JP2001521920A - 芳香族ニトロ化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族ニトロ化合物の製造方法

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JP2001521920A JP2000518938A JP2000518938A JP2001521920A JP 2001521920 A JP2001521920 A JP 2001521920A JP 2000518938 A JP2000518938 A JP 2000518938A JP 2000518938 A JP2000518938 A JP 2000518938A JP 2001521920 A JP2001521920 A JP 2001521920A
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hno
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acid
toluene
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ケーニヒ,ベルント−ミヒヤエル
デユーア,ヨハネス
ラーツ,ハンス−ヨアヒム
カツオロウスキ,マンフレート
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バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C201/00Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
    • C07C201/06Preparation of nitro compounds
    • C07C201/08Preparation of nitro compounds by substitution of hydrogen atoms by nitro groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B43/00Formation or introduction of functional groups containing nitrogen
    • C07B43/02Formation or introduction of functional groups containing nitrogen of nitro or nitroso groups

Abstract

(57)【要約】 本発明に従えば、アニオン表面活性物質、カチオン表面活性物質、双性イエン表面活性物質又は非イオン表面活性物質の群から選ばれる1種以上の表面活性物質0.5〜20000ppmの量を、HNO3及び随時H2SO4及び/又はH2O及び/又はH3PO4を含有するニトロ化用酸による芳香族化合物の芳香族ニトロ化合物への転化中に反応混合物に加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、芳香族化合物をHNO3及び随時H2SO4及び/又はH3PO4及び /又はH2Oを含有して成るニトロ化用酸(nitrating acids) と反応させ、その際該反応を表面活性物質の存在下に行うことにより芳香族ニト
ロ化合物を製造する方法に関する。
【0002】 大抵のさまざまなタイプのニトロ化合物はプラスチック、染料、助剤、医薬及
び他の化学品の製造のための重要な中間体である。
【0003】 等温又は断熱条件、バッチ式又は連続操作及び種々の反応器を伴う種々の方法
によるニトロ芳香族化合物の製造に関しては、特許文献を含めて多くの技術文献
及び科学文献がある。少量で必要とされる製品は好ましくはバッチ式操作で製造
され、これに対してニトロベンゼン、ニトロトルエン及びニトロクロロベンゼン
の如き大量製品は好ましくは連続法により製造される。バッチ式操作に適当な反
応器は、一般に撹拌式タンクであり、これに対して例えば管状反応器は連続操作
に好ましい。多量に製造される製品の場合には、高温レベルでの相当な反応熱を
回収しそしてそれを他のプロセスに、例えば廃酸(waste acid)の濃
縮に利用しようとする試みはあまりなかった。もっと最近の有望な断熱操作は、
中でもヨーロッパ特許公開公報第668263号(EP−A668263)及び
第675104号(EP−A675104)に記載されている。上記したヨーロ
ッパ特許出願の方法は高いレベルの成功した資源利用(高い物質収率及び高いエ
ネルギー回収)を有するが、なお更に資源利用を増加させようとする試みること
は特に大量製品にとって更に重要である。
【0004】 1−ニトロアントラキノンの製造に関して、特開平6−293709はジ−(
2−エチルヘキシル)−スルホコハク酸Na塩の使用を述べている。この方法は
純粋に有機の反応媒体(1,2−ジクロロエタン)及びニトロ化剤としてSO3 と組み合わせたNO2又はN24の使用を特徴とする。ジ−(2−エチルヘキシ ル)−スルホコハク酸Na塩はSO34.1gとNO24gから成るニトロ化剤を
基準として0.17gの量で使用される。得られた1−及び2−ニトロアントラ
キノン収率は上記したジ−(2−エチルヘキシル)−スルホコハク酸Na塩の使
用なしの他の例の収率を越えない。Ind.Eng.Chem.Res.3
1995),4305には、芳香族化合物の不均質ニトロ化らおける表面反応の
役割の研究に関して、有機相への両親媒性不純物の添加は反応を減速させること
が言及されている。この効果は不活性化剤(deactivator)として臭
化セチルトリメチルアンモニウムを使用して確かめられた(4305頁、左手の
欄、下図15)。この刊行物では、反応条件はH2SO441.41重量%、HN
31重量%及び100重量%に対する残りの水の混酸を含む。反応を工業規模 で実現させると、この反応減速の現象は空時収率の劇的な減少を招く。
