JP2001520032A - 新規なpheS(ベータ) - Google Patents

新規なpheS(ベータ)

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JP2001520032A
JP2001520032A JP2000516702A JP2000516702A JP2001520032A JP 2001520032 A JP2001520032 A JP 2001520032A JP 2000516702 A JP2000516702 A JP 2000516702A JP 2000516702 A JP2000516702 A JP 2000516702A JP 2001520032 A JP2001520032 A JP 2001520032A
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Japan
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polypeptide
polynucleotide
beta
phes
seq
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Withdrawn
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JP2000516702A
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エリザベス・ジェイ・ローラー
デボラ・ディー・ジャワースキー
ミン・ワン
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SmithKline Beecham Corp
Original Assignee
SmithKline Beecham Corp
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/93Ligases (6)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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Abstract

(57)【要約】 本発明はpheS(ベータ)ポリペプチドおよびpheS(ベータ)ポリペプチドをコードするDNA(RNA)、ならびに組み換え法によるかかるポリペプチドの製造方法を提供する。抗細菌化合物のスクリーニングのためのpheS(ベータ)ポリペプチドの使用方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、ならびに
それらの製造および使用、ならびにそれらの変種、アゴニストおよびアンタゴニ
スト、そしてそれらの使用に関する。詳細には、これらの点および他の点に関し
て、本発明は、フェニルアラニルtRNAシンセターゼベータサブユニットファ
ミリーの新規ポリヌクレオチドおよびポリペプチド(以下、「pheS(ベータ
)」という)に関する。
【0002】 (背景技術) ストレプトコッカス属(Streptococci)は医学的に重要な微生物属を形成して
おり、ヒトにおいて、例えば中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎
、膿胸および心内膜炎、最も詳細には例えば脳脊髄液の感染のごとき髄膜炎を包
含する、いくつかの型の疾患を引き起こすことが知られている。ストレプトコッ
カス属の単離から100年以上も経過しているため、ストレプトコッカス・ニュ
ーモニアエ(Streptococcus pneumoniae)は、より詳細な研究がなされた微生物
の一つである。例えば、事実、DNAが遺伝物質であるという初期の見解の大部
分は、この微生物を用いたGriffithならびに、Avery、MacleodおよびMcCartyの 研究において述べられた。ストレプトコッカス・ニューモニアエに関する研究は
膨大であるにも関わらず、この微生物の毒性に関しては多くの疑問が残されてい
る。抗生物質の開発のための標的としてストレプトコッカス属の遺伝子および遺
伝子産物を用いるのはとりわけ好ましいことである。
【0003】 ストレプトコッカス・ニューモニアエ感染の頻度は過去20年間に劇的に上昇
している。これは多重抗生物質耐性株の出現、および免疫系が低下した人の集団
の増加に起因している。いくつかのまたは全ての標準的な抗生物質に対して耐性
を有するストレプトコッカス・ニューモニアエ株を単離することはもはやめずら
しいことではない。この現象がこの生物に対する新しい抗菌剤、ワクチンおよび
診断試験についての必要性を形成した。 t−RNAシンセターゼは下記スキームに従う蛋白合成における主要な役割を
有している: 酵素 + ATP + AA ⇔ 酵素.AA−AMP + PPi 酵素.AA−AMP + t-RNA ⇔ 酵素 + AMP + AA−t-RNA AAはアミノ酸である。
【0004】 このプロセスの阻害は荷電t−RNAレベルの低下を導き、このことは、スト
リンジェントな応答(stringent response)として知られる応答のカスケードの
引き金を引き、その結果、生物の休眠状態を誘導する。そのようなものとして、
細菌t−RNAの阻害剤は抗細菌剤として潜在能力を有する。かかる一例は、イ
ソロイシルt−RNAシンセターゼの選択的阻害剤ムピロシンである。他のt−
RNAシンセターゼは可能な抗細菌標的として現在試験されているところであり
、シンセターゼの単離により、この作業は大いに促進される。 明らかに、抗生物質活性に関して化合物をスクリーニングするのに有用である
という目下の利益を有する、本発明新規化合物のごとき因子に対する必要性があ
る。かかる因子は、感染、機能不全および疾病の発生におけるそれらの役割を調
べるのにも有用である。感染、機能不全または疾病の予防、改善または修正にお
いて役割を果たしうる、かかる因子ならびにそれらのアンタゴニストおよびアゴ
ニストに対する必要性もある。 本発明のポリペプチドは、別の種における既知のフェニルアラニルtRNAシ
ンセターゼベータサブユニット蛋白に対するするアミノ酸配列相同性を有する。
【0005】 (発明の開示) 表1(配列番号2)に示すアミノ酸配列および既知アミノ酸配列または他の蛋
白の配列の間の相同性により、新規pheS(ベータ)ポリペプチドであると同
定されたポリペプチド提供することが本発明の目的である。 pheS(ベータ)ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、詳細に
は本明細書でpheS(ベータ)と命名されたポリペプチドをコードしているポ
リヌクレオチドを提供することが本発明のさらなる目的である。 本発明の特に好ましい具体例において、ポリヌクレオチドは、表1(配列番号
1)に示す配列を含むpheS(ベータ)ポリペプチドをコードする領域を含み
、全長遺伝子またはその変種が包含される。
【0006】 本発明のもう1つの特に好ましい具体例において、表1(配列番号2)のアミ
ノ酸配列を含むストレプトコッカス・ニューモニアエ由来の新規pheS(ベー
タ)蛋白、またはその変種がある。 本発明のもう1つの態様によれば、寄託株に含まれるストレプトコッカス・ニ
ューモニアエ0100993株により発現可能な成熟ポリペプチドをコードして
いる単離核酸分子が提供される。 本発明のさらなる態様は、pheS(ベータ)、詳細にはストレプトコッカス
・ニューモニアエのpheS(ベータ)をコードしている単離核酸分子が提供さ
れ、それにはmRNA、cDNA、ゲノムDNAが包含される。本発明のさらな
る具体例は、生物学的、診断学的、予防的、臨床的もしくは治療的に有用なその
変種、およびそれらを含む組成物を包含する。
【0007】 本発明のもう1つの態様によれば、治療または予防を目的とした、特に遺伝学
的免疫を目的とした、本発明ポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明の特
に好ましい具体例には、pheS(ベータ)の天然に存在する対立遺伝子変種お
よびそれによりコードされるポリペプチドがある。 本発明のもう1つの態様において、本明細書においてpheS(ベータ)と称
されるストレプトコッカス・ニューモニアエの新規ポリペプチド、ならびに生物
学的、診断学的、予防的、臨床的もしくは治療的に有用なその変種、および前記
した変種を含む組成物が提供される。 本発明の特に好ましい具体例には、pheS(ベータ)遺伝子の天然に存在す
る対立遺伝子によりコードされるpheS(ベータ)ポリペプチドの変種がある
【0008】 本発明の好ましい具体例において、上記pheS(ベータ)ポリペプチドの製
造方法がある。 本発明のさらに別の態様によれば、例えば、抗体を含め、抗細菌剤として有用
なかかるポリペプチドの阻害剤が提供される。 本発明の特定の好ましい具体例によれば、pheS(ベータ)発現の評価、疾
病の治療、例えば中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸およ
び心内膜炎、最も詳細には例えば脳脊髄液の感染のごとき髄膜炎の治療、遺伝学
的変異のアッセイ、ならびに細菌、特にストレプトコッカス・ニューモニアエ細
菌に対する免疫学的応答を生起するための生物へのpheS(ベータ)ポリペプ
チドまたはポリヌクレオチドの投与のための、製品、組成物および方法が提供さ
れる。
【0009】 本発明のこのおよび他の態様の特定の好ましい具体例によれば、特に、厳密な
条件下でpheS(ベータ)ポリヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションす
るポリヌクレオチドが提供される。 本発明の特定の好ましい具体例において、pheS(ベータ)ポリペプチドに
対する抗体が提供される。
【0010】 本発明の他の具体例において、本発明ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの
結合、あるいは相互作用して、それらの活性を阻害または活性化する化合物の同
定方法が提供され、該方法は、化合物とポリペプチドまたはポリヌクレオチドと
の間の結合あるいは他の相互作用を可能にする条件下で、本発明ポリペプチドま
たはポリヌクレオチドをスクリーニングすべき化合物と接触させて、化合物との
結合あるいは他の相互作用を評価し(かかる結合または相互作用は、ポリペプチ
ドまたはポリヌクレオチドと化合物との結合あるいは相互作用に応答して検出可
能なシグナルを提供することのできる第2の化合物に関連している)、次いで、
化合物とポリペプチドまたはポリヌクレオチドとの結合または相互作用から生じ
るシグナルの存在または不存在を検出することにより、化合物がポリペプチドま
たはポリヌクレオチドに結合あるいは相互作用して、それらの活性を活性化また
は阻害するかどうかを決定することを含む。
【0011】 本発明のさらにもう1つの態様によれば、pheS(ベータ)のアゴニストお
よびアンタゴニスト、好ましくは静細菌性または殺細菌性アゴニストおよびアン
タゴニストが提供される。 本発明のさらなる態様において、単細胞または多細胞生物に投与するための、
pheS(ベータ)ポリヌクレオチドまたはpheS(ベータ)ポリペプチドを
含む組成物が提供される。 開示した本発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の記載
を読むこと、および本明細書のその他の部分を読むことにより、当業者に容易に
明らかとなろう。
【0012】 用語 以下の説明は、本明細書、とりわけ実施例において汎用される特定の用語の理
解を容易にするために示すものである。 「宿主細胞」は外来性ポリヌクレオチド配列により形質転換もしくはトランス
フェクションされた、または形質転換またはトランスフェクションすることので
きる細胞である。
【0013】 当該分野にて周知であるように「同一性」は、配列を比較して測定されるよう
な、二つまたはそれ以上のポリペプチド配列間または二つまたはそれ以上のポリ
ヌクレオチド配列間の関係である。当該分野において、「同一性」とはまた、時
には、かかる配列の2つの鎖の間の合致により決定されるような2つのポリペプ
チドまたはポリヌクレオチド配列間の関連性の程度をも意味する。「同一性」お
よび「類似性」はともに下記既知方法(これらに限らない)により容易に算出で
きる(Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.編、オックスフォード・ユ
ニバーシティー・プレス、ニューヨーク、1988年;Biocomputing:Informatics
and Genome Projects,Smith,D.W.編、アカデミック・プレス、ニューヨーク、1
993年;Computer Analysis of Sequence Data,パートI,Griffin,A.M.およびG
riffin,H.G.編、ヒューマナ・プレス、ニュージャージー、1994年;Sequence An
alysis in Molecular Biology,von Heinje,G.、アカデミック・プレス、1987年
;およびSequence Analysis Primer,Gribskov,M.およびDevereux,J.編、Mスト
ックトン・プレス、ニューヨーク、1991年;およびCarillo,H.,およびLipman,D.,
SIAM J., Applied Math., 48:1073(1988))。同一性を決定するための好ましい 方法は、試験する2つの配列間で最も良く適合するように設計される。同一性お
よび類似性を測定する方法は、公に利用できるコンピュータープログラムに集成
されている。二つの配列間の同一性および類似性を測定する好ましいコンピュー
タープログラム法は、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic A
cids Research 12(1):387(1984)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S.F.
