JP2001514011A - 癌の治療方法 - Google Patents

癌の治療方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、H−RasおよびK4B−Rasタンパク質の細胞プロセッシングの阻害剤であるプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を哺乳動物に投与することを含んでなるプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害し癌を治療する方法を提供する。本発明は、これらプレニルタンパク質トランスフェラーゼの両方の二重阻害剤である化合物を投与することによりファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよびゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型を阻害する方法も提供する。癌細胞の生体内成長の阻害剤であるプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識する方法も開示される。本方法は、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型のタンパク質基質の物理的状態を決める細胞系生体外アッセイを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、H−Rasタンパク質およびK4B−Rasタンパク質の両方の細
胞プロセッシングを阻害するプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を利
用するプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する方法及び癌を治療する
方法に関する。本発明は、そのような化合物を認識する方法にも関する。
【0002】 (背景技術) イソプレノイド生合成経路の中間体によるタンパク質のプレニル化は1群の翻
訳後修飾を表す(Glomset,J.A.、Gelb,M.H.およびFar
nsworth,C.C.(1990年)著、Trends Biochem.
Sci.,第15巻,139〜142頁;Maltese,W.A.(199
0年)著、FASEB J.4,3319〜3328頁)。この修飾は、典型的
に、これらのタンパク質の膜局在化および機能のために必要である。プレニル化
タンパク質は、CAAX(C、Cys;A、脂肪族アミノ酸;X、もう1つのア
ミノ酸)、XXCCまたはXCXCを含む特徴的C−末端配列を共有する。C−
末端CAAX配列を有するタンパク質について3つの翻訳後プロセッシング工程
が記載されている:Cys残基への15炭素(ファルネシル)または20炭素(
ゲラニルゲラニル)イソプレノイドの付加、最終3アミノ酸のタンパク質分解的
分割、および新しいC−末端カルボキシレートのメチル化(Cox、A.D.お
よびDer、C.J.(1992a)著、Critical Rev.Onco
genesis 第3巻:365〜400頁;Newman,C.M.H.およ
びMagee,A.I.(1993年)著,Biochim.Biophys.
Acta第1155巻:79〜96頁)。一部のタンパク質は、第4の修飾を有
してもよい:1または2つのCys残基N−末端のファルネシル化Cysへのパ
ルミトイル化。XCXCを末端とする一部の哺乳動物細胞タンパク質はカルボキ
シメチル化されているが、XXCCモチーフを末端とするタンパク質のプレニル
化に続いてカルボキシメチル化が起こるかどうか明らかでない(Clarke,
S.(1992年)著、Annu.Rev.Biochem.第61巻:355
〜386頁)。プレニル化タンパク質の全てについて、イソプレノイドの付加は
第1工程であり次の工程のために必要である(Cox、A.D.およびDer、
C.J.(1992a)著、Critical Rev. Oncogenes
is 第3巻:365〜400頁;Cox、A.D.およびDer、C.J.(
1992b)著、Current Opinion Cell Biol.第4
巻:1008〜1016頁)。
【0003】 タンパク質のプレニル化を触媒する3つの酵素が記載されている:ファルネシ
ルタンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)、ゲラニルゲラニルタンパク
質トランスフェラーゼI型(GGTase−I)およびゲラニルゲラニルタンパ
ク質トランスフェラーゼII型(GGTase−II、Rab GGTaseと
も呼ばれる)。これらの酵素は、酵母および哺乳動物細胞の両方において見つか
る(Clarke,1992年;Schafer,W.R.およびRine,J
.(1992年)著,Annu.Rev.Genet.第30巻:209〜23
7頁)。これらの酵素の各々はファルネシル二リン酸またはゲラニルゲラニル二
リン酸を選択的にイソプレノイド供与体として使用し、タンパク質基質を選択的
に認識する。FPTaseは、Ser、Met、Cys、GlnまたはAlaを
末端とするCAAX含有タンパク質をファルネシル化する。FPTaseのため
に、CAAXテトラペプチドは、タンパク質基質と酵素との相互作用に必要な最
少領域を含む。これら3つの酵素を酵素学的に特徴付けることにより、1つのも
のを、他のものに阻害効果を殆ど及ぼすことなく選択的に阻害し得ることが示さ
れた(Moores,S.L.、Schaber,M.D.、Mosser,S
.D.、Rands,E.、O’Hara,M.B.、Garsky,V.M.
、Marshall,M.S.、Pompliano,D.L.およびGibb
s,J.B.著、J.Biol.Chem.、第266巻:17438頁(19
91年)、米国特許第5,470,832号)。
【0004】 プレニル化反応は、種々のタンパク質の機能に遺伝学的に必須であることが示
された(Clarke,1992年;CoxおよびDer,1992a;Gib
bs,J.B.(1991年),Cell;第65巻:1頁〜4頁;Newma
nおよびMagee、1993年;SchaferおよびRine,1992年
)。この必要性は、タンパク質がもはやプレニル化され得ないようにCAAX
Cys受容体を突然変異させることにより示されることが多い。得られるタンパ
ク質は、中心的生物学的活性を欠く。これらの研究は、プレニル化されたタンパ
ク質により調節される生理学的反応をプレニル化阻害剤が変化させ得ることを示
す遺伝学的「原理の証拠」を提供する。
【0005】 Rasタンパク質は、細胞増殖を開始させる核シグナルに細胞表面成長因子受
容体を結合させるシグナル送信経路の一部である。Ras作用の生物学的および
生化学的研究は、Ras機能がG−調節タンパク質に適することを示している。
不活性状態において、RasはGDPに結合してる。成長因子受容体の活性化時
に、Rasは、GTPをGDPに置き換え立体構造を変えるように誘発される。
GTP結合したRasは、Rasの固有GTPase活性によりシグナルが停止
されタンパク質がその不活性GDP結合状態に戻されるまで、成長刺激シグナル
を増殖させる(D.R.LowyおよびD.M.Willumsen著、Ann
.Rev.Biochem.第62巻:851頁〜891頁(1993年))。
Rasを活性化すると、MAP Kinase経路およびRho/Rac経路を
含む複数の細胞内シグナルトランスダクション経路の活性化につながる(Jon
esonら著、Science 第271巻:810頁〜812頁)。
【0006】 突然変異したras遺伝子は、結腸直腸癌、膵臓外分泌腺癌および骨髄性白血
病を含む多くのヒトの癌において見られる。これらの遺伝子のタンパク質産物は
、GTPase活性が欠けており、成長刺激シグナルを本質的に伝達する。
【0007】 Rasタンパク質は、翻訳後修飾を行うことが知られている幾つかのタンパク
質の1つである。ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼは、ファルネシル
ピロリン酸を利用して、ファルネシル基でRasCAAXボックスのCysチオ
ール基を共有結合的に修飾する(Reissら著、Cell、第62巻:81頁
〜88頁(1990年);Schaberら著、J.Biol.Chem.、第
265巻:14701頁〜14704頁(1990年);Schaferら著、
Science、第249巻:1133頁〜1139頁(1990年);Man
neら著、Proc.Natl.Aced.Sci USA、第87巻:754
1頁〜7545頁(1990年))。
【0008】 Rasは、正常機能と癌遺伝子機能の両方のために原形質膜に局在化しなけれ
ばならない。少なくとも3つの翻訳後修飾がRasの膜局在化に関連し、3つの
全ての修飾はRasのC−末端において生じる。RasC−末端は、「CAAX
」または「Cys−Ass−Aaa―Xaa」ボックスと呼ばれる配列モチーフ
を含む(Cysはシステイン、Aaaは脂肪族アミノ酸、Xaaはいずれかのア
ミノ酸)(Willumsenら著、Nature 第310巻:583頁〜5
86頁(1984年))。このモチーフは、特定の配列に依存して、それぞれC 15 またはC20イソプレノイドでのCAAXモチーフのシステイン残基のアル
キル化を触媒する酵素ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼまたはゲラニ
ルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼのためのシグナル配列として役立つ(
S.Clarke.、Ann.Rev.Biochem.第61巻:355頁〜
386頁(1992年));W.R.SchaferおよびJ.Rine、An
n.Rev.Genetics 第30巻:209頁〜237頁(1992年)
)。
【0009】 他のファルネシル化タンパク質は、RhoB、真菌交配因子、核ラミン、およ
びトランスデューシンのγサブユニットのようなRas関連GTP結合タンパク
質を含む。Jamesら著、J.Biol.Chem.第269巻:14182
頁(1994年)は、同様にファルネシル化されているペルオキシソーム関連タ
ンパク質Pxfを確認した。Jamesらは、先に列挙したものに加えて、未知
の構造および機能を有するファルネシル化タンパク質があることも示唆した。
【0010】 ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)の阻害剤が、2
つの一般的クラスにおいて記載されている。第1のクラスは、ファルネシル二リ
ン酸(FPP)の類似体を含み、一方、第2のクラスは酵素のためのタンパク質
基質(例えばRas)に関する。記載されたペプチド誘導阻害剤は、一般的に、
タンパク質プレニル化のためのシグナルであるCAAXモチーフに関するシステ
イン含有分子である(Schaberら著、同書;Reissら著、同書;Re
issら著、PNAS、第88巻:732頁〜736頁(1991年)。そのよ
うな阻害剤は、タンパク質プレニル化を阻害すると共にファルネシルタンパク質
トランスフェラーゼ酵素のための別の基質として役立つ、または純粋に拮抗阻害
剤であり得る(米国特許5,141,851、University of T
exas;N.E.Kohlら著、Science、第260巻:1934頁〜
1937頁(1993年);Grahamら著、J.Med.Chem.、第3
7巻:725頁(1994年))。
【0011】 哺乳動物細胞は4つのタイプのRasタンパク質(H−、N−、K4A−およ
びK4B−Ras)を発現し、そのうちK4B−Rasが、ヒトの癌におけるR
asの最も頻繁に突然変異される形態である。これらのタンパク質をコードする
遺伝子は、それぞれ、H−ras、N−ras、K4A−rasおよびK4B−
Rasと省略される。H−rasは、Harvey−rasの略号である。K4
A−rasおよびK4B−rasは、それぞれ4Aおよび4Bエクソンを含むr
asのKirstenスプライス変異種の略号である。ファルネシルタンパク質
トランスフェラーゼの阻害は、軟寒天におけるH−ras−形質転換細胞の成長
を阻害し、その形質転換表現型の他の局面を修飾することが示された。ファルネ
シルタンパク質トランスフェラーゼの特定の阻害剤が、H−ras腫瘍性タンパ
ク質のプロセッシングを細胞内で選択的にブロックすることも示された(N.E
.Kohlら著、Science、第260巻:1934頁〜1937頁(19
93年)およびG.L.Jamesら著、Science、第260巻:193
7頁〜1942頁(1993年))。近年、ファルネシルタンパク質トランスフ
ェラーゼの阻害剤がヌードマウスにおけるH−ras−依存性腫瘍の成長をブロ
ックし(N.E.Kohlら著、Proc.Natl.Acad.Sci U.
S.A.、第91巻:9141頁〜9145頁(1994年))、H−rasト
ランスジェニックマウスにおいて乳腺および唾液腺癌の退行を誘発する(N.E
.Kohlら著、Nature Medicine、第1巻:792頁〜797
頁(1995年))ことが示された。
【0012】 生体内でのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの間接阻害が、ロバス
タチン(ニュージャージー州ローウェイ在Merck & Co.製)およびコ
ンパクチン(Hancockら著、同書;Caseyら著、同書;Schafe
rら著、Science 第245巻:379頁(1989年))を用いて示さ
れた。これらの薬剤はファルネシルピロリン酸を含むポリイソプレノイドの生成
のための速度制限酵素であるHMG−CoAレダクターゼを阻害する。HMG−
CoAレダクターゼの阻害によるファルネシルピロリン酸生合成の阻害は、培養
細胞中でのRas膜局在化をブロツクする。
【0013】 K4B−RasのC−末端のリシンリッチ領域および末端CVIM配列が、特
定の選択的FPTase阻害剤によるそのタンパク質の細胞プロセッシングの阻
害に抵抗性を与えることが開示されている(Jamesら著、J.Biol.C
hem.第270巻:6221頁(1995年))。これらのFPTase阻害
剤は、H−Rasタンパク質のプロセッシングの阻害において効果的である。J
amesらは、GGTaseによるK4B−Rasタンパク質のプレニル化が、
選択的FPTase阻害剤への抵抗性に寄与することを示唆した(Zhangら
著、J.Biol.Chem.第272巻:10232頁〜239頁(1997
年);Rowellら著、J.Biol.Chem.第272巻:14093頁
〜14097頁(1997年);Whyteら著、J.Biol.Chem.第
272巻:14459頁〜14464頁(1997年))。
【0014】 幾つかの科学者のグループが、最近、非選択的FPTase/GGTase阻
害剤である化合物を開示した(Nagasuら著、Cancer Resear
ch、第55巻:5310頁〜5314頁(1995年);PCT出願WO 9
5/25086)。
【0015】 本発明の目的は、H−RasおよびK4B−Rasタンパク質の細胞プロセッ
シングの阻害剤を利用するプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する方
法を提供することである。
【0016】 本発明の目的は、H−RasおよびK4B−Rasタンパク質の細胞プロセッ
シングの阻害剤であるプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識する
方法を提供することである。
【0017】 プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤であってH−RasおよびK4
B−Rasタンパク質の細胞プロセッシングを阻害する化合物を提供することも
本発明の目的である。
【0018】 そのような阻害剤化合物を含む組成物が、本発明において癌の治療のために用
いられる。
【0019】 (発明の開示) 本発明は、H−RasおよびK4B−Rasタンパク質の細胞プロセッシング
の阻害剤であるプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を哺乳動物に投与
することを含んでなるプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する方法及
び癌を治療する方法を提供する。本発明は、これらプレニルタンパク質トランス
フェラーゼの両方の二重阻害剤である化合物を投与することによりファルネシル
タンパク質トランスフェラーゼおよびゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
ラーゼI型を阻害する方法も提供する。癌細胞の生体内成長の阻害剤であるプレ
ニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識する方法も開示される。本方法
は、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型のタンパク質基質の物
理的状態を決める細胞系生体外アッセイを含む。
【0020】 (発明の詳細な説明) 本発明は、癌細胞の成長の阻害剤としての生体内効果を示す特定の特徴を有す
る化合物の薬学的有効量をそれを必要としている哺乳動物に投与することを含ん
でなる、プレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する方法に関する。
【0021】 好ましくは、本方法により阻害されるプレニルタンパク質トランスフェラーゼ
は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよびゲラニルゲラニルタンパ
ク質トランスフェラーゼI型の両方である。好ましくは、投与される化合物は、
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよびゲラニルゲラニルタンパク質
トランスフェラーゼI型の二重阻害剤である。
【0022】 本発明は、さらに、癌細胞の成長の阻害剤として生体内で効果的である化合物
を認識する方法に関する。本方法は、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
ラーゼI型および/またはファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(タンパ
ク質が加工されていてもいなくても)の基質であるタンパク質の物理的状態を決
める細胞系生体外アッセイを含む。プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害
剤が新しく合成されたタンパク質基質のプロセッシングを阻害する性能は、癌細
胞の成長の阻害剤としての生体内効果を示す。
【0023】 ここに記載のアッセイに基づいてK4B−Rasタンパク質の細胞プロセッシ
ングを阻害することが予想される化合物は、H−Rasタンパク質の細胞プロセ
ッシングも阻害する。
【0024】 プロセッシングアッセイと呼ばれる本方法で利用されるアッセイのもう1つの
実施形態において、アッセイは
【0025】 a)試験化合物の存在下に細胞をインキュベートする工程; b)ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシル
タンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるタンパク質を単離
する工程;および c)加工されたタンパク質の量および加工されなかったタンパク質の量を測定
する工程 を含む。
【0026】 好ましくは、プロセッシングアッセイにおける工程b)のタンパク質は、ゲラ
ニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質
トランスフェラーゼの両方の基質である。最も好ましくは、工程b)のタンパク
質はK4B−Rasである。
【0027】 別のプロセッシングアッセイと呼ばれる本発明で利用されるアッセイのもう1
つの実施形態において、アッセイは、
【0028】 a)インキュベーション培地において試験化合物の存在下に試験細胞をインキ
ュベートする工程; b)ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシル
タンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるタンパク質を単離
する工程;および c)加工されなかったタンパク質の量を測定する工程 を含む。
【0029】 好ましくは、別のプロセッシングアッセイにおける工程b)のタンパク質は、
ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基質である。最も好まし
くは、工程b)のタンパク質はRap1である。
【0030】 好ましくは、別のプロセッシングアッセイの工程b)において、タンパク質を
単離する工程は、細胞を溶解し次に電気泳動により細胞タンパク質を分離するさ
らなる工程を含む。より好ましくは、タンパク質を単離する工程は、さらに、非
加工タンパク質について特異的な抗体を用いて電気泳動ゲル上でウエスタンブロ
ットを行うさらなる工程を含む。好ましくは、非加工タンパク質について特異的
な抗体は、抗−Rap1a抗体(Santa Cruz Biochemica
l SC1482)である。
【0031】 本方法により認識される化合物は、ファルネシルタンパク質トランスフェラー
ゼおよび/またはゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の阻害剤
である。すなわち。化合物を認識する本方法は、さらに、以下の工程の一方また
は両方を含み得る:
【0032】 d)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
ゲラニルゲラニル残基の転移に対するその生体外阻害活性について試験化合物を
検定する工程; e)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
体外阻害活性について試験化合物を検定する工程。
【0033】 「CAAX」という用語は、GGTase−Iによりゲラニルゲラニル化さ
れ得るそのようなモチーフを意味する。特に、そのような「CAAX」モチー
フはCVIM(K4B−Ras)(配列番号1)、CVLL(突然変異H−Ra
s)(配列番号2)、CVVM(N−Ras)(配列番号3)、CIIM(K4
A−Ras)(配列番号4)、CLLL(Rap−IA)(配列番号5)、CQ
LL(Rap−1B)(配列番号6)、CSIM(配列番号7)、CAIM(配
列番号8)、CKVL(配列番号9)、CLIM(PFX)(配列番号10)お
よびCVIL(Rap2B)(配列番号12)を含む(対応するヒトタンパク質
を括弧内に記す)。好ましくは、CAAXモチーフはCVIM(配列番号1)で
ある。「CAAX」含有タンパク質またはペプチド基質はファルネシルタンパ
ク質トランスフェラーゼによりファルネシル化することもできることが理解され
る。
【0034】 ここで用いられる「CAAX」という用語は、ファルネシルタンパク質トラ
ンスフェラーゼによりファルネシル化される4アミノ酸C−末端モチーフを組み
込むタンパク質またはペプチドを意味するために用いられる。特に、そのような
「CAAX」モチーフは、CVLS(H−ras)(配列番号11)、CVI
M(K4B−Ras)(配列番号1)、CVVM(N−Ras)(配列番号3)
およびCNIQ(Rap2A)(配列番号13)(対応するヒトタンパク質を括
弧内に記す)を含む。特定の「CAAX」含有タンパク質またはペプチド基質
をGGTase−Iによりゲラニルゲラニル化し得ることも理解される。
【0035】 任意の細胞系を本アッセイと組み合わせて用い得ると考えられる。その例は、
3T3、C33a、PSN−1(ヒト膵臓癌細胞系)およびK−ras−形質転
換Rat−1細胞を含む。本アッセイに用いるのに好ましい細胞系は、PSN−
1およびK−ras−形質転換Rat−1細胞であるとわかった。
【0036】 本アッセイで用いられるアッセイ培地は、培地がシステインおよびメチオニン
を含まないならば、細胞生存能力を維持するのに有用な任意の培地から選択する
ことができる。好ましくは、アッセイ培地は、メチオニン非含有RPMIまたは
システイン非含有/メチオニン非含有DMEMを含む。最も好ましくは、アッセ
イ培地は、2%ウシ胎児血清を加えたメチオニン非含有RPMI;および200
mMグルタミン(Gibco製)0.035mL、2%ウシ胎児血清を加えたシ
ステイン非含有/メチオニン非含有DMEMから選択される。
【0037】 好ましくは、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファ
ルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるプロセッ
シングアッセイにおける工程b)のタンパク質は、細胞を溶解し次に溶解産物か
らタンパク質を免疫沈降させるさらなる工程により単離される。好ましくは、溶
解産物からの上澄みは2回免疫沈降させる。
【0038】 最も好ましくは、プロセッシングアッセイにおける工程b)のタンパク質がK
4B−Rasである場合、加工したK4B−Rasと加工していないK4B−R
asとの混合物が、Y13−259(Calbiochem製)のような全Ra
sモノクローナル抗体を用いる第1の免疫沈降に付され、c−K−ras Ab
−1(Calbiochem製)のようなK−Ras特異性モノクローナル抗体
を用いる第2の免疫沈降に付される。
【0039】 好ましくは、プロセッシングアッセイにおける工程b)のタンパク質がRap
1である場合、加工したRap1と加工していないRap1との混合物が、Ra
p1/Krev1(Santa Cruz Bitech製)のようなRap1
抗体を用いる2つの別々の免疫沈降工程に付される。
【0040】 単離後に溶解産物中の加工されたタンパク質と加工されていないタンパク質と
の相対的量を識別し測定するために、多くの方法が当業者に知られている。好ま
しくは、加工されたタンパク質と加工されていないタンパク質とを分離するのに
利用される方法は、タンパク質の混合物を12%アクリルアミドゲル上のSDS
−PAGEに付し次にタンパク質を視覚化することである。
【0041】 分離された加工タンパク質および加工されていないタンパク質を視覚化するた
めに、さらに、多くの方法が当業界に知られている。例えば、タンパク質そのも
のを放射標識し次に蛍光板間接撮影により視覚化することができる。タンパク質
を放射標識する方法は、放射標識したアミノ酸をインキュベーション培地に導入
することによる。好ましくは、放射標識したアミノ酸を、試験化合物の存在下に
アッセイ培地に添加する。そのようなタンパク質を放射標識する方法は、新しく
合成されたタンパク質のみのプロセッシング状態の評価を提供する。
【0042】 SDS−PAGEゲルをウエスタンブロット手順に付することもできる。抗体
の放射標識により分離された加工タンパク質および非加工タンパク質をマークす
るためにタンパクに対する抗体を用いることができる;またはその抗体の位置を
、第2の標識抗体、または蛍光マーカーを生じる第2の抗体との相互作用により
視覚化することができる。
【0043】 好ましくは、プロセッシングアッセイにおける工程b)のタンパク質がRap
1Aである場合、加工Rap1Aタンパク質と非加工Rap1Aタンパク質との
混合物が電気泳動により分離され、次に、Rap1Aの非保護種に特異的な抗体
を用いて行われるウエスタンブロットにより視覚化される。
【0044】 さらに好ましくは、本方法により認識される化合物は、効果的生体内ファルネ
シルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤である。驚くべきことに、そのような
効果的二重阻害剤が、機構的毒性を引き起こさない阻害剤濃度において、癌細胞
、特に突然変異したK4B−Rasタンパク質により特徴付けられる癌の成長の
生体内阻害剤として特に有用であることがわかった。ファルネシルタンパク質ト
ランスフェラーゼ阻害剤の機構的毒性は、迅速増殖組織、例えば骨髄において起
こると予想することができる。
【0045】 本方法により認識される阻害剤化合物は、プレニルタンパク質トランスフェラ
ーゼの阻害、およびそれを必要としている哺乳動物における癌および他の増殖性
疾患の治療において有用である。好ましくは、本発明の化合物は、本化合物を用
いるアッセイ細胞のインキュベーション後にK4B−Rasタンパク質C−末端
を修飾することができる酵素の基質である新しく合成されたタンパク質の25%
を超えるプロセッシングを阻害する。より好ましくは、本発明の化合物は、イン
キュベーション後にK4B−Rasタンパク質C−末端を修飾することができる
酵素の基質である新しく合成されたタンパク質の50%を超えるプロセッシング
を阻害する。プロセッシングの阻害%を決めるためのインキュベーションの好ま
しい時間は約2時間〜約24時間である。より好ましくは、インキュベーション
時間は約4時間〜約8時間である。好ましくは、K4B−Rasタンパク質C−
末端を修飾することができる酵素は、ファルネシルタンパク質トランスフェラー
ゼおよびゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型から選択される。
【0046】 好ましくは、そのような阻害剤は次の特徴の一方または両方により特徴付けら
れる:
【0047】 a)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約5μMより低いIC50(生体外阻害活
性の測定値)、および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値)。
【0048】 より好ましくは、そのような阻害剤は、さらに、次の特徴の一方または両方に
より特徴付けられる:
【0049】 c)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約1μMより低いIC50(生体外阻害活
性の測定値)、および d)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約50
0nMより低いIC50(生体外阻害活性の測定値)。
【0050】 調整アニオンは、アニオン部分を含む任意の種類の分子から選択することがで