【0005】 驚くべきことに、Ind.Eng.Chem.Res.での観察と対照的に、
表面活性物質を使用すると、下記した本発明に従う条件下に反応速度及び収率の
相当な増加が得られることが見いだされた。これらの驚くべき結果は下記の利点
を有する。反応混合物を混合するために、装置に必要な費用は低く、従ってニト
ロ化プロセスの投資コストを減少させる。特に大量生産で洗剤として製造される
安価な表面活性物質を使用することができる。表面活性物質はppmの範囲で使
用される。広い範囲の性質を有する表面活性物質を選ぶことが可能であり、広い
範囲の他の反応条件を選ぶことが同様に可能である。
【0006】 本発明は、ニトロ化可能な芳香族化合物をHNO3及び随時H2SO4及び/又 はH3PO4及び/又はH2Oを含有して成るニトロ化用酸と、常温又は高められ た温度で、該芳香族化合物とニトロ化用酸を絶えず混合しながら反応させること
により芳香族ニトロ化合物を製造する方法であって、反応混合物がアニオン表面
活性物質、カチオン表面活性物質、双性イオン(zwitterionic)表
面活性物質又は非イオン表面活性物質の群から選ばれる1種以上の表面活性物質
を0.5〜20000ppmの量で含有して成ることを特徴とする方法に関する
【0007】 本発明に従う方法に適当な表面活性物質はアニオン表面活性物質、カチオン表
面活性物質、双性イオン表面活性物質、又は非イオン表面活性物質の群から選ぶ
ことができる。アニオン表面活性物質は例えば、リグノスルホン酸類、芳香族に
結合した(aromatically attached)スルホン酸基を有す
るホルムアルデヒド縮合物、タンパク質縮合物、アルカンスルホネート類、アル
キルアリールスルホネート類及びアルキルサルフエート類である。カチオン表面
活性物質は、例えば、第四級アンモニウム塩である。双性イオン表面活性物質は
ベタイン類及びスルホベタイン類である。非イオン表面活性物質は移動性H原子
(mobile H atom)を有する化合物のエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド又はブチレンオキシド又はこれらの2種以上の混合物によるアルコキ
シル化により形成されるポリエーテルである。このタイプの移動性H原子を有す
る化合物は、例えば、アルコール、アルキルフェノール類、フェノール類、アル
キルアミン類、カルボン酸及びカルボキサミド類である。このような表面活性剤
、それらの構造及びそれらの製造はこの分野で働く当業者には知られている。
【0008】 挙げられた表面活性物質の中で、アニオン又はカチオン表面活性物質の群から
選ばれた表面活性物質は本発明に従う方法に使用するのに好適であり、アニオン
表面活性物質の群からの表面活性物質が特に好ましい。極めて特に好ましくは、
これらは10〜22個の炭素原子を有するアルカンスルホネート類又はアルキル
サルフエート類である。
【0009】 1種以上の表面活性物質の混合物を使用することが可能である。反応器入り口
における反応混合物中の表面活性物質の量は、例えば、0.5〜20000pp
m、好ましくは1〜2000ppm、特に好ましくは1〜200ppm、極めて
特に好ましくは5〜150ppmである。
【0010】 挙げられた群からの表面活性物質はそれらの安定性の程度にかかわりなく本発
明に従う方法に適当である。下記の構成は例えばここで実行可能である。
【0011】 − 表面活性物質又は2種以上の表面活性物質の混合物は安定でありそしてH
NO3の欠乏した廃酸中に残存しそして廃酸の再濃縮及び再循環中本発明に従っ て際使用可能となる。
【0012】 − 表面活性物質又は2種以上の表面活性物質の混合物は本発明に従う反応条
件下に安定であるが、芳香族ニトロ化合物の有機相に移行し<そして種々の洗浄
及び他の処理プロセス中に、本発明に従う方法から除去され、従って例えば反応
器入り口で補充されなければならない。
【0013】 − 表面活性物質又は2種以上の表面活性物質の混合物は本発明に従うプロセ
ス条件下に完全には安定ではない。しかしながら、それはニトロ化反応中本発明
に従う意味で作用するが、その劣化(degradation)/その分解(d
estruction)の程度に補充されなければならない。
【0014】 表面活性物質は種々の方法で反応混合物中に導入することができる。かくして
、表面活性物質をニトロ化されるべき有機化合物の供給流及び/又はニトロ化用
酸の供給流に供給することが可能である。表面活性物質を例えば反応器入り口で
別々の供給流として反応混合物に加えることも可能である。
【0015】 表面活性物質の使用により特徴付けられる本発明に従うニトロ化方法は、他に
HNO3及び随時H2SO4及び/又はH3PO4及び/又はH2Oのニトロ化用酸で
操作するすべての慣用の方法に適用することができる。かくして、例えば断熱又
は等温条件下に操作することが可能である。高いレベルにおけるエネルギー回収
が可能であるので、断熱条件が好ましい。更に、本発明に従う反応は連続的に又
はバッチ式で行うことができる。相対的に低いトン数の製品すらより好ましい連
続操作に導入するのが目標であるので、この連続操作が好ましい。
【0016】 本発明に従う方法は、当業者に知られたすべてのニトロ化反応器で行うことが
できる。挙げることができる例は、バッチ式ニトロ化のための及び連続ニトロ化
のための連続撹拌式タンクの形態にある完全に逆混合式撹拌式タンク(comp
letely back−mixed stirred tank)、連続ニト
ロ化のための例えば2〜5個の撹拌式タンクの撹拌式タンクカスケード、連続ニ
トロ化のための反応器としての管状反応器である。挙げられた反応器のすべて、
特に管状反応器は邪魔板(flow spoiler plates)、多孔金
属板(perforated metal sheets)又はスタティックミ
