JP2001513495A - 外科的処置を容易にする組成物、装置および方法 - Google Patents

外科的処置を容易にする組成物、装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 患者にて、外科的処置を行う方法が提供されており、ここで、この外科的処置中にて、この外科的処置を容易にするために、自律的な心室導電性および逸脱拍動は、可逆的かつ一時的に抑制される。患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物もまた、提供されている。この組成物は、AVノード遮断薬を含有し得る。1実施態様では、房室(AV)ノード遮断薬およびβ−遮断薬を含有する組成物が提供されており、ここで、このβ−遮断薬は、患者にて心室不全収縮を誘発するのに必要なAVノード遮断薬の量を実質的に減らすのに充分な量で、存在している。この組成物および方法は、拍動している心臓にて、一時的な心室不全収縮を誘発するために、また、種々の外科的手法(これには、最小侵襲顕微手術が含まれる)の実施を容易にするために、使用され得る。患者に外科的処置を実施する方法が提供されており、ここで、一時的で可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物は、例えば、冠状動脈内注入により、心臓に投与される。この心臓は、次いで、電気的ペーシングシステムを用いて、電気的に鼓動され、それにより、患者の血液循環を維持する。この電気的な鼓動は、次いで、選択的かつ断続的に停止されて、心室不全収縮を起こらせ、この外科的治療処置の工程(例えば、縫合)は、この電気的鼓動が断続的に停止している時間中にて、行われる。この方法および組成物は、有利なことに、一定範囲の異なる外科的処置(心臓処置、血管処置および神経処置を含めて)で使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の引用) 本願は、1997年8月8日に出願された米国暫定特許出願第60/055,
127号(その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている)の特典を
請求している。
【0002】 (技術分野) 本発明は、医療処置および外科的処置(例えば、心臓外科的処置(最小侵襲性
冠状動脈バイパス手術を含めて))の実施を容易にする組成物および方法に関す
る。
【0003】 (背景技術) 心発作および狭心症(胸痛)は、冠状動脈の閉塞により、引き起こされる。ア
テローム性動脈硬化は、冠状動脈閉塞の主要な原因であるが、動脈壁内での脂肪
質の物質、コレステロール、カルシウムおよび繊維素の堆積により、特徴付けら
れる。冠状動脈が狭くなるにつれて、血流は少なくなり、多量に必要な酸素を心
臓から奪っていく。この現象は、心筋虚血と呼ばれる。重症で長期の心筋虚血に
より、心筋に対する不治の損傷、著しい心臓不全、および死亡の可能性が生じる
。医療治療は別として、アテローム性動脈硬化は、冠状動脈バイパス手術(CA
BG)、経皮的経管的冠状動脈形成術(PTCA)、ステント、アテローム切除
術、および経心筋レーザー血管再生術(TMLR)で処置される。
【0004】 PTCA、ステントおよびアテローム切除術が適当ではないかまたは成功しな
い患者では、CABGは、一般に好まれる処置である。通常のCABG手術では
、胸部にて、長い縦の切開が施され、胸骨が縦に分割されて、その半分は、心臓
へのアクセスを与えるために、バラバラに広げられる。次いで、心肺バイパス(
CPB)を確立するために、2個の大穴管またはカニューレが、右心房および大
動脈に直接挿入される。大動脈は、この大動脈カニューレに近接して配置された
外部クランプで閉塞される。この大動脈クランプに近接して、第三のカニューレ
が挿入され、そして心臓麻痺液を冠状動脈へと送達するために、使用される。高
カリウム心臓麻痺液は、心房および心室の収縮を停止することにより、心臓を保
護して、それにより、その代謝要求を低くする。心臓が拍動していないとき、身
体の残りの部分への血流は、CPBにより供給される。心肺バイパスは、右心房
にあるカニューレを通して脱酸素した血液を除去すること、この血液に酸素を注
入すること、次いで、それを、大動脈にあるカニューレを通して患者へと戻すこ
とに関与している。心臓が動かなくなると、外科医は、冠状動脈閉塞部の回りの
血液を再指示することにより、血流を虚血性心筋へと増大させる。閉塞部をバイ
パスするいくつかの方法があるものの、最も重要な方法は、左内胸動脈(LIT
A)を使用することを包含する。このLITAは、通常、左鎖骨下動脈から始ま
り、そして胸骨のすぐ側方の前胸壁に沿って進む。この手術のためには、このL
ITAは、この胸壁から移動され、その近位の基点を無傷のまま残しつつ、この
遠位末端が分割されて、閉塞部位を越えて、冠状動脈(最も一般的には、左前下
行冠状動脈)へと縫い付けられる。このLITA吻合が完了し、そして任意の別
の動脈または静脈移植が完了した後、CPBは、心臓がその通常の律動を再開す
るにつれて、引き離される。これらのカニューレが取り除かれ、一時的なペーシ
ングワイヤが心臓に縫い付けられ、そしてプラスチック管が胸壁に通されて、心
臓の近くに配置され、いずれかの残留液体捕集物を排出させる。この胸骨の2個
の半分部分は、鋼鉄ワイヤを用いて接近される。
【0005】 CABGを実施する伝統的な方法は、著しい手術外傷および患者死亡率を伴う
ので、胸骨の分割を避けたより侵襲性の少ない外科的手法を開発することが注目
されている。この新規な手法は、肋骨間に配置されたより小さな切開部を介して
、CPBと共にまたはCPBなしで、実施される。1方法は、ポートアクセスと
呼ばれていて、CPBを確立するために、鼠径部カニューレ挿入法を利用するの
に対して、他の方法は、最小侵襲性直接冠状動脈バイパスまたはMIDCABと
呼ばれ、拍動している心臓にて実施され、従って、CPBを必要としない。これ
らの手法が、従来のCABGと比較して、手術外傷を少なくすることに成功する
限りにおいて、術後の苦痛は改善され、入院期間は短くなり、そして正常な活動
への復帰が早まる。ポートアクセス方法は、大腿静動脈(venoarteri
al)CPBおよび大動脈内(大動脈内部)バルーンカテーテル(これは、その
遠位末端にある膨張可能バルーンによって、大動脈クランプとして機能する)を
使用することにより、胸骨分割切開を回避している。
【0006】
【数1】 このカテーテルはまた、心臓麻痺液を送達し大動脈根(aortic root
)を通気するための別個の管腔を包含する。あるいは、内部頸静脈には、異なる
カテーテルが経皮的に置かれ、そして逆行性心臓麻痺液の送達のために、冠状静
脈洞に配置し得る。冠状動脈バイパス移植は、LITAの切開と直接視下でのア
テローム硬化性冠状動脈への吻合とを伴って、別個の限定左前部開胸切開術によ
って、実施される。冠状動脈への他のバイパス移植は、LITAへと縫い付けた
橈骨動脈を用いて、達成できる。ポートアクセス手法の記述は、米国特許第5,
452,733号で見られ、その完全な開示内容は、本明細書中で参考として援
用されている。それゆえ、このポートアクセス方法は、手術外傷および死亡率を
低くするための一次手段として、正確な冠状動脈吻合を容易にするために、心臓
を動かないまま維持しつつ、胸骨を分割する切開を回避することに焦点を当てて
いる。この論点を支持する動かし難い証拠は、しかしながら、稀である。さらに
、この限定切開により実施される冠状動脈吻合の有効性に関する証拠は存在せず
、また、大動脈内バルーンクランプの安全性および鼠径部カニューレ挿入法の血
管後遺症に関する証拠もない。最後に、このポートアクセス方法では、心肺バイ
パスの損傷効果が避けられず、これには、以下が挙げられる:1)全身的な炎症
応答;2)間質性肺水腫;3)神経心理学的な障害;4)急性腎不全;および5
)非機械的な微小血管の出血。
【0007】 このMIDCAB方法もまた、胸骨を分割する切開を回避しており、その代わ
りに、限定左前部開胸切開術を行う。
【0008】
【数2】 同様に、次いで、直接視下にて、LITAの切開および冠状動脈への吻合が実施
される。このMIDCAB法とポートアクセス法との間の原理的な相違は、しか
しながら、心臓麻痺液およびCPBの使用を含む。
【0009】
【数3】 MIDCABは、拍動している心臓において実施するので、心臓麻痺液、大動脈
横断クランプ固定およびCPBは必要ではない。この方法は、従って、通常のC
ABG後の手術外傷および死亡率を低くするための一次手段として、心肺バイパ
ス、大動脈横断クランプ固定および胸骨分割切開の回避に焦点を当てている。
【0010】 従来のCABGと比較したMIDCABの潜在的な利点には、以下が挙げられ
る:1)CPBおよび大動脈横断クランプ固定の回避;2)少ない塞栓性心発作
;3)少ない血液損失、それゆえ、輸血必要性の低下;4)少ない術中上室不整
脈;5)機械的な人工呼吸支持体の早期の分離;6)集中治療室滞在の短縮また
は排除;7)短い入院期間;8)術前活動レベルへの早期の回復を伴う短い全回
復期間;および9)低い全体的な費用。これらの潜在的な利点にもかかわらず、
しかしながら、冠状動脈吻合に対するLITAの耐久性は、不確かである。最近
のAmerican Heart Association 69th Ann
ual Scientific Sessionでは、Mayo Clinic
グループは、MIDCABを受けた15人の患者について、報告した。これら1
5人の患者のうち、3人、すなわち、20%は、同じ入院期間中にて、その吻合
を復活させるために、再手術が必要であった。
【0011】
【数4】 しかしながら、Loma Linda University Medical
Centerの報告は、さらに重要であり、これは、拍動心臓手術を受けた患
者の下位集合にて、左前下行冠状動脈に対する7年間のLITAの開放割合が4
2%であり、また、再発性狭心症を呈したことを立証した。対照的に、年齢、性
別および疾患重症度に合致した対照群での開放割合は、92%であった。
【0012】
【数5】 最後に、このMIDCAB方法は、殆ど、左前下行冠状動脈の孤立疾患を有する
患者に制限されているので、アテローム硬化性心臓疾患を有する大多数の患者は
、適当な候補者ではない。それゆえ、MIDCABの潜在的な利点にもかかわら
ず、その安全性、効能および利用可能性は、不確実のままである。
【0013】 MIDCAB中にて、正確に冠状動脈を吻合するには、大きな障害がある。心
臓の絶え間ない並進運動および冠状動脈の開口部からの出血により、しばしば矮
小な冠状血管での正確な縫合の配置が妨害される。出血は、近位および遠位の冠
状動脈オクルダーを使用することにより、可能なとき、その動脈開口部近くの対
角枝および中隔枝を排除することにより、また、連続的な生理食塩水の潅注また
は湿潤化二酸化炭素ガス注入により、少なくできるものの、拍動している心臓の
絶え間のない運動は、最小侵襲性冠状動脈バイパスの弱点として残っている。
【0014】 要約すると、ポートアクセス法および最小侵襲性直接冠状動脈バイパス法は、
胸骨分割切開に付随した手術外傷および死亡率をなくすものの、両者には、重大
な欠点がある。このポートアクセス方法では、心肺バイパスおよび大動脈横断ク
ランプ固定の死亡率、および装置の価格が重荷となっている。さらに、大動脈内
バルーンクランプの安全性および鼠径部カニューレ挿入法の血管後遺症は、未解
決の問題である。このMIDCAB方法は、拍動している心臓の絶え間のない運
動(これは、正確な冠状動脈吻合を不可能にする)の危険に晒されている。MI
DCAB後の相当割合の患者における、乏しい移植片開放割合および早期再手術
の必要性の報告は、この処置の技術的な困難を立証している。
【0015】 従来のCABGは、心臓麻痺剤の使用による心臓の停止、大動脈の横断クラン
プ固定および心肺バイパスが必要である。これらの心臓麻痺剤は、拍動している
心臓を停止し、それにより、正確な縫合配置および他の外科的処置を可能にする
。硫酸マグネシウム、クエン酸カリウムおよびネオスチグミンの混合物は、心肺
バイパス中にて、心臓麻痺を誘発するのに使用されている。
【0016】
【数6】 マグネシウムおよびカリウムの両方は、現在の心臓麻痺液の欠くことのできない
成分であるものの、ネオスチグミンは、最終的には、省かれた。クエン酸カリウ
ムは、現在、最も一般的に使用されている心臓麻痺剤である。カリウムは、興奮
収縮連関を妨害するが、しかしながら、電気刺激により心臓をペーシングするこ
とを不可能にし、患者を持ちこたえさせるために、心肺バイパスシステムの使用
が必要となる。心室収縮速度を遅くするためにヒトの心臓手術で使用されている
他の化学剤には、アセチルコリン、ネオスチグミン、アデノシン、リグノカイン
およびエスモロールが挙げられる。他の試薬であるカルバコールまたはカルバミ
ルコリンは、実験動物において、心臓停止を誘発するのに使用されている。Br
oadleyおよびRothaul, Pflugers Arch., 39
1:147〜153(1981)。
【0017】 アセチルコリンは、心肺バイパス形成手術中にて、心臓麻痺剤として使用され
ている。
【0018】
【数7】 心室不全収縮は、心室中隔へのリグノカインの直接注射により、達成される。
【0019】
【数8】 充分な心臓出力を維持するために、心外膜ペーシングワイヤが配置され、そして
心室ペーシングが使用された。エスモロールは、心肺バイパス形成手術中にて、
心臓麻痺剤として使用されている。
【0020】
【数9】 要約すると、 正確な冠状動脈吻合を達成するために、動かない手術野 の利点を保持しつつ、心肺バイパスの危険および費用を回避する外科的方法が必
要とされている。さらに、予測可能で制御可能な短期の心臓停止を可能にする方
法および組成物が必要とされており、これは、効果の受容可能な半減期および迅
速な開始を伴って、拍動している心臓を停止または遅くする。短期の心臓停止の
ための組成物および方法であって、心臓、血管系、脳または他の主要臓器で行わ
れる種々の外科的処置で使用できる組成物および方法が必要とされており、この
場合、この処置中では、脈動流、動脈拍動に付随した運動、または出血は、望ま
しくない。
【0021】 (発明の要旨) 内科的または外科的な治療用途で有用な方法、組成物および装置が提供されて
いる。これらの方法および組成物は、心臓手術および他の処置(例えば、神経手
術および血管手術)で有用であり、これらには、心臓収縮の正確な制御が必要で
ある。他の用途には、非侵襲的処置(例えば、経皮的な動脈瘤移植片の配置)お
よび侵襲的処置(例えば、脳外科手術)が挙げられる。外科的処置(例えば、冠
状動脈バイパス)を行うために、本明細書中で開示されている方法および組成物
を使用すると、実質的に動かない手術野が提供される。
【0022】 1局面では、ヒト患者の拍動している心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発す
る方法が提供されており、この方法は、この心臓が電気的にペーシングされる能
力を維持しつつ、心室不全収縮を誘発するのに有効な量で、この患者の心臓に、
化合物およびβ−遮断薬を投与する工程を包含する;ここで、このβ−遮断薬は
、心室不全収縮を誘発するのに必要な化合物の量を実質的に減らすのに充分な量
で、投与される。1実施態様では、この化合物は、房室(AV)結節遮断薬であ
り得る。このβ−遮断薬は、心室不全収縮を誘発するのに必要な量のAVノード
遮断薬を、例えば、AVノード遮断薬単独で心室不全収縮を誘発するのに必要な
量の約50重量%以下にまで減らすのに充分な量で、投与され得る。この化合物
は、コリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、カルバコール)であり得る。
このコリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、カルバコール)は、例えば、
約0.1〜4.8μg/体重1kg/分の量で投与され得る。このβ−遮断薬は
、例えば、プロプラノロールであり得る。このプロプラノロールは、例えば、約
0.01〜0.07 mg/体重1kgの量で投与され得る。1実施態様では、
このβ−遮断薬は、プロプラノロールであり、そしてこのAVノード遮断薬は、
カルバコールであり、そしてこのプロプラノロールは、このカルバコールの投与
前または投与中に投与される。このプロプラノロールおよびカルバコールは、例
えば、患者の冠状動脈に投与され得る。
【0023】 他の実施態様では、ヒト患者の拍動している心臓にて可逆的な心室不全収縮を
誘発する方法が提供されており、この方法は、心室不全収縮を誘発するのに有効
な量で、この患者の心臓に、コリン作用性レセプターアゴニストおよびβ−遮断
薬を投与する工程を包含する;ここで、このコリン作用性レセプターアゴニスト
単独またはβ−遮断薬単独の投与量は、心室不全収縮を誘発するのに充分ではな
い。
【0024】 他の実施態様では、ヒト患者に外科的処置を行う方法が提供されており、この
方法は、以下を包含する:ヒト患者の心臓にβ−遮断薬およびAVノード遮断薬
を投与して、この心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、可逆的な
心室不全収縮を誘発する工程;電気的ペーシングシステムを用いて、この心臓を
電気的にペーシングさせる工程;この電気的なペーシングを選択的かつ断続的に
停止して、心室不全収縮をさせる工程、およびこの電気的なペーシングが断続的
に停止されている時間中にて、この外科的処置を行う工程。1実施態様では、こ
のβ−遮断薬は、このAVノード遮断薬の前に投与される。このAVノード遮断
薬は、カルバコールのようなコリン作用性薬であり得る。このβ−遮断薬は、心
室不全収縮を誘発するのに必要なAVノード遮断薬の量を実質的に減らすのに充
分な量で、投与され得る。この外科的処置は、例えば、心臓外科的処置であり得
る。1実施態様では、この電気的ペーシングは、この電気的ペーシングシステム
に機能的に連結した制御装置を選択的に操作する工程により、この外科的処置を
行う外科医によって、選択的かつ断続的に遮断される。このβ−遮断薬およびコ
リン作用性薬は、例えば、順次または同時に投与され、そして例えば、右または
左冠状動脈、左心室、大動脈、右心室、肺動脈、肺静脈または冠状静脈洞に投与
され得る。このコリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、カルバコール)は
、例えば、約0.1〜4.8μg/体重1kg/分の量で投与され得る。このβ
−遮断薬(例えば、プロプラノロール)は、例えば、約0.01〜0.07 m
g/体重1kgの量で投与され得る。1実施態様では、このβ−遮断薬は、プロ
プラノロールであり、そしてこのAVノード遮断薬は、カルバコールであり、そ
