JP2001518052A - 長期治療のための獣医用経口フルオロキノロン抗菌組成物及び治療方法 - Google Patents

長期治療のための獣医用経口フルオロキノロン抗菌組成物及び治療方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はフルオロキノロン抗菌剤または医薬として許容されるその塩を含む獣医用経口組成物のための調製物、及び反芻動物における微生物感染を治療する方法に関する。本発明の獣医用組成物を反芻動物(例えばウシまたはフィードロット子牛)に経口投与すると、フルオロキノロンは容易に且つ十分に第一胃から吸収されて血流に入り、抗菌剤の予期しえない長さに延長された治療的血中レベルを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 長期治療のための獣医用経口フルオロキノロン抗菌組成物及び治療方法 発明の背景 発明の属する技術分野 本発明は、フルオロキノロン抗菌剤であるジフロキサシン又は医薬として許容 しうるその塩を含む獣医用経口組成物に関する。反芻動物(例えば牛又はフィー ドロット子牛)に経口投与した場合、本獣医用組成物は驚くべきことに(1)第 一胃から循環血液へのフルオロキノロンの吸収を容易且つ増大し(2)治療的血 中抗菌剤レベルの持続時間を予想外に延長する。背景に関する議論 経口投与された抗菌剤は反芻動物の胃腸管からは容易に吸収されないものと一 般に信じられている。通常、この薬剤の吸収性は低く血液レベルと治療効果の関 係は疑問視されている。通常、経口投与された抗菌剤の血中レベルは、非経口投 与された場合に比べかなり低い。フルオロキノロンは反芻動物成体の第一胃中で 生体内分解されるため、吸収される活性成分が少ないと信じられている。 本発明者らは、経口投与されたジフロキサシンが反芻動物の血液中によく吸収 され、同用量を非経口投与された場合とほぼ同レベルで長期間にわたり驚異的に その効果を持続することを発見した。これらは、予想外で有益な効果である。 発明の概要 従って、本発明の目的は、同量を非経口投与した場合の血中濃度とほほ等しい 血中フルオロキノロン抗菌剤濃度をもたらす新規な獣医用組成物を提供すること である。 更に本発明は、反芻動物又は前反芻期反芻動物(授乳期の非反芻動物を含む) の第一胃の血流中における効果的な抗菌剤濃度を長期にわたって維持する新規な 獣医用組成物を提供することを目的とする。 更に本発明は、反芻動物の微生物感染を治療するための簡易且つ効果的な方法 を提供することを目的とする。 これら及びその他の目的は、ジフロキサシン又は医薬的に許容しうるその塩の 有効量を医薬的に許容しうる経口投与可能な担体中に含む獣医用経口組成物、及 び投与を必要としている反芻動物に本発明獣医用組成物を経口投与するステップ を含む反芻動物の微生物感染治療方法によって達成されるものであって、これら は以下に記載する好ましい実施例の詳細な説明から明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 本発明の更に完全な理解及びそれに付随する多くの利点は、添付図面を参照し つつ以下の詳細な説明を検討することにより理解が進めば、容易に達成されるで あろう。 図1は、ジフロキサシン(体重1kg当たり5mg)の(カプセルによる)経 口投与後及び(懸濁液による)強制胃管飼養後の反芻家畜における平均血漿ジフ ロキサシン濃度を示したグラフである。 図2は、本発明による2種の獣医用経口ボーラス(丸薬)(それぞれ5mg/ kg、10mg/kg)の経時的(時間)ジフロキサシン濃度(μg/mL)を 示したグラフである。 図3は、ジフロキサシン・ボーラス(丸薬)の投与(5mg/kg又は10m g/kg)後の反芻家畜における平均血漿ジフロキサシン濃度を時間の関数とし て示したグラフであり、ヘモフィルス・ソムナス、パスツレラ・ムルトシダ及び パスツレラ・ヘモリチカに対するMIC90レベルを参考のため併せて記載する。 図4は、本発明による2種の獣医用経口組成物(それぞれ5mg/kg、10 mg/kg)の経時的(時間)ジフロキサシン濃度(μg/mL)を示したグラ フであり、ヘモフィルス・ソムナス、パスツレラ・ムルトシダ及びパスツレラ・ ヘモリチカに対するMIC90レベルを参考のため併せて記載する。 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、フルオロキノロン(好ましくはジフロキサシン)又は医薬として許 容しうるその塩を含有する獣医用経口組成物に関する。 本発明においては、治療的血中抗菌剤レベルの持続を延長する獣医用組成物は 、微生物(細菌)感染を効果的に治療するのに十分な時間にわたり効果的なフル オロキノロン濃度または医薬的に許容しうるその塩の濃度をもたらすように調製 されている。ある好ましい実施例では、本発明獣医用組成物は、反芻動物体内の フルオロキノロン(または医薬的に許容しうるその塩の)濃度が、一種又は多種 のバクテリアに関し少なくとも24時間(更に好ましくは48時間)にわたりM IC90レベルを越える濃度を提供し、これによって投与回数を1日1回以下に減 らすことができる。 