キサー(static mixers)を備えていることができる。
【0017】 ニトロ化されるべき化合物の有機相に対する酸相の容積の割合が一般により大
きいため、酸相はここでは連続相として存在し、これに対してニトロ化されるべ
き化合物の有機相は撹拌器によって又は多孔金属板での分散によって連続相中に
分散させられる。ニトロ化用酸及びニトロ化されるべき化合物は、両物質を管を
介して反応器に簡単に供給することにより一緒にすることができ、次いで該反応
器においてそれらは上記の如く分散させられる。しかしながら、ニトロ化される
べき芳香族化合物を1個以上のノズルを介してニトロ化用酸に導入し、続いて上
記した撹拌により又は多孔金属板、スリット及び同様な装置の使用により再分散
させるのが好ましい。
【0018】 挙げることができるニトロ化されるべき芳香族化合物の例は、ベンゼン、トル
エン、o−、m−又はp−キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロ
トルエン、ブロモトルエン、o−、m−、p−ジクロロベンゼン、フェノール、
ナフタレン又はメチルナフタレン、フェノール及びフェノール誘導体及び芳香族
アミン及びそれらの誘導体である。これらの物質の大部分は反応条件下に液体で
ある。一般に、反応条件下に固体である芳香族化合物は本発明に従う方法に使用
することもでき、このような場合に補助溶媒を使用してニトロ化されるべき液相
が得られる。本発明に従ってニトロ化される好ましい芳香族化合物は、ベンゼン
、トルエン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンである。
【0019】 ニトロ化のために使用されるニトロ化用酸はHNO3及び随時H2SO4及び/ 又はH3PO4及び/又は水を含有して成る。容易にニトロ化される芳香族化合物
、例えばフェノール類では、HNO3及び随時H2Oを含有して成るニトロ化用酸
が使用される。混合ニトロ化用酸(HNO3、H2SO4及び随時H2O)の場合に
は、H2SO4は或る場合にはH3PO4により完全に又は部分的に置き換えられて
異性体部分布に影響を与える。このようなニトロ化用酸は更に上記した表面活性
物質の1種以上を更に含有して成ることができる。大抵の工業的に適切な場合に
は、ニトロ化用酸はHNO3、H2SO4及び随時100重量%に対する残りのH2 O及び随時1種以上の表面活性物質を含有して成る。ニトロ化用酸は好ましくは
2Oを含有して成る。等温的に(isothermally)行われるニトロ 化では、大抵の場合に使用されるニトロ化用酸は、HNO320〜40重量%、 H2SO449〜60重量%及びH2O11〜20重量%を含有して成る(Ulm anns Encyklopaedie der technischen c
hemie,4,Aufl.,Vol.17,p.386(1979))。断熱
プロセスでは、HNO31〜8重量%、好ましくは2〜6重量%、特に好ましく は2.5〜5重量%、及びH2SO456〜85重量%、好ましくは64〜79重
量%を含有して成るニトロ化用酸が使用される。100重量%に対する残りは水
である。すべての百分率はH2SO4、HNO3及びH2Oの全重量を基準としてい
る。
【0020】 反応体は20〜160℃の広い範囲で混合される。当業者に知られた方法では
、望ましくないその後のニトロ化及び酸化に対してより鋭敏な芳香族化合物は、
この範囲の低い区域で、例えば20〜110℃、好ましくは30〜100℃、特
に40〜90℃で混合される。1つのこのような鋭敏な芳香族化合物は例えばト
ルエンである。多重ニトロ化及び酸化にあまり鋭敏でない芳香族化合物の場合に
は、混合は上記した範囲の高い区域、例えば60〜160℃、70〜140℃、
特に好ましくは80〜120℃で行われる。このようなあまり鋭敏ではない芳香
族化合物は例えばクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン類である
。ニトロ化が等温的に(isothermally)行われるならば、混合温度
は適当な冷却装置により維持される。ニトロ化が断熱的に行われるならば、得ら
れる反応の発熱は消散させられないで、反応混合物中に残り、そして同様に知ら
れている方法で、相分離の後廃ニトロ化用酸を濃縮するのに役立つことができる
。このような濃縮は一般に減圧下に廃酸のフラッシュ蒸発により行われる。多く
の場合に、この廃酸中のH2SO4の濃度は完全に再確立され(re−estab
lished)、次いで廃酸は消費されたHNO3が補充された後、本発明に従 う方法においてもう一度ニトロ化用酸として使用することができる。しかしなが
ら、いずれにせよ、廃酸中のH2SO4の少なくとも部分的濃縮は達成される。
【0021】 ニトロ化されるべき芳香族化合物対ニトロ化用酸中のHNO3のモル比は一般 に0.9〜1.5:1である。望ましくない多ニトロ化芳香族化合物の形成を最
小にするために、芳香族化合物対HNO3のモル比は好ましくは1.0〜1.5 :1、特に好ましくは1.03〜1.3:1、極めて特に好ましくは1.05〜
1.2:1である。しかしながら、本発明に従って得られる芳香族ニトロ化合物
がジニトロ化に付されるべきであるならば、HNO31モルに対して芳香族化合 物0.9モルで出発する広がった範囲も許容されうる。
【0022】 本発明に従う方法はより短い反応時間及び所望の芳香族ニトロ化合物のより高
い収率をもたらす。更に、より高い収率はより高い選択性、即ち、望ましくない
副生物の抑制、と関連している。
【0023】 表面活性物質の存在下の本発明に従うニトロ化法の特定の態様はモノニトロト
ルエン類の製造に関する。
【0024】 従って特定の態様は、1種以上の表面活性物質0.5〜20000ppmの存
在下にトルエンをHNO3/H2SO4/H2O混合物と反応させて本質的にモノニ
トロトルエン類と反応水を形成させることによりモノニトロトルエン類を連続的
