JP3219960B2 - モノニトロトルエン類の断熱製造方法 - Google Patents

モノニトロトルエン類の断熱製造方法

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JP3219960B2
JP3219960B2 JP04362195A JP4362195A JP3219960B2 JP 3219960 B2 JP3219960 B2 JP 3219960B2 JP 04362195 A JP04362195 A JP 04362195A JP 4362195 A JP4362195 A JP 4362195A JP 3219960 B2 JP3219960 B2 JP 3219960B2
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    • C07C201/00Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
    • C07C201/06Preparation of nitro compounds
    • C07C201/08Preparation of nitro compounds by substitution of hydrogen atoms by nitro groups

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、反応熱を利用して廃酸が入って
いないモノニトロトルエン類を高い選択率で製造する方
法に関するものである。
【0002】モノニトロトルエン類は、プラスチック
類、染料および助剤の製造を行うに重要な中間体であ
る。
【0003】モノニトロトルエン類の製造は、産業的に
は、低温(20から60℃)でトルエンの等温ニトロ化
を行うことによって行われている。この場合、高度に汚
染された廃酸が多量に生じ、これを処分するか或はさら
なる処理を行う必要があるが、この処理は高価である。
この方法の欠点は、かなりの反応熱を除去する必要があ
るがこのエネルギーは低い温度レベルで生じ、その結果
として、これを利用することができない点である。
【0004】さらなる欠点は、その消費された冷えた酸
を濃縮する目的で追加的エネルギーを用いる必要がある
点である。追加的に、このニトロ化を行った後に有機相
と無機相を分離させる必要があることで困難さがもたら
される。トルエンを用いた抽出を行うことによって、そ
の消費された酸から残存有機材料を取り出す必要があ
る。これに関して知られている現象は、その消費された
酸が黒色になることであり(「黒色の消費酸」、米国特
許第4650912号)、これによって、酸の濃縮を行
う時問題が生じる。
【0005】このような廃酸が生じるのを回避するに
は、反応熱を利用して硫酸の濃縮を行うことを組み入れ
た方法を探求する必要がある。ここで、この硫酸の濃縮
を安価な様式で産業的に行うことを可能にするには、副
生成物の堆積が生じ得ないように酸を循環させそして反
応温度を高くする必要がある。
【0006】ベンゼンに関する断熱モノニトロ化は数多
くの特許の中に記述されている(米国特許第22569
99号、米国特許第4021498号、米国特許第40
91042号、米国特許第4973770号、ヨーロッ
パ特許第436443号)。上述した等温トルエンニト
ロ化におけるエネルギー上の不利はこの断熱ベンゼンニ
トロ化には当てはまらない、と言うのは、その反応熱は
より高い温度レベルで起こることで(この反応の終点に
おける消費された酸の温度は例えば>100℃であ
る)、この熱を酸の濃縮で利用することができるからで
ある。上述した出願の中には、上記操作をトルエンのモ
ノニトロ化に広げることが述べられているが、実施例の
中には全く記述されていない。それとは対照的に、文献
には、比較的高い温度でジニトロトルエン類および酸化
生成物、例えばニトロクレゾール類および安息香酸など
が多量に生じるのを避ける目的で、低い温度(約20−
60℃)でモノニトロトルエン類を等温製造することが
開示されている(Houben−Weyl、X/1巻、
156頁、Thieme Verlag、Stuttg
art 1971;Kirk−Othmer、9巻、3
95頁、Interscience、New York
1952)。この等温ジニトロ化は既に約65−85
℃の温度範囲で実施されていることも更に知られてい
る。従って、上記特許に従うベンゼン以外の芳香族化合
物に関する断熱ニトロ化は純粋に推測的性質を有すると
見なすべきであった。特に、米国特許第4,973,7
70号の実施例の中のベンゼンのニトロ化で引用されて
いる温度である100℃は、トルエンには適用不可能で
あると考えられる。
【0007】更に、米国特許第4,973,770号に
記述されている方法における注意の焦点は、ベンゼンを
1回噴霧化して微細分布させることに向けられており、