本発明はまた、反芻動物の細菌感染治療の方法に関するものであり、本発明組 成物の有効量をこれを必要としている反芻動物に経口投与することを特徴とする 方法、又はこのような投与で基本的に構成される方法、又はこのような投与で構 成される方法を提供する。 本発明においては、「非反芻動物」又は「前反芻期」反芻動物とは、まだ授乳 中又は粗質物を殆ど若しくは全く消化しない動物(例えは、ミルクを与えられて いる子牛)を想定している。第一胃はミルクを消化するようには作られていない ので、非反芻動物又は授乳期の動物はミルクを第一胃を迂回して直接胃に送るこ とかできる。反芻動物の第一胃は、草、粗質物又は濃厚飼料(例えば干草、アル ファルファ、トウモロコシ等)を動物に与えた結果として機能がひきだされる。 第一胃機能の発達は、特定の動物の生理的発達等の他の要因に依存している。然 し通常は、粗質物又は濃厚飼料を3月〜8月齢の授乳期動物に与えることは、第 一胃の通常の生理的機能(即ち繊維性物質の消化機能)を開始させる結果につな がる。 本発明においては、「〜から基本的に構成される」という語句は(a)本組成 物の性質に重大な影響を及ぼさないような本組成物中への1以上の添加成分及び /又は(b)本発明方法の有益な効果に重大な影響を及ぼさないような本方法中 への1以上の付加ステップがあることを意味する。 ジフロキサシン、医薬的に許容しうるその塩、及びこれらを含む医薬組成物等 のフルオロキノロン抗菌剤並びに細菌感染治療の一般的方法は、米国特許第47 30000号及び同第5145853号で開示されており、その全部を本明細書 の一部を構成するものとしてここに引用する。これらの抗菌剤及び塩は、スタフ ィロコッカス、ラクトバチルス、ストレプトコッカス、サルチナ、エシェリキア 、エンテロバクター、クレブシエラ、シュードモナス、アシネトバクター、プロ テウス、シトロバクター、ナイセリア、バチルス、バクテロイデス、ペプトコッ カス、クロストリジウム、サルモネラ、シゲラ、セラチア、ヘモフィルス、パス ツレラ、ブルセラその他のグラム陽性又はグラム陰性病原微生物に対する活性を 含む広い抗菌活性スペクトルを有する。 医薬的に許容しうる塩は、例えば、フルオロキノロンを、塩酸、硫酸、硫酸水 素ナトリウム、リン酸、ホウ酸、硝酸等の鉱酸;メタンスルホン酸、エタンスル ホン酸、ラウリルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のア ルキル酸又はアリールスルホン酸;又は酢酸、プロピオン酸、吉草酸、シュウ酸 、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、安息香酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、オレ イン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、グルコヘプトン酸等のカル ボン酸又は脂肪酸と反応させて得られる塩が挙げられる。医薬的に許容しうるフ ルオロキノロンの塩の「遊離塩基等価重量」とは、等重量の遊離塩基フルオロキ ノロンを発生させる塩の相当する重量を指す。例えば、ジフロキサシン塩酸塩1 .09gを含む組成物は、「遊離塩基等価重量」1.00gのジフロキサシンを 提供する。 また本発明獣医用組成物は、医薬的に許容しうる経口投与可能な担体を含む。 担体は、反芻動物に経口投与でき且つ反芻動物に消化されうる場合に「経口投与 可能」とする。経口投与可能な担体は、反芻動物が消化可能で目的又は必要に応 じて殺菌可能な、公知の固形又は液体の担体、賦形剤及び/又は稀釈剤を含む。 経口投与用の固体投与形態は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、発泡性顆 粒、ジェル、ペースト、トローチ及び香錠を含む。このような固体投与形態にお いては、活性成分を、セルロース、シリカ、しょ糖、ラクトース、澱粉、又は変 性澱粉等の公知の不活性稀釈剤の一以上と混合する。また、このような固体投与 形態は、通常の方法としては不活性稀釈剤以外の添加物質例えば、ステアリン酸 マグネシウム等の公知の潤滑剤を含む。またカプセル、錠剤及び丸薬の場合には 、その薬剤は公知の緩衝剤を含む。錠剤及び丸薬は、更に公知の腸溶被覆を施し て調製できる。 経口投与用液体投与形態は、水等の公知の不活性稀釈液を含む医薬的に許容し うる乳液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。このような不活性稀 釈液の他に、本組成物は湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤及ひ芳香剤等 のアジュバンドも含みうる。好ましい形態においては、本発明獣医用組成物は、 ボーラスの形態であってもよい。獣医用薬品の分野では、「ボーラス」は通常( 例えは5g以上の)大型の丸剤を指す。本発明による適用方法では、「ボーラス 」とは固形の嚥下し易い医薬調製品を指し、経口投与可能で治療的血中抗菌剤レ ベルが長期間持続する性質を有するものである。 