JP2001509393A - 核酸の特性決定 - Google Patents

核酸の特性決定

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シュミット、グンテル
ヒュージン トムソン、アンドリュー
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract

(57)【要約】 (i)DNAフラグメントの集団を供給する工程であって、各フラグメントが該フラグメントの特徴を同定する質量標識を該フラグメントに開裂可能に付して有する工程; (ii)フラグメントをその長さを基にして分離する工程; (iii)各フラグメントを質量分析計の中で開裂させてその質量標識を脱離させる工程;及び (iv) 質量分析によって各々の質量標識を測定して各フラグメントの特性を該フラグメントの長さと関連づける工程を有するDNAの特性決定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、DNAを特性決定する方法に関し、特に配列情報を得る方法に関す
る。
【0002】 従来のDNA配列決定は、鋳型特異法において、一本鎖DNA鋳型にアニーリ
ングされた、オリゴヌクレオチドプライマーに多くのジデオキシ/デオキシヌク
レオチドを付加するためにDNAポリメラーゼを用いている。この方法のランダ
ムな終結は、終結するヌクレオチドすなわちジデオキシヌクレオチドが鋳型補体
の中へ取り込まれるときに達成される。このようにして、鋳型補体の可能性のあ
る長さのうち全てを含む一連のフラグメントが得られる。ランダムに終結した鎖
が変性ポリアクリルアミドゲル上で分離されたとき、「DNAラダー(DNA ladde
r)」がつくられる。ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、反応に用いられたヌク
レオチドの一つまたはプライマーに蛍光標識または放射性同位元素を取り込んで
「DNAラダー」を検出することにより、配列情報が集められる。この技術の特
定の欠点は、配列情報を導き出す目的でDNAフラグメントを分離する従来から
のゲル電気泳動に依存していることである。なぜならばこれは、完結させるのに
9時間も要する緩慢な方法だからである。
【0003】 WO97/27331号は、質量分析法を用いて、選択された標的核酸分子に相補的な標
識された核酸フラグメントからの標識を検出する核酸配列決定方法を記載してい
る。WO97/27331号は、光分解によって標識フラグメントを開裂させ、その後、精
製した標識を次に質量分析測定することを提案している。この方法は、光分解を
実施するための高価な装置の必要性を含め、数々の欠点をもっている。 本発明は、公知技術における欠点を克服することを目的としている。
【0004】 発明の要旨 本発明は、(i)DNAフラグメントの特性を同定するために各フラグメントに
質量標識が開裂可能に付着された該DNAフラグメントの集団を用意し; (ii)該フラグメントをその長さを基にして分離し; (iii)各フラグメントを質量分析計で開裂させてその質量標識を脱離させ;かつ (iv)各質量標識を質量分析法によって測定して、各フラグメントの特性をそのフ
ラグメントの長さと関連させることを含むDNAの特性決定法を提供する。
【0005】 分析計内で各フラグメントを開裂させることにより、本発明は、質量分析法の
外側での開裂を使うより、例えば化学的または光分解的な開裂により、有利な点
を有している。質量分析計の中で開裂する質量標識を設計することにより、高価
なレーザー装置またはフラグメントを分離し且つ質量標識を決定するための質量
分析に付加される開裂室もしくはインターフェースを必要としない。質量分析計
中での開裂は、各々の質量標識のフラグメント化を誘発するイオン化方法を用い
て行うことができる。それは、以下に更に詳しく説明する。たとえば、各々の質
量標識は、質量分析計の中で開裂可能なリンカーにより、それぞれのフラグメン
トに、開裂可能に付着させることができる。
【0006】 本発明のDNAの特性決定法は、DNA配列決定における特別の応用が見出さ
れる。ある面において、本発明は、更に次の工程を有する。 (a)プライマーで処理された少なくとも1つのDNA一本鎖鋳型を供給する工 程;及び (b)少なくとも1つの鋳型からのDNAフラグメントの集団を作製する工程を 有し、この集団が少なくとも一連のDNAフラグメントを有し、その一連又は各
々の一連がその鋳型又は各々の鋳型に相補的な第二のDNA鎖の可能性のある長
さを全て含み; 各々の質量標識で決定された各フラグメントの特徴は、各フラグメントの1つ
の末端のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列に関連し、そのため各ヌクレオチ
ドは、その鋳型の配列又は各々の鋳型の配列を導き出すように、質量標識と結合
する鋳型における位置と関連づけられる。
【0007】 好ましい態様において、フラグメントの分離工程は、毛細管電気泳動で行われ
る。毛細管電気泳動系は、通常のゲル電気泳動における問題点、そのうちで最も
顕著なのはバンドの分離に要する時間(time)であるが、それら問題点の多くを
避ける微細構成(microfabrication)に基づいて分析できることである。微細構
成化された毛細管において、これは時間(hours)ではなくて分(minutes)のオ
ーダーとすることができる。さらに、分離媒体を液状とすることができるので、
毛細管への充填を容易に自動化することができる。
【0008】 ゆえに、本発明は、ブロックしたヌクレオチドの存在下、重合によって生成さ
れるフラグメント集団の分解の従来からの配列決定技術における制限的工程を回
避することができる。ポリメラーゼ反応は簡単であり、比較的に迅速であり、か
つ容易に併行して行うことができる。この反応は処理量を増大させるので有利で
ある。GB9620769.1号およびGB9700760.1号に記載された反覆操作にくらべて、配
列決定操作における化学的および生物学的工程を妨害し得るような鋳型中での二
次的な構造形成に要する時間を減少させる。
【0009】 よって、先行技術におけるスラブゲル電気泳動工程を除くことにより、cDN
A配列決定の全体の速さは、毛細管電気泳動および質量分析法を用いることによ
り著しく増大し、配列情報を誘導することができる。
【0010】 ある態様において、一連のDNAフラグメントは、DNAポリメラーゼの存在
下、鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型にハイブリ
ッド化するために充分なヌクレオチド混合物と接触させることによって提供され
る。ここで、この混合物は、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチ
ドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有する。該鋳型において、各プローブ
のヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドを有し、該修飾ヌクレオチドは、第二のD
NA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐようにブロック
され且つ質量標識と開裂可能に付着している。該質量標識は、修飾ヌクレオチド
を同定する質量分析には特異的に分解可能であり、各フラグメントはプローブの
1つで終結している。
【0011】 さらなる態様において、少なくとも1つの鋳型は複数の鋳型であり、一連のD
NAフラグメントは、DNAポリメラーゼの存在下、別々の反応帯中の各鋳型を
、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化する
のに充分なヌクレオチド混合物と接触させて提供される。ここで、該混合物は、
鋳型にハイブリッド化するための4つのヌクレオチドを全て含む4つ1組のプロ
ーブをさらに有する。該鋳型において、各プローブのヌクレオチドは修飾ヌクレ
オチドを有し、該修飾ヌクレオチドは、第二のDNA鎖へは重合可能であるが第
二のDNA鎖への更なる重合を防ぐようにブロックされ、且つ質量標識に開裂可
能に付着している。この質量標識は、修飾ヌクレオチドを同定するための質量分
析で特異的に分解可能である。ここで、各フラグメントは、プローブの1つで終
結しており、各反応帯と結合する4つのプローブの各組からの質量標識の各セッ
トは、質量標識の他のセットとは異なっており、フラグメントは工程(ii)の前に
プールされる。
【0012】 本発明は、プライマー延長配列決定についての先の特許出願(GB96208769.1号
およびGB9700760.1号)の発展させたものである。これらの先の発明は、鋳型配列
を反覆プロセスで決定することによって配列決定を行う方法が記載されている。
これらの先の特許に記載されている方法は、その方法の各々の反覆においておこ
る化学的および生物学的反応の効率によって得られる読み取り長さ(read-length
)で潜在的に限定される。
【0013】 本発明の配列決定法は、全自動プロセスにおけると同時に、並行して生成され
る大量のサンガー(Sanger)ラダー集団の配列決定を可能とする。すなわち本発明
は、多数の鋳型を並行して配列決定できる、多数のサンガー配列決定反応の調製
を自動化する方法も含んでいる。
【0014】 好ましい態様において、プライム化したDNAを、例えばマイクロタイターの
ウエルやビーズのような固相上で固定化することができる。 この方法で普通に使用されるヌクレオチド混合物は典型的に、ATP、TTP
、CTPおよびGTPを有するが、それらの類似物質も用いることができる。す
べての4つのヌクレオチドは通常、それらが鋳型とハイブリッド化する第二のD
NA鎖を形成するために充分であることを保証する必要がある。
【0015】 好ましくは、修飾されたヌクレオチドは、ポリメラーゼ反応へのランダムな取
り込みを保証するのに適切な濃度で添加できるようなジデオキシまたはデオキシ
ヌクレオチドである。このようにして、フラグメントのDNAラダーを作製する
ことができる。
【0016】 この質量標識は、その質量/電荷比(mass/charge ratio)及び/又はフラグ メント化パターンが各々の標識を特異的に特性決定するようなやり方で質量分析
において特異的に分解することができる。そのようなやり方により、それは対応
するプローブへ又はそれによって対応する修飾ヌクレオチドへ受け継がれ、標的
鋳型配列の中に存在するヌクレオチドを導き出すことができる。なぜならばそれ
は、プローブの修飾ヌクレオチドとハイブリッド化するからである。DNAの配
列決定のための単純な非複合的方法のためには、その各々がそれぞれの修飾ヌク
レオチドをもっている僅か4つのプローブをもっているだけで充分である。換言
すると、この単純な方法では4つの別々の質量標識を必要とするであろう。しか
しながら、複合的方法において、4つの組のその各々が互いに異なっている、複
数の4つのプローブが典型的には必要となる。4つの質量標識の各グループはま
た、他のグループの質量標識と異なっていなければならず、それによってどの質
量標識がどの反応帯と結合しているかが明瞭となることが必要である。
【0017】 本発明の反応帯(reaction zones)は通常、別々の容器であり、マイクロター
タプレート中のマイクロタイタウエルであるのがよい。
【0018】 本発明のある態様において、単一プライム化DNA一本鎖鋳型が各反応帯の中
に存在している。しかしながら、各反応帯の中に最大4つまでの異なる鋳型をも
つことができるけれども、1つ又は2つの鋳型が好ましい。各反応帯の中で1つ
を超える鋳型を用いるときは、同一の4つのプローブが用いられる。統計的には
、各鋳型に対して特異的な配列を譲受することも可能である。好ましくは、各鋳
型の相対濃度は、この方法では公知である。これについては以下に詳しく説明す
る。
【0019】 さらなる態様において、少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のD
NAフラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下、別々の反応帯の中の各鋳型
を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化す
るのに充分なヌクレオチドの混合物と接触させて提供される。ここで、該混合物
は、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチドのうちただ1つのみを
含むプローブをさらに有する。該鋳型のプローブのヌクレオチドは、第二のDN
A鎖と重合可能ではあるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐためにブロック
している修飾ヌクレオチドを有する。ここで、各フラグメントはプローブで終結
しており、プローブの修飾ヌクレオチドまたはプライマーのいずれかは、質量標
識に開裂可能に付着しており、該質量標識は反応帯と結合しており、反応帯で用
いられる修飾ヌクレオチドを同定するための他の反応帯における質量標識からの
質量分析で特異的に分解可能である。さらに、該フラグメントは工程(ii)以前に
プールされる。
【0020】 この方法において、別々の反応帯は各々、重合プロセスを完結するためのプロ
ーブと付着した4つの可能な修飾ヌクレオチドのうち僅か1個のみを含有する。
よって、各々の個別の反応帯において、As、Ts、Gs またはCsのいずれかで 終結する鋳型配列に対応するDNAラダーが形成されるであろう。別々の反応帯
での4つのヌクレオチドの各々についてこの方法を繰返すことにより、鋳型の全
配列を導き出すことができる。この方法において、プローブまたはプライマーは
、それに開裂可能に付着している質量標識であって且つ対応する質量標識を有す
ることができる。
【0021】 さらなる態様において、少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のD
NAフラグメントは、DNAポリメラーゼの存在下、4つの別々の反応帯の各々
にある複数の鋳型を、鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハ
イブリッド化するのに充分なヌクレオチドの混合物と接触させることにより提供
される。ここで、混合物は、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチ
ドのうち1つのみを反応帯の各々に含むプローブをさらに有する。該鋳型のプロ
ーブのヌクレオチドは、第二のDNA鎖と重合可能ではあるが第二のDNA鎖と
の更なる重合を防ぐためにブロックしている修飾ヌクレオチドを有する。ここで
、各フラグメントはプローブで終結し、プライマーは質量標識と開裂可能に付着
する。質量標識はプライマーと結合し反応帯で用いられる他のプライマーと結合
する質量標識から質量分析で特異的に分解可能である。対応する反応帯からのヌ
クレオチドは各々、鋳型でのその位置と関連づけられる。
【0022】 さらなる態様において、少なくとも1つの鋳型は、4組のDNA一本鎖鋳型で
あり、各組は同じ複数のDNA一本鎖鋳型を有し、一連のDNAフラグメントは
、DNAポリメラーゼの存在下、別々の反応帯にある各組を、鋳型と相補的な第
二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチ
ドの混合物と接触させて提供される。ここで、混合物は、各反応帯において、鋳
型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチドのうち1つのみを含むプロー
ブをさらに有する。該鋳型のプローブのヌクレオチドは、第二のDNA鎖と重合
可能ではあるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐためにブロックされている
修飾ヌクレオチドを有する。ここで、各フラグメントはプローブで終結しており
、該4組の鋳型は各々、質量標識が開裂可能に付着しているプライマーでプライ
ム化されている。該質量標識は、他の鋳型に対応する質量標識から質量分析で特
異的に分解可能であり、それぞれの鋳型とそれぞれの反応帯に関連可能であり、
該フラグメントは工程(ii)以前にプールされ、対応する反応帯からのヌクレオチ
ドは各々、鋳型でのその位置と関連づけられている。
【0023】 複数の一本鎖の鋳型は、プライマーのアレイ(array)を、各々の鋳型に共通 な公知の副配列にハイブリッド化してプライム化する。プライマーのアレイはそ
の各々が公知の副配列に相補的な共通配列と、通常は2〜6の範囲、好ましくは
2〜4の範囲、さらに好ましくは3である、共通の長さの可変配列(variable s
equence)を含む塩基配列を有する。このアレイは、共通の長さの可能性のある 配列を全て含んでおり、各プライマーに開裂可能に付着する質量標識は、可変配
列と関連可能である。この可変配列は、配列されるべき特定の鋳型と関連可能で
ある。
【0024】 さらなる態様において、少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のD
NAフラグメントは、DNAポリメラーゼの存在下、別々の反応帯に、鋳型の各
々のセットをそれと相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッ
ド化するために充分なヌクレオチド混合物と接触させることによって提供される
。ここで、混合物は、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチドを全
て含む4つ1組のプローブをさらに有する。各々のプローブのヌクレオチドは、
第二のDNA鎖と重合可能ではあるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐよう
にブロックされており且つ質量標識に開裂可能に付着している修飾ヌクレオチド
を有する。該質量標識は、修飾ヌクレオチドを同定するための質量分析で特異的
に分解可能であり、そこで各々の反応帯と関連する4つのプローブの各組からの
質量標識の各セットは、質量標識の他のセットとは異なり、工程(ii)以前にフラ
グメントはプールされ、プールされたフラグメントは、プライマーに近接した、
共通の長さが3〜5である副次配列により選別され、選別されたフラグメントの
群のアレイを形成する。ここで、各群は他の群から空間的に(spatially)分離 されている。
【0025】 好ましい態様において、プールされたフラグメントを選別する工程は、フラグ
メントを、空間的に分離されたオリゴヌクレオチドのアレイに接触させることを
含む。該オリゴヌクレオチドは、フラグメントのプライマー配列と相補的な共通
配列及び共通の長さの可変配列を含む塩基配列を有する。該アレイは、共通の長
さの可能性のある可変配列を全て含んでいる。共通の長さは好ましくは4であり
、その場合には256の空間的に別のオリゴヌクレオチドのアレイが求められる
。空間的に別のオリゴヌクレオチドのアレイは、ハイブリダイゼーションアレイ
であるのが都合良く、ハイブリダイゼーションチップを有してもよい。
【0026】 別の態様において、一連のDNAフラグメントは、 (i)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖 を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチド混合物と接
触させる工程であって、該混合物は、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌ
クレオチドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有し、各プローブの該ヌクレ
オチドは、第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を
防ぐためにブロックされている修飾ヌクレオチドを有し、接触工程は第二のDN
A鎖の可能性のある長さを全て含む一連の鋳型を形成し、第二の鎖の各々はプロ
ーブの1つで終結する工程; (ii)重合しなかったヌクレオチドを除去する工程; (iii)修飾ヌクレオチドを脱ブロッキングする工程;及び (iv)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドのアレイと接触させる工程であって、各
オリゴヌクレオチドプローブは、共通の長さが2〜6であるヌクレオチド配列を
有し、配列の組合せは全て質量標識に付着し、各プローブは質量標識と開裂可能
に付着し、該質量標識はヌクレオチド配列を同定するために質量分析の中で特異
的に分解可能である工程、によって提供される。
【0027】 この態様によれば、この一連の鋳型は、オリゴヌクレオチドプローブが結合す
るであろうDNAラダーを形成する。さらなる態様において、この方法は、以下
のように拡張される。少なくとも1つの鋳型が各々が特定の濃度である複数のプ
ライム化されたDNA一本鎖鋳型であり、一連のDNAフラグメントが (i)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖 を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチド混合物と接
触させる工程であって、混合物が、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌク
レオチドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有し、各プローブの該ヌクレオ
チドは、第二のDNA鎖と重合可能であるがそれとの更なる重合を防ぐためにブ
ロックされている修飾ヌクレオチドを有し、接触工程は第二のDNA鎖の可能性
のある長さを全て含む一連の鋳型を形成し、第二の鎖は各々プローブの1つで終
結する工程; (ii)重合しなかったヌクレオチドを除去する工程; (iii)修飾ヌクレオチドを脱ブロッキングする工程;及び (iv)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドプローブのアレイと接触させる工程であ
って、各オリゴヌクレオチドプローブは共通の長さが2〜6であるヌクレオチド
配列を有し、配列の組合せは全て質量標識に付着し、各プローブは質量標識と開
裂可能に付着し、該質量標識はヌクレオチド配列を同定するために質量分析で特
異的に分解可能である工程、によって提供される。
【0028】 一連の鋳型とハイブリッド化するDNAラダーを延長するのに用いられるヌク
レオチドは、好ましくは共通の長さが3〜5、最も好ましくは共通の長さが4で
あるヌクレオチド配列を有する。このようにして256の配列がアレイの中に存
在するであろう。
【0029】 これらの変法において、各プローブが開裂可能に付着している質量標識は、質
量分析計の中で開裂させる必要はなく、例えば光開裂や化学的開裂により質量分
析の外側で開裂することができる。
【0030】 さらなる別の態様において、一連のDNAフラグメントは、DNAリガーゼの
存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成するために鋳型をハイ
ブリッド化するのに充分なオリゴヌクレオチドの混合物と接触させることによっ
て提供される。ここで、オリゴヌクレオチドは各々、共通の長さが2〜6の範囲
であり、混合物は、鋳型とハイブリッド化するための共通の長さが1の可能性の
あるオリゴヌクレオチドを全て含む一連のプローブをさらに有する。該鋳型のプ
ローブのオリゴヌクレオチドは、第二のDNA鎖と結合可能であるが第二のDN
A鎖との更なる結合を防ぐためにブロックされており且つ質量標識に開裂可能に
付着している修飾オリゴヌクレオチドを有する。その質量標識は、修飾オリゴヌ
クレオチドを同定するための質量分析で特異的に分解可能であり、一連のフラグ
メントは1の整数倍の第二のDNA鎖の可能性のある長さを全て含んでおり、各
フラグメントはプローブの1つで終結する。
【0031】 その少なくとも1つの鋳型は、それぞれ特定の濃度の複数のプライム化DNA