してこのプロプラノロールは、このカルバコールの投与前または投与中に投与さ
れる。
【0025】 1実施態様では、このプロプラノロールは、このカルバコールの投与前に、右
または左冠状動脈での単一のボーラス注射により投与され、そしてこのカルバコ
ールは、単一のボーラス注射に続いた連続注入により、右または左冠状動脈へと
投与されて、上記心室不全収縮が維持される。行い得る外科的処置には、最小侵
襲冠状動脈バイパス処置、神経処置および血管内処置が挙げられる。他の外科的
処置は、肝臓、脾臓、心臓、肺、または主要な血管に対する傷害の治療、ならび
に電気生理学的な手順、および心肺バイパスを用いたまたは用いない心臓手術を
包含する。
【0026】 他の実施態様では、ヒト患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法が提供
されており、この方法は、この患者の心臓に、カルバコールを投与する工程を包
含する。このカルバコールは、例えば、患者の冠状静脈洞に投与され得、または
心室内投与されるか、または大動脈根または冠状動脈に投与され得る。必要に応
じて、プロプラノロールもまた、この患者の心臓に投与され得る。このプロプラ
ノロールは、例えば、このカルバコールの投与前または投与中に、投与され得る
【0027】 さらなる実施態様では、ヒト患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する
方法が提供されており、この方法は、この患者に、約1〜15mg(例えば、約
1〜12mg)の投薬量で、カルバコールを投与する工程を包含する。他の実施
態様では、ヒト患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法が提供され
ており、この方法は、この患者に、0.1〜4.8μg/体重1kg/分の速度
で、カルバコールを投与する工程を包含する。
【0028】 他の実施態様では、ヒト患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法
が提供されており、この方法は、以下を包含する:約0.1〜10μg/患者の
体重1kgのカルバコールの初期冠内ボーラスを投与する工程;および約0.1
〜4.8μg/体重1kg/分の速度で、カルバコールの連続冠内注入液を投与
する工程。このカルバコールの初期冠内ボーラスは、例えば、約1〜5分間にわ
たって投与される。、このカルバコールの冠内注入液は、例えば、約5〜120
分間にわたって投与される。この初期冠内ボーラスは、例えば約0.1〜5μg
カルバコール/体重1kgを含有し得、そして適当な薬学的に容認可能なキャリ
ア中で提供され得る。
【0029】 さらに他の実施態様では、ヒト患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法
が提供されており、この方法は、以下を包含する:約0.5〜3分間にわたって
、約0.01〜0.5 mgのカルバコールの冠内ボーラス注射剤を投与する工
程;および約30〜90分間にわたって、約0.01〜0.3 mg/分の速度
で、カルバコールの冠内注入液を投与する工程。
【0030】 さらに他の実施態様では、ヒト患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を
維持しつつ、この心臓の可逆的な心室不全収縮を誘発する方法が提供されており
、この方法は、以下を包含する:この患者の心臓に、少なくとも、第一の化合物
を投与する工程であって、この第一化合物は、この心臓の第3度AV遮断(th
ird−degree AV block)を誘発できる;そしてこの患者の心
臓に、少なくとも、第二の化合物を投与する工程であって、この第二化合物は、
単独でまたはこの第一の化合物と組み合わせて、この心臓が電気的にペーシング
される能力を維持しつつ、この心臓での異所性心室拍動を実質的に抑制できる。
【0031】 他の実施態様では、患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ
、この心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法が提供されており、この方
法は、以下を包含する:この患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持
しつつ、心室不全収縮を誘発するのに有効な量で、この心臓に、AVノード遮断
薬および化合物を投与する工程であって、ここで、この化合物は、心室不全収縮
を誘発するのに必要なAVノード遮断薬の量を実質的に減らすのに充分な量で、
投与される。
【0032】 さらに他の実施態様では、ヒト患者に外科的処置を実施する方法が提供されて
おり、この方法は、以下を包含する:心臓が電気的にペーシングされる能力を維
持しつつ、この患者に、可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物の有効量を投
与する工程;電気的ペーシングシステムを用いて、この心臓を電気的にペーシン
グさせて、それにより、この患者の血液循環を維持する工程;この電気的なペー
シングを選択的かつ断続的に停止して、心室不全収縮をさせる工程;およびこの
電気的なペーシングが断続的に停止されている時間中にて、この外科的処置を行
う工程。この心室不全収縮を誘発できる組成物は、1実施態様では、房室(AV
)結節遮断薬を含有し得る。この組成物は、さらに、β−遮断薬を含有し得、こ
こで、このβ−遮断薬は、心室不全収縮を誘発するのに必要なAVノード遮断薬
の量を実質的に減らすのに充分な量で、存在している。他の実施態様では、この
組成物は、コリン作用性薬およびβ−遮断薬を含有し得、ここで、このコリン作
用性薬単独またはβ−遮断薬単独のいずれかの投与量(重量基準)は、完全な心
臓ブロックおよび心室補充収縮の抑制を誘発するのに充分ではないが、組み合わ
せると、相乗効果のために、心室不全収縮を誘発するのに効果的である。
【0033】 本発明の他の局面によれば、心臓外科的処置は、心肺バイパスなしで、および
/または大動脈横断クランプ固定なしで、患者の心臓にて、可逆的な心室不全収
縮を誘発する工程により、行われる。
【0034】 他の局面によれば、心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者
にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物が提供されている。この組成物は
、房室(AV)結節遮断薬を含有し得る。1実施態様では、この組成物は、患者
にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる化合物、およびこの患者にて心室不全収
縮を誘発するのに必要な化合物の量を実質的に減らすのに充分な量で、β−遮断
薬を含有する。この組成物は、例えば、房室(AV)結節遮断薬(例えば、カル
バコール)およびβ−遮断薬(例えば、プロプラノロール)を含有し得る。この
β−遮断薬は、1実施態様では、心室不全収縮を誘発するのに必要なAVノード
遮断薬の量を実質的に減らすのに充分な量で、提供される。例えば、このAVノ
ード遮断薬は、AVノード遮断薬単独で心室不全収縮を誘発するのに必要な量の
組成物中、50重量%またはそれ未満あるいは必要に応じて、約1〜20重量%
の量で存在し得る。この組成物は、例えば、約1〜20mgの投薬量で、薬学的
に容認可能な溶液中で、カルバコールを含有し得る。この組成物は、約0.01
〜0.07mg/患者の体重1kgの量で、この患者に投与するための投薬形状
にて、薬学的に容認可能なキャリア中で、プロプラノロールを含有し得る。1実
施態様では、この組成物は、約1〜10mgの投薬量で、薬学的に容認可能な溶
液中で存在しているプロプラノロールを含有し得る。患者に、この組成物の有効
量を投与して、外科的処置中にて、可逆的な心室不全収縮を誘発する方法が提供
されている。
【0035】 他の実施態様では、心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者
にて心室不全収縮を誘発できる組成物が提供されており、この組成物は、コリン
作用性レセプターアゴニストおよびβ−遮断薬を含有する。1実施態様では、こ
の組成物中のコリン作用性レセプターアゴニスト単独またはβ−遮断薬単独のい
ずれかの量は、この患者にて心室不全収縮を誘発するのに充分ではない。
【0036】 他の実施態様では、滅菌投薬形状のカルバコールが提供されており、これは、
外科的処置にて使用するのに適当な形状で、提供され得る。この投薬形状のカル
バコールは、例えば、心臓血管系に、または(例えば、冠状動脈内注入によって
)直接的に心臓に非経口投与するための薬学的に容認可能な形状であり得る。こ
のカルバコールは、種々の薬学的に容認可能なキャリア中で提供され得る。1実
施態様では、滅菌投薬形状のカルバコールは、薬学的に容認可能なキャリア中に
て、約1〜20 mgのカルバコールを含有して、提供される。キャリアには、
生理食塩水を含む水溶液、デキストロースを含む水溶液、水および緩衝化水溶液
が挙げられる。
【0037】 さらに他の実施態様では、本発明は、患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を
誘発できる化合物と共に使用するための薬物の製造でのβ−遮断薬の使用を提供
し、この化合物は、心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者の
心臓にて短命の(transient)可逆的な心室不全収縮を誘発する方法に
て使用するためにあり、このβ−遮断薬の量は、心室不全収縮を誘発するのに必
要な化合物の量を実質的に減らすのに充分である。
【0038】 さらに、β−遮断薬と共に使用するための薬物の製造での、可逆的な心室不全
収縮を誘発できる化合物の使用が提供されており、このβ−遮断薬は、心臓が電
気的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者の心臓にて可逆的な心室不全収
縮を誘発する方法にて使用するためにあり、このβ−遮断薬の量は、心室不全収
縮を誘発するのに必要な化合物の量を実質的に減らすのに充分である。
【0039】 他の実施態様では、コリン作用性レセプターアゴニストと共に使用するための
薬物の製造でのβ−遮断薬の使用が提供されており、このコリン作用性レセプタ
ーアゴニストは、心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者の心
臓にて短命の可逆的な心室不全収縮を誘発する方法にて使用するためにあり、単
独で投与されるコリン作用性レセプターアゴニストの量または単独で投与される
β−遮断薬の量は、患者の心臓にて心室不全収縮を誘発するのに充分ではない。
【0040】 他の局面では、β−遮断薬と共に使用するための薬物の製造でのコリン作用性
レセプターアゴニストの使用が提供されており、このβ−遮断薬は、心臓が電気
的にペーシングされる能力を維持しつつ、患者の心臓にて短命の可逆的な心室不
全収縮を誘発する方法にて使用するためにあり、単独で投与されるコリン作用性
レセプターアゴニストの量または単独で投与されるβ−遮断薬の量は、患者の心
臓にて心室不全収縮を誘発するのに充分ではない。
【0041】 本発明の他の局面によれば、患者の心臓の冠状動脈血管に、送達装置の少なく
とも一部を配置する工程およびこの装置(これは、例えば、カテーテルであり得
る)を用いて、この冠状動脈血管を介して、この患者のAVノードに、心臓麻痺
剤を送達する工程により、この患者は、冠状動脈バイパスのために準備され得る
。1実施態様では、この装置は、この患者の心臓の右冠状動脈に配置される。他
の実施態様では、この装置は、この患者の心臓の左冠状動脈に配置される。この
装置は、出口を包含し得、この出口は、この患者の心臓の右冠状動脈にて、この
AVノード動脈にすぐ近接して配置される。他の実施態様では、この装置出口は
、このAVノード動脈に配置され得る。さらに他の実施態様では、この装置は、
この患者の心臓の中央心臓静脈、あるいはこの患者の心臓の右または左冠状動脈
の口に配置され得る。他の実施態様では、この装置は、大腿動脈を介して導入さ
れ得る。この装置はまた、この患者の大動脈での切開部を介して導入され得る。
【0042】 本発明の他の局面によれば、心室不全収縮を誘発できる1種またはそれ以上の
薬剤を含有するキットが提供されている。例えば、このキットは、AVノード遮
断薬およびβ−遮断薬の別個の容器を包含し得る。1実施態様では、このキット
は、投薬量のコリン作用性レセプターアゴニストを含有する第一容器、および投
薬量のβ−遮断薬を含有する第二容器と共に、提供される。投薬量のコリン作用
性レセプターアゴニストおよびβ−遮断薬が含有され得、これらは、患者にて、
短命の可逆的な心室不全収縮を誘発するための外科的処置での同時使用、別個使
用または順次使用に適当である。1実施態様では、このコリン作用性レセプター
アゴニストは、カルバコールであり、そしてこのβ−遮断薬は、プロプラノロー
ルである。このカルバコールおよび/またはプロプラノロールは、薬学的に容認
可能なキャリア中にあり得る。1実施態様によれば、この第一容器は、約1〜2
0mgのカルバコールを含有し、そしてこの第二容器は、約1〜10mgのプロ
プラノロールを含有する。このキットの他の可能な部分には、ペーシング電極、
薬剤送達装置およびカテーテルが挙げられる。これらの電極は、例えば、心外膜
または心内膜ペーシング電極であり得る。このキットの他の部分には、ペーシン
グカテーテルおよび装置、ならびに冠状動脈灌流カテーテルおよび装置、カテー
テル導入器、ポンプシステムならびに/または管、または他の外科用装置が挙げ
られ得る。この薬剤送達装置は、種々の形状(カテーテル(例えば、薬剤送達カ
テーテルまたはガイドカテーテル)、カニューレまたは注射器および針アセンブ
リを含む)であり得る。この薬剤送達カテーテルは、膨張可能部材、および遠位
部分を有するシャフトを包含し得、ここで、この膨張可能部材は、この遠位部分
に沿って配置されている。この膨張可能部材は、低圧バルーンであり得る。この
キットは、包装した組み合わせ品(例えば、パウチ、バッグなど)であり得る。
このキットは、さらに、外科的処置でのキット部品の使用説明書(例えば、外科
的手順を受ける患者の心臓での短命の可逆的な心室不全収縮を誘発するための化
合物の使用説明書)を包含し得る。
【0043】 本発明の他の局面によれば、ペーシングシステムが提供されており、これは、
以下を包含する:体外ペーサーであって、この体外ペーサーは、ヒトの心臓にペ
ーシング信号を送達するためにある;スイッチであって、このスイッチは、この
ペーサーと連結されている;およびスイッチアクチュエータであって、このスイ
ッチアクチュエータは、このペーサーから遠隔に配列されている。この遠隔アク
チュエータは、例えば、外科的処置中に使用するとき、手順の制御を向上し得る
。このペーシングシステムは、このスイッチと連結されたペーシングリード線を
包含し得、これは、患者の心臓に連結するように適合されている。このスイッチ
は、このペーサーから遠隔にあり得る。このアクチュエータは、このスイッチか
ら遠隔にあり得る。さらに、このアクチュエータは、種々の形状をとり得る。例
えば、1実施態様では、このアクチュエータは、足ペダルを包含し得、他の実施
態様では、針ホルダーを包含し得る。アクチュエータオーバーライド回路もまた
、ペーシングの種々の状態を指示する指示器と共に、提供され得る。
【0044】 上記は、従来技術のいくつかの欠点および本発明の利点の簡単な記載である。
本発明の他の特徴、利点および実施態様は、以下の記載、添付の図面および添付
の特許請求の範囲から、当業者に明らかとなる。
【0045】 (詳細な説明) 医学的および外科的療法適用について有用となる組成物および方法が、提供さ
れる。心筋収縮の精密な制御を必要とする、心臓手術ならびに神経手術および血
管手術などのその他の処置手順のために、この組成物および方法は有用である。
一実施態様では、これら組成物および方法は、人工心肺を用いた、または、人工
心肺を用いない、冠動脈バイパス手順に有用である。本明細書中に開示される冠
動脈バイパスを行うための方法および組成物を用いて、不動の手術分野が提供さ
れる。
【0046】 本発明の方法および組成物は、制御型暫定的完全心臓ブロックおよび心室性逸
脱収縮の抑制を必要とする、任意の手順に有用である。このような手順の例とし
ては、冠状動脈バイパス手術(完全なまたは部分的な胸骨切開または開胸を伴う
)、経心筋層レーザー血管再生、電気生理学的実験室手順などの頻拍性不整脈手
術(不整脈の診断および治療的消失)、CATスキャンまたはMRI手順のよう
な心臓および大血管の画像化手順、経皮経管冠動脈血管形成術、冠動脈ステント
または大動脈ステントのようなステントの設置、外科手順(例えば、肝臓、脾臓
、心臓、肺、または主要血管への、かかる器官または構造体への医原性損傷およ
び外傷性損傷を含む損傷の処置)中に制御不可能な出血が存在するかまたは予想
される、もしくは有意な出血の制御が必要とされる手術、経皮大動脈瘤移植片配
置を含む他の手順、および、動脈瘤修復のような神経外科処置手順が挙げられる
。これらの方法および組成物は、拍動流、動脈拍動と関連する動きまたは出血が
手術手順の良好な完了を妨げる場合に、心臓、脈管系、脳、または、これ以外の
主要器官に対する任意の外科手術手順または処置に有用である。
【0047】 例えば、外科手術処置手順の前に、心室収縮不全を患者に誘発させるために、
これらの組成物および方法が利用され得る。本明細書中で用いられる「心室収縮
不全」という用語は、心室における自律電気伝導および補充調律が抑制される状
態を称する。好ましくは、1分あたり約25拍動より少なく心臓が拍動する、例
えば、1分間あたり約12拍動よりも少ない、心臓の状態が誘発される。誘発さ
れた心室収縮不全は可逆性であり、反転後は、心臓機能が回復され、心臓は自律
機能を継続し得る。一過性可逆性心室収縮不全を信頼性高くかつ予想通りに誘発
し得る、薬学的に容認可能な組成物が好ましい。
【0048】 自律心室電気伝導および補充調律を抑制し得る組成物は、1つの実施態様にお
いては、房室(AV)結節遮断薬を含み得る。本明細書中で使用されるように、
用語「AVノード遮断薬」は、AVノードにおける自律電気伝導を可逆的に抑制
し得ると同時に、さらに心拍出量を維持するために心臓が電気的にペーシングさ
れ得るようにする化合物を称する。好ましくは、AVノード遮断薬、または、A
Vノード遮断薬を含む組成物は、心臓のAVノードにおける心室補充収縮および
心悸動伝達を低減または遮断する一方で、心臓のペースメーカーセルの脱分極へ
の影響は最小限になるかまたは存在しない。AVノード遮断薬は、好ましくは、