ら、J.Molec.Biol.215:403(1990)))を包含するが、これらに限定されるも のではない。BLAST XプログラムはNCBIおよび他のソースから公に利用できる(B
LAST Manual, Altschul, S., et al., NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894; Alts
chul, S., et al., J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。一例として、配列 番号:1の対照ヌクレオチド配列に対して、例えば少なくとも95%の同一性を
有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを挙げると、そのポリヌクレ
オチド配列が配列番号:1の対照ヌクレオチド酸配列のヌクレオチド100個ご
とに5個までのヌクレオチドの変化を含みうることを除き、そのポリヌクレオチ
ドのヌクレオチド配列は対照配列と同一である。言い換えると、対照酸配列に対
して少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリペプチドを得る
ためには、対照配列中の5%までのヌクレオチドが欠失または別のヌクレオチド
と置換されていてもよく、あるいは対照配列中の全ヌクレオチドのうち5%まで
の数のヌクレオチドが対照配列に挿入されたものであってもよい。対照配列のこ
れらの変異は、対照ヌクレオチド配列の5’または3’末端位置に存在していて
もよく、あるいはそれらの末端位置の間のいずれかの位置に存在していてもく、
対照配列のヌクレオチドに散在していてもよく、あるいは対照配列内の1個また
はそれ以上の一連の群となっていてもよい。同様に、配列番号:2の対照アミノ
酸配列に対して少なくとも例えば95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する
ポリペプチドを例に挙げると、そのポリペプチド配列が配列番号:2の対照アミ
ノ酸配列のアミノ酸100個ごとに5個までのアミノ酸の変化を含みうることを
除き、そのポリペプチドのアミノ酸配列は対照配列と同一である。言い換えると
、対照アミノ酸配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する
ポリペプチドを得るためには、対照配列中のアミノ酸の5%までが欠失または他
のアミノ酸と置換していてもよく、あるいは対照配列中の全アミノ酸のうち5%
までの数のアミノ酸が対照配列中に挿入されたものであってもよい。対照配列に
おけるこれらの変化は、対照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置に
存在してもよく、あるいはそれらの末端間のいずれかの位置に存在してもよく、
対照配列中に散在していてもよく、あるいは対照配列内で1個またはそれ以上の
一連の群をなしていてもよい。
【0014】 「単離」とは、「人の手によって」天然の状態から変化させられた、すなわち
、天然物の場合、その本来の環境から変化または除去あるいはその両方が行われ
たことを意味する。例えば、天然において生体に存在するポリヌクレオチドまた
はポリペプチドは、「単離」されていないが、その天然状態で共存する物質から
分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書に用いる用語
としての「単離」がなされている。
【0015】 「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、修飾されていないRNAも
しくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、ポリリボ
ヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドをも意味する。従って、「ポ
リヌクレオチド」は、とりわけ一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖
領域の混合物または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一
本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRN
A、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖もしくは三本鎖、または一本鎖および
二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子
を包含するがこれらに限らない。加えて、本明細書で用いる「ポリヌクレオチド
」は、RNAもしくはDNAまたはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を意
味する。かかる領域における鎖は同一の分子または異なる分子由来のものでよい
。この領域はこれらの分子の一つまたはそれ以上の全てを含んでいてもよいが、
より典型的にはいくつかの分子の一領域のみを含む。三重らせん領域の分子の一
つは、オリゴヌクレオチドであることがしばしばである。本明細書で用いる場合
、「ポリヌクレオチド」なる用語は、一つまたはそれ以上の修飾した塩基を含有
する、前記したDNAまたはRNAを包含する。このように、安定性または他の
理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも、本明細書が意図するろと
ころの「ポリヌクレオチド」である。さらに、イノシン等の普通でない塩基、ま
たはトリチル化塩基等の修飾塩基を含むDNAまたはRNA(二つの例だけを示
す)も、本明細書での用語ポリペプチドである。当業者に既知の多くの有用な目
的を提供するDNAおよびRNAに、非常に多くの修飾がなされていることは、
明らかであろう。「ポリヌクレオチド」なる用語は、本明細書で用いる場合、ポ
リヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的に修飾した形態、なら
びにウイルス、とりわけ単純型細胞および複雑型細胞を含む、細胞に特徴的なD
NAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、しばしば
、オリゴヌクレオチド(複数でも可)と称される短鎖ポリヌクレオチドを包含す
る。
【0016】 本明細書で用いる「ポリペプチド」は、ペプチド結合により直鎖で互いに結合
している2個またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドまたは蛋白をいうのに用
いる。「ポリペプチド」は、当該分野で通常例えばペプチド、オリゴペプチドお
よびオリゴマーとも称される短鎖、および多くの型があり、当該分野で一般的に
蛋白と称する長鎖の両方を意味する。ポリペプチドは、遺伝子によりコードされ
る20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでいてもよい。「ポリペプチド」は、
プロセッシングおよび他の翻訳後修飾のような自然の工程により、ならびに化学
修飾によるものを包含する。かかる修飾は基礎的なテキストおよびさらに詳細な
論文ならびに多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは当業者に周知
である。同じタイプの修飾がポリペプチド中にいくつかの部位に同程度または種
々の程度で存在してもよいことが理解されるであろう。修飾は、ペプチド骨格、
アミノ酸側鎖、およびアミノもしくはカルボキシ末端を包含するポリペプチドの
いずれの場所にあってもよい。修飾としては、例えば、アセチル化、アシル化、
ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌ
クレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有
結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結
合形成、脱メチル化、共有結合架橋形成、シスチン形成、ピログルタミン酸塩形
成、ホルミル化、ガンマー−カルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、
ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白加水分解プ
ロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アル
ギニル化などの転移RNA媒介の蛋白へのアミノ酸付加、およびユビキチネーシ
ョンがある。例えば、Proteins-Structure and Molecular Properties、第2版、
T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993)に記載されて
いる。例えば、Posttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.J
ohnson編、アカデミック・プレス、ニューヨーク(1983)のWold,F., Posttrans
lational Protein Modifications:Perspective and Prospects、1〜12頁;Seif
terら、Meth.Enzymol. 182:626-646(1990)およびRattanら、Protein Synthesi
s:Posttranslational Modifications and Aging,Ann. N. Y. Acad. Sci. 663:
48-62(1992)参照。ポリペプチドは分枝状あるいは分枝ありまたはなしの環状 であってもよい。環状、分枝状、および分枝状かつ環状のポリペプチドは、翻訳
後の天然プロセスから生じるものであってもよく、同様に全く合成的な方法によ
り製造されるものであってもよい。
【0017】 本明細書で用いる「変種」なる用語は、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な特
性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別の対照ポリヌクレオ
チドとはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、対照ポ
リヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させるも
のであってもよく、変化させないものであってもよい。以下に論じるように、ヌ
クレオチドの変化は結果的に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおけ
るアミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断を招く。典型的なポリペプチ
ドの変種は、別の対照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的には、差
異は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に非常に類似しており、多
くの領域で同一なものに限られる。変種および対照ポリペプチドは、1またはそ
れ以上の置換、付加、欠失が任意の組み合わせで起こることにより、アミノ酸配
列が変化し得る。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝学的コードにより
コードされたものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ドの変種は、例えば対立遺伝子変種のような自然発生的なものでもよく、または
自然発生することが知られていない変種でもよい。ポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの非自然発生変種は、突然変異技術または直接的合成、および当業者に
知られた他の組み換え法により製造できる。
【0018】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、以下に非常に詳細に説明する、新規pheS(ベータ)ポリペプチ
ドおよびポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、ストレプトコッカス・ニ
ューモニアエの新規pheS(ベータ)のポリペプチドおよびポリヌクレオチド
に関する。特に、本発明は、それぞれ表1(配列番号1)および表1(配列番号
2)に示すヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を有するpheS(ベータ)に
関し、さらに寄託株中のDNAのpheS(ベータ)ヌクレオチド配列およびそ
れによりコードされるアミノ酸配列に関する。
【0019】 表1 pheS(ベータ)ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列 (A)ストレプトコッカス・ニューモニアエpheS(ベータ)ポリヌクレオチ
ド配列由来の配列 [配列番号1];開始コドンを太字および下線で示す(ATG )。停止コドンを下線で示す(TAA)。
