JP2001515759A - 皮膚組織に対して吸付作用と移動作用とをもたらすマッサージ器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 皮膚組織に対して吸付作用と移動作用とをもたらすマッサージ器具であって、手動駆動可能なアセンブリ１の形態とされ、アセンブリ１は、真空引き源に対して接続されたハウジング３であって、患者の体の側を向くことを意図した面が開口している内部チャンバ４を備えているハウジング３と；マッサージ動作時にチャンバ４内に形成された皮膚寄せ集め部分に対して機械的作用をもたらし得るためのディスク７，８と；を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、ヒトや動物（馬、畜牛、等）を問わず患者の皮膚組織に対して簡便
にかつ効果的に吸付作用と移動作用とをもたらし得るような、改良されたマッサ
ージ器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

特に、仏国特許公開明細書第４０９ ２０２号、スイス国特許第１６８ ２７
９号、米国特許第３，２９７，０２４号、米国特許第２，５７４，６０１号、仏
国特許公開明細書第１ ５９０ １３１号、仏国特許公開明細書第２ ０５７
５１４号に記載されているように、数十年にわたって、このようなタイプのマッ
サージ器具を作製することが提案されている。このようなマッサージ器具は、マ
ッサージ師の作業負担を軽減することを目的として作製されるものである。一般
的に言えば、これらマッサージ器具は、体に対して、圧力作用、変位作用、振動
摩擦作用、吸付作用、等をもたらし得るようなものであると言うことができる。

【０００３】 最近になると、欧州特許第２２４ ４２２号、欧州特許第２８４ ５２７号、
仏国特許公開明細書第２ ７２３ ３１０号において、本出願人らは、簡便にか
つ効果的に「触診／転がり」タイプのマッサージを行い得るような、改良された
マッサージ器具を提案した。

【０００４】 一般的に言えば、本出願人らが提案したマッサージ器具は、本質的に、平行軸
に沿ってハウジング上に取り付けられた２つのローラを備えている。これらロー
ラは、一定とされた中心間距離でもってあるいは可変とされた中心間距離でもっ
て取り付けることができ、回転しながら前進するようにして駆動される。ハウジ
ングは、ローラどうしの間に位置した空間内に向けて端部が開口しているコンジ
ットを有した手段に対して連結されている。この場合、コンジットを有した手段
は、真空作用を形成することができ、これにより、両ローラが挟付作用をもたら
すような締付を形成するようにして皮膚を吸い付けることができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】

このようなマッサージ器具は、実用的な面からは十分に満足のいくものではあ
るけれども、操作に関していくらかの熟練を必要とする。とりわけ、マッサージ
作用の方向を急速に変えるような場合には、いくらかの熟練を必要とする。

【０００６】 その上、このタイプのマッサージ器具においては、側壁に対しての摩擦が発生
し、操作者に対して比較的激しい作用をもたらし、操作者の疲労を引き起こす。
さらに、このような摩擦は、患者に対して不快な感覚をもたらすことが多い。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

新規なタイプのマッサージ器具が開発された。このマッサージ器具は、本発明
の主題をなすものであって、上記のすべてのタイプのマッサージ器具と同様に効
果的に皮膚組織に対して吸付作用と移動作用とをもたらし得ることに加えて、さ
らに、取扱いや使用がはるかに容易であるとともに患者にとって快適なものであ
る。さらに、本発明によるマッサージ器具は、３６０°にわたっての瞬時動作が
可能であり、しかも、皮膚に対しての摩擦が実質的に存在せず、マッサージ感覚
を著しく快適なものとすることができる。

【０００８】 加えて、本発明によるマッサージ器具においては、摩擦が抑制されていること
により、大きなサイズの、モータ駆動を必要としないマッサージアセンブリを構
成することができる。

【０００９】 一般的に言えば、本発明による新規なマッサージ器具は、患者の皮膚組織に対
して吸付作用と移動作用とをもたらし得るものであって、手動駆動可能なアセン
ブリの形態とされ、このアセンブリは、真空引き源に対して接続されたハウジン
グであるとともに患者の体の側を向くことを意図した面が開口している内部チャ
ンバを備えているハウジングと；マッサージ動作時にチャンバ内に形成された皮
膚寄せ集め部分に対して機械的作用をもたらし得るための手段と；を具備してな
り、 この場合において、 −チャンバが、ハウジングの幅全体にわたって横方向に延在しているとともに、
両側方端部において開口しており、 −機械的作用をもたらし得るための手段が、ハウジングの両側方端部に設置され
た少なくとも２つの可動機能部材を備えて構成され、これら可動機能部材は、ハ
ウジングの側壁に対して密封式に当接するとともにチャンバの側方開口を閉塞し
ていることを特徴とするマッサージ器具である。

【００１０】 本発明の好ましい実施形態においては、ハウジングは、真空引き源に対して接
続された内部チャンバを備えた一体部材として形成され、内部チャンバは、両端
が開口しているとともに患者の体を向く側が開口している横方向スロットを形成
し、ハウジングの両側壁に、チャンバの側方開口を閉塞する機能部材が取り付け
られている。