第3度のAV遮断または完全なAV遮断を誘発し、もしくは、心室収縮が、1分
あたり約25拍動より少なく心臓が拍動する、例えば、1分間あたり約12拍動
よりも少ない点まで、AV伝導を遅延する。AVノード遮断薬、または、AVノ
ード遮断薬を含む組成物は、好ましくは、可逆性心室収縮不全を誘発し、そして
制限された期間、心臓をペースメーカーに完全に依存させ、その結果として、外
科手術工程期間中はペースメーカーはペーシングを維持するために、かつ、ペー
シングを間欠的に停止させるために使用され得る。次いで、外科手術処置手順が
完了した後、例えば、約2時間より短い期間のうちに、心臓はその正常な内在性
律動へと戻され得る。
【0049】 具体的なAVノード遮断薬としては、カルシウムチャネル遮断薬、アデノシン
A1レセプターアゴニスト、アデノシンデアミナーゼインヒビター、コリンエス
テラーゼインヒビター、モノアミンオキシダ−ゼインヒビター、セロトニン作動
性アゴニスト、抗不整脈薬、強心配糖体、局所麻酔薬およびこれらの組み合わせ
が挙げられる。AVノード遮断薬の例としては、アデノシン、ジゴキシン、ジギ
タリス、プロカイン、リドカイン、プロカインアミド、キニジン、ベラパミル、
クロロキン、アミオダロン、エスモジン(ethmozine)、プロパフェノ
ン、フレカイニド、エンカイニド、ピロカルピン、ジルチアゼム、ジピリダモー
ル、イブチリド、ザプラネスト(zapranest)、ソタロール、メトクロ
プロミド(metoclopromide)およびこれらの組み合わせが挙げら
れる。AVノード遮断薬はまた、直接電気刺激、迷走神経刺激、超音波エネルギ
ーを用いての刺激および寒冷(cryonic)媒体を用いたAVノードの一時
的冷却を含む他の方法によっても達成され得る。寒冷媒体としては、低温保持装
置のようなデバイスおよびAVノードにおいて低温を誘発し得る寒冷化学物質が
挙げられる。
【0050】 AVノード遮断薬は、心室収縮不全を引き起こす能力があるが、好ましい実施
態様では、コリン作用性薬である。本明細書中で使用されるように、「コリン作
用性薬」という用語は、好ましくはアゴニストである、コリン作用性レセプタ調
節物質を称する。好ましい実施態様におけるコリン作用性薬は、カルバコール(
カルバミルコリンクロリド)である。使用され得る他のコリン作用性薬としては
、天然に存在するコリン作用性(アセチルコリン)レセプターアゴニスト、また
は、合成誘導体が挙げられる。例示的なコリン作用性薬としては、アセチルコリ
ン、メタコリン、ベタネコール、アレコリン、ノルアレコリン、ピリドスチグミ
ン、ネオスチグミンおよび他の直接的または間接的レセプター刺激によりサイク
リックGMPレベルを増大する薬剤が挙げられる。
【0051】 一実施態様においては、AVノードおよび心室における補充収縮の抑制を伴っ
て、洞房結節から心室への電気インパルスの自律伝導を遅くし得る、または、阻
止し得る組成物および方法が提供される。好ましくは、心臓が、1分あたり約2
5拍動より少なく心臓が拍動する、例えば、1分間あたり約12拍動よりも少な
く拍動する、心臓の状態が誘発される。
【0052】 本明細書中に使用されるように、用語「βアドレナリン作用性遮断薬」は、「
β遮断薬」とも称されるが、βアドレナリンレセプタ作用点を遮断し得る薬剤と
して定義される。好ましい実施態様においては、β遮断薬はプロプラノロールで
ある。採用され得る他のβ遮断薬としては、アテノロール、アセブトロール、ラ
ベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロー
ル、ピンドロール、ソタロール、および、チモロールが挙げられる。他の例示的
なβ遮断薬としては、セリプロロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソ
プロロール、エスモロール、アルプレノロール、カルテオロール(carter
olol)、ナドロールまたはテラトロール(teratolol)およびこれ
らの混合物が挙げられる。β遮断薬は、βアドレナリンレセプター作用点を遮断
し得る天然に生じるアナログかまたは合成性アナログであり得る。
【0053】 一実施態様においては、ヒト患者の拍動する心臓における可逆性心室収縮不全
は、自律心室電気伝導および補充調律を抑制し得る組成物を患者に投与すること
により、誘発される。一実施態様においては、心室収縮不全を誘発し得る組成物
は、AVノード遮断薬のような心室収縮不全を誘発し得る第1の化合物および心
室収縮不全を誘発するのに必要とされる化合物の量を実質的に減じるのに十分な
量で存在するβ遮断薬を含み得る。一実施態様では、β遮断薬を有するAVノー
ド遮断薬のような、化合物の組み合わせは、可逆性心室収縮不全を誘発するのに
必要とされるAVノード遮断薬の量が、必要とされるAVノード遮断薬単独の量
と比較して、低減され得るように相乗効果を提供する。心室収縮不全を誘発する
ために投与される必要のある化合物の量を実質的に低減するのに効果的な量で、
心室収縮不全を誘発し得る化合物の前または同時のいずれかの時期に、β遮断薬
が投与される方法もまた、提供される。
【0054】 特定の実施態様においては、心室収縮不全は、心室収縮不全を誘発するのに効
果的な量で患者の心臓にコリン作用性レセプターアゴニストおよびβ遮断薬を投
与することにより、ヒト患者の拍動する心臓において誘発されるが、この場合、
コリン作用性レセプタアゴニスト単独またはβ遮断薬単独の投与量は、心室収縮
不全を誘発するのに十分ではない。一実施態様においては、β遮断薬とコリン作
用性薬との同時投与は相乗効果を提供し、その結果として可逆性心室収縮不全を
誘発するように投与されるコリン作用性薬剤の量を低減し得る。
【0055】 従って、ヒト患者の心臓における可逆性心室収縮不全は、AVノード遮断薬、
または、AVノード遮断薬を患者の心臓に投与することにより、誘発され得る。
可逆性心室収縮不全は、任意で、コリン作用性薬のようなAVノード遮断薬と1
種以上のβ遮断薬との組み合わせを患者の心臓に投与することにより、誘発され
る。好ましくは、β遮断薬は、AVノード遮断薬の前、または、それと同時に、
いずれかの時期に投与される。
【0056】 外科手術処置手順が遂行されるべき実施態様においては、可逆性心室収縮不全
を誘発した後で、この方法は、電気ペーシングシステムを用いて心臓を電気的に
ペーシングし、それによって患者の血液循環を維持する工程;心室収縮不全を可
能にするように電気ペーシングを選択的に間欠停止する工程;および、電気ペー
シングが間欠的に停止される時間間隔の間に、外科手術処置手順を遂行する工程
をさらに包含する。
【0057】 この方法は、例えば、心臓外科手術処置手順において使用され得る。電気ペー
シングは、電気ペーシングシステムに機能的に連結される制御部を選択的に操作
することにより、外科手術処置手順を遂行する医者により、制御され得る。一旦
可逆性心室収縮不全が達成されると、心臓のペーシングは、心臓に接続される外
部ペースメーカーを利用して実現され得、ペースメーカーは、例えばフットスイ
ッチにより周期的に非作動状態にされて、可逆性心室収縮不全を可能にし得、そ
れによって人工心肺を用いた、または、人工心肺を用いない冠状動脈バイパス、
あるいは、患者の肉体の他の部分での他の処置手順の実施を促進し得る。
【0058】 例えば、冠動脈バイパスを遂行するには、患者の心臓には、外科医により制御
される電気ペーシングデバイスに接続された、心室ペーシング電極が、設けられ
る。次いで、例えば、AVノード遮断薬およびβ遮断薬を含む組成物は、可逆性
心室収縮不全を誘発するように、患者に投与される。次いで、医者は、心臓のペ
ーシングおよび患者の循環を持続させるためのペーシングデバイスを使用する。
医者は、単一縫合部を設けるように、数秒間、電気ペーシングを間欠的に停止し
、各連続縫合処理の後でその動作を再開し、それによって、厳密な心臓吻合が実
施されるのを可能にする。この方法では、心室(および/または心房)は電気的
にペーシングされ、そして、好ましくは約2秒〜15秒、およびより好ましくは
、約2秒〜5秒、冠状動脈に単一縫合部を正確に設けるのに必要な短い期間を除
いて、正常な心拍出量を維持する。本明細書中に記載される方法および組成物を
利用して、心室収縮の速度とタイミングが、直接制御され得る。
【0059】 この方法では、β遮断薬と組み合わせたAVノード遮断薬、または、β遮断薬
の後で投与されるAVノード遮断薬のような、心室収縮不全を誘発する組成物が
、右冠状動脈に設置されたカテーテルを通して注入され得る。
【0060】 一実施態様では、心臓のAVノードに局所的に組成物が輸送されるが、この組
成物は、心臓のAVノード動脈を介して同部位に作用する。この組成物は、血液
をAVノード動脈に給送する右冠状動脈に輸送されるのが、好ましい。大半の患
者においては、右冠状動脈は、心臓の右側とAVノードとに血液を供給する主要
血管である。しかし、右冠状動脈が実質的に完全に閉塞される場合と、患者の約
20%という小集団においては、左冠状動脈を源とする左前方下行動脈の第1の
中隔分岐部は、AVノードに血液を輸送する血管であり得、AVノードに組成物
を輸送するための輸送導管として選択され得る。これに加えて、AVノードへの
他の可能な投与経路としては、クーゲル(Kugel)動脈および右上方下行動
脈が挙げられ得る。好ましくは、組成物は、AVノード動脈への分岐付近で、か
つ、後方下行動脈に入る右冠状動脈の分岐に近接した位置において、右冠状動脈
内部に好適に位置決めされた薬物輸送カテーテルのような、多数の薬物輸送手段
のうちのいずれか1つにより、右冠状動脈または左冠状動脈に輸送される。他の
投与方法が使用され得、これには、例えば、右冠状動脈または第1中隔分岐のよ
うなAVノードへ血液を供給し得る上述の血管のいずれかへの、皮下針注射が挙
げられる。他の投与方法としては、大動脈への針注射、AVノード動脈またはA
Vノード自体への直接的な針注射、経心外膜吸収パッド、すなわち、心臓心筋へ
直接的に組成物をゆっくりと放出する心筋パッチおよび、例えば、術中カニュー
レ、あるいはX線透視検査の必要性を伴わずに大動脈または冠状血管の口へと医
者により外科手術で配置され得る類似のガイド導入機器またはシースが挙げられ
る。
【0061】 組成物が心室収縮不全の所望の効果を達成すると、心室は、安定した律動と血
圧を維持するように、電気的にペーシングされる。心臓の電気ペーシングを中断
するために、医者は、図1に示されるような、フットペダルまたは把持式アクチ
ュエータのような従来型制御手段を使用し、それにより、冠状動脈壁に縫合部が
設けられる場合に心臓を停止させ得る。医者が縫合部を設ける重要な期間は心臓
が運動しなくなるので、精度と安全性が向上させられる。冠状動脈内に単一縫合
部を設けるのに必要な時間は、15秒を超えないのが好ましく、およそ2秒から
5秒であるのが好ましく、およそ2秒から4秒であるのが最も好ましい。従って
、組成物は、収縮する心臓の並進運動の消去を可能にし得る。
【0062】 一実施態様においてコリン作用性レセプターアゴニストおよびβ遮断薬を含む
、患者に心室収縮不全を誘発する能力のある組成物が提供されるが、この場合、
組成物中のコリン作用性レセプターアゴニスト単独またはβ遮断薬単独の量は、
患者に心室収縮不全を誘発するのに十分ではない。コリン作用性レセプターアゴ
ニストおよびβ遮断薬が連続的にかまたは一緒にのいずれかで投与され、それに
より患者に心室収縮不全を誘発させ得る方法が提供されるが、ここで、単独で投
与されるコリン作用性レセプターアゴニストまたは単独で投与されるβ遮断薬の
量は、患者において心室収縮不全を誘発させるには十分でない。
【0063】 コリン作用性薬およびβ遮断薬がヒトの患者の心臓に投与されて、可逆性心室
収縮不全を誘発させる一実施態様において、使用されるβ遮断薬がプロプラノロ
ールで、使用されるコリン作用性レセプタアゴニストがカルバコールである場合
は、カルバコールのおよそ0.1μg/kg/分から4.8μg/kg/分の連
続注入率が採用され、具体的には、カルバコールの0.1μg/kg/分から2
.1μg/kg/分、または、およそ0.1μg/kg/分から1.5μg/k
g/分の注入率か、もしくは、好ましい一実施態様では、およそ1.5μg/k
g/分から2.1μg/kg/分の注入率が採用され得る。プロプラノロールの
初期ボーラスがカルバコールの初期ボーラスの投与前に、または、その期間中に
投与される場合は、ボーラス注入におけるプロプラノロールのカルバコールに対
する重量比は、例えば、およそ1:2から35:1の範囲にあり得、または、別
な実施態様では、およそ1:1から15:1の範囲にあり得、または別な実施態
様では、およそ2:1から10:1の範囲にあり得、または別な実施態様では、
およそ5:1である。
【0064】 別な実施態様においては、患者において心室収縮不全を誘発することが可能な
組成物は、房室(AV)結節遮断薬やβ遮断薬などの化合物を含んで提供される
が、この場合、β遮断薬は、患者において心室収縮不全を誘発するのに要する化
合物の量を実質的に減じるのに十分な量で存在する。AVノード遮断薬は、コリ
ン作用性薬であるのが、好ましい。β遮断薬の存在の相乗作用効果のために、コ
リン作用性薬は、例えば、患者に心室収縮不全を誘発するのに要するコリン作用
性薬のみの重量にして、約1%から90%、約1%から50%、もしくは約1%
から20%、または、例えば、約2%から14%、或いは、別な実施態様におい
ては、約80%以下、例えば、約50%以下、または、約10%以下である減量
した組成中に存在し得る。β遮断薬をAVノード遮断薬と共に同時投与して、心
室収縮不全を誘発するために投与されるAVノード遮断薬の量が低減され得るよ
うに、相乗作用効果を提供するのが、有利である。
【0065】 これに加えて、本明細書中に開示された方法においては、心室収縮不全は、β
遮断薬と一緒にしたAVノード遮断薬などの化合物の、同時または連続的投与に
より患者に誘発され得るが、この場合、β遮断薬は、患者に心室収縮不全を誘発
するのに要する化合物の量を実質的に低減するのに十分な量で投与される。好ま
しい実施態様では、化合物は、カルバコールなどのコリン作用性薬である。β遮
断薬の投与の相乗作用効果のせいで、コリン作用性薬は、例えば、患者に心室収
縮不全を誘発するのに要するコリン作用性薬のみの重量にして、約1%から90
%、約1%から50%、または、約1%から20%、あるいは、別な実施態様で
は、約2%から14%、あるいは、別な実施態様では、約80%以下、約50%
以下、または、約10%以下といった減量した量で投与され得る。
【0066】 これに加えて、相乗作用効果のせいで、β遮断薬は、例えば、心室収縮不全を
誘発するのに要する重量のみで、約5%から90%、具体的には、30%から5
0%以下の、心室収縮不全を誘発するのに要する化合物の量を低減するのに有効
な量で、心室収縮不全を誘発可能な他の化合物との組み合せ中に存在し得る。
【0067】 β遮断薬の投与は、コリン作用性薬の投与の前、または、それと同時であるの
が好ましく、一実施態様では、β遮断薬とコリン作用性薬との間に、相乗作用効
果を生じる結果となる。存在するβ遮断薬の量は、それ自体では、心室収縮不全
を誘発するのに十分ではなく、局所的β遮断を引き起こすためのみに十分である
が、心臓の電気伝導に最小限の効果しか有していないか、または、第1度の心臓
遮断のみを生じるのに十分な程度の低さであるのが、好ましい。
【0068】 別な実施態様では、患者の心臓に可逆性心室収縮不全を誘発するために、心臓
を電気的にペーシングさせる能力を維持しながら、β遮断薬などの第2の化合物
の有効量と組み合わせてAVノード遮断薬が投与されて、心臓を電気的にペーシ
ングさせる能力を維持しながら、異所性心室収縮不全を低減または抑制する。一
実施態様では、β遮断薬は、単独で、または、AVノード遮断薬と組み合わせて
、心臓を電気的にペーシングさせる能力を維持しながら、心臓における異所性心
室収縮を実質的に抑制することが可能である。例えば、フレカイニドといった不
整脈治療薬などのAVノード遮断薬と、プロプラノロールなどのβ遮断薬が、投
与され得る。1つの好ましい実施態様においては、β遮断薬は、AVノード遮断
薬の前に投与される。別な実施態様においては、可逆性心室収縮不全を誘発する
のに有効な量でAVノード遮断薬とβ遮断薬を含む組成物が提供されるが、ここ
では、β遮断薬は、投与後に異所性心室活動を低減または抑制するのに有効な量
で、存在する。
【0069】 カルバコールなどのコリン作用性薬の、プロプラノロールなどのβ遮断薬と組
み合わせた用途は、効果の短い半減期および急速な始まりを維持しながら、コリ
ン作用性薬の相当低減した投薬量で心室収縮不全を生じるのが、好ましい。好ま
しい半減期は、約1分から10分のオーダーである。効果の好ましい開始は、投
与後1分より早い。カルバコールおよびプロプラノロールの心臓への投与後、約
30秒の内に、心室収縮不全の開始を誘発することは、可能である。
【0070】 本組成物は、心臓を電気的にペーシングし得るようにしながら、最小限の侵襲
的外科手術処置手順の実施を容易にするように、拍動する心臓の可逆性一過性心
室収縮不全を誘発することが可能であるのが好ましい。例えば、コリン作用性薬
などを含む組成物は、信頼性をもって、かつ、用量依存式態様で、組成次第で、
例えば、1回の用量の投与時に、または、連続注入時のいずれかに約2時間まで
の間に、期間延長した可逆性心室収縮不全を設けるのが、好ましくあり得る。好
ましい実施態様では、心室収縮不全は、化学的に可逆性である。例えば、カルバ
コールの事例では、心室収縮不全は、アトロピンを投与することにより、具体的
には、処置手順期間中に安全性という重要な長所を提供しながら、静脈内ボーラ
ス注入により、反転され得る。
【0071】 1つの好ましい実施態様では、心室収縮不全を誘発するために、β遮断薬は、
コリン作用性薬の前に心臓に投与される。例えば、一実施態様におけるβ遮断薬
は、右冠状動脈または左冠状動脈へと1回のボーラス注入で投与され、次いで、
コリン作用性薬は、1回のボーラス注入の後に、外科手術処置手順にわたって右
冠状動脈または左冠状動脈に連続注入することにより投与されて、心室収縮不全
を維持する。別な実施態様では、エスモラールなどのβ遮断薬が比較的短い半減
期を有する事例で、β遮断薬が、連続注入により、または、複数のボーラス注入
により投与され得る。コリン作用性薬の投与が継続される限り、心室収縮不全が
続く。好ましい実施態様では、先のβ遮断薬のせいで、相当減量したコリン作用
性薬を投与し、それにより、全身性低血圧などの副作用の発生を減じる可能性が
ある。更に、投与された組成物による、心臓のペースメーカー細胞の脱分極が保
存され、それにより、心臓が一過性心室収縮不全にある間に、選択的に電気的に
心臓のペーシングをして、外科手術処置手順の実施を可能にすることが、可能で
ある。
【0072】 β遮断薬投与とコリン作用性薬投与との間の時間は、β遮断薬が心臓のペース
