JP2001515589A - 補体レギュレーターまたはレセプタータンパク質を使用するスクリーニングおよび処置 - Google Patents

補体レギュレーターまたはレセプタータンパク質を使用するスクリーニングおよび処置

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Abstract

(57)【要約】 ガンについてスクリーニングあるいはガンまたは自己免疫障害を処置する方法が開示される。本発明の局面では、スクリーニング方法は、ガンの存在に関連することが見いだされる補体C3または補体C3関連タンパク質、あるいはこれをコードする核酸分子の検出に基づく。さらなるスクリーニング方法は、補体レギュレーターI因子またはDAF、あるいは補体レセプター1または3の使用に基づく。この方法の好ましい実施態様は、免疫学的特性、物理的特性、酵素的特性、およびそれらの組み合わせに基づく検出、あるいは核酸増幅に基づく抗原をコードする核酸分子の検出を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 補体レギュレーターまたはレセプタータンパク質を使用する スクリーニングおよび処置 技術分野 本発明は、一般的に、ガンについてスクリーニングすること(検出またはモニ タリングすること)、あるいは補体C3もしくはC3関連タンパク質が関連するガン または自己免疫疾患を処置すること、あるいは特定の補体レギュレーターまたは 補体レセプターまたは関連タンパク質が関連するガンを処置する方法に関する。 本発明は、より詳細には、補体C3タンパク質もしくはC3関連タンパク質(もしく はこのようなタンパク質をコードする核酸分子)、または特定の補体レギュレー ターもしくは補体レセプタータンパク質もしくは関連タンパク質(またはこのよ うなタンパク質をコードする核酸分子)を検出するか、またはこのようなタンパ ク質の量もしくは活性を調節することに関する。 発明の背景 本明細書に開示される本発明は、多くの異なるガンおよび疾患に適用可能性を 有するが、選択された代表的なガンおよび自己免疫疾患の背景のみが例示の目的 のために説明される。 A.腎細胞ガン 米国における腎細胞ガンの年間発症率は、約30,000症例であり、そしてこの疾 患は、男性ではガン死亡の約2.5%および女性では1.8%を占める。この疾患の診 断は、非常に難しいので、「内科医の腫瘍」と呼ばれている。これは、このほと んどサイレントキラーの微細な臨床症状のためである。 腎臓ガンの存在する患者の約10%は、疼痛、血尿、および組織の脇腹塊という 症状を有し、これは、かなり進行した疾患の証拠である。ほとんどの場合には、 ガンは、加減が悪い患者において症状の曖昧なセットについての原因を発見する ための診断研究中に見いだされる。現在の診断方法には、静脈内腎盂撮影法、超 音波、MRI、CT、放射性核種スキャンニング、ならびに嚢胞の吸引および生検が 挙げられる。すべての方法は、正常組織とガン性のものとを区別する能力が制限 されるが、嚢胞を同定することに非常に良好である傾向がある。腎臓ガンと他の 尿管ガンとの関連のため、腎臓ガンの診断が行われている場合に尿管のガンにつ いて調査するために膀胱鏡検査法を日常的に行うことが、推奨された実施である (Cancer Manual,第9版,1996,American Cancer Soclety,Massachusetts Divi sion,Framingham,MA,434-445頁)。 B.子宮頚ガン 米国における子宮頚ガンの年間発症率は、1996年については15,700症例と推定 される。この疾患は高度に処置可能であるが、1年に約4,900名の患者が死亡す る。 女性における子宮頚ガンの危険性は、決定することが困難である。したがって 、the American College of Obstetrics and Gynecologyは、ほとんどの女性が 子宮頚ガンについての毎年の細胞学的診断試験、すなわちPap試験を受けること を推奨する。Pap試験の診断性能は、良好である(偽陰性の割合5%〜30%、偽 陽性の割合<5%)が、試験は、有意なパーセントの不確定な結果を受け、これ は異型性といわれる。次いで、異型であるかまたは何らかの現在の感染後に繰り 返される炎症の証拠を示す塗抹が、うまく処理されていることが推奨される。異 型結果の頻度によって、試験費用が増加するだけでなく、平均的患者への危険性 もまた増加する。なぜなら、スクリーニングツールとしてPap試験の使用に伴う 主な困難性が患者のコンプライアンスであるからである。さらなる診断手順は、 種々の程度まですべて侵襲性であり、そして多く手順が存在する。 C.膀胱ガン 膀胱ガンは、米国において5番目に最も普通のガンである。the American Can cer societyは、1996年には合計52,900の新しい症例が検出され、そしてこの疾 患から生じる11,700例の死亡があると推定した。膀胱ガンの発症率は、年齢とと もに増加する。約3:1の比で女性よりも男性でより普通であり、そして喫煙なら びに特定の染料への曝露に非常に関連することが示されている。最も普通のタイ プの膀胱ガンは、移行型細胞ガン腫(TCC)であり、すべての症例の90%より多 くに相当する。 最も普通に示す症状は、症例の約80%で観察される血尿、および排尿障害であ る。血尿は、より頻繁に、非悪性症状に関連するが、このような症状の存在にお いては膀胱ガンの評価が完了されることが推奨される。一旦尿管の感染が可能性 として排除されていると、完全な評価には、尿細胞学、静脈内腎盂撮影法、およ び膀胱鏡検査法が含まれる可能性がある。細胞学による陽性診断の可能性(すな わち、排泄された尿中の腫瘍細胞の同定)は、腫瘍のグレードとともに増加する 。いくつかの場合には、細胞学的評価は、インサイチュでの腫瘍または膀胱の上 端に位置する腫瘍を検出するために必要であり得る。注意深い膀胱鏡検査法は、 疑いのある腫瘍中のおよびその周囲の領域で採取した複数の生検とともに、膀胱 ガンの診断のための常套手段(gold standard)であると考えられる。静脈内腎 盂撮影法は、腫瘍の段階を正確に決定することの補助となり得る。 評価の最初の手順の後、経尿道生検および切除が通常行われる。これらは、外 見上の病変の除去が可能であり、そして腫瘍の侵襲の臨床的段階および程度に関 する情報を提供する。このような情報は、適切な治療アプローチおよびそれに続 くモニタリング手順の選択を補助する。表在性腫瘍の再発は、通常処置後12カ月 以内に、症例の75%で生じることが普通であるので、モニタリングは、患者の長 期生存に重要である。したがって、表在性TCCの患者は、代表的には、最初の2 年間は3カ月毎にモニターし、そして再発がなかったならば、その翌年は6カ月 毎にモニターする。膀胱鏡検査法は侵襲的および不快であり、そして尿細胞学の 信頼性は再発を検出することに変動的であるので、信頼できる非侵襲的診断方法 の顕著な必要性がある。 D.結直腸ガン 結直腸ガンの発症率の毎年の割合は、1970年以来顕著に低下している。しかし 、1996年についての米国における新しい症例の推定は、なお133,500例であり、5 4, 900例の死亡という対応する予測を伴った。結直腸ガンは、米国における男性お よび女性の両方について3番目の発症率である。 発症率を低下させることへの秘訣は、早期検出の出現であり、これはスクリー ニングプロトコルの米国での使用によって可能になっている。スクリーニングに 用によって)、直腸指頭診、およびS状結腸鏡検査法を含む。後者の2つの手順 は、臨床医の診療室で行われなければならず、そして側方または上行結腸におけ る疾患を検出し得ない。したがって、ガンの存在がしばしば見逃されるだけでな く、臨床医は、結腸全体を可視化するために追加の手順を利用するかどうかを推 測することが残されている。バリウム注腸を与えた後の結腸鏡またはX線可視化 による直接可視化を含む、このような手順は、侵襲的であり、高価であり、そし て時間を浪費する。 the American Cancer Societyによって推奨されるスクリーニングのための手 順は、手順の時間にポリープの除去および疑わしい病変の生検を可能にするとい う点で、結腸鏡検査である。結腸鏡検査を用いて行うための決定は、潜血試験の 陽性結果、約37%の感度での手順、および約97%の特異性に基づく。 the American Cancer Societyは、一般的スクリーニングについて、すべての 個体についての毎年の直腸指頭診を40歳で始めることを推奨する。50歳では、th e societyは、さらに、グアヤク方法による潜血についての3回の二重試験の毎 年のシリーズの開始を推奨する。最後に、the Societyは、2回の最初のS状結 腸鏡検査法を1年おきに行い、そして両方とも陰性ならば、さらにS状結腸鏡検 査法による可視化を3〜5年ごとに繰り返すことを推奨する。 結腸ガンと診断された患者は、しばしば、CEAまたはCA72-4のような循環性腫 瘍関連抗原について1つ以上の血液試験でモニターされる。しかし、これらのマ ーカーは、容易に処置し得る早期段階の疾患(Dukes段階付けシステムによるAま たはB1)を検出し得ず、したがって一般的集団のスクリーニングに適切ではない 。 したがって、ある種のガンの発生または再発を検出することに信頼性のある非 侵襲的診断方法について、当該技術分野で必要がある。本発明は、この必要性を 満たし、そしてさらに他の関連する有利点を提供する。 E.自己免疫疾患 自己免疫疾患は複雑であり、そして多様なメカニズムおよび病理を有する。明 確にするために、自己抗原に特異的な抗体の産生によって媒介されることが公知 である疾患を、宿主組織の破壊である結果とともに、説明する。 肺および腎糸球体の基底膜に対する抗体は、グッドパスチャー症候群の患者に よって産生され、皮膚基底膜に対しては天疱瘡症候群の個体で、そしてコラーゲ ンに対しては慢性関節リウマチの個体で産生される。疾患の病理学的進行は、皮 膚、腎臓、肺、または関節における正常構成成分に特異的な抗体の沈着、次いで 補体活性化によるおよび細胞性炎症プロセスによる基底膜の破壊を包含する。こ れらのプロセスは、年齢とともに加速する組織破壊を生じ、そして現在の処置で は、緩和しうるが、制御または治癒し得ない。 炎症の部位で免疫細胞の蓄積を刺激する分子の多くは、活性化した補体系の産 物である。例えば、補体C3は、タンパク質分解的にC3bに活性化され、これは破 壊される膜標的に付着する。除去されるC3の一部である、C3aと命名されたC3の α鎖由来の9kdペプチドは、組織破壊の部位への単球およびマクロファージの重 要な誘因物質である。 したがって、それゆえ、自己免疫疾患における組織の破壊を最終的に導くプロ セスを制御するために、このような活性な成分の形成を阻害し得る薬剤について 、当該技術分野で必要がある。本発明はこの必要性を満たし、そしてさらに、他 の関連する有利点を提供する。 発明の要旨 簡単にいえば、本発明は、ガンについてスクリーニングする(検出またはモニ タリングする)ための種々の方法、あるいはガンまたは補体C3タンパク質もしく はC3関連タンパク質が関連する自己免疫障害を処置するための方法を提供し、あ るいは、他の局面では、特定の補体レギュレーターまたは補体レセプタータンパ ク質または関連タンパク質が関連するガンを処置する方法を提供する。診断方法 は、異常が疑われる場合に単回ベースで、または、例えば、ガンを獲得または再 獲得する上昇した危険性のある個体をモニターするために定期的ベースで、使用 され得る。 1つの局面では、本発明は、ガンについてスクリーニングする方法を提供し、 この方法は、試料中における補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質、あるい はタンパク質(すなわち、補体C3またC3関連タンパク質)をコードする核酸分子 の存在を検出する工程を包含する。好ましい実施態様では、スクリーニングされ るガンは、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンである。 関連の局面では、本発明は、ガンを処置する方法を提供し、この方法は、補体 C3タンパク質またはガンに関連するC3関連タンパク質を調節する工程を包含する 。好ましい実施態様では、処置されるガンは、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン 、または子宮頚ガンである。 他の局面では、本発明は、自己免疫障害を処置する方法を提供し、この方法は 、補体C3タンパク質または自己免疫障害に関連するC3関連タンパク質を調節する 工程を包含する。 他の局面では、ガンについてスクリーニングする方法を提供し、この方法は、 試料中で、1つ以上の補体崩壊促進因子(DAF)タンパク質もしくはDAF関連タン パク質、補体ファクターI(CFI)タンパク質もしくはCFI関連タンパク質、補体 結合タンパク質CR1もしくはCR1関連タンパク質、補体結合タンパク質CR3もしく はCR3関連タンパク質、または上記タンパク質のどれか1つをコードする核酸分 子の存在を検出する工程を包含する。好ましい実施態様では、スクリーニングさ れるガンは、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンである。好ま しい実施態様では、検出される分子は、CFIタンパク質またはCFI関連タンパク質 、あるいはタンパク質をコードする核酸分子;またはCR3タンパク質またはCR3関 連タンパク質、あるいはタンパク質をコードする核酸である。 関連の局面では、本発明は、ガンを処置する方法を提供し、この方法は、補体 崩壊促進因子(DAF)タンパク質またはDAF関連タンパク質、補体I因子(CFI)タ ンパク質またはCFI関連タンパク質、補体結合タンパク質CR1またはCR1関連タン パク質、あるいは補体結合タンパク質CR3またはCR3関連タンパク質のいずれか1 つを調節する工程を包含し、ここでタンパク質はガンに関連する。