JP2001520580A - 例えば２回分与式分与器のような流体噴霧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 流体を噴霧する装置であって、複数回分与できる量の流体を収容するタンク（１１）と、このタンク（１１）を受け入れている円筒形の基体（１４）と、例えばポンプのような分与部材と、手動作動要素（２０）と、この作動要素（２０）と協働して前記タンク（１１）の内容物を少なくとも２回の分与に分割する分割装置（１６）と、作動中に前記手動作動要素（２０）と協働して使用者の手にエネルギを蓄積させ、各作動における一回分の量の流体全部の完全な噴霧を保証するエネルギ蓄積装置（１２）とを包含する装置において、前記基体（１４）と、前記分割装置（１６）と、前記エネルギ蓄積装置（１２）とが共通の一片ブロック（１０）の一体部分を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 例えば２回分与式分与器のような流体噴霧装置 本発明は、流体を噴霧する装置、より詳細には、流体を少なくとも２回分与で きるように設計されているこの種の噴霧装置に関する。 この種の装置には、幾つかの問題が生じている。すなわち、生じている第１の 問題は、装置が作動されたときに一回分の量の流体全部の完全な噴霧を得ること の問題である。他の問題は、装置を２回分与式分与器に変えることができるよう にするために、タンクの内容物が簡単かつ確実な方法で分割されるのを保証する ことの問題である。 これらの問題を解決する試みにおいて、文献ＷＯ ９３／０２８０４はこれら の問題を取り扱っている。この文献は、例えば２回分与式分与器のような装置で あって、基体に取付られているタンクと、装置を作動せしめるプッシャとを包含 する装置を開示している。プッシャの一部分はタンクの外壁に形成された溝に設 けられている割りリングと協働しており、その結果、１回目の分与を行なうこと ができるようにするためには、割りリングがその溝を去るまで使用者の手に一定 量の力を確立せしめることが必要とされる。また、タンクの内容物を２回の分与 に分割するために、上記文献ＷＯ ９３／０２８０４の装置は、タンクの外壁に 第２の溝を形成し、この第２の溝内に第２の割りリングを設けるようにしており 、その結果、装置が作動されて１回目分の流体が放出された後に、第１の割りリ ングを第２の溝内に設けられている第２の割りリングにより停止することがプッ シャに追加されている。その後、２回目分の流体を噴霧をするためには、再び一 定量の力を確立せしめることが必要とされ、これにより第２の割りリングがその 溝を去って、２回目の分与を行なうことができるようにされる。この装置は、満 足する方法で作動するものにもかかわらず、やはり問題があるものである。すな わち、少量の流体がタンクに収容されているだけであることから、主たる問題は 前記噴霧装置の最終販売価格に悪い影響を及ぼすのを除去するために前記噴霧装 置のコストをできるだけ低く維持することにある。しかしながら、上記文献ＷＯ ９３／０２８０４に開示されている装置は、エネルギ蓄積作用及び分与分割作 用を行なうのに必要である多数の異なる構成部品を有している。したがって、こ れら多数の構成部品の製作及び組立てはかなり高価となる。また、タンクの外面 には２つの周囲溝が存在するために、特に、タンクと基体とを単一片として作る のが不可能である。なぜなら、前記溝はタンクと基体との間に画成されている中 空の環状スペースに位置させられるからである。更に、エネルギ蓄積作用を行う ために可動装置を使用することは、前記割りリングが破損又は故障で動くなった 場合に作動が不完全となる危険が生じる。 文献ＥＰ−０ ５４６ ６０７は、本体の内壁に周囲溝を有している１回分与式 分与器を開示しており、前記周囲溝は装置が偶然に作動するのを防止するために タンクの外壁の周囲リングと協働する。しかし、この種の装置の欠点は、簡単か つ低コストのモールドを作ることが困難であることである。すなわち、本体の内 壁の溝はアンダーカット及びそれ故相当複雑とされるモールドの使用を必要とす る。 文献ＥＰ−０ ３１１ ８６３は、本体に係合されてタンクと協働する部品に設 けられている分与器を開示している。