一本鎖鋳型とすることができる。この特定の態様において、一連のDNAフラグ
メントは、DNAリガーゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖
を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なオリゴヌクレオチドの混
合物と接触させて提供される。ここで、該オリゴヌクレオチドは各々、共通の長
さが2〜6の範囲であり、該混合物は、鋳型とハイブリッド化するために共通の
長さが1の可能性のあるオリゴヌクレオチドを全て含む1組のプローブをさらに
有する。該鋳型のプローブのオリゴヌクレオチドは、第二のDNA鎖と結合可能
であるが第二のDNA鎖との更なる結合を防ぐようにブロックされ且つ質量標識
に開裂可能に付着している修飾オリゴヌクレオチドを有する。該質量標識は、修
飾オリゴヌクレオチドを同定するための質量分析において特異的に分解可能であ
り、一連のフラグメントは、1の整数倍の第二のDNA鎖の可能性のある長さを
全て含んでおり、各フラグメントはプローブの1つで終結する。
【0032】 Lは好ましくは3〜5であり最も好ましくは4である。再度言うと、オリゴヌ
クレオチドプローブが開裂可能に付着している質量標識は、質量分析計で開裂す
る必要はなく、例えば光分解または化学的開裂によって外部で開裂可能である。
【0033】 これらの更なる態様において、塩基1つの間隔でDNAラダーを製造する代わ
りに、DNAリガーゼを使用し、塩基が2〜6の間隔を使用することができる。
したがってこれはリガーゼ連鎖反応である。
【0034】 更なる態様において、本発明は、プライムされたDNA一本鎖鋳型からDNA
の配列を決定する方法に使用する1セットのヌクレオチドプローブを提供する。
ここで、1セットのプローブは、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレ
オチドを全て含んでおり、各プローブのヌクレオチドは、鋳型と相補的な第二の
DNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐためにブロッ
クされた修飾ヌクレオチドを有し、該修飾されたヌクレオチドは修飾ヌクレオチ
ドを同定するために質量標識に開裂可能に付着されている。プローブから脱離さ
れたとき、質量標識は各々、質量分析により該セットの中で他のすべての質量標
識との関係において特異的に分解可能であり且つその対応する修飾ヌクレオチド
と関連可能である。
【0035】 プローブのセットは複数のプローブのサブセットを有することができ、各サブ
セットは鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチドを全て含んでいる
【0036】 別の態様において、本発明は、1セットのオリゴヌクレオチドプライマーを提
供する。その各々は、プライム化された鋳型を形成するため、DNA一本鎖鋳型
とハイブリッド化するためのオリゴヌクレオチドプライマー塩基配列と開裂可能
に付着した質量標識を有している。ここで、該セットの質量標識は各々、プライ
マーから脱離されたとき、質量分析によりセットの中の他のすべての質量標識と
の関係において特異的に分解可能であり、且つオリゴヌクレオチドプライマー塩
基配列と関連可能である。
【0037】 各プローブまたは各プライマーの質量標識は、例えば光分解条件や化学的開裂
条件のような適切ないかなる開裂条件下でも開裂するような開裂可能リンカーに
より、修飾ヌクレオチドまたは修飾プライマーに付着することができる。この質
量標識化したプローブ又はプライマーは、本出願人による1998年1月15日出願のP
T/GB98/00127号に開示された方法論を含む、如何なる標準的な方法論によっても
行うことができる。
【0038】 本発明を、添付の図面を参照とする単なる例示によって更に詳細に説明する。
【0039】 実施例 異種鋳型集団の自動作製: ハイスループットDNA配列決定手法を考案するために、配列決定鋳型作製の
自動化が非常に望ましい。以下は、本発明での使用を目的とした配列決定鋳型作
製の自動化方法を述べた概要である。
【0040】 大規模な配列決定計画、例えばバクテリアゲノム全体あるいは十分なYACク
ローンに対して、DNAはまずライブラリーにサブクローン化されなければなら
ない。この種のライブラリー作製過程は、実験室内で、又はClonetechによって 提供されるような市販品として利用できる事業により進められている。DNAは
、(例えば制限酵素による消化あるいは超音波処理によって)数百の塩基の大き
さの範囲にまで壊され、その後、えり抜きのクローニングベクターにサブクロー
ン化される。ライブラリー中の各フラグメントに同じベクター配列が隣接するこ
とから、隣接するPCRプライマーの標準的セットを、PCRによる各フラグメ
ントを増幅するのに使用できる。プライマー配列は増幅効率に影響を与える最も
重要な要素の一つであるので、各フラグメントのPCRプライマーはまた、各P
CR反応の効率標準化に役立つ(図1参照)。
【0041】 その後、ライブラリーは、適切なバクテリア株にトランスフェクションされ、
バクテリアが選択性の寒天平板上にかぶせられる。その後、個々のコロニー(各
々はクローニングベクター内に独自のフラグメントを含む)は、コロニー摘み取
りロボット(市販入手可能)に摘み取られる。各々の摘み取られたコロニーは、
次に独自のPCR反応に突っ込まれて、例えばマイクロタイタープレート上に設
置され、各フラグメントはその挿入物に隣接する標準的プライマーのセットを用
いてPCR増幅される。この反応で用いられるプライマーの1つはビオチニル化
される必要があり、増幅されたフラグメントのその後の捕捉を促すことになるだ
ろう(図2参照)。PCR増幅後、既知量の増幅フラグメントが、その後、ビオ
チニル化されたプライマーにより、ストレプトアビジンで覆われた表面上に捕捉
される。入手可能なストレプトアビジンの量を制御することにより、特定の量の
PCR産物を捕捉できる。(しかし、これは増幅産物に取り込まれた全てのプラ
イマーを当てにすることになる。クローンを用いたPCR反応は通常非常に効率
的であるので、これは、簡単なプライマー滴定最適化実験を必要とするのみであ
る。)
【0042】 この目的のために、異なるプロトコールを用いることができる。例えば、スト
レプトアビジンで覆われた磁気ビーズ、又はストレプトアビジンで覆われたマイ
クロタイタープレートのウエルである。ビーズを用いるとき、ビーズ1μl当り
1pmolのビオチンを結合させることになるが、5μlのビーズと適切な緩衝
液をPCR反応に加えると、5pmolの増幅フラグメントを捕捉することにな
るだろう。ビーズを用いると、また、異なる量の個々の増幅フラグメントの捕捉
が可能とする。異なる量のビーズを、それらをプールする前に別々の増幅反応に
加えることにより、例えばフラグメント−1を1pmol、フラグメント−2を
4pmol、フラグメント−3を10pmolなどと、異種集団を作り出せる。
また、ストレプトアビジンで覆われたマイクロタイタープレートのウエルも、各
増幅反応をマイクロタイタープレートの独自のウエルに移すことにより使用でき
るだろう。市販のストレプトアビジンで覆われたプレートはビオチンの最大結合
能力が通常5〜20pmolである。そのため、各ウエルに捕捉される増幅フラ
グメントの量はそのプレートの結合能力により決定される。
【0043】 捕捉後、次に過剰の増幅フラグメントを洗い去り、二本鎖PCR産物を(フリ
ーの非ビオチニル化鎖に対して)アルカリまたは熱(又はその双方)で変性させ
る。その非ビオチニル鎖を、その後洗い去り、これによって、配列決定反応に用
いられるウエルまたはチューブに固定された一本鎖鋳型となる(図3参照)。
【0044】 質量標識dNTP’sを用いるDNA配列決定 図4aおよび図4bは、以下に述べられる質量標識dNTP’sを用いるDN
A配列決定方法を図式的に示す。
【0045】 固定した単一鎖DNA鋳型は、PCR産物(上記参照)又は他の何らかの適切
な手段で調製される。固定は、PCR反応に用いられるプライマーの1つをビオ
チニル化することにより達成できる。PCR反応により、その後ストレプトアビ
ジン被覆ビーズまたはマイクロタイタープレートのいずれかにPCR産物が捕捉
させる。捕捉後、固定されない鎖はアルカリまたは熱(又はその双方)により変
性され、洗い流される。その他(非ビオチニル化)のPCRプライマーは、次い
でDNAポリメラーゼの配列決定プライマーとして働くため、一本鎖PCR産物
の相補部位にアニーリングされる。
【0046】 配列決定プライマーの伸長は、その鋳型をヌクレオチド三リン酸、低濃度で存
在する質量標識デオキシヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼ(例えばtaq
、E. Coli、T7 DNAポリメラーゼまたはそれらの誘導体―鋳型特異的な方法で
作用する)により、適切な条件と時間で達成される。プライマーの伸長は、個々
の鋳型において、質量標識ヌクレオチド(これはそれ自体独自の「質量標識」と
なり得る)上のブロック基の存在により、既知の確率で妨害される。この質量標
識ヌクレオチドは、さらにヌクレオチドを5'三リン酸と反応させるデオキシヌク
レオチド3'OHを妨害し、その結果、ポリメラーゼによるさらに多くの塩基が付
加することを予防する。これは、図4aの工程1に示されており、質量標識をも
たらす終結ヌクレオチドを用い、別々に各鋳型上でサンガー反応が遂行されてい
る。独自の質量標識は、開裂可能なリンカー基によりデオキシヌクレオチドに付
着される。開裂を、ここではレーザー光線(又はおそらく化学的もしくは他の方
法)により行う。開裂に際し、質量標識は分析のため溶液中へ放出される。
【0047】 この態様は、通常の三リン酸の存在下、ブロックされたヌクレオチドが低濃度
で存在している、従来からのサンガー配列決定法と似ている。これにより、フラ
グメントのサンガーラダーが生成する。この態様において、質量標識の光開裂の
効率は、達成される読み取りの長さにとって重要ではない。単一の配列決定反応
のみが必要とされる。これは、鋳型が長期間動かずに残されてはいないというこ
とを意味する。同様に、特許GB 9620769.1号およびGB 9700760.1号の再三のアプ
ローチにおいて要求されている反復光分解反応による光損傷の可能性は回避され
る。電気噴霧質量分析(ESMS)により質量標識を直接分析後、毛管電気泳動
により結果として得られる配列ラダーを分析することができる。
【0048】 図4aの工程2において、複数の鋳型が同一毛細管電気泳動電気噴霧質量分析
システムに送り込まれる。各バンドが通過する時、質量標識が光分解により開裂
され、分析のため電気噴霧質量分析計に注入される。好ましい態様として、光分
解装置が存在せず、代わりに、質量標識が質量分析計に入るとき、質量標識フラ
グメントが開裂して該質量標識が分析されるように、イオン化条件が設計されて
いる。図4bに示されているように、質量標識の同定は、ヌクレオチド及び配列
が由来する起源の鋳型の同定を測定する。
【0049】 標識ヌクレオチドを用いるのは、質量標識とも可能性があるが、プライマー標
識化配列決定と関連するある種の問題を回避するので、好ましい形式である。ポ
リメラーゼ反応は、ブロック化したヌクレオチドの介在もなく、しばしば早く終
結する。早すぎる終結により不正確に終結している標識化フラグメントのバック
グラウンドが発生するため、プライマー標識化配列決定に関してこれは問題であ
る。ブロック化ヌクレオチドを標識化することにより、正確に終結したフラグメ
ントのみが標識化されるので、これらのみが質量分析計で検出されるのを確実に
する。これにより、次いで複数回のプライマーが鋳型に加えられるサイクル配列
決定が可能となる。配列決定反応は、耐熱性ポリメラーゼを用いて行われる。各
反応の後、その混合物は熱変性を受け、もっと多くのプライマーが鋳型でアニー
リングされることとなる。プライマー鋳型複合物が再配列されるとき、ポリメラ
ーゼ反応は繰り返される。この過程を複数回の繰り返すと、線形シグナル増幅が
もたらされ、生じる配列の信頼性と質が向上する。