好ましい実施 態様では、処置されるガンは、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚 ガンである。好ましい実施態様では、CFIタンパク質またはCFI関連タンパク質が 調節され;あるいはCR3タンパク質またはCR3関連タンパク質が調節される。 関連の局面では、本発明は、補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質が関連 するガンを処置するための医薬品としての使用のための、ガンに関連する補体C3 タンパク質またはC3関連タンパク質を調節する薬剤を提供する。本発明の組成物 は、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて、このような薬剤 を含む。本発明の範囲内では、このような薬剤は、補体C3タンパク質またはC3関 連タンパク質が関連するガンの処置のための医薬品の製造に使用される。 関連の局面では、本発明は、補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質が関連 する自己免疫障害を処置するための医薬品としての使用のための、自己免疫障害 に関連する補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質を調節する薬剤を提供する 。本発明の組成物は、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて 、このような薬剤を含む。本発明の範囲内では、このような薬剤は、補体C3タン パク質またはC3関連タンパク質が関連する自己免疫障害の処置のための医薬品の 製造に使用される。 関連の局面では、本発明は、タンパク質が関連するガンを処置するための医薬 品としての使用のための、補体崩壊促進因子(DAF)タンパク質またはDAF関連タ ンパク質、補体I因子(CFI)タンパク質またはCFI関連タンパク質、補体結合タ ンパク質CR1またはCR1関連タンパク質、あるいは補体結合タンパク質CR3またはC R3関連タンパク質のいずれか1つを調節する薬剤を提供する。本発明の組成物は 、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて、このような薬剤を 含む。本発明の範囲内では、このような薬剤は、タンパク質が関連するガンの処 置のための医薬品の製造に使用される。好ましい実施態様では、薬剤は、CFIタ ンパク質またはCFI関連タンパク質を調節し;あるいはCR3タンパク質またはCR3 関連タンパク質を調節する。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 にして明らかになる。 図面の簡単な説明 図1は、抗C3およびアルカリホスファターゼ結合MAb X46.3を用いる腎臓ガン の検出のための酵素イムノアッセイを示す。MAb X46.3の存在を、アルカリホス ファターゼの基質の添加後の405nmでの吸光度(A405)を測定することによって 検出した。 図2は、MAb X46.3によるC3b分解の阻害を証明するSDS-PAGEゲルの写真を示す 。 図3は、補体が媒介する溶血に対するMAb X46.3およびX87.2の効果を示す。 図4は、いくつかの異なるヒトガン細胞株におけるDAF mRNAの存在を証明する アガロースゲルの写真を示す。 図5は、種々の細胞株からの補体レセプターCR1 cDNAの増幅についての結果を 示す。 図6は、種々の細胞株からの補体レセプターCR2 cDNAの増幅についての結果を 示す。 図7は、種々の細胞株からの補体レセプターCR3 cDNAの増幅についての結果を 示す。 図8は、種々の細胞株からの補体I因子cDNAの増幅についての結果を示す。 図9は、ドット-ブロット手順によって同定される場合、子宮頚部標本とのMAb X67.2の反応性を示す。 図10は、CD11b 18-933RTプライマーセットによる、種々のヒト細胞株からのCR 3のCD11b鎖についてのcDNAの増幅の結果を示す。 図11は、CD11b 18-933RTプライマーセットを使用する種々の末梢血白血球標本 からのcDNAの増幅の結果を示す。 図12は、CD11b 129-933プライマーセットによる、種々のヒト細胞株からのCR3 のCD11b鎖についてのcDNAの増幅の結果を示す。 図13は、CD11b 2665-3103RTプライマーセットによる、種々のヒト細胞株から のCR3のCD11b鎖についてのcDNAの増幅の結果を示す。 図14は、CD11b 129-933RTプライマーセットを使用する、結腸ガンの2名の患 者からの適合した正常(N1およびN2)およびガン(C1およびC2)結腸組織からの CR3のCD11b鎖についてのcDNAの増幅の結果を示す。MWSと標識したレーンは、分 子量マーカーを含む。 図15は、図の左半分で、CD11b 2665-3103RTプライマーセットを使用する、結 腸ガンの2名の患者からの適合した正常(N1およびN2)およびガン(C1およびC2 )結腸組織からのCR3のCD11b鎖についてのcDNAの増幅の結果を示す。MIC 148-25 33RTコントロールプライマーセットと同じ標本からのcDNAの増幅を、図の右半分 に示す。MWSで標識される2つのレーンは、分子量マーカーを含む。 図16は、CFIプライマーセットFI7usおよびFIG683dsを使用する、結腸ガンの2 名の患者からの適合した正常(N1およびN2)およびガン(C1およびC2)結腸組織 からの補体I因子についてのcDNAの増幅の結果を示す。 発明の詳細な説明 本発明でスクリーニングまたは調節される腫瘍関連タンパク質抗原および核酸 配列は、見かけの分子量によって、配列比較によって、アンプリコンサイズによ って、およびヒト補体タンパク質C3、I因子、崩壊促進因子、または補体レセプ ターCR1もしくはCR3に関連すべき制限マッピングによって、決定されている。ガ ン細胞は、これらのタンパク質のいずれかの1つ以上の形態を産生し得るので、 本明細書で使用される場合、用語「補体関連タンパク質」および「補体レセプタ ー関連タンパク質」とは、ヒト補体および補体レセプタータンパク質の改変体を いう。改変体は、ヒト補体および補体レセプタータンパク質をコードする核酸分 子を変化させる変異、代わりのスプライシング、または組換え事象の結果であり 得る。一般的に、腫瘍細胞からのヒト補体関連タンパク質または補体レセプター 関連タンパク質と、対応するヒト補体タンパク質またはヒト補体レセプタータン パク質との、アミノ酸配列同一性は、少なくとも約50%である。より代表的には 、アミノ酸配列同一性は、50%〜100%の(およびこれを含む)少なくともほぼ いずれかの整数、例えば、少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、 85%、90%、または95%同一性である。ヒト補体タンパク質またはヒト補体レセ プタータンパク質にほぼ同一である改変体は、少なくとも約85%または90%同一 性を有する。本明細書で使用される場合、アミノ酸配列「同一性」は、Macintos h用のプログラムGene Jockey II(1993)(Philip L.Taylor,Biosoftによって 刊 行,Cambridge,UK)を使用して、アミノ酸配列のアラインメントおよび同一アミ ノ酸残基の確立によって決定される。プログラムは、プログラムデフォルトパラ メータを使用して、アミノ酸相同性モードで実行する。プログラムによって位置 合わせした2つの配列の比較では、同一性のパーセントは、2つの配列の両方に 存在するアミノ酸残基がある位置についてのみ算出される。さらに、ヒト補体関 連タンパク質または補体レセプター関連タンパク質をコードする核酸分子は、代 表的には、以下に記載のように、中程度のストリンジェント条件下で、1つ以上 のプライマー対にハイブリダイズする。これは、腫瘍関連ヒト補体関連抗原また はヒト補体レセプター関連抗原について一定の配列(本明細書に開示される)の 保存を反映する。タンパク質は、一般的に、以下に記載のように、タンパク質を コードする核酸分子が、中程度のストリンジェント条件下で1つまたは他のまた はより多くのプライマー対にハイブリダイズする能力に基づいて、腫瘍結合ヒト 補体関連またはヒト補体レセプター関連抗原として同定され得る。中程度ストリ ンジェントハイブリダイゼーション条件は、当業者に周知であり、そして例えば 、標的を有するプライマーの算出された融点で行われる条件と定義され得る。本 明細書での開示に基づいて、当該技術分野で公知の方法論と組み合わせて、タン パク質が、腫瘍関連ヒト補体関連または補体レセプター関連抗原であるかどうか 、あるいは核酸分子がこのようなタンパク質をコードするかどうかは、当業者に 明らかである。補体タンパク質をコードする核酸配列についての参照番号を以下 に挙げる。 ヒト補体タンパク質をコードする核酸配列についての参照番号 上記に記載したように、1つの局面では、本発明は、補体C3またはC3関連タンパ ク質が関連する異常(例えば、ガンまたは自己免疫疾患)についてスクリーニン グする(検出またはモニタリングする)方法または異常を処置する方法に関する 。本発明で開示されるように、補体C3またはC3関連タンパク質「C3rp」は、腫瘍 細胞の存在に関連することが見いだされており、そして腫瘍を有する患者からの 標本中で検出可能な濃度で生存することが見いだされている。本発明の開示は、 例えば、膀胱ガン患者の尿中の上昇したC3/C3rp(すなわち、腫瘍C3またはC3rp )の存在、および培養物中の腫瘍細胞によるC3/C3rpの合成を記載する。C3/C3rp を認識するモノクローナル抗体を、ヘパリンアガロースクロマトグラフィーによ って膀胱ガン患者の尿から分画した部分精製したタンパク質との免疫によって調 製した。正常血液C3に対して惹起したモノクローナル抗体は、C3rpをC3と区別し ない。 C3/C3rpは、実質的に純粋な形態で単離され得る。簡単にいえば、例えば、尿 試料を(例えば、遠心分離によって)澄明にし、そして(例えば、ホローファイ バー濃縮機によって)濃縮する。濃縮した試料を、ヘパリンアガロースでクロマ トグラフにかけ、そして結合した物質(ヘパリンアガロースに直接または間接的 に結合した)を、直線的緩衝化NaCl勾配を使用して溶出した。プールした画分を 濃縮した。C3/C3rpは、C3/C3rpに対する抗体を使用してさらに精製され得る。純 度は、適切なタンパク質染色でドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲ ル電気泳動(「SDS-PAGE」)によって評価し得る。ポリペプチドの適切な分子量 は、SDS-PAGE上の公知の分子量のポリペプチドの移動度とその移動度との比較に よって推定される。C3/C3rpは、正常ヒト血液補体C3との実質的配列相同性を有 する。 精製した抗原(C3/C3rp)、部分精製した抗原、または抗原を含む生物学的試 料は、抗原に特異的に結合する抗体を産生するために使用され得る。特異的に結 合する抗体は、約106リットル/mol以上の親和性を有する抗体である。ポリクロ ーナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかが生成され得る。ポリクローナ ル抗体は、動物の免疫およびその血清のその後の収集によって産生され得る。一 般的に、最初の免疫後に血清収集前の1回以上の追加免疫をすることが好ましい 。モノクローナル抗体は、一般的に、KohlerおよびMilstein(Nature 256:495-4 97,1975;Eur.J.Immunol.6:511-519,1976)によって産生される。簡単にい えば、純粋または純粋でない形態で抗原を注射した動物のリンパ腺および/また は脾臓を、ミエローマ細胞と融合して、ハイブリッド細胞株(「ハイブリドーマ 」または「クローン」)を形成する。各ハイブリドーマは、抗原に特異的な免疫 グロブリンの単一のタイプを分泌し、そしてミエローマ細胞と同様に、不確定な 細胞分裂の可能性を有する。 純粋または純粋でない形態での抗原(「免疫原」)は、免疫のために使用され る。好ましくは、動物を、各々少なくとも100ngの免疫原で、最も好ましくは各5 00ng以上で免疫する。免疫のために、免疫原は、固相マトリクスに、好ましくは ニトロセルロースペーパーに吸着され得る。次いで、ペーパーは、動物に導入さ れる。吸着した抗原調製物の導入のための技法には、移植(米国特許第4,689,22 0号)または固相の溶解および溶解した物質の注射(Knudsen,Anal.Biochem.1 47:285-288,1985)が挙げられる。固相マトリクスは、適切な有機溶媒(例えば 、DMSO)に溶解され得、そしてアジュバントもしくは生理食塩水と混合するか、 または直接注射し得る。 あるいは、免疫原は、固相マトリクスおよび/またはアジュバントの不在下で 注射され得る。注射または移植は、腹腔内、足蹠内、皮下、筋肉内、または静脈 内であり得るが、好ましくは腹腔内である。動物はまた、フロイントアジュバン トのようなアジュバントと複合体化した抗原で注射され得る。単回または複数回 追加免疫を使用する。融合日の前の1〜7日の間、好ましくは1〜4日目に、免 疫原の静脈内注射が、毎日投与され得る。 最終追加免疫の投与後、1〜7日の間、好ましくは4日目に、脾臓またはその 一部を、免疫した動物から採取する。この時点で、リンパ腺も採取され、そして 細胞調製物に含まれ得る。採取した臓器を、臓器の構造を破壊するが、リンパ球 に有害でない技法を使用して細切する。臓器は、好ましくは、ハサミで細説し、 メッシュスクリーンを通し、そして増殖培地と混合して、リンパ球について調製 物を富化する。細切しそして裏ごしした組織を、遠心分離によって採取し、次い で増殖培地と混合して、細胞懸濁液を形成する。