JP2001525381A - 分岐内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離方法 - Google Patents

分岐内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離方法

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JP2001525381A
JP2001525381A JP2000524240A JP2000524240A JP2001525381A JP 2001525381 A JP2001525381 A JP 2001525381A JP 2000524240 A JP2000524240 A JP 2000524240A JP 2000524240 A JP2000524240 A JP 2000524240A JP 2001525381 A JP2001525381 A JP 2001525381A
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JP2000524240A
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フヌイユ,ロラン・アラン
フオン,ハワード・ラム−ホー
スロー,リン・ヘンリー
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シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C7/00Purification; Separation; Use of additives
    • C07C7/148Purification; Separation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound
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Abstract

(57)【要約】 分岐内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離方法。直鎖内部オレフィン類と分岐内部オレフィン類を含有する供給原料を、分岐内部オレフィン濃度が前記供給原料中に存在するより低い主として直鎖の内部オレフィン組成物に変換する方法であって、a)線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を形成する上で有効な条件下で、置換されていても良い線状多芳香環化合物と前記供給原料を接触させ、b)得られる反応混合物から、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を分離し、c)前記線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を解離させて、線状多芳香環化合物と直鎖内部オレフィン組成物を形成し、適宜にd)段階c)で形成された線状多芳香環化合物を、直鎖内部オレフィン組成物から分離することで行う方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、直鎖内部オレフィン類を分岐内部オレフィン類から分離する方法に
関する。
【0002】 (背景技術) 多くの工業的工程で、直鎖内部オレフィン類と分岐α−オレフィン類の混合物
であるオレフィン類が製造される。オレフィン類は非常に多くの場合、ポリマー
製造において、あるいは掘削泥水添加剤として、あるいはオイル添加剤および洗
剤の製造における中間体として使用される。特定の用途に応じて、できるだけ純
度の高い直鎖内部オレフィン組成物を製造することが望ましいと考えられる。例
えば、直鎖内部オレフィン類から製造される洗剤は、分岐内部オレフィン類を含
む多くの工業的に製造されるオレフィン流に由来する洗剤より生物分解性が高い
。炭素数範囲が狭い純粋な種類の直鎖内部オレフィン類を高コストで少量製造ま
たは生産することは可能であるが、直鎖内部オレフィン類と分岐内部オレフィン
類の混合物を含む供給原料から、大量の純粋な直鎖内部オレフィン類を経済的に
得ることが特に望ましいと考えられることを本発明者らは認めている。
【0003】 分岐内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離および単離は、特に
それら化合物種が分子量や炭素数において類似していたり同じである場合には、
困難な作業である。従来の蒸留法は、沸点がそのように近い関係にあるその種の
化合物種を分離するには不十分である。分離の問題は、直鎖内部オレフィン種を
、分岐内部オレフィン類から分離する必要があるだけでなく、飽和炭化水素など
