JP2001518782A - 改良sar植物形質転換法 - Google Patents

改良sar植物形質転換法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、形質転換処理における発現カセットの形質転換効率を向上させるために、マトリックス付着領域(MAR)としても知られている、スカフォールド付着領域(SAR)をそのような発現カセットにおいて使用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 改良SAR植物形質転換法 発明の技術分野 本発明は、細胞および組織の形質転換における、マトリックス付着領域(Matr ix attachment regions:MAR)としても知られている、スカフォールド付着領域 (Scaffold attachment regions:SAR)の使用に関する。 発明の背景 SAR/MAR(以後まとめて「SAR」という)は、真核生物のゲノムに存在する、AT に富むゲノムDNA配列である(Boulikas[1993]J.Cell Biochem.52:14を参照 のこと)。SARは、構造遺伝子の近傍にある非コードDNA配列で、転写過程を安定 させる。SARは、核DNAを含むタンパク質性の骨格物質の特定の構成成分に結合す ることも知られている。SARは、形質転換された植物において、異種由来の遺伝 子の発現を向上させることが分かっている(Allenら[1993]Plant Cell 5:603 )。 発明の概要 植物の形質転換法において、植物の発現カセットにSARを使用すると、そのよ うな発現カセットによって安定した形質転換の事象が得られる頻度が上昇すると いう思わぬ発見がなされている。特に、安定した形質転換事象が約7倍以上まで も生じることが観察されているが、同時に一方では、GUS発現の場合には、一過 的な形質転換事象は減少することが観察されている。この驚くべき知見によって 、安定した形質転換事象が増加するということがいっそう驚きである。本発明は 、改良されたエレクトロポレーション形質転換技術において、特に有用である。 植物の発現カセットにSARを使用すると、安定して形質転換された植物を回収 するために必要とされる時間が都合よく短縮できることも予想外に発見されてい る。SAR陽性クローンは、SAR陰性クローンに比べてより早く培養液中に一定して 出現するため、より早い再生が可能になる。培養時間が短いほど、再生が容易に なり、植物体の異常も少なく、稔性も高く、よりよい種子集団が得られる。より 迅速な形質転換/再生方法は、時間を短縮することによって事象の処理量を大幅 に増加させることができ、商業上の候補植物体がより速く同定できるようになる ため 、商業的な立場から非常に望ましい。 さらに、エレクトロポレーション形質転換法で用いられる植物発現カセットに おけるSARを使用すると、商業的な立場からは非常に望ましい、コピー数の少な い形質転換体の割合が高くなる。コピー数の多い形質転換体は、高頻度で遺伝子 サイレンシング(gene silencing)を伴う。トウモロコシ細胞そのもののエレク トロポレーション処理から得られたSAR陽性トウモロコシ形質転換体では、挿入 コピー数が多いことを示す、複雑なサザンブロットパターンが見られることはま れである(約10%)。 図面の簡単な説明 図1は、SAR陽性植物発現カセットで形質転換したトウモロコシのカルス試料 のサザンブロットを対照と比較したものである。処理したカルスをビアラホス( bialaphos)選抜用プレート上にまき、7週間から12週間後にビアラホス抵抗性 コロニーが出現した。カルスからDNAを抽出して、材料および方法に記載されて いるとおりに、アガロースゲル上で分離した。レーン1:DNA分子量標準;レーン 2〜12:ビアラホス選抜によって得られた選抜コロニー由来のDNA;レーン13:PA T遺伝子を含んでいることが分かっているPAT+対照用カルス由来のDNA;レーン14 :PAT遺伝子を含んでいないことが分かっているPAT-対照用カルス由来のDNA;レ ーン15:1コピー分に相当するプラスミドDNA;レーン16:3コピー分に相当する プラスミドDNA。 図2は、pAGM607プラスミドDNAによる形質転換により得られたカルス(図1) から再生されたT0植物体のDNAのサザン解析を示している。レーン1:DNA分子量 標準;レーン2:1コピー分に相当するプラスミドDNA;レーン3〜11:無関係; レーン12:PAT遺伝子を含んでいることが分かっているPAT+対照用葉組織由来のD NA;レーン13:PAT遺伝子を含んでいないことが分かっているPAT-対照用葉組織 由来のDNA;レーン15〜27:サザン陽性カルスから再生されたT0植物体の葉のDNA 。 図3は、ST2-1由来のT1世代における、PAT遺伝子について分離している植物の 葉組織のDNAのサザン解析を示している。レーン1:DNA分子量標準;レーン2:盲 験;レーン3〜11:除草剤に対する感受性ありと判断された植物の葉組織のDNA ;レーン22:PAT遺伝子を含んでいないことが分かっているPAT-対照用葉組織由 来のD NA;レーン23:レーン12:PAT遺伝子を含んでいることが分かっているPAT+対照 用葉組織由来のDNA;レーン24:1コピー分に相当するプラスミドDNA;レーン25 :3コピー分に相当するプラスミドDNA;レーン26〜28:無関係。 図4は、本発明にしたがって用いることのできるSARポリヌクレオチド配列を 示している。 