メーカー細胞の局所的β遮断を引き起こし得るようにするのに十分なだけ長いの
が、好ましい。ボーラス投与の後、時間間隔は、例えば、約2分であればよい。
静脈内投与または他の形態の投与の場合は、数分または数時間を費やして、β遮
断薬が心臓のペースメーカー細胞に影響を与え得るようにすることが要求され得
る。コリン作用性薬の後続投与は、医者により制御され得る。より多くの用量の
ボーラス注入は、用量依存型効果を与えるのに使用され得ると共に、心室収縮不
全を維持するために、連続注入のより低い用量も与えられ得る。別な実施態様で
は、β遮断薬は、初期冠内ボーラスの後に連続注入することにより、投与され得
る。
【0073】 一実施態様では、カルバコールといったコリン作用性薬などのAVノード遮断
薬は、約0.1μg/患者体重kgから150μg/患者体重kg、または、約
2μg/患者体重kgから20μg/患者体重kg、具体的には、約4μg/k
gから16μg/kgまたは約6μg/kgから14μg/kgの初期冠内ボー
ラスで投与され、或いは、一実施態様では、約8μg/体重kgから12μg/
体重kgの初期冠内ボーラスで、好適な薬学的に容認可能なキャリアで投与され
る。カルバコールなどのAVノード遮断薬は、約0.1分から3分の期間にわた
り、好ましくは、約0.5分から1分の期間にわたり投与されるのが、好ましい
。好ましい実施態様においては、カルバコールといったコリン作用性薬などのA
Vノード遮断薬は、約0.10μg/患者体重kgから10μg/患者体重kg
で、具体的には、約0.10μg/体重kgから5.0μg/体重kgの冠内ボ
ーラスで、薬学的受容可能なキャリアで、約0.1分から3分の期間にわたり、
好ましくは、約0.5分から1分の期間にわたり、投与される。
【0074】 コリン作用性薬などのAVノード遮断薬のボーラス注入は、一実施態様におい
ては、AVノード遮断薬の約0.1μg/体重kg/分から5μg/体重kg/
分の割合の連続冠内注入が後に続くが、好ましい実施態様では、同AVノード遮
断薬はコリン作用性薬である。一実施態様における注入速度は約0.1μg/患
者体重kg/分から4.8μg/患者体重kg/分であり、具体的には、約0.
1μg/kg/分から2.1μg/kg/分、または、約0.1μg/kg/分
から1.5μg/kg/分、もしくは、約0.1μg/kg/分から1.0μg
/kg/分、或いは、別な実施態様では、約0.1μg/kg/分から0.5μ
g/kg/分である。任意で、コリン作用性薬は、β遮断薬と組み合わされる。
一実施態様では、カルバコールといったコリン作用性薬などのAVノード遮断薬
の典型的な全大人用投薬量は、約1mgから15mgである。この投薬量は、例
えば約5分から120分の期間、具体的には、約5分から90分の期間、好まし
くは、約30分から90分の期間、例えば、75分の間、可逆性心室収縮不全を
生じ得る。この投薬量はまた、例えば、約1mgから12mg、または、約1m
gから10mgであり得、もしくは、一実施態様では、約1mgから5mgであ
り得る。この投薬量は、外科手術処置手順に依存して、調節可能である。
【0075】 一実施態様においては、プロプラノロールなどのβ遮断薬が右冠状動脈または
左冠状動脈を通して、約0.01mg/患者体重kgから0.07mg/患者体
重kgの投薬量で、例えば、0.01mg/kgから0.05mg/kg、また
は、約0.01mg/kgから0.04mg/kgの投薬量で投与される。投与
されるプロプラノロールの全量は、一実施態様では、約1mgから6mgであり
、例えば、約1mgから5mgであり、或いは、具体的には、約2mgから4m
gであり、または、約3mgである。
【0076】 例えば、一過性可逆性心室収縮不全を患者に誘発するための一実施態様は、以
下の通りである。0.5mgから4mgの、具体的には約1.0mgのプロプラ
ノロールの冠内注入は、AVノード動脈に丁度近接して右冠状動脈に位置決めさ
れた薬物送達カテーテルを通して、約0.5分から3分の期間にわたり、具体的
には、約1分の期間にわたり、冠内注入により投与され、好ましくは、2mlの
生理食塩水洗浄などの生理食塩水洗浄が後に続く。この後には、約0.5分から
3分にわたり、具体的には約1分にわたり投与される、約0.01mgから0.
5mgの、具体的には約0.025mgから0.3mgの、例えば、約0.1m
gのカルバコールの冠内ボーラス注入が続き、次いで、約5分から90分の期間
の、好ましくは、約30分から90分の期間の、具体的には、約75分間の、約
0.01mg/分から0.3mg/分の速度の、具体的には、約0.025mg
/分から0.3mg/分の、例えば、約0.01mg/分から0.1mg/分の
、または、具体的には、0.05mg/分から0.1mg/分の、具体的には、
約0.0825mg/分の速度での、カルバコールの冠内注入が後に続く。必要
ならば、約0.1mgから1.0mgの範囲のフェニレフリンの投薬量が投与さ
れて、カルバコール投与と関連した任意の低血圧効果を和らげ得る。さらに、い
くらかの患者にはニトログリセリンが必要とされ、全身系フェニレフリン投与の
冠状動脈拡張効果を緩和し得る。
【0077】 これに加えて、β遮断薬を用いた先の治療処置のもとに患者が置かれる一実施
態様では、外科手術処置手順の前に、より低い量のβ遮断薬が必要となるか、ま
たは、代替案として、全くβ遮断薬が必要とならないことがある。更に、状況に
よっては、カルバコールおよびプロプラノロールの初期冠内ボーラスに加えて、
オーバードライブサプレッション(すなわち、およそ10秒の間に約90ビート
/分から110ビート/分におけるペーシング動作)が採用されて、カルバコー
ルの連続注入の前に心室収縮不全を開始し得る。
【0078】 好適なキャリアにおける静脈内投与、冠内投与、および、心室内投与により、
組成物が投与され得る。組成物は、例えば、単一ボーラス注入、連続注入、また
は、これらの組み合わせとして、右冠状動脈への直接注入により、局所的に心臓
に投与され得る。これは、例えば、誘導カテーテルまたは薬物送達カテーテルを
用いた、右冠状動脈の近位部または口部への投与により、あるいは、右冠状動脈
に位置決めされた薬物送達カテーテルによる、AVノード動脈に丁度近接した投
与により、達成され得る。心室内(左側)注入も採用され得る。連続注入は、処
置手順を完了するのに必要な限り、継続され得る。一実施態様では、注入速度の
範囲は、約0.01mg/分から0.5mg/分であり、具体的には、約0.0
1mg/分から0.3mg/分、または、約0.015mg/分から0.15m
g/分であり、例えば、約0.016mg/分から0.12mg/分であり得る
。投与の方法としては、静脈内投与、心房内投与、大動脈内投与、大動脈基部を
介する投与、または、冠動脈投与が挙げられる。投与は、どのような好適な経路
を経由してもよいが、例えば、左心室または右心室を経由してもよく、具体的に
は、AVノード動脈に近接し、または、大動脈、肺動脈、肺静脈、中心臓静脈、
右心房、または、冠状静脈洞を経由してもよい。別な実施態様においては、投与
は、AVノード動脈またはAVノード内に直接投与により行われてもよい。一実
施態様においては、投与は、皮下針を介してAVノードに至るようにしてもよい
【0079】 局所送達に加えて、当該分野において公知の投与の全身系送達経路は、経口経
路、経皮経路、鼻腔内経路、座薬、および、吸入などが採用され得る。例えば、
上述のような注入に加えて、β遮断薬は、経口投与のための好適なキャリアで、
経口投薬され得る。患者はまた、外科手術処置手順の前に、β遮断薬を用いた治
療処置に頼ってもよいし、従って、外科手術の前に、より低量のβ遮断薬を要す
るか、または、追加のβ遮断薬無しでさえもよい。
【0080】 AVノード遮断薬およびβ遮断薬などの心室収縮不全を誘発できる組成物は、
希釈剤を含む、薬学的に容認可能なキャリアにおいて供与され得る。当該分野で
公知の多様なキャリアが採用され得るが、無菌状態であるのが好ましい。好適な
キャリアとしては、無菌水、水性正常生理食塩溶液、乳酸化リンゲル液などの水
性溶液、または、デキストロースなどの糖の溶液で、例えば、水または生理食塩
水中の5%デキストロースが挙げられる。他の可能なキャリアとしては、例えば
、水溶液で提供され得るもので、クエン酸ナトリウム、クエン酸、アミノ酸、乳
酸塩、マンニトール、マルト−ス、グリセロール、スクロース、塩化アンモニウ
ム、NaCl、KCl、CaCl2、乳酸ナトリウム、および、重炭酸ナトリウ ムが挙げられる。一実施態様においては、キャリアはD5W、すなわち、水中5
%デキストロースの溶液であり得る。他のキャリアとしては、5mMのHEPE
S(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸])
を含有する水溶液などの、緩衝化水溶液が挙げられる。アスコルビン酸などの抗
酸化剤または保存剤も、組成物中に供与され得る。例えば、注入、経口送達、座
薬による送達、経皮送達、および、吸入のための、当該分野で公知のキャリアも
使用可能である。
【0081】 一実施態様においては、薬学的に容認可能なキャリア中に、コリン作用性薬な
どのAVノード遮断薬およびβ遮断薬を一緒に、または、別個のいずれかで含む
組成物が提供される。別な実施態様では、単位投薬形態のコリン作用性薬などの
AVノード遮断薬およびβ遮断薬を包含する容器が、別個の容器か、または、単
一容器のいずれかで、提供される。一実施態様においては、単位投薬形態のカル
バコールおよびプロプラノロールは、別個の容器中、または、単一容器中のいず
れかで提供されて、薬学的に容認可能なキャリアと任意で組み合わされて、患者
への投与に備えられる。例えば、約5μg/患者体重kgから150μg/患者
体重kgの量で、または、約1mgから20mgまでの全量で、もしくは、約5
mgから10mgの全量で患者に投与するための投薬形態で、薬学的に容認可能
なキャリア中にカルバコールが存在し得る。約0.01mg/患者体重kgから
0.07mg/患者体重kgの量で、または、約1mgから10mgまでの全量
で、もしくは、約1mgから5mgの全量で患者に投与するための投薬量形態で
、薬学的に容認可能なキャリア中にプロプラノロールが存在し得る。カルバコー
ルは、St.Louis,MOを居所とするSigma Chemical C
ompanyから市販されている。
【0082】 従って、本発明の一局面においては、AVノード遮断薬またはβ遮断薬、もし
くは、それらを組み合わせたものを、薬学的に容認可能なキャリア中に含有する
組成物が提供される。組成物は、例えば、水溶液として、または、懸濁液または
エマルジョンの形態で供与され得る。任意で、この組成物は、AVノード遮断薬
の混合物および/またはβ遮断薬の混合物を含み得る。この組成物は、非経口的
投与に好適な形態で、提供され得る。組成物が水を含有する実施態様では、水は
、非経口的投与に好適となるのに十分に純粋化されていることを確実にするため
に、例えば、圧縮蒸留により処理されるのが好ましい。非経口的投与に好適な品
質の組成物を作るための方法は、例えば、Gennaroの「Remingto
n:薬学のサイエンスと実践」、第2巻、第87章(Pennsylvania
、Eastonを居所とするMack Publishing Co.1995
年刊行)に開示されるが、同開示内容は、本明細書中に援用されている。一実施
態様では、組成物は、外科手術処置手順期間中に、心臓血管システムへの投与に
好適な形態で提供される。一実施態様では、AVノード遮断薬は、コリン作用性
薬である。好ましい実施態様では、AVノード遮断薬はカルバコールである。A
Vノード遮断薬またはβ遮断薬、もしくは、これらの組み合わせを含有する薬学
的に容認可能な組成物は、例えば、患者への直接投与に好適な濃度で、バイアル
などの容器中の水溶液などの形態で提供されてもよいし、或いは、例えば、生理
食塩水などで希釈されてもよい。
【0083】 一実施態様においては、コリン作用性薬といったAVノード遮断薬を含有する
薬学的に容認可能な組成物が提供され、これは、AVノード遮断薬の局所的心臓
投与を許容するために採用され得る。一実施態様では、カルバコールを含有する
薬学的に容認可能な組成物が提供されるが、この場合、この組成物は非経口的投
与に適切である。好ましくは、キャリアは、冠内投与に適切である。カルバコー
ルは、水などの水性キャリア中に供与され得る。局所心臓投与の前に任意で希釈
され得る組成物では、カルバコールの濃度は、例えば、約0.01mg/ml〜
2.55mg/mlの範囲、例えば、約0.1mg/ml〜1.0mg/mlの
範囲であり得る。一実施態様においては、組成物は、例えば、約0.5mg/m
l〜6mg/mlの濃度の、例えば、約0.5mg/ml〜3mg/mlの、ま
たは、例えば、約1.0mg/ml〜2.0mg/mlの、もしくは、約1.0
mg/mlの濃度のプロプラノロールなどのβ遮断薬を更に含有し得る。必要な
らば、組成物は、例えば、冠内ボーラスまたは注入により、心臓への局所投与に
適切な濃度まで希釈され得る。
【0084】 直接的局所心臓投与に適切な、コリン作用性薬などのAVノード遮断薬、およ
び/または、β遮断薬を含む、薬学的に容認可能な組成物も提供される。一実施
態様においては、カルバコールを含有する薬学的に容認可能な組成物が提供され
るが、この場合、組成物は、例えば、右冠状動脈などの冠状血管への直接局所投
与に適切である。カルバコールは、例えば、水などの水性キャリア中に供与され
る。一実施態様では、カルバコールは生理食塩水中に供与される。この組成物で
は、カルバコールの濃度は、例えば、約0.001mg/ml〜2.55mg/
ml、例えば、約0.01mg/ml〜2.5mg/ml、または、約0.05
mg/ml〜1.0mg/ml、例えば、約0.01mg/ml〜0.5mg/
ml、例えば、約0.05mg/ml〜0.2mg/ml、或いは、例えば、約
0.1mg/ml〜0.2mg/ml、または、約0.075mg/mlの範囲
であり得る。この組成物は任意で、例えば、約0.05mg/ml〜6.0mg
/mlの濃度の、例えば、0.05mg/ml〜3.0mg/mlの、または、
例えば、約1.0mg/ml〜2.0mg/mlの、もしくは、約1.0mg/
mlの濃度で、プロプラノロールなどのβ遮断薬を更に含有し得る。この実施態
様では、この組成物は、例えば、冠内ボーラスまたは注入による心臓への局所投
与に希釈しないで適切である。
【0085】 本発明の別な局面では、カルバコールなどのコリン作用性薬の投薬量を含有す
る容器を含む外科手術キットが提供される。一実施態様では、コリン作用性薬を
含有する第1容器と、β遮断薬を含有する第2容器とを含む、外科手術キットが
提供されるが、この場合、好ましい一実施態様では、コリン作用性薬はカルバコ
ールであり、β遮断薬はプロプラノロールである。これらの容器は、カルバコー
ルの好ましい投薬形態と、プロプラノロールの好ましい投薬形態のそれぞれを含
んでいてもよい。第1容器は、薬学的に容認可能なキャリア中にカルバコールを
含み得、第2容器は、薬学的に容認可能なキャリア中にプロプラノロールを含み
得る。あるいは、コリン作用性薬とβ遮断薬は、薬学的に容認可能なキャリアと
任意で組み合わさって、単一容器中に供与され得る。このキットは、心外膜また
は心内膜のペーシング電極、または、ペースメーカーと関連する任意の他の廃棄
可能品を更に含んでいてもよい。キットはまた、薬物輸送カテーテル、および関
連する廃棄可能品を含んでいてもよい。
【0086】 同様の参照番号が同様の要素を示す図面を参照しながら、薬物輸送装置および
ペーシング装置が、本発明の原理に従って例示される。ペーシングシステムは一
般に、ペーサー、スイッチボックス、およびアクチュエータを含み、これらは、
好ましくは、医者により容易に制御されてスイッチボックスによりペーサーを遠
隔制御し得る。ペーシングシステムは、図1に例示される具体例を参照しながら
記載される。しかし、他の構成が採用され得るものと、理解されるべきである。
【0087】 図1を参照すると、本発明に従って構成されるペーシングシステムが例示され
る。例示のシステムは一般に、ペーサー18、スイッチまたは制御ボックス14
、および、アクチュエータ22または24などのアクチュエータを含む。ペーサ
ー18は、従来型心室需要ペーサーまたは2元式チャンバー用(心房−心室)ペ
ーサーであり得る。リード線16はペーサー18の出力部をスイッチボックス1
4に連結し、リード線12は患者の心臓にスイッチボックス14を連結する。後
者は、例えば、心内膜または心外膜のいずれかで、達成されればよい。スイッチ
または制御ボックス14は、好ましくは、作動状態になると、ペーサー18のペ
ーシング信号または出力をリード線12に輸送するように構成される。導体すな
わちリード線20は、遠隔アクチュエータ22をスイッチボックス14に連結す
る。従来型フットペダル式アクチュエータが例示されるけれども、上述および後
述の議論から、把持式アクチュエータ24(仮想線で例示される)などの他のア
クチュエータが使用され得ることが、明白となるべきである。更に、心外膜設置
式または心内膜設置式ペーシングリード線の代替例として、リード線は、心臓に
連結するために経静脈輸送されてもよい。更なる代替例では、経動脈電極などの
電極は、薬物輸送カテーテル内に組み入れ可能である。
【0088】 本発明のこのペーシングシステムは、好ましくは、医者に、オン/オフペーシ
ング機能のみの遠隔制御を提供する。ユーザ選択可能な他のパラメータ(速度、
出力など)全ては、好ましくは、遠隔プログラミング可能では無いが、ペースメ
ーカーへの制御を利用することにより、調節されなければならない。
【0089】 図1Aおよび図1Bを参照すると、図1のペーシングシステムの回路図が例示
される。スイッチボックス14は電気スイッチまたは機械スイッチ23を含み、
そこへアクチュエータ22が連結される。この連結処理は、当業者には明白であ
るように、スイッチにエネルギー投与し、またはエネルギー遮断するのを可能に
する。好ましくは、フットペダル22は、その標準状態にある場合には、「オフ
」(電気的に開状態)位置にあるように、また、ペダルが押し下げられた場合は
、「オン」(電気的に閉状態)位置にあって、スイッチボックス14のスイッチ
23を開状態にして、心臓へのペーシング信号の輸送を中断するように構成され
る。従って、ペダルへの電源が中断されると、心臓はペーシングされる。あるい
は、フットペダルは、ペダルが標準状態にある場合は、「オン」位置にあるよう
に、ペダルが押し下げられると、「オフ」位置にあるように構成されてもよい。
【0090】 図1A及び図1Bを参照すると、スイッチボックス14は、好ましくは、アク
チュエータ22が「オフ」位置にある間は、ペーシング信号がボックスを通過し
てリード線12に向かい、従って、患者に至るのを可能にする態様で構成される