の供給原料混合物中に存在する全ての他成分からも分離しなければならない場合
にはさらに面倒になる。米国特許4946560号には、供給原料をアントラセ
ンと接触させてオレフィン付加物を形成し、供給原料から付加物を分離し、アン
トラセン−直鎖αオレフィン付加物を熱によって解離させてアントラセンとαオ
レフィン豊富なオレフィン組成物とを生成させ、αオレフィンからアントラセン
を分離することで、内部オレフィン類をαオレフィン類から分離する方法が記載
されている。しかしながら本発明者らは、直鎖内部オレフィン類豊富なオレフィ
ン流を製造することが望ましいことを認めている。
【0004】 (発明の開示) 本発明は、分岐内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離方法に関
する。詳細には、直鎖内部オレフィン類と分岐内部オレフィン類を含有する供給
原料を、分岐内部オレフィン濃度が前記供給原料中に存在するより低い直鎖内部
オレフィン組成物に変換する方法において、 a)線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を形成する上で有効な条
件下で、置換されていても良い線状多芳香環化合物と前記供給原料を接触させる
段階; b)得られる反応混合物から、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加
物と適宜に未反応の線状多芳香環化合物とを分離する段階; c)前記線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を解離させて、線状
多芳香環化合物と直鎖内部オレフィン組成物を形成する段階;ならびに適宜に、 d)段階c)で形成された線状多芳香環化合物を、直鎖内部オレフィン組成物
から分離する段階 を有してなることを特徴とする方法が提供される。
【0005】 (発明を実施するための最良の形態) 直鎖内部オレフィン(類)とは、末端炭素原子を除く炭素鎖上のいずれかの箇
所に二重結合があるオレフィンである。直鎖内部オレフィンは、いずれの二重結
合炭素原子上にも、さらには二重結合炭素原子に隣接する炭素原子上にも、アル
キル、アリールおよび脂環式の分岐を持たない。
【0006】 分岐内部オレフィン(類)とは、末端炭素原子を除く炭素鎖上のいずれかの箇
所に二重結合を有するオレフィンである。本明細書で使用する場合、分岐内部オ
レフィンは、1以上の二重結合炭素原子上あるいは二重結合炭素原子に隣接する
いずれかの炭素原子上に、1以上のアルキル、アリールまたは脂環式の分岐を有
する。
【0007】 本発明の方法で使用される供給原料オレフィン類は、直鎖内部オレフィン類と
分岐内部オレフィン類とを含むものである。該供給原料は適宜に、他の種類のオ
レフィン類、芳香族化合物類、パラフィン類および酸素化化合物類を含有してい
ても良い。該供給原料は、エチレンのオリゴマー化とそれに続く異性化および不
均化などの商業的方法によって製造される。別法として供給原料は、フィッシャ
ートロプシュ法によって製造することができ、かなりの数の分岐化学種や、パラ
フィン類、芳香族類、アルコール類、ケトン類、酸類および他の不純物を含むの
が普通である。内部オレフィン類製造の別の方法は、従来の有機金属二量化触媒
またはZSMゼオライト類もしくはSAPOなどのモレキュラーシーブスを用い
るプロピレンおよび高次オレフィン類を二量化またはオリゴマー化するというも
のである。
【0008】 供給原料中に存在する分岐内部オレフィン類、直鎖内部オレフィン類および他
の適宜の成分の量については、特に制限はない。実際に供給原料には、該供給原
料中の全成分の重量に基づいて、1重量%という少量の内部オレフィン類から9 5%以下の内部オレフィン類が含有されていても良い。しかしながら本発明の方
法は、直鎖内部オレフィン流の工業規模での生産に特に適している。従って、本
発明の好ましい実施態様では、本発明の方法に従って処理される供給原料は、5
0%重量以上の内部オレフィン類から95重量%以下の内部オレフィン類を含有
する。
【0009】 概して供給原料には、該供給原料中の全成分の重量に基づいて、5重量%〜9
0重量%の直鎖内部オレフィン類が含有されるが、好ましくは25重量%〜80
重量%の直鎖内部オレフィン類が含有される。特定の量は、オレフィン類のオリ
ゴマー化またはフィッシャートロプシュ法などの供給原料製造方法によって変わ
る場合が多い。
【0010】 供給原料中の分岐内部オレフィンの量は概して、供給原料流重量に基づいて5
重量%〜95重量%の範囲であり、20重量%〜75重量%の範囲の量が、より
一般的であって、分離方法を経済的に妥当なものとし、所望の生成物を得る上で
より好適である。
【0011】 供給原料中に存在しても良い他の成分には、αオレフィン類、芳香族化合物類
