JP2001526915A - V196dna及びポリペプチド - Google Patents

V196dna及びポリペプチド

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Abstract

(57)【要約】 V196ポリペプチドをコードするDNA及びコードされた該ポリペプチドを使用する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の相互参照 本出願は、1997年12月24日出願の米国特許仮出願No.60/068,724の利益を主張 するものであり、前記出願は引用により本明細書の一部とする。
【0002】発明の分野 本発明は、精製され単離されたV196ポリペプチド、前記ポリペプチドをコード
する核酸、前記ポリペプチドの組換え体を製造方法、前記ポリペプチドに対する
抗体、前記ポリペプチドに由来する断片化ペプチド、前記ポリペプチド及び断片
化ペプチドの分子量マーカーとしての使用、前記ポリペプチド及び断片化ペプチ
ドのペプチド断片化のコントロールとしての使用、及びそのような試薬を含むキ
ットに関するものである。
【0003】発明の背景 タンパク質の発見及び同定は、現代分子生物学及び生化学の最先端にある。サ
ンプルのタンパク質の一次構造、又は配列の同定は、困難な実験方法の頂点にあ
る。未知のサンプルタンパク質を同定するために、当業者に公知の様々な技術を
用いて、未知のサンプルタンパク質と既知のペプチドとの比較を利用することが
できる。タンパク質は例えば、電気泳動法、遠心沈降法、クロマトグラフィー、
及び質量分析法のような技術を用いて日常的に分析される。
【0004】 未知のタンパク質サンプルと、分子量が既知のポリペプチドとの比較により、
未知のタンパク質サンプルの見かけの分子量を決定することができる (T.D. Bro
ck及びM.T. Madigan, Biology of Microorganisms 76-77 (Prentice Hall, 6d e
d. 1991))。タンパク質の分子量標準は、未知のタンパク質サンプルの分子量を 推定する際の助けとして市販されているものを利用することができる(New Engla
nd Biolabs Inc. Catalog:130-131, 1995; J.L. Hartley, 米国特許第5,449,758
号)。しかし、分子量標準は、見かけの分子量の正確な推定を可能とするために 十分に未知のサンプルタンパク質に近いサイズではないことがある。
【0005】 化学的又は酵素的手段によって断片化されやすいタンパク質の場合、分子量の
推定の困難さが更に増す(A.L. Lehninger, Biochemistry 106-108 (Worth Books
, 2d ed: 1981))。化学的断片化は、タンパク質を、例えば臭化シアンのような 、メチオニン残基のカルボキシル側のペプチド結合を切断する化学物質と共にイ
ンキュベートすることによって達成することができる(E. Gross. Methods in En
z. 11:238-255, 1967)。タンパク質の酵素を用いた断片化は、複数のアミノ酸残
基を切断するプロテアーゼと共にタンパク質をインキュベートすることにより達
成される(D.W. Cleavelandら、J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。タンパ ク質の酵素を用いた断片化は、タンパク質を、例えばアクロモバクター(Achromo
bacter)プロテアーゼI(F. Sakiyama及びA. Nakata, 米国特許第5,248,599号; T.
Masakiら, Biochem. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら, Biochem.
Biophys. Acta 660:51-55, 1981)のような、リシン残基のカルボキシル側のペ プチド結合を切断するプロテアーゼと共にインキュベートすることによっても達
成することができる。断片化ペプチドの分子量は広い範囲にわたり、かつペプチ
ドは非常に多数存在し得る。断片化の程度を変えることもまた可能である(D. W.
Cleavelandら, J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。
【0006】 特定のアミノ酸成分に関するタンパク質組成のユニークな性質により、そのタ
ンパク質内の切断部位のユニークな位置づけが得られる。化学的又は酵素的切断
によるタンパク質の特異的な断片化の結果、ユニークな「ペプチドフィンガープ
リント」が生ずる(D. W. Cleavelandら, J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977;
M. Brownら, J. Gen. Virol. 50:309-316, 1980)。その結果、特定部位での切 断によって、所定のタンパク質が正確な分子量のペプチドに再現可能な形で断片
化されることになる。さらに、これらのペプチドはそのペプチドの等電点pHを決
定するユニークな荷電特性を有する。これらのユニークな特性は、様々な電気泳
動技術及び他の技術を用いて利用することができる(T.D. Brock及びM.T. Madiga
n, Biology of Microorganisms 76-77 (Prentice Hall, 6d ed. 1991))。
【0007】 未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られる場合、これを既知
のタンパク質のデータベースと比較して、その未知のタンパク質を同定するため
の助けとすることができる(W.J. Henzelら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:50
11-5015, 1993; B. Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:588-599, 1996)。そ のような比較を促進するために、当業者はインターネットを介して様々なコンピ
ュータソフトウェアプログラム、例えばMultIdent(インターネットサイト: www.
expasy.ch/sprot/multiident.html)、PeptideSearch(インターネットサイト: ww
w.mann.embl-heiedelberg.de…deSearch/FR_PeptideSearchForm. html)、及びPr
oFound(インターネットサイト: www.chait-sgi.rockefeller.edu/cgi-bin/prot-
id-frag.html)にアクセスすることができる。これらのプログラムによって、ユ ーザは開裂剤を特定し、かつ指定された許容誤差の範囲内での断片化ペプチドの
分子量を特定することが可能となる。前記プログラムは、これらの分子量とタン
パク質データベースとを比較して、サンプルタンパク質の正体を解明する助けと
なる。断片化ペプチドの数及びこれらのペプチドの正確な分子量に関する正確な
情報が正確な同定にとって必要である。従って、断片化ペプチドの数及びそれら
のペプチドの正確な分子量を決定する際の精度を高めることにより、未知のタン
パク質の同定が成功する可能性が高くなるだろう。
【0008】 タンパク質の断片化はさらに、アミノ酸組成分析及びタンパク質配列決定のた
めの断片の製造のため(P. Matsudiara, J. Biol. Chem. 262:10035-10038, 1987
; C. Eckerskornら, Electrophoresis 1988, 9:830-838, 1988)、特に「ブロッ クされた」N末端を有するタンパク質からの断片の製造のためにも利用される。 加えて、タンパク質の断片化は、質量分析(W.J. Henzelら, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 90:5011-5015, 1993; B. Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:588-5
99, 1996)、免疫化、アフィニティ選択(R. A. Brown, 米国特許第5,151,412号) 、修飾部位(例えばリン酸化)の決定、生理活性物質の生成(T.D. Brock及びM.T.
Madigan, Biology of Microorganisms 300-301 (Prentice Hall, 6d ed. 1991))
、及び相同タンパク質の区別(M. Brownら, J. Gen. Virol. 50:309-316, 1980) のためのペプチドの調製においても用いることができる。
【0009】 タンパク質研究の継続的な関心、及びタンパク質の構造及び特性の解明の観点
から、当分野には、ペプチド断片化の研究及び分子量の測定において利用するの
に適したポリペプチドの必要性が存在する。
【0010】発明の概要 本発明は、当分野におけるこの必要性を満たす助けとなるものである。本発明
は、配列番号1のDNA配列を含む単離された核酸分子及び配列番号2のアミノ酸配 列をコードする単離された核酸分子を包含する。また本発明は、これらの配列に
相補的な核酸分子を包含する。そのようなものとして、本発明は、配列番号1のD
NA配列を含む二本鎖核酸分子、及び配列番号2のアミノ酸配列をコードする単離 された核酸分子を包含する。一本鎖及び二本鎖のRNA及びDNA V196核酸分子の両 方が本発明に包含される。これらの分子を用いて、本発明に包含されるV196の一
本鎖及び二本鎖RNA及びDNA変異体の両方を検出することができる。二本鎖DNAプ ローブによって、その核酸分子のいずれかの鎖に同等な核酸分子の検出が可能と
なる。配列番号1のDNA配列を含む変性した二本鎖DNA、又は配列番号2のアミノ酸
配列をコードする単離された核酸分子に、60℃、0.5XSSC、0.1%SDSの洗浄条件を
用いた、42℃、50%ホルムアミド及び6XSSC中の中程度のストリンジェンシー条件
下でハイブリダイズする単離された核酸分子が本発明に包含される。
【0011】 さらに本発明は、in vitro突然変異誘発によって配列番号1から誘導された単 離された核酸分子を包含する。in vitro突然変異誘発には、以下に限定するもの
ではないが、部位特異的突然変異誘発、ランダム突然変異誘発、in vitro核酸合
成等の当分野で公知の様々な技術がある。また本発明は、配列番号1から遺伝暗 号の縮重の結果として生じた単離された核酸分子、ヒトV196 DNAの対立遺伝子変
異体であるか、またはV196 DNAの種相同体である単離された核酸分子を包含する
。また本発明は、これらの核酸分子の発現を指令する組換えベクター、及びそれ
らのベクターで形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞を包含する。
【0012】 また本発明は、これらの核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチ
ド、例えばSDS-PAGEで測定して分子量が約20kDである単離されたポリペプチド、
及びグリコシル化されていない形の単離されたポリペプチドを包含する。これら
のポリペプチドに結合する単離されたポリクローナル抗体又はモノクローナル抗
体が本発明に包含される。さらに本発明は、発現を促進する条件の下で宿主細胞
を培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV196ポリペプチドの製造
方法を包含する。特に、細菌、酵母、植物及び動物の細胞におけるV196ポリペプ
チドの発現が本発明に包含される。
【0013】 加えて、V196ポリペプチド対向構造(counter-structure)分子に関連する活性 を有する可能性のあるインヒビターをスクリーニングするためのV196ポリペプチ
ドを利用するアッセイ、及びV196ポリペプチド対向構造分子によって媒介される
疾病を処置するための治療薬としてV196ポリペプチドを用いる方法が本発明に包
含される。さらに、V196ポリペプチドをそれらのインヒビターを設計する際に用
いる方法も本発明の1つの形態である。
【0014】 さらに本発明は、化学的又は酵素的処理によってV196ポリペプチドから製造さ
れた断片化ペプチドを包含する。加えて、化学的又は酵素的手段による断片化の
ために必要な部位の少なくとも1つの部位を変異させたV196ポリペプチド分子量 マーカー及びそれらの断片化ペプチドの形態は本発明の1つの形態である。
【0015】 また本発明は、電気泳動を用いたV196ポリペプチド分子量マーカー及びその断
片化ペプチドの可視化方法を包含する。さらに本発明は、タンパク質又は断片化
タンパク質サンプルの分子量の推定を可能にする分子量マーカーとしてV196ポリ
ペプチド分子量マーカー及びそれらの断片化ペプチドを使用する方法を包含する
。さらに本発明は、V196ポリペプチド及びそれらの断片化ペプチドをマーカーと
して使用する方法を包含し、これはサンプルタンパク質の等電点を決定するのに
有用である。また本発明は、V196ポリペプチド及びそれらの断片化ペプチドを、
タンパク質サンプルの断片化の程度を決定するためのコントロールとして使用す
る方法を包含する。
【0016】 さらに本発明に包含されるものとして、V196ポリペプチド分子量マーカー及び
それらの断片化ペプチド、及び化学的又は酵素的手段による断片化のために必要
な部位の少なくとも1つの部位を変異させたV196ポリペプチド分子量マーカーの 形態を用いたサンプルタンパク質の分子量の決定に有用なキットがある。
【0017】発明の詳細な説明 ヒトV196ポリペプチドをコードするcDNAが単離され、配列番号1に示される。
【0018】 V196 DNAのヌクレオチド配列は、 (配列番号1)である。
【0019】 V196ポリペプチドのアミノ酸配列は、 (配列番号2)である。
【0020】 このヒトV196ポリペプチドをコードするcDNAの発見は、V196ポリペプチドをコ
ードする核酸配列を含む発現ベクター、前記発現ベクターでトランスフェクト又
は形質転換した宿主細胞、単離され精製されたタンパク質としての生物学的に活
性なヒトV196ポリペプチド及びV196分子量マーカー、及びV196ポリペプチドと免
疫反応性の抗体の作製を可能とするものである。
【0021】 V196 DNAに類似のヌクレオチド配列は、もともとはTIGR-HGIデータベースにお
いて見出されたものである。しかし、V196 DNAのヌクレオチド配列は、ESTクロ ーンの配列決定によって生成したもので、TIGR-HGIヌクレオチド配列と同一では
ない。V196は、Genbankデータベース中の他のいずれの配列とも強い関連性はな いことが判明し、従ってユニークなDNA及びタンパク質配列である。V196 DNAは 、ヒト染色体17q21のBrcaI遺伝子の近くに位置する。
【0022】 V196ポリペプチドは、短い細胞質内尾部を有するI型の単回膜貫通タンパク質 であり、おそらく増殖因子である。V196ポリペプチドは、42個のアミノ酸からな
るリーダー配列(配列番号2のアミノ酸1-42)、1個の潜在的N-結合グリコシル化部
位を含む102個のアミノ酸からなる細胞外ドメイン(配列番号2のアミノ酸43-144)