【００１１】 この実施形態においては、機能部材は、例えば、ハウジングに設置されたシャ
フト回りに回転自由な状態で取り付けられた２つのディスクを備えて構成されて
いる。

【００１２】 さらに、この実施形態においては、チャンバ内に形成される吸込作用（真空引
き作用、減圧作用）は、チャンバの上部壁において開口している複数のコンジッ
トによって得られる。

【００１３】 横方向スロットの下端エッジが矩形をなしている場合には、横方向スロットの
下端エッジが凹状や凸状等であるように構成することができる。さらに、チャン
バの内部に、本発明者らによる上記特許文献に記載されているのと同様にして作
用するような、機能的横方向ローラを設置することができる。

【００１４】 最後に、本発明によるマッサージ器具は、適切な真空引き系統に接続される。
好ましくは、この真空引き系統は、国際特許出願第９５／０９５９６号に記載さ
れているようにして形成されたソレノイドバルブを備えることができる。このよ
うに構成すると、オンオフ式の駆動が可能であるだけではなく、２つの所定値間
において空気流通量を調整した駆動方式が可能である。後者の場合、それら２つ
の所定値どうしの間にわたっての調整が可能であって、マッサージ動作時に吸込
量を周期的に変えることによって、「順次的でありパルス的でありリズミカルな
」動作を得ることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】

本発明および本発明のもたらす利点は、添付図面を参照しつつ非制限的な例示
として与えられる実施形態の説明により、より明瞭に理解されるであろう。

【００１６】 図１は、本発明に基づいて作製されたマッサージ器具を示す斜視図である。た
だし、吸付作用をもたらし得る手段の図示は、省略されている。 図２は、本発明によるマッサージ器具におけるハウジングを示す側面図である
。 図３は、図２の底面図であって、図２におけるＡＡ線に沿って中央部が断面で
示されているとともに、側方機能部材が図示されている。 図４は、図２におけるＢＢ線に沿った断面図であって、側方機能部材が図示さ
れている。

【００１７】 本発明によるマッサージ器具は、患者の皮膚組織に対して吸付作用と移動作用
とをもたらし得るものである。そのため、本発明によるマッサージ器具は、添付
図面において全体的に参照符号１で示すように、手動駆動可能なアセンブリの形
態とされている。このアセンブリ１は、図示しない真空引き源に対して、コンジ
ット２を介して、永久的にまたは着脱可能的に、連結されている。このアセンブ
リ１は、患者の体の側を向くことを意図した面において開口している内部チャン
バ４を備えたハウジング３の形態とされている。内部チャンバ４には、マッサー
ジ動作時に内部チャンバ４内において皮膚を寄せ集めるような機械的作用をもた
らし得る手段が設けられている。

【００１８】 本発明においては、吸付チャンバ４は、ハウジングの幅全体にわたって横方向
に延在しており、横方向両端部において開口している。このチャンバのサイズは
、例えば広範な範囲にわたってのマッサージを希望するとかあるいはそうではな
くごく限られた範囲についてのマッサージを希望するとかいったように行うべき
マッサージのタイプに応じて、また、例えば子供や大人や動物等といったように
患者の対象に応じて、変えることができる。

【００１９】 一般的に言えば、１ｃｍ〜１０ｃｍというハウジングの幅および１ｃｍ〜６ｃ
ｍというスロット開口（チャンバ開口）といったようなマッサージ器具であると
、実用的に、患者のタイプや体の部位にかかわらず、処置（マッサージ）を行う
ことができる。

【００２０】 例示として、図２，３，４には、平均的サイズのものと実質的に実物大のサイ
ズで、本発明によるマッサージヘッドを示している。

【００２１】 チャンバの下端５，６（図１に図示）は、好ましくは丸められており、皮膚の
寄せ集めを行いやすいようになっている。

【００２２】 本発明においては、機械的作用をもたらし得る手段は、ハウジング３の両サイ
ドに配置された２つの可動アセンブリ７，８により構成されている。可動アセン
ブリ７，８は、ハウジング３の側壁に対して密封式に当接するものであって、吸
込チャンバ４の側方開口を閉塞するものである。ハウジング３は、有利には、一
体部材の形態とされており、機能部材７，８は、有利には、ハウジング３に設け
られたシャフト９回りに回転自由に取り付けられた２つのディスクとして構成さ
れている。アセンブリの動作は、適切なローリング当接やただ単なる当接といっ
たように、従来通りに行うことができる。

【００２３】 ディスクの直径は、一般的には１ｃｍ〜１２ｃｍであり、患者のタイプや体の
処置部位にかかわらず適用可能なマッサージ器具を構成することができる。この
場合の１２ｃｍという上限値は制限的なものではなく、これ以外の上限値であっ
ても良く、これよりも直径の大きなディスクとすることもできる。