これを手助けとしてその反応過程全体の調節を行う必要
がある。できるだけ微細な分布を維持するには、その噴
霧化した粒子が互いにおよび壁に癒着するのを避ける必
要がある。壁との接触を避ける目的で、ノズルの直径に
比較して大きな直径の反応槽が用いられており、その結
果、理想的な混合撹拌タンクの場合、強力な逆混合が生
じる;即ち、図1と組み合わせた米国特許第4,97
3,770号の例示態様に従うと、ベンゼンは、直径が
0.5mmのスプレーノズルを通して直径が75mmの
反応槽の中に導入されている。この反応槽全体の長さが
430mmの場合、そのノズルから150mm離れた所
でその混合酸が加えられており、ここでのノズルジェッ
トのエネルギーは既にその逆混合で本質的に消費されて
いる。従って、その添加された混合酸とその注入された
ベンゼンとの混合は、より低いエネルギーレベルおよび
より低い激しさで生じる。
【0008】ヨーロッパ特許第436 443号の請求
もまた、本分野の技術者によく知られている範囲を越え
ており、このヨーロッパ特許第436 443に従う
と、この特許の図6から採用すべきであるモル組成を示
すニトロニウムイオン含有混合酸が利用されている。従
って、図6で強調されている点Dは、ヨーロッパ特許第
436 443号の9頁、10−12行と組み合わせる
と、H2SO4が72.02モル%であり、HNO3
2.99モル%でありそしてH2Oが24.99モル%
である組成を有する酸を示しており、これはH2SO4
91.71重量%であり、HNO3が2.45重量%で
ありそしてH2Oが5.84重量%であることに相当し
ている。このような強酸は、トルエンのニトロ化、特に
モノニトロ化にはあまり適切でない。更に、この方法で
生じる廃酸を循環させることを産業的に正当化するのは
不可能である、と言うのは、その必要とされる濃度であ
る、90重量%よりもずっと高い濃度を得るのは、あま
りにも複雑であるからである。従って、このような方法
は経済的に適当でなく、そしてこれは、本目的を達成す
ることに関する情報を本分野の技術者に与え得るもので
ない。
【0009】驚くべく見い出したように、本発明に従う
方法では、以下に記述する段階および条件を用いると、
比較的高い反応温度でトルエンを断熱的に高い選択率で
モノニトロ化することができる。
【0010】本発明は、本質的にモノニトロトルエン類
と反応水を生じさせながらトルエンとHNO3/H2SO
4/H2O混合物とを反応させることによってモノニトロ
トルエン類を連続製造する方法に関するものであり、こ
れは、 a)反応参与物(participants)であるト
ルエン、HNO3、H2SO4およびH2Oを、スタティッ
クミキサー素子(static mixer elem
ents)が備わっている連続管状反応の中にいずれ
かの順で供給し、ここで、 a1)このHNO3の量は1−8重量%であり、H2SO
4の量は58−74重量%であり、そしてH2Oの量は、
100重量%に対する残りであり、ここで、100重量
%はHNO3+H2SO4+H2Oの総量を表しており、 a2)このH2Oをそのままか、HNO 3 の希釈用H2
としてか、H2SO4の希釈用H2Oとしてか、或は複数
の上記形態として用い、そして a3)HNO3に対するトルエンのモル比を0.9−
1.5にし、 b)全反応混合物1リットル当たり3から40ワット、
好適には3から30W/Lの混合エネルギーを用いて
れらの反応参与物の全体を迅速かつ激しく混合し、全反
応混合物の少なくとも2回の再分散を行ない、 c)断熱条件下でこの反応を実施し、ここでは、この混
合が20−110℃、好適には30−100℃、特に好
適には40−90℃の範囲で進行しそしてこの反応終点
における温度が135℃を越えないような温度で、これ
らの反応参与物を供給し、 d)この反応を実施した後、この反応混合物を有機相と
無機相に分離させ、そして e)水を除去しながら蒸留を行うことによって、その本
質的にHNO3が入っていない無機相の処理を行う、段
階によって特徴づけられる。
【0011】次に関連事項も含めて本発明を更に詳細に
説明する。不連続または連続的、好適には連続的に本発
明に従う方法を実施する。
【0012】例えば以下の様式でこの連続操作を実施す
ることができる:これらの反応参与物の全体量を混合素
子の中で迅速混合した後、混合物として反応槽の中に供
給する。連続操作に関する混合時間は一般に3秒未満で
あり、例えば1ミリ秒から2.99秒、好適には1ミリ
秒から2秒である。必要に応じてこの反応槽を絶縁し、
本質的に逆混合を防止し、そして断熱的に運転する。逆
混合が生じるのを本質的に防止するには、この反応槽を
細分するか、或はこれに複数のチャンバまたはユニット
を備え付け、これらの反応槽部分間の転移部分で、この
反応混合物の再分散を行う。徹底的に反応させた混合物
を流出させた後、分離用容器内で分離を生じさせるが、
この分離は急速に進行する。通常様式、例えば洗浄およ
