JP2001512435A - 豊富な細胞外産物ならびにそれらの産生および使用方法 - Google Patents

豊富な細胞外産物ならびにそれらの産生および使用方法

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JP2001512435A JP53459398A JP53459398A JP2001512435A JP 2001512435 A JP2001512435 A JP 2001512435A JP 53459398 A JP53459398 A JP 53459398A JP 53459398 A JP53459398 A JP 53459398A JP 2001512435 A JP2001512435 A JP 2001512435A
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Abstract

(57)【要約】 病原体の主として豊富な細胞外産物の1またはそれ以上の組合せに基づくワクチン、およびその使用および産生の方法が提示される。標的病原体の最も優勢なまたは主として豊富な細胞外産物が、その絶対的な分子の免疫原性に拘わらずに選択され、そしてワクチンとして使用されて、哺乳動物宿主において、標的病原体による後の感染に対する防御免疫応答を刺激する。主として豊富な細胞外産物は、それぞれのN末端アミノ酸、アミノ酸配列またはDNA配列によって特徴付けられ得、そして区別され得る。ワクチンは、細胞外産物、そのサブユニット、またはコード核酸の異なる組合せを含み得るので、広い範囲の有効な免疫治療組成物が、本発明によって提供される。他の感染因子に加えて、このように産生されたワクチンは細胞内病原体、および特に、Mycobacterium tuberculosisに対する有効な免疫応答を刺激するために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 豊富な細胞外産物ならびにそれらの産生および使用方法 関連出願への言及 本出願は、1996年5月23日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/652,8 42号の一部継続出願であり、米国特許出願第08/652,842号は、1995年12月6日に 出願された同時係属中の米国特許出願第08/568,357号の一部継続出願であり、米 国特許出願第08/568,357号は、1995年10月31日に出願された同時係属中の米国特 許出願第08/551,149号の一部継続出願であり、米国特許出願第08/551,149号は、 1995年5月23日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/447,398号の一部継 続出願であり、米国特許出願第08/447,398号は、1994年8月12日に出願された同 時係属中の米国特許出願第08/289,667号の一部継続出願であり、米国特許出願第 08/289,667号は、1993年11月23日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/1 56,358号の一部継続出願であり、すべての出願が本明細書中に参考として援用さ れる。 本出願はまた、1995年10月20日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/5 45,926号の一部継続出願であり、米国特許出願第08/545,926号は、1995年5月23 日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/447,398号の一部継続出願であり 、米国特許出願第08/447,398号は、1994年8月12日に出願された同時係属中の米 国特許出願第08/289,667号の一部継続出願であり、米国特許出願第08/289,667号 は、1993年11月23日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/156,358号の一 部継続出願であり、すべての出願が本明細書中に参考として援用される。 発明の分野 本発明は、一般的に、細菌、原生動物、ウイルス、および真菌のような病原性 生物に対する免疫治療剤およびワクチンに関する。より詳細には、最大または最 も特異的な分子的免疫原性を示す病原性サブユニットまたは産物に基づく先行技 術のワクチンおよび免疫治療剤とは異なり、本発明は、哺乳動物宿主における効 果的な免疫応答を刺激するために、Mycobacterium tuberculosisのような選択さ れた病原体によって放出される、最も優勢なまたは主として豊富な免疫原性決定 基を用いる。したがって、本発明によって生じる獲得免疫および免疫治療活性は 、投与された化合物の相対的または絶対的な免疫原性とは特に関係なく、病原体 が感染する過程で、感染した宿主細胞上に最も頻繁に提示される抗原マーカーに 対して向けられる。 発明の背景 寄生微生物は、動物に感染し、それにより、宿主の疾患およびしばしばその死 をもたらす能力を有することが、長い間認識されている。病原性因子は、歴史を 通じて、死亡の主な原因であり、そして測り知れない苫しみを与え続けている。 この百年間で、多くの感染病の予防および処置において、劇的な進歩が認められ たが、複雑な宿主−寄生体相互作用のため、治療的方策の普遍的な有効性がなお 限定されている。多くの病原性ベクターが示す精巧な侵襲機構を阻止することの 難しさは、結核のような種々の疾患の復活、ならびに細菌およびウイルスの多数 の薬物耐性株の出現により証明される。 疫学的な関心の主な対象であるこれらの病原性因子のうち、細胞内細菌は、治 療的方策または予防的方策にもかかわらず、特に難治性であることが証明されて きた。Mycobacterium属およびLegionella属を含む、細胞内細菌は、その生活環 の全部または一部を、細胞外よりもむしろ、感染した宿主生物の細胞内で完了す る。世界中で、細胞内細菌は、毎年の何百万人もの死亡、および数え切れない苦 痛の原因となる。Mycobacterium tuberculosisによって生じる結核は、世界的に 、感染性疾患による死亡の主要な原因であり、毎年、一千万の新たな症例が生じ 、そして290万人が死亡する。さらに、細胞内細菌は、何百万ものハンセン病の 症例の原因となる。細胞内因子によって伝達される、他の消耗性の疾患には、皮 膚および内臓のリーシュマニア症、アメリカトリパノソーマ症(シャーガス病) 、リステリア症、トキソプラスマ症、ヒストプラスマ症、トラコーマ、オウム病 、Q熱、および、在郷軍人病を含むレジオネラ症が含まれる。今でも、これらの 生 物に曝露された感受性の個体における消耗性の感染を防ぐためにできることは比 較的少ない。 集団を結核から効果的に防御できないこと、および結核による、固有のヒトの 病的状態および死のため、これは、人類が直面している最も重要な疾患の一つで ある。より詳細には、M.tuberculosisによって主に起こるヒトの肺結核は、発 展途上国における主要な死亡原因である。マクロファージおよび単球の中で生存 できるため、M.tuberculosisは、慢性的な細胞内感染を引き起こし得る。外来 因子の検出、続く免疫系の活性化を主に担う細胞の中にそれ自体が隠れることに より、M.tuberculosisは、宿主生物の正常な防御の回避を比較的上首尾にして いる。これらの同一の病原特性が、結核菌感染に対する効果的な免疫治療剤また はワクチンの開発をこれまで妨げてきた。同時に、結核菌は、実験室の条件下で の培養および観察が比較的容易である。従って、M.tuberculosisは、本発明の 原理および利点を実証するのに、特によく適している。 当業者は、M.tuberculosisに関する以下の例示的な議論が、決して、M.tube rculosisの処置に本発明の範囲を限定することは意図しないことを理解する。同 様に、本明細書における教示は、決して、結核菌感染の処置に限定されない。反 対に、本発明を用いて、細胞外産物を発現する任意の病原性因子の免疫原性決定 因子に対する、安全で効果的なワクチンおよび免疫治療剤を有利に提供し、それ によって、これらの生物の感染伝播を阻害し得る。 現在、世界人口の約半分がM.tuberculosisに感染し、毎年何百万症例の肺結 核をもたらしていると考えられている。この疾患は、ラテンアメリカ、アフリカ 、およびアジアの発展途上国において特に深刻な健康問題である一方、第一世界 においてもまた、より流行してきている。米国においては、特定の集団、特に、 都市の貧しい免疫無防備状態の個人、および高い疾患罹患率の地域からの移民は 危険性が増加している。主としてAIDSの流行により、現在、先進国において結核 の発生率が、しばしば、多剤耐性M.tuberculosisの形熊で増加している。 最近、米国の50州のうち36州で、1種以上の薬物に対して抵抗性の結核が報告 された。ニューヨーク市では、1991年に試験されたすべての症例のうちの3分の 1が、1種類以上の主要な薬物に抵抗性であった。非抵抗性の結核は、長期間の 治療方針で抗生物質を用いて治癒され得るが、薬物抵抗性株に関する見通しは厳 しい。2種類以上の主要な抗生物質に抵抗性の株に感染した患者は、ほぼ50%の 致死率を有する。したがって、このような種々のM.tuberculosisに対する安全 かつ効果的なワクチンが非常に必要とされる。 M.tuberculosisの初期感染は、ほぼ常に、エアロゾル化した粒子の吸入によ って起こる。なぜなら、この病原体は、湿った痰または乾いた痰の中で、数週間 または数カ月間生存可能なままであり得るからである。感染の原発部位は肺であ るが、この生物はまた、骨、脾臓、髄膜、および皮膚の感染も引き起こし得る。 特定の株の毒性、および宿主の抵抗性に依存して、組織に対する感染および対応 する損傷は小さい場合もあり、もしくは大きい場合もある。ヒトの場合には、初 期感染は、細菌の毒性株に曝露された個体の大多数では制御される。最初のチャ レンジ後の獲得免疫の発達により、細菌の増殖が減少し、それによって、病変は 回復し、そして被験体は、主に無症候のままであるが、あるいは感染性のままで ある。 M.tuberculosisが、感染した被験体によって制御されない場合、肺組織の広 範な退化がしばしば生じる。結核菌が、肺胞または肺マクロファージ内で繁殖す るので、感受性個体においては、通常、肺中で病変が形成される。この生物は繁 殖するにつれて、リンパ系を介して遠位のリンパ節に広がり得、血流を介して、 肺の頂、骨髄、腎臓、および脳を囲む髄膜に広がり得る。主に、細胞媒介の過敏 性反応の結果として、感染の重篤度に比例して、特徴的な肉芽腫性の病変または 結節が生じる。これらの病変は、単球、リンパ球、および線維芽細胞に隣接した 類上皮細胞からなる。ほとんどの症例において、病変または結節は最終的に壊死 性になり、そして乾酪化をうける。 M.tuberculosisは、重要な病原体であるが、Mycobacterium属の別の種もまた 、ヒトを含む動物の疾患の原因となり、そして明らかに本発明の範囲内に含まれ る。例えば、M.bovisは、M.tuberculosisに密接に関連し、ウシ、ブタ、ヒツ ジ、ウマ、イヌ、およびネコのような家畜における結核菌感染の原因である。さ らに、M.bovisは、腸管を介して、代表的には、生のミルクの摂取から、ヒトに 感染し得る。局所的な腸感染は、最終的に気道に拡がり、続いてまもなく古典的 な結核 の症状を引き起こす。Mycobacterium属の別の重要な病原性ベクターは、古来か らの疾患であるハンセン病の何百万の症例の原因となるM.lepraeである。動物 およびヒトにおいて疾患の原因となるこの属の別の種には、M.kansasii、M.av ium intracellulare、M.fortuitum、M.marinum、M.chelonei、M.africanum 、M.ulcerans、M.microti、およびM.scrofulaceumが含まれる。病原性のマイ コバクテリウムの種は、しばしば、それらのそれぞれのDNAおよび対応するタン パク質配列において高度の相同性を示し、そしてM.tuberculosisおよびM.bovi sのようないくつかの種は、高度に関連している。 明らかに実際的かつ倫理的な理由のため、このような苦痛をもたらすものに関 する実験的組成物の効力を決定するためのヒトにおける最初の研究は、実行不可 能である。したがって、任意の薬物またはワクチンの最初の開発において、安全 性および費用の理由から、適切な動物モデルを用いることが、標準的な手順であ る。免疫優性エピトープが、しばしば異なる宿主種において活性であるという理 解から、実験動物モデルの実行の成功が予測される。このように、一つの種(例 えば、齧歯類またはモルモット)における免疫原性決定因子は、一般的に、ヒト のような異なる種においても免疫反応性である。適切な動物モデルが十分に開発 された後にのみ、ヒトにおけるワクチンの安全性および効力をさらに実証するた めに、ヒトにおける臨床試験が行われる。 M.tuberculosisによる肺胞または肺の感染に関しては、モルモットモデルが 、多くの点で、この疾患のヒトの病理と密接に類似している。したがって、ヒト および他の哺乳動物に対するこの疾患のモルモットモデルを外挿するのが適切で あることが、当業者によく理解される。ヒトのように、モルモットは、低用量の エアゾール化したヒト病原体M.tuberculosisの結核菌感染に感受性である。初 期感染が通常制御されるヒトとは異なり、モルモットは、エアゾール化した病原 体に曝される際、散在性の疾患を一貫して発症し、その後の解析を容易にする。 さらに、モルモットとヒトとは両方、稠密な単核細胞の硬化、または皮膚の試験 部位の硬直した領域の発症によって特徴づけられる、皮膚性遅延型過敏性反応を 示す。最後に、ヒトおよびモルモットの特徴的な結核性病変は、ラングハンス型 巨細胞の存在を含む、類似の形態を示す。モルモットは、この疾患の初期感染お よ び進行に対してヒトよりも感受性であるので、この動物モデルを用いる実験にお いて付与される任意の防御は、ヒトまたは他のより感受性の少ない哺乳動物にお いて、同じ防御免疫が生じ得るという強い示唆を提供する。従って、制限する目 的ではなく、説明する目的のためにのみ、本発明を、哺乳動物宿主としてのモル モットの例示的な文脈において、最初に実証する。本発明が、ヒト、および家畜 化された動物を含む、他の哺乳動物宿主を用いて実施され得ることは、当業者に 理解される。 病原性ベクター、および特に、細胞内生物に感染した動物またはヒトは、宿主 免疫系に困難な挑戦を与える。多くの感染性因子は、体液性応答および対応する 防御抗体の産生によって、効果的に制御され得るが、これらのメカニズムは、身 体の細胞外体液中に位置するこれらの病原体に対してのみ主に有効である。詳細 には、オプソニン作用を有する(opsonizing)抗体は、細胞外の外来因子に結合 し、それにより、それらを食作用およびその後の細胞内殺傷に対して感受性にす る。さらに、これは、他の病原体には当てはまらない。例えば、以前の研究では 、液性免疫応答が、M.tuberculosisのような細胞内細菌による感染に対して重 要な防御的役割を果たさないようであることを示していた。しかし、本発明は、 標的病原体に対する有益な液性応答を生じさせ得、そしてそのこと自体、その有 効性は、刺激された免疫応答の任意の特定の構成成分に限定されない。 より詳細には、抗体に媒介される防御は、外見上、細胞内病原体の初期感染を 阻止せず、そして一旦、細菌が宿主細胞の中に隔離されると効力がなくなる。水 溶性タンパク質として、抗体は、細胞外の体液および血液に浸透し得るが、細胞 の脂質膜を通って移動することは困難である。さらに、細菌の表面構造に対して オプソニン作用を有する抗体の産生は、実際、細胞内病原体が宿主細胞に侵入す るのを補助し得る。したがって、Mycobacteriumのような細胞内因子に対する効 果的な予防測定法は、無防備な食細胞を活性化するか、または、細胞傷害的にそ れらを排除する、抗原特異的リンパ球の迅速な増殖をもたらす、攻撃的な細胞媒 介免疫応答成分を取り込むべきである。しかし、以下に詳細に議論するように、 細胞媒介免疫応答を誘導することは、防御免疫を誘導することと等しくはない。 細胞媒介免疫は、防御免疫の前提となる先行条件であり得るが、本発明の教示に したがうワクチンの産生は、動物に基づいたチャレンジ実験が必要である。 この細胞媒介免疫応答は、一般的に2つの工程を含む。細胞が感染したという シグナルを送る第一の工程は、細胞の表面に病原体の断片を送達する特別な分子 (主要組織適合性分子、すなわちMHC分子)によって達成される。これらのMHC分 子は、感染細胞の中で分解された細菌タンパク質の小フラグメントに結合し、そ してそれらを細胞表面に提示する。T細胞に対するこれらの提示は、宿主の免疫 系を刺激して、感染宿主細胞を除去するか、または、宿主細胞の中に存在してい る全ての細菌を根絶するように宿主細胞を誘導する。 ほとんどの感染性細菌とは異なり、M.tuberculosisを含むMycobacteriumは、 膜によって細胞の残りの部分から実質的に密封されている液胞の中で増殖する傾 向がある。食細胞はこれらの防御的な液胞を自然に形成し、このことは、このク ラスの病原体による感染に対して食細胞を特に感受性にする。このような液胞に おいて、細菌は、分解から効果的に防御され、免疫系が、感染した細胞の表面に 完全な細菌成分を提示するのを困難にする。しかし、感染細胞のMHC分子は、液 胞に移動し、そして遊離の(解離した)細菌産物を収集するか、または、細胞表 面における産物の正常な提示のために、外来の細胞外細菌産物が輸送された、宿 主細胞の他の部位に移動する。以前に示されたように、外来細菌産物の提示は、 宿主の免疫系による適正な応答を誘発する。 免疫系に対して提出された問題の細胞内病原体はまた、ワクチン開発に対する 特別な挑戦を構成する。これまで、ほとんどの研究者には、Mycobacterium感染 、および特に、M.tuberculosisに対する効果的なワクチンの産生を見出さなか った。現在、細胞内病原体に対して広範に利用可能なワクチンは、M.bovisの無 毒性株である、生菌弱毒化ワクチンのBCGのみであり、これは、結核菌に対する 予防測定法として用いられる。さらに、1988年には、インドの世界保健機構の広 範な研究によって、最良のBCGワクチンの効力は測定できないほど僅かであると 決定された。この問題となり得る効果にも関わらず、世界中の結核の高発生地域 で、BCGワクチンが広範に用いられてきた。問題をなおさらに複雑にしているの は、BCGでワクチン接種された個体が、しばしば、結核のスクリーニングおよび コントロールに関する最も一般的な皮膚試験の有効性を打ち消す、ツベルクリン に対す る感受性を発生することである。 BCGのような生菌弱毒化ワクチンを用いることに関する別の深刻な問題は、免 疫無防備状態の患者が、生命を脅かす疾患を起こす可能性があることである。迅 速に増殖する誘導された感染と闘う能力が低下しているので、これらのワクチン は、細胞媒介免疫が低下している人に特別の危険を与える。このような個体には 、栄養不良および劣悪な生活状態によって弱っている個体、器官移植のレシピエ ント、ならびに、HIVに感染した人が含まれる。BCGワクチンの場合には、危険性 の高い個体には、気腫、慢性気管支炎、塵肺、珪肺、および以前の結核のような 肺疾患を患っている人も含まれる。したがって、弱毒化ワクチンの使用は、まさ に、それらが最も高い潜在的有益性を有する集団に限られている。 生菌弱毒化ワクチンの使用はまた、他の望ましくない副作用をもたらし得る。 生ワクチンはレシピエント中で繁殖するので、非感染性ワクチンよりも広範な抗 体および方向性のより少ない細胞媒介免疫応答を誘発する。このショットガンア プローチは、細胞性の防御に最も関与する分子構造に向けられた免疫応答を妨害 する傾向を有する。さらに、インタクトな膜を有する生ワクチンの使用は、効果 的な食作用のため外来の物体(body)を調製するオプソニン作用を有する抗体を 誘導し得る。したがって、宿主が標的生物の毒性株に曝される際、このような抗 体の存在により、弱毒化されていない病原体が生存し、そして増殖し得る宿主細 胞へのこれらの病原体の取り込みが実際に促進され得る。さらに、弱毒化ワクチ ンは、何千もの異なる分子種を含み、その結果、おそらく患者において毒性であ るか、または、有害な免疫応答を誘発し得る分子種を含む。生ワクチンが有する 他の問題には、毒性の復活、接触による自然の伝染、混入しているウイルス、お よびウイルス干渉、ならびに標準化に伴う困難が含まれる。 同様に、殺傷された生物、または強度に抗原性の膜結合構造に対する従来の第 2世代サブユニットワクチン(second generation subunit vaccine)のような 非感染性ワクチンは、細胞内細菌の阻害に関して限定される。弱毒化ワクチンと 同様、死菌は、最も効果的な防御的決定因子を阻害し得る無差別の応答を誘発す る。さらに、死菌ワクチンは、なお、免疫系に対して、多数の潜在的に抗原性の 構造を提示し、それによって、免疫系による毒性反応、またはオプソニン化の可 能性を増加させる。膜結合構造を取り込む伝統的なサブユニットワクチンはまた 、合成されたものも、精製されたものもいずれも、細胞内病原体が繁殖する食細 胞中への細胞内病原体の侵入を促進する強いオプソニン効果を誘導し得る。細菌 の含有率を増加させることによって、細胞内表面抗原に対する死菌ワクチンは、 病原性因子の相対的な毒性を増加させ得る。したがって、強い抗原性の細菌表面 成分に対する従来の弱毒化または死菌ワクチンは、細胞内病原体の場合に禁忌を 示し得る。 伝統的なワクチンの使用に関連した問題を回避するために、特定の細胞内病原 体に対する防御免疫を刺激するために、細胞外タンパク質、またはそれらの免疫 原性アナログを用いて開発が行われてきた。例えば、本発明者らの1992年4月28 日発行の米国特許番号5,108,745は、Legionella pneumophila、およびM.tuberc ulosis、およびその他の細胞内病原体に対する防御免疫を生じるワクチンおよび 方法を開示する。これらの先行技術によるワクチンは、インビトロでは、病原性 細菌によってブロス培養液中に細胞外に放出され、そしてインビボでは、感染し た宿主細胞の中に細菌によって細胞外に放出される、タンパク質性化合物に本来 由来する細胞外産物に広く基づいている。その中で開示されているように、これ らのワクチンは、哺乳動物宿主の中で、標的病原体に対して強い免疫応答を刺激 する細胞外産物、またはそのアナログの同定に選択的に基づいている。 より詳細には、目的の病原体に対して免疫された哺乳動物において、強いリン パ球増殖応答、または皮膚性遅延型過敏性反応のいずれかを誘発する能力を決定 することによって、これらの先行技術による候補となる細胞外タンパク質をスク リーニングした。この開示された方法、および関連するワクチンは、伝統的なワ クチンの使用に固有の不利益の多くを回避するが、交差反応による矛盾する免疫 応答結果および宿主の変化によって、効果的な免疫化剤を選択するのを複雑にし 得る。したがって、分子的免疫原性は、効果的なワクチンの1つの指標であるが 、他の要素が、それをインビボでの効果的な免疫応答の誘導における使用を複雑 にし得る。 より重要なのは、驚くべきことに、特にM.tuberculosisに関して、効果的な 防御免疫を誘導するワクチンを同定するための従来の先行技術の方法は、厄介で ありかつ潜在的に効果的でないことが発見されたことである。例えば、最も免疫 原性のあるこれらの細胞外成分を同定することを目的とした、大量のM.tubercu losisの細胞外タンパク質のSDS-PAGE解析および続く従来のウエスタンブロット 技術は、矛盾した結果を生じた。反復試験は、どの細胞外産物が最も強い免疫原 性応答を生じ、そして先行技術の見解に一致し、それにより、最も効果的なワク チンとして機能するのかを同定できなかった。M.tuberculosisの細胞外産物の 多くは、当技術分野において周知であり、既に同定され、そしていくつかの場合 配列決定されている。さらに、任意の外来タンパク質と同様に、これらの公知の 化合物が、免疫応答を誘導することを示し得る。しかし、当該分野において、こ れらの公知の化合物のいずれかが、伝統的に同定されたような防御免疫を誘導す ることを直接的に示すものは何もない。 したがって、高度に特異的で、強い免疫原性の実施可能性に基づく伝統的なワ クチンの考察および選択技術に頼らない、感染性の細菌性病原体に対する効果的 な免疫応答の増加において、ワクチンまたは免疫治療剤、ならびにそれらを産生 および使用するための方法を提供することが本発明の主な目的である。 哺乳動物宿主において、M.tuberculosis、M.bovis、M.kansasii、M.avium -intracellulare、M.for tui tum、M.chelonei、M.marinum、M.scrofulaceu m、M.leprae、M.africanum、M.ulcerans、およびM.microtiを含む、細胞内病 原体に対する獲得免疫性を付与するために、ワクチンまたは免疫治療剤を提供し 、そしてそれらを使用するための方法を提供することが、本発明の別の目的であ る。 