JP2001511108A - キャスタブル耐火性組成物および耐火性物体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （ａ）約１〜６０ｍｍの粒度を有する５０〜９０容量％の粗粒子；および（ｂ）０．００１〜３ｍｍの粒度分布を有する１０〜４０容量％の微細な充填剤物質を含む、キャスタブル耐火性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 キャスタブル耐火性組成物および 耐火性物体の製造方法 本発明は、キャスタブル耐火性組成物（castable refractory composition） および耐火性物体（refractory body；耐火性物品）の製造方法に関する。さら に詳細には、本発明は、液状の金属、ガラス、等、の受け入れを意図している容 器および炉の内壁上にライニングを形成する方法に関する。 冶金用容器の内壁上にライニングを形成する多くの方法が知られている。例え ば、フランス国特許第２，３９３，６３７号によれば、無機粒子、随意に繊維、 および有機および／または無機のバインダーを含む硬化可能な水性およびペース ト状混合物を、鋳造用タンディシュ（casting tundish）のような冶金用容器の 内部に、こて塗り（trowel）または空気圧またはその他のプロジェクチング（pr ojecting）を用いて、モールディング、タンピング（tamping）またはプロジェ クチングにより適用する方法が知られている。この粒子混合物は液状金属と接触 して焼結され、これによりライニングの密着は確保される。 また、フランス国特許第２，５８５，２７３号、同第２，６１３，２５６号お よび同第２，６１９，３２３号によれば、異なった組成物の少なくとも２層を冶 金用容器の内部に適用し、かつ各層は、前述タイプの硬化可能な水性およびペー スト状混合物をプロジェクチングすることにより適用する方法が知られている。 とにかく、使用者に完全な満足を与えるこれらの方法も、それにもかかわらず 次の欠点がある：水性混合物を生成するために使用した少なくとも全ての湿潤水 を乾燥して除かなければならない、そしてこれには不動の時間およびエネルギー の消費が含まれ、これらのどちらも無視できない。 また、型板（template）を冶金用容器の内部に置き、耐火性粒子からなる物質 および熱硬化性バインダーからなる物質を型板と容器の内壁との間に空気の作用 で投入し、次いで、バインダーを硬化させる代りに型板を残しながら加熱し、最 後に型板を除去する。キャスト物質（cast material；キャスト材料）には、結 晶化の水を含有する無機化合物が含まれている。 また、耐火性物体（物品）は、湿潤コンクリートの振動キャスチングまたは自 己流動性コンシステンシーを有するコンクリートの無振動キャスチングのいずれ かにより、耐火性コンクリートをキャスチングすることにより造ることができる 。両手段において、全てのコンクリート材料は均質に混合しかつ湿潤させること が必要である。 非常に微細な粒子および粗粒子を有するコンクリートは均質な仕方で混合を達 成することは難しく、高エネルギーの混合装置を必要とする。振動キャスチング のケースにおいては、使用するモールド（mold）は、振動に耐えるのに十分強く なければならない。より複雑なライニング、例えばスチール製取鍋（ladle）に キャスチングするときは、キャスチングは分離した工程で行なわなければならな い。取鍋の底はキャストすることができ、そして壁用のモールドが導入される前 に、キャスタブル物は十分な機械強度に達しなければならない。 従来の振動による無振動キャスチングの高多孔性材料のキャスタブル物の製造 には、混合水が物質の開孔を満たす事実により多量の混合水（15％よりも多い） を必要とする。キャスタブル物における高混合水含量は、長い乾燥時間および貧 弱な機械強度を意味する。 耐熱衝撃性を増加させるために、繊維物質が振動および自己流動性物質に用い られた。繊維物質の使用は高レベルの混合水の必要性を増加させ、かつキャスチ ングをさらに難しくする。高密度に起因するスラグ抵抗性（slag resistance） のために有益な極めて粗い物質は、ある種の範囲においてだけ使用できる。なぜ なら、粗物質の非常に高い含量を有するコンクリートのキャスチングは非常に困 難であるからである。 本発明の目的は、既知方法の欠点を克服し、かつ使用するのに簡単、急速そし て経済的であり、および冶金またはガラスの容器のライニングを形成するのに適 当である方法を提案することである。 本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、次の記載に関連してさらに十 分に理解し、認識されるであろう。 