、20個のアミノ酸からなる膜貫通ドメイン(配列番号2のアミノ酸145-164)、及び
11個のアミノ酸からなる細胞質ドメイン(配列番号2のアミノ酸165-175)を有する
。V196 ポリペプチドは、最近、RAMP2タンパク質として同定された(McLatchieら
, Nature 393:333, 1998)。
【0023】 V196 RNAは約1.0kbのmRNAとして発現され、ノーザンブロットにより様々な組 織において検出された。mRNA発現は、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓
、膵臓、リンパ節、胸腺、骨髄、および胎児肝臓において検出された。PBLにお いて検出されたV196 mRNAの発現は弱いか全くないかであった。
【0024】 本発明のある実施形態においては、組換えV196ポリペプチドの発現は、V196ポ
リペプチドの精製の助けとなる別のポリペプチドをコードする配列とV196ポリペ
プチドをコードする配列との融合を利用して達成できる。そのような融合の例と
しては、V196ポリペプチドをコードする配列と、New England Biolabs, Inc.のp
MAL-c2ベクターのmalE遺伝子の産物をコードする配列との融合がある。かかる融
合によって、融合タンパク質をアフィニティ精製し、かつ精製の後にV196ポリペ
プチドから融合タンパク質のマルトース結合タンパク質部分を分離することが可
能である。当然ながら、V196ポリペプチドの発現及び精製のために多くの異なる
ベクターや技術を用いることができ、この実施形態が本発明の範囲を限定するも
のではないことは理解されよう。
【0025】 V196ポリペプチドをコードするDNAのpMAL-c2ベクターへの挿入は、公知の分子
生物学的技術を用いて様々な方法で達成できる。好ましい挿入物の構築は、V196
ポリペプチドのカルボキシ末端コドンに隣接する終止コドンを使用する。さらに
、好ましい挿入物の構築は、V196ポリペプチドのアミノ末端を、pMAL-c2ベクタ ー中のXa因子切断部位のカルボキシ末端に直接融合したものをもたらす。DNA断 片は、鋳型DNAとしてV196 DNAを用い、2種のオリゴヌクレオチドプライマーを使
用するPCRによって生成することができる。オリゴヌクレオチドプライマーの使 用は、慣用の手段により単離することができるDNAの平滑末端化した断片を生成 する。このPCR産物は、慣用の手段を用いて、(制限エンドヌクレアーゼXmn Iで 消化した)pMAL-p2に連結することができる。陽性のクローンは慣用の手段で同定
しうる。融合タンパク質の発現の誘導及び精製は、製品の使用説明書に従って行
う。この構築物により、製品の使用説明書に従って簡単なプロテアーゼ処理を用
いて、融合したマルトース結合タンパク質からV196ポリペプチドを正確に分離す
ることが容易に行える。このようにして、精製されたV196ポリペプチドを得るこ
とができる。さらに、そのように構築されたベクターを公知の分子生物学的技術
を用いて容易に改変し、別の融合タンパク質を生成することができる。
【0026】 本発明の別の好ましい実施形態は、ゲル電気泳動法によりサンプルタンパク質
の見かけの分子量を推定するための、V196ポリペプチドの分子量マーカーとして
の使用である。本発明の単離され精製されたV196ポリペプチド分子量マーカーは
グリコシル化されていない状態で約19,595ダルトンの分子量を有する。ドデシル
硫酸ナトリウムと6-20%濃度のアクリルアミドとを含むゲルの2本の別個のレーン
において、慣用の手段(U. K. Laemmli, Nature 227: 680-685, 1970)により変性
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行うことにより、サンプルタンパク質と一緒
にV196ポリペプチドを分離することができる。ゲル上のタンパク質は慣用の染色
方法を用いて可視化することができる。V196ポリペプチド分子量マーカーを、サ
ンプルタンパク質の見かけの分子量の推定において分子量マーカーとして用いる
ことができる。V196のユニークなアミノ酸配列(配列番号2)は、約19,595ダルト ンの分子量を特定する。従って、V196ポリペプチド分子量マーカーは、19,595ダ
ルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の見かけの分子量の推
定用の分子量マーカーとして特に役立つ。このポリペプチド分子量マーカーを用
いると、19,595ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の見
かけの分子量の決定の精度が向上する。当然ながら、V196ポリペプチドを用いて
サンプルタンパク質の分子量の決定を行うために多くの異なる技術を用いること
ができ、この実施形態が本発明の範囲を限定するものではないことは理解されよ
う。
【0027】 本発明の別の好ましい実施形態は、V196ポリペプチドの化学的断片化により生
成されたV196断片化ペプチド分子量マーカーの、ゲル電気泳動法によりサンプル
タンパク質の見かけの分子量を推定するための分子量マーカーとしての使用であ
る。単離され精製されたV196ポリペプチドは、V196ポリペプチド内のメチオニン
残基のカルボキシル側での特異的な加水分解によってV196ポリペプチド分子量マ
ーカーの断片化をもたらす慣用の条件下で臭化シアンにより処理することができ
る(E. Gross, Methods in Enz. 11: 238-255, 1967)。V196ポリペプチドのユニ ークなアミノ酸配列のために、臭化シアンによるV196分子量マーカーの断片化に
よりユニークなV196断片化ペプチド分子量マーカーのセットが生成される。メチ
オニン残基の分布により各ペプチド中のアミノ酸の数が決まり、各ペプチドのユ
ニークなアミノ酸組成によりその分子量が決まる。
【0028】 V196ポリペプチドの臭化シアン処理により生成されたユニークなV196断片化ペ
プチド分子量マーカーのセットは、少なくとも10個のアミノ酸からなるサイズを
有する4種の断片化ペプチドを含む。配列番号2のアミノ酸2-76によってコードさ
れたペプチドは、約8,115ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸77-8
8によってコードされたペプチドは、約1,507ダルトンの分子量を有する。配列番
号2のアミノ酸89-149によってコードされたペプチドは、約6,999ダルトンの分子
量を有する。配列番号2のアミノ酸150-175によってコードされたペプチドは、約
2,895ダルトンの分子量を有する。
【0029】 従って、臭化シアンによる化学的処理でV196ポリペプチドを切断すると、V196
断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセットが生成される。これらのV196
断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列により、これらの断片化ペプチ
ド分子量マーカーの分子量を決定することができる。この特定の場合では、V196
断片化ペプチド分子量マーカーが、約8,115ダルトン、約1,507ダルトン、約6,99
9ダルトン及び約2,895ダルトンの分子量を有する。
【0030】 ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%濃度のアクリルアミドとを含むゲルの2本の 別個のレーンでの、慣用の手段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、サンプルタンパク質と一緒にV196断片化ペプチド分子量マーカーを分離する
ことができる。ゲル上のタンパク質は、慣用の染色方法を用いて可視化すること
ができる。サンプルタンパク質の見かけの分子量を推定する際に、分子量マーカ
ーとしてV196断片化ペプチド分子量マーカーを用いることができる。V196のユニ
ークなアミノ酸配列は、V196断片化ペプチド分子量マーカーの約8,115ダルトン 、約1,507ダルトン、約6,999ダルトン及び約2,895ダルトンの分子量を特定する 。従って、V196断片化ペプチド分子量マーカーは、8,115ダルトン、1,507ダルト
ン、6,999ダルトンまたは2,895ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプル
タンパク質の見かけの分子量の推定用の分子量マーカーとして特に役立つ。従っ
て、これらの断片化ペプチド分子量マーカーを用いると、8,115ダルトン、1,507
ダルトン、6,999ダルトンまたは2,895ダルトンに近い見かけの分子量を有するサ
ンプルタンパク質の見かけの分子量の決定の精度が向上する。
【0031】 さらに別の実施形態においては、サンプルタンパク質とV196ポリペプチドを同
時に、しかし別々に、サンプルタンパク質及びV196ポリペプチド内のメチオニン
残基のカルボキシル側での特異的な加水分解によってサンプルタンパク質及びV1
96ポリペプチド分子量マーカーの断片化をもたらす慣用の条件の下で臭化シアン
により処理することができる。上述のように、V196ポリペプチドを臭化シアンで
切断することにより生成されるV196断片化ペプチド分子量マーカーは、約8,115 ダルトン、1,507ダルトン、6,999ダルトンまたは2,895ダルトンの分子量を有す る。
【0032】 ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%濃度のアクリルアミドとを含むゲルの2本の 別個のレーンでの、慣用の手段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、V196ポリペプチド及びサンプルタンパク質の両方に由来する断片化ペプチド
を分離することができる。ゲル上の断片化ペプチドは、慣用の染色方法を用いて
可視化することができる。サンプルタンパク質由来の断片化タンパク質の見かけ
の分子量を推定する際に、分子量マーカーとしてV196断片化ペプチド分子量マー
カーを用いることができる。上述のように、V196断片化ペプチド分子量マーカー
は、8,115ダルトン、1,507ダルトン、6,999ダルトンまたは2,895ダルトンに近い
見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の推定用の分子量マー
カーとして特に役立つ。従って、これらのV196断片化ペプチド分子量マーカーを
用いると、8,115ダルトン、1,507ダルトン、6,999ダルトンまたは2,895ダルトン
に近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の決定の精度が
向上する。さらに、V196ポリペプチドの断片化の程度は、サンプルタンパク質の
完全な断片化について予測される条件を決定するためのコントロールとして用い
られる。当然ながら、V196ポリペプチドを断片化するために多くの化学物質を用
いることができ、この実施形態が本発明の範囲を限定するものではないことは理
解されよう。
【0033】 別の実施形態においては、V196断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセ
ットを、特定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断する酵素を用いることによっ
てV196ポリペプチドから生成することができる。V196ポリペプチドのアミノ酸配
列のユニークな性質のため、異なるアミノ酸残基での切断によって、断片化ペプ
チド分子量マーカーの異なるセットが生成されることになる。
【0034】 単離され精製されたV196ポリペプチドは、V196ポリペプチド内のリシン残基の
カルボキシル側での特異的な加水分解によってV196ポリペプチドの断片化をもた
らす慣用の条件下でアクロモバクタープロテアーゼIにより処理することができ る(T. Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら, Bio
chim. Biophys. Acta 660:51-55, 1981)。V196ポリペプチドのユニークなアミノ
酸配列のために、アクロモバクタープロテアーゼIによるV196ポリペプチド分子 量マーカーの断片化は、V196分子量マーカーのユニークなセットを生成する。リ
シン残基の分布により各ペプチド中のアミノ酸の数が決まり、各ペプチドのユニ
ークなアミノ酸組成によりその分子量が決まる。
【0035】 V196ポリペプチドをアクロモバクタープロテアーゼIで処理することにより生 成されたユニークなV196断片化ペプチド分子量マーカーのセットは、少なくとも
10個のアミノ酸からなるサイズを有する3種の断片化ペプチドを含む。このよう なV196ポリペプチドの酵素処理による3種の断片化ペプチドの生成は、V196ポリ ペプチドの臭化シアン処理による4種の断片化ペプチドの場合と比較すると、断 片化ペプチド分子量マーカーのサイズ及び数の両方がV196ポリペプチドの断片化
に用いた断片化処理によって変化することを明らかに示している。これらの断片
のサイズ及び数はいずれも、V196ポリペプチドのアミノ酸配列によって指令され
る。
【0036】 配列番号2のアミノ酸1-30によってコードされたペプチドは、約6,088ダルトン
の分子量を有する。配列番号2のアミノ酸60-73によってコードされたペプチドは
、約1,801ダルトンの分子量を有する。
【0037】 従って、アクロモバクタープロテアーゼIによる酵素処理でV196ポリペプチド を切断すると、V196断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセットが生成さ
れる。これらの断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列により、これら
のV196断片化ペプチド分子量マーカーの分子量を決定することができる。この特
定の場合では、これらのV196断片化ペプチド分子量マーカーは、約6,088ダルト ン、約1,801ダルトン及び約10,183ダルトンの分子量を有する。
【0038】 前述の場合と同様に、ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%濃度のアクリルアミド
とを含むゲルの2本の別個のレーンでの、慣用の手段による変性ポリアクリルア ミドゲル電気泳動により、サンプルタンパク質と一緒にV196断片化ペプチド分子
量マーカーを分離することができる。ゲル上のタンパク質は、慣用の染色方法を
用いて可視化することができる。サンプルタンパク質の見かけの分子量を推定す
る際に、分子量マーカーとしてV196断片化ペプチド分子量マーカーを用いること
ができる。上記のV196断片化ペプチド分子量マーカーは、6,088ダルトン、1,801
ダルトンまたは10,183ダルトンに近い見かけの分子量を有するタンパク質の見か
けの分子量の推定用の分子量マーカーとして特に役立つ。これらの断片化ペプチ
ド分子量マーカーを用いると、6,088ダルトン、1,801ダルトンまたは10,183ダル
トンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の見かけの分子量の決定
の精度が向上する。
【0039】 さらに別の実施形態においては、サンプルタンパク質とV196ポリペプチドを、
同時に、しかし別々にサンプルタンパク質及びV196ポリペプチド内のリシン残基
のカルボキシル側での特異的な加水分解によってサンプルタンパク質及びV196ポ
リペプチドの断片化をもたらす慣用の条件下でアクロモバクタープロテアーゼI により処理することができる。ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%濃度のアクリル
アミドとを含むゲルの2本の別個のレーンでの、慣用の手段による変性ポリアク リルアミドゲル電気泳動により、サンプルタンパク質に由来する断片化ペプチド
及びV196断片化ペプチド分子量マーカーを分離することができる。ゲル上の断片
化ペプチドは、慣用の染色方法を用いて可視化することができる。サンプルタン
パク質の見かけの分子量を推定する際に、分子量マーカーとしてV196断片化ペプ
チド分子量マーカーを用いることができる。V196断片化ペプチド分子量マーカー
は、6,088ダルトン、1,801ダルトンまたは10,183ダルトンに近い見かけの分子量
を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の推定用の分子量マーカーとして特に
役立つ。これらのV196断片化ペプチド分子量マーカーを用いると、6,088ダルト ン、1,801ダルトンまたは10,183ダルトンに近い見かけの分子量を有する断片化 ペプチドの見かけの分子量の推定における精度が向上する。さらに、V196ポリペ
プチドの断片化の程度は、サンプルタンパク質の完全な断片化について予測され
る条件を決定するためのコントロールとして用いられる。当然ながら、V196ポリ
ペプチドを断片化するために多くの酵素を用いることができ、この実施形態が本
発明の範囲を限定するものではないことは理解されよう。
【0040】 別の態様においては、V196ポリペプチドに対するモノクローナル及びポリクロ
ーナル抗体を生成することができる。Balb/cマウスに、RIBIアジュバント(RIBI
Corp., Hamilton, Montana)の存在下で、10μgの単離され精製されたV196ポリペ
プチド又はV196ポリペプチドのアミノ酸配列に基づくペプチドを、3週間間隔で2
回、腹腔内注射することができる。次にマウスの血清を慣用のドットブロット技
術又は抗体捕捉(ABC)によってアッセイし、融合に最も適した動物が何れである かを決定する。3週間後に、滅菌PBSに懸濁したV196ポリペプチド又はペプチドの
3μgを、静脈内に追加免疫する。3日後にマウスを屠殺し、確立されたプロトコ ルに従って脾細胞をAg8.653ミエローマ細胞(ATCC)と融合する。概要を説明する と、Ag8.653細胞を無血清培地で数回洗浄し、脾細胞3に対してミエローマ細胞1 の比でマウス脾細胞に融合する。融合剤は、50% PEG: 10% DMSO (Sigma)である 。融合物を、HAT補充DMEM培養液を含む20枚の96穴平底プレート(Corning)にプレ
ーティングし、8日間増殖させる。得られたハイブリドーマから上清を回収し、 初めにヤギ抗マウスIgをコーティングした96穴プレートに加えて60分間置く。洗
浄の後、125I-V196ポリペプチド又はペプチドを各ウェルに加え、室温で60分間 インキュベートし、4回洗浄する。次いで、Kodak X-Omat Sフィルムを用いた-70
℃でのオートラジオグラフィーにより、陽性のウェルを検出することができる。
陽性のクローンは大量培養において増殖させることができ、次に上清をProtein
Aカラム(Pharmacia)を通して精製する。当然ながら、V196ポリペプチド及びそれ
らの断片化ペプチドに対する抗体を生成するために多くの技術を用いることがで
き、この態様が本発明の範囲を限定するものではないことは理解されよう。
【0041】 別の態様においては、V196及びその断片化ペプチドに対して産生された抗体を
、V196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーと組合せて用いることに
より、サンプルタンパク質の見かけの分子量及び等電点を決定するためにこれら
の分子量マーカーを用いる場合の精度を高めることができる。V196ポリペプチド
又は又は断片化ペプチド分子量マーカーは、モル過剰量のサンプルタンパク質と
混合することができ、その混合物は慣用の手段により二次元電気泳動法で分離す
ることができる。ポリペプチドは、例えばニトロセルロースのような適切なタン
パク質結合メンブランに慣用の手段によって移すことができる。
【0042】 メンブラン上のポリペプチドは、サンプルタンパク質と分子量マーカーとの間
の区別を可能にする2種類の異なる方法を用いて可視化することができる。これ らのマーカーに対して産生された抗体及び慣用の免疫ブロット技術を用いて、V1
96ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーを可視化することができる。
この検出は、サンプルタンパク質を検出することにならないような慣用の条件下
で行う。小さいペプチドは免疫原性エピトープを有していないことがあるため、
全てのV196ポリペプチド断片に対して抗体を生成することができないことがある
ことは理解されよう。さらに、このアッセイでは全ての抗体が機能するわけでは
ないが、V196ポリペプチド又は断片に結合し得る抗体は慣用の技術を用いて容易
に決定できることが理解されよう。
【0043】 このサンプルタンパク質は慣用の染色法を用いて可視化する。慣用の染色法で
前記サンプルタンパク質が主として検出されるように、V196ポリペプチド又は断
片化ペプチド分子量マーカーに対してモル過剰量のサンプルタンパク質が用いら
れる。V196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーのレベルは、例えば
慣用の染色法によってこれらのマーカーは殆ど又は全く検出されないようにでき
るようなレベルである。V196ポリペプチド分子量マーカーに対するサンプルタン
パク質の好ましいモル過剰量は、2〜100,000倍の範囲である。より好ましくは、
V196ポリペプチド分子量マーカーに対するサンプルタンパク質の好ましいモル過
剰量は、10〜10,000倍の範囲、特に100〜1,000倍の範囲である。
【0044】 V196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーを、サンプルタンパク質
の見かけの分子量及び等電点の推定において、分子量及び等電点マーカーとして
用いることができる。V196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーは、
V196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーの見かけの分子量及び等電
点に近い見かけの分子量及び等電点を有するサンプルタンパク質の見かけの分子
量及び等電点の推定用の分子量及び等電点マーカーとして特に役立つ。同一条件
の下でV196ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカー及びサンプルタンパ
ク質を同時に分離する能力によって、サンプルタンパク質の見かけの分子量及び
等電点の決定の精度を高めることができる。このことは、例えば二次元電気泳動
法のような、マーカーがいずれもサンプルタンパク質と同時に分離されなければ
ならないという性質をもつ技術において、特に有用である。
【0045】 別の態様においては、サンプルタンパク質の切断剤による処理によって得られ
た断片化ペプチドの見かけの分子量及び等電点の推定において、V196ポリペプチ
ド又は断片化ペプチド分子量マーカーを、分子量及び等電点マーカーとして用い
ることができる。当然ながら、V196ポリペプチド分子量マーカー及びそのペプチ
ド断片を用いてサンプルタンパク質及び断片化ペプチドの分子量及び等電点の決
定を行うために多くの異なる技術を用いることができ、この態様が本発明の範囲
を限定するものではないことは理解されよう。
【0046】 本発明に包含されるV196ポリペプチド分子量マーカーは、それらが発現される
宿主細胞に応じて分子量が変化し得る。様々な細胞の種類でのV196ポリペプチド
分子量マーカー及びそのペプチド断片のグリコシル化により、修飾の程度に応じ
た、それらのマーカーの分子量の変化が生じ得る。V196ポリペプチド分子量マー
カーのサイズは、前記ポリペプチドの細胞外の部分に由来するV196ポリペプチド
の断片において最も不均質となり得る。一貫性のある分子量マーカーは、膜貫通
領域及び細胞質内領域にその全体が由来するポリペプチドを用いるか、N-グリカ
ナーゼで前処理することにより糖鎖結合を取り除くか、又は細菌の宿主で前記ポ
リペプチドを発現させることによって得ることができる。
【0047】 V196とその対向構造物との相互作用により、V196とV196対向構造物との会合を
妨げ、かつV196又はその対向構造物の活性を阻害する小分子をスクリーニングす
ることができる。例えば、SUNYで開発された酵母2ハイブリッドシステム(Fields
らに付与された米国特許第5,283,173号に記載されている)を用いて、以下のよう
にV196のインヒビターをスクリーニングすることができる。V196及びその対向構
造物、またはそれらの相互作用の原因となるそれらの部分を、Gal4 DNA結合ドメ
イン及びGal 4転写活性化ドメインにそれぞれ融合し、ヒスチジンを欠くプレー ト上での増殖についてGal4の活性に依存する菌株に導入することができる。IL-1
インヒビターを同定するために、増殖を妨げる化合物をスクリーニングすること
ができる。あるいは、V196とV196対向構造物との相互作用が増殖を阻害し、その
相互作用の阻害によって増殖を生じさせることができるようにスクリーニングを
改変することができる。V196の阻害をスクリーニングする別のin vitroの方法は
、化合物の一方(V196かその対向構造物の何れか)をマイクロタイタープレートの
ウェルに固定し、かつもう一方の化合物に容易に検出される指示薬を結合する方
法である。その相互作用のインヒビターは、検出可能な指示薬が存在しないこと
によってウェルから同定する。
【0048】 さらに本発明のV196ポリペプチドは、V196インヒビターの構造をベースにした
設計のために有用である。そのような設計は、そのようなV196ポリペプチドの三
次元構造を決定する過程と、その三次元構造を基質の結合する可能性のある部位
について分析する過程と、推定上の反応性部位を有する分子を合成する過程と、
その分子の阻害活性を測定する過程とを含む。
【0049】 これにより、V196ポリペプチドに免疫反応性の抗体、特にV196ポリペプチドに
対するモノクローナル抗体が本発明により利用可能となる。そのような抗体は、
in vivoでのV196ポリペプチド活性の阻害、及びサンプル中のV196ポリペプチド の存在の検出のために有用であり得る。
【0050】 本明細書において、用語「V196ポリペプチド」は、配列番号2のアミノ酸配列1
-175を有するタンパク質、及びそのようなアミノ酸配列と高度な類似性(少なく とも90%の同一性)を有するタンパク質で生物学的に活性なものを包含するポリペ
プチドの属である。加えて、V196ポリペプチドは、配列番号1のヌクレオチド1-5
28の遺伝子産物である。
【0051】 本発明の単離され精製されたV196ポリペプチドは、グリコシル化されていない
場合、約19,595ダルトンの分子量を有する。V196ポリペプチドのアミノ末端及び
カルボキシ末端の両方に追加のペプチド配列を融合することにより、V196ポリペ
プチドの分子量を変化させ得ることは理解されよう。V196ポリペプチドのアミノ
末端及びカルボキシ末端への追加のペプチド配列の融合は、V196ポリペプチドの
発現を増加させるため、又は前記タンパク質の精製の助けとするために用いるこ
とができる。
【0052】 V196ポリペプチドのアミノ末端及びカルボキシ末端への追加のペプチド配列の
融合によって、酵素又は化学的処理によって生成されたV196ポリペプチドの断片
化ペプチドの、通常は全てではなく一部が変化するということが理解されよう。
【0053】 また、分子生物学上の日常的な公知の技術を用いてV196ポリペプチドに突然変
異を導入することができるということが理解されよう。さらに、特異的な酵素に
よってタンパク質分解により切断される部位、又は化学的に誘発される特異的な
断片化方法によって切断される部位を取り除くように突然変異を設計することが
できることが理解されよう。また、そのような部位の除去によって、特異的な酵
素又は化学的方法で断片化するときにV196ポリペプチドのペプチドフィンガープ
リントが変化するということも理解されよう。
【0054】 本明細書において使用する用語「単離され精製された」は、V196ポリペプチド
分子量マーカー又はその断片が、例えば組換え宿主細胞培養物の精製産物として
、又は非組換え体起源の精製産物として、他のタンパク質又はポリペプチドと実
質的に会合していない状態にあることを意味する。本明細書において使用する用
語「実質的に精製された」は、V196ポリペプチド分子量マーカー又はその断片を
含み、特異的な抗体を用いて除去できる既知のタンパク質の存在を除いて他のタ
ンパク質又はポリペプチドと実質的に会合していない混合物をいい、実質的に精
製されたV196ポリペプチド又はその断片は分子量マーカーとして用いることがで
きる。用語「精製された」は、いずれも本明細書に記載したような、「単離され
精製された」形態のV196ポリペプチド、又は「実質的に精製された」形態のV196
ポリペプチドのいずれかである。
【0055】 「ヌクレオチド配列」は、実質的に精製された形態に少なくとも一旦単離され
た(即ち内在性の物質で汚染されていない)DNA又はRNAに由来する、独立した断片
の形態又はより大きい核酸構築物の成分として、標準的な生化学的方法(例えば 、その概略がSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed.,
Cold Spring harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)に記載され ているような方法)によってその成分ヌクレオチド配列の同定、操作、及び回収 が可能となる量または濃度のポリヌクレオチド分子である。そのような配列は、
通常真核生物の遺伝子に存在する内部非翻訳配列、即ちイントロンによって中断
されないオープンリーディングフレームの形態で提供されるのが好ましい。非翻
訳DNAの配列は、それがコード領域の操作又は発現を妨げることがないようにオ ープンリーディングフレームの5'末端又は3'末端側に存在し得る。
【0056】 本明細書でいうV196ポリペプチド「変異体」は、元のV196ポリペプチドに実質
的に相同であるが、1個又は複数の欠失、挿入、又は置換のために天然のV196ポ リペプチド(ヒト、マウス、又は他の哺乳動物種)の配列とは異なるアミノ酸配列
を有するポリペプチドである。変異体アミノ酸配列は、好ましくは天然のV196ポ
リペプチドアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性、最も好ましくは少なくとも9
0%同一性を有するものである。同一性のパーセンテージは、例えば、University
of Wisconsin Genetics Computer Group (UWGCG)から入手できる、Devereuxら(
Nucl. Acids Res. 12:387, 1984)によって書かれたGAPコンピュータプログラム 、バージョン6.0を用いて配列情報を比較することにより決定することができる 。GAPプログラムは、Smith及びWaterman(Adv. Appl. Math 2:482, 1981)によっ て改良された、Needleman及びWunsch(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)のアライン メント方法を利用する。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメータとして は、(1) ヌクレオチドの単一比較マトリックス(一致について1の値、不一致につ
いて0の値を有する)、及びSchwartz及びDayhoff, eds., Atlas of Protein Sequ
ence and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp.353-358,
1979に記載された、Gribskov及びBurgess, Nucl. Acids Res. 14:6745, 1986の
加重比較マトリックス、(2) 各ギャップに対する3.0のペナルティ、及び各ギャ ップの各シンボルに対する追加の0.10のペナルティ、(3) エンドギャップに対し
てペナルティ無し、というパラメータが挙げられる。
【0057】 変異体は保存的に置換された配列を有していることがあり、これは所与のアミ
ノ酸残基が、類似の生理化学的な特性を有する残基で置換されたことを意味する
。保存的な置換の例としては、ある脂肪族残基から別の脂肪族残基への置換、例
えばIle、Val、Leu、もしくはAlaからその中の別のものへの置換、又はある極性
残基から別の極性残基への置換、例えばLysとArgとの間の置換、GluとAspとの間
の置換、又はGlnとAsnとの間の置換等が挙げられる。他のそのような保存的置換
、例えば、類似の疎水性の特性を有する全領域の置換もよく知られている。天然
のV196変異体も本発明に包含される。そのような変異体の例としては、選択的mR
NAスプライシング事象又はV196ポリペプチドのタンパク質分解性の切断によって
生じたタンパク質等が挙げられる。タンパク質分解に起因する変化としては、例
えばV196ポリペプチドからの1個又は複数の末端アミノ酸(通常は1個〜5個の末端
アミノ酸)のタンパク質分解による除去に起因する、異なる種類の宿主細胞にお ける発現時のN末端又はC末端の相違が挙げられる。
【0058】 上述のように、本発明は、組換え体あるいは非組換え体の、単離され精製され
た、即ち均質なV196ポリペプチドを提供する。分子量マーカーとして使用可能な
天然のV196ポリペプチドの変異体及び誘導体は、天然V196ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列を変異させることによって得ることができる。天然のアミ
ノ酸配列の変更は様々な慣用の方法の何れかによって達成することができる。変
異は、天然配列の断片への連結を可能にする制限部位が隣接した、変異した配列
を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって特定の遺伝子座に導入するこ
とができる。連結の後、得られた再構築配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換、
又は欠失を含む類似体をコードする。
【0059】 あるいは、オリゴヌクレオチドを用いる部位特異的突然変異誘発法を利用して
遺伝子の変更を導入し、所定のコドンが置換、欠失、又は挿入によって変化し得
るものとすることができる。上述のような変異を生じさせる方法の例はWalderら
(Gene 42:133, 1986); Bauerら(Gene 37:73, 1985); Craik (BioTechnique, Jan
uary 1985, 12-19); Smithら(Genetic Engineering: Principles and Methods,
Plenum Press, 1981); Kunkel (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488. 1985); K
unkelら(Methods in Enzymol. 154:367, 1987)及び米国特許第4,518,584号及び 第4,737,462号に記載されており、これら全ては引用により本明細書の一部とす る。
【0060】 V196ポリペプチドを、例えばグリコシル基、ポリエチレングリコール(PEG)基 、脂質、リン酸、アセチル基等のような他の化学基との共有結合又は凝集性コン
ジュゲートを形成することによって修飾し、V196ポリペプチド誘導体を生成する
ことができる。V196ポリペプチドの共有結合性の誘導体は、V196ポリペプチドの
アミノ酸側鎖上、又はV196ポリペプチドのN末端又はC末端、又はその細胞外ドメ
イン上の官能基に化学基を結合させることによって調製できる。本発明の範囲内
の他のV196ポリペプチドの誘導体としては、例えばN末端又はC末端への融合のよ
うな組換え体培養物における合成による、他のタンパク質又はポリペプチドとV1
96ポリペプチド又はペプチド断片との共有結合又は凝集性コンジュゲートがある
。例えば、そのようなコンジュゲートは、V196ポリペプチドのN末端におけるシ グナル又はリーダーポリペプチド配列(例えばサッカロミセス(Saccharomyces)の
α因子リーダー)を含み得る。シグナル又はリーダーペプチドは、翻訳と同時又 は翻訳後に、そのコンジュゲートをその合成の部位から、細胞膜又は細胞壁の内
側又は外側の部位への移動を誘導する。
【0061】 V196ポリペプチドコンジュゲートは、V196ポリペプチドの精製及び同定を促進
するために付加されたペプチドを有し得る。そのようなペプチドとしては、例え
ば、米国特許第5,011,912号及びHoppら, Bio/Technology 6:1204, 1988に記載さ
れているようなポリHis又は抗原性同定用ペプチド等が挙げられる。
【0062】 さらに本発明は、関連する天然のグリコシル化パターンを有するか、又は有し
ていないV196ポリペプチドを包含する。酵母又は哺乳動物の発現系(例えばCOS-1
又はCOS-7細胞)において発現されるV196ポリペプチドは、発現系の選択に応じて
、分子量及びグリコシル化パターンについて天然V196ポリペプチドと類似してい
るか、あるいは有意に異なっているものであり得る。例えば大腸菌(E.coli)のよ
うな細菌の発現系でV196ポリペプチドを発現させることによって、非グリコシル
化分子が得られる。グリコシル基は、慣用の方法、具体的にはグリコペプチダー
ゼを用いる方法によって取り除くことができる。通常、グリコシル化V196ポリペ
プチドは、モル過剰量のグリコペプチダーゼ(Boehringer Mannheim)と共にイン キュベートすることができる。
【0063】 アミノ酸残基もしくは配列の様々な付加もしくは置換、又は末端もしくは内部
の残基もしくは配列の様々な欠失をコードする等価なDNA構築物が本発明に包含 される。例えば、V196ポリペプチドの細胞外ドメインにおけるNグリコシル化部 位を、グリコシル化を防止するように改変して、哺乳動物又は酵母の発現系にお
ける炭水化物類似体低減された発現を可能にすることができる。真核生物のポリ
ペプチドにおけるNグリコシル化部位は、アミノ酸トリプレットAsn-X-Yにより特
徴付けられ、ここでXはPro以外のあらゆるアミノ酸であり、YはSer又はThrであ る。これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列に対して適切な置換、
付加、又は欠失を与えることによって、Asn側鎖における炭水化物残基の付加を 防止することができる。例えばAsnが異なるアミノ酸で置換されるように選択さ れた、単一ヌクレオチドの変異は、Nグリコシル化部位を不活性化するために十 分である。タンパク質におけるNグリコシル化部位を不活性化するための公知の 方法としては、米国特許第5,071,972号及び欧州特許第276,846号に記載された方
法が挙げられ、これらは引用により本明細書の一部とする。
【0064】 別の例では、生物学的活性のために必須ではないCys残基をコードする配列を 改変し、Cys残基を除去するか他のアミノ酸で置換して、再生時に正しくない分 子内ジスルフィド架橋を形成することを防止することができる。KEX2プロテアー
ゼ活性が存在する酵母系における発現を促進するために、隣接する二塩基性のア
ミノ酸残基の修飾によって他の等価物を調製することができる。欧州特許第212,
914号には、タンパク質におけるKEX2プロテアーゼプロセシング部位を不活性化 するために部位特異的突然変異誘発を利用することが開示されている。KEX2プロ
テアーゼプロセシング部位は、残基を欠失、付加、又は置換させることによって
不活性化され、Arg-Arg、Arg-Lys、及びLys-Arg対を改変して隣接する塩基性残 基の発生を排除する。Lys-Lys対はKEX2による切断を非常に受け難く、またArg-L
ys又はLys-ArgからLys-Lysへの変換は、保存的で、KEX2部位を不活性化するため
に好ましい方法である。
【0065】 さらに本発明は、配列番号1のヌクレオチド配列に由来する単離された断片及 びオリゴヌクレオチドを包含する。また本発明は、これらの断片及びオリゴヌク
レオチドでコードされるポリペプチドを包含する。
【0066】 本発明の範囲内の核酸配列として、ここに開示した元のV196ヌクレオチド配列
と中程度又は高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし、かつV196ポリペ
プチドをコードする、単離されたDNA及びRNA配列がある。本明細書において、当
業者に公知で、SambrookらMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 2 ed. Vo
l. 1, pp. 1.101-104, Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)によって
定義されている、中程度のストリンジェンシーの条件としては、ニトロセルロー
スフィルタ用の予洗溶液、5X SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA (pH8.0)と、42℃で50
%ホルムアミド、6X SSCのハイブリダイゼーション条件(又は42℃で50%ホルムア ミドに入れた、例えばスタークス溶液のような他の類似のハイブリダイゼーショ
ン溶液)と、約60℃、0.5X SSC、0.1% SDSの洗浄条件との使用を含む。高ストリ ンジェンシー条件は、上述のハイブリダイゼーション条件に、約68℃、0.2X SSC
、0.1% SDSの洗浄を加えたものと定義される。温度及び洗浄溶液の塩濃度は、例
えばプローブの長さのような因子に基づき必要に応じて変えることができるとい
うことが当業者には理解されよう。
【0067】 同一のアミノ酸を2種類以上のコドンがコードし得るという、公知の遺伝暗号 の縮重のため、DNA配列は、配列番号1に示すものとは異なるが、依然として配列
番号2のアミノ酸配列を有するV196ポリペプチドをコードするものであり得る。 そのような変異体DNA配列は、(例えばPCR増幅の際に生ずる)サイレント変異から
得られ、又は意図的な元の配列での変異誘発の産物であり得る。
【0068】 従って、本発明は、(a) 天然の哺乳動物のV196遺伝子のコード領域に由来する
DNA、(b) 配列番号1のヌクレオチド配列1-528を含むcDNA、(c) 中程度のストリ ンジェンシーの条件の下で(a)のDNAとハイブリダイズし得、かつV196ポリペプチ
ドをコードするDNA、及び(d) (a)、(b)、又は(c)に定義されたDNAの遺伝暗号が 縮重し、かつV196ポリペプチドをコードするDNA、から選択された、V196ポリペ プチドをコードする等価で単離されたDNA配列を提供する。そのようなDNA等価物
の配列によってコードされるV196ポリペプチドは、本発明に包含される。
【0069】 配列番号1のDNA配列と等価なDNAは、配列番号2のアミノ酸配列1-175を含むポ リペプチドをコードする二本鎖の天然DNA配列と、中程度のストリンジェンシー 条件下でハイブリダイズする。そのようなDNAによってコードされるV196ポリペ プチドの例としては、以下に限定するものではないが、上述のような、不活性化
Nグリコシル化部位、不活性化プロテアーゼプロセシング部位、又は保存的アミ ノ酸置換を含むV196ポリペプチド断片及びV196ポリペプチド等が挙げられる。配
列番号1のDNAに相補的な分子にハイブリダイズする、他の哺乳動物種由来のDNA によってコードされるV196ポリペプチドも包含される。
【0070】 本発明の抗V196ポリペプチド抗体のようなV196ポリペプチドに結合するタンパ
ク質を、その表面上においてV196ポリペプチドを発現する細胞の同定、分離、又
は精製に適した、カラムクロマトグラフィーマトリックス又は類似の基質のよう
な固相に結合することができる。V196ポリペプチド結合タンパク質の固相接触面
への付着は任意の手段によって達成することができ、例えば磁性微粒子をV196ポ
リペプチド結合タンパク質でコーティングし、磁場によってインキュベーション
用容器に保持することができる。細胞混合物の懸濁液を、その上にV196ポリペプ
チド結合タンパク質を有する固相と接触させる。その表面上にV196ポリペプチド
を有する細胞は、固定されたV196ポリペプチド結合タンパク質に結合し、次に結
合しない細胞を洗い流す。そのようなV196ポリペプチドを発現する細胞を溶液か
ら精製、スクリーニング、又は分離するために、このアフィニティ結合法が役立
つ。固相から陽性として選択された細胞を切り離す方法は公知であり、例えば酵
素を用いる方法がある。そのような酵素は、その細胞に対して非毒性かつ非傷害
性であるものが好ましく、細胞表面結合パートナーの切断を誘導するものが好ま
しい。
【0071】 あるいは、初めにV196ポリペプチド発現細胞を含む可能性のある細胞混合物を
、ビオチン標識したV196ポリペプチド結合タンパク質と共にインキュベートする
ことができる。インキュベーション時間は、一般的には、V196ポリペプチドへの
十分な結合を確実にするための時間として少なくとも1時間である。次に得られ た混合物をアビジンをコーティングしたビーズを詰めたカラムに通すことにより
、アビジンに対するビオチンの高い親和性により、V196ポリペプチド結合細胞の
ビーズへの結合が生ずる。アビジンをコーティングしたビーズを用いることは公
