JP2001517682A - 喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを治療するための標的としての喘息関連因子 - Google Patents

喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを治療するための標的としての喘息関連因子

Info

Publication number
JP2001517682A
JP2001517682A JP2000512948A JP2000512948A JP2001517682A JP 2001517682 A JP2001517682 A JP 2001517682A JP 2000512948 A JP2000512948 A JP 2000512948A JP 2000512948 A JP2000512948 A JP 2000512948A JP 2001517682 A JP2001517682 A JP 2001517682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gcr9
polypeptide
sequence
asthma
mouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000512948A
Other languages
English (en)
Inventor
ジャン−クリストファ レナウルド,
ジャミラ ローアヘッド,
ロイ レヴィト,
ニコラス ニコライデス,
クー ドン,
Original Assignee
マガイニン ファーマシューティカルズ インク.
ルドヴィク インスティテュート フォー キャンサー リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マガイニン ファーマシューティカルズ インク., ルドヴィク インスティテュート フォー キャンサー リサーチ filed Critical マガイニン ファーマシューティカルズ インク.
Publication of JP2001517682A publication Critical patent/JP2001517682A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 IL−9によって誘導され、したがってIL−9が媒介するアトピー性アレルギー、喘息関連疾患およびある種のリンパ腫または白血病の発症における治療標的となる、G共役タンパク質受容体ファミリーの新しい遺伝子が記載される。その遺伝子によってコードされるポリペプチドの組換え生産法を開示する。アトピー性アレルギー、喘息関連疾患およびある種のリンパ腫または白血病を治療するためのGCR9のアゴニストとアンタゴニストの同定法と使用法も含まれる。生物学的試料中のGCR9の濃度をGCR9ポリペプチドに特異的な抗体、またはGCR9核酸に特異的な核酸プローブを用いて測定することにより、アトピー性アレルギー、喘息関連疾患およびある種のリンパ腫または白血病への罹病性を診断する方法、またはそれらの治療を評価する方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本願は1997年9月19日に出願された米国仮特許出願第60/059,5
10号の利益を主張する。本発明は、いずれも1996年8月23日に出願され
引用により本明細書に援用される米国特許出願第08/697,419号、同第
08/697,360号、同第08/697,473号、同第08/697,4
72号、同第08/697,471号、同第08/702,105号、同第08
/702,110号、同第08/702,168号、同第08/697,440
号および同第08/874,503号の主題に関係する。本願は、1996年1
2月2日に出願され引用により本明細書に援用される米国仮特許出願第60/0
32,224号にも関係する。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、喘息などのアトピー性アレルギーとその関連疾患を治療するために
IL−9経路に関係する活性を調節することに関する。また、癌を治療するため
のIL−9経路の阻害にも関する。
【0003】
【従来の技術】
炎症は身体の防御システムが異物と戦う複雑な過程である。この異物に対する
戦いは生体の生存にとって必要だといえるが、一部の防御システムは異物に対し
て、無害なものにさえ危険なものとして反応し、そうすることによって、その結
果起こる戦いのなかで周囲の組織を損傷する。
【0004】 アトピー性アレルギー(アトピー)は、遺伝的背景が花粉、食品、羽毛および
昆虫毒などといった環境中の刺激物質に対する反応を指示する環境遺伝学的疾患
である。一般に、この疾患は、どこにでもある抗原に反応してIgE抗体を産生
するリンパ球の能力が増加していることを特徴とする。これらの抗原による免疫
系の活性化はアレルギー性炎症をもたらし、摂食、皮膚を通した浸透、または吸
入後に起こりうる。この免疫活性化が起こり、それが肺の炎症と気管支の反応性
亢進を伴う場合、その疾患は一般に喘息と特徴づけられる。この炎症反応にはあ
る種の細胞が不可欠であり、それらにはT細胞と抗原提示細胞、IgEを産生す
るB細胞、およびIgEを結合する好塩基球と好酸球が含まれる。好酸球の気道
浸潤は、気道上皮への損傷をもたらす喘息の顕著な特徴である。好酸球と気管支
反応性亢進の関係を裏付ける証拠はかなり存在する(Devosら,1995)
。したがって、細胞動員シグナリングカスケードの阻害による気道上皮での好酸
球蓄積の予防は、喘息治療用の潜在的抗炎症剤の治療標的となる。
【0005】 喘息は一般に気道の炎症性疾患と定義されるが、その臨床症状は間欠性の気流
阻害から生じる。これは日常生活に支障をきたす慢性の障害該で、その罹患率と
重篤度は増しつつあると思われる(Gergenら,1992)。全住民の30
〜40%がアトピー性アレルギーを患い、全住民のうち小児の15%、成人の5
%が喘息を患っていると見積もられている(Gergenら,1992)。この
ように我々の健康医療財源には莫大な負荷がかかっている。
【0006】 興味深いことに、ほとんどの人々がよく似た環境への曝露を経験するのだが、
アトピー性アレルギーと喘息を発症するのはある特定の人々に過ぎない。「アト
ピー」として知られるこの環境アレルゲンへの過敏症は、多くの場合、非アトピ
ー患者と比較してアトピー患者では血清IgEレベルが上昇していることや、ア
レルゲンに対する皮膚試験反応が異常に強いことによって示される(Marsh
ら,1982)。アトピー性アレルギーと喘息の密接な関係を示す有力な証拠は
、ほとんどの喘息患者がアトピーの臨床的、血清学的証拠を有するという事実か
ら導かれる(Cllifordら,1987;Gergen,1991;Bur
rowsら,1992;Johannsonら,1972;Searsら,19
91;Halonenら,1992)。とくに、若い喘息患者ほどアトピーの罹
患率が高い(Marshら,1982)。また、総血清IgEレベルの増加に関
係する免疫学的因子類は損なわれた肺機能に極めて密接に関係する(Burro
wsら,1989)。
【0007】 これらの疾患の診断と治療はどちらにも問題が多い(Gergenら,199
2)。炎症を起こした肺組織の評価は困難なことが多く、その炎症源を特定でき
ないことがしばしばある。気道炎症源に関する知見と、1または複数の刺激性外
来環境物質からの保護がなければ、その炎症過程を妨げることはできない。肺炎
症制御の失敗が徐々に肺機能の重大な喪失をもたらすということは、現在では一
般に受け入れられている。
【0008】 現行の治療法にはそれぞれに一連の欠点がある。主な治療薬であるβアゴニス
ト(作動薬)は症状を軽減することによって肺機能を一時的に改善するが、根底
にある炎症には作用しないので、肺組織は危険な状態のままである。また、βア
ゴニストの常用は脱感作をもたらし、それによって効力と安全性が低下する(M
olinoffら,1995)。根底にある炎症を減少させうる薬剤、抗炎症性
ステロイド類は、それぞれに免疫抑制から骨の消失に及ぶ一連の欠点を有してい
る(Molinoffら,1995)。
【0009】 従来の治療法には様々な問題が伴うので、代替的治療法の評価が行なわれてい
る。グリコフォリンA(Chuら,1992)、シクロスポリン(Alexan
derら,1992;Morely,1992)、インターロイキン2(IL−
2)のノナペプチド断片(Zavyalovら,1992)は、すべて、ホメオ
スタシスに関係する潜在的に重要な免疫機能を阻害する。当該技術分野で必要と
されているのは、根底をなす病因に対処する喘息の治療法である。さらにまた、
それらの治療法はこの疾患の挿間性およびアレルギーとの密接な関係に対処し、
かつ、重要な免疫機能の下流に介入するものでなければならない。
【0010】 上記の関連特許出願では、インターロイキン9(IL−9)、その受容体、お
よびIL−9によって達成される活性が、喘息とその関連疾患を含むアトピー性
アレルギーにおける治療的介入にとって好適な標的であることを証明した。ここ
に本出願人は、アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫で重要な関
連遺伝子と、治療的介入のためにこれらの遺伝子を調節する方法を開示する。
【0011】 アレルゲンによるマスト細胞からの媒介物質の放出は、古くから、アレルギー
における決定的な誘発事象であるとみなされてきた。IL−9は、元々はマスト
細胞成長因子として同定されたものであり(Schmittら,1989)、先
に本出願人は、IL−9がMCP−1、MCP−2、MCP−4(Godfra
indら,1998)とグランザイムB(Louahedら,1995)を含む
マスト細胞プロテアーゼ類の発現をアップレギュレートするらしいことを証明し
た。このようにIL−9はマスト細胞の増殖と分化にある役割を果たしうる。さ
らにまたIL−9は高親和性IgE受容体のアルファ鎖の発現をアップレギュレ
ートする(Louahedら,1995)。上昇したIgEレベルは、アトピー
性アレルギーの顕著な特徴であり、喘息の危険因子であるとみなされている。さ
らに、IL−9が感作B細胞からのIgEの放出を強化することは、インビトロ
試験とインビボ試験の両方で示されている(Dugasら,1993;Peti
t−Frereら,1993)。
【0012】 上に挙げた関連特許に提示したデータによると、喘息におけるIL−9遺伝子
候補の裏付けはかなりある。まず本出願人は、ヒトとマウスの間の連鎖相同性を
証明するが、これは同じ遺伝子が、両方の種で、抗原に対する反応の生物学的変
動性を生む原因になっていることを示唆する。第二に、マウスIL−9候補遺伝
子の発現量の相違は気管支反応性の生物学的変動性と相関した。具体的に述べる
と、機能の喪失は、B6マウスにおけるベースライン気管支反応の低下と相関し
ている。第三に、ヒトから得られたデータにおける連鎖不平衡を示す最近の証拠
は、両種におけるこの遺伝子の役割と合致して、IL−9がアトピーおよび気管
支反応性亢進と相関しうることを示唆している(Doullら,1996)。さ
らに本出願人は、このヒト遺伝子の遺伝子変異がサイトカイン機能の喪失および
IgEレベルの低下と相関するらしいことを証明した。第四に、アレルギー性免
疫反応におけるこのサイトカインとその受容体の多面的機能は、喘息の複雑な病
因におけるIL−9経路の役割を強く裏付けるものである。第五に、ヒトでは、
IL−9受容体の生物学的変動性も、アトピー性アレルギーおよび喘息と相関す
るようである。最後に、IL−9受容体機能の遺伝的欠損にもかかわらず、それ
らの個体はその他の点では健康であるように見える。このように自然は、IL−
9およびIL−9受容体遺伝子またはIL−9とその受容体によって活性化され
る遺伝子の治療的ダウンレギュレーションが安全であるらしいことを、アトピー
患者で証明してきた。
【0013】 IL−9のアトピー性疾患との関係と同等に重要なことは、その細胞増殖およ
び細胞分化との関係である。IL−9は当初、Tヘルパー細胞の増殖を促進する
その能力についても特徴づけられた(Uyttenhoveら,1988)。続
いて、造血系および神経系前駆細胞の分化と増殖、ならびにマスト細胞の分化を
含む、いくつかの他の活性がIL−9に帰された(Renauldら,1995
)。また、ヒトとマウス両方の腫瘍形成にIL−9が関与するという証拠もいく
つかある(Vinkら,1993)。IL−9の過剰発現は、インビボでT細胞
リンパ腫への高い罹病率と関連付けられており、オートクリンIL−9ループが
いくつかのヒトホジキンリンパ腫で特徴づけられている(Renauldら,1
994;Merzら,1991)。したがってIL−9はT細胞白血病や菌状息
肉症を含むT細胞起源の他の新生物にも関与するように思われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、IL−9遺伝子、その受容体およびそれらの機能がアトピー性ア
レルギー、喘息、細胞増殖、トランスフォーメーションおよび腫瘍形成といかに
関係するかは、当該技術分野では現在理解されている。したがって、当該技術分
野には、IL−9によって調節される遺伝子のこれらの疾患の病因における役割
を解明するという具体的必要がある。さらに最も重要なことに、これらの疾患を
治療するために、この知識に基づいて、これら遺伝子またはそれらの遺伝子産物
の活性を調節できる薬剤を同定する必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】 本出願人は、7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体ファミリーから、IL−9
によって選択的にアップレギュレートされ、したがってIL−9シグナリング経
路の一部であるGCR9と命名された新しい遺伝子を同定した。
【0016】 第一の実施の形態として本発明は、ヒトGCR9または機能的に有効なその断
片をコードするヌクレオチド配列を有する精製および単離されたDNA分子を提
供する。
【0017】 さらに本発明は、ヒトGCR9または機能的に有効なその断片を含んでなるア
ミノ酸配列を有する精製および単離されたタンパク質分子を提供する。
【0018】 第二の実施の形態として本発明は、マウスGCR9または機能的に有効なその
断片をコードするヌクレオチド配列を有する精製および単離されたDNA分子を
提供する。
【0019】 さらに本発明は、マウスGCR9または機能的に有効なその断片を含んでなる
アミノ酸配列を有する精製および単離されたタンパク質分子を提供する。
【0020】 機能的に有効な断片としては、例えばコグネイトリガンドに結合するGCR9
のドメインや、GCR9依存的な生理学的シグナル伝達機序を惹起するドメイン
などがあるが、これらに限るわけではない。
【0021】 本出願人は、アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫または白血
病の診断と治療の必要を、これらの疾患の病因におけるGCR9の役割を証明す
ることによって満たした。これらの疾患の治療法は、IL−9経路の一員として
のGCR9のダウンレギュレーションから導かれる。