【0050】 本発明は、蛍光に基づく方法に関連する問題をさらに回避する。市販入手可能
な蛍光標識体の大きさに顕著な違いがあることにより、同様な長さの鋳型の移動
に差が生じる。配列決定反応を同定するのに用いられる4標識体のいずれのセッ
トも、大きさが近いものを選ぶことができるので、質量分析計は、任意の鋳型の
相対的移動に最小限の影響を及ぼすであろう1ダルトン質量の差を、余裕を持っ
て検出するだろう。
【0051】 多様化するサンガーラダー: 多数の質量標識がある場合、各反応において異なる4つの質量標識セットで4
つのブロック化ヌクレオチドを標識化することにより、一連のサンガー配列決定
反応を多様化することができる。各配列決定反応は別々に行われ、その後、全て
の鋳型が配列決定反応の終わりに組み換えられる。発生したサンガーラダーは、
次いで、フラグメントバンドを直接、標識分析用質量分析計に供給する単一毛細
管電気泳動工程で全て一緒に分離される。4つの標識セットは各々、単一の源鋳
型に相関する。
【0052】 同時配列決定: 本発明は、厳密な定量化の必要性を回避する。しかし、多くの鋳型を並行して
配列決定するのに必要な質量標識の数を抑える本発明に関して、限られた定量化
は利用できる。明瞭に区別できる質量範囲をわたって均一に広がった16の標識
がある場合を考えてみよう。最初の4つの標識に塩基A、C、G、Tをその順序
で割り当て、このようにして標識化されたデオキシヌクレオチドを用いて最初の
鋳型を決定することができる。類似の方法で他の3つの鋳型を配列決定できる。
同じ塩基が2つの反応の同一点に現れるチャンスがおおよそ16回に1回あると
すると、2つの別々の反応で同じ標識を用いることができるが、所望であれば、
異なる塩基を標識化する。もし2つの反応が4つの標識を全て共有するなら、分
析できる並行反応の数を2倍にできる。もし偶然2つの鋳型がある点で同じ塩基
を持つなら、疑いもなくたった1つの標識が2つの鋳型について現れ、それ故、
それは明らかに1つの塩基を共有する。限定的定量化は、毛細管電気泳動系を去
った各バンドに対する塩基要求を源鋳型へ再割り付けするのに必要とされるだろ
う。しかし、一連の標識を共有する鋳型の量が明確である限り、これを行うこと
は比較的簡単だろう。さらに、それらの鋳型はただ一回の反応で配列決定できる
だろう。より多くの鋳型は、各鋳型のより厳密な定量化により、同時に配列決定
できるだろう。各反応でいくつの鋳型の配列決定をしているのか、そして最初に
各々がどれくらいあったのかを前もって知る必要があるだろう。もし定量化のゆ
がみを検量できないなら、鋳型の線形増幅があるサイクル配列決定を使用できな
くなるだろう。
【0053】 分離手法: ゲル電気泳動によるサンガーラダーの分離は、DNA配列決定にとって達成可
能な処理量と正確さに制限を課する。サンガーラダーを発生させるのに用いるポ
リメラーゼ反応は、簡単で、比較的早く、かつ容易に並行して行われるか、又は
同じ反応で一層多様化している。PCRと相容れ、結果として96ウエル平板ロ
ボット工学や熱循環器を用いる自動化を利用した種々の斬新な配列決定方法が開
発されている。
【0054】 ゲル電気泳動は、2つの電極間に置かれた荷電分子がそれ自身と反対の電荷を
有する電極の方へ移動するという簡単な原理に基づき作用する。与えられた電荷
に対する分子が大きければ大きいほど、それはますますゆっくりと然るべき電極
の方へ移動する。核酸はポリ−イオン(poly-ion)であり、分子中の1ヌクレオ
チド当りほぼ1電荷を持つ。これは、分離媒体からの摩擦力を無視するとどんな
大きさの核酸もほぼ同じ割合で移動することを意味する。摩擦力の影響は分子の
大きさに関係しているか、あるいは核酸の場合には分子の長さとも関係している
。これは、核酸が効果的に長さにより分離されることを意味している。ゲルマト
リックスの役割は、移動を妨げる摩擦力を与えることである。分離速度は2つの
電極間の電場の大きさに比例する。このことは、電場の大きさが増すと分離時間
が低下するが、しかし分離媒体の電気抵抗は、電場の結果として熱が発生し、そ
の熱が電場の大きさと共に増加することを意味する。より高い温度は、結果的に
さらに大きな拡散とバンドの拡張を引き起こす検体に与える運動エネルギーを増
加させる。このことは分離度を低下させる。ゲルは冷却できるが、平板ゲルから
の熱の消散は本質的にはゲルの厚さの関数である表面積/体積比によって制限さ
れる。薄いゲルは熱をよく消散するが、抵抗性の増加という付加的影響もある。
これは、200〜400μmの厚さのゲルを用いる平板ゲル法では、電荷の強さ
が50V/cm以上あるなら、温めることが重要となることを意味している。平
板ゲル電気泳動工程を替えることが、DNA配列決定の全体の速度を高める観点
において最も興味をそそられる目標である。
【0055】 毛細管電気泳動は、分離技術としてゲル電気泳動に優る重要な利点を提供する
。毛細管電気泳動への種々のアプローチが存在するが、核酸分離用毛細管ゲル電
気泳動がしばしば用いられる。この方法は本質的に、細い管におけるゲル電気泳
動である。毛細管を用いると、表面積/体積比が改善され、はるかに優れた熱消
散特性につながる。このことにより、より高い電場が分離速度を大きく向上させ
て、核酸を分離するのに用いることができる。一般的に毛細管は、幅が50〜7
5μm、長さが24〜100cmであり、電場は低電場が日常的に使われている
ものの、400V/cmまで使用できる。分離速度が増加すると、拡散効果が起
きる時間が少なくなり、それ故バンド拡大も小さくなるので分離度が改善される
。分離度の改善により、読み取りの長さがより大きくなり、さらに処理量が増す
。流動性重合体の導入は、時間がかかり、技術的に厳しい要求をされる、平板ゲ
ル電気泳動に関連するゲル調製の工程を回避でき、毛細管を篩マトリックスの注
入により準備できることを意味している。これは分離の再現性を改善し、重合体
の注入を容易に自動化できる工程である。
【0056】 多様化する配列決定反応: プライマー標識化配列決定はまた、ヌクレオチド標識化配列決定に優るある種
の利点を有する質量標識化に関し可能である。各々明確なプライマー配列を有す
る多くの鋳型がある状況を考えてみよう。各々独自の質量標識を有する独自のプ
ライマーに標識化することができる。鋳型混合物は、4つの終結ジデオキシヌク
レオチドの各々のうち一つだけが存在する4つの反応に分けることができる。各
鋳型は独自に標識化したプライマーでプライム化されている。4つのサンガー反
応を各々実行後、各ラダーを毛細管電気泳動質量分析により解析することができ
る。終結したフラグメントを含む毛細管電気泳動カラムから溶離する各バンドは
、そのプライマーに連なる標識により源鋳型に関連付けられる。この方法で多数
の鋳型を同一反応で同時に配列決定することができる。
【0057】 独自のプライマー配列を持つ各鋳型について、どの終結ヌクレオチドが存在す
るかを確認するため、4つの反応の各々において異なる標識体でその独自のプラ
イマーを標識化することができるであろう。このことにより、4つの個々の塩基
配列決定反応をプールし、それらを同時に分析することになろう。これは、4つ
の反応を別々に分析するとき、各分析条件のばらつきにより起きるかもしれない
不明確さが回避される全くの同一条件下で、4つの全ての反応が分析されるとい
う利点を有する。
【0058】 正確に終了したヌクレオチドのみを検出するために、ヌクレオチドを標識化す
る利点は、プライマーを標識化することにより失われる。この利点は、正確に終
了したフラグメントが、例えばカラムへの親和性により保持されるようにするマ
ーカーを運ぶ終結ヌクレオチドを修飾することにより、プライマー標識化に与え
られよう。もっともらしい修飾は、アビジンと可逆性結合することができる終結
ヌクレオチドに(ビオチンアミド(biotimamido))ペンチルアミンを加えること であろう。たった一つの鋳型が一度に分析される正常なサンガー配列決定に対し
て、これは多分価値がないであろうとする一方、多くの鋳型が同時に配列決定さ
れる反応に対して、分離の追加費用は発生する配列データの質の改善に対し容認
できよう。
【0059】 独自のプライマーを持つ鋳型の調製: 質量標識での同時配列決定反応を可能にするため、各鋳型が独自に標識化され
た配列決定プライマーとの同一性を確認できることを必要とする。思うに、配列
決定される外因性DNAの組み込み部位に隣接する、異なったプライマー配列を
抱える一群のクローニングベクターを設計できるだろう。各配列決定反応は、一
つの反応における全ての鋳型が独自のプライマーを持つようにするため、各ベク
ター型に由来する唯一の鋳型が存在している一群の鋳型に実施される。これらの
方法についてそれ以上の詳細は、本出願人により1998年7月13日出願の同時係属 する国際特許出願に述べられている[PWF REF: 87847]。
【0060】 制限フラグメントにプライマーを導入するためのアダプター しかし、同時に多くの鋳型の配列決定する能力を利用して、配列決定計画でサ
ブクローニング工程を除くことができる。ミトコンドリアゲル又はコスミドのよ
うな大きなDNAフラグメントを考えてみよう。しばしば切断する制限酵素でそ
のような大きな分子を開裂して、長さにしておおよそ数百の塩基配列のフラグメ
ントを発生させることができる。もし、Sau3A1のような制限エンドヌクレ
アーゼを使うなら、既知のプライマー配列を有するアダプターを結合させること
ができる、既知の付着末端をもつフラグメントを残存させることができる。
【0061】 このアプローチは図5に図式化する。工程1で、ゲノムDNAクローンを、S
au3A1のようなしばしば切断する制限エンドヌクレアーゼで処理する。工程
2で、アダプターを特定のプライマー配列を有する制限フラグメントに結合する
。全てのフラグメントは同時に扱われるが、簡単にするため一つだけを図に示す
。工程3で、任意の増幅工程及び任意の浄化工程後DNAを変性し、未結合アダ
プター及び制限酵素を除去する。図6は、この工程の続きであり、一本鎖DNA
がアダプタープライマー配列を相補する固定化プライマーを用いて捕捉されるこ
とを示す。工程5において、固定化プライマー及び適切なポリメラーゼを用いて
相補鎖を発生させる。工程6で、所望であれば、その自由鎖が溶かされ洗い去ら
れるか、又は固定化プライマー上に捕捉されて鋳型のさらなるコピーを発生させ
る。図7で、質量標識化プライマーが工程7で加えられる。質量標識は未知の配
列と重なり合う塩基を同定する。工程8により、小集団中のDNA分子の大部分
がこの方法で独自にプライム化され、プライム化集団は、このようにしてサンガ
ー配列決定やサイクル配列決定反応の伸長に用いることができる。
【0062】 類似の工程を図8〜図10に示す。 適切に制限されたフラグメントの大部分は、結果としてそれらの末端の各々で
アダプターを保有することになる。これは、望むならば、この段階でアダプター
化された制限フラグメントを増幅させる。アダプター化および増幅後、アダプタ
ー化されたフラグメントを変性させ、これらのフラグメントを「捕捉」プライマ
ーへとハイブリッド形成させる。捕捉プライマーはビオチニル化され、溶液中で
フリーのアダプター化フラグメントに差し出され、その後捕捉フラグメントをア
ビジン誘導化固相支持体上に固定できる。
【0063】 または、アダプター化制限フラグメントに曝される前に、プライマーを固相支
持体上に固定することができる。この段階で、異なる終結ヌクレオチドを持った
各プールの配列決定をするために、鋳型を4つの別々のプールに分けることにな
ろう。捕捉フラグメントはポリメラーゼとの反応により、この段階で二本鎖にさ
れる。このことは、全ての配列の固定化コピーが存在することを意味する。ハイ
ブリッド形成された鎖はこの段階で溶かされ、望むなら処分される。固定化され
た相補鎖は保持される。捕捉プライマーでさらにハイブリッド化することにより
、この段階で存在する配列を増幅することができる。
【0064】 鋳型の固定化コピーからのフリーDNAの変性後およびフリーDNAの処分後
、一連の配列決定プライマーをその反応に加えることができる。これらのプライ
マーは、アダプターおよびアダプターが元々DNAに結合されていた制限部位に