知である。Berensonら、J. Cell. Biochem., 10D:239 (1986)を参照されたい。 結合していない材料の洗浄及び結合した細胞の放出は、慣用の方法を用いて行う
【0072】 上述の方法において、適切なV196ポリペプチド結合タンパク質は、抗V196ポリ
ペプチド抗体、及びV196ポリペプチドが高い親和性で結合し得る他のタンパク質
である。好ましいV196ポリペプチド結合タンパク質は、抗V196ポリペプチドモノ
クローナル抗体である。
【0073】 V196ポリペプチドは、例えば共有結合又は非共有結合で結合した二量体又は三
量体のようなオリゴマーとして存在し得る。オリゴマーは、異なるV196ポリペプ
チド上のシステイン残基間に形成されたジスルフィド結合によって結合され得る
。本発明のある態様においては、V196ポリペプチドを抗体(例えばIgG1)のFc領域
にV196ポリペプチドの生物学的活性を妨げないように融合することによってV196
ポリペプチド二量体を形成する。Fcポリペプチドは、(細胞外ドメインのみを含 む)可溶性V196ポリペプチドのC末端に融合するのが好ましい。(Fcドメインを含 む)抗体由来のポリペプチドの様々な部分に融合された異種ポリペプチドを含む 融合タンパク質の一般的な調製については、例えばAshkenaziら(PNAS USA 88:10
535, 1991)及びByrnら(Nature 344:677, 1990)に記載されており、これらの文献
はこの引用により本発明の一部とする。V196ポリペプチド:Fc融合タンパク質を コードする遺伝子融合物は、適当な発現ベクターに挿入する。V196ポリペプチド
:Fc融合タンパク質は抗体分子に非常によく似た形態で組立られることができ、 鎖間ジスルフィド結合がFcポリペプチド間に形成され、二価のV196ポリペプチド
が生成される。融合タンパク質が抗体の重鎖及び軽鎖の両方で形成されている場
合、4つものV196ポリペプチド細胞外領域を有するV196ポリペプチドオリゴマー を形成することが可能である。あるいは、ペプチドリンカーで2つの可溶性V196 ポリペプチドドメインを結合することができる。
【0074】 V196ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターは、周知の
方法を用いて作製することができる。前記発現ベクターは、例えば哺乳動物、微
生物、ウイルス、又は昆虫の遺伝子に由来するもののような、適当な転写又は翻
訳調節ヌクレオチド配列に機能可能なように結合されたV196 DNA配列を含む。調
節配列の例としては、転写プロモーター、オペレーター、又はエンハンサー、mR
NAリボソーム結合部位、ならびに転写及び翻訳の開始及び終結を調節する適当な
配列等が挙げられる。ヌクレオチド配列は、その調節配列がV196 DNA配列に機能
的に関連している場合、「機能可能なように結合」されたものとする。従って、
プロモーターヌクレオチド配列がV196 DNA配列の転写を調節する場合、そのプロ
モーターヌクレオチド配列は、V196 DNA配列に機能可能なように結合されている
。複製起点によって通常与えられる所望の宿主細胞において複製する能力、及び
それによって形質転換体が同定される選択遺伝子をさらに発現ベクターに導入す
ることができる。
【0075】 さらに、V196ポリペプチドと天然には結合していない適当なシグナルペプチド
をコードする配列を、発現ベクターに導入することができる。例えば、シグナル
ペプチド(分泌リーダー)のDNA配列をフレーム内でV196ヌクレオチド配列に融合 し、V196ポリペプチドが、最初はそのシグナルペプチドを含む融合タンパク質と
して翻訳されるようにすることができる。目的の宿主細胞において機能を発揮す
るシグナルペプチドは、V196ポリペプチドの細胞外分泌を増加させる。このシグ
ナルペプチドは、V196ポリペプチドの細胞からの分泌時にV196ポリペプチドから
切り離され得る。
【0076】 V196ポリペプチドの発現のための適当な宿主細胞としては、原核生物、酵母、
又は高等な真核生物の細胞等が挙げられる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳動物の
細胞の宿主と共に用いるために適したクローニング・発現用ベクターは、例えば
Pouwelsら、Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York, (19
85)に記載されている。ここに開示されるDNA構築物に由来するRNAを用いてV196 ポリペプチドを生成するために、無細胞の翻訳系を用いることもできる。
【0077】 原核生物としては、例えば大腸菌(E.coli)又はバチルス(Bacilli)のようなグ ラム陰性又はグラム陽性の微生物が挙げられる。形質転換のための適当な原核生
物の宿主細胞としては、例えば大腸菌(E.coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、 サルモネラチフィムリウム(Salmonella typhimurium)、及びシュードモナス(Pse
udomonas)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、及びブドウ球菌(Staphyloco
ccus)属中の他の様々な種等が挙げられる。大腸菌(E.coli)のような原核生物の 宿主細胞において、V196ポリペプチドは、その原核生物の宿主細胞における組換
えポリペプチドの発現を促進するN末端メチオニン残基を有し得る。そのN末端Me
tは、発現された組換えV196ポリペプチドから切断することができる。
【0078】 原核生物の宿主細胞で使用するための発現ベクターは、1個又は複数の表現型 選択マーカー遺伝子を含む。表現型選択マーカー遺伝子は、例えば、独立栄養要
求性を与えるか、抗生物質耐性を与えるタンパク質をコードする遺伝子である。
原核生物の宿主細胞のために有用な発現ベクターの例としては、例えばクローニ
ングベクターpBR322 (ATCC 37017)のような市販のプラスミドに由来するものが 挙げられる。pBR322は、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性のための遺伝子
を有し、従って形質転換された細胞を同定するための簡単な手段を提供している
。pBR322を用いて発現ベクターを構築するため、pBR322ベクターに適当なプロモ
ーター及びV196 DNA配列を挿入する。他の市販のベクターとしては、例えばpKK2
23-3 (Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)及びpGEM1 (Promega Biote
c, Madison, WI, USA)等が挙げらえる。他の市販のベクターとしては、タンパク
質の発現のために特別に設計されたもの、即ちマルトース結合タンパク質に融合
されたタンパク質の発現のために用いられるpMAL-p2及びpMAL-c2ベクター(New E
ngland Biolabs, Beverly, MA, USA)がある。
【0079】 組換え原核生物の宿主細胞発現ベクターのために一般的に用いられるプロモー
ター配列としては、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター
システム(Changら, Nature 275:615, 1978; 及びGoeddelら, Nature 281:544, 1
979)、トリプトファン(trp)プロモーターシステム(Goeddelら, Nucl. Acids Res
. 8:4057, 1980; 及びEP-A-36776)、ならびにtacプロモーター(Maniatis, Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, p. 412
, 1982)等が挙げられる。特に有用な原核生物の宿主細胞発現系は、ファージλP L プロモーター及びcI857ts不耐熱性リプレッサー配列を用いたものである。λPL プロモーターの誘導体を導入した、American Type Culture Collectionから入手
可能なプラスミドベクターとしては、プラスミドpHUB2(大腸菌(E.coli)株JMB9 (
ATCC 37092)に存在)、及びpPLc28(大腸菌(E.coli)RR1 (ATCC 53082)に存在)が挙
げられる。
【0080】 V196 DNAは、通常の細菌性発現ベクターの複数のクローニング部位にフレーム
内にクローン化することができる。理想的には、前記ベクターは、クローニング
部位の上流に誘導性プロモーターを有し、インデューサーを添加することによっ
て、研究者による選択時に組換えタンパク質の高レベルの産生が生ずることにな
る。いくつかのタンパク質の場合には、プロモーターと目的の遺伝子との間に融
合パートナー(例えばヘキサヒスチジン)をコードするコドンを導入することによ
って発現レベルを高めてもよい。得られる「発現プラスミド」は、様々な大腸菌
(E.coli)株において増殖させることができる。
【0081】 組換えタンパク質の発現のため、細菌細胞を、所定の光学密度に達するまで増
殖培地において増殖させる。次にその組換えタンパク質の発現を、例えばlacオ ペレーター/プロモーターを含むプラスミドからのタンパク質の発現を活性化す
るIPTG (イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド)を加えることによって誘 導する。誘導(一般的には1-4時間)の後、例えば4℃で20分間、5,000 x Gで遠心 分離してペレット化することにより細胞を回収する。
【0082】 発現されたタンパク質の回収のためには、ペレット化細胞を、10倍量の50 mM
Tris-HCl (pH 8)/1 M NaClに再懸濁し、次にフレンチプレスに2、3回通すことが
できる。最も高レベルで発現された組換えタンパク質は、封入体として知られる
不溶性の凝集塊を形成する。封入体は、4℃で20分間、5,000 x Gで遠心分離して
ペレット化することにより、可溶性タンパク質から精製することができる。封入
体ペレットを、50 mM Tris-HCl (pH 8)/1% Triton X-100で洗浄し、次に50 mM T
ris-HCl (pH 8)/8 M尿素/ 0.1 M DTTに溶解する。溶解され得ない全ての物質は 、遠心分離(20℃で20分間、10,000 x G)によって除去する。目的のタンパク質は
、大抵の場合、得られた上清において最も豊富に存在するタンパク質である。こ
のタンパク質を、50 mM Tris-HCl (pH 8)/5 mM CaCl2/5 mM Zn(OAc)2/1 mM GSSG
/0.1 mM GSHに対して透析することによって活性な立体構造に「再折り畳み」さ せることができる。再折り畳みの後、例えばイオン交換又はゲル濾過のような様
々なクロマトグラフィー法によって精製を行うことができる。いくつかのプロト
コルでは、最初の精製を再折り畳みの前に行うことがある。一例として、ヘキサ
ヒスチジン標識した融合タンパク質を固定化ニッケル上で部分的に精製すること
ができる。
【0083】 上述の精製及び再折り畳み方法では、タンパク質が封入体から最もよく回収さ
れることを仮定しているが、多くの組換えタンパク質が細胞溶解物の溶解性分画
から最もよく精製されるということはタンパク質精製分野の当業者には理解され
よう。これらの場合には、再折り畳みは不要であることが多く、標準的なクロマ
トグラフィー法によって直接精製を行うことができる。
【0084】 別法では、V196ポリペプチドを、酵母宿主細胞、好ましくはサッカロミセス属
(例えばサッカロミセスセレビシエ)から発現させることができる。酵母の他の属
、例えばピチア属、クルイベロミセスラクチス(Kluyveromyces lactis)属、又は
クライベロミセス属を用いることもできる。酵母ベクターは、多くの場合、2μ 酵母プラスミドからの複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、 ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、及び選択マーカー遺伝子
を含む。酵母ベクターのための適当なプロモーター配列としては、特に、メタロ
チオネイン、3-ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzemanら, J. Biol. Chem. 255:
2073, 1980)、又は例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナ
ーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピ ルビン酸キナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、グルコースリン酸イ
ソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような他の糖分解酵素(Hessら, J. Adv. Enz
yme Reg. 7:149, 1968; 及びHollandら, Biochem. 17:4900, 1978)等のプロモー
ターが挙げられる。酵母での発現において使用するための他の適当なベクター及
びプロモーターはさらにHitzaman, EPA-73,657又はFleerら, Gene, 107:285-195
(1991); 及びvan den Bergら, Bio/Technology, 8:135-139 (1990)に記載され ている。他には、Russellら(J. Biol. Chem. 258:2674, 1982)及びBeierら(Natu
re 300:724, 1982)に記載のグルコース抑制性ADH2プロモーターがある。酵母と 大腸菌の両方で複製可能なシャトルベクターは、大腸菌における複製及び選択の
ためにpBR322からのDNA配列(Ampr遺伝子及び複製起点)を上述の酵母ベクターに 挿入することによって作製できる。
【0085】 V196ポリペプチドの分泌を誘導するために、酵母α因子リーダー配列を用いる
ことができる。α因子リーダー配列は、多くの場合、プロモーター配列と構造遺
伝子配列との間に挿入される。例えば、Kurjanら, Cell 30:933, 1982; Bitter ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:5330, 1984; 米国特許第4,546,082号; 及 びEP 324,274を参照されたい。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進
するのに適した他のリーダー配列は当業者によく知られている。リーダー配列は
、その3’末端近傍を1個又は複数の制限部位を含むように改変することができる
。これによって、リーダー配列の構造遺伝子への融合が容易になる。
【0086】 酵母の形質転換のプロトコルは当業者に公知である。そのようなプロトコルの
1つが、Hinnenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929, 1978に記載されてい る。Hinnenらのプロトコルでは、0.67%の酵母窒素塩基、0.5%のカザミノ酸、2% のグルコース、10μg/mlのアデニン、及び20μg/mlのウラシルからなる選択培地