赤血球は、細胞懸濁液に低張ま たは高張溶液を添加することによって溶解され得る。細胞溶解に好ましい方法は 、蒸留水を懸濁液に添加し、そして高張塩化ナトリウム溶液で、懸濁液を等張状 態に迅速に戻すことである。何らかの残りの組織は、ゲージを通す濾過によって 除去され得る。 次いで、採取した細胞懸濁液を、好ましくは免疫した動物と同系であるミエロ ーマ細胞株と混合する。種々の種からのミエローマ細胞株は、例えば、American Type Culture Collection(ATCC),Rockville,Marylandより広く入手可能であ る。通常使用されるミエローマ細胞株には、P3X63Ag8(ATCC TIB 9)、SP2/0-Ag 14(ATCC CRL 1581)、FO(ATCC CRL 1646)、および210-RCY-Agl(Galfreら,N ature 277:131,1979)が挙げられる。 ミエローマ細胞を、適切な哺乳動物増殖培地中で培養し、種々の培地は、一般 的に当該技術分野で公知であり、そして市販の供給源から入手可能である。哺乳 動物細胞株は、6.0と8.0との間の最適pH、好ましくは約pH7.2を維持する条件下 で、36℃と40℃との間でルーチンで増殖される。pHは、当該技術分野で公知の種 々の緩衝系の使用によって維持され得る。好ましい緩衝系は、CO2、好ましくは 約7%CO2を含む湿潤したインキュベーター中で重炭酸塩緩衝液中で細胞を培養 することを包含する。 免疫した動物からのリンパ球とミエローマ細胞との間の融合は、文献に記載の 種々の方法によって行われ得る。これらの方法には、ポリエチレングリコール( PEG)(Brownら,J.Biol.Chem.255:4980-4983,1980)および電気融合(Zimm ermanおよびVienken,J.Membrane Biol.67:165-182,1982)の使用が挙げられ る。電気融合生成機は、Biotechnologies and Experimental Research,Inc.,S an Diego,Californiaから市販されている。 融合後、細胞を、マルチウェル培養プレート、好ましくは96ウェルプレートに 入れる。融合していない細胞に対して融合したミエローマ細胞の増殖を選択的に 可能にさせる試薬が、培養培地に添加される。好ましい選択技法は、HAT(ヒポ キサンチン、アミノプテリン、チミジン)選択を使用する。他の選択技法はまた 、 選択したミエローマ細胞株に依存して使用され得る。 モノクローナル抗体を産生する代わりの方法は、インビトロ免疫技法を利用す る。リンパ球は、脾臓またはリンパ節のようなリンパ様器官から、あるいは末梢 血リンパ球のような白血球から採取し得る。リンパ球は、適切な免疫原の存在下 で培養物中に入れる。免疫刺激ポリペプチドは、しばしば、同時に培養培地に添 加される。インビトロでのリンパ球の培養後の種々の時間で、リンパ球を採取し 、そして上記のようにミエローマ細胞株と融合させる。 培養物中で抗体分泌リンパ球細胞株を産生および維持するための他の技法には 、培養物中で増殖し続ける形質転換した細胞株を産生するためのリンパ球のウイ ルストランスフェクションが挙げられる。エプスタイン・バーウイルス(EBV) が、この技法に使用されている。EBV形質転換した細胞は、培養物中で増殖を持 続させるためにミエローマ細胞との融合を必要としない。 胸腺細胞は、融合した細胞についての培地を馴化するためのフィーダー層とし て使用され得る。あるいは、腹腔マクロファージまたは非免疫脾臓細胞は、フィ ーダー層として使用され得る。他の代替は、胸腺細胞またはマクロファージから の馴化培地を使用することである。胸腺細胞は、8週齢未満の幼若マウスから調 製され得る。胸腺を採取し、そして胸腺を破壊するが胸腺細胞に有害ではない技 法を使用して細切される。この手順は、好ましくは、組織を細切するためにハサ ミを使用して行われ、次いで組織の継代をメッシュスクリーンに通す。次いで、 細切しそして裏ごしした細胞物質を、遠心分離によって採取する。細胞懸濁液を 、増殖培地を使用して作成する。何らかの残りの結合組織は、ゲージを通しての 濾過によって除去され得る。 細胞を融合した日の後の適切な時に、次いで融合した細胞(ハイブリドーマ) を、抗原に対する抗体の産生について分析する。この「スクリーニング」は、ウ エスタンブロット、ELISA、免疫沈降、生物学的活性アッセイの効果、および免 疫細胞化学的染色を含む、広範な種々の技法によって行われ得る。これらの技法 および他は、文献に十分に記載される。(例えば、J.G.R.Hurrell(編),Mono clonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications,CRC Press Inc .,Boca Raton,Fla.,1982を参照のこと)。スクリーニング手順の導入は、有 用 な反応性の抗体のさらなる定義を可能にする。例えば、膀胱ガンの患者の生物学 的試料から精製した抗原は、例えば、病気の患者に普通である決定基に反応する 抗体を定義するための上記の技法のいずれかで使用され得る。 目的の抗体を分泌するハイブリドーマは、培養物中で維持される。細胞は、培 養物中で拡張され、そして同時に、単一細胞から生じるコロニーを得るような形 式でクローニングされ得る。これは、ハイブリドーマから得られる抗体のモノク ローナルの性質を提供する。限界希釈、軟寒天クローニング、および蛍光活性化 細胞ソーティングを含む、細胞をクローニングするための広範な種々の技法が存 在する。 一旦細胞のクローンが得られると、これらは、目的の抗体の産生について再ア ッセイされる。次いで、これらの細胞は、培養物中で拡張されて、より大量の抗 体の産生を可能にする。細胞の拡張のための方法は、培養物中に細胞を維持する こと、バイオリアクターまたは他のタイプの大規模細胞培養環境中の細胞の配置 、あるいは種々の寒天またはゼラチンキャリアマトリクスを使用して細胞を培養 することを含む。次いで、抗体を、細胞培養培地から単離する。 抗体は、当該技術分野で公知の種々の方法によって馴化培地または腹水液から 精製され得る。これらの方法には、硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換クロマト グラフィー(Hurrell,同上を参照のこと)、およびヒドロキシルアパタイト支 持体を使用する高速液体クロマトグラフィー(Stankerら,J.Immunol.Methods 76:157,1985)が挙げられる。馴化培地または腹水液から抗体を精製するため 混合したイオン交換樹脂(JT Baker,Phillipsburg,NJ)を利用する。抗体は、 製造業者によって示唆される条件を使用してこれらのカラムで精製され得る。 本明細書で開示されるように、C3/C3rpは、結腸直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガ ン、および子宮頚ガンを含む、種々のガンに関連することが見いだされ、そして C3/C3rp自体またはC3/C3rpをコードする核酸分子を検出することを含む、種々の 方法で検出され得る。C3/C3rpの存在を、(すなわち、定性的または定量的に) 検出する方法には、物理的特性、免疫学的特性、生化学的特性、およびそれらの 組み合わせ(すなわち、分子の物理的サイズ、核酸配列、アミノ酸配列、モノク ローナルまたはポリクローナル抗体による結合、リガンド結合、酵素的特性、お よびそれらの組み合わせ)に基づく方法を含む。例えば、生化学的特性に関して 、C3/C3rpは、C3bを産生するために分解(例えば、タンパク質分解的活性化)さ れ得る。C3bの産生は、直接的に(例えば、抗C3b抗体を使用して)または間接的 に(例えば、C3bが標的細胞の溶解を促進する能力によって)測定され得る。 あるいは、C3/C3rp自体を検出するのではなく、C3/C3rpをコードする核酸分子 が検出され得る。このような核酸分子は、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ 核酸(RNA)であり得る。一般的に、C3/C3rpをコードする核酸分子は、核酸の増 幅によって検出される。種々の方法は、選択した配列を増幅するために利用され 得、これには、例えば、RNA増幅(Lizardiら,Bio/Technology 6:1197-1202,19 88;Kramerら,Nature 339:401-402,1989;Lomeliら,Clinical Chem.35(9):1 826-1831,1989;米国特許第4,786,600号を参照のこと)、およびリガーゼ連鎖 反応(「LCR」)またはポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を利用するDNA増幅( 米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号を参照のこと) (米国特許第4,876,187号および第5,011,769号も参照のこと、これらは、切れや すい連結の使用を含む代わりの検出/増幅系を記載する)、または当業者のレベ ル内で十分である他の核酸増幅手順が挙げられる。PCRに関しては、例えば、こ の方法は当該技術分野で公知のとおりに改変され得る。PCRの転写増強は、一次 オリゴヌクレオチドの1つにおけるバクテリオファージT7 RNAポリメラーゼプロ モーター配列の組込みによって達成され得、そして増強した放射体からの産物の 免疫酵素的検出は、抗RNA:DNA抗体を使用して行われ得る(Blais,Appl.Enviro n.Microbiol.60:348-352,1994)。PCRはまた、逆ドット・ブロットハイブリ ダイセーションと組み合わせて使用され得る(Iidaら,FEMS Microbiol.Lett. 114:167-172,1993)。PCR産物は、dUTPの組込みによって定量的に分析され得 プローブ検出のためにフィルターサンプリングされ得る(Bejら,Appl.Environ .Microbiol.57:3529-3534,1991)。 選択された配列の増幅のためのプライマーは、C3/C3rpに非常に特異的であり そして標的配列との安定な二重鎖を形成する配列から選択されるべきである。プ ライマーはまた、特に3'末端で、非相補的であるべきであり、それ自体または他 のプライマーとダイマーを形成すべきでなく、そしてDNAの他の領域と二次構造 または二重鎖を形成すべきでない。一般的に、約20〜30ヌクレオチドのプライマ ー(以下により詳細に記載されるような)が好ましく、そして当該技術分野で周 知の技法を使用して容易に合成され得る。PCR産物、および他の核酸増幅産物は 、 212:229-236,1993;Higuchiら,Bio/Technology 11:1026-1030)。 好ましい実施態様には、C3/C3rpをコードする特異的メッセンジャーRNA(mRNA )の存在についてアッセイすることが挙げられる。より詳細には、例えば、本明 細書に記載のように、細胞試料は溶解され得、そしてmRNAは単離され得、増幅さ れ得、そしてC3/C3rpに特異的なmRNAの存在について検査され得る。種々の手順 は、抗原特異的mRNAの存在を検出するために使用され得る。特に好ましい方法に は、mRNAのRT-PCR(逆転写に基づくポリメラーゼ連鎖反応)増幅が挙げられる。 試料(例えば、細胞または組織、便標本、排出された尿試料、または子宮頚部 綿棒から抽出した物質)におけるC3/C3rpの存在を検出することは、種々の用途 を有する。例えば、本発明は、(特定の試料の供給源に依存して)結腸直腸ガン 、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンのようなガンについて、ヒトのような 温血動物をスクリーニングするための診断目的に使用され得る。特定のガンに好 ましい試料供給源は、当業者に明らかである。例えば、排出された尿試料を使用 して、腎臓または膀胱ガンについてスクリーニングし得る。類似の様式で、本発 明は、温血動物をモニターするために使用され得る。特に、好ましい使用は、結 腸直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンについて以前に診断および 処置された患者を追跡することである。寛解傾向にある(または実際に治癒され 得る)患者は、結腸直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンの再発に ついてモニターされ得る。本発明の使用から得られる陽性または陰性の結果を確 認するために、結腸直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンについて 1つ以上の他の試験と組み合わせて本発明を使用することが望ましくあり得る。 本明細書に開示されるように、ガンによるC3/C3rpの産生が、ガンについて有 益な目的を満たすようである。理論に拘束されることを意図しないが、C3/C3rp は、補体系の操作を妨害する「デコイ」として用いられ得(したがって、腫瘍細 胞が宿主の免疫系による監視から逃れることを可能にする);またはC3/C3rp産 生および分解は、腫瘍細胞に対する増殖因子(すなわち、自己分泌機能)として 作用する産物を生じ得る。腫瘍におけるC3/C3rpの正確な機能にかかわりなく、 本発明は、ガンを処置する手段としてC3/C3rpの調節を提供する。本明細書で使 用される場合、用語ガンを「処置する」とは、例えば、腫瘍細胞を殺傷すること 、腫瘍の増殖を抑止すること、または腫瘍宿主の生存時間を延長することを含む 、種々の有益な効果の1つ以上をいう。C3/C3rpが、種々の方法で調節され得る ことは、当業者には明らかである。例えば、C3/C3rpは、腫瘍細胞によるC3/C3rp の産生を中断すること、または腫瘍細胞による産生後にC3/C3rpを「不活化する こと」(例えば、C3/C3rp、その変換、またはその効果をブロックすること)に よって調節され得る。