死菌、または弱毒化ワクチンと比較して、弱い毒性を示す、容易に作製された ワクチンおよび免疫治療剤を提供することは、本発明のさらなる目的である。 発明の要旨 本発明は、ワクチンおよび/または免疫治療薬剤としての使用のための化合物 、およびその産生方法および哺乳動物宿主において病原体による感染に対して防 御的または治療的免疫応答を発生させるための使用の方法を提供することによっ て、上記および他の目的を達成する。広い局面において、本発明は、細胞外化合 物を産生する感染ベクターに対する防御的または治療的免疫応答を誘導するため の手 段を提供する。本発明の化合物は病原性細菌に対して特に有効であるが、これら は、主として豊富な細胞外産物を産生する任意の病原体に対する防御的または治 療的免疫応答を発生させるために使用され得る。 本発明の目的のために、用語「主として豊富な(majorly abundant)」は、目的の 病原体により最高量で放出される細胞外産物を同定する相対的な用語として理解 されるべきである。例えば、種々の培養条件下で約0.5の光学密度まで増殖したM .tuberculosisに関して、当業者は、10μg/Lまたはそれ以上のオーダーで、主 として豊富な細胞外産物を取得すると予期するはずである。したがって、通常ま たは熱ショック条件下で増殖したM.tuberculosisについて、細胞外産物の典型 的には合計4mg/Lの合計産出量(output)のうち、100前後の公知の細胞外産物 の約15〜20(単独または組合せで)が、合計量の約90%を構成する。これら は、本発明の範囲内であると企図される主として豊富な細胞外産物であり、そし てSDS/PAGEゲルにおいて見られる広いバンドとして容易に同定可能である。さら に、目的の細胞外産物は、アミノ酸配列決定によって、さらに特徴付けられ得そ して識別され得る。残りの細胞外産物は少ない(minor)。当業者はまた、特定の 主要な細胞外産物の相対的な量的豊富は、培養条件に依存して変化し得ることを 理解する。しかし、ほとんどの場合、個々の主として豊富な細胞外産物の同定は 、変わらない。 したがって、本発明は、ウイルス、細菌、真菌、または原生動物の病原体によ る感染に対して、哺乳動物宿主を防御するために使用され得る。いくつかの場合 、例えば、ウイルス感染では、主として豊富な細胞外産物は、感染された宿主細 胞によって産生され得ることに留意すべきである。主として豊富な細胞外産物を 放出するすべての微生物に対して活性であるが、本発明のワクチンおよび方法は 、細胞内病原体(Mycobacterium属の多様な種および血清群を含む)に対する防御 的免疫を発生させるに特に有効である。本発明のワクチンはまた、存在する疾患 状熊の処置のための免疫治療薬剤として有効である。 驚くべきことに、細菌病原体またはその免疫原性アナログにより細胞外に放出 される最も豊富なもしくは主として豊富な産物での免疫は、投与された化合物の 絶対的な免疫原性に拘わらず、有効な免疫応答を誘発し得ることが本発明者によ って判明した。生物からのその放出およびしたがって抗原のプロセシングおよび 提示に関与する宿主分子に対するその利用可能性のため、そして感染の間の組織 におけるその天然に高い濃度のために、病原因子の主として豊富な細胞外産物は 、プロセシングされ、そして他の細菌成分より頻繁に宿主の免疫系に提示される 。細胞内病原体の場合、主として豊富な細胞外産物は、感染した宿主細胞の表面 に提示された主要な免疫原性決定基であり、したがって周囲環境においてより大 きな存在を示す。したがって、病原性生物の主として豊富な細胞外産物に対して 獲得された免疫は、宿主の防御系が宿主細胞内部に隠れた病原体を速やかに検出 し、そしてそれらを有効に阻害するのを可能にする。 より詳細には、病原性細菌によって放出される主要なまたは主として豊富な産 物は、その個々の免疫原性活性または特異性に拘わらず、食細胞および他の宿主 免疫系機構によって、より優勢でないか膜に結合した病原体成分より大きな速度 でプロセシングされるように見える。この免疫プロセシング(immunoprocessing) の不等は、病原性因子が正常な免疫活動から隠れた細胞内細菌である場合、特に 有意義である。感染宿主の免疫系へのその豊富で連続的な提示により、細菌の最 も優勢な細胞外産物またはその免疫原性アナログは、個々の分子の免疫原性特徴 に全く拘わらず、活発な免疫応答を誘発する。 主として豊富な細胞外産物は、標的病原体により周囲環境に放出されるタンパ ク質および他の分子実体(entity)の主要な構成要素である。現在の研究は、ある 場合には、単一の主として豊富な細胞外産物が、微生物によって放出される産物 の40重量%までを含み得ることを示す。より頻繁には、個々の主として豊富な 細胞外産物は、感染性病原体により放出される総産物の約0.5%〜約25%の 間を占める。さらに上位5または6つの主として豊富な細胞外産物は、微生物に より放出される総質量の60%〜70%を含むことが判明し得る。もちろん、当 業者は、放出される産物の絶対的または相対的量が変化し得るので、細胞外産物 の相対的レベルが経時的に変動することを理解する。例えば、pH、酸化剤、容量 オスモル濃度、熱およびその生物に対する他のストレス条件、生活環のステージ 、再現状況、および周囲環境の組成は、放出される産物の組成および量を変化さ せ得る。さらに、細胞外産物の絶対的および相対的レベルは、種ごとに、そして 1 つの種の株間でさえ大きく異なり得る。 細胞内病原体の場合、細胞外産物は、生細菌を含むマクロファージを検出し得 、そして生細菌を含むマクロファージに対して抗菌効果を発揮し得る特異的な免 疫リンパ球の集団に拡張されるようである。さらに、感染細胞の表面でのその反 復提示により、主として豊富なまたは主要な細胞外産物は、有効な抗原性マーカ ーとして機能する。したがって、本発明の教示に従って、病原性細菌の主として 豊富な細胞外産物またはその免疫原的に等価な決定基に関する、ワクチン接種お よび防御免疫の誘導は、後に標的病原体が感染する場合に、宿主免疫系が、強力 な細胞媒介成分による迅速で効率的な免疫応答を備えるように促す。 個々のスクリーニングされた病原体成分の高度に特異的な抗原性に基づく、ワ クチンの産生および免疫応答の刺激に主に焦点を当ててきた従来の免疫研究活動 (activities)とは正反対に、本発明は、より優勢でない細胞外産物より低い免疫 原的特異性を実際に示し得る化合物を用いて防御免疫を樹立または誘導するため に、相対的に豊富な細菌性細胞外産物または(その免疫原的特異性よりむしろ)そ の免疫原性アナログを有利に利用する。この開示の目的のために、免疫原性アナ ログは、標的病原体により発現される少なくとも1つの主として豊富な細胞外産 物またはその任意のフラグメントと十分に類似し、標的病原体による後の感染の 際に、ワクチン接種した哺乳動物宿主において防御免疫応答を刺激する能力を有 する任意の分子または化合物である。要するに、本発明のワクチンは、特定の病 原体により細胞外に放出される主として豊富な産物(または実質的に等価な免疫 応答を刺激し得る分子アナログ)を選択し、そしてそれらを比較的純粋な形態で 単離するか、またはその後、その産生を担うDNAもしくはRNAを配列決定し て、その合成的産生もしくは内因性産生を可能にすることによって、同定される かまたは産生される。次いで、標的病原体に対する所望の予防的免疫応答が、当 該分野において周知の技術を用いて1またはそれ以上の単離された免疫反応性産 物またはコード遺伝物質を処方し、そして標的病原体による感染の前に哺乳動物 宿主を免疫することによって惹起され得る。 本発明が、少なくとも1つ、2つまたは恐らくはいくつかの十分に規定された 免疫原性決定基からなることが予期される。その結果、本発明は、比較的容易で 迅速に開発され、試験され、そして投与され得る、一定の標準化されたワクチン を産生する。さらに、主として豊富な分泌性もしくは細胞外性の産物に対応する 2,3の十分に規定された分子の使用は、従来のワクチンに関連する有害な副作 用の危険を大いに減少させ、有効な免疫原性マーカーの閉塞の可能性を排除する 。同様に、本発明は、弱毒化ワクチンでも死ワクチンでもないので、生産、精製 、の間または投与の際の感染の危険は、効果的に排除される。このように、本発 明のワクチンは、免疫無防備状態の個体(無症候性の結核患者およびHIVに感染 した患者を含む)に安全に投与され得る。さらに、体液性免疫応答は、標的病原 体によって放出される産物に排他的に指向するので、有害なオプソニン性免疫成 分を産生する機会がほとんどない。したがって、本発明は、刺激された体液性応 答が、抗体感受性領域からの標的病原体の排除を補助すること可能にする。 本発明の別の有益な局面は、ワクチンが回収または産生され得、続いて精製お よび配列決定され得る容易さである。例えば、優勢に豊富な細胞外産物は、標的 病原体(M tuberculosisまたはM.bovisを含む)の培養物から努力することなく得 られ得る。所望の化合物は増殖の間に培地中に放出されるので、これらは、従来 の技術を使用して、標的病原体の細菌内成分および膜結合成分から容易に分離さ れ得る。より詳細には、本発明のワクチンの所望の免疫反応性構成要素は、遺伝 子操作された生物から産生および精製され得る。この遺伝子操作された生物に、 M.tuberculosis、M.bovis、M leprae、または目的の他の任意の病原体の特定 の細胞外産物を発現する遺伝子がクローニングされている。当該分野において公 知のように、このような操作された生物は、より高いレベルの選択された細胞外 産物または改変された免疫原性アナログを産生するように、改変され得る。ある いは、免疫防御的産物、その部分またはそのアナログは、当該分野において周知 の技術を使用して、化学的に合成され得るか、またはそれをコードする裸の遺伝 子を注入された宿主細胞において直接発現させ得る。どのような産生源が使用さ れようとも、優勢もしくは主として豊富な細胞外産物の免疫原性成分は、通常の 生化学的手順(例えば、分画化、クロマトグラフィーまたは他の精製方法論)およ び従来の処方技術を使用して、分離され得、続いて送達可能なワクチンに処方さ れ得るか、または直接導入された、それをコードする遺伝子構築物を含む宿主細 胞において直接発現させ得る。 例えば、本発明の例示的な実施態様において、標的病原体は、M.tuberculosi sであり、そしてM tuberculosisによりブロス培養物に細胞外に放出された主と して豊富な産物は、他の細菌成分から分離され、そして哺乳動物宿主において免 疫応答を誘発するために使用される。次いで、個々のタンパク質またはタンパク 質群が、防御免疫を誘導するタンパク質を同定するために、動物ベースのチャレ ンジ(challenge)実験において利用されて、それらを本発明の教示に従うワクチ ンとしての使用に適切にする。より詳細には、細菌の増殖および回収後、その物 理的豊富さのために、主要な細胞外産物が、遠心分離および濾過により細菌内成 分および他の成分から分離される。所望であれば、次いで得られるバルクの濾液 を、硫安沈殿を使用する分画化、続いて透析に供して、細胞外産物の混合物(通 常、EPと称される)を得る。次いで、透析した画分中の可溶化細胞外産物は、当 該分野で公知で下記により十分に記載するように、適切なクロマトグラフィー技 術を使用して、実質的に均質まで精製される。 これらの例示的な手順の結果、M.tuberculosisの、110キロダルトン(KD)〜12 KDの範囲の分子量を有する14個の別個のタンパク質性の主要細胞外産物が産生 される。精製後、個々の主として豊富な細胞外産物はそれぞれ、ポリアクリルア ミドゲル電気泳動に供した場合、それぞれの分子量に対応する1つのバンドを示 し、それにより、主として豊富な細胞外産物に対応する個々の産物または産物群 が、本発明の教示に従うワクチンとしての使用のために同定および調製されるこ とが可能になる。精製された主として豊富な細胞外産物は、当該分野において通 常の技術を使用してそれぞれのアミノ酸配列の全てもしくは一部分を決定するこ とによって、さらに特徴付けられ得、そして識別され得る。配列決定はまた、主 として豊富な細胞外産物間の可能な構造的関係に関する情報を提供し得る。 続いて、哺乳動物宿主系における免疫および獲得免疫の刺激は、これらの精製 された細胞外産物の、経時的な一連の皮下または皮内注射を利用する本発明の教 示により達成され得る。例えば、フロイント不完全アジュバント中の精製された 主として豊富な細菌性細胞外産物の注射、続いて、約3週間後の同じアジュバン トでの第二の注射が、後のビルレント病原体でのチャレンジの際に、防御応答を 惹起するために使用され得る。本発明の範囲内および教示内の他の例示的な免疫 プロトコルは、所定の期間にわたる、Syntex Adjuvant Formulation(SAF)中の精 製された細胞外産物もしくはそのアナログの一連の3または4の注射を含み得る 。一連の注射が一般により有効であると判明するが、選択された主として豊富な 細胞外産物またはその免疫原性サブユニットもしくはそのアナログの単回投与は 所望の免疫応答を付与し得、そして同様に本発明の範囲にあることが意図される 。 このような例示的なプロトコルは、当該分野において受け入れられた実験室モ デル(例えば、モルモット)を使用して立証され得る。例えば、詳細に議論される ように、5つの主として豊富な細胞外産物(前述のようにM.tuberculosisから精 製)と組合せでの数匹のモルモットの免疫は、コントロール動物の対応する偽免 疫を伴って、SAFアジュバント中のその細菌産物3回の注射の免疫シリーズによ り達成された。各タンパク質の例示的な投薬量は、100μg〜2μgの範囲であっ た。最後のワクチン接種後、すべての動物を、同時に感染性の潜在的に致死性用 量のエアロゾル化M.tuberculosisに曝露し、そして長時間モニターした。コン トロール動物は、M.tuberculosisの主として豊富な細胞外産物の組合せで免疫 した動物と比較した場合、体重の有意な減少を示した。さらに、コントロール動 物の半数が、観察期間の間に死亡したが、免疫動物は全く、結核のために死亡し なかった。本実験後に行った剖検により、非免疫コントロール動物は、防御され た動物より有意に多いコロニー形成単位(CFU)ならびに肺および脾臓に対応する 損傷を有した。精製された主として豊富な細胞外産物の17のさらなる組合せが 、試験された場合に免疫予防を提供し、このことにより、本発明の範囲および本 発明の教示に従って処方され得る広範囲のワクチンが示された。 しかし、本発明は、分泌性もしくは細胞外産物の組合せに限定されないことが 強調されるべきである。例えば、いくつかの代わりの実験プロトコルは、本発明 の教示に従って、単一の豊富な細胞外産物が哺乳動物の防御的免疫を誘導する能 力を立証する。各実験において、モルモットを、本明細書に詳述されるクロマト グラフィープロトコルを使用してM.tuberculosis EPから精製した単一の主とし て豊富な細胞外産物で免疫した。1つの実施例において、30KDに対応する分子量 を有する、精製された豊富な分泌性産物を含むアジュバント組成物を用いる複数 の実験で、動物にワクチン接種した。本発明の別の実施例において、71KDに対応 する分子量を有する、M.tuberculosisから単離された豊富な分泌性産物を含む アジュバント組成物を、異なるモルモットにワクチン接種した。それぞれの免疫 後に、両方のセットの動物および適切なコントロールを、致死用量のエアロゾル 化M.tuberculosisに曝露して、ワクチンの有効性を決定した。 より詳細には、1つの実験において、6匹のモルモットに、SAF中の100μgの3 0KDタンパタ質を、6週間にわたって3回免疫した。コントロール動物に、対応 する量の細胞外タンパク質(EP)のバルク調製物もしくは緩衝液を同時にワクチン 接種した。最終のワクチン接種の3週間後、動物に、エアロゾル化した致死用量 のM.tuberculosisを用いてチャレンジし、そして14週間モニターした。30KD 免疫モルモット、およびバルクの細胞外調製物で免疫したモルモットは、それぞ れ、67%および50%の生存率を有した(EPに対する、主として豊富な細胞外 産物の予期し得ない優れた性能を示す)が、偽免疫動物は、わずかに17%の生 存率を示した。実験終了の際に、動物を屠殺し、生存可能な結核菌について検査 した。もっともなことに、非免疫動物は、肺および脾臓において、顕著により高 い濃度のM.tuberculosisを示した。 71KDタンパク質をワクチン接種した動物で同様な実験を行った。1つの実験に おいて、6匹のモルモットに、100μgの精製71KDタンパク質を含むSAFアジュバ ント組成物を、3週間にわたって2回ワクチン接種した。他の動物を、ポジティ ブコントロールとしての使用のためには未精製の細胞外タンパク質もしくはEPの バルク調製物で、そしてネガティブコントロールとしての使用のためには緩衝液 で同様に免疫した。致死用量のエアロゾル化結核菌への曝露後、モルモットの体 重を6ヶ月間モニターした。再び、精製形態の豊富な細胞外産物で免疫した動物 は、ビルレントなM.tuberculosisに関する防御免疫を発現した。その期間の終 わりまでに、緩衝液を免疫した動物は、免疫した動物と比較した場合、体重の有 意な損失を示した。さらに、ポジティブコントロールおよび71KD免疫動物は、そ れぞれ63%および50%の生存率を示したが、非免疫動物はすべて、観察期間 の終わりまでに死亡した。 ワクチンの処方は本発明にとって重要ではなく、投与を促進するために最適化 され得ることに注意することが重要である。主として豊富な病原体の細胞外産物 に由来する、精製された免疫原性決定基の溶液は、単独でもしくは組合せで、防 御免疫応答を生じるように設計された任意の様式で投与され得る。精製タンパク 質溶液は、単独で送達され得るか、または投与される前にアジュバントと処方さ れ得る。 あるいは、主として豊富な病原体の細胞外産物に由来する1またはそれ以上の 免疫原性決定基の遺伝子をコードする遺伝物質は、真核生物プロモーターおよび /または分泌配列と連結され得、そして哺乳動物宿主に直接注射されて、免疫原 性決定基の内因性発現および続く防御免疫を誘導し得る。 本発明の他の目的、特徴、および利点は、最初に簡潔に記載される図面と共に 、以下の本発明の好ましい例示的な実施態様の詳細な説明を考慮することにより 、当業者に明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、4つのクーマシーブルー染色ゲルの図(1a〜1dと呼ぶ)であり、ド デシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により同定さ れるように、M.tuberculosisの例示的な主として豊富な細胞外産物の精製を示 す。 図2は、M.tuberculosisの14の例示的な主として豊富な細胞外産物(配列番 号1〜14)の5個のN末端アミノ酸、およびこれらの産物についての見かけの 分子量を同定する表である。 図3は、図2に示される5個のN末端アミノ酸によっては識別されなかった、 M.tuberculosisの3つの例示的な主として豊富な分泌性産物の拡張されたN末 端アミノ酸配列(配列番号15〜17)の表である。 図4は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、M.tu berculosisの例示的な精製された主として豊富な30KD分泌性産物で免疫されたモ ルモットの、細胞外タンパク質の従来のバルク調製物で免疫されたポジティブコ ントロールおよび非免疫ネガティブコントロールとの生存率比較のグラフである 。 図5は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、精製 された主として豊富な71KD細胞外産物で免疫された動物の、M.tuberculosis由 来の細胞外タンパク質の従来のバルク調製物で免疫されたポジティブコントロー ルおよび非免疫ネガティブコントロールとの平均モルモット体重の比較グラフで ある。 図6は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、M.tu berculosisの例示的な主として豊富な精製された71KD細胞外産物で免疫された図 5のモルモットの、M.tuberculosis由来の細胞外タンパク質の従来のバルク調 製物で免疫されたポジティブコントロールおよび非免疫ネガティブコントロール との生存率の比較グラフである。 図7は、第2の別の実験での、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの 曝露後における、例示的な精製された主として豊富な71KD細胞外産物で免疫され た動物と非免疫ネガティブコントロールとの平均モルモット体重の比較グラフで ある。 図8aおよびbは、PPD+(M.tuberculosisによる感染を示す)およびPPD-ヒト 被験体における、例示的な精製された主として豊富な71KD細胞外産物に対するリ ンパ球増殖応答の比較のグラフである。図8aは、リンパ球のこの抗原とのイン キュベーションの2日後に測定した値のグラフである。図8bは、インキュベー ションの4日後に測定した値のグラフである。 図9は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、本発 明の教示に従って産生された細胞外産物の組合せを含むワクチンで免疫された動 物と、非免疫コントロールとの平均モルモット体重の比較グラフである。 図10は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、本 発明の教示に従って産生された細胞外産物の組合せを含む3つの異なる投薬量の ワクチンで免疫された動物と、非免疫コントロールとの平均モルモット体重の比 較グラフである。 図11は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、本 発明の教示に従って産生された細胞外産物の6つの異なる組合せを含むワクチン で免疫された動物と、非免疫コントロールとの平均モルモット体重の比較グラフ である。 図12aおよびbは、M.tuberculosisの30KDタンパク質の免疫優性エピトー プのマッピングを示すグラフである。図12aは、30KDタンパク質全配列をカバ ーする重複するペプチド(15マー)に応答する、30KDタンパク質で免疫した24 匹のモルモットの割合を示す。図12bは、19匹の偽免疫モルモット群につい ての対応する1セットのデータを示す。ネイティブの30KDタンパク質、精製タン パク質誘導体(PPD)、およびコンカナバリンA(Con A)への各動物群の応答は、各 グラフの右側に見られる。 図13は、M.tuberculosisの32A KDタンパク質の免疫優性エピトープのマッ ピングを示すグラフである。 図14は、組換え30KDタンパク質の発現に使用される構築物の模式図である。 この模式図は、組換え30KDタンパク質の発現に使用されるpET22bベクターを示す 。このベクターは、その自身のリーダー(30W-pET22b)またはプラスミドがコード するpel Bリーダー(30M-pET22b)に融合した成熟30KDタンパク質を発現する。使 用される略語:Ori、ColE1タイプの複製起点;F1 ori、ファージF1の複製起点; Amp、アンピシリン耐性遺伝子;30W/M、全長(30W)または成熟(30M)の30KDタンパ タ質;lacI、lacリプレッサー遺伝子;PT7、ファージT7 RNAポリメラーゼ特異的 プロモーター;NdeIおよびNcoI、ベクター/挿入連結部の制限酵素部位。 図15は、E.coli BL21(DE3)pLysSにおける全長および成熟30KDタンパク質の 発現を確認する、電気泳動試験の結果およびウエスタンブロット分析を示す。 図16は、30KDタンパク質を発現するために使用した別の構築物系の模式図で ある。 図17は、M.smegmatisにおける、M.tuberculosisの30KDタンパク質の発現 を確認する電気泳動試験の結果を示す。 図18は、M.smegmatisにおける、M.tuberculosisの30KDタンパク質の発現 を確認するウエスタンブロット分析の結果を示す。 図19は、組換え32A KDタンパク質の発現に使用される構築物の模式図を提供 する。この模式図は、組換え32A KDタンパク質の発現に使用されるpSMT3ベクタ ーを示す。(A)において、32A KDタンパク質の遺伝子を有するDNAフラグメント は、hsp60プロモーターとは反対の方向に配置されている。(B)において、32A K Dタンパク質の遺伝子を有するDNAフラグメントは、hsp60プロモーターと同じ方 向に配置されている。 図20は、28℃(レーン3)および37℃(レーン2)での組換え成熟M.tuberculo sis 32A KD主要細胞外タンパク質の分泌を比較する、電気泳動試験の結果を示す 。 図21は、種々の濃度の組換えヒトおよびマウスIL-12の存在下で、モルモッ トリンパ芽球の増殖の比較グラフである。 図22は、図21のものとは異なるモルモットからの、種々の濃度の組換えヒ トおよびマウスIL-12の存在下での、モルモットリンパ芽球の増殖の比較グラフ である。 