【0020】 5'-1 ATGCTTGTAT CTTATAAATG GTTAAAAGAA TTGGTGGACA TTGATGTGCC 51 ATCACAAGAG TTGGCTGAAA AAATGTCAAC TACAGGGATC GAGGTAGAGG 101 GTGTCGAATT ACCAGCTGCT GGTCTCTCAA AAATTGTCGT CGGTGAGGTC 151 TTGTCTTGCG AAGCTGTGCC AGAGACTCAC CTCCATGTTT GTCAGATTAA 201 CGTTGGCGAA GAAGAAGAGC GTCAGATCGT TTGTGGTGCC CCAAATGTGC 251 GTGCTGGGAT CAAGGTCATG GTGGCTCTTC CAGGAGCTCG TATCGCTGAT 301 AACTACAAAA TCAAAAAAGG AAAAATCCGT GGTTTGGAGT CACTTGGAAT 351 GATCTGTTCA CTTGGTGAAT TGGGAATTTC TGACTCAGTT GTGCCTAAGG 401 AATTCGCAGA TGGCATCCAA ATCTTGCCTG AAGATGCCGT GCCAGGTGAG 451 GAAGTCTTTT CTTACCTAGA CTTGGATGAT GAAATCATCG AACTTTCCAT 501 CACACCAAAC CGTGCAGATG CCCTTTCTAT GTGTGGAGTG GCTCACGAAG 551 TGGCAGCCAT CTATGACAAG GCAGTCAACT TTAAAAAATT TACTCTAACA 601 GAAACTAATG AAGCTGCGGC AGATGCCCTT TCTGTCAGCA TTGAGACAGA 651 CAAGGCGCCT TACTATGCAG CTCGTATCTT GGACAATGTG ACTATCGCAC 701 CAAGTCCACA ATGGTTGCAA AACCTTCTCA TGAACGAAGG CATCCGTCCC 751 ATCAATAACG TTGTAGACGT GACAAACTAC ATCCTGCTCT ACTTTGGTCA 801 ACCTATGCAT GCTTTTGACT TGGACACATT TGAAGGGACT GACATCCGTG 851 TGCGTGAAGC GCGTGATGGT GAAAAATTAG TGACCCTGGA CGGTGAAGAA 901 CGAGACTTGG CTGAGACAGA CCTCGTGATT ACAGTTGCTG ACAAACCAGT 951 AGCCCTTGCC GGTGTTATGG GTGGTCAGGC TACAGAAATT TCTGAAAAAT 1001 CTAGTCGTGT TATCCTTGAA GCTGCTGTTT TTAATGGCAA ATCTATCCGT 1051 AAGACAAGTG GTCGCCTGAA CCTTCGTTCT GAGTCATCTT CTCGCTTTGA 1101 AAAAGGAATT AATGTGGCAA CAGTTAATGA AGCCCTTGAT GCGGCAGCTA 1151 GCATGATTGC AGAGCTTGCA GGCGCGACGG TGCGTAAGGG TATCGTTTCA 1201 GCGGGTGAGC TTGATACCTC TGATGTGGAA GTTTCTTCAA CCCTTGCTGA 1251 TGTTAACCGT GTCCTCGGAA CTGAGCTGTC TTATGCTGAT GTANAAGACG 1301 TCTTCCGTCG TCTTGGCTTT GGTCTTTCTG GAAATGCAGA CAGCTTTACA 1351 GTCAGCGTAC CACGTCGTCG TTGGGATATC ACAATCGAAG CTGATCTCTT 1401 TGAAGAAATC GCTCGTATCT ATGGATATGA CCGCTTGCCA ACCAGCCTTC 1451 CAAAAGACGA TGGTACAGCT GGTGAATTGA CTGTGATACA AAAACTCCGC 1501 CGTCAAGTTC GTACCATTGC TGAAGGAGCA GGTTTGACAG AAATCATCAC 1551 CTATGCTCTG ACAACTCCTG AAAAAGCAGT TGAGTTCACA GCTCAACCAA 1601 GTAACCTTAC TGAACTCATG TGGCCAATGA CTGTGGATCG TTCAGTCCTC 1651 CGTCAAAATA TGATTTCAGG GATCCTTGAT ACCGTTGCCT ACAACGTGGC 1701 TCGTAAGAAT AAAAACTTGG CCCTTTATGA GATTGGAAAA GTCTTTGAAC 1751 AAACAGGTAA TCCAAAAGAA GAACTTCCAA ATGAGATCAA CAGCTTTGCC 1801 TTTGCTTTGA CAGGCTTGGT TGCTGAAAAA GATTTCCAAA CAGCAGCAGT 1851 TCCAGTTGAT TTTTTTTATG CTAAGGGAAT CCTTGAAGCC CTATTTACTC 1901 GTTTGGGACT CCAAGTAACC TATACAGCAA CATCTGAAAT CGCTAGCCTT 1951 CATCCAGGTC GTACAGCCGT GATTTCACTC GGTGACCAAG TTCTTGGTTT 2001 CCTTGGCCAA GTGCATCCAG TCACTGCCAA GGCTTACGAT ATTCCAGAAA 2051 CGTATGTAGC TGAGCTTAAC CTTTCAGCCA TCGAAGGGGC GCTCCAACCT 2101 GCTGTTCCAT TTGTGGAAAT CACCAAATTC CCAGCAGTCA GCCGTGACGT 2151 TGCCCTTCTC CTCAAGGCAG AAGTGACTCA CCAAGAAGTT GTAGATGCTA 2201 TCCAAGCTGC CGGCGTGAAA CGTTTGACAG ATATCAAACT CTTTGACGTC 2251 TTCTCAGGTG AAAAACTGGG ACTTGGTATG AAGTCAATGG CTTATAGCTT 2301 GACCTTCCAA AATCCAGAAG ACAGCTTAAC GGACGAAGAA GTCGCACGCT 2351 ACATGGAAAA AATCCAAGCG TCTCTCGAAG AAAAAGTCAA TGCAGAAGTG 2401 CGTTAA-3'
【0021】 表2 (B)この表中のポリヌクレオチド配列から推定されるpheS(ベータ)ポリ
ペプチド配列 [配列番号2]
【0022】 NH2-1 MLVSYKWLKE LVDIDVPSQE LAEKMSTTGI EVEGVELPAA GLSKIVVGEV 51 LSCEAVPETH LHVCQINVGE EEERQIVCGA PNVRAGIKVM VALPGARIAD 101 NYKIKKGKIR GLESLGMICS LGELGISDSV VPKEFADGIQ ILPEDAVPGE 151 EVFSYLDLDD EIIELSITPN RADALSMCGV AHEVAAIYDK AVNFKKFTLT 201 ETNEAAADAL SVSIETDKAP YYAARILDNV TIAPSPQWLQ NLLMNEGIRP 251 INNVVDVTNY ILLYFGQPMH AFDLDTFEGT DIRVREARDG EKLVTLDGEE 301 RDLAETDLVI TVADKPVALA GVMGGQATEI SEKSSRVILE AAVFNGKSIR 351 KTSGRLNLRS ESSSRFEKGI NVATVNEALD AAASMIAELA GATVRKGIVS 401 AGELDTSDVE VSSTLADVNR VLGTELSYAD VXDVFRRLGF GLSGNADSFT 451 VSVPRRRWDI TIEADLFEEI ARIYGYDRLP TSLPKDDGTA GELTVIQKLR 501 RQVRTIAEGA GLTEIITYAL TTPEKAVEFT AQPSNLTELM WPMTVDRSVL 551 RQNMISGILD TVAYNVARKN KNLALYEIGK VFEQTGNPKE ELPNEINSFA 601 FALTGLVAEK DFQTAAVPVD FFYAKGILEA LFTRLGLQVT YTATSEIASL 651 HPGRTAVISL GDQVLGFLGQ VHPVTAKAYD IPETYVAELN LSAIEGALQP 701 AVPFVEITKF PAVSRDVALL LKAEVTHQEV VDAIQAAGVK RLTDIKLFDV 751 FSGEKLGLGM KSMAYSLTFQ NPEDSLTDEE VARYMEKIQA SLEEKVNAEV 801 R-COOH
【0023】 表3 (C)ポリヌクレオチド配列の具体例 [配列番号1]
【0024】 X-(R1)n-1 ATGCTTGTAT CTTATAAATG GTTAAAAGAA TTGGTGGACA TTGATGTGCC 51 ATCACAAGAG TTGGCTGAAA AAATGTCAAC TACAGGGATC GAGGTAGAGG 101 GTGTCGAATT ACCAGCTGCT GGTCTCTCAA AAATTGTCGT CGGTGAGGTC 151 TTGTCTTGCG AAGCTGTGCC AGAGACTCAC CTCCATGTTT GTCAGATTAA 201 CGTTGGCGAA GAAGAAGAGC GTCAGATCGT TTGTGGTGCC CCAAATGTGC 251 GTGCTGGGAT CAAGGTCATG GTGGCTCTTC CAGGAGCTCG TATCGCTGAT 301 AACTACAAAA TCAAAAAAGG AAAAATCCGT GGTTTGGAGT CACTTGGAAT 351 GATCTGTTCA CTTGGTGAAT TGGGAATTTC TGACTCAGTT GTGCCTAAGG 401 AATTCGCAGA TGGCATCCAA ATCTTGCCTG AAGATGCCGT GCCAGGTGAG 451 GAAGTCTTTT CTTACCTAGA CTTGGATGAT GAAATCATCG AACTTTCCAT 501 CACACCAAAC CGTGCAGATG CCCTTTCTAT GTGTGGAGTG GCTCACGAAG 551 TGGCAGCCAT CTATGACAAG GCAGTCAACT TTAAAAAATT TACTCTAACA 601 GAAACTAATG AAGCTGCGGC AGATGCCCTT TCTGTCAGCA TTGAGACAGA 651 CAAGGCGCCT TACTATGCAG CTCGTATCTT GGACAATGTG ACTATCGCAC 701 CAAGTCCACA ATGGTTGCAA AACCTTCTCA TGAACGAAGG CATCCGTCCC 751 ATCAATAACG TTGTAGACGT GACAAACTAC ATCCTGCTCT ACTTTGGTCA 801 ACCTATGCAT GCTTTTGACT TGGACACATT TGAAGGGACT GACATCCGTG 851 TGCGTGAAGC GCGTGATGGT GAAAAATTAG TGACCCTGGA CGGTGAAGAA 901 CGAGACTTGG CTGAGACAGA CCTCGTGATT ACAGTTGCTG ACAAACCAGT 951 AGCCCTTGCC GGTGTTATGG GTGGTCAGGC TACAGAAATT TCTGAAAAAT 1001 CTAGTCGTGT TATCCTTGAA GCTGCTGTTT TTAATGGCAA ATCTATCCGT 1051 AAGACAAGTG GTCGCCTGAA CCTTCGTTCT GAGTCATCTT CTCGCTTTGA 1101 AAAAGGAATT AATGTGGCAA CAGTTAATGA AGCCCTTGAT GCGGCAGCTA 1151 GCATGATTGC AGAGCTTGCA GGCGCGACGG TGCGTAAGGG TATCGTTTCA 1201 GCGGGTGAGC TTGATACCTC TGATGTGGAA GTTTCTTCAA CCCTTGCTGA 1251 TGTTAACCGT GTCCTCGGAA CTGAGCTGTC TTATGCTGAT GTANAAGACG 1301 TCTTCCGTCG TCTTGGCTTT GGTCTTTCTG GAAATGCAGA CAGCTTTACA 1351 GTCAGCGTAC CACGTCGTCG TTGGGATATC ACAATCGAAG CTGATCTCTT 1401 TGAAGAAATC GCTCGTATCT ATGGATATGA CCGCTTGCCA ACCAGCCTTC 1451 CAAAAGACGA TGGTACAGCT GGTGAATTGA CTGTGATACA AAAACTCCGC 1501 CGTCAAGTTC GTACCATTGC TGAAGGAGCA GGTTTGACAG AAATCATCAC 1551 CTATGCTCTG ACAACTCCTG AAAAAGCAGT TGAGTTCACA GCTCAACCAA 1601 GTAACCTTAC TGAACTCATG TGGCCAATGA CTGTGGATCG TTCAGTCCTC 1651 CGTCAAAATA TGATTTCAGG GATCCTTGAT ACCGTTGCCT ACAACGTGGC 1701 TCGTAAGAAT AAAAACTTGG CCCTTTATGA GATTGGAAAA GTCTTTGAAC 1751 AAACAGGTAA TCCAAAAGAA GAACTTCCAA ATGAGATCAA CAGCTTTGCC 1801 TTTGCTTTGA CAGGCTTGGT TGCTGAAAAA GATTTCCAAA CAGCAGCAGT 1851 TCCAGTTGAT TTTTTTTATG CTAAGGGAAT CCTTGAAGCC CTATTTACTC 1901 GTTTGGGACT CCAAGTAACC TATACAGCAA CATCTGAAAT CGCTAGCCTT 1951 CATCCAGGTC GTACAGCCGT GATTTCACTC GGTGACCAAG TTCTTGGTTT 2001 CCTTGGCCAA GTGCATCCAG TCACTGCCAA GGCTTACGAT ATTCCAGAAA 2051 CGTATGTAGC TGAGCTTAAC CTTTCAGCCA TCGAAGGGGC GCTCCAACCT 2101 GCTGTTCCAT TTGTGGAAAT CACCAAATTC CCAGCAGTCA GCCGTGACGT 2151 TGCCCTTCTC CTCAAGGCAG AAGTGACTCA CCAAGAAGTT GTAGATGCTA 2201 TCCAAGCTGC CGGCGTGAAA CGTTTGACAG ATATCAAACT CTTTGACGTC 2251 TTCTCAGGTG AAAAACTGGG ACTTGGTATG AAGTCAATGG CTTATAGCTT 2301 GACCTTCCAA AATCCAGAAG ACAGCTTAAC GGACGAAGAA GTCGCACGCT 2351 ACATGGAAAA AATCCAAGCG TCTCTCGAAG AAAAAGTCAA TGCAGAAGTG 2401 CGTTAA-(R2)n-Y