しかし、この装置はエネルギ蓄積装置を有 しておらず、追加の部品の使用を必要とし、この部品のモールディングも前述し たと同じ欠点を受け、すなわちモールドが複雑とされて高価である。 本発明の目的は、前述した欠点を有することのないこの種の流体噴霧装置を提 供することにある。 すなわち、本発明の目的は最少数の構成部品を包含する流体噴霧装置を提供す ることにある。 本発明の他の目的は、確実な分与分割と、製作コストの保証、より詳細には、 モールディング及び組立てのコストをできる限り小さくすることを成し遂げるこ とができるこの種の装置を提供することにある。 本発明の更に他の目的は、例えば２回分与式分与器のような流体噴霧装置であ って、各一回分の量の流体全部の完全な噴霧を保証でき、その上製作、組立て及 び使用するのが簡単であり、かつできる限り最小のコストとすることができるこ の種の装置を提供することにある。 以上述べた目的を達成するために、本発明は、流体を噴霧する装置であって、 複数回分与できる量の流体を収容するタンクと、このタンクを受け入れている円 筒形の基体と、例えばポンプのような分与部材と、手動作動要素と、この作動要 素と協働して前記タンクの内容物を少なくとも２回の分与に分割する分割装置と 、作動中に前記手動作動要素と協働して使用者の手にエネルギを蓄積させ、各作 動における一回分の量の流体全部の完全な噴霧を保証するエネルギ蓄積装置とを 包含する装置において、前記基体と、前記分割装置と、前記エネルギ蓄積装置と が共通の一片ブロックの一体部分を形成することを特徴とする装置、を提供する 。 好適には、前記タンクは前記一片ブロックと一体に形成される。 好適には、前記流体噴霧又は分与装置は、更に、前記手動作動揺素と協働して 装置の作動を選択的に許す又は防止する割出し装置を包含し、この割出し装置が 前記一片ブロックと一体に形成されている。 有益には、前記割出し装置は、前記一片ブロックの内面の一部分に設けられて いるひとつ又はそれ以上の肥厚部により形成され、この肥厚部が前記作動要素の 第１の位置では前記作動要素の内部に突出しているひとつ又はそれ以上のタブと 協働して装置の作動を停止し、また前記作動要素が前記一片ブロックに関して回 転して第２の位置に移動可能であり、この第２の位置では前記タブがもはや前記 肥厚部とは協働せず、これにより装置を作動させることができる。 好適には、前記エネルギ蓄積装置は、予め決められている最小の力が前記作動 要素に及ぼされたときに前記作動要素を弾性的に変形させることにより、前記作 動要素と協働する。 有益には、前記エネルギ蓄積装置は前記一片ブロックの外面に形成されている スタッドであり、このスタッドが前記作動要素の内面に設けられて対応する肩部 と協働する。 有益には、前記分割装置は割出し装置として働く前記肥厚部と一緒に少なくと もひとつの軸方向に向いた段を形成する肥厚部により形成されている。 本発明の好適な実施例によれば、前記流体噴霧又は分与装置は、流体を２回分 与できるようにされた２回分与式分与器であり、前記作動要素が前記一片ブロッ クに回転可能に取付けられ、前記一片ブロックが第１の割出し装置と、第１のエ ネルギ蓄積装置と、分割装置と、第２のエネルギ蓄積装置とを包含し、 前記第１の割出し装置は前記基体の内周面の第１の部分にわたって延びている ひとつ又はそれ以上の肥厚部により形成され、この肥厚部が前記作動要素の第１ の位置では前記作動要素の中に突出しているひとつ又はそれ以上の軸方向タブと 協働して１回目の分与がなされるのを停止し、 前記第１のエネルギ蓄積装置は前記基体から突出しているひとつ又はそれ以上 のスタッドにより形成され、前記第１の割出し装置がもはや前記作動要素とは協 働しない第２の位置への前記作動要素の第１の回転の後、前記スタッドが前記作 動要素の内面に設けられているひとつ又はそれ以上の肩部と協働し、これにより 装置の作動中に使用者の手にエネルギを蓄積せしめ、前記肩部は予め決められて いる最小の力が加えられた後でのみ前記スタッドを越えて通過し、これにより前 記作動要素が前記一片ブロックに関して動いて１回目の分与を行なうことができ るようにし、 前記分割装置は前記基体の内周面の第２の部分にわたって延びているひとつ又 はそれ以上の肥厚部により形成され、この肥厚部は１回目の分与がなされた後に 