プライマー配列を有し、前もって定められた塩基数の一部に特別の重なりがある
。もし64の標識が使えるなら、その重なりは3つの塩基となり得る。考えられ
る3つの塩基の各重なりは独自の質量標識により同定できる。おおよそ50〜6
0の鋳型の集団を考えると、その大部分が結合プライマーに隣接した、異なる3-
merを持つことが予想されよう。その結果、鋳型の大部分は別々のプライマーへ ハイブリッド形成されることが予想されよう。他の鋳型のアダプターと同じアダ
プターに直ぐ隣接した3-merを持つ鋳型は、どの鋳型を塩基要求に割り当てるか を各々の鋳型量により決定できる場合、単に分離可能であるというだけである。
【0065】 独自のプライマーでプライム化した大部分の鋳型に関して、各反応にポリメラ
ーゼ、ヌクレオチド三リン酸、および4つのブロック化ヌクレオチドのうち、1
つを加えることができ、サンガーラダーを発生させることができる。(図10、 工程8)。もし熱安定性ポリメラーゼを用いるなら、ラダーを各サイクルの終わ りに変性させ、新しいプライマーを加えることができる。もしサイクル配列決定
を使用するなら、サイクル配列決定は正しく終結したフラグメントの数のみでは
なく、不適当に終結したフラグメントの数も増幅するので、正しく終結したフラ
グメントを選択する何かの手段が欲しくなることはほとんど確実であろう。
【0066】 4つの配列決定反応の各々からのサンガーラダーはその後、プールされるのが
好ましく(図10、工程9)、実験上の差により塩基割り当ての際のあいまいさ
を避けるため、毛細管電気泳動質量分析により一緒に分析される。鋳型の各プー
ルはその結果、独自の質量標識セットで標識化されたプライマーを持つこととな
る。従って、合計256の質量標識が必要となろう。各プライマーは4つの標識
体を有し、各ターミネーター反応に対し1つある。各プライマーに当てがわれた
標識は、各終結反応間の移動における差を最小限にするため、質量及び大きさが
近いものとすべきである。
【0067】 ヌクレオチド標識化反応についての多様性: 本発明のさらなる態様は、標識化ヌクレオチドとの反応における多様な複数の
鋳型である。 非修飾のATP、CTP、GTPおよびTTPがその4つに対応する独自に質
量標識化された終結ヌクレオチドと共に存在する反応を考えてみよう。同じ反応
容器で同時に多くの鋳型に対するサンガーラダーを発生させることができる。も
しこれらの異なる鋳型が配列決定プライマーを共有するなら、その後そのプライ
マーに直ぐ隣接する配列に基づく、分離前に、別々のグループを分離、分類する
ことができる。ハイブリッド形成アレイ上にフラグメントを分離できよう。ここ
で、そのアレイは全ての点で配列決定プライマーを相補する配列およびさらに所
定の塩基数Nを持つことになろう。これは、アレイ上の各位置がちょうど可能性
としてN個の塩基配列の1つを持つような数である。このことは、もしNが4で
あれば256の別個の位置がそのアレイ上にあることになろう。一群の鋳型はほ
とんどの場合、プライマーに直ぐ隣接する別個の配列を持つことが予想される。
【0068】 これはたった1つの反応容器から鋳型を選別するための高価な実践といえよう
。しかし、多数の質量標識に関して、多数の反応においてブロック化ヌクレオチ
ドを同定する別個の4組の質量標識を区別することができる。よって、複数の鋳
型を異なる反応容器、好ましくは異なる鋳型を各反応容器に加えることができる
。各容器中でサンガーラダー発生後、反応をプールでき、各反応からの鋳型を同
時に選別できる。各反応から各鋳型のラダーの大部分がアレイ上の別個の位置へ
分離してゆくこと、および配置上の各位置が多くの別個の反応から鋳型ラダーを
受けることが予想されるだろう。
【0069】 アレイ上の別々の位置にラダーを選別すると、各位置からラダーを分離し、そ
れぞれの長さをもつフラグメントのセットを各々終結させる質量標識を同定する
必要性がある。これをどのようにするかは、用いられるアレイに依存するだろう
【0070】 実際的に言えば、ハイブリッド形成アレイはマイクロタイタープレート上のウ
エルのアレイであるともいえ、例えば、各ウエルがそのアレイの構成要素として
の単一固定化オリゴヌクレオチドを含むような状態である。この状況では、プー
ルされた反応の1標本が各ウエルに加えられ、ウエルに存在する固定化オリゴヌ
クレオチドに対しハイブリッド形成が可能となる。所定の時間後、ハイブリッド
形成されないDNAは洗い去られる。ハイブリッド化DNAはその後、捕捉オリ
ゴヌクレオチドから溶かし出され、毛細管電気泳動質量分析に課せられる。
【0071】 それと同様に、そのアレイはSouthernあるいはAffymetrixの方法に従い、ガラ
ス「チップ」(破片)上で組み合わせとして合成することができる。プールした
サンガーラダーをチップにハイブリッド形成し、ハイブリッド形成されていない
物質を洗い去ることができよう。もし、アレイのプローブが光開裂基を含リンカ
ーで固定されるなら、アレイ上の別個の位置からのラダーは、配置上望む位置へ
向けレーザー光線を使うことにより溶液中に解き放つことができる。その溶液相
ラダーは、再び毛細管電気泳動質量分析計に簡単に課すことができる。
【0072】 再び、多様でかつ選別した鋳型の利点は、大規模な配列決定計画において多く
のサブクローニング工程を回避できる能力にある。多岐にわたり標識過されたプ
ライマーについては、上記のように鋳型が準備されるだろうが、配列決定プライ
マーが加えられる段階では、用いられるプライマーは質量標識過されていないで
あろう。代わりに、各反応におけるブロッキングヌクレオチドが標識化されるだ
ろう。
【0073】 質量標識の特徴: 質量標識に必要とされる挙動を達成するため、ある種の化学的特性が望ましい
。これらは、多くの方法で質量標識に組み込むことができる特別の分子基または
その部で表現される。
【0074】 質量標識を生成させる目的のため、好ましい標識は、リンカー中の開裂可能な
結合及び質量標識中のフラグメント化に対する抵抗性の結合を必要とする。
【0075】
【化1】
【0076】 本技術を用いて最もうまく実施するため、そのような標識に対して2000〜
3000単位までの質量/電荷比が最適の範囲であり、これが、電荷の実体が最
大限の感度で確実に検出できる範囲に相当するからである。しかし、溶媒分子、
低分子不純物、複数のイオン化ピークおよびフラグメント化ピークがスペクトル
の低質量末端にくる傾向があることから、100〜200ダルトン以下の質量の
標識は理想的ではない。
【0077】 検出を可能とするため、実効電荷を有する標識を必要とするが、むしろ多様に
イオン化できない、即ち一定の単一電荷を有する方が好ましい。さらに、それら
はフラグメント化に対し抵抗性を有すべきである。このことにより、質量/電荷
比スペクトルの各ピークが単一標識体に対応し、データの分析を単純にすること
を確実にする。さらに、このことは標識の量測定における不正確さを減じ、本発
明が開発されてきたいくつかの利用目的にとって非常に重要である。
【0078】 陽イオン質量分析計に正の電荷を帯びるか又は帯び得る種々の機能性が存在す
る。これらには、アミン、特に三級アミンと四級アミンを含むが、それらに限定
されない。四級アンモニウム基は、単一の正の電荷を帯び、イオン化を必要とし
ない。陽イオン分析計について言えば、これらは非常に感度がよい。したがって
、好ましい陽イオン質量標識は、そのような基を少なくとも一つ保持すべきであ
る。
【0079】 種々の機能性は、陰イオン質量分析について負の電荷を帯びる場合にも利用で
き、これらにはカルボン酸類、ホスホネート類、ホスフェート類、フェノール加
水分解物、スルホン酸類、スルホニルアミドスルホニル尿素、テトラゾールおよ
びパーフルオロアルコールが含まれるが、それらに限定されない。
【0080】 イオン化手法: 多くの生物学的質量分析応用に対して、いわゆる「ソフト」イオン化手法が用
いられる。これらにより、タンパク質や核酸のような大きな分子を、穏和なpH
と低濃度において溶液状態で質量分析計に入れることができる。本発明に用いる
のに、以下のような2つの手法が理想的である。即ち、電気噴霧イオン化および
マトリックス補助レーザ脱着イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ion
ization) (MALDI)である。
【0081】 電気噴霧イオン化(Electrospray Ionization): 電気噴霧イオン化は、生体分子の希釈溶液を分析器の中へ噴霧すること、即ち
非常に細かい噴霧状態を必要とする。例えば、その溶液を、電場勾配を横切る針
の先からか又は電場における乾燥窒素の流れの中へ噴霧する。イオン化のメカニ
ズムは十分に理解されていないが、以下のように広く作用すると考えられる。窒
素の流れの中で溶媒は蒸発する。小滴となり、結果として生体分子の濃度になる
。ほとんどの生体分子が実効電荷を有することを考えると、これが溶解したタン
パク質の静電気斥力を増加させることとなる。蒸発が続くにつれ、この斥力は最
終的に小滴の表面張力より大きくなり、小滴は破裂してより小さな小滴に変わる
。静電気場は、さらに小滴の表面張力に打ち勝つ助けとなる。より小さな小滴か
らの蒸発は続くが、その小滴も、本質的には生体分子が全て溶媒であるかのよう
に蒸発相に存在するようになるまで、かわるがわる破裂を繰り返す。この手法は
次の点で質量標識を使用する場合特に重要である。即ち、その手法はイオン化過
程にあるイオンに比較的少量のエネルギーを与え、集団内のそのエネルギーの分
布は、他の手法と比較して狭い範囲に収まる傾向があるという点である。そのイ
オンは一対の電極を通してイオン化室から外へ加速される。これらの電極間の電
位差が、陽イオン又は陰イオンのどちらかが質量分析器の中を通過するか、及び
これらのイオンが質量分析計に入る際のエネルギーを決定する。これは、質量分
析計でのイオンのフラグメント化を考えるとき、重要である。イオンの集団に与
えられるエネルギーが多ければ多いほどフラグメント化が起きそうである。イオ
ン化室からイオンを加速させるのに用いられる加速電圧を調整することにより、
イオンのフラグメント化を調節できる。
【0082】 マトリックス補助レーザ脱着イオン化(MALDI): MALDIは、生体分子溶液をモル過剰の光励起性マトリックスに置くことを
必要とする。適切な周波数(ニコチン酸に対し266nmの光線)のレーザー光
線を適用すると、置かれた生体分子の励起及びイオン化を順にもたらすマトリッ
クスの励起が生じる。この手法はイオンに対しかなりの量の翻訳エネルギーを与
えるが、これにも拘らず過剰のフラグメント化を誘発しない傾向がある。とはい
っても、加速電圧を再び用いて本手法によるフラグメント化を調節することがで
きる。
【0083】 MALDI手法は2つの方法でサポートされている。質量標識DNAをMAL
DIマトリックスに置くことができる。ここで、標識はそれ自体、レーザーによ
り特異的に励起可能ではない。または、レーザーによるエネルギー付与に必要な
基を含む標識を組み立てることができる。後者のアプローチは、質量分析を行う
前に標識をマトリックスに置く必要がないことを意味する。そのような基には、
ニコチン酸、シナピン酸(sinapinic)、又は桂皮酸部が挙げられる。標識のM ALDIに基づく開裂は、MALDI質量分析法を行う前に開裂段階を回避する
ことになるので、光分解リンカーに関しては多分最も有効であろう。種々の励起
性イオン化剤は異なる励起周波数を有する。そのため、光分解リンカーを開裂さ
せるのに用いられる周波数の中からイオン化を引き起こすのに異なる周波数を選
ぶことができる。これらの励起性部は、有機化学における標準的合成手法を用い
て容易に誘導化できるので、複数の質量を持つ標識は組合せの方式で構築するこ
とができる。
【0084】 質量分析計内でのフラグメント化: フラグメント化は質量分析法の非常に意義ある特徴である。本発明に関して、
どのようにして質量標識を同定するのかを考えることは重要である。両極のどち
らか一方で、フラグメント化に高度に抵抗性のある分子を設計し、質量スペクト
ルの標識分子イオンの出現により標識を同定することができる。よって、独特の
分子イオンを持つ標識群を設計することになろう。他の極において、それを確認