、パラフィン類および酸素化化合物類などがある。線状多芳香環化合物がαオレ
フィン類との付加物を優先的に形成すると、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレ
フィン付加物の形成が妨害されることから、供給原料流が含有するαオレフィン
類の量は例えばαオレフィン量5重量%未満というごく少量とすることが好まし
く、より好ましくは2重量%以下とし、最も好ましくは0.5重量%以下とする
。αオレフィン類以外に、供給原料中には、該供給原料の重量に基づいて0重量
%〜50重量%の範囲の量で、他の成分を存在させることができる。
【0012】 代表的には、供給原料オレフィン類の平均炭素数は4〜22の範囲であり、よ
り好ましくは約6〜約18の範囲である。オレフィン類の末端用途で必要とされ
る物性によって、単離すべき好適な炭素数がある程度決定される。本発明の方法
では、炭素数が22より大きいオレフィン類および6未満のオレフィン類を使用
することができるが、商業面での実用的観点からすると、炭素数6〜18の範囲
の供給原料が、そのまま誘導体用の中間体として使用されるか、あるいは洗剤、
可塑剤、金属で使用される潤滑剤および坑井掘削液の分野で使用するためにオリ
ゴマー化される場合が最も多い。
【0013】 本方法では、線状多芳香環化合物を用いて、供給原料流中のαオレフィン類と
の付加物を形成する。理論に拘束されるものではないが、線状多芳香環化合物は
直鎖内部オレフィン類との付加物を優先的に形成し、分岐内部オレフィン類との
付加物の程度は相対的に低いと考えられている。分岐内部オレフィン類より直鎖
内部オレフィンを指向する線状多芳香環化合物の優先的付加物形成は、ディール
ス−アルダー反応における前記分岐オレフィン類の立体障害効果および/または
電子的効果によるものであると考えられる。
【0014】 本明細書で使用する場合、「線状多芳香環化合物」とは、未置換でも置換され
ていても良く、未置換分子として同様の付加物形成特性を有する3個以上の融合
芳香環を有する線状多芳香環化合物、ならびにそれの混合物を指す。直線性は、
3環融合化合物を用いる場合の3個全ての融合環、ならびに4個以上の融合環化 合物を用いる場合の4個以上の連続融合環に及ぶべきものである。線状多芳香環
化合物は、成分の一つとして、線状多芳香環化合物を含有する化合物混合物を指
すものでもあり、それには例えばコールタール類、アントラセンオイル、ならび
にナフタレンから分離される留分を含む粗混合物などがあるが、これらに限定さ
れるものではない。線状多芳香環化合物には、炭化水素鎖、エーテル連結または
含ケトン基鎖などの架橋基によって互いに連結された芳香族分子、ならびに分岐
内部オレフィン類からの直鎖内部オレフィン類の分離において妨害しないヘテロ
原子を有する芳香族分子も含まれる。
【0015】 線状多芳香環化合物の例としては、アントラセン、2,3−ベンゾアントラセ
ン、ペンタセンおよびヘキサセンなどがあるが、これらに限定されるものではな
い。置換線状多芳香環化合物における置換基の好適な例としては、メチル、エチ
ル、ブチルなどの低級アルキル;塩素、臭素、フッ素などのハロゲン;ニトロ;
スルファト(sulfato);スルホニルオキシ;カルボキシル;カルボメトキシ、 カルボエトキシなどのカルボ低級アルコキシ;アミノ;メチルアミノ、ジメチル
アミノ、メチルエチルアミノなどのモノおよびジ低級アルキルアミノ;アミド;
水酸基;シアノ;メトキシ、エトキシなどの低級アルコキシ;アセトキシなどの
低級アルキルアノイルオキシ;フェニル、キシリル、トルイル、ベンジルなどの
単環式アリール類などがあるが、これらに限定されるものではない。特定の置換
基の大きさ、その数およびその位置は、それらが反応条件下で相対的に不活性で
あり、相対的に小さいことで、ディールス−アルダー付加物形成の立体障害が回
避されるように選択しなければならない。好適な置換線状多芳香環化合物は、通
常の実験で決定することができる。好適な線状多芳香環化合物の例としては、9
,10−ジメチルアントラセン、9.10−ジクロロアントラセン、9−メチル
アントラセン、9−アセチルアントラセン、9−(メチルアミノメチル)アント
ラセン、2−クロロアントラセン、2−エチル−9.10−ジメトキシアントラ
セン、アントラロビン(anthrarobin)および9−アントリルトリフルオロメチ ルケトンなどがある。好ましい線状多芳香環化合物は、アントラセンおよび2,
3−ベンゾアントラセンである。
【0016】 本発明の方法は基本的に3段階法であり、(a)線状多芳香環化合物を、分岐
および直鎖内部オレフィン類を含む供給原料と反応させて付加物を形成する段階
、(b)得られる反応混合物から、該付加物を分離する段階、(c)前記付加物
を解離させて、オレフィンを放出させ、前記の線状多芳香環化合物を再生する段