本発明によれば、キャスタブル耐火性組成物は、次の段階：（１）モールドを 約１〜６０ｍｍ（ミリメータ）のサイズを有する乾燥粗粒子を充填して形成され た乾燥物体（物品）を形成し；（２）この形成された乾燥物体に、（ｉ）バイン ダー、（ii）水、および（iii）微細な充填剤物質からなるスラリーを浸透させ る、ことを含むことを特徴とする。 乾燥粗粒子の容量％は５０容量％より多い。好ましくは、乾燥粗粒子の容量％ は７０容量％より多い。 スラリーは、０．００１ｍｍより少なく３ｍｍまでのサイズ分布を有している 。好ましくは、スラリーは、０．００１ｍｍより少なく１．０ｍｍまでのサイズ 分布を有している。また、スラリーは、分散剤、消泡剤または発泡剤、可塑剤お よび胞気用成分（de-airing）を含んでいてもよい。 スラリーは１５％より少ない水を含んでいる。スラリーは１０％より少ない水 を含んでいるのが好ましく、最も好ましくは７％より少ない水を含んでいる。そ れ故、浸透された物体は、実質的に乾燥しているであろう。浸透された物体中の 水の量が低いとキャスタブル耐火性物の乾燥時間および乾燥収縮を減少させる。 それ故、耐火物の浸透は非常に早く行なうことができる。 本発明の他の面は、（ａ）約１〜６０ｍｍの粒度（particle size）を有する ５０〜９０容量％の粗粒子；および（ｂ）０．００１ｍｍより少なく３ｍｍまで の粒度分布を有する１０〜４０容量の微細な充填剤物質を含むキャスタブル耐火 性組成物である。 本発明のさらに他の面は、補強されたセメント性円柱形構造の製造方法である 。この方法は、（ａ）円柱形構造の形状およびサイズに相応するキャビティ（Ca vity）を有するモールドを提供し；（ｂ）キャビティを約１〜６０ｍｍのサイズ を有する乾燥粗粒子で充填してコア（core）容量を形成するように約１〜６０ｍ ｍの粒度を有する形成乾燥物体５０〜９０容量％を形成し；（ｃ）コア容量の中 へ、粗粒子の隙間の空隙（voids）のサイズより小さい粒度を有する微細な物質 のあらかじめ決めた量を含有するセメント性物質のスラリーを導入し、微細な物 質およびセメント性物質はコア容量を充填し、そしてセメト性物質は粗粒子に浸 透かつ封入し、そして微細な物質はコア容量内にとどまり；（ｄ）セメント性物 質のスラリーを硬化して補強されたセメント性円柱形構造物を形成し；そし て（ｅ）補強されたセメント性円柱形構造物からモールドを分離する、工程を含 んでいる。 本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な説明によりさらに明白であろう。 本発明は、次の段階：（１）モールドを約１〜６０ｍｍのサイズを有する乾燥 粗粒子を充填して形成された乾燥物体を形成し；（２）この形成乾燥物体に、（ ｉ）バインダー、（ii）水、および（iii）微細な充填剤物質からなるスラリー を浸透させる、ことを含むことを特徴とする、キャスタブル耐火性組成物である 。 本発明を実施するのに有用な粗粒子は、溶融アルミナ、焼結アルミナ（平板状 アルミナ）、全アルミナボール（whole alumina balls）、溶融ボーキサイト、 溶融および焼結ムライト（mullite）、溶融および焼結マグネシア、溶融および 焼結マグネシアアルミニウムスピネル（spinel）、溶融および焼結ジルコニア、 耐火性ボーキサイト、耐火性アンダルサイト（andalusite）、耐火性チャーモッ ト（charmotte）、炭化ケイ素またはこれらの組合せ物からなる群から選ばれる 。 本発明を実施するのに有用な粗粒子はあらゆる形状を有することができる。そ れらは、球形、ブロック状（blocky）、方形または平らな繊維であることができ る。さらに、それらは単独または組合せて使用してもよい。 スラリーに使用されるバインダーは、アルミン酸カルシウムセメント、ポルト ランドセメント、水和性アルミナおよびそれらの組合せ物からなる群から選ばれ る。 スラリーに使用される微細な物質は、反応性アルミナ、焼成アルミナ、平板状 アルミナ、溶融アルミナ、ムライト、炭素（黒鉛、カーボンブラック）、炭化ケ イ素、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム（チャーモ ット、アンダルサイト、ミクロシリカ、ボーキサイト、酸化クロム）およびそれ らの組合せ物からなる群から選ばれる。 また、スラリーには、分散剤、可塑剤、消泡剤または発泡剤および脱気用成分 を含ませてもよい。これらの薬剤は当業界においてよく知られている。 スラリーには、１５％より少ない水が含まれている。スラリーは、１０％より 少ない水、そして最も好ましくは７％より少ない水を含むことが好ましい。 本発明を実施するのに使用するスラリーは、約０．００１〜３ｍｍの範囲、好 ましくは０．００１〜１．０ｍｍの範囲、におけるサイズ分布を有している。 