することになるであろう高度に特徴的なフラグメント化パターンを有する分子を
設計することができる。この場合、重複しないパターンを有するか、又は各標識
をはっきり同定するため各標識について少なくとも1つ、独自の種類のフラグメ
ント化を有する標識群を設計しなければならない。しかし、フラグメント化は、
分子およびイオンを生成するのに用いられるイオン化手法の性質である。異なる
手法は異なるエネルギー量をイオンに与え、イオンの化学的環境によってかなり
異なるであろう。従って、1つの質量分析手法に適切な標識は他の手法において
は不適切かもしれない。あるフラグメント化は必然的でもあるが、好ましいアプ
ローチは、フラグメント化に抵抗性を示す分子を設計することである。このこと
は、単一の大きな種、分子イオンまたは単一の非常に高密度に存在するフラグメ
ントイオンのいずれかを持つ分子を同定することが目的であることを示している
【0085】 質量分析計における結合安定性の測定: 中性分子において、結合力を考慮して、ある分子がフラグメント化に対し抵抗
性があるかどうかを測定することはかなり簡単である。しかし、分子がイオン化
しているとき、結合力は先験的に測定するのに難しいやり方では増加または減少
するだろう。例えば、結合X−Yを考えると以下のように書ける:
【0086】 上記の式において、D(A−B)は括弧内の種類の結合エネルギーを指し、I
(N)は括弧内の種類のイオン化エネルギーを指し、デルタ−Hは括弧内の種類
形成の自由エネルギーである。上記の式の主旨は、与えられた一連のイオン化条
件下で結合が安定であり得るか否かを予測するために、分子のイオンエネルギー
および当の結合でのフラグメント化から生じる中性フラグメントのイオン化エネ
ルギーを知る必要がある。
【0087】 例えば、アニリンのC−N結合を考えてみると: I(NH2()=11.14 エレクトロンボルト(eV) およびI(C6H5NH2)=7.7eV ∴ I(C6H5NH2)<I(NH2()×3.44eV この結合の一方の開裂は: I(C6H5)=9.35 エレクトロンボルト(eV)およびI(C6H5NH2)=7.7eV ∴ I(C6H5NH2)<I(C6H5)
【0088】 この結合はこのようにイオン状態で容易に壊れない。アニリンは、もしそれが
フラグメントへの十分な初期エネルギーを持っているなら、C−N結合の開裂に
よるよりもむしろHCNを放つ開裂の方が観察される。
【0089】 I(OH()=13eVおよびI(C6H5OH)=8.47eV ∴ I(C6H5OH)<I(OH() 同様に、考えはフェノールに適用される: この結合での一方の開裂は、 I(C6H5()=9.35 エレクトロンボルト(eV)およびI(C6H5NH2)=8.47eV ∴ I(C6H5NH2)<I(C6H5()
【0090】 このようにC−O開裂は観察されない。 分子と中性フラグメントのイオン化エネルギーの差を測定することは、もっと
もらしいイオン結合力を予測するのに用いられる一般的な実用上の原則である。
もしイオン化の間に加わるエネルギーがイオン結合力より小さいなら、イオン化
は観察されないであろう。十分な力を有する典型的なイオン結合には、アリール
−O、アリール−N、アリール−S結合が挙げられる。一般的に脂肪族型結合は
イオン状態で不安定となる。よって、単一C−C結合はイオンでは弱いが、C=
C結合はなお強い。アリール−C=Cも、アリール−O等と同じ理由で強くなる
傾向がある。アリール又はアリール−Fもまたイオンの形では強く、これはフッ
化炭素が製造上安く、化学的に不活性であるので魅力的である。
【0091】 同様の考えは、イオン化エネルギーよりむしろ上記式で電子親和性を用いなけ
ればならない点を除き、陰イオンにも適用される。
【0092】 質量標識の放出調節を可能とするリンカー: 関連する分子から質量標識を制御可能に放出することは、光もしくは化学的動
機に反応して達成されるか、又はフラグメント化調節を通して質量分析計内で達
成することができる。光開裂および化学開裂リンカーは、既述の応用のために容
易に開発できる。多くは市販入手可能である。
【0093】 質量分析計内における質量標識の開裂: 化学的開裂又は光分解による開裂に代わる方法は、標識のフラグメント化を引
き起こすイオン化工程を用いることである。リンカーが付いている分子が質量分
析計内でイオン化するとき開裂するようなイオン化過程で、非常に不安定なリン
カーを設計することができる。開裂調節で考慮すべき点が2点ある。即ち、1) どれくらいの過剰エネルギーがイオン化過程の間にイオンに託されるのか、およ
び2)この過剰分がイオンの結合エネルギーに打ち勝つのに十分であるかどうか
、の2点である。託されるエネルギーの過剰量は、用いられるイオン化手法によ
り極めてはっきりと決まる。結合エネルギーは、分析される分子の化学構造によ
り、明らかに決定される。
【0094】 フラグメントリンカー: 前述したように、フラグメント化に対し特に耐性の強い基もある一方、脂肪族
結合などは当然のことながら切断されやすい。特定の位置で切れるリンカーを設
計するために、フラグメント化に対し広く耐性を持つとともに「弱いリンカー」
を含む分子をデザインするかもしれない。「弱いリンカー」のフラグメントイオ
ンは、周囲の分子によって安定化される。分子のある結合で切断が起こるとき、
フラグメントイオンの安定化にある種の構造的特徴が認められる。線状アルカン
は、比較的不規則に切断が起こるが、2級及び3級アルキル基を含む分子は、分
子の分岐点でのフラグメント化が最も多く認められる。これは、2級及び3級カ
ルボニウムイオンの安定度が高いためである。同様に、二重結合は、共鳴又は非
局在化の効果によって、隣接するカルボニウムイオンを安定させる。アリール−
C−基に隣接する結合に、同様の効果が認められる。
【0095】 質量標識のためのリンカーを形成する目的のために、1つの結合は質量分析的
に弱い結合が、その他の結合は上記の種類の質量標識において強いリンカーが求
められる。典型的な弱い結合は、以下の式のものである。
【0096】
【化2】
【0097】 準安定なイオンと質量標識の自己切断: 質量分析における安定性は、用いられるイオン化技術に左右される。一般的に
は不安定なイオンは、イオン化チェンバー内でフラグメント化する種である。同
様に、安定したイオンは、検出器に達する以前にはフラグメント化しない。この
ように、準安定なイオンは、イオン源と検出器との間のどこかでフラグメント化
するイオンである。これらの一時的な区別は、使用される質量分析計の構造に多
少左右される。前述したように、イオン化技術は、分子集団内で誘発されるフラ
グメント化の程度に大きく影響する。したがって、電気噴霧イオン化において安
定であり得るイオンが、電子衝撃イオン化においては非常に不安定かもしれない
。更に、質量分析計の分離段階のジオメトリーが、検出前にどのくらいの時間イ
オンが存在していたかを決定する。イオントラップ質量分析計は、検出前に相当
の時間イオンを保存できるのは明らかである。したがって、他のジオメトリーで
大量に検出器に到達する分子は、トラップ内でフラグメント化する時間がある。
【0098】 これらの要因はどれも、質量標識として用いられる分子及びリンカーとして用
いられる分子の性質に関わるものである。明らかに、このような分子について有
効なデザインの範囲は非常に大きい。
【0099】 標識の誘発された切断: 近年、フラグメント化の痕跡に基づいて構造研究に用いるイオン及び分子の明
確な同定のためのイオンのフラグメント化を促進する、さまざまな分析技術が開
発されている。イオン化技術の大半は、ある程度のフラグメント化を引き起こす
が、化学的イオン化技術の変形を用いて、非常に簡単にフラグメント化を促すこ
とができる。電気噴霧イオン化を多少修正すれば、フラグメント化を促進できる
。イオン化チェンバーを改善すれば、放電電極を備えることが可能であり、それ
を用いて浴ガスをイオン化することができる。イオン化された気体は、気化され
たサンプル分子に衝突し、サンプルのイオン化及びフラグメント化が増大する。
この技術は、気圧化学イオン化(Atmospheric Pressure Chemical Ionization)
(APCI)と命名されている。
【0100】 フラグメント化へのより有効なアプローチは、衝突による分解(CID)など
の分子の分解を誘発することを含む。CIDは、イオン流を分離するためにタン
デム質量分析器/分析計の構成を用いる。その後、フラグメント化を促進するた
めに分離されたイオン流の衝突を誘発し、別の質量分析計を用いて、得られたイ
オンを分析する。典型的なタンデム質量ジオメトリーは、衝突チェンバーによっ
て分離された2つの四重極質量分析計を有する。これは、2つの四重極間のチェ
ンバーにすぎず、第1の質量分析計からのイオン流との衝突を可能にするために
、気体を導くことができる。衝突チェンバーの気体の密度は、衝突フラグメント
の通過を妨げるほどに高くしてはならない。理由は、その後に続く第2の四重極
質量分析計による分離及び分析ができなくなるからである。質量標識化分子は、
タンデム質量分析計の中で分離できる。そのため、第1の四重極質量分析計が分
子をある質量/電荷比の流れに分離し、標識の切断に有利に働く衝突がそれに続
き、該標識を第2の質量分析器で分析することができる。
【0101】 その他の技術は、質量標識技術と相容れられる。前述したように、望ましい方
法は、フォトン誘発分解である。フォトン誘発分解は、光開裂可能な質量標識を
用いる。典型的なジオメトリーは、CIDで用いたものと類似したタンデム質量
分析器構成を用いるが、衝突チェンバーの代わりに光励起チェンバーを使用する
。光励起チェンバー内では、第1の四重極を出たイオン流にレーザー光を当てる
。急速に移動するイオン流が大きな割合でフォトンと適切に相互作用し、開裂を
誘発するのを確実にするために、強いレーザー光が必要である。流れがかなりの
時間、確実にレーザーに暴露されるためには、レーザーの位置が非常に重要とな
る。特定の周波数にレーザーを調整することで、開裂を誘発する結合を正確に制
御することができる。このように、適切に光開裂が可能なリンカーでプローブに
接合した質量標識は、質量分析計内で容易に開裂できる。光開裂の段階は、タン
デム構成を必要としない。光開裂チェンバーは、イオン源の内部又はその直後と
することができる。
【0102】 更なる技術としては、表面誘発分解がある。表面誘発分解は、第1の分析器を
通過したイオン流の発生を含むタンデム分析器技術の一種である。この流れを、
視射角で固体表面と衝突させる。その後、第2の分離器及び検出器構成により、
衝突フラグメントを分析する。
【0103】 タンデム分析器以外の構成でも、開裂を誘発することは可能である。イオント
ラップ質量分析計では、トラップ自体に気体を導入することによって、トラップ
されたイオンが気体と衝突し、フラグメント化が促される。イオントラップは一
般的に、ヘリウムなどの浴ガスを含むが、例えばネオンを加えることによってフ
ラグメント化を促進することができる。同様に、フォトン誘発フラグメント化を
トラップされたイオンに応用することができる。
【0104】 質量標識化学: 実用的に又は商業的に有用などのようなシステムに対して、標識の構成は、で
きるだけ少ない試薬と処理段階を用いて、できる限り簡素であることが重要であ
る。一連の単量体分子ユニットを互いに複数組合せて利用できる、組合せのアプ
ローチが理想的である。
【0105】 標準的な有機化学技術を用いて質量標識を合成することができる。そのような
標識は、単一の電荷した基を持ち、使用する質量分析計技術におけるフラグメン
ト化への耐性を有するべきである。アミン誘導体、4級アンモニウムイオン又は
正のイオウ中心は、陽イオン質量分析計を用いる場合、良好な電荷担体である。
これらは、純度が高く鮮明なシグナルを発する、極度に優れた検出特性を備えて
いる。同様に、負に電荷したイオンを用いることもできる。カルボン酸、スルホ
ン酸及び他の部位を有する分子は、陰イオン分析に適している。MALDI質量
分析用の標識は、シナピン酸又はケイ皮酸など、UVレーザー光によって励起さ
れる既知の分子を誘導することで生じることができる。これらについては、多く