においてTrp+形質転換体を選択する。
【0087】 ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母宿主細胞は
、「リッチな」培地における発現の誘導のために増殖させることができる。リッ
チな培地の例としては、80μg/mlのアデニン及び80μg/mlのウラシルを加えた、
1%の酵母抽出物、2%のペプトン、及び1%のグルコースからなるものがある。ADH2
プロモーターの抑制解除は、グルコースが培地から無くなったときに起こる。
【0088】 組換えV196ポリペプチドを発現させるために、哺乳動物又は昆虫宿主細胞培地
系を用いることもできる。昆虫細胞における異種のタンパク質の産生のためのバ
キュロウイルス系は、Luckow及びSummers, Bio/Technology 6:47 (1988)におい て概説されている。哺乳動物を起源とする確立された細胞系を用いることもでき
る。適当な哺乳動物の宿主細胞系の例としては、サル腎細胞(ATCC CRL 1651)のC
OS-7系(Gluzmanら, Cell 23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL
163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、及びBHK(ATCC CRL 10
)細胞系や、McMahanら(EMBO J. 10: 2821, 1991)に記載のようなアフリカミドリ
ザル腎臓細胞系CVI (ATCC CCL 70)に由来するCV-1/EBNA-1細胞系(ATCC CRL 1047
8)等が挙げられる。
【0089】 DNAを哺乳動物細胞に導入するための確立された方法は、(Kaufman, R.J., Lar
ge Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp. 15-69)に記載されている。例え ばリポフェクトアミン(Lipofectamine) (Gibco/BRL)又はリポフェクトアミン プラス(LopofectaminePlus)のような市販の試薬を用いる別のプロトコルを用 いて、細胞をトランスフェクトすることができる(Felgnerら, Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 84:7413-7417, 1987)。さらに、例えばSambrookら Molecular Cloni
ng: A Laboratory Manual, 2 ed. Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory P
ress, 1989)に記載のような慣用の方法により、エレクトロポレーションを用い て哺乳動物細胞をトランスフェクトすることができる。安定的な形質転換体の選
択は、選択の方法として細胞障害性薬に対する耐性を利用して行うことができる
。Kaufmanら, Meth. in Enzymology 185:487-511, 1990には、例えばジヒドロ葉
酸還元酵素(DHFR)耐性のようないくつかの選択方式について記載されている。DH
FR選択のために適当な宿主菌株は、DHFRを欠く、CHO株DX-B11であり得る(Urlaub
及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)。DHFR cDNAを 発現するプラスミドを、菌株DX-B11に導入することができ、かつそのプラスミド
を含む細胞のみが適当な選択培地で増殖することができる。発現ベクターに導入
することができる他の選択マーカーとして、例えばG418及びハイグロマイシンB のような抗生物質に対する耐性を与えるcDNAが挙げられる。そのベクターを含む
細胞を、それらの化合物に対する耐性に基づいて選択することができる。
【0090】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写及び翻訳調節配列は、ウイルスの
ゲノムから切り出すことができる。一般的に用いられるプロモーター配列及びエ
ンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス4
0(SV40)、及びヒトサイトメガロウイルスに由来するものである。SV40ウイルス のゲノムに由来するDNA配列、例えばSV40複製起点、初期及び後期プロモーター 、エンハンサー、及びスプライス部位、及びポリアデニル化部位を用いて、哺乳
動物宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝子エレメントを提
供することができる。ウイルスの初期及び後期プロモーターは、両者が、ウイル
スのゲノムからウイルスの複製起点も含み得る断片として容易に得られることか
ら特に有用である(Fiersら, Nature 273:113, 1978; Kaufman, Meth. in Enzymo
logy, 1990)。より小さい又はより大きいSV40断片も、SV40ウイルス複製起点に 位置するHind III部位からBgl I部位まで延びる約250bpの配列が含まれている限
り用いることができる。
【0091】 哺乳動物の発現ベクターからの異種遺伝子の発現を改善することが示されてい
る別の調節配列としては、例えばCHO細胞に由来する発現増強配列エレメント(EA
SE) (Morrisら, Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-534)や、アデノウイ ルス2に由来するVA遺伝子RNA及び3部分構造のリーダー(TPL) (Gingerasら, J. B
iol. Chem. 257:13475-13491, 1982)のようなエレメントが挙げられる。ウイル ス起源の内部リボソーム侵入部位(IRES)の配列によって、2シストロン性mRNAが 効率的に翻訳され得るようになる(Oh及びSarnow, Current Opinion in Genetics
and Development 3:295-300, 1993; Rameshら, Nucleic Acids Research 24:26
97-2700, 1996)。異種cDNAをジシストロン性mRNAの一部として発現させ、次に選
択マーカー(例えばDHFR)の遺伝子を発現させることにより、宿主トランスフェク
ト性及び異種cDNAの発現が向上することが分かった(Kaufman, Meth. in Enzymol
ogy, 1990)。ジシストロン性mRNAを用いる典型的な発現ベクターの例としては、
Mosserら, Biotechniques 22:150-161, 1997に記載のpTR-DC/GFP、及びMorrisら
, Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-534に記載のp2A5I等が挙げられる。
【0092】 有用な高レベル発現用ベクターpCAVNOTは、Mosleyら, Cell 59:335-348, 1989
に記載されている。哺乳動物宿主細胞において用いるための他の発現ベクターは
、Okayama及びBerg (Mol. Cell. Biol. 3:280, 1983)に記載のように作製するこ
とができる。C127マウス乳腺上皮細胞における哺乳動物のcDNAの安定的な高レベ
ルの発現のために有用な系は、実質的にCosmanら (Mol. Immunol. 23:935, 1986
)に記載されたように構築することができる。Cosmanら, Nature 312:768, 1984 に記載の有用な高レベル発現ベクターPMLSV N1/N4は、ATCC 39890として寄託さ れている。別の有用な哺乳動物用発現ベクターは、EP-A-0367566、及び1991年5 月16日出願の米国特許出願第07/701,415号に記載されており、これらは引用によ
り本明細書の一部とする。ベクターは、レトロウイルスに由来するものであり得
る。天然のシグナル配列の代わりに、異種のシグナル配列、例えば米国特許第4,
965,195号に記載のIL-7のシグナル配列、Cosmanら, Nature 312:768(1984)に記 載のIL-2受容体のシグナル配列、EP367,566に記載のIL-4シグナルペプチド、米 国特許第4,968,607号に記載のI型IL-1受容体シグナルペプチド、及びEP 460,846
に記載のH型IL-1受容体シグナルペプチド等を加えることができる。
【0093】 本発明の単離され精製されたV196ポリペプチド分子量マーカーは、上述のよう
な組換え発現系から製造するか、又は天然の細胞から精製することができる。V1
96ポリペプチドは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)によって 分析したとき単一のタンパク質バンドによって示されるように、実質的に精製す
ることができる。
【0094】 V196ポリペプチドの製造のための方法の1つにおいては、V196ポリペプチドの 発現を促進するに十分な条件の下でV196ポリペプチドをコードするDNA配列を含 む発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養する。次に、用いられた発現系に
応じて、V196ポリペプチドを培地又は細胞抽出物から回収する。当業者に公知の
ように、組換えタンパク質を精製する方法は、例えば使用される宿主細胞の種類
のような因子や、その組換えタンパク質が培地に分泌されるか否かということに
応じて変わってくる。例えば、その組換えタンパク質を分泌する発現系を用いる
場合、初めに培地を、例えばAmicon又はMillipore Pellicon限外濾過ユニットの
ような市販のタンパク質濃縮フィルタを用いて濃縮することができる。濃縮ステ
ップの後、濃縮物をゲル濾過媒体のような精製マトリックスにアプライすること
ができる。あるいは、例えば側基のジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマト
リックス又は基体のような、陰イオン交換樹脂を用いることができる。マトリッ
クスは、タンパク質の精製において一般的に用いられる、アクリルアミド、アガ
ロース、デキストラン、セルロース又は他の種類のマトリックスであり得る。あ
るいは、陽イオン交換法を用いることができる。適当な陽イオン交換体としては
、スルホプロピル基又はカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスが
ある。好ましいのはスルホプロピル基である。最後に、疎水性の逆相高速液体ク
ロマトグラフィー(RP-HPLC)用媒質(例えば側基のメチル基又は他の脂肪属基を有
するシリカゲル)を用いる1回又は複数回のRP-HPLCステップにより、V196ポリペ プチドをさらに精製することができる。上述の精製過程のいくつか又は全てを様
々な組合せることが公知であり、それを用いて単離され精製された組換えタンパ
ク質を提供することができる。
【0095】 発現されたV196ポリペプチドをアフィニティ精製するために、例えばV196ポリ
ペプチドに対して産生されたモノクローナル抗体のようなV196ポリペプチド結合
タンパク質を含むアフィニティカラムを用いることができる。例えば高塩濃度の
溶出バッファー中で慣用の技術を使用し、その後使用のためより低い塩濃度のバ
ッファーに透析するか、又はpHもしくは他の成分を使用されるアフィニティマト
リックスに応じて変えることによってアフィニティカラムからV196ポリペプチド
を除去することができる。
【0096】 細菌の培養において製造された組換えタンパク質は、通常は、初めに宿主細胞
を破砕し、遠心分離し、不溶性ポリペプチドの場合には細胞ペレットから、可溶
性ポリペプチドの場合には上清から抽出し、次に1回又は複数回の濃縮、塩析、 イオン交換、アフィニティ精製又はサイズ排除クロマトグラフィ法を行うことに
よって単離する。最後に、最終的な精製過程のためにRP-HPLCを用いることがで きる。微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的破砕、又は細胞溶
解剤の使用等の慣用の方法の何れかによって破砕することができる。
【0097】 精製を簡単にするために、形質転換された酵母宿主細胞を用い、分泌されるポ
リペプチドとしてV196ポリペプチドを発現させることが好ましい。酵母宿主細胞
の発酵物から分泌された組換えポリペプチドは、Urdalら(J. Chromatog. 296:17
1, 1984)に記載の方法に類似の方法によって精製することができる。Urdalらは 、分離用HPLCカラム上で組換えヒトIL-2を精製するための2回連続の逆相HPLC法 について記している。
【0098】 V196ポリペプチド分子量マーカーは、沈降法、ゲル電気泳動法、クロマトグラ
フィー、及び質量分析法等の方法により分析することができる。V196ポリペプチ
ドは分子量マーカーとして機能し得、そのような分析技術を用いてサンプルタン
パク質の分子量を決定する際の助けとなる。サンプルタンパク質の分子量の決定
はそのサンプルタンパク質を同定する助けとなる。
【0099】 V196ポリペプチドを、化学的及び酵素的手段によってペプチドに断片化するこ
とができる。化学的断片化としては、メチオニン残基において特異的な切断が生
ずるように、中性又は酸性の条件の下で臭化シアンを用いて切断する方法が挙げ
られる(E. Gross, Methods in Enz. 11:238-255, 1967)。この方法には、別の方
法、例えばシステイン残基を非反応性の種に転換するためのカルボキシメチル化
段階を含めることができる。酵素による断片化としては、例えばアスパラギニル
エンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、アクロモバクタープロテ
アーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌(Staphlococcus aureus)V8プロテアーゼ 、エンドプロテイナーゼAsp-N、又はエンドプロテイナーゼLys-Cのようなプロテ
アーゼを、慣用の条件の下で用いて、特異的なアミノ酸残基における切断を生じ
させる方法がある。アスパラギニルエンドペプチダーゼは、V196ポリペプチド内
に存在するアスパラギン残基のカルボキシル末端側を特異的に切断することがで
きる。アルギニルエンドペプチダーゼは、V196ポリペプチド内に存在するアルギ
ニン残基のカルボキシル末端側を特異的に切断することができる。アクロモバク
ター(Achrombobacter)プロテアーゼIは、V196ポリペプチド内に存在するリシン 残基のカルボキシル末端側を特異的に切断することができる(Sakiyama及びNakat
, 米国特許第5,248,599号; T. Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 660:44-50,
1981; T. Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 660: 51-55, 1981)。トリプシン は、V196ポリペプチド内に存在するアルギニン残基及びリシン残基のカルボキシ