に又はバッチ式で製造する方法であって、 a)反応参加物(reaction participants)トルエン、
HNO3、H2SO4、H2O及び表面活性物質を任意の順序で混合要素を備えた反
応器に導入し、その際、 a1)HNO3の量は1〜8重量%であり、H2SO4の量は56〜85重量 %、好ましくは58〜74重量%であり、H2Oの量は100重量%に対する残 りであり、100重量%はHNO3+H2SO4+H2Oの和を意味し、 a2)H2Oは、そのままで又はHNO3の希釈H2Oとして又はH2SO4の 希釈H2Oとして又は複数のこれらの形態で使用され、そして a3)トルエン対HNO3のモル比は0.9〜1.5であり、 b) 全反応混合物1リットル当たり1〜80ワット、好ましくは1〜70ワ
ット/リットル、特に好ましくは1〜60ワット/リットル、極めて特に好まし
くは5〜50ワット/リットルの混合エネルギーを使用して反応参加物の全体を
速く且つ激しく混合し、 c)断熱条件下に反応を行い、その際、反応参加物は混合が20〜120℃、
好ましくは30〜110℃、特に好ましくは40〜100℃の範囲で進行しそし
て反応の終点の温度が135℃を越えないような温度で供給され、 d)反応を行った後、反応混合物を有機相と無機相に分離させ、そして e)実質的にHNO3を含まない無機相を水の除去を伴う蒸留により処理し、 その際、該無機相は随時表面活性物質を含有している、 工程を含むことを特徴とする方法に関する。
【0025】 これらの態様はバッチ式で又は連続的に、好ましくは連続的に行われる。
【0026】 連続的方法は、例えば下記の方法で行うことができる。反応参加物を混合要素
においてその全量を急速に混合しそして混合物として反応器に供給する。連続法
での混合時間は一般に3秒より少なく、例えば1ミリ秒〜2.99秒、好ましく
は1ミリ秒〜2秒である。反応器は必要ならば絶縁され、実質的に逆混合を防止
し、そして断熱的に操作される。逆混合の実質的な防止のために、反応器は小分
けされているか(subdivided)又は複数の室(chamber)又は
ユニットから成り、反応器部品間の移行部(transitions)で、反応
混合物は再分散させられる。消尽するまで反応した混合物は流れ去り(run
off)、そして分離容器で分離され、分離は迅速に進行する。有機相は慣用の
方法で、例えば洗浄及び蒸留により処理され、又は直ちに第2ニトロ化に供給さ
れる。一般に、特に過剰のトルエンがあるときは、分離した無機相は実質的に硝
酸を含まない。そうでない場合には、特に過剰の硝酸があるときは、残留硝酸は
反応抽出の意味で更なるトルエンを添加して後反応器(post−reacto
r)で消費させることができる。実質的に硝酸を含まない無機酸相は、好ましく
は、吸収された反応熱を利用して且つ減圧下にフラッシュ蒸発に供給される。こ
の場合に、水は酸から除去され、そして好ましくは同時に酸は入り濃度(inp
ut concentration)及び入り温度(input temper
ature)にされる。次いでこの酸はH2SO4として工程a)で使用するのに
そのまま適当であり、そして随時表面活性物質を含有して成る。処理された無機
相(H2SO4、H2O)のプロセスへのこの戻しは、H2SO4及び随時表面活性 物質のための循環処理をもたらし、このH2SO4の小部分を排出して(ejec
t)汚染を低レベルに保つことは好都合でありうる。無機相がまだトルエン、ニ
トロトルエン及び任意の有機副生物を含有する場合には、フラッシュ蒸発の前に
無機相をストリッピングして有機化合物を除去するのが好都合でありうる。その
後フラッシュ凝縮物として得られた水はその場合には高純度でありその廃棄はよ
り簡単である。明らかに、フラッシュ凝縮物は例えばストリッピング又は相分離
により有機化合物をなくすることもでき、その際残留フラッシュ凝縮物及び高純
度水−酸相は同様に残る。HNO3と更なるトルエンとの後反応及びストリッピ ング又は相分離のような他の分離において生じる有機化合物は、適当な点でプロ
セスに加えることができ(トルエン、(ジ)ニトロトルエン)又は排出され(e
jected)そして廃棄される(不純物、副生物)。
【0027】 反応参加物は混合要素を備えた反応器に一緒に供給することができるのみなら
ず、個々に又はそれらの2種又は3種の混合物として同時に又は引き続いて供給
することもできる。供給原料は、例えば、トルエン及び硝酸又は必要ならば水を
濃縮され再循環された硫酸に別々の流れとして同時に又は引き続いて加えるよう
な方法で混合することができ、この場合に硝酸は水及び/又は硫酸及び/又は水
により希釈することができる。トルエンは水及び硫酸と予備混合することもでき
、得られるエマルションは更に強力に硝酸と混合され、そして該硝酸は硫酸及び
/又は水と混合することができる。更に、トルエンは、硫酸、硝酸及び水のニト
ロ化用酸と強く混合し、次いで本発明に従って更に処理することもできる。本発
明に従って使用されるべき表面活性物質はこれらの流れ又は流れ混合物のいずれ
にも加えることができ又は別々に使用することができる。反応参加物、の供給、
それらの混合及び更なる処理の更に他の態様は、当業者には容易に認識できる。
この目的で、当業界で知られた混合要素、例えば、1.スタティックミキサー、
2.ポンプ、3.ノズル、4.撹拌器又はその組み合わせは好適である。
【0028】 反応を成功させるために、どの順序及び組み合わせで、反応参加物硝酸及びト
ルエン並びに硫酸及び水及び表面活性物質を一緒に混合するかは、反応混合物が
全体の混合の後本発明に従う組成を有しておりそして混合が本発明に従う強さで
行われそして反応を連続的に行うとき実質的に逆混合がない限りは、あまり重要
ではない。
【0029】 高エネルギー入力は別として、バッチ式方法の場合に混合強さは短い反応参加
物添加時間により特徴付けられることもでき、それはトルエンと硝酸の反応の経