【0022】 GCR9の同定はその活性をダウンレギュレートできる化合物の発見につなが
った。したがって、本発明ではGCR9をダウンレギュレートする分子を特許請
求する。ダウンレギュレーションとは、ここでは、GCR9、そのリガンドまた
は活性化因子の活性化、機能または合成の減少と定義される。これはさらに、G
CR9、そのリガンドまたは活性化因子の分解の増加と定義される。さらにこれ
は、その受容体の細胞表面からの除去、またはその受容体の二次エフェクター(
例えばGタンパク質、イオンチャネル、ヌクレオチドシクラーゼ、ホスホリパー
ゼ、ホスホジエステラーゼなど)からの脱共役とも定義される。したがって、ダ
ウンレギュレーションは、いくつかの方法で達成される。例えば、GCR9のそ
のリガンドとの結合を不安定化させうる分子の投与による。そのような分子には
、例えばGCR9遺伝子のDNA配列またはこの遺伝子の様々な突然変異を含む
DNA配列によってコードされるものなどのポリペプチド産物が包含される。そ
れらの突然変異はGCR9遺伝子の点変異、挿入、欠失またはスプライス変異な
どでありうる。本発明は、上述のDNA分子によってコードされる切断型ポリペ
プチドも包含する。これらのポリペプチドは、GCR9のそのリガンドおよび他
のタンパク質との相互作用に干渉する能力をもつ。
【0023】 本発明のさらなる実施の形態として、GCR9遺伝子の発現を変化させること
によるGCR9機能のダウンレギュレーションがあり、アンチセンス治療の使用
がその一例である。GCR9発現のダウンレギュレーションは、有効量のアンチ
センスオリゴヌクレオチドを投与することによって達成される。これらのアンチ
センス分子は、GCR9遺伝子のDNA配列または様々な突然変異、欠失、挿入
またはスプライス変異を含む配列から作ることができる。本発明のもう一つの実
施の形態は、GCR9遺伝子から誘導される単離されたRNAまたはDNA配列
の使用に関する。これらの配列は、GCR9遺伝子の点変異、挿入、欠失または
スプライス変異などといった様々な変異を含有し、遺伝子治療に役立ちうる。
【0024】 さらに本発明は、GCR9とそのリガンドとの相互作用を遮断するために十分
な親和性で結合するのに要求される必要な三次元構造を有する小分子を包含する
。GCR9活性のダウンレギュレーションをもたらすGCR9遮断、カルシウム
フラックスおよびGCR9が発現される炎症誘発細胞の他の過程は、これらの分
子を、アトピー性アレルギー、喘息および関連疾患に伴う炎症の治療に役立つも
のにする。これら同一の分子によるGCR9遮断は、それらをある種のリンパ腫
または白血病の治療にも役立つものにする。
【0025】 さらなる実施の形態として、アミノステロール化合物がIL−9または抗原に
よるGCR9誘導を抑制することが明らかになり、したがってそれらの化合物は
アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫または白血病の治療に役立
つ。さらにもう一つの実施の形態として、GCR9の下流にある活性化経路を遮
断する阻害剤がIL−9経路をダウンレギュレートすることが明らかになり、し
たがってそれら阻害剤もアトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫ま
たは白血病の治療に使用できる。
【0026】 上述の産物は、アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫または白
血病の治療に有効な種々の治療薬になる。本出願人は、GCR9をダウンレギュ
レートできるアンタゴニストと、それらアンタゴニストの同定方法を提供した。
本出願人は、切断型タンパク質産物、アミノステロール類などを投与することに
よってGCR9活性をダウンレギュレートする方法も提供する。
【0027】 また本出願人は、GCR9、その機能または下流の活性の誘導を測定する方法
を述べることにより、アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫また
は白血病への罹病性を診断する方法も提供する。さらなる実施の形態として、本
出願人は、アトピー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫または白血病の
治療を追跡する手段としてGCR9ダウンレギュレーションの効果をモニターす
るための方法を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本出願人は、ここでGCR9と呼ぶIL−9経路中の遺伝子を解明し、アトピ
ー性アレルギー、喘息およびある種のリンパ腫または白血病の診断、予防または
治療に使用できる、その経路に影響を及ぼす組成物を同定することにより、当該
技術分野の必要を満たした。喘息は、可逆的な気流閉塞を伴う気道の炎症性疾患
を包含する。アトピー性アレルギーとは、喘息、気管支反応性亢進、鼻炎、じん
ま疹、腸のアレルギー性炎症性疾患および様々な形の湿疹を含むアトピーとその
関連疾患を指す。アトピーは、対照群と比較したときの血清IgEの上昇または
アレルゲンに対する異常な皮膚試験反応として表される環境アレルゲンへの過敏
症である。気管支反応性亢進とは、ここでは、様々な刺激に対する増進した気管
支収縮反応と定義される。
【0029】 GCR9のマウスおよびヒトcDNAが単離された。マウス(図1)およびヒ
ト(図10)GCR9遺伝子はどちらも330アミノ酸タンパク質をコードする
。マウスGCR9アミノ酸配列はヒト配列と80%以上の同一性を示す。マウス
GCR9の構造を分析すると、多くのGタンパク質共役受容体と有意な相同性が
認められる(図2)。配列分析により、GCR9はプリン受容体ファミリーと最
も高い相同性を有することが示された。ヒトおよびマウスGCR9の最も大きい
細胞外ドメインは、染色体19q13.3上のいくつかのGタンパク質共役オー
ファン受容体(Sawzdargoら、1997)およびニワトリ由来のT細胞
中のIL−2誘導性Gタンパク質共役受容体(Kaplanら,1993)と有
意な相同性を示した。ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで相同性を示すGタン
パク質共役受容体ファミリーの他のメンバーであってより遠い関係にあるものに
は、トロンビン受容体と血小板活性化因子がある。
【0030】 ヒトGCR9遺伝子は、雑種細胞マッピングにより、マウス第7染色体とシン
テニックである第19染色体の長腕上に同定された。マウスとヒトのGCR9遺
伝子はどちらも、図1と10にΔで示す、開始コドンの上流に1.2キロ塩基長
のイントロンを含有する。ヒトGCR9遺伝子のヌクレオチド配列は、第19染
色体上で近接する他の遺伝子の配列、特にGPR40(44%)、GPR41(
54%)およびGPR42(54%)と、多少の相同性を示した。アトピー性疾
患におけるGCR9の役割は、喘息で重要な染色体19q13近くの遺伝子座を
記述する遺伝子連鎖試験によってさらに裏付けられる(喘息の遺伝学に関する共
同研究−人種的に多様な集団における喘息罹病性遺伝子座の全ゲノム検索、19
97、The Collaborative Study on the Ge
netics of Asthma−A Genome wide Searc
h for Asthma Susceptibility Loci in
Ethnically Diverse Populations,1977)
。このように、近接遺伝子における生物学的変動性は、喘息反応の一因に貢献す
るに違いない。
【0031】 したがって本発明は、マウス(図1)またはヒト(図10)GCR9もしくは
その断片をコードするヌクレオチド配列を含んでなる精製および単離された核酸
配列を提供する。本発明は、前記DNAの縮重配列および実質的に相同な配列も
包含する。本発明はどの供給源に由来するGCR9でも包含するが、ここに例示
する本発明GCR9の供給源はマウスとヒトである。本核酸分子またはその断片
は、当該技術分野で公知の方法を使って合成できる。また、遺伝子操作法により
、任意の一般に認められた手法でDNAを構築し、そのDNAを発現媒体にクロ
ーニングし、該媒体を細胞にトランスフェクトする(該細胞は本化合物を発現さ
せることになる)ことによって、化合物を生産することもできる。(Sambr
ookらMolecular Cloning−A Laboratory M anual ,第2版,Cold Spring Harbor Laborat
ory Press,1985を参照)。
【0032】 本発明の核酸分子には、それぞれ配列番号1と配列番号3の配列を有するマウ
スおよびヒトGCR9をコードするポリヌクレオチドと、それらの配列に相補的
な全ての核酸配列が含まれる。相補配列はアンチセンスヌクレオチドを含みうる
【0033】 また、GCR9の全部または一部をコードするポリヌクレオチドは、それらが
ここに記載するようなGCR9の機能的活性を有するポリペプチドをコードする
限り、すべてここに含まれると解される。本発明のポリヌクレオチド配列にはG
CR9をコードするDNA、cDNA、合成DNAおよびRNA配列が含まれる
。そのようなポリヌクレオチドには天然ポリヌクレオチド、合成ポリヌクレオチ
ドおよび意図的に操作されたポリヌクレオチドも含まれる。例えばそのようなポ
リヌクレオチド配列はゲノムDNA(天然のイントロンを含んでも含まなくても
よい)を含んでよい。また、そのようなゲノムDNAを、プロモーター領域また
はポリアデニル化配列と共に得ることもできる。もう一つの例として、選択的R
NAスプライシング(alternate RNA splicing)様式により、またはRNA転写
に代替プロモーターを使用することにより、mRNA配列の一部が改変されても
よい。さらにもう一つの例として、GCR9ポリヌクレオチドを部位特異的突然
変異誘発にかけてもよい。
【0034】 さらに、本発明のポリヌクレオチドには、遺伝コードの結果として縮重した配
列が含まれる。2以上のヌクレオチドトリプレットが同じアミノ酸をコードする
ので、遺伝コードは縮重しているといわれる。天然アミノ酸は20種類あり、そ
のほとんどは2以上のコドンによって指定される。遺伝コードの縮重の結果、多
数のヌクレオチド配列(その一部は配列番号1と配列番号3のヌクレオチド配列
に対して最小のヌクレオチド配列相同性を有する)を本発明の結果として作りう
ることは、当業者には理解されるだろう。したがって、縮重ヌクレオチド配列は
、そのヌクレオチド配列によってコードされるGCR9ポリペプチドのアミノ酸
配列が機能的に変わらないか、その機能が実質上類似する限り、すべて本発明に
含まれる。本発明は、配列番号1および配列番号3に適用されるような標準的ト
リプレット遺伝コードに従ってなされる可能なアミノ酸およびコドン選択に基づ
いた組合せを選択することによって作ることのできるペプチドまたはヌクレオチ
ド配列の考え得る変異体をいずれもすべて具体的に考慮しており、そのような変
異体はすべてここに具体的に開示したものとみなされる。
【0035】 また、ここに開示する配列の断片(部分、区分)であって、配列番号1および
配列番号3の配列に選択的にハイブリダイズするものも本発明に含まれる、本明
細書で用いる選択的ハイブリッド形成とは、関連するヌクレオチド配列を無関係
なヌクレオチド配列と区別するストリンジェントな条件(Maniatisら, Molecular Cloning−A Laboratory Manua ,Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s,1989を参照)でのハイブリッド形成を指す。mRNAとDNAのコーデ
ィング鎖に相補的な本発明の活性断片は、通常少なくとも約15ヌクレオチドで
あり、より通常には少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは30ヌクレオチド
であって、50ヌクレオチド以上がより好ましいかもしれない。
【0036】 本明細書で用いる「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリッド形成が明瞭
で判読可能な配列を与える条件である。ストリンジェントな条件は、(1)洗浄
に低イオン強度と高温(例えば50℃で、0.015M塩化ナトリウム、0.0
015Mクエン酸ナトリウム、0.1%SDS緩衝液)を使用するか、(2)ハ
イブリッド形成中にホルムアミドなどの変性剤(例えば42℃で、50%ホルム
アミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%ポリビニ
ルピロリドン、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)、750mM塩
化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム)を使用するものである。もう一つ
の例は、42℃で50%ホルムアミド、5×SSC、50mMリン酸ナトリウム
(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハート液、超音波処
理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDSおよび10%デキス
トラン硫酸を使用し、洗浄を0.2×SSCおよび0.1%SDS中42℃で行
うことである。当業者は、明瞭で検出可能なハイブリッド形成シグナルを得るの
に適したストリンジェンシー条件を容易に決定、変更できる。
【0037】 本発明は、配列番号1または配列番号3のいずれかに相補的な配列を含んでな
る核酸分子に十分なストリンジェンシーの条件でハイブリダイズして明瞭なシグ
ナルを与える、GCR9タンパク質をコードする核酸分子を提供する。本明細書
で用いる「核酸」は、GCR9ペプチドをコードするRNAまたはDNAと、そ
れらのペプチドをコードする核酸に相補的であるRNAまたはDNAと、それら
の核酸にハイブリダイズしてストリンジェントな条件でそれらに安定に結合した
ままであるRNAまたはDNAと、GCR9ペプチド配列と少なくとも60%の
配列同一性、好ましくは少なくとも75%の配列同一性、より好ましくは少なく
とも80%の配列同一性を有するポリペプチドをコードするRNAまたはDNA
として定義される。また本発明の核酸には、配列番号1のオープンリーディング
フレームと、または配列番号3に対して、少なくとも60%または70%の配列
同一性を有する、好ましくは配列番号1のオープンリーディングフレームと、ま
たは配列番号3に対して、少なくとも80または85%の配列同一性を有する、
より好ましくは配列番号1のオープンリーディングフレームと、または配列番号
3に対して、90%、91%、95%または97%の配列同一性を有するヌクレ
オチド配列を含んでなる核酸分子も含まれる。
【0038】 相同性や同一性は、BLASTasic ocal lignmen
earch ool)分析により、配列類似性検索用に作られたプログ
ラムblastp、blastn、tblastnおよびtblastx(Ka
rlinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264
−2268(1990)とAltschul,S.F.J.Mol.Evol.