図5は、プラスミドpAGM243の制限酵素地図を示している。 図6は、プラスミドpAGM285Aの制限酵素地図を示している。 図7は、プラスミドpAGM607の制限酵素地図を示している。 図8は、プラスミドpAGM608の制限酵素地図を示している。 発明の詳細な説明 本発明は、植物の形質転換処理において安定した形質転換事象が得られる頻度 を増加させ、ならびにコピー数の少ない形質転換体の数を増加させるための方法 および材料に関し、また、最初の形質転換体の子孫である後続世代を通じて、遺 伝子サイレンシングが起こるのを抑制またはなくすことに関する。本発明の一つ の態様において、SARを植物発現カセットに使用して、SAR陰性の植物発現カセッ トについて得られるよりも高い割合で、安定した形質転換体および低コピー数の 形質転換体を製造する植物形質転換法を提供する。 一つの態様において、本発明の方法は、タンパク質、ポリペプチド、またはペ プチドをコードする所期のポリヌクレオチドに操作可能なように結合したSARポ リヌクレオチド配列によって、細胞または組織を形質転換することを含む。本発 明にとって有用なSARには、植物および動物に由来するSARが含まれるが、これら に限定されない。本発明にとって有用な、SARがコードするポリヌクレオチドに は、例えば、タバコから単離されたSARが含まれる(Hallら、[1991]Proc.Natl .Sci.USA 88:9320)。好ましい態様において、本発明を実施する上で有用なSA Rポリヌクレオチドは、図4に示すヌクレオチド配列、またはその機能的な断片 もしくは変異配列を含む。好ましくは、SARポリヌクレオチド配列は、適当なベ クター上の「発現カセット」の形で提供される。DNAによる形質転換に適したい ずれのベクターを用いることができ、そのようなベクターは当技術分野において 既知である。非常に好ましい態様において、SARポリヌクレオチドの配列は、所 期のポリヌ クレオチドの一方および/または両方の末端に操作可能なように結合している。 例えば、DNAでコートした微小粒子によるパーティクルガンまたはバイオリステ ィクス形質転換法、アグロバクテリウムによる形質転換法、エレクトロポレーシ ョン法、マイクロインジェクション法、磁気泳動法(magnetophoresis)、炭化ケ イ素ウィスカー法(silicon carbide whiskers)、PEGによる形質転換法、およ びプロトプラスト形質転換法などを含む既知の方法を用いて形質転換を行うこと ができる。好ましい態様において、当技術分野において既知の標準的な技術によ るエレクトロポレーション法によって、本発明のポリヌクレオチドにより植物細 胞を形質転換する。例えば、ペスキテリ(Pescitelli,S.M.)、スカピンダ(S ukhapinda,K.)(1995)「エレクトロポレーションによるトウモロコシII型カ ルスの安定した形質転換、および稔性のあるトランスジェニック植物の再生(St able Transformation via Electroporation Into Maize Type II Callus and Re generation of Fertile Transgenic Plants)」,Plant Cell Reports 14:712-7 16(その全体が参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと。形質転換 された植物細胞を選抜して、形質転換小植物体および形質転換植物を生じさせる ために日常的に行われている適当な条件下で培養することができる。 本発明のヌクレオチド配列を一部削除、および/または変異させ、その結果得 られた元の全長配列の断片および/または変異体のあるものに、全長配列がもつ 所望の特徴をもたせることができることは、当技術分野において周知のことであ る。より大きな核酸分子から断片を作製するのに適した、さまざまな制限酵素が 当業者によって周知されている。なお、時間を調節しながらDNAを部分消化させ るには、Bal31エキソヌクレアーゼが便利であることも、よく知られている。例 えば、参照として本明細書に組み入れられる、マニアティス(Maniatis)ら(19 82)、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、ニューヨーク、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor) 135〜139ページを参照のこと。また、ウェイ(Wei)ら、(1983)J.Biol.Chem .,258:13006〜13512も参照のこと。Bal31エキソヌクレアーゼ(「一塩基消去( erase-a-base)」法と広く言われている)を用いることによって、当業者は、対 象となる酸の片方または両方の末端からヌクレオチドを除去して、対象とするヌ クレオ チド配列と機能的に同等な広範な断片を作製することができる。このようにして 当業者は、元のSAR分子のあらゆる位置からさまざまな長さに調節された何百も の断片を、半日で作製することができる。当業者は、作製した断片が本明細書に 示されているような断片の有用性をもつかどうか、その特徴について日常的な作 業として検査またはスクリーニングすることができる。全長配列の変異配列また はそれらの断片が、部位特異的突然変異作製法によって容易に製造可能であるこ ともよく知られている。例えば、ラリオノフ(Larionov,O.A.)およびニキフォ ロフ(Nikifolov,V.G.)