きる。好ましくは、調整アニオンは、アニオンを含むリン酸塩または硫酸塩から
選択される。本GGTase−I阻害アッセイにおいて有用な調整アニオンの特
別の例は、アデノシン5’−三リン酸(ATP)、2’−デオキシアデノシン
5’−三リン酸(dATP)、2’−デオキシシトシン 5’−三リン酸(dC
TP)、β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、グアノシン5’−三リン酸(
GTP)、2’−デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、ウリジン5
’−三リン酸、ジチオリン酸塩、3’−デオキシチミジン 5’−三リン酸、ト
リポリリン酸塩、D−ミオ−イノシトール1,4,5−三リン酸、塩化物、グア
ノシン、5’−一リン酸、2’−デオキシグアノシン、オルトリン酸塩、ホルマ
イシンA、イノシン二リン酸、トリメタリン酸塩および硫酸等を含む。好ましく
は、調整アニオンは、アデノシン5’−三リン酸、2’−デオキシアデノシン
5’−三リン酸、2’−デオキシシトシン 5’−三リン酸、β−グリセロール
リン酸、ピロリン酸塩、グアノシン5’−三リン酸、2’−デオキシグアノシン
5’−三リン酸、ウリジン5’−三リン酸、ジチオリン酸塩、3’−デオキシチ
ミジン 5’−三リン酸、トリポリリン酸塩、D−ミオ−イノシトール1,4,
5−三リン酸および硫酸から選択される。最も好ましくは、調整アニオンはアデ
ノシン5’−三リン酸、β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、ジチオリン酸
塩および硫酸塩から選択される。
【0051】 プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害化合物という用語は、ファルネシ
ルタンパク質トランスフェラーゼおよび/またはゲラニルゲラニルタンパク質ト
ランスフェラーゼをコードする遺伝子の活性に拮抗、阻害または反作用する化合
物、またはそれに反応して生成されるタンパク質を意味する。本方法においては
、試験化合物によるK4B−Rasタンパク質のプロセッシングの25%を超え
る阻害は、試験化合物がK4B−Rasタンパク質のC−末端を修飾することが
できる酵素の阻害剤であることを示している。
【0052】 「K4B−Ras」、「N−Ras」および「H−Ras」等のような用語に
より特定のRasタンパク質が言及された場合、そのような用語は、対応する野
生型ras遺伝子の発現から生じるタンパク質および、種々の点突然変異を含む
ras遺伝子の発現から生じる種々のタンパク質の両方を表す。「K4B−Ra
s」、「N−Ras」および「H−Ras」等のような用語により特定のras
遺伝子が言及された場合、そのような用語は野生型ras遺伝子と種々の点突然
変異を含むras遺伝子の両方を表す。
【0053】 ここで用いられる選択的という用語は、1つの生物学的活性に対する特定の化
合物の阻害活性(例えば、プレニルタンパク質トランスフェラーゼの阻害)を、
もう1つの生物学的活性に対する化合物の阻害活性に比較して示す。プレニルタ
ンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の選択性が高いと、そのような化合物は、こ
こに記載の処理方法にとって、より好ましいと解される。
【0054】 本組成物により提供される好ましい治療効果は、癌の治療、および特に、癌性
腫瘍の成長の阻害および/または癌性腫瘍の退行である。ここに記載の本発明に
より治療することのできる癌は、脳、胸、結腸、尿生殖路、前立腺、皮膚、リン
パ系、膵臓、直腸、胃、咽頭、肝臓および肺の癌を含む。より詳しくは、そのよ
うな癌は、組織球性リンパ腫、肺腺癌、膵臓癌、結腸直腸癌、小細胞肺癌、膀胱
癌、頭部および頚部癌、急性および慢性白血病、メラノーマ、および神経腫瘍を
含む。
【0055】 本発明の組成物は、良性および悪性の両方の他の増殖性疾患の阻害にも有用で
あり、他の遺伝子における癌性突然変異の結果としてRasタンパク質が異常に
活性化され(すなわち、Ras遺伝子そのものは癌状態への突然変化により活性
化されない)、阻害は、そのような治療を必要としている哺乳動物に本組成物の
有効量を投与することにより達成される。例えば、この組成物は、良性増殖性疾
患である神経線維腫症の治療において有用である。
【0056】 本発明の組成物は、内膜性新生物形成(neointimal format
ion)を阻害することにより経皮経腔的冠状動脈形成後の再狭窄を予防するの
にも有用である(C.Indolfiら著、Nature medicine、
第1巻:541頁〜545頁(1995年)。
【0057】 本組成物は、多嚢胞腎臓病の治療および予防においても有効であり得る(D.
L.Schaffnerら著、American Journal of Pa
thology、第142巻:1051頁〜1060頁(1993年)およびB
.Cowley,Jrら著、FASEB Journal、第2巻:A3160
頁(1988年))。
【0058】 本化合物は、腫瘍脈管形成を阻害し、それにより腫瘍の成長に影響を与えるこ
ともできる(J.Rakら著、Cancer Research、第55巻:4
575頁〜4580頁(1995年))。本発明の化合物のそのような抗脈管形
成特性は、網膜血管新生に係わる特定の形態の視力欠損の治療においても有用で
あり得る。
【0059】 本発明の化合物は、特定のウイルス感染の治療、特に、デルタ型肝炎および関
連ウイルスの治療においても有用である(J.S.Glennら著、Scien
ce、第256巻:1331頁〜1333頁(1992年))。
【0060】 本発明の化合物は、血管平滑筋細胞の増殖の阻害においても有用で、動脈硬化
症および糖尿病性血管障害の予防及び治療においても有用であり得る。
【0061】 本発明の化合物は、標準的薬剤実施に従って、単独でまたは、好ましくは、薬
剤組成物中において薬学的に許容できるキャリア、賦形剤または希釈剤と組み合
わせて、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。この化合物は、経
口的に、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸および局所投与経路を含め
非経口的に投与することができる。
【0062】 活性成分を含む薬剤組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トロー
チ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、乳濁液、硬質ま
たは軟質カプセル、あるいはシロップまたはエリキシルであってよい。経口用の
組成物は、薬剤組成物の製造のために当該分野で知れらているいかなる方法によ
っても調製することができ、そのような組成物は、薬学的に上品で美味な製剤を
提供するために、甘味料、風味量、着色剤および防腐剤からなる群より選択され
る1種または2種以上の試薬を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適して
いる非毒性の薬学的に許容できる賦形剤と混合した活性成分を含む。これらの賦
形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシ
ウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;顆粒化および崩壊剤、例え
ば、微結晶性セルロース、ナトリウムクロスカルメロース(crosscarm
ellose)、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン
、ゼラチン、ポリビニルピロリドンまたはアラビアゴム、および潤滑剤、例えば
、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってよい。錠剤は
被覆しない、または薬剤の不快な味を遮断するもしくは胃腸管における崩壊およ
び吸収を遅延させる既知の技術によって被覆してよく、それにより長期間維持さ
れた作用が提供される。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒ
ドロキシプロピルセルロースのような水溶性味遮断材料、あるいはエチルセルロ
ース、酢酸酪酸セルロースのような時間遅延化合物を用いて良い。
【0063】 経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセル、
または活性成分が、ポリエチレングリコールのような水溶性キャリアまたは油培
地、例えばピーナッツ油、液状パラフィンもしくはオリーブ油と混合される軟質
ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
【0064】 水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性材料を含む。
そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース
、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリ
ウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり;分
散または湿潤剤は天然産ホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキ
シド脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、または
エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカ
エチレン−オキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレ
エートのような脂肪酸とヘキシトールとから誘導される部分エステルとエチレン
オキシドとの縮合生成物、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導される部分エ
ステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモ
ノオレエートであってよい。水性懸濁液は、1種または2種以上の防腐剤、例え
ば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1種または2種以上の
着色剤、1種または2種以上の風味料、およびスクロース、サッカリンまたはア
スパルテームのような1種または2種以上の甘味料を含んでもよい。
【0065】 油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油また
はヤシ油中に、または液状パラフィンのような鉱物油中に懸濁させることにより
調製することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば密ロウ、硬質パラフィン
またはセチルアルコールを含んでよい。先に列挙したような甘味料、および風味
料を添加して美味経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、ブチル
化ヒドロキシアニソールまたはα−トコフェロールのような酸化防止剤を添加す
ることにより保存することができる。
【0066】 水の添加により水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末および顆粒は、分
散または湿潤剤、懸濁剤および1種または2種以上の防腐剤と混合して活性成分
を提供する。適当な分散または湿潤剤および懸濁剤は、既に前述したものにより
例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味料、風味料および着色剤も存在して
よい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加により保存
することができる。
【0067】 本発明の薬剤組成物は、水中油滴型エマルジョンの状態であってもよい。油相
は植物油、例えばオリーブ油または落花生油、または鉱物油、例えば液状パラフ
ィンもしくはそれらの混合物であってよい。適当な乳化剤は天然産ホスファチド
、例えば大豆レシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエ
ステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記部
分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエートであってよい。乳濁液は、甘味料、風味料、防腐剤およ
び酸化防止剤も含んでよい。
【0068】 シロップおよびエリキシルは、甘味料、例えば、グルセロール、プロピレング
リコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調製することができる。その
ような製剤は粘滑剤、防腐剤、風味料および着色剤ならびに酸化防止剤も含んで
よい。
【0069】 薬剤組成物は、滅菌注射性水溶液の形態であってよい。用いることのできる許
容できるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶
液がある。
【0070】 滅菌注射性製剤は、活性成分が油相に溶解されている滅菌注射性水中油滴型マ
イクロエマルジョンでもよい。例えば、活性成分を、まず大豆油とレシチンとの
混合物に溶解することができる。次に、油溶液を水とグリセロールとの混合物に
導入し、加工してマイクロエマルジョンを形成する。
【0071】 注射性溶液またはマイクロエマルジョンは、局所的ボーラス注射により患者の
血流に導入することができる。または、本化合物の一定循環濃度を維持するよう
な方法で溶液またはマイクロエマルジョンを投与することが有利な場合がある。
そのような一定濃度を維持するために、連続的静脈内送達装置を利用することが
できる。そのような装置の例は、Deltec CADD−PLUSTMモデル
5400静脈内ポンプである。
【0072】 薬剤組成物は、筋肉内および皮下投与のために滅菌注射性水性または油性懸濁
液の形態であってよい。この懸濁液は、前述した適当な分散または湿潤剤および
懸濁剤を用いて既知の技術により調製することができる。滅菌注射性製剤は、非
毒性非経口受容性希釈剤または溶媒中の滅菌注射性溶液または懸濁液、例えば、
1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。さらに、滅菌固定油が従来よ
り溶媒または懸濁培地として用いられている。この目的のために、合成モノまた
はジグリセリドを含む任意の等級の固定油を用いることができる。さらに、オレ
イン酸のような脂肪酸が、注射性製剤の調製に用いられる。
【0073】 式Aの化合物は、薬剤の直腸投与のために座剤の形態で投与することもできる
。これらの組成物は、薬剤と、常温で固体であるが直腸温度で液体であり従って
直腸で溶融して薬剤を放出するような適当な非刺激性賦形剤とを混合することに
より調製することができる。そのような材料は、ココアバター、グリセリン化ゼ
ラチン、水素化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物および
ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを含む。
【0074】 局所的使用のために、式Aの化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液また
は懸濁液等が用いられる。(この適用の目的には、局所適用は口内洗浄およびう
がいを含む。)
【0075】 本発明のための化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルおよび送達装置の局所的使用
により鼻腔内に投与、または当業者に良く知られている経皮皮膚パッチの形態の
ものを用いた経皮経路により、投与することができる。経皮送達系の形態で投与
するために、投与は、もちろん投与計画全体において間欠的であるよりも連続的
である。
【0076】 ここで用いられる「組成物」という用語は、特定量の特定成分を含む生成物、
および、特定量の特定成分の組み合わせから直接または間接的に生じる任意の生
成物を包含することを意図する。
【0077】 本方法により認識される化合物は、治療される症状に対する特別の有用性のた
めに選択される他の良く知られている治療薬と一緒に投与することもできる。例
えば、本化合物は、既知の抗癌および細胞毒性薬と組み合わせて有用となり得る
。同様に、本化合物は、神経線維腫症、再狭窄、多嚢胞腎臓病、デルタ型肝炎お
よび関連するウイルスの感染並びに真菌の感染の治療および予防において効果的
な薬剤と組み合わせて有用となり得る。本化合物は、細胞表面成長因子受容体を
核シグナル開始細胞増殖につなぐシグナル経路の一部の他の阻害剤と組み合わせ
ても有用となり得る。すなわち、本化合物は、ファルネシルタンパク質トランス
フェラーゼの活性のファルネシルピロリン酸拮抗阻害剤と組み合わせて、または
Raf拮抗薬活性を有する化合物と組み合わせて利用することができる。本化合
物は、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼの選択的阻害剤またはフ
ァルネシルタンパク質トランスフェラーゼの選択的阻害剤である化合物と一緒に
投与することもできる。
【0078】 本発明の化合物は、治療される症状に対する特別の有用性のために選択される
他の良く知られている癌治療薬と一緒に投与することもできる。治療薬のそのよ
うな組み合わせには、本プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤と抗腫瘍
性薬との組み合わせが含まれる。抗腫瘍薬とプレニルタンパク質トランスフェラ
ーゼの阻害剤との本組み合わせを、放射線治療および手術を含む他の癌および/
または腫瘍治療方法を組み合わせて用い得ることも理解される。
【0079】 固定投与量として調製される場合、そのような組み合わせ産物は、以下に記載
の投与量範囲の本発明の組み合わせ、およびその認可される投与量範囲内の他の
薬学的活性剤を用いる。本発明の組み合わせは、複合組み合わせ製剤が不適当な
場合、既知の薬学的に許容できる薬剤と一緒に順次使用することもできる。
【0080】 外部的に適用される光線からまたは小さな放射線源の移植により送達されるX
線またはγ線を含む放射線治療を、癌の治療のために、プレニルタンパク質トラ
ンスフェラーゼのみの阻害剤と組み合わせて用いることもできる。
【0081】 さらに、本発明の化合物は、1997年10月23日に公開されここに参考と
して取り込まれるWO97/38697に記載のように、放射線増感剤としても
有用であり得る。
【0082】 本化合物は、細胞表面成長因子受容体を核シグナル開始細胞増殖につなぐシグ
ナル経路の一部の他の阻害剤と組み合わせても有用となり得る。すなわち、本化
合物は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの活性のファルネシルピロ
リン酸拮抗阻害剤と組み合わせて、またはRaf拮抗薬活性を有する化合物と組
み合わせて利用することができる。
【0083】 本化合物は、1998年4月6日に出願されここに参考として取り込まれる米
国特許No.09/055,487に記載のように、癌の治療のためにインテグ
リン拮抗薬と組み合わせても有用であり得る。
【0084】 ここで用いられる「インテグリン拮抗薬」という用語は、脈管形成の制御また
は腫瘍細胞の成長および侵襲に伴うインテグリンへの生理学的リガンドの結合を
選択的に拮抗、阻害または反作用する化合物を意味する。特に、この用語は、α
vβ3インテグリンへの生理学的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害または反
作用する、αvβ5インテグリンへの生理学的リガンドの結合を選択的に拮抗、
阻害または反作用する、αvβ3インテグリンとαvβ5インテグリンの両方へ
の生理学的リガンドの結合を拮抗、阻害または反作用する、または毛細管内皮細
胞上に発現される特定のインテグリンの活性を拮抗、阻害または反作用する化合
物を意味する。この用語は、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β
1、α6β1およびα6β4インテグリンの拮抗薬も意味する。この用語は、α
vβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6
β1およびα6β4インテグリンの任意の組み合わせの拮抗薬も意味する。本化
合物は、脈管形成を阻害し、それによりアンギオスタチンおよびエンドスタチン
を非限定的に含む腫瘍細胞の成長および侵襲を阻害する他の薬剤と組み合わせて
も有用となり得る。
【0085】 本発明の組成物がヒト対象に投与される場合、1日投与量は、通常、処方箋を
書く医者により決められるが、投与量は、一般的に年齢、体重、および個々の患
者の反応、および患者の症状の重さにより変わる。
【0086】 1つの適用例において、適当な量のプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻
害剤が、癌の治療を受けている哺乳動物に投与される。投与は、1日当り体重1
kgあたり約0.1mg〜約60mg、好ましくは1日当り体重1kgあたり約
0.5mg〜約40mgの各阻害剤の量で行われる。本組成物を含む特別の治療
投与量は、約0.01mg〜約1000mgのプレニルタンパク質トランスフェ
ラーゼ阻害剤を含む。好ましくは、投与量はプレニルタンパク質トランスフェラ
ーゼの約1mg〜約1000mgを含む。
【0087】 抗腫瘍剤の例は、通常、微小管安定化剤(パクリタクセル(Taxol(登録
商標)としても知られる)、ドセタクセル(Taxotere(登録商標)とし
ても知られる)、またはそれらの誘導体);アルキル化剤、抗代謝剤;エピドフ
ィロトキシン;抗腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキ
サントロン;白金配位複合体;生物学的反応修飾剤および成長阻害剤;ホルモン
性/抗ホルモン性治療薬および造血成長因子を含む。
【0088】 抗腫瘍薬の例は、例えば、アントラサイクリンファミリー薬、ビンカ剤、マイ
トマイシン、ブレオマイシン、細胞毒性ヌクレシド、タキサン、エポチロン、ジ
スコデルモリド、プテリジンファミリー薬、ダイネンおよびポドフィロトキシン
を含む。これらの種の特に有用なメンバーは、例えば、ドキソルビシン、カルミ
ノマイシン、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキセート、メトプテリ
ン、ジクロロメトトレキセート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5−
フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシ
ド、ポドフィロトキシンまたはエトポシド、エトポシドリン酸もしくはテニポシ
ドのようなポドフィロトキシン誘導体、メルファラン、ビンブラスチン、ビンク
リスチン、ロイロシジン、ビンデシン、ロイロシンおよびパクリタクセル等を含
む。他の有用な抗腫瘍薬は、エストラムスチン、シスプラチン、カルボプラチン
、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシチビン、イフォサミド、メルフ
ァラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート、ト
リメトトレキセート、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、カンプトテシン、
CPT−11、トポテカン、シトシンアラビノシド、ビカルタミド、フルタミド
、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびイン
ターロイキンを含む。
【0089】 先に記載した特性により認識される本発明の化合物は以下のものを含む: (a)下記式Iで示される化合物:
【0090】
【化1】
【0091】 式中 R1aは水素またはC〜Cアルキルから選択され; R1bは独立して下記a)〜c)から選択され:
【0092】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または
−N(R10により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル
; RおよびRはHおよびCHから選択され; Rは、H;非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロアリール、
【0093】
【化2】
【0094】 または、非分岐または分岐した非置換または下記1)〜5)の1種または2種以
上で置換されたC1〜5アルキルから選択され:
【0095】 1)アリール、 2)ヘテロ環、 3)OR、 4)SR6a、SO6a、または
【0096】
【化3】
【0097】 および、RおよびRは任意に同じ炭素原子に付加し; RおよびRは独立して:
【0098】 H;下記a)〜d)で置換されたまたは置換されていないC1〜4アルキル、C 3〜6 シクロアルキル、アリール、ヘテロ環から選択され:
【0099】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、 c)パーフルオロ−C1〜4アルキル、または d)アリールまたはヘテロ環; R6aは、下記a)〜c)で置換されたまたは置換されていないC1〜4アル
キルまたはC3〜6シクロアルキルから選択され:
【0100】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、または c)アリールまたはヘテロ環; Rは、独立して下記a)〜c)から選択され:
【0101】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(
10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1〜6アルキル; R9aは水素またはメチルであり; R10は、独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキル
、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立してC1〜6アルキルおよびアリールから選択され; AおよびAは、独立して:結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O
)−、−C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)から選
択され; Vは、下記a)〜e)から選択され:
【0102】 a)水素、 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、
2−オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルおよびチエ
ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール、 d)0〜4の炭素原子がO、SおよびNから選択されるヘテロ原子で置換さ
れているC〜C20アルキル、および e)C〜C20アルケニル、 但し、AがS(O)の場合はVは水素でなく、Aが結合の場合はVは水素
でなく、nは0、およびAはS(O)であり; Xは−CH−または−C(=O)−であり; Zは、下記1)、2)から選択される:
【0103】 1)アリール、ヘテロアリール、アリ−ルメチル、ヘテロアリールメチル、ア
リールスルホニル、ヘテロアリールスルホニルから選択される非置換または置換
された基、ここで置換された基は下記a)〜k)の1種または2種以上で置換さ
れている:
【0104】 a)C1〜4アルコキシ、NR、C3〜6シクロアルキル、非置換ま
たは置換アリール、ヘテロ環、HO、−S(O)6aまたは−C(O)NR で置換されたまたは置換されていないC1〜4アルキル、 b)アリールまたはヘテロ環、 c)ハロゲン、 d)OR、 e)NR、 f)CN、 g)NO、 h)CF、 i)−S(O)6a、 j)−C(O)NR、または k)C〜Cシクロアルキル;または 2)非置換C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、非置換C〜C シクロアルキルまたは置換C〜Cシクロアルキル、ここで置換C〜C
ルキルおよび置換C〜Cシクロアルキルは、下記a)〜h)の1種または2
種以上で置換されている:
【0105】 a)C1〜4アルコキシ、 b)NR、 c)C3〜6シクロアルキル、 d)−NRC(O)R、 e)HO、 f)−S(O)6a、 g)ハロゲン、または h)パーフルオロアルキル; mは、0、1または2であり; nは、0、1、2、3または4であり; pは、0、1、2、3または4であり;および rは、0〜5であり、但しVが水素の場合はrは0である; 但し、置換基(R−V−A(CR1a (CR1a −は
Hではない; (b)下記式IIで示されるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害
剤:
【0106】
【化4】
【0107】 式中 R1aは、水素またはC〜Cアルキルから選択され; R1bは、独立して下記a)〜c)から選択され:
【0108】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)非置換または置換アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、
10O−または−N(R10により置換されたまたは置換されていないC 〜Cアルキル; R1cは、下記a)〜c)から選択され:
【0109】 a)水素、 b)非置換または置換C〜Cアルキル、ここで置換C〜Cアルキル
上の置換基は、非置換または置換アリール、ヘテロ環、C〜C10シクロアル
キル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、R10O−、R11S(