36:290−300(1993);これらは引用により本明細書に完全に援用
される)で使用されているアルゴリズムを使って決定される。BLASTプログ
ラムが使用する手法は、まず質問配列とデータベース配列の間の類似区間を考慮
し、次に、確認された全ての一致の統計的有意性を評価し、最後に、前もって選
択した有意性の閾値を満たす一致だけを要約するというものである。配列データ
ベースの類似性検索に関する基本的問題の議論については、引用により本明細書
に完全に援用されるAltschulらの文献(Nature Genetic
s 6:119−129(1994)を参照。histogramdescr iptionsalignmentsexpect(すなわちデータベース
配列に対する一致を報告するための統計的有意性閾値)、cutoffmat rix およびfilterに関する検索パラメータはデフォルトの設定通りであ
る。blastp、blastx、tblastnおよびtblastxで使用
されるデフォルトのスコアリングマトリックスは、BLOSUM62マトリック
ス(Henikoffら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
9:10915−10919(1992);これは引用により本明細書に完全に
援用される)である。blastnについては、スコアリングマトリックスが (すなわち一対の一致残基に対する報奨点)の(不一致残基に対する罰則点)
に対する比率によって設定され、のデフォルト値はそれぞれ5と−4であ
る。
【0039】 さらに本発明は、実質的に純粋なGCR9ポリペプチドを提供する。本明細書
で用いる用語「実質的に純粋」とは、他のタンパク質、脂質、炭水化物またはG
CR9ポリペプチドに天然に付随する他の物質を実質的に含まないGCR9ポリ
ペプチドを指す。当業者は標準的なタンパク質精製手法を用いてGCR9を精製
できる。
【0040】 さらに本発明は、GCR9ポリペプチドの組換え生産を提供する。関連する側
面として、GCR9をコードするDNA(天然配列の変異体および置換体を含む
)はクローニング媒体に作動可能に連結され、ここに該媒体はプラスミド、コス
ミド、人工染色体またはウイルスベクターもしくはそれら媒体の組合せである[
Kreigler(1990)を参照]。作動可能に連結されたDNAは原核お
よび/または真核宿主細胞での発現用に細菌プロモーターまたは真核プロモータ
ーおよび/またはエンハンサー配列を含みうる(Kreigler,Gene Transfer and Expression: A Labhorato ry Manual 1990 ,M Stockton Press,ニューヨ
ークとSambrookら,Molecular Coning:A Labo ratory Manual ,1989,Cold Spring Harbo
r Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングを
参照)。作動可能に連結されたGCR9をコードするDNAを含んでなるクロー
ニング媒体でトランスフェクションまたは形質転換された宿主細胞はそのポリペ
プチドを生産するために使用でき、その場合、前記細胞はGCR9を発現させる
のに適した条件で生育され、そのタンパク質が宿主細胞および周囲の栄養分から
分離される[封入体からの精製を含む;Sambrookら(1989)を参照
]。関連する側面として、転写配列とは、mRNAの発現が調節されるようにR
NAポリメラーゼを指示する核酸の配列と定義される。本発明はマウスGCR9
ポリペプチド(配列番号2)とヒトGCR9ポリペプチド(配列番号4)をコー
ドするアミノ酸配列も提供する。本発明のポリペプチドには保存的変異の結果と
して配列番号2および配列番号4とは異なるものが含まれる。本明細書で用いる
「保存的変異」や「保存的置換」という用語は、あるアミノ酸残基の、生物学的
に類似する別の残基による置換を意味する。保存的変異または置換は、おそらく
そのポリペプチド鎖の形状を変化させないだろう。保存的変異または置換の例と
しては、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンなどの疎水性残基の
一つを別の疎水性残基で置換すること、あるいは極性残基の一つを別の極性残基
で置換すること、例えばリジンをアルギニンで、アスパラギン酸をグルタミン酸
で、アスパラギンをグルタミンで置換することなどがある。したがって、すべて
の保存的置換は、そのヌクレオチド配列によってコードされるGCR9ポリペプ
チドが機能的に無変化であるか類似している限り、本発明に包含される。
【0041】 本明細書で用いる単離されたGCR9タンパク質は、全長GCR9タンパク質
、またはそのようなタンパク質の任意の相同体、例えばアミノ酸が削除(例えば
切断型のタンパク質(ペプチドなど))、挿入、反転、置換および誘導体化(例
えば糖鎖付加、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化、プレニル化、パルミト
イル化、アミド化、グリコシルホスファチジルイノシトールの付加などによる)
されているGCR9タンパク質であることができ、ここに修飾タンパク質は天然
GCR9の生理学的特徴を保っているものとする。GCR9タンパク質の相同体
は、天然GCR9タンパク質アミノ酸配列に十分に類似するアミノ酸配列を有し
ていて、前記相同体をコードする核酸配列が天然GCR9タンパク質アミノ酸配
列をコードする核酸配列にストリンジェントな条件でハイブリダイズできるタン
パク質である。適当なストリンジェンシー要件については上に述べた。
【0042】 GCR9タンパク質相同体はGCR9タンパク質をコードする天然遺伝子の対
立遺伝子変異の結果でありうる。天然遺伝子とは、自然界に最も頻繁に見出され
る形の遺伝子を指す。GCR9タンパク質相同体は、例えば古典的手法または組
換えDNA手法などを用いてタンパク質をコードする遺伝子に直接的修飾を施す
ことによってランダムまたは標的突然変異誘発を達成するなど(ただしこれに限
らない)、当該技術分野で知られている手法を使って生産することができる。
【0043】 GCR9一次アミノ酸配列の軽微な修飾は、本明細書の配列番号2と配列番号
4に記載のGCR9ポリペプチドと比較して実質的に等価な活性を有するタンパ
ク質をもたらしうる。本明細書で用いるGCR9タンパク質の「機能的等価物」
とは、非組換えまたは天然GCR9に特有な生物学的活性または免疫学的特徴と
実質的に類似する生物学的活性または免疫学的特徴を有するタンパク質である。
用語「機能的等価物」は、本発明のGCR9タンパク質の生物学的活性を有する
断片、変種、類似体、相同体または化学的誘導体を含むものとする。GCR9の
生物学的活性は、生理的にGCR9を作らない細胞を組換えGCR9を発現する
ようにトランスフェクトして非トランスフェクト細胞と比較した時に観察される
シグナリング特性の刺激、と定義することができ、ここでは各細胞セットをある
化合物と接触させるとトランスフェクト細胞で二次メッセンジャー(例えばcA
MP、cGMP、Ca2+、PI)の刺激だけが起こる(オーファン受容体に関す
る生理学的シグナル伝達機構の評価については、引用により完全に援用されるR
yanら,J.Biol.Chem.(1998)Vol.273(22):1
3613−13624およびStablesら,Anal.Biochem.(
1997)Vol.252(1):115−126を参照)。
【0044】 マウスGCR9プローブは、IL−9の存在下に培養したマウスサイトカイン
依存性Tヘルパー細胞株TS6およびST2K9で、大量の1.8キロベースm
RNAをたやすく検出したが、IL−2の存在下に培養した同細胞株にはそれを
検出しなかった(図5)。マウス脾細胞でのコンカナバリンAによるこの遺伝子
の誘導は、この遺伝子がマイトジェンシグナリングにある役割を果たすことを示
唆している。さらにこの遺伝子産物は、トランスジェニック動物でのIL−9の
過剰発現により、インビボの肺および腸で特異的に誘導される(Godfrai
ndら,1998)。さらにこのデータから、これらの器官、とりわけIL−9
とその受容体の構造または機能の生物学的変動性が喘息と関連疾患を含むアトピ
ー性アレルギーの病態生理にある役割を担うところで、GCR9がIL−9によ
って特異的に誘導され、ある役割を果たすことが確認される。
【0045】 気管支反応性亢進、喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーの病因に
おけるGCR9の役割を明らかにする証拠は、IL−9がGCR9を選択的に誘
導するという本出願人の観察から直接導かれる。このように、いくかの抗原誘導
反応にとって不可欠なIL−9の多面的役割は、部分的に、アトピー性アレルギ
ーに不可欠ないくつかの細胞の生理学にある役割を果たすGCR9の調節に依存
している。抗原のエアロゾルチャレンジ前に抗体前処置によってIL−9の機能
をダウンレギュレートすると、その動物を抗原誘導反応から完全に保護すること
ができる。これらの反応には気管支反応性亢進、気管支洗浄における細胞数の上
昇と好酸球増加、炎症に伴う肺の組織学的変化、総血清IgEの上昇が含まれる
。このように、アトピー性アレルギーの病因にとって不可欠であってアトピー性
アレルギーに伴うアレルギー性炎症を特徴づけるこのような反応をGCR9をダ
ウンレギュレートすることにより治療することは、本発明の範囲に含まれる。
【0046】 本出願人は、GCR9が、喘息反応と密接に関係する細胞中で誘導されること
を明らかにした。例えばマウスGCR9の発現はIL−9で刺激されたT細胞(
図5)とIL−9トランスジェニックマウスの胃(図6)で誘導される。組織分
布試験は、GCR9がリンパ細網組織を含む他の多くの組織で発現され(図4)
、好酸球やB細胞などの喘息に重要な細胞タイプで誘導されるらしいことを示し
ている。ヒトGCR9は好酸球とマスト細胞中で発現され、IL−9への曝露に
続いて誘導が起こる(図12)。好酸球におけるこの誘導は、好酸球が炎症反応
と喘息の両方に関係する一貫した特徴であることから(Gleich,1990
)、これらの過程におけるGCR9の役割を確証するものである。したがって、
好酸球とマスト細胞でのGCR9の遮断による細胞シグナリングカスケードの抑
制による炎症反応の遮断から、喘息の治療法が導かれる。
【0047】 本出願人は、IL−9、その受容体とGCR9との間の関係に基づいてアトピ
ー性アレルギーとその関連疾患への罹病性を診断する方法およびそれらの疾患を
治療する方法を教示する。ある診断の形態では、GCR9のDNA配列中の変異
の認識を行なう。当業者には理解されるであろうが、一つの方法として、十分な
ハイブリッド形成条件下に本発明のGCR9に相補的な配列を有する核酸分子(
プローブとしても知られる)を導入する。ある態様では、その配列がGCR9の
一つの対立遺伝子またはその断片に特異的に結合することになり、もう一つの態
様では、複数の対立遺伝子に結合することになる。これらの疾患に関係するDN
A配列変異を認識するもう一つの方法は、当該技術分野で周知の複数の方法によ
る直接DNA配列分析である(Ott,1991)。もう一つの態様では、これ
らの疾患に関係するGCR9遺伝子中のDNA配列変異の検出を行なう(Sch
wengelら,1993;Scheffieldら,1993;Oritaら
,1989;Sarkarら,1992;Cotton,1989)。それらに
はポリメラーゼ連鎖反応、制限断片長多型(RFLP)分析、一本鎖コンフォメ
ーション分析がある。
【0048】 もう一つの診断の形態では、ある被験者における上昇したGCR9ポリペプチ
ド濃度が関係する喘息関連疾患とある種のリンパ腫および白血病への罹病性を、
(a)その被験者から採取した生物学的試料中のGCR9ポリペプチドの濃度を
測定し、(b)正常被験者群に存在するGCR9ポリペプチドの濃度と比較する
という段階によって測定でき、ここで正常濃度と比較した場合のGCR9ポリペ
プチド濃度の増加は、喘息関連疾患とある種のリンパ腫または白血病に対する素
因を示す。そのようなリンパ腫と白血病には、慢性リンパ球性白血病、大型顆粒
リンパ球白血病、成人広汎性急速進行性リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、成人T
細胞白血病、急性リンパ球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫がある。
【0049】 もう一つの診断の形態として、被験者における上昇したGCR9ポリペプチド
濃度に関係する喘息またはある種のリンパ腫もしくは白血病の治療的処置を、治
療的処置を受けている前記被験者から様々な時点で得られる一連の生物学的試料
中のGCR9ポリペプチドの濃度を測定することによってモニターでき、そこで
該GCR9ポリペプチドの濃度の有意な減少は治療的処置の成功を示す。
【0050】 本発明のこのようなアッセイに役立つ診断プローブには、GCR9に対する抗
体がある。GCR9に対する抗体は、当該技術分野でよく知られている標準的手
法を用いて生産されるモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい(H
arlow & Lane's,Antibodies:A Laborato ry Manual ,Cold Spring Harbor Laborat
ory Press,1988を参照)。それらは、当該タンパク質への結合と
それに続くその抗体−タンパク質複合体のELISA、ウェスタンブロットなど
による検出によってGCR9を検出するために使用できる。これらの抗体を生成
させるために使用するGCR9は、上述のGCR9変異体のいずれでもよい。ま
た抗体は当該技術分野の標準的手法を用いてGCR9のペプチド配列からも生産
される,(Protocols in Immunology,John Wi
ley & Sons,1994を参照)。遮断抗血清を生産するために使用で
きるマウスGCR9由来のペプチド配列は、そのタンパク質の細胞外部分を包含
するものであり、MTPDWHSS(残基1〜8)(配列番号5);RIVEA
ASNFRWYLPKIVC(残基65〜82)(配列番号6);QYLNST
EQVGTENQITC(残基148〜164)(配列番号7);QVGTEN
QITCYENFTQEQLD(残基154〜174)(配列番号8);CYE
NFTQEQLDVVLPVRLE(残基164〜182)(配列番号9)およ
びSHLVGFYLRQSPSWR(残基241〜255)(配列番号10)と
同定された。遮断抗血清の生産に役立つであろうヒトGCR9の細胞外配列から
同定された2つのペプチドはKIIEAASNFRWYLPKVVC(残基65
〜82)(配列番号11)とQYLNTTEQVRSGNEITC(残基148
〜164)(配列番号12)である。これに加えて、配列番号5と8〜10のマ
ウス残基に相当するヒト配列も治療用抗体の生産に役立つだろう。免疫学的に重
要な部分を含有するポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体の断片も調
製できる。Fab、Fab'またはF(ab')2断片などの免疫反応性断片は、 一般に完全な免疫グロブリンよりも免疫原性が低いので、とりわけ治療面では、
それら断片の使用がしばしば好ましい。
【0051】 生物学的試料中のGCR9ポリペプチドを抗体プローブで検出または測定する
ためのアッセイは、利用可能などのフォーマットに基づいてもよい。例えば、G
CR9ポリペプチドが分析物である免疫アッセイでは、試験試料(通例、生物学
的試料)を抗原−抗体複合体の形成が可能な条件で抗GCR9抗体と共にインキ
ュベートする。例えば固形支持体に結合した抗体を試験試料と共にインキュベー
トし、洗浄し、分析物に対する二次標識抗体と共にインキュベートし、その支持
体を再び洗浄する「サンドイッチ」アッセイなど、様々なフォーマットを使用で
きる。二次抗体が支持体に結合されるかどうかを決定することによって、分析物
が検出される。競合フォーマット(これは不均一系でも均一系でもよい)では、
通常、試験試料を抗体および標識した競合抗原と共に、逐次的にまたは同時にイ
ンキュベートする。これらのフォーマットは他のフォーマットと共に当該技術分
野では周知である。
【0052】 本発明のさらなる実施の形態は、アンチセンス治療または遺伝子治療に関する
。現在、当該技術分野では、アンチセンス治療または遺伝子治療として提供され
るときに、特定の選択効果を与えるように改変DNA分子を調製できることが知
られている。GCR9をコードする天然のDNA区分は、他の全ての哺乳類DN
A鎖と同様に二本の鎖、すなわち水素結合によって互いに結合しているセンス鎖
とアンチセンス鎖を有する。GCR9をコードするmRNAはセンス鎖と同じヌ
クレオチド配列を持ち、ウリジンによるチミジンの置換が予想される。したがっ
て、GCR9配列の知識に基づいて、合成オリゴヌクレオチドを合成できる。こ
れらのオリゴヌクレオチドはGCR9をコードするDNAおよびRNAに結合で
きる。mRNAおよびDNAのコーディング鎖に相補的な本発明の活性断片は通
常少なくとも約15ヌクレオチドであり、より通常は少なくとも20ヌクレオチ
ド、好ましくは30ヌクレオチドであって、50ヌクレオチド以上がより好まし
いかもしれない。このような核酸分子の最大サイズに関する上限は、その核酸分
子がある遺伝子の一部、一つの遺伝子全体、または複数の遺伝子もしくはその一
部を含みうるという点での、事実上の限界以外にはない。センス鎖とアンチセン
ス鎖の間の結合強度は、全水素結合に依存する。したがって当業者は、mRNA
中の塩基の総数に基づいて、オリゴヌクレオチド配列の最適な長さを容易に計算
できる。その配列はmRNAの配列のどの部分に相補的であってもよい。例えば
、それは5'末端またはキャッピング部位の近位にあってもよいし、キャッピン グ部位の下流、キャッピング部位と開始コドンの間にあってもよく、非コード領
域またはコード領域の全部または一部分のみを覆ってもよい。アンチセンス配列
が結合する具体的部位は、所望する抑制の程度、配列の一義性、そのアンチセン
ス配列の安定性などに依存して変化するだろう。