前記作動要素の前記軸方向タブと協働して前記一片ブロック上での前記作動要素 の更なる軸方向移動を停止し、これにより前記タンクの内容物を２回の分与に分 割して、前記分割装置が同時に第２の割出し装置として働くようにし、 前記第２のエネルギ蓄積装置は前記基体の外面から突出しているひとつ又はそ れ以上のスタッドにより形成され、前記第２の割出し装置がもはや前記作動要素 とは協働しない第３の位置への前記作動要素の第２の回転の後、前記スタッドが 前記作動要素の前記肩部と協働して使用者の手にエネルギを蓄積せしめ、これに より予め決められた最小の力が加えられた後でのみ２回目の分与を行なうことが できるようにする。 有益には、前記第１及び第２のエネルギ蓄積装置の各々は一対の直径方向で対 向して突出するスタッドを包含し、これらの二対のスタッドが前記一片ブロック の外面上で互いに関して軸方向及び周方向にオフセットされている。 好適には、前記作動要素の前記第１の位置で、前記作動要素の前記肩部が、前 記一片ブロックの周囲縁に設けられている締結装置と例えばスナップ係合により 協働して、前記作動要素を前記一片ブロックに保持する。 好適には、前記一片ブロックは、その外面に、前記作動要素と協働して前記作 動要素の前記第１の位置を限定する第１の回転当接装置と、前記作動要素と協働 して前記作動要素の前記第２の位置を限定する第２の回転当接装置と、前記作動 要素と協働して前記作動要素の前記第３の位置を限定する第３の回転当接装置と を包含する。 本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して非限定的な一例として述べ られる下記の詳細な説明から明らかになるであろう。 図１は、本発明の好適な実施例を構成する流体噴霧又は分与装置の垂直断面図 であって、その休止状態を示す。 図２は、作動要素の垂直断面図であって、その軸方向タブを示す。 図３ａ及び図３ｂは、本発明の好適な実施例を構成する分与装置を示す垂直断 面図であって、それぞれ、作動を防止する休止状態及び１回目の分与を行うこと ができる準備状態を示す。 図４、図５及び図６は、それぞれ本発明の好適な実施例を構成する分与装置の 斜視図である。 図７ａ及び図７ｂは、それぞれ作動要素の斜視図である。 図８及び図９は、それぞれ一片ブロックの斜視図である。 図１〜図３ｂを参照するに、本発明の分与装置は、基体１４に取付けられて分 与しようとする流体を収容しているタンク１１と、例えばポンプのような分与部 材と、流体を分与する目的のために分与部材を作動せしめる例えばプッシャのよ うな手動作動部材又は要素２０とを包含する。この作動要素２０には、出口オリ フィス２９が設けられ、この出口オリフィス２９を通して前記流体が噴霧される 。ポンプはタンク１１内に滑動可能に受け入れられているピストン１を有し、こ のピストン１の内部は放出チャンネル３を介して出口オリフィス２９に接続され ている。有益には、ノズル２が前記放出チャンネル内に設けられて噴霧を増強せ しめる。 本発明によれば、分与装置は分与分割装置１６を有する。この分与分割装置は 、タンクの内容物を２回又はそれ以上の回数の分与に分割し、これにより分与器 を多数回分与できる多分与式分与器、有益には２回分与式分与器、すなわち２回 分与できる分与器に変えることができるように設計されている。図面に示されて いる例は、特に鼻用噴霧器に関し、この鼻用噴霧器は２回分与式分与器として作 動し、各一回の分与は各鼻孔のために用いられる。勿論、本発明はこの特別の適 用に限定されるものではない。 一回分の量の流体全部の完全な噴霧を保証するために、本発明はエネルギ蓄積 装置１２を提供するものであり、このエネルギ蓄積装置１２は、噴霧装置の作動 中に作動要素２０と協働して、使用者の手にエネルギを蓄積せしめる。有益には 、前記エネルギ蓄積装置は、予め決められた最小の力が前記作動要素２０に及ぼ されたときにエネルギ蓄積装置が作動要素を弾性的に変形させるように作動要素 と協働する。 本発明の特徴によれば、前記基体１４と、前記エネルギ蓄積装置１２と、前記 分与分割装置１６とは単一の一片ブロック１０の形で実施されている。この実施 によれば、分与装置の構成部品の数及びそれ故分与装置の製作、組立てコストを 減少することができる。