JP2001525348A - カッパ−カゼイノ=グリコマクロペプチドまたはその誘導体の調製方法 - Google Patents

カッパ−カゼイノ=グリコマクロペプチドまたはその誘導体の調製方法

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JP2001525348A
JP2001525348A JP2000523868A JP2000523868A JP2001525348A JP 2001525348 A JP2001525348 A JP 2001525348A JP 2000523868 A JP2000523868 A JP 2000523868A JP 2000523868 A JP2000523868 A JP 2000523868A JP 2001525348 A JP2001525348 A JP 2001525348A
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ハンス・ヘンリク・ホルスト
デレック・イー・ダブリュ・チャタートン
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エムディ フーズ エイ.エム.ビィ.エイ.
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有用な副生成物である乳漿を破壊することのないカッパ−カゼイン=グリコマクロペプチド(GMP)、κ-カゼイノ=グリコペプチド(CGP)またはカゼイノマクロペプチド(CMP)またはこれらの誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチドまたはその誘導体を含有する乳出発原料の溶液のpHを4未満に調整し、該溶液を所定の膜を用いる限外濾過によって処理し、さらにpHを4より高く調整した後、所定の膜を用いて得られた濾液を濃縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳出発原料、特に有用な副生成物である乳漿を破壊することのない
カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチド(GMP)、κ-カゼイノグリコペプチ
ド(CGP)またはカゼイノマクロペプチド(CMP)またはこれらの誘導体の
製造方法の改良に関する。この改良された方法は、実験室のみならず、商業用に
工業的規模で有用である。
【0002】 GMPには、数多くの有用な応用が可能である。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
US4994441には、歯苔及び虫歯の生成を処理または抑制するための組
成物、例えば練り歯磨き等におけるGMPの使用が提案されている。
【0004】 US5063203には、組成物、特にトロンビ(thrombi)の予防及び/ま たは処理の為の薬剤の製造にκ-カゼイノグリコペプチドを使用することが提案 されている。
【0005】 さらに、GMPまたはCGPは、ビフィドバクテリア成長を促進するため、特
に幼児用の特別な食餌製品において、またコレラ毒素がそのレセプターに結合す
ることの防止において有用であることが提示されている。
【0006】 GMPはまた、アミノ酸代謝における障害、例えばフェニルケトン尿症(PK
U)の治療に使用することが提案されている。
【0007】 GMPを調製するための有用な方法を見出すための多くの試みがなされている
。これらの多くは、工業的に使用可能ではない。
【0008】 WO94/15952は、カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチドの製造方 法に関し、この方法は乳漿生成物の熱処理を含む。これは、乳漿副生成物の変性
を引き起こすため、他の目的には適当ではない。
【0009】 EP0453782には、カッパ−カゼイノグリコマクロペプチドの製造方法
が提案され、この方法においては、一部ラクトースから遊離したタンパク質と共
に凝縮された乳漿生成物のタンパク質が凝集して、沈降物と第一上澄み液が生成
し、第一上澄み液を限外濾過によって濃縮して濃縮水とし、その後これをエタノ
ールで処理し、この操作によって沈降物と第二上澄み液が生成し、第二上澄み液
を回収して乾燥させる。この方法は、非常に不便で面倒である。
【0010】 EP0393850及びUS5075424は、カッパ−カゼイン=グリコマ クロペプチドの製造方法に関し、この方法はカッパ−カゼイン=グリコマクロペ プチドを含有する乳出発原料の溶液のpHを4未満に調整すること、該溶液を1
0,000から50,000の分子量フラクションを透過させる膜を用いる限外
濾過によって処理すること、及び50,000以下の分子量フラクションを透過
させる膜を用いて得られた濾液を濃縮することを含む。
【0011】 該濃縮は、pHを4以上、典型的には6.5に再調整することによって同一の
フィルターに、もしくは10,000未満の遮断値(cut-off value)を有する 別の膜に実行可能である。
【0012】 この既知の方法は、高い製造コストを有し、不純な生成物を供し、濾過の間に
フィルターがすぐに詰まるため、しばしば清掃しなければならない。この方法は