【0053】 本発明の実施では、有効量の上記合成アンチセンスオリゴヌクレオチド配列を
投与することにより、GCR9の発現がダウンレギュレートされる。本発明のオ
リゴヌクレオチド化合物は、ヒトGCR9をコードするmRNAに結合し、それ
によって前記タンパク質の発現(翻訳)を抑制する。GCR9の点突然変異、挿
入、欠失またはスプライス突然変異など様々な突然変異を含有する単離されたD
NA配列も、同様に遺伝子治療に役立つ。
【0054】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、遺伝子とタンパク質の生物学的機能を決
定するために、インビトロのツールとしても使用できる。オリゴヌクレオチドホ
スホロチオエート(PS−オリゴ)は、遺伝子発現のアンチセンス媒介阻害剤と
して治療上大きな可能性が示されてきた(Steinら,1993とその引用文
献)。アンチセンスオリゴヌクレオチドの合成には様々な方法が開発されてきた
(Agrawalら,Methods of Molecular Biolo gy:Protocols for Oligonucleotides an d Analogs ,Humana Press,1993およびEckste
inら,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach ,Oxford Universit
y Press,1991を参照)。
【0055】 本発明の実施では、有効量の上記合成アンチセンスオリゴヌクレオチド配列を
投与することにより、GCR9の発現を調節する。本発明のオリゴヌクレオチド
化合物は、ヒトGCR9をコードするmRNAに結合し、それによってそれらタ
ンパク質の発現(翻訳)を抑制する。GCR9の点突然変異、挿入、欠失または
スプライス突然変異など様々な突然変異を含む単離されたDNA配列も、同様に
遺伝子治療に役立つ。
【0056】 本発明は、GCR9タンパク質の活性化を遮断するGCR9のアンタゴニスト
も包含する。アンタゴニストとは、それら自体は薬理活性を欠くが、アゴニスト
の作用を防止することによって効果を発揮する化合物である。本発明のアンタゴ
ニストを同定するには、GCR9の天然リガンドとの競争的結合について試験す
ればよい。拮抗的結合と活性のアッセイは、本明細書と引用文献に記述されてい
るように、ダウンレギュレーションに関してGCR9機能をモニターすることか
ら導きうる。GCR9への結合を試験して、本発明のアロステリックリガンドま
たはインバースアゴニストを同定することができる。アンタゴニストの結合には
、例えばイオン力、水素結合、疎水相互作用、ファンデルワールス力、共有結合
など、知られているすべてのタイプの相互作用が関与しうる。多くの場合、アン
タゴニストとGCR9のような分子との相互作用には、複数のタイプの結合が重
要である。
【0057】 さらなる実施の形態として、これらの化合物はGCR9またはそのリガンドの
類似体でありうる。GCR9類似体は、その遺伝子の単離されたDNA配列中の
点突然変異、ヌクレオチド置換および/または欠失(これらはすべて当該技術分
野で詳しく記述されている方法によって生成できる)によって生産できる(Si
moncsitsら,1994)。本発明は、例えばそのエキソンの1またはそ
れ以上の欠失を含むGCR9の単離された核酸配列など、GCR9のスプライス
変異体も包含する。本明細書で用いる用語「スプライス変異体」とは、少なくと
も1つのエキソンを含んでなるヒトGCR9をコードする精製および単離された
DNA分子を意味する。加えて、これらのエキソンは様々な点突然変異を含んで
もよい。
【0058】 本発明のアンタゴニストを修飾するために構造活性相関を使用できる。例えば
、X線結晶学とNMRの手法を用いて本発明の修飾を施しうる。例えば、分子グ
ラフィックスを使って欠失突然変異体の構造モデルを構築するためのテンプレー
トとして使用できるヒトGCR9の三次元構造を作成することができる。次に、
これらのモデルを使って、天然リガンドに匹敵する親和性を有するが天然リガン
ドと比較すると低いGCR9活性を有するGCR9のリガンドを同定し、構築す
ることができる。低い生物学的活性の意味するところは、天然リガンドがもたら
す活性の2〜100,000分の1のGCR9活性、好ましくは天然リガンドが
もたらす活性の100〜1000分の1のGCR9活性である。さらにもう一つ
の実施の形態として、これらの化合物はGCR9構造の動的プローブとして使用
でき、また、細胞株もしくは他の適当なGCR9活性測定手段を用いてGCR9
アンタゴニストを開発するためにも使用できる。
【0059】 また本発明は、GCR9の合成を防止するまたはGCR9の生物学的安定性を
低下させる化合物も提供する。生物学的安定性は、その分子の合成とその分解の
間の時間の尺度である。例えば、タンパク質、ペプチドまたはペプチド模倣体(
Kauvar,1996)治療物質の安定性は、その配列を変化させて酵素分解
に対するその感受性を高めることによって短くなりうる。
【0060】 GCR9遺伝子の直接的調節の他に、本発明はGCR9による細胞内シグナリ
ングの阻害方法も包含する。著しく発エルゴン性のホスホリル転移反応がキナー
ゼとして知られる様々な酵素によって触媒されることは当該技術分野で知られて
いる。すなわちキナーゼはATPと代謝産物の間でホスホリル基を転移させる。
プロテインキナーゼの特異的阻害剤は本発明の範囲に包含される。このように、
これらキナーゼの阻害剤はGCR9の調節に役立ち、アトピー性アレルギーと喘
息の治療に有用である。GCR9シグナリングのもう一つの側面は、GCR9の
Gタンパク質との相互作用に関わる。GCR9−Gタンパク質相互作用を遮断す
るアンタゴニスト、またはGタンパク質活性化を防止するアンタゴニストを開発
することができる。このようなGタンパク質活性化の阻害剤には、ファルネシル
化、パルミトイル化、ミリストイル化、イソプレニル化またはゲラニルゲラニル
化の阻害剤があり、これらはすべて当該技術分野でよく知られている。本発明の
さらなる側面は、GCR9が媒介するシグナル伝達の他の下流エフェクターの阻
害剤の使用に関わる。これらには、この受容体ファミリーの既知の下流エフェク
ターであるホスホリパーゼC、ホスホリパーゼA2、アデニリルシクラーゼ、M
APキナーゼおよびRasの阻害剤が含まれる。GCR9の活性を拮抗するもう
一つの方法は、GCR9シグナル伝達の異種脱感作を起こすもう一つのGタンパ
ク質共役レセプターのリガンドの使用である。この効果の例は当該技術分野では
周知である。
【0061】 本発明のさらにもう一つの側面として、驚くべきことに、アミノステロール化
合物がマイトジェン刺激によるGCR9誘導の抑制に有用であることがわかった
。本発明で有用なアミノステロール化合物は米国特許出願第08/290,82
6号とその関連出願08/416,883および08/478,763、ならび
に08/483,059とその関連出願08/483,057、08/479,
455、08/479,457、08/475,572、08/476,855
、08/474,799および08/487,443(これらは特に引用により
本明細書に援用される)に記載されている。
【0062】 また本発明は、薬学上許容できる担体と共に本発明の化合物を含んでなる薬学
的組成物を包含する。薬学上許容できる担体は、水や油(例えば石油、動物、植
物または合成起源のもの、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油)など
の滅菌液体でありうる。薬学的組成物が静脈内に投与される場合は、水が好まし
い担体である。食塩溶液とデキストロースおよびグリセロール水溶液も液体担体
として、とりわけ注射用溶液に使用できる。好適な薬学的担体は、引用によって
特に本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutic al Science ,(Mack Publishing Company,
ペンシルヴァニア州イーストン,1995)に記載されている。
【0063】 本発明の治療法に使用される化合物は、治療される状態、部位特異的治療の必
要性、投与される薬物の量などの考察すべき事項に応じて、全身投与または局所
投与されうる。
【0064】 局所投与を使用しうる。溶液、懸濁液、ゲル、軟膏など、任意の一般的局所用
製剤を使用できる。そのような局所用製剤の調製は、例えばRemington 's Pharmaceutical Sciences によって例示されるよ うに、医薬製剤の技術分野で詳細に記述されている。局所適用には、これらの化
合物を粉末またはスプレーとして、とりわけエアロゾルの形でも投与できる。活
性成分は全身投与に適合させた薬学的組成物の形で投与できる。知られているよ
うに、薬物を全身投与すべき場合は、それを散剤、丸剤、錠剤などとして、また
は経口投与用のシロップ剤またはエリキシル剤として調製できる。静脈内、腹腔
内または病変内投与には、化合物が注射によって投与できる溶液または懸濁液と
して調製されるだろう。場合によっては、これらの化合物を坐剤の型に製剤化す
るか、皮膚下デポジットまたは筋間注射用の持続放出製剤として製剤化すること
が有用であるかもしれない。好ましい実施の形態として本発明の化合物は吸入に
よって投与できる。吸入療法には、化合物が、定量吸入器による投与に有用な溶
液または乾燥粉末吸入器に適した形をとりうる。
【0065】 有効量とはGCR9を調節することになる量である。所定の有効量は状態ごと
に異なり、場合によっては、治療される状態の重篤度と治療に対する患者の感受
性によって変わりうる。したがって所定の有効量はその時にその場所で定型的な
実験によって決定されるのが一番よい。しかし、本発明に従ったアトピー性アレ
ルギーと喘息関連疾患の治療では、通常は、0.001〜5重量%、好ましくは
約0.01〜1%を含有する製剤が治療有効量を構成するだろう。全身投与する
場合は、0.01〜100mg/kg体重/日の量、好ましくは約0.1〜10
mg/kgが、ほとんどの例で治療成果をもたらすだろう。
【0066】 本出願人はGCR9またはGCR9によって制御される機能を調節する化合物
をスクリーニングする方法にも備えている。GCR9によって発現される機能が
ダウンレギュレートされるかどうかは、当該技術分野で標準的な手法を用いて決
定できる。具体的な一実施の形態として、本出願人はインビトロおよびインビボ
でGCR9を調節する化合物を同定する方法に備える。一実施の形態として、血
清IgEを当該技術分野で周知の手法を使って測定することにより、ある化合物
がインビボで抗原によって誘導されるGCR9の機能をダウンレギュレートする
効力を評価できる。もう一つの実施の形態として、気管支反応性亢進、気管支肺
胞洗浄および好酸球増加を、当該技術分野で周知の手法を用いて測定することに
より、ある化合物がインビボでGCR9の機能をダウンレギュレートする効力を
評価できる。さらに別の実施の形態においてインビトロでGCR9の機能を評価
されるであろう。当業者には知られているように、Gタンパク質共役受容体とし
てヒトGCR9はGタンパク質を特異的に活性化し、これらの細胞過程はGCR
9の機能的阻害剤をアッセイする手段としてモニターすることができる。
【0067】 また本発明は、インビトロ翻訳されたシグナリングタンパク質へのGCR9結
合の簡単なスクリーニングアッセイも包含する。一実施の形態として、細胞RN
Aと細胞タンパク質を単離し、ウェスタンブロット法(タンパク質)またはRT
−PCR(cDNA)によって定常状態で認められるGCR9の相対量をアッセ
イすることにより、GCR9誘導をインビトロおよびインビボでモニターできる
。もう一つの実施の形態として、GCR9プロモーターをCATのルシフェラー
ゼなどのレポーター遺伝子の前にサブクローニングし、そのコンストラクトを使
って、そのレポーター遺伝子の活性を測定することにより、GCR9誘導を遮断
する分子を同定することができる。そのような方法は本発明の好ましい実施の形
態である。
【0068】 本発明は、GCR9を過剰発現するトランスジェニック動物またはGCR9を
野生型生物よりもはるかに低いレベルで発現するトランスジェニック動物も提供
する。「野生型」生物とは、GCR9発現について最も頻繁に観察される表現型
であるもので、通常は恣意的に「正常」個体と呼ばれる。
【0069】 トランスジェニック動物は、クローン化された遺伝物質が導入されている遺伝
子修飾動物である。クローン化された遺伝物質は、しばしば導入遺伝子と呼ばれ
る。導入遺伝子は標的動物の種と同じ種または異なる種(非動物種を含む)のゲ
ノムに由来する核酸配列からなりうる。
【0070】 トランスジェニック技術の開発により、研究者は、事実上どのような遺伝子型
哺乳動物でも作出でき、特定の外来核酸配列を導入した帰結を形質転換された動
物の生理学的および形態学的特徴に関して評価できる。トランスジェニック動物
を利用できれば、細胞過程に影響を与え、他の大半の試験系では達成できない系
統的かつ特異的な方法でそれらを調べることができる。例えばトランスジェニッ
ク動物の開発は疾患の研究に役立つモデルを生命科学者と医学者に提供する。そ
のような動物は、新らしい医薬活性物質の試験と開発にも役立つ。遺伝子治療は
、遺伝的疾患の症状を改善または治療するために使用できる。
【0071】 トランスジェニック動物は、トランスフェクション、エレクトロポレーション
、マイクロインジェクション、バイオリスティックス(遺伝子粒子加速法または
微粒子射撃法などとも呼ばれる)、胚性幹細胞での遺伝子ターゲティング、組換
えウイルスおよびレトロウイルス感染など、多種多様な方法によって作出できる
(米国特許第4,736,866号;米国特許第5,602,307号;Mul
linsら,1993;Breninら,1997;Tuan,Recombi nant Gene Expression Protocols, Meth ods in Molecular Biology ,Humana Pres
s,1997を参照)。
【0072】 「ノックアウト」という用語は一般に特定遺伝子のヌル対立遺伝子を含有する
突然変異生物を指す。「ノックイン」という用語は一般に、ある遺伝子が相同組
換えによって挿入されている突然変異生物を指す。ノックイン遺伝子は、内因性
の野生型遺伝子を置換する突然変異型の遺伝子であってもよい。GCR9遺伝子
に関してノックインまたはノックアウトマウスであるマウスは本発明の開示によ
って包含される。
【0073】 組換え齧歯動物は、例えば活性化された癌遺伝子配列を発現させるもの(米国
特許第4,736,866号)、サルSV40T抗原を発現させるもの(米国特
許第5,728,915号)、インターフェロン調節因子1の発現を欠くもの(
米国特許第5,731,490号)、ドーパミン作用機能不全を示すもの(米国
特許第5,723,719号)、血圧制御に関与する少なくとも一つのヒト遺伝
子を発現させるもの(米国特許第5,731,489号)、自然に起こるアルツ
ハイマー病に見られる状態に、より高い類似性を示すもの(米国特許第5,72
0,936号)、細胞接着を媒介する能力が低下しているもの(米国特許第5,
602,307号)およびウシ成長ホルモン遺伝子をも有するもの(Clutt
erら,1996)など、数多く作出されている。
【0074】 齧歯動物、とりわけマウスとラットは、今も大半のトランスジェニック実験に
うってつけの動物であるが、場合によっては、別の動物種を使用することが好ま
しいか、またはそうする必要さえある。トランスジェニック法は、ヒツジ、ヤギ
、ブタ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、ハムスター、ウサギ、ウシおよびモ
ルモットを含むマウス以外の様々な動物で成功裏に使用されてきた(Kimら,
1997;Houdebine,1995;Petters,1994;Sch
niekeら,1997;Amoahら,1997を参照)。
【0075】 組換え適格な哺乳類細胞への核酸断片の導入方法は、複数の核酸分子の同時形
質転換に有利な任意の方法によることができる。当業者は、トランスジェニック
動物を作出するための詳細な手順を、米国特許第5,489,743号と米国特
許第5,602,307号中の引用文献を含めて、容易に入手できる。
【0076】 本発明の実施には、当業者の通常の熟練度の範囲内である分子生物学、薬理学
、免疫学および生化学の従来の用語と手法を使用することになる(Sambro
okら,Molecular Cloning−A Laboratory M anual ,第2版,Cold Spring Harbor Laborat
ory Press,1985またはAusubelら,Current Pr otocols in Molecular Biology ,John Wi
ley & Sons,1994を参照)。
【0077】 本発明の他の実施の形態は、ここに開示する本発明の明細と実施を検討するこ
とによって、当業者に明らかになるだろう。これらの明細と実例は例示とみなさ
れるべきであり、本発明の真の範囲は請求の範囲によって示されるものとする。
【0078】
【実施例】
(実施例1)IL−9発現性遺伝子のcDNA差異分析 マウスTリンパ球細胞クローンTS2を使用してIL−9誘導性遺伝子を単離
した。TS2は先に記載されているようにマウスリンパ球の初代培養に由来する
Tヘルパー細胞株である(Uyttenhoveら,1988;Louahed
ら,1995)。この細胞株は培養中のIL−2、IL−4またはIL−9サイ
トカインに反応して増殖することが示された。IL−9特異的に誘導される遺伝
子を同定するために、cDNA差異分析をIL−2またはIL−9の存在下に培
養した細胞から得たmRNAで行なった。
【0079】 細胞培養とサイトカイン。10%ウシ胎児血清、50μM 2−メルカプトエ
タノール、0.55mM L−アルギニン、0.24mM L−アスパラギンお
よび1.25mM L−グルタミンを補足したDMEM培地中で、TS2細胞を
生育した。この因子依存性細胞株はIL−2、IL−4またはIL−9いずれか
の存在下に抗原またはフィーダー細胞なしで生育できた。
【0080】 cDNA合成。IL−2(200U/ml)またはIL−9(200U/ml