図23は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、精 製された32A KD、30KD、および16KDの細胞外タンパク質、MF59アジュバント、な らびにIL-12の組合せを含むワクチンで免疫された動物と、非免疫コントロール との平均モルモット体重の増減の比較グラフである。 図24は、エアロゾル化致死用量のM.tuberculosisへの曝露後における、精 製された32A KD、30KD、および16KDの細胞外タンパク質と、MF59アジュバントと の、IL-12との、ならびにMF59およびIL-12の混合物との組合せを含むワクチンで 免疫された動物と、非免疫コントロールとの平均モルモット体重の増減の比較グ ラフである。 例示的実施態様の詳細な説明 本発明は、ワクチンおよび免疫治療剤のような、病原生物に対する化合物なら びにこれら化合物の産生方法および使用方法に関する。さらに詳細には、本発明 は、病原生物により放出される主として豊富な細胞外産物、ワクチンもしくは免 疫治療剤のような、それらの免疫原性アナログ、またはそれらをコードする関連 遺伝物質の産生および使用、ならびに感染に対する哺乳動物宿主における防御免 疫を誘発するための関連方法に関する。これらの化合物は、単純化の目的のため に本願を通してワクチンと呼ぶ。 本発明の教示の例示である例示的実施態様において、主として豊富なM.tuberc ulosisの細胞外産物が特徴付けられ、続いて精製された。この産物の個々の特異 的分子免疫原性を決定せずに、モルモットが、精製形態の大いに優性である細胞 外産物で免疫化された。さらに、例示的免疫化が、精製された細胞外産物を単独 または組み合わせで用いて種々の用量および投与経路で行われた。当業者は、こ の上述のストラテジーが、本発明の方法を実行するために病原生物または細菌に ついて利用され得ることを理解し、したがって本発明は、M.tuberculosisに対し 関連するワクチンおよび方法には、特に制限されない。 これらの例示的実施態様において、M.tuberculosisの主として豊富な細胞外産 物が分離され、そしてカラムクロマトグラフィーを用いて精製された。細胞外産 物の相対存在比の決定および精製は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて 達成された。ワクチン成分の精製に続いて、モルモットが、主として豊富な細胞 外産物を単独または組み合わせによりワクチン接種され、次いでM.tuberculosis でチャレンジされた。詳細に記載されるように、免疫化に続くこれらの細胞外産 物に対して予想された測定可能な応答の発現に加え、本発明のワクチンは、これ らの実験動物において、実質的に致死量のM.tuberculosisのエアロゾルに対して 予期せぬ免疫効果を与えた。 これらの例示的実施態様は、精製形態の細胞外産物を使用したが、当業者は本 発明が、組み換え手段により産生される免疫原性アナログまたは当該分野に周知 の技術を用いた化学合成の他の形態を使用して容易に実行され得ると理解する。 さらに、免疫原性アナログ、ホモログまたは主として豊富な細胞外産物の選択部 分が、本発明の範囲および教示内で天然に存在する主として豊富な産物の代わり に使用される。 本発明のさらなる理解は、当業者に対して、ワクチンとしての主として豊富な 細胞外産物(単独および組み合わせ)、同定、単離、産生およびの使用について の例示的なプロトコルを例示する以下の制限されない実施例から提供される。 実施例1Micobacterium tuberculosis からのバルクの細胞外タンパク質(EP)の単離およ び産生 M.tuberculosis Erdman株(ATCC35801)は、アメリカンティッシューカルチ ャーコレクション(Rockvill,Md.)から得た。凍結乾燥された細菌を、Middlebr ook 7H9培養培地(Difco Laboratories,Detroit,Mich.)で再構成し、そしてMid dlebrook 7H11寒天上で維持した。7H11寒天は、Bacto Middlebrook 7H10寒天(D ifco)、OADC Enrichment Medium(Difco)、0.1%カゼイン酵素加水分解物(Sig ma)、およびCohn(Cohn,M.1,Am.Rev.Respir.Dis.98:295-296)により前記のよ うなグリセロールを用いて調製し、そしてこれを参考として本明細書中で援用す る。オートクレーブによる滅菌に続き、この寒天を細菌用ペトリ皿(100×15mm )に分与し、そして放冷する。 次いで、M.tuberculosisを滅菌技術を用いてプレートし、そして37℃、5%CO2 -95%空気、湿度100%下で増殖させる。7H11を7日間培養した後、プレートからコ ロニーを掻きとり、7H9ブロスに108CFU/mlで懸濁し、そして1.8mlのNuncクライ オチューブ(Roskilde,Denmark)中にアリコートにした。各1リットルブロスを 、4.7gのBacto Middlebrook 7H9粉末と998mlの蒸留水および2mlのグリセロール (Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo)で、混合物のpH値を6.75に合わせる前に、 再水和し調製した。そして、ブロスを15分間121℃でオートクレーブした。次い で、アリコートした細胞を緩徐に凍結し、そして-70℃で保存した。この条件下 で保存した細胞は、無期限に生存し、必要なときに使用した。 バルクの細胞外タンパク質調製物(EP)を、上記のように作製したMiddlebroo k 7H9ブロス中で、M.tuberculosisを増殖させた培養物から得た。再構成に続い て、150mlのブロスのアリコートを15分間121℃でオートクレーブし、そして通気 孔のあるCo-star225cm2組織培養フラスコに分与した。前段落に記述の-70℃で保 存されたM.tuberculosis細胞を解凍し、7H11寒天プレートへの接種に使用した 。7日間の培養後、プレートからコロニーを掻き取り、数mlの7H9ブロス中に懸 濁し、そして単一の細胞懸濁液を形成するために水浴中で超音波処理した。M.t uberculosis細胞をPerkin-Elmer Juniorモデル35分光測定器(Norwalk,Conn)に より決定された場合、0.05の初期吸光度で150mkの滅菌アリコート中に懸濁した 。次いで、細胞を懸濁物が0.4〜0.5の吸光度を示すまで37℃、5%CO2-95%空気下 で、3週間インキュベートした。これらの培養物を後の7H9ブロスでの再度の培 養の ためのストック瓶として使用した。ストック瓶を水浴中で超音波処理し、単一の 細胞懸濁液とした。次いで、M.tuberculosis細胞を7H9Mブロスで希釈して初期 吸光度を0.05とし、懸濁液の吸光度が0.4〜0.5になるまで37℃で5%CO2-95%空気 中で2 1/2〜3週間インキュベートした。次いで、培養上清をデカントし、そし て0.8μmおよび0.2μmの低タンパク質結合性フィルター(Gelman Science inc., Ann Arbor,Mich)に連続して通して、濾過滅菌した。次いで、濾液を10KDカット オフのOmega膜を有するFiltron Minisetteでおよそ35倍に濃縮し、そして4℃で 保存した。バルクの細胞外タンパク質の調製物をドデシル硫酸ナトリウムポリア クリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)での分析により、複数バンドを伴うタンパク 質組成物が示された。バルクの細胞外タンパク質混合物(EP)を、培養濾液を40 〜95%の硫酸アンモニウムカットを得ることにより調製した。 実施例2Mycobacteruium tuberculosis の主として豊富な細胞外産物の精製 実施例1の滅菌培養濾液に、10%〜95%濃度範囲の硫酸アンモニウム(grade I 、Sigma)を0℃で添加し、そして緩やかに撹拌してタンパク質を分画した。次 いで、懸濁液をプラスチックボトルに移し、RC3B Sorvall Centrifuge上で3,000 rpmでスイングバケットローター中で遠心分離して、得られた沈殿をペレット化 する。上清をデカントし、そして目的の産物に応じ、上清もしくはペレットをさ らなる濾過に供した。目的の産物が上清に含まれていた場合、最初のカットの濃 度を超える塩濃度に増加させることにより、2回目の硫酸アンモニウムカットを 実施した。ある期間の緩やかな撹拌の後、次いで、所望の産物を沈殿させるため にその溶液を前記の方法のとおりに遠心分離した。そして、この第2の上清をさ らなる精製に供した。 遠心に続いて、沈殿したタンパク質を適切な冷緩衝液で再可溶化した。そして 、6,000〜8,000分子量排除のSpectrapor透析膜(Spectrum Medical Industries, Los Angels,Califolnia)中で、徹底的に透析して塩を除いた。細胞外タンパク 質濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid)タンパク質アッセイ(Pierce C hemical Co.,Rockford,Illinois)により決定し、そして分画成分をSDS-PAGEを 用 いて決定した。次いで、分画をさらなる精製のためにクロマトグラフィーのカラ ムに適用した。 直前に概説した一般的なスキームを用いて、実施例1の詳細な過程により得ら れたバルクの細胞外産物のタンパク質の濾液から14の産物を精製した。正確な硫 酸アンモニウム沈殿の手順およびクロマトグフィーのプロトコルを、単離された 各細胞外産物について以下に詳述する。 A.110kD細胞外産物 1.上記に議論のように50〜100%硫酸アンモニウム沈殿物を得た。 2.再可溶化した沈殿物を透析し、そして10%ソルビトール、10mMリン酸カリウ ム、pH7、5mMの2-メルカプトエタノールおよび0.2mM EDTAからなるカラム緩衝 液で満たしたDEAE Sepharose CL-6BまたはQAE Sepharoseイオン交換カラムに適 用し、そして塩化ナトリウムの勾配を用いて溶出した。110KDタンパク質を含む 分画は、およそ550mMの塩で溶出し、そしてこれを採集した。 3.採集した分画をPBS(リン酸緩衝食塩水)で満たしたS200 Sepharoseサイズ 分画カラムに適用した。タンパク質は、均質な110KDのタンパク質として溶出し た。 B.80KD細胞外産物 1.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨て、そして25〜60%硫 酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を上記のように保持した。 2.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を、1M NaClを含有する25mM Tris pH8.7で 満たし、25mM Tris pH8.7、10mM NaClで平衡化した。そして、タンパク質のサン プルを25mM Tris pH8.7、10mM NaClで透析し、そしてカラムに適用した。カラム を同じ緩衝液で一晩洗浄した。25mM Tris pH8.7中で1回目の10mM〜200mMのNaCl の塩勾配をカラムに通して行って他のタンパク質を溶出した。2回目の塩勾配( 200〜300mM NaCl)をカラムに通して行い、そして80KDのタンパク質をおよそ275 mM NaClで溶出した。 3.Q-Sepharose HPカラムにを25mM Tris pH8.7、1MのNaClで満たし、そして2 5mM Tris pH8.7、10mMのNaClで再平衡化した。タンパク質のサンプルを10mMのNa Clを含む25mM Tris pH8.7に対して透析し、そしてカラムに適用した。同じ緩衝 液でカラムを一晩洗浄し、次いで、25mM Tris pH8.7で200〜300mMのNaClを用い て溶出した。 4.80KDのタンパク質を含む分画を採集し、そして25mM Tris pH8.7、10mM NaCl に対して透析した。次いで、Speed-Vac濃縮器で1〜2mlまで濃縮した。タンパ ク質のサンプルをSuperdex 75カラムに適用し、そして、25mM Tris pH8.7、150m M NaClで溶出した。80KDタンパク質を均質なタンパク質として溶出した。 C.71KD細胞外産物 1.71KD産物を7H9ブロス中でpH7.4、0%CO2で培養し、1週間あたり3時間の熱 ショックを与えたこと以外は上記の議論の通りに40〜95%硫酸アンモニウム沈殿 物を得た。沈殿物を初期緩衝液(20mM Hepes、2mM MgAc、25mM KCl、10mM(NH4)2 SO4、0.8mM DL-ジチオスレイトール、pH-7.0)に対して透析した。 2.再溶解した沈殿物を初期緩衝液で平衡化されたATP Agaroseカラムに適用し た。溶出物を収集し、そしてATP Agaroseカラムに再適用した。71KDタンパク質 をカラムに結合させた。 3.続いて、ATP Agaroseカラムを最初に初期緩衝液で、次いで1M KCl、そして 初期緩衝液で洗浄した。 4.均質な71KDタンパク質を10mM ATPでカラムから溶出し、そしてリン酸緩衝液 に対して透析した。 D.58KD細胞外産物 1.上記に議論したように25〜50%硫酸アンモニウム沈殿物を得た。 2.再溶解した沈殿物を透析し、そしてDEAE Sepharose CL-6BまたはQAE-Sephar oseカラムに適用し、そしてNaClで溶出した。58KDのタンパク質を含む採集した 分画は、およそ400mM NaClで溶出した。 3.次いで、採集した分画をCL-6Bサイズ分画カラムに適用した。タンパク質を 、およそ670,000〜700,000ダルトンで溶出した。 4.溶出したタンパク質をチオプロピル-Sepharoseカラムに適用した。均質な58 KDタンパク質は、およそ250〜350mMの2-メルカプトエタノールで溶出した。溶出 タンパク質をSDS-PAGEを用いてモニターし、そしてこれは図1A、第2欄に示す 単一のバンドを示した。 E.45KD細胞外産物 1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)物を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)物を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む2.5mM Tris pH8.7で満 たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用した。次いで、カラムを同じ緩衝液で一晩洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7中で、塩勾配(10mM〜200mM)を用いて溶出 した。45KDタンパク質は、およそ40mM NaClで溶出した。 3.Q-Sepharose HP(Pharmacia)カラムを1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7で満 たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で再平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液で洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7中で10〜150mMのNaClを用いて溶出した。 4.a.45KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてSpeed Vac濃縮器で1m lまで濃縮する前に25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析した。 b.濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラ ムに適用した。産物を均質なタンパク質として溶出した。溶出タンパク質をSDS- PAGEを用いてモニターし、そしてこれは図1B、第2欄に示す単一のバンドを生 じた。 F.32KD細胞外産物(A) 1.1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)物を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続きカラムを同じ緩衝液で一晩洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7緩衝液で、塩勾配(10mM〜200mM)を用いて 溶出した。32KDタンパク質は、およそ70mM NaClで溶出した。 3.a.32KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプル をSpeed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対 して透析した。 b.濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラ ムに適用し、そしてこの緩衝液で溶出した。32KD産物は均質なタンパク質として 溶出した。 4.a.Q-Sepharose HPカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7 で満たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で再平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液で洗浄した。 c.カラムを100〜300mM NaClの勾配を用いて溶出した。32Aと命名した、均 質なタンパク質は、およそ120mM NaClで溶出し、そして図1B、第4欄に単一の バンドとして示される。 G.32KD細胞外産物(B) 1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続きカラムを同じ緩衝液で一晩洗浄した。 c.25mM Tris、pH8.7中の10mM〜200mM NaClの予備的な塩勾配を行い、種々 のタンパク質を溶出した。カラムの平衡化に続き、2回目の塩勾配(200〜3 00mM NaCl)を行った。32KDタンパク質はおよそ225mM NaClで溶出した。 3.a.Q-Sepharose HPカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7 で満たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で再平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液で洗浄した。 c.カラムを同じ緩衝液で200〜300mMのNaCl勾配を用いて溶出した。 4.a.32KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプル をSpeed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対 して透析した。 b.濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラ ムに適用し、そして同じ緩衝液で溶出した。32KD産物をプロトコルHを用いて分 離される32KDタンパク質と区別するために32Bと命名し、これは、均質なタンパ ク質として溶出し、図1B、第3欄において単一のバンドとして示される。 H.30KD細胞外産物 1.1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液でカラムを一晩洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7中で、塩勾配(10mM〜200mM)を用いて溶出 した。30KDタンパク質は、およそ140mM NaClで溶出した。 3.a.30KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプル を、Speed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に 対して透析した。 b.次いで、濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラムに適用し、そしてこの緩衝液で溶出した。30KD産物を均質なタンパク 質として溶出し、そしてこれは図1B、第5欄において単一のバンドとして示さ れる。 I.24KD細胞外産物 1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続きカラムを同じ緩衝液で一晩洗浄した。 c.25mM Tris、pH8.7中で、10mM〜200mM NaClの予備的な塩勾配を行い、種 々のタンパク質を溶出した。カラムの平衡化に続き、2回目の塩勾配(200〜300 mM NaCl)を行った。24KDはおよそ250mM NaClで溶出した。 3.a.Q-Sepharose HPカラム(Pharmacia)を1M NaCl含有する25mM Tris、pH8 .7で満たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で再平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液中で洗浄した。 c.カラムを同じ緩衝液中で200〜300mMのNaCl勾配を用いて溶出した。 4.a.24KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプル を、Speed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7 に対して透析した。 b.次いで、濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラムに適用し、そして同じ緩衝液で溶出した。24KD産物は均質なタンパク 質として溶出し、これは図1B、第7欄において単一のバンドとして示される。 J.23.5KD細胞外産物 1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そして引き続き同じ緩衝液で一晩洗浄する前に、このカラムに適用した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7緩衝液中、塩勾配(200〜300mM NaCl)を用 いて溶出した。23.5KDはおよそ80mM NaClで溶出した。 3.a.Q-Sepharose HPカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7 で満たし、そして25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で再平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に対して透析し 、そしてカラムに適用し、引き続き同じ緩衝液で洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7中で100〜300mMのNaClを用いて溶出した。 d.工程3a〜3cを反復した。 4.a.23.5KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプ ルを、Speed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7 に対して透析した。 b.次いで、濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSupcrdex 75カラムに適用し、そして同じ緩衝液で溶出した。23.5KD産物を均質なタンパ ク質として溶出した。溶出タンパク質をSDS-PAGEを用いモニターし、そしてこれ は、図1B、第6欄において示される単一のバンドを生じた。 K.23KD細胞外産物 1.1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)および25〜60%硫 酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を捨てた。 b.60〜95%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む50mM BIS-Tris pH7.0 で満たし、次いで50mM Bis-Tris、100mM NaCl、pH7.0で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを50mM Bis-Tris、pH7.0、100mM NaCl緩衝液に対 して透析し、そして同じ緩衝液でカラムを一晩洗浄する前に、このカラムに適用 した。 c.カラムを50mM Bis-Tris、pH7.0中で、100mM〜300mM NaClの直線的な勾 配を用いて溶出した。 d.23KDタンパク質を含む分画を採集し、これはおよそ100〜150mM NaClで 溶出した。 