特に、上記文献ＷＯ ９３／０２８０４に開示されてい る分与装置と比較すると、本発明による分与装置の製作及び組立ては、もはやエ ネルギを蓄積するための可動装置（割りリング）を設けることを必要としないの で、簡単である。また、割りリングは分与装置が作動している間に破損又は故障 して動かなくなることもあるので、本発明による分与装置の信頼性も改善される 。 図面に示されるように、タンク１１も好適には一片ブロック１０と一体に形成 され、一片ブロック１０は好適には２つの同心の中空シリンダを包含し、内側の シリンダはタンク１１を画成し、一方外側のシリンダは外面上に前記エネルギ蓄 積装置１２を有する基体１４を形成する。これら２つの同心のシリンダは、好適 には、それらの底部端のレベルで実質的に水平な環状フランジにより相互に接続 され、これにより基体１４の内面とタンク１１の外面との間に環状の中空スペー スを画成する。 本発明の好適な実施例（本発明により提供される利点のすべてを兼ね備えてい る）において、分与装置は、また、エネルギ蓄積装置１２及び分与分割装置１６ に加えて、割出し装置１５を有している。この割出し装置は、特に、例えば輸送 中の好ましくない作動に対する安全性を保証するために、分与装置の作動を選択 的に防止又は許すようにしている。 本発明の有益な特徴によれば、前記割出し装置は、特に図９に見ることができ るように、一片ブロック１０と一体に形成される。より詳細には、これらの割出 し装置は、基体１４の内面に設けられたひとつ又はそれ以上の肥厚部１５の形で 形成され、これらの肥厚部１５は前記基体１４の内周面の一部分にわたって延び ている。これらの肥厚部１５は、前記一片ブロック１０に関しての前記作動要素 ２０の移動を選択的に防止又は許すように作動要素２０と協働する。より詳細に は、前記肥厚部１５は作動要素２０の内部に突出する、好適には軸方向に突出す るひとつ又はそれ以上のタブ２５と協働し、これらのタブ２５は作動が防止され ている休止状態において前記肥厚部１５に当接する。作動要素のこの休止、すな わち第１の位置において、特に図１及び図３ａに示されるように、作動要素２０ に及ぼされる力はなんの効力もなく、流体が分与装置により分与されることはな い。 前記一片ブロック１０に取付けられている作動要素２０を保持するために、有 益には締結装置１９が前記一片ブロック１０に、有益には基体１４の頂部周囲縁 に設けられている。これらの締結装置１９は、作動要素２０の底部周囲縁に設け られているひとつ又はそれ以上の肩部２２と協働することができる。特に図９に 見ることができるように、これらの締結装置１９は、例えば分与装置の作動が防 止されている作動要素２０の第１の位置、すなわち休止位置において、組立て中 における基体１４への作動要素２０の取付けを容易にする特殊の形状部１９ａを 有する。この特殊形状部は、例えば、作動要素２０を肩部２２で次第にかつ弾性 的に変形させることができるランプ１９ａの形で実施される。締結装置１９ａの ためのこの特殊形状部１９ａは、好適には、作動要素２０が一片ブロック１０に 取付けられる位置を限定し、この装置は有益には作動要素の前記第１の位置に相 当する。 本発明によれば、作動要素２０は好適には一片ブロック１０上で回転するよう に取付けられている。したがって、使用者が流体を分与せしめることを望むとき には、作動要素２０を一片ブロック１０に関してその主軸線まわりに作動要素２ ０のための第２の位置（“準備”位置と称され、この位置では割出し装置１５が もはや作動要素２０と協働しない）に向って回転させることが必要とされる。換 言すれば、特に図３ｂに示される、作動要素２０のこの第２の位置において、作 動要素２０の内部に設けられているタブ２５は一片ブロック１０の肥厚部１５に 載っておらず、その作動はもはや防止されない。有益には、一片ブロック１０は 、その外面上に、前記第１及び第２の位置間の回転方向を限定する第１の回転当 接装置１８ａと、作動要素２０の第２の位置を限定する第２の回転当接装置１８ ｂとを有する。より詳細には、これらの回転当接装置は、一片ブロック１０の外 面から突出し、作動要素２０の回転中に作動要素２０の前記肩部２２と協働する 突出部により実施することができる。 有益には、エネルギ蓄積装置は、ひとつ又はそれ以上のスタッド１２の形で、 特に、一片ブロック１０の外面上に設けられた２つの直径方向で対向するスタッ ドの形で実施される。