好ましい形態においては、本ボーラスは充分量のフルオロキノロン(より好ま しくはジフロキサシン)又は医薬的に許容しうるその塩を含有し、該ボーラスを 投与された反芻動物に効果的な抗菌作用をもたらす。従って、本発明ボーラスは 好ましくは(例えば前反芻期反芻動物又は非反芻動物への投与では)100mg 以上の、より好ましくは(例えは反芻期反芻動物への投与では)1000mg以 上の、更に好ましくは1500mgのフルオロキノロン(好ましくはジフロキサ シン)又は医薬的に許容しうるその塩の遊離塩基等価重量を含有する。実際的な 観点から本発明ボーラスは、例えば最高10000mgのジフロキサシン(好ま しくは多くて5000mg)又は医薬的に許容しうるその塩の遊離塩基等価重量 を含有する。 例えば、体重250kgの動物に対しては、好ましい製剤は以下の重量の成分 を含有する。 成分 一ボーラス中の量 好ましい量 ジフロキサシン塩酸塩 1000-5000mg 1700mg 結合剤 1000-10,000mg 3000mg 崩壊剤 100-1000mg 400mg 潤滑剤 50-500mg 200mg 滑沢剤 100-1000mg 200mg 増量剤 10,000-21,000mg 全量を23.0gとする量 投与効果の異なる組成物を調製するにあたっては、本発明組成物の性質に影響 を及ぼすことなく成分重量比を変更できる。 本発明は本発明組成物の単回投与に限定されないが、本発明方法は、本発明組 成物の効果的な量をこれを必要とする反芻動物に単回で経口投与することから構 成されることが好ましい。しかし、本発明方法は、細菌感染治療に十分な時間に わたり反芻動物体内で有効血中レベルを維持するため、本発明組成物を反芻動物 に必要に応じて経口投与することから構成される又は基本的に構成されるものと することができる。 本発明組成物が投与される反芻動物の例としては、Bos(ウシ)、Ovis (ヒツジ)、Carpra(ヤギ)、Lama(ラマ)、Bison(ヤギュウ )等の属が挙げられ、好ましくはウシ属である。特に好ましい反芻動物としては 、Bos taurus(ウシ)、Bos gaurus(ガウア)、Bos javanicus(バンテン)、Bos mutus grunnies(ノ ヤク)、Bos primigenius(オーロックス)、Capra hi rcus(ヤギ)、Ovis ammon(アルガリ)、Ovis aries (ヒツジ)、Ovis musimon(ムフロン)、Oavis orien talis(アジアムフロン)、Lama guanico(グアナコ)、Bi son bison(アメリカバイソン)等の種が挙げられ、最も好ましくはB os taurus(ウシ種)である。 ある実施態様では、本発明方法は、本発明組成物を必要としている反芻動物に 「ボーリング・ガン」を用いて投与することを含む。ボーリング・ガンは、チュ ーリップ型の装置で陥没部一箇所、ベル型先端とその反対側先端にプランジャー を備えている。本発明組成物をボーリング・ガンのベル型先端に設置し、そのボ ーリング・ガンのベル型先端を反芻動物の喉内または更にその奥に挿入した後、 プランジャーを押し下げて本発明組成物を反芻動物の喉又は食道に発射する。 飼料又は第二の活性成分(例えばビタミン、必須アミノ酸等の栄養剤;第二の 抗菌剤、抗ウィルス剤その他の抗菌剤等の第二の医薬活性化合物)等のその他の 物質を、本発明組成物と共に投与しうる。「食餌」とは、反芻動物に食餌する目 的で販売され、反芻動物が消化可能で商業的に入手可能な製品を指し、反芻動物 に食餌するため反83動物の飼育場所(例えは農場)で生長し及び/又は調製さ れる干草、草類、濃厚飼料等を含む。従って、本発明方法は更に飼料又は第二の 活性成分をこれを必要とする反芻動物に同時投与することを包含するか、又はこ のような同時投与から構成されるか、又はこのような同時投与から基本的に構成 される。第一胃が機能している動物に投与されると、塩酸ジフロキサシンは顕著 に吸収される。通常第一胃内には大量の内容物(例えば牛では50ガロンにのぼ る)が存在することを考慮すると、第一胃から薬物が吸収されることは驚くべき ことである。機能している第一胃の内容物はほとんどセルロース系であり、化学 的又は物理的に薬品と結合しうる。また第一胃微生物相は、経口投与された薬品 を不活性化し、これと結合し又は化学的に変質させうる。従って、経口用組成物 (特に固形状組成物、更にはボーラス)に調製することによって薬品の吸収が予 想外に向上しうる。 本発明がもたらしたもう一つの驚くべき結果としては、本発明組成物が反芻動 物及び非反芻動物において示した性質である「抗菌剤の治療的血中レベルの長い 持続時間」が挙げられる。本発明組成物は、かなり長時間(好ましくは反芻期反 芻動物では48時間以上、非反芻動物又は前反芻期反芻動物では72時間以上) にわたってフルオロキノロン抗菌剤の有効量を提供しうる。本発明以前に本発明 者らが知っていた結果から予想されなかったことは、フルオロキノロン抗菌剤の 有効濃度が反芻動物及び非反芻動物の血流中で本発明組成物によって維持される 持続時間の長さである。 本発明の他の特徴は、以下の典型的実施例の説明の過程で明らかになるであろ う。