【0025】 表4 (D)ポリペプチド配列の具体例[配列番号2]
【0026】 X-(R1)n-1 MLVSYKWLKE LVDIDVPSQE LAEKMSTTGI EVEGVELPAA GLSKIVVGEV 51 LSCEAVPETH LHVCQINVGE EEERQIVCGA PNVRAGIKVM VALPGARIAD 101 NYKIKKGKIR GLESLGMICS LGELGISDSV VPKEFADGIQ ILPEDAVPGE 151 EVFSYLDLDD EIIELSITPN RADALSMCGV AHEVAAIYDK AVNFKKFTLT 201 ETNEAAADAL SVSIETDKAP YYAARILDNV TIAPSPQWLQ NLLMNEGIRP 251 INNVVDVTNY ILLYFGQPMH AFDLDTFEGT DIRVREARDG EKLVTLDGEE 301 RDLAETDLVI TVADKPVALA GVMGGQATEI SEKSSRVILE AAVFNGKSIR 351 KTSGRLNLRS ESSSRFEKGI NVATVNEALD AAASMIAELA GATVRKGIVS 401 AGELDTSDVE VSSTLADVNR VLGTELSYAD VXDVFRRLGF GLSGNADSFT 451 VSVPRRRWDI TIEADLFEEI ARIYGYDRLP TSLPKDDGTA GELTVIQKLR 501 RQVRTIAEGA GLTEIITYAL TTPEKAVEFT AQPSNLTELM WPMTVDRSVL 551 RQNMISGILD TVAYNVARKN KNLALYEIGK VFEQTGNPKE ELPNEINSFA 601 FALTGLVAEK DFQTAAVPVD FFYAKGILEA LFTRLGLQVT YTATSEIASL 651 HPGRTAVISL GDQVLGFLGQ VHPVTAKAYD IPETYVAELN LSAIEGALQP 701 AVPFVEITKF PAVSRDVALL LKAEVTHQEV VDAIQAAGVK RLTDIKLFDV 751 FSGEKLGLGM KSMAYSLTFQ NPEDSLTDEE VARYMEKIQA SLEEKVNAEV 801 R-(R2)n-Y
【0027】 寄託物質 ストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993株を含有する寄託物は、
ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・マリン・バクテ
リア・リミテッド(NCIMBという)、23ストリート、マッカードライブ、
アベルディーンAB21RY、スコットランドに1996年4月11日寄託し、
NCIMB受託番号40794が付与された。寄託したことにより、寄託株をス
トレプトコッカス・ニューモニアエ0100993株という。1996年4月1
7日に、イー・コリ(E. coli)中のストレプトコッカス・ニューモニアエ01 00993DNAライブラリーをNCIMBに同様に寄託し、受託番号4080
0を付与された。ストレプトコッカス・ニューモニアエ株寄託物を、本明細書で
は「寄託株」または「寄託株のDNA」という。
【0028】 寄託株は全長のpheS(ベータ)遺伝子を含んでいる。寄託株中に含まれる
ポリヌクレオチド配列ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸
配列は、本明細書の配列に関する任意の記載に矛盾する事象において支配的であ
る。 寄託株の寄託は、特許手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブダペスト条
約の条件下でなされている。特許が発行されると何らの制限または条件もなく、
最終的に株は分譲される。寄託は当業者の便宜のためにのみ提供され、35U. S.C.112条の下に要求されるような、寄託が実施可能要件であることを承認
するものではない。 寄託物を製造、使用または販売するためにはライセンスが必要であるが、その
ようなライセンスはここでは賦与されていない。
【0029】 ポリペプチド 本発明ポリペプチドは表1[配列番号2]のポリペプチド(詳細には、成熟ポ
リペプチド)ならびにポリペプチドおよびフラグメント、詳細にはpheS(ベ
ータ)の生物学的活性を有するものを包含し、さらに表1[配列番号2]のポリ
ペプチドまたはその重要部分に対して少なくとも70%、好ましくは表1[配列
番号:2、4、6、8]のポリペプチドに対して少なくとも80%の同一性を有
するポリペプチドおよびフラグメント、より好ましくは表1[配列番号2]のポ
リペプチドに対して少なくとも90%の類似性を有し(より好ましくは、少なく
とも90%の同一性を有し)、さらにより好ましくは表1[配列番号2]のポリ
ペプチドに対して少なくとも95%の類似性を有する(さらにより好ましくは少
なくとも95%の同一性を有する)ポリペプチドおよびフラグメント、さらに通
常には少なくとも30個、より好ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含むか
かるポリペプチドの部分を包含する。
【0030】 また本発明は表1(D)に示す式のポリペプチドを包含し、式中のアミノ末端
においてXは水素であり、カルボキシル末端においてYは水素または金属であり
、R1およびR2はアミノ酸残基、nは1ないし1000または2000の整数で
ある。いずれかのR基(nは1より大きな整数)により示されるアミノ酸残基の
伸長部分はヘテロポリマーであってもホモポリマーであってもよく、好ましくは
ヘテロポリマーである。 フラグメントは、前記のポリペプチドのアミノ酸配列のすべてではなく一部に
対して全く同一であるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。pheS
(ベータ)ポリペプチドについては、フラグメントは「独立して存在(free sta
nding)」しているか、または一部分もしくは領域を形成することにより、大型 のポリペプチド内に含まれていてもよく、最も好ましくは単一の連続した領域、
すなわち大型の単一ポリペプチドとして含まれる。
【0031】 好ましいフラグメントは、表1[配列番号2]のアミノ酸配列の一部分を有す
る末端切断されたポリペプチド、またはそれらの変種を包含するが、その例とし
てはアミノ末端を含む一連の残基を切断、またはカルボキシル末端を含む一連の
残基を切断したものがある。宿主、とりわけストレプトコッカス・ニューモニア
エにおける、本発明のポリペプチドの分解形態もまた好ましい。また、構造的ま
たは機能的属性により特徴づけられたフラグメント、例えばアルファーヘリック
スおよびアルファーヘリックス形成領域、ベータシートおよびベータシート形成
領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域
、疎水性領域、アルファー両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可変領域、表面
形成領域、基質結合領域、および高抗原性指標領域を含むフラグメントなども好
ましい。
【0032】 pheS(ベータ)活性を媒介し、あるいは活性を改善し、望ましくない活性
を減じられたフラグメントである生物学的に活性のあるフラグメントも好ましい
。動物、とりわけヒトにおいて抗原的または免疫原的なフラグメントもまた含ま
れる。個体、特にヒトにおけるストレプトコッカス・ニューモニアエ の生存に 必須の機能、あるいは疾病を開始または維持する能力を付与する酵素の受容体ま
たはドメインを含むフラグメントが特に好ましい。 本発明ポリペプチドのフラグメントである変種を、ペプチド合成による対応全
長ポリペプチドの製造に使用してもよく、それゆえ、これらの変種を全長のポリ
ペプチド製造のための中間体として用いてもよい。本発明ポリヌクレオチドのフ
ラグメントである変種を用いて本発明の全長のポリヌクレオチドを合成してもよ
い。
【0033】 ポリヌクレオチド 本発明の別の態様は単離ポリヌクレオチドに関するものであり、それには表1
[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有するpheS(ベータ)ポリペプチドを
コードする全長遺伝子およびそれに密接に関連するポリヌクレオチドおよびそれ
らの変種が包含される。
【0034】 本明細書に提供される情報を用いて、例えば表1[配列番号1]に示すポリヌ
クレオチド配列を用い、出発物質ストレプトコッカス・ニューモニアエ0100
993細胞からの染色体DNAフラグメントをクローニングおよび配列決定する
ために用いるような標準的なクローニングおよびスクリーニングを用いて、ph
eS(ベータ)ポリペプチドをコードしている本発明ポリヌクレオチドを得て、
次いで、全長のクローンを得てもよい。例えば、本発明のポリヌクレオチド配列
、例えば表1[配列番号1]に示す配列を得るために、イー・コリ(E.coli)ま
たはいくつかの他の適切な宿主におけるストレプトコッカス・ニューモニアエ0
100993の染色体DNAのクローンの典型的なライブラリーを、部分的配列
に由来する、好ましくは17量体またはそれ以上の長さの放射性標識化オリゴヌ
クレオチドにてプローブする。プローブのDNAに同一であるDNAを担持する
クローンは厳密な条件を用いて区別できる。元の配列から設計した配列決定プラ
イマーを用いてこのように同定した個々のクローンを配列決定することにより、
両方向で配列が伸長できるようになり、全遺伝子配列を決定できる。このような
配列決定は便宜的にプラスミドクローンから調製した変性二本鎖DNAを用いて
実施する。適切な技法については、Maniatis,T.、Fitsch,F.F.およびSambrookら
、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨ
ーク(1989)に記載されている(Screening By Hybridization 1.90およびSeque
ncing Denatured Double-Stranded DNA Templates 13.70参照)。本発明の典型 例において、表1[配列番号1]に示すポリヌクレオチドが、ストレプトコッカ
ス・ニューモニアエ0100993由来のDNAライブラリー中に見いだされた
【0035】 表1[配列番号1]に示すDNA配列は、表1[配列番号2]に示すアミノ酸
残基数とほぼ同数のアミノ酸からなる蛋白をコードしている読み枠を含んでおり
、蛋白の推定分子量は、当該分野でよく知られたアミノ酸の分子量を用いて算出
できる。配列番号1のポリヌクレオチドは配列番号2のポリペプチドをコードす
る。停止コドンは下線を付したTAA(ポリヌクレオチドの3’末端の最終コド
ン)で示される配列番号1のヌクレオチド番号からである。 本発明のpheS(ベータ)は、寄託株のpheS(ベータ)をコードしてい
るDNAの配列決定結果により示されるように、フェニルアラニルtRNAシン
セターゼベータサブユニットファミリーの他の蛋白に構造的に関連している。
【0036】 本発明は、表1[配列番号1]のコーディング配列に対して全長にわたり同一
であるポリヌクレオチド配列を提供する。成熟ポリペプチドのコーディング配列
またはそれらのフラグメント、ならびにその他のコーディング配列を有する読み
枠中の成熟ポリペプチドのコーディング配列またはそのフラグメント、例えばリ
ーダーまたは分泌配列、プレ、プロ、プレプロ蛋白配列をコードする配列も本発
明により提供される。ポリヌクレオチドは、例えば、転写された非翻訳配列、終
止シグナル、リボソーム結合部位、mRNAを安定化する配列、イントロン、ポ
リアデニル化シグナル等の転写非翻訳配列、および付加アミノ酸をコードする付
加コーディング配列等の非コーディング5'および3'配列等の非コーディング配
列をも含有しうるが、これらに限定するのではない。例えば、融合ポリペプチド
の精製を促すマーカー配列をコードすることもできる。本発明のある好ましい態
様において、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)中に提供される
ようなヘキサ−ヒスチジンペプチド(Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA,
86:821-824(1989)に記載される)またはHAタグ(Wilsonら、Cell,37:767 (1984))である。本発明のポリヌクレオチドはまた、構造遺伝子および遺伝子
発現を調節する天然の配列をも含むが、これらに限定するものではない。
【0037】 本発明の好ましい具体例は、pheS(ベータ)をコードしている、表1の配
列番号1に示すヌクレオチド1から1044までを含むポリヌクレオチドである
。 また本発明は、表1(C)に示す式のポリヌクレオチドを包含し、式中の分子