抗原の産生を中断する好ましい方法は、DNA、PNA(ペプチ ド核酸)、抗原mRNAに相補的な塩基配列を有する構築物の使用による。このよう なアプローチは、総称して、アンチセンス技法と呼ばれる。代表的には、C3/C3r pアンチセンスDNAは、腫瘍細胞にこのDNAを送達する適切なベクター(ウイルス )に挿入される。一旦標的細胞内にはいると、アンチセンス構築物は、C3/C3rp をコードするmRNAに特異的に結合し、それによって翻訳を抑制する。抗原の産生 を中断するために使用され得る他の方法の中で主なものは、C3/C3rpをコードす る1つまたは複数の特異的遺伝子の転写をブロックする特異的分子の使用である 。腫瘍細胞が抗原を産生する能力をブロックするように設計した化学物質は、好 ましくは、全身的ではなく、腫瘍の付近に送達される。 抗原調節に対する別のアプローチは、C3/C3rpの活性を阻害するために、また はC3/C3rp上の結合部位を妨害するために試薬を使用することである。このよう な試薬の1つのファミリーには、モノクローナル抗体またはそのフラグメント( 例えば、抗原結合フラグメント)が含まれる。本明細書に開示されるように、例 えば、C3/C3rpと反応性である抗体の適切な濃度は、補体経路の1つによるガン 細胞の溶解の速度を増加させる(実施例III)。このような試薬については、上 記のように、送達は、好ましくは、全身的ではなく、腫瘍部位に投与される。 上記の抗体については、試薬の親和性は、少なくとも約106リットル/molである べきであり、そして用量は、約0.01μg/kg体重〜10mg/kg体重の範囲内であるべ きである。さらに、この様式で処置されるべき腫瘍の好ましいタイプは、循環系 から明確に分離される。抗体は、抗体と類似の機能的特性を有する有機低分子ま たはアミノ酸ベースの分子(例えば、ペプチド)で、置換または補充され得る。 したがって、C3/C3rpは、補体系によるガン細胞の殺傷が促進されるように調節 され得る。 本発明はまた、自己免疫疾患を処置するための手段としてC3/C3rpの調節を提 供する。免疫系による正常細胞の溶解が、自己免疫疾患および心筋梗塞に関連す る組織破壊の重要な供給源であることは、周知である。代表的には、例えば、自 己免疫抗体は、関節または嚢の付近の基底膜または細胞表面に沈着し、古典的補 体経路の局所的活性化を生じる。C3は、C3bを形成するためのそのタンパク質分 解活性化後の両方(すなわち、古典的および代替)の補体経路についての中心的 エレメントである。本明細書に開示されるように、C3/C3rpと反応性である抗体 の適切な濃度は、C3のC3bへの変換を阻害し、それによって標的化細胞の溶解を 阻害する。別の結合パートナー(抗体の他に)は、有機低分子およびペプチドの ようなアミノ酸ベースの分子を含む。したがって、C3/C3rpに結合する分子は、C 3媒介性細胞破壊を阻害するために使用され得る。 本発明の別の局面では、本明細書に開示されるように、崩壊促進因子(DAF) またはDAF関連タンパク質(「DAFrp」)、補体I因子(CFI)またはCFI関連タン パク質(「CFIrp」)、補体結合タンパク質CR1またはCR1関連タンパク質(「CR1 rp」)、および補体結合タンパク質CR3またはCR3関連タンパク質(「CR3rp」) に関連するタンパク質は、結腸直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、および子宮頚ガ ンを含む種々のガンに関連することが見いだされる。しかし、B、D、F、P、およ びBb因子のような代替補体経路の他の成分は、腫瘍細胞に関連することが見いだ されていない。DAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、CR1rp、CR3、またはCR3rpは、種 々の方法で検出され得る。例えば、1つ以上のDAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、C R1rp、CR3、およびCR3rpが検出され得、または1つ以上のこれらのタンパク質を コードする分子が検出され得る。1つ以上のDAF、DAFrp、CF1、CFIrp、CR1、C R1rp、CR3、またはCR3rpの存在を(すなわち、定性的または定量的に)検出する ための方法には、物理的特性、免疫学的特性、生化学的特性、およびそれらの組 み合わせ(例えば、分子の物理的サイズ、核酸配列、アミノ酸配列、モノクロー ナルまたはポリクローナル抗体による結合、リガンド結合、酵素的特性、および それらの組み合わせ)に基づく方法が含まれる。C3/C3rpの状況において、抗体 のアッセイおよび産生に関する上記の議論は、DAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、C R1rp、CR3、およびCR3rpの目的のために参考として本明細書に援用される。さら に、抗DAF抗体、抗CFI抗体、抗CR1抗体、および抗CR3抗体は、それぞれBiodesig n International(Kennebunk,ME)、The Binding Site(San Diego,CA)、Pharmin gen(San Jose,CA)、およびPharmingen(San Jose,CA)から市販されている。 さらに、CR3のCD11bポリペプチド鎖サブユニットのような、CR3/CR3rpの一部が 検出され得る。 試料中のDAF、DAFrp、CFI、LCFIrp、CR1、CR1rp、CR3、またはCR3rpの存在を 検出することは、種々の用途を有する。例えば、本発明は、(特定の試料の供給 源に依存して)結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンのようなガ ンについて、ヒトのような温血動物をスクリーニングするための診断目的に使用 され得る。同様に、本発明は、温血動物をモニターするために使用され得る。特 に、好ましい用途は、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または子宮頚ガンにつ いて既に診断および処置されている患者を追跡することである。寛解傾向にある (または実際に治癒され得る)患者は、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、また は子宮頚ガンの再出現についてモニターされ得る。本発明の使用から得られる陽 性または陰性結果を確認するために、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、または 子宮頚ガンについての1つ以上の他の試験と組み合わせて本発明を使用すること が望ましくあり得る。 本明細書に開示されるように、DAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、CR1rp、CR3、 またはCR3rpの産生が、ガンのための有益な目的を提供することが明らかである 。1つ以上のこれらの分子は、補体系を妨害し得、従って腫瘍細胞が宿主の免疫 系による監視を逃れることを可能にする。本発明は、ガンを処置する手段として 1つ以上のDAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、CR1rp、CR3、またはCR3rpの調節を提 供 する。これらのタンパク質が種々の方法で調節され得ることは、当業者に明らか である。例えば、1つ以上のこれらのタンパク質は、腫瘍細胞による産生を中断 すること、または腫瘍細胞による産生後に「不活性化すること」によって調節さ れ得る。例えば、これらのタンパク質の1つに結合しそしてタンパク質の活性を ブロックする抗体の使用によって、補体経路の1つによるガン細胞の溶解の速度 は増加され得る。抗体は、抗体と類似の機能的特性を有する小有機分子またはア ミノ酸ベースの分子(例えば、ペプチド)で、置換または補充され得る。遺伝子 のレベルで、1つ以上のこれらのタンパク質の発現は、アンチセンスDNAまたはP NA(ペプチド核酸)の使用によって阻害され得る。したがって、DAF、DAFrp、CF I、CFIrp、CR1、CR1rp、CR3、またはCR3rpは、補体系によるガン細胞の殺傷が促 進されるように調節され得る。C3/C3rpの文脈において、ガン処置および抗原調 節に関する上記の議論は、DAF、DAFrp、CFI、CFIrp、CR1、CR1rp、CR3、またはC R3rpの目的のために参考として本明細書に援用される。 以下の実施例は、例示の目的のために提供され、限定の目的のためではない。 実施例 実施例I モノクローナル抗体の開発 A.抗原 免疫のための抗原供給源は、臨床診断された膀胱ガン患者からのヘパリン-ア ガロース分画した尿のプールであった。24時間尿試料を、Beckman遠心分離機(F ullerton,CA),Model ♯J2-21,S/N5539で、JA-10ローターを使用して、6,000 rpmにて20分間遠心分離した。次いで、澄明にした尿試料を、YM30メンブランMWC O 30,000ダルトン(Amicon,cat# 13742)またはMicrogon中空繊維濃縮機,50,0 00 MWCO(cat# M15S-260-01N)を装着したAmicon stirred cell、76mm,(cat# 5 124)を使用して約100倍濃度に濃縮した。濃縮した試料を、25mM Tris-HCl pH7.4 で1:2に希釈し、そして25mM Tris-HCl pH7.4で平衡化したヘパリン-Affigel(Bi orad,Richmond,CA,cat# 153-6173)のカラムに2.0ml/分の流速でロードした 。試料を、A280溶出プロフィールがバックグラウンドに戻るまで、緩衝液で の平衡化を続けた。結合した物質を、25mM Tris-HCl pH7.4中0〜250mM NaClの 直線NaCl勾配で溶出した。8ml画分を収集し、そして溶出ピークの後に続く半分 からの画分をプールした。プールした画分を、YM30メンブラン,MWCO 30,000ダ ルトン(cat# 13722)を装着したAmicon stirred cell,43mm(cat# 5122)で濃縮し た。プールした抗原を含む画分を以下に示す: プールI プールII(1.5mg/ml) B.免疫接種 8〜10週齢の5匹の雌BALB/cマウスに、フロイント完全アジュバント(Difco ,Detroit,MI)中のプールIIの1:1エマルジョンの0.2mlを腹腔内に免疫接種し た。3週後、不完全フロイントアジュバント中のエマルジョンの10μgのタンパ ク質を含む0.1mlの追加免疫接種を、後部足蹠および腹腔に投与した。10日後、 各マウスを、後部眼窩出血によって抗体応答のためにサンプリングし、そして血 清を、力価について以下に記載のELISAによって試験した。マウス番号340は、最 高の力価を示し、そしてリン酸緩衝化生理食塩水中15μgのプールIIで足蹠およ び腹腔での迫加免疫の4日後、融合のために選択した。 C.融合 最後の免疫接種の4日後、動物#340を屠殺し、膝窩筋および鼠頚部リンパ節な らびに脾臓を収集し、そして融合のために使用した。融合を、Fazekas De St.G rothおよびScheidigger,J.Immunol.M.35:1-21,1980の方法の改変によって 行った。ATCCから得られる親ハイブリドーマ株FO(同上)を、1:5のリンパ球の 比で、融合に使用した。PEG-DMSO(Sigma,St.Louis,MO)fusogenを使用し、 そして非免疫BALB/cマウスからの2.58×103腹腔マクロファージとともに、2×1 04細胞/ウェルの密度でペニシリン-ストレプトマイシンおよびヒポキサンチン/ チミジン(HT)補充したIscove's Modified Dulbecco's Medium(IMDM)中にプ レーティングした細胞を、フィーダーとして添加した。融合物を2つの部分に分 割し、第1の部分では、48の96ウェルプレートを1%ウシ胎児血清(FBS)を含 む培地中に上記の密度で播種した。第2の部分は、10%FBSを含む培地中に同じ 密度で播種した49のプレートからなった。合計97プレート、すなわち9,312ウェ ルを使用した。プレートを、100%湿度で7%CO2中37℃にてインキュベートした 。翌日、2×メトトレキセート(8×10-7M)および適切なFBS濃縮物を含むIMDM -HTからなる100μlの選択培地を添加した。プレートをインキュベーターに戻し 、そして6日間撹乱しなかった。7日目に、プレートをインキュベーターから取 り出し、そして約150μlの培地を、滅菌した8箇所多岐管での吸引によって取り 出した。HTおよび適切なFBSを含む完全なIMDMを、Brinkman8箇所ピペットを使 用して各ウェルに添加した。プレートを、スクリーニング前にさらに5〜6日間 インキュベーターに戻した。融合物プレートを、スクリーニングに適切な増殖レ ベルを示すウェルについて毎朝検査し、そしてその日に分析した。 融合の1週以内に、1%FBS培地を含むプレートは、増殖が明らかに遅れ、そ してそれゆえ10%FBSに補充した。その後、1%FBSで最初にプレーティングした プレートから選択したウェルを、選択の順を示す数が続くMOFIとして命名し、10 %FBSプレートからのウェルを、MOFXの接頭辞で命名した。 D.融合後細胞培養 スクリーニングアッセイによって選択されたウェルを、10%FBSを含む完全IMD Mの1mlを含む24ウェルプレートに直ちに移した。細胞の試料もまた使用して、 連続限界希釈手順によってハイブリドーマを直ちに再クローニングした。これは 、961ウェルプレートの選択したウェルから、マウスマクロファージおよび胸腺 細胞から調製したクローニング補充物(Condimed,Boehringer-Mannheim Corp. ,Indianapolis,IN)の10%を含む完全IMDMの100μlで既に満たした新鮮な96ウ ェルプレートの第1のウェルに、細胞の10μl試料を移すことからなった。