O)−、R10C(O)NR10−、(R10N−C(O)−、CN、(
10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R10OC(O)−、N 、−N(R10、およびR11OC(O)−NR10−から選択され、お
よび c)非置換または置換アリール; RおよびRは、独立してHおよびCHから選択され; Rは、H;OR10
【0110】
【化5】
【0111】 または、非分岐または分岐し下記1)〜5)の1種または2種以上で置換された
または置換されていないC1〜5アルキルから選択され:
【0112】 1)アリール、 2)ヘテロ環、 3)OR、 4)SR6a、SO6a、または
【0113】
【化6】
【0114】 および、R、RおよびRは任意に同じ炭素原子に付加し; RおよびRは、独立して、H;下記a)〜c)で置換されたまたは置換さ
れていないC1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロ環か
ら選択され:
【0115】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、または c)アリールまたはヘテロ環; R6aは、下記a)〜c)で置換されたまたは置換されていないC1〜4アル
キルまたはC3〜6シクロアルキルであり:
【0116】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、または c)アリールまたはヘテロ環; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0117】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(
10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1〜6アルキル; R9aは水素またはメチルであり; R10は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立してC1〜6アルキルおよびアリールから選択され; R12は、H;非置換または置換C1〜8アルキル、非置換または置換アリー
ルまたは非置換または置換ヘテロ環から選択され、ここで置換アルキル、置換ア
リールまたは置換へテロ環は、下記1)〜18)の1種または2種以上で置換さ
れており:
【0118】 1)下記a)〜h)で置換されているまたは置換されていないアリールまた
はヘテロ環、 a)C1〜4アルキル、 b)(CHOR、 c)(CHNR、 d)ハロゲン、 e)CN、 f)アリールまたはヘテロアリール、 g)パーフルオロ−C1〜4アルキル、 h)SR6a、S(O)R6a、SO6a、 2)C3〜6シクロアルキル、 3)OR、 4)SR6a、S(O)R6aまたは、SO6a、 5)−NR
【0119】
【化7】
【0120】 15)N、 16)F、 17)パーフルオロ−C1〜4−アルキル、または 18)C1〜6−アルキル; AおよびAは、独立して、結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O
)−、−C(O)NR10−、−NR10C(O)−、O、−N(R10)−、
またはS(O)から選択され; Vは、下記a)〜e)から選択され:
【0121】 a)水素、 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、
2−オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルおよびチエ
ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール、 d)0〜4の炭素原子がO、SおよびNから選択されるヘテロ原子で置換さ
れているC〜C20アルキル、および e)C〜C20アルケニル、 但し、AがS(O)の場合はVは水素でなく、Aが結合の場合はVは水素
でなく、nは0、およびAはS(O)であり; Xは−CH−または−C(=O)−であり; Xは結合、−C(=O)−、−NRC(=O)−、−NR−、−O−ま
たはS(=O)−であり; Yは、下記a)〜c)から選択され:
【0122】 a)水素、 b)R10O−、R11S(O)−、R10C(O)NR10−、(R N−C(O)−、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R 12 C(O)−、R10OC(O)−、N、F、−N(R10、またはR 11 OC(O)NR10−、 c)非置換または置換C1〜6アルキル、ここで置換C1〜6アルキル上の
置換基は非置換または置換アリール、R10O−、R10C(O)NR10−、
(R10N−C(O)−、R10C(O)−およびR10OC(O)−から
選択され; Zは、非置換または置換アリール、ここで置換アリールは下記1)〜11)の
1種または2種以上で置換されている:
【0123】 1)下記a)〜g)で置換されているまたは置換されていないC1〜4アル
キル、 a)C1〜4アルコキシ、 b)NR、 c)C3〜6シクロアルキル、 d)アリール、置換アリールまたはヘテロ環、 e)HO、 f)−S(O)6a、または g)−C(O)NR、 2)アリールまたはヘテロ環、 3)ハロゲン、 4)OR、 5)NR、 6)CN、 7)NO、 8)CF、 9)−S(O)6a、 10)−C(O)NR、または 11)C〜Cシクロアルキル; mは、0、1または2であり; nは、0、1、2、3または4であり; pは、0、1、2、3または4であり;および rは、0〜5であり、但し、Vが水素の場合はrは0である;および vは、0、1または2である; (c)下記式IIIで示される化合物
【0124】
【化8】
【0125】 式中、 Rは、独立して、水素またはC〜Cアルキルから選択され; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0126】 a)水素、 b)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C〜C10 シクロアルキル、R10O−またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、C〜C10シクロアルキル、C〜Cアルケ
ニル、R10O−、または−N(R10で置換されたまたは置換されていな
いC〜Cアルキル; Rは、下記a)〜d)から選択され:
【0127】 a)水素、 b)C〜Cアルケニル、R10O−、R11S(O)−、R10C(
O)NR10−、CN、N、(R10N−C(NR10)−、R10C(
O)−、−N(R10、またはR11OC(O)−NR10−により置換さ
れたまたは置換されていないC〜Cアルキル、 c)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C〜C10 シクロアルキル、C〜Cアルケニル、フルオロ、クロロ、R12O−、R S(O)−、R10C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−
C(NR10)−、R10C(O)−、N、−N(R10、またはR11 OC(O)−NR10−、および d)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環およびC〜C 10 シクロアルキルから選択される非置換または置換された基で置換されたC 〜Cアルキル; RおよびRは、独立して、下記a)〜d)から選択され:
【0128】 a)水素、 b)C〜Cアルケニル、R10O−、R11S(O)−、R10C(
O)NR10−、CN、N、(R10N−C(NR10)−、R10C(
O)−、−N(R10、またはR11OC(O)−NR10−により置換さ
れたまたは置換されていないC〜Cアルキル、 c)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C〜C10 シクロアルキル、C〜Cアルケニル、フルオロ、クロロ、R10O−、R S(O)−、R10C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−
C(NR10)−、R10C(O)−、N、−N(R10、またはR11 OC(O)−NR10−、および d)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環およびC〜C 10 シクロアルキルから選択される非置換または置換された基で置換されたC 〜Cアルキル; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0129】 a)水素 b)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C1〜6アル
キル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、F、Cl、R10O−、アリロキシ、R10C(O)NR10−、CN、N
、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 、(R12NC(O)−またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)、−N(R10
またはR11OC(O)NR10−で置換されたC〜Cアルキル; Rは、独立して、下記a)〜e)から選択され:
【0130】 a)水素、 b)非置換または置換アリール、 c)非置換または置換ヘテロ環、 d)非置換または置換シクロアルキル、および e)水素または、アリール、ヘテロ環およびシクロアルキルから選択される
非置換または置換された基で置換されたC1〜6アルキル;ここでヘテロ環は、
ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、インドリ
ル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエニルから選択され; Rは、下記a)〜c)から選択され:
【0131】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R10 OC(O)−、−N(R10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R10OC(O)
−、−N(R10またはR11OC(O)NR10−により置換されている
1〜6アルキル; Rは、下記a)〜c)から選択され:
【0132】 a)水素、 b)C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6パーフルオロアル
キル、F、Cl、R10O−、R11S(O)−、R10C(O)NR10
、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R OC(O)−、−N(R10、またはR11OC(O)NR10−、およ
び c)C〜Cパーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O) −、R10C(O)NR10−、CN、(R10N−C(NR10)−、
10C(O)−、R10OC(O)−、−N(R10、またはR11OC
(O)NR10−により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル
; R10は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立して、C1〜6アルキルおよびアリールから選択され; R12は、独立して、水素、C〜Cアルキル、CO10で置換された
〜Cアルキル、アリールで置換されたC〜Cアルキル、置換アリール
で置換されたC〜Cアルキル、ヘテロ環で置換されたC〜Cアルキル、
置換ヘテロ環で置換されたC〜Cアルキル、アリールおよび置換アリールか
ら選択され; AおよびAは、独立して:結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O
)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−S(O)NR−、−N
S(O)−、O、−N(R)−、またはS(O)から選択され; Aは、結合、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−S(O)NR −、−NRS(O)−、または−N(R)−から選択され; Aは、結合、O、−N(R)−またはSから選択され; Vは、下記a)〜e)から選択され:
【0133】 a)水素、 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、
2−オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルおよびチエ
ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール、 d)0〜4の炭素原子がO、SおよびNから選択されるヘテロ原子で置換さ
れているC〜C20アルキル、および e)C〜C20アルケニル、 但し、AがS(O)の場合はVは水素でなく、Aが結合の場合はVは水素
でなく、nは0、およびAはS(O)であり; Zは、独立して(RまたはOであり; mは0、1または2であり; nは0、1、2、3または4であり; pは0、1、2、3または4であり; qは0または1であり;および rは、0〜5であり、但し、Vが水素の場合はrは0である; (d)下記式Aで示される化合物:
【0134】
【化9】
【0135】 式中 R1aは、水素またはC〜Cアルキルから選択され; R1bは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0136】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または
−N(R10により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル
; R2a、R2bおよびRは、独立して、下記a)〜d)から選択され:
【0137】 a)水素、 b)C〜Cアルケニル、R10O−、R11S(O)−、R10C(
O)NR10−、CN、N、(R10N−C(NR10)−、R10C(
O)−、−N(R10、またはR11OC(O)−NR10−により置換さ
れたまたは置換されていないC〜Cアルキル、 c)非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロ環、非置換または
置換されたシクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O)−、R 10 C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、
10C(O)−、R10OC(O)−、N、−N(R10、ハロゲンま
たはR11OC(O)−NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC〜C10シクロアルキルから選択される
非置換または置換基で置換されたC〜Cアルキル; Rは、
【0138】
【化10】
【0139】 であり、 Rは水素であり; Rは、下記a)〜c)から選択され:
【0140】 a)水素、 b)C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、
〜Cパーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR 10 −、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−
、R10OC(O)−、−N(R10、またはR11OC(O)NR10
、および c)C〜Cパーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R10OC(O
)−、−N(R10、またはR11OC(O)NR10−で置換されたC 〜Cアルキル; R9aは、独立して、C〜Cアルキルおよびアリールから選択され; R10は、独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cパーフルオロア
ルキル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択さ
れ; R11は、独立して、C〜Cアルキル、ベンジルおよびアリールから選択
され; AおよびAは、独立して、結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O
)−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、O、−N(R)−、−S(
O)N(R)−、−N(R)S(O)−、またはS(O)から選択さ
れ; Vは、下記a)〜e)から選択され:
【0141】 a)水素、 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、
2−オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルおよびチエ
ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール、 d)0〜4の炭素原子がO、SおよびNから選択されるヘテロ原子で置換さ
れているC〜C20アルキル、および e)C〜C20アルケニル、 但し、AがS(O)の場合はVは水素でなく、Aが結合の場合はVは水素
でなく、nは0、およびAはS(O)であり; ZはHまたはOであり; mは、0、1または2であり; nは、0、1、2、3または4であり; pは、独立して0、1、2、3または4であり; rは、0〜5であり、但しVが水素の場合はrは0である; または、薬学的に許容できるそれらの塩。
【0142】 本発明の式Iで示される化合物のさらなる実施形態において、ファルネシルタ
ンパク質トランスフェラーゼの阻害剤は、下記式I−aで示される:
【0143】
【化11】
【0144】 式中 R1bは独立して下記a)〜c)から選択され:
【0145】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または
−N(R10により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル
; Rは、H;非置換または置換アリール、または、非分岐または分岐した非置
換または下記1)〜4)の1種または2種以上で置換されたC1〜5アルキルか
ら選択され:
【0146】 1)アリール、 2)ヘテロ環、 3)OR、または 4)SR6a; RおよびRは、独立して、下記a)〜d)で置換されたまたは置換されて
いないC1〜4アルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され:
【0147】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、 c)パーフルオロ−C1〜4アルキル、または d)アリールまたはヘテロ環; R6aは、下記a)、b)で置換されたまたは置換されていないC1〜4アル
キルから選択され:
【0148】 a)C1〜4アルコキシ、または c)アリールまたはヘテロ環; Rは、独立して下記a)〜c)から選択され:
【0149】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(
10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1〜6アルキル; R10は、独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキル
、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立してC1〜6アルキルおよびアリールから選択され; Xは−CH−または−C(=O)−であり; Zは、アリール、アリ−ルメチルおよびアリールスルホニルから選択される非
置換または置換された基、ここで置換された基は下記a)〜k)の1種または2
種以上で置換されている:
【0150】 a)C1〜4アルコキシ、NR、C3〜6シクロアルキル、非置換ま
たは置換アリール、ヘテロ環、HO、−S(O)6aまたは−C(O)NR で置換されたまたは置換されていないC1〜4アルキル、 b)アリールまたはヘテロ環、 c)ハロゲン、 d)OR、 e)NR、 f)CN、 g)NO、 h)CF、 i)−S(O)6a、 j)−C(O)NR、または k)C〜Cシクロアルキル; mは、0、1または2であり; pは、0、1、2、3または4であり;および rは、0〜3である; または、薬学的に許容できるその塩である。
【0151】 本発明のさらなる実施形態において、ファルネシルタンパク質トランスフェラ
ーゼの阻害剤は下記式II−aにより示される:
【0152】
【化12】
【0153】 式中 R1bは、独立して下記a)〜c)から選択され:
【0154】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)非置換または置換アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、
10O−または−N(R10により置換されたまたは置換されていないC 〜Cアルキル; R1cは、下記a)〜c)から選択され:
【0155】 a)水素、 b)非置換または置換C〜Cアルキル、ここで置換C〜Cアルキル
上の置換基は、非置換または置換アリール、ヘテロ環、C〜C10シクロアル
キル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、R10O−、R11S(
O)−、R10C(O)NR10−、(R10N−C(O)−、CN、(
10N−C(NR10)−、R10C(O)−、R10OC(O)−、N 、−N(R10、およびR11OC(O)−NR10−から選択され、お
よび c)非置換または置換アリール; R、RおよびR7aは、独立して、H;下記a)〜c)で置換されたまた
は置換されていないC1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘ
テロ環から選択され:
【0156】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、または c)アリールまたはヘテロ環; R6aは、下記a)〜c)で置換されたまたは置換されていないC1〜4アル
キルまたはC3〜6シクロアルキルから選択され:
【0157】 a)C1〜4アルコキシ、 b)ハロゲン、または c)アリールまたはヘテロ環; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0158】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(
10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1〜6アルキル; R10は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立してC1〜6アルキルおよび置換または非置換アリールから選
択され; R12は、H;非置換または置換C1〜8アルキル、非置換または置換アリー
ルまたは非置換または置換ヘテロ環から選択され、ここで置換アルキル、置換ア
リールまたは置換へテロ環は、下記1)〜10)の1種または2種以上で置換さ
れており:
【0159】 1)下記a)〜d)で置換されているまたは置換されていないアリールまた
はヘテロ環、 a)C1〜4アルキル、 b)ハロゲン、 c)CN、 d)パーフルオロ−C1〜4アルキル、 2)C3〜6シクロアルキル、 3)OR、 4)SR6a、S(O)R6aまたはSO6a
【0160】
【化13】
【0161】 7)N、 8)F、 9)パーフルオロ−C1〜4−アルキル、または 10)C1〜6−アルキル; Xは結合、−C(=O)−または−S(=O)−であり; Yは、下記a)〜c)から選択され:
【0162】 a)水素 b)R10O−、R11S(O)−、R10C(O)NR10−、(R N−C(O)−、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R 12 C(O)−、R10OC(O)−、N、F、−N(R10、またはR 11 OC(O)NR10−、 c)非置換または置換C1〜6アルキル、ここで置換C1〜6アルキル上の
置換基は非置換または置換アリール、R10O−、R10C(O)NR10−、
(R10N−C(O)−、R10C(O)−およびR10OC(O)−から
選択され; Zは、非置換または置換アリール、ここで置換アリールは下記1)〜11)の
1種または2種以上で置換されている:
【0163】 1)下記a)〜g)で置換されているまたは置換されていないC1〜4アル
キル、 a)C1〜4アルコキシ、 b)NR、 c)C3〜6シクロアルキル、 d)アリール、置換アリールまたはヘテロ環、 e)HO、 f)−S(O)6a、または g)−C(O)NR、 2)アリールまたはヘテロ環、 3)ハロゲン、 4)OR、 5)NR、 6)CN、 7)NO、 8)CF、 9)−S(O)6a、 10)−C(O)NR、または 11)C〜Cシクロアルキル; mは、0、1または2であり; pは、1または2であり; rは、0〜3であり;および vは、0、1または2である; または、薬学的的に許容できるその塩である。
【0164】 本発明のさらなる実施形態において、ファルネシルタンパク質トランスフェラ
ーゼの阻害剤は下記式III−aにより示される:
【0165】
【化14】
【0166】 式中 Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0167】 a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、また
は−N(R10で置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル; Rは、下記a)〜d)から選択され:
【0168】 a)水素、 b)C〜Cアルケニル、R10O−、R11S(O)−、R10C(
O)NR10−、CN、N、(R10N−C(NR10)−、R10C(
O)−、−N(R10、またはR11OC(O)−NR10−により置換さ
れたまたは置換されていないC〜Cアルキル、 c)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C〜C10 シクロアルキル、C〜Cアルケニル、フルオロ、クロロ、R12O−、R S(O)−、R10C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−
C(NR10)−、R10C(O)−、N、−N(R10、またはR11 OC(O)−NR10−、および d)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環およびC〜C 10 シクロアルキルから選択される非置換または置換された基で置換されたC 〜Cアルキル; RおよびRは、独立して、下記a)〜d)から選択され:
【0169】 a)水素、 b)R10O−または−N(R10により置換されたまたは置換されて
いないC〜Cアルキル、 c)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C〜C10 シクロアルキル、C〜Cアルケニル、フルオロ、クロロ、R10O−、R S(O)−、R10C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−
C(NR10)−、R10C(O)−、N、−N(R10、またはR11 OC(O)−NR10−、および d)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環およびC〜C 10 シクロアルキルから選択される非置換または置換された基で置換されたC 〜Cアルキル; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され: a)水素、 b)置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロ環、C1〜6アル
キル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、F、Cl、R10O−、アリロキシ、R10C(O)NR10−、CN、N
、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 、(R12NC(O)−またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)、−N(R10
またはR11OC(O)NR10−で置換されたC〜Cアルキル; Rは、独立して、下記a)〜e)から選択され:
【0170】 a)水素、 b)非置換または置換アリール、 c)非置換または置換ヘテロ環、 d)非置換または置換シクロアルキル、および e)水素または、アリール、ヘテロ環およびシクロアルキルから選択される
非置換または置換された基で置換されたC1〜6アルキル;ここでヘテロ環は、
ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、インドリ
ル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエニルから選択され; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0171】 a)水素、 b)C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜 パーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、
CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(