(1982)「特異的突然変異作製法(Directed Mutagen esis)」,Genetika,18(3):349〜59;ショートル、ディマイオ、およびナータン (Shortle,D.,DiMaio,D.,and Nathans,D)(1981)「特異的突然変異作製 法(Directed Mutagenesis)」,Annu.Rev.Genet.15:265-94;を参照のこと。 両文献とも、参照として本明細書に組み入れられる。当業者は、欠失型、挿入型 、または置換型の突然変異を日常的な作業として製造することができ、この変異 配列が、野生型全長配列、またはその断片の所望の特徴をもっているかを調べる ことができる。 本発明の一つの態様において、SARポリヌクレオチドと実質的に同一の配列を もつポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、タンパク質、ポリペプチ ド、またはペプチドをコードするポリヌクレオチドに操作可能なように結合され ている。本発明にしたがって、細胞または組織を形質転換するために、どのよう な所望のポリヌクレオチド配列を用いてもよい。これに関して特に重要なことは 、例えば、(i)選抜マーカー(抗生物質および/または除草剤抵抗性遺伝子)、 (ii)レポーター遺伝子(例えばGUS)、(iii)殺虫剤抵抗性遺伝子(B.t.デル タエンドトキシン)、および(iv)植物の価値または有用性を向上させるその他 の遺伝子など、用いる遺伝子である。このような遺伝子には、グルクロニダーゼ 、ホスフィノトリシンN-アセチルトランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GF P)、ルシフェラーゼ、Pat/bar、およびグリフォセート抵抗性遺伝子(NPTII、H PT、バイオモキシラ(biomoxila)抵抗性遺伝子、AHAS、ALS、シアノミドヒドロ ラーゼ(cyanomide hydrolase)、アデニンデアミナーゼ、2,4-Dモノオキシゲナ ーゼ)が含まれるが、これらに限定されない。コードされているタンパク質、ポ リペ プチド、またはペプチドは、形質転換される細胞が天然にもっているものでもよ いし、または形質転換される細胞にとっては異種由来のものであってもよい。選 択的には、例えばポリヌクレオチド配列の転写を調節することができるプロモー ター配列のような調節配列を、本発明のポリヌクレオチドに含ませることもでき る。好ましい態様において、SARポリヌクレオチド配列は、適当なベクター上の 発現カセットのポリヌクレオチド成分になっている。本発明のSARポリペプチド にとって有用なベクターは、当技術分野において既知であり、標準的な技術によ って調製および/または選択することができる。 本発明の方法および材料を用いて、あらゆる生物、好ましくは真核生物由来の 細胞または組織を形質転換することができる。好ましい態様において、細胞は植 物細胞である。本発明において、形質転換される植物細胞成分は、いかなるもの でも用いることができる。容易に全植物体として再生できるような植物細胞を用 いることが好ましい。適当な植物細胞には、胚形成懸濁細胞、非胚形成懸濁細胞 (これらの細胞が再生不能なトウモロコシを除く)、植物外植片、生殖系列細胞 (花粉、胚珠、茎頂分裂組織(meristem domes)、大胞子細胞、胚細胞、卵細胞 、および胚嚢)、小胞子細胞およびカルス組織細胞(固いカルス、柔らかいカル スとも)。好ましい細胞には、胚形成細胞、懸濁細胞(胚形成懸濁細胞)、およ びカルス化した未熟な接合体胚などがある。特に好ましい植物細胞は、約3〜14 日目、好ましくは5〜10日目の初期の胚形成懸濁細胞および初期カルス(まだ接 合体胚に付着している)細胞である。エレクトロポレーションを行う前に、植物 細胞を傷つけること、および/または植物細胞を処理することは不必要で、実際 、明らかに回避できる。胚形成懸濁組織を用いる場合には、胚形成細胞を傷つけ ないように穏やかに組織をばらばらにして、できるだけ小さな集塊または非常に 小さな集塊にすることが好ましい。これは、例えば組織をスパチュラまたは乳棒 で押して1,000ミクロンの網目を通過させるなどにより行うことができる。損傷 を受けていない集塊または懸濁細胞が細かくなればなるほど、本方法が効果的に なる。 本発明の有用な植物組織には、カルス、分裂組織、葉、芽、根、および胚形成 組織などがあるが、これらに限定されない。本発明は、被子植物(双子葉植物、 単子葉植物)、および裸子植物など、いかなる植物種にも適用可能である。適当 な作物には、トウモロコシ、コムギ(特に、C型コムギカルス)、ソルガム、イ ネ、パールミレット、サトウキビ、オーチャードグラス、およびその他のイネ科 植物;ダイズ、ラッカセイ、アルファルファ、およびその他のマメ科植物;ワタ 、ケナフ、およびその他のアオイ科植物;ケシ、およびその他のケシ科植物;タ イマ、およびその他のアサ科植物;チャ、およびその他のツバキ科植物;ナタネ (キャノーラ)、蔬菜、および油料作物、ならびにその他のナタネ科植物;ヒマ ワリ、ベニバナ、およびその他のキク科植物;コーヒー、およびその他のアカネ 科植物;カカオ、セオブロマ(theobroma)およびその他のアオギリ科植物;果 物、野菜、木本、果樹作物、および芝草などがある。好ましい作物には、ワタ、 トマト、サトウダイコン、バレイショ、ラッカセイ、アルファルファ、イネ、コ ムギ、および特にトウモロコシ(メイズ)などがある。 