操作においては、粗物質をモールドの中に入れる。粗物質は、モールドの５０ 容量％以上、好ましくはモールドの７０容量％以上を充填するようにする。充填 する正確な容量は粒子のサイズおよび形状に依存する。 粗物質は広範囲の種々な手段を使用してモールドの中に入れてよい。物質を運 ぶのに適当な加圧ホッパー、シリンダーバレルタイプ（cylinder barrel type） の投入機械、さらに一般的には、充填すべきモールドの全部またはモールドの部 分にわたって広げられるように物質を送ることが可能な運搬および取扱いの既知 手段のあらゆる組合せを使用することができる。 次に、従来の混合手段を使用して別にスラリーを混合し、次いで充填されたモ ールドに注入する。スラリーは１５％より少ない水を含んでいる。スラリーの流 体としての性質は、粗粒子間の間隙を充填し、１つの塊り（mass）を形成する。 それ故、浸透された物体は、スラリーより極めて低い含水量を有し、そしてこの 浸透された物体は実質的に乾燥しているであろう。浸透された物体中の水分の低 い量は、キャスタブル耐火性物の乾燥時間および乾燥収縮を減少させる。それ故 、耐火物の装置は非常に早く実施される。 本発明は、明らかに前述した態様に限定されない、そして多数の変化および変 容を本発明の範囲から逸脱することなしになすことができる。 本発明の最良のやり方であると考えられることを前述した。しかし、前述した タイプの多数の変動が本発明の精神から逸脱することなしに本発明になすことが できることは当業者に明らかであろう。本発明の範囲は、請求の範囲に表現され ている用語の広い一般的意味によって限定されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. （ａ）約１〜６０ｍｍの粒度を有する５０〜９０容量％の粗粒子；および （ｂ）０．０００１〜３ｍｍの粒度分布を有する１０〜４０容量％の微細な充填 剤物質 を含む、キャスタブル耐火性組成物。 2. 次の特徴： （ａ）粗物質の容量は６０〜８５％であり； （ｂ）微細な物質の容量は１５〜４０％であり； および／または （ｃ）粗粒子は約１〜１５ｍｍの粒度を有する； の１つまたはそれ以上を有する、請求項１記載のキャスタブル耐火性組成物。 3. （ａ）モールドに乾燥粗粒子を充填して約１〜６０ｍｍの粒度を有する５ ０〜９０容量％の粗粒子を含む形成乾燥物体を形成し； （ｂ）形成乾燥物体に、（ｉ）バインダー、（ii）水、（iii）微細な充填剤物 質から成るスラリーを浸透させる ことを含む、耐火性組成物をキャスチングする方法。 4. 次の特徴： （ａ）粗物質の容量は６０〜８５％であり； （ｂ）微細な物質の容量は１５〜４０％であり； および／または （ｃ）粗粒子は約１〜１５ｍｍの粒度を有する； の１つまたはそれ以上を有する、請求項３記載の方法。 5. スラリーは、分散剤、消泡剤または発泡剤および脱気用成分を含有する、 請求項３または４記載の方法。 6. 次の特徴： （ａ）スラリーは１５％より少ない水を有し； （ｂ）スラリーは１０％より少ない水を有し； または （ｃ）スラリーは７％より少ない水を有する； の１つまたはそれ以上を有する、請求項３または４記載の方法。 7. （ａ）補強されたセメント性円柱形構造物の形状およびサイズに相応する キャビティを有するモールドを提供し； （ｂ）前期キャビティを乾燥粗粒子で充填してコア容量を形成するように約１〜 ６０ｍｍの粒度を有する５０〜９０容量％の粗粒子を含む成形乾燥物体を形成し ； （ｃ）前記コア容量の中へ、前記粗粒子の隙間の空隙のサイズより小さい粒度を 有する微細な物質のあらかじめ決めた量を含有するセメント性物質のスラリーを 導入し、前記微細な物質および前記セメント性物質は前記コア容量を充填し、そ して前記セメント性物質は前記粗粒子に浸透かつ封入し、そして前記微細な物質 は前記コア容量内にとどまり； （ｄ）前記セメント性物質のスラリーを硬化して前記補強されたセメント性円柱 状構造物を形成し；そして （ｅ）前記補強されたセメント性円柱形構造物から前記モールドを分離する ことを含む、補強されたセメント性円柱形構造物の製造方法。 8. 次の特徴： （ａ）粗物質の容量は前記キャビティの７０〜８５％であり： （ｂ）微細な物質の容量は前記キャビティの１５〜３０％であり； および／または （ｃ）粗粒子は約１〜１５ｍｍの粒度を有する； の１つまたはそれ以上を有する、請求項７記載の方法。 9. スラリーは、分散剤、消泡剤または発泡剤および脱気用成分を含有する、 請求項７または８記載の方法。 10．次の特徴： （ａ）スラリーは１５％より少ない水を有し； （ｂ）スラリーは１０％より少ない水を有し； または （ｃ）スラリー７％より少ない水を有する； の１つまたはそれ以上を有する、請求項７または８記載の方法。