10またはR11OC(O)NR10−、および c)C1〜6パーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10 −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1〜6アルキル; R10は、独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6パーフルオロアルキ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジルおよびアリールから選択され; R11は、独立して、C1〜6アルキルおよびアリールから選択され; R12は、独立して、水素、C〜Cアルキル、CO10で置換された
〜Cアルキル、アリールで置換されたC〜Cアルキル、置換アリール
で置換されたC〜Cアルキル、ヘテロ環で置換されたC〜Cアルキル、
置換ヘテロ環で置換されたC〜Cアルキル、アリールおよび置換アリールか
ら選択され; Aは、結合、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−S(O)NR −、−NRS(O)−、または−N(R)−から選択され; Zは、独立してHまたはOであり; mは0、1または2であり; nは0、1、2、3または4であり; pは0、1、2、3または4であり; qは0または1であり;および rは、0〜3である; または、薬学的に許容できるその塩である。
【0172】 本発明の式Aで示される化合物のさらなる実施形態において、ファルネシルタ
ンパク質トランスフェラーゼの阻害剤は下記式A−iで示される:
【0173】
【化15】
【0174】 式中 R1bは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0175】 a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R10 またはC〜Cアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または
−N(R10により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル
; R2aおよびR2bは、独立して、下記a)〜d)から選択され:
【0176】 a)水素、 b)C〜Cアルケニル、R10O−、R11S(O)−、R10C(
O)NR10−、CN、N、(R10N−C(NR10)−、R10C(
O)−、R10OC(O)−、−N(R10、またはR11OC(O)−N
10−により置換されたまたは置換されていないC〜Cアルキル、 c)非置換または置換アリール、非置換または置換ヘテロ環、非置換または
置換されたシクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O)−、R 10 C(O)NR10−、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、
10C(O)−、R10OC(O)−、N、−N(R10、ハロゲンま
たはR11OC(O)−NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC〜C10シクロアルキルから選択される
非置換または置換基で置換されたC〜Cアルキル; Rは、
【0177】
【化16】
【0178】 Rは水素であり; Rは、独立して、下記a)〜c)から選択され:
【0179】 a)水素、 b)C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、
〜Cパーフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR 10 −、CN、NO、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−
、−N(R10、またはR11OC(O)NR10−、および c)C〜Cパーフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR −、(R10N−C(NR10)−、R10C(O)−、−N(R10 、またはR11OC(O)NR10−で置換されたC〜Cアルキル; R10は、独立して、水素、C〜Cアルキル、置換または非置換C〜C アラルキル、および置換または非置換アリールから選択され; R11は、独立して、C〜Cアルキル、ベンジルおよびアリールから選択
され; ZはHまたはOであり; mは、0、1または2であり; nは、0、1、2、3または4であり; pは、独立して0、1または2であり;および rは、0〜5である; または、薬学的に許容できるその塩である。
【0180】 プレニルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤であり、従って本発明におい
て有用である特定の化合物は以下のものを含む:
【0181】 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−[(3−ピ
リジル)メトキシエチル)]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンジロ
キシメチル)−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンジロ
キシメチル)−4−[7−(2,3−ジヒドロベンゾフロイル)]ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンズア
ミド)−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−[4−(5
−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホンアミド)−1−ブチル]−4−(1
−ナフトイル)ピペラジン N−[2(S)−(1−(4−ニトロフェニルメチル)−1H−イミダゾール
−5−イルアセチル)アミノ−3(S)−メチルフェニル]−N−1−ナフチル
メチル−グリシル−メチオニン N−[2(S)−(1−(4−ニトロフェニルメチル)−1H−イミダゾール
−5−イルアセチル)アミノ−3(S)−メチルフェニル]−N−1−ナフチル
メチル−グリシル−メチオニンメチルエステル N−[2(S)−[(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
−イル]アセチルアミノ)−3(S)−メチルフェニル]−N−(1−ナフチル
メチル)−グリシル−メチオニン N−[2(S)−[(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
−イル]アセチルアミノ)−3(S)−メチルフェニル]−N−(1−ナフチル
メチル)−グリシル−メチオニンメチルエステル 2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル)−1−[1−(2−ナフチル
メチル)イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン 2(S)−n−ブチル−1−[(1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−
5−イルメチル]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]アセ
チル}−2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリル
メチル]−2−ピペラジノン 1−フェニルー4−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
−イルエチル]−ピペラジン−2−オン 1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル
)−1H−イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジノン−2−オン 1−(3−ブロモフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イ
ミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジノン−2−オン 5(S)−2−[2,2,2−トリフルオロエトキシ]エチル)−1−(3−
トリフルオロメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−4−イミ
ダゾリルメチル]−ピペラジン−2−オン 1−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4−[1−(4−シアノベ
ンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン−2−オン 1−(2−メチル−3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル
)−4−イミダゾリルメチル]−ピペラジン−2−オン 2(RS)−{[1−(ナフト−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−5
−イル)アセチル}アミノ−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−Nー(2
−メチルベンジル)プロピオンアミド N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル}
−4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベ
ンジル}アミノメチルピロリジン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルエチル}
−4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベ
ンジル}アミノメチルピロリジン 1−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
}ピロリジンー2(S)−イルメチル]−(N−2−メチルベンジル)−グリシ
ンN’−(3−クロロフェニルメチル)アミド 1−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
}ピロリジンー2(S)−イルメチル]−(N−2−メチルベンジル)−グリシ
ンN’−メチル−N’−(3−クロロフェニルメチル)アミド (S)−2−[(1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル)ア
ミノ]−N−(ベンジロキシカルボニル)−N−(3−クロロベンジル)−4−
(メタンスルホニル)ブタンアミン 1−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−3(S)−[N−(1−(4
−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル)カルバモイル]ピ
ペリジン N−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチ
ル}−4−(3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン N−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチ
ル}−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン 4−{1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−1−(2,
3−ジメチルフェニル)−ピペラジン−2,3−ジオン 1−(2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−ピリド−5−イルメチル
)−5−(4−シアノベンジル)イミダゾール 4−{5−[1−(3−クロローフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ
−ピリジン−4−イルメチル]−イミダゾール−1−イルメチル}−2−メトキ
シ−ベンゾニトリル 3(R)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−エチ
ルアミノ]−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
ンゾ[e][1,4]ジアゼピン 3(S)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−エチ
ルアミノ]−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
ンゾ[e][1,4]ジアゼピン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
)ピロリジン−2(S)−イルメチル]−N−(1−ナフチルメチル)グリシル
−メチオニン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
)ピロリジン−2(S)−イルメチル]−N−(1−ナフチルメチル)グリシル
−メチオニンメチルエステル N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
S)−イルメチル]−N−(2−メトキシベンジル)グリシル−メチオニン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
S)−イルメチル]−N−(2−メトキシベンジル)グリシル−メチオニンメチ
ルエステル 2(S)−(4−アセトアミド−1−ブチル)−1−[2(R)−アミノ−3
−メルカプトプロピル]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 2(RS)−{[1−(ナフト−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−5
−イル)]アセチル}アミノ−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−N−シ
クロヘキシル−プロピオンアミド 1−{2(RS)−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−
5−イル)]プロパノール}−2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル)
ピペラジン 1−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イルメチル]−4−(
ジフェニルメチル)ピペラジン 1−(ジフェニルメチル)−3(S)−[N−(1−(4−シアノベンジル)
−2−メチルー1H−イミダゾール−5−イルメチル)−N−(アセチル)アミ
ノメチル]ピペリジン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
S)−イルメチル]−N−(2−クロロベンジル)グリシル−メチオニン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
S)−イルメチル]−N−(2−クロロベンジル)グリシル−メチオニンメチル
エステル 3(R)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−メチ
ルアミノ]−5−フェニルー1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
ンゾ[e][1,4]ジアゼピン 1−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジ
ル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(2,5−ジメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミ
ダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−メチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリル
メチル]−2−ピペラジノン 1−(3−ヨードフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリ
ルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−メトキシベンジ
ル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−
メトキシベンジル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 4−[((1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリル)メチル)アミノ
]ベンゾフェノン 1−(1−{[3−(4−シアノベンジル)−3H−イミダゾール−4−イル
]−アセチル}−ピロリジン−2(S)−イルメチル)−3(S)−エチル−ピ
ロリジン−2(S)−カルボン酸3−クロロ−ベンジルアミド または、薬学的に許容できるそれらの塩。
【0182】 ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤として先に記載された本
発明の範囲内の化合物は、さらに、本アッセイによりプレニルタンパク質トラン
スフェラーゼの阻害剤として認識され、それ故、本発明において有用であり、そ
の合成方法は、ここで参考に取り込まれる以下の特許、係属中の出願および公報
において見ることができる。
【0183】 米国特許No.5,736,539(1998年4月7日付);WO95/0
0497(1995年1月5日付) 米国特許No.5,652,257(1997年7月29日付);WO96/1
0034(1996年4月4日付)、WO96/30343(1996年10月
3日付);1995年3月29日付出願のUSSN08/412,829;およ
び1995年6月6日付出願のUSSN08/470,690;および1996
年2月28日付出願のUSSN08/600,728; 米国特許No.5,661,161(1997年8月26日付); 米国特許No.5,756,528(1998年5月6日付);WO96/39
137(1996年12月12日付); WO96/37204(1996年11月28日付);1995年5月24日付
出願のUSSN08/449,038;1996年5月15日付出願のUSSN
08/648,330; WO97/18813(1997年5月29日付);1996年11月15日付
出願のUSSN08/749,254; WO97/38665(1997年10月23日付);1997年4月1日付出
願のUSSN08/831,308; WO97/36889(1997年10月9日付);1997年3月25日付出
願のUSSN08/823,923; WO97/36901(1997年10月9日付);1997年3月27日付出
願のUSSN08/827,483; WO97/36879(1997年10月9日付);1997年3月25日付出
願のUSSN08/823,920; WO97/36605(1997年10月9日付);1997年3月25日付出
願のUSSN08/823,934; WO98/28980(1998年7月9日付);1997年12月22日付出
願のUSSN08/997,171;および 1996年4月3日付出願のUSSN60/014,791;1997年4月4
日付出願のUSSN08/831,308。
【0184】 確認される全ての特許、公報および係属中特許出願をここで参考に取り入れる
【0185】 式I〜IIIa並びにA及びA−iの化合物に関しては、以下の定義が適用さ
れる。
【0186】 「アルキル」という用語は、特記しない限り1〜15の炭素原子を含む一価ア
ルカン(炭化水素)誘導基を意味する。これは、直鎖、分岐または環式であって
よい。好ましい直鎖または分岐アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチルおよびt−ブチルを含む。好ましいシクロアルキル基は、シク
ロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0187】 置換されたアルキルが存在する場合、これは、先に定義した直鎖、分岐または
環式アルキル基を意味し、各々について定義されたような1〜3の基で置換され
る。
【0188】 ヘテロアルキルは2〜15の炭素原子を有し、O、SおよびNから選択される
1〜4のヘテロ原子により中断されているアルキル基を意味する。
【0189】 「アルケニル」という用語は、2〜15の炭素原子および少なくとも1つの炭
素炭素二重結合を含む直鎖、分岐または環式炭化水素基を意味する。好ましくは
、1つの炭素炭素二重結合が存在し、4までの非芳香族(非共鳴)炭素炭素二重
結合が存在して良い。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、イソ−プロペニル
、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、シクロプロペニル、シクロブテニル、
シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メ
チル−2−ブテニル、イソプレニル、ファルネシル、ゲラニル、ゲラニルゲラニ
ル等を含む。好ましいアルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニルおよび
シクロヘキセニルを含む。アルキルについて前述したように、アルケニル基の直
鎖、分岐または環式部分は二重結合を含んでよく、置換されたアルケニル基が提
供される場合は置換されてよい。
【0190】 「アルキニル」という用語は、2〜15の炭素原子および少なくとも1つの炭
素炭素三重結合を含む直鎖、分岐または環式炭化水素基を意味する。3までの炭
素炭素三重結合が存在して良い。好ましいアルキニル基はエチニル、プロピニル
およびブチニルを含む。アルキルについて前述したように、アルキニル基の直鎖
、分岐または環式部分は三重結合を含んでよく、置換されたアルキニル基が提供
される場合は置換されてよい。
【0191】 アリールは、芳香族環、例えば、フェニル、置換フェニルおよび同様の基、な
らびに縮合している環、例えば、ナフチル等を意味する。すなわち、アリールは
、少なくとも6の原子を有する少なくとも1の環を含み、2までのそのような環
が存在し、その中に10までの原子を含み、隣接炭素原子の間に交互(共鳴)二
重結合を有する。好ましいアリール基はフェニルおよびナフチルである。アリー
ル基は、同様に、以下に記載のように置換されてよい。好ましい置換されたアリ
ールは、1または2の基により置換されているフェニルおよびナフチルを含む。
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤に関して、「アリール」は、少なくとも
1つの環が芳香族であり各環に7までの構成員を有する任意の安定な単環式、二
環式または三環式炭素環を含むことを意図している。アリール基の例は、フェニ
ル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、インダニ
ルおよびフェナンスレニル等を含む。
【0192】 「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1のヘテロ原子O、SまたはN
を含んでおり、炭素または窒素原子が付加点であり、1つのさらなる炭素原子が
OまたはSから選択されるヘテロ原子により任意に置換されており、1〜3のさ
らなる炭素原子が窒素へテロ原子により任意に置換されている、5または6の環
原子を有する単環式芳香族炭化水素基または8〜10の原子を有する二環式芳香
族基を意味する。ヘテロアリール基は任意に3つまでの基で置換される。
【0193】 すなわち、ヘテロアリールは、1または2以上のヘテロ原子を含む芳香族およ
び部分的芳香族基を含む。このタイプの例は、チオフェン、プリン、イミダゾピ
リジン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、オキサジン、ピラゾール、テト
ラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジンおよびトリアジンで
ある。部分的芳香族基の例は、以下に定義するような、テトラヒドロイミダゾ[
4,5−c]ピリジン、フタリジルおよびサッカリニルである。
【0194】 ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤に関して、ここで用いられるヘテロ環
またはヘテロ環式という用語は、安定な5〜7員単環式、安定な8〜11員二環
式または安定な11〜15員三環式へテロ環を意味し、これらは飽和または不飽
和であり、炭素原子およびN、OおよびSからなる群より選択される1〜4のヘ
テロ原子からなり、任意の先に定義したヘテロ環式環がベンゼン環に縮合した任
意の二環式基を含む。ヘテロ環式環は任意のヘテロ原子または炭素に付加してよ
く、それにより安定な構造が形成される。そのようなヘテロ環式環の例は、アゼ
ピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベン
ゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチ
エニル、ベンゾキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル
、ジヒドロ−ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチ
オ−ピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾ
リル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキ
ノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホ
リニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、2−オキ
ソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジ
ル、ピペラジニル、ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピリドニル、ピラジニル
、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナ
ゾリニル、キノリニル、キノリニルN−オキシド、キノキサリニル、テトラヒド
ロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロ−キノリニル、チアモル
ホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノ
フリル、チエノチエニルおよびチエニルを含むが、これらに限定されない。好ま
しくは、ヘテロ環はイミダゾリル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピリ
ジルおよびピロリジニルから選択される。
【0195】 ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤に関して、「置換アリール」、「置換
ヘテロ環」および「置換シクロアルキル」という用語は、F、Cl、Br、CF 、NH、N(C〜Cアルキル)、NO、CN、(C〜Cアルキ
ル)O−、−OH、(C〜Cアルキル)S(O)−、(C〜Cアルキ
ル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、(C〜Cアルキル)C(O)
−、(C〜Cアルキル)OC(O)−、N、(C〜Cアルキル)OC
(O)NH−およびC〜C20アルキルを限定されることなく含む群より選択
される1または2の置換基で置換されている環式基を含むことを意図している。
【0196】 本発明の方法において、開示されているアミノ酸は、従来の3文字、および以
下に示す1文字略号の両方により認識される。
【0197】
【表1】
【0198】 「CAAX」という用語に関して、文字「A」は脂肪族アミノ酸を表し、アラ
ニンに限定されない。
【0199】 本方法において用いられる化合物は、非対称中心を有して良く、ラセミ体、ラ
セミ混合物、および個々にジアステレオマーとして発生し、光学的異性体を含む
全ての可能な異性体が本発明に含まれる。特記しない限り、列挙したアミノ酸は
天然の「L」型立体構造を有すると解される。
【0200】 RとRが組み合わさって−(CH−を形成すると、環式部分が形成
される。そのような環式部分の例は、
【0201】
【化17】 を含むが、これらに限定されない。
【0202】 さらに、そのような環式部分は、任意にヘテロ原子を含んでよい。そのような
ヘテロ原子含有環式基の例は、
【0203】
【化18】 を含むが、これらに限定されない。
【0204】 RとR、RとR7aが組み合わさって−(CH−を形成すると、
環式基が形成される。そのような環式基の例は、
【0205】
【化19】 を含むが、これらに限定されない。
【0206】 本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、例えば、非毒性無機または有機酸
から形成されるような本発明の化合物の従来の非毒性塩を含む。例えば、そのよ
うな従来の非毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝
酸等のような無機酸から誘導されるもの;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリ
コール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸
、パモ酸(pamoic acid)、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フ
ェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセ
トキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジ
スルホン酸、蓚酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸等のような有機酸から調製
される塩を含む。
【0207】 分子内の特定の位置における任意の置換基または可変員(例えばR10、Z、
n、等)の定義は、その分子の別の場所のその定義から独立しているものとされ
る。すなわち、−N(R10は−NHH、−NHCH、−NHC
を表す。本発明の化合物上の置換基および置換パターンは、化学的に安定であり
以下に記載の方法のみならず当該分野で知られている技術により容易に合成する
ことができる化合物を提供するように当業者により選択され得ると解される。
【0208】 本発明の化合物の薬学的に安定な塩は、従来の化学的方法により塩基性部分を
含む本発明の化合物から合成することができる。通常、塩は、適当な溶媒または
種々の組み合わせ溶媒中において、遊離塩基を化学量論量のまたは過剰の所望の
塩形成無機または有機酸と反応させることにより調製される。
【0209】 化学的説明および実施例で使用される略号を以下に示す:
【0210】 AcO 無水酢酸; Boc t−ブトキシカルボニル; DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン; DMAP 4−ジメチルアミノピリジン; DME 1,2−ジメトキシエタン; DMF ジメチルホルムアミド EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボ ジイミド−塩酸塩 HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物; EtN トリエチルアミン EtOAc 酢酸エチル FAB 高速原子衝突 HOOBT 3−ヒドロキシ−1,2,2−ベンゾトリアジン−4(3H) −オン; HPLC 高性能液体クロマトグラフィー MCPBA m−クロロペルオキシ安息香酸 MsCl 塩化メタンスルホニル NaHMDS ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド; Py ピリジン TFA トリフルオロ酢酸 THF テトラヒドロフラン
【0211】 この化合物は、種々の薬学的に許容できる塩の形態で有用である。「薬学的に
許容できる」という用語は、薬学化学者に明白な塩の形態、すなわち、実質的に
非毒性であり所望の薬物動態特性、嗜好性、吸収性、分散性、代謝性または排出
性を提供するものを意味する。選択においても重要な、より実用的な性質の他の
因子は、原料のコスト、結晶し易さ、収率、安定性、吸湿性、および得られる大
量の薬の流動性である。都合のよういことには、薬剤組成物は、薬学的に許容で
きるキャリアと組み合わせた活性成分から調製することができる。
【0212】 薬学的に許容できる塩は、従来の非毒性塩または、例えば非毒性無機または有
機酸から形成される四級アンモニウム塩を含む。非毒性塩は、塩酸、臭化水素酸
、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等のような無機酸から誘導されるもの;
酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸
、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸(pamoic acid)、ス
ルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸、エタンジスルホン酸、蓚酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸等
のような有機酸から調製される塩を含む。
【0213】 本発明の薬学的に許容できる塩は、従来の化学的方法により合成することがで
きる。通常、塩は、適当な溶媒または種々の組み合わせ溶媒中において、遊離塩
基を化学量論量のまたは過剰の所望の塩形成無機または有機酸または塩基と反応
させることにより調製される。
【0214】 式(I)で示されるプレニルトランスフェラーゼ阻害剤は、文献において知ら
れるまたは実験手順において例示されるエステル加水分解、保護基の分解等のよ
うな他の標準的操作に加えて、反応図式1〜11により合成することができる。
反応図式に示す置換基R、RおよびRは置換基R、R、RおよびR を表すが;それらが環に付加する点は説明のためのみに示され、限定されるもの
ではない。
【0215】 これらの反応を一次的に連続的に用いて本発明の化合物を提供することができ
る、またはそれらを用いて、反応図式に記載のアルキル化反応によりその後に結
合されるフラグメントを合成することができる。
【0216】反応図式1〜11の概略: 求める中間体は、ある場合には市販されており、また、大部分の場合、文献の
手順により調製することができる。
【0217】 ピペラジン−5−オンは、反応図式1に示すように調製することができる。す
なわち、保護され適当に置換されたアミノ酸IVは、まずアミドを形成し次にそ
れをLAHで還元することにより、対応するアルデヒドに転化することができる
。Boc−保護アミノアルデヒドVを還元的にアミノ化することにより化合物V
Iが得られる。中間体VIは、塩化クロロアセチルでアシル化してVIIを得、
次にVIIIへの塩基誘発環化を行うことによりピペラジノンに転化することが
できる。脱保護し、続いて保護イミダゾールカルボキサルデヒドで還元的にアル
キル化することによりIXを得、それをアリールメチルハライドでアルキル化し
てイミダゾリウム塩Xを得ることができる。まず、メタノールのような低級アル
キルで加溶媒分解する、またはトリフルオロ酢酸の存在下に塩化メチレン中でト
リエチルシランで処理することにより保護基を除去して、最終生成物XIを得る
【0218】 中間体VIIIは、XIIのような種々のアルデヒドを用いて還元的にアルキ
ル化することができる。アルデヒドは、適当なアミノ酸から、O.P.Goel
、U.Krolls、M.StierおよびS.Kesten著,Organi c Syntheses 、1988年、第67巻、69〜75頁に記載されてい
るような標準的手順を用いて調製することができる(反応図式2)。還元的アル
キル化は、ジクロロエタン、メタノールまたはジメチルホルムアミドのような溶
媒中において、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムまたはシアノホウ水素化ナ
トリウムのような種々の還元剤を用いて、pH5〜7において達成することがで
きる。生成物XIIIは、塩化メチレン中、トリフルオロ酢酸を用いて脱保護し
て最終化合物XIVを得ることができる。最終生成物XIVは、中でも例えばト
リフルオロ酢酸塩、塩酸塩または酢酸塩のような塩の状態で単離される。生成物
ジアミンXIVは、さらに選択的に脱保護してXVを得ることができ、それは続
いて2次アルデヒドで還元的にアルキル化してXVIを得ることができる。保護
基を除去し、ジヒドロイミダゾールXVIIのような環化生成物に転化すること
は、文献の手順により達成することができる。
【0219】 または、標準的手順によりイミダゾール酢酸XVIIIを酢酸XIXに転化す
ることができ、XIXはまずハロゲン化アルキルと反応させ、次に還流下のメタ
ノールで処理して位置特異的にアルキル化されたイミダゾール酢酸エステルXX
を得ることができる(反応図式3)。加水分解し、1−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)のような縮合試薬の存在下にピ
ペラジノンVIIIと反応させることにより、XXIのようなアシル化生成物が
得られる。
【0220】 ピペラジノンVIIIを、反応図式4のXXIIのように保護ヒドロキシ基も
有するアルデヒドで還元的にアルキル化すると、保護基が続いて除去されてヒド
ロキシル基を取り除くことができる(反応図式4、5)。アルコールを標準的条
件下に酸化して例えばアルデヒドにし、それを次にグリニヤール試薬のような種
々の有機金属試薬と反応させて、XXIVのような2次アルコールを得ることが
できる。さらに、充分に脱保護されたアミノアルコールXXVを、種々のアルデ
ヒドを用いて還元的にアルキル化(先に記載の条件下)してXXVI(反応図式
5)のような2級アミン、または3級アミンを得ることができる。
【0221】 Boc保護アミノアルコールXXIIIを利用して、XXVII(反応図式6
)のような2−アジリジニルメチルピペラジノンを合成することができる。XX
IIIをジメチルホルムアミドのような溶媒中において1,1’−スルホニルジ
イミダゾールおよび水素化ナトリウムで処理すると、アジリジンXXVIIが得
られる。塩基の存在下に、チオールのような求核試薬の存在下にアジリジンを反
応させると、開環生成物XXVIIIが得られる。
【0222】 さらに、ピペラジノンVIIIを、標準的手順に従って、O−アルキル化チロ
シンのようなアミノ酸から誘導されたアルデヒドと反応させて、XXX(反応図
式7)のような化合物を得ることができる。R’がアリール基である場合、XX
Xをまず水素化してフェノールを取り除き、アミン基を酸で脱保護してXXXI
を生成することができる。または、XXX中のアミン保護基を除去し、XXXI
IのようなO−アルキル化フェノールアミンを製造することができる。
【0223】 反応図式8は、任意に置換されたホモセリンラクトンをXXXIIIを用いて
Boc−保護ピペラジノンを調製することを説明している。中間体XXXVII
は、先の反応図式に説明しているように、脱保護し還元的にアルキル化またはア
シル化することができる。または、中間体XXXVIIのヒドロキシル部分をメ
シル化し、エタノールチオールのナトリウム塩のような適当な求核試薬により置
換して、中間体XXXVIIIを得ることができる。中間体XXXVIIは酸化
して中間体IXL上にカルボン酸を提供し、それを利用してエステルまたはアミ
ド基を形成することができる。
【0224】 N−アラルキル−ピペラジン−5−オンを反応図式9に示すように調製するこ
とができる。Boc−保護アミノアルデヒドV(先の記載のようにIIIから調
製)を還元的にアミノ化すると、化合物XLが得られる。これを次に、Scho
tten−Baumann条件下に臭化ブロモアセチルと反応させ;ジメチルホ
ルムアミドのような極性非プロトン性溶媒中において水素化ナトリウムのような
塩基で閉環させ、XLIが得られる。カルバメート保護基は、塩化メチレン中の
トリフルオロ酢酸、またはメタノールもしくは酢酸エチル中の塩化水素のような
酸性条件下に除去され、得られるピペラジンを次に反応図式1〜7に記載のよう
に最終生成物上に運ぶことができる。
【0225】 異性体のピペラジン−3−オンは、反応図式10に記載のように調製すること
ができる。アリールカルボキサミドXLIIおよび2−アミノグリシナールジエ
チルアセタール(XLIII)から形成されたイミンを、ジクロロエタン中のト
リアセトキシホウ水素化ナトリウムを含む種々の条件下に還元してアミンXLI
Vを得ることができる。アミノ酸Iを標準的条件下にアミンXLIVに結合し、
得られるアミドXLVを、テトラヒドロフラン中の水性酸で処理して不飽和XL
VIに環化することができる。標準的条件下に接触水素化することにより所望の
中間体XLVIIが得られ、それを、反応図式1〜7に記載のように処理して最
終生成物が得られる。
【0226】 天然アミノ酸において見られない側鎖を有する一般的ILのアミノ酸を、容易
に調製されるイミンXLVIIIから出発して、反応図式11に記載のように反
応させることにより調製することができる。
【0227】
【化20】
【0228】
【化21】
【0229】
【化22】
【0230】
【化23】
【0231】
【化24】
【0232】
【化25】
【0233】
【化26】
【0234】
【化27】
【0235】
【化28】
【0236】
【化29】
【0237】
【化30】
【0238】
【化31】
【0239】
【化32】
【0240】
【化33】
【0241】
【化34】
【0242】
【化35】
【0243】 式(II)で示される化合物を生じさせるために用いる反応は、文献において
知られるまたは実験手順において例示されるエステル加水分解、保護基の分解等
のような他の標準的操作に加えて、反応図式16〜37示すような反応を用いる
ことにより調製される。反応図式に示す置換基RおよびRは置換基R、R 、RおよびRを表すが;置換基の「sub」は置換基Z上の適当な置換基
を表す。そのような置換基が環に付加する点は説明のためのみに示され、限定さ
れるものではない。
【0244】 これらの反応を一次的に連続的に用いて本発明の化合物を提供することができ
る、またはそれらを用いて、反応図式に記載のアルキル化反応によりその後に結
合されるフラグメントを合成することができる。
【0245】反応図式16〜37の概略: 求める中間体は、ある場合には市販されており、また、文献の手順により調製
することができる。例えば、反応図式16において、適当に置換されたBoc保
護イソニペコテートLIを脱プロトンし、次に、適当に置換された臭化ベンジル
のような適当に置換されたアルキル化基で処理してgem二置換中間体LIII
を得ることができる。脱保護および還元によりヒドロキシメチルピペリジンLI
Vが得られ、それは本発明の化合物の合成に利用することができる、または窒素
保護しメチル化して中間体LVを得ることができる。
【0246】 反応図式17に示されるように、保護ピペリジン中間体LIIIを脱保護し、
1−トリチルー4−イミダゾリル−カルボキサルデヒドまたは1−トリチル−4
−イミダゾリルアセトアルデヒドのようなアルデヒドで還元的にアルキル化して
LVIのような生成物を得ることができる。トリチル保護基を、LVIから除去
してLVIIを得る、またはLVIをまずハロゲン化アルキルで処理し次に脱保
護してアルキル化イミダゾールLVIIIを得ることができる。
【0247】 脱保護中間体LIIIは、反応図式4〜7に示すように、種々の他のアルデヒ
ドおよび酸で還元的にアルキル化することもできる。
【0248】 別の、ヒドロキシメチル中間体LIVの合成および、好ましいイミダゾリル基
を組み込む本発明の化合物の合成におけるその中間体の利用が反応図式18に説
明されている。反応図式19は、中間体LIVを還元的にアルキル化して4−シ
アノベンジルイミダゾリル置換したピペリジンを得ることを説明している。シア
ノ部分はホウ酸ナトリウムで選択的に加水分解して本発明の対応するアミド化合
物を得ることができる。
【0249】 反応図式20は、別の、メチルエーテル中間体LVの調製および適当に置換さ
れた塩化イミダゾリルメチルでLVをアルキル化して本化合物を提供する方法を
示す。相同1−(イミダゾリルエチル)ピペリジンの調製を反応図式21に説明
する。
【0250】 本発明の化合物のピペリジン上の特異的置換を、反応図式22に示すように達
成することができる。すなわち、ブチニル部分からイソニコチネートへの金属−
ハロゲン交換結合およびその後の水素化により、2−ブチルピペリジン中間体が
提供され、それは次に先に記載した反応に付されることにより本発明の化合物を
提供することができる。
【0251】 LVのために4−アミド部分を組み込むことが反応図式23に示されている。
【0252】 反応図式24は、Z部分がピペリジン環に直接付加された本発明の化合物の合
成を説明している。すなわち、ピペリドンLIXを、適当に置換されたフェニル
グリニヤール試薬で処理することによりgem二置換ピペリジンLXが得られる
。脱保護により重要な中間体LXIが得られる。中間体LXIは、先に記載のよ
うにアセチル化して本化合物LXIIを得ることができる(反応図式25)。
【0253】 反応図式26に示されるように、保護ピペリジンLXを脱水し、次にホウ水素
化して3−ヒドロキシピペリジンLXIIIを提供することができる。この化合
物を脱保護し、さらに誘導して本発明の化合物を提供する(反応図式27に示す
ように)またはヒドロキシ基を反応図式26に示すようにアルキル化してから脱
保護およびさらに処理することができる。
【0254】 脱水生成物は、反応図式28に示すように、接触還元してdes−ヒドロキシ
中間体LXVを提供し、それを先の反応図式に記載の反応により加工することが
できる。
【0255】 反応図式29および30は、4−カルボン酸官能基をさらに化学的に処理して
、置換基Yがアセチルアミンまたはスルホンアミド部分である本発明の化合物を
提供することを説明している。
【0256】 反応図式31は、式IIで示される化合物のピペリジンの4−位におけるニト
リル基の組み込みを説明している。すなわち、適当に置換された4−ヒドロキシ
ピペリジンヒドロキシル部分をニトリルで置換して中間体LXVIを得、それを
反応図式17〜21に先に記載した反応に付することができる。
【0257】 反応図式32は、本発明の化合物を得るために反応図式16の化合物LIのよ
うなピペリジン中間体と共に利用することができる幾つかのピリジル中間体の調
製を説明している。反応図式33は、そのようなピリジル中間体を利用する一般
的反応系列を示している。
【0258】 Xがカルボニル部分である本発明の化合物を反応図式35に示すように調製
することができる。中間体LXVIIは、反応図式17〜21に示すように次の
反応に供されて、本発明の化合物を提供することができる。Xが種々の酸化状
態である硫黄である本化合物の調製を反応図式35に示す。中間体LXVIII
−LXXIは、先に記載の反応に供されて、本発明の化合物を提供することがで
きる。
【0259】 反応図式36は、Yが水素である式Aで示される本化合物を提供する。すなわ
ち、適当に置換されたイソニペコン酸をN,O−ジメチルヒドロキシルアミンで
処理し、中間体LXXIIを適当に置換されたフェニルグリニヤール試薬と反応
させて中間体LXXIIIを得ることができる。この中間体を反応図式17〜2
1に先に記載したような反応に供し、フェニルケトンの還元によりさらに変性し
てアルコールLXXIVを得ることができる。
【0260】 Xがアミン部分である本発明の化合物を反応図式37に示すように調製する
ことができる。すなわちN−保護4−ピペリジノンをトリメチルシリルシアニド
の存在下に適当に置換されたアニリンと反応させて4−シアノ−4−アミノピペ
リジンLXXVを提供することができる。中間体LXXVを次に順次、対応する
アミドLXXVI、エステルLXXVII、およびアルコールLXXVIIIに
転化することができる。中間体LXXVI−LXXVIIIを脱保護し、次に反
応図式17〜21に先に記載された反応に供して本発明の化合物を提供すること
ができる。
【0261】
【化36】
【0262】
【化37】
【0263】
【化38】
【0264】
【化39】
【0265】
【化40】
【0266】
【化41】
【0267】
【化42】
【0268】
【化43】
【0269】
【化44】
【0270】
【化45】
【0271】
【化46】
【0272】
【化47】
【0273】
【化48】
【0274】
【化49】
【0275】
【化50】
【0276】
【化51】
【0277】
【化52】
【0278】
【化53】
【0279】
【化54】
【0280】
【化55】
【0281】
【化56】
【0282】
【化57】
【0283】
【化58】
【0284】 式(III)で示される本発明の化合物は、文献において知られるまたは実験
手順において例示されるエステル加水分解、保護基の分解等のような他の標準的
操作に加えて、以下の反応図式38〜51に示す反応を用いることにより調製さ
れる。幾つかの重要な結合形成およびペプチド修飾反応を以下に示す:
【0285】反応A : 標準的溶液または固相法を用いるアミド結合形成および保護基分解反応B : シアノホウ水素化ナトリウムまたは他の還元剤を用いるアルデヒドに
よるアミンの還元的アルキル化による還元されたペプチドサブユニットの調製反応C : アルキルまたはハロゲン化アルキルによる還元されたペプチドサブユ
ニットのアルキル化、またはシアノホウ水素化ナトリウムまたは他の還元剤を用
いるアルデヒドによる還元されたペプチドサブユニットの還元的アルキル化反応D : 標準的溶液または固相法を用いるペプチド結合形成および保護基分解反応E : アミド部分のボラン還元による還元サブユニットの調製
【0286】 これらの反応を一次的に連続的に用いて本発明の化合物を提供することができ
る、またはそれらを用いて、これら反応図式および以下の反応図式43〜51に
記載のアルキル化反応によりその後に結合されるフラグメントを合成することが
できる。
【0287】
【化59】
【0288】
【化60】
【0289】
【化61】
【0290】
【化62】
【0291】
【化63】
【0292】
【化64】
【0293】 ここで、 RおよびRならびにR、RまたはRは前述のように定義され;R およびRはRまたはR12;Xは脱離基、例えば、Br、IまたはM
sO;およびRyはRが還元的アルキル化プロセスにより生じるように定義
される。
【0294】 反応図式26〜30に記載の反応に加えて、本発明の式(III)で示される
化合物を生成するために用いられる他の反応を反応図式43〜51に示す。これ
ら反応図式に示す置換基が全てが先に定義したものと同じ置換基を表す。反応図
式における置換基「Ar」は、炭素環式またはヘテロ環式の、置換されているま
たは置換されていない芳香族環を表す。
【0295】 これらの反応を一次的に連続的に用いて本発明の化合物を提供することができ
る、またはそれらを用いて、これら反応図式に記載のアルキル化反応によりその
後に結合されるフラグメントを合成することができる。置換基が化合物に組み込
まれる連続的順番は重要でないことが多く、反応図式に記載の反応の順番は説明
のためのみであり、限定するものではない。
【0296】 反応図式43〜51の概要: 必要な中間体は市販されている場合がある、または先の反応図式38〜42に
記載のものを含む既知の文献の手順に従って容易に調製することができる。
【0297】 反応図式43は、還元されたプロリル部分のような環式アミン部分の、本発明
の式IIIで示される化合物への組み込みを説明する。アジドLXXXIを還元
するとアミンLXXXIIが得られ、これは先に記載した技術を用いて一または
二置換することができる。例として、ナフチルメチル基およびアセチル基の組み
込みを説明する。
【0298】 反応図式44に示されるように、LXXXIIIのような置換アミンへの芳香
族環の直接付加は、トリス(3−クロロフェニル)ビスマスのようなトリアリー
ルビスマス剤でカップリングすることにより達成される。
【0299】 反応図式45は、環式アミンがアルコキシ部分を含む本発明の化合物を調製す
るための保護基の使用を説明する。重要な中間体LXXXIVaのヒドロキシ部
分を、反応図式46に示すように、さらにフルオロまたはフェノキシ部分に転化
することができる。次に、中間体LXXXVおよびLXXXVIをさらに処理し
て本化合物を提供することができる。
【0300】 反応図式474は、可変要素−(CR (CR が適当
に置換されたα−ヒドロキシベンジル部分である本化合物の合成を説明する。す
なわち、保護中間体アルデヒドを、適当に置換されたフェニルグリニヤール試薬
で処理してエナンチオマー混合物LXXXVIIを提供する。混合物を塩化2−
ピコリニルで処理することにより化合物LXXXVIIIおよびIXCをクロマ
トグラフィーにより分解することができる。ピコリノイル基を除去し、続いて脱
保護することにより光学的に純粋な中間体XCを提供し、それは先に記載したよ
うにさらに加工して本化合物を得ることができる。
【0301】 可変要素pが0または1であり、およびZがHである本化合物の合成におい
て有用なイミダゾール含有中間体の合成を反応図式48および49に示す。すな
わち、メシレートXCIを利用して適当に置換されたアミンまたは環式アミンを
アルキル化し、一方、アルデヒドXCIIを用いてそのようなアミンを同様に還
元的にアルキル化することができる。
【0302】 反応図式50は、−(CR −C(Z)−部分のW(イミダゾリル)へ
の付加点がイミダゾール環窒素を介するものであるイミダゾール含有中間体の合
成を説明する。反応図式51は、R置換基がメチルである中間体の合成を説明
する。
【0303】
【化65】
【0304】
【化66】
【0305】
【化67】
【0306】
【化68】
【0307】
【化69】
【0308】
【化70】
【0309】
【化71】
【0310】
【化72】
【0311】
【化73】
【0312】
【化74】
【0313】
【化75】
【0314】
【化76】
【0315】 式(A)で示されるプレニルトランスフェラーゼ阻害剤は、文献において知ら
れるまたは実験手順において例示されるエステル加水分解、保護基の分解等のよ
うな他の標準的操作に加えて、以下の反応図式に従って合成することができる。
本化合物のアミノジフェニル部分の形成のために利用される幾つかの重要な反応
を示す。
【0316】 これらの反応を一次的に連続的に用いて本発明の化合物を提供することができ
る、またはそれらを用いて、これら反応図式に記載のアルキル化反応によりその
後に結合されるフラグメントを合成することができる。
【0317】 反応図式52に示されるベンゾフェノン中間体を形成する方法は、アリールス
タンナンを用いるStille反応である。次に、そのようなアミン中間体を、
先に説明したように、種々のアルデヒドおよびエステル/酸と反応させることが
できる。
【0318】
【化77】
【0319】
【実施例】
提示される実施例は、本発明のさらなる理解を助けることを意図する。用いら
れる特別の材料、種および条件は、本発明のさらなる説明を意図しており、本発
明の合理的範囲を制限するものではない。
【0320】 実施例で言及される標準的操作は、溶媒抽出、および10%クエン酸、10%
重炭酸ナトリウムおよび適当なブラインでの有機溶液の洗浄を意味する。溶液は
硫酸ナトリウムで乾燥され、ロータリーエバポレーター上で減圧下に蒸発される
【0321】 実施例1 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリ
ルメチル]−2−ピペラジノン二塩酸塩(化合物1) 工程A:1−トリフェニルメチル−4−(ヒドロキシメチル)−イミダゾール
の調製 乾燥DMF250mL中に4−(ヒドロキシメチル)イミダゾール塩酸塩(3
5.0g、260mmol)を含む溶液に、室温で、トリメチルアミン(90.
6mL、650mmol)を添加した。白色固形物が溶液から沈殿した。DMF
500mL中のクロロトリフェニルメタン(76.1g、273mmol)を滴
下した。反応混合物を20時間攪拌し、氷に注ぎ、濾過し、氷水で洗った。得ら
れた生成物を冷たいジオキサンとスラリー化し、濾過し、減圧下に乾燥して表記
化合物を次の工程に用いるのに十分に純粋な白色固形物として得た。
【0322】 工程B:1−トリフェニルメチルー4−(アセトキシメチル)−イミダゾール
の調製 工程Aからのアルコール(260mmol、先に調製)をピリジン500mL
中に懸濁させた。無水酢酸(74mL、780mmol)を滴下し、反応液を4
8時間攪拌すると、その間に反応液は均質になった。溶液を、EtOAc2L中
に注ぎ、水(3×1L)、5%HCl水溶液(2×1L)、飽和NaHCO
溶液、およびブラインで洗い、次に乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧下に
濃縮して粗生成物を得た。酢酸塩を、次の反応に用いるのに充分に純粋である白
色粉末として単離した。
【0323】 工程C:1−(4−シアノベンジル)−5−(アセトキシメチル)−イミダゾ
ール臭化水素酸塩の調製 EtOAc500mL中に工程Bからの生成物(85.8g、225mmol
)およびα−ブロモ−p−トルニトリル(50.1g、232mmol)を含む
溶液を60℃で20時間攪拌し、その間に淡黄色沈殿が形成した。反応液を室温
まで冷却し、濾過して固体臭化イミダゾリウム塩を得た。濾液を減圧下に体積2
00mLまで濃縮し、60℃で2時間再加熱し、室温まで冷却し、再び濾過した
。濾液を減圧下に体積100mLまで濃縮し、60℃でさらに2時間再加熱し、
室温まで冷却し、減圧下に濃縮して淡黄色固形物を得た。固形物の全てを併せ、
メタノール500mLに溶解し、60℃に暖めた。2時間後、溶液を減圧下に再
濃縮して白色固形物を得、それをヘキサンと研和して可溶性材料を除去した。残
りの溶媒を減圧下に除去して、表記生成物の臭化水素酸塩を白色固形物として得
、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0324】 工程D:1−(4−シアノベンジル)−5−(ヒドロキシメチル)−イミダゾ
ールの調製 3:1THF/水1.5L中に工程Cからの酢酸塩(50.4g、150mm
ol)を含む溶液に、0℃でリチウムヒドロキシド一水和物(18.9g、45
0mmol)を添加した。1時間後、反応液を減圧下に濃縮し、EtOAc(3
L)で希釈し、水、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗った。次に溶液
を乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧下に濃縮して、さらに精製することな
く次の工程に用いるのに充分に純粋である粗生成物を淡黄色綿様固形物として得
た。
【0325】 工程E:1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾールカルボキサルデヒド
の調製 DMSO500mL中に工程Dからのアルコール(21.5g、101mmo
l)を含む溶液に、室温でトリエチルアミン(56mL、402mmol)を添
加し、次にSO−ピリジン複合体(40.5g、254mmol)を添加した
。45分後、反応液をEtOAc2.5L中に注ぎ、水(4×1L)およびブラ
インで洗い、乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧下に濃縮してアルデヒドを
、さらに精製することなく次の工程に用いるのに充分に純粋な白色粉末として得
た。
【0326】 工程F:N−(3−クロロフェニル)エチレンジアミン塩酸塩の調製 ジクロロメタン500mL中に3−クロロアニリン(30.0mL、284m
mol)を含む溶液に、0℃で1,4−ジオキサン(80mL、320mmol
HCl)中に4N HClを含む溶液を滴下した。溶液を室温まで温め、次に減
圧下に濃縮乾燥して白色粉末を得た。この粉末と2−オキサゾリジノン(24.