の5’末端においてXは水素であり、3’末端においてYは水素または金属であ
り、R1およびR2は核酸残基、nは1と1000、2000または3000の間
の整数である。いずれかのR基(Rは1個よりも多い)により示される核酸残基
の伸長部分はヘテロポリマーであってもホモポリマーであってもよく、好ましく
はヘテロポリマーである。
【0038】 上記した本明細書の用語「ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド」
は、本発明ポリペプチド配列をコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含し
、詳細には、細菌のポリペプチド、より詳細には表1[配列番号2]に示すアミ
ノ酸配列を有するストレプトコッカス・ニューモニアエのpheS(ベータ)の
ポリペプチドを包含する。該用語は、コーディング配列および/または非コーデ
ィング配列を含んでいてもよいさらなる領域を伴った、ポリペプチドをコードし
ている単一の連続領域または不連続領域(例えば、組み込まれたファージまたは
配列の挿入または配列の編集により分断されたもの)を含むポリヌクレオチドを
包含する。
【0039】 さらに本発明は、表1[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの変種をコードする上記ポリヌクレオチドの変種にも関する。本発明ポリヌク
レオチドのフラグメントである変種を用いて本発明の全長ポリヌクレオチドを合
成してもよい。 さらに特に好ましい具体例は、表1[配列番号2]のpheS(ベータ)ポリ
ペプチドのアミノ酸配列を有するpheS(ベータ)変種をコードするポリヌク
レオチドであり、その中には、いくつか、少しの、5ないし10、1ないし5、
1ないし3、2、1または0個のアミノ酸残基を置換、欠失または付加を任意の
組み合わせで施したアミノ酸配列を有する。中でもとりわけ好ましいものは、p
heS(ベータ)の特性および活性を変化させないサイレント置換、付加および
欠失である。
【0040】 本発明のさらに好ましい具体例は、表1[配列番号2]に示すアミノ酸配列を
有するpheS(ベータ)ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドに対
して、その全長にわたり少なくとも70%の同一性があるポリヌクレオチド、お
よびかかるポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチドである。あるい
はまた、寄託株のpheS(ベータ)ポリペプチドをコードしているポリヌクレ
オチドに対してその全長にわたり少なくとも80%同一である領域を含むポリヌ
クレオチド、およびそれに対して相補的なポリヌクレオチドが最も非常に好まし
い。この点に関して、全長で少なくとも90%同一であるポリヌクレオチドがと
りわけ好ましく、中でも少なくとも95%の同一性を有するものが特に好ましく
、さらに少なくとも95%の同一性を有するものの中でも少なくとも97%であ
るのがより好ましく、中でも少なくとも98%および少なくとも99%であるの
が特に好ましく、さらに少なくとも99%であるのがより好ましい。
【0041】 特に好ましい具体例は、表1[配列番号1]のDNAによりコードされる成熟
ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチドを
コードしているポリヌクレオチドである。 本発明はさらに本明細書上述の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに
関する。この点に関して、本発明は特に厳密な条件で本明細書上述のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で用いる「厳
密な条件」および「厳密なハイブリダイゼーション条件」なる用語は、配列間の
同一性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%である場合のみに起こ
るハイブリダイゼーションを意味する。厳密なハイブリダイゼーション条件の例
としては、50%ホルムアミド。5xSSC(150mM NaCl、15mM
クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデン ハーツ溶液、10%硫酸デキストラン、および20マイクログラム/mlの変性
し、剪断されたサケ精子DNAを含有する溶液中、42℃で一晩インキュベーシ
ョンし、続いて約65℃で0.1xSSC中でフィルターを洗浄するものである 。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知であり、Sambrookら、Molecula
r Cloning,A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー、
ニューヨーク(1989)、とりわけその第11章に実例が示されている。
【0042】 本発明はまた、厳密なハイブリダイゼーション条件で、配列番号1に示すポリ
ヌクレオチド配列に関する完全遺伝子を含む適当なライブラリーを、配列番号1
に示す上記ポリヌクレオチド配列またはそのフラグメントの配列を有するプロー
ブでスクリーニングし、DNA配列を単離することにより得ることのできるポリ
ヌクレオチド配列を本質的に含むポリヌクレオチドをも提供する。かかるポリヌ
クレオチドを得るために有用なフラグメントには、例えば本明細書の別の箇所に
おいて説明するプローブおよびプライマー等がある。
【0043】 本発明のポリヌクレオチドアッセイに関してここでさらに論じるが、例えば上
述の本発明のポリヌクレオチドを、pheS(ベータ)をコードするcDNA全
長およびゲノムクローンを単離するための、およびpheS(ベータ)遺伝子に
高度な配列類似性を有するその他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単
離するための、RNA、cDNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼーショ
ンプローブとして使用することができる。このようなプローブは通常少なくとも
15塩基を含む。好ましくはこのようなプローブは少なくとも30塩基を有し、
少なくとも50塩基を有していてもよい。とりわけ好ましいプローブは少なくと
も30塩基を有し、50塩基またはそれ以下である。
【0044】 例えば、pheS(ベータ)遺伝子のコーディング領域は、配列番号1に示す
DNA配列を用いてオリゴヌクレオチドプローブを合成してスクリーニングする
ことにより単離できる。次いで、本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する
標識オリゴヌクレオチドを、cDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラ
リーのスクリーニングに用い、プローブがライブラリーのいずれのメンバーにハ
イブリダイゼーションするのかを決定する。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、例えば、疾病とりわけヒト
の疾病の治療法および診断法の発見のための研究試薬および材料として使用でき
、とりわけポリヌクレオチドアッセイに関連して本明細書でさらに論じる。
【0045】 配列番号1および/または2の配列由来のオリゴヌクレオチドである本発明の
ポリヌクレオチドを本明細書記載の方法に使用してもよいが、好ましくはPCR
に使用して、本明細書で同定したポリヌクレオチドの全体または一部が感染した
組織に転写されるかどうかを決定する。かかる配列が、病原体が達成した感染段
階および感染型の診断にも有用であることが理解される。
【0046】 また本発明は、さらなるアミノもしくはカルボキシル末端アミノ酸、または成
熟ポリペプチドに内在するアミノ酸を加えた成熟蛋白であるポリペプチドをコー
ドできるポリヌクレオチドも提供する(例えば成熟形態が一つ以上のポリペプチ
ド鎖を有する場合)。このような配列は、前駆体から成熟形態への蛋白のプロセ
ッシングに役割を担い、蛋白の輸送を可能にし、蛋白の半減期を延長もしくは短
縮し、またはとりわけアッセイもしくは製造のための蛋白の操作を容易にするこ
とができる。一般的にインビボの場合、付加アミノ酸は、細胞性酵素によりプロ
セッシングされ、成熟蛋白から取り除かれる。
【0047】 1またはそれ以上のプロ配列と融合した成熟形態のポリペプチドを有する前駆
蛋白は、ポリペプチドの不活性形態でありうる。プロ配列が除去されると、通常
にはこのような不活性前駆体が活性化される。プロ配列のいくつかまたはすべて
を活性化の前に除去できる。通常、このような前駆体はプロ蛋白と称される。 要するに、本発明のポリヌクレオチドは成熟蛋白、リーダー配列を加えた成熟
蛋白(プレ蛋白と称することができる)、プレ蛋白のリーダー配列ではない1ま
たはそれ以上のプロ配列を有する成熟蛋白の前駆体、またはリーダー配列および
1またはそれ以上のプロ配列を有するプロ蛋白の前駆体であるプレプロ蛋白をコ
ードしていてもよく、プロ配列は通常ポリペプチドの活性および成熟形態を生成
するプロセッシング段階で除去される。
【0048】 ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、ポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含むベク
ター、本発明ベクターで遺伝子操作される宿主細胞および組換え技法による本発
明のポリペプチドの製造にも関する。本発明DNA構築物に由来するRNAを用
い、無細胞翻訳系を用いてこのような蛋白を製造できる。
【0049】 組換え体を製造するために、宿主細胞を遺伝子操作して、発現系もしくはそれ
らの一部、または本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。ポリヌク
レオチドの宿主細胞への導入は、例えば、Davisら、Basic Methods in Molecula
r Biology(1986);Sambrookら、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、 第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・
スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)のように、多くの標準的な実験マ
ニュアルに記載される方法により行うことができ、例えばリン酸カルシウムトラ
ンスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トラン
スベクション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクシ
ョン、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレープ負荷、バリス
ティック導入および感染等がある。
【0050】 適当な宿主の代表的なものには、細菌細胞、例えばストレプトコッカス属(St
reptococci)、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、エンテロコッカス属 (Enterococci)、イー・コリ(E.coli)、ストレプトミセス(Streptomyces) およびバチルス・ズブチリス(Bacillus subtiis)細胞;真菌細胞、例えば酵母
細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソフ ィラS2(Drosophila S2)およびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞 ;動物細胞、例えばCHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、2
93およびボウズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞等がある。
【0051】 本発明のポリペプチドを製造するために非常に多くの発現系を使用できる。こ
のようなベクターには、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクター、例
えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母
エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、例えばバキ
ュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワクシニアウイルス、アデノ
ウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス等のウイル
ス由来のベクター、ならびにそれらを組み合わせたものに由来するベクター、例
えばプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝学的エレメント由来のベクター
、例えばコスミドおよびファージミド等がある。発現系の構築物は発現を制御お
よび引き起こす調節領域を含有していてもよい。この点に関して、一般的には、
宿主中にポリヌクレオチドを保持、伸長または発現するのに、および/またはポ
リペプチドを発現するのに適した任意の系またはベクターを発現に使用できる。
周知のおよび通常的な種々の任意の技術により、適当なDNA配列を発現系に挿
入してもよく、例えばSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(