)で48時間刺激したTS2細胞から、グアニジンイソチオシアネート法(Ch
omczynskiら,1987)によって全RNAを調製した。ポリアデニル
化RNAをオリゴ(dT)セルロースカラムを使って全RNAから精製した。S
uperscript II逆転写酵素とオリゴ(dT)プライマーを製造者(
Gibco−BRL社)の提案通りに使用して、逆転写によって二本鎖cDNA
を調製した。次に、フェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によっ
てcDNA差異分析用のcDNAを調製した。ヌクレアーゼを含まない水に生成
物を再懸濁し、アガロースで分析することにより、後述のように生成物の品質を
決定した。
【0081】 cDNA差異分析プロトコール。IL−2またはIL−9で処理されたTS細
胞の示差的cDNA分析は、以前に報告されているように(Hubankら,1
994)、Lisitsynら(1993)のゲノムcDNA差異分析法に基づ
いて行なった。
【0082】 TS2細胞より単離された細胞質ポリアデニル化mRNAから、オリゴ(dT
)プライマーを使ってcDNAを生成させた。cDNAをDpnIIで消化した
後、フェノール−クロロホルム−イソアミルアルコールで2回、クロロホルム−
イソアミルアルコールで1回抽出した。グリコーゲン担体を添加した後、100
%エタノールで沈殿させた。そのペレットを70%エタノールで洗浄し、乾燥し
、TE緩衝液に再懸濁した。
【0083】 アダプターを連結するために、消化したcDNAを脱塩したR−Bgl−24
オリゴ(5'−AGCACTCTCCAGCCTCTCACCGCA−3')とR
−Bgl−12オリゴ(5'−GATCTGCGGTGA−3')(比2:1)、
10×リガーゼ緩衝液および水と混合した。消化したcDNAにオリゴを50℃
で1分間アニールさせた後、10℃に1時間冷却し、次にT4DNAリガーゼを
添加して16℃で終夜インキュベートした。次にライゲーション反応液をTE緩
衝液で希釈した。
【0084】 標本(representation)の生成。希釈したライゲーション反応
液を5×PCR緩衝液、dNTPヌクレオチド混合物、水およびR−Bgl−2
4プライマーと混合した。その反応液を72℃に3分間加熱して12マーを除去
した後、TaqDNAポリメラーゼを添加した。次にそれらの反応液を72℃で
5分間インキュベートして末端を埋めた後、20サイクルのPCRサイクリング
プロトコール(95℃で1分、72℃で3分)を遂行した。最終伸長段階(72
℃で10分)をそのサイクリングプロトコールの最後に含めた。
【0085】 PCR産物をフェノール−クロロホルム−イソアミルアルコールで2回、クロ
ロホルム−イソアミルアルコールで1回抽出し、イソプロパノールで沈殿させた
。ペレットを70%エタノールで洗浄し、TE緩衝液に再懸濁した。次に、各標
本をDpnIIで消化した後、フェノール−クロロホルムで1回、クロロホルム
でもう1回抽出した。消化した標本をイソプロパノールで沈殿させ、70%エタ
ノールで洗浄し、TE緩衝液に再懸濁した。このDNAを切断済ドライバー(D
RIVER)と名付けた。
【0086】 テスター(TESTER)の調製。消化した標本をTE緩衝液で希釈し、10
×ローディング緩衝液と混合し、1.2%TAE調製用ゲルに充填し、ブロモフ
ェノールブルーが約2cm移動するまで電気泳動した。そのゲルのアンプリコン
含有部分を切り出して、それを、消化されたリンカーから分離した。このDNA
をそのゲル切片から精製し、TE緩衝液に再懸濁し、テスターと名付けた。
【0087】 テスターのJ−オリゴへの連結。テスターを10×リガーゼ緩衝液、水、脱塩
したJ−Bgl−24オリゴ(5'−ACCGACGTCGACTATCCAT GAACA−3')およびJ−Bgl−12オリゴ(5'−GATCTGTTCA
TG−3')(比2:1)と混合した後、テスターに50℃で1分間アニールさ せ、次に、10℃に1時間冷却した後、T4DNAリガーゼを添加し、16℃で
終夜インキュベートした。次にライゲーション反応液をTE緩衝液で希釈した。
【0088】 差引きハイブリッド形成法。消化したドライバー標本とJ連結テスター標本を
混合した後、フェノール−クロロホルムで抽出した。DNAを100%エタノー
ルで沈殿させ、70%エタノールで2回洗浄し、乾燥し、TE緩衝液に再懸濁し
た。反応液の上に鉱油を重層し、98℃で5分間変性させ、67℃に冷却した後
、5M塩化ナトリウムを添加し、20時間インキュベートしてハイブリッド形成
を完了させた。
【0089】 第一差異産物の生成。鉱油を除去し、DNAをTE緩衝液と5μg/μl酵母
RNAで希釈した。各差引き設定をするために、希釈したハイブリッド形成混合
物を5×PCR緩衝液、dNTPヌクレオチド混合物および水と混合した。その
反応液を72℃で3分間インキュベートして12マーを除去し、TaqDNAポ
リメラーゼを加え、72℃でさらに5分間インキュベートし、J−Bgl−24
プライマーを添加した後、10サイクルのPCRサイクリングプロトコール(9
5℃で1分、70℃で3分)を遂行した。そのサイクリングプロトコールの最後
に最終伸長段階(72℃で10分)を含めた。反応液をフェノール−クロロホル
ム−イソアミルアルコールとクロロホルム−イソアミルアルコールで1回抽出し
た。グリコーゲン担体を添加した後、100%エタノールで沈殿させた。そのペ
レットを70%エタノールで洗浄し、0.2×TE緩衝液中で再懸濁した。
【0090】 次にPCR産物をマングビーン(mung bean)ヌクレアーゼで30℃
で35分間消化し、50mMトリス塩酸の存在下に98℃で5分間インキュベー
トすることによって反応を停止した。マングビーンヌクレアーゼ処理DNAを5
×PCR緩衝液、dNTPヌクレオチド混合物、水およびJ−Bgl−24オリ
ゴと混合した。反応液を95℃で1分間インキュベートし、80℃に冷却し、T
aqDNAポリメラーゼを加えた後、18サイクルからなるPCRサイクリング
プロトコール(95℃で1分、70℃で3分)を遂行した。そのサイクリングプ
ロトコールの最後に最終伸長段階(72℃で10分)を含めた。PCR産物をフ
ェノール−クロロホルム−イソアミルアルコールで2回、クロロホルム−イソア
ミルアルコールで1回抽出した。DNAをイソプロパノールで沈殿させ、70%
エタノールで洗浄し、TE緩衝液に再懸濁した。この反応生成物を第一差異産物
(DP1)と名付けた。
【0091】 差異産物上のアダプターの変更。DP1をDpnIIで消化し、フェノール−
クロロホルム−イソアミルアルコールで2回抽出し、100%エタノールで沈殿
させた。そのペレットを70%エタノールで洗浄し、TE緩衝液に再懸濁した。
鋳型DNAを消化したDP1、10×リガーゼ緩衝液、水、N−Bgl−24オ
リゴ(5'−AGGCAACTGTGCTATCCGAGGGAA−3')および
N−Bgl−12オリゴ(5'−GATCTTCCCTCG−3')(比2:1)
と混合した後、50℃で1分間アニールし、次に10℃に1時間冷却した後、T
4DNAリガーゼを添加し、16℃で終夜インキュベートした。
【0092】 第二差異産物(DP2)と第三差異産物(DP3)の生成。DP2については
、N連結DP1をドライバーと混合し、差引き段階と増幅段階(テスター:ドラ
イバー比1:800)を上述のように繰り返した(ライゲーション段階にはJオ
リゴを使用した)。DP3については、5μg/μlの酵母RNAを含有するT
E緩衝液でJ連結DP2を希釈した。J連結DP2をドライバーとハイブリダイ
ズさせ、差引き段階と増幅段階(テスター:ドライバー比1:400,000)
を上述のように繰り返し、22サイクルの最終増幅プロトコールを行なって、D
P3を生成させた。
【0093】 DP3のクローニングは、DpnIIによるDP3の消化、上述したようなT
AE調製用ゲルでの単離、切り出したバンドからの精製、pTZ19Rベクター
へのクローニングによって達成した。差異産物をまず、元のアンプリコンのブロ
ットに対してプローブすることによる真の差異産物のコンフォメーション、配列
決定またはノーザンブロットで差異産物が2以上の転写物に由来するかどうかを
決定することによるコンフォメーション、クローン化DP3ミニプレップのプラ
スミドブロットをプローブすることでクローニング頻度を確かめること、および
BLASTmailによる同定を想定して真の相違を配列決定すること、によっ
て特徴づけた。
【0094】 (実施例2) 新規なIL−9誘導性Gタンパク質共役受容体の同定 cDNA差異分析から同定されたいくつかのcDNAの一つは、Nation
al Center for Biotechnology Informat
ionのENTREZデータベースに含まれない新規cDNAであることがわか
った。差異分析から単離された断片をプローブとして使用することにより、マウ
スcDNAライブラリーから全長cDNAをクローニングした。先に報告されて
いるように(Louahedら,1995)、pSVK3プラスミドライブラリ
ーに従来の方法でTS2cDNAライブラリーを調製した。1791塩基のcD
NAが単離された。これは330アミノ酸のタンパク質をコードするオープンリ
ーディングフレームを含有し、それをマウスGCR9と名付けた。図1は、開始
コドンの上流にΔで示す1.2キロベースイントロンを含むマウスGCR9cD
NAのヌクレオチド配列とアミノ酸配列を示す。前記の全長cDNAのヌクレオ
チドBLAST(Altschulら,1990)データベース検索により、こ
のcDNAがいくつかのG共役受容体タンパク質に類似することが明らかになっ
た。図2はGCR9に関係するタンパク質メンバーを示すG共役受容体ファミリ
ーの系統樹を示す。マウスGCR9の疎水性プロットは、その遺伝子産物が7回
膜貫通ドメイン配列モチーフを含有するポリペプチドをコードするらしいことを
示している(図3)。これは他のGタンパク質共役受容体分子の顕著な特徴であ
る(Larhammarら,1992)。このデータはマウスGCR9がシグナ
ル伝達に関与するIL−9誘導性遺伝子であることを示唆している。
【0095】 (実施例3) マウスGCR9の組織分布 マウスGCR9遺伝子発現をFVBNJマウスの様々な組織で評価した。マウ
スを安楽死させ、様々な器官を無菌的に摘出し、Trizol(Gibo−BR
L社)法を製造者の記載に従って、使用することにより、全RNA抽出物を調製
した。全細胞RNAを電気泳動によって分画し、Hybond−Cニトロセルロ
ース膜(Amersham社)に移し、プローブした。GCR9プローブは、R
andomPrime DNAラベリングキット(Boehringer Ma
nnheim社)を使って標識したGCR9の全コード配列を含有する1.8キ
ロベースcDNAとした。オートラジオグラフィー後に、RNAの完全性を確認
するために全てのブロットをマウスGAPDHプローブで再プローブした。
【0096】 全長GCR9cDNAプローブでプローブした、様々な組織に由来するマウス
RNAのノーザンブロットの分析により、GCR9は脾臓とリンパ節中でかなり
発現され、結腸と骨髄でそれよい少ない程度に発現されることがわかった(図4
)。
【0097】 (実施例4) GCR9はマウス細胞中でIL−9によりインビトロで誘導さ れる マウスGCR9がIL−9によって誘導されることを確認するために、マウス
Tヘルパー細胞株TS6とST2K9を200U/mlマウスIL−9またはヒ
トIL−2中で培養した。細胞数を数え、全RNAを電気泳動によって分画し、
Hybond−Cニトロセルロース膜(Amersham社)に移し、プローブ
した。GCR9プローブはRandomPrime DNAラベリングキット(
Boehringer Mannheim社)を使って標識したGCR9の全コ
ード配列を含有する1.8キロベースcDNAとした。オートラジオグラフィー
後に、RNAの完全性を確認するためにマウスGAPDHプローブですべてのブ
ロットを再プローブした。このインビトロ実験の結果は、マウスGCR9が、サ
イトカイン依存性マウス細胞株TS6およびST2K9中で、IL−9の存在下
に培養された時に、特異的に発現されることを示した(図5)。IL−9の特異
的誘導は、その遺伝子がIL−9の存在下で発現され、IL−2の存在下では発
現されないという事実によって証明される。
【0098】 C57BL6およびDBA2マウス脾細胞中のGCR9の誘導性を評価するた
めに、培養を樹立し、GCR9発現をノーザンブロットでアッセイした。麻酔し
たマウスからの脾臓の無菌的摘出により、脾細胞を無処置のDBA2およびC5
7BL6マウスから単離した。次に、その脾臓を無菌的に細断し、組織を滅菌し
た網篩に通した。細胞をRPMI−1640培地に再懸濁し、培地で2回洗浄し
た。次に細胞を溶解緩衝液(脱イオン水500ミリリットル中、塩化ナトリウム
4.15g、重炭酸カリウム0.5g、EDTA 0.019g)に再懸濁して
赤血球を溶解した。次に細胞を37℃で5分間インキュベートし、10%ウシ胎
児血清を補足したRPMI−1640に懸濁した。細胞を遠心分離し、そのペレ
ットを、5μg/mlのコンカナバリンAを添加した20ミリリットルの培地に
再懸濁した。細胞を収集して、上記グアニジンイソチオシアネート法でRNAを
単離した。ランダムヘキサマー(Pharmacia社)とSuperscri
pt II(Gibco−BRL社)をその製造者の提案通りに使用することに
より、cDNAを生成させた。先に記述されているように(Nicolaide
sら,1995)、メッセージをPCRによって分析した。マウスGCR9メッ
セージを生成させるために使用したプライマーは5'−CAGACTGGCAC AGTTCCTTGA−3'(配列番号13)と5'−CAGATGGGTGGA
GGTGTC−3'(配列番号14)で、これは1162塩基の遺伝子産物を生 成する。β−アクチンをcDNAの完全性を測るための内部標準として先に記載
されているプライマー(Louahedら,1995)を用いてアッセイした。
使用した増幅条件は94℃で1分、60℃で2分およびで72℃2分を、βアク
チンとGCR9について、それぞれ20でサイクルと26サイクルである。
【0099】 このデータから、C57BL6(図7)およびDBA2(図8)に由来する脾
細胞においてコンカナバリンA刺激の24時間および48時間後にGCR9発現
が誘導されることが証明された。さらにこのデータは、脾臓に含まれる細胞の生
理学におけるGCR9の役割を裏付け、マイトジェン活性化に続く脾細胞でのシ
グナリングにある役割を持ちうる。
【0100】 (実施例5) マウスGCR9はIL−9によりインビトロで誘導される 初代IL−9反応性細胞におけるGCR9の誘導性を、骨髄由来の初代マスト
細胞を使ってさらに評価した。1ng/mlの組換えマウスIL−3か、あるい
はIL−3と200U/ml IL−9の組合せを補足した20%ウシ胎仔血清
、0.55mM L−アルギニン、0.24mM L−アスパラギン、1.25
mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプ
トマイシン、50μM 2−メルカプトエタノールを補足したRPMI−164
0培地で、BALBcマウスから得た骨髄を4週間培養することにより、マウス
骨髄由来マスト細胞(BMMC)を得た。この集団のFACS分析は、ビオチニ
ル化IgEによる均一な染色を示し、抗Mac−1、抗Mac−2、抗Mac−
3および抗Thy1抗体では染色されなかった。
【0101】 IL−3またはIL−3とIL−9の存在下で培養したBMMCを収集し、実
施例1に記載したようにRNAを抽出し、逆転写した。cDNAを、GCR9と
β−アクチンの発現について、実施例4に記載したようにPCRで分析した。そ
のデータは、IL−3+IL−9の存在下で生育したBMMC中にはGCR9が
発現されるが、IL−3のみの存在下で生育したBMMC中にはGCR9が発現
しないことを示した(図9)。このデータにより、GCR9が初代マスト細胞中
で誘導され、それらの生理学にある役割を果たしうることが証明された。
【0102】 (実施例6) マウスGCR9はIL−9によりインビボで誘導される Tg5マウスとFVBNJマウスの両方で、マウスGCR9発現をインビボで
評価した。FVBNJ(FVB)はIL−9を過剰発現するIL−9トランスジ
ェニック系統(Tg5)の親系統である。IL−9トランスジェニックマウスの
作出は先に記述されているように行なった(Renauldら,1994)。マ
ウスを安楽死させ、胃を無菌的に摘出し、Trizol(Gibco−BRL社
)法を製造者の記載に従って、使用して全RNA抽出物を調製した。実施例4に
記載したようにRT−PCRを行った。Tg5マウスとFVBマウスの胃に由来
するRNAのRT−PCR分析は、IL−9トランスジェニックマウスにおける
GCR9の発現を示し、それらの対応する親系統ではその発現が認められなかっ
た。このデータは、増加したIL−9濃度の存在(これはIL−9トランスジェ
ニックマウスで起こり、親系統では起こらない)により、GCR9の発現がイン
ビボで誘導されることを証明している。
【0103】 (実施例7) ヒトGCR9相同体のクローニング IL−2に反応する同じ細胞がIL−2の存在下にGCR9を発現させないこ
とから、マウスGCR9遺伝子はIL−9経路によりIL−9に反応する細胞中
で特異的に誘導されるように見える。ヒト系でのGCR9のIL−9誘導性を決
定するために、本出願人は2つの戦略を使ってヒトGCR9相同体を単離した。
まず、低ストリンジェンシーPCRを使用して、相同なヒトGCR9配列をスク
リーニングした。マウス遺伝子の5'末端に対するオリゴデオキシヌクレオチド を使って、ヒトゲノムDNAを低いストリンジェンシーで増幅した。PCR反応
は実施例3に記載の緩衝液中で行なった。使用したプライマーはマウス遺伝子の
N末端に相当する501塩基産物を生成する5'−GGCACAGTTCCTT GATCCTCA−3'(配列番号15)および5'−GCTCTTGGGTGA
AGTTCTCGT−3'(配列番号16)であった。増幅は94℃で30秒、 60℃で60秒、72℃で60秒の35サイクルを使って行なった。産物をTテ
ール付ベクターに製造者(Invitrogen社)の記載に従って、クローニ