過に必要な時間の0.001〜15%、好ましくは0.001〜3%である。か
くして、撹拌式タンク内でバッチ式で本発明に従う方法を行うことも可能である
【0030】 連続法では、反応参加物の供給及び強い混合の後に少なくとも2つの再分散が
行われる。この目的で、反応器には好ましくは区域において(in secti
ons)、必要ならば例えばこの目的で当業者に知られている多孔金属板、スロ
ット付き金属板、衝撃邪魔板、羽(vanes)又は撹拌器又は同様な内部体又
は要素の如き球状に固定された内部体(spherically fixed
internals)の形態においても、スタティックミキサーが存在する。
【0031】 例として挙げることができる特定の態様のための連続操作式反応器は下記のと
おりである。羽根、偏向邪魔板(deflection baffle)、スタ
ティックミキサー又は撹拌器等のような再分散のための内部体を有する管状反応
器、カスケート配列の強力撹拌式タンク、上記のような内部体を有するループ反
応器、複数の該装置の組み合わせ、同等の作用の他の反応器、例えば、各室内に
撹拌器を有する室反応器(chamber reactors)。内部体を有す
る管状反応器が好ましくは使用される。内部体は好ましくは多孔金属板である。
すべての内部体は同等に再分散及び逆混合の実質的な防止に役立つ全体の装置の
小分け(subdivisions)を表す。
【0032】 強い混合の後、各分散の後又は混合物が反応器の或る部分長さを通って流れた
後、分散液小滴の合体が観察され、これは再分散により逆にすることができる。
再分散操作の数は、本発明に従えば、2〜50、好ましくは3〜30、特に好ま
しくは4〜20である。この場合に起こる圧力降下を克服するために、全反応混
合物1リットル当たり1〜80ワット/リットル好ましくは1〜70ワット/リ
ットル、特に好ましくは1〜60ワット/リットル、極めて特に好ましくは5〜
50ワット/リットルの混合エネルギーを反応参加物とともに反応系に加える。
【0033】 特定の態様において、反応参加物は20〜110℃、好ましくは30〜110
℃、特に好ましくは40〜110℃の範囲で混合される。断熱反応条件が維持さ
れる。最終温度は混合温度の高さ、反応参加物の量の割合及び転化率に依存し、
それは一般に135℃を越えず、そして通常125℃を越えない。
【0034】 特定の態様における混合の時点での反応混合物中の添加された硝酸の含有率は
、硝酸、硫酸及び水の合計を基準として、1〜8重量%、好ましくは1〜6重量
%、特に好ましくは1.5〜4重量%である。硝酸は高度に濃縮した形態で又は
共沸混合物として使用することができるが、好ましくは約60〜65重量%を有
する安価な「弱酸」の形態で使用することができる。
【0035】 特定の態様における混合の時点での反応混合物中の硫酸の含有率は、硝酸、硫
酸及び水の合計を基準として、56〜85重量%、好ましくは58〜74重量%
、特に好ましくは60〜72重量%、極めて特に好ましくは61〜69重量%で
ある。これらの数字はH2SO4循環操作の場合に含有されうるプロセス特有の不
純物を含まない。
【0036】 1種以上の表面活性物質の量は上記した量である。100重量%に対する残り
はH2Oである。これは、そのままで又はH2SO4の希釈H2Oとして又はHNO 3 の希釈H2Oとして又は複数のこれらの形態で使用することができる。H2Oは 好ましくはH2SO4及びHNO3の両方の希釈H2Oとして存在する。
【0037】 ニトロ化用酸中の硝酸の変化する含有率におけるニトロ化の強さは硫酸対水の
割合に依存するので、それは流出する実質的に硝酸を含まない廃酸(spent
acid)の硫酸濃度を基準として決定されそして必要に応じて調節される。
廃酸のこのH2SO4濃度は、本発明に従えば、62〜74重量%、好ましくは6
4〜72重量%、特に好ましくは66〜70重量%である。再使用のために、流
出硫酸は0.6〜7%ポイント、多くの場合に1.5〜3%ポイント濃縮され、
水(反応水、場合により希釈水)は蒸留により排出される(ejected)。
この目的で、断熱反応条件のため流出H2SO4から吸収された反応熱が好ましく
は利用されねそして1〜100ミリバール、好ましくは5〜80ミリバール、特
に好ましくは10〜75ミリバールの範囲の減圧が使用される。これは、例えば
フラッシュ蒸発の形態で行うことができる。この場合に回収されたH2SO4は工
程a)で使用するのに好適である。蒸留による水の排出は好ましくは、濃縮され
たH2SO4の温度及び濃度が工程a)で要求される値に全く同等であるような方
法で行われるのが好ましい。このような反応熱の利用は、本発明に従う方法をニ
トロトルエン類の製造のための既知の方法より経済的なものにする。
【0038】 さまざまな組成を有するニトロ化用酸、流出するH2SO4濃度、温度条件及び
フラッシュ蒸発の温度条件及び圧力及びH2SO4の濃縮の程度に関する可能な態
様は、表面活性物質に言及することなく、例として下記の如く要約することがで
きる(ケースa、b及びc)。
【0039】
【表1】
【0040】 トルエン対HNO3のモル比は一般に0.9〜1.5である。望ましくないジ ニトロトルエン類の形成を最小にするために、トルエン対硝酸のモル比は好まし
くは1.0〜1.5、特に好ましくは1.03〜1.3、極めて特に好ましくは
1.05〜1.2である。しかしながら、本発明に従って得られるニトロトルエ
ン類がジニトロ化に供給されるべきであるならば、他のモル範囲、例えば硝酸1
モル当たりトルエン0.9〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.05モル、特
に好ましくは0.95〜1モルも許容できる。
【0041】 本発明に従う方法の反応は、式 C65−CH3+HNO3→O2N−C64−CH3+H2O に従って進行する。