。図1Aに示されるように、スイッチボックスのスイッチ23は、アクチュエー
タが活動状態になった(例えば、フットペダルが押し下げられた)時に、開状態
になる。この開放処理は、ペーシング信号が患者に向かうのを阻止する。他方で
、図1Bに示されるように、スイッチボックスのスイッチ23は、アクチュエー
タが解放されると、ペーシング信号が患者へと通過できるように再びするように
、閉状態になる。市販のスイッチボックスおよびフットペダルアクチュエータが
使用され得る。例えば、フットペダルを備えた適切なスイッチボックスは、Li
ne Master Switch Corporationにより製造される
Treadlight2(カタログ番号T−91−S)である。このスイッチは
、図1Aにしめされるように活動状態になると、開回路を提供する。
【0091】 安全機能がスイッチボックスに組み入れられ得る。第1番目は、プログラミン
グ可能であるか、または工場設定済みのいずれかの、タイマーまたはオーバーラ
イド回路であり、これは、スイッチまたは制御ボックスがペーサーを中断させ得
る時間を限定する。この回路は、アクチュエータがあまりに長い間、すなわち、
予備設定された最長時間よりも長い間、たまたま下に保持すると(すなわち、「
オン」位置)と、アクチュエータを無効にする。オーバーライド回路は、約0.
1秒〜60秒の間隔の後、より好ましくは、約5秒〜30秒の間隔の後、また、
より好ましくは、約10秒〜15秒の間隔の後、アクチュエータを無効にするよ
うに設定または構成され得る。
【0092】 第2の安全機能は、患者に送信されていないペーシング信号を示す表示装置(
視覚および/または聴覚可能)である。第3の安全機能は、ペーシング信号が制
御ボックスから出て患者に向かって、中断期間の終わり(ペーシング動作の再開
)を特に示すための、表示装置(視覚または聴覚可能)である。好ましくは、表
示装置(単数または複数)は、聴き取り可能信号である。
【0093】 制御ボックスは、安全性のためというより、ユーザにとってより有用になり得
る追加機能を有し得る。第1機能は、表示装置であり、好ましくは、聴き取り可
能であり、ペーシング動作の再開をユーザに準備させる。これは、中断期間が終
了すると、周波数が増大する、ビープ音であり得る。第2に、制御パネルは、使
い捨て電池または再充電可能電池のいずれかにより、電力投入される電池である
べきである。他の機能としては、好ましくは、7インチ×10インチ×5インチ
の範囲内の、3ポンドよりも軽量の、最新のペーサーおよびペーシングリード線
設計とともに使用が簡単である、制御ボックスが挙げられる。
【0094】 図1Cは、図1、図1A、および図1Bに概略表示されるような制御ボックス
の一実施態様を表す。図1Cに示されるように、適切な制御ボックス14’は、
脱バウンス(debounce)回路100、プルダウン抵抗器102、タイマ
ーセレクトスイッチ104、第1タイマー106、第2タイマー108、ダイオ
ード110、トランジスタ112、誘電ソレノイドコイル114、スイッチ11
6、ブザー制御部118、音量制御部120、および、スピーカー122を備え
る。
【0095】 制御ボックス14’は、機械フットペダル22が押し下げられると、安定信号
を発生するように、脱バウンス回路100を利用する。脱バウンス回路100は
、入力端子100Aと出力端子100Bとを有する。入力端子はプルダウン抵抗
器102に接続される。この端子はまた、フットペダル22のフットペダルスイ
ッチ22Aに接続される。フットペダルスイッチが図1Cに示されるように開状
態になると(例えば、オペレータがフットペダルを押し下げない場合)、入力端
子はプルダウン抵抗器102により接地するように、引っ張られる。他方で、フ
ットペダルスイッチが閉状態になると(例えば、オペレータがフットペダルを押
し下げると)、入力端子は、電源電圧を受けるために、フットペダルスイッチ2
2を通して電源電圧源に接続される。機械フットペダル22により供与される電
源電圧に応答して、脱バウンス回路は、その出力端子で信号を発生するが、これ
は、フットペダルスイッチが開状態になるまで、1つのレベル(例えば、接地レ
ベル)に着実に維持される。
【0096】 図1Cに示されるように、脱バウンス回路100の出力端子100Bは、第1
タイマー106に接続される。この出力端子の電圧は、脱バウンス回路への入力
が接地に引っ張られると(すなわち、フットペダルが押し下げられないと)、第
1レベルにある(例えば、電源電圧)のが普通である。しかし、この出力端子の
電圧は、脱バウンス回路への入力が電源電圧へと遷移すると(すなわち、フット
ペダルが押し下げられていると)、第2レベル(例えば、接地電圧)へと遷移す
る。以下に更に記載されるように、出力端子100Bにおける電圧は、第1タイ
マー回路のリセットピン106Cに供給される信号と組み合わさって、このタイ
マー回路の動作を制御する。
【0097】 制御ボックス14’は、選択された期間の経過を測定するために、第1タイマ
ー回路106および第2タイマー回路108を使用する。時間選択ロータリース
イッチ104において選択された時間の量は、フットペダルを押し下げることに
より、医者が心臓へのペーシング信号の供給を中断し得る最長時間量である。一
旦、制御ボックス14’がタイマー106および108の使用により、最長時間
量が満了したと判断すると、制御ボックス14’は、押し下げたフットペダルに
より発生された信号を無効にし(すなわち、それを無視する)、患者へのペーシ
ング信号の供給を再開する。第2タイマーは選択された期間のうちの最後の5秒
を計時する一方で、第1タイマーが残余時間を計時する。
【0098】 タイマー106と108の両方は、脱バウンス回路100の入力端子100A
に供給される信号を受信するリセットピン(すなわち、リセット端子)106A
および108Aを有する。タイマーのリセットピンに供給される信号がローであ
る場合は(すなわち、フットペダルが押し下げられていない場合)、タイマーは
そのリセットモードに入り、その測定された時間値をその初期値にリセットする
。各タイマーは、そのリセット端子に供給された信号がハイである場合は(すな
わち、フットペダルが押し下げられた場合)、そのリセットモードを脱して、待
機モードに入る。
【0099】 また、各タイマーは、それがその待機モードに入った後で、その入力でトリガ
信号を受信すると、その作動モードに入る。一旦、タイマーがそれらの作動モー
ドになってしまうと、タイマーは、適切な信号(例えば、高電圧)をそれらの入
力端子106Aおよび108Aで受信すると、それらの満了値までカウントアッ
プまたはカウントダウンを開始する。第1タイマー106は、脱バウンス回路の
出力からトリガ信号を受信する。従って、脱バウンス回路の出力の、1つの状態
から別な状態への遷移(例えば、ハイレベルからローレベルに移行するなど)は
、第1タイマー106の作動の誘因となる。一旦、誘因されてしまうと、第1タ
イマー106はその満了値に向けて、計時を開始する。医者は、第1タイマーに
接続されたタイマー選択スイッチ104を作動させることにより、第1タイマー
の満了値を判断する。
【0100】 第1タイマーが作動する間(すなわち、それが計時動作する間)で、かつ、同
タイマーがその満了値に達する前は、このタイマーの出力端子106Bの信号は
第1電圧レベル(例えば、電源レベル)にある。出力端子106Bからの信号は
ダイオード110Aを通って流れ、トランジスタ112のゲートに供給されて、
このトランジスタをオン状態にする。トランジスタ112は、どのような型のト
ランジスタであってもよい。図1Cでは、このトランジスタはNMOSデバイス
である。
【0101】 一旦、トランジスタ112がオン状態になってしまうと、これは電源から誘電
ソレノイドコイル114を経由して、電流を引き出す。このコイルは継電器とし
て働く(すなわち、電力投与されると、機械的スイッチを作動するコイル)。従
って、電流がソレノイドコイルを通過すると、電流は、患者接続継電器124の
スイッチ116Aから116Dを開状態にする継電器を活動状態にする。継電器
が非活動状態の時は、スイッチAからスイッチDは、信号をペーサーから、リー
ド線12を経由して、患者に連結する。
【0102】 図1Cに例示された実施態様を参照すると、スイッチ116Aは心室入り口(
V−入力(−))を心室出口(V−出力(−))に連結する。スイッチ116B
は心室入り口(V−入力(+))を心室出口(V−出力(+))に連結する。ス
イッチ116Cは、心房入り口(A−入力(−))を心房出口(A−出力(−)
)に連結するが、スイッチ116Dは、心房入り口(A−入力(+))を心房出
口(A−出力(+))に連結する。これらの入り口は、ペーサーに連結され、こ
れらの出口は、患者に連結される。図1Dを参照すると、制御ボックスと患者の
右心房との間の心内膜リード線配置の概略表示が、制御ボックスとペーサーとの
間の接続と一緒に例示される。アクチュエータは、上述のように、制御ボックス
に連結され得る。入り口(A−入力(−)、A−入力(+))は、ペーサー18
アダプタケーブルに連結可能であり、出口(A−出力(−)、A−出力(+))
は、図に示されるように、また、当業者には明白となるように、リード線を用い
て患者に連結され得る。具体的には、一方のリード線は、リングの形態を呈する
正端子140に連結可能であり、他方のリード線は、概して半球形状を有し得る
負端子142に連結され得る。制御ボックスを右心室に連結するために、類似の
配置が使用され得る。心内膜リード線構成が図1Dに示されるが、図1Eに示さ
れるような心外膜リード線が好ましいことがある。具体的には、心外膜リード線
は、図1Eに例示されるように心臓に(例えば、右心房に)縫合され得て、参照
番号Sと一般に指定され、開胸処置手順において好ましいのが一般的であるが、
というのも、リード線は心臓に容易に縫合され得るからである。再度、右心室に
制御ボックスを連結するために、類似の配置が使用され得る。
【0103】 患者接続継電器124は2元式チャンバーペーシングシステムとして例示され
るけれども、単一チャンバーペーシングシステムは、当業者には明白となるよう
に(例えば、図1Cに示されるスイッチ16Aおよび16Bを利用するだけで)
、心室のペーシングをするために使用可能であるものと、理解されるべきである
【0104】 第1タイマーの出力はまた、スピーカー122の出力を制御するブザー制御回
路118にも供給される。このため、第1タイマーの出力が活動状態にある場合
(すなわち、電源レベルなどの第1電圧レベルにある場合)、タイマー出力はブ
ザー制御回路をオン状態にし、これが今度は、スピーカー122を介して、第1
聴取可能信号を発生する。
【0105】 第1タイマーが満了すると(すなわち、タイマーがその満了値に達すると)、
その出力端子にある信号は、第1電圧レベルから第2電圧レベルに遷移する(例
えば、電源レベルから接地レベルに遷移する)。次いで、第1タイマーはその待
機モードに入るが、この場合、同タイマーは、フットペダルスイッチの開放によ
りリセットされるまで、この待機状態に留まる。
【0106】 第2タイマーは、この遷移を検出する端縁検出器(例えば、負端縁検出器)を
有する。一旦、これがこの遷移を検出すると、第2タイマーはその作動モードへ
と遷移し、それにより、その満了値に向けて計時動作を開始する。第2タイマー
の満了値は、5秒に設定される。
【0107】 第2タイマーがその作動モードにあって、その満了値に達していない間は、そ
の出力端子にある信号は、第1電圧レベル(例えば、電源レベル)にある。今度
は、ダイオード110Bがこの信号をトランジスタ112のゲートに供給し、そ
れにより、このトランジスタをオン状態に保つ。トランジスタ112がオン状態
にある間は、同トランジスタはコイル114を通して電流を継続して引き出し、
これが今度は、患者へのペーサー信号の輸送を制御するスイッチ116Aから1
16Dを開状態に保つ。
【0108】 第2タイマーの出力はまた、ブザー制御ユニットにも供給される。このため、
この出力が活動状態になると(すなわち、電源レベルなどの第1電圧レベルにあ
る場合)、タイマー出力はブザー制御ユニットをオン状態にし、これが今度は、
スピーカー122を介して第2の聴取可能信号を発生する。
【0109】 最後に、フットペダルスイッチが開状態になり、タイマーがリセットされると
いつでも、タイマーの出力が第2電圧レベル(例えば、接地レベル)にリセット
されることに、注目すべきである。このリセット動作は、タイマーの計時動作を
無効にする。従って、タイマーが計時処理中である場合は、フットペダルの開放
は、これらのタイマーに計時動作を停止させ、かつ、リセットさせる。Nati
onal Semiconductor(Santa Clara,CA)によ
り製造される555タイマーなどの、いずれの適切なタイマーが使用されてもよ
い。
【0110】 フットペダル22の代替例として、従来型ニードルホルダー24は、ペーサー
スイッチボックスを制御するために使用可能である。この場合、ニードルホルダ
ーは、標準Castro−Viejo種を備えているのが、好ましい。しかし、
需要に応じて、スイッチボックス14のスイッチを開状態および閉状態にするた
めに、医者により作動可能な他のどのような手動式スイッチアクチュエータが本
発明に従って使用され、ペーサー18をペーシングリード線12と電気的接続お
よび切り離し得る。従って、アクチュエータは、外科手術部位牽引子などの医者
の機器の1つの中、または、その上に、あるいは、医者により容易かつ迅速に接
近されるどのような他の場所に組み込まれてもよい。
【0111】 心室需要ペーシングに適切で、スイッチボックス14に電気的に接続可能な外
部リード線を有する従来型ペーサーであればどれでも、利用され得る。かかる適
切なペーサーの例としては、Medtronic Inc.(Mpls,Min
n.)により製造される、Medtronicモデル5330または5375の
Demand Pulse Generatorがある。
【0112】 特定のペーシング形態が示されているものの、他の形態も使用可能であること
を理解すべきである。例えば、このペーサーおよびスイッチボックスは、単一ユ
ニットで組み合わされ得る。もし、このスイッチボックスが、ペーサー(すなわ
ち、ペースメーカー)に組み込まれるなら、このペースメーカーの仕様は、現在
製造されている外部ペースメーカー(例えば、心室または心房−心室シーケンシ
ャル;速度範囲:30〜180ppm(1分間あたりのパルス)、連続的にまた
は1ppmの増分ごとに調節可能;出力電流範囲:0.1〜20mA;感度範囲
:1.0mV(最大)から非同期性;パルス幅;最大1.8ms)と同様である
べきである。
【0113】 ペーサー18は、好ましくは、体外ペーサーであり、そして以下の点で、移植
可能ペースメーカーとは異なる。ペーサー18は、典型的には、400グラムよ
り重く、交換可能電池(およそ500時間の電池寿命)または充電式電池(9v
)を使用でき、数年持ちこたえるライン電力設計であり得、そして生体適合性外
殻と共に構成したり、密閉する必要はない。
【0114】 さらに、このペーシングシステムは、患者の人工呼吸器(図示せず)の起動お
よび停止とペーシングを同調するように、構成され得る。例えば、制御ボックス
は、このアクチュエータを第一状態にあるとき(例えば、この足ペダルを解除し
たとき)、ペーシング信号および人工呼吸器信号が患者リード線12および人工
呼吸器に同時に送達されるように、人工呼吸器と連結する構成にし得る。この例
では、このペーシング信号および人工呼吸器信号は、このアクチュエータが第二
状態にあるとき(例えば、この足ペダルを押し下げたとき)、同時に中断される
。ペーシングの人工呼吸器との同調化は、人工呼吸器を用いた患者の呼吸に付随
する不要な心臓運動を最小にするか、またはなくし得る。
【0115】 進行中のこのペーシングシステムをよく理解しつつ、本発明の原理に従った薬
剤送達を、図2〜7を参照して、記述する。一般に、図2および3は、冠状静脈
洞への送達を示す(図4は、代替的なバルーン配置を示す);図5は、大動脈内
送達を示す;そして図6および7は、右冠状動脈を通る送達を示す。本発明に従
った別の送達手順、心室内注入の論述もまた、提供されている。
【0116】 (冠状静脈洞注入) 図2、2A、3および3Aを参照すると、本発明による冠状静脈洞(CS)へ
の局所薬剤投与用の冠状静脈洞送達カテーテル30が示されている。冠状静脈洞
送達カテーテル30は、好ましくは、中程度の直径(例えば、約6〜8 Fre
nch)の単一または二重管腔の可撓性カテーテルである。カテーテル30の先
端は、図面で示すようないわゆるホッケースティックの外観となるように、僅か
に曲げられ得る。この構成により、例えば、このカテーテルを、図2で示すよう
に、心房から冠状静脈洞へと導入することが容易となり、この図では、その遠位
先端は、冠状静脈洞への導入前を示している。このカテーテルの先端近くには、
約2cmまでの直径の低圧バルーン32が位置している。カテーテル30の近位
部分にて、バルーン膨張および薬剤注入のために、それぞれ、2個のポート34
、36が存在している。カテーテル30は、さらに、膨張管腔37および薬剤送
達管腔39(図2Aおよび3A)を包含し、これらは、ポート34および36を
、バルーン32および送達または排出開口部38と流体連結する。
【0117】 このカテーテルが、以下のどれを介して、冠状静脈洞に導入されるかに依存し
て、3つのカテーテル長のいずれかが使用されうる:(A)右心房または心耳;
(B)内部頸静脈または鎖骨下静脈;または(C)大腿静脈。経静脈的な配置を
容易にするために、ガイドワイヤ(図示せず)が使用され、また、右心耳を通る
カテーテル挿入のためには、堅いワイヤ閉鎖具(図示せず)が提供される。
【0118】 右心耳へのアクセス(方法A)には、右胸部または縦隔を通る手術法が必要で
ある。外科用綿撒糸を付けた(plegeted)巾着縫合(例えば、4/0ポ
リプロピレン)は、当該技術分野で一般的であるが、右心房(RA)または心耳
に配置され、そしてカテーテル30は、Rumel止血帯で適当な位置に固定さ
れる。経静脈的な方法(方法BおよびC)には、蛍光透視または心エコーガイダ
ンスを用いるガイドワイヤに関する冠状静脈洞カニューレ挿入法の専門技術が必
要である。この内部頸静脈または鎖骨下静脈法は、図2で示すような上大静脈(
SVC)を介して、冠状静脈洞にアクセスする。この大腿静脈法は、下大静脈(
IVC)を介して、冠状静脈洞にアクセスする。
【0119】 このカテーテルを、上記の3つの方法を用いて、冠状静脈洞に配置した後、こ
のガイドワイヤまたは閉鎖具(これは、このカテーテルを冠状静脈洞へと導入す
るために使用した)は、取り除かれる。次いで、注入ポート36は、冠状静脈洞
の圧力の断続的な測定および本発明に従って提供した組成物の投与のために、三
方コック(図示せず)に接続される。冠状静脈洞内での低圧バルーンの膨張と共