、収率が低い。目詰まりを抑制するため、希釈した出発溶液が使用される。希釈
した出発溶液は、多量の水の使用と、より多くのエネルギーを要する。典型的な
出発溶液は、2重量%のタンパク質含量を有する溶液である。
【0013】 EP0488589は、カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチドの製造方法 に関し、この方法には、カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチドを含有する乳 原料をイオン交換体に接触させイオン交換体に吸着されないフラクションを回収
し、該フラクションを濃縮して脱塩することが含まれ、カッパ−カゼイン=グリ コマクロペプチドを得る。この方法は、実行が容易で乳漿副生成物を破損しない
ため好都合である。しかしながら、イオン交換体上の析出物は問題であるため、
これを相当頻繁に清掃して取り替えなければならない。EP0393850の出
願人は、イオン交換体を用いるこの方法によってタンパク質を除去することによ
り、濾過の間のタンパク質の目詰まりの問題を解消しようと試みている。
【0014】 驚くべきことに、EP0393850により既知の方法の改良によって、下記
の通り、既知の方法の欠点が回避されることが示された。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明の方法は、カッパ−カゼイン=グリコマクロペプチドまたはその誘導体 を含有する乳出発原料の溶液のpHを4未満に調整し、該溶液を10,000か
ら50,000の分子量フラクションを透過させる膜を用いる限外濾過によって
処理すること、及びpHを4より高く調整した後に50,000以下の分子量フ
ラクションを透過させる膜を用いて得られた濾液を濃縮することを含む。本発明
の方法は、冷温下での限外濾過を、スパイラルフィルターを使用して適用するこ
とを特徴とする。
【0016】 本発明の方法は、価値ある乳漿副生成物を変性させることなく純粋な生成物を
高収率及び低コストで供する。該方法は、より優れたバクテリア制御を供する。
【0017】 限外濾過は、15℃以下、特に7から15℃の温度で行われることが好ましい
。さしあたって、約12℃とすることが好ましい。
【0018】 出発原料は、乳漿生成物であるとよい。濃縮乳漿生成物、例えば乾物量に基づ
いて約15、特に35から80、最も好ましくは85から95重量%のタンパク
質の含量を有する乳漿生成物を使用することが好ましい。好ましい乳漿生成物は
、乳漿タンパク質濃縮物(WPC)及び乳漿タンパク質分離物(WPI)である
。こうして、該方法において必要とされるエネルギー及び水の量を減少させるこ
とができる。
【0019】 本発明の方法は、タンパク質0.8から15重量%の濃度を採用して実行可能
であり、5から15、特に6から8重量%が好ましい。さしあたって、7重量%
が最も好ましい濃度である。
【0020】 OSMONICS-DESALINATION社(Vista, California, USA)製のFV膜が、使用可 能な膜である。他社にも、本発明において使用可能な、対応する膜がある。
【0021】 限外濾過は、濾過助剤を用いることによって改良可能である。酸性溶液中で溶
解する傾向が予期されるため、リン酸カルシウムが使用可能であるのは驚くべき
である。特に本発明により調製されるGMPを食品等に使用すべき場合は、乳ベ
ースのリン酸カルシウムを使用することが好ましい。
【0022】 限外濾過は、pH2.5から3.5において実行可能であり、2.8から3.
2が好ましい範囲であり、さしあたってpH3.0が好ましい。本発明を、下記
の実施例によってさらに詳説する。
【0023】
【実施例】
(実施例1) 乾物量30%及びタンパク質23%を含有するWPC濃縮物250lを脱塩し た冷水750lで希釈して、希釈液中に乾物量が7.50%、及びタンパク質が 5.75%とした。12Nの塩酸を、pHが3.1となるまで添加した。
【0024】 (限外濾過I) 溶液を、OSMONICS-DESALINATION社製の、20,000ダルトンの遮断値を有 する、FV6338Cタイプの二つのUFスパイラル部材で濾過した。濾過の前に、懸 濁させたリン酸カルシウム生成物500gで被覆した。全膜領域は31m2であっ た。濾過は、下記の条件下で行った:温度は約15℃に維持し、2バールの供給
圧で平均圧を3バールに維持した。12NのHClを用いて、pHを3.1に維
持し、透過水を除去するのと同じ流速で低温脱塩水を添加した。ループ内の再循
環速度は16m3/hであり、供給タンクに渡る再循環は、約5m3/hであった。7時
間の濾過の後、供給タンクへの脱塩水の添加を停止した。次いで、供給タンク中
の乾物量が15%となるまで濃縮を行った。平均流量は、36.1l/m2hであっ た。28%の水酸化ナトリウムを、pHが6.7になるまで透過水に添加した。
【0025】 (限外濾過II) 限外濾過Iから得られた、pHを調製した透過水を、pH6.7にて、KOCK社
(Wilmington, MA, USA)製の、5,000ダルトンの遮断値を有するHFK328 63
38NYTタイプの二つのUFスパイラル部材で限外濾過した。濾過は、下記の条件 下で行った:温度は約15℃に維持し、平均圧を4バールに維持した。限外濾過