上述)に記載されている。
【0052】 翻訳蛋白を、小胞体内腔、ペリプラスミックスペースまたは細胞外環境へ分泌
させるために、適当な分泌シグナルを発現するポリペプチドに組み込むことがで
きる。これらのシグナルはポリペプチドに本来的なものであってもく、あるいは
異種性のシグナルでもよい。 本発明のポリペプチドは周知の方法により、組換え細胞培養物から回収および
精製でき、その方法には、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー
、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィ
ー等がある。高速液体クロマトグラフィーを精製に用いるのが最も好ましい。ポ
リペプチドが単離および/または精製中に変性した場合、再び活性なコンホーメ
ーションにするために、蛋白再生のための周知の技法を用いることができる。
【0053】 診断アッセイ 本発明はまた診断試薬として使用するための本発明のpheS(ベータ)ポリ
ヌクレオチドの使用にも関する。真核生物とりわけ哺乳動物、特にヒトにおける
pheS(ベータ)の検出は、疾患の診断のための診断法を提供する。pheS
(ベータ)遺伝子を含む生物に感染したあるいは感染したと思われる真核生物(
本明細書において「個体」とも称する)とりわけ哺乳動物、特にヒトを種々の方
法によりDNAレベルで検出できる。
【0054】 診断用の核酸は、感染した個体の細胞および組織、例えば骨、血液、筋肉、軟
骨および皮膚より得ることができる。ゲノムDNAを直接検出に使用してもよく
、あるいは分析の前にPCRもしくはその他の増幅法を用いることにより酵素的
に増幅できる。RNAまたはcDNAもまた同じ方法で用いることができる。増
幅法を用いると、真核生物とりわけ哺乳動物、特にヒトに存在する原核生物株を
、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすることができる。対照配列
の遺伝子型と比較した場合の増幅産物の大きさの変化により、欠失および挿入を
検出できる。点突然変異は、増幅DNAを標識化pheS(ベータ)ポリヌクレ
オチド配列にハイブリダイズさせることにより同定できる。完全に対合した配列
はRNアーゼ消化により、または融解温度の差により、誤対合二重らせんから区
別できる。変性剤含有または不含ゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動
度の変化を検出することにより、または直接的なDNAの配列決定により、DN
A配列の差を検出してもよい。例えばMeyersら、Science,230:1242(1985)参 照。また、特異的な位置での配列の変化を、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えば
RNアーゼおよびS1保護または化学的切断法によって明らかにしてもよい。例
えばCottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:4397-4401 (1985)参照。
【0055】 本発明の遺伝子の突然変異または多型性を担持する細胞を、種々の技術により
、DNAレベルで、例えばセロタイピングすることにより検出してもよい。例え
ば、RT−PCRを用いて突然変異を検出することができる。RT−PCRは自
動検出系、例えばGeneScan等と組み合わせて用いるのがとりわけ好ましい。RN
AまたはcDNAを同じ目的でPCRまたはRT−PCRに用いてもよい。例を
挙げると、pheS(ベータ)をコードする核酸に相補的なPCRプライマーは
、突然変異を同定および分析するのに用いることができる。本発明はまた、5' および/または3'末端から1、2、3または4個のヌクレオチド除去したプラ イマーをも提供する。該プライマーを用いて、感染個体由来の試料から単離され
たpheS(ベータ)DNAを増幅してもよく、次いで、該遺伝子をDNA配列
を調べるための種々の技法に供してもよい。このように、DNA配列における突
然変異を検出し、感染の診断および感染性物質のセロタイピングおよび/または
分類に使用することができる。
【0056】 本発明はまた、疾患、好ましくは細菌感染、より好ましくはストレプトコッカ
ス・ニューモニアエによる感染、および最も好ましくは、中耳炎、結膜炎、肺炎
、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸および心内膜炎、最も詳細には例えば脳脊髄
液の感染のごとき髄膜炎のような疾病の診断方法を提供し、該方法は、表1[配
列番号1]の配列を含むポリヌクレオチドのの発現レベルの上昇を個体由来の試
料から検出することを特徴とする。pheS(ベータ)ポリヌクレオチドの発現
の増加または低下は、ポリヌクレオチドの定量法として当該分野でよく知られた
いずれかの方法、例えば増幅、PCR、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザ
ンブロッティングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用いて測定できる
【0057】 さらに、正常対照組織サンプルと比較して、pheS(ベータ)蛋白の過剰発
現を検出するための本発明診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出して
もよい。宿主由来のサンプル中のpheS(ベータ)蛋白のレベルを決定するた
めに用いることができるアッセイ技法は、当業者に周知である。かかるアッセイ
法には、ラジオイムノアッセイ、競争結合アッセイ、ウェスタンブロット分析お
よびELISAアッセイ等がある。
【0058】 抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらの変種、またはそれらを発現する細胞を
免疫源として用いて、かかるポリペプチドに免疫特異的な抗体を得ることができ
る。本明細書で用いる「抗体」には、モノクローナルおよびポリクローナル抗体
、キメラ、一本鎖、サル化抗体およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメント
が包含され、さらに免疫グロブリン発現ライブラリーの産物等のFabフラグメ
ントも包含される。
【0059】 本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ
が付いたフラグメント、アナログまたは細胞を、好ましくはヒトはでない動物に
通常の実験法を用いて投与することにより得ることができる。連続的細胞系培養
により産生される抗体を提供する、当業者周知の技術を用いて、モノクローナル
抗体を調製することができる。例としては、Kohler, G.およびMilstein, C., Nature, 256:495-497 (1975); Kozborら、Immunology Today, 4:72 (1983
); Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R Liss, Inc.、77-
96頁(1985)に記載されるような種々の技法がある。
【0060】 一本鎖抗体の産生のために記載された技術(米国特許第4946778号)を
適用して、本発明ポリペプチドに対する一本鎖抗体を得ることができる。また、
トランスジェニックマウスまたはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を用い
てヒト化抗体等の抗体を発現させてもよい。 別法として、ファージディスプレイ技法を用いて、抗−ポリペプチドを有する
ことにつきスクリーニングされたヒト・リンパ球のPCR増幅されたv遺伝子の
レパートリーから、抗−pheS(ベータ)を有することについてスクリーニン
グされたヒトから、あるいは無処理のライブラリーから、ポリペプチドに対する
結合活性を有する抗体遺伝子を選別することもできる(McCafferty, J.ら、Natu
re 348:552-554 (1990); Marks, J.ら、Biotechnology 10:779-783 (1992)
)。これらの抗体の親和性はチェインシャフリング(chain shuffling)により 改善することもできる(Clackson, T.ら、Nature 352:624-628 (1991))。
【0061】 二つの抗原結合ドメインが存在する場合、各ドメインは「二特異性」抗体と称
する異なるエピトープに対して指向される。 上記抗体を用いてポリペプチドを発現するクローンを単離または同定してもよ
く、上記抗体を親和性クロマトグラフィーにより精製することができる。 従って、とりわけpheS(ベータ)ポリペプチドに対する抗体を、感染、と
りわけ細菌感染、特に中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸
および心内膜炎、最も詳細には例えば脳脊髄液の感染のごとき髄膜炎のような疾
病の治療に用いてもよい。
【0062】 ポリペプチド変種には抗原的、エピトープ的または免疫学的に等価な変種等が
あり、本発明の特定の態様である。本明細書で用いる「抗原的に等価な誘導体」
なる用語は、本発明により蛋白またはポリペプチドに対して生成した場合、病原
および哺乳動物宿主間での即時的な物理的相互作用を妨害する特定の抗体により
特異的に認識されるポリペプチドまたはその同等物を包含する。本明細書で用い
る「免疫学的に等価な誘導体」なる用語は、脊椎動物において抗体を産生させる
のに適した処方を用いた場合、抗体が病原および哺乳動物宿主間での即時的な物
理的相互作用を妨害するように作用するペプチドまたはその等価物を包含する。
【0063】 ポリペプチド、例えば抗原的、免疫学的に等価な誘導体、またはそれらの融合
蛋白は、マウスまたはその他の動物例えばラットもしくはニワトリを免疫するた
めの抗原として使用できる。融合蛋白はポリペプチドに安定性を付与できる。抗
原は、例えば抱合することにより、免疫原性キャリヤ蛋白、例えばウシ血清アル
ブミン(BSA)またはキーホール・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limp
et haemocyanin:KLH)に結合することができる。あるいはまた、蛋白もしく
はポリペプチド、またはそれらに抗原的もしくは免疫学的に等価なポリペプチド
の多重コピーを含む多重抗原ペプチドは、免疫原性を改良するための十分な抗原
性を有しているので、キャリヤーを使用しなくてすむ。
【0064】 好ましくは、抗体またはそれらの変種を、個体における免疫原性を減じるため
に修飾する。例えば、個体がヒトである場合、最も好ましくは、抗体は「ヒト化
」されており;この場合、ハイブリドーマ由来の抗体の相補性決定領域がヒト・
モノクローナル抗体に移植されており、例えばJones,P.ら、Nature 321:522-525
(1986)またはTempestら、Biotechnology 9:266-273(1991)に記載されている
【0065】 本発明のポリヌクレオチドを遺伝学的免疫において使用する場合、例えばプラ
スミドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet.1:363(1992);Ma
nthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419(1963))、特異的蛋白キャリヤーとDNAと
の複合体の送達(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985(1989))、リン酸カルシウム とのDNA共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS 83:9551(1986))、種々の形態 のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243:375(1989))、微粒 子爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenbraunら、DNA Cell Biol.12:7
91(1993))およびクローン化レトロウイルスベクターを用いたインビボ感染(
Seegerら、PNAS 81:5849(1984))等の適切な送達方法を用いるのが好ましい。
【0066】 アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子 本発明ポリペプチドを用いて、例えば、細胞、無細胞標品、化学ライブラリー
、および天然産物混合物中における小型分子基質およびリガンドの結合を評価し
てもよい。これらの基質およびリガンドは天然基質およびリガンドであってもよ
く、構造上または機能上の模倣物であってもよい。例えば、Coligan et al.,Cur
rent Protocols in Immunology 1(2):Chapter 5 (1991)参照。
【0067】 また本発明は、pheS(ベータ)ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの作
用を増強(アゴニスト)または阻害(アンタゴニスト)する化合物、詳細には、
静菌性および/または殺菌性化合物を同定するための、化合物のスクリーニング
方法をも提供する。該スクリーニング方法は高処理量の方法である。例えば、ア
ゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、合成反応混合物、
膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁のごとき細胞コンパートメント、またはp
heS(ベータ)ポリペプチドおよび標識基質もしくはかかるポリペプチドのリ