ル末端側を特異的に切断することができる。黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼは、
V196ポリペプチド内に存在するアスパラギン酸残基及びグルタミン酸残基のカル
ボキシル末端側を特異的に切断することができる(D. W. Cleveland, J. Biol. C
hem. 3:1102-1106, 1977)。エンドプロテイナーゼAsp-Nは、V196ポリペプチド内
に存在するアスパラギン残基のアミノ末端側を特異的に切断することができる。
エンドプロテイナーゼLys-Cは、V196ポリペプチド内に存在するリシン残基のカ ルボキシル末端側を特異的に切断することができる。V196ポリペプチドを特異的
なペプチド分子量マーカーのユニークなセットに特異的に断片化するために、他
の酵素処理及び化学的処理も同様に用いることができる。
【0100】 得られた断片化ペプチドを、沈降法、電気泳動法、クロマトグラフィー、及び
質量分析法等の方法で分析することができる。V196ポリペプチドに由来する断片
化ペプチドは、そのような分析技術を用いることによって、サンプルタンパク質
の分子量の決定の助けとなる分子量マーカーとしての役目を果たすことができる
。そのような分子量の決定はそのサンプルタンパク質を同定する助けとなる。V1
96断片化ペプチド分子量マーカーは、10個〜174個のアミノ酸からなるサイズで あるのが好ましい。より好ましくは、V196断片化ペプチド分子量マーカーは、10
個〜100個のアミノ酸からなるサイズである。さらに好ましくは、V196断片化ペ プチド分子量マーカーのサイズは、10個〜50個のアミノ酸からなるサイズ、特に
10個〜35個のアミノ酸からなるサイズである。最も好ましいのは、10個〜20個の
アミノ酸からなるV196断片化ペプチド分子量マーカーである。
【0101】 さらに、例えば断片化反応の時間又は温度を変えることによる、V196ポリペプ
チドの特異的なペプチドへの進歩的な断片化の分析(D. W. Clevelandら, J. Bio
l. Chem. 252:1102-1106, 1977)を、サンプルタンパク質の切断の程度の対照と して利用することができる。例えば、同一の条件下で同一の量のV196ポリペプチ
ドとサンプルタンパク質とを切断することにより、断片化の程度を直接比較する
ことが可能となる。V196ポリペプチドの完全な断片化を生ずる条件によって、サ
ンプルタンパク質の完全な断片化を生じさせることができる。
【0102】 さらに、V196ポリペプチド及びその断片化ペプチドは、ユニークな荷電特性を
有しており、従って、等電点電気泳動等の技術を用いてサンプルタンパク質又は
断片化ペプチドの等電点を決定する際の助けとなる特異的なマーカーとしての役
目を果たし得る。等電点電気泳動の技術は、例えばゲル電気泳動法等の他の技術
を組合せて、分子量と電荷とに基づいてタンパク質を同時に分離することができ
る。そのような組合せの一例としては、二次元電気泳動法(T.D. Brock及びM.T.
Madigan, Biology of Microorganisms 76-77(Prentice Hall, 6d ed. 1991)との
組合せがある。V196ポリペプチド及びその断片化ペプチドを、そのような分析に
おいてマーカーとして用いて、サンプルタンパク質又は断片化ペプチドの等電点
及び分子量の両方を決定する際の助けとすることができる。
【0103】 サンプルタンパク質の見かけの分子量及び等電点の決定の際の助けとなるキッ
トを、V196ポリペプチド及びそのペプチド断片から構成することができる。キッ
トは、サンプルタンパク質の断片化の程度を評価するのにも役立つ。そのような
キットの構成は変更することができるが、一般的にはV196ポリペプチド及び断片
化ペプチド分子量マーカーを含む。また、そのようなキットは断片化の必要な部
位を取り除いたV196ポリペプチドを含み得る。さらに、前記キットは化学的又は
酵素的切断によるV196及びサンプルタンパク質の特異的切断のための試薬を含み
得る。さらにキットは、V196ポリペプチド又はその断片に対して誘導される抗体
を含み得る。
【0104】 (二重鎖を形成する)標的V196 mRNA配列、又は(三重らせんを形成する)二重鎖D
NAらせん中のV196配列に結合し得る、(RNA又はDNA何れかの)一本鎖核酸配列を含
むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを本発明により製造することがで
きる。本発明のアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、V196 cDNA(配列
番号1)のコード領域の断片を含む。そのような断片は、通常、少なくとも約14ヌ
クレオチド、好ましくは約14〜約30ヌクレオチドを含む。所定のタンパク質のcD
NA配列に基づいてアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを生成する能力に
ついては、例えばStein及びCohen, Cancer Res. 48:2659, 1988及びvan der Kro
lら, BioTechniques 6:958, 1988)に記載されている。
【0105】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合により、
二重鎖の分解促進や転写又は翻訳の早期の終結等のいくつかの手段の1つ又は他 の手段によって翻訳(RNA)又は転写(DNA)を阻害する複合体が形成される。従って
、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてV196ポリペプチドの発現をブロック
することができる。さらにアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾
された糖鎖−ホスホジエステルバックボーン(又は例えばWO91/06629に記載され ているような他の糖鎖結合)を有するオリゴヌクレオチドを含み、そのような糖 鎖結合は内在性ヌクレアーゼに対する耐性を有する。そのような耐性糖鎖結合を
有するオリゴヌクレオチドは、in vivoで安定(即ち酵素による分解に対して耐性
を有する)であるが、標的ヌクレオチド配列に結合し得る配列特異性を有する。 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例としては、例えばWO90/104
48に記載されているもののような有機部分、及び例えばポリ(L-リシン)のような
該オリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を高める他の成分に共有結合で
結合したオリゴヌクレオチド等がある。さらに、エリプチシンのようなインター
カレート剤、及びアルキル化剤又は金属錯体を、センス又はアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドに付着させて、標的ヌクレオチド配列に対するそのアンチセンス又
はセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改変することができる。
【0106】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを、例えばCaPO4-媒介DNAトラン スフェクション、エレクトロポレーション等の遺伝子導入方法、又はエプスタイ
ン・バール(Epstein-Barr)ウイルスのような遺伝子導入ベクターを用いることに
よって標的核酸配列を含む細胞内に導入することができる。好ましくは、アンチ
センス又はセンスオリゴヌクレオチドは、そのアンチセンス又はセンスオリゴヌ
クレオチドを適当なレトロウイルスベクターに挿入し、次にin vivo又はex vivo
の何れかで挿入された配列を含むレトロウイルスベクターと細胞とを接触させる
ことにより、標的核酸配列を含む細胞に導入する。適当なレトロウイルスベクタ
ーとしては、以下に限定するものではないが、マウスレトロウイルスM-MuLV、N2
(M-MuLVに由来するレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B、及びDCT5Cと指称され る二重コピーベクター(PCT出願US90/02656参照)等が挙げられる。
【0107】 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO91/04753に記載のように、
リガンド結合分子とのコンジュゲート形成によって標的ヌクレオチド配列を含む
細胞に導入することもできる。適当なリガンド結合分子としては、以下に限定す
るものではないが、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、又は細胞表
面受容体に結合する他のリガンド等が挙げられる。リガンド結合分子の結合は、
そのリガンド結合分子が対応する分子又は受容体に結合する能力を実質的に妨げ
たり、又はセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその結合した形態の
細胞への移入を阻害しないことが好ましい。
【0108】 あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドを、WO90/10448に記載
のように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により、標的核酸配列を含む
細胞に導入することができる。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂
質複合体は、内在性リパーゼによって細胞内で解離しているのが好ましい。
【0109】 また、単離され精製されたV196ポリペプチド又はその断片はIL-1及びTNFシグ ナル伝達を阻害する治療薬としてそれ自体有用であり得る。V196ポリペプチドは
、例えばそのタンパク質をリポソームに封入したり、そのタンパク質を特異的な
種類の細胞を標的とするモノクローナル抗体に結合することのような公知の手段
によって細胞内環境に導入することができる。
【0110】 V196 DNA、V196ポリペプチド、及びV196ポリペプチドに対する抗体を、様々な
研究プロトコルにおいて試薬として用いることができる。そのような研究プロト
コルのサンプルは、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratotry Manual, 2
ed. Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)に記載されてい
る。例えば、これらの試薬は、RNA又はタンパク質の細胞特異的又は組織特異的 な発現に対するマーカーとしての役目を果たし得る。同様に、これらの試薬は、
V196 RNA又はポリペプチドの構成的又は一過性の発現を研究するために用いるこ
とができる。V196 DNAは、V196 DNAの染色体上の位置を決定するため、及びこの
染色体上の位置に関連して遺伝子をマッピングするために用いることができる。
また、V196 DNAは、例えば遺伝子フィンガープリント法のような技術を用いるこ
とによって遺伝子の異種性及び遺伝を調べたり、遺伝病に関連するリスクを同定
するためにも用いることができる。さらに、V196 DNAを用いて、V196 DNAに関連
する追加の遺伝子を同定したり、配列の比較に基づいて進化系統樹を確立するこ
とができる。例えばサザンブロット法や免疫ブロット法のようなポジティブスク
リーニング法及びサブトラクションのようなネガティブスクリーニング法によっ
て、V196 DNA又はポリペプチドと相同的な遺伝子やタンパク質を選択するために
、V196 DNA及びポリペプチドを用いることができる。
【0111】 また、V196ポリペプチドを試薬として用いて、(a) V196ポリペプチドが調節す
るあらゆるタンパク質、及び(b) それが相互作用し得る他のタンパク質を同定す
ることができる。V196ポリペプチドは、組換えタンパク質をアフィニティマトリ
ックスに結合することにより、又はそれを2ハイブリッド系においてベイト(bait
)として用いることによって使用することができる。V196ポリペプチド及びその 断片は、IL-1シグナル伝達経路の研究における試薬、IL-1シグナル伝達を阻害す
る試薬として用いることができる。
【0112】 治療薬として用いる場合、V196ポリペプチドは、公知の方法によって医薬組成
物に配合することができる。V196ポリペプチドを、単体の活性物質として又は他
の公知の活性物質と共に、医薬上許容される希釈剤(例えばTris-HC1、酢酸塩、 リン酸塩)、保存剤(例えばチメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、乳 化剤、可溶化剤、アジュバント、及び/又は担体と混合して組合せることができ
る。適当な担体及びそれらの剤形は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,
16th ed. 1980, Mack Publishing Coに記載されている。加えて、そのような組 成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体化したV196ポリペ プチド、又はポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル等のような重合化合物に
組込んだV196ポリペプチド、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単ラ
メラ又は多重ラメラ小胞、赤血球ゴースト、又はスフェロプラストに導入したV1
96ポリペプチドを含み得る。そのような組成物は、V196ポリペプチドの物理的状
態、溶解度、安定度、in vivoでの放出速度、in vivoでのクリアランス速度に影
響を及ぼす。
【0113】 本発明のある態様においては、V196ポリペプチド、及びV196のアミノ酸配列に
基づいたペプチドを用いて、V196ポリペプチドに特異的に結合する抗体を調製す
ることができる。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、
F(ab’)2及びFabフラグメントのようのそれらの断片、及び任意の組換えによっ て製造された結合相手を含む意味である。抗体は、それらがV196ポリペプチドに
約107 M-1以上のKaで結合する場合、特異的に結合するものと定義される。結合 のパートナー又は抗体の親和性は、例えばScatchardら, Ann. N.Y Acad. Sci.,
51:660(1949)に記載のような従来の技術を用いることによって容易に決定できる
【0114】 ポリクローナル抗体は、例えばウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、
ウサギ、マウス、又はラット等の様々な起源から、当技術分野で公知の方法を用
いて容易に生成することができる。通常、精製されたV196ポリペプチド、又は適
当にコンジュゲートされる、V196ポリペプチドのアミノ酸配列に基づいたペプチ