に(図3)、右心室の圧力波形が観察される。本発明の組成物は、次いで、送達
ポート38で送達するために、注入ポート36を通って、ボーラス注射として、
投与される。一般にボーラス注射中の冠状静脈洞の圧力は、約30mmHgを越
えるべきではない。あるいは、この組成物は、ボーラス注射に続いて連続注入と
して、または連続注入単独として、投与され得る。バルーン膨張は、心電図(E
CG)と同調した急速な膨張/収縮バルーンであり得る。あるいは、この冠状静
脈洞は、約1時間または2時間の期間にわたって、部分的または完全に閉塞され
得る。バルーン32は、大動脈圧に抗して拡大する必要がないので、バルーン4
2(以下で述べる)よりも非常に薄い壁構成を有し得る。先に配置したペーシン
グリード線12により、薬剤誘発心室不全収縮中にて、心室ペーシングが可能と
なる。このカテーテルの除去には、単に、このバルーンの収縮と巾着縫合を用い
た心房切開の閉鎖とが必要なだけである。
【0120】 図4を参照すると、他の冠状静脈洞カテーテルの構成が示されている。カテー
テル30’は、側方に間隔を開けたバルーン32’を備えており、これらは 、膨張管腔39’と流体連結されている。薬剤送達管腔37’は、これらのバ ルーン間の領域で開いている。
【0121】 (心室内注入) 他の薬剤投与方法には、カテーテル(図示せず)を介した左心室への心室内注
入がある。この方法を用いると、このカテーテルは、動脈系である大動脈を通り
、大動脈弁を通って、左心室へと、逆行様式で送達され得る。代案では、カテー
テルまたはカニューレは、外科医が作製した穴を通って、左心室(好ましくは、
その頂端)へと直接挿入され得る。他の代案では、この左心室には、針が、直接
挿入され得る。
【0122】 (大動脈根注入) 他の薬剤投与方法には、例えば、図5で示すように大動脈内送達カテーテル4
0を用いた大動脈根への薬剤注入がある。これにより、大動脈内対抗脈動装置と
類似した心室支持体を提供しつつ、心弛緩中にて、本発明による組成物の直接的
な大動脈投与が可能となる。カテーテル40は、好ましくは、耐久性の低圧バル
ーン42の急速な膨張および収縮を提供する二重管腔カテーテルであり、このバ
ルーンは、心臓拍動と同調して(例えば、バルーン42が心弛緩中に膨張しかつ
心収縮の直前に収縮するように、ECG「P」波と電気的に同調して)膨張する
ように配列されている。重要なことには、この装置が正しく機能するためには、
カテーテルバルーン42による大動脈の完全な閉塞は、必要ではない。それゆえ
、大動脈壁に対する傷害の危険性(例えば、大動脈の切開)は、最小にされる。
上で述べた実施態様と同様に、バルーン膨張ポート44および薬剤注入ポート4
6が提供される。カテーテル40の薬剤送達および膨張管腔は、以下のことを除
いて、カテーテル30と同様である:すなわち、カテーテル40の薬剤送達管腔
は、バルーン42に近接した排出開口部48と共に終わっており、この構成によ
り、冠状動脈近傍での薬剤の送達が容易となる。カテーテル40は、図5で示す
ように、大動脈壁にて外科医が作製した穴を通って挿入され得、例えば、または
、大腿動脈にて、経皮的なカテーテル挿入を介して、血管内で送達され得る。し
かしながら、もし、カテーテルを、動脈系(例えば、大腿動脈および大動脈)を
通って、逆行様式で送達するのが望ましいなら、例えば、バルーンおよび管腔形
態のカテーテル30または30’が好ましい。このバルーンの直径は、大きなサ
イズの大動脈と合致するように、大きくされ得、また、このバルーンの壁は、大
動脈での高い圧力に耐えるように作成され得る。
【0123】 図5(これは、カテーテル40の配置を図示している)に戻ると、大動脈根に
て、巾着縫合(図示せず)が配置されており、そしてカテーテル40は、上行大
動脈へと挿入され、そしてRumel止血帯で固定される。大動脈内バルーンは
、同調のために、患者のECG信号を用いて、心弛緩中に膨張され、そして心収
縮中に収縮される。薬剤送達は、薬剤適用量一回分注射および/または連続注入
で送達される。薬剤で誘発した心室不全収縮と共に、心臓は、本明細書中にて以
下で詳述するように、電気的にペーシングされて、連続した大動脈内対抗脈動が
可能となる。付随的な処置が冠状動脈バイパス処置である場合には、カテーテル
40は、その遠位吻合が完了した後、取り除かれる。次いで、大動脈には、部分
的に閉塞したクランプが配置され、近位の伏在大動脈(aortosaphen
ous)の吻合のために、大動脈切開術(aortitomy)が使用され得る
。あるいは、カテーテル40が除去され得、その大動脈の巾着は、単に、縛られ
る。
【0124】 (右冠状動脈への直接注入) 他の薬剤投与方法には、右冠状動脈(RCA)への直接注入がある。この方法
は、有利なことに、上記方法よりも、AVノードに局所的に薬剤を送達する。他
の方法は、一般に、それほど効果的ではない。何故なら、大動脈、心室、または
心臓血管系の他の部分で混合するとき、RCAのAV分枝に達する時点までに、
著しい薬剤希釈が起こるからである。
【0125】 この方法は、RCAの近位部分または口部分への注入により、ガイドカテーテ
ルまたは薬剤送達カテーテルの使用により、あるいは図6で示すように、RCA
に配置した薬剤送達カテーテルを使ってAVノード(AVノード動脈)を灌流す
る分枝にすぐ近接した注入により、いずれかによって、達成できる。あるいは、
この薬剤送達カテーテルは、その薬剤をAVノードにさらに局所的に送達するた
めに、RCAを通って、AVノード動脈に直接配置できる。このカテーテルは、
さらに大きな直径の冠状動脈ガイドカテーテルを用いて、動脈系(例えば、大腿
動脈、橈骨動脈、鎖骨下動脈)を介して冠状動脈へと導入され得る。左優位系身
体(left dominant system anatomy)または閉塞
RCAの場合には、このカテーテルは、左冠状動脈(例えば、曲折的分枝)へと
薬剤を送達するために、類似の様式で使用され得る。
【0126】 図6を参照すると、この図面では、代表的なカテーテルの設計が示されている
。カテーテル50は、小さな直径(例えば、約3〜4 French)の単一管
腔カテーテルであり、これは、選択的な冠状動脈薬剤送達を与えるために、この
カテーテルの遠位末端に位置している薬剤送達開口部58を備えている。バルー
ン膨張用の別個のチャンネルの必要性をなくすことにより、カテーテル50は、
カテーテル直径を最小にしつつ、薬剤送達に供するカテーテル管腔の容量を最大
にする。
【0127】 使用時には、カテーテル50は、蛍光透視ガイダンス下にて、大直径(6〜8
French)の冠状動脈ガイドカテーテル56(これは、この口に配置され
ている)を通って、ガイドワイヤ(これは、RCAの遠位に位置している)の上
を、右冠状動脈へと導入される。
【0128】 そのカテーテル先端(これは、房室結節分枝(B)とすぐ近接しているかまた
は動脈のこの分枝内にある)を適当に位置決めした後、このガイドカテーテルは
、RCAに血流を供給するために、RCAの口から引き戻され、このガイドワイ
ヤは取り除かれ、そしてボーラス用量が与えられる。あるいは、この遠位右冠状
動脈には、薬剤の連続注入液が投与され得る。冠状動脈カテーテル50は、血流
がRCAに対して有意に妨害されないほど十分に小さい。
【0129】 図7および8を参照すると、他の実施態様の冠状動脈送達カテーテルが示され
ている。カテーテル60は、カテーテル60が曲げ遠位末端部分62を有するこ
とを除いて、カテーテル50と同じである。カテーテル50または部分60は、
AVノードの分枝(B)内に配置できる。この曲げ遠位末端の構成は、このカテ
ーテルが、下部左心室分枝へと下っている分枝に入る可能性を最小にするかまた
はなくす。
【0130】 特定の薬剤投与経路が記述されているものの、これらに限定することなく、他
の経路(大動脈への針注射、AVノードへの針注射、および経心膜外吸収(例え
ば、心筋へと薬学的試薬をゆっくりと放出する経心筋パッチ)を含めて)が使用
され得ることを理解すべきである。
【0131】 (ペーシング) 薬剤送達の前に、心臓は、上述の心臓ペーシングに対し調製される。一般に、
リード線12は、例えば、縫合または当業者に明らかな他の様式により、心臓の
右心室へと一時的に固着され得る。薬剤は、例えば、心室不全収縮を誘発するた
めに、カテーテル30、40、50または60のいずれかを通って、心臓へと投
与される。心臓のペーシングが確立され、そして維持される。このペーシングは
、例えば、足ペダル22を使用して、このペースメーカーを一時的に停止するこ
とにより、短期に中断できる。この足ペダルが、その停止した高い位置にあると
、そのペースメーカースイッチボックス中のスイッチが閉じられ、そして妨害な
しで、心室応需型ペーサー18から、スイッチボックス14およびペーシングワ
イヤ12を通って、心臓10へと、電流が流れる。この間、心臓は好ましくは、
90拍動/分と110拍動/分の間の速度でペーシングする。外科的処置を実施
可能にするために、完全な心臓ブロックが必要なとき、ペーシングは、足ペダル
を押し下げることにより、無効にされる。図示した現在好ましい実施態様では、
これにより、ペーサースイッチボックス14にあるスイッチが開いて、ペーサー
18からペーシングリード線12への電流が停止される。この足ペダルを押し下
げている間は、電流は心臓には達しないので、心室不全収縮が起こり、それによ
り、正確な縫合または他の手動処置を実施することが可能となる。一旦、例えば
、縫合が適用されると、このペーサーは、この足ペダルを解除することにより、
再始動される得、それにより、ペーサー18とペーシングワイヤ12との間の電
気的な接続が再確立され、そして他の正確な操作が必要となるまで、規定速度で
、心臓のペーシングが再開する。このペーサーを制御するために、ペーサーから
遠隔にて、外科医制御装置に、例えば、足ペダルを備え付けることにより、外科
医は、たとえ手に手術用具を持っていても、ペーシングを中断するときを完全か
つ即座に制御できる。これにより、外科医は、この操作工程に対して心臓のペー
シングを正確に同調させることができ、それにより、不要かつ望ましくない心臓
停止を最小にとどめる。
【0132】 このペーサー制御ボックスはまた、そのペーシングが同調され得るように、患
者の人工呼吸器の遮断を制御するように構成され得る(例えば、このアクチュエ
ータは、ペーシング設備および人工呼吸設備(図示せず)を同時に作動し、そし
てペーシング設備および人工呼吸設備を同時に停止する)。それゆえ、このスイ
ッチボックスは、人工呼吸器に電気的に連結され得、その結果、上記足ペダルを
押し下げられたとき、ペーシングおよび人工呼吸が停止され、また、それを解除
されたとき、ペーシングおよび人工呼吸が再開するようにされる。この配列は、
外科的処置の間、患者の呼吸に付随する心臓の小さな動きが排除し得る。
【0133】 本発明は、今ここで、以下の非限定的な実施例を参照して、さらに詳細に記述
され得る。
【0134】 (実施例I−インビボ研究) 以下の比較インビボ研究は、本発明に従って心室不全収縮を刺激する際に、β
−遮断薬であるプロプラノロールと組み合わせてコリン作動剤であるカルバコー
ルを使用することの相乗効果を立証した。
【0135】 11匹のオス交配種ブタ(20〜25kgの重さ)を研究し、そのうちの8匹
には、カルバコールだけを与え、そのうちの3匹には、カルバコール+プロプラ
ノロールを与えた。これらのブタを、10mg/kgのIVケタミンを用いて落
ち着かせた。20分後、これらの動物に、10mg/kgのIVチオペンタール
ナトリウムを誘導し、そして経口気管内的に挿管した。1%のイソフルランを用
いて、正しい麻酔程度を維持した。人工呼吸器管理の指針にするために、定期的
な動脈血ガス試料を得た。その心電図は、継続してモニターした。左大腿動脈に
て、7Frの鞘を通して、動脈血試料を得、マイクロマノメーター(micro
manometer)を挿入して、中心大動脈血圧をモニターした(Milla
r Instruments,Inc.,Houston,TX)。中位胸骨切
開術によって、心臓を露出させ、そして心嚢クレードルで吊した。2個の一時的
な心外膜ペーシングワイヤを右心室に固着し、そして外部ペースメーカー(Me
dtronic,Inc.,Minneapolis,MN)に接続した。この
ペースメーカーを、足ペダルを押し下げることによる停止ができるように、改良
した。大腿鞘を通して、AR−1ガイド(Cordis Corp.,Miam
i Lakes,FL)を右冠状動脈へと配置した。次いで、0.014インチ
の柔らかいガイドを、後下行冠状動脈のレベルまで、右冠状動脈へと前進させた
。このAR−1ガイドを取り除き、そしてこのガイドワイヤの上に、2.5 F
r Tracker(Cordis Corp.,Miami Lakes,F
L)カテーテルを挿入した。染料注入を用いて、このカテーテルを、房室結節動
脈の分枝にすぐ近接して位置づけた。実験日に、カルバコール(Sigma,S
t.Louis,MO)溶液を調製し、そしてHarvardポンプを用いて、
一定速度で注入した。
【0136】 動物に、カルバコール単独、またはプロプラノロール(Inderal(登録
商標),Wyeth Ayerst,Philadelphia,PA)と組み
合わせたカルバコールのいずれかを与えた。全ての動物に器具を取り付け、そし
て10分間にわたって血行力学的に安定させる。カルバコールを投与する前に、
各検体に、0.9%塩化ナトリウムのIVボーラス500mlを与えた。カルバ
コール単独を与えた動物では、カルバコールは、心室不全収縮が観察されるまで
、0.44、0.62、0.88および1.72mg/分と用量を増加させて、
このTrackerカテーテルを通して、連続的に注入した。
【0137】 カルバコール+プロプラノロールを与えた動物では、このTrackerカテ
ーテルを通して、1mg用量のプロプラノロール(0.04〜0.05mg/k
g)を投与した。次いで、冠状動脈内へのボーラス0.5mg(0.02mg/
kg)として、カルバコールを投与し、続いて、連続注入した。心室不全収縮を
達成するのに必要な注入速度は、0.03mg/分(1.1〜1.2μg/kg
/分)であった。カルバコール媒介心室不全収縮が観察された後、心臓は、10
0拍動/分でペーシングした。60秒おきに、このペースメーカーを5秒間止め
て、基本心拍数および律動を測定した。最大血圧(SBP)、最小血圧(DBP
)および大動脈圧(MAP)を、5分ごとに記録した。心室不全収縮は、本実施
例では、1分間あたり12拍動未満の心拍数として定義されるが、その持続時間
を記録した。カルバコールの投与後の著しい低血圧(SBP<60mmHg)は
、通常の生理食塩水、フェニレフリンの静脈内ボーラスの注射(0.02mg/
kg)、またはそれらの両方で、治療した。75分後、このカルバコール注入を
停止し、正常な洞律動に戻るのに必要な時間を記録した。それらの結果は、以下
の表1で示す。
【0138】
【表1】 1NRS=正常な洞律動。空欄は、データを記録されなかったことを意味する。
【0139】 (実施例2−ヒト患者の治療) 10人のヒト患者を、Institutional Review Boar
dおよびFDAの認可および説明と同意に続いて、治験薬の臨床試験に従って、
治療した。
【0140】 病態の安定した冠状動脈疾患(CAD)のヒト患者9人(患者101〜109
と命名する)に対して、開胸冠状動脈バイパス移植(CABG)手術に続いて、
漏れやすい遠位吻合の修復を実施した。この研究は、開胸CABG処置を受けて
大動脈横断クランプ固定を使用する心肺バイパス形成手術(CPB)において、
患者のペースメーカー依存性の可逆的な心室不全収縮を誘発する性能を評価する
ために、行った。CABGの準備および処置については、確立した研究所的手法
を使用した。外科的処置の最後では、この大動脈横断クランプを取り除いた後、
この患者に、AVノード遮断薬であるカルバコールおよびβ−遮断薬であるプロ
プラノロールを順次投与して、ペースメーカー依存性の心室不全収縮を誘発した
。患者101〜109では、これらの患者を、この大動脈横断クランプの除去に
引き続いて、依然として、心肺バイパス形成手術(CPB)を施しつつ、漏れて
いる遠位血管吻合の修復中においてのみ、CABG手術の最後にて、プロプラノ
ロールおよびカルバコールを使用した。10番目の患者(患者201と命名する
)では、CABG処置自体に対して、このカルバコールおよびプロプラノロール
薬剤および一時的ペーシングを使用して、この大動脈横断クランプ固定は行わな
かった。
【0141】 これらの患者を、以下の重要な規準に基づいて、選択した。患者は、正常な洞
律動を有しかつ0.16秒を越えないP波−R波間隔を有する者で、18歳と7
0歳の間の範囲から選択した。病態の安定した冠状動脈疾患に罹った男性または
女性であって、左前下行(LAD)動脈系、右冠状動脈(RCA)および/また
は左曲折(LCX)動脈にて遠位標的の選択的CABG血管再生術を受けた者を
選択した。右優位冠状動脈循環を有するかまたはAVノードがRCAにより供給
されると予想される患者であって、以下の血管造影規準少なくとも2つがある患
者を選択した:(1)直径2mmより大きな冠状動脈、(2)石灰化していない
冠状動脈、または(3)心筋内にないLAD。
【0142】 以下の病態のいずれかがある患者は、この研究から除外することにした:(1
)著しい左主要冠状動脈狭窄(left main coronary art
ery stenosis);(2)左優位冠状動脈循環(left domi
nant coronary circulation);(3)慢性的な近位
全閉塞を有するかまたは近位RCA狭窄を越えて薬剤注入カテーテルを通過させ
得ないRCA;(4)任意の重症の血行力学的な不安定性の存在であって、これ
には、最大の医療管理を要する不安定な狭心症または能動虚血、現在医療管理を
要する悪性心室不整脈、または血圧支持を要する心臓性ショックが含まれるが、
これらに限定されない;(5)CABG処置または他の研究処置の危険性を高め
る任意の重症病態の存在であって、これには、末梢血管疾患の履歴、高血圧性心
臓疾患、心筋症、New York Health Association(
NYHA)Class3または4の鬱血性心不全、慢性腎不全、事前のCABG
、心臓弁膜症、異常な体型(例えば、標的肥満)、急性肺感染/肺炎の存在、転
移性癌、甲状腺中毒症、敗血症、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)また
は無症候性頸動脈ブリュイ(bruit)の履歴が挙げられるが、これらに限定
されない;(6)最近の(2週間以内)急性心筋梗塞;(7)計画処置の30日
以内に立証した心臓駆出画分<30%;(8)この研究の効能および/または安
全終点の測定を困難にするであろう任意の重症病態の存在であって、これには、
第一度または第二度の心臓ブロック、左または右脚ブロックまたは他のIVCD