Iの場合と同様の流速とした。濃縮後、ダイアフィルトレーションを行って、該
溶液を脱塩した。濾過の後、濃縮物を自動操縦スプレー乾燥機中で乾燥させた。
下記の標中に示した組成を有する粉末が、5.0kg得られた。
【0026】 (実施例2) 乾物量30%及びタンパク質23%を含有するWPC濃縮物200リットルを
脱塩した冷水400lで希釈して、希釈液中に乾物量が10.00%、及びタン パク質が7.67%とした。12Nの塩酸を、pHが2.8となるまで添加した
【0027】 (限外濾過I) 溶液を、OSMONICS-DESALINATION社製の、20,000ダルトンの遮断値を有 する、FV6338Cタイプの二つの限外濾過スパイラル部材で濾過した。濾過の前に 、懸濁させたリン酸カルシウム生成物500gで被覆した。全膜領域は31m2で あった。濾過は、下記の条件下で行った:温度は約12℃に維持し、2.5バー
ルの供給圧で平均圧を3.5バールに維持した。12NのHClを用いて、pH
を3.0に維持し、透過水を除去するのと同じ流速で低温脱塩水を添加した。ル
ープ内の再循環流速は16m3/hであり、供給タンクに渡る再循環は、約5m3/hで
あった。8時間の濾過の後、濾過を停止した。平均流量は、21.1l/m2hであ った。28%の水酸化ナトリウムを、pHが6.7になるまで透過水に添加した
【0028】 (限外濾過II) 限外濾過Iから得られた、pHを調製した透過水を、pH6.7にて、KOCK社
(Wilmington, MA, USA)製の、5,000ダルトンの遮断値を有するHFK328 63
38NYTタイプの二つのUFスパイラル部材で限外濾過した。濾過は、下記の条件 下で行った:温度は約12℃に維持し、平均圧を4バールに維持した。限外濾過
Iの場合と同様の流速とした。濃縮後、ダイアフィルトレーションを行って、該
溶液を脱塩した。濾過の後、濃縮物を自動操縦スプレー乾燥機中で乾燥させた。
タンパク質79.5%を含有する粉末が4.2kg得られ、その90%がGMPで
あった。
【0029】 (比較例) 以下の二つの試験は、比較試験であり、できる限りEP0393850特許の
実施例1を再現しようとしたものである:乾物量30%及びタンパク質23%を
含有するWPC濃縮物100リットルを、55℃に加熱した脱塩水1300リッ
トルで希釈して、希釈液中に乾物量が2.14%、及びタンパク質が1.64%
とした。12Nの塩酸を、pHが3.5となるまで添加した。
【0030】 (限外濾過I) 溶液を、DOW社製の、20,000ダルトンの遮断値を有するGR61PP膜を取り 付けたDDS社製のモジュール38で濾過した。該モジュールは、5つの区画に分 かれた42m2の領域を有する。濾過は、下記の条件下で行った:温度は約50℃
に維持し、平均圧を4バールに維持し、12NのHClを用いてpHを3.5に
維持し、さらに供給タンク中の乾物量とタンパク質の濃度が非常にゆっくりと増
大するように、透過水の流速の90%の速度で50℃の脱塩水を添加した。ルー
プ内の再循環流速は42m3/hであり、供給タンクに渡る再循環は、約5m3/hであ
った。 透過水8000リットルを除去したところで濾過を停止した。平均流量は、46
.7l/m2hであった。28%の水酸化ナトリウムを、pHが7.0になるまで透 過水に添加した。
【0031】 (限外濾過II) 限外濾過Iから得られた、pHを調製したUFI透過水を、同一のプラント中、 50℃にて再度限外濾過した。平均圧を4バールに維持し、水酸化ナトリウムの
使用によりpHを7.0に維持した。限外濾過Iの場合と同様の流速とした。濃
縮物にダイアフィルトレーションを行い、該溶液を脱塩した。濾過の後、濃縮物
を自動操縦スプレー乾燥機中で乾燥させた。
【0032】 (実施例3) EP0393850の実施例1に記載のものと同様の操作を利用して、GMP
粉末を調製した。
【0033】 GR61PP膜を装備したDDSモジュール38UFプラントを、試験に使用
した。この膜は、乳漿タンパク質生成物に対してのみ、約200時間に渡って使
用した。特許EP0393850には、この操作を行うと、82%の純度を有す
るGMP生成物が得られる旨が記載されている。 以下の表中に記載の組成を有する粉末3.3kgが得られた。
【0034】 (実施例4) 好ましい温度を50℃とする代わりに、10−15℃の温度にて、実施例3を
反復した。この試験は、同様の膜を装備した同様のプラント中で行った。 GMP粉末は下記の組成を有しており、ここでは標準WPC生成物LACPRODAN-
80及び本発明による方法を利用して得られるGMP生成物と比較した。
【0035】
【表1】
【0036】 表示の通り、実施例3による生成物と標準生成物との相違は、EP03938
50によって調製された生成物中には、標準生成物に比べて、より多量のタンパ
ク質及びより少量のラクトースが存在したことである。他の成分の含量は、シア
ル酸及びNPN(=GMP+PP)のいずれに関しても、二つの生成物において
概して同一であった。NPN分析では、プロテオースペプトン(PP)の不足の
ため、生成物中のGMPの量が示された。EP0393850によって得られる
GMP生成物が、特許クレームによるものほど純粋でないのは、“使用済み”の
膜を用いたためである。DOWのプレート及びフレーム膜、例えばGR61PPでは、特 に熱時濾過(50℃)において、その濾過特性が迅速に変化することは本出願の