図３ｂに見ることができるように、前記スタッドは作動要 素２０の肩部２２と協働し、一片ブロック１０に関する作動要素２０の軸方向移 動に対して一定量の抵抗を生じせしめる。したがって、使用者が一回分の量の流 体を噴霧しようとするときには、使用者は力を分与装置に及ぼし、作動要素２０ を一片ブロック１０上で軸方向に移動させるように付勢するが、この移動はスタ ッド１２により防止される。それにもかかわらず、作動要素２０は好適には適当 なプラスチックス材料で作られているので、作動要素２０は弾性的に変形するこ とができ、したがって予め決められた最小の力が分与装置に及ぼされるたびに前 記肩部２２を前記スタッド１２を越えて通過させることができる。したがって、 前記最小の力に相当するこの閾は、エネルギを使用者の手に蓄積させることがで きるようにし、作動要素２０の肩部２２が一片ブロックのスタッド１２を越えて 通過したときに、使用者の手に蓄積されている前記エネルギの全部が分与装置に いきなり伝達され、その結果、一回分の量の流体全部が噴霧される。したがって 、一回の分与行程の一部分のみが進む危険はなく、その結果一回分の量の一部分 のみが分与される危険もない。 図面に示される好適な例は、２回分与式分与器に相当する。この例において、 分与装置は、タンク１１の内容物を２回、好適には等しい量での２回の分与に分 割するようにされている分割装置１６を有する。本発明において、前記分割装置 １６は一片ブロック１０と一体に作られている。有益には、前記分割装置はひと つ又はそれ以上の肥厚部１６により形成され、これらの肥厚部１６は、割出し装 置として働く肥厚部１５と一緒に、軸方向の少なくともひとつの段を構成する。 これらの第２の肥厚部１６は、第１の肥厚部１５と整列して基体１４の内面の第 ２の部分にわたって延び、したがって、１回目分の流体が放出される終りにおい て、第２の肥厚部１６は作動要素２０の前記タブ２５と協働し、一片ブロック１ ０に関しての作動要素２０の軸方向移動を停止せしめる。前記分割装置１６は、 また、また、このような作用の下で第２の割出し装置として働き、準備位置にお いて１回目分の流体が放出された後に、これらの割出装置１６は２回目分の流体 が放出されるのを防止する。特別に有益な実施例は、２つの直径方向で対向する 肥厚部１２によりなし遂げられ、一方の肥厚部は第１の割出し装置を形成するた めに基体１４の頂部周囲縁にまで第１の部分１５にわたって延びており、また他 方の肥厚部は第２の割出し装置としても働く分割装置を形成するために基体１４ とタンク１１との間の環状隙間の約半分だけ第２の部分１６にわたって延びてい る。前記基体１４の内面の一部分は、２回目の分与を行う目的のために作動要素 ２０を動かすのを許容するため、肥厚部をなくしなければならない。上述したと 同じ方法で、２回目の分与を行うことができるようにするために、作動要素２０ は一片ブロック１０上を第３の位置にまで回転させられ、この第３の位置ではタ ブ２５はもはや第２の肥厚部１６に協働しなく、これにより２回目の分与を行う ことができる。 有益には、また、第２のエネルギ蓄積装置１３を設けることがなされる。この 第２のエネルギ蓄積装置は、好適には、第１のエネルギ蓄積装置と同様に一片ブ ロック１０の外面から突出するスタッドの形で実施され、２つのスタッド１３は 有益には第１の２つのスタッドと同様に互いに直径方向で対向する。同様に、ま た、第３の回転当接装置１８ｃを設けることも利点であり、この第３の当接装置 は、作動要素２０の第３の位置を限定する働きをなし、有益には第１及び第２の 当接装置１８ａ及び１８ｂと同様な方法で作られる。したがって、作動要素２０ の第３の位置において、作動要素２０の肩部２２は、上述した第１のスタッドと 同じような方法で作用するスタッド１３と協働し、２回目の分与を行うときに使 用者の手にエネルギを蓄積せしめる。特に図４、図５及び図６に見ることができ るように、それぞれ直径方向で対向する一対のスタッドにより形成されている前 記第１のエネルギ蓄積装置１２及び前記第２のエネルギ蓄積装置１３は、これら の二対のスタッドが基体の外面上で互いに軸方向及び角度的、すなわち周方向に オフセットされるような方法で作られている。