び蒸留などでその有機相の処理を行うか、或はこれを直
ちに次のニトロ化に供給する。特にトルエンを過剰量で
存在させる場合、一般に、その分離させた無機相には本
質的に硝酸が入っていない。そうでない場合、特に硝酸
を過剰量で存在させる場合、次の反応槽において、反応
性抽出の意味で更にトルエンを加えることにより、残存
している硝酸を消費させることができる。この本質的に
硝酸が入っていない、酸性を示す無機相を、好適には、
その吸収された反応熱を利用した減圧下のフラッシュ蒸
発(flash evaporation)に供給す
る。この場合、この酸から水が除去され、そして好適に
は同時に、この酸は投入濃度および投入温度になる。こ
の時点で、この酸は、段階a)でH2SO4として直接用
いるに適切である。このように、その処理した無機相
(H2SO4、H2O)をこの工程に戻す結果として、H2
SO4に関する循環操作がもたらされるが、如何なる汚
染も低レベルに維持する目的でこのH2SO4を少量排出
させるのが好都合であり得る。この無機相の中にまだト
ルエン、ニトロトルエンおよび何らかの有機副生成物が
含まれている場合、フラッシュ蒸発を行う前に無機相の
脱溶媒を行うことでその有機化合物を除去するのが好都
合であり得る。その結果、フラッシュ凝縮物として得ら
れる水は、その時点でより高い純度を示しており、これ
の処分がより簡単になる。例えば脱溶媒または相分離を
行うことにより、明らかに、このフラッシュ凝縮物から
有機化合物を除去することも可能であり、ここでも同様
に、残留フラッシュ凝縮物および高純度の水−酸相が残
存する。さらなるトルエンを用いたHNO3の後反応、
並びに脱溶媒または他の分離、例えば相分離などで生じ
る有機化合物は、この工程の適切な地点(トルエン、
(ジ)ニトロトルエン)に添加可能であるか、或はこれ
を排出させて処分する(不純物、副生成物)。
【0013】混合素子が備わっている反応槽にこれらの
反応参与物を一緒に供給してもよいが、これらはまた個
別にか或はそれらの2種または3種の混合物として同時
にか或は連続的に供給可能である。例えば、トルエンと
硝酸または必要に応じて水とを個別の流れとしてその再
利用する濃硫酸に同時または連続的に加えるような様式
で、これらの原料を混合することができ、この場合、水
および/または硫酸と水でこの硝酸を希釈することがで
きる。また、トルエンを水および硫酸と予め混合するこ
とも可能であり、その得られるエマルジョンを更に硝酸
と激しく混合するが、この硝酸も硫酸および/または水
と混合されていてもよい。更にまた、硫酸と硝酸と水と
の混合酸とトルエンとを激しく混合した後、本発明に従
うさらなる処理を受けさせることも可能である。反応参
与物の供給、それらの激しい混合およびさらなる処理に
関する更に別の変法は、本分野の技術者に容易に理解さ
れるであろう。この目的で、本技術分野で知られている
混合素子、例えば1.スタティックミキサー、2.ポン
プ、3.ノズル、4.撹拌機またはそれらの組み合わせ
が適切である。
【0014】この反応を成功させることに関しては、こ
の反応混合物全体を混合した後これが本発明に従う組成
を有しておりそして本発明に従う激しさで混合が生じ、
そしてこの反応を連続的に実施する場合、本質的に逆混
合が生じない限り、反応参与物である硝酸とトルエンと
共に硫酸および水をどの順および組み合わせで一緒に混
合するかはあまり重要でない。
【0015】この混合の激しさは、不連続操作の場合、
エネルギー入力が高いこと以外に、この反応参与物の添
加を行う時間がトルエンと硝酸とを反応させる過程に必
要とされる時間の0.001から15%、好適には0.
001から3%であるような短い時間であることによっ
て特徴づけられ得る。従ってまた、本発明に従う方法を
撹拌タンク内でバッチ式に実施することも可能である。
【0016】これらの反応参与物の供給を行って激しく
混合した後、連続操作では、再分散を少なくとも2回行
う。この目的で、この反応槽の中に、好適には部分に分
けて、また必要に応じて、球状の固定内部構造物、例え
ば穴開き金属シート、溝付き金属シート、衝撃邪魔板、
羽根または撹拌機などの形態をしたスタティックミキサ
ー素子、或はこの目的で本分野の技術者に知られている
同様な内部構造物または素子を存在させる。
【0017】例として挙げることができる、本発明に従
う方法に適した連続運転反応槽は、下記の如くである:
羽根、偏向邪魔板、スタティックミキサーまたは撹拌機
などの如き再分散用の内部構造物が備わっている管状反
応槽;カスケード配列の強力撹拌タンク;上に示した如
き内部構造物が備わっているループ反応槽;上記装置の
複数の組み合わせ;同様な作用を示す他の反応槽、例え
ば各チャンバ内に撹拌機が備わっているチャンバ反応槽
など。内部構造物が備わっている管状反応槽を好適に用
いる。これらの内部構造物は、好適には、必要ならば球
状の、穴開き金属シートである。全ての内部構造物は、
この装置全体を細分することを意味しており、これらは