発明者には既知であったため、試験前に新たな膜を挿入していたならば、間違い
なく“より純粋な”生成物が得られていたであろう。第一濾過の間、透過水は“
純粋な”GMPから成るはずである。しかしながら、FPLCクロマトグラムか
らは、α-ラクタルブミン(α-la)及びβ-ラクトグロボリン(β-lg)のいずれ
もが透過水中に見られる。他方では第二の濾過の際には、ピンポイントホールの
ために膜が十分目の積んだものでないことにより、いくらかのGMPは透過水中
に失われる。この試験からは、新規ではないGR61PP膜で、EP0393850に
記載の方法によってGMPを生成させようと試みても、標準生成物と本質的には
変化のない生成物が得られることが結論付けられる。
【0037】 分析結果から判るとおり、実施例1によって得られる生成物は、タンパク質組
成に関する限り、他の二生成物(実施例3及び4)とは非常に異なっている(N
PNが高濃度、α-la及びβ-lgが非常に低濃度)。そのミネラル含量はまた、非
常に相違し、ミネラル含量の量の二倍以上である。GMPは多量のミネラルと結
合することが知られている。
【0038】 (EP0393850(実施例3)の方法と、本発明(実施例1及び2)の方法
との相違) 実施例1及び2に示した本発明の方法は、下記の点で既知の方法と相違してい
る。
【0039】 温度: EP0393850では熱時濾過(50℃)を用いる一方で、本発明の方法で
は、冷温濾過(典型的には15℃)を用いる。冷温濾過を用いる場合、膜はより
長持ちし、保持力もまた相当に相違している。さらにまた、細菌学上の品質につ
いても、冷温濾過を用いた場合の方が優れている。冷温濾過の用が優れているこ
とを証明するために、実施例4に記載の試験を行った。結果からは、NPN(=
GMP+PP)含量が、タンパク質含量の24.6%から30.7%に増大して
いることが判明した。これは熱時濾過によるよりも、冷温濾過による方が、より
純粋な生成物が得られることを証明している。最も大きな相違は、濃縮の間に失
われるGMPがごく僅かなことである。
【0040】 膜: EP0393850における全ての実施例では、プレート及びフレームシステ
ム上でDOW GR61PP膜が使用されている。このシステムは、該方法が発明された時
期には、一般的なシステムであった。GR61PP膜は、機械的な耐久性に乏しい。本
発明の実施例は、非常に特殊な膜:OSMONICS-DESALINATION社製のFVであって、 非常に優れた機械的安定性を有することが判明しているものを用いている。7日
間24時間稼働中のプラント内に設置された際と同様の浸透性が、使用1年後に
も観察された。
【0041】 供給: 既知の方法は、非常に薄い溶液(乾物2%)を用い、この溶液の限外濾過/ダ
イアフィルトレーションから出発している。これはおそらく、より乾燥物含量の
多いものを供給物に使用すると、GMP生成物がより不純になるためであろう。
本発明の方法(実施例1及び2)は、約7%の乾燥物含量を用いて出発する。こ
れは、同量のGMPを洗い落とすためには、かなり少量の水を使用せねばならな
いことを意味している。既知の方法では、12.300リットル/kg GMPを使用
している。本発明の方法では、1.880リットル/kg GMPを使用している。
【0042】 膜被覆: 製造開始前に、膜が濾過助剤、特にリン酸カルシウムで被覆された場合、GM
P透過率は、膜が被覆されていない場合に比べて、およそ二倍となる。被覆が肯
定的な効果を与えることを実証するために、下記の二試験を行った。
【0043】 (実施例5) 乾物量30%及びタンパク質23%を含むWPC濃縮水200リットルを、脱
塩水800リットルで希釈し、塩酸を用いることによってpHを3.0に調整し
た。
【0044】 この溶液を、下記の条件下、リン酸カルシウム500gによる被覆をしたもの としていないものとの二つのFVタイプの限外濾過スパイラル部材で濾過した。
【0045】 温度:10−12℃。ブースター流速:16m3/h。供給圧:2バール。供給タン
クへの濃縮水流速:5m3/h。乾物量7%に達した後、透過水と同じ流速でダイア
フィルトレーションを行った。濾過全般に渡って、pHを3.0に維持した。透
過水のサンプルを5分後及びその後1時間毎に回収した。該試料を、HPLCに
より、GMP及びα-ラクタルブミンについて検定した。 下記の結果が得られた。
【0046】
【表2】
【0047】 被覆のある場合の透過水中のGMP含量が、終了に向けて大幅に減少している
理由は、透過水中にGMPがあまり残っていないためである。被覆なしの試験で
は、5時間継続後にもGMPが依然としていくらか残っていた。結論としては、
被覆は、被覆のない場合に比べ、GMPをより速く洗い流すことのできる効果を
奏する。
【0048】 (検定方法) 利用したNPN分析は、他のNPN分析とは幾分異なっている。下記の操作を
用いた。 1:脱塩水285g中に粉末15gを溶解させた。 2:10%のHClまたは10%のNaOHを使用することにより該溶液のpH