ングした。10個の組換えクローンを配列決定したところ、同じインサートを含
有することがわかった。
【0104】 次に、Marathon−Ready cDNAシステム(Clontech
社、カリフォルニア州パロアルト)を使って、ヒトGCR9遺伝子をクローニン
グした。このクローニングシステムはRACE(rapid amplific
ation of cDNA ends)に長距離PCRを使用し、全長cDN
Aの生成を可能にする。この迅速クローニングシステムはポリA+RNAからの
二本鎖cDNA合成と、特別に設計されたcDNAアダプターへの連結から始ま
る。次に、前記cDNAをRACE PCRで鋳型として使用することにより、
5'または3'末端もしくは全長cDNAを得ることができる。RACE反応に使
用したヒトGCR9プライマーは、5'反応用の5'−GAGCCACGTGCT
GCAGTAGATGCTGCT−3'(配列番号17)と3'反応用の5'−C TGCCAACCTCCTGGCCCTGCGGGCCTT−3'(配列番号1 8)である。次に、ネステッドプライマー、5'ネステッド反応用の5'−GTA
CCAGCGGAAGTTCGACGCAGCCTCGA−3'(配列番号19 )と3'ネステッド反応用の5'−GTCCTTTGGTCACTGCACCAT
CGT−3'(配列番号20)、を使った第二ネステッドPCRによってcDN Aをさらに増幅した。次に、そのネステッドPCR産物をTAクローニングベク
ターpCR21(Clontech社)にクローニングし、配列決定した。
【0105】 ヒトGCR9遺伝子の5'領域に由来するプライマーを用いたヒトcDNAの RACE反応により、ヌクレオチド配列がマウスGCR9遺伝子に対して84%
の相同性を示す全長cDNA(図10)が同定された。推定アミノ酸配列の整列
により、ヒトGCR9はマウスGCR9に対して84%同一であることが明らか
になった。このデータはIL−9誘導性マウスGCR9のヒト相同体を同定した
ものであり、またマウス配列とヒト配列の間の高度な保存ゆえに、細胞生理学に
おけるこのタンパク質の重要性を証明するものである。
【0106】 (実施例8) GCR9にハイブリダイズする核酸 配列番号1および3に記載のヒトまたはマウスGCR9ヌクレオチド配列にハ
イブリダイズする核酸分子を同定するには、ハイブリッド形成のストリンジェン
シーを制御するために利用できる任意の方法を使って、ハイブリッド形成アッセ
イを行なう。ハイブリッド形成は数ある変数のなかでもとりわけ配列同一性(相
同性)、配列のG+C含量、緩衝液塩濃度、配列の長さ、二本鎖融解温度(Tm )の関数である(Maniatisら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual ,Cold Spring Har
bor Laboratory Press,1982)。
【0107】 ハイブリッド形成分析は、(Sambrookら,Molecular Cl oning: A Laboratory Manual ,第2版,Cold
Spring Harbor Laboratory Press,1989)
の第9章の方法に従って、ゲノムDNA、またはTリンパ球細胞株から得たmR
NAより調製されるcDNAプールを使って行なうことができる。簡単に述べる
と、ナイロン膜を使ったハイブリッド形成法は、配列番号1および/または配列
番号3からなる放射標識プローブを用いて、42℃の6×SSC、0.5%SD
S、100μg/ml変性超音波処理サケ精子DNAおよび50%ホルムアミド
中で行なわれる。ハイブリッド形成後、フィルターを2×SSCおよび0.1%
SDSで洗浄し、37℃の0.1×SSCと0.5%SDSおよび68℃の0.
1×SSCと0.5%SDSで数回洗浄する。結果はオートラジオグラフィーで
視覚化される。
【0108】 次の配列からなる核酸分子は、上記の条件で配列番号1からなるプローブにハ
イブリダイズする:5'−CAGACTGGCACAGTTCCTTGA−3'(
配列番号13)および5'−CAGATGGGTGGAGGTGTC−3'(配列
番号14)。
【0109】 次の配列からなる核酸分子は上記の条件で配列番号3からなるプローブにハイ
ブリダイズする:5'−GAGCCACGTGCTGCAGTAGATGCTG CT−3'(配列番号17)、5'−CTGCCAACCTCCTGGCCCTG
CGGGCCTT−3'(配列番号18)、5'−GTACCAGCGGAAGT
TCGACGCAGCCTCGA−3'(配列番号19)および5−GTCCT TTGGTCACTGCACCATCGT−3'(配列番号20)。
【0110】 (実施例9) ヒトGCR9の組織分布 ヒト多組織ノーザンブロット(human multiple tissue
Northern blot;Clontech社,カリフォルニア州パロア
ルト)をヒトGCR9に特異的なcDNAプローブでプローブすることによって
、ヒトGCR9遺伝子発現を評価した。GCR9プローブは、RandomPr
ime DNAラベリングキット(Boehringer Mannheim社
)を使って標識したGCR9の全コード配列を含有する2.6キロベースのcD
NAとした。オートラジオグラフィー後に、RNAの完全性を確認するためにヒ
トGAPDHプローブで全ブロットを再プローブした。
【0111】 全長GCR9cDNAプローブでプローブした、様々な組織に由来するヒトR
NAのノーザンブロットの分析から、GCR9が末梢血白血球と脾臓でかなり発
現され、結腸ではそれより少ない程度に発現されることが明らかになった(図1
1)。
【0112】 (実施例10) ヒトGCR9はIL−9によりインビトロで誘導される IL−9経路によって誘導されるというヒトGCR9の能力を評価するために
、初代好酸球とマスト細胞をヒトGCR9の発現レベルについてアッセイした。
1×107細胞を単離し、リン酸緩衝食塩溶液で3回洗浄し、0.5%ウシ血清 アルブミンと補因子類(Gibco−BRL社)を補足した12ミリリットルの
RPMI−1640培地に播種した。12時間インキュベートした後、細胞に5
0ng/ml IL−9を24時間補足した。翌日、細胞を収集し、製造者の記
載に従って、Trizol(Gibco−BRL社)法で全RNAを抽出した。
RNAをやはり実施例3に記載したように加工し、cDNAに逆転写した。次に
、等量のcDNAを、ヒトGCR9の単離に使用したものと同じオリゴデオキシ
ヌクレオチドプライマーを使って増幅した。実施例4に記載したようにcDNA
の完全性をモニターするための対照としてβ−アクチンを使用した。PCR増幅
は95℃30秒、60℃60秒および72℃60秒で35サイクル行なった。反
応液はアガロースゲルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色する。
【0113】 RT−PCRで決定したところ、ヒト好酸球とマスト細胞はどちらもGCR9
を発現した。さらに、IL−9の存在下で培養したマスト細胞ではGCR9発現
の誘導が起こる(図12)。このデータにより、GCR9が初代マスト細胞中で
誘導され、したがってこれらの細胞を必要とする免疫反応に関与することが証明
された。
【0114】 (実施例11) マウス脾細胞におけるアミノステロールによるGCR9誘導 の遮断 DBA2気管支反応性亢進マウスから得た脾細胞をアミノステロール化合物で
処理して、マイトジェンに反応して起こるGCR9の誘導を遮断するというそれ
らの能力について調べた。使用したアミノステロールは、ツノザメ(dogfi
sh shark)の肝臓から、抗増殖性であるらしい分子群として同定された
化合物である。一連のアミノステロールを、DBA2マウスから得たマイトジェ
ン刺激脾細胞におけるGCR9発現およびTh2活性を阻害するというそれらの
能力についてアッセイした。前記化合物の構造の例を図13に示す。
【0115】 麻酔したマウスからの脾臓の無菌的摘出により、未処置DBA2マウスから脾
細胞を単離した。次に脾細胞を細断し、組織を滅菌した網篩に通した。細胞をR
PMI−1640培地に再懸濁し、RPMI−1640中で2回洗浄した。次に
細胞を実施例3と同様に溶解緩衝液に再懸濁して赤血球を溶解した。細胞を37
℃で5分間インキュベートし、10%ウシ胎児血清を補足したRPMI−164
0培地に再懸濁した。次に細胞を遠心分離し、5μg/mlのコンカナバリンA
を補足した20ミリリットルにペレットを再懸濁した。細胞培養を10μg/m
lのアミノステロール化合物で24時間処理した。次に細胞を収集し、Triz
ol(Gibco−BRL社)法を製造者の記載に従って、使ってRNAを単離
した。
【0116】 アミノステロール化合物で処理した脾細胞から得たRNAを逆転写し、メッセ
ージを先に記述されているようにPCRで分析した(Nicolaidesら,
1995)。マウスGCR9メッセージを生成させるのに使用したプライマーは
、267塩基の遺伝子産物を生成するセンス5'−CCAGACTGGCACA GTTCC−3'(配列番号17)と5'−TGCTGTAGAAGCCGAAG
CC−3'(配列番号18)であった。先に記載されたプライマーを用いて、c DNAの完全性を測るための内部対照としてβ−アクチンをアッセイした(Ni
colaidesら,1991)。使用した増幅条件は95℃30秒、58℃9
0秒および72℃90秒を35サイクルであった。図14は、GCR9発現に対
するアミノステロール類の効果を表す。このデータにより、特定のアミノステロ
ール(1409など)がインビトロでGCR9の発現を遮断する能力を有するこ
とが明らかになり、一方、1436や1569などの類似する化合物は発現に影
響しなかった。
【0117】 (実施例12) マウスGCR9タンパク質発現の抗体検出 マウスGCR9タンパク質の残基65〜82(RIVEAASNFRWYLPK
IVC)(配列番号6)に相当する合成ポリペプチドでウサギを免疫することに
より、GCR9に対するポリクローナルウサギ抗血清を生成させた(Harlo
w & Lane's,Antibodies: A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratory
Press,1988を参照)。ウェスタンブロットでGCR9タンパク質発
現を検出するには、抗血清の1000倍希釈液で十分であると実験的に決定され
た。
【0118】 マウスGCR9cDNAをpCDNA3発現ベクターにクローニングし、ヒト
胎児腎細胞(HEK293)にリン酸カルシウム法で導入した。プールしたトラ
ンスフェクト細胞をネオマイシン(3μg/ml)で選択し、GCR9タンパク
質発現をウェスタンブロットによってアッセイした。マウスGCR9遺伝子をコ
ードする発現ベクターをトランスフェクトされたHEK293細胞は、GCR9
に相当するかなりの量の37キロダルトンタンパク質を発現した(図15)。空
ベクターをトランスフェクトされた細胞については、結果は陰性だった。
【0119】 GCR9タンパク質発現がIL−9によって誘導されることを確認するために
、マウスTヘルパー細胞株TS2をマウスIL−9(50μg/ml)または陰
性対照としてのIL−2(40μg/ml)(R&D System社)と共に
培養した。細胞数を数え、等しい数の細胞から細胞膜画分を単離し、GCR9タ
ンパク質誘導をウェスタンブロットによってアッセイした。
【0120】 この実験により、GCR9がIL−9の存在下で培養した時にサイトカイン依
存性マウス細胞株TS2で特異的に発現されることが証明された(図15)。I
L−9による特異的誘導は、ウェスタンブロットで調べたところ、その遺伝子が
IL−9の存在下で発現されるが、IL−2の存在下では発現されないという事
実によって証明される。このデータは、IL−9反応性細胞が細胞内シグナリン
グのためにGCR9を産生するという、GCR9発現に対するIL−9の直接的
効果を証明している。
【0121】 (実施例13) 喘息のマウスモデルにおけるGCR9の役割:非感作動物の 気道反応 5〜6週齢のDBA2、C57BL6またはB6D2F1マウスはNatio
nal Cancer InstituteまたはJackson Labor
atories(メイン州バーハーバー)から入手する。IL−9トランスジェ
ニックマウス(Tg5)とその親系統(FVB)はLudwig Instit
ute(ベルギー・ブリュッセル)から入手する。動物を、ウイルスおよび抗原
フリー施設の高効率粒子濾過空気層流フード中に飼い、実験操作前に齧歯動物用
飼料と水を3〜7日間自由に摂取させる。その動物施設を22℃に保ち、明:暗
周期を自動制御する(10:14時間周期)。
【0122】 表現型別と前処置の効力.気管支収縮反応を測定するために、薬物への曝露前
と曝露中に呼吸器系圧を気管で測定し、記録する。マウスを麻酔し、先に記述さ
れているように機器を装着する(Levittら,1988;Levittら,
1989;Kleebergerら,1990;Levittら,1991;L
evittら,1995;Ewartら,1995)。気道反応性を次の1また
はそれ以上に対して測定する:5−ヒドロキシトリプタミン、アセチルコリン、
アトラクリウムまたはサブスタンスP類似体。気道圧力時間インデックス(Ai
rway Pressure Time Index;APTI)と呼ばれてい
る、気管支収縮剤投与に続くピーク吸気圧の変化の簡単で反復可能な測定を使用
する(Levittら,1988;Levittら,1989)。APTIは注
射の時間からピーク圧力がベースラインまたはプラトーに戻るまで積分されるピ
ーク呼吸圧の変化によって評価される。APTIは気道抵抗に匹敵するが、AP
TIは気管支収縮からの回復に関係する追加の成分を含む。
【0123】 屠殺前に、血清IgE測定のために、麻酔した動物の下大静脈の針穿刺によっ
て全血を集める。試料を遠心分離して細胞を分離し、血清を集め、総IgEレベ
ルの測定に使用する。直ちに測定しない試料は−20℃で凍結する。
【0124】 ELISA抗体サンドイッチアッセイを用いて全てのIgE血清試料を測定す
る。マイクロタイタープレートを、アジ化ナトリウムを含む炭酸ナトリウム−重
炭酸ナトリウムのコーティング緩衝液中、2.5μg/mlの濃度のラット抗マ
ウスIgE抗体(Southern Biotechnology社)でコーテ
ィング(1ウェルあたり50μl)する。プレートをプラスチックラップで覆い
、4℃で16時間インキュベートする。プレートをリン酸緩衝食塩水中0.05
%Tween−20の洗浄緩衝液で、各洗浄ごとに5分間インキュベートして3
回洗浄する。非特異的結合部位の遮断は、リン酸緩衝食塩水中の5%ウシ血清ア
ルブミンを各ウェルに200μl加え、プラスチックラップで覆い、37℃で2
時間インキュベートすることによって達成する。洗浄緩衝液で3回洗浄した後、
2回用の50μl試験試料をウェルに加える。洗浄緩衝液中の5%ウシ血清アル
ブミンで1:10、1:50および1:100に希釈した後、試験試料をアッセ
イする。試験試料の他に、洗浄緩衝液中の5%ウシ血清アルブミン中、0.8n
g/ml〜200ng/ml濃度の一組のIgE標品(PharMingen社
)をアッセイして、標準曲線を作成する。試料または標品なしのブランクを使っ
てプレートリーダーを0に合わせる(バックグラウンド)。試料と標品を加えた
後、プレートをプラスチックラップで覆い、室温で2時間インキュベートする。
洗浄緩衝液で3回洗浄した後、50μlの二次抗体ラット抗マウスIgE−セイ
ヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートを洗浄緩衝液中の5%ウシ血清アル
ブミン中、250ng/mlの濃度で加える。そのプレートをプラスチックラッ
プで覆い、室温で2時間インキュベートする。洗浄緩衝液で3回洗浄した後、1
00μlの基質、0.1Mクエン酸緩衝液中の0.5mg/ml o−フェニレ
ンジアミンを、各ウェルに加える。5〜10分後に、反応を50μlの12.5
%硫酸で停止し、490nmの吸光度をMR5000プレートリーダー(Dyn
atech社)で測定する。標準IgE濃度から、x軸(対数目盛)に抗原濃度
、y軸(線形目盛)に吸光度をとって標準曲線を構築する。試料中のIgEの濃
度を標準曲線から内挿する。
【0125】 気管支肺胞洗浄と細胞分析を先に記述されているように行なう(Kleebe
rgerら,1990)。肺を麻酔下に摘出した後に肺組織学的検査を行なう。
事前の機器装着は人為構造を生じさせるかもしれないので、これらの試験には別
の動物を使う。したがって小さい動物群に、これらの動物が気管支反応性試験を
除く他の試験に使用されない点以外は、様々な前処置を受ける群と正確に同じ処
置を並行して施す。気管支反応性試験の後、肺を摘出し、液体窒素に沈める。凍
結切断と組織学的試験を当業者には自明の方法で行なう。 マウスGCR9経路のアンタゴニストは、この経路の機能をダウンレギュレート
し、また感作および非感作マウスにおける気管支反応性、血清IgEおよび気管
支肺胞洗浄にとってのこの経路の重要性を評価するために、治療的に使用される
。アンタゴニスト前処置の後、免疫グロブリン一致対照と比較したベースライン
気管支反応性亢進、気管支肺胞洗浄および血清IgEレベルを決定する。
【0126】 (実施例14) 喘息のマウスモデルにおけるGCR9の役割:感作動物の気 道反応 動物と取り扱いは基本的に実施例16に記載したとおりである。アスペルギル
ス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)抗原の経鼻
吸引による感作を行なって、気管支反応性亢進、気管支肺胞洗浄および血清Ig
Eに対する影響を評価する。マウスにアスペルギルスまたは食塩水を鼻腔内投与
し(月曜日、水曜日、金曜日を3週間)、最後の投与の24時間後に表現型別す
る。GCR9経路のアンタゴニストによる前処置の効果を用いて、GCR9をダ
ウンレギュレートすることのマウスにおける効果を評価する。
【0127】 本明細書中、様々な具体的物質、方法および実例を参照して、本発明を説明し
、例示し終えたが、本発明はその目的で選択された物質と方法の特定の組合せに
限定されないと理解される。当業者には理解されるであろうが、これらの詳細に
は数多くの変更実施の形態が考えられる。