同様に、再分散の目的で働くと共に逆混合を本質的に防
止する目的で働く。
【0018】この激しい混合を行った後か、各分散を行
った後か、或はこの反応槽の特定部分の長さに渡ってこ
の混合物を流した後、その分散液滴が癒着することが観
察されるが、再分散を行うことによってそれを逆転させ
ることができる。この再分散操作の数は、本発明に従
い、2から50回、好適には3から30回、特に好適に
は4から20回である。この場合に起こり得る圧力降下
に打ち勝つ目的で、これらの反応参与物が入っている反
応システムに、全反応混合物1リットル当たりから4
0ワット、好適には3から30W/Lで混合エネルギー
を加える。
【0019】20から110℃、好適には30から10
0℃、特に好適には40から90℃の範囲でこれらの反
応参与物の混合を行う。断熱反応条件を維持する。この
最終温度は、その混合温度の高さ、反応参与物量の比率
および変換率に依存しているが、これは一般に135℃
を越えず、通常125℃以下である。
【0020】この混合時における反応混合物内の添加硝
酸含有量は、硝酸と硫酸と水の総量を基準にして、1か
ら8重量%、好適には1から6重量%、特に好適には
1.5から4重量%である。硝酸は、高濃度形態または
共沸形態で使用可能であるが、好適には、安価に入手可
能な約60−65重量%の「弱酸」形態で使用可能であ
る。
【0021】この混合時における反応混合物内の硫酸含
有量は、硝酸と硫酸と水の総量を基準にして、58−7
4重量%、好適には60−72重量%、特に好適には6
1−69重量%である。これらの数値には、H2SO4
環操作を行っている間に入ってくる可能性のある工程に
特異的な如何なる不純物も含まれていない。
【0022】100重量%に対する残りはH2Oであ
る。これは、そのままか、H2SO4の希釈用H2Oとし
てか、HNO3の希釈用H2Oとしてか、或は複数の上記
形態で使用可能である。好適には、H2SO4およびHN
3両方の希釈用H2OとしてH2Oを存在させる。
【0023】このニトロ化用酸の中の硝酸含有量を変化
させることに伴うニトロ化の激しさは、水に対する硫酸
の比率に依存していることから、これは、その流出して
来る、本質的に硝酸が入っていない消費された酸の硫酸
濃度を基準にして決定され、そして必要ならばそれを基
準にしてこれの調整を行う。この消費された酸のH2
4濃度は、本発明に従い、62から74重量%、好適
には64から72重量%、特に好適には66から70重
量%でなくてはならない。再使用する場合、この流出し
て来る硫酸を0.6−7パーセントポイント、多くの場
合1.5−3パーセントポイント濃縮し、ここで、水
(反応水、恐らくは希釈水)を蒸留で取り出す。この目
的で、断熱反応条件であることでその流出して来るH2
SO4から吸収された反応熱を好適に利用し、そして1
から100ミリバール、好適には5−80ミリバール、
特に好適には10−75ミリバールの範囲の減圧を用い
る。これは、例えばフラッシュ蒸発の形態で実施可能で
ある。この場合に作り出されるH2SO4は段階a)で用
いるに適切である。蒸留による水の取り出しは、好適に
は、その濃縮したH2SO4の温度および濃度がその段階
a)で要求されている値に直接相当するような様式で実
施する。このように反応熱を利用していることから、本
発明に従う方法は、ニトロトルエン類の製造で知られて
いる方法よりも経済的である。
【0024】組成を変化させた混合酸、流出して来るH
2SO4の濃度、フラッシュ蒸発の温度条件および圧力、
並びにH2SO4の濃縮度に関する可能な態様を、例とし
て以下の如く要約することができる(ケースa、bおよ
びc)。
【0025】
【表1】
【0026】HNO3に対するトルエンのモル比は一般
に0.9−1.5である。望ましくないジニトロトルエ
ン類が生じるのを最小限にするには、硝酸に対するトル
エンのモル比を好適には1.0から1.5、特に好適に
は1.03から1.3、非常に特に好適には1.05か
ら1.2にする。しかしながら、本発明に従って入手可
能なニトロトルエン類をジニトロ化に供給すべき場合、
他のモル範囲、例えば硝酸1モル当たり0.9−1.2
モル、好適には0.9−1.05モル、特に好適には
0.95−1モルの量のトルエンも許容され得る。
【0027】本発明に従う方法の反応は式: C65−CH3 + HNO3 → O2N−C64−C
3 + H2O に従って進行する。従って、トルエンとHNO3をこの
過程に導入すると、モノニトロトルエンとH2Oが取り
出される一方、その記述したH2SO4/H2O混合物は
反応媒体に相当する。この方法を産業的に実施する場
合、それぞれ入手可能な硝酸の価格に応じて希硝酸を有
利に用いることから、この反応水に加えてまた、そのH
NO3の希釈用H2Oも取り出す必要がある。
【0028】この反応混合物の分離で生じる有機相を処
理することにより、純粋なモノニトロトルエンを入手す