3.a.タンパク質分画を、25mM Tris、pH8.7、10mM NaClに対して透析し、そ してSpeed-Vac濃縮器で1〜2mlまで濃縮した。 b.濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラ ムに適用した。産物を図1B、第8欄に示されるような均質なタンパク質として 溶出した。 1.23KD細胞外産物 1.a.0〜25%硫酸アンモニウムカット(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を保持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を1M NaClを含む2.5mM Tris pH8.7で満 たし、次いで25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7で平衡化した。 b.タンパク質のサンプルを25mM Tris,10mM NaCl、pH8.7緩衝液に対して 透析し、そしてカラムに適用し引き続き同じ緩衝液中で一晩洗浄した。 c.カラムを25mM Tris、pH8.7緩衝液中で塩勾配(10mM〜300mM)を用いて 溶出した。16KDタンパク質は、およそ50mM NaClで溶出した。 3.a.16KD産物を含む分画を採集し、プールし、そしてタンパク質のサンプル を、Speed Vac濃縮器で1mlまで濃縮する前に、25mM Tris、10mM NaCl、pH8.7に 対して透析した。 b.次いで、濃縮物を25mM Tris、150mM NaCl、pH8.7で平衡化したSuperdex 75カラムに適用し、そして同じ緩衝液で溶出した。16KD産物を均質なタンパク 質として溶出した。溶出タンパク質をSDS-PAGEを用いてモニターし、そしてこれ は、図1B、第9欄に示される単一のバンドを生じた。 M.14KD細胞外産物 1.a.A0〜25%硫酸アンモニウムカット(cut)(0℃で1時間)を捨てた。 b.25〜60%硫酸アンモニウムカット(0℃で一晩)を維持した。 2.a.DEAE CL-6Bカラム(Pharmacia)を、1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7で 満たし、次いで10mM NaClを含む25mM Tris、pH8.7で平衡化さた。 b.タンパク質サンプルを25mM Tris、10mM NaCl pH8.7に対して透析し、そ してカラムに搭載し、続いて同じ緩衝液で一晩洗浄した。 c.カラムを、塩勾配(10mMから200mM)を有する25mM Tris、pH8.緩衝液で 溶出させた。14KDのタンパク質は、約60mM NaClで溶出された。 3.a.Q-SepharoseHPカラムを1M NaClを含む25mM Tris、pH8.7で満たし、そし て25mM NaCl pH8.7で再平衡化させた。 b.タンパク質サンプルを25mM Tris.10mM NaCl pH8.7に対して透析し、そ してカラムに搭載し、続いて同じ緩衝液で洗浄した。 c.カラムを、10〜150mM NaClを含む25mM Tris pH8.7で溶出した。 d.工程3aから3c反復した。 4.a.14KDの産物を含む画分を回収し、プールし、そして25mM Tris、10mM Na Cl pH8.7に対して透析し、その後このタンパク質サンプルをSpeed-Vac Concentr ator中1mlに濃縮した。 b.次いで濃縮物を、25mM Tris、150mM NaCl pH8.7で平衡化したSuperdex7 5カラムに搭載し、そしてこの緩衝液で溶出した。同種のタンパク質として14KD 産物が溶出した。溶出したタンパク質をSDS-PAGEを用いてモニターし、そして図 1Cカラム2に示される単一バンドを得た。 N.12KD細胞外産物 1.0〜10%硫酸アンモニウム沈殿物を得た(4℃で一晩) 2.再可溶化した沈殿物をS200 Sephacrylサイズ画分カラムに搭載し、12KD分子 としてタンパク質を溶出した。 3.タンパク質画分をDEAE-Separose CL-6BまたはQAE-Sepharoseイオン交換カラ ムに搭載し、NaCl勾配で先に述べたように溶出した。約300〜350mM NaClで溶出 した約12KDの分子量を有する2つの同種のタンパク質を含む画分を、回収した。 これらのタンパク質を12Aおよび12Bと標識し、図1Dカラム2に示される2重線 (doublet)として精製した。 図1のSDS-PAGEプロファイル中に図示されるように、M.tuberculosisの主要な またはきわめて豊富な細胞外タンパク質を、上の実施例2A〜2Nに詳述されるプロ トコールの使用を通して均質にまで精製した。より詳細には、図1は、SDS-PAGE を用いて発色させた4つの例示的な12.5%アクリルアミドゲルを図示し、そして 1A、1B、1Cおよび1Dと標識した。ゲル1A〜1Cのレーン1中の標準は66、45、36、 29、24、20、および14KDの分子量を有するタンパク質を有する。ゲル1Dにおいて 、レーン1の標準は、68、45、31、29、20および14KDの分子量を有するタンパク 質を含む。それぞれ精製された細胞外産物を含むレーンは、個々のタンパク質の 報告されている分子量で、本質的に1つのバンドを示す。ゲル1Dにおいて、12KD のタンパク質はレーン2において見える2重線として泳動されることに注目すべ きである。配列分析は、この低い位置の方の12KD(すなわち、12B KDバンド)は 、最初の3個のN末端アミノ酸を欠損している以外は、上部の12KD(すなわち12 A KD)のバンドと等価である。 これらの個々の例示的なきわめて豊富な細胞外産物のさらなる分析を、図2に 提供する。より詳細には図2は、これらの精製された細胞外産物から得られたN 末端配列データの、表を用いた編集であり、単離された産物の大部分が事実異な っていることを示している(配列番号1〜14)。タンパク質32A、32Bおよび30は 全て、同じ5個のN末端アミノ酸を有し、それゆえそれらを完全に特徴付け、そ して区別するためにさらなる配列決定が必要であった。図3は、これらの3つの 精製された分泌産物についての延長されたN末端アミノ酸配列決定を示す(配列 番号15〜17)。16位(配列番号17)、31位(配列番号16)、および36位(配列番 号16)の異なるアミノ酸は、これらの単離されたタンパク質がその分子量におけ る類似性にもかかわらず、互い異なっていることを示す。 タンパク質30、32A、および32Bに加えて、他のきわめて豊富な細胞外産物の延 長されたN末端アミノ酸配列が1次構造データを提供し、そしてタンパク質間の 可能な関係を明らかにするために決定された。配列決定は当該分野に周知の技術 を用いて、実施例2に従って精製された細胞外産物において行われた。各個々の 細胞外産物について決定された、完全なタンパク質の見かけの分子量によって同 定され、そして天然に存在するアミノ酸についての標準1文字略語用いて表され た種々の長さのN末端アミノ酸配列を、以下に示す。表記法の確立された法則と 一致して、N末端配列は、左から右へ、アミノ末端からカルボキシ末端の方向へ 記載される。決定されたアミノ酸の正体(identity)が確実でない場合、これらの 位置には下線を付す。特定の位置のアミノ酸は未知または不明確である場合、配 列中のその位置はダッシュ(−)によって表される。最後に、2つのアミノ酸が スラッシュによって分離されている場合、正しい構成成分がはっきりと同定され ておらす、いずれか1つが配列中のその部分を占め得る。 DNA配列決定は、当該分野において周知の技術を用いて30、32A、16、58、23.5 および24KDのタンパク質に行われた。上流配列および下流配列を含む、これらの DNA配列、そして対応するアミノ酸は、完全なタンパク質の見かけの分子量とし て同定されそして標準的な略語および表記方法を用いて表されて、以下に示され る。 この配列データは、SDS-PAGEを用いて確かめられた物理的特性と組み合わせて 、本発明のこれらの代表的なきわめて豊富な細胞外産物を特徴付け、そして区別 することを可能にする。記載された分析物は、これらのタンパク質が、全ての利 用可能な細胞外産物の、約60重量%を含む71KD、30KD、32AKD、23KDおよび16KD の 産物を有して、M.tuberculosisの大部分の細胞外産物を構築することを示す。さ らに、M.tuberculosisによって放出された総産物の25重量%までを、30KDのタン パク質が構成することを推測した。従って、本発明の実施において、有用な個々 の例示的なきわめて豊富なM.tuberculosisの細胞外産物は、細胞外産物の総重量 の約0.5%〜約25%のどこかの範囲であり得る。 以前に議論されたように、従来のウエスタンブロット分析が、最も免疫原性的 に特異的な細胞外産物を一貫して同定することが可能でないことに従って、本発 明者らは、それらの豊富さならびに結果としての同定および単離の容易さに基づ くきわめて豊富な細胞外産物の免疫原性を分析することにした。驚いたことに、 これらのきわめて豊富な細胞外産物が予想外に有効な免疫応答を誘導することを 見出し、このことにより本発明者らは、これらがワクチンとして機能し得ると結 論付けることになった。この驚くべき発見は、上に議論した本発明の非制限的な 機能的理論の開発を導いた。 本発明の有効性を実証するために、さらなる実験が、個々のきわめて豊富な細 胞外産物およびその組合せを、当該分野で認められている研究室モデルに防御免 疫を誘導するための種々の例示的な用量で用いて行った。より詳細には、精製さ れた個々のきわめて豊富な細胞外産物がモルモットに防御免疫を誘導するために 用いられ、次いでこのモルモットはM.tuberculosisをチャレンジされた。これら のタンパク質が防御免疫を誘導し得ることを示す際に、5つの精製されたきわめ て豊富な細胞外産物の組合せが、異なる投与経路を用いて同様に試験された。特 に30KDの豊富な細胞外産物が、精製型の71KD細胞外産物と同様に認められている 動物モデルに防御免疫を誘導するのに用いられた。個々の例示的なきわめて豊富 な細胞外産物と同様に、5個のきわめて豊富な細胞外産物の組合せワクチンはま た、M.tuberculosisの致死用量でのチャレンジに対する防御を付与した。以下は 、本発明のこれらの例示的なワクチンの種々の研究の結果である。 特異的な病原性を有さない雄性Hartley系モルモット(Charles River Breedin g Labratories,North Wilmington,Massachusetts)を、M.tuberculosisを用い た免疫原投与およびエアロゾル投与を含む全ての実験に用いた。この動物はステ ンレススチールケージに2匹か3匹づつで収容され、標準モルモット試料および 水を自由に摂取可能にした。動物施設に入れた後、それらの健康を確実にするた めに、各実験の開始前にモルモットを少なくとも1週間観察した。 最初の実験を、個々のきわめて豊富な細胞外産物を用いて行った。この産物は 、通常存在する総細胞外産物の3%〜25%の間を含むと考えられた。これらの実 験は、きわめて豊富な細胞外産物が有効な免疫応答を誘発することを実証する。 より詳細には、単離された30KDおよび71KDの細胞外産物が個々に細胞媒介免疫応 答を産生し得ることを示した。この免疫応答は、以下のように、M.tuberculosi sの致死用量に対する曝露からモルモットを防御した。 実施例3 30KD で免疫化されたモルモットの細胞媒介免疫についての 精製された30KDタンパク質皮膚試験 測定可能な免疫応答が、精製型の豊富な細胞外産物によって誘導され得ること を示すために、皮膚過敏症アッセイを行った。実施例2に従って精製され、そし てM.tuberculosisの総細胞外産物の約25%を含むと考えられている、例示的なき わめて豊富なM.tuberculosisの30KD分泌型産物でモルモットを免疫化した。3つ の独立した実験において、モルモットをSAFアジュバント中の実質的に精製され た30KDのタンパク質100mgで、3週間間隔をあけて3回免疫化した。コントロー ル動物をSAF中の緩衝液で同様に注射した。最後の免疫化の3週間後、モルモッ トは皮膚過敏症アッセイにおいて例示的な30KDタンパク質をチャレンジされた。 モルモットの背中の毛を剃り、そして0.1、1、および10mgの30KDのタンパク 質の注射を皮内投与し、以下の表Aに示されるように、24時間後に測定した、生 じた紅斑(皮膚の発赤)および硬化の発症を伴った。データは、従来の方法を用 いて決定されたように、グループについての測定値の平均±標準誤差(SE)とい う形で報告する。NDは、本発明のこの特定の局面が行われなかったことを示す。 表Aに示されるように、例示的な30KDの分泌された産物で免疫化されたモルモ ットは、著しい紅斑および硬化によって証拠づけられるように強い細胞媒介免疫 応答を示した。対照的に、コントロール動物は最少の応答を示した。 30KDの分泌性産物の免疫反応性を確認し、そして感染性結核に対するその適用 を示すために、非免疫モルモットをM.tuberculosisに感染させ、そして以下のよ うにこのタンパク質でチャレンジした: 実施例4 M.tuberculosis に感染したモルモットの細胞媒介免疫応答についての 精製した30KDのタンパク質の試験 モルモットの感染に必要な実験で使用する細菌を得るため、最初にM.tubercul osisを7HII寒天上で培養し、そしてモルモットの肺を介して1回継代させてそれ らが病原性であることを保証した。この目的のために、約5×104細菌/mlを含む 7H9ブロス中の細菌の懸濁液10mlでのエアロゾルで、モルモットにチャレンジし た。モルモットが病気になった後に、この動物を屠殺して顕著なM.tuberculosis 病変を含む肺を切除した。各肺をすりつぶし、そして7HII寒天上で7日間か10日 間培養した。プレートから細菌をこすりとり、10%グリセロールを含む7H9ブロ ス中に希釈し、単一な細胞懸濁液を得るために水浴中で超音波処理し、そして約 2×107生存細胞/mlの濃度で-70℃でゆっくりと凍結した。凍結細胞の生存率は 細胞懸濁液を解凍し、そして懸濁液の段階希釈を7HII寒天上で培養することによ って測定した。チャレンジの直前に細菌細胞のバイアルを解凍し、そして7H9ブ ロス中の所望の濃度に希釈した。 モルモットを、特別に設計したルーサイト(lucite)エアロゾルチャンバー中 の生存M.tuberculosisのエアロゾルに曝露した。エアロゾルチャンバーは、14 ×13×24インチと測定され、そしてモルモットを導入または取り出すため2つの 直径6インチの入り口を両側に含む。エアロゾルの注入口はチャンバーの天井の 中心に位置する。バキュームポンプ(GastMfg.Co.、Benton Harbor、Michigan) は、ネブライザーベンチュリユニット(nebulizer-venturi unit)(MesInc.、B urbank、California)に空気を30lb/in2で送達し、そしてエアロゾルは桿菌の懸 濁液10mlから作成される。0.2μm呼吸回路フィルターユニット(Pall Blomedica l Inc.、Fajardo、Puerto Rico)はチャンバーの一端に位置し、アセンブリの内 側と外側の圧力を平衡化させる。安全性の考慮に起因して、エアロゾルチャレン ジは完全に層流フード内に配置されたチャンバー内で行った。 動物を、30分間(この時間の間に、ネブライザー中の桿菌の懸濁液が完全に使 い果たされる)病原性エアロゾルに曝露した。各エアロゾルは、1mlあたり約5.0 ×104細菌粒子を含む懸濁液10mlから作成された。以前の研究より、この濃度の 細菌にモルモットを曝露することにより、非防御動物では一貫して感染を生じる ことが示されている。エアロゾル感染後、層流バイオハザード安全包囲(Airo C lean Engineering Inc.、Edgemont、Pennsylvania)内に含まれるステンレスス チールケージ中にモルモットを収容し、そして病気の徴候について観察した。実 験の間中、動物は、標準モルモット試料および水を自由に摂取可能であった。 本実験において、感染したモルモットを屠殺して、そして脾臓リンパ球の増殖 を、種々の濃度の30KDのタンパク質に応答して測定した。より詳細には、Briema nおよびHorwitz(J.Exp.Med.164.799-811)(これは本明細書中に参考として援 用される)により記載されるように、脾臓リンパ球を得、そして精製した。リン パ球を、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100mg/ml)、および10 %ウシ胎仔血清(GIBCO)を含むRPMI 1640(GIBCO Laboratories、Grand Island 、New York)で最終濃度107/mlに調製し、そしてマイクロテストウエル(96ウエ ル丸底組織培養プレート;Falcon Labware、Oxnard、California)中、総容量10 0mlで、種々の濃度の精製した30KD分泌産物とともに、2日間、37℃、5%CO2-9 5%空気および100%湿度でインキュベートした。非感染動物をネガティブコント ロールとして使用した。インキュベート期間の最後に、0.25mCiの[3H]チミジン (New England Nuclear、Boston、Massachusetts)を各ウエルに添加し、そして 細胞をさらに2時間、37℃、5%CO2-95%空気および100%湿度でインキュベー トした。多サンプル自動細胞ハーベスター(Multi sample automated cell harv ester)(Skatron Inc.、Sterling、Virglnia)を用いて各ウエルを洗浄し、そ して流出物をフィルターマット(Skatron)に通過させた。別々のマイクロテス トウエルを示すフィルターマット部分を、シンチレーションバイアル中に配置し 、そして2mlのEcoscint H液体シンチレーションカクテル(National Diagnosti c、Manville、New Jersey)を添加した。β粒子放出はβ線シンチレーションカ ウンター(Beckman InstrumentsInc.、Fullerton、California)中で測定した。 感染モルモットおよび非感染モルモット由来の組織サンプルを、1および10mg /mlの単離された30KDの分泌タンパク質に対してアッセイした。次いでサンプル を、その[3H]チミジン取り込み能力についてモニターした。これらのアッセイ の結果を表にし、そして以下の表Bに示した。 データは、本開示の目的のため以下のように定義された刺激指数として報告し ている: 抗原とインキュベートしたリンパ球の[3H]チミジン取り込みの平均値/抗原無 しでインキュベートしたリンパ球の[3H]チミジン取り込みの平均値。 表Bに示されるように、感染した動物の細胞は例示的な30KDのタンパク質に対 して、このきわめて豊富な分泌産物への曝露に応答する、用量依存的な膵臓リン パ球増殖によって明らかにされるように、強い応答を示した。逆に、非感染コン トロール動物はほとんどリンパ球増殖を示さなかった。従って、30KD分泌産物は 、M.tuberculosisで感染した哺乳動物における細胞媒介免疫応答を明らかに誘導 する。 本発明のワクチンの防御的局面を例示するため、以下のようにモルモットを精 製した30Kタンパク質で免疫化し、そしてM.tuberculosisに曝露した。 実施例5 30KD で免疫化したモルモットのエアロゾル化M.tuberculosisでのチャレンジ 前のように、動物をSAF中の例示的な30KD分泌タンパク質100mgで、3週間の間 隔で3回免疫化した。コントロールモルモットはSAF中の120mgのバルタEPで免疫 化するか、または同じアジュバント中の緩衝液で偽免疫化した。最後の免疫化の 3週間後、実施例4に記載するように、動物にエアロゾル化M.tuberculosisをチ ャレンジした。3つの群の動物についての生存率をモニターし、そして図4にグ ラフで示した。以下の表Cに示すように、絶対死亡率をチャレンジ14週間後に決 定した。 図4に示されるように、例示的な30KDのタンパク質で3回免疫化されたモルモ ットは、死亡から防御された。コントロールである偽免疫化したモルモットのた った17%のみが生存したのに対して、30KDのタンパク質で免疫化されたモルモッ トの約67%が生存した。 また、免疫化した動物の体重維持もモニターし(データは示さず)、そしてさ らに本発明により教示されるように、病原性細菌により作成されるきわめて豊富 な細胞外産物を組み込んだワクチンの予防能力を図示した。免疫化した動物がそ の重量を保持する一方、偽免疫化した動物の高い死亡率のため、免疫化した動物 とコントロール動物との間のグラフ的な比較は不可能であった。 重量モニター研究の結果に従って、生存動物を屠殺し、そして各動物の右肺お よび脾臓を生存M.tuberculosisについてアッセイした。動物を2%amphyl溶液( Natlonal Laboratories、Montvale、New Jersey)に浸し、そして肺および脾臓 を無菌的に切除した。肺における巨視的な原発性表面病変の数を、視覚的な検査 によって数えた。右肺および脾臓中のM.tuberculosisのコロニー形成単位(CFU )を、各器官を10mlの7H9中で、乳鉢および乳棒ならびに90メッシュNorton Alun dum(Fisher)を用いてホモジナイズし、組織ホモジネートを7H9中で段階希釈し て、そして0.1ml/液滴の液滴を使用することにより希釈物を2連の7HII寒天の プレート上で培養することによって決定した。全てのプレートをモジュラーイ ンキュベーターチャンバー内で維持し、そして5%CO2、95%空気、100%湿度で 、37℃で12〜14日間インキュベートした。このプロトコールを用いてアッセイを 行い、そしてカウントの結果を、コロニー形成単位(CFU)の平均値±標準誤差 (SE)という形で、以下の表Dに提示した。 表Dに示されるように、例示的な30KD分泌タンパク質での免疫化は、肺および 脾臓内におけるM.tuberculosisの増殖を制限する。生存偽免疫化由来であるこの たった一匹のデータのみが比較アッセイに利用可能である一方、30KDで免疫化し た4匹の生存動物が、偽免疫化動物よりもその肺において0.7のlog未満CFU、お よびその脾臓において1log未満のCFUを有した。CFUカウントと死亡率との高い 相関関係の実証に基づいて、CFU分析を行われ得る前に死亡した動物よりも、生 存動物はその肺および脾臓においてより低いCFUを有するようである。免疫化し た動物の肺および脾臓におけるこのCFUの減少は、本発明の範囲および実施可能 性を再び結諭的に示す。 M.tuberculosis由来の別のきわめて豊富な細胞外産物である71KDの細胞外産物 の免疫防御能力を、その単離された形態においてその免疫防御能力を示すために 試験した。 実施例6EP のバルク調製物で免疫化されたモルモットの精製71KDのタンパク質の皮膚試験 動物において有効な免疫応答を引き起こす71KDのタンパク質の能力を示すため 、皮膚過敏症アッセイにおいて、M.tuberculosis細胞外産物(EP)のバルク調製物 で 免疫化されたモルモット皮膚試験に、この単離されたきわめて豊富な細胞外産物 を用いた。上記のように、バルクEPはM.tuberculosisによる感染に対する獲得性 免疫を付与するが、本発明のワクチンよりもより少ない程度までである。 モルモットを、実施例1に詳述されるように調製されるEPの120μgのバルク調 製物で3週間の間隔で2回免疫化した。ワクチン接種を不完全フロイントアジュ バンドにおいて調製し、偽免疫化された動物はEPの代わりに緩衝液を受けた。最 後のワクチン注射の3週間後、各群からのモルモットを背中の毛を剃り、そして 0.1、1.0、および10μgの71KDのタンパク質で皮内注射で皮膚を試験した。コン トロールとして10.0μgの緩衡液を用い、そして全ての注射は総容量0.1mlを用い て行った。24時間後、紅斑および硬化の直径を測定し、以下の表Eに示すような 結果を有した。データは、従来の方法を用いて決定されるように、各群について の測定値の平均±標準誤差(SE)という形で報告する。 免疫化された動物の反応は、緩衝液単独をチャレンジされたモルモットの応答 のほぼ2倍であり、そして動物を免疫化するのに用いられたEPと同一のバルクEP を投与した動物に匹敵した(データは示さず)。 精製された例示的な71KDのきわめて豊富な細胞外産物が引き出す細胞媒介免疫 応答を誘発することをさらに確認するため、バルクEPで免疫化したモルモットを 屠殺し、そして種々の濃度の71KDのタンパク質に応答して、脾臓リンパ球増殖を 測定した。非免疫化動物をコントロールとして用いた。実施例4のプロトコルに 従って、71KDのタンパク質の存在下および非存在下でリンパ球を2日間インキュ ベートし、次いでその[3H]チミジン取り込み能力についてアッセイした。 データは実施例4のように算出された刺激指数の形で報告する。この71KDタン パク質チャレンジの結果は以下の表Fに示す。 表Fに示されるように、リンパ球増殖アッセイについての刺激指数は皮膚過敏 反応アッセイにおいて得られた結果に匹敵した。