【0042】 かくして、トルエン及びHNO3がプロセスに導入されそしてモノニトロトル エン及び水が取り出され、一方表面活性物質を含有していてもよい上記したH2 SO4/H2O混合物は反応媒体を表す。プロセスを工業的に行う場合には、それ
ぞれ入手可能な硝酸の価格に依存して、有利には希硝酸が使用されるので、反応
水の他にHNO3の希釈H2Oも取り出さなければならない。
【0043】 反応混合物の分離において生じる有機相は処理されて純粋なモノニトロトルエ
ンを得ることができ、又はジニトロトルエン製造に供給されることができる。前
者の場合には、HNO3を消費するためのみならず第2ニトロ化を抑えるために も、前記したとおり、少なくともモル量のトルエン又は僅かにモル過剰が使用さ
れ、トルエン過剰分は分離された有機相から留去される。この前に、水に可溶性
、酸に可溶性又はアルカリに可溶性の不純物、例えば無機酸及び有機酸及びフェ
ノール系不純物を分離するために有機相を洗浄することができる。しかしながら
、酸化生成物(フェノール、CH3基の酸化)の形成は本発明に従う方法におい て強く抑えられる。同様に、ジニトロトルエン類の形成は高度に抑えられる。し
かしながら、これらのジニトロトルエン類は、いずれにせよ第2ニトロ化が意図
される場合には邪魔にはならない。それ故、このような場合には、操作はトルエ
ン不足で行うこともできる。
【0044】 表面活性物質の存在下の本発明に従うニトロ化方法の更なる特定の態様はモノ
ニトロハロゲノベンゼン類の製造に関する。
【0045】 従って第2の特定の態様は、1種以上の表面活性物質0.5〜20000pp
mの存在下にハロゲノベンゼン類をHNO3/H2SO4/H2O混合物と反応させ
て本質的にモノニトロハロゲノベンゼン類と反応水を形成させることによりモノ
ニトロハロゲノベンゼン類を連続的に又はバッチ式で製造する方法であって、 a)反応参加物ハロゲノベンゼン、HNO3、H2SO4及びH2Oを任意の順序
で混合要素を備えた反応器に供給し、その際、 a1)HNO3の量は1〜8重量%であり、H2SO4の量は56〜85重量 %であり、H2Oの量は100重量%に対する残りのであり、100重量%はH NO3+H2SO4+H2Oの和を意味し、 a2)H2Oは、そのままで又はHNO3の希釈H2Oとして又はH2SO4の 希釈H2Oとして又は複数のこれらの形態で使用され、そして a3)ハロゲノベンゼン対HNO3のモル比は0.9〜1.5であり、 b) 全反応混合物1リットル当たり1〜80ワット、好ましくは1〜70ワ
ット/リットル、特に好ましくは1〜60ワット/リットル、極めて特に好まし
くは5〜50ワット/リットルの混合エネルギーを使用して反応参加物の全体を
速く且つ激しく混合し、 c)断熱条件下に反応器内で反応を行い、その際該反応参加物は混合が60〜
160℃の範囲で進行しそして反応の終点の温度が180℃を越えないような温
度で供給され、 d)反応を行った後、反応混合物を有機相と無機相に分離させ、そして e)水の除去を伴う蒸留により実質的にHNO3を含まない無機相を処理し、 該無機相は随時表面活性物質を含有している、 工程を含むことを特徴とする方法に関する。
【0046】 本発明の目的には、ハロゲノベンゼン類は、クロロベンゼン、o−、m−、p
−ジクロロベンゼン、o−、m−、o−クロロトルエン及びブロモベンゼン、好
ましくはクロロベンゼン、o−、m−、p−ジクロロベンゼン、特に好ましくは
クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンである。
【0047】 この態様も又連続的に又はバッチ式で、好ましくは連続的に行うことができる
。連続操作のために、トルエンの代わりにハロゲノベンゼンを使用して第1の特
定の態様の操作手順に従うことができる。
【0048】 第2の特定の態様では、反応参加物は60〜160℃、好ましくは70〜14
0℃、特に好ましくは80〜120℃の範囲で混合される。断熱反応条件が維持
される。最終温度は混合温度の高さ、反応参加物の量の割合及び転化率に依存し
、それは一般に180℃を越えず、そして通常160℃を越えない。
【0049】 第2の特定の態様では、混合の時点での反応混合物中の添加された硝酸の含有
率は、硝酸、硫酸及び水の合計を基準として、1〜8重量%、好ましくは2〜6
重量%、特に好ましくは2.5〜5重量%である。
【0050】 第2の特定の態様では、混合の時点での反応混合物中の硫酸の含有率は、硝酸
、硫酸及び水の合計を基準として、56〜85重量%、好ましくは56.5〜8
4.5重量%、特に好ましくは65〜79重量%、極めて特に好ましくは67.
5〜77重量%である。
【0051】 100%に対する残りはH2Oである。
【0052】 本発明に従えば、第2の特定の態様における廃酸のH2SO4濃度は、60〜8
5重量%、好ましくは68〜80重量%、特に好ましくは70〜78重量%であ
るべきである。再使用のために、流出硫酸は0.6〜7%ポイント、多くの場合
に1.7〜4.2%ポイント濃縮される。この目的で、流出H2SO4から吸収さ
れた反応熱が利用され、そして例えば40〜150ミリバール、好ましくは40
〜120ミリバール、特に好ましくは50〜100ミリバールの減圧が使用され
る。ここでも又、これは、例えばフラッシュ蒸発の形態で行うことができる。
【0053】 様々な組成を有するニトロ化用酸、流出するH2SO4濃度、温度条件及びフラ
ッシュ蒸発の圧力及びH2SO4の濃縮の程度に関する可能な態様は、同様に表面
活性物質に言及することなく、第2の特定の態様について例として下記の如く要
約することができる(ケースa及びc:クロロベンゼン、ケースb:o−ジクロ
ロベンゼン)。
【0054】
【表2】
【0055】 ハロゲノベンゼン対HNO3のモル比は一般に0.9〜1.5である。望まし くないジニトロハロゲノベンゼン類の形成を最小にするために、ハロゲノベンゼ
ン対硝酸のモル比は好ましくは1.0〜1.5、特に好ましくは1.01〜1.