るか、或はこれをジニトロトルエン製造に供給してもよ
い。前者の場合、上に記述したように、少なくともモル
当量か或は若干モル過剰量でトルエンを用いることで、
HNO3の消費を生じさせるばかりでなくまた二次的ニ
トロ化が生じるのを抑制し、そして如何なる過剰量のト
ルエンも、その分離させた有機相から蒸留除去する。こ
れを行う前にその有機相の洗浄を行うことで、水に溶解
性を示すか、酸に溶解性を示すか、或はアルカリに溶解
性を示す不純物、例えば無機および有機酸およびフェノ
ール系不純物を分離除去してもよい。しかしながら、本
発明に従う方法では、酸化生成物の生成(フェノール
類、CH3基の酸化)は強力に抑制される。同様に、ジ
ニトロトルエン類の生成も高度に抑制される。しかしな
がら、如何なる場合でも二次的ニトロ化を意図している
場合、このようなジニトロトルエン類は障害にならず、
従ってこのような場合、トルエンを不足量で用いてこの
操作を実施することも可能である。
【0029】実験室では、逆混合を生じさせない産業用
の連続運転反応槽のためのモデルとして、そして不連続
操作を代表させる目的で、激しく撹拌されている熱絶縁
撹拌フラスコ、例えば邪魔板が備わっているいわゆるス
ルホン化用ビーカーを用いたバッチ式生成を利用するこ
とができる。この場合、トルエン、硫酸および水を例え
ば85℃で導入した後、本発明に従う供給温度にまで加
熱した硝酸(これは水および/または硫酸で希釈されて
いてもよい)を約1から2秒間かけて加える。この記述
した調合変法の代替として、例えば、その硝酸、硫酸お
よび水の全量を本発明に従う供給温度で導入した後、本
発明に従う供給温度にまで加熱したトルエンを約1から
2秒間かけて加えてもよい。この添加を行った後、両方
の場合とも激しく撹拌しながらこの反応を断熱的に進行
させる。さらなる調合変法は本分野の技術者に容易に理
解され得るであろう。この反応の終点に相当する最終温
度は、撹拌機によるエネルギー入力およびH2SO4の濃
度に応じて、長くとも300秒以内に達成される。この
場合、その時間過程におけるその反応容器の内容物は、
プラグ流れで管状反応槽を通って軸方向に動く時の部分
体積に相当している。このバッチ生成でちょうどよい時
に成功裏に生じるものは、例えば管状反応槽内の位置に
関して成功裏に進行する。
【0030】この本発明に従う方法の実験室態様では、
処理を行った後、例えば以下の異性体分布を示すモノニ
トロトルエン類が分析変動の範囲内で得られる: 2−ニトロトルエン:約58−60% 3−ニトロトルエン:約4−6% 4−ニトロトルエン:約35−37%。
【0031】このモノニトロトルエン類の収率は、使用
した硝酸を基準にして、この場合理論収率の>95%で
あり、しばしば>97%であり、連続操作では>98%
の値に到達する。
【0032】3−ニトロトルエンの含有量が比較的低い
反応混合物が望まれている場合、好適には、より低い温
度範囲である約20から80℃でこれらの反応参与物の
混合を行い、そして必要ならば、HNO3を追加的に用
い、これを比較的低い濃度である1から2.5重量%で
加える。この場合も同様に、本質的にHNO3が入って
いない廃酸がより低い温度で生じ、その結果として、よ
り低い圧力、例えば1−70ミリバールでフラッシュ濃
縮を実施する。
【0033】最終的な反応温度が達成された後、撹拌機
を停止させる。約20秒間で相分離が生じる。産業用の
連続反応槽の寸法は、好適には、この反応槽内でその反
応混合物が該最終反応温度に到達するような寸法であ
る。
【0034】この反応を行った後、個々の最終反応温度
レベルで分離させた酸性相は明るい黄色から明るい褐色
であり、そして上に記述した様式でこれの濃縮を行う
が、ここでは、上に記述した反応性抽出を挿入すること
ができる。このように導いた循環用H2SO4に含まれて
いる硝酸は、この時点で25ppm未満であり、亜硝酸
は25ppm未満であり、例えば各々5から20ppm
であり、そして含まれている有機炭素含有不純物は少量
である。
【0035】この反応操作が本発明に従う操作から逸脱
している場合、例えば実験室規模でこの操作を行う時に
トルエン、硫酸および水を本発明に従う供給温度で熱絶
縁撹拌フラスコ(スルホン化用ビーカー)の中に導入し
そして水および硫酸で希釈した硝酸をゆっくり、例えば
30分かけて加えるような様式でこの操作を行うと、こ
の場合、全反応参与物の全体量を激しく迅速に完全混合
すること、従って本質的に完全な混合を行うことから逸
脱していることで、本発明にとっては望ましくない逆混
合が生じ、黒色の反応混合物が得られる(実施例3)。
このタール状の有機相にはまだ、それの揮発性部分とし
て未反応のトルエンが約40から50%含まれている。
反応用熱量計内で実施した相当する実験において、上記
反応状態は本発明に従う操作に比較して約2倍の反応エ
ンタルピーを伴って進行すると共に激しいガス発生を伴
うことが示されたことから、この方向でのさらなる調査