71KD試験サンプルおよびバルク EP試験サンプルの両方が、コントロールで得られた応答より2倍〜3倍の間の高 い応答を示し、このことは単離された例示的な71KDのきわめて豊富な細胞外産物 が、M.tuberculosis抽出物で免疫化された動物において、細胞媒介免疫応答を引 き起こし得ることを示す。しかし、精製されたきわめて豊富なまたは主要な細胞 外産物が、先行技術およびバルク組成物に付随する問題を含まず、そして合成的 および商業的な産生に対してより容易に適応可能であり、本発明のワクチンを先 行技術よりも優れたものにすることが、再び強調されるべきである。 より詳細には、バルク調製物は現代の生体分子技術を通して大規模に容易に生 産され得ない。これらの全ての細胞外産物を含む、精製されていないバルク調製 物の商業的な産生はいずれも、莫大な量の標的病原物または密接に関連した種を 培養する工程、そして得られた上清液を回収する工程を包含する。このような作 成方法論は、標的病原物、毒性副産物、または他の寄生病原体による混入に、非 常に影響される。さらに、このような調製物中の大多数の免疫原性決定因子は、 免疫化集団の影響を受けやすいセグメントにおいて毒性免疫応答をさらにより引 き起こしやすい。これらの精製されていないバルク調製物はまた、結核スクリー ニングおよびコントロールに対して最近用いられている最も一般的な皮膚試験の 使用を否定する。 全く対照的に、本発明のワクチンは高収率の形質転換宿主を用いて比較的安全 に大量生産され得る。同様に、本発明のワクチンは、バルク細胞外産物の広範な 可変的な作成とは反対に、同一の、容易に規格化されるバッチで作成され得る。 さらに、宿主免疫系に提示される免疫原性決定因子の数が比較的少ない場合、毒 性反応および一般的なスクリーニング試験を無効にする機会を非常に減少させる 。 実施例7 71KD 免疫化モルモットの精製された71KDのタンパク質皮膚試験 単離された例示的な71KDのきわめて豊富な細胞外産物が、バルクEPで免疫化さ れた動物において単細胞媒介免疫応答を産生することを実証したのに続いて、こ のきわめて豊富な産物の精製型が、71KDで免疫化された動物において、細胞媒介 免疫応答を誘導し得ることを示した。 モルモットを、SAF中の100μgの精製した71KDのタンパク質で、3週間の間隔 で2回ワクチン化した。コントロール動物を、同一のスケジュールでSAF中の 緩衝液で偽免疫化した。最後の免疫化の3週間後、両方のセットの動物に、1お よび10μgの単離された71KDのタンパク質を用いて皮内チャレンジした。得られ た紅斑および硬化を、24時間後に測定し、結果を以下の表Gに示す。 硬化および紅斑の程度は、免疫動物において、非免疫コントロール動物におい てよりもずっと高かった。このことは、71KDタンパク質に対する強い細胞媒介免 疫応答が、本発明のワクチン接種プロトコルにより開始されたことを実証する。 本発明の教示に従ってこの豊富な細胞外産物が独力で有効な免疫応答を誘発す る能力をさらに確証するために、リンパ球増殖アッセイを行った。表Gにおける ように免疫した動物を屠殺し、脾臓リンパ球増殖アッセイを実施例4において確 立されたプロトコルを使用して行った。71KD免疫モルモット由来の組織サンプル およびコントロールモルモット由来の組織サンプルを、0.1、1および10μg/ml の単離された71KDタンパク質でチャレンジし、それらが[3H]チミジンを取り 込む能力をモニターした。刺激指数を以前に記載したように算定した。これらの アッセイの結果を以下の表Hに示す。 皮膚過敏性アッセイと同様に、71KD免疫動物は、偽免疫コントロールよりも、 精製71KDに対してよりずっと高い応答を示した。外来タンパク質で期待されたが 、このような結果は、主として豊富な細胞外産物が細胞媒介免疫応答を誘発する 能力を有することを明確に示している。 単離された主として豊富な細胞外タンパク質が有効な細胞媒介免疫応答を誘発 すると確立した後、このような応答が結核菌に対して交差反応性であることを確 証するために、以下のように、さらなる実験を行った。 実施例8 M .tuberculosisに感染したモルモットの精製71KDタンパク質チャレンジ 非免疫モルモットを、実施例4で報告したように、エアロゾル化M.tuberculo sisに感染させた。精製タンパク質誘導体(PPD-CT68;Connaught Laboratories L td.)を、感染動物が、M.tuberculosisの細胞媒介免疫応答を示すと実証してい ることを確実にするために、ポジティブコントロールとして使用した。結核曝露 についてのマントゥー試験において広く使用されているが、PPDは、硫安分画に よって一般に調製され、そして平均分子量約10KDを有する小タンパク質の混合物 を含む。PPDに対する免疫応答は、実施例1で単離されたバルタEP画分により引 き起こされた応答に実質的に類似する。 感染3週間後、モルモットを0.1、1および10μgの例示的な精製された主とし て豊富な71KD細胞外タンパク質で皮内チャレンジした。コントロールとして使用 した非感染動物を、単離されたタンパク質で同様にチャレンジした。紅斑および 硬化の程度を24時間後に測定した。結果を以下の表Iに報告する。 表Iに示されるように、強い免疫応答が、本発明の例示的な精製された主とし て豊富な71KD細胞外タンパク質でチャレンジした感染動物において存在する。こ れらの応答は、非感染動物よりも紅斑は3〜4倍大きな程度であり、硬化は10倍 を超えて大きい。このことは、優勢な71KD細胞外タンパク質がM.tuberculosis 感染動物における強い細胞媒介免疫応答を誘発することを確証する。 これらの結果をさらに強化するために、感染動物および非感染動物を屠殺し、 実施例4のプロトコルに従ってリンパ球増殖アッセイに供した。両セットのモル モット由来の組織サンプルを、0.1、1および10μg/mlの単離された71KDタンパ ク質およびPPDに対してアッセイした。次いで、サンプルを、既に記載したよう に、それらが[3H]チミジンを取り込む能力をモニターした。これらのアッセイ の結果を以下の表Jに示す。 皮膚過敏性アッセイの結果と同様に、表Jは、刺激指数が、感染組織について 非感染サンプルよりもよりずっと高かったことを示す。より詳細には、感染動物 の平均ピーク刺激指数は、非感染コントロールに対するよりも、例示的な71KDタ ンパク質には2倍高く、PPDには3倍高かった。このことは、強い細胞媒介免疫 応答がM.tuberculosisに感染した動物において、本発明の例示的な主として豊 富な細胞外タンパク質ワクチンにより誘発されることを確証する。 例示的な精製された71KDの主として豊富なタンパク質とM.tuberculosisとの 間の交差反応性のこの実証後、有効免疫応答が、本発明により開示されたような 主として豊富な細胞外産物のこれらの例示的な精製サンプルにより刺激され得る ことを実証するために、さらなる実験を行った。 実施例9 エアロゾル化M.tuberculosisでの71KD免疫モルモットのチャレンジ 例示的な主として豊富なまたは主要な細胞外タンパク質ワクチンの免疫防御能 を実証するために、モルモットを、実施例2に従って精製された、例示的な主と して豊富な71KDタンパク質100μgで、3週間あけて、2回免疫した。コントロー ル動物を、実施例1からの120μgのバルクEPまたは緩衝液で免疫した。全ての動 物を、アジュバントSAFを用いて免疫した。最後の免疫化から3週間後、例示的 な71KDタンパク質で免疫したモルモットを、細胞媒介免疫応答が発生したか否か を評価するために、10mgの材料で皮膚試験した。次いで、コントロール動物およ び71KD免疫モルモットを、実施例4において詳述したようにエアロゾル化M.tub erculosisに感染させた。感染後、動物をモニターし、6ヶ月間計量した。 図5のグラフは、71KD免疫動物およびバルクEP免疫動物により示された相対的 に正常な重量増加に対し、偽免疫群が受けた重量減少を対比している。データは 、各群について平均重量±SEである。同じ動物に対する死亡曲線を図6のグラフ に示す。本研究についての絶対死亡率を以下の表Kにおいて報告する。 重量減少曲線および死亡率の両方とも、本発明の主として豊富な細胞外タンパ タ質が、予防性免疫応答を付与することを明確に示している。これは、非免疫動 物の100%がモニタリング期が終わる前に死亡したという事実によって強調され る。 実施例10 エアロゾル化M.tuberculosisでの71KD免疫モルモットのチャレンジ 前実施例の結果を検証し、例示的な主要な細胞外タンパク質の投与が動物にお いて防御免疫応答を付与し得ることを示すために、同様の実験を行った。この実 験において、再度、モルモットを、SAF中で71KD細胞外タンパク質100mgで、3週 間あけて、3回免疫した。コントロールモルモットを、SAF中緩衝液で偽免疫し た。最後の免疫から3週間後、動物をエアロゾル化M.tuberculosisでチャレン ジし、13週間、毎週、計量した。6匹のモルモット各群についての平均重量±SE を算定し、図7においてグラフ表示する。この曲線は、偽免疫動物がモニタリン グ期にわたって相当量の重量を減少し、一方、免疫動物は、かなり一貫した体重 を維持したことを示す。体重の減少または「消耗」は、結核の伝統的な副作用の 1つであるので、これらの結果は、免疫動物における結核菌の成長および増殖が 本発明の例示的なワクチンによって阻害されたことを示している。 単離された形態での豊富な細胞外産物でのワクチン接種により、防御免疫がモ ルモットにおいて発達したので、本発明のワクチンの種間免疫反応性を実証する ために、およびモルモットモデルの有効性および利用性をさらに確証するために 、実験を行った。 実施例11 精製71KDタンパク質を用いるPPDポジティブヒトの細胞媒介免疫の試験 例示的な71KDの主として豊富なタンパク質に対するヒト免疫応答の細胞媒介成 分を評価するために、このタンパク質に対するPPDポジティブ個体およびPPDネガ ティブ個体由来の末梢血リンパ球の増殖を、上記実施例4で報告したような標準 リンパ球増殖アッセイにおいて研究した。ポジティブPPD(すなわちツベルクリ ン)応答は、M.tuberculosisに対する以前の曝露の指標であるとして、当該分 野において周知である。増殖応答および対応する[3H]チミジンの取り込みを2 日目および4日目に測定した。これらの研究についてのデータを図8Aおよび8 Bに示す。図8Aは、2日後の種々のレベルの71KDに対する応答を示し、一方、 図8Bは、4日目での同じ応答を示す。 図8Aおよび8Bに示されるように、PPDポジティブ個体の平均ピーク刺激指 数は、PPDネガティブ個体よりも、71KDタンパク質に対して2倍高く、PPDに対し て3倍高かった。PPDポジティブ個体間では、例示的な71KDタンパク質に対する ピーク刺激指数とPPDに対するピーク刺激指数との間には線形相関があった。こ のことは、強い細胞媒介応答が、M.tuberculosisに以前に曝露されたヒトにお いて、最も優勢なまたは主として豊富なM.tuberculosis細胞外産物によって刺 激されることを実証する。このデータは、モルモットで見られた反応性プロフィ ールに相当し、感染に対し、他の哺乳動物被験体に対する本モルモットモデルの 適用を確証する。 従って、以前に検討した30KD例示タンパク質と同様に、主として豊富な71KD細 胞外産物に対する強い免疫応答の発達は、71KD産物もまたヒトにおいて細胞媒介 免疫を刺激するのに有効であるという事実によって明らかであるように、本発明 の広範な範囲を実証する。 再度、本発明は、M.tuberculosis細胞外産物、または例示的な71KDタンパク 質の使用に制限されないことを強調すべきである。むしろ、本発明の教示は、実 施例で実証されるように、任意の主として豊富な細胞外産物に適用可能である。 主として豊富なM.tuberculosis細胞外産物の組み合わせが同様に防御免疫を 提供するか否かを突き止めるために、さらなる研究を行った。一般に、これらの 研究は、SAF中M.tuberculosisの5つの精製細胞外タンパク質の組み合わせを含 む種々の投与量のワクチンで、3または4週間あけて、3回、皮内または皮下の いずれかで免疫したモルモットを使用した。 免疫手順のために使用した最初のタンパク質組み合わせ(組み合わせIと表記 )は、実施例2に記載のプロトコルに従って精製した71KD、32A KD、30KD、23KD 、および16KDのタンパク質で構成されていた。この組み合わせは、M.tuberculo sis培養上清中に通常存在する総細胞外タンパク質の60%までを含むと考えられ る。組み合わせIにおける使用について選択されたこれらのタンパク質を、図2 中のアスタリスクで同定する。100μg、20μg、または2μgの各タンパク質を含 む組み合わせIワクチンは、アジュバントSAFで皮内投与した。各タンパク質の2 0μgを含む組み合わせIワクチンもまた、同様の実験において皮下投与した。ネ ガティブコントロールモルモットを、同じスケジュールで等容量のSAFおよび緩 衝液で偽免疫し、一方、ポジティブコントロールをSAF中で実施例1からの120μ gのバルク細胞外タンパク質調製物を使用して免疫した。全ての注射容量を、緩 衝液を使用して標準化した。 実施例12 組み合わせIワクチンでのチャレンジに対する 組み合わせI免疫モルモットの応答 主要な細胞外産物の組み合わせI混合物でワクチン接種した後に動物が測定可 能な免疫応答を発達させたかを決定するために、皮膚過敏性アッセイを行った。 モルモットの背中を剃り、1.0μgおよび10.0mgの、5つの精製細胞外タンパク質 の同じ組み合わせで皮内注射した。10.0mgの緩衝液をコントロールとして使用し 、全ての注射を0.1mlの総容量を使用して行った。皮膚試験部位での紅斑および 硬化の直径を、注射24時間後に測定した。 測定の結果を以下の表Lに示す。データを再度、従来の方法を用いて決定され るように、その群についての平均測定値±標準誤差(SE)によって報告する。ND は、実験のこの特定の局面が行われなかったことを示す。 データは、組み合わせI細胞外タンパク質に対する強い細胞媒介免疫応答が、 ワクチン接種動物によって生成されたことを実証する。免疫モルモットは、コン トロール動物よりほぼ3倍大きい紅斑および硬化測定を示す。 実施例13 エアロゾル化M.tuberculosisに対する組み合わせIワクチンの免疫防御分析 最後の免疫化から3週間後、先の過敏性アッセイのために使用したモルモット を、エアロゾル化M.tuberculosis、Erdman株でチャレンジし、10週間の間、毎 週、計量した。このエアロゾルチャレンジは、実施例4のプロトコルを使用して 行った。組み合わせIの100μgの主要な細胞外産物で免疫した6匹の動物を、等 しい大きさのポジティブコントロール群およびネガティブコントロール群と共に 、エアロゾル化M.tuberculosisで同時にチャレンジした。ポジティブコントロ ールは、SAF中120μgのEPで3回免疫した 観察期間が終わる前に死亡したモルモットを解剖し、全体の結核病巣の形跡に ついて試験した。このような病巣は、研究の間に死亡した全ての動物において見 出された。 エアロゾルチャレンジ後の平均重量プロフィールにおける免疫動物とコントロ ール動物との間の差異を、反復測定の分散分析(ANOVA)により解析した。チャ レンジ後の生存における免疫モルモットとコントロールモルモットとの間の差異 を両側Fisher精度検定(two-tailed Fisher exact test)によって解析した。デー タは、6匹のモルモットの各群についての平均重量±標準誤差(SE)である。 チャレンジ後の毎週の重量測定の結果を図9に示す。細胞外産物の組み合わせ で免疫したモルモットに比較して、偽免疫動物は、総体重の15.9%を減少した。 ポジティブコントロールの重量は、5つの精製細胞外タンパク質の組み合わせで 免疫した動物の重量と類似した。体重を、チャレンジ直前に標準化した。組み合 わせIと偽免疫コントロールで免疫した動物間の差異は、反復測定ANOVAによっ てp<0.0000001で非常に有意であった。 死亡率をチャレンジ10週半後に決定した。3つの偽免疫動物の全てが、チャレ ンジ後10週と10週半の間で互いに3日以内に死亡した。本実験の死亡結果を以下 の表Mに示す。 重量モニタリング研究の結果後、生存動物を高炭酸ガスにより屠殺し、各動物 の右肺および脾臓を実施例5のプロトコルを用いて生存M.tuberculosisについ てアッセイした。計数の結果(実験の最後の週に死亡した3匹の動物を含む)を 、以下の表Nに、平均コロニー形成単位(CFU)±標準誤差(SE)によって示す。 精製タンパク質の組み合わせで免疫した動物の肺における結核菌の濃度と偽免 疫動物の肺における結核菌の濃度とのlog差異は、1.4であった。一方、脾臓にお ける結核菌のlog差異は、0.9であった。これを比較すると、解剖での全体の検査 に対して、免疫動物は、偽免疫動物に比較して、結核に関係する肺を顕著に減少 させた。実施例1のバルク細胞外調製物(EP)で免疫したポジティブコントロー ル動物は、精製細胞外タンパク質の組み合わせI混合物で免疫した動物よりも肺 において0.7log多い結核菌、そして脾臓において0.5log多い結核菌を示した。 実施例14 皮内および皮下送達による低用量での組み合わせIワクチンの免疫防御分析 実施例13は、組み合わせIタンパク質が、100μgの各タンパク質(30+32A +16+23+71)で、4週間あけて、3回、皮内免疫した動物において、免疫防御 を実証したが、より低い用量の組み合わせIタンパク質(詳細には、20μgまた は2μgの各タンパク質)の免疫防御能を実証するために、代替の実験を行った 。実施例13におけるように、モルモット(1群当たり6匹の動物)を、SAF中 で皮内で、3週間あけて、4回、組み合わせIタンパク質(30+32A+16+23+7 1)で免疫した。動物は、免疫化毎に20μgの各タンパク質、または免疫化毎に2 μgの各タンパク質を受容した。コントロール動物を以前のプロトコルを用いて 偽免疫した。3週間後、動物をエアロゾル化M.tuberculosisでチャレンジし、 9週間、毎週重量を測定した。免疫動物は全て実験の終わりまで生存したが、一 方、1匹の偽免疫動物は、実験が終わる前に死亡した。以下の結果が示すように 、実施例13の5倍低い用量、および50倍も低い用量さえ、エアロゾルM.tuber culosisから免疫動物を防御し、皮内および皮下経路の両方によるその送達は有 効であった。 20μgの各組み合わせIタンパク質で免疫したモルモットと比較して、偽免疫 動物は、9週間の実験の間に総体重の12%を減少した(重量をチャレンジ直前に 標準化した)。2μgの各組み合わせIタンパク質で免疫したモルモットと比較 して、偽免疫動物は、その標準化された総体重の11%を減少した。従って、低用 量の組み合わせIタンパク質で皮内免疫したモルモットは、M.tuberculosisで のエアロゾルチャレンジ後の体重減少に対して防御された。 同様に、低用量の組み合わせIタンパク質で皮内免疫したモルモットはまた、 脾臓に対するM.tuberculosisの汎発と関連した巨脾腫に対して防御された。表 Oに示されるように、20μgまたは2μgの各組み合わせIタンパク質で免疫した 動物がそれぞれ平均して4.6±1.2gおよび4.0±0.8g(平均±SE)の重量の脾臓を 有したのに対し、偽免疫動物は、平均して9.6±1.8g(表1)、すなわち、2倍以 上である重量の脾臓を有した。 低用量の組み合わせIタンパク質で皮内免疫したモルモットはまた、その脾臓 においてより低いCFUのM.tuberculosisを有した。表Pに示すように、偽免疫動 物に比較したとき、20μgまたは2μgの各組み合わせIタンパク質で免疫したモ ルモットは、その脾臓においてそれぞれ平均して0.6および0.4log低いCFUを有し た。 さらに、組み合わせIタンパク質で皮下免疫したモルモットもまた、重量減少 、巨脾腫、および脾臓におけるM.tuberculosisの増殖に対して防御した。実施 例14に記載の同じ実験において、モルモットをまた、皮内ではなく皮下で、20 μgの組み合わせIタンパク質で、3週間あけて4回、免疫した。これらの動物 は、20μgの組み合わせIタンパク質で皮内免疫した動物とほぼ同程度にチャレ ンジから防御された。 実施例15 組み合わせIおよび組み合わせIIでのチャレンジに対する 組み合わせIおよび組み合わせII免疫モルモットの応答 主として豊富なM.tuberculosis細胞外産物の他の組み合わせが、同様に防御 免疫を提供するか否かを突き止めるために、さらなる研究を行った。ある研究は 、2つの組み合わせ−組み合わせI(71、32A、30、23、および16)および組み 合わせII(32A、30、24、23、および16)を含むワクチンで免疫したモルモット を利用した。組み合わせIIは、M.tuberculosis上清に通常存在する総細胞外タ ンパク質の62%までを含むと考えられる。動物(1群当たり6匹)を、SAF中、 組み合わせIまたはII中の各タンパク質100μgで、3週間あけて、4回免疫した 。ネガティブコントロール動物は、同じスケジュールにおいて等容量のSAFおよ び緩衝液で偽免疫した。 実施例12におけるように、動物を、動物がワクチン接種後に測定可能な免疫 応答を発達させたかどうかを決定するために、皮膚遅延型過敏性について試験し た。組み合わせIIで免疫した動物は、組み合わせIIでの皮膚試験に応じて、16.8 ±1.3mm(平均±SE)紅斑および12.8±1.2mm硬化を有し、一方、偽免疫動物では 、組み合わせIIに応じてほんの1.3±0.8mm紅斑および0.3±3mm硬化を有した。従 って、組み合わせIIで免疫した動物は、コントロールよりも、12倍より大きい紅 斑および40倍より大きい硬化を有した。比較のために、組み合わせIで免疫した 動物は、組み合わせIでの皮膚試験に応じて、21.3±2.0mm紅斑および15.8±0.1 mm硬化を有したが、一方、偽免疫動物は、組み合わせIに応じて、ほんの6.4±0 .8mm紅斑および2.6±0.7mm硬化を有した。従って、組み合わせIで免疫した動物 は、コントロールよりも、3倍より大きい紅斑および6倍より大きい硬化を有し た。組み合わせIIタンパク質についてのコントロールからの差異は、組み合わせ Iタンパク質についてのコントロールからの差異よりもずっと大きかった。 同じ実験において、より低い用量の組み合わせIIタンパク質で免疫した動物( 100μgに対して、20μgの各タンパク質)もまた、組み合わせIIに対して強い皮 膚過敏性を生じさせた。それらは、組み合わせIIに応じて、21.0±2.0mm紅斑お よび15.3±0.9mm硬化を有し、一方、偽免疫動物ではほんの1.3±0.8mm紅斑およ び0.3±0.3mm硬化を有した(上述と同様)。従って、より低い用量の組み合わせ IIタンパク質で免疫した動物は、コントロールよりも、16倍より大きい紅斑お よび50倍より大きい硬化を有した。この差異は、より高い用量の組み合わせIIタ ンパク質で免疫した動物にとってよりもずっと大きかった。 実施例16 エアロゾル化M.tuberculosisに対する組み合わせIおよびIIワクチンの 免疫防御分析 最後の免疫化から3週間後、先の過敏性アッセイのために使用したモルモット を、実施例13におけるように、エアロゾル化M.tuberculosis、Erdman株でチ ャレンジし、7週間、毎週、計量した。実施例13におけるように、6匹の動物 を各群に入れた。チャレンジ後の最初の7週間の間、偽免疫動物は、平均して19 .5g減少した。対照的に、組み合わせII(100μg各タンパク質)で免疫した動物 は、52.4g増加し、より低い用量(20μg各タンパク質)で組み合わせIIで免疫 した動物は、平均して67.2g増大した。対比のために、組み合わせIで免疫した 動物は68g増大した。従って、組み合わせII(100μg)で免疫したモルモットと 比較して、偽免疫動物は、その総体重の11%を減少した。より低い用量(20μg )で組み合わせIIで免疫したモルモットに比較して、偽免疫動物は、その総体重 の14%を減少した。組み合わせIで免疫した動物に比較して、偽免疫動物はまた 、その総体重の14%を減少した。 実施例17 同じワクチンまたはその成分のチャレンジに対する 組合せIIIからXIIで免疫されたモルモットの応答 さらなる実験を、M.tuberculosisのきわめて大量な細胞外産物の、効果的な種 々の組合せを示すために実施した。これらの研究では、Hartleyタイプのモルモ ットを、実施例2のように、精製された2つ以上のきわめて大量な細胞外産物の 組合せを含むワクチンにより皮内免疫した。この精製された細胞外産物を、SDS- PAGEにより決定されたこれらの見かけ上の分子量を使用して同定した。モルモッ トを、以下のきわめて大量な細胞外産物の組合せで免疫した。 それぞれの組合せワクチンは、100mgのそれぞれ列挙されたタンパク質を含む 。組合せワクチンを容量的に調整し、そしてアジュバントSAFで内皮に注射した 。前述したように、モルモットを、3週間おきに4回免疫した。 皮膚高感受性アッセイを、動物が組合せIII〜XIIのワクチン化後、計測可能な 免疫応答を発達するかどうかを決定するために実施した。6匹からなる群のモル モットの背中を剃り、そして同じ組合せの精製した細胞外産物で免疫されるべき モルモットに皮内注射した。