これらの実施例は、本発明の説明のために示すものであり、本発明を限定す るものではない。 実験1 実験1では、固形状組成物を二つの異なる技術によって反芻去勢牛に投与し、 フルオロキノロン抗菌剤(ジフロキサシン)の血漿中濃度を時間の関数として調 べた。材料と方法 試験計画−薬物動態 試験材料 (1)ジフロキサシンHCl経口用懸濁物;遊離塩基ジフロキサシンの濃度= 50mg/ml (2)ジフロキサシン・カプセル;遊離塩基ジフロキサシンの濃度=91.64 %試験動物 12〜18月齢の去勢牛10頭(平均体重約250〜300kg)をまず用意 し、8頭の去勢牛について調べた。それまで去勢牛には、ジフロキサシンの効果 の試験に障害となりそうな薬品や生物製剤を投与しなかった。いかなる併用薬物 も試験中に投与しなかった。 去勢牛を一つの囲いに入れ、自由給餌を開始した。水は自由に与えた。去勢牛 は試験開始7日前に慣らした。試験開始前に各去勢牛に関し身体検査を行い、臨 床的に顕在性の又は無症状の病気に罹っていないことを確かめた。去勢牛を試験 期間中、毎日観察した。試験物の投与 経口用ジフロキザシン懸濁物を、標準的技術を用いた強制胃管により5mg塩 基活性/kg投与した。ジフロキサシン・カプセルは標準的技術を用いて5mg 塩基活性/kg投与した。開始時点の体重を計り、この体重を基に投与量を決め た。投与時にゼラチン・カプセルを調製した。血液のサンプリング 各血液サンプル約10mlを、右又は左の頚静脈への静脈穿刺によりEDTA 含有ガラス製真空チューブに収集した。血液サンプルを、注射後0、0.083 、0.25、0.5、0.75、1、2、4、6、8、10、12、24、48 、72時間後に採取した。 収集後血液サンプルを氷冷した。血液サンプルを、収集後1時間以内に10分 間遠心分離(1500xG)に付した。血漿はピペットで一対のバイアルに移し 、密封後分析時まで−20℃以下で保存した。薬物動態分析 最適区画モデル及びそのモデルに依存する薬物動態パラメーターA1、A2、見 掛けのK1及び見掛けのK2の初期推定値(バゴット(Baggot)、「家畜に おける薬品処理の原則(Principles of Drug Disposition in Domestic Animals) 」W.B.Saunders Co.,Philadelphia(1977))の決定は、RSTRIP(フォッ クス(Fox)ら、RSTRIP,MicroMath,Inc.(1986))を用いて行った。最適区 画モデルの決定に用いられた手続きでは、偏差の二乗の合計を計算する作業を行 った。 Fを最小とするパラメーター集合を最適推定値として選んだ。用いた区画モデ ルは、次式で表される。 Cpt=Al-K l t+A2-K 2 t 式中、A1とA2は0時間における血漿中薬品濃度を、K1は見掛けの吸収速度定 数を、K2は見掛けの排泄速度定数を表す。各半減期はt1/2=0.693/速度 定数の関係から計算した。半減期の信頼区間はバルトスジンスキー(Barto szynsky)らの記述(「半減期に関する最適信頼区間の構築(Constructio n of best confidence intervals for half-lives)」Journal of Veterinary Ph armacology and Therapeutics,13,1-6(1990))に沿って計算した。 また血漿中濃度−時間のデータは、統計的モーメント(ギバルディー(Gib aldi)ら、Pharmacokinetics,Marcel Dekker Inc.,New York (1982))を 用いて分析した。システムモーメント平均滞留時間(MRT)は、式MRT=A UMC/AUCから決定した。この式中AUMCは時間と対時間血漿中濃度との 積を0から無限大までプロットした曲線の下方の面積を、AUCは0から無限大 までの対時間濃度曲線の下方の面積を表す。AUCとAUMCは、ダン(Dun ne)らが記載した方法(「非区画パラメーターの評価:技術ノート(Estimatio n of noncompartmental parameters:a technical note)」、Journal of Pharmac okinetics and Biopharmaceuticals,17,131-137(1989)) を用いて計算した。 安定状態における平均血漿ジフロキサシン濃度(CSS.AV)は、次の関係式か ら推定した。 CSS.AV=AUC/投与間隔 これらの計算では、投与間隔は24時間と仮定した。最大血漿ジフロキサシン 濃度(Cmax)、24時間後の血漿濃度(C24)と最大血漿濃度を与える時間( tmax)は、投与後の時間毎の4回の独立した観察によって得たジフロキサシン 濃度−時間曲線の平均値より決定した。通常の統計手法は全てスネデコー(Sn edecor)らによって記載(「統計的方法(Statistical Methods)」Iowa St ate University Press,Ames,Iowa(1982))されている。