【0128】 ここに挙げた全ての刊行物、特許および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、
特許または特許出願が引用により本明細書に援用すると個別に明示した場合と同
じ程度に、引用により本明細書に援用するものである。
【0129】 参考文献 Amoah EA and Gelaye S. Biotechnological advances in goat reproduction. J
.Anim.Sci. 75, 578−585, 1997. Alexander AG, Barnes NC and Kay AB. Trial of cyclosporin in corticostero
id-dependent chronic severe asthma. Lancet 339, 324-328, 1992. Altschul SF, Gish W, Miller W, Myers EW and Lipman DJ. Basic Local alig
nment search tool. J. Mol. Biol. 215, 403−410, 1990. Amoah EA and Gelaye S. Biotechnological advances in goat reproduction. J
. Anim. Sci. 75, 578−585, 1997. Brenin DR, Talamonti MS and Iannaccone PM. Transgenic technology: an ove
rview of approaches useful in surgical research. Surg. Oncol. 6, 99−110
, 1997. Burrows B, Sears MR, Flannery EM, Herbison GP and Holdaway MD. Relation
ship of bronchial responsiveness assessed by methacholine to serum IgE,
lung function, symptoms and diagnoses in 11−year−old New Zealand child
ren. J. Allergy Clin. Immunol. 90, 376−385, 1992. Burrows B, Martinez FD, Halonen M, Barbee RA and Cline MG. Association
of asthma with serum IgE levels and skin−test reactivity to allergens.
New Eng. J. Med. 320, 271−277, 1989. Cotton RG. Detection of single base changes in nucleic acids. Biochemi
cal Journal 263(1), 1−10, 1989. Chomczynski P and Sacchi N. Single−step method of RNA isolation by aci
d guanidinium thiocyanate−phenol−chloroform extraction. Anal. Biochem
. 162,156-159, 1987. Chu JW and Sharom FJ. Glycophorin A interacts with interleukin-2 and in
hibits interleukin-2-dependent T-lymphocyte proliferation. Cell. Immuno
l. 145, 223-239, 1992. Clifford RD, Pugsley A, Radford M and Holgate ST. Symptoms, atopy and b
ronchial response to methacholine in parents with asthma and their child
ren. Arch. Dis. Childhood 62, 66−73, 1987. Clutter AC, Pomp D and Murray JD. Quantitative genetics of transgenic mi
ce: components of phenotypic variation in body weights and weight gains. Genetics 143, 1753−1760, 1996. Devos R, Plaetinck G, Cornelis S, Guisez Y, Van der Heyden J and Taverni
er J. Interleukin-5 and its receptor: a drug target for eosinophilia ass
ociated with chronic allergic disease. J. Leukoc. Biol. 57, 813-819, 199
5. Doull I, Lawrence S, Watson M, Begishvili T, Beasley R, Lampe F, Holgate ST and Morton NE. Allelic association of makers on chromosome 5q and 1
1q with atopy and bronchial hyperresponsiveness. Am. J. Respir. Crit. C
are Med. 153, 1280−1284, 1996. Dugas B, Renauld JC, Pene J, Bonnefoy J, Peti−Frere C, Braquet P, Bousq
uet J, Van Snick J, Mencia−Huerta JM. Interleukin-9 potentiates the in
terleukin-4-induced immunoglobulin (IgG, IgM and IgE) production by norm
al human B lymphocytes. Eur. J. Immunol. 23, 1687−1692, 1993. Ewart S, Levitt RC and Mitzner W. Respiratory system mechanics in mice
measured by end−inflation occlusion. J. Appl. Phys. 79, 560-566, 1995.
Gergen PJ and Weiss KB. The increasing problem of asthma in the United
States. Am. Rev. Respir. Dis. 146, 823−824, 1992. Gergen PJ. The association of allergen skin test reactivity and respira
tory disease among whites in the U.S. population. Arch. Intern. Med. 15
1. 487−492, 1991. Gleich GJ. The eosinophil and bronchial asthma: current understanding. J
. Allergy Clin. Immunol. 85, 422-436, 1990. Godfraind C, Louahed J, Faulkner H, Vink A, Warnier G, Grencis R and Ren
auld JC. Intraepithelial infiltration by mast cells with both connective tissue-type and mucosal-type characteristics in gut, trachea and kidney
s of IL-9 transgenic mice. J. Immunol. 160, 3989-3996, 1998. Halonen M, Stern D, Taussig LM, Wright A, Ray CG and Martinez FD. The p
redictive relationship between serum IgE levels at birth and subsequent
incidences of lower respiratory illnesses and eczema in infants. Am. Re
v. Respir. Dis. 146, 666−670, 1992. Houdebine LM. The production of pharmaceutical proteins from the milk of
transgenic animals. Reprod. Nutr. Dev. 35, 609−617, 1995. Hubank M and Schatz DG. Identifying differences in mRNA expression by r
epresentational difference analysis of cDNA. Nucleic Acids Research 22,
5640−5648, 1994. Johannson SGO, Bennich HH and Berg T. The clinical significance of IgE.
Prog. Clin. Immunol. 1, 1−25, 1972. Kaplan MH, Smith DI and Sundick RS. Identification of a G protein couple
d receptor induced in activated T cells. J. Immunol. 151, 628−636, 1993
. Kauvar LM. Peptide mimetic drugs: A comment on progress and prospects.
Nature Biotechnology 14, 709, 1996. Kim JH, Jung−Ha HS, Lee HT and Chung KS. Development of a positive meth
od for male stem cell−mediated gene transfer in mouse and pig. Mol. Rep
rod. Dev. 46, 515−526, 1997. Kleeberger SR, Bassett DJ, Jakab GJ and Levitt RC. A genetic model for
evaluation of susceptibility to ozone−induced inflammation. Am. J. Phy
siol. 258, L313−320, 1990. Larhammar D, Blomqvist AG, Yee F, Jazin E, Yoo H and Wahlested C. Clonin
g and functional expression of a human neuropeptide Y/peptide YY recepto
r of the Y1 type. J. Biol. Chem. 67, 10935−10938, 1992. Levitt RC and Ewart SL. Genetic susceptibility to atracurium−induced b
ronchoconstriction. Am. J. Respir. Crit. Care. Med. 151, 1537−1542, 199
5. Levitt RC. Understanding biological variability in susceptibility to re
spiratory disease. Pharmacogenetics 1, 94−97, 1991. Levitt RC and Mitzner W. Autosomal recessive inheritance of airway hype
rreactivity to 5−hydroxytryptamine. J. Appl. Physiol. 67, 1125−1132,
1989. Levitt RC, Mitzner W et al. Epression of airway hyperreactivity to acet
ylcholine as a simple autosomal recessive trait in mice. FASEB J. 2, 26
05−2608, 1988. Lisitsyn N, Lisitsyn N and Wigler M. Cloning the differences between tw
o complex genomes. Science 259, 946−951, 1993. Louahed J, Kermouni A, Van Snick J and Renauld JC. IL-9 induces express
ion of granzymes and high affinity IgE receptor in murine T helper clone
s. J. Immunol. 154, 5061-5070, 1995. Marsh DG, Meyers DA and Bias WB. The epidemiology and genetics of atopi
c allergy. New Eng. J. Med. 305, 1551−1559, 1982. Merz H, Houssiau A, Orscheschek K, Renauld JC, Fliedner A, Herin M, Noel
H, Kadin M, Mueller-Hermelink HK and Van Snick J. IL-9 expression in h
uman malignant lymphomas: Unique association with Hodgkins disease and l
arge cell anaplastic lymphoma. Blood 78, 1311-1317, 1991. Molinoff P ら, Goodman and Gilman's The Pharmacologic Basis of Therapeut
ics, MacMillan Publishing Company, New York NY, 1995. Morely J. Cyclosporin A in asthma therapy: A pharmacological rationale.
J. Autoimmun. 5 Suppl A, 265-269, 1992. Mullins JJ and Mullins LJ. Transgenesis in nonmurine species. Hypertensi
on 22, 630−633 1993. Nicolaides NC, Carter KC, Shell BK, Papadopoulos N, Vogelstein B and Kin
zler KW. Genomic organization of the human PMS2 gene family. Genomics 30
, 195−206, 1995. Nicolaides NC, Gualdi R, Casadevall C, Manzella L and Calabretta B. Pos
itive autoregulation of c−myb expression via Myb binding sites in the 5
' flanking region of the human c−myb gene. Mol. Cell. Biol. 11, 6166−
6176, 1991. Orita M, Suzuki Y, Sekiya T and Hayashi K. Rapid and sensitive detectio
n of point mutations and DNA polymorphisms using the polymerase chain re
action. Genomics 5, 874−879, 1989. Petit−Frere C, Dugas B, Braquet P, Mencia−Huerta JM. Interleukin-9 po
tentiates the interleukin−4−induced IgE and IgG1 release from murine B
lymphocytes. Immunology 79, 146−151, 1993. Petters RM. Transgenic livestock as genetic models of human disease. Rep
rod. Fertil. Dev. 6, 643−645, 1994. Renauld JC, Kermouni A, Vink A, Louahed J and Van Snick J. Interleukin
9 and its receptor: Involvement in mast cell differentiation and T cell
oncogenesis. J. Leukocyte Biol. 57, 353-360, 1995. Renauld JC, van der Lugt N, Vink A, van Roon M, Godfraind C, Warnier G,
Merz H, Feller A, Berns A and Van Snick J. Thymic lymphomas in interleu
kin 9 transgenic mice. Oncogene 9, 1327-1332, 1994. Sarkar G, Yoon H−S and Sommer SS. Dideoxy fingerprint (ddF): A rapid
and efficient screen for the presence of mutations. Genomics 13, 441−4
43, 1992. Sawzdargo M, George SR, Nguyen T, Shijie X, Kolakowski LF and O'Dowd BF.