この方法において、分与装置を作 動するためには使用者は最初に作動要素２０を作動が防止されるその第１の位置 から第２の位置に回転せしめ、それから使用者は１回目の分与を行い、作動要素 が再びその第２の位置からその第３の位置に回転させられた後は、これにより分 与装置を再び作動して２回目の分与を行うことができる。 一片ブロック１０の外面に設けたエネルギ蓄積装置の特別の利点は、前記スタ ッドが分与インジケータとしても働くことができることにある。すなわち、スタ ッド１２及び１３の両方が見えるときには、まだ分与がなされていないことを意 味する。２つのスタッドの一方のみが見えるときには、１回の分与がなされてい ることを意味する。２つのスタッドが見えないときには、２回の分与がなされて いることを意味する。 以上述べたように、図面に示される本発明の好適な実験例において、一片ブロ ック１０は基体と、タンクと、エネルギ貯蓄装置と、割出し装置と、分与分割装 置と、作動要素の位置を限定する回転当接装置と、作動要素を一片ブロックに保 持する締結装置とを統合している。したがって、本発明は、分与装置のための幾 つかの構成部品を省略することができる。また、エネルギ蓄積装置は基体とタン クとの間の中空の環状隙間に設けられないで、基体の外面に設けられるので、前 記一片ブロックは例えばモールディングにより簡単かつ安価な方法で作ることが できる。より詳細には、上述した好適な構成又は本発明により保護される他の構 成において、分与装置の構成部品のすべては、いかなるアンダーカットも包含し ないことから簡単かつ低コストであるモールドにより作ることができる。そして 、分与装置の組立ても、部品の数が少ないことから非常に容易となる。したがっ て、本発明の分与装置の製作及び組立てコストは、その作動の信頼性を冒すこと なしに、非常に低い。 以上本発明を２回分与式分与器を構成する好適な実験例を参照にして詳述して きたけれども、本発明は勿論２回以上分与することができる多分与式分与器にも 適用でき、この場合には、分割装置及びエネルギ蓄積装置がそれぞれの分与回数 に応じて設けられる。また、タンク１１は一片ブロックの一体部分とする必要は ないが、この場合には、一片ブロックに例えばスナップ係合により固定される。 更に、タンク１１の内部には密封を改善する目的のためにガラス又は任意の他の 適当な材料のシリンダを設けることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体を噴霧する装置であって、複数回分与できる量の流体を収容するタンク （１１）と、このタンク（１１）を受け入れている円筒形の基体（１４）と、例 えばポンプのような分与部材と、手動作動要素（２０）と、この作動要素（２０ ）と協働して前記タンク（１１）の内容物を少なくとも２回の分与に分割する分 割装置（１６）と、作動中に前記手動作動要素（２０）と協働して使用者の手に エネルギを蓄積させ、各作動における一回分の量の流体全部の完全な噴霧を保証 するエネルギ蓄積装置（１２）とを包含する装置において、前記基体（１４）と 、前記分割装置（１６）と、前記エネルギ蓄積装置（１２）とが共通の一片ブロ ック（１０）の一体部分を形成することを特徴とする装置。 ２ 請求項１記載の装置において、前記タンク（１１）が前記一片ブロック（１ Ｏ）と一体に形成されている装置。 ３ 請求項１又は２記載の装置において、更に、前記手動作動要素（２０）と協 働して装置の作動を選択的に許す又は防止する割出し装置（１５）を包含し、こ の割出し装置（１５）が前記一片ブロック（１０）と一体に形成されている装置 。 ４ 請求項３記載の装置において、前記割出し装置が前記一片ブロック（１０） の内面の一部分に設けられているひとつ又はそれ以上の肥厚部（１５）により形 成され、この肥厚部（１５）が前記作動要素（２０）の第１の位置では前記作動 要素（２０）の内部に突出しているひとつ又はそれ以上のタブ（２５）と協働し て装置の作動を停止し、また前記作動要素（２０）が前記一片ブロック（１０） に関して回転して第２の位置に移動可能であり、この第２の位置では前記タブ（ ２５）がもはや前記肥厚部（１５）とは協働せず、これにより装置を作動させる ことができるようにした装置。 ５ 請求項１〜４のいずれか一項に記載の装置において、前記エネルギ蓄積装置 （１２）は、予め決められている最小の力が前記作動要素（２０）に及ぼされた ときに前記作動要素（２０）を弾性的に変形させることにより、前記作動要素（ ２０）と協働するようにした装置。 ６ 請求項５記載の装置において、前記エネルギ蓄積装置が前記一片ブロック（ １０）の外面に形成されているスタッド（１２）であり、このスタッド（１２） が前記作動要素（２０）の内面に設けられて対応する肩部（２２）と協働するよ うにした装置。 ７ 請求項３記載の装置において、前記分割装置が割出し装置として働く前記肥 厚部（１５）と一緒に少なくともひとつの軸方向に向いた段を形成する肥厚部（ １６）により形成されている装置。 ８ 請求項１記載の装置において、流体を２回分与できるようにされた２回分与 式分与器であり、前記作動要素（２０）が前記一片ブロック（１０）に回転可能 に取付けられ、前記一片ブロック（１０）が第１の割出し装置（１５）と、第１ のエネルギ蓄積装置（１２）と、分割装置（１６）と、第２のエネルギ蓄積装置 （１３）とを包含し、 前記第１の割出し装置（１５）は前記基体（１４）の内周面の第１の部分にわ たって延びているひとつ又はそれ以上の肥厚部（１５）により形成され、この肥 厚部（１５）が前記作動要素（２０）の第１の位置では前記作動要素（２０）の 中に突出しているひとつ又はそれ以上の軸方向タブ（２５）と協働して１回目の 分与がなされるのを停止し、 前記第１のエネルギ蓄積装置（１２）は前記基体（１４）から突出しているひ とつ又はそれ以上のスタッド（１２）により形成され、前記第１の割出し装置（ １５）がもはや前記作動要素（２０）とは協働しない第２の位置への前記作動要 素（２０）の第１の回転の後、前記スタッド（１２）が前記作動要素（２０）の 内面に設けられているひとつ又はそれ以上の肩部（２２）と協働し、これにより 装置の作動中に使用者の手にエネルギを蓄積せしめ、前記肩部（２２）は予め決 められている最小の力が加えられた後でのみ前記スタッド（１２）を越えて通過 し、これにより前記作動要素（２０）が前記一片ブロック（１０）に関して動い て１回目の分与を行なうことができるようにし、 前記分割装置（１６）は前記基体（１４）の内周面の第２の部分にわたって延 びているひとつ又はそれ以上の肥厚部（１６）により形成され、この肥厚部（１ ６）は１回目の分与がなされた後に前記作動要素（２０）の前記軸方向タブ（２ ５）と協働して前記一片ブロック（１０）上での前記作動要素（２０）の更なる 軸方向移動を停止し、これにより前記タンク（１１）の内容物を２回の分与に分 割して、前記分割装置（１６）が同時に第２の割出し装置として働くようにし、 前記第２のエネルギ蓄積装置（１３）は前記基体（１４）の外面から突出して いるひとつ又はそれ以上のスタッド（１３）により形成され、前記第２の割出し 装置（１６）がもはや前記作動要素（２０）とは協働しない第３の位置への前記 作動要素（２０）の第２の回転の後、前記スタッド（１３）が前記作動要素（２ ０）の前記肩部（２２）と協働して使用者の手にエネルギを蓄積せしめ、これに より予め決められた最小の力が加えられた後でのみ２回目の分与を行なうことが できるようにした装置。 ９ 請求項６又は８記載の装置において、前記第１及び第２のエネルギ蓄積装置 の各々は一対の直径方向で対向して突出するスタッド（１２，１３）を包含し、 これらの二対のスタッド（１２，１３）が前記一片ブロック（１０）の外面上で 互いに関して軸方向及び周方向にオフセットされている装置。 10 請求項８又は９記載の装置において、前記作動要素（２０）の前記第１の位 置で、前記作動要素（２０）の前記肩部（２２）が、前記一片ブロック（１０） の周囲縁に設けられている締結装置（１９）と例えばスナップ係合により協働し て、前記作動要素（２０）を前記一片ブロック（１０）に保持するようにした装 置。 11 請求項８記載の装置において、前記一片ブロック（１０）が、その外面に、 前記作動要素（２０）と協働して前記作動要素の前記第１の位置を限定する第１ の回転当接装置（１８ａ）と、前記作動要素（２０）と協働して前記作動要素の 前記第２の位置を限定する第２の回転当接装置（１８ｂ）と、前記作動要素（２ ０）と協働して前記作動要素の前記第３の位置を限定する第３の回転当接装置（ １８ｃ）とを包含している装置。