結果及び議論 全てのサンプリング期間における、経口カプセル投与又は懸濁液を用いた強制 胃管投与でジフロキサシンを投与(体重1kg当たりジフロキサシン5mg)し た後の、反芻動物における平均血漿ジフロキサシン濃度を表1に示す。これらの 測定値を図1にグラフ化する。これらのデータから計算された平均血漿薬物動態 パラメータを表2にまとめる。 ジフロキサシン懸濁液の単回経口投与(体重1kg当たりジフロキサシン5m g)後の反芻動物におけるジフロキサシン吸収は急速であった。ピーク時の平均 血漿中濃度は0.968μg/mLで、投与4.667時間後に到達した。強制 胃管投与後のAUCは25.362μg・h/mLであった。排泄半減期は18 .772時間後であった。24時間間隔投与について計算された安定状態濃度は 0.942μg/mLであった。 ジフロキサシンカプセルの単回経口投与(体重1kg当たりジフロキサシン5 mg)後の反芻動物におけるジフロキサシン吸収は懸濁液程急速ではなく、ピー ク時の平均血漿濃度は0.525μg/mLで、投与後8時間で到達した。強制 胃管投与後のAUCは20.797μg・h/mLであった。排泄半減期は21 .636時間後であった。24時間間隔投与について計算された安定状態濃度は 0.764μg/mLであった。 いずれのジフロキサシン調製物投与後においても、副作用は観察されなかった 。 区画モデルは次式で表される: Cpt=Al-K l t+A2-K 2 t 式中、A1とA2は0時間における血漿中薬品濃度を、K1は見掛けの吸収速度 定数を、K2は見掛けの排泄速度定数を表す。t(1/2)1は見掛けの吸収半減期、 t(1/2)2は見掛けの排泄半減期を表す。 非区画モデルは、投与後の14時点の各時点における4個の独立したサンプリ ングユニットの観察およびその平均値計算に基づいている。Cmaxは観察された 最大血漿濃度、C24は24時間後の血漿薬物濃度、CSS.AVは24時間毎の薬物 投与における安定状態での投与間隔中の平均血漿中薬物濃度、tmaxは観察され た血漿中薬物濃度のピーク時間、MRTは平均滞留時間、AUC(0−t)は0 〜t時間後までの対時間組織中濃度曲線の下方面積を表す。AUC(0−∞)は 0〜無限大時間後までの対時間組織中濃度曲線の下方面積を表す。AUMCは時 間と対時間血漿中濃度の積を結んだ0から無限大までの曲線の下方面積を指す。 この実験の結果は、フルオロキノロン抗菌剤又は医薬的に許容しうるその塩( 特にジフロキサシン又はその塩酸塩)の固形状組成物(特にカプセルとボーラス )が、反芻期の反芻動物に経口投与された場合に、驚く程の吸収力と治療的血中 抗菌剤レベルの持続時間を延長することを証明した。実験2 フィードロット家畜におけるジフロキサシン経口投与用ボーラスの薬物動態及び 組織内滞留逓減概略 実験2では、反芻去勢牛におけるジフロキサシンボーラス単回投与(体重1k g当たり遊離塩基等価重量5又は10mg)後の血漿中薬物動態と細胞内滞留逓 減を測定した。安全性 ジフロキサシン・HClボーラス経口投与後においては、何ら副作用は観察さ れなかった。試験材料 T1及びT2:ジフロキサシン・HClボーラス、1134.0mg塩基等価 重量/ボーラス(5mg/kg);T3及びT4:ジフロキサシン・HClボー ラス、2268.0mg塩基等価重量/ボーラス(10mg/kg)試験計画 試験動物 4〜8月齢の反芻去勢牛12頭(平均体重227kg)を試験した。それまで 去勢牛には、ジフロキサシンの効果の試験に障害となりそうな薬品や生物製剤を 投与しなかった。いかなる併用薬物も試験中に投与しなかった。 去勢牛は試験開始7日前に試験環境に慣らした。試験開始前に各去勢牛に関し 身体検査を行い、臨床的に顕在する、又は無症状の病気に罹っていないことを確 かめた。去勢牛を個別の囲いに入れ、自由に干草を食べれるような食餌を開始し た。水は自由に与えた。去勢牛を試験期間中、毎日観察した。全去勢牛を、試験 終了時に屠殺した。試験薬投与 12頭の去勢牛を無作為に治療に割当てた。試験開始0日後、ジフロキサシン ボーラスを体重1kg当たり塩基等価重量5.0mg(T1とT2)及び10. 0mg(T3とT4)経口投与した。動物の体重に基づき必要レベルの正確な用 量にするため、必要に応じてボーラスを削減した。血液のサンプリング 実験1と同じ方法で同量の血液サンプルを採集したが、時間は試験薬投与後0 、0.5、1、2、4、8、12、24、48、72、96、120、144、 168、192、216、240、264、288、312、336、504及 び672時間とした。収集後血液サンプルを実験1と同じ方法で処理及び静置し た。スケジュール 作業内容 −7 家畜受け取り 0 全家畜に経口投与 0〜14、21、28 家畜へ食餌開始 0〜28 毎日の観察開始薬物動態の結果と議論 実験1と同様に薬物動態分析を行った。 表3に示すのは、去勢牛におけるジフロキサシンボーラス(体重1kg当たり 塩基等価重量5.0mg及び10.0mg)単回経口投与後のジフロキサシン平 均血漿濃度である。これらの測定値を図2にグラフ化する。これらのデータから 計算された平均血漿薬物動態パラメータを表4にまとめる。 ジフロキサシンHClを5mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロキ サシンの吸収は急速で且つ持続的であった。