好ましい態様において、本発明で用いられるポリヌクレオチド配列は、植物の 中で発現させることのできるような5'側プロモーター領域、構造遺伝子領域、お よび3'側非翻訳領域(ポリアデニル化部位)の任意の配列を含んでいる。このポ リヌクレオチド配列は、遺伝子発現を阻害しない限り、どのような方法で改変し てもよい(コドンの付加、コドンの欠失、コドンの置換など)。本発明に係る植 物に挿入されたポリヌクレオチドは、自然界に存在する真核生物または原核生物 に由来する任意の所望の遺伝子を含むことができる。通常、農業的な目的のため に、1個よりも多い遺伝子が植物細胞の中に挿入して形質転換される。遺伝子の 一つは典型的には、形質転換されていない細胞から形質転換体を容易に検出する ための選抜用マーカー遺伝子(抗生物質抵抗性遺伝子または除草剤抵抗性遺伝子 )である。付加的な性質を付与し、現にある性質を抑制し(「アンチセンス」機 構によって)、または植物細胞およびそれから再生した全植物体の既知の性質を 増幅するために、その他の遺伝子を植物細胞のゲノムに付加することもできる。 これらの遺伝子は、組織特異的なプロモーターを使用することによって、特異的 な組織で発現させることができる。これらの遺伝子は、当業者に周知の技術によ って構築することができる。 遺伝子構築物は、プロモーター、構造遺伝子コード配列、およびポリ-アデニ ン (ポリ-A)残基の付加を可能にする配列を含む、一遺伝子発現カセットとして存 在してもよい。プロモーターは、構造遺伝子をコードするDNAからRNAへの転写を 開始するために必要である。プロモーターは、形質転換される細胞で機能するか ぎり、さまざまなものに由来するものでよく、また配列を付加または欠失するこ とによって、発現を促進させるために改変してもよい。DNAは、タンパク質に関 するコード領域の外側、または内側にイントロン配列を含んでいることがある。 これらのイントロンを除去して、ポリA配列を付加すれば、それに対応するタン パク質への翻訳が可能な成熟メッセンジャーRNA(mRNA)が産生される。遺伝子 発現カセットは、2個以上の群をまとめて結合させることもできる。一つのmRNA が1個よりも多数のタンパク質をコードしているポリシストロニックな発現カセ ットを用いることもできる。さらに、発現カセットを用いて、タンパク質をコー ドするDNA鎖の反対鎖となるDNA鎖を転写させた「アンチセンス」RNAを産生させ ることもできる。 植物の中で活性のあるプロモーターの例としては、トウモロコシのユビキチン プロモーター(Christensen et al.,[1992]Plant Molecular Biology 18:675-6 89)などがある。第1イントロンを含む、トウモロコシのユビキチン遺伝子の非 翻訳リーダー配列を、特に単子葉類で用いるために組み込むことができる。カリ フラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Murray et al.,[1991]Plant Mo lecular Biology 16:1035-1050)、またはマンノピンシンターゼ遺伝子のT-DNA のMas2プロモーター(Leung et al.,[1991]Molecular & General Genetics 230 :463-474)を用いることもできる。35Sプロモーターは、上流エンハンサー配列 および非翻訳リーダー配列中にイントロンを持ちながら、欠失があってもよく( Last et al.,[1991]Theoretical & Applied Genetics 81:581-588)、Mas2プロ モーターは、発現を促進させるための欠失があってもよい(Leung et al.,前記 )。 構造遺伝子の例としては、GUSすなわちグルクロニダーゼをコードするような レポーター遺伝子(Jefferson et al.,[1987]EMBO Journal 6:3901-3907)、市 販の除草剤バスタ(Basta)(Droge et al.,[1992]Planta 187:142-151)の有 効成分に対して抵抗性を付与する、PATすなわちホスフィノトリシンN-アセチル トラ ンスフェラーゼをコードするような選抜用マーカー遺伝子、または付加価値的な 表現形質の発現をもたらす遺伝子などがある。後者の型の遺伝子の例としては、 鱗翅目(Adang et al.,[1985]Gene 36:289-300)、または鞘翅目(Bradfisch e t al.,欧州特許第0 500 311 A2号、および米国特許第5,208,017号)などの昆虫 に抵抗性を付与し、図1でB.t.2、およびB.t.3と名付けられている、バチルス・チ ューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)(B.t.)に由来する遺伝子など がある。植物細胞での発現を促進するために、B.t.遺伝子を改変することもでき る(Adang et al.,1995年1月10日発行の米国特許第5,380,831号)。 除草剤抵抗性遺伝子は、形質転換体を選抜する目的に役立つ一方で、その遺伝 子をもたず、除草剤感受性である作物を植えてある圃場において除草剤を使用す ることを可能にし、および/または雑草防除のために除草剤が予め使用されてい る圃場に植えられた、その遺伝子をもたず、除草剤感受性である作物に対する被 害(除草剤の持ち越し)を予防するという農業的に価値のある目的のために役立 ちうる。