第1 のウェルからの細胞を、第1のウェルから第2へ、次いで第2から第3へなど、 100μlを移すことによって、ウェルの第1のカラムで連続希釈した。カラムの最 後のウェルから取り出した残りの100μlを、第1のウェルに移し戻す。次いで、 第1のカラムのウェルを、8箇所ピペットを使用して細胞懸濁液の50μlの移入 によって、プレートを横切って連続希釈した。最後に、100μlのクローニング培 地を各ウェルに添加し、そしてサブクローンを再スクリーニングのための準備す る前に、プレートを約2週間インキュベートした。24ウェルプレートでの増殖の 後、クローンを5〜6mlの培養培地を含む6ウェルプレートに移し、ほぼコンフ ルエントな増殖を観察するまで、プレートをインキュベートした。細胞の試料を 、FBS中5%DMSO中で低温貯蔵用冷蔵庫での貯蔵のために取り出し、そして残り の細胞を、さらなる試験のための使用済培地(spent media)を産生するために 、10ml培地とともにT-75フラスコに移した。 E.サブクローンの安定化 サブクローンを、TCC+と診断された患者からの追加の尿を組み込んで、ELISA (以下に記載)による試験に、再び供した。代表的には、所定の元の評価された ウェルのすべてのサブクローンは、類似の結合パターンおよびレベルを示した。 すべてのサブクローンにおいて抗体産生の損失を示すものを捨てたが、何らかの 検査したサブクローンにおいて損失を示すものを、別のサブクローニングに供し た。これを、すべてのサブクローンがかなりのレベルの発現を示すまで繰り返し た。サブクローニングの各レベルについての命名法は、クローンの名称の後にピ リオドを付し、その後に、選択したサブクローンの数を添付することからなった 。 F.アッセイ 力価アッセイを、0.1M炭酸塩緩衝液,pH9.6中4μg/mlに調節したプールII( 上記)抗原を、ポリスチレンプレートに直接コーティングすることによって行っ た。各ウェルに50μlのコーティング溶液を入れ、そしてプレートを覆い、そし て37℃にて2時間インキュベートし、その後Denleyストリップウェル洗浄機でリ ン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。プレートを、50mM Tris-HCl,PH 7.5中1%ゼラチン加水分解物、2%スクロース溶液の100μlの添加によって、3 7℃にて1.5時間ブロックした(すべての試薬はSigmaから)。ブロッキング後、 プレートをPBSで再度2回洗浄し、次いで、1:100で始まる、PBS中10%正常ウマ 血清へのマウス血清の2倍連続希釈物を、1ウェル当たり50μlでプレートに列 方向で添加した。プレートを、37℃にて1時間インキュベートし、PBSで4回洗 浄し、そしてPBS中10%ウマ血清での1:5000希釈した50μlのアフィニティー精製 したヤギ抗マウスIgG-西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合体(Tago,Burli ngame,CA)を、各ウェルに添加した。これを、37℃にて1時間インキュベート させた。プレートをPBSで4回洗浄し、そして50μlの基質(K-Blue,ELISA Tech nologies,Lexington,KY)を添加し、そして水中2Mリン酸溶液(Sigma)の100 μlの添加によって反応を停止する前に、プレートを室温にて10分間発色させた 。ウェルの光学密度を、BioTek EL311プレートリーダーで、450および410nmで読 んだ。450nmでスケール外であった読みを、MadersbacherおよびBerger,J.Immu nol.M.138:121-124,1991の方法によって410nmでの対応する読みから算出した 。 融合物を、以下の融合スクリーニングを使用することにより、抗体産生につい てスクリーニングした。抗体結合を、以下を用いて試験した:(a)2つの臨床診 断された膀胱ガン患者尿、段階T2IIIおよびT3III(1:80希釈)、(b)正常ヒト尿 の2つのプール(1:15希釈)、(c)ヒトIV型コラーゲン(4μg/mlに希釈)、す べて25mM Tris-HCl,pH7.5中の希釈物、および(d)PBSに希釈しそしてポリリジン コートしたプレート上にコーティングした、プールしたヒト赤血球(Gamma Biol ogicals,Houston,TX)。すべてのプレートを、0.1%Tween-20を含むPBSで洗浄 することにより、および10%FBSを含む完全IMDMへの培地試料の1:5の希釈によっ てブロックした。スクリーニングのために選択したウェルの上清液(70μl)を 、96ウェルプレートのウェルに移した。各ウェルに、280μlの希釈剤を添加し、 そして50μlを試験プレートウェルに分配した。RBCプレート以外のすべてについ て、使用した結合体がヒト血清吸着型ヤギ抗マウスIgG-HRP結合体(Kirkegaard and Perry Labs(KPL),Gaithersburg,MD)(PBS中10%正常ヤギ血清で1:5000希 釈)であることを除いて、アッセイの残りの工程は力価アッセイに用いたものと 同様であった。後者については、アルカリホスファターゼ結合体の類似の抗体を 使用し(KPL,Gaithersburg,MD)、次いでPNPP(p-ニトロフェニルホスフェー ト)基質を使用した。コントロールを各アッセイに使用し、ネガティブコントロ ールは10%FBSを含む新鮮なIMDMであり、ポジティブコントロールはモノクロー ナル抗ヒトコラーゲン(Sigma C1926)およびモノクローナル抗hIgA(A1.1.2.4 ,Bard Diagnostic Sciences,Inc.,Redmond,WA)であり、これらは両方とも 、赤血球を除くすべての試験抗原に高い結合を示した。選択の基準は、ガン尿プ レートへの高い結合(OD>1)、正常尿および他の試験抗原への低い結合(OD< 0.5)であった。試験抗原に対して異なるパターンで高い抗体レベルを示す他の ものも、調査用途の可能性について選択した。 サブクローンを、いくつかのアッセイによってスクリーニングした。最初に、 融合アッセイを再度使用し、次いで、選択したサブクローンの培養における増殖 後、正常尿プールIおよび融合アッセイに使用した2つの進行した段階の尿を使 用して簡略したELISAを用いた。試験を、初期サブクローンについては1:10およ び1:100の希釈で、および後期サブクローンについては1:1000のさらなる希釈で 行った。サブクローンアッセイのいくつかでは、より低いグレードのガンを有す る患者からの尿の添加が含まれる。 融合物中でプレーティングした9,312ウェルから、増殖を示す合計880ウェルを スクリーニングし、合計で94Xシリーズおよび24Iシリーズクローンを、さらな る研究のために選択した。増殖を示す任意のウェルが4.6%の確率で存在するこ とを示唆したPoisson分布による融合物の分析は、2つ以上のクローンを含み、 すなわち総クローンのうち5〜6がマルチクローンであることを含んだ。選択し た118クローンのうち、37-Xおよび8-Iシリーズは、フィーダー細胞なしで不安定 性または増殖の欠如によって、最終的に損失した。 合計32のサブクローンを、高親和性および良好な産生レベルについて選択する ために、ガン陽性尿対正常尿の抗体結合の選択性、ならびに培養上清の希釈物で のアッセイODの保持に基づいて選択した。以下のクローンからの消費培養培地の 試料を、本明細書に開示された抗原を検出するための臨床的アッセイでの潜在的 有用性について評価した:I7.3、I8.2、I10.2、I11.1、I12.2、I17.3、X4.1、X2 2.2、X28.1、X44.1、X46.3、X48.1、X49.1、X49.2、X50.3、X53.2、X55.1、X56. 3、X59.1、X60.2、X61.2、X62.1、X63.2、X64.3、X67.2、X69.1、X70.2、X84.2 、およびX87.2。 実施例II 補体C3因子に関するタンパク質の尿中の存在 A.C3 またはC3関連タンパク質(C3rp)の存在についてのELISAアッセイ 5名のガン患者からの尿標本および2つの正常尿プールを、C3bと命名された 活性化C3とも反応性である市販の抗C3 MAbを利用して酵素イムノアッセイ形式で 試験した。これらの試料もまた、ヒト膀胱ガン患者の尿から部分精製したタンパ ク質画分(実施例Iを参照のこと)でBalb/cマウスを免疫することによって産生 したいくつかのモノクローナル抗体(MAb)で試験し、そしてMOF MAbと同定した 。正常尿プールは、それぞれ5名の個体からの等容量から構成され、これらはす べて40歳以上である男性、女性、白人、アジア人、および黒人を含むように非ラ ンダムに選択した。 尿標本を、1mM炭酸塩緩衝液,pH9.6で希釈した。正常プールを1:8希釈し、そ してガン患者からの標本をそれぞれ希釈して(1:15〜1:80の間の希釈)、Bard B TA TRAKTMアッセイ(Bard Diagnostic Sciences,Redmond,WA)中で約100U/mL の抗原濃度を得た。各希釈した標本を、High-Binding 96ウェルマイクロタイタ ープレート(LabSystems,Helsinki,Finland)の個々のウェルにピペットで移 し、そして2〜8℃にて一晩インキュベートした。試料を吸引によってプレート から除去した。次いで、ブロッキング緩衝液(1%ゼラチン加水分解物、2%ス クロース、50mM Tris緩衝液,pH7.5;すべての試薬はSigma,St.Louis,MOから )を添加し、そして37℃にて1時間インキュベートさせた。 iences)で1μg/mLの最終濃度に希釈させた。次いで、それらを個々のウェルに 添加し、37℃にて1時間インキュベートした。次いで、MAb溶液を吸引によって 除去し、そしてプレートをプレート洗浄機(BioTek,Winooski,VT)で4回洗浄 した。次に、アッセイ緩衝液中0.5μg/mLの濃度でリポーター結合体(アルカリ ホスファターゼ標識型ヤギ抗マウスIgG、ヒト血清吸着型,Kirkegaard and Perr y Labs,Gaithersburg,MD)を各ウェルに添加した。37℃にて1時間のインキュ ベーション後、プレートを再度洗浄した。基質[p-ニトロフェニルホスフェート (pNPP)、1mg/mL、DEA緩衝液(1Mジエタノールアミン、0.5mM MgCl2,pH9.8) 中;全ての試薬はSigmaから入手]を添加し、そしてプレートを37℃にて30分間 インキュベートした。基質との反応を、停止緩衝液(0.1M EDTA,pH9,8)の添加 によって停止した。発色した色を、MRXマイクロプレートリーダー(Dynex,Chan tilly,VA)で405nmで測定した。 コントロールとして、MAbの特異性を、代替補体経路(C3、H因子、D因子、 B因子、プロペルジン、およびI因子)および古典的経路(C1q)のタンパク質 成分との反応によって決定した。すべての補体タンパク質を、5μg/mlのコーテ ィングレベルで試験した。 結果を、405nmでの吸光度測定として表Iにまとめる。C3に対する市販のMAb( Sigma,St.Louis)(これは活性化C3分子(C3bと命名)とも反応性である)を 、5名のガン患者尿標本(PES、GS3、GS4、GS5、OCK)で試験し、それぞれBard BTA TRAKTMアッセイで100U/mLを読みとるようにそれぞれ希釈した(約1:15〜1:8 0)。市販の抗C3 MAbはC3と強く反応したが、2つの正常プールとは非反応性で あり、膀胱ガン患者からの5つの標本と非反応性であり、そして試験した他の補 体因子と非反応性であった。実際には、すべてのMAbは、マウスIgG1抗体のFC領 域に結合することが公知であるC1q以外は、他の補体タンパク質と非反応性であ った。対照的に、MOF MAb X46.3、X87.2、X67.2、およびX59.1(実施例Iから) は、5つの患者標本の1つ以上、および驚くべきことにC3抗原とすべて反応性で あるが、正常尿プールおよび他の補体タンパク質とは非反応性であった(また、 C1qを除く、MAbのほとんどに対して、おそらくMAbのFc領域のC1qへの結合に起因 して、少なくともあるレベルの反応性を示す)。B.腎臓ガンの検出についての酵素イムノアッセイ(EIA) サンドイッチEIAを、市販で得た抗C3(BioDesign,Kennebunk,ME)およびア ルカリホスファターゼ結合MAb X46.3を利用して構築した。抗体を標準的技法に よって固定したProtein GまたはProtein Aでのクロマトグラフィーによって精製 した。抗体-酵素結合体は、種々のカップリング技法(総説については、Scouten ,W.H.,Methods in Enzymology 135:30-65,1987)を使用して調製され得るが 、S,HashidaおよびE.Ishikawa(Anal.Lett.18,B9:1143-1155,1985)に記 載の方法のマイナーな変更を使用した。簡単にいえば、精製したモノクローナル 抗体を、中性pHで過剰のN-アセチルホモシステインチオラクトン(AHTL)で処理 して、反応性チオール基を導入し、次いで脱塩して過剰のAHTLを除去した。別に 、アルカリホスファターゼ(AP)を、過剰のスルホスクシンイミジル4-(N-マレ イミド-メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレートで処理してマレイミド基を 導入し、そして過剰な試薬を脱塩によって除去した。結合体を、抗体と酵素誘導 体を混合することによって調製し、これはチオエーテル結合によって共有結合し た。次いで、いくらか過剰のマレイミド基を、システアミンとの反応によってキ ャップした。 