ピーク時の平均血漿中濃度は0.6 82μg/mLで、投与後17.3時間で到達した。経口投与後のAUC(0− t)は24.378μg・h/mLであった。見掛けの排泄半減期は17.21 0時間後にあった。24時間間隔投与について計算された安定状態濃度は1.0 64μg/mLであった。 ジフロキサシンHClを10mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロ キサシンの吸収は急速で且つ持続的であった。ピーク時の平均血漿濃度は1.1 66μg/mLで、投与10.0時間後に到達した。経口投与後のAUC(0− t)は30.848μg・h/mLであった。見掛けの排泄半減期は14.17 0時間後にあった。24時間間隔投与について計算された安定状態濃度は1.2 97μg/mLであった。 この実験の結果は、フルオロキノロン抗菌剤又は医薬的に許容しうるその塩( 特にジフロキサシン又はその塩酸塩)の固形状組成物(特にボーラス)が、反芻 期の反芻動物に経口投与された場合に、驚く程の吸収力と治療的血中抗菌剤レベ ルの持続時間を延長することを証明した。実験3 フィードロット家畜におけるジフロキサシン経口ボーラスの薬物動態概略 実験3では、反芻去勢牛におけるジフロキサシンボーラス単回投与(体重1k g当たり遊離塩基等価重量5又は10mg)後の血漿中薬物動態を測定した。検査物 T1:ジフロキサシン・HClボーラス、1277.0mg塩基等価重量/ボ ーラス(5mg/kg);T2:ジフロキサシン・HClボーラス、2518. 0mg塩基等価重量/ボーラス(10mg/kg)試験計画 試験動物 5〜9月齢の反芻去勢牛12頭(平均体重約212kg)を試験した。それま で去勢牛には、ジフロキサシンの効果の試験に障害となりそうな薬品や生物製剤 を投与しなかった。いかなる併用薬物も試験中に投与しなかった。 去勢牛は試験開始7日前に試験環境にならした。試験開始前に各去勢牛に関し 身体検査を行い、臨床的に顕在性の又は無症状の病気に罹っていないことを確か めた。去勢牛を一頭当たり276.6平方フィートの約2.3フィートの小屋に 入れた。去勢牛に、水と基礎飼料を自由給餌した。去勢牛の第一胃は充分機能し ていた。去勢牛を試験期間中、毎日観察した。試験薬投与 12頭の去勢牛を無作為に治療に割り当てた。試験開始0日後、ジフロキサシ ンボーラスを体重1kg当たり塩基等価重量5.0mg(T1)及び10.0m g(T2)経口投与した。動物の体重に基づき任意レベルの正確な用量にするた め、必要に応じでボーラスを削減した。血液のサンプリング 実験1と同じ方法で同量の血液サンプルを採取したが、時間は試験薬投与後0 、1、2、4、6、9、11、13、15、18、20、24、36、48、7 2、120及び168時間とした。採取後血液サンプルを実験1と同じ方法で処 理及び保存した。 家畜の血漿サンプルを、蛋白質沈澱法及び限外濾過法に付した後、蛍光検出法 による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて、ジフロキサシンに関 する分析を行った。血漿に内部標準(A−56681.1塩酸塩、アボット(A bbott)研究所)を加えた。その後、大量の塩基を添加し、さらに少量の酸 を加えた。遠心分離で蛋白質を沈澱させた後、上清を限外濾過膜上に置き再度遠 心分離にかけた。限外濾過液を液体クロマトグラフに注入した。スケジュール 作業内容 −7 選択する家畜(約15頭)の可能性試験; 身体検査;去勢牛決定 −7〜0 家畜順化 −1 体重測定、身体検査;投与薬準備;ボーラス及 び去勢牛の重量測定;動物を無作為抽出 0 全家畜に経口投与 0〜7 家畜へ食餌開始薬物動態の結果と議論 実験1と同様に薬物動態分析を行った。 去勢牛におけるジフロキサシンボーラス(体重1kg当たり塩基等価重量5. 0mg及び10.0mg)単回経口投与後のジフロキサシン平均血漿濃度を表5 に示す。これらの測定値を図3にグラフ化する。これらのデータから計算された 血漿中平均薬物動態パラメータを表6にまとめる。 ジフロキサシンFClを5mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロキ サシンの吸収は急速で且つ持続的であったので、高い血漿ジフロキサシン濃度が 長く維持された。ピーク時の平均血漿濃度は0.35μg/mLで、投与後11 時間で到達した。経口投与後のAUC(0-168h)(0〜168時間における血漿中 ジフロキサンシ濃度曲線下面積)は13.89μg・h/mLであった。見掛け の排泄半減期は21.44時間後にあった。24時間間隔投与について計算され た安定状態濃度は0.578μg/mLであった。 ジフロキサシンHClを10mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロ キサシンの吸収は急速で且つ持続的であった。ピーク時の平均血漿中濃度は0. 77μg/mLで、投与約11時間後に到達した。経口投与後のAUC(0-168h) は28.71μg・h/mLであった。