の誘導体が既に市販入手可能である。フラグメント化耐性基は、前述のとおりで
ある。有機化学についてのテキストは、以下を参照のこと。 ・Vogel著、"Text book of Organic Chemistry"第4版、B. S. Furniss、A. J
. Hannaford、V. Rogers、P. W. G. Smith及びA. R. Tatchell改訂、ロングマン
、1978年。
【0106】 アミノ酸: グリシン、アラニン及びロイシンのような少数のアミノ酸で、技術的に周知の
標準的なペプチド合成技術を使用することによって、異なる質量を持つ多数の小
さなペプチドを形成することができる。アミノ酸が多ければ、それだけ多くの標
識を合成できる。 ・E. Atherton及びR. C. Sheppard編、'Solid Phase Peptide Synthesis: A P
ractical Approach' 、IRLプレス、オックスフォード。
【0107】 炭水化物: 同様に、炭水化物分子は、異なる質量のヘテロポリマーに合成できる、有用な
単量体ユニットである。しかし、これらはESMSに対し特に敏感に反応するわ
けではない。 ・Gait, M, J.編、'Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach'、IR
Lプレス、オックスフォード、1990年。 ・Eckstein編、'Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach'、
IRLプレス、オックスフォード、1991年。
【0108】 その他の標識化学反応: ほぼすべての分子を標識として他の分子に結合できることは明白である。その
ような標識の質量分析計における特質は明らかに異なる。生体分子の分析に関し
ては、標識が不活性であり、一方に電荷しており、フラグメント化に耐性を有す
ることが重要であろう。
【0109】 質量分析計内の開裂のためのリンカー 質量分析計内の開裂が望ましい本発明において、N−L−Mの化学式を有する
化合物が有用である。Nは、1つ以上の核酸基を有し、ヌクレオチド又はオリゴ
ヌクレオチドのプローブ又はプライマーを構成する。Lは、リンカー部を有し、
Mは金属イオン結合部を任意に有してもよい質量マーカーを有する。金属イオン
結合部は、ポルフィリン、クラウンエーテル、ヘキサヒスチジン、又は多座配位
リガンドであり、2座配位リガンド又はEDTAが好ましい。金属イオン結合部
は、遷移金属イオン又は周期表のIA、IIA、又はIIIA族の金属イオンなど、1価 〜3価の金属イオンと結合することができる。金属イオンは、Ni2+、Li+、 Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、又はAl3+が好ましい。
【0110】 質量マーカーは、置換又は未置換ポリ(アリールエーテル)である置換又は非
置換ポリエーテルを有することができる。ポリエーテルは、1つ又は2つ以上の
フッ素原子置換基を有することができる。
【0111】 Lは、−R1−Si−R2−の化学式を有する基であり、R1及びR2は、化合物
が電子供与部と反応する際、N又はMのどちらかがR1及びR2に優先してSi原
子から開裂するように選択された置換基である。R1及びR2はそれぞれ、Siに
対する結合エネルギーがN及び/又はMのSiへの結合エネルギーよりも大きく
なるように、選択される。これは、化合物が電子供与部と反応するとき、N又は
MのどちらかがR1及びR2に優先してSi原子から開裂するのを確実にするため
である。更に/或いは、R1とR2は、化合物が電子供与部と反応するとき、N又
はMのどちらかがR1及びR2に優先してSi原子から開裂するのを確実にするの
に十分な立体化学バルクを有するように選択される。
【0112】 R1とR2は独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、又
は置換又は非置換アリール基であるのがより好ましい。より好ましくはR1とR2 がそれぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、又はフェニル基であるのが よい。電子供与部は、アンモニア、1級アミン、2級アミン又は3級アミン、ヒ
ドロキシ基を含む化合物、エーテル又は水などのルイス塩基とすることができる
。 ひとつの例として、Lは次の化学式を持つ基である。
【0113】
【化3】
【0114】 ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子、又は、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、トリフルオロアセチル基もしくはトリフルオロメチルアセテ
ート基を有する置換基のような電子吸引置換基である。Lは、−CO−NH−基
、−NH−CO−NH−基、−NH−CS−NH−基、−CH2−NH−基、− SO2−NH−基、−NH−CH2−CH2−基、又は−OP(=O)(O)O− 基によって、N及び/又はMと結合することができる。
【0115】 定量化と質量分析: 生化学上のアッセイ及び分子生物学上のアッセイの大半は定量的アッセイであ
る。質量分析計は定量化のための単なる装置ではなく、適切な器具を使用するこ
とにより高い感度を発揮しうる。イオン計数は、元となる分子の定量を直接測定
するのではなく、その関係は分子のイオン化反応の複雑な機能であることを忘れ
てはならない。定量化は、質量スペクトルの走査、及び、各質量/電荷比で走査
されるイオン計数計測の影響を受ける。計数を合計し、特定の時間にわたるスペ
クトルの各点での総計を出す。これらの計数と、サンプルのソース分子のもとの
量を関連づけることができる。イオン計数又はイオン流とソース分子の量を関連
づける方法は、さまざまである。外部標準は、未知のサンプルの測定前にサンプ
ル分子の挙動を判定するひとつの方法である。各サンプル分子の検量線は、サン
プル分子を連続的に希釈したものについて、使用する機器構成に送り込み、イオ
ン流を測定することによって判定できる。
【0116】 内部標準には、サンプルと同一の実験条件が適用されるため、おそらく外部標
準よりも好ましい方法である。その場合、実験上のどのような予想外の変化も内
部コントロールとサンプル分子の双方に影響を及ぼす。サンプル分子の量を判定
するには、既知の量の内部標準をサンプルに加える。内部標準は、測定される分
子と類似したイオン化挙動をするように選ばれる。よって、サンプルイオン計数
:標準イオン計数の比率を用いて、量の比率が同じであるため、サンプルの量の
判定することができる。この方法では、適切な標準を選択することが主な課題と
なる。類似ではあるが同一ではない分子を、質量スペクトルの中で見つけなけれ
ばならない。好ましい1つのアプローチとして、同一の化学的挙動を有する分子
に対して、わずかに異なる質量スペクトルを持つように、適切なアイソトープを
有するサンプル分子を合成することがある。このアプローチは、適切な内部標準
の発見又は合成に余分の費用がかかるため、多量の質量標識を扱う場合は外部標
準に比べると望ましさの点で劣るかもしれない。しかし、外部標準よりも優れた
定量化が可能だろう。アイソトープ標識化に代わる方法として、質量分析計での
、サンプルと類似してはいるが同一ではない化学的挙動を有する分子を同定する
ことが挙げられる。このような類似体を見つけることは難しいが、多量の質量標
識を扱う場合は重要なことである。
【0117】 しかし、多量の質量標識を組み合わせて合成することが理想であり、そうすれ
ば化学的に関連づけられることから、折衷案が適切かもしれない。個々のコント
ロールがそれぞれ多量の質量標識の量を判定する場合、少数の内部コントロール
を用いることができる。内部標準と各質量標識との正確な関係は、両者の差異を
補正するための外部検量実験で判定されるかもしれない。
【0118】 機器の構成は、実際のイオン計数そのもの、特に用いられるイオン化法及び分
離法の判定にとって重要である。ある種の分離法は、特定の質量電荷比率を持つ
イオンだけが一度に通過できる四重極に似た質量フィルターとして機能する。こ
れは、かなりの割合のサンプルが検出器に到達できないことを意味する。更に、
質量分析計の大半は単に、一度に質量スペクトルの一部を検出するにすぎない。
質量スペクトルの大部分が空又は不適切だがそれでも通常は走査される場合、こ
の方法では更に大きな割合のサンプルが浪費される。これらの要因は、非常に少
量のイオンを検出する場合には問題となるかもしれないが、このような問題のほ
とんどは機器の正しい構成によって解決できる。
【0119】 より優れた定量化を確実にするために、生じさせたすべてのイオンが確実に検
出されるように努めることができる。Mattauch-Herzogジオメトリーセクターイ ンスツルメントを用いれば、これが可能であるが、これには多くの限界がある。
セクターインスツルメントは、ある機能を果たす「セクター」という特定の領域
に組み込まれる。イオン化チェンバーからフリーセクターへ、フリーセクターか
ら「電気セクター」へ、という流れが一般的である。電気セクターは基本的に、
イオン源を離れた後の分岐であるイオンビームを「焦点合わせする」。また、「
電子セクター」は、イオン流が同一のエネルギーを持つことを確実にする。この
工程により、ある程度の量のサンプルが喪失する。焦点をあわせられたこのイオ
ンビームはその後、第2のフリーセクターを通過し、質量電荷比率に基づいてビ
ームを分裂させる磁気セクターに入る。磁気セクターは、ほぼプリズムと同様の
働きをする。分裂したビームの正面にフォトグラフィックプレートを置き、あら
ゆる位置でスペクトルの強度を測定することができる。残念ながら、この種の検
出器の動的領域には限界があり、かつ煩雑かつ厄介でもある。電子マルティプラ
ーアレイを用いれば一層優れた動的領域が達成できるが、分解時の喪失という難
点があり、アレイの要素がどの程度緊密に構成できるかによって限界が設けられ
る。うまく特徴付けた質量標識の集団を用いれば、おそらく、すべての質量標識
を明確にサンプリングするのに十分なピークのみをモニターできる。一般的には
、アレイ検出器を使用すれば、質量スペクトルの多くの領域を同時にかつ継続的
にモニターできる。これは、うまく特徴付けた質量標識集団に応用できるかもし
れない。但し、アレイ検出器が選ばれた場合、スペクトルの密に占有された領域
の分解の限界によって、使用する標識の数が制限されるかもしれない。「選択さ
れたイオンのモニタリング」(SIM)には、四重極がその他の多くの構成より
も有利である。これは、イオンをフィルタリングするフィールドを非常な速さで
変えることができるとともに、目指す少数のピーク全体で非常に高いサンプリン
グ率が得られる。
【0120】 垂直TOF質量分析法: アレイジオメトリーのための望ましい方法は、垂直タイム・オブ・フライト(
TOF)質量分析(図11参照)である。このジオメトリーは、イオン流の高速
サンプリングに備え、その後にあらゆるイオン種のほぼ瞬間的な検出が続く。イ
オン源を出たイオン流、多くの生物学上の応用においてはおそらく電気噴霧ソー
スを出たイオン流は、流れに対して垂直の電極プレートを通過する。このプレー
トは本来、電気的ゲートであり、イオン流を「垂直に」偏向させ、リフレクトロ
ンを利用するTOF質量分析器へと向かわせる反発力を生じさせるために用いら
れる。リフレクトロンは本来、徐々に反発力が強くなる電磁場を生じさせる一連
の環状電極である。この電磁場は、イオンエネルギーを標準化し、イオン流を検
出器内に反射させる。リフレクトロンは、TOF分析器の分解力を大幅に増大さ
せる単純な装置である。イオン源を出たイオンは、異なるエネルギーを持つだろ
う。高速のイオンは、エネルギーの低いイオンよりも速く反発場を通り過ぎるた
め、低エネルギーのイオンに比べてわずかに速度が落ちるだろう。しかし、高速
イオンは低エネルギーイオンよりも少し早く到達するため、両者はほぼ同じ時刻
にTOFに入る。その結果、特定の質量電荷比率のすべてのイオンが、ほぼ同時
に検出器に到達するだろう。イオンをTOF分析器に向けて偏向させるために電
気ゲートが「閉じて」いるとき、タイマーが作動する。偏向されたイオンの飛行