このチャレンジのために、この組合せの10mgの各タ ンパク質を注射した。全ての注射を0.1mlの全量を使用して実施した。偽免疫化 コントロール(これはSAFのみで免疫される)もまた、III〜XIIの組合せで、再 度それぞれの組合せの10mgの各タンパク質を使用して皮膚試験した。紅斑の直径 および皮膚試験での硬化を実施例3に記載されるように、注射の24時間後に計測 した。 これらの計測の結果を、以下の表Qに示す。データを、伝統的方法を使用して 決定した、群±標準誤差(SE)についての平均計測値を再び示す。 結果は、強力な細胞媒介免疫応答が、それぞれの精製細胞外タンパク質の組合 せに対して産生されたことを明確に示す。免疫されたモルモットは少なくとも2 回紅斑を示し、そして通常ではコントロールの全ての組合せの3倍またはそれ以 上であった。さらに、免疫されたモルモットは、コントロールの全ての組合せの 少なくとも3倍の硬化を示した。 実施例18 エアロゾル化M.tuberculosisに対する組合せIII〜XIIの免疫防御分析 精製細胞外産物のこれらの例示的な組合せの予防有効性を示すために、組合せ III〜XIIで免疫したモルモットを実施例4のプロトコルを使用して最終免疫から 3週間後にM.tuberculosisでチャレンジした。 依然の結果と一致して、組合せIII〜XIIで免疫したモルモットは、チャレンジ 後の死に対して全て防御されたことである。チャレンジ後の4週間後、組合せIV 〜XIIで免疫した群の0匹の動物、および組合せIIIで免疫した群の6匹の動物の うちの1匹(17%)と比較すると、偽免疫動物の6匹のうち2匹(33%)が死ん だ。チャレンジ後10週間後では、組合せIXおよびXIIで免疫した群の動物の0匹 の死および組合せIII、IV、V、VI、X、およびXIで免疫した群の動物の6匹中1 匹の死(17%)、組合せVIIIで免疫した動物の5匹中1匹の死(20%)、および組 合せVIIで免疫した動物の6匹中2匹の死(33%)と比較して、50%の偽免疫動物 が死んだ。 観察期間終了前に死んだモルモットを解剖し、そして結核障害全ての証明につ いて試験した。研究を満了した動物全てについて障害を見出した。 死亡率の研究のまとめに引き続いて、生存した動物を過炭酸症により屠殺し、 そして各動物の脾臓を、実施例5のプロトコルを使用してM.tuberculosisについ てアッセイした。この結果を、偽免疫動物由来の対数減少を伴うコロニー形成単 位(CFU)に関して、以下の表Rに示す。CFU値の隣のアスタリスク(*)は、各群 の1匹の動物の脾臓の数がゼロであることを示す。算出の目的上、ゼロの数は、 脾臓あたり103CFUまたは3logとしてあつかった。 組合せIII、IV、VI、VII、IX、X、XI、およびXIIは、平均で、脾臓において、 偽免疫化コントロールよりも少なくとも0.5log少ないM.tuberculosisの少数のコ ロニー形成単位を有した。詳細には、組合せIVおよびVIIは特に効果的であるこ とを示し、10個の粗雑な因子によりコロニー形成単位の平均数を減少させた。組 合せVおよびVIIIで免疫した動物は、平均で、脾臓で、偽免疫化コントロールよ りも0.3対数および0.1対数少ないコロニー形成単位(CFU)をそれぞれ有した。本 発明の教示により免疫化された動物でのコロニー形成単位の劇的な減少は、本発 明の免疫防御効果を再度示す。 実施例19組合せXIIIでのチャレンジに対する組合せXIIIの3つの異なる用量で免疫された モルモットの応答 本発明の効率および範囲をさらに規定するため、ならびに精製細胞外産物のさ らなる組合せの有効性を示すために、モルモットを、別のワクチン接種用量を使 用する前に免疫した。具体的には、3つのきわめて大量な細胞外産物の、50mg,1 00mgおよび200mgの別の組合せを組合せXIIIとして、そして30KD、32(A)KD、およ び16KDのタンパク質を含んで同定する。先行する実施例のように、動物の群を、 SAF中の組合せXIIIの別の用量を用いて皮内に3週間おきに4回免疫した。 皮膚反応高感受性アッセイを、動物がワクチン接種後に計測可能な免疫応答性 を発達させるか決定するために実施した。動物の背中を剃り、そして10.0mgのそ れぞれの精製細胞外産物を含む組合せXIIIを用いて皮内注射した。全ての注射を 全量0.1mlを使用して実施した。偽免疫化コントロールもまた同用量の組合せXII Iで皮膚試験した。皮膚試験部位の紅斑の直径および硬化を、注射の24時間後に 計測した。 結果を、伝統的方法を使用して決定した、群±標準誤差(SE)についての平均計 測値について、以下の表Sに示す。 再度、これらの結果は、組合せXIIIに対する強力な細胞媒介免疫応答が、3つ の用量の組合せXIIIそれぞれで免疫された動物で産生されたことを明確に示す。 この免疫化動物は、コントロールの3倍に対して約2倍の紅斑を示した。より顕 著には、免疫化動物は、すべての場合で最小限の応答しか示さないコントロール 動物に対して少なくとも35倍の硬化を示した。 実施例20 エアロゾル化M.tuberculosisに対する3つの異なる用量の組合せXIIIの 免疫防御分析 種々の用量での本発明のワクチンの防御的免疫性局面をさらに示すために、先 行の皮膚過敏性アッセイに使用した免疫化モルモット(1群あたり6匹)を、最 終免疫の3週間後、エアロゾル化M.tuberculosisでチャレンジした。エアロゾル チャレンジを実施例4で詳細に記載されるプロトコルを使用して実施した。12の 偽免疫化動物の1つのコントロール群を同時にチャレンジした。 チャレンジ後の毎週の体重測定の結果を図10に図示し、そして3つの用量の組 合せXIIIの各々で免疫したモルモットは体重減少から防御されたことを示す。よ り高用量の組合せXIII(100mgおよび200mg)で免疫された動物は、体重の正味の 増加を実際に示し、そしてより低用量(50mg)で免疫された動物は、比較的少な い体重減少をそれぞれ示した。対照的に、偽免疫化動物はチャレンジ直後の週に おいて全体重の約22%が減少し、そして観察終了の10週間に渡っての平均減少が 182gだった。 以下の表Uは、チャレンジ後での平均体重で決定された免疫化動物およびコン トロール動物についての体重変化のパーセントを示したものであり、チャレンジ 開始での平均体重を引き、そしてその結果をチャレンジ開始での平均体重で割っ たものである。同様に、防御のパーセントを、免疫化動物の増量または減量の平 均パーセントからコントロールの減量の平均パーセントを引くことにより決定し た。 表Uは、偽免疫化動物が、免疫化動物と比較して、監視期間に渡ってかなりの 量の体重を失った(18%〜29%)ことを示す。図10は、10週間の監視期間に渡っ て毎週でプロットした、各群の免疫化動物対偽免疫化動物の正味の体重減少の図 式例を提供する。体重の損失として、または「消耗」は、結核の古典的な副作用 であり、これらの結果は、免疫化動物による結核菌の成長および増殖が、本発明 の3つの異なる用量の例示的な組合せワクチンにより阻害されることを示す。 実施例21組合せXIV〜XVIIIでのチャレンジに対する組合せXIV〜XVIIIの免疫防御分析 本発明の範囲、およびその教示により処方され得る広範で効果的なワクチンを さらに示すために、5つのさらなる組合せワクチン(組合せXIV〜XVIII)をモル モットで試験した。SDS-PAGEを使用して決定された精製細胞外産物の見かけ上の 分子量により同定された、それぞれの組合せワクチンの組成物を以下に示す。 新たな組合せワクチンおよび適切なコントロールに加えて、組合せIもまたこ の実験のシリーズにおいて使用した。モルモットを、組合せXIVまたはXVの50mg の各タンパク質、および組合せI、XVI、XVIIおよびXVIIIの100mgの各タンパク質 (全てSAFアジュバント内)で皮内免疫した。この動物を、各注射を3週間おき に、全部で4回免疫した。 皮膚過敏性アッセイを、動物が、前記で議論したプロトコルを使用したワクチ ン接種後の計測可能な免疫応答性を発達させるかどうかを決定するために実施し た。モルモットの背中を剃り、そして免疫化されるモルモットに、精製細胞外産 物の同じ組合せを皮内注射した。それぞれのチャレンジについて、10mgのそれぞ れのタンパク質を含む適切な組合せワクチンを注射した。全ての注射を、0.1ml の全量を使用して実施した。偽免疫化コントロールをまた、同用量のそれぞれの 組合せで皮膚試験した。皮膚試験部位の紅斑の直径および硬化を注射の24時間後 に計測した。 これらの計測の結果を以下の表Vに示し、伝統的な方法を使用して決定される ように群±標準誤差(SE)についての平均計測値を報告する。 これらの結果は、組合せXIV〜XVIIIに対して、および以前のように組み合わせ Iに対して、強力な細胞媒介免疫応答を産生したことを示す。免疫化動物はコン トロールの2倍の紅斑を示した。さらにより顕著に、免疫化動物は、すべての場 合で最小限の応答しか示さない偽免疫化動物よりも少なくとも10倍の硬化を示し た。 実施例22 エアロゾル化M.tuberculosisに対する組合せXIV〜XVIIIおよび組合せIの 免疫防御分析 実施例21の組合せワクチンの免疫反応性を明らかにするため、そして感染性結 核に対するこれらの適用性を示すために、先行の皮膚過敏性アッセイをに使用し た免疫化モルモットを、最終免疫の3週間後にエアロゾル化M.tuberculosisで チ ャレンジし、そして実施例4のプロトコルを使用して監視した。12の偽免疫化動 物の1つのコントロール群(実施例20で使用されるものと同じ)を同様にチャレ ンジした。これらのチャレンジの結果を図11に図式的に示し、そして以下の表W に直接的に示す。 パーセント重量変化を、チャレンジ後での平均体重を取り、チャレンジ開始時 の平均体重を引き、そしてその結果をチャレンジ開始時の平均体重で割ることに より決定した。同様に、防御のパーセントを、免疫化動物の体重の増加または減 少の平均パーセントから、コントロールの体重の平均パーセントを引くことによ り決定した。 表Wに示されるように、それぞれの組合せワクチンで免疫されたモルモットは 、体重減少から防御された。偽免疫化動物は、全体の合わせた体重の約22%を失 った。対象的に、組合せワクチンの予防効果は、テスト群の1つについて体重の 増加を実際に生じ、そして他では体重損失の量が減少した。特に、組合せXIVで 免疫した動物は3%の体重の増加を示し、一方、他の組合せで免疫した動物は合 わせた組合せた全体重の4%〜15%のみの損失であった。 これらの結果を図11に示す。これはエアロゾルチャレンジ後のそれぞれの動物 の群の正味の体重の増加または減少を決定するために、1週間の体重をプロット したものである。図11に示される免疫化動物と偽免疫化コントロールとの間の正 味の体重減少の統計学的な有意差は、本発明のワクチンの組合せによって産生さ れる免疫予防応答をさらに提供する。 実施例23 3つの異なるアジュバントで免疫されたモルモットの細胞媒介免疫 本発明のワクチン処方物の広範な適用性および汎用性をさらに示すために、異 なるアジュバントを使用して免疫原性研究を行なった。特に、3つの異なる免疫 原、精製された30KDのタンパク質、組合せI(30、32A、16、23、71)、および組 合せXIII(30、32A、16)を、3つの異なるアジュバント、Syntex Adjuvant Formu lation I(SAF)、不完全フロイントアジュバント(IFA)およびモノホスホリル脂質 A含有アジュバント(MPL)を使用してそれぞれ調製した。このようなアジュバン トは、免疫原とともに投与する場合、生物の免疫応答を増強させることが公知で ある。 モルモットを、それぞれ3つの異なるアジュバント処方物の組合せIおよびXII Iおよび約100mgの精製30KDタンパク質を含む、100mgのそれぞれのタンパク質で 皮内免疫した。このモルモットを3週間おきに全3回の注射によりそれぞれの処 方物で免疫した。 免疫化後、皮膚過敏性アッセイを、モルモットが計測可能な免疫応答を発達さ せたかどうか決定するために実施した。モルモットの背中を剃り、免疫化される モルモットに同じ免疫原を皮内注射した。チャレンジについては、組合せIおよ びXIIIまたは10mgの精製30KDタンパク質を全容量100mlで注射した。偽免疫動物 を、3つのアジュバントのうちの1つでワクチン接種し、同じアジュバントを含 むそれぞれの免疫原処方物で皮膚試験した。皮膚試験部位の紅斑の直径および硬 化を注射の24時間後に計測した。 これらの計測結果を、以下の表Xに示した。先に議論したデータを、適用され る統計学的技術を使用して決定されたように、群±標準誤差(SE)についての平均 計測値について報告する。 表Xで示されるデータに示されるように、本発明の組合せワクチンおよび精製 細胞外産物は、異なるアジュバントで処方される場合、場合の強力な細胞媒介免 疫原性応答を提供する。さらに、同じ免疫原について提供された3つのアジュバ ントの各々は、それぞれの期待された免疫原に応答する。一般には、硬化が、コ ントロール動物で計測されたものの約4〜6倍ほど大きいと同時に、免疫化したモ ルモットは、偽免疫化モルモットの約7〜10倍の直径の紅斑を示す。 本発明の、異なるアジュバントの組合せにおける強力な免疫原性応答を刺激す る能力は、ワクチンの最適化を促進する。つまり、本明細書の教示に従う効果的 なワクチン処方物を産生するために使用されるアジュバントは、二次的な基準( 例えば、安定性、副作用の欠失、保存の費用および容易さ)の考慮において広範 に基づいて選択され得る。これらおよび他の基準(免疫応答の刺激には直接的に は関連しない)は、相対的に原始の条件下での広範な使用についてのワクチン処 方物を開発する場合、とりわけ重要である。 実施例24組合せXIX〜XXVIIIでのチャレンジに対する組合せXIX〜XXVIIIの免疫防御分析 広範な範囲の本発明は、10個のさらなる組合せワクチン、組合せXIX〜XXVIII を使用して免疫応答の産生を通じてさらに示した。新しい組合せワクチンおよび 適切なコントロールに加えて、組合せIVおよびXIIIもまたモルモットでの免疫応 答を刺激するためのポジティブコントロールとして使用した。SDS-PAGEを使用し て決定された精製細胞外産物の見かけの分子量により同定された、それぞれの組 合せワクチンの組成物を以下に与える。 モルモットを、3週間間隔の注射で、合計4回免疫した。動物を免疫するため に使用されたそれぞれの組合せワクチンは、SAFアジュバント中100mgの各タンパ ク質からなり、0.1mlの全容量を提供した。 実施例3で議論されるプロトコルを使用して、動物が、選択された組合せワク チンのワクチン接種後に発達した計測可能な免疫応答を有するかどうか決定する ために、皮膚過敏性アッセイを実施した。モルモットを背中剃り、そして免疫に 使用された精製細胞外産物の同じ組合せを皮内注射した。動物をチャレンジする ために、10mgの各タンパク質から成るタンパク質の組合せを使用した。偽免疫化 コントロールもまたそれぞれの組合せの同じ用量で皮膚試験した。実施例3のよ うに、皮膚試験部位の紅斑の直径および硬化を注射の24時間後に計測した。 これらの計測結果を、以下の表Yに示した。動物の群±標準誤差についての平 均計測値について報告する。 表Yに示す結果は、強力な細胞媒介免疫応答が、同じ免疫原でチャレンジした 場合に、組合せXIX〜XXVIIIで生じたことを明快に示す。先のように、強力な細 胞媒介免疫応答はまた、組合せIVおよびXIIIにより誘発された。免疫したモルモ ットにより示された紅斑は、対応する偽免疫コントロール動物において誘発され た反応の少なくとも2倍であり、そして一般に4倍以上で誘発された。同様に、 免疫された動物により示された硬化は、非免疫コントロールにおける硬化の少な くとも2倍であり、そして一般に3〜4倍大きかった。本発明の教示に従って免 疫された動物において生じた、実質的にさらに強い免疫応答は、本発明の組合せ ワクチンの免疫防御実施可能性を再度例示する。 当業者はまた、本発明のワクチンおよび方法のさらなる利点を認識する。例え ば、高度に精製された分子種の個々の化合物または選択された組合せは、細菌全 体またはその成分ではなく、本ワクチンに用いられるので、本発明のワクチンは 、先行技術の弱毒化細菌ワクチンまたは殺傷細菌ワクチンと比較した場合に毒性 応答を誘発する可能性が相当に少ない。さらに、本発明の分子ワクチンは、免疫 無防備状態の個体の生命を脅かさない。実際、本発明の組成物は、治療的に用い られて、感染個体における病原因子に対して指向された免疫応答を刺激し得る。 主として豊富な細胞外産物またはそれらの免疫原性アナログの選択的使用はま た、細胞内細菌の病因を増加させ得るオプソニン作用性(opsonizing)体液応答 の発達を予防する。本発明により生じる防御免疫は、未結合のタンパク質に対す るので、任意のオプソニン応答は、寄生細菌の促進される封入ではなく、単に主 として豊富な細胞外産物の食作用および破壊を生じる。さらに、精製された細胞 外産物の選択的使用は、免疫原性因子の宿主認識に基づく、広範に使用されるス クリーニング技術および制御技術の使用を排除する応答を生じる可能性を低減さ せる。先行技術のワクチンとは異なり、スクリーニング試験は、病原体により発 現されるが本発明に従って作製されるワクチンに含まれない免疫反応性分子を用 いて依然として行われ得る。このような免疫原性決定基の使用は、適切な測定が 行われるのを可能にする標的病原体に暴露された個体において応答を誘発するの みである。 本発明の別の利点は、先行技術のワクチンの弱毒細菌および細菌成分とは対照 的に、精製された細胞外産物が、容易に多量に入手され、そして当該分野で周知 の技術を用いて直ちに単離されることである。本発明の免疫反応性産物は、目的 のほとんどの生物について、周囲の培地中へと自然に細胞外放出されるので、細 胞内夾雑物および細胞破片の除去は、単純化される。さらに、ほとんどの顕著な またはきわめて豊富な細胞外産物またはその免疫原性アナログは、所望の免疫応 答を刺激するために用いられるので、採取可能な産物の発現レベルまたは培養濃 度は、一般に、ほとんどの生成系において上昇する。従って、どのような形態の 産物が用いられたとしても、所望の産物の大規模単離が、クロマトグラフィーま たは限外濾過のような日常的な生化学的手順により容易に達成される。本発明に おいて用いられる免疫原性決定基のこれらの固有の属性および分子的特徴は、大 規模で使用するための一貫した、標準化された、高品質の組成物の生成を大いに 促進する。 あるいは、標的病原の最も顕著な、または主として豊富な細胞外産物の免疫原 性特性に基づく精製された分子化合物の使用はまた、本発明の免疫活性ワクチン 成分の大規模合成生成を比較的容易にする。例えば、目的の細胞外産物またはそ の免疫原性アナログは、組換えDNA技術を用いて非病原性宿主細菌にクローン化 され得、そして安全に採取され得る。当該分野で周知の分子クローン化技術は、 Escherichia coliのような宿主細菌における挿入のために選択された高発現ベク ターにおいて、目的の細胞外産物、それらのホモログまたは任意のそのセグメン トに対応するDNAを単離および発現するために用いられ得る。例示的な技術は、 以下の文献に見出され得る: 本発明は、宿主細胞を用いて、M.tuberculosis 110KDタンパク質、80KDタン パク質、71KDタンパク質、58KDタンパク質、45KDタンパタ質、32A KDタンパク質 、32B KDタンパク質、30KDタンパク質、24KDタンパタ質、23.5KDタンパク質、23 KDタンパク質、16KDタンパク質、14KDタンパク質、12KDタンパク質、ならびにそ れらのそれぞれのアナログ、ホモログ、およびサブユニットからなる群から選択 される主として豊富な細胞外産物を生成するためのプロセスを含む。本発明の細 胞外タンパク質を発現するための実際に実証された好ましい方法の例は、以下の 通りである: 実施例25 組換え30KDタンパク質の発現 成熟30KDタンパク質の発現のために、成熟タンパク質の開始フェニルアラニン が、pET22b(Novagen,Madison,WI)におけるpelBリーダー配列のNcoI部位また はカルボキシ末端に人工的に挿入されたグリシン残基に融合されるように、30 KDタンパク質をコードする遺伝子を操作した(図14を参照のこと)。このストラ テジーは、成熟30KDタンパタ質が容易に放出され、そして4時間にわたって比較 的豊富な組換え30KDタンパク質の発現を導き得る融合分子を提供した。その後、 組換えタンパク質の発現は、プラトーに達した。組換え分子の発現は、細菌の培 養に深刻な有害な効果を発揮せずに8時間まで継続した。1リットルのE.coli からの代表的な収量は、総細胞タンパク質のほぼ25%に達する、約50mgであった 。 全長または短縮型で組換え30KDタンパク質の発現を達成するために、pET22bに おける構築物を、1mMイソプロピル-b-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)での誘 導の際に、E.coli BL21(DE3)pLysSにおいて発現させた。誘導された培養物のサ ンプルを、1時間の間隔で8時間まで採取し、そして培養上清および細胞ペレッ トのアリコートを、12.5%変性ポリアクリルアミドゲルに流し、そしてクーマシ ーブリリアントブルーRで染色した。組換えタンパク質を、全てのクロマトグラ フィー工程が緩衝液に対する8M尿素の添加を含むこと以外は、Horwitz,M.A.,L ee,B.-W.E.,Dillon,B.J.,およびHarth,G.(1995)Protective immmunity agains t tuberculosis induced by vaccination with major extracellular proteins of Mycobacterium tuberculosis.Proc Natl Acad Sci USA 92:1530-1534に記載 されるように精製した。精製された組換えタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩 水に対して透析し、そして可溶性のままであった。 成熟30KDタンパク質を、それ自体のリーダーペプチドまたはプラスミドにコー ドされるpelBリーダーペプチドのいずれかとともにpET22bベクターにおいて発現 させた。細胞ペレットの電気泳動の結果を、図15に示す。レーンAおよびBは、 pelBリーダーDNA配列に融合された成熟30KDタンパク質遺伝子を有するpET22bベ クター(A)および全長30KDタンパク質遺伝子を有するpET22bベクター(B)を保有す る細菌のIPTG誘導の際のクーマシー染色したタンパク質抽出物を示す。レーンC は、参照としてM.tuberculosis培養濾液から単離された成熟30KDタンパク質を示 す。レーンD、E、およびFは、抗30/32A-BKD複合体特異的抗体でプローブした A、B、およびCと同じタンパク質のウェスタンブロット分析を示す。レーンG (pET22bベクター単独を保有するE.coli培養物からのタンパク質抽出物)を、 同じ抗体でプローブした。全長30KDタンパク質および成熟30KDタンパク質の位置 は、それぞれ、30Wおよび30Mとマークし、そしてこれらの組換えタンパク質を、 それらの最初の5または7個のN末端アミノ酸により、さらに同定した。左の数 字は、KDでの分子量スタンダードを言及する。 実施例26 Mycobacterium smegmatisおよびMycobacterium vaccaeにおいてプラスミドpSMT3 を用いる、可溶性のプロセシングされた細胞外M.tuberculosisの 30KD主要分泌タンパク質の発現 本実施例は、ミコバクテリウム属におけるM.tuberculosisの30KD主要分泌タン パク質の発現および分泌を実証することに関する。本発明者らは、pSMT3プラス ミド(Douglas B.Young博士,Dept.Medical Microbiology,St.Mary's Hospit al Medical School,Norfolk Place,London,W2 IPG,United Kingdom,E.coli (col El ori)およびミコバクテリウム(Mycobacterium fortuitumプラスミドp AL5000 ori)の両方の複製起点、ハイグロマイシン耐性マーカー、hsp60プロモ ーター(Mycobacterium bovis BCG熱ショックタンパク質プロモーター配列)、 ならびにhsp60プロモーターの下流のマルチクローニング部位を有する5.7kb(キ ロ塩基対)のプラスミド)を用いた。発現系を、図16に模式的に示す。 挿入物は、30KDタンパク質の配列を含むM.tuberculosis Erdman株からの4.7kb HindIII-BamHIゲノムDNAフラグメントからなっていた。挿入物を、E.coli DH5a のpSMT3中にクローン化し、そして組換えプラスミドDNAを、6250V/cmおよび25mF aradの設定のエレクトロポレーションにより、M.smegmatis 1-2cおよびM.vaccae R877R(National Collection of Type Cultures(NCTC)11659)に形質転換した 。