および解明は行わないことにした。
【0036】
【実施例】実施例1 軸上に取り付けた2個のタービン撹拌機(直径39.9
mm)と邪魔板が備わっているスルホン化用熱絶縁ビー
カー(直径100mm)の中に、653.8gの硫酸と
297.9gの水を85℃で入れた後、この混合物を1
800rpmで撹拌した。その結果として導入される比
撹拌力は22W/Lであった。次に、1から2秒間かけ
てトルエンを50.7g(0.55モル)加えた後直ち
に、31.5g(0.5モル)の硝酸と34.4gの硫
酸と32.6gの水とから成る混合物を85℃に加熱し
てこれを同様に1から2秒間かけて加え、そして冷却を
行わないでこの混合物を反応させた。105秒後、最終
温度である110.5℃に到達した後、その撹拌機を停
止させた。15秒後に相分離が完結した。以下の組成物
を示す有機相を71.7g単離した(較正GC): トルエン:6.00% 2−ニトロトルエン:54.20%(相対58.3%) 3−ニトロトルエン: 5.60%(相対6.02%) 4−ニトロトルエン:33.20%(相対35.7%) 2,4−ジニトロトルエン:0.14% 2,6−ジニトロトルエン:0.05% ジニトロ−p−クレゾール:0.60% ジニトロ−o−クレゾール:0.17%未知物:残り。
【0037】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の97.2%であることに相当している。抽出ま
たは蒸留を用いることにより、上記無機相内に含まれて
いる部分を2%に及んで入手することができる。
【0038】実施例2 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、688.5gの硫酸、330.2gの水および3
1.5g(0.5モル)の硝酸を85℃で入れた後、こ
の混合物を1200rpmで撹拌した。その結果として
導入される比撹拌力は8.7W/Lであった。85℃に
加熱したトルエンの55.3g(0.6モル)を1から
2秒間かけて加えた後、冷却を行わないでこの混合物を
反応させた。110秒後、最終温度である110.5℃
に到達した後、その撹拌機を停止させた。20秒後に相
分離が完結した。以下の組成を示す有機相を73.8g
単離した(較正GC): トルエン:10.50% 2−ニトロトルエン:51.40%(相対58.1%) 3−ニトロトルエン: 5.40%(相対6.10%) 4−ニトロトルエン:31.70%(相対35.8%) 2,4−ジニトロトルエン:0.13% 2,6−ジニトロトルエン:0.05% ジニトロ−p−クレゾール:0.51% ジニトロ−o−クレゾール:0.18%未知物:残り。
【0039】これは、この有機相におけるモノニトロト
ルエン類の収率が理論収率の95.2%であることに相
当している。
【0040】実施例3(比較) 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、653.8gの硫酸、297.9gの水および5
0.7g(0.55モル)のトルエンを85℃で入れた
後、この混合物を1800rpmで撹拌した(比撹拌力
は22W/L)。31.5g(0.5モル)の硝酸と3
4.4gの硫酸と32.6gの水とから成る混合物を8
5℃に加熱し、これを30分かけて加え、そして冷却を
行わないでこの混合物を反応させた。この場合、温度が
100.5℃に上昇し(反応時間が長いことで熱が失わ
れた)、そしてこの反応混合物全体は、発泡しながら黒
色に変化した。相分離を行った後(16時間以上)、黒
色の有機相を53.0g単離し、これの揮発性部分は下
記の組成を有していた: トルエン:41.9% 2−ニトロトルエン:31.1% 3−ニトロトルエン: 3.1% 4−ニトロトルエン:18.6% 未知物:残り。
【0041】実施例4(比較) 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、1133.6gの硫酸および55.9gの水を85
℃で入れた後、この混合物を1800rpmで撹拌した
(比撹拌力は22W/L)。次に、50.7g(0.5
5モル)のトルエンを約1から2秒かけて加えた後直ち
に、31.5g(0.5モル)の硝酸と47.7gの硫
酸と19.3gの水とから成る混合物を85℃に加熱し
てこれを同様に1から2秒間かけて加え、そして冷却を
行わないでこの混合物を反応させた。20秒後、最終温
度である120℃に到達した後、その撹拌機を停止させ
た。この均一な褐色溶液を約1kgの氷の上に排出さ
せ、そしてこれを行っている間に分離して来る固体を吸
引濾別した。その湿っている固体(48.4g)は、H
PLCに従い、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸を
32.1重量%含んでいた(残り:水および硫酸)。
【0042】この母液から、塩化メチレンを用いた抽出
を行うことにより、下記の組成を示す有機化合物を1.