ガンドを含むそれらの調合物を、pheS(ベータ)アゴニストまたはアンタゴ
ニストである可能性のある候補化合物の不存在下または存在下でインキュベーシ
ョンする。候補分子がpheS(ベータ)ポリペプチドにアゴナイズまたはアン
タゴナイズする能力は、標識化リガンドの結合の低下またはこのような基質から
の生成物の産生の低下に反映される。結合しても影響を及ぼさない分子、すなわ
ちpheS(ベータ)ポリペプチドの効果を誘導しない分子は、最も良好なアン
タゴニストである可能性がある。結合性が良好で、基質からの生成物の生成速度
を高める分子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度またはレベルは
リポーターシステムを用いることにより強調できる。この点に関して有用なリポ
ーターシステムには、生成物に転換される比色測定用標識化基質、pheS(ベ
ータ)ポリヌクレオチドまたはポリペプチド活性の変化に応答するリポーター遺
伝子、および当該分野で周知の結合アッセイ等があるが、これらに限定するもの
ではない。
【0068】 pheS(ベータ)アンタゴニストのアッセイのもう1つの例は競争アッセイ
であり、競争阻害アッセイに適した条件下で、pheS(ベータ)および潜在的
アンタゴニストを、pheS(ベータ)結合分子、組換えpheS(ベータ)結
合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質もしくはリガンド模倣物と混合
する。例えば放射活性または比色測定用化合物によりpheS(ベータ)を標識
し、結合分子に結合した、または生成物に変換されたpheS(ベータ)分子の
数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価できる。
【0069】 潜在的アンタゴニストには、本発明ポリペプチドに結合し、そのことによりそ
の活性を阻害し消失させる小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドおよび抗体な
どがある。また、潜在的アンタゴニストは、密接に関連した蛋白または抗体のご
とき小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドであってもよく、それらは結合分子
の同じ部位に結合するが、pheS(ベータ)により誘導される活性を誘導せず
、それゆえpheS(ベータ)を結合から排除することによりpheS(ベータ
)の作用を妨害する。
【0070】 潜在的アンタゴニストには、ポリペプチドの結合部位に結合し、およびそれを
占領し、それにより細胞性結合分子への結合を妨害して、正常の生物学的活性を
妨害する小型分子等がある。小型分子の例としては、小型有機分子、ペプチド、
ペプチド様分子等があるが、これらに限定するものではない。その他の潜在的ア
ンタゴニストにはアンチセンス分子等がある(これらの分子についての記載に関
してはOkano,J.,Neurochem.56:560(1991);Oligodeoxy-nucleotides as Anti
sense Inhibitors of Gene Expression,CRCプレス、ボッカラートン、フロ リダ州(1988)参照)。好ましい潜在的アンタゴニストには、pheS(ベータ
)関連化合物および変種等がある。
【0071】 本明細書に示す各DNA配列を、抗細菌化合物の発見および開発に使用しても
よい。コードされている蛋白は、発現した場合、抗細菌剤のスクリーニングのた
めの標的として使用されうる。さらに、コードされている蛋白のアミノ末端領域
または各mRNAのシャイン−ダルガノ配列または他の翻訳容易化配列をコード
しているDNA配列を用いてアンチセンス配列を構築し、目的のコーディング配
列の発現を制御することもできる。
【0072】 本発明は、感染の続発症に関与する病因および哺乳動物宿主間の最初の物理的
相互作用を妨害するための本発明ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは阻害物
質の使用を提供する。とりわけ本発明分子を、内在デバイス上の哺乳動物細胞外
マトリックス蛋白または傷における細胞外マトリックス蛋白への細菌の付着、詳
細にはグラム陽性細菌の付着の防止;例えば、哺乳動物チロシンキナーゼのホス
ホリレーションを開始することによる、pheS(ベータ)蛋白により媒介され
る哺乳動物細胞への侵入のブロック(Rosenshineら、Infect. Immunol. 60: 221
1 (1992));哺乳動物細胞外マトリックス蛋白と細菌pheS(ベータ)蛋白と
の間の、組織ダメージを媒介する細菌付着のブロック;内在デバイスの移植また
は他の外科的方法以外により開始される、感染における通常の病状の進行のブロ
ックに使用することができる。
【0073】 本発明のアンタゴニストおよびアゴニストを、例えば、感染、とりわけ細菌感
染、特に中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸および心内膜
炎、最も詳細には例えば脳脊髄液の感染のごとき髄膜炎のような疾病の抑制およ
び治療に用いてもよい。
【0074】 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(以下、エッチ・ピロリと いう)菌は、全世界の3分の1を越える人々の胃に感染しており、胃癌、胃潰瘍
および胃炎を生じさせている(International Agency for Research on Cancer (1994)Schistosomes,Liver Flukes and Helicobacter Pylori(Internationa
l Agency for Research on Cancer,Lyon,France;http://www.uicc.ch/ecp/ec
p2904.htm)。その上、International Agency for Research on Cancerによって
、最近になって、エッチ・ピロリと胃腺癌の間の因果関係が認識されており、そ
の細菌を群I(明確な)発癌物質と分類している。本発明が提供するスクリーン
を用いて見出された本発明の好ましい抗微生物化合物(pheS(ベータ)のア
ゴニストおよびアンタゴニスト)、特に広域スペクトル抗生物質は、エッチ・ピ
ロリ感染の処置に有用である。このような処置はエッチ・ピロリ誘発の癌、例え
ば胃腸腺癌の発病を減少させる。かかる処理はまた胃潰瘍または胃炎を治癒する
【0075】 ワクチン 本発明の別の態様は、個体とりわけ哺乳動物における免疫学的反応を誘導する
方法に関し、該方法は、感染、詳細には細菌感染、最も詳細にはストレプトコッ
カス・ニューモニアエ感染から個体を防御するための抗体および/またはT細胞
免疫応答を生じさせるに十分なpheS(ベータ)またはそのフラグメントもし
くは変種を個体に接種することを特徴とする。かかる免疫学的応答が細菌の複製
を遅らせる方法も提供される。本発明のさらにもう1つの態様は、個体における
免疫学的応答の誘導方法に関し、該方法は、疾病が個体においてすでに確立され
ているか否かにかかわらず、インビボでpheS(ベータ)またはそのフラグメ
ントもしくは変種を発現させるためにpheS(ベータ)またはそのフラグメン
トもしくは変種の発現を指令する核酸ベクターをかかる個体に送達して、例えば
、抗体および/またはT細胞免疫応答(例えば、サイトカイン産生T細胞または
細胞毒性T細胞)を生じさせる免疫学的応答を誘導して、該個体を疾病から防御
する抗体を産生させることを特徴とする。迅速に遺伝子を所望細胞中に投与する
方法としては、粒子上にコーディングすること等がある。かかる核酸ベクターはD
NA、RNA、修飾核酸、またはDNA/RNAハイブリッドを含んでいてもよ
い。
【0076】 本発明のさらなる態様は、免疫学的反応を宿主内に誘導できる、または誘導さ
れたた宿主に導入した場合、pheS(ベータ)またはそれによりコードされて
いる蛋白に対する免疫学的反応を該宿主に誘導する免疫学的組成物に関し、その
組成物は組換えpheS(ベータ)またはそれによりコードされている蛋白を含
み、pheS(ベータ)またはそれによりコードされている蛋白に対する抗原を
コードし発現するDNAを含む。免疫学的応答を治療的または予防的に用いても
よく、また免疫学的応答はCTLまたはCD4+T細胞から生じるような抗体免 疫または細胞性免疫の形態であってもよい。
【0077】 pheS(ベータ)ポリペプチドまたはそのフラグメントを、それ自身は抗体
を産生しないが、第1の蛋白を安定化し、免疫原的および保護特性を有する融合
蛋白を産生する能力のある共存蛋白(co-protein)と融合させてもよい。好まし
くは、かかる融合組換え蛋白は、抗原補蛋白、例えばバチルス・ズブチリス由来
のリポ蛋白D、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはベータ
ーガラクトシダーゼのごとき共存蛋白、蛋白を可溶化してそれらの産生および精
製を促進する比較的大きな共存蛋白等を含む。さらに、共存蛋白は免疫系におい
て普遍的な刺激を提供するという意味で、アジュバントとして作用することがで
きる。共存蛋白は第1の蛋白のアミノまたはカルボキシいずれの末端に結合して
いてもよい。
【0078】 本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよびSato Y.ら、S
cience 273:352 (1996)に記載されているような免疫刺激DNA配列を含む組成 物、とりわけワクチン組成物、および方法を提供する。 また、本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニアエに感染した動物モデル
において、かかる遺伝的免疫化実験に用られるDNA構築物中の細菌細胞表面蛋
白の不変領域をコードすることが示されている、説明したポリヌクレオチドまた
はとりわけそれらのフラグメントを用いる方法を提供し、これらはとりわけ予防
的または治療的免疫反応を刺激することができる蛋白エピトープを同定するのに
有用である。この研究は、哺乳動物、とりわけヒトにおける細菌感染とりわけス
トレプトコッカス・ニューモニアエ感染の予防薬または治療的処置の開発のため
に、感染に抵抗しこれを一掃するのに成功した動物の必須器官から特に価値ある
モノクローナル抗体をうまく調製することを可能にすると思われる。
【0079】 ポリペプチドを宿主接種用抗原として用いて、例えば損傷組織への細菌の付着
を阻害することにより細菌の侵入に対して防御する特異的抗体を得てもよい。組
織損傷の例としては、例えば機械的、化学的もしくは熱的ダメージにより、また
は内在デバイスの埋め込みにより引き起こされた皮膚または結合組織の創傷、ま
たは粘膜、例えば口、乳腺、尿道または膣の創傷等がある。
【0080】 また本発明は、適切な担体と一緒になった免疫原性組換え蛋白を含有するワク
チン処方を包含する。蛋白は胃で分解されうるので、非経口的に、例えば皮下、
筋肉内、静脈内または皮膚内等に投与するのが好ましい。非経口投与に適した処
方には、抗酸化剤、緩衝液、静細菌剤、および処方を個体の体液(好ましくは血
液)と等張にする溶質を含有していてもよい水性または非水性滅菌注射液、およ
び懸濁化剤または増粘剤を含有していてもよい水性または非水性滅菌懸濁液等が
ある。処方は1回投与または多回投与用容器、例えばシールしたアンプルおよび
バイアルに入れてよく、使用直前に滅菌液体担体の添加のみを必要とする凍結乾
燥状態として保存してもよい。ワクチン処方は処方の免疫原性を高めるアジュバ
ント系を含有していてもよく、例えば水中油系または当該分野で周知のその他の
系等がある。投与量はワクチンの特異的活性に依存し、通常の実験法により容易
に決定できる。
【0081】 本発明を特定のpheS(ベータ)蛋白に関して説明したが、本発明は天然に
存在する蛋白および、実質的に組換え蛋白の免疫原特性に影響しない付加、欠失
または置換を施した類似の蛋白のフラグメントを包含することが理解されよう。
【0082】 組成物、キットおよび投与 本発明はまた上述のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはそれらの
アゴニストもしくはアンタゴニストを含む組成物にも関する。本発明ポリペプチ
ドを、細胞、組織もしくは生物に用いられる未滅菌もしくは滅菌済み担体と混合
して、例えば対象への投与に適した医薬的担体と混合して用いることができる。
このような組成物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量の本発明ポリペプチ
ド、および医薬的に許容できる担体または賦形剤を含む。このような担体には生
理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール
およびそれらの組み合わせ等があるが、これらに限定するものではない。処方は
投与法に適したものにすべきである。さらに本発明は、1またはそれ以上の上記
本発明組成物成分を充填した1またはそれ以上の容器を含む診断用および医薬用
パックおよびキットにも関する。
【0083】 本発明ポリペプチドおよびその他の化合物を、単独で、あるいは治療用化合物
等のその他の化合物と組み合わせて用いてもよい。 いずれかの有効かつ利便的な方法、例えば、とりわけ局所、経口、経膣、静脈
内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮膚内の経路で医薬組成物を投与
してもよい。 治療において、または予防薬として、活性物質を注射用組成物として、例えば
好ましくは等張の滅菌水性分散物として個体に投与できる。
【0084】 別法として、組成物を局所適用用、例えば軟膏、クリーム、ローション、眼軟
膏、点眼液、点耳液、洗口剤、含浸包帯および縫合用の糸、ならびにエアロゾー