M.smegmatis 1-2cは、M.smegmatis mc26の治癒単離株(cured isolate)であ り、これは、Zhang,Y.,Lathigra,R.,Grabe,T.,Catty,D.,およびYoung,D., 1991,Molecular Microbiology 5(2):381-391に記載される手順によりM.smegmat is mc26から調製されたATCC 607(アメリカンタイプカルチャーコレクション) の単細胞単離株である。M.smegmatis mc26を、Jacobs,W.R.,Tuckman,M.,およ びBloom,B.R.,1987,Nature,327:532-535に記載される手順によりATCC 60 7から単離した。1mgの組換えプラスミドDNAおよび約4×109CFUのミコバクテリア を用いて、本方法は、100〜200個のハイグロマイシン耐性の形質転換体を生じた 。形質転換体は、ブロス培養において安定であり、そしてM.tuberculosisの30KD タンパク質を構成的に発現し、1リットルの培養物あたり約10mgのプロセシング されたタンパク質を生じた。最も重要なことに、タンパク質は可溶性であり、発 現されたタンパク質の約90%は、培養上清中に分泌された(図17を参照のこと) 。 図17に示す電気泳動の結果は、以下の通りに得られた。M.tuberculosisの30KD 遺伝子を有するpSMT3構築物を含む5個の組換えM.smegmatisクローンの各々から の上清液を、SDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳 動)分析(5個の最も右側のレーン)に供した。主要タンパク質(図17中の矢印 )は、組換え成熟M.tuberculosisの30KD主要分泌タンパク質である。最も左側の レーンは、分子量スタンダード(66、45、36、29、24、20、14KD)を示す。組換 えタンパク質は、29KDマーカーのすぐ上を移動する。 ウェスタンブロット分析を用いて、培養上清中の主要細胞外タンパタ質が、組 換え成熟M.tuberculosis 30KD主要分泌タンパク質であることを確認した。結果 を図18に示す。図18では、図17の最も右側の4つのレーンに示すタンパク質を、 SDS-PAGEに供し、そしてニトロセルロース上にブロッティングした(最も右側の 4つのレーン)。ブロットを、M.tuberculosis 30/32KDタンパク質複合体に特異 的なウサギポリクローナル抗体でプローブした。組換えM.tuberculosis 30KDタ ンパク質のみが染色された(矢印)。左のレーンは、予め染色した分子量マーカ ー(106、80、49.5、32.5、27.5、および18.5KD)を含む。組換えタンパク質は 、32.5KDの質量スタンダードと27.5KDの質量スタンダードとの間で移動する。 さらに、最初の6個のN末端アミノ酸のN末端配列分析は、FSRPGLを生じ、N 末端配列が成熟M.tuberculosis 30KDタンパク質のN末端配列と同一であること を確認した。 pET20(Novagen,Madison,WI)における2つの構築物(一方は成熟30KDタン パク質について、そして他方は32A KDタンパク質について)は、いずれのタンパ ク質の発現もE.coliにおいて生じることができなかった。pKK233の単離は、Aman n,E.およびBrosius,J.(1985)Gene 40:183-190に記載される。pTrc99A(Pharmaci a Biotech,Sweden)を、pKK233ベクターの代わりに用い得る。pKK233における3 つの異なる構築物(1つは全長30KDタンパク質について、1つは全長32KDタンパ ク質について、そして1つは成熟30KDタンパク質について)は、いずれのタンパ ク質の発現もE.coliにおいて生じることができなかった。 成熟30KDについてのpRSET-Aにおける1つの構築物は、E.coliにおいて融合タ ンパク質を生じたが、この融合タンパク質を含まない30KDタンパク質は、エンテ ロキナーゼを用いて切断され得なかった。同様に、pTrx-Fusにおける2つの構築 物(一方は、成熟30KDタンパク質について、そして一方は成熟32KDタンパク質に ついて)は、E.coliにおいて融合タンパク質を生じ、そしてそこから、M.tuberc ulosisタンパク質はエンテロキナーゼを用いて効率的に切断され得なかった。種 々の発現系の適合性のまとめを、表Zに示す。全ての挿入物は、32A KDタンパク 質についてである。 表Zから見られ得るように、全ての構築物がタンパク質発現を生じたわけでは なかった。構造遺伝子の前のリーダー配列が、発現のために要求された。従って 、成熟30KDタンパク質遺伝子を含有する1つのpET22b構築物、および成熟32A KD タンパク質遺伝子を含有する1つの構築物は、いずれのタンパク質も発現するこ とができなかった。30KDおよび32A KDのM.tuberculosisタンパク質のpET22bにお ける好結果の発現は、タンパク質のそれぞれのリーダー配列を構造遺伝子の前に 付加することにより得られた。両方のタンパク質について、このことは、全長タ ンパク質およびプロセシングされたタンパク質の両方の発現を生じた。これらの 構築物は、E.coliにおいて比較的安定であった。すなわち、これらは、2または 3回の継代培養後に、組換えタンパク質を発現したが、さらなる継代培養後には 発現しなかった。 30KDおよび32KDのM.tuberculosisタンパク質のpET22bにおける好結果の発現は また、E.coli由来のpelBリーダー配列を各々のタンパク質の構造遺伝子の前に付 加することにより得られた。これらの構築物における発現レベルは、30KDまたは 32A KDのタンパク質のそれぞれのリーダー配列を利用する構築物における発現レ ベルによりもさらに高かった。しかし、pelB構築物の欠点は、その不安定性であ った。これらの構築物は、任意の組換えタンパク質を発現する能力を、1回の継 代培養の後に喪失した。 以前に、M.tuberculosisの32AKDタンパク質の発現および分泌は、Mycobacter ium smegmatisおよびMycobacterium vaccaeにおいて、EcoRV制限部位により隣接 し、そして全長32Aタンパク質遺伝子をコードする約4.5kbのDNAフラグメントを 含有する、pSMT3に基づく発現構築物を用いて達成されていた。しかし、M.tuber culosisの30KD主要細胞外タンパク質およびM.tuberculosisの16KD主要細胞外タ ンパク質の場合とは対照的に、これらの構築物の使用は、M.tuberculosisの32A KDのタンパク質の細胞内蓄積を生じ、そしてM.tuberculosisの32A KDのタンパ ク質の高レベルの分泌を生じなかった。 本発明は、全長32A KD主要細胞外タンパク質をコードするDNAフラグメントを 含有する、Mycobacterium smegmatisの組換え株を、37℃ではなく28℃(これら の細菌を培養するには普通の温度)で培養することにより機能する。28℃で培養 する場合、組換えミコバクテリアは、豊富な32A KDタンパク質を発現および分泌 する。次いで、分泌されたタンパク質は、従来の精製技術により培養上清液から 精製され得る。 本発明の前には、少量の組換えM.tuberculosis 32A KDタンパク質しか、この タンパク質を発現する組換えミコバクテリアから得られ得なかった。本発明は、 豊富な組換え32Aタンパク質が、32A KDタンパクを培養培地に分泌する組換えミ コバクテリアの培養濾液から得られるのを可能にする。従って、組換え32A KDタ ンパク質の費用に対し最も効率の良い生産が可能になる。 実施例27 EcoRV制限部位により隣接し、そして全長32A KDタンパク質をコードする約4.5 kbのDNAフラグメントを含むpSMT3に基づく発現構築物を用いて、M.tuberculosis 32A KD主要細胞外タンパク質由来の遺伝子を、Mycobacterium smegmatisにクロ ーン化した(図19における構築物A)。組換えM.smegmatisを、2%グルコースを 含有する7H9培地において37℃および28℃にて培養した。次いで、各生物の培養 濾液を採取し、そしてSDS-PAGE分析に供した。全長32A KDタンパク質遺伝子を有 するpSMT3ベクターを含有するM.smegmatisを37℃にて培養した場合、32A KDタン パク質は、培養濾液中に実質的に全く存在しなかった(図20のレーン2)。しか し、同じM.smegmatis株を28℃にて培養した場合、多量の32A KDタンパク質が培 養濾液中に分泌され、そして存在した(レーン3、矢尻)。レーン1は、分子量 スタンダード(分子量×10-3が、スタンダードの左側に示される)を示す。レー ン2は、37℃にて培養された、全長M.tuberculosis 32A KDタンパク質遺伝子のp SMT3ベクターを含有するM.smegmatisからの濾液を示す。レーン3は、28℃にて 培養された、全長M.tuberculosis 32A KDタンパク質遺伝子のpSMT3ベクターを含 有するM.smegmatisからの濾液を示す。 構築物B、D、E、およびGを含有するM.smegmatisもまた、28℃にて培養さ れた場合、多量の組換えM.tuberculosis 32A KDタンパク質を発現および分泌し た。 28℃にてMycobacterium smegmatisにより発現および分泌された組換えMycobac terium tuberculosis 32A KDタンパク質のN末端アミノ酸分析により、以下の配 列が得られた: 1 6 FSRPGLP。 全長M.tuberuculosis 32A KDタンパク質遺伝子を含有する2つの組換えM.smeg malis株(構築物AおよびD)を、28℃にて培養した。各生物の培養濾液を得、 そしてアリコートを、変性SDS-PAGE分析に供した。タンパク質をポリフッ化ビニ リデン(polyvinylidine fluorlde)(PVDF)膜に移し、そして32KDで移動するクー マシーブルーR染色したバンドを切り出し、そして自動アミノ酸配列決定に供し た。上記に示した配列は、従来の一文字コードである。 構築物AまたはDのいずれかを含有するM.smegmatisにより分泌された組換え タンパク質のN末端配列は、天然のM.tuberculosis 32A KDタンパク質と同一で あり、M.smegmatisにおける組換えM.tuberculosis 32A KDタンパク質が、M.tube rculosisにおける天然のM.tuberculosis 32A KDと同様にプロセシングされるこ とを確認した。 同様に、細胞外タンパク質、それらのアナログ、ホモログ、または免疫反応性 タンパク質サブユニットを、通常の実験室技術および自動シークエンサー技術を 用いて比較的純粋な形態で大規模で化学合成し得る。この態様の生成は、細胞外 産物の抗原性決定基に相当するペプチドサブユニットまたは低分子量アナログを 構築するのに特に魅力的である。より小さなタンパク質サブユニットの生成の例 示的な技術は、当該分野において周知であり、そして以下の文献において見出さ れ得る: 他の免疫原性技術(例えば、ペプチド、ヌクレオチド、または他の分子(例えば 、模倣物)を用いる抗イディオタイピングまたは指定された分子進化)もまた、 有効な、所望の予防応答を生じ得る免疫反応性化合物を生成するために用いられ 得 る。 本発明の実施に有用な核酸分子は、例えは、以下を含む種々のベクターから発 現され得る:ウイルスベクター(例えば、ヘルペスウイルスベクター(例えば、 米国特許第5,288,641号)、レトロウイルス(例えば、 代表的な発現ベクターは、1995年10月20日に出願された、同 時係属中の出願第08/545,926号(この開示は本明細書中に参考として援用される )に開示される。 核酸分子(またはベクター、すなわち、目的の配列の発現を検出し得る集合体 )は、広範な種々のメカニズム(例えば、トランスフェクション、例えば、殺傷 したアデノウイルスに連結されたDNAを含む(Michaelら、J.Biol.Chem.268( 10:6866-6869,1993;およびCurielら、Hum.Gene Ther.3(2):147-154,1992) 、サイトフェククチン=媒介性導入(DMRIE-DOPE,Vical,Callf.)、直接DNA注 入(Acsadiら、Nature 352:815-818,1991);DNAリガンド(Wuら、J.of Biol .Chem.264:16985-16987,1989);リポフェクチン(Felgnerら、Proc.Natl. Acad.Sci,USA 84:7413-7417,1989);リポソーム(Pickeringら、Clrc.89(1 ):13-21,1994;およびWangら、PNAS 84:7851-7855,1987);マイクロインジェ クタイルボンバードメント(Williamsら、PNAS 88:2726-2730,1911);ならび に酵素自体をコードする核酸の、単独(Vileおよびhart,Cancer Res.53:3860- 3864,1993)またはPEG核酸複合体(WO 93/18759;WO 93/04701;WO 93/07283、お よびWO 93/07282もまた参照のこと)を含む)を利用しての直接送達)によって宿 主細胞に導入され得る。 さらなる代替として、1つ以上の細胞外産物、類似体、アナログ、または本発 明のサブユニットの発現を誘導し得る、DNAまたは1つ以上の遺伝子をコードす る他の遺伝的物質は、いわゆる「裸のDNA」技術を利用して哺乳動物宿主に直接 注入され得る。インビボ導入の後、および宿主細胞による遺伝子構築物の取り込 みの結果、宿主は1つ以上のコードされた免疫反応産物の内因的産生を始め、続 いてのチャレンジに対する有効な免疫応答を生じる。当業者が理解するように、 遺伝子構築物の、真核生物プロモーター配列および/または分泌シグナルへの結 合は、コードされた免疫反応産物の発現および続く分泌を容易にし得る。裸の_D NAのワクチンとしての利用についての例示的な技術は、国際特許第WO9421797 A 号(Merck & Co.Inc.およびViCal Inc.)、国際特許出願第WO 9011092号(ViCa l Inc.)、およびRobinson,Protection Against a Lethal Influenza Virus Ch allenge by Immunization with a Hemagglutinin-ExpressingPlasmid DNA,11 V accine 9(1993)、ならびにUlmerら、Heterologous Protection Against Influ enza by Injection of DNA Encoding a Viral Protein,259 Science(1993)に見 出され、本明細書中に参考として援用される。 あるいは、強力な免疫原性タンパク質テールの融合についての技術は、Taoら 、Idiotype/Granulocyte-MacropageColony-Stimulating Factor Fusion Protein a s a Vaccine for B-Coe Lymphoma,362 Nature(1993)、およびT細胞エピト ープマッピングについては、Goodら、HumanT-Cell Recognition of the Circums porooite Protein of Plasmodiumfalciparum:Immunodominant T-Cell Domains Map to the Polymorphic Regions of the Molecule,85 Proc.Natl.Acad.Sci .USA(1988)、およびGaoら、Identification and Chara Cterization of T Help e r Epitopes in the Nucleoprotein of Influenza A Vitus,143 The Journal of Immunology No.9(1989)に開示されている。 多くの細菌属が相同性を示すので、上記の例は、例示の目的で提供され、そし て本発明の範囲および内容を制限すること、または本発明を、Mycobacterium族 、または特定の種もしくはその血清型、または結核のみに対するワクチンに制限 することは意図されない。微生物のDNAおよび対応するタンパク質における種間 の相同性の罹患率は、本発明のワクチンが交差反応性免疫を誘導することを可能 にすることもまた強調されるべきである。主として豊富な細胞外産物の免疫優勢 性ピトープが、選択された属の他の血清型および種でのチャレンジに対する交差 防御的免疫を提供するので、当業者は、1つの種に指向されるワクチンを、別の 種の細胞外産物または免疫原性アナログを使用して開発し得ることを理解する。 例えば、M.bovisは、M.tuberculosisと90%と100%との間の相同性であり、 そして免疫応答の刺激に関して高度に交差反応性である。従って、M.bovisまた は他のMycobacteriumの豊富な細胞外産物に基づくワクチンは、M.tuberculosis による感染に対する種々の程度の防御を提供し得、その逆もあり得る。従って、 適度に主として豊富な細胞外産物の高度に相同な免疫原性決定因子を使用して、 同じ属のいくつかの細菌種に対する免疫予防的応答を提供することは、本発明の 範囲内であることが意図される。 本発明の実施のために選択された免疫原性決定因子が多くの異なる形態で使用 され、有効的な防御または免疫原性免疫応答を惹起し得ることもまた強調される べきである。従って、宿主免疫系に対する、選択された主として豊富な細胞外産 物の1つ以上の免疫原性決定因子の提示の態様は重要ではなく、そして、産生ま たは投与を容易にするように変更され得る。例えば、本発明のワクチンは、細胞 外産物全体または任意のその免疫刺激画分(上記のような、ペプチド、タンパク 質、サブユニット、免疫原性アナログ、および相同体を含む)を使用して処方さ れ得る。 本発明の技術に従って、M.tuberculosisの主として豊富な細胞外産物の有効 なタンパク質サブユニットが、遺伝的に多様な咄乳動物種の集団で同定され得る 。得られる同定された免疫優性T細胞エピトープは、ヒトおよびウシを含む他の 哺 乳動物によって認識されるはずである。これらの免疫優性T細胞エピトープは、 従って、ワクチンならびに免疫診断試薬に有用である。M.tuberculosisの30KD の主要な分泌タンパク質の免疫優性T細胞エピトープのを同定する例示的な研究 を、以下のように行った。 実施例28 30KD タンパク質の免疫優性エピトープマッピング 全体のネイティブ30KDタンパク質を含みそして10アミノ酸重複する、55の合成 ペプチド(15マー)を、M.tuberculosis 55の30KD主要分泌タンパク質の免疫優 性T細胞エピトープを同定するために、膵臓リンパ球増殖アッセイに使用した。 利用される各15マーの合成ペプチドの配列を、図12aおよびbの抗原ペプチド配 列番号に対応する同定番号(1〜55)ならびにアミノ酸残基の同定および各配列の 相対位置と関連して以下に示す。 脾臓リンパ球を、SAFにおいて乳化された精製30KDタンパク質で3〜4回皮下 で免疫化された、非近交系雄性Hartley系モルモット(Charles River Breeding Laboratories)から得た(AllisonおよびByars 1986)。コントロール動物は、S AFのリン酸緩衝化生理食塩水を受けた。細胞媒介免疫応答を、上記のような皮膚 試験によって評価した。リンパ球を96ウェル組織培養プレート(Falcon Labware )に播種し、そして20mg ml-1の合成15マーペプチド、20mg ml-1の精製30KDタン パク質、20mg ml-1の精製タンパク質誘導体[(PPD);Connaught Laboratories L TD]、または10mg ml-1のコンカナバリンAとともに、2日間、10Uのポリオミキ シンBの存在下で、3連でインキュベートした。続いて、細胞を、1mCi[3H]チ ミジン(New England Nuclear)で16時間標識し、次いで、収集した(Breimanお よびHorwitzl 1987)。ポジティブ増殖性応答を以下のように規定した:(抗原の dpm)-(培地のdpm)31 500および(抗原のdpm)/(培地のdpm)31.2。精製M.tubercul osis 30KDタンパク質で免疫化された25%より多いモルモットによって認識され る免疫優性エピトープを、以下の表AAに示し、そして図12aおよび12bに図示的に 例示する。 表AAに示される結果は、M.tuberculosisの30KD主要分泌タンパク質の免疫優 性T細胞エピトープを同定する。当業者は、以前の研究者が、M.tuberculosis タンパク質に高度に関連するM.bovisの30KDタンパク質を研究したことを理解す る。しかし、これらの以前のM.bovisタンパク質の研究は、実際の患者(BCGワ クチン接種者、結核患者、またはPPDポジティブ個体)を研究した先行技術にお ける以前の研究と顕著に異なる。このような個体におけるこのタンパク質の応答 はしばしば弱いために、先行技術エピトープマッピング研究は困難であり、そし て精度に問題があった。対照的に、実施例25の研究は、精製タンパク質で免疫化 された非近交系のモルモットを利用し、それによってこの単一タンパク質におけ る免疫系に焦点を当て、そして非常に強力な細胞媒介免疫応答を産生した。さら に、これらのモルモットを、免疫化の数週間以内に、T細胞応答性のピークで研 究した。 以前に、M.tuberculosis 32A KDタンパク質のエピトープの同定を目的とした 2つのタイプの研究を行った。第一のタイプは、a)ツベルクリン(PPD)ポジテ ィブであるヒト;BCGでのワクチン化の結果としての部分;b)レプロミンポジテ ィブのヒト;c)TBを有すヒト;またはd)ライ病を有するヒトの(タンパク質の全 体の配列に重複した)ペプチドに対するT細胞応答を試験した。(P.Launols, R.Deleys,M.N.Niang,A.Drowart,M.Adrien,P.Deirckx,J.-L.Cartel ,J.-L.Sarthou,J.-P.van Vooren,およびK.Huygen,1994、「T-Cell epit ope mapping of the major secreted mycobacterial antigen AG85A in tubercu losis and leprosy」,Infect.and Immun,62:3679-3687。)これらの人々にお けるこのタンパク質への応答はしばしば弱く、正確にエピトープをマップするこ とを困難にしている。これらの困難を克服するために、非近交系モルモットを精 製タンパク質で免疫化し、この単一のタンパク質における免疫系に焦点を当て、 そして非常に強力な細胞媒介免疫応答を産生した。この応答を、T細胞応答性の ピーク(すなわち、免疫化後の数週間以内)で研究した。 第二のタイプの以前の研究は、BCGで感染した近交系マウスのペプチドに対す るT細胞応答を試験した。(K.Huygen,E.Lozes,B.Gilles,A.Drowart,K. Palfliet,F.Jurion,I.Roland,M.Art,M.DuFaux.J.Nyavenda,J.De B ruyn,J.-P.van Vooren,およびR.Deleys,1994、「Mapping of THl helper T- cell epitopes on major secreted mycobacterial antigen 85A in mice infect ed with live Mycobacteriumbovis BCG」,Infect.and Immun.,62:363-370。 )このような研究は、ヒトに見出される複数のMHC型の種々の応答を予測する結 果を生じないようである。 予測結果を得るために、本発明に従って、広範な種々のHLA型を有する多数の 非近交系モルモットを研究した。その結果、25%以上のモルモットによって認識 される32A KDタンパク質のエピトープは強力な免疫優性であり、そして複数のHL A型によって認識される。それゆえ、それは一般に、ヒト、ウシ、および他の咄 乳動物を含む他の種のHLA分子によって認識されるようである。このような研究 は、ヒトおよび他の哺乳動物によって認識される免疫優性エピトープを高度に予 測するはずである。さらに、上記のマウス研究は、BCG感染動物の応答に依存す る。このような動物は、a)M.tuberculosis感染動物を示さず、およびb)特定の タンパク質-この場合32A KDタンパク質-に対して活性の疾患を有さない動物ほど 強く応答しない動物であり得る。 実施例29 32A KD タンパク質の免疫優性エピトープマッピング 実施例28の手順を、ネイティブ32A KDタンパク質の全体にわたる57合成ペプチ ド(15マー)を使用したことを除いて、繰り返した。標的された各15マーの配列 を表ABに示す。 以下の表に示されるように、技術的理由のために、合成ペプチド番号1A、5A、 15A、26A、29A、43A、および56Aは、対応する標的15マーとわずかに異なる。 