階がある。ディールス−アルダー付加物形成反応は、従来の形態および反応領域
で行う。好適な反応領域の例としては、オレフィンと線状多芳香環化合物を連続
的に撹拌槽に加え、反応混合物を撹拌槽から連続的に抜き出す連続撹拌槽リアク
タがある。別法として該反応は、オレフィンと線状多芳香環化合物をオートクレ
ーブに入れ、次に反応が完了するだけの反応温度まで加熱するバッチリアクタで
行うことができる。該反応は代表的には、150℃〜290℃、好ましくは20
0℃〜280℃、最も好ましくは240℃〜265℃の温度範囲で行う。圧力は
あまり重要ではなく、代表的には大気圧から約10000kPaで行う。反応は
、供給オレフィン類の揮発性に応じて、減圧下での気相または液相あるいは気−
液混合相で行うことができるが、一般的には液相で行う。
【0017】 付加物の形成には、化学量論的割合または過剰のオレフィンまたは線状多芳香
環化合物を用いることができるが、オレフィンのモル比を過剰とすることが好ま
しい。線状多芳香環化合物のオレフィンに対するモル比は好ましくは0.5:1
〜10:1であり、より好ましくは1.5:1〜7:1である。
【0018】 リアクタ中で不活性溶媒を用いて、供給原料のオレフィン類または線状多芳香
環化合物あるいはその両方を溶解させることができる。好ましい溶媒は、反応温
度では液体であって、オレフィン類、線状多芳香環化合物およびオレフィン−線
状多芳香環化合物付加物を溶かすことができる炭化水素系溶媒である。有用な溶
媒の例を挙げると、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどのシクロアルカ
ン類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族類
などがある。使用する溶媒の量は、反応に悪影響を与えることなく、広い範囲で
変動させることができる。
【0019】 しかしながら本発明の1実施態様では、供給原料および線状多芳香環化合物−
直鎖内部オレフィン付加物の形成は、無溶媒で行う。本発明者らは、無溶媒であ
ることが、同等の反応条件下で再生される線状多芳香環化合物の量にほとんど影
響を与えないこと、ならびに生成する直鎖内部オレフィン類の濃度がほぼ同じで
あることを認めた。従って好ましい実施態様では、本発明の方法を無溶媒で行う
【0020】 線状多芳香環化合物−オレフィン付加物を形成した後、それを反応混合物から
分離する。オレフィン−線状多芳香環化合物付加物は、従来の方法によって反応
混合物から分離される。分子量が大きいことと、線状多芳香環化合物−直鎖内部
オレフィン付加物と反応混合物の残りの部分との間に構造上の違いがあるために
、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物からの未反応オレフィン類の
分離には、従来の分離法が非常に適している。例えば未反応オレフィン類は、反
応混合物の減圧蒸留またはフラッシュ蒸留によって、オーバーヘッドまたは分留
で除去して、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物および未反応線状
多芳香環化合物を液体下層として残留させることができる。未反応オレフィン類
などの反応混合物の他の未反応成分ならびにパラフィン類、芳香族類、アルコー
ル類、ケトン類、酸類および他の不純物を留去することができる。
【0021】 別法として、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物は、付加物が晶
出するまで反応混合物を冷却し、次に濾過または遠心によって未反応オレフィン
を除去することで分離される。ほとんどの場合、未反応の線状多芳香環化合物は
、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物から分離する。反応混合物の
残りには、供給原料より内部オレフィンが豊富に含有されていることから、他の
方法または用途で使用することができる。
【0022】 本発明の方法の次の段階では、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加
物を解離させる。解離工程は、250℃〜400℃、好ましくは300℃〜35
0℃の温度での、回収した線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物の加
熱または熱分解によって行うことができる。この熱分解によって、線状多芳香環
化合物から直鎖内部オレフィン類が遊離する。次に、熱分解温度での直鎖内部オ
レフィン類を不純物とともに減圧蒸留またはフラッシュ蒸留し、底部残留物とし
ての線状多芳香環化合物を付加解離領域から除去する等の、熱分解操作と同時に
行うことができる従来の方法によって、線状多芳香環化合物を得られた混合物か