3、極めて特に好ましくは1.05〜1.2である。しかしながら、本発明に従
って得られるニトロハロゲノベンゼン類がジニトロ化に供給されるべきであるな
らば、他の範囲、例えば硝酸1モル当たりハロゲノベンゼン0.9〜1.2モル
、好ましくは0.9〜1.05モル、特に好ましくは0.95〜1モルも許容で
きる。
【0056】 本発明に従う方法の反応は、式 C65−Hal+HNO3→O2N−C64−Hal+H2O に従って進行する。
【0057】 反応混合物の分離において生じる有機相は第1の特定の態様と同様に処理する
ことができる。
【0058】 実施例1 再分散要素として多孔板を有する管状反応器に、75℃で、H2SO4(70%
)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及び トルエン9.4kg/hの流れを同時に供給した。ニトロ化用酸はアルカンスル
ホネート(C12−C18)25ppmを含有していた。約35秒の滞留時間の後、
消尽するまで反応した混合物は反応器を去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 トルエン 6.41% o−ニトロトルエン 54.06% m−ニトロトルエン 5.36% p−ニトロトルエン 33.38% 2,4−ジニトロトルエン 0.19% 2,6−ジニトロトルエン 0.07% ジニトロ−o−クレゾール 0.14% ジニトロ−p−クレゾール 0.40% の有機相 12.92kg/h、 酸相1リットル当たりモノニトロトルエン類4.30gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0059】 これは理論収率の98.6%のモノニトロトルエン類の収率に相当する。
【0060】 実施例2(比較例) 再分散要素として多孔板を有する管状反応器に、75℃で、H2SO4(70%
)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及び トルエン9.4kg/hの流れを同時に供給した。アルカンスルホネートは使用
しなかった。約35秒の滞留時間の後、消尽するまで反応した混合物は反応器を
去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 トルエン 15.54% o−ニトロトルエン 48.65% m−ニトロトルエン 4.91% p−ニトロトルエン 30.00% 2,4−ジニトロトルエン 0.29% 2,6−ジニトロトルエン 0.11% ジニトロ−o−クレゾール 0.10% ジニトロ−p−クレゾール 0.39% の有機相 12.40kg/h、 酸相1リットル当たりモノニトロトルエン類3.80gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0061】 これは理論収率の85.4%のモノニトロトルエン類の収率に相当する。
【0062】 実施例3 再分散要素として多孔板を有する管状反応器に、75℃で、H2SO4(70%
)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及び トルエン9.4kg/hの流れを同時に供給した。ニトロ化用酸はベンジルトリ
メチルアンモニウムクロリド33ppmを含有していた。約35秒の滞留時間の
後、消尽するまで反応した混合物が反応器を去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 トルエン 7.00% o−ニトロトルエン 54.02% m−ニトロトルエン 5.39% p−ニトロトルエン 32.91% 2,4−ジニトロトルエン 0.15% 2,6−ジニトロトルエン 0.05% ジニトロ−o−クレゾール 0.12% ジニトロ−p−クレゾール 0.36% の有機相 12.80kg/h、 酸相1kg当たりモノニトロトルエン類4.20gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0063】 これは理論収率の97.3%のモノニトロトルエン類の収率に相当する。
【0064】 実施例4 再分散要素として多孔板を備えた管状反応器に、110℃で、H2SO4(70
%)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及 びクロロベンゼン11.5kg/hの流れを同時に供給した。ニトロ化用酸はア
ルカンスルホネート100ppmを含有していた。約35秒の滞留時間の後、消
尽するまで反応した混合物が反応器を去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 クロロベンゼン 7.20% o−ニトロクロロベンゼン 36.19% m−ニトロクロロベンゼン 1.64% p−ニトロクロロベンゼン 54.97% の有機相 14.30kg/h、 酸相1リットル当たりモノニトロクロロベンゼン類5.4gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0065】 これは理論収率の98.2%のモノニトロクロロベンゼン類の収率に相当する
【0066】 実施例5(比較例) 再分散要素として多孔板を備えた管状反応器に、110℃で、H2SO4(70
%)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及 びクロロベンゼン11.5kg/hの流れを同時に供給した。アルカンスルホネ
ートは使用しなかった。約35秒の滞留時間の後、消尽するまで反応した混合物
が反応器を去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 クロロベンゼン 15.53% o−ニトロクロロベンゼン 32.86% m−ニトロクロロベンゼン 1.47% p−ニトロクロロベンゼン 50.14% の有機相 13.9kg/h、 酸相1リットル当たりモノニトロクロロベンゼン類5.1gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0067】 これは理論収率の87.3%のモノニトロクロロベンゼン類の収率に相当する
【0068】 実施例6 再分散要素として多孔板を備えた管状反応器に、75℃で、H2SO4(70%
)187.8kg/h及びHNO3(67%)8.7kg/hから成る流れ及び トルエン9.4kg/hの流れを同時に供給した。混合酸はアルキルサルフエー
ト25ppmを含有していた。約35秒の滞留時間の後、消尽するまで反応した
混合物が反応器を去った。相分離により、 下記の組成(較正されたGC)、 トルエン 6.57% o−ニトロトルエン 53.94% m−ニトロトルエン 5.35% p−ニトロトルエン 33.30% 2,4−ジニトロトルエン 0.25% 2,6−ジニトロトルエン 0.11% ジニトロ−o−クレゾール 0.12% ジニトロ−p−クレゾール 0.36% の有機相 12.85kg/h、 酸相1リットル当たりモノニトロトルエン類4.20gを有する 酸相 121リットル/h、 が得られた。