が挙げられるが、これらに限定されない;(9)以下のような、薬剤のいずれか
の成分に対する暴露の危険性を高める任意の重症病態の存在:プロプラノロール
−これには、重症喘息、閉塞性肺疾患、鬱血性心不全、プロプラノロールまたは
他のβ−アドレナリン作動性アンタゴニストに対する過敏症が挙げられるが、こ
れらに限定されない;カルバコール−これらは、喘息、閉塞性肺疾患、てんかん
、パーキンソン病、消化性潰瘍、肝不全、カルバコールまたは他のコリン作用性
レセプターアゴニスト(すなわち、コリン様作用剤またはアセチルコリンエステ
ラーゼ阻害剤)に対する過敏症が挙げられるが、これらに限定されない;(10
)一時的ペースメーカーの使用の危険性を高める任意の重症病態の存在−これに
は、移植した永久ペースメーカー、現在の不整脈治療を要する心室頻脈または繊
維攣縮の履歴、心臓ペーシングの危険性を高める他の不整脈または病態(例えば
、Wolfe−Parkinson−White症候群)が挙げられるが、これ
らに限定されない;および(11)妊娠中または母乳養育中の女性。
【0143】 患者101〜109に対して、確立した伝統的な方法を用いて、CABGを実
施した。患者をCPBに置き、その大動脈を横断クランプ固定して、心臓麻痺性
の停止を管理した。遠位および(もし、適当なら)近位の吻合を縫合した後、こ
の横断クランプを取り除き、(もし、必要なら、)、患者を依然としてCPBに
しつつ、心臓を脱繊維攣縮した。この遠位吻合部位にて、修復を要する漏れを検
出すると、心外膜ペースメーカーリードを、これらの患者の心室、および必要に
応じて、右心房の適当な位置に縫い付け、そしてペーシング閾値を測定し記録し
た。この心外膜リードには、一時的なペースメーカーを接続した。このペーシン
グ電圧は、このペーシング閾値の10倍に設定した。このペースメーカーを、ま
ず、60±15 bpmの速度で、心室−心室抑制(VVI)モードに置き、そ
の後、ペーシングは、2分間起こった。VVIでペーシングした律動の血行力学
的な受容性を評価した。次いで、このペースメーカーを、心室−心房誘発(VA
T)モードに設定し、その後、ペーシングは、さらに2分間起こった。VATで
ペーシングした律動の血行力学的な受容性を評価した。
【0144】 手術中および薬剤プロトコル投与前では、適当なガイドワイヤを備えた適当な
カテーテル(例えば、Tracker(登録商標)(Target Thera
peutics,Freemont,CA)カテーテル)を近位右冠状動脈に配
置するために、蛍光透視法を使用した。このカテーテルは、本研究薬剤の冠状動
脈内投与のために使用した。もし、この処置のいずれかの時点で、カテーテルの
位置ずれが認められたなら、繰り返しの血管造影法を使用して、このカテーテル
を再配置した。血圧を制御し、および/または不注意な過剰摂取から保護するた
めに、予期されない有害事象の場合、薬剤投与中またはそれに続いて、枕元にて
、フェニレフリン、他のアドレナリン作動薬および容量充満液(volume
repletion fluid)の充分な供給が利用できる。
【0145】 使用したプロプラノロール溶液は、Inderal(登録商標)(Wyeth
−Ayerst,Philadelphia,PA)の注射可能溶液であった。
その初期プロプラノロール用量は、1mg/mL溶液の1mgであった。カルバ
コールは、0.255%溶液(mg/dL)6mLを含有するバイアルにて、提
供した。各バイアルは、5mMクエン酸ナトリウム中の2.55mg/mlカル
バコールを含有しており、クエン酸を用いて、pH=7.0に調節した。この溶
液5mLを滅菌生理食塩水250mLに添加することにより、カルバコール注入
溶液を調製した。再構成後、このカルバコール溶液の得られた濃度は、0.00
5%、すなわち、0.05mg/mLであった。その初期カルバコール用量は、
0.025mgまたは0.5mLであり、その初期注入速度は、この0.005
%溶液の0.025mg/分または0.5mL/分であった。
【0146】 1〜3分間にわたって、患者に、まず、1〜6mg間の範囲のプロプラノロー
ル負荷投与量を与えた。カルバコールは、冠状動脈内への低用量のボーラスとし
て、また、注入液として、投与した。患者101〜108については、可逆的な
心室不全収縮を開始するのに使用したカルバコールのボーラスの用量は、0.0
5〜0.225mgの範囲であり、また、心室不全収縮を維持するのに使用した
カルバコールの持続注入量は、0.05〜0.15mg/分の範囲であった。研
究した患者の1人では、心室不全収縮を誘発するためのカルバコール負荷投与量
と共に、オーバードライブペーシングを使用した。一旦、心室逸脱拍動なしで、
完全な心臓ブロックが達成され、そしてペースメーカー依存性の律動が確立され
ると、患者101〜108については、ペーシングの短い(5秒まで)遮断中に
て、その遠位吻合を修復した。
【0147】 患者201については、このCABG処置自体のために、これらの薬剤および
一時的ペーシングを使用した。患者201には、冠状動脈内の送達によって、プ
ロプラノロール4mgおよびカルバコール0.15mgの負荷投与量を投与して
、可逆的な心室不全収縮を開始した。引き続いて、この患者に、冠状動脈内の送
達によって、0.1mg/分の速度で、カルバコールの注入液を与えて、約45
分間にわたって、心室不全収縮を維持した。この停止期間中、断続的なペーシン
グ遮断を用いて、外科医により、左内乳動脈の鈍角辺縁(obtuse mar
ginal)移植処置を実施して、動いている心臓ではなく実質的に静止した心
臓にて、遠位移植片の吻合縫合をうまく配置したが、これにより、改良された技
術上の成果および大動脈横断クランプ固定の回避という利点が得られた。
【0148】 低血圧を制御するために、患者101、103、105〜109および201
には、約0.24〜0.80mg間の範囲の一定用量のフェニレフリンを投与し
た。充分な技術上の成果が得られたとき、この薬剤注入を停止し、そしてアトロ
ピンを投与して、患者201を除いて、完全な心臓ブロックの薬理学的な逆戻り
の信頼性を測定したが、ここで、患者201は、15分未満では、自然に、正常
な洞律動に戻ることができた。患者101〜108において、心停止を戻すのに
使用したアトロピンの投薬量は、約1.0mgであった。この薬理学的プロトコ
ルの終わりで、正常なA−V導通を再開した後、CPBを取り除いた。次いで、
胸を閉じる常套処置を行った。
【0149】 1人の患者(患者109)では、心停止が得られなかったが、しかしながら、
術後血管造影図の遡及的な再検討により、この患者は、左優位患者(すなわち、
このカテーテルを配置した場合には、右冠状動脈ではなく、左冠状動脈から給送
されたAVノードを有する)であることが明らかとなった。経食道心エコー図法
(TEE)により、心停止が得られた各患者について、正常な左および右心室機
能(すなわち、全体的または局地的な壁運動の異常は報告されなかった)が明ら
かとなった。
【0150】 これらの結果は、以下の表2で示す。
【0151】
【表2】 上述の発明は、明瞭にしかつ理解する目的上、説明および例によって、ある程
度詳細に記述されているものの、ある種の変更および改良を実施し得ることは、
当業者に明らかである。従って、これらの記述および例は、本発明の範囲を限定
するものとして解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の原理に従ったペーシングシステムを示す図である。
【図1A】 図1Aは、図1のペーシングシステムにおいて使用される、制御スイッチおよ
びアクチュエータの回路図である。
【図1B】 図1Bは、図1のペーシングシステムにおいて使用される、制御スイッチおよ
びアクチュエータの回路図である。
【図1C】 図1Cは、本発明に従った制御ボックスの略図である。
【図1D】 図1Dは、患者の心臓に連結される1つのアウトレットリード線配置を示す図
である。
【図1E】 図1Eは、患者の心臓に連結された別のアウトレットリード線配置を示す図で
ある。
【図2】 図2は、本発明に従った、冠状静脈洞に挿入する前の薬物輸送カテーテルを示
す。
【図2A】 図2Aは、線2A−2Aに沿って破断される、図2のカテーテルの断面図であ
る。
【図3】 図3は、冠状静脈洞における、図2のカテーテルの遠位端部の配置を示す。
【図3A】 図3Aは、図3のカテーテルの遠位部の断面図である。
【図4】 図4は、別な冠状静脈洞カテーテル構成を示す。
【図5】 図5は、本発明に従った大動脈内薬物輸送のために位置決めされた薬物輸送カ
テーテルを描く。
【図6】 図6は、本発明に従ったAVノード分岐への局所的な薬物輸送のために位置決
めされた薬物輸送カテーテルを示す。
【図7】 図7は、流体をAVノードに向けて方向付けるための、湾曲した遠位端部を示
す図6のカテーテルの別な実施態様を例示する。
【図8】 図8は、AVノード分岐に向けて方向付けられた屈曲遠位端部を有する図7の
カテーテルを描く。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C060 MM25 4C084 AA19 AA20 MA66 ZA242 ZA361 ZA362 ZC432 ZC712 ZC752 4C206 AA01 AA02 FA18 FA19 FA21 FA25 GA01 GA07 GA09 GA22 GA31 HA22 HA24 HA30 KA01 MA02 MA04 MA86 ZA36 ZC71 ZC75

Claims (114)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト患者の拍動している心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘
    発する方法であって、該方法は、該心臓が電気的にペーシングされる能力を維持
    しつつ、心室不全収縮を誘発するのに有効な量で、該患者の該心臓に、化合物お
    よびβ−遮断薬を投与する工程を包含し; ここで、該β−遮断薬は、心室不全収縮を誘発するのに必要な化合物の量を実
    質的に減らすのに充分な量で、投与される方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物が、房室(AV)結節遮断薬である、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記β−遮断薬が、心室不全収縮を誘発するのに必要なAV
    ノード遮断薬の量を、AVノード遮断薬単独で心室不全収縮を誘発するのに必要
    な量の約50重量%以下にまで減らすのに充分な量で、投与される、請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記化合物が、コリン作用性レセプターアゴニストである、
    請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記コリン作用性レセプターアゴニストが、カルバコールで
    ある、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記コリン作用性レセプターアゴニストが、ベタニコール、
    アレコリン、ノルアレコリンおよびネオスチグミンからなる群から選択される、
    請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記カルバコールが、約0.1〜4.8μg/体重1kg/
    分の量で投与される、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記β−遮断薬が、プロプラノロールである、請求項1に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 前記プロプラノロールが、約0.01〜0.07 mg/体
    重1kgの量で投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記β−遮断薬が、アテノロール、アセブトロール、ラベ
    タロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール
    、ピンドロール、ソタロール、チモロール、セリプロロール、ベータキソロール
    、ベバントロール、ビソプロロール、エスモロール、アルプレノロール、カルテ
    ロロール、ナドロールおよびテラトロールからなる群から選択される、請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記β−遮断薬が、プロプラノロールであり、そして前記
    AVノード遮断薬が、カルバコールであり、ここで、該プロプラノロールが、該
    カルバコールの投与前または投与中に投与される、請求項2に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、前記患
    者の右または左冠状動脈に投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ヒト患者の拍動している心臓にて可逆的な心室不全収縮を
    誘発する方法であって、該方法は、心室不全収縮を誘発するのに有効な量で、該
    患者の該心臓に、コリン作用性レセプターアゴニストおよびβ−遮断薬を投与す
    る工程を包含し; ここで、該コリン作用性レセプターアゴニスト単独または該β−遮断薬単独の
    投与量は、心室不全収縮を誘発するのに充分ではない、方法。
  14. 【請求項14】 ヒト患者に外科的処置を行う方法であって、該方法は、以
    下を包含する: 患者の心臓にβ−遮断薬およびAVノード遮断薬を投与して、該心臓が電気的
    にペーシングされる能力を維持しつつ、可逆的な心室不全収縮を誘発する工程;
    電気的ペーシングシステムを用いて、該心臓を電気的にペーシングさせて、そ
    れにより、該患者の血液循環を維持する工程; 該電気的なペーシングを選択的かつ断続的に停止して、心室不全収縮をさせる
    工程;および 該電気的なペーシングが断続的に停止されている時間中にて、該外科的処置を
    行う工程。
  15. 【請求項15】 前記β−遮断薬が、前記AVノード遮断薬の前に投与され
    る、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記AVノード遮断薬が、カルバコールである、請求項1
    4に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記β−遮断薬が、心室不全収縮を誘発するのに必要なA
    Vノード遮断薬の量を実質的に減らすのに充分な量で、投与される、請求項14
    に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記β−遮断薬が、心室不全収縮を誘発するのに必要なA
    Vノード遮断薬の量を、AVノード遮断薬単独で心室不全収縮を誘発するのに必
    要な量の約50重量%以下にまで減らす量で、投与される、請求項14に記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 前記β−遮断薬が、前記AVノード遮断薬の前に投与され
    る、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記外科的処置が、心臓外科的処置である、請求項14に
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記電気的ペーシングが、前記電気的ペーシングシステム
    に機能的に連結した制御装置を選択的に操作する工程により、前記外科的処置を
    行う外科医によって、選択的かつ断続的に遮断される、請求項20に記載の方法
  22. 【請求項22】 前記AVノード遮断薬が、コリン作用性レセプターアゴニ
    ストである、請求項14に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記コリン作用性レセプターアゴニストが、ベタニコール
    、アレコリン、ノルアレコリンおよびネオスチグミンからなる群から選択される
    、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 単独で投与される前記コリン作用性レセプターアゴニスト
    または単独で投与される前記β−遮断薬の量が、心室不全収縮を誘発するのに充
    分ではない、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、左心室に投与される、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、大動脈に投与される、請求項22に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、右心室に投与される、請求項22に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、肺動脈に投与される、請求項22に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、肺静脈に投与される、請求項22に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記コリン作用性レセプターアゴニストおよび前記β−遮
    断薬が、冠状動脈洞に投与される、請求項22に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記コリン作用性レセプターアゴニストが、カルバコール
    である、請求項22に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記カルバコールが、約0.1〜4.8μg/体重1kg
    /分の量で投与される、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記β−遮断薬が、プロプラノロールである、請求項14
    に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記プロプラノロールが、経口投与される、請求項33に
    記載の方法
  35. 【請求項35】 前記プロプラノロールが、約0.01〜0.07 mg/
    体重1kgの量で投与される、請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記β−遮断薬が、アテノロール、アセブトロール、ラベ
    タロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール
    、ピンドロール、ソタロール、チモロール、セリプロロール、ベータキソロール
    、ベバントロール、ビソプロロール、エスモロール、アルプレノロール、カルテ
    ロロール、ナドロールおよびテラトロールからなる群から選択される、請求項1
    4に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記β−遮断薬が、プロプラノロールであり、そして前記
    AVノード遮断薬が、カルバコールであり、ここで、該プロプラノロールが、該
    カルバコールの投与前または投与中に投与される、請求項14に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、大動脈
    に投与される、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、右また
    は左冠状動脈に投与される、請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、AVノ
    ード動脈に近接して投与される、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、AVノ
    ード動脈に投与される、請求項37に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、中心臓
    静脈に投与される、請求項37に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、右心房
    に投与される、請求項37に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記プロプラノロールおよび前記カルバコールが、冠状動
    脈洞に投与される、請求項37に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記プロプラノロールが、前記カルバコールの投与前に、
    冠状動脈での単一ボーラス注射により、投与され、ここで、該カルバコールが、
    単一ボーラス注射に続いた連続注入により、冠状動脈へと投与されて、前記心室
    不全収縮が維持される、請求項39に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記電気的なペーシングが、足ペダルを選択的に押し下げ
    ることにより、外科医によって、選択的に停止される、請求項14に記載の方法
  47. 【請求項47】 前記外科的処置が、心臓での縫合の配置を包含する、請求
    項14に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記外科的処置が、最小侵襲冠状動脈バイパス処置を包含
    する、請求項14に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記方法が、さらに、前記外科的処置中での著しい出血の
    制御を包含する、請求項14に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記外科的処置が、肝臓、脾臓、心臓、肺、または主要な
    血管に対する傷害の治療を包含する、請求項14に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記外科的処置が、電気生理学的な処置を包含する、請求
    項14に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記外科的処置が、心肺バイパスを用いた心臓手術を包含
    する、請求項14に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記外科的処置が、経心筋血管再生処置を包含する、請求
    項14に記載の方法。
  54. 【請求項54】 ヒト患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であっ
    て、該患者の心臓に、カルバコールを投与する工程を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 前記カルバコールが、冠状動脈洞に投与される、請求項5
    4に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記カルバコールが、心室内に投与される、請求項54に
    記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記カルバコールが、大動脈に投与される、請求項54に
    記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記カルバコールが、右または左冠状動脈に投与される、
    請求項54に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記方法が、さらに、患者の心臓に、カルバコールおよび
    プロプラノロールを投与する工程を包含する、請求項54に記載の方法。
  60. 【請求項60】 患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であ
    って、該患者に、約1〜15 mgの投薬量で、カルバコールを投与する工程を
    包含する、方法。
  61. 【請求項61】 前記投薬量が、約1〜12 mgである、請求項60に記
    載の方法。
  62. 【請求項62】 患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であ
    って、該方法は、該患者に、0.1〜4.8μg/体重1kg/分の速度で、カ
    ルバコールを投与する工程を包含する。
  63. 【請求項63】 前記カルバコールが、前記心臓に局所的に投与される、請
    求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記カルバコールが、右または左冠状動脈への直接注入に
    より、投与される、請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 ヒト患者の心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法
    であって、該方法は、以下: 約0.1〜10μg/該患者の体重1kgのカルバコールの初期冠内単一ボー
    ラスを投与する工程;および 約0.1〜4.8μg/体重1kg/分の速度で、カルバコールの連続冠内注
    入液を投与する工程、を包含する方法。
  66. 【請求項66】 前記カルバコールの初期冠内単一ボーラスが、約1〜5分
    間にわたって投与され、そして 前記カルバコールの連続冠内注入液が、約5〜120分間にわたって投与され
    る、前記請求項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記初期冠内単一ボーラスが、約0.1〜5μgカルバコ
    ール/体重1kgを含有し、そして適当な薬学的に容認可能な担体中で提供され
    る、請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 ヒト患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であっ
    て、該方法は、以下: 約0.5〜3分間にわたって、約0.01〜0.5 mgのカルバコールの冠
    内単一ボーラス注射剤を投与する工程;および 約30〜90分間にわたって、約0.01〜0.3 mg/分の速度で、カル
    バコールの冠内注入液を投与する工程、を包含する方法。
  69. 【請求項69】 冠状動脈バイパスのために患者を準備する方法であって、
    該方法は、以下: 該患者の心臓の冠状動脈血管に、送達装置の少なくとも一部を配置する工程;
    および 該装置を用いて、該冠状動脈血管を介して、該患者のAVノードに、心臓麻痺
    剤を送達する工程、を包含する方法。
  70. 【請求項70】 前記送達装置として、カテーテルを選択する工程を包含す
    る、請求項69に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記装置が、前記患者の心臓の右冠状動脈に配置される、
    請求項69に記載の方法。
  72. 【請求項72】 前記装置が、前記患者の心臓の左冠状動脈に配置される、
    請求項69に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記装置が、出口を包含し、該出口が、前記患者の心臓の
    右冠状動脈にて、前記AVノード動脈にすぐ近接して配置される、請求項69に
    記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記装置が、出口を包含し、該出口が、前記AVノード動
    脈に配置される、請求項69に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記装置が、前記患者の心臓の中心臓静脈に配置される、
    請求項69に記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記装置が、前記患者の心臓の右または左冠状動脈の口へ
    と配置される、請求項69に記載の方法。
  77. 【請求項77】 さらに、前記装置を、大腿動脈に通して導入する工程を包
    含する、請求項69に記載の方法。
  78. 【請求項78】 さらに、前記装置を、前記患者の大動脈での切開部を通し
    て導入する工程を包含する、請求項69に記載の方法。
  79. 【請求項79】 ヒト患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持し
    つつ、該心臓の可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であって、以下: 該患者の心臓に、少なくとも、第一化合物を投与し、該心臓の第三級AV遮断
    を誘発できる工程;そして 該患者の心臓に、少なくとも、第二化合物を投与する工程であって、該第二化
    合物は、単独でまたは該第一化合物と組み合わせて、該心臓が電気的にペーシン
    グされる能力を維持しつつ、該心臓での異所性心室拍動を実質的に抑制できる工
    程、を包含する方法。
  80. 【請求項80】 患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ
    、該心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発する方法であって、以下: 該患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ、心室不全収縮を
    誘発するのに有効な量で、該心臓に、AVノード遮断薬および化合物を投与する
    工程であって、ここで、該化合物は、心室不全収縮を誘発するのに必要な該AV
    ノード遮断薬の量を実質的に減らすのに充分な量で、投与される工程、を包含す
    る方法。
  81. 【請求項81】 患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ
    、該心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物であって、以下: 患者にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる化合物;および 該患者にて心室不全収縮を誘発するのに必要な該化合物の量を実質的に減らす
    のに充分な量で、β−遮断薬、を包含する組成物。
  82. 【請求項82】 前記化合物が、房室(AV)結節遮断薬である、請求項8
    1に記載の組成物。
  83. 【請求項83】 前記AVノード遮断薬が、AVノード遮断薬単独で心室不
    全収縮を誘発するのに必要な量の約50重量%以下までの量で存在している、請
    求項82に記載の組成物。
  84. 【請求項84】 前記化合物が、ベタニコール、アレコリン、ノルアレコリ
    ンおよびネオスチグミンからなる群から選択されるコリン作用性レセプターアゴ
    ニストである、請求項81に記載の組成物。
  85. 【請求項85】 前記化合物が、カルバコールである、請求項81に記載の
    組成物。
  86. 【請求項86】 前記カルバコールが、患者に投与するための投薬形状にて
    、薬学的に容認可能な担体中で存在している、請求項85に記載の組成物。
  87. 【請求項87】 前記カルバコールが、約1〜20 mgの投薬量で、薬学
    的に容認可能な溶液中で存在している、請求項85に記載の組成物。
  88. 【請求項88】 前記β−遮断薬が、アテノロール、アセブトロール、ラベ
    タロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール
    、ピンドロール、ソタロール、チモロール、セリプロロール、ベータキソロール
    、ベバントロール、ビソプロロール、エスモロール、アルプレノロール、カルテ
    ロロール、ナドロールおよびテラトロールからなる群から選択される、請求項8
    1に記載の組成物。
  89. 【請求項89】 前記β−遮断薬が、プロプラノロールである、請求項81
    に記載の組成物。
  90. 【請求項90】 前記プロプラノロールが、約0.01〜0.07 mg/
    患者の体重1kgの量で、該患者に投与するための投薬形状にて、薬学的に容認
    可能な担体中で存在している、請求項89に記載の組成物。
  91. 【請求項91】 前記プロプラノロールが、約1〜10 mgの投薬量で、
    薬学的に容認可能な溶液中で存在している、請求項89に記載の組成物。
  92. 【請求項92】 前記化合物が、カルバコールであり、そして前記β−遮断
    薬が、プロプラノロールである、請求項81に記載の組成物。
  93. 【請求項93】 患者の心臓が電気的にペーシングされる能力を維持しつつ
    、該心臓にて可逆的な心室不全収縮を誘発できる組成物であって、以下: コリン作用性レセプターアゴニスト;および β−遮断薬;を包含し、 ここで、該組成物中での該コリン作用性レセプターアゴニスト単独または該β
    −遮断薬単独の量は、該患者にて心室不全収縮を誘発するのに充分ではない、組
    成物。
  94. 【請求項94】 カルバコールの薬学的に容認可能な滅菌形状であって、該
    形状は、生理食塩水、水性デキストロースおよび水からなる群から選択される薬
    学的に容認可能な担体中にて、約1〜20 mgのカルバコールを含有する。
  95. 【請求項95】 ヒト患者に非経口投与するのに適当な薬学的に容認可能な
    組成物であって、該組成物は、カルバコール、および以下からなる群から選択さ
    れる担体を含有する:デキストロース、生理食塩水および緩衝水溶液。
  96. 【請求項96】 前記組成物が、心臓に投与するのに適当である、請求項9
    5に記載の組成物。
  97. 【請求項97】 外科的処置を行うためのキットであって、該キットは、以
    下を包含する: 第一容器であって、該第一容器は、投薬量のコリン作用性レセプターアゴニス
    トを含有する;および 第二容器であって、該第二容器は、投薬量のβ−遮断薬を含有する。
  98. 【請求項98】 前記コリン作用性レセプターアゴニストが、カルバコール
    であり、そして前記β−遮断薬が、プロプラノロールである、請求項97に記載
    のキット。
  99. 【請求項99】 前記第一容器が、薬学的に容認可能な担体中にて、カルバ
    コールを含有し、そして 前記第二容器が、薬学的に容認可能な担体中にて、プロプラノロールを含有す
    る、請求項98に記載のキット。
  100. 【請求項100】 前記第一容器が、約1〜20 mgのカルバコールを含
    有し、そして 前記第二容器が、約1〜10 mgのプロプラノロールを含有する、請求項9
    9に記載のキット。
  101. 【請求項101】 さらに、心外膜または心内膜ペーシング電極を包含する
    、請求項98に記載のキット。
  102. 【請求項102】 さらに、薬剤送達カテーテルを包含する、請求項98に
    記載のキット。
  103. 【請求項103】 前記薬剤送達カテーテルが、さらに、膨張可能部材を包
    含し、該カテーテルが、遠位部分を有するシャフトを包含し、そして該膨張可能
    部材が、該遠位部分に沿って配置されている、請求項102に記載のキット。
  104. 【請求項104】 前記膨張可能部材が、低圧バルーンを包含する、請求項
    103に記載のキット。
  105. 【請求項105】 さらに、ガイドカテーテルを包含する、請求項97に記
    載のキット。
  106. 【請求項106】 さらに、カニューレを包含する、請求項97に記載のキ
    ット。
  107. 【請求項107】 さらに、注射器および針アセンブリを包含する、請求項
    97に記載のキット。
  108. 【請求項108】 ヒトの心臓にペーシング信号を送達するためにある体外
    ペーサー; 該ペーサーと連結されているスイッチ;および 該ペーサーから遠隔に配列されており、そして該スイッチと連結されているア
    クチュエータ、を包含する、ペーシングシステム。
  109. 【請求項109】 前記スイッチと連結されたペーシングリード線を包含す
    る、請求項108に記載のペーシングシステム。
  110. 【請求項110】 前記ペーシングリード線が、患者の心臓に連結するよう
    に適合されている、請求項109に記載のペーシングシステム。
  111. 【請求項111】 前記アクチュエータが、足ペダルを包含する、請求項1
    08に記載のペーシングシステム。
  112. 【請求項112】 前記アクチュエータが、針ホルダーを包含する、請求項
    108に記載のペーシングシステム。
  113. 【請求項113】 前記スイッチが、前記ペーサーから遠隔に配列されてい
    る、請求項108に記載のペーシングシステム。
  114. 【請求項114】 前記アクチュエータが、前記スイッチから遠隔に配列さ
    れている、請求項108に記載のペーシングシステム。
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