植物で用いる価値のある遺伝子のさらに別のタイプには、バチルス・チ ューリンギエンシスから単離されたデルタエンドトキシンをコードする遺伝子、 またはそれらを一部欠失したものおよび/もしくはそれらの合成誘導体;真菌類 抵抗性遺伝子;脂肪生合成遺伝子;アンチセンス遺伝子、ならびに栄養成分およ び/または繊維の性質に関係する遺伝子などがある。 好ましくは、等浸透圧である適当な緩衝培地の中で、本発明に係るDNAおよび 細胞を反応させる。例えば、ワン(Wong)およびノイマン(Neumann)のF-培地 、Biochemistry and Biophysics Research Communications,Vol.107,pp.584 -587,1982;クレンズ(Krens)ら、[1981]Nature 296:72-74を参照のこと。好ま しい緩衝培地は、EPR緩衝液(555mMのグルコース、4mMのCaCl2、10mMのHepes緩 衝液、pH7.2)。本方法を行う場合、新鮮な植物細胞を反応用容器に加えてから 、DNAおよび緩衝培地の混合液を加える。材料を添加する順序は重要ではない。 エレクトロポレーション処理を行う温度は重要ではないが、電場をかける前後 にはすぐに、DNA/植物細胞混合液を冷やすことが好ましい。培養または再生の段 階はいずれも、当業者に周知の条件(温度を含む)下で行う。DNAおよび植物細 胞の混合液の、37℃で10分間のヒートショック処理を行うこともできる。 本発明のエレクトロポレーションの段階は、周知の技術にしたがって、DNA/細 胞混合液に電場をかけることによって行われる。任意の電場を用いることが可能 である。電気パルスは、用いる電流に応じて、25〜5,000ボルト(V)、またはそ れ以上に上げることができる。好ましい方法としては、方形パルス発生システム 、およびキャパシター放電システムなどがある。キャパシター放電システムは、 指数的に電圧が低下するパルスを作り出す。 本発明を実施するときは、DNAおよび植物細胞をともに、少なくとも約10分間 、好ましくは20〜90分間室温でインキュベートする。次に、DNA/細胞混合液を等 量液にしてエレクトロポレーション用キュベットに移し、選択的に電場をかける 前に氷上で冷やしておく。電場の強さは、例えば、形質転換する具体的な植物種 、形質転換処理に用いられる細胞の具体的な型(年齢を含む)、植物細胞に電場 をかける時間の長さを含む用いる電場の型、DNAの濃度および型、その他さまざ まな要素によって変えることができる。当業者は、日常的に行われる滴定実験を 用いることによって、最適な処理条件を容易に決定することができる。 トウモロコシのカルス細胞の形質転換においてキャパシター放電システムを用 いるときに好ましいエレクトロポレーションの条件としては、250〜1500μFキャ パシター、25〜500またはそれ以上のボルト数、および50〜500msecのパルス時間 などがある。放電は、25〜500ボルトでなければならない。特に好ましい条件は8 50μF、150V、Nおよび200msecのパルス時間である。電場をかけた直後、エレク トロポレーションキュベットを選択的に、約10分間氷上に置いてもよい。そして このキュベットを、少なくとも約5分間室温に置き、そこに細胞培養培地の少量 の等量液を加える。次に、キュベットからサンプルをピペットで吸い出して、6 穴培養皿のウエルに入れた2mlの培地の中に入れる。処理した細胞は、培養して 維持し、標準的な培養および植物再生技術を用いて再生させる。 本発明の範囲に含まれると考えられるSARポリヌクレオチドには、SARの機能的 な断片、およびその対立遺伝子変異を含む既知のSARが含まれ、また本明細書に おいて例示されているSARと実質的に同一の生物学的活性を保持しているかぎり は、将来同定されるであろうSARも含まれよう。SARは天然物から調製したり、ま たは自動DNA合成機など、当技術分野において既知の標準的な技術を用いて合成 するこ とができる。本発明のSARポリヌクレオチドはまた、天然の配列中に変異を含む 変異配列を含む。これらの変異には、その変異SAR配列が本発明の天然のSAR配列 と実質的に同一の生物学的活性を保持しているかぎりは、例えば、ヌクレオチド 置換、挿入、および欠失などが含まれる。 本発明は、また、本発明の方法を用いて形質転換された細胞および組織にも関 する。本明細書で説明されている方法にしたがって異種由来の遺伝子を発現させ るために形質転換した植物体、小植物体、および植物種子も、本発明の範囲内に あると考えられる。 本明細書全体で引用されているすべての参考文献を開示したものは、参照とし て本明細書に組み入れられる。材料および方法 PAT-ELISA ヌンク(Nunc)社製Maxisorb微量滴定用プレートは、コーティング緩衝液の中 で、室温で2時間ゆっくり振とうしながら、プロテインA精製した1μg/mlのウサ ギ抗-PAT IgG、100μlで被覆した。コーティング溶液を捨てた後、400μlのブロ ッキング溶液を加え、プレートを4℃でゆっくり振とうしながら、一晩ブロッキ ングを行った。そしてこのプレートを、スカトロンスキャンウォッシャー(Skat ron Skan Washer)プレート洗浄器で洗浄し、ウェルに100mlの抗原または細胞抽 出物を加え、ゆっくりと振とうしながら、室温で2時間インキュベートた。抽出 物は、カルス材料については5倍容量の植物抽出緩衝液(Plant Extraction Buf fer)(PEB)中で、葉材料については10倍容量の植物抽出緩衝液(Plant Extr action Buffer)(PEB)中で、〜100mgfwの組織を磨砕し、粗抽出物を5分間遠 心分離して作製した。