を6.5に調整した。 3:該溶液について、全タンパク質量を検定した(ケルダール)。 4:残りを、90℃にて60分間、密閉ガラス中で熱処理した。 5:室温に冷却した。 6:30%のHClを使用してpHを4.6に調整した。 7:15,000gにおいて10分間、遠心分離を行った。 8:充填剤を含有する非窒素含有フィルターを利用して上澄みを濾過した。 9:濾液を検定し、総タンパク質を求めた。 PR1=熱処理前の溶液中のタンパク質含量。 PR2=熱処理後の濾液中のタンパク質含量。 NPNタンパク質=(PR2・100)/PR1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッパ−カゼイノ=グリコマクロペプチドまたはその誘導体
    を含有する乳出発原料の溶液のpHを4未満に調整すること、該溶液を10,0
    00から50,000の分子量フラクションを透過させる膜を用いる限外濾過に
    よって処理すること、及びpHを4より高く調整した後に、50,000以下の
    分子量フラクションを透過させる膜を用いて得られた濾液を濃縮することを含み
    、限外濾過が、スパイラルフィルターを使用して冷温下で行われることを特徴と
    する、カッパ−カゼイノ=グリコマクロペプチドまたはその誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 限外濾過が、15℃以下の温度で行われることを特徴とす る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 限外濾過が、7から15℃の温度で行われることを特徴と する請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該温度が、12℃であることを特徴とする請求項1から3 のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 出発原料が、乳漿生成物であることを特徴とする請求項1 から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 出発原料が、乾物量に基づいて15重量%以上のタンパク 質含量を有する乳漿生成物であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 出発原料が、乾物量に基づいて35から80重量%のタン パク質含量を有する乳漿生成物であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 出発原料が、乾物量に基づいて85から95重量%のタン パク質含量を有する乳漿生成物であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 出発原料が、乳漿タンパク質濃縮物(WPC)であること を特徴とする請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 出発原料が、乳漿タンパク質分離物(WPI)であるこ とを特徴とする請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 出発原料が、溶液中に、0.8から15重量%のタンパ ク質濃度で使用されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 出発原料が、溶液中に、5から15重量%のタンパク質 濃度で使用されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 出発原料が、溶液中に、6から8重量%のタンパク質濃 度で使用されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法
  14. 【請求項14】 出発原料が、溶液中に、7重量%のタンパク質濃度で使 用されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 膜が、OSMONICS-DESALINATION製の“FV膜”もしくはこ
    れに相当する膜であることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 限外濾過が、濾過助剤で被覆された膜において行われる ことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 濾過助剤が、リン酸カルシウムであることを特徴とする 請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 濾過助剤が、乳ベースのリン酸カルシウムであることを 特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 限外濾過が、pH2.5から3.5において行われるこ とを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 限外濾過が、pH2.8から3.2において行われるこ とを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 限外濾過が、pH3.0において行われることを特徴と する請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
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