96ウェルマイクロタイタープレートを、炭酸緩衝液中5μg/mLの濃度で抗C3を 用いてコーティングし、そして尿標本および補体タンパク質を用いてコーティン グしたプレートについて実施例I.Aで上記のようにブロックした。 健常ドナーからの、膀胱ガンまたは腎臓ガンの患者からの、あるいは非ガン性 腎臓病を有する患者からの尿試料を、炭酸緩衝液(25mM pH9.6)で1:50に希釈し 、そして抗体コーティングしたプレートに添加した。37℃にて1時間のインキュ ベーション後、試料を、ウェルから吸引し、次いでDynatech(Chantilly,VA) プレート洗浄機を使用してBard BTAT RAKTM洗浄緩衝液で4回洗浄した。アルカ リホスファターゼ結合型MAb X46.3を、Bard BTA TRAKTMアッセイ希釈剤中1.0μg /mLの濃度で、各ウェルに添加した(ウェル当たり100μL)。次いで、プレート を37℃で1時間インキュベートし、吸引し、そして上記のように洗浄し、そして 基質を添加した(DEA緩衝液中1mg/mLでのpNPP;Sigma)。37℃で30分間のイン キュベーション、次いで100μLの停止緩衝液の添加後、ウェルをDynatek MRX プレートリーダー上で405nmで測定した。 図1に示す結果は、95%の特異性を有する腎細胞ガン(RCC)に対して58%の 感度を示し、合計77の非腎細胞ガン標本のうちの4つの偽陽性が得られた。 C.抗体結合によって示されるようなガン細胞株およびヒトガン組織によるC3関 連タンパク質の発現 多くの細胞株の免疫組織化学的分析を行って、MAb X46.3によって結合されるC 3関連抗原の存在について試験した。細胞株および初代培養物をATCC(Bethesda ,MD)またはClonetics Corporation(San Diego,CA)から得、ただしPastorおよ びCAKI細胞については、Dr.R.Vessella(Laboratory of Tumor Immunology,U niversity of Washington Medical Center,Seattle,WA)によって提供され、 そしてハイブリドーマ細胞株についてはBard Diagnostic Sciencesから得た。 細胞を、ATCCによって定義されたように培地についての詳細を含む培養物中で 培養し、細胞が90%以上のコンフルエンスに達した後トリプリン-EDTA処理(0.2 5%トリプシン、10mM EDTA;Sigmaからの試薬)によって採取した。細胞を、位 相差顕微鏡(American Optical)を使用して標準的方法によって血球計でカウン トした。アリコートをカウントのために取り出した後、細胞を室温にて1000×G でペレットにした。 細胞ペレットを、液体窒素中の急速冷凍によってMAbでの染色のために調製し た。凍結したペレットを、低温槽ミクロトーム(Bartles & Stout)で切片にし 、次いで冷アセトン(−20℃)中で15分間固定した。固定した切片を、染色前に 25%ウマ血清で処理することによってブロックした。一次MAb(X46.3;ATCC受託 番号HB-12064、アメリカンタイプカルチャーコレクション,Rockville,MD)を、 リン酸緩衝化生理食塩水(PBS),pH7.2中2μg/mLの濃度まで希釈し、そして室 温にて30分間切片上でインキュベートした。PBSでの3回の洗浄後、PBS中0.25μ g/mLの濃度で、結合した二次MAb(ヤギ抗マウスIgGペルオキシダーゼ結合体、ヒ ト血清吸着した、Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)を、 30分間室温にてスライド上でインキュベートした。PBSでの3回の洗浄後、標本 を3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)で発色させた。他に指示がなければ、すべて の試薬はSigma Chemicalからであった。 表IIに示すように、MAb X46.3での染色は、驚くべきことに、多くのガン細胞 株における標的抗原(C3またはC3rp)の存在を表した。 実施例III C3bの安定性および標的細胞の溶解における抗C3rp抗体の効果 A.抗C3rp MAbによるC3bのインビトロ防御 反応を、20μLのPBS中15または30μgのいずれかのMAbとともに1μgのH因子を 37℃にて30分間インキュベートし、次いで7.5μgのC3bおよび5μgのI因子の各 反応チューブへの添加を行った(最終反応容量32.5μL)。(C3bを、Pangburn, M.K.およびMueller-Eberhard,H.J.,Biochemistry 22:178-185,1983の方法に よってC3から生成した。)次いで、混合物を、37℃にて1時間回転機でインキュ ベートした。結果を、4〜12%勾配ゲル(Novex,San Diego,CA)上で還元条件 (50mM DTT)下で反応混合物のSDS-PAGEによって決定した。(他に指示がなけれ ば、すべての試薬はSigma,St.Louis,MOからである。)ゲルを、BioRad GelDo cスキャナーでスキャンした。この方法で測定したバンドの強度を、残りのC3bの パーセントに変換した。2つのコントロールレーンを含んだ。MAbの不在下で反 応混合物を含む一方を使用して100パーセント分解を表したが、H因子のない反応 混合物を含む他方を使用して0パーセント分解を表した。 上記の実験からのSDS-PAGEゲルの写真を図2に示す。ゲルをスキャンすること に由来する結果を、表IIIにまとめる。ゲルのレーン1は、C3bおよびI因子の分 子量を示す。C3bが108kDであり、そしてI因子単独の存在下で切断されないこと に留意すること。レーン2は、C3bおよびI因子の混合物へのH因子の添加後の結 果を示す。C3bの完全分解およびより小さい38kD分解産物の出現に留意すること 。レーン3および4は、MAb X46.3によるC3b分解の阻害を示す。付随する表III の列2および3は、X46.3阻害の効果をまとめ、これは反応混合物が30μgのMAb を含む場合に83.7%である(列3、カラム3)。レーン5〜6は、I因子/H因子 が媒介したC3b分解に非阻害性の抗体を含む陰性コントロールである。レーン7 〜8は、I因子/H因子が媒介したC3b分解に阻害性の抗H因子抗体を含む陽性コン トロールである。レーン9〜10は、Mab X87.3はまた、C3bのH因子+I因子が媒介 した分解を阻害し得るが、MAb X46.3ほど効果的ではないことを示す。表IIIの列 4および5は、X87.3によるこの阻害の効果をまとめる。 これらの結果は、MAb X46.3およびX87.3が、インビトロで補体成分C3bのH因子 +I因子が媒介した分解をブロックし得ることを示す。 B.ヒトC3関連タンパク質に特異的なMAbによる第二補体経路による細胞溶解か らの防御 標準的モルモット補体を、EGTAで処理してカルシウムをキレートした。次いで 、第二補体経路(ACP)の活性に必要とされるMgCl2を添加した(すべての試薬は Sigmaからである)。混合物を、37℃で20分間インキュベートし、次いで7E9 RBC に添加し、そしてさらに37℃にてインキュベートした。45分後およびさらに117 分後、溶血を、コントロールに対するA450を読むことによって決定した(Dynat ech MR5000 96ウェルプレートリーダーで)。溶血をMAb X46.3の不在または存在 で決定した(図3)。含まれる場合、MAbを、10nMまたは30nMの反応混合物中の 濃度で使用した。 C3に特異的に結合するが、ヒツジ、ウサギ、またはRBCに結合しないMAb X46.3 は、インキュベーション時間および抗体の濃度に依存した様式でRBC溶解を抑制 することに効果的であることが示された。X46.3はRBCに結合しないので、および RBCはC3、H因子、I因子、またはDAFを産生しないので、細胞防御の作用のメカニ ズムは、添加されたモルモット補体中のX46.3のC3への結合および細胞表面上のC 3のC3bへの活性化の得られる阻害でなければならない。 実施例IV 腫瘍および腫瘍細胞株による補体調節タンパク質の尿産生における 他の補体タンパク質の存在 A.補体カスケードの成分の検出のためのELISAアッセイ 膀胱ガン、子宮頚ガン、または腎臓細胞ガンの患者の尿中の第二補体経路(AC P)のタンパク質の存在を試験するために、一連のELISAを構築し、実施例II.Aに 記載したアッセイの後にパターン化した。 精製した補体タンパク質Clq、B因子、D因子、F因子、I因子、およびプロペル ジンを、Quidel(San Diego,CA)から購入した;精製したヒトC1q、C3、B因子 、H因子、およびI因子を、Sigma(St.Louis,MO)から購入した。C3bを、実施 例III.Aで上記に参照したように、C3から産生した。ヒトC1qおよびC2に対するヤ ギポリクローナル抗体、ならびにC1q、C3b、C4bp、Bb、D因子、H因子、I因子、 およびプロペルジンに対するモノクローナル抗体を、Quidel(San Diego,CA) から入手した。 ELISAの結果を表IVにまとめる。I因子もプロペルジンも試験したいずれの尿標 本で見いださなかった。抗C3モノクローナル抗体は、いくつかの膀胱(3/6)お よび腎臓(2/6)ガン患者からの標本について陽性の結果を得たが、結果は、す べての子宮頚ガン標本について陰性であった。この抗C3 MAbが、実施例II.Bで上 記の使用したものと同じではなく、したがって診断アッセイで使用されるべきMA bのエピトープ特異性を考慮する重要性を強調することに留意すること。 B.第二経路の調節成分についてのRT-PCRアッセイ 1.細胞および組織調製物 細胞を、ATCCによって定義されたように培地についての詳細を含む培養物中で 培養し、細胞が90%以上のコンフルエンスに達した後トリプリン-EDTA処理(0.2 5%トリプシン、10mM EDTA;Sigmaからの試薬)によって採取した。いくつかの 実験では、細胞を、10〜20%、20〜50%、50〜90%、ならびに≫100%の範囲内 のサブコンフルエント密度で並行培養物から採取した。細胞を、位相差顕微鏡( American Optical)を使用して標準的方法によって血球計でカウントした。アリ コートをカウントのために取り出した後、細胞を室温にて1000×Gでペレットに した。 細胞株および初代培養物を、ATCC(Bethesda,MD)またはClonetics Corporat ion(San Diego,CA)から得、ただしPastorおよびCAKI細胞を除いては、Dr.R .Vessella(Laboratory of Tumor Immunology,University of Washlngton Med ical Center,Seattle,WA)によって提供され、そしてハイブリドーマ細胞株に ついては、Bard Dlagnostic Sciencesからであった。 2.RT-PCR cDNAを、市販のRNA PCRキット(Perkin-Elmer,Foster City,CA)のプロトコ ルに従って、逆転写酵素+ランダムヘキサマープライマー(20μL反応物当たり50 pmol)を使用して、種々のガン細胞株からの総細胞RNAの調製物に存在するmRNAか ら調製した。総RNAの2〜3μg量を、それぞれ42℃および90分の重合温度および 時間で、各反応に使用した。 RT-PCR研究の結果を、表Vにまとめる。これらの多くについて、±で示される ように、特定のmRNAの存在は、培養物中の細胞の増殖曲線に依存する。例えば、 60%〜100%コンフルエンスでのLS174T細胞は、補体I因子をコードするmRNAにつ いて一貫して陰性であった。さらに、可能な最もストリンジェントなPCR条件下 でさえも、正確でないサイズのアンプリコンを、これらの同じ細胞株の多くから 単離したRNAによって産生した。 3.崩壊促進因子(DAF) DAFについてのmRNAのPCRを、プライマー対797us(ATGATGAAGGAGAGTGGAGTGG) および1269ds(CTCCTTGCTCTGTTGACATTCC)で、反応混合物中0.3μMの最終濃度で それぞれ使用して行った。プライマーを、Midland Certified Reagents(Midlan d,TX)によって合成し、そして陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製し た。アニーリング条件は、62℃で30秒間であり、そして伸長は72℃で90秒間で、 40サイクルであった。472塩基対アンプリコンの同定であると定義される、陽性 結果を、1.5%アガロースゲル(Sigma)上で90ボルトで90分間の電気泳動によっ て、次いでエチジウムブロミド(Sigma)での染色および脱イオン化水中で脱色 することによって決定した。 図4で再生されたゲルパターンは、いくつかの異なるヒトガン細胞株における DAF mRNAの存在についての証拠を示す。 4.補体レセプター(CR1、Cr2、CR3) 補体レセプターについてのmRNAのPCRを、プライマー対302064(CR1)、302065 (CR2)、および302066(CR3)で、それぞれ100μL反応混合物当たり10nmolで使 用して行った。プライマーを、Stratagene Cloning Systems(La Jolla,CA)から 購入した。アニーリング条件は、60℃で60秒間であり、そして伸長は70℃で2分 間,30サイクルであった;追加の10サイクルを、2分30秒の伸長工程セット、次 いで7分間の最終伸長で行った。cDNA産物のサイズを、1.5%アガロースゲル(S igma)上で90ボルトで90分間の電気泳動によって、次いでエチジウムブロミド( Sigma)での染色および脱イオン化水中で脱色することによって決定した。陽性 結果を、CR1については521塩基対産物およびCR3については345塩基対産物である と定義した。 