精製M.tuberculosis 32A KDタンパク質で免疫化された、25%より多くのモル モットによって認識されるM.tuberculosisの32A KD主要分泌タンパク質の免疫 優性T細胞エピトープを、以下の表ADに示し、そして図13に図示的に例示する。 本発明の技術により、上で同定された1つ以上の免疫優性エピトープを、結核 に対するワクチンに組込み得る。例えば、個々の免疫優性エピトープを合成し得 、そして個々に使用するか、または複数の抗原ペプチド系と組合わせて使用し得 る。あるいは、2つ以上の免疫優性エピトープを互いに化学的に連結し得る。互 いに連結されるか、または別々のいずれかのペプチドを、適切なアジュバントと 合わせ、そしてヒトまたは他の哺乳動物についてのサブユニットワクチンにおい て使用し得る。さらに、免疫優性エピトープを、新しい皮膚試験のような新しい 免疫診断試薬において使用し得る。 選択された免疫原性決定因子の活性を増強するために本発明において使用され る特定の例示的なアジュバントは、SAF、Monophosphoryl Lopid A(MPL)を含む アジュバント、フロイントの不完全アジュバント、殺傷細菌含有フロイントの完 全アジュバント、γインターフェロン(Radfordら、American Society of Hepat ology 2008-2015,1991;Watanabeら、PNAS 86:9456-9460,1989;Gansbacherら、C ancer Research 50:7820-7825,1990:Maioら、Can,Immunol.Immunother,30:3 4-42,1989;米国特許第4,762,791号および第4,727,138号)、IL-12、IL-15(Gra bsteinら、Science 264:965-968,1994)、MF59、MF 59+MTP、mf 59+IL-12、MF 59+TDM(トレハロースジミコレート(dimycolate))、QS-21、QS-21+IL-12 、IL-2(アメリカンタイプカルチャーコレクション第39405号、第39452号、およ び第39516号;米国特許第4,518,584号もまた参照のこと)、ジメチルジオクタデ シルアンモニウム(ddA)、ddA+デキストラン、ミョウバン、Quil A、ISCOMS、 (免疫刺激性複合体)、リポソーム、脂質キャリア、タンパク質キャリア、およ びマイクロカプセル化技術である。本発明に有用であり得るさらなるアジュバン トは、油中水エマルジョン、無機物塩(例えば、ミョウバン)、核酸、ブロック ポリマー界面活性剤、および微生物細胞壁(ペプチド糖脂質)である。本発明の 範囲内に限定されないが、アジュバントが、細胞性かつサイトカイン構築物を含 む、注入および/または注入部位での環境の調節の部位からの抗原の徐放を可能 にすることによって、免疫応答を拡大し得ることが理解される。 特に好ましいのは、単独または別のアジュバントとの組合せのいずれかでのIL -12である。IL-12単独の存在下、またはIL-12+別のアジュバント(例えば、MF5 9)の存在下での、精製主要M.tuberculosis細胞外タンパク質でのモルモットの 免疫化は、IL-12なしで得られる防御的な免疫を超える防御的な免疫を増強する ことが見出されている。防御的な免疫を誘導するためのワクチンの能力を増大す ることによって、IL-12は、より効果的なワクチンを与える。 マウスIL-12がマウスリンパ芽球およびヒトリンパ芽球の両方を刺激すること 、およびヒトIL-12がヒトリンパ芽球を刺激することが公知であったが、マウスI L-12またはヒトIL-12のいずれかがモルモットリンパ芽球を刺激することは公知 ではなかった。マウスIL-12またはヒトIL-12がモルモットリンパ芽球を刺激する か否かを決定するために、「Lymphoblasts Proliferation Assay for IL-12 Act ivity」Alternate Protocolと題された、Current Protocols in Immunology,19 93, Cytokines and their Recepters(6.16.3頁〜6.16.5頁)に記載されるプロトコ ルを使用して、IL-12活性をアッセイした。 実施例30 脾臓細胞を雄性Hatley系モルモットから単離し、20mlの補充培地を含み、8μg /ml(補充培地で1:1に希釈)の濃度でのPHAとともに、107細胞/75cm2培養フ ラスコの濃度で、3日間インキュベートし、そして50IU/mlの濃度のIL-12ととも に1日間インキュベートした。リンパ芽球を洗浄し、カウントし、96ウェル平底 マイクロタイタープレートに2×104リンパ芽球/ウェルの細胞密度で分配し、 そして24時間0〜5μg/mlのIL-12(R & D Systems,Minneapolis,MN)ととも にインキュベートした。3H-チミジン(0.25μCi)を、さらに18時間、各ウェル に添加し、次いで細胞を採集し、そして取り込まれた3H-チミジンについてアッ セイした。 牌臓細胞を用いて異なる非近交系モルモットから得られた2つの個々の実験を 、図21および図22に示す。データは、6連ウェルについて、平均DPM±S.D.であ る。 各実験において、マウスおよびヒトの両方のIL-12は、用量依存性様式でモル モットのリンパ芽球の増殖を強く刺激した。 IL-12が、精製M.tuberculosis 30、32A、および16KDの主要細胞外タンパク質 から成るワクチンの効率を増強するか否かを決定するために、モルモットをIL-1 2の存在下または非存在下でワクチンで免疫化し、そしてエアロゾールにより毒 性M.tuberculosisでチャレンジした。IL-12は、ワクチンの、チャレンジされた 動物の肺における減量およびM.tuberculosisの増殖に対して、動物を防御する 能力を増強することが見出された。 実施例31 モルモット(1群当たり6匹)を、アジュバント(MF 59)および組換えマウ スIL-12(R & D Systems(Minneapolis,MN)から購入)の存在下で、100μgの 精製M.tuberculosis 30、32A、および16KDの主要細胞外タンパク質で皮下によ り3回免疫化した。コントロール動物(1群当たり6匹)を、アジュバントおよ びIL-12のみで偽免疫化した。次いで動物を、毒性M.tuberculosis Erdman株の エアロゾルでチャレンジし、そしてその後、屠殺までの10週間毎週計量した。偽 免疫化動物は、アジュバント+IL-12の存在下でタンパク質で免疫化した動物よ りも大きな減量を示した。結果を図23に示す。 実施例32 モルモット(1群当たり6匹)を、アジュバント(MF 59)単独、IL-12単独、 またはアジュバント+IL-12の存在下で、100μgの精製M.tuberculosis 30、32A 、および16KDの主要細胞外タンパク質で皮下により3回免疫化したか、またはア ジュバント単独もしくはアジュバント+IL-12で偽免疫化した。IL-12をR & D Sy stemsから購入した。次いで、動物を、毒性M.tuberculosis Erdman株でチャレ ンジし、そしてその後、屠殺までの10週間毎週計量した。図24は、チャレンジの 日の体重からの各群の平均の正味の増量または減量を示す。タンパク質で免疫化 した動物は、偽免疫化コントロールの両群よりも少ない減量を示した。IL-12の 存在下でアジュバントで免疫化した動物の偽免疫化動物は、アジュバントのみで 免疫化した動物よりも減量が少なかった。アジュバント+IL-12の存在下でタン パク質で免疫化した動物のタンパク質免疫化動物は、IL-12単独またはアジュバ ント単独のいずれかの存在下でタンパク質で免疫化した動物よりも、実験の経過 にわたって少ない減量を示した。従って、チャレンジ後の4から10週間、疾患の 重篤期間の間、アジュバントおよびIL-12の両方の存在下でタンパク質で免疫化 した動物は、5、6、7、および10週目で最小量の減量を示し、そして4および 8週目で二番目に少ない減量を示した。 実施例33 動物を、100μgのM.tuberculosis 30、32A、および16KDの主要細胞外タンパ ク質でMF 59またはMF 59+IL-12の存在下、皮下で3回免疫化したか、あるいは、 MF59単独、IL-12単独、またはMF59+IL-12で偽免疫化した。動物をエアロゾルに よって毒性M.tuberculosisでチャレンジし、10週間観察し、そして屠殺した。 右の肺を取り出し、そして7H11寒天プレート上でM.tuberculosisについて培養 した。表AEに示すデータは、右の肺当たりの平均CFUである。 タンパク質で免疫化下動物は、タンパク質なしであるが同じアジュバント調製 物で偽免疫化した動物よりも少ないCFUを有した。従って、タンパク質+MF 59( C)で免疫化した動物は、MF 59単独(A)で免疫化した動物よりも肺において0.7 log少ないCFUを有し;そしてMF 59+IL-12(E)を有するタンパク質で免疫化した 動物は、MF 59+IL-12単独(B)で免疫化した動物よりも肺において0.4log少ない CFU、およびMF 59単独で免疫化した動物よりも肺において1.1log少ないCFUを有 した。 IL-12の存在下でタンパク質で免疫化した動物は、IL-12の非存在下でタンパク 質で免疫化した動物よりも少ないCFUを有した。従って、MF 59+IL-12(E)にお いてタンパク質で免疫化した動物は、MF 59単独の存在下でタンパク質で免疫化 した動物よりも肺において0.4log少ないCFUを有した。 実施例34 モルモットを、および100μgの精製M.tuberculosis 30、32A、および16KDの 主要細胞外タンパク質で、アジュバント(MF 59)単独(9匹の動物)の存在下 、またはアジュバント(MF 59)+組換えマウスIL-12(R & B Systems(Minneapo li s,MN)から購入)(9匹の動物)の存在下、皮下で3回免疫化した。コントロー ル動物を種々のアジュバント単独で偽免疫化した(17匹の動物)。次いで動物を 、エアロゾルの毒性M.tuberculosis Erdman株でチャレンジし、そしてその後、 屠殺までの10週間毎週計量した。偽免疫化動物は、アジュバント単独またはアジ ュバント+IL-12のいずれかの存在下で、タンパク質で免疫化した動物よりも大 きな減量を示した。タンパク質で免疫化した動物の、アジュバント単独の存在下 でタンパク質で免疫化した動物は、アジュバント+IL-12の存在下でタンパク質 で免疫化した動物よりも減量した。さらに、偽免疫化した動物は、実験の経過の 間に高い死亡率を有した-偽免疫化動物の24%が死亡対タンパク質で免疫化した 動物の6%のみが死亡。タンパク質で免疫化した動物の、アジュバント単独の存 在下でタンパク質で免疫化した動物は、アジュバント+IL-12(0%)の存在下で タンパク質で免疫化した動物よりも高い死亡率(11%)を有した。結果を図25に 示す。 当業者は、ペプチドをコードするDNAが合成され得、そして個々にまたは集合 的にペプチド発現に使用され得るか、あるいはヒトまたは他の哺乳動物に直接注 入されるDNAワクチンと組合せ得ることもまた理解する。免疫原性エピトープ( または、それをコードするDNA)のみから成る構築物は、分子の防御部位におけ る免疫応答に焦点を当てる。関係のないまたは免疫抑制エピトープを避けること によって、このような構築物は、より強いおよびより防御的な免疫応答を誘導し 得る。 主要アジュバント細胞外産物のより小さいタンパク質サブユニット、その分子 アナログ、それをコードする遺伝子、および予測されるその組合せは、免疫診断 試薬としてそれらが効果的な免疫予防法の機能を刺激する限り、本発明の範囲内 である。さらに、公知の分子組換え技術により改変された融合タンパク質または 細胞外産物のような組み換えた産物は、本発明の技術により全体的に適合可能で ある。さらに、選択された免疫活性決定因子またはペプチドの免疫学的に産生さ れたアナログ、および指向された発生を使用して誘導された核酸もまた、本発明 の範囲内である。さらに、選択された免疫活性決定因子は、ヒトまたは他の種の 特定のMHC分子よりも密接に結合するように改変され得るか、または抗原提示細 胞によってより効率的に存在し得る。さらに、選択された免疫活性決定因子は、 ワクチン化された宿主における分解に耐性であるように改変され得る。 同様に、宿主免疫系に対する免疫原性因子の処方物かつ提示物は、タンパク質 またはアジュバントにおけるそのアナログの溶液に限定されない。例えば、適切 な細胞内タンパク質由来の免疫原性決定因子は、M.tuberculosis、Mycobacteri aの異なった種、非病原性かつ組換え技術を使用して改変された、細菌、ファー ジ、マイコプラズマ、またはウイルスの異なった種によって発現され得る。この ような場合、生きた生物全体が処方され得、そして所望の応答を刺激するために 使用され得る。逆に、対立する環境における大規模なワクチンプログラムは、ア ジュバントまたは添加物を複雑にすることのない、非常に安定した処方を必要と し得る。さらに、ワクチン処方物は、または凍結乾燥、経口投与、またはカプセ ル化のような苛酷な条件に供される場合、活性成分の安定性または免疫活性を促 進するように指向され得る。あるいは、本発明は、この産物の意図される使用に 依存する本ワクチンを含む免疫原性決定因子の異なった巨大な処方物を含む。 当業者は、ワクチン用量が、日常の実験を利用して、各病原および宿主につい て決定されるべきであることを理解する。現在、最も低い実際の用量が0.1μgか ら2.0μg、20.0μg、100μgの用量の範囲であり、そして適切な系についてはさ らに1mgが最適であり得ることを理解する。適切な用量は、任意の従来の免疫化 技術および当該分野で公知の配列を使用して投与され得る。 当業者は、本発明が、精神またはその中心的特性から離れることなく他の特定 の形態であり得ることをさらに理解する。本発明の上記の記載がその例示的に実 施態様のみが開示されることにおいて、本発明の範囲内である場合、他の変更が 含まれることが理解される。従って、本発明は、本明細書中に詳細に記載される 特定の実施態様に制限されない。むしろ、参考文献は、本発明の範囲および内容 に示されるように添付の請求の範囲に対して作成されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA G01N 33/569 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN (72)発明者 リー,バイ−ユ アメリカ合衆国 カリフォルニア 90064, ロサンゼルス,サウス セプルベーダ 2901,アパートメント 230

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物宿主において、Mycobacterium属由来の感染性病原体に対して有効 な免疫応答を促進することに使用するためのワクチン接種薬剤であって、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32AKDタンパク質、32BKDタンパク質、30KDタンパ ク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質、 14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモロ グ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として豊 富な細胞外産物の少なくとも一部分;および。 IL-12およびMF59からなる群より選択されるアジュバント を含む、ワクチン接種薬剤。 2.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32A KDタンパク質である、請求項1に記載のワクチン接種薬剤。 3.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32A KDタンパク質、30KDタンパク質、および16KDタンパク質の混合物である、請求項 1に記載のワクチン接種薬剤。 4.前記アジュバントがIL-12である、請求項1に記載のワクチン接種薬剤。 5.前記アジュバントが、IL-12とMF59との混合物である、請求項1に記載のワ クチン接種薬剤。 6.Mycobacterium属の感染性病原体に対して哺乳動物宿主を免疫する方法であ って、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KDタン パク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質 、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモ ログ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として 豊富な細胞外産物の少なくとも一部分と、IL-12およびMF59からなる群より選択 されるアジュバントとを含むワクチン接種薬剤を提供する工程;および 該ワクチン接種薬剤を該哺乳動物宿主に導入して、該感染性病原体による後の 感染に対して有効な免疫応答を誘導する工程、 を包含する、方法。 7.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32A KDタンパク質である、請求項6に記載の方法。 8.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32A KDタンパク質、30KDタンパク質、および16KDタンパク質の混合物である、請求項 6に記載の方法。 9.前記アジュバントがIL-12である、請求項6に記載の方法。 10.前記アジュバントが、IL-12とMF59との混合物である、請求項6に記載の 方法。 11.哺乳動物宿主において、Mycobacterium属由来の感染性病原体に対して有 効な免疫応答を促進することに使用するためのワクチン接種薬剤であって、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KDタン パク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質 、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモ ログ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として 豊富な細胞外産物の少なくとも1つの免疫優性エピトープ を含む、ワクチン接種薬剤。 12.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32 A KDタンパク質である、請求項11に記載のワクチン接種薬剤。 13.前記少なくとも1つの免疫優性エピトープが、以下のアミノ酸配列を有す るM.tuberculosis 32A KDタンパク質サブユニット、およびそれらのそれぞれの アナログ、ホモログおよびサブユニットであって、単一または複数のアミノ酸置 換、欠失、挿入、および逆転を含む、アナログ、ホモログおよびサブユニットか らなる群より選択される、請求項12に記載のワクチン接種薬剤:14.哺乳動物宿主において、Mycobacterium属由来の感染性病原体を同定する 検出可能な免疫応答を促進することに使用するための免疫診断薬剤であって、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KDタン パク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質 、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモ ログ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として 豊富な細胞外産物の少なくとも1つの免疫優性エピトープを含む、免疫診断薬剤 。 15.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32 A KDタンパク質である、請求項14に記載の免疫診断薬剤。 16.前記少なくとも1つの免疫優性エピトープが、以下のアミノ酸配列を有す るM.tuberculosis 32A KDタンパク質サブユニット、およびそれらのそれぞれの アナログ、ホモログおよびサブユニットであって、単一または複数のアミノ酸置 換、欠失、挿入、および逆転を含む、アナログ、ホモログおよびサブユニットか らなる群より選択される、請求項15に記載の免疫診断薬剤: 17.Mycobacterium属の感染性病原体に対して哺乳動物宿主を免疫する方法で あって、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KDタン パク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質 、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモ ログ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として 豊富な細胞外産物の少なくとも1つの免疫優性エピトープを提供する工程;およ び 該少なくとも1つの免疫優性エピトープを該哺乳動物宿主に導入して、該感染 性病原体による後の感染に対して有効な免疫応答を誘導する工程、 を包含する、方法。 18.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32 A KDタンパク質である、請求項17に記載の方法。 19.前記少なくとも1つの免疫優性エピトープが、以下のアミノ酸配列を有す るM.tuberculosis 32A KDタンパク質サブユニット、およびそれらのそれぞれの アナログ、ホモログおよびサブユニットであって、単一または複数のアミノ酸置 換、欠失、挿入、および逆転を含む、アナログ、ホモログおよびサブユニットか らなる群より選択される、請求項18に記載の方法: 20.哺乳動物において、Mycobacterium属の病原体に対する免疫応答の存在を 検出する方法であって、 M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、58KD タンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KDタン パク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパク質 、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、ホモ ログ、およびサブユニットからなる群より選択される少なくとも1つの主として 豊富な細胞外産物の少なくとも1つの免疫優性エピトープを提供する工程; 該少なくとも1つの免疫優性エピトープを該哺乳動物宿主に投与する工程;お よび 得られる免疫応答を測定する工程、 を包含する、方法。 21.前記少なくとも1つの主として豊富な細胞外産物が、M.tuberculosis 32 A KDタンパク質である、請求項20に記載の方法。 22.前記少なくとも1つの免疫優性エピトープが、以下のアミノ酸配列を有す るM.tuberculosis 32A KDタンパク質サブユニット、およびそれらのそれぞれの アナログ、ホモログおよびサブユニットであって、単一または複数のアミノ酸置 換、欠失、挿入、および逆転を含む、アナログ、ホモログおよびサブユニットか らなる群より選択される、請求項21に記載の方法: 23.M.tuberculosisの110KDタンパク質、80KDタンパク質、71KDタンパク質、 58KDタンパク質、45KDタンパク質、32A KDタンパク質、32B KDタンパク質、30KD タンパク質、24KDタンパク質、23.5KDタンパク質、23KDタンパク質、16KDタンパ ク質、14KDタンパク質、12KDタンパク質、およびこれらのそれぞれのアナログ、 ホモログ、およびサブユニットからなる群より選択される主として豊富な細胞外 産物を産生するためのプロセスであって、 宿主細胞をベクターで形質転換して、形質転換細胞を形成する工程であって、 該ベクターが、該主として豊富な細胞外産物のうちの1つをコードする核酸分子 を含む、工程;および 該形質転換細胞を培養し、それにより該主として豊富な細胞外産物を産生する 工程 を包含する、プロセス。 24.前記核酸分子が、32A KD M.tuberculosisタンパク質をコードする、請求 項23に記載のプロセス。 25.前記形質転換細胞の培養により産生された前記主として豊富な細胞外産物 を回収する追加工程を含む、請求項24に記載のプロセス。 26.前記ベクターがpSMT3を含む、請求項24に記載のプロセス。 27.前記宿主細胞がM.smegmatisまたはM.vaccaeである、請求項24に記載 のプロセス。 28.前記形質転換細胞が、28℃の温度にて培養される、請求項24に記載の プロセス。
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