ら分離する。他の分離方法には、濾過および遠心などがある。線状多芳香環化合
物は、循環させて付加物反応領域に戻すことができる。分離された直鎖内部オレ
フィン組成物は、供給原料より含有される直鎖内部オレフィンが豊富であり、直
鎖内部オレフィン組成物中の分岐内部オレフィン類の濃度は、供給原料より低く
なっている。
【0023】 分岐内部オレフィン類のほとんどが直鎖内部オレフィン類から分離されている
が、少量の分岐内部オレフィン類が、他の不純物とともに、最終直鎖内部オレフ
ィン組成物中に存在する場合がある。多くの利用分野で、本発明の方法を1回通
過した後の直鎖内部オレフィン組成物中の分岐内部オレフィン類の量は十分に小
さく、該方法の1回通過だけで良い。しかしながら所望に応じて、以前の通過か
ら得られた直鎖内部オレフィン組成物が供給される追加の反応領域および付加物
解離リアクタに、前記直鎖内部オレフィン組成物を複数回通過させて、分岐内部
オレフィン含有率をさらに低下させ、直鎖内部オレフィン含有率をさらに高める
ことができる。好ましい実施態様では、本発明の方法を複数回繰り返し、より好
ましくは2〜4回繰り返す。
【0024】 直鎖内部オレフィン組成物中の分岐内部オレフィン類の量は、供給原料につい
て本発明の方法を行った後で3重量%未満である。直鎖内部オレフィン組成物中
の分岐内部オレフィン類の量は、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは
2.0重量%以下、最も好ましくは1.5重量%以下である。複数回通過を行う
と、直鎖内部オレフィン組成物中の分岐内部オレフィン類の含有率は、1.0重
量%以下、より好ましくは0.7重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下
に低下させることができる。
【0025】 以下、実施態様例および実施例によって、本発明を説明する。
【0026】 実施例 本発明の概念を説明するため、組成が異なる炭素数6の内部オレフィン類の例
をいくつか、供給原料として用いた。各供給原料サンプルの組成は下記の表1に
示してある。アントラセン0.054mol(サンプル1〜5)、2,3−ベン
ゾアントラセン0.022mol(サンプル6)または1,2−ベンゾアントラ
セン0.022mol(サンプル7、比較用)を100mLパールオートクレー
ブに入れ、窒素で3回パージし、密閉した。オートクレーブを乾燥ボックスに入
れ、窒素パージ供給原料サンプル0.108molをオートクレーブに加え、サ
ンプル1、2、6および7では脱水・窒素パージしたトルエン10mLも加えた
。オートクレーブを密閉し、乾燥ボックスから取り出し、マントルヒータに入れ
、加熱して255℃とした。トルエンを含むサンプル1、2、6および7につい
ての反応時間は3時間とした。無溶媒のサンプル3〜5についての反応時間は1
時間とした。オートクレーブ中の内容物は、加熱中撹拌した。反応終了後、オー
トクレーブを冷却して20℃とした。未反応の過剰オレフィン供給原料を生成物
混合物から蒸留によって除去した。残った未変換の線状多芳香環化合物および線
状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物の混合物を300〜350℃で約
0.5時間加熱した。その間に線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物
は、リサイクル可能な線状多芳香環化合物と供給原料中の内部オレフィン類のモ
ル数と比較して直鎖内部オレフィン類が豊富な内部オレフィン組成物生成物とに
解離した。
【0027】 この直鎖内部オレフィン組成物をガスクロマトグラフィーによって分析した。
結果は表1に示してある。供給原料中ならびに得られた直鎖内部オレフィン組成
物中の化学種の濃度は、重量パーセントとして示してある。
【0028】
【表1】
【0029】 上記の結果は、本発明による各サンプルでは、直鎖内部オレフィンの量が生成
物中で豊富であったのに対して、分岐内部オレフィンの量は大幅に低下したこと
を示している。場合によっては、分岐内部オレフィンの量は、供給原料中に存在
する量と比較して80%強低下し、90%を超える場合すらあった。非直鎖の1
,2−ベンゾアントラセンは効果がなかった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年10月5日(1999.10.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 概して供給原料には、該供給原料中の全成分の重量に基づいて、5重量%〜9
5重量%の直鎖内部オレフィン類が含有されるが、好ましくは25重量%〜80
重量%の直鎖内部オレフィン類が含有される。特定の量は、オレフィン類のオリ
ゴマー化またはフィッシャートロプシュ法などの供給原料製造方法によって変わ