図5(CR1)、図6(CR2)、および図7(CR3)は、種々の細胞株からの補体レセプ ターcDNAの増幅の結果を示す。すべての細胞株が、CR2について陰性であったこ とに留意すること。正確なサイズのCR1 cDNAを、多くの細胞株によって産生した 。HeLaS3は、予測していなかったサイズ(約350塩基対)の第2の産物が観察され た点で例外であった。C3と同じ染色体遺伝子座でコードされる補体タンパク質で あるCR3についてのRT-PCRは、非常に異種性のアンプリコンを生じた。HeLaS3、L S174T、HL60、およびHTB33細胞株はすべて、コグネイトCR3について、正確なサ イズの産物に加えて、予測したサイズよりも非常に長い産物を生成した。 DAF(CD55)が、血液と接触する身体の細胞で広く発現されることは、一般的に 認識されるが、腫瘍組織上またはガン細胞株でのこの分子の一般的発現は報告さ れていない。同様に、補体レセプター1および3(CD35およびCD11b)は、これま でに、ガンでの発現に関連付けられていない。両方の補体経路のネガティブレギ ュレーターとしてのCR1の役割、およびRCA遺伝子座内でコードされる2つの他の タンパク質であるDAFおよびH因子に対する構造的関係は、非常に重要である。ガ ン細胞によるCR1のアップレギュレーションは、いずれかの補体経路による溶解 を回避する能力を増強する。CD11bを有する細胞によるiC3bのインターナリゼー ションを促進することによって両方の補体経路を調節することにおけるCR3の役 割は、腫瘍細胞による補体レギュレーターのより一般的な活性化を示唆する。な ぜならば、CD11bタンパク質はRCA複合体にないが、代わりに第16染色体上の遺伝 子座によってコードされるからである。 5.補体I因子(CFI) 補体I因子についてのmRNAのPCRを、プライマー対FI7us(GCAAGGTCACTTATACATCT CAAGAGC)およびFIG683ds(CCCATTCACACACTGAAAGAAGTCATCC)を用いて行った(それ ぞれを100μLの反応混合物当たり0.50nmoleで使用)。プライマーは、Midland Ce rtified Reagents(Midland,TX)が合成し、そしてこれを陰イオン交換クロマト グラフィーによって精製した。アニーリング条件は62℃で30秒間であり、そして 伸長は72℃で90秒間であり、40サイクル行った。472塩基対アンプリコンの証明( identlfication)と規定される陽性結果を、2%アガロースゲル(Sigma)上で90ボ ルトで90分間の電気泳動、続くエチジウムブロミド(Sigma)での染色、および脱 イオン水中での脱色によって決定した。 電気泳動の結果を図8に示し、ここで各レーンにおける物質の起源は以下の通 りである:レーン1、DNA分子量マーカー;レーン2、NHEK;レーン3、HTB-9; レーン4、HeLaS3;レーン5、C41;レーン6、C4ii;レーン7、HTB-33;レー ン8、HL-60;レーン9、陽性コントロール;レーン10、LS174T;レーン11、HTB -5;レーン12、PC-3;レーン13、RNA標的なし。したがって、この実験で示され るガン細胞株のうち、1つのTCC株(HTB-9)および3つの子宮頸部株(HeLaS3、C4i i、およびHTB-33)は、正確なサイズのアンプリコンについて陽性であるが、1つ の子宮頸部株(C4i)、1つの結腸株(LS174T)、1つのTCC株(HTB-5)、1つの前立 腺株(PC-3)、および陰性コントロール(NHEKおよび骨髄芽球腫HL-60)は陰性であ る。 実施例V 子宮頸部ガンマーカー 子宮頸部標本とX67.2との反応性を、最初に、ドットブロット手順によって同 定した。試料を、そのままでまたはBard BTA TRAKTMアッセイ希釈剤で1:10希釈 したかのいずれかで試験した。すべてのアッセイ工程を室温にて行った。2μL の試料をニトロセルロース(Millipore,Bedford,MA)にアプライし、そして約30 分間風乾し、次いで2時間ブロッキングした(実施例I.A.に上記のように)。ブロ ットを、BTA TRAKTMアッセイ希釈剤で1回リンスした。次いで、ブロットを、ア ッセイ希釈剤中1μg/mLの濃度のMAb X67.2の溶液で覆い、1時間インキュベー トし、そしてアッセイ希釈剤で2回リンスした。MAbと反応性である標本を、BTA TRAKTMアッセイ希釈剤中0.5μg/mLの濃度のアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗 マウスIgG(Kirkegaard and Perry,ヒト血清吸収した)と共にブロットを1時間 インキュベートすることによって同定した。最後に、ブロットの基質との発色を 、実施例II.Aに記載のように行った。 ドットブロット上のスポットの強度を、目視でスコア付けし、そして結果を図 9にまとめる。 実施例IV.Aに記載のように、子宮頸部のスワブ標本をプレートELISAによって 試験した場合、MAb 67.2は、感染症を有する患者、正常健常個体、および異形成 症の個体と、子宮頸部の扁平上皮ガンを有する患者を識別する。 実施例VI 結腸直腸ガンの検出 ヒト補体レセプターCR3は、CD18およびCD11bと命名された2つのポリペプチド 鎖からなる。CD18ポリペプチドはまた、補体レセプターCR4に見出される。CD11b ポリペプチド鎖(GenBankファイル受託番号M18044、位置HUMLAPA)は、CR3のみの サブユニットであると考えられる。CD11b鎖はMAC1とも呼ばれ、この分子が、循 環単球マクロファージ細胞において特異的に発現されるという考えを反映する。 これらの細胞は、末梢血白血球画分(PBL)のサブセットである。 A.PCRプライマーのセット(表VI)を、GenBankファイルM18044に挙げられる配列 から設計し、そしてRT-PCR反応において使用して、ヒト骨髄性白血病細胞株HL-6 0から単離されそしてCD11bタンパク質をコードするmRNAを増幅した(図10)。PCR プライマーは、Midland Certified Reagents,Midland,Texasが合成した。 B.HL-60からのCD11b mRNAの増幅のための条件 1.mRNA の逆転写 a.総細胞RNAを、RNAzol(Tel-Test,Inc.,Friendswood,Texas)について の製造業者の特許についての添付文書に記載の方法に従って培養した細胞から調 製した。ガン細胞株について、適切な細胞数を、アメリカンタイプカルチャーコ レクション(ATCC,Rockville,MD)によって特定されるように、サイズT162フラ スコ(Cornig-Costar,Cambridge,MA)において、適切な細胞培養培地中で、90% コンフルエンシーまで細胞を培養することによって得た。末梢血白血球からの総 細胞RNAを、製造業者によって提供される方法に従って、Histopaque(Sigma,Cat alog #1077)の勾配で新鮮な全血を分画し、そして白血球画分を収集した後に得 た。夾雑しているDNAをRNA調製物から除去するために、リボヌクレアーゼを含ま ないデオキシリボヌクレアーゼI(Boehringer-Mannheim,Indianapolis,IN,Ca talog #776785)を、製造業者の指示に従って、標的核酸1マイクログラム当たり 1単位で使用した。 b.5μLまでの容量中、0.5〜5μg、最適には2〜3μgの範囲の総RNAを 、各反応に使用した。総RNAの溶液を、以下に記載のように処方した、逆転写マ スターミックス(RTMM)と混合した。すべての試薬は、Perkin-Elmer Applied Bio systems(Foster CIty,CA)からであり、そしてGene Amp RNA PCR Kit,Part No .N808-0017として一緒に購入され得、そして以下に記載のように使用され得る 。 逆転写マスターミックス成分 添加した容量、μL 有効濃度 25mM MgCl2 4 5mM 10×PCR緩衝液 2 1× dATP 2 1mM dGTP 2 1mM dCTP 2 1mM dTTP 2 1mM RNAseインヒビター 0.5 1U/ml MuLV逆転写酵素(RT) 1 2.5U/ml ランダムヘキサマー 1 2.5μM b.RTMMの16.5μl容量を総RNAの溶液と混合し、そして最終容量を、分子生 物学グレード(リボヌクレアーゼを含まない)の水(Catalog #2-538561,5'-3' In c.,Boulder,CO)で20μL(22μLまでは許容可能)に調整した。 c.ランダムヘキサマープライマーを含むRTMMを、室温(22℃)にて15分間試 料中の標的RNAとアニールさせることによって、反応を行った。次いで、反応混 合物を42℃まで上昇させ、そして重合化を90分間進行させた。このインキュベー ション後、逆転写酵素(RT)を、99℃で5分間加熱することによって不活化した。 RT反応を、Perkin-Elmer GeneAmp Model 2400のような適切なサーマルサイクラ ーで、または一連の水浴もしくはインキュベーターにて行い得る。 2.CR3(CD11b)cDNA のPCR増幅 a.RT反応から得られるcDNAの増幅を、2.5〜10mLの間のRT産物を使用する ことによって行う。代表的には、容量2.5μLのRT産物を、以下に挙げるような、 47.5mLのPCRマスターミックス(PCRMM)と合わせる。 PCRマスターミックス成分 添加した容量、μL 有効濃度 25mM MgCl2 4.5 2.5mM 10×PCR緩衝液 4.75 1× 上流プライマー 0.5 0.5〜1μM 下流プライマー 0.5 0.5〜1μM 分子生物学グレードの水 29.5〜37 該当せず Taqポリメラーゼ 0.25 1.25U b.試料を混合した後、PCR増幅が進行する。第1に、95℃にて1分間のイ ンキュベーションを使用して、任意のcDNA/mRNA対またはcDNA/アニールしたプラ イマー対を融解する。次いで、30サイクルを行う。それぞれのサイクルは、20秒 間94℃の融解、以下に特定するような、各プライマーセットに独特の温度で1分 間のアニーリング、および70℃で2分間の伸長を含む。必要に応じて、10までの 追加のサイクルの増幅が、伸長時間の30秒間の増加を除いては、まさに記載され たものと同じプロトコル下で行われ得る。 c.増幅した試料の評価を、アガロースゲル電気泳動によって行う。TAE緩 衝液(Tris-酢酸塩-EDTA,Sigma,Catalog #T4038)中0.5%(W/V)アガロース(Sigm a,Catalog #A9539)の溶液を、BioRad Sub Cell(Richmond,CA)のような、適切 なサブマリンゲル電気泳動チャンバーに注ぐ。次いで、検査されるべき試料を、 Gel Loading Solution(Signla,Catalog #G2526)のような適切な試料緩衝液と混 合し得る。 次いで、2つのトラッキング染料が分離するまで、試料を、BioRad PowerPac 3000のような電源を使用して、90Vで電気泳動する。これには、室温で約90分間 かかる。次いで、電気泳動した産物を、分子生物学グレードの水におけるエチジ ウムブロミド(Sigma,Catalog #E7637)の飽和溶液の少量(0.1mL)を、30mLのTAE 緩衝液に添加することにより調製した溶液中へのゲルの浸漬によって可視化する 。室温にて15分間の染色後、ゲルをきれいな容器に移し、そしてTAE緩衝液の2 回の交換(それぞれで10分間のインキュベーション)で脱色する。 染色したアンプリコンは、Ultra-Lum Transilluminator(Carson,CA)のよう な適切なUV供給源下で可視化され得る。 下流プライマーは、常に「RT」と命名される C.ヒトガン細胞株およびヒト末梢血白血球からのCR3のRT-PCRの結果 ヒト骨髄性白血病細胞株であるHL-60から単離された総細胞RNAのPCR増幅によ り、表VIに記載のプライマーセットのすべてについての予測されたサイズの産物 を得た。 末梢血白血球からの総細胞RNAによってもまた、予測されたサイズの産物を得 た。単球が白血球の約40%を構成し、そして補体レセプターおよびタンパク質を 生成することが公知であるので、この産物は、血球の単球画分に由来すると仮定 される。 著しく対照的なことに、DAFおよびCR3について実施例IVに上記に見られるよう に、多くのガン細胞株は、CR3 mRNAの変異した形態を産生する。PCRによって任 意の産物を増幅する能力は、選択したプライマーセットの機能である。実施例IV に記載のStratageneプライマーセットの使用は、ほとんどの細胞株についての予 測されたサイズの産物を生じなかった。しかし、65℃のアニーリング温度での、 表VIに記載の18M-933RTプライマーセットの使用は、予測されたサイズの産物を 得るだけでなく、図10に示すような、これまで記載されていないCD11b mRNA改変 体の存在も示した。 18-933プライマーセットでのcDNAの増幅は、試験したほとんどの細胞株につい てのゲルで示すように、915塩基対産物を得ることが予測される。さらに、約830 塩基対の産物は、位置853で933RTオリゴヌクレオチドの偽プライミングによって 産生され、そして505塩基対産物を、位置523での偽プライムによって産生し得る 。さらに、18Mプライマーとの配列類似性は、偽プライムを塩基位置168、192、 および672で生じさせ得る。偽プライミング部位のすべては、正確な標的配列か らの少なくとも4ミスマッチを有する。しかし、DNA中の点変異は、偽プライム の確率の増加を導き得、予測されないサイズの産物を生じ得る。プライミング事 象(PCR増幅サイクルにおけるアニーリング工程)の忠実性を最大にするための 1つの方法は、より高いアニーリング温度を用い、したがって塩基適合必要条件 のストリンジェンシーを増加させることによる。