9g単離した: 2−ニトロトルエン:3.7% 3−ニトロトルエン:0.4% 4−ニトロトルエン:0.1% 2,4−ジニトロトルエン:78.2% 2,6−ジニトロトルエン: 6.1% 未知物:残り。
【0043】その抽出した水相(2250g)は、HP
LCに従い、2−ニトロトルエン−4−スルホン酸を
3.3重量%含んでいた。
【0044】実施例5 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、662.2gの硫酸、313.8gの水および2
5.3g(0.275モル)のトルエンを50℃で入れ
た後、この混合物を1800rpmで撹拌した(比撹拌
力は22W/L)。15.8g(0.25モル)の硝酸
と33.9gの硫酸と24.6gの水とから成る混合物
を50℃に加熱し、これを1−2秒間かけて加えた後、
冷却を行わないでこの混合物を反応させた。220秒
後、最終温度である64℃に到達した後、その撹拌機を
停止させた。90秒後に相分離が完結した。下記の組成
を示す有機相を35.5g単離した(較正GC): トルエン:6.2% 2−ニトロトルエン:55.3% 3−ニトロトルエン: 4.61% 4−ニトロトルエン:31.9% 2,4−ジニトロトルエン:0.01% 2,6−ジニトロトルエン:0.0% ジニトロ−p−クレゾール:0.86% ジニトロ−o−クレゾール:0.22% 未知物:残り。
【0045】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の95.0%であることに相当している。
【0046】実施例6 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、662.2gの硫酸、313.8gの水および2
5.3g(0.275モル)のトルエンを70℃で入れ
た後、この混合物を1800rpmで撹拌した(比撹拌
力は22W/L)。15.8g(0.25モル)の硝酸
と33.9gの硫酸と24.6gの水とから成る混合物
を70℃に加熱し、これを1−2秒間かけて加えた後、
冷却を行わないでこの混合物を反応させた。180秒
後、最終温度である84℃に到達した後、その撹拌機を
停止させた。50秒後に相分離が完結した。下記の組成
を示す有機相を35.6g単離した(較正GC): トルエン:6.3% 2−ニトロトルエン:54.4% 3−ニトロトルエン: 5.05% 4−ニトロトルエン:32.6% 2,4−ジニトロトルエン:0.02% 2,6−ジニトロトルエン:0.01% ジニトロ−p−クレゾール:0.71% ジニトロ−o−クレゾール:0.22% 未知物:残り。
【0047】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の95.6%であることに相当している。
【0048】実施例7 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、339.2gの硫酸、128.9gの水および3
3.7g(0.366モル)のトルエンを50℃で入れ
た後、この混合物を1800rpmで撹拌した(比撹拌
力は22W/L)。21.0g(0.333モル)の硝
酸と17.9gの硫酸と6.8gの水とから成る混合物
を50℃に加熱し、これを1−2秒間かけて加えた後、
冷却を行わないでこの混合物を反応させた。165秒
後、最終温度である85℃に到達した後、その撹拌機を
停止させた。50秒後に相分離が完結した。下記の組成
を示す有機相を47.5g単離した(較正GC): トルエン:6.2% 2−ニトロトルエン:54.6% 3−ニトロトルエン: 4.7% 4−ニトロトルエン:33.6% 2,4−ジニトロトルエン:0.11% 2,6−ジニトロトルエン:0.06% ジニトロ−p−クレゾール:0.49% ジニトロ−o−クレゾール:0.07% 未知物:残り。
【0049】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の96.7%であることに相当している。
【0050】実施例8 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、653.8gの硫酸、297.9gの水および5
0.7g(0.55モル)のトルエンを50℃で入れた
後、この混合物を1800rpmで撹拌した(比撹拌力
は22W/L)。31.5g(0.5モル)の硝酸と3
4.4gの硫酸と32.6gの水とから成る混合物を5
0℃に加熱し、これを1−2秒間かけて加えた後、冷却
を行わないでこの混合物を反応させた。203秒後、最
終温度である75℃に到達した後、その撹拌機を停止さ
せた。45秒後に相分離が完結した。下記の組成を示す
有機相を72.4g単離した(較正GC): トルエン:6.50% 2−ニトロトルエン:55.10% 3−ニトロトルエン: 4.70% 4−ニトロトルエン:32.1% 2,4−ジニトロトルエン:0.02% 2,6−ジニトロトルエン:0.01% ジニトロ−p−クレゾール:0.69% ジニトロ−o−クレゾール:0.16% 未知物:残り。
【0051】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の97.0%であることに相当している。
【0052】実施例9 実施例1と同様に、スルホン化用熱絶縁ビーカーの中
に、450.8gの硫酸、158.9gの水および4
6.1g(0.5モル)のトルエンを25℃で入れた
後、この混合物を1200rpmで撹拌した(比撹拌力
は8.7W/L)。21.0g(0.333モル)の硝
酸と23.7gの硫酸と19.7gの水とから成る混合
物を25℃に加熱し、これを1−2秒間かけて加えた
後、冷却を行わないでこの混合物を反応させた。315
秒後、最終温度である52℃に到達した後、その撹拌機
を停止させた。75秒後に相分離が完結した。下記の組
成を示す有機相を60.4g単離した(較正GC): トルエン:25.60% 2−ニトロトルエン:42.86% 3−ニトロトルエン: 3.14% 4−ニトロトルエン:26.41% 2,4−ジニトロトルエン:0.02% 2,6−ジニトロトルエン:0.01% ジニトロ−p−クレゾール:0.31% ジニトロ−o−クレゾール:0.08% 未知物:残り。