次に上清を移して、もう一度5分間遠心分離した。そして 微量滴定用プレートに加える前に、磨砕用緩衝液で抽出物を10倍に希釈した。プ レートを洗浄した後、Ab緩衝液(Ab Buffer)中1μg/mlのプロテインA精製した ヤギ抗-PAT IgG、100μlをプレートに加え、ゆっくりと振とうしながら、室温で 1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、1:30,000の希釈率で、アルカリ ホスファターゼ(ピアス(Pierce)社製)に結合した100μlの抗ヤギ抗体を加え て、ゆっくりと振とうしながら、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、200 m lのSIGMA FAST pNPP基質を加えて、プレートを振とうせずに1時間から3時間静置 し、1時間毎に、595nm(405nmを参照として)での吸光度を読み取った。定量は 、精製したPATタンパク質を陰性対照抽出物に10倍ずつの希釈率で加えて作製し た標準曲線をもつ吸光度と比較して行った。サザンブロッティングおよびハイブリダイゼーションの手順 サザンブロッティングおよびプレハイブリダイゼーション:サザンブロッティ ング法は、本質的には、マレー(Murray)ら、[1992]Plant Molecular Biology Reporter,vol.10(2)で述べているところにしたがって行われた。かいつまんで 言うと、適当な制限酵素で消化したゲノムDNA(5〜10ug)を1×ローディング緩 衝液中に懸濁して、アガロース/TAEゲル(0.85%)中にロードする。このDNAを電 気泳動(75W/4h)で分離してから、ケルを30分間染色(0.1ug/ml EtBrを含む10m M NaPO)して写真撮影する。次に、このゲルを20分間変性させる(150mM NaPO) 。次に、毛細管作用によって、分離したDNAを一晩かけてナイロン膜に移動させ る。このナイロン膜を80℃で2時間焼固して、2時間ブロッキング(2%SDS,0.5%B SA,1mM EDTA,1mMオルトフェナントロリン)し、2時間プレハイブリダイゼーシ ョン(100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)、20mMピロリン酸ナトリウム、5m M EDTA,1mM 1,10オルトフェナントロリン,0.1%SDS,10%デキストラン硫酸、50 0ug/mlヘパリン硫酸、50ug/ml酵母RNA,50ug/mlニシン精子DNA)を行う。 ハイブリダイゼーション:プローブとして用いる鋳型DNAは、プライムイットR mTランダムプライミング標識キット(Prime-It RmT Random Priming Labeling K it)(ストラタジーン(Stratagene)社製)を用いて、P cCTPで標識する。プロ ーブの標識効率を測定して、プレハイブリした膜に約1×106のCPM/MLを加える。 この膜をプローブと65℃で12〜16時間ハイブリダイズさせる。次に、非結合プロ ーブを除去するために、この膜を3回洗浄(5mMリン酸ナトリウム(pH7.8)、1. 25mMピロリン酸ナトリウム、0.25mM EDTA,0.1%SDS)してから、コダック(Koda k)社製の科学用画像化フィルムに感光させる。 以下は、本発明を実施するための手順を例示するものである。これらの実施例 を限定的なものと解してはならない。別途記載がないかぎり、割合はすべて重量 によるものであり、溶媒の混合比率はすべて容量によるものである。実施例1 発現カセット中にSARをもつものおよびもたないものを用いて形質転換したト ウモロコシ細胞について、一過的および安定的な形質転換効率の両方を判定する ために、いくつかの実験を行った。トウモロコシの全細胞をそのままエレクトロ ポレーション法により形質転換処理を行った。この実験の結果を下の表1に示す 。この表から分かるように、SAR陽性クローン(+SAR)は、一過的な形質転換効 率は低い(19.7%対29.49%)が、安定した形質転換効率はより高い(3.62%対0.51 %)。 実施例2 本明細書の材料および方法の節で説明した、PAT遺伝子を含むいくつかのSAR陰 性およびSAR陽性クローンに対して、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェ ラーゼ(PAT)を検出するためのELISAを行った。クローンT34-1は、PATを最高に 発現させるSAR陰性クローンの一つで、陽性対照を表している。この解析結果を 表2に示す。いくつかのSAR-陽性クローンが、高レベルでPATタンパク質を産生 することが分かった。 実施例3 本明細書の材料および方法の節で説明したとことにしたがって、PAT遺伝子を 検出するために、いくつかの形質転換したトウモロコシカルスクローンのサザン 解析を行った。用いられた制限酵素はBamHI、プローブはPAT(PCR)であった。対 照を含む、サザンブロッティング実験の結果が図1〜3に示されている。PAT特 異的な放射活性プローブとインキュベートするとバンドが出現することから、図 1の結果は、選ばれたカルスのすべてがPAT遺伝子を含んでいたことを示してい る。図2は、選ばれたカルスから再生した植物体は、PAT遺伝子をももつ植物体 を形成したことを示している。ほとんどの系統が、PAT遺伝子の挿入コピーを一 つか数個持っているが、レーン24、すなわちST-8の1系統だけは、多数のPAT遺 伝子が挿入されていることを示す複雑なバンドパターンを示した。