65℃のアニーリング温度を、PC Rでより代表的に使用される50〜60℃のアニーリング温度とは対照的に、これら の増幅において18-933プライマーセットとともに使用した。したがって、18-933 プライミング領域で生じた点変異は、コグネイト配列とより密接に一致して偽プ ライムした配列をもたらすことが予測された。予測されないサイズの産物の存在 についての代わりの説明は、メッセンジャーRNA中のスプライシング変化である 。当該技術分野で公知であるように、選択的スプライシングは、1つ以上のエク ソンが発現された遺伝子から欠失される場合に生じる。得られるmRNAは、元の遺 伝子産物よりも小さく、ある場合には非常に小さい。選択的スプライシングの関 連の例は、補体H因子mRNAとともに生じる。H因子タンパク質内の選択的スプライ シングは、ZipfelおよびSkerka(Immunology Today 15:121-126,1994)によっ て総説されている。 18-933プライマーセットからの予測されないアンプリコンの存在は、図10にお いて種々の細胞株について説明され、ここでは各レーンの物質は、左から始めて 以下の通りである:レーン1および8、分子量マーカー;レーン2、HL60;レー ン3、HTB9;レーン4、HeLaS3;レーン5、LS174T;レーン6、33CO;レーン7 、 SW480;レーン9、MCF7;レーン10、PC3;レーン11、C4ii;レーン12、HTB5;レ ーン13、陰性コントロール:レーン14、標的なし。予測されていないアンプリコ ンは、約420塩基であり、そして結腸株LS174T、33CO、SW480で;子宮頚部株HeLa S3、C4iおよびC4iiで;ならびに膀胱株HTB5で、多量に発現される。アンプリコ ンのサイズは、図10において100塩基対間隔分子量標準ラダー(MWS)を読むこと によって決定され得る。この産物の少量のみがHL60骨髄株で見られることに留意 すること。420塩基産物が、使用される条件下で乳ガン株MCF7によって産生され る唯一のアプリコンであることにも留意すること。図11は、同じ18-933RTプライ マーセットを使用する、末梢血白血球標本からのcDNAの増幅の結果を示す。ゲル 上の試料は、左から始めて以下の通りである:レーン1、分子量マーカー;レー ン2、PBL LW;レーン3、PBL RP;レーン4、PBL JS;レーン5、PBL HR;レー ン6、PBL SA;レーン7、PBL DB;レーン8、標的なし。これらのデータは、42 0塩基アンプリコンが、このプライマー対を用いるPBL mRNAの増幅におけるマイ ナー産物であることを示す。最終的に、PBL mRNAの増幅中の850塩基産物の完全 な不在に留意すること。したがって、CR3/CD11b配列は、ガン細胞株で発現され る(これは、予測されない知見である)だけでなく、配列は非常に変異するよう でもある。 表VIに示すリストからの他のプライマーセットはまた、CR3/CD11b産物を検出 することに有用である。ガン細胞株調査の例は、それぞれプライマーセット129- 933RTおよび2665-3103RTを使用して図12および13に示す。増幅条件は、129-933R Tプライマーについては65℃で、および2665-3103RTプライマーについては70℃で アニーリング温度をセットしたこと以外は、上記と同じであった。これらの図で は、左から右へ挙げた、レーン2で始まる、試験した細胞株は、以下の通りであ る:レーン2、HTB9;レーン3、HeLaS3;レーン4、LS174T;レーン5、33-CO ;レーン6、SW480;レーン7、MCF-7;レーン9、PC3;レーン10、C4ii;レー ン11、LCOLO320;レーン12、841CON;レーン13、COLO201。レーン1および8は 、分子量標準(100塩基ずつ増加)を含み、そしてレーン13は、標的が不在であっ たコントロールを示す。これらの図で再現した細胞株の調査は、6つのうちの4 つの結腸細胞株がCR3 mRNAを有することを示す。CR3 mRNAについて陰性であった 2 つの結腸細胞株のうち、841CONは、正常結腸組織に由来し、そしてLS174Tはムチ ン産生腺ガン由来である。子宮頚ガン株HeLaS3および乳ガン株MCF-7も、これら の2つのプライマーセットを用いてCR3発現について陽性であった。膀胱ガン株H TB9、前立腺ガン株PC3、および子宮頚ガン株C4iiは、これらのアッセイで検出可 能なレベルのCD11b mRNAを産生しなかった。 D.ヒト正常結腸組織およびガン結腸組織からのCR3のRT-PCRの結果 適合する正常結腸組織およびガン結腸組織を、外科的標本から得、そしてCR3 の発現について試験した。外科的材料を、使用まで−80℃で凍結保存した。 1.総組織RNAの調製を、以下のように行った。組織を、まだ凍結しているま まで、外科的ハサミで細切し、次いで氷浴中のPotter-Elvejehm組織グラインダ ー(Kontes,Vineland,NJ)に移す。mRNAの調製を、7.5MグアニジンHCl、25mM TES、10mM EDTA、0.05%タウロデオキシコール酸塩、1mM 2-メルカプトエタノ ール、pH7.5を含む溶解緩衝液の5mL(組織約1立方cmあたり)の添加によって 容易にした(すべての試薬はSigmaからの分子生物学的グレード)。次いで、組 織を、氷に浸漬したまま、堅く適合する乳棒を備えた組織グラインダー中に多数 回通過させることによってホモジナイズした。ライセートを、フェノールおよび クロロホルム/イソアミルアルコールの等容量で抽出した。水相を吸引し、そし てクロロホルム/イソアミルアルコールの等容量で再抽出した。次いで、水相を 3M酢酸ナトリウム(Cat #16-019B,BioWhittaker,Walkersville,MD)の1/10容 量およびイソプロパノール(Sigma,分子生物学的グレード)の1容量で沈殿さ せた。10,000×Gで30分間の遠心分離後に得たRNAペレットを、さらなる使用のた めに分子生物学的グレードの水で再溶解する前に、70%イソプロパノールで1回 洗浄した。 2.RT-PCRを、上記のように、プライマーセット129-933RTおよび2665-3103RT を用いて行った。正常組織またはガン組織からのRNAの等量を、反応混合物中に ロードした。図14は、129-933RTプライマーセットを用いての、正常結腸標本1 (N1、レーン2)、適合した結腸ガン標本1(C1、レーン3)、正常結腸標本2 (N2、レーン5)、および結腸ガン標本2(C2、レーン6)の増幅についての結 果を示す。この図では、レーン1は、分子量標準を含み、レーン4はブランクで あり、そしてレーン7は、標的を含まないコントロールを含む。図15は、ゲルの 左半分に記載した、2665-3103R1プライマーセットを用いて増幅した同じ標本を 示す。図15はまた、ゲルの右半分に、プロトコルに従ってそしてCorey,E.ら(C linical Chemistry 43:443-452,1997)に特定されるプライマーを用いて増幅し た、コントロール配列のβ2-ミクログロブリン(MIC)の増幅を示す。図15では 、試料は以下の通りである(左から始まる):レーン1および8、分子量マーカ ー;レーン2および9、N1;レーン3および10、C1;レーン4および11、ブラン ク;レーン5および12、N2;レーン6および13、C2;レーン7および14、標的な し。MIC標的の増幅は、CD11b標的mRNAを含む総RNAの量および質が、試験した両 方の標本についての正常およびガン組織の両方に匹敵することを示す。2つのCD 11bプライマー増幅の結果は、結腸ガン標本におけるCR3のアップレギュレーショ ンを明らかに示す。 3.RT-PCRもまた、実施例IVに上記のCFIプライマー対FI7usおよびFIG683dsを 用いて行った。FI7usおよびFIG683dsを、それぞれ100μL反応混合物について0.5 0nmolで使用した。アニーリング条件は、62℃で30秒間であり、そして伸長は72 ℃で90秒間で、40サイクルであった。472塩基対アンプリコンの同定であると定 義される、陽性結果を、上記のように電気泳動によって決定した。CD11b研究に おいて患者1および2からの適合した正常およびガン結腸組織を検査した場合、 図16に示すように、補体I因子mRNA発現は、腫瘍において明らかにアップレギュ レートされた。ゲル上の試料(左から始まる)は、以下の通りである:レーン1 、分子量マーカー;レーン2、N1;レーン3、C1;レーン4、N2;レーン5、C2 ;レーン6、標的なし。この図に示されるように、I因子は、結腸腫瘍で発現さ れるとは以前には記載されていないので、および補因子としてH因子を有するI因 子は、C3bを加水分解し得、細胞膜傷害複合体(MAC)が細胞表面上にアセンブリで きないので、結果は、予測されずそして顕著である。これは、次に、結腸ガン細 胞が免疫系による溶解を避けることを可能にする。 本明細書に記載のすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特 許出願が具体的かつ個々に参考として援用されるのと同じ程度に参考として本明 細書に援用される。 上記から、本発明の特定の実施態様が例示の目的で本明細書に記載されている が、種々の改変が、本発明の意図および範囲から逸脱することなく行われ得るこ とが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/47 C07K 14/47 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/50 Z G01N 33/50 33/574 A 33/574 A61K 37/02 // C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 エンフィールド,デイビッド エル. アメリカ合衆国 ワシントン 98021,ボ ーセル,53アールディ アベニュー エ ス.イー.23024 (72)発明者 ハス,ジー.マイケル アメリカ合衆国 ワシントン 98029,イ サック,エス.イー.24ティーエイチ プ レイス 19524

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ガンについてスクリーニングする方法であって、試料中の補体C3タンパク 質またはC3関連タンパク質、あるいは該タンパク質をコードする核酸分子の存在 を検出する工程を包含する、方法。 2.前記スクリーニングされるガンが、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、ま たは子宮頚ガンである、請求項1に記載の方法。 3.ガンについてスクリーニングする方法であって、試料中の補体I因子(CFI )タンパク質またはCFI関連タンパク質、補体結合タンパク質CR1またはCR1関連 タンパク質、補体結合タンパク質CR3またはCR3関連タンパク質、あるいは上記タ ンパク質のいずれか1つをコードする核酸分子の1つ以上の存在を検出する工程 を包含する、方法。 4.前記検出される分子が、CFIタンパク質またはCFI関連タンパク質、あるい は該タンパク質をコードする核酸分子である、請求項3に記載の方法。 5.前記検出される分子が、CR3タンパク質またはCR3関連タンパク質、あるい は該タンパク質をコードする核酸分子である、請求項3に記載の方法。 6.前記スクリーニングされるガンが、結直腸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、ま たは子宮頚ガンである、請求項3に記載の方法。 7.ガンを処置する方法であって、該ガンに関連する補体C3タンパク質または C3関連タンパク質を調節する工程を包含する、方法。 8.ガンを処置する方法であって、補体I因子(CFI)タンパク質またはCFI関 連タンパク質、補体結合タンパク質CR1またはCR1関連タンパク質、あるいは補体 結合タンパク質CR3またはCR3関連タンパク質のいずれか1つを調節する工程を包 含し、ここで該タンパク質が該ガンに関連する、方法。 9.CFIタンパク質またはCFI関連タンパク質が調節される、請求項8に記載の 方法。 10.CR3タンパク質またはCR3関連タンパク質が調節される、請求項8に記載 の方法。 11.ガンに関連する補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質を調節する薬 剤であって、補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質が関連するガンを処置す るための医薬品としての使用のための、薬剤。 12.請求項11に記載の薬剤を、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤 と組み合わせて含む、組成物。 13.補体C3タンパク質またはC3関連タンパク質が関連するガンの処置のため の医薬品の製造のための、請求項11に記載の薬剤の使用。 14.補体I因子(CFI)タンパク質またはCFI関連タンパク質、補体結合タン パク質CR1またはCR1関連タンパク質のいずれか1つを調節する薬剤であって、該 タンパク質が関連するガンを処置するために医薬品としての使用のための、薬剤 。 15.薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて、請求項14 に記載の薬剤を含む、組成物。 16.前記タンパク質が関連するガンを処置のための医薬品の製造のための、 請求項14に記載の薬剤の使用。 17.前記薬剤がCFIタンパク質またはCFI関連タンパク質を調節する、請求項 14、15、または16のいずれか一項に記載の薬剤。 18.前記薬剤がCR3タンパク質またはCR3関連タンパク質を調節する、請求項 16に記載の薬剤。
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