【0053】これは、モノニトロトルエン類の収率が理
論収率の95.8%であることに相当している。
【0054】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0055】1. 本質的にモノニトロトルエン類と反
応水を生じさせながらトルエンとHNO3/H2SO4
2O混合物とを反応させることによってモノニトロト
ルエン類を連続もしくは不連続製造する方法において、 a)反応参与物であるトルエン、HNO3、H2SO4
よびH2Oを、混合素子が備わっている反応槽の中にい
ずれかの順で供給し、ここで、 a1)このHNO3の量は1−8重量%であり、H2SO
4の量は58−74重量%であり、そしてH2Oの量は、
100重量%に対する残りであり、 ここで、100重量%はHNO3+H2SO4+H2Oの総
量を表しており、 a2)このH2Oをそのままか、NHO3の希釈用H2
としてか、H2SO4の希釈用H2Oとしてか、或は複数
の上記形態として用い、そして a3)HNO3に対するトルエンのモル比を0.9−
1.5にし、 b)これらの反応参与物の全体を迅速かつ激しく混合
し、ここでは、全反応混合物1リットル当たり1から4
0ワット、好適には3から30W/Lの混合エネルギー
を用い、 c)断熱条件下でこの反応を実施し、ここでは、この混
合が20−110℃、好適には30−100℃、特に好
適には40−90℃の範囲で進行しそしてこの反応終点
における温度が135℃を越えないような温度で、これ
らの反応参与物を供給し、 d)この反応を実施した後、この反応混合物を有機相と
無機相に分離させ、そして e)水を除去しながら蒸留を行うことによって、その本
質的にHNO3が入っていない無機相の処理を行う、段
階によって特徴づけられる方法。
【0056】2. 該方法を連続的に実施し、そしてこ
の目的で、該反応参与物の逆混合を本質的に防止する管
状反応槽を用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0057】3. 該反応参与物がその逆混合を本質的
に防止する反応槽に入る前に、これらを混合素子で3秒
以内の時間激しく混合し、そしてこれらが該反応槽の中
を通って流れる時、これらの再分散を少なくとも2回行
うことを特徴とする第2項記載の方法。
【0058】4. 段階e)において、断熱反応条件の
結果として該無機相が吸収する反応熱を、1−100ミ
リバール、好適には5−80ミリバール、特に好適には
10−75ミリバールの圧力で水の蒸留を行うことによ
る取り出しで利用し、そしてこの場合、好適には、段階
a)で用いるに適切なH2SO4を生じさせることを特徴
とする第1項記載の方法。
【0059】5. 段階d)に従う酸性相内の硫酸含有
量が62から74重量%、好適には64から72重量
%、特に好適には66から70重量%であることを特徴
とする第1項記載の方法。
【0060】6. 混合時における該反応混合物内の添
加硝酸含有量が、硝酸と硫酸と水の総量を基準にして、
1から6重量%、好適には1.5から4重量%であるこ
とを特徴とする第1項記載の方法。
【0061】7. 混合時における該反応混合物内の硫
酸含有量が、硝酸と硫酸と水の総量を基準にして、60
−72重量%、好適には61−69重量%であることを
特徴とする第1項記載の方法。
【0062】8. 硝酸に対するトルエンのモル比が
1.0以上から1.5、好適には1.03から1.3、
特に好適には1.05から1.2であることを特徴とす
る第1項記載の方法。
【0063】9. 段階e)における蒸留を用いた処理
において、該無機相をH2SO4濃度で0.6から7パー
セントポイント、好適には1.5から3パーセントポイ
ント濃縮することによって特徴づけられる第1項記載の
方法。
【0064】10. 蒸留を用いて水を取り出す場合、
該H2SO4の再使用で必要とされる濃度および温度を直
接確立するような条件を用いることを特徴とする第2項
記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ・ウルリヒ・ブランク ドイツ51519オーデンタール−グレーブ ツシユ・アムゴイスフエルデ35 (56)参考文献 特開 昭52−102234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 201/08 C07C 205/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的にモノニトロトルエンと反応水を
    生じさせながらトルエンとHNO3/H2SO4/H2O混
    合物とを反応させることによってモノニトロトルエンを
    連続製造する方法において、 a)反応参与物であるトルエン、HNO3、H2SO4
    よびH2Oを、スタティックミキサー素子が備わってい
    連続管状反応の中に供給し、ここで、 a1)このHNO3の量は1−8重量%であり、H2SO
    4の量は58−74重量%であり、そしてH2Oの量は、
    100重量%に対する残りであり、ここで、100重量
    %はHNO3+H2SO4+H2Oの総量を表しており、 a2)このH2Oをそのままか、HNO 3 の希釈用H2
    としてか、H2SO4の希釈用としてか、或は複数の上記
    形態として用い、そして a3)HNO3に対するトルエンのモル比を0.9−
    1.5にし、 b)全反応混合物1リットル当たり3から40ワットの
    混合エネルギーを用いてこれらの反応参与物の全体を迅
    速かつ激しく混合し、全反応混合物の少なくとも2回の
    再分散を行ない、 c)断熱条件下でこの反応を実施し、ここでは、この混
    合が20−110℃の範囲で進行しそしてこの反応終点
    における温度が135℃を越えないような温度で、これ
    らの反応参与物を供給し、 d)この反応を実施した後、この反応混合物を有機相と
    無機相に分離させ、そして e)水を除去しながら蒸留を行うことによって、その本
    質的にHNO3が入っていない無機相の処理を行う、 段階を含んでなる製造方法。
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