6g、282mmol)との混合物を窒素雰囲気下に160℃で10時間加熱し
、その間に固形物が溶融しガス発生が観察された。反応液を冷却し、粗ジアミン
塩酸塩を淡褐色固形物として形成した。
【0327】 工程G:N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−(3−クロロフェニ
ル)エチレンジアミンの調製 工程Fからのアミン塩酸塩(約282mmol、先に調製した粗生成物)をT
HF500mLおよび飽和NaHCO水溶液500mLに取り込み、0℃に冷
却し、ジ−tert−ブチルピロカーボネート(61.6g、282mmol)
を添加した。30時間後、反応液をEtOAcに注ぎ、水およびブラインで洗い
、乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧下に濃縮して表記カルバメートを褐色
油状物として得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0328】 工程H:N−[2−(tert−ブトキシカルバモイル)エチル]−N−(3
−クロロフェニル)−2−クロロアセトアミドの調製 CHCl500mL中に工程Gからの生成物(77g、約282mmol
)およびトリエチルアミン(67mL、480mmol)を含む溶液を0℃に冷
却した。塩化クロロアセチル(25.5mL、320mmol)を滴下し、反応
液を攪拌下に0℃に維持した。3時間後、さらなる塩化クロロアセチル(3.0
mL)を滴下した。30分後、反応液をEtOAc(2L)に注ぎ、水、飽和N
Cl水溶液、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗った。溶液を乾燥
(NaSO)し、濾過し、減圧下に濃縮してクロロアセトアミドを褐色油状
物として得、それをさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0329】 工程I:4−(tert−ブトキシカルバモイル)−1−(3−クロロフェニ
ル)−2−ピペラジノンの調製 乾燥DMF700mL中に工程Hからのクロロアセトアミド(約282mmo
l)を含む溶液を、KCO(88g、0.64mol)に添加した。溶液を
油浴中にて70〜75℃で20時間加熱し、室温まで冷却し、減圧下に濃縮して
DMF約500mLを除去した。残りの材料を33%EtOAc/ヘキサンに注
ぎ、水およびブラインで洗い、乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧下に濃縮
して生成物を褐色油状物として得た。この材料をシリカゲルクロマトグラフィー
(25〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して純生成物と共に、極性の
より低い不純物を含む生成物(HPLCにより純度約65%)のサンプルを得た
【0330】 工程J:1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジノンの調製 EtOAc500mL中に工程IからのBoc−保護ピペラジノン(17.1
9g、55.4mmol)を含む溶液に、−78℃で、無水HClガスを吹き込
んだ。飽和溶液を0℃まで温め、12時間攪拌した。窒素ガスを反応液に吹き込
んで過剰のHClを除去し、混合物を室温まで暖めた。溶液を減圧下に濃縮して
塩酸塩を白色粉末として得た。この材料をCHCl300mLに取り込み、
希NaHCO水溶液で処理した。水相を、tlc分析が完全な抽出を示すまで
、CHCl(8×300mL)で抽出した。併せた有機混合物を乾燥(Na SO)し、濾過し、減圧下に濃縮して表記遊離アミンを淡褐色油状物として
得た。
【0331】 工程K:1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イ
ミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン二塩酸塩の調製 1,2−ジクロロエタン200mL中に工程Jからのアミン(55.4mmo
l、先に調製)を含む溶液に、0℃で4Å粉末分子ふるい(10g)を添加し、
続いてトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(17.7g、83.3mmol)
を添加した。実施例1の工程Eからのイミダゾールカルボキサルデヒド(11.
9g、56.4mmol)を添加し、反応液を0℃で攪拌した。26時間後、反
応液をEtOAcに注ぎ、希NaHCO水溶液で洗い、水層をEtOAcで逆
抽出した。併せた有機分をブラインで洗い、乾燥(NaSO)し、濾過し、
減圧下に濃縮した。得られた生成物を5:1ベンゼン:CHCl500mL
に取り込み、プロピルアミン(20mL)を添加した。混合物を12時間攪拌し
、次に減圧下に濃縮して淡黄色泡状物を得た。この材料をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(2〜7%MeOH/CHCl)で精製し、得られた白色泡状物を
CHClに取り込み2.1当量の1M HCl/エーテル溶液で処理した。
減圧下に濃縮後、生成物の二塩酸塩を白色粉末として単離した。
【0332】 実施例2〜5(表1)の生成物を、構造的に関連する化合物である1−(3−
クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリルメチル]−
2−ピペラジノン二塩酸塩の合成を記載している前記プロトコールを用いて調製
した。工程Fにおいて、3−クロロアニリンの代わりに適当に置換されたアニリ
ンを用いた。
【0333】 表1:1−アリール−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリルメチル
]−2−ピペラジノン
【0334】
【化78】
【0335】
【表2】
【0336】 実施例6 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−メトキシベンジ
ル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン二塩酸塩 工程A:4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの調製 乾燥メタノール2.0L中に4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(75g、
0.49mol)を含む溶液に、室温で無水HClガスを、溶液が飽和するまで
吹き込んだ。溶液を48時間攪拌し、次に減圧下に濃縮した。生成物をEtOA
cと飽和NaHCO水溶液とに分け、有機層をブラインで洗い、乾燥(Na SO)し、減圧下に濃縮して表記化合物(79g、収率96%)を得た。
【0337】 工程B:3−ヒドロキシ−4−ヨード安息香酸メチルの調製 工程Aからの生成物(79g、0.47mol)、3N HCl(750mL
)およびTHF(250mL)からなる濁った暗色溶液を0℃に冷却した。水1
15mL中にNaNO(35.9g、0.52mol)を含む溶液を約5分間
かかって添加し、溶液をさらに25分間攪拌した。ヨウ化カリウム(312g、
1.88mol)を水235mL中に含む溶液を1度に添加し、反応液をさらに
15分間攪拌した。混合液をEtOAcに注ぎ、振とうし、層を分離した。有機
相を水およびブラインで洗い、乾燥(NaSO)し、減圧下に濃縮して粗生
成物(148g)を得た。シリカゲルを通すカラムクロマトグラフィー(0%〜
50%EtOAc/ヘキサン)により精製して表記生成物(96g、収率73%
)を得た。
【0338】 工程C:4−シアノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの調製 乾燥DMF400mL中に工程Bからのヨウ化生成物(101g、0.36m
ol)およびシアン化(II)亜鉛(30g、0.25mol)を含む混合物を
、アルゴンを20分間溶液に吹き込むことにより脱気した。テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(8.5g、7.2mmol)を添加し、溶液を
80℃で4時間加熱した。溶液を室温まで冷却し、次にさらに36時間攪拌した
。反応液をEtOAc/水に注ぎ、有機層をブライン(4×)で洗い、乾燥(N
SO)し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルを通すカラムク
ロマトグラフィー(30%〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して表記
生成物(48.8g、収率76%)を得た。
【0339】 工程D:4−シアノ−3−メトキシ安息香酸メチルの調製 水素化ナトリウム(9g、0.24mol、60重量%鉱油分散液)を、室温
で、乾燥DMF400mL中に工程Cからのフェノール(36.1g、204m
mol)を含む溶液に添加した。ヨードメタン(14mL、0.22mol)を
添加し、反応液を2時間攪拌した。混合液をEtOAc/水に注ぎ、有機層を水
およびブライン(4×)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧下に濃縮して表
記生成物(37.6g、収率96%)を得た。
【0340】 工程E:4−シアノ−3−メトキシベンジルアルコールの調製 乾燥THF400mL中に工程Dからのエステル(48.8g、255mmo
l)を含む溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で、ホウ水素化リチウム(255m
L、510mmol、2M THF)を5分間かかって添加した。1.5時間後
、反応液を0.5時間加熱還流し、次に室温まで冷却した。溶液をEtOAc/
1N HCl溶液に注いぎ[注意]、および層を分離した。有機層を水、飽和N
CO溶液およびブライン(4×)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧
下に濃縮して表記生成物(36.3g、収率87%)を得た。
【0341】 工程F:4−シアノ−3−メトキシベンジルブロミドの調製 乾燥THF500mL中に工程Eからのアルコール(35.5g、218mm
ol)を含む溶液を0℃まで冷却した。トリフェニルホスフィン(85.7g、
327mmol)を添加し、続いて、四臭化炭素(108.5g、327mmo
l)を添加した。反応液を0℃で30分間攪拌し、次に室温で21時間攪拌した
。シリカゲル(約300g)を添加し、懸濁液を減圧下に濃縮した。得られた固
形物をシリカゲルクロマトグラフィーカラムにかけた。フラッシュクロマトグラ
フィー(30%〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して表記生成物(4
2g、収率85%)を得た。
【0342】 工程G:1−(4−シアノ−3−メトキシベンジル)−5−(アセトキシメチ
ル)−イミダゾール臭化水素酸塩の調製 実施例1の工程Cに概略した手順を用いて、工程Fからの臭化物(21.7g
、96mmol)を実施例1の工程Bからのイミダゾール生成物(34.9g、
91mmol)と反応させることにより表記生成物を調製した。粗生成物をヘキ
サンと研和して表記生成物の臭化水素酸塩(19.43g、収率88%)を得た
【0343】 工程H:1−(4−シアノ−3−メトキシベンジル)−5−(ヒドロキシメチ
ル)−イミダゾールの調製 実施例1の工程Dに概略する手順を用いて工程Gからの酢酸塩の加水分解によ
り表記生成物(19.43g、68.1mmol)を調製した。粗い表記生成物
を低い収率(11g、収率66%)で単離した。水性抽出物を濃縮して、
NMR分光分析により判断してかなりの量の表記生成物を含む固形生成物(約1
00g)を得た。
【0344】 工程I:1−(4−シアノ−3−メトキシベンジル)−5−イミダゾールカル
ボキサルデヒドの調製 実施例1の工程Eに概略する手順を用いて工程Hからのアルコール(11g、
45mmol)を酸化することにより表記生成物を調製した。表記アルデヒドを
、さらに精製することなく次の工程に用いるのに充分に純粋な白色粉末(7.4
g、収率68%)として単離した。
【0345】 工程J:1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−メトキ
シベンジル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン二塩酸塩の調製 実施例1の工程Hに概略された手順を用いて、工程Iからのアルデヒド(85
9mg、3.56mmol)および実施例1の工程Kからのアミン(塩酸塩)(
800mg、3.24mmol)を還元的にアルキル化することにより表記生成
物を調製した。シリカゲルを通すフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%
〜75%アセトンCHCl)により精製し、得られる白色泡状物をその二塩
酸塩に転化して表記生成物を白色粉末(743mg、収率45%)として得た。
FAB ms(m+1)437。 分析結果:C2323ClN・2.0HCl・0.35CHCl
ついての計算値:C、51.97;H、4.80;N、12.98 実測値:C、52.11;H、4.80;N、12.21。
【0346】 実施例7 1−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−
メトキシベンジル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン二塩酸塩 1−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−ピペラジノン塩酸塩を、
実施例1の工程F〜Jを用いて3−トリフルオロメトキシアニリンから調製した
。このアミン(1.75g、5.93mmol)を、実施例1の工程Hに概略す
る手順を用いて実施例6の工程Iからのアルデヒド(1.57g、6.52mm
ol)に結合させた。シリカゲルを通すフラッシュカラムクロマトグラフィー(
60%〜100%アセトンCHCl)により精製し、得られる白色泡状物を
その二塩酸塩に転化することにより表記生成物を白色粉末(1.957g、収率
59%)として得た。 FAB ms(m+1)486 分析結果:C2423・2.0HCl・0.60HOについて
の計算値:C、50.64;H、4.46;N、12.30 実測値:C、50.69;H、4.52;N、12.13。
【0347】 実施例8 4−[((1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリル)メチル)アミノ
]ベンゾフェノン塩酸塩 実施例1の工程Kに概略する手順を用いて、実施例1の工程Eからのアルデヒ
ド(124mg、0.588mmol)および4−アミノベンゾフェノン(11
6mg、0.588mmol)を還元的にアルキル化することにより表記生成物
を調製した。シリカゲルを通すフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%〜6
% MeOH/CHCl)により精製し、塩酸塩に転化することにより表記
生成物を白色固形物(126mg、収率50%)として得た。 FAB ms(m+1)393.11 分析結果:C2520O・1.40HCl・0.40HOについての計
算値:C、66.62;H、4.96;N、12.43 実測値:C、66.73;H、4.94;N、12.46。
【0348】 実施例9 N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル}
−4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベ
ンジル}アミノメチルピロリジン 工程A:4(R)−ヒドロキシプロリンメチルエステル メタノール(500ml)中に4(R)−ヒドロキシプロリン(35.12g
、267.8mmol)を含む懸濁液を、気体塩酸で飽和させた。得られる溶液
を16時間放置し、溶媒を減圧下に蒸発させて表記化合物を白色固形物として得
た。 H NMR CDOD δ4.60(2H,m)、3.86(3H,s)、
3.48(1H,dd,J=3.6および12.0Hz)、3.23(1H,d
,J=12.0Hz)、2.43(1H,m)および2.21(1H,m)pp
m。
【0349】 工程B:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒドロキシプロリンメチル
エステル CHCl(500ml)中に4(R)−ヒドロキシプロリンメチルエステ
ル(53.5g、268mmol)およびトリメチルアミン(75ml、540
mmol)を含む溶液に、CHCl(75ml)中にジ−t−ブチルジカー
ボネート(58.48、268mmol)を含む溶液を添加した。得られる混合
物を室温で48時間攪拌した。溶液を、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO 溶液で洗い、乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下に蒸発させた。表記化合
物を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく次の工程に用いた。 H NMR CDOD δ4.40〜4.30(2H,m)、3.75(3
H,m)、3.60〜3.40(2H,m)、2.30(1H,m)、2.05
(1H,m)および1.55〜1.40(9H,m)ppm。
【0350】 工程C:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシプロリンメチルエステル CHCl(536ml)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒ
ドロキシプロリンメチルエステル(65.87g、268mmol)およびトリ
メチルアミン(41ml、294mmol)を含む溶液に、CHCl(86
ml)中にt−ブチルジメチルシリルクロライド(42.49g、282mmo
l)を含む溶液を添加した。得られた混合物を室温で16時間攪拌した。溶液を
10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO水溶液で洗い、乾燥(NaSO
し、溶媒を減圧下に蒸発させた。表記化合物を黄色油状物として得、さらに精製
することなく次の工程に用いた。 H NMR CDOD δ4.60〜4.40(2H,m)、3.75(3
H,m)、3.60〜3.20(2H,m)、2.30〜1.90(2H,m)
、1.45〜1.40(9H,m)、0.90〜0.85(9H,m)、0.1
0〜0.00(6H,m)ppm。
【0351】 工程D:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシ−2(S)−ヒドロキシメチルピロリジン THF(150ml)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチ
ルジメチル−シリロキシプロリンメチルエステル(86.65g、241mmo
l)を含む溶液を、アルゴン雰囲気下に、水素化リチウムアルミニウム(THF
中の1M溶液247ml、247mmol)の溶液に、温度が12℃を超えない
ようにして90分間かかって添加した。攪拌を50分間続け、次にEtOAc(
500ml)を注意深く添加し、続いて硫酸ナトリウム十水和物(34g)を添
加し、得られた混合物を室温で16時間攪拌した。無水NaSO(34g)
を添加し、混合物をさらに30分間攪拌し、次に濾過した。固形物をEtOAc
(800ml)で洗い、濾液を併せ、溶媒を減圧下に蒸発させた。表記化合物を
無色油状物として得、さらに精製することなく次の工程で用いた。
【0352】 工程E:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシ−2(S)−メタンスルホニロキシメチルピロリジン CHCl(1L)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチ
ルジメチルシリロキシ−2(S)−ヒドロキシメチルピロリジン(50.0g、
150.8mmol)およびトリエチルアミン(42.0ml、300mmol
)を含む溶液に、メタンスルホニルクロライド(12.4ml、160mmol
)を5分間かかって添加し、1時間攪拌した。溶媒を減圧下に蒸発させ、EtO
Ac(800ml)で希釈し、クエン酸水溶液およびNaHCOで順次洗った
。有機抽出液を乾燥(NaSO)し、減圧下に蒸発し、残さをクロマトグラ
フィー(SiO、ヘキサン中の15%EtOAc)により精製した。表記化合
物を淡黄色固形物として得た。 FAB マススペクトル、m/z=410(M+1)。 H NMR CDCl δ4.60〜4.00(4H,m)、3.60〜3
.30(2H,m)、2.98(3H,s)、2.05〜2.00(2H,m)
、1.48〜1.42(9H,m)、0.90〜0.80(9H,m)、0.1
0〜0.00(6H,m)ppm。
【0353】 工程F:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−ブチルジメチルシリロキシ
−2(S)−アジドメチルピロリジンの調製 安全スクリーンで保護されたフラスコ中、トルエン(250ml)中にN−t
−ブトキシカルボニル−4(S)−t−ブチルジメチルシリロキシ−2(S)−
メタン−スルホニロキシメチルピロリジン(10.40g、25.39mmol
)およびテトラブチルアンモニウムアジド(8.18g、28.7mmol)を
含む溶液を80℃で5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、EtOAc(2
50ml)で希釈し、水およびブラインで洗い、乾燥(NaSO)した。溶
媒を減圧下に蒸発させて表記化合物を黄色油状物として得、それをさらに精製す
ることなく次の工程で用いた。 H NMR CDCl δ4.60〜3.20(6H,m)、2.05〜1
.90(2H,m)、1.47(9H,s)、0.87(9H,s)および0.
10〜0.00(6H,m)ppm。
【0354】 工程G:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシ−2(S)−アミノメチルピロリジンの調製 EtOAc(120ml)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−
ブチルジメチルシリロキシ−2(S)−アジドメチルピロリジン(9.06g、
25.39mmol)を含む溶液をアルゴン置換し、炭素上10%パラジウム(
1.05g)を添加した。フラスコを減圧し、水素雰囲気(49psi)下に1
6時間攪拌した。水素をアルゴンで置き換え、触媒を濾過により除去し、溶媒を
減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(SiO、アセトニトリル中
2.5〜5%飽和NHOH、グラジエント溶離)に付して表記化合物を油状物
として得た。
【0355】 H NMR(CDCl、400MHz)δ4.40〜2.60(6H,s)
、2.05〜1.80(2H,m)、1.46(9H,s)、1.36(2H,
s)、0.87(9H,s)、0.10〜0.00(6H,m)ppm。
【0356】 工程H:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシ−2(S)−{N’−3−クロロベンジル}アミノメチルピロリジンの調製
メタノール(150ml)中に3−クロロベンズアルデヒド(1.2ml、1
0.6mmol)、粉砕した3Å分子ふるい(9.5g)および工程Gからのア
ミン(3.50g、10.6mmol)を含むスラリーに、室温でシアノホウ水
素化ナトリウム(THF中の1M溶液11.0ml、11.0mmol)を添加
した。氷酢酸(0.68ml、12mmol)の添加によりpHを7に調節し、
反応液を16時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下に蒸発させた。残さ
をEtOAcと飽和NaHCO溶液とに分け、有機抽出液をブラインで洗い、
乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラフィ
ー(SiO、CHCl中の2.5%MeOH)により精製して表記化合物
を油状物として得た。
【0357】 H NMR(CDCl、400MHz)δ7.40〜7.10(4H,m)
、4.36(1H、s)、4.15〜3.90(2H,m)、3.90〜3.3
0(2H,m)、2.85〜2.60(2H,m)、2.05〜1.90(2H
,m)、1.44(9H,s)、0.87(9H,s)および0.06(6H,
m)ppm。
【0358】 工程I:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシリロ
キシ−2(S)−{N’−3−クロロベンジル−N’−アセチル}アミノメチル
ピロリジンの調製 CHCl(85ml)およびトリメチルアミン(2.40ml、17.0
mmol)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチルジメチルシ
リロキシ−2(S)−{N’−3−クロロベンジル}−アミノメチルピロリジン
(3.80g、8.35mmol)を含む溶液に、0℃で塩化アセチル(0.6
0ml、8.44mmol)を添加した。反応液を室温で1時間攪拌し、水で希
釈し、CHClで抽出した。抽出液をブラインで洗い、乾燥(NaSO )し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(SiO、CH Cl中の10〜25%EtOAc、グラジエント溶離)により精製した。
【0359】 H NMR(CDCl、400MHz)δ7.40〜7.00(4H,m)
、5.10〜3.00(8H,m)、2.20〜1.70(5H,m)、1.5
0〜1.30(9H,m)、0.87(9H,s)および0.06(6H,m)
ppm。
【0360】 工程J:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒドロキシ−2(S)−{
N’−3−クロロベンジル−N’−アセチル}アミノメチルピロリジンの調製 THF(80ml)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(R)−t−ブチル
−ジメチルシリロキシ−2(S)−{N’−3−クロロベンジル−N’−アセチ
ル}アミノメチルピロリジン(4.02g、8.09mmol)を含む溶液に、
0℃でテトラブチルアンモニウムフルオライド(THF中の1M溶液9.00m
l、9.00mmol)を添加した。反応液を0℃で1時間攪拌し、次に室温で
30分間攪拌した。反応液を飽和NHCl溶液(50ml)の添加によりクエ
ンチし、EtOAcで希釈した。有機抽出液をブラインで洗い、乾燥(Na
)し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(SiO
CHCl中の3〜5%MeOH、グラジエント溶離)により精製して表記化
合物を泡状物として得た。
【0361】 H NMR(CDCl、400MHz)δ7.40〜7.00(4H,m)
、5.00〜4.00(4H,m)、4.00〜3.10(4H,m)、2.3
0〜1.60(5H,m)および1.50〜1.30(9H,m)ppm。
【0362】 工程K:N−t−ブトキシカルボニル−4(R)−ベンジロキロキシ−2(S
)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベンジル}アミノメチルピロリジン DMF(9ml)中にN−t−ブトキシカルボニル−4(S)−ヒドロキシ−
2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベンジル}アミノメチルピロリ
ジン(701mg、1.83mmol)を含む溶液に、0℃で水素化ナトリウム
(鉱油中60%分散液110mg、2.75mmol)を添加した。15分後、
臭化ベンジル(0.435ml、3.66mmol)を添加し、反応液を室温で
16時間攪拌した。反応液を飽和NaHCO溶液(2ml)でクエンチし、酢
酸エチルで抽出した。有機抽出液をブラインで洗い、乾燥(NaSO)し、
溶媒を減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラフィー(SiO、CHCl 中の25〜50%EtOAc、グラジエント溶離)により精製して表記化合物
を泡状物として得た。
【0363】 工程L:4(S)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−
クロロベンジル}アミノメチルピロリジン塩酸塩 EtOAc(25ml)中に工程Kからの生成物(0.843g、1.76m
mol)を含む溶液を、0℃で気体塩化水素で飽和させた。得られる溶液を室温
で30分間放置した。溶媒を減圧下に蒸発させて表記化合物を白色固形物として
得た。
【0364】 工程M:1H−イミダゾール−4−酢酸メチルエステル塩酸塩の調製 メタノール(100ml)中に1H−イミダゾール−4−酢酸塩酸塩(4.0
0g、24.6mmol)を含む溶液を気体塩化水素で飽和させた。得られる溶
液を室温(RT)で18時間放置した。溶媒を減圧下に蒸発させて表記化合物を
白色固形物として得た。
【0365】 H NMR(CDCl、400MHz)δ8.85(1H、s)、7.45
(1H、s)、3.89(2H,s)および3.75(3H,s)ppm。
【0366】 工程N:1−(トリフェニルメチル)−1H−イミダゾール−4−イル酢酸メ
チルエステルの調製 ジメチルホルムアミド(DMF)(115ml)中に工程Mからの生成物(2
4.85g、0.141mol)を含む溶液に、トリエチルアミン(57.2m
l、0.412mol)および臭化トリフェニルメチル(55.3g、0.17
1mol)を添加し、懸濁液を24時間攪拌した。この時間後、反応混合物を酢
酸エチル(EtOAc)(IL)および水(350ml)で希釈した。有機相を
飽和NaHCO水溶液(350ml)で洗い、乾燥(MgSO)し、減圧下
に蒸発させた。残さをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン中の
0〜100%酢酸エチル、グラジエント溶離)により精製して表記化合物を白色
固形物として得た。
【0367】 H NMR(CDCl、400MHz)δ7.35(1H、s)、7.31
(9H,m)、7.22(6H,m)、6.76(1H、s)、3.68(3H
、s)および3.60(2H、s)ppm。
【0368】 工程O:[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]酢
酸メチルエステルの調製 アセトニトリル(70ml)中に工程Nからの生成物(8.00g、20.9
mmol)を含む溶液に、ブロモ−p−トルニトリル(4.10g、20.92
mmol)を添加し、55℃で3時間加熱した。この時間後、反応液を室温まで
冷却し、得られるイミダゾリウム塩(白色沈殿物)を濾過により集めた。濾液を
55℃で18時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に蒸発させた
。残さにEtOAc(70ml)を添加し、得られる白色沈殿を濾過により集め
た。沈殿したイミダゾリウム塩を併せ、メタノール(100ml)中に懸濁させ
、30分間加熱還流した。この時間後、溶媒を減圧下に除去し、得られる残さを
EtOAc(75ml)中に懸濁させ、固形物を濾過により単離し、洗った(E
tOAc)。固形物を飽和NaHCO水溶液(300ml)およびCHCl (300ml)で処理し、室温で2時間攪拌した。有機層を分離し、乾燥(N
SO)し、減圧下に蒸発させて表記化合物を白色固形物として得た。
【0369】 H NMR(CDCl、400MHz)δ7.65(1H、d、J=8Hz
)、7.53(1H、s)、7.15(1H、d、J=8Hz)、7.04(1
H、s)、5.24(2H,s)、3.62(3H,s)および3.45(2H
,s)ppm。
【0370】 工程P:(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル)エ
タノールの調製 メタノール(20ml)中に工程Oからのエステル(1.50g、5.88m
mol)を含む溶液に、0℃でホウ水素化ナトリウム(1.0g、26.3mm
ol)を少しずつ添加した。反応液を0℃で1時間攪拌し、次に室温でさらに1
時間攪拌した。反応液を飽和NHCl溶液の添加によりクエンチし、メタノー
ルを減圧下に蒸発させた。残さをEtOAcと飽和NaHCO溶液とに分け、
有機抽出物を乾燥(MgSO)し、減圧下に蒸発させた。残さをクロマトグラ
フィー(SiO、塩化メチレン中の4〜10%メタノール、グラジエント溶離
)により精製して表記化合物を固形物として得た。
【0371】 H NMR CDCl δ7.64(2H、d、J=8.2Hz)、7.5
7(1H、s)、7.11(2H、d、J=8.2Hz)、6.97(1H、s
)、5.23(2H,s)、3.79(2H、t、J=6.2Hz)および2.