見掛けの排泄半減期は約19.39時間 後にあった。24時間間隔投与について計算された安定状態濃度は1.196μ g/mLであった。 区画モデルは上記実験1で示した等式で表され、非区画モデルは投与後の17 時点の各時点における6個の試料ユニットの観察およびその平均値計算に基づい ている。表6においては、「AUC」は0〜168時間までの台形公式を用いて 計算され、Cmaxは観察されたCmaxである。「半減期」は、指数ストリッピング 及びパラメータ推定用ソフトウェアRSTRIP II(MICROMATHTM製 、Scientific Software,Salt Lake City,Utah)を用いて計算した。 この実験の結果は、フルオロキノロン抗菌剤又は医薬的に許容しうるその塩( 特にジフロキサシン又はその塩酸塩)の固形状組成物(特にボーラス)が、反芻 期の反芻動物に経口投与された場合に、驚く程の吸収力と治療的血中抗菌剤レベ ルの持続時間を延長することを証明した。実験4 非反芻子牛肉用子牛におけるジフロキサシン経口ボーラスの薬物動態概略 実験4では、非反芻、新生児「子牛肉用」子牛におけるジフロキサシンボーラ ス単回投与(体重1kg当たり遊離塩基等価重量5又は10mg)後の血漿中薬 学的動態を測定した。試験材料 T1:ジフロキサシン・HClボーラス、226.8mg塩基等価重量/ボー ラス(5mg/kg);T2:ジフロキサシン・HClボーラス、453.6m g塩基等価重量/ボーラス(10mg/kg)試験計画 試験動物 3週齢〜1月齢の子牛肉用子牛6頭(平均体重約51.2kg)を試験した。 それまで動物には、ジフロキサシンの効果の試験に障害となりそうな薬品や生物 剤を投与しなかった。いかなる併用薬物も試験中に投与しなかった。 子牛は試験開始7日前に試験環境にならした。試験開始前に各子牛に関し身体 検査を行い、臨床的に顕在性の又は無症状の病気に罹っていないことを確かめた 。子牛を一頭当たり約48平方フィートの小屋に別々に入れた。子牛に、水を自 由 給餌し、商業用代替ミルクをラベル指示書きに従って与えた。子牛の第一胃はま だ機能していなかった。試験期間中は毎日子牛を観察した。試験薬投与 6頭の子牛を無作為に治療に割り当てた。試験開始0日後、ジフロキサシンボ ーラスを体重1kg当たり塩基等価重量5.0mg(T1)及び10.0mg( T2)経口投与した。動物の体重に基づき任意レベルの正確な用量にするため、 必要に応じてボーラスを削減した。血液のサンプリング 実験1と同じ方法で同量の血液サンプルを採集したが、時間は試験薬投与後0 、1、4、7、10、12、15、18、21、24及び36時間並びに2、3 、4、5、6、7及び14日とした。収集後血液サンプルを実験1と同じ方法で 処理及び保存した。 実験3と同様に、ジフロキサシンに関し子牛の血漿サンプルを分析し、実験3 と同様に薬物動態分析を行った。ジフロキサシンボーラス経口投与後の平均血漿 中ジフロキサシン濃度を図3にグラフ化する。同グラフには参照用に、バクテリ アであるヘモフィルス・ソムナス(0.25μg/mL)、パスツレラ・ムルト シダ及びパスツレラ・ヘモリチカ(各0.12μg/mL)のMIC90レベルを 示す。スケジュール 作業内容 −14 子牛確保、ワクチン注射、身体検査及び牛決 定;受動伝達状態測定 −7 子牛体重測定及び無作為抽出 −1 子牛体重測定、身体検査 0 全子牛経口投与 0〜14 サンプル収集及び毎日の観察開始薬物動態の結果と議論 実験1と同様に薬物動態分析を行った。 子牛におけるジフロキサシンボーラス(体重1kg当たり塩基等価重量5mg 及び10mg)単回経口投与後のジフロキサシン平均血漿濃度を表7に示す。こ れらの測定値を図4にグラフ化する。これらのデータから計算した平均血漿中薬 物動態パラメータを表8にまとめる。 ジフロキサシンHClを5mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロキ サシンの吸収は急速で且つ持続的であり、高い血漿ジフロキサシン濃度が長く維 持された。ピーク時の平均血漿中濃度は0.92μg/mLで、投与後約15. 33時間で到達した。経口投与後のAUC(0-168h)(0〜168時間後の対時間 血漿中ジフロキサシン濃度曲線の下方面積)は62.30μg・h/mLであっ た。見掛けの排泄半減期は36.09間後であった。24時間間隔投与について 計算された安定状態濃度は2.596μg/mLであった。 ジフロキサシンHClを10mg塩基等価重量/kg体重経口投与後、ジフロ キサシンの吸収は急速で且つ持続的であり、高い血漿ジフロキサシン濃度が長く 維持された。ピーク時の平均血漿中濃度は2.03μg/mLで、投与後約16 .33時間後に到達した。経口投与後のAUC(0-168h)は106.32μg・h /mLであった。見掛けの排泄半減期は約24.36時間後にあった。24時間 間隔投与について計算された安定状態濃度は4.43μg/mLであった。 区画モデルは上記実験1で示した等式で表され、非区画モデルは投与後の18 時点の各時点における3個の独立した試料ユニットの観察およびその平均値計算 に基づいている。