【0069】 これは理論収率の98.5%のモノニトロトルエン類の収率に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 43/02 C07B 43/02 61/00 300 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ラーツ,ハンス−ヨアヒム ドイツ連邦共和国デー−51375レーフエル クーゼン・マクス−リーベルマン−シユト ラーセ6 (72)発明者 カツオロウスキ,マンフレート ドイツ連邦共和国デー−50129ベルクハイ ム・オーレスベーク1 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC51 BA73 BC10 BD20 BD80 BE02 BE03 BE04 4H039 CA72 CC50 CD10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトロ化可能な芳香族化合物をHNO3及び随時H2SO4及 び/又はH2O及び/又はH3PO4を含有するニトロ化用酸と、常温又は高めら れた温度で、該芳香族化合物とニトロ化用酸を絶えず混合しながら反応させるこ
    とにより芳香族ニトロ化合物を製造する方法であって、反応混合物がアニオン表
    面活性物質、カチオン表面活性物質、双性イオン表面活性物質又は非イオン表面
    活性物質の群から選ばれる1種以上の表面活性物質を0.5〜20000ppm
    の量で含有して成ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 1種以上の表面活性物質の含有率が1〜2000ppmであ
    ることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 アニオン表面活性物質又はカチオン性表面活性物質の群から
    選ばれる1種以上の表面活性物質を使用することを特徴とする請求項1又は2の
    方法。
  4. 【請求項4】 断熱条件又は等温条件下に反応を行うことを特徴とする請求
    項1〜3の方法。
  5. 【請求項5】 反応を連続的に又はバッチ式で行うことを特徴とする請求項
    1〜4の方法。
  6. 【請求項6】 反応に使用される反応器が、撹拌式タンク、撹拌式タンクカ
    スケード又は管状反応器であり、これらは邪魔板、多孔金属板又はスタティック
    ミキサーを備えていてもよいことを特徴とする請求項1〜5の方法。
  7. 【請求項7】 芳香族化合物を1個以上のノズルを介してニトロ化用酸中に
    導入することを特徴とする請求項1〜6の方法。
  8. 【請求項8】 ベンゼン、トルエン、o−、m−又はp−キシレン、クロロ
    ベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン、ブロモトルエン、o−、m−、p
    −ジクロロベンゼン、ナフタレン又はメチルナフタレン、フェノール及びフェノ
    ール誘導体及び芳香族アミン及びそれらの誘導体から成る群より選ばれる芳香族
    化合物を反応させることを特徴とする請求項1〜7の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に従って、1種以上の表面活性物質0.5〜2
    0000ppmの存在下にトルエンをHNO3/H2SO4/H2O混合物と反応さ
    せて本質的にモノニトロトルエン類と反応水を形成させることによりモノニトロ
    トルエン類を連続的に又はバッチ式で製造する方法であって、 a)反応参加物トルエン、HNO3、H2SO4、H2O及び表面活性物質を任意
    の順序で混合手段を備えた反応器に供給し、その際、 a1)HNO3の量は1〜8重量%であり、H2SO4の量は56〜85重量 %であり、H2Oの量は100重量%に対する残りであり、100重量%はHN O3+H2SO4+H2Oの和を意味し、 a2)H2Oは、そのままで又はHNO3の希釈H2Oとして又はH2SO4の 希釈H2Oとして又は複数のこれらの形態で使用され、そして a3)トルエン対HNO3のモル比は0.9〜1.5であり、 b) 全反応混合物1リットル当たり1〜80ワットの混合エネルギーを使用
    して反応参加物の全体を速く且つ激しく混合し、 c)断熱条件下に反応を行い、その際、反応参加物は混合が20〜120℃の
    範囲で進行しそして反応の終点の温度が135℃を越えないような温度で供給さ
    れ、 d)反応を行った後、反応混合物を有機相と無機相に分離させ、そして e)実質的にHNO3を含まない無機相を水の除去を伴う蒸留により処理し、 その際該無機相は随時表面活性物質を含有している、 工程を含むことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8に従って、1種以上の表面活性物質0.5〜
    20000ppmの存在下にハロゲノベンゼン類をHNO3/H2SO4/H2O混
    合物と反応させて本質的にモノニトロハロゲノベンゼン類と反応水を形成させる
    ことによりモノニトロハロゲノベンゼン類を連続的に製造する方法であって、 a)反応参加物ハロゲノベンゼン、HNO3、H2SO4、H2O及び表面活性物
    質を任意の順序で混合手段を備えた反応器に供給し、その際、 a1)HNO3の量は1〜8重量%であり、H2SO4の量は56〜85重量 %であり、H2Oの量は100重量%に対する残りであり、100重量%はHN O3+H2SO4+H2Oの和を意味し、 a2)H2Oは、そのままで又はHNO3の希釈H2Oとして又はH2SO4の 希釈H2Oとして又は複数のこれらの形態で使用され、そして a3)ハロゲノベンゼン対HNO3のモル比は0.9〜1.5であり、 b) 全反応混合物1リットル当たり1〜80ワットの混合エネルギーを使用
    して反応参加物の全体を速く且つ激しく混合し、 c)反応参加物の逆混合を実質的に防止する反応器であって該反応器において
    反応参加物は該反応器を通って流れながら少なくとも2回再分散させられるよう
    にした反応器において、断熱条件下に反応を行い、その際該反応参加物は混合が
    60〜160℃の範囲で進行しそして反応の終点の温度が180℃を越えないよ
    うな温度で供給され、 d)反応を行った後、反応混合物を有機相と無機相に分離させ、そして e)実質的にHNO3を含まない無機相を水の除去を伴う蒸留により処理し、 その際該無機相は随時表面活性物質を含有している、 工程を含むことを特徴とする方法。
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