A cluster of four novel human G Protein-coupled receptor genes occurrin
g in close proximity to CD22 gene on chromosome 19q13.1. Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 239, 543-547, 1997. Schmitt E, Van Brandwijk R, Van Snick J, Siebold B and Rude E. TCGF III/
P40 is produced by naive murine CD4+ T cells but is not a general T cell
growth factor. Eur. J. Immunol. 19, 2167−2170, 1989. Schnieke AE, Kind AJ, Ritchie WA, Mycock K, Scott AR, Ritchie M, Wilmut
I, Colman A and Campbell KH. Human factor IX transgenic sheep produced b
y transfer of nuclei from transfected fetal fibroblasts. Science 278, 21
30−2133, 1997. Schwengel D, Nouri N, Meyers D and Levitt RC. Linkage mapping of the hu
man thromboxane A2 receptor (TBXA2R) to chromosome 19p13.3 using transcr
ibed 3' untranslated DNA sequence polymorphisms. Genomics 18, 212−215,
1993. Sears MR, Burrows B, Flannery EM, Herbison GP, Hewitt CJ and Holdaway MD
. Relation between airway responsiveness and serum IgE in children with
asthma and in apparently normal children New Engl. J. Med. 325(15), 10
67−1071, 1991. Sheffield VC, Beck JS, Kwitek AE, Sandstrom DW and Stone EM. The sensit
ivity of single−strand conformation polymorphism analysis for the detec
tion of single base substitutions. Genomics 16, 325−332, 1993. Simoncsits A, Bristulf J, Tjornhammar ML et al. Deletion mutants of hum
an interleukin 1 beta significantly reduced agonist properties: search f
or the agonist/antagonist switch in ligands to the interleukin 1 recepto
rs. Cytokine 6, 206214, 1994. Uyttenhove CR, Simpson R and Van Snick J. Functional and structural cha
racterization of P40: A mouse glycoprotein with T cell growth factor act
ivity. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 85, 6934-6938, 1988. Vink A, Renauld JC, Warnier G and Van Snick J. Interleukin 9 stimulates
in vitro growth of mouse thymic lymphomas. Eur. J. Immunol. 23, 1134-11
38, 1993. Zavyalov VP, Navolotskaya EV, Isaev IS ら. Nonapeptide corresponding to the sequence 27-35 of the mature human IL-2 efficiently competes with r
IL-2 for binding to thymocyte receptors. Immunol. Lett. 31, 285-288, 19
92. 本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつか
の実施の形態を図解し、その説明と合わせて本発明の原理を説明するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウスGCR9遺伝子のcDNA配列(配列番号1)およびその推定アミノ酸
配列(配列番号2)を示す図である。
【図2】 Gタンパク質共役遺伝子ファミリーの関連メンバーのデンドログラム(系統樹
)である。
【図3】 マウスGCR9のヒドロパシープロットおよびGCR9のトロンビン受容体と
の整列を示す図である。
【図4】 マウスGCR9の組織特異的分布を示すノーザンブロット図である。
【図5】 インビトロのST2K9細胞およびTS6細胞でマウスGCR9はIL−9に
よって誘導されるが、IL−2では誘導されないことを示すノーザンブロット図
である。
【図6】 GCR9発現がIL−9トランスジェニックマウス(Tg5)では起こるが、
親系統(FVB)では起こらないことを示すRT−PCRを表わす図である。
【図7】 C57BL6J由来の脾細胞におけるマイトジェンによるGCR9誘導を示す
RT−PCRを表わす図である。
【図8】 DBA2Jマウス由来の脾細胞におけるマイトジェンによるGCR9誘導を示
すRT−PCRを表わす図である。
【図9】 骨髄由来初代マスト細胞からのマウスGCR9誘導はIL−9によって起こる
が、IL−3では起こらないことを示すノーザンブロット図である。
【図10】 ヒトGCR9遺伝子のcDNA配列(配列番号3)および推定アミノ酸配列(
配列番号4)を示す図である。
【図11】 ヒトGCR9の組織特異的分布を示すノーザンブロット図である。
【図12】 ヒトGCR9の好酸球における発現とマスト細胞における誘導を示すRT−P
CRを表わす図である。
【図13】 マウス脾細胞におけるコンカナバリンA誘導性GCR9発現の阻害について試
験したアミノステロール類の構造を示す図である。
【図14】 種々のアミノステロールによるマウス脾細胞におけるコンカナバリンA誘導性
GCR9発現の阻害を示す図である。
【図15】 マウスGCR9に対するポリクローナル抗体血清を示すウェスタンブロット図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 45/00 4C086 A61P 11/06 A61P 11/06 4C091 35/00 35/00 4H045 C07J 41/00 C07J 41/00 C07K 14/705 C07K 14/705 16/28 16/28 C12N 15/02 C12P 21/02 C 15/09 ZNA 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/02 21/08 G01N 33/53 C12Q 1/02 C12N 15/00 C G01N 33/53 ZNAA (72)発明者 ローアヘッド, ジャミラ アメリカ合衆国, ペンシルヴァニア州, イースト ノリスタウン, ハンナ ア ヴェニュー シー224 2920 (72)発明者 レヴィト, ロイ アメリカ合衆国, ペンシルヴァニア州, アンブラー, マーステングリーン コ ート 660 (72)発明者 ニコライデス, ニコラス アメリカ合衆国, ペンシルヴァニア州, メディア, ブレイクル レーン 212 (72)発明者 ドン, クー アメリカ合衆国, ペンシルヴァニア州, ランスデール, ダブリュー205, イ ースト メイン ストリート 757 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA12 BA26 BA53 BA63 BA80 CA04 CA09 CA11 DA02 FA02 GA11 GA18 HA12 HA17 4B063 QA01 QA05 QA19 QQ08 QQ13 QQ79 QQ91 QR32 QR48 QR56 QR80 QS24 QS33 QS34 4B064 AG20 AG26 BA14 CA10 CA19 CC24 CD20 DA01 DA13 DA14 4C084 AA13 AA17 ZA592 ZB132 ZB262 ZB272 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC23 CC32 DD62 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 DA11 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA59 ZB26 ZB27 4C091 AA01 BB01 CC01 DD01 EE10 FF01 GG02 GG13 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PA02 PA05 PB03 QQ01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 DA75 EA22 EA25 EA50 FA72 FA74 HA05

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスGCR9または機能的に等価なその断片をコードする
    ヌクレオチド配列を有する精製および単離されたDNA分子。
  2. 【請求項2】 配列番号1の配列を含んでなる請求項1に記載の精製および
    単離されたDNA分子。
  3. 【請求項3】 ヒトGCR9または機能的に等価なその断片をコードするヌ
    クレオチド配列を有する精製および単離されたDNA分子。
  4. 【請求項4】 配列番号3の配列を含んでなる請求項2に記載の精製および
    単離されたDNA分子。
  5. 【請求項5】 ゲノムDNA分子である請求項1または3に記載の精製およ
    び単離されたDNA分子。
  6. 【請求項6】 ヒトGCR9または機能的に等価なその断片をコードするヌ
    クレオチド配列を有する化学合成されたDNA分子。
  7. 【請求項7】 マウスGCR9または機能的に等価なその断片をコードする
    ヌクレオチド配列を有する化学合成されたDNA分子。
  8. 【請求項8】 ヒトGCR9または機能的に等価なその断片をコードするヌ
    クレオチド配列を有する精製および単離されたRNA分子。
  9. 【請求項9】 マウスGCR9または機能的に等価なその断片をコードする
    ヌクレオチド配列を有する精製および単離されたRNA分子。
  10. 【請求項10】 ヒトGCR9または機能的に等価なその断片を含んでなる
    アミノ酸配列を有する精製および単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 マウスGCR9または機能的に等価なその断片を含んでな
    るアミノ酸配列を有する精製および単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 喘息関連疾患を軽減する方法であって、そのような処置を
    必要とする患者にヒトGCR9の機能をダウンレギュレートするのに等価な量の
    化合物を投与することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物がアミノステロールからなる請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 前記アミノステロールが1409である請求項13に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 前記化合物がキナーゼ阻害剤からなる請求項12に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 前記化合物が請求項30または31に記載の抗体からなる
    請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 被験者における上昇したGCR9ポリペプチド濃度に関係
    する喘息関連疾患、ある種のリンパ腫および白血病に対する罹病性を検出または
    診断する方法であって、 (a)前記被験者から得た生物学的試料中のGCR9ポリペプチドの濃度を測定
    すること、 (b)正常被験者中に存在するGCR9ポリペプチドの濃度を比較すること、こ
    こで、正常濃度と比較してGCR9ポリペプチド濃度の増加は、喘息関連疾患と
    ある種のリンパ腫または白血病に対する素因を示す、 を含むことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 被験者における上昇したGCR9ポリペプチド濃度に関係
    する喘息関連疾患、またはある種のリンパ腫もしくは白血病の治療的処置をモニ
    ターする方法であって、治療的処置を受けている前記被験者から様々な時点で得
    た一連の生物学的試料中のGCR9ポリペプチドの濃度を測定する(ここで、該
    GCR9ポリペプチド濃度の有意な低下は治療的処置の成功を示す)ことからな
    ることを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 腫瘍の治療法であって、そのような治療を必要とする患者
    にヒトGCR9の機能をダウンレギュレートするのに有効な量の化合物を投与す
    ることを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 前記化合物がアミノステロールからなる請求項19に記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 前記アミノステロールが1409である請求項20に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 前記化合物がキナーゼ阻害剤からなる請求項19に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 前記化合物が請求項30または31に記載の抗体からなる
    請求項19に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記腫瘍がT細胞リンパ腫である請求項19に記載の方法
  25. 【請求項25】 前記腫瘍がT細胞白血病である請求項19に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記腫瘍がホジキンリンパ腫である請求項19に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 前記腫瘍が菌状息肉症である請求項19に記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項1または3に記載のDNA分子によってコードされ
    るGCR9ポリペプチドまたはその断片に特異的な抗体を調製する方法であって
    、 (a)前記GCR9ポリペプチドまたは少なくとも10アミノ酸を含有するその
    断片を担体タンパク質に接合し、 (b)アジュバントと混合した前記GCR9ポリペプチド断片−担体タンパク質
    コンジュゲートで宿主動物を免疫し、 (c)免疫した宿主動物から抗体を得る 工程を含むことを特徴とする方法。
  29. 【請求項29】 前記ポリペプチドが配列番号5、6、7、8、9、10、
    11また12から選択される請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 請求項28に記載の方法に従って調製される精製および単
    離された抗体。
  31. 【請求項31】 モノクローナル抗体である請求項30に記載の抗体。
  32. 【請求項32】 (a)GCR9ポリペプチドを含有すると思われる試料を
    該GCR9ポリペプチドに特異的に結合する抗体と、該抗体とGCR9ポリペプ
    チドからなる反応複合体の形成が可能な条件で、接触させ、 (b)前記試料中での抗体とGCR9ポリペプチドからなる反応複合体の形成を
    検出する、ここでその反応複合体の定量によって、前記試料中のGCR9ポリペ
    プチドの濃度が示される 工程を含む、請求項10または11に記載のGCR9ポリペプチドを定量する方
    法。
  33. 【請求項33】 (a)IL−9に反応する細胞株を入手し、 (b)前記細胞株をIL−9の存在下に生育し、 (c)GCR9誘導のレベルを、GCR9アンタゴニスト物質候補による前処理
    で得られるものと比較し、 (d)前記前処理が諸特徴を減少させた物質を選択する 工程を含むGCR9のアンタゴニストの同定方法。
  34. 【請求項34】 前記細胞株がマウスTS6細胞およびマウスST2K9細
    胞からなる群より選択される請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 (a)GCR9タンパク質を発現する細胞株を入手し、 (b)前記細胞株をGCR9アンタゴニスト物質候補で処理し、 (c)前記処理がGタンパク質活性化のレベルによって測定されるGCR9の活
    性を減少させた物質を選択する 工程を含むGCR9のアンタゴニストの同定方法。
  36. 【請求項36】 (a)GCR9タンパク質を発現する細胞株を入手し、 (b)前記細胞株をGCR9アゴニスト物質候補で処理し、 (c)前記処理がGタンパク質活性化のレベルによって測定されるGCR9の活
    性を高めた物質を選択する 工程を含むGCR9のアゴニストの同定方法。
  37. 【請求項37】 ヒトGCR9のアンチセンス配列またはその活性な断片を
    含んでなるアンチセンスDNA。
  38. 【請求項38】 化合物が請求項38に記載のアンチセンスDNAからなる
    請求項12に記載の方法。
  39. 【請求項39】 化合物が請求項38に記載のアンチセンスDNAからなる
    請求項19に記載の方法。
  40. 【請求項40】 配列番号1または配列番号3に相補的な配列を有する核酸
    分子にストリンジェントな条件でハイブリダイズする単離された核酸分子。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の核酸分子によってコードされる単離さ
    れたポリペプチド。
  42. 【請求項42】 請求項1に記載のDNAを含んでなるベクター。
  43. 【請求項43】 原核配列要素または真核配列要素からなる群より選択され
    る転写配列要素に作動可能に連結された請求項1に記載のDNAを含んでなるベ
    クター。
  44. 【請求項44】 前記転写配列がプロモーターである請求項43に記載のベ
    クター。
  45. 【請求項45】 請求項42、43または44のベクターを含んでなる宿主
    細胞。
  46. 【請求項46】 A)請求項45に記載の宿主細胞を、適当な栄養培地で、
    該宿主細胞中でポリペプチドが発現される条件下に生育すること、 B)発現したポリペプチドを宿主細胞および栄養培地から分離することを含むG
    CR9ポリペプチドの組換え生産法。
JP2000512948A 1997-09-19 1998-09-18 喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを治療するための標的としての喘息関連因子 Withdrawn JP2001517682A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US5951097P 1997-09-19 1997-09-19
US60/059,510 1997-09-19
PCT/US1998/019415 WO1999015656A2 (en) 1997-09-19 1998-09-18 Asthma associated factors as targets for treating atopic allergies including asthma and related disorders

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001517682A true JP2001517682A (ja) 2001-10-09

Family

ID=22023428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000512948A Withdrawn JP2001517682A (ja) 1997-09-19 1998-09-18 喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを治療するための標的としての喘息関連因子

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20030166150A1 (ja)
EP (1) EP1025223A2 (ja)
JP (1) JP2001517682A (ja)
AU (1) AU760274B2 (ja)
CA (1) CA2302936A1 (ja)
WO (1) WO1999015656A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002542814A (ja) * 1999-05-01 2002-12-17 ジェネーラ コーポレーション 喘息および関連する障害を含むアトピー性のアレルギーを処置するための標的としての喘息に関連する因子
JP2004506599A (ja) * 1999-12-09 2004-03-04 ジェネーラ・コーポレーション 喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを処置するための標的としての喘息関連因子
JP4360915B2 (ja) 2002-01-07 2009-11-11 ユーロスクリーン・ソシエテ・アノニム Gタンパク質共役受容体gpr43のリガンドおよびその使用
AU2003241904A1 (en) * 2002-05-31 2003-12-31 Takeda Chemical Industries, Ltd. Novel method of screening
WO2004038405A2 (en) * 2002-10-25 2004-05-06 Bayer Healthcare Ag Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled receptor 43 (gpr43)
US20060160088A1 (en) * 2003-02-17 2006-07-20 Bayer Healthcare Ag Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled receptor 40 (gpr40)
EP2205249B1 (en) 2007-09-28 2018-11-07 Intrexon Corporation Therapeutic gene-switch constructs and bioreactors for the expression of biotherapeutic molecules, and uses thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2131719C (en) * 1992-03-09 2003-09-16 Jean-Christophe Renauld Nucleic acid sequences coding for or complementary to nucleic acid sequences coding for interleukin 9 receptor
ATE307203T1 (de) * 1995-08-24 2005-11-15 Genaera Corp Verwendung eines anti-interleukin-9 antikörpers zur herstellung eines medikamentes zur behandlung von asthma
US5910430A (en) * 1997-01-24 1999-06-08 Smithkline Beecham Corporation Isolated nucleic acid encoding G-protein coupled receptor (HTADX50)
EP0973892A2 (en) * 1997-03-14 2000-01-26 Human Genome Sciences, Inc. 28 human secreted proteins

Also Published As

Publication number Publication date
US20030166150A1 (en) 2003-09-04
WO1999015656A2 (en) 1999-04-01
WO1999015656A3 (en) 1999-06-03
AU760274B2 (en) 2003-05-08
CA2302936A1 (en) 1999-04-01
AU9490698A (en) 1999-04-12
EP1025223A2 (en) 2000-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6576434B1 (en) Methods for identification of agents which modulate chloride channel activity
US7192578B2 (en) Interleukin-9 mutein peptides
JP4813380B2 (ja) 喘息および関連疾患を含むアトピー性アレルギーを治療するための標的としての喘息関連因子
AU760274B2 (en) Asthma associated factors as targets for treating atopic allergies including asthma and related disorders
US20020156013A1 (en) Asthma associated factors as targets for treating atopic allergies including asthma and related disorders
JP2003525634A (ja) Fctrxと命名されたタンパク質およびこれをコードする核酸
JP2008506361A (ja) イオンチャネル
AU752735B2 (en) Asthma and related disorders
AU2011265475A1 (en) Asthma associated factors as targets for treating atopic allergies including asthma and related disorders
AU2007202406A1 (en) Asthma associated factors as targets for treating atopic allergies including asthma and related disorders
WO2003029464A2 (en) Genes associated with mast cell activation

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110