ル等の形態に処方してもよく、適当な慣用的な添加物、例えば保存剤、薬物の浸
透を補助する溶媒、ならびに軟膏およびクリームには軟化剤を含有していてもよ
い。かかる局所用処方は、適合した慣用的な担体、例えばクリームまたは軟膏基
剤、およびローションにはエタノールまたはオレイルアルコールを含有していて
もよい。このような担体は重量で処方の約1%から約98%であってよく、より
通常には重量で処方の約80%までとする。
【0085】 哺乳動物とりわけヒトに投与するために、活性物質の1日あたりの投与量は、
0.01mg/kgから10mg/kgであり、典型的には約1mg/kgであ る。医者はあらゆる場合、個体に最も適した実際の投与量を決定し、年齢、体重
および特に個体の反応性に応じて変化させる。上述の投与量は、平均的なケース
の典型例である。もちろん、高用量および低用量の範囲が適合する個々の例もあ
り、かかる例は本発明の範囲内である。
【0086】 内在デバイスには外科的インプラント、補てつデバイスおよびカテーテル等が
あり、即ち個体の体に導入し、長時間その位置に存在するものである。このよう
なデバイスには、例えば人工関節、心臓弁、ペースメーカー、血管移植片、血管
カテーテル、脳脊髄液シャント、尿カテーテル、継続的歩行可能腹膜透析(cont
inuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)カテーテル等がある。 本発明の組成物を注射により投与し、内在デバイスの挿入の直前に、関連細菌
に対する全身的な効果を得てもよい。手術後、デバイスが体内に存在する期間中
、処置を続けてもよい。さらに、外科的手技中に広げるカバーに用いて、細菌性
創傷感染、とりわけストレプトコッカス・ニューモニアエの創傷感染を防御する
こともできる。
【0087】 多くの整形外科医は、補てつ関節を有するヒトについては、菌血症を生じうる
歯科的処置の前に抗生物質予防法を考慮すべきであると考えている。遅延性の重
篤な感染は、時々補てつ関節を失うに至る深刻な合併症であり、有意性のある罹
病率および死亡率を伴う。それゆえ、この状況において、予防的な抗生物質に代
わるものとして、活性物質の使用を拡張することが可能である。 上述の治療に加え、一般的には本発明組成物を創傷の治療薬として使用して、
創傷組織において曝露されたマトリックス蛋白に細菌が付着するのを防いでもよ
く、歯科治療においては抗生物質による予防法に代えて、またはそれと組み合わ
せて予防的に使用してもよい。
【0088】 別法として、本発明の組成物を用いて挿入直前の内在デバイスを浸してもよい
。創傷または内在デバイスを浸すためには、活性物質は1μg/mlから10m
g/mlの濃度であるのが好ましい。 ワクチン組成物を便宜的に注射可能な形態にする。慣用的なアジュバントを用
いて免疫反応を高めてもよい。ワクチン化に適した単位投与量は、抗原0.5〜 5μg/kgであり、このような投与量は1〜3週間隔で1〜3回投与するのが
好ましい。本発明化合物については、指示した投与量範囲では、適切な個体への
投与を妨げるような不利な毒性効果は観察されない。 本明細書に開示した各文献を、参照によりその全体が本明細書に記載されてい
るものとみなす。本願が優先権を主張しているいずれの特許出願も、参照により
その全体が本明細書に記載されているものとみなす。
【0089】 (実施例) 以下の実施例は、詳細に説明したこと以外は、当業者に周知で通常的な標準的
な技法を用いて実施する。実施例は説明のためにのみ示すもので、本発明を限定
するものではない。
【0090】 実施例1:菌株の選択、ライブラリーの製造および配列決定 配列番号1に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドを、イー・コリ(E. c
oli)中のストレプトコッカス・ニューモニアエの染色体DNAのクローンのラ イブラリーから得た。重複するストレプトコッカス・ニューモニアエのDNAを
含有する2個またはそれ以上のクローンからの配列決定データを用いて配列番号
1の隣接DNA配列を構築した場合もある。通常の方法、例えば以下の方法1お
よび2によりライブラリーを製造できる。 全細胞DNAは、ストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993から、
標準法に準じて単離し、二つの方法のどちらかによりサイズ分画する。
【0091】 方法1 標準法に準じてサイズ分画化するために、全細胞DNAを注射針に通して機械
的に剪断する。11kbpまでの大きさのフラグメントを、エクソヌクレアーゼ
およびDNAポリメラーゼで処理することにより、平滑末端化し、EcoRIリ
ンカーを加える。フラグメントを、EcoRIで切断されているベクターラムダ
ZapIIに連結し、標準法によりライブラリーをパッケージングし、次いでパ
ッケージングしたライブラリーでE. coliを感染させる。ライブラリーは標準法 により増幅する。
【0092】 方法2 全細胞DNAは、ライブラリーベクター(例えば、RsaI、PalI、Al
uI、Bshl235I)にクローニングするための一連のフラグメントを適切
に生じる1の制限酵素または制限酵素の組み合わせで部分的加水分解し、かかる
フラグメントを標準法に準じてサイズ分画化する。EcoRIリンカーをDNA
およびフラグメントに連結し、次いでEcoRIで切断されているベクターラム
ダZapIIに連結し、標準法によりライブラリーをパッケージングし、次いで
パッケージングしたライブラリーでE. coliを感染させる。ライブラリーを標準 法により増幅する。
【0093】 実施例2 pheSの特徴づけ 酵素により媒介される放射性標識アミノ酸のtRNA中への取り込みを、tR
NAおよびATPの存在下で放射性標識アミノ酸からのトリクロロ酢酸沈殿可能
な放射活性としてアミノ酸−tRNAを測定するアミノアシル化法(Huges J, M
ellows G and Soughton S, 1980, FEBS Letters, 122: 322-324)により測定し てもよい。かくして、対照に対するトリクロロ酢酸沈殿可能放射活性の減少によ
り、フェニルアラニルtRNAシンセターゼの阻害剤を検出することができる。
別法として、PPiからの放射性標識ATPの生成を測定する、tRNAシンセ
ターゼにより触媒される部分的PPi/ATP交換反応を用いてフェニルアラニ
ルtRNAシンセターゼ阻害剤を検出することもできる(Calender R & Berg P,
1966, Biochemistry, 5, 1681-1690)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C07K 14/315 A61P 31/04 16/12 C07K 14/315 C12N 1/15 16/12 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/99 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/14 9/99 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/14 C12R 1:46) G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 A61K 37/02 //(C12N 15/09 ZNA C12N 5/00 A C12R 1:46) C12R 1:46) (72)発明者 デボラ・ディー・ジャワースキー アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州ノ リスタウン、ウィローブルック・ドライブ 214番 (72)発明者 ミン・ワン アメリカ合衆国19422ペンシルベニア州ブ ルー・ベル、センテニアル・ドライブ302 番

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードしているポリヌ
    クレオチドに対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; (b)寄託株のストレプトコッカス・ニューモニアエ中に含まれるpheS(
    ベータ)遺伝子により発現されるのと同じ成熟ポリペプチドをコードしているポ
    リヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; (c)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一であるアミノ
    酸配列を含むポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド; (d)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレ
    オチド;および (e)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチドの少なくとも15個の
    連続した塩基を含むポリヌクレオチド からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記載のポリヌクレ
    オチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである請求項1記載のポリヌクレ
    オチド。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示す核酸配列を含む請求項2記載のポリヌクレ
    オチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示すヌクレオチド配列を含む請求項2記載のポ
    リヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードして
    いる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の宿主細胞から上記DNAによりコードされ
    ているポリペプチドを発現させることを含む、ポリペプチドの製造方法。
  10. 【請求項10】 pheS(ベータ)ポリペプチドまたはフラグメントの製
    造方法であって、該ポリペプチドまたはフラグメントの生成に十分な条件下で請
    求項8に記載の宿主を培養することを含む方法。
  11. 【請求項11】 配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一
    であるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のポリペプチドに対する抗体。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載のポリペプチドの活性または発現を阻害
    するアンタゴニスト。
  15. 【請求項15】 治療上有効量の請求項11に記載のポリペプチドを個体に
    投与することを含む、pheS(ベータ)ポリペプチドを必要とする個体の治療
    方法。
  16. 【請求項16】 治療上有効量の請求項14に記載のアンタゴニストを個体
    に投与することを含む、pheS(ベータ)ポリペプチドの阻害を必要とする個
    体の治療方法。
  17. 【請求項17】 個体における請求項11に記載のポリペプチドの発現また
    は活性に関連した疾病の診断方法であって、 (a)該ポリペプチドをコードしている核酸配列を決定すること、および/ま
    たは (b)個体由来の試料中の該ポリペプチドの存在または量について分析するこ
    と を含む方法。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載のポリペプチドと相互作用して、その活
    性を阻害または活性化する化合物の同定方法であって、 化合物とポリペプチドとの間の相互作用を可能にする条件下で、ポリペプチド
    とスクリーニングすべき化合物とを接触させて化合物の相互作用を評価し(かか
    る相互作用はポリペプチドと化合物との相互作用に応答した検出可能シグナルを
    提供しうる第2の成分に関連したものである)、 次いで、化合物とポリペプチドとの相互作用により生じるシグナルの存在また
    は不存在を検出することにより、化合物がポリペプチドと相互作用して、その活
    性を活性化または阻害するかどうかを決定する ことを含む方法。
  19. 【請求項19】 哺乳動物における免疫学的応答を誘導する方法であって、
    抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせて動物を疾病から防御するに十分
    な請求項11に記載のpheS(ベータ)ポリペプチドまたはそのフラグメント
    もしくは変種を哺乳動物に接種することを含む方法。
  20. 【請求項20】 哺乳動物における免疫学的応答を誘導する方法であって、
    pheS(ベータ)またはポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変種を
    インビボで発現させて、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせる免疫学
    的応答を誘導して該動物を疾病から防御するするために、請求項11に記載のp
    heS(ベータ)ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変種の発現を指
    令する核酸ベクターを送達することを含む方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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