コー ト・3 Fターム(参考) 4C076 AA95 BB11 CC31 CC37 CC50 DD37 FF11 FF31 4C085 HH01 JJ02 KA36 KB41 LL18

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性薬剤を非腫瘍組織に送達するための方法であって、薬学
    的に受容可能な水混和性有機溶媒ビヒクルと治療有効濃度の活性薬剤溶質とを含
    む治療有効体積の溶液を前記組織に直接注射することを含み、前記水混和性有機
    溶媒ビヒクルが少なくとも約0.1の分配係数を有し、前記活性薬剤が前記溶媒
    ビヒクル中で安定かつバイオアベイラブルである方法。
  2. 【請求項2】 前記組織が混合性であり、正常成分と異常成分の両方を有す
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記溶媒および前記活性薬剤が、異常成分のみに作用するよ
    うな体積および濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記溶媒および前記活性薬剤が、正常成分と異常成分の全成
    分に作用するような体積および濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記溶液が、送達される溶液の体積より大きな体積の組織に
    対して生物学的効果を生じる、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記水混和性有機溶媒ビヒクルがエタノールである、請求項
    1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記エタノールが無水エタノールである、請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記薬剤が小体積を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記溶液が画像化可能な識別特性(imagable si
    gnature)を示す、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 画像装置を使用することにより前記活性薬剤の組織全体分
    布をモニターすることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 画像装置を使用することにより組織に対する活性薬剤の効
    果を評価することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 直接組織内に送達することにより活性薬剤を非腫瘍組織に
    送達するための溶液であって、前記溶液が、本質的に、少なくとも約0.1の分
    配係数を有する水混和性有機溶媒ビヒクルと治療有効濃度の活性薬剤溶質からな
    り、前記溶質が、前記溶媒ビヒクル中で効果的に安定かつバイオアベイラブルで
    ある、溶液。
  13. 【請求項13】 前記組織が混合性であり、正常成分と異常成分の両方を有
    する、請求項12に記載の溶液。
  14. 【請求項14】 前記溶媒および前記活性薬剤が、異常成分のみに作用する
    ような体積および濃度で存在する、請求項12に記載の溶液。
  15. 【請求項15】 前記溶媒および前記活性薬剤が、正常成分と異常成分の全
    成分に作用するような体積および濃度で存在する、請求項12に記載の溶液。
  16. 【請求項16】 前記溶液が、送達される溶液体積より大きな体積の組織に
    作用する、請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記水混和性有機溶媒ビヒクルがエタノールである、請求
    項12に記載の溶液。
  18. 【請求項18】 前記エタノールが無水エタノールである、請求項17に記
    載の溶液。
  19. 【請求項19】 前記溶液が画像化可能な識別特性を示す、請求項12に記
    載の溶液。
  20. 【請求項20】 前記活性薬剤が化学療法剤である、請求項12に記載の溶
    液。
  21. 【請求項21】 前記活性薬剤が生物療法剤である、請求項12に記載の溶
    液。
  22. 【請求項22】 前記活性薬剤が放射線治療剤である、請求項12に記載の
    溶液。
JP2000526242A 1997-12-31 1998-12-31 組織灌流方法 Pending JP2001527051A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7017597P 1997-12-31 1997-12-31
US60/070,175 1997-12-31
PCT/US1998/027926 WO1999033492A1 (en) 1997-12-31 1998-12-31 Method for tissue perfusion

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001527051A true JP2001527051A (ja) 2001-12-25

Family

ID=22093614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000526242A Pending JP2001527051A (ja) 1997-12-31 1998-12-31 組織灌流方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1042004A4 (ja)
JP (1) JP2001527051A (ja)
AU (1) AU746153B2 (ja)
CA (1) CA2315092A1 (ja)
WO (1) WO1999033492A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10111486A1 (de) * 2001-03-09 2002-10-02 Ralph R Dawirs Verwendung einer oder mehrerer neuroaktiver Substanzen zur Behandlung der Parkinsonschen Krankheit
US8294757B2 (en) 2007-06-26 2012-10-23 Agency For Science, Technology And Research Imaging chamber with window and micro-needle platform magnetically biased toward each other

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5851527A (en) * 1988-04-18 1998-12-22 Immunomedics, Inc. Method for antibody targeting of therapeutic agents
US5162115A (en) * 1989-05-09 1992-11-10 Pietronigro Dennis D Antineoplastic solution and method for treating neoplasms
US5051257A (en) * 1989-05-09 1991-09-24 Pietronigro Dennis D Antineoplastic solution and method for treating neoplasms

Also Published As

Publication number Publication date
CA2315092A1 (en) 1999-07-08
EP1042004A1 (en) 2000-10-11
WO1999033492A1 (en) 1999-07-08
WO1999033492A9 (en) 1999-09-30
EP1042004A4 (en) 2004-08-25
AU746153B2 (en) 2002-04-18
AU2024599A (en) 1999-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lonser et al. Successful and safe perfusion of the primate brainstem: in vivo magnetic resonance imaging of macromolecular distribution during infusion
Wang et al. Novel multi-drug delivery hydrogel using scar-homing liposomes improves spinal cord injury repair
Patel et al. Effect of injection site on in situ implant formation and drug release in vivo
RU2207845C2 (ru) Твердая лекарственная форма пролонгированного действия для парентерального введения и способ ее получения
Zhao et al. Experiment on the feasibility of using modified gelatin nanoparticles as insulin pulmonary administration system for diabetes therapy
EP1789029A2 (en) Methods and compositions for the treatment of cell proliferation
US20040023850A1 (en) Delivery of molecules and complexes to mammalian cells in vivo
US20200368352A1 (en) Polymeric perfluorocarbon nanoemulsions for ultrasonic drug uncaging
JP2018521755A (ja) 腫瘍への活性薬剤のより良い送達方法
Walsh et al. Ultrasonic particles: An approach for targeted gene delivery
CN108136217A (zh) 用于治疗膀胱癌的制剂
US20070254037A1 (en) Methods and Compositions for the Treatment of Cell Proliferation
Partridge et al. Advancements in drug delivery methods for the treatment of brain disease
Levy et al. Transrectal ultrasound-guided intraprostatic injection of absolute ethanol with and without carmustine: a feasibility study in the canine model
JP2001527051A (ja) 組織灌流方法
US6753005B1 (en) Method for tissue perfusion
Lee et al. A novel brainstem tumor model: guide screw technology with functional, radiological, and histopathological characterization
US20230116621A1 (en) Drug delivery carrier including plga and beta-cyclodextrin containing drug
US7608612B2 (en) Radiosensitizer formulations and methods for use
Zou et al. Targeting behavior of hepatic artery injected temperature sensitive liposomal adriamycin on tumor-bearing rats
JP4426288B2 (ja) 肝臓へのdnaのトランスフェクションの増強
JP2006501177A (ja) 遺伝子治療薬を送達する方法
US20190201326A1 (en) Drug delivery systems and targeted release of pharmaceutical agents with focused ultrasound
Wahlberg et al. Polymeric controlled-release amsacrine chemotherapy in an experimental glioma model
Iannotti et al. Synthesis and characterization of magnetically responsive albumin microspheres containing cis‐hydroxyproline for scar inhibition