ST2-1由来のT 1世代において、PAT遺伝子に関して分離する植物体からの葉組織からとったDNA のサザン解析は、2つ例外はあるが、除草剤感受性だと思われるすべての植物が 、PAT遺伝子の存在について陰性であることを示していた(図3)。除草剤抵抗 性と考えられる植物体には、例外なしに、すべてPAT遺伝子が存在することを示 した。このデータはまた、挿入された遺伝子が、減数分裂を通して、T1後代植物 にも伝わっていくことを示している。実施例4 HiII遺伝子型の12日目の穂軸から未成熟の接合体胚を単離した。これらを、N6 塩、1mg/Lの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、および10μMのAgNO3を含む カルス誘導培地(CIM)上に胚盤を上にしてまき、暗所、27〜29℃で8日間インキ ュベートしてから、II型カルス形成について調べた。250個のカルス化胚を選び 、1.5mlの滅菌マイクロキュベットに、各キュベット当たり5個の胚を置いた。20 μlのAGM285AプラスミドDNA(1μg/μl)を導入した後、200μlのEPM緩衝液(80 mM KCl,5mM CaCl2、10mM hepes、0.425Mマンニトール、pH7.2)を加えた。キュ ベットの一つにpAGM243(Ubi-pat-Nos::Ubi-gus-Nos遺伝子構築物を含む)を加 えた。別のキュベットにはプラスミドDNAを入れなかった。キュベットの内容物 を撹拌してから室温に1時間放置した。ジーンザッパー(gene ZAPPER)450/250 0(IBI社製)を用いて、850μF、150V、1パルスで、エレクトロポレーションを 行っ た。このキュベットを室温に20分間放置した後、胚を取り出し、胚盤を上にして CIMの上に置き、暗所、27〜29℃に戻した。3日後、pAGM243で処理した胚を、GU S染色液の中に入れて、9日後にGUS+事象があるかどうか観察した。これらの胚 は、242個のGUS+事象を示したので、各胚当たり48.4個のGUS事象が見られたこと になる。 処理後7日目に、pAGM285Aで処理した胚およびプラスミドDNAなしでエレクト ロポレーションを行った胚のすべてを、N6塩、1mg/Lの2,4-D、および5μMのビア ラホスを含むカルス維持培地(CMM)に移した。これらは、22日後に再び、同じ 型の培地に移植した。約3週間後、この組織を再び移植した。実施例5 トウモロコシのSAR+材料による圃場試験では、19事象のうち13事象が、異型接 合挿入に合致する分離比(自家受粉させたときに3:1の比;野生型と交配したと きに1:1の比)を示した。 さらに、調査したSAR+系統のみが、3世代目において、通常の圃場施用量より も8倍高い割合で施用した場合(27.3オンス/エーカーの除草剤リムーブ(Remov e))にも、リバティー(Liberty)除草剤に対して優れた抵抗性を示した。この 結果は、数世代経過後にもPat遺伝子の高発現が、非常に安定していることを示 している。 通常、トランスジェニック植物は、所定のトランスジェニック系統が次の世代 に進むにつれて、かなり高頻度で導入遺伝子の遺伝子サイレンシングを示す。遺 伝子サイレンシングは、トランスジェニック作物を商業化する上での主要な問題 となっている。これは、0.1%よりも低い割合から、3%までの割合で起こり、そ れよりも高いこともある。こうして、挿入導入遺伝子の3'および5'末端に用いた 場合に、SARがこの現象を回避することが示されたことになる。両末端にRb7 SAR 領域を付着させたユビキチンプロモーター-ホスフィノトリシンアセチルトラン スフェラーゼ-ナウ(now)ターミネーター(Ubi-pat-nos)を含むトランスジェ ニックトウモロコシ系統によって、本特許において説明されている方法、または 別の既知の形質転換法によって、圃場において何世代かにわたって製造されたト ランスジェニックトウモロコシにおける遺伝子サイレンシングが回避される。 本明細書に記載の実施例および態様は例示目的のためだけのものであり、当業 者にとっては、これに照らしてさまざまな改変または変更が示唆されることとな るが、それらも本出願の意図および範囲に含まれることになると理解されるべき である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU ,BA,BB,BG,BR,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,GW,HU,ID,IL,IS,JP,K P,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI, SK,SL,TR,TT,UA,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.所期のポリヌクレオチドを植物細胞に挿入し、形質転換に成功した細胞が 同定および選抜できるような条件下で、該細胞を維持することを含む植物の形質 転換法において、所期の該ポリヌクレオチドに操作可能なように結合している少 なくとも1個のスカフォールド付着領域のポリヌクレオチド配列を提供し、それ によって安定した形質転換事象を回収する頻度を増加させることを含む改良法。 2.所期のポリヌクレオチドが、その5'末端および3'末端のそれぞれに操作可 能なように結合している少なくとも1個のスカフォールド付着領域を含む、請求 項1記載の改良法。 