表8においては、「AUC」、Cmax及び「半減期」は実験3 に記述した通りである。Cmax/MIC90及びAUC/MIC90の比及び平均値 は、各試験動物につき上記バクテリア毎に表7に示す。 この実験の結果は、フルオロキノロン抗菌剤又は医薬的に許容しうるその塩( 特にジフロキサシン又はその塩酸塩)の固形状組成物(特にボーラス)が、前 反芻期又は非反芻期の反芻動物に経口投与された場合に、驚く程の吸収力と治療 的血中抗菌剤レベルの持続時間を延長することを証明した。 上記の技術を鑑みれば、本発明に関する多数の修正及び変更が可能であること は明らかである。従って、本明細書記載の特許請求項の範囲内で、本明細書に具 体的に記載された以外の様態で本発明が実施できることが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコルス,エリック アメリカ合衆国 55120−1149 ミネソタ 州,メンドータ ハイツ,ノースランド ドライブ 1201,ソルヴェイ アニマル ヘルス,インク.内 (72)発明者 ハズバンド,ブレント アメリカ合衆国 55120−1149 ミネソタ 州,メンドータ ハイツ,ノースランド ドライブ 1201,ソルヴェイ アニマル ヘルス,インク.内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.フルオロキノロン又は医薬として許容しうるその塩の反芻期反芻動物又は前 反芻期反芻動物の微生物感染治療に有効な量、及び医薬的として許容しうると共 に経口投与可能な不活性担体を含有することを特徴とする獣医用組成物。 2.カプセル、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、発泡性顆粒、ジェル、ペースト、トロ ーチ及び香錠からなる群から選択される固形投薬形態である請求項1記載の獣医 用組成物。 3.経口ボーラスの形態である請求項1記載の獣医用組成物。 4.フルオロキノロンがジフロキサシンである請求項1記載の獣医用組成物。 5.細菌感染を効果的に治療するのに十分な時間にわたりフルオロキノロンまた は医薬的に許容しうるその塩が治療的に有効な抗菌剤血中濃度をもたらすように 調製されたものである請求項1記載の獣医用組成物。 6.時間が24時間以上である請求項5記載の獣医用組成物。 7.時間が48時間以上である請求項5記載の獣医用組成物。 8.フルオロキノロン又は医薬的に許容しうる塩の遊離塩基等価重量を1g以上 含有する請求項1記載の獣医用組成物。 9.フルオロキノロン又は医薬的に許容しうる塩の遊離塩基等価重量を1.5g 以上含有する請求項1記載の獣医用組成物。 10.獣医用組成物が乳液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルからなる群 から選択される液体投与形態である請求項1記載の獣医用組成物。 11.請求項1記載の獣医用組成物をこれを必要とする反芻動物に経口投与する ことを特徴とする反芻期反芻動物又は前反芻期反芻動物の微生物感染治療方法。 12.微生物感染を効果的に治療するのに十分な時間にわたり反芻動物体内の有 効血中レベルを維持する抗菌血中濃度をもたらすよう必要に応じて獣医用組成物 を経口投与することから基本的に構成される請求項11記載の方法。 13.更に、反芻動物に第二の活性剤を同時投与することから基本的に構成され るものである、請求項12記載の方法。 14.反芻動物がBos(ウシ属)、Ovis(ヒツジ属)、Capra(ヤギ 属)、Lama(ラマ属)及びBison(ヤギュウ属)から選ばれる属に属す る請求項11記載の方法。 15.反芻動物がBos(ウシ属)に属する請求項14記載の方法。 16.反芻動物かBos taurus(ウシ種)に属する請求項15記載の方 法。 17.微生物感染がスタフィロコッカス、ラクトバテルス、ストレプトコッカス 、サルチナ、エシェリキア、エンテロバクター、クレブシエラ、シュードモナス 、アシネトバクター、プロテウス、シトロバクター、ナイセリア、バチルス、バ クテロイデス、ペプトコッカス、クロストリジウム、サルモネラ、シゲラ、セラ チア、ヘモフィルス、パスツレラ、ブルセラその他のグラム陽性又はグラム陰性 病原微生物のうち一以上によって感染したものである請求項11記載の方法。 18.フルオロキノロンがジフロキサシンである請求項11記載の方法。 19.反芻動物に前記獣医用組成物を1日1回以下経口投与することから構成さ れる請求項11記載の方法。 20.請求項5記載の獣医用組成物をこれを必要とする反芻期反芻動物又は前反 芻期反芻動物に経口投与することから構成される反芻期反芻動物又は前反芻期反 芻動物の微生物感染治療方法。 21.獣医用組成物がカプセル、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、発泡性顆粒、ジェル 、ペースト、トローチ及び香錠からなる群から選択される固体投与形態である請 求項20記載の方法。 22.獣医用組成物が経口ボーラスの形態である請求項20記載の方法。
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