ドを、一般的には非経口的注射によって宿主動物に投与する。V196ポリペプチド
の免疫原性は、例えばフロイント完全アジュバント又はフロイント不完全アジュ
バントのようなアジュバントを用いることによって高めることができる。追加免
疫の後、少量の血清サンプルを回収し、V196ポリペプチドに対する反応性を試験
する。そのような決定のために役立つ様々なアッセイの例としては、Antibodies
: A Laboratory Manual, Harlow及びLane(eds.), Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, 1988に記載されているアッセイ、並びに向流免疫電気泳動法(CIEP)、
放射性免疫検定法、放射免疫沈降法、固相酵素免疫検定法(ELISA)、ドットブロ ットアッセイ、及びサンドイッチアッセイ等の方法等が挙げられる。米国特許第
4,376,110号及び第4,486,530号を参照されたい。
【0115】 モノクローナル抗体は、公知の方法を用いて容易に調製することができる。例
えば、米国特許RE 32,011、第4,902,614号、第4,543,439号、及び第4,411,993号
; Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analy
ses, Plenum Press, Kennett, Mckearn, 及びBechtol (eds.), 1980に記載の方 法を参照されたい。概略を説明すると、例えばマウスのような宿主の動物に、単
離され精製されたV196ポリペプチド又はコンジュゲートしたV196ポリペプチドを
、所望に応じてアジュバントと共に、少なくとも1回、好ましくは約3週間間隔で
少なくとも2回、腹腔内に注射する。次にマウス血清を、慣用のドットブロット 技術又は抗体捕捉法(ABC)によってアッセイし、何れの動物が最もよく融合する ものかを決定する。
【0116】 約2〜3週間後に、そのマウスにV196ポリペプチド又は結合したV196ポリペプチ
ドの静脈内追加免疫を施す。その後マウスを屠殺し、確立されたプロトコルに従
って、脾細胞を、例えばAg8.653(ATCC)のような市販のミエローマ細胞に融合さ せる。概略を説明すると、そのミエローマ細胞を、培養液内で数回洗浄し、約3 の脾細胞に1のミエローマ細胞の比でマウス脾細胞に融合する。融合剤は、例え ばポリエチレングリコール(PEG)のような、当技術分野で用いられる任意の適当 な薬剤であり得る。融合物を、融合した細胞の選択的増殖が可能な培養液を含む
プレートに播く。次にその融合した細胞を、約8日間にわたって増殖させる。得 られたハイブリドーマから上清を収集し、予めヤギ抗マウスIgでコーティングし
たプレートに加える。洗浄の後、例えば 125Iで標識したV196ポリペプチドを各 ウェルに加えて、次にインキュベートする。次にオートラジオグラフィーによっ
て陽性のウェルを検出する。陽性のクローンは大量の培養液中で増殖させること
ができ、次いで上清をProtein Aカラム(Pharmacia)で精製する。
【0117】 本発明のモノクローナル抗体は、例えばAlting-Meesら, “Monoclonal Antibo
dy Expression Libraries: A Rapid Alternative to Hybridomas”, Strategies
in Molecular Biology 3:1-9(1990)に記載のような別の技術を用いて製造する ことができる。上記文献は引用により本明細書の一部とする。同様に、結合相手
は、組換えDNA技術を用いて、特異的に結合する抗体をコードする遺伝子の可変 領域を導入することによって作製することができる。そのような技術は、Larric
kら, Biotechnology, 7:394(1989)に記載されている。
【0118】 その他の種類の「抗体」は、当技術分野での通常の知識と組合せて、本明細書
に開示された情報を用いて製造することができる。例えば、V196ポリペプチドに
特異的に結合し得るヒト抗体のエレメントを含むように組換えた抗体も本発明に
包含される。
【0119】 一旦単離され精製されると、V196ポリペプチドに対する抗体は確立されたアッ
セイのプロトコルを用いてサンプル中のV196ポリペプチドの存在を検出するため
に用いることができる。さらに、本発明の抗体を治療的に用い、V196ポリペプチ
ドに結合させ、in vivoでその活性を阻害することができる。
【0120】 本発明の精製されたV196ポリペプチドにより、V196ポリペプチドのインヒビタ
ーの発見が容易になる。V196ポリペプチドのインヒビターである可能性のあるも
のをスクリーニングする際に精製されたV196ポリペプチドを使用することは重要
であり、これによって汚染物質との妨害反応を排除あるいは減少させることがで
きる。
【0121】 さらに、V196ポリペプチドをV196ポリペプチド-インヒビターの構造に基づく 設計のために用いることができる。そのような構造に基づく設計は、「合理的薬
剤設計」としても知られている。V196ポリペプチドは、例えば、何れもよく知ら
れた方法であるX線結晶構造解析、核磁気共鳴、又はホモロジーモデリングによ って三次元的に分析することができる。インヒビターの設計の補助とするための
分子モデリングソフトウェアシステムにおいてV196ポリペプチドの構造の情報の
使用すること、及びインヒビター−V196ポリペプチド相互作用も、本発明に包含
される。そのようなコンピュータに補助されたモデリングや薬剤設計では、例え
ば化学的立体構造分析、分子の静電ポテンシャル、タンパク質の折り畳み等のよ
うな情報を利用することができる。例えば、金属プロテアーゼのクラス特異的イ
ンヒビターの設計では、大抵の場合、触媒作用的な亜鉛原子をキレート化又は結
合しようと試みることに焦点が合わせられてきた。通常、合成インヒビターは、
特異的なプロテアーゼの特異性ポケットに適合するべく設計された一連の他の基
が結合した負に荷電した部分を含むように設計される。本発明の特定の方法では
、基質に結合する可能性の高い部位についてV196ポリペプチドの三次元構造を分
析し、予想される反応部位を導入した新たな分子を合成し、かつその新たな分子
を上述のようにアッセイする。
【0122】 本明細書は、その中の引用例の教示に照らして最もよく理解される。引用例は
、その引用により本明細書の一部とする。本明細書に記載の実施例は、発明の形
態を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
当業者であれば、多くの他の形態が、請求の範囲に記載の本発明に包含されると
いうことが理解されよう。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトV196 DNAのヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
【図2】 ヒトV196ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月19日(2000.7.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/08 C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA 21/08 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 EA04 GA11 HA14 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 CE04 CE11 CE12 DA01 DA13 4B065 AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA46 DA76 DA86 EA20 EA50 FA74 GA06 GA23 GA26 HA05

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のDNA配列を含む単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号2の配列を含むアミノ酸配列をコードする単離され た核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の核酸配列を含む変性した二本鎖DN
    Aのいずれかの鎖に、60℃、0.5XSSC、0.1%SDSの洗浄条件を用いた、42℃、50%ホ
    ルムアミド及び6XSSC中の中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズ する単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 単離された核酸分子が配列番号1からin vitro突然変異誘発 によって誘導されたものである請求項3に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 配列番号1から遺伝暗号の縮重の結果として生じた単離され た核酸分子。
  6. 【請求項6】 ヒトV196 DNA、ヒトV196 DNAの対立遺伝子変異体またはV196
    DNAの種相同体である単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、5及び6に記載の核酸分子からなる群から選
    択される核酸分子の発現を指令する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の核酸分子の発現を指令する組換えベクター
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の核酸分子の発現を指令する組換えベクター
  10. 【請求項10】 請求項1、2、5及び6に記載の核酸分子からなる群から
    選択される核酸分子によりコードされる単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 SDS-PAGEで測定したとき約18kDの分子量を有する請求項1
    0に記載の単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 グリコシル化されていない形の請求項10に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の核酸分子によりコードされる単離された
    ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 グリコシル化されていない形の請求項13に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項4に記載の核酸分子によりコードされる単離された
    ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 グリコシル化されていない形の請求項15に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  18. 【請求項18】 モノクローナル抗体である請求項17に記載の単離された
    抗体。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  20. 【請求項20】 モノクローナル抗体である請求項19に記載の単離された
    抗体。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  22. 【請求項22】 モノクローナル抗体である請求項21に記載の単離された
    抗体。
  23. 【請求項23】 請求項7に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  24. 【請求項24】 発現を促進する条件の下で請求項23に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV196ポリペプチドの製造方
    法。
  25. 【請求項25】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項8に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  27. 【請求項27】 発現を促進する条件の下で請求項26に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV196ポリペプチドの製造方
    法。
  28. 【請求項28】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項9に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  30. 【請求項30】 発現を促進する条件の下で請求項29に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV196ポリペプチドの製造方
    法。
  31. 【請求項31】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 サンプルタンパク質の分子量を請求項10に記載のポリペ
    プチドの分子量と比較することを含むサンプルタンパク質の分子量を測定する方
    法であって、分子量の比較が、サンプルタンパク質とポリペプチドとをアクリル
    アミドゲルにアプライし、電流を使用してサンプルタンパク質とポリペプチドと
    を分離し、サンプルタンパク質とポリペプチドとを染色する検出試薬をゲルに添
    加することを含む前記方法。
  33. 【請求項33】 サンプルタンパク質のペプチド断片の分子量を測定するた
    めのキットであって、 容器、 請求項10に記載のポリペプチド、 アスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、アクロ
    モバクタープロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ、エン ドプロテイナーゼAsp-N及びエンドプロテイナーゼLys-Cからなる群から選択され
    る少なくとも1種の酵素、 選択された酵素による酵素切断の部位が除去された、in vitro突然変異誘発に
    より前記ポリペプチドから誘導された変異ペプチド、及び 選択された酵素での酵素切断により前記ポリペプチドから誘導された断片化ペ
    プチド、 を含み、前記ポリペプチド及び前記サンプルタンパク質を選択されたプロテアー
    ゼに接触させ、該タンパク質、該ポリペプチド及び該断片化ペプチドをアクリル
    アミドゲルにアプライし、電流を使用して該タンパク質、該ポリペプチド及び該
    断片化ペプチドを分離し、該タンパク質、該ポリペプチド及び該断片化ペプチド
    を染色する検出試薬をゲルに添加することにより該タンパク質、該ポリペプチド
    及び該断片化ペプチドを可視化するものである前記キット。
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