3.スカフォールド付着領域のポリヌクレオチドが、配列番号:1記載のヌクレ オチド配列、またはその機能的な断片もしくは変異配列を含む、請求項1記載の 改良法。 4.スカフォールド付着領域のポリヌクレオチドが、植物で発現可能なDNA発現 カセットの形で提供される、請求項1記載の改良法。 5.植物形質転換法が、DNAで被覆された微小粒子によるパーティクルガン法、 アグロバクテリウムによる形質転換法、エレクトロポレーション法、マイクロイ ンジェクション法、磁気泳動法(magnetophoresis)、炭化ケイ素ウィスカー法 、PEGによる形質転換法、およびプロトプラスト形質転換法からなる群より選択 される、請求項1記載の改良法。 6.所期の該遺伝子が、抗生物質抵抗性遺伝子、除草剤抵抗性遺伝子、レポー ター遺伝子、マーカー遺伝子、疾病抵抗性遺伝子、脂肪生合成遺伝子、アンチセ ンス遺伝子、殺虫剤抵抗性遺伝子、および栄養性を向上させる遺伝子からなる群 より選択される、請求項1記載の改良法。 7.植物細胞が、胚形成懸濁細胞、非胚形成懸濁細胞、植物外植片細胞、生殖 系列細胞、小胞子細胞、およびカルス組織細胞からなる群より選択される、請求 項1記載の改良法。 8.植物細胞が、ワタ、トマト、ラッカセイ、アルファルファ、イネ、コムギ 、トウモロコシ、木本、果樹作物、果物、野菜、ダイズ、キャノーラ、芝草、タ イマ、ヒマワリ、サトウキビ、サトウダイコン、およびバレイショからなる群よ り 選択される種のものである、請求項1記載の改良法。 9.発現カセットが、5'側プロモーター領域、所期のポリヌクレオチドを含む 構造遺伝子領域、3'側非翻訳領域、および該構造遺伝子領域の片側または両側に 隣接するSARを含む、請求項4記載の改良法。 10.レポーター遺伝子が、グルクロニダーゼ、ホスフィノトリシンN-アセチル トランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、およびルシフェラーゼからなる群よ り選択される、請求項6記載の改良法。 11.マーカー遺伝子が、Pat/bar、グリフォセート抵抗性遺伝子、NPTII、HPT 、ブロモキシル(bromoxil)抵抗性遺伝子、AHAS、ALS、シアマミドヒドロター ゼ(cyamamide hydrotase)、アデニンデアミナーゼ、2,4-Dモノオキシゲナーゼ からなる群より選択される、請求項6記載の改良法。 12.請求項1記載の方法により製造される形質転換植物細胞。 13.細胞が、配列番号:1記載のヌクレオチド配列、またはその機能的な断片 もしくは変異配列をもつスカフォールド付着領域ポリヌクレオチドを含む、請求 項12記載の形質転換細胞。 14.請求項12記載の細胞の系統を引く形質転換細胞。 15.後代細胞が、配列番号:1記載のヌクレオチド配列、またはその機能的な 断片もしくは変異配列をもつスカフォールド付着領域を含む、請求項14記載のト ランスジェニック後代細胞。 16.請求項12記載の細胞から再生されたトランスジェニック植物。 17.植物が、配列番号:1記載のヌクレオチド配列、またはその機能的な断片 もしくは変異配列をもつスカフォールド付着領域を有する細胞を含む、請求項16 記載のトランスジェエニック植物。 18.所期の構造遺伝子に操作可能なように結合している少なくとも一個のスカ フォールド付着領域ポリヌクレオチド配列によって、植物細胞または組織を形質 転換させることを含む、植物の形質転換法におけるコピー数の少ない形質転換体 を増加させるための方法。 19.所期の遺伝子が、その5'末端および3'末端のそれぞれに操作可能なように 結合している少なくとも1個のスカフォールド付着領域を含む、請求項18記載の 方 法。 20.スカフォールド付着領域のポリヌクレオチドが、配列番号:1記載のヌク レオチド配列、またはその機能的な断片もしくは変異配列を含む、請求項18記載 の方法。 21.スカフォールド付着領域のポリヌクレオチドが、植物で発現可能な構造遺 伝子領域を含むDNA発現カセットの形で提供される、請求項18記載の方法。 22.植物形質転換法が、DNAで被覆された微小粒子によるパーティクルガン法 、アグロバクテリウムによる形質転換法、およびエレクトロポレーション法から なる群より選択される、請求項18記載の方法。 23.所期の該遺伝子が、抗生物質抵抗性遺伝子、除草剤抵抗性遺伝子、レポー ター遺伝子、真菌類抵抗性遺伝子、脂肪生合成遺伝子、アンチセンス遺伝子、お よび殺虫剤抵抗性遺伝子からなる群より選択される、請求項18記載の方法。 24.植物細胞が、胚形成懸濁細胞、非胚形成懸濁細胞、植物外植片細胞、生殖 系列細胞、小胞子細胞、およびカルス組織細胞からなる群より選択される、請求 項18記載の方法。 25.植物組織が、カルス、分裂組織、葉組織、芽組織、根組織、および胚形成 組織からなる群より選択される、請求項18記載の方法。 26.植物細胞または組織が、ワタ、トマト、ラッカセイ、アルファルファ、イ ネ、コムギ、およびトウモロコシからなる群より選択される種のものである、請 求項18記載の方法。 27.発現カセットが、5'側プロモーター領域、構造遺伝子領域、および3'側非 翻訳領域、ならびに該構造遺伝子領域の片側または両側に隣接するSARを含む、 請求項21記載の方法。 28.レポーター遺伝子が、グルクロニダーゼおよびホスフィノトリシンN-アセ チルトランスフェラーゼからなる群より選択される、請求項23記載の方法。
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