66(2H、t、J=6.2Hz)ppm。
【0372】 工程Q:1−(4−シアノベンジル)−イミダゾール−5−イル−エチルメタ
ンスルホネート 塩化メチレン(6.0ml)中に(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミ
ダゾール−5−イル)−エタノール(0.500g、2.20mmol)を含む
溶液を、0℃でHunig塩基(0.460ml、2.64mmol)および塩
化メタンスルホニル(0.204ml、2.64mmol)で処理した。2時間
後、反応液を飽和NaHCO溶液(50ml)の添加によりクエンチし、混合
物を塩化メチレン(50ml)で抽出し、乾燥(MgSO)し、溶媒を減圧下
に蒸発させた。表記化合物を、さらに精製することなく用いた。
【0373】 H NMR CDCl δ7.69(1H、s)、7.66(2H、d、J
=8.2Hz)、7.15(2H、d、J=8.2Hz)、7.04(1H、s
)、5.24(2H,s)、4.31(2H、t、J=6.7Hz)、2.96
(3H、s)および2.88(2H、t、J=6.6Hz)ppm。
【0374】 工程R:N{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルエ
チル}−4(R)−ベンジロキシオキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−
3−クロロベンジル}−アミノメチルピロリジン DMF(1.5ml)中に4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセ
チル−N’−3−クロロベンジル−アミノメチル}ピロリジン(199mg、0
.486mmol)、工程Qからのメシレート(140mg、0.458mmo
l)、炭酸カリウム(165mg、1.19mmol)およびヨウ化ナトリウム
(289mg、1.93mmol)を含む混合物を55℃で16時間加熱した。
冷却した混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO溶液およびブラインで洗い
、乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残さを分取HPLC(
C−18、水/0.1%TFA含有アセトニトリル95:5〜5:95、グラジ
エント溶離)。表記化合物を、凍結乾燥後に白色固形物として得た。
【0375】 分析結果:C3436Cl 3.00TFA、0.85HOについ
ての計算値:C、51.14;H、4.37;N、7.45 実測値:C、51.15;H、4.42;N、6.86 FAB HRMS C3437Clについて計算された正確な質量 582.263579(NH) 実測値 582.263900。
【0376】 実施例10 生体外阻害 トランスフェラーゼアッセイ。イソプレニルタンパク質トランスフェラーゼ活
性アッセイは、特記しない限り30℃で行う。典型的な反応は、(最終的体積5
0μLとして):[H]ファルネシル二リン酸または[H]ゲラニルゲラニ
ル二リン酸、Rasタンパク質、50mM HEPES、pH7.5、5mM
MgCl、5mM ジチオスレイトール、10μM ZnCl、0.1%ポ
リエチレングリコール(PEG)(分子量15,000〜20,000)および
イソプレニルタンパク質トランスフェラーゼを含む。アッセイで用いるFPTa
seは、Omer,C.A.、Kral,A.M.、Diehl,R.E.、P
rendergast,G.C.、Powers,S.、Allen,C.M.
、Gibbs,J.B.およびKohl,N.E.著、(1993年)Bioc
hemistry 第32巻:5167頁〜5176頁に記載のような組換え発
現により調製される。アッセイで用いられるゲラニルゲラニルタンパク質トラン
スフェラーゼI型は、ここに参考として取り込まれる米国特許No.5,470
,832に記載のように調製される。酵素の不存在下にアッセイ混合物を熱的に
予備平衡させた後、イソプレニルタンパク質トランスフェラーゼの添加により反
応を開始し、エタノール中1M HCl(1mL)の添加により間欠的(典型的
に、15分毎)に停止させる。クエンチされた反応液を15分間放置する(沈殿
プロセスの完了のため)。100%エタノール2mLの添加後、反応液をWha
tman GF/Cフィルターを通して減圧濾過する。フィルターを100%エ
タノールの2mLのアリコートで4回洗い、シンチレーション液(10mL)と
混合し、次に、Beckman LS3801シンチレーションカウンターにお
いてカウントする。
【0377】 阻害研究のために、阻害剤を100%ジメチルスルホキシド中の濃厚溶液とし
て調製し、次に酵素アッセイ混合物中に20倍希釈する以外は、前述のようにア
ッセイを行う。阻害剤のIC50の決定のための基質条件を以下に示す:FTa
se、650nM Ras−CVLS(配列番号11)、100nM ファルネ
シルニリン酸、GGPTase−I、500nM Ras−CAIL((配列番
号12)、100nM ゲラニルゲラニルニリン酸。
【0378】 実施例11 修飾生体外GGTase阻害アッセイ 修飾ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害アッセイを室温で行
う。典型的反応は、(最終的体積を50μLとして):[H]ゲラニルゲラニ
ルニリン酸、ビオチニル化Rasペプチド、50mM HEPES、pH7.5
、調整アニオン(例えば、10mM グリセロリン酸または5mM ATP)、
5mM MgCl、10μM ZnCl、0.1%PEG(分子量15,0
00〜20,000)、2mM ジチオスレイトール、およびゲラニルゲラニル
タンパク質トランスフェラーゼI型(GGTase−I)を含む。アッセイで用
いられるGGTase−I型酵素は、参考として取り込まれる米国特許No.5
,470,832に記載のように調製される。RasペプチドはK4B−ラスタ
ンパク質から誘導され、以下の配列を有する:ビオチニル−GKKKKKKSK
TKCVIM(1本アミノ酸コード)(配列番号14)。反応はGGTaseの
添加により開始し、50mM EDTAおよび0.5%BSAを含む、pH4の
0.2Mリン酸ナトリウム中にストレプトアビジンSPAビーズ(Scinti
llation Proximity Assay beads、Amersh
am製)を含む3mg/mL懸濁液200μLの添加により間欠的(典型的に1
5分毎)に停止する。クエンチされた反応液を2時間放置してから、Packa
rd TopCountシンチレーションカウンターで分析した。
【0379】 阻害研究のために、阻害剤を100%ジメチルスルホキシド中の濃厚溶液とし
て調製し、次に酵素アッセイ混合物中に25倍希釈する以外は、前述のようにア
ッセイを行う。IC50値はK濃度に近いRasペプチドを用いて決められる
。阻害剤のIC50を決めるための酵素および基質濃度は:75pM GGTa
se−I、1.6μM Rasペプチド、100nMゲラニルゲラニル二リン酸
である。
【0380】 実施例12 用いられるプロセッシングアッセイは、DeClueら著[Cancer R
esearch、第51巻、712頁〜717頁、1991年]に記載のものを
修飾したものである。
【0381】 K4B−Rasプロセッシング阻害アッセイ タンパク質プロセッシングの分析のために、PSN−1(ヒト膵臓癌)または
ウイルス−K4B−ras−形質転換Rat1細胞を用いる。100mmシャー
レ中の半集密的細胞に、所望の濃度の試験化合物、ロバスタチンまたは溶媒のみ
を含む培地(2%ウシ胎児血清を加えたメチオニン非含有RPMI、または20
0mMグルタミン(Gibco製)0.035ml、2%ウシ胎児血清をそれぞ
れ加えたシステイン非含有/メチオニン非含有DMEM)3.5mlを供給する
。イソプレノイド生合成経路において速度制限工程を阻害することにより細胞内
のRasプロセッシングを阻害する化合物であるロバスタチン(5〜10μM)
で処理した細胞は陽性対照として機能する。試験化合物はDMSO中の1000
倍濃縮溶液として調製され、0.1%の最終溶媒濃度が得られる。37℃で2時
間のインキュベーションに続いて、204μCi/ml[35S]Pro−Mi
x(Amersham製、細胞標識級)を添加する。
【0382】 標識アミノ酸混合物の導入後、細胞を37℃でさらなる期間(典型的には6〜
24時間)インキュベートする。次に培地を除去し、細胞を冷たいPBSで1回
洗う。細胞を冷たいPBS1mlに掻き入れ、遠心分離(室温にて10,000
×gで10秒)し、溶解緩衝液(1%Nonidet P−40、20mM H
EPES、pH7.5、150mM NaCl、1mM EDTA、0.5%デ
オキシコレート、0.1% SDS、1mM DTT、10μg/ml AEB
SF、10μg/ml アプロチニン、2μg/ml ロイペプシンおよび2μ
g/ml アンチペイン)1ml中で攪拌することにより溶解する。次に溶解産
物を4℃にて15,000×gで10分間遠心分離し、上澄みを保存する。
【0383】 Ki4B−Rasの免疫沈降のために、等量のタンパク質を含む溶解産物上澄
みのサンプルを利用する。タンパク質濃度を、標準としてウシ血清アルブミンを
利用してブラッドフォード法により決める。適当な体積の溶解産物を、DTTを
含まない溶解緩衝液、および全Rasモノクローナル抗体Y13−259の8μ
gを添加して1mlにする。タンパク質/抗体混合物を氷上で4℃で24時間イ
ンキュベートする。4℃で45分間揺り動かすことによりラットIgGへのウサ
ギ抗血清(Cappel製)で被覆したパンソルビン(Calbiochem製
)上に免疫複合体を集める。ペレットを、DTTおよびプロテアーゼ阻害剤を含
まない溶解緩衝液1mlで3回洗い、溶離緩衝液(10mM Tris、pH7
.4、1%SDS)100μl中に再懸濁させる。Rasを、95℃で5分間加
熱することによりビーズから溶離させ、その後、ビーズを短い遠心分離(室温に
て15,000×gで30秒間)によりペレット化する。
【0384】 上澄みを、希釈緩衝液(0.1%Triton X−100、5mM EDT
A、50mM NaCl、10mM Tris pH7.4)1mlに、2μg
のKirsten−ras特異的モノクローナル抗体c−K−ras Ab−1
(Calbiochem製)と共に添加する。第2のタンパク質/抗体混合物を
氷上で4℃にて1〜2時間インキュベートさせる。4℃で45分間揺り動かすこ
とによりラットIgGへのウサギ抗血清(Cappel製)で被覆したパンソル
ビン(Calbiochem製)上に免疫複合体を集める。ペレットを、DTT
およびプロテアーゼ阻害剤を含まない溶解緩衝液1mlで3回洗い、Laemm
liサンプル緩衝液中に再懸濁させる。Rasを、95℃で5分間加熱すること
によりビーズから溶離させ、その後、ビーズを短い遠心分離によりペレット化す
る。上澄みを、12%アクリルアミドゲル(ビスアクリルアミド:アクリルアミ
ド、1:100)上のSDS−PAGEに付し、Rasを蛍光板間接撮影により
視覚化する。
【0385】 実施例13 Rap1プロセッシング阻害アッセイ プロトコールA: 実施例12に記載のように細胞を標識し、インキュベートし、溶解する。
【0386】 Rap1の免疫沈降のために、等量のタンパク質を含む溶解産物上澄みのサン
プルを利用する。タンパク質濃度を、標準としてウシ血清アルブミンを利用して
ブラッドフォード法により決める。適当な体積の溶解産物を、DTTを含まない
溶解緩衝液、およびRap1抗体のRap1/Krev1(121)(Sant
a Cruz Biotech SC/65)の2μgを添加して1mlにする
。タンパク質/抗体混合物を氷上で4℃で1時間インキュベートする。4℃で4
5分間揺り動かすことによりパンソルビン(Calbiochem製)上に免疫
複合体を集める。ペレットを、DTTおよびプロテアーゼ阻害剤を含まない溶解
緩衝液1mlで3回洗い、溶離緩衝液(10mM Tris、pH7.4、1%
SDS)100μl中に再懸濁させる。Rap1を、95℃で5分間加熱するこ
とによりビーズから溶離させ、その後、ビーズを短い遠心分離(室温にて15,
000×gで30秒間)によりペレット化する。
【0387】 上澄みを、希釈緩衝液(0.1%Triton X−100、5mM EDT
A、50mM NaCl、10mM Tris pH7.4)1mlに、2μg
のRap1抗体であるRap1/Krev1(121)(Santa Cruz
Biotech製)と共に添加する。第2のタンパク質/抗体混合物を氷上で
4℃にて1〜2時間インキュベートさせる。4℃で45分間揺り動かすことによ
りパンソルビン(Calbiochem製)上に免疫複合体を集める。ペレット
を、DTTおよびプロテアーゼ阻害剤を含まない溶解緩衝液1mlで3回洗い、
Laemmliサンプル緩衝液中に再懸濁させる。Rap1を、95℃で5分間
加熱することによりビーズから溶離させ、その後、ビーズを短い遠心分離により
ペレット化する。上澄みを、12%アクリルアミドゲル(ビスアクリルアミド:
アクリルアミド、1:100)上のSDS−PAGEに付し、Rap1を蛍光板
間接撮影により視覚化する。
【0388】 プロトコールB: PSN−1細胞を、1:20および1:40に分けた融合性に近い10cmプ
レートに3〜4日毎に入れる。アッセイの開始前日、5×10の細胞を15c
mプレートに乗せ、各アッセイにおける同じ段階の集蜜性を確保する。これらの
細胞用の培地はRPM1 1640(Gibco製)であり、15%ウシ胎児血
清および1×Pen/Strep抗生物質混合物を加える。
【0389】 アッセイの日、細胞をトリプシン処理により15cmプレートから集め、培地
中で400,000細胞/mlに希釈する。これらの希釈細胞0.5mlを、2
4ウエルプレートの各ウエルに添加し、最終的細胞数をウエル当り200,00
0とする。次に細胞を37℃で一晩成長させる。
【0390】 アッセイすべき化合物を、DMSO中で1/2−log希釈で希釈する。アッ
セイすべき最終濃度の範囲は、通常、0.1〜100μMである。化合物当り4
つの濃度が典型的である。化合物を、各濃度が最終的濃度の1000倍であるよ
うに希釈する(すなわち、10μMのデータポイントにおいて、化合物の10m
M貯蔵が必要である。)。
【0391】 各1000×化合物ストック2μLを培地1mlに希釈して化合物の2倍スト
ックを製造する。ビヒクル対照溶液(培地1mlにDMSO2μL)を利用する
。化合物の2倍ストック0.5mlを細胞に添加する。
【0392】 24時間後、培地をアッセイプレートから吸引する。各ウエルをPBS1ml
で濯ぎ、PBSを吸引する。5%2−メルカプトエタノールを含むSDS−PA
GEサンプル緩衝液(Novex)180μLを各ウエルに添加する。アッセイ
プレートのためのアダプターを含む加熱ブロックを用いてプレートを100℃で
5分間加熱する。プレートを氷の上に載せる。10分後、ウエル当り20μLの
RNAse/DNase混合物を添加する。この混合物は1mg/ml DNa
seI(Worthington Enzymes製)、0.25mg/ml
RnaseA(Worthington Enzymes製)、0.5M Tr
is−HCl pH8.0および50mM MgClである。プレートを氷上
に10分間放置する。次にサンプルをゲルに乗せるまたは−70℃で使用前まで
貯蔵する。
【0393】 各アッセイプレート(通常、3つの化合物、各々4点滴定、対照付加)は1つ
の15ウエル14% Novexゲルを必要とする。各サンプル25μlをゲル
に載せる。ゲルを15mAで約3.5時間通電させる。21kd(Rap1)と
29kd(Rab6)とが充分に分離するように、ゲルを充分通電させることが
重要である。
【0394】 次にゲルを30V(一定電圧)でNovexプレカットPVDF膜に転写する
。転写直後、膜をウエスタンブロッキング緩衝液(ウエスタン洗浄緩衝液(PB
S+0.1%Tween−20)中に2%脱脂ドライミルク)20ml中で一晩
ブロッキングする。1週間ブロッキングするときは、0.02%アジ化ナトリウ
ムを添加する。膜をゆっくり揺りながら4℃で阻害する。
【0395】 阻害溶液を廃棄し、抗−Rap1A抗体(Santa Cruz Bioch
emical SC1482)を1:1000(ウエスタンブロッキング緩衝液
中に希釈)で、および抗Rab6抗体(Santa Cruz Biochem
ical SC310)を1:5000(ウエスタンブロッキング緩衝液中に希
釈)で含む新しいブロッキング溶液20mLを添加する。膜を、穏やかに揺り動
かしながら、室温で1時間インキュベートする。次にブロッキング溶液を廃棄し
、膜をウエスタンブロッキング緩衝液で、各洗浄を15分として3回洗う。次に
、2つのアルカリホスファターゼコンジュゲート抗体(アルカリホスファターゼ
コンジュゲート抗−ヤギIgGおよびアルカリホスファターゼコンジュゲート抗
−ウサギIgG[Santa Cruz Biochemical製])の各々
を1:1000(ウエスタンブロッキング緩衝液中に希釈)で含むコンジュゲー
ト溶液29mlを添加する。膜を1時間インキュベートし、上記のように3回洗 う。
【0396】 ゲル当り2mlのAmersham ECF検出試薬を、頭上透明(ECF)
に載せ、PVDF膜を検出試薬に面するように載せる。これを1分インキュベー
トし、次に膜を新しい透明シートに載せる。
【0397】 処理を進めた透明シートをリン画像形成機(phosphoimager)上
で走査し、Rap1A最少阻害濃度を、検出可能なRap1Aウエスタンシグナ
ルを発生する化合物の最も低い濃度から決める。用いたRap1A抗体は、非プ
レニル化/非加工Rap1aのみを認識し、それにより検出可能なRap1Aウ
エスタンシグナルの存在が、Rap1Aプレニル化の阻害を示す。
【0398】 先に記載したRap1/Krev1(121)抗体を、SC1482抗体の代
わりにプロトコールBのアッセイで利用することもできる。
【0399】 実施例14 生体内腫瘍成長阻害アッセイ(ヌードマウス) 癌細胞の成長の阻害剤としての生体内効果を、当該分野で良く知られている幾
つかのプロトコールにより認識することができる。そのような生体内効果研究の
例が、N.E.Kohlら著(Nature Medicine,第1巻:79
2〜797(1995年))およびN.E.Kohlら著(Proc.Nat.