る場合が多い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 供給原料中の分岐内部オレフィンの量は概して、供給原料流重量に基づいて1
重量%〜95重量%の範囲であり、20重量%〜75重量%の範囲の量が、より
一般的であって、分離方法を経済的に妥当なものとし、所望の生成物を得る上で
より好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フオン,ハワード・ラム−ホー アメリカ合衆国、テキサス・77478、シユ ガー・ランド、クリークサイド・ドライ ブ・1707 (72)発明者 スロー,リン・ヘンリー アメリカ合衆国、テキサス・77070、ヒユ ーストン、サイプレスウツド・ドライブ・ 11911 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AD11 AD17 AD33 BC10 BC31 BD60

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直鎖内部オレフィン類と分岐内部オレフィン類を含有する供
    給原料を、分岐内部オレフィン濃度が前記供給原料中に存在するより低い直鎖内
    部オレフィン組成物に変換する方法において、 a)線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を形成する上で有効な条
    件下で、置換されていても良い線状多芳香環化合物と前記供給原料を接触させる
    段階; b)得られる反応混合物から、線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加
    物を分離する段階; c)前記線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を解離させて、線状
    多芳香環化合物と直鎖内部オレフィン組成物を形成する段階;ならびに適宜に、 d)段階c)で形成された線状多芳香環化合物を、前記直鎖内部オレフィン組
    成物から分離する段階 を有してなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記線状多芳香環化合物がアントラセンまたは置換アントラ
    センである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記線状多芳香環化合物が2,3−ベンゾアントラセンまた
    は置換2,3−ベンゾアントラセンである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記供給原料を、150℃〜290℃の範囲の温度で線状多
    芳香環化合物と接触させる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 供給原料中のオレフィン類の線状多芳香環化合物に対するモ
    ル比が0.5:1を上回り7:1までの範囲である請求項1〜4のいずれかに記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記線状多芳香環化合物−直鎖内部オレフィン付加物を25
    0℃〜400℃の範囲の温度まで加熱することで、該線状多芳香環化合物−直鎖
    内部オレフィン付加物を解離させる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 段階b)および/またはd)での分離を、減圧蒸留またはフ
    ラッシュ蒸留によって行う請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 段階b)および/またはd)での分離を、最初に冷却し、次
    に濾過もしくは遠心することで行う請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記供給原料が1〜95重量%の分岐内部オレフィン類およ
    び5〜95重量%の直鎖内部オレフィン類を含有し、供給原料オレフィン類の平
    均炭素数が4〜22である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 段階a)〜c)を複数回繰り返す請求項1〜9のいずれか
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記供給原料がフィッシャートロプシュ法によって製造さ
    れたものである請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
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