【００２４】 チャンバ４の上部壁１１内において開口している１つまたは複数のコンジット
１０を通しての、チャンバによる吸込によって、皮膚の寄せ集めが行われる。

【００２５】 図示の実施形態においては、コンジット１０は、４個設けられており、これら
コンジット１０は、チャンバ４の上部壁１１に対して直交する向きに延在してお
り、真空引き源に対して接続されている共通コンジット１２に対して開口してい
る。

【００２６】 このような器具構成においては、マッサージ動作時には、皮膚の寄せ集め作用
を行うことができる。そして、患者の体に対しての吸付作用と前進速度作用との
複合効果のもとに、皮膚が寄せ集まられては解放され、さらに、寄せ集められた
皮膚の側面に対しては、ディスク７，８が当接し、ディスクが回転駆動されて寄
せ集め部分の変位をもたらす。この場合、実質的に、皮膚表面の摩擦現象が防止
される。

【００２７】 従来技術と比較して、本発明のマッサージ器具は、「触診／転がり」タイプの
マッサージを行い得るだけでなく、側方において独立に可動な当接領域が存在し
ていることにより、取扱いが容易である。患者の体に対しての器具移動が従来よ
りも容易であるとともに、マッサージ感覚がより快適であって、無痛であり、皮
膚に対する摩擦が低減される。

【００２８】 さらに、このような構造であると、３６０°にわたっての瞬時反転動作が可能
であることに注意されたい。

【００２９】 当然のことながら、本発明は、上記において例示された実施形態に限定される
ものではなく、本発明の精神内において様々な変形を行い得るものである。例示
の実施形態においては、ハウジング構造が単に概略的に図示されているだけであ
るけれども、ハウジング構造は、当然のことながら、操作者が握りやすいような
外面構成とすることができる。

【００３０】 また、上述のように、チャンバ内部に、可能であればモータ駆動されるといっ
た具合で回転自由とされた横方向ローラを取り付けることができる。この場合、
ローラどうしの間の間隔は、一定のものとすることも可変のものとすることもで
き、これらローラは、マッサージ動作時には、側方機能部材と相補的な作用をも
たらすことができ、皮膚に対しての摩擦を実質的になくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に基づいて作製されたマッサージ器具を示す斜視図である
。

【図２】 本発明によるマッサージ器具におけるハウジングを示す側面図で
ある。

【図３】 図２の底面図であって、図２におけるＡＡ線に沿って中央部が断
面で示されているとともに、側方機能部材が図示されている。

【図４】 図２におけるＢＢ線に沿った断面図であって、側方機能部材が図
示されている。

【符号の説明】

１ マッサージ器具 ３ ハウジング ４ チャンバ（内部チャンバ、吸込チャンバ、横方向スロット） ７ ディスク（可動部材、機能部材） ８ ディスク（可動部材、機能部材） １０ コンジット １１ 上部壁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 皮膚組織に対して吸付作用と移動作用とをもたらすマッサー
   ジ器具であって、 手動駆動可能なアセンブリ（１）の形態とされ、 該アセンブリは、真空引き源に対して接続されたハウジング（３）であって、
   患者の体の側を向くことを意図した面が開口している内部チャンバ（４）を備え
   ているハウジング（３）と；マッサージ動作時に前記チャンバ（４）内に形成さ
   れた皮膚寄せ集め部分に対して機械的作用をもたらし得るための手段と；を具備
   してなり、 この場合において、 −前記チャンバが、前記ハウジングの幅全体にわたって横方向に延在していると
   ともに、両側方端部において開口しており、 −機械的作用をもたらし得るための前記手段が、前記ハウジング（３）の両側方
   端部に設置された少なくとも２つの可動機能部材（７，８）を備えて構成され、
   これら可動機能部材は、前記ハウジングの側壁に対して密封式に当接するととも
   に前記チャンバの側方開口を閉塞していることを特徴とするマッサージ器具。
2. 【請求項２】 請求項１記載のマッサージ器具において、 前記ハウジングは、真空引き源に対して接続された内部チャンバを備えた一体
   部材として形成され、 前記内部チャンバは、両端が開口しているとともに患者の体を向く側が開口し
   ている横方向スロット（４）を形成し、 前記ハウジングの両側壁に、前記チャンバの側方開口を閉塞する前記機能部材
   （７，８）が取り付けられていることを特徴とするマッサージ器具。
3. 【請求項３】 請求項２記載のマッサージ器具において、 前記機能部材（７，８）は、前記皮膚寄せ集め部分に対しての側方摩擦を実質
   的に除去し得るよう、前記ハウジングに設置されたシャフト回りに回転自由な状
   態で取り付けられた２つのディスクを備えて構成されていることを特徴とするマ
   ッサージ器具。
4. 【請求項４】 請求項３記載のマッサージ器具において、 前記チャンバ（４）内に形成される吸込が、前記チャンバの上部壁において開
   口している複数のコンジット（１０）によって得られていることを特徴とするマ
   ッサージ器具。
5. 【請求項５】 請求項１記載のマッサージ器具において、 前記皮膚寄せ集め部分に対してのいかなる摩擦をも除去し得るよう、前記チャ
   ンバの内部に、横方向ローラが設置されていることを特徴とするマッサージ器具
   。