Acad.Sci.U.S.A.、第91巻:9141〜9145(1994年
))により記載されている。
【0400】 腫瘍遺伝子により突然変異されたヒトH−rasまたはKi−rasで形質転
換されたげっ歯類(DMEM塩1ml中に10細胞/動物)を、0日目に8〜
12週齢雌ヌードマウス(Harlan製)の左わき腹に皮下注射する。各腫瘍
遺伝子群のマウスを無作為にビヒクル、化合物または組み合わせ処理群に割り当
てる。動物には1日目に皮下投与を開始し、実験継続中毎日投与する。または、
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を連続輸液ポンプにより投与
することができる。化合物、化合物組み合わせまたはビヒクルを合計体積0.1
mlで分配する。全てのビヒクル処理動物が直径0.5〜1.0cmの病変を示
したとき、典型的には細胞を注射後11〜15日後に、腫瘍を切除し秤量する。
各細胞群について各処理群における腫瘍の平均重量を計算する。
【0401】 関連出願 本特許出願は、1997年8月27日に出願された係属中の仮出願No.60
/057,228の一部継続出願である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 二重免疫沈降により精製された放射標識K4B−Rasタンパク質のSDS−
PAGE電気泳動ゲルにさらされたX−線フィルムを示す図である。 図1:PSN−1細胞溶解産物のSDS−PAGE電気泳動 この図は、二重免疫沈降により精製された放射標識K4B−Rasタンパク質
のSDS−PAGE電気泳動ゲルにさらされたX−線フィルムを示す。ビヒクル
、10μMロバスタチンまたは10μM化合物1に示された時間さらされたPS
N−1細胞の溶解産物からタンパク質を単離した。アッセイ手順の詳細は実施例
15に見ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/4439 A61K 31/4439 31/454 31/454 31/496 31/496 31/5513 31/5513 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 43/00 C12N 9/10 C12N 9/10 // C07D 233/64 105 C07D 233/64 105 233/90 233/90 241/04 241/04 401/12 401/12 403/06 403/06 403/12 403/12 405/04 405/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,HR,H U,ID,IL,IS,JP,KG,KR,KZ,LC ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK,MN, MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,US,UZ ,VN,YU (72)発明者 ホワン,パール・エス アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 コブラン,ケネス・エス アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 コール,ナンシー・イー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ロベル,ロバート・ビー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 バサー−ドープナー,キヤロリーン・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B050 CC10 DD11 LL01 LL03 4B063 QA01 QQ26 QQ79 QQ95 QR42 QR48 QR51 QR57 QS36 QX01 4C063 AA01 AA03 BB02 BB03 BB04 BB08 BB09 CC25 CC34 CC37 CC76 DD03 DD10 DD12 DD25 DD34 EE01 4C086 AA01 AA02 BC38 BC50 BC56 GA02 GA07 GA08 MA01 MA04 NA14 ZB26 ZC20 4H011 AF01 BB09

Claims (76)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物に
    投与することを含んでなるプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する方
    法であって、前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの一方または両方の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プ
    ロセッシングの25%を超える阻害;および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値) を特徴とするものである方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物が、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラ
    ーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の
    基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの50%を超をえ
    て阻害する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物に
    投与することを含んでなり、前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型のまたはゲラニルゲラニルタンパク質ト
    ランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの両方
    の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの25%を超え
    る阻害;および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値) を特徴とするものである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 特徴a)における新しく合成されたタンパク質が、ゲラニル
    ゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トラ
    ンスフェラーゼの両方の基質である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物が、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ
    によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシ
    ル残基の転移を、約100nMより低い生体外阻害活性(IC50)で阻害する
    請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 新しく合成されたタンパク質が、K4B−RasおよびRa
    p1から選択される請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基質
    である新しく合成されたタンパク質がK4B−Rasである請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基質
    である新しく合成されたタンパク質がRap1である請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換Rat1
    細胞から選択される請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよび
    ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型を阻害する方法であって、
    前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの一方または両方の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プ
    ロセッシングの25%を超える阻害; b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値);および c)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
    ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約5μMより低いIC50(生体外阻害活
    性の測定値) を特徴とするものである方法。
  11. 【請求項11】 前記化合物が、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方
    の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの50%を超え
    て阻害する請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 特徴a)における新しく合成されたタンパク質が、ゲラニ
    ルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質ト
    ランスフェラーゼの両方の基質である請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物が、ファルネシルタンパク質トランスフェラー
    ゼによるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネ
    シル残基の転移を、約100nMより低いIC50で阻害する請求項10に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 前記化合物が、調整アニオンの存在下においてゲラニルゲ
    ラニルタンパク質トランスフェラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタン
    パク質またはペプチド基質へのゲラニルゲラニル残基の転移を、約1μMより低
    いIC50で阻害する請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基
    質である新しく合成されたタンパク質が、K4B−RasおよびRap1から選
    択される請求項10に記載の方法。
  16. 【請求項16】 細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換Rat
    1細胞から選択される請求項10に記載の方法。
  17. 【請求項17】 調整アニオンが:アデノシン5’−三リン酸、2’−デオ
    キシアデノシン 5’−三リン酸、2’−デオキシシトシン 5’−三リン酸、
    β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、グアノシン5’−三リン酸、2’−デ
    オキシグアノシン5’−三リン酸、ウリジン5’−三リン酸、ジチオリン酸塩、
    チミジン5’−三リン酸、トリポリリン酸塩、D−ミオ−イノシトール1,4,
    5−三リン酸および硫酸塩から選択される請求項10に記載の方法。
  18. 【請求項18】 調整アニオンが:アデノシン5’−三リン酸(ATP)、
    β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、ジチオリン酸塩および硫酸塩から選択
    される請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなる癌を治療する方法であって、前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの一方または両方の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プ
    ロセッシングの25%を超える阻害 を特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 前記化合物が、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方
    の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの50%を超え
    て阻害する請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 特徴a)におけるタンパク質が、ゲラニルゲラニルタンパ
    ク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ
    の両方の基質である請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 新しく合成されたタンパク質が、K4B−RasおよびR
    ap1から選択される請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基
    質である新しく合成されたタンパク質がK4B−Rasである請求項19に記載
    の方法。
  24. 【請求項24】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基
    質である新しく合成されたタンパク質がRap1である請求項19に記載の方法
  25. 【請求項25】 細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換Rat
    1細胞から選択される請求項19に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記化合物が、以下の化合物または薬学的に許容できるそ
    の塩から選択される請求項19に記載の方法: 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−[(3−ピ
    リジル)メトキシエチル)]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンジロ
    キシメチル)−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンジロ
    キシメチル)−4−[7−(2,3−ジヒドロベンゾフロイル)]ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−(ベンズア
    ミド)−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル]−2(S)−[4−(5
    −ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホンアミド)−1−ブチル]−4−(1
    −ナフトイル)ピペラジン N−[2(S)−(1−(4−ニトロフェニルメチル)−1H−イミダゾール
    −5−イルアセチル)アミノ−3(S)−メチルペンチル]−N−1−ナフチル
    メチル−グリシル−メチオニン N−[2(S)−(1−(4−ニトロフェニルメチル)−1H−イミダゾール
    −5−イルアセチル)アミノ−3(S)−メチルペンチル]−N−1−ナフチル
    メチル−グリシル−メチオニンメチルエステル N−[2(S)−[(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
    −イル]アセチルアミノ)−3(S)−メチルペンチル]−N−(1−ナフチル
    メチル)グリシル−メチオニン N−[2(S)−[(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
    −イル]アセチルアミノ)−3(S)−メチルペンチル]−N−(1−ナフチル
    メチル)グリシル−メチオニンメチルエステル 2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル)−1−[1−(2−ナフチル
    メチル)イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン 2(S)−n−ブチル−1−[(1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−
    5−イルメチル]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]アセ
    チル}−2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリ
    ルメチル]−2−ピペラジノン 1−フェニルー4−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5
    −イルエチル]−ピペラジン−2−オン 1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル
    )−1H−イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン2−オン 1−(3−ブロモフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イ
    ミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン2−オン 5(S)−2−[2,2,2−トリフルオロエトキシ]エチル)−1−(3−
    トリフルオロメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−4−イミ
    ダゾリルメチル]−ピペラジン−2−オン 1−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4−[1−(4−シアノベ
    ンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル]−ピペラジン−2−オン 1−(2−メチル−3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル
    )−4−イミダゾリルメチル]−ピペラジン−2−オン 2(RS)−{[1−(ナフト−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−5
    −イル)アセチル}アミノ−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−N−(2
    −メチルベンジル)プロピオンアミド N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル}
    −4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベ
    ンジル}アミノメチルピロリジン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルエチル}
    −4(R)−ベンジロキシ−2(S)−{N’−アセチル−N’−3−クロロベ
    ンジル}アミノメチルピロリジン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
    }ピロリジン−2(S)−イルメチル]−(N−2−メチルベンジル)−グリシ
    ンN’−(3−クロロフェニルメチル)アミド N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
    }ピロリジン−2(S)−イルメチル]−(N−2−メチルベンジル)−グリシ
    ンN’−メチル−N’−(3−クロロフェニルメチル)アミド (S)−2−[(1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル)ア
    ミノ]−N−(ベンジロキシカルボニル)−N−(3−クロロベンジル)−4−
    (メタンスルホニル)ブタンアミン 1−(3,5−ジクロロベンゼンスルホニル)−3(S)−[N−(1−(4
    −シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルチエチル)カルバモイル]
    ピペリジン N−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチ
    ル}−4−(3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン N−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチ
    ル}−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン 4−{1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−1−(2,
    3−ジメチルフェニル)−ピペラジン−2,3−ジオン 1−(2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−ピリド−5−イルメチル
    )−5−(4−シアノベンジル)イミダゾール 4−{5−[1−(3−クロローフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ
    −ピリジン−4−イルメチル]−イミダゾール−1−イルメチル}−2−メトキ
    シ−ベンゾニトリル 3(R)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−エチ
    ルアミノ]−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
    ンゾ[e][1,4]ジアゼピン 3(S)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−エチ
    ルアミノ]−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
    ンゾ[e][1,4]ジアゼピン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
    )ピロリジン−2(S)−イルメチル]−N−(1−ナフチルメチル)グリシル
    −メチオニン N−{1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル
    )ピロリジン−2(S)−イルメチル]−N−(1−ナフチルメチル)グリシル
    −メチオニンメチルエステル N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
    S)−イルメチル]−N−(2−メトキシベンジル)グリシル−メチオニン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
    S)−イルメチル]−N−(2−メトキシベンジル)グリシル−メチオニンメチ
    ルエステル 2(S)−(4−アセトアミド−1−ブチル)−1−[2(R)−アミノ−3
    −メルカプトプロピル]−4−(1−ナフトイル)ピペラジン 2(RS)−{[1−(ナフト−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−5
    −イル)]アセチル}アミノ−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−N−シ
    クロヘキシル−プロピオンアミド 1−{2(R,S)−{[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール
    −5−イル)]プロパノイル}−2(S)−n−ブチル−4−(1−ナフトイル
    )ピペラジン 1−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イルメチル]−4−(
    ジフェニルメチル)ピペラジン 1−(ジフェニルメチル)−3(S)−[N−(1−(4−シアノベンジル)
    −2−メチル−1H−イミダゾール−5−イルメチル)−N−(アセチル)アミ
    ノメチル]ピペリジン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
    S)−イルメチル]−N−(2−クロロベンジル)グリシル−メチオニン N−[1−(1H−イミダゾール−4−イルプロピオニル)ピロリジン−2(
    S)−イルメチル]−N−(2−クロロベンジル)グリシル−メチオニンメチル
    エステル 3(R)−3−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾール−5−イル−メチ
    ルアミノ]−5−フェニルー1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−H−ベ
    ンゾ[e][1,4]ジアゼピン 1−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジ
    ル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(2,5−ジメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミ
    ダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−メチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリ
    ルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−ヨードフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)イミダゾリ
    ルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−メトキシベンジ
    ル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 1−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−4−[1−(4−シアノ−3−
    メトキシベンジル)イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン 4−[((1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリル)メチル)アミノ
    ]ベンゾフェノン 1−(1−{[3−(4−シアノ−ベンジル)−3H−イミダゾール−4−イ
    ル]−アセチル}−ピロリジン−2(S)−イルメチル)−3(S)−エチル−
    ピロリジン−2(S)−カルボン酸3−クロロ−ベンジルアミド。
  27. 【請求項27】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなる癌を治療する方法であって、前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの一方または両方の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プ
    ロセッシングの25%を超える阻害;および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値) を特徴とするものである方法。
  28. 【請求項28】 前記化合物が、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方
    の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの50%を超え
    て阻害する請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 特徴a)における新しく合成されたタンパク質が、ゲラニ
    ルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質ト
    ランスフェラーゼの両方の基質である請求項27に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記化合物が、ファルネシルタンパク質トランスフェラー
    ゼによるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネ
    シル残基の転移を、約100nMより低いIC50で阻害する請求項27に記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 新しく合成されたタンパク質が、K4B−RasおよびR
    ap1から選択される請求項27に記載の方法。
  32. 【請求項32】 細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換Rat
    1細胞から選択される請求項27に記載の方法。
  33. 【請求項33】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなる癌を治療する方法であって、前記化合物は a)その化合物の存在下における細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラ
    ニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランス
    フェラーゼの一方または両方の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プ
    ロセッシングの25%を超える阻害; b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値);および c)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
    ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約5μMより低いIC50(生体外阻害活
    性の測定値) を特徴とするものである方法。
  34. 【請求項34】 前記化合物が、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方
    の基質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの50%を超え
    て阻害する請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 特徴a)における新しく合成されたタンパク質が、ゲラニ
    ルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質ト
    ランスフェラーゼの両方の基質である請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記化合物が、ファルネシルタンパク質トランスフェラー
    ゼによるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネ
    シル残基の転移を、約100nMより低いIC50で阻害する請求項33に記載
    の方法。
  37. 【請求項37】 前記化合物が、アニオンの存在下においてゲラニルゲラニ
    ルタンパク質トランスフェラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク
    質またはペプチド基質へのゲラニルゲラニル残基の転移を、約1μMより低いI
    50で阻害する請求項33に記載の方法。
  38. 【請求項38】 新しく合成されたタンパク質が、K4B−RasおよびR
    ap1から選択される請求項33に記載の方法。
  39. 【請求項39】 細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換Rat
    1細胞から選択される請求項33に記載の方法。
  40. 【請求項40】 調整アニオンが:アデノシン5’−三リン酸、2’−デオ
    キシアデノシン 5’−三リン酸、2’−デオキシシトシン 5’−三リン酸、
    β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、グアノシン5’−三リン酸、2’−デ
    オキシグアノシン5’−三リン酸、ウリジン5’−三リン酸、ジチオリン酸塩、
    チミジン5’−三リン酸、トリポリリン酸塩、D−ミオ−イノシトール1,4,
    5−三リン酸および硫酸塩から選択される請求項33に記載の方法。
  41. 【請求項41】 調整アニオンが:アデノシン5’−三リン酸(ATP)、
    β−グリセロールリン酸、ピロリン酸塩、ジチオリン酸塩および硫酸塩から選択
    される請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 癌細胞成長の阻害剤として生体内で効果的な化合物を認識
    するためのアッセイであって、 a)インキュベーション培地において試験化合物の存在下に試験細胞をインキ
    ュベートする工程; b)ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシル
    タンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるタンパク質を単離
    する工程;および c)加工されたタンパク質の量および加工されなかったタンパク質の量を測定
    する工程 を含んでなるアッセイ。
  43. 【請求項43】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およ
    びファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質である、
    タンパク質がK4B−Ras及びRap1から選択される請求項42に記載のア
    ッセイ。
  44. 【請求項44】 工程b)におけるタンパク質が、ゲラニルゲラニルタンパ
    ク質トランスフェラーゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ
    の両方の基質である請求項42に記載のアッセイ。
  45. 【請求項45】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およ
    びファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるタ
    ンパク質がK4B−Rasである請求項42に記載のアッセイ。
  46. 【請求項46】 タンパク質を単離する工程が、細胞を溶解し次に溶解産物
    からのタンパク質を免疫沈降させるさらなる工程を含む請求項42に記載のアッ
    セイ。
  47. 【請求項47】 溶解産物からの上澄みを2回免疫沈降させる請求項45に
    記載のアッセイ。
  48. 【請求項48】 タンパク質を単離する工程が、細胞を溶解し次に溶解産物
    からのタンパク質を免疫沈降させるさらなる工程を含む請求項45に記載のアッ
    セイ。
  49. 【請求項49】 溶解産物からの上澄みを2回免疫沈降させる請求項48に
    記載のアッセイ。
  50. 【請求項50】 溶解産物からの上澄みを、全Rasモノクローナル抗体で
    免疫沈降させ、第1の沈降から得られるタンパク質混合物をK−Ras特異的モ
    ノクローナル抗体で免疫沈降させる請求項49に記載のアッセイ。
  51. 【請求項51】 試験細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換R
    at1細胞から選択される請求項42に記載のアッセイ。
  52. 【請求項52】 工程b)のタンパク質を、放射標識したアミノ酸をインキ
    ュベーション培地に導入することにより放射標識する請求項42に記載のアッセ
    イ。
  53. 【請求項53】 工程b)のタンパク質を、S35放射標識メチオニンおよ
    びS35放射標識システインの一方または両方から選択される放射標識したアミ
    ノ酸をインキュベーション培地に導入することにより放射標識する請求項42に
    記載のアッセイ。
  54. 【請求項54】 癌細胞成長の阻害剤として生体内で効果的な化合物を認識
    するためのアッセイであって、 a)インキュベーション培地において試験化合物の存在下に試験細胞をインキ
    ュベートする工程; b)ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およびファルネシル
    タンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基質であるタンパク質を単離
    する工程;および c)加工されなかったタンパク質の量を測定する工程 を含んでなるアッセイ。
  55. 【請求項55】 工程b)におけるタンパク質が、ゲラニルゲラニルタンパ
    ク質トランスフェラーゼI型の基質である請求項54に記載のアッセイ。
  56. 【請求項56】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基
    質であるタンパク質がRap1である請求項55に記載のアッセイ。
  57. 【請求項57】 タンパク質を単離する工程が、細胞を溶解し次に電気泳動
    により細胞タンパク質を分離するさらなる工程を含む請求項54に記載のアッセ
    イ。
  58. 【請求項58】 タンパク質を単離する工程が、非加工タンパク質に特異的
    な抗体を用いて電気泳動ゲル上でウェスタンブロットを行うさらなる工程を含む
    請求項57に記載のアッセイ。
  59. 【請求項59】 非加工タンパク質に特異的な抗体が抗−Rap1A抗体(
    Santa Cruz Biochemical SC1482)である請求項
    58に記載のアッセイ。
  60. 【請求項60】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなるプレニルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する
    方法であって、前記化合物は a)請求項53に記載のアッセイにより決められるその化合物の存在下におけ
    る細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラー
    ゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基
    質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの25%を超える阻
    害;および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値) を特徴とするものである方法。
  61. 【請求項61】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよび
    ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型を阻害する方法であって、
    前記化合物は a)請求項53に記載のアッセイにより決められるその化合物の存在下におけ
    る細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラー
    ゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基
    質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの25%を超える阻
    害; b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値);および c)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
    ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約5μMより低いIC50(生体外阻害活
    性の測定値) を特徴とするものである方法。
  62. 【請求項62】 薬学的有効量の化合物を、それを必要としている哺乳動物
    に投与することを含んでなる癌を治療する方法であって、前記化合物は a)請求項53に記載のアッセイにより決められるその化合物の存在下におけ
    る細胞のインキュベーション後にゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラー
    ゼI型およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの一方または両方の基
    質である新しく合成されたタンパク質の細胞プロセッシングの25%を超える阻
    害; b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対して約1μ
    Mより低いIC50(生体外阻害活性の測定値);および c)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
    ゲラニルゲラニル残基の転移に対して約5μMより低いIC50(生体外阻害活
    性の測定値) を特徴とするものである方法。
  63. 【請求項63】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤
    として生体内で効果的なプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識す
    る方法であって、請求項53に記載のアッセイにおいて試験化合物を評価するこ
    と;および a)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼI型によるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質への
    ゲラニルゲラニル残基の転移に対するその生体外阻害活性について試験化合物を
    評価すること を含んでなる方法。
  64. 【請求項64】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤
    として生体内で効果的なプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識す
    る方法であって、請求項53に記載のアッセイにおいて試験化合物を評価するこ
    と;および a)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
    体外阻害活性について試験化合物を検定すること を含んでなる方法。
  65. 【請求項65】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤
    として生体内で効果的なプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を認識す
    る方法であって、請求項53に記載のアッセイにおいて試験化合物を検定するこ
    と;および a)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
    体外阻害活性について試験化合物を検定すること を含んでなる方法。
  66. 【請求項66】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およ
    びファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤であると共に突然変異K
    −RasBタンパク質により特徴付けられる癌細胞の成長の阻害剤として生体内
    で効果的である化合物を認識する方法であって、請求項53に記載のアッセイに
    おいて試験化合物を評価すること; a)調整アニオンの存在下においてゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェ
    ラーゼによるCAAXモチーフを含むタンパク質またはペプチド基質へのゲラ
    ニルゲラニル残基の転移に対するその生体外阻害活性について試験化合物を検定
    すること;および b)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
    体外阻害活性について試験化合物を検定すること を含んでなる方法。
  67. 【請求項67】 タンパク質が、K4B−RasおよびRap1から選択さ
    れる請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型の基
    質であるタンパク質がK4B−Rasである請求項66に記載の方法。
  69. 【請求項69】 タンパク質を単離する工程が、細胞を溶解し次に溶解産物
    からのタンパク質を免疫沈降させるさらなる工程を含む請求項66に記載の方法
  70. 【請求項70】 溶解産物からの上澄みを2回免疫沈降させる請求項67に
    記載の方法。
  71. 【請求項71】 タンパク質を単離する工程が、細胞を溶解し次に溶解産物
    からのタンパク質を免疫沈降させるさらなる工程を含む請求項67に記載の方法
  72. 【請求項72】 溶解産物からの上澄みを2回免疫沈降させる請求項71に
    記載の方法。
  73. 【請求項73】 溶解産物からの上澄みを、全Rasモノクローナル抗体で
    免疫沈降させ、第1の沈降から得られるタンパク質混合物をK−Ras特異的モ
    ノクローナル抗体で免疫沈降させる請求項71に記載の方法。
  74. 【請求項74】 試験細胞がPSN−1細胞およびK−ras−形質転換R
    at1細胞から選択される請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およ
    びファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤であると共に突然変異K
    −RasBタンパク質により特徴付けられる癌細胞の成長の阻害剤として生体内
    で効果的である化合物を認識する方法であって、請求項53に記載のアッセイに
    おいて試験化合物を評価すること;および a)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
    体外阻害活性について試験化合物を検定すること を含んでなる方法。
  76. 【請求項76】 ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼI型およ
    びファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤であると共に突然変異K
    −RasBタンパク質により特徴付けられる癌細胞の成長の阻害剤として生体内
    で効果的である化合物を認識する方法であって、請求項59に記載のアッセイに
    おいて試験化合物を評価すること;および a)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼによるCAAXモチーフを
    含むタンパク質またはペプチド基質へのファルネシル残基の転移に対するその生
    体外阻害活性について試験化合物を検定すること を含んでなる方法。
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