時間は記録され、イオンの質量/電荷比の判定には、これで十分足りる。ゲート
は一般的に、イオンの短いパルスをある時間にTOF分析器に送るだけである。
すべてのイオンの到着が記録されており、TOF分離が極度に高速で起こるため
、質量スペクトル全体は効果的に同時に測定される。更に、ゲート電極は、極度
に高い頻度でイオン流をサンプリングできるため、必要なサンプルはごくわずか
で済む。このような理由から、このジオメトリーは、数フェムトモルのオーダー
まで、極度に高感度である。
【0121】 核酸フラグメントのサブセットのプライマー伸長法と平行配列決定: サンガー法類似配列ラダーに一本鎖オリゴヌクレオチドを結合することによる
単分子の配列決定:
【0122】 図12を参照し、固定された不溶性マトリックスに一端を固定された単一の核
酸のコピー集団を考えてみよう。DNAポリメラーゼ反応のためのプライマーと
して働く分子の固定された末端における二本鎖DNAの短い伸長を除き、この分
子は一本鎖とする。このプライマー配列は、末端を固定するために使用するアダ
プターにより提供されるか又は鋳型が増幅された生成物である場合はPCRプラ
イマーでもよい。ここまでの技術は、サンガーの固相合成のために(S. Stahl、
T. Hultman、A. Olsson、T. Moks、M. Uhlen、1988年、"Solid Phase DNA seque
ncing using the biotin-avidin system". Nucleic Acids Research. 16, 3025-
3038)によって教えられている通りである。このアプローチの重要な特徴は、ブ
ロック化ヌクレオチドにある。ブロック化ヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオ
チドではなく、むしろ可逆的にブロック化されることが望ましい。これは、鎖終
結ヌクレオチドの存在下、鋳型の重合が起こった後で、予想通りのフラグメント
のサンガーラダーが残ることを意味する。重合試薬を洗浄すると、固定化された
サンガーフラグメントが残る。この段階で、ブロッキング基は除去され、更なる
拡張に敏感に反応する3'ヒドロキシルが現れる。最も単純なケースでは、各終結
塩基は、独特に同定される、前述のように質量分析法での分析が可能な質量標識
で標識化される。しかしこれは、多くの異種配列鋳型を同時に分析する可能性を
真に開発することはできない。よって、その同定がなされておらず、更なる拡張
に対してブロックされた配列の3'-OHを露出する、除去可能なブロッキング基 を用いることが好ましい。
【0123】 これらの露出された末端に、所定の長さ(N)のオリゴヌクレオチドを結合す
ることができる。それぞれは、オリゴヌクレオチドの配列を同定する、光開裂可
能な質量標識を有する。その結果、これ以前のヌクレオチドの配列3'の隣接する
N基は、配列を同定する標識を持つ相補的オリゴヌクレオチドによって同定され
る。これを図13に示す。本発明で使用する適切な標識化システムは、本明細書
及び本願と同一出願人によるPCT/GB98/00127号に示されている。結合は、化学的
又は酵素的なものでありうる。したがって、配列プロセスのこの段階は、N基に
よって鎖終結した集団を構成する各フラグメントを拡張し、終結したフラグメン
トの新しいラダーが残る。質量標識化オリゴヌクレオチドは、第1組の各構成要
素がその他のセットに補体を有するように、2組の128に加えられることが好
ましい。これにより、相補的4-mers間のクロスハイブリッド形成の問題が克服 される。
【0124】 その後、固定化されたマトリックスを洗浄して、結合していないオリゴヌクレ
オチドを除去することができる。おそらく、ハイブリッド形成を妨害するには水
洗浄で十分である。各サンガーフラグメントに結合した4塩基オリゴヌクレオチ
ドの配列を判定するには、オリゴヌクレオチドの3'末端に付着した標識を分析す
るだけでよい。本発明で使用する標識化システムは、PCT/GB98/00127号に記載さ
れている。ここで、標識の質量がその担体を同定する。このような標識は、特異
的な化学的又は生物学的薬剤によって、光に対して不安定又は開裂可能にされう
る。図14で詳しく示すように、標識の開裂により、それは溶液内に放出される
だろう。分析のために、その溶液内で電気噴霧質量分析計に注入することができ
る。これにより、オリゴヌクレオチドの配列、更にはその量が判定されるだろう
。結果の一例を図15に示す。標識の開裂に先立ち、サンガーラダーをその構成
部分であるフラグメントの長さに分離する必要がある。質量分析システムにおい
ては、この段階は、LCMSシステムにおけるサンプル充填とに連結することが
できる。バンドへの分離は、毛細管ゾーン電気泳動によって達成できる。これは
その後、各バンド内のDNAの量を判定するためにUV分析計を通過する。サン
プルはこの後、質量標識を切り離すために光開裂モジュールを通過する。質量標
識はその後、各バンドの標識を分析するために、電気噴霧質量分析計に注入され
る。
【0125】 ある態様において、可能性のある256個の一本鎖4塩基オリゴヌクレオチド
のうち全てを有する固定化サンガーラダーを探ることができる。これらはそれぞ
れ、各自の既知の配列4bpに対応する独特の同定標識を有している。5'から3'
形式において、標識を3'-OHに付けるとともに、それらを更なる伸長から効果 的にブロックすることができるか、又は分離したブロッキング基を使用し、分子
のどこか別の場所に標識を付けることも可能である。
【0126】 好ましい場合、酵素触媒作用による連結反応よりも、化学的連結反応を用いる
ことができる。これは、ペプチド核酸(PNA)又はその他の類似体など、リガ
ーゼによって受容されないDNA類似体からプローブを合成することが可能にな
るため、有利かもしれない。PNAは、相補的DNA配列に対する親和性がDN
Aプローブよりも高いため、望ましい。
【0127】 その他の長所は、化学的連結反応により、プローブのハイブリッド形成のスト
リンジェンシーを静電気的に規制するための電場の利用が可能になることかもし
れない。 好ましい態様において、光分解可能なリンカーは、質量標識を3'-OHに連結 させる。3'-OHは、開裂された場合、できるだけ効率良く3'-OHを再生する。
その後、プライマーは既知の4塩基によって伸張され、配列の次の4bpを判定
するためにサイクルを繰り返すことができる。このプロセスは、分子全体が配列
決定されるまで反復することができる。
【0128】 各4-merオリゴヌクレオチドの3'-OHにおいて光分解可能な質量標識を使用 する別の方法は、リン酸基で3'-OHをキャップすることであろう。また、ジデ オキシヌクレオチド又はその他の適切な方法を用いてプローブ分子の3'-OHを ブロック化する手段を用いることもできる。分子の他の部分に質量標識を付ける
ことができ、3'末端の脱キャップ反応とは別に、その部分から標識を切り離すこ
とができる。
【0129】 3'末端の脱キャップは、アルカリ性ホスファターゼで固定化DNAを洗浄する
ことによって行うことができる。アルカリ性ホスファターゼは、3'-OHから容 易にキャップされたホスフェートを除去し、配列決定プロセスの次のサイクルに
利用できる状態にする。
【0130】 このシステムは他の標識化スキームを用いても実施できると考えられるが、他
の標識化スキームの大半は、実用に十分かつ独特な標識を生じさせない。
【0131】 核酸フラグメント集団の配列決定: 同様のプロセスを固定化された核酸の異種集団に適用し、これらの集団を平行
して分析することが可能である。核酸集団への適用を成功させるために、この方
法は、集団全体の256の分子のうちの1つが統計的に、終結サンガーフラグメ
ントそれぞれに隣接する、可能性のある4bp配列をそれぞれ有するという推測
に依存する。もし核酸集団を管理可能な256未満のフラグメントのサブセット
内にサブソートすれば、ほぼすべてが、サンガーラダーにおける各終結基に続く
、異なる配列を持つと予想されるだろう。したがって、大抵の目的にあっては、
ハイブリッド形成シグナルはシグナルDNAタイプに対応すると推測できる。こ
のすべてから、DNA配列は、塩基のランダムな配列であることが推測される。
この推測は厳密には真実ではないが、本発明の目的にとっては十分な推測である
。1000分の1が小さな可能性でないことは明白であり、配列がサンガーラダ
ーの同じ位置で同一の4-merを持つ場合は多い。
【0132】 しかし、本発明は、これによって引き起こされる可能性のある、あらゆる不確
定性を大幅に解明できるアルゴリズムを含んでいる。
【0133】 標的核酸の配列の再構築: 修飾サンガーラダーの各バンド内の標識を分析することにより、可能性のある
各プローブに対応する標識の量のマトリックスが生じるだろう。長さ4塩基対の
プローブ全てについて、可能性のあるマトリックスを以下に示す。
【0134】
【表1】
【0135】 これら標識の量が対応する配列を再構築するために、本発明はまた、このよう
なデータマトリックスを分析するアルゴリズムを構想する。そのアルゴリズムは
、頻度に基づいて配列を同定しようとするものである。すなわち、ある頻度で現
れる配列は、同じ頻度で存在するサブ配列をそれぞれ持つだろう。アルゴリズム
は、マトリックスの各カラム全体を探り、標識の量を解明しようとする。それは
、配列頻度の合計で、結局はすべてのカラムに同一組の原子量が現れるといった
原子量になるかもしれない。アルゴリズムは、あるカラムの標識の量をすべての
他のカラムの標識の量と比較することによって、これを達成する。その後、すべ
てのカラムに現れるある原子量は、独特の配列に対応すると推測される。
【0136】 もし2つの配列が配列の特定の位置で同じn-merを持つなら、これらはこのシ
ステムの量的性質によって解明できる。それは、特定の結合における特定のn-m
erの量は、同じ位置でn-merを共通に持つ2つの配列の量の合計になるという点
から言える。これらは主に、そのような合計を同定するために1つのサイクルを
それ以前及び以後の結合サイクルと比較することによって解明できる。最少量の
配列が最大頻度の配列の量の半分以上現れるよう、分析される配列をPCRで増
幅すれば、すなわち、配列の頻度の範囲が量Nと2Nの間にあれば、これは特に
容易に実行できる。これは、頻度のいかなる合計も2Nを上回り、したがって容
易に検出できることを意味する。
【0137】 配列鋳型がサンターラダーである場合、4-mersのこれらラダーへの結合及び 同定が4-mersの重複となる点に注意し、ゆえに、再構築マトリックスの個々の カラムに生じるかもしれない不確定性の大部分を排除するのに十分な情報を提供
する、重要な重複となる。
【0138】 リガーゼ連鎖反応: 本発明の更なる態様は、リガーゼ連鎖反応の変形を利用する。一本鎖鋳型が固
定化され、その後、分子の3'末端でプライム化される。この固定化鋳型に、リガ
ーゼの存在下、256個の可能性のある4-mersを加える。4-mersは5'末端でリ
ン酸化される。各4-merの変異型に対し、所定の小さな割合のプローブが、光開
裂可能な質量標識を有するブロック化された3'-OHとともに存在する。4-mers
は、鋳型にハイブリッド形成し、リガーゼはそれらを結合する。しかし、鋳型の
どのコピーについても、不可逆的にブロック化された4-mersがある点で組み込 まれ、それ以上の拡張を妨げるという明白な可能性が存在するだろう。
【0139】 これは、サンガーの配列決定反応に類似したかたちで、終結されたフラグメン
トのラダーを生じさせるだろう。終結4-mersの同定は、終結フラグメントを毛 細管電気泳動で分離し、その直後に光開裂された質量標識を電気噴霧質量分析法
で分析することによって、測定することができる。
【0140】 ここで再び複数の鋳型の同時分析が可能になる。これは、配列のどの位置にお
いても、任意の4-merが相対的に低い確率で発生するという事実による。 この態様により、付加的レベルの多様化が可能である。この態様では、各フラ
グメントが前のフラグメントよりN塩基分長いフラグメントのラダーができる。
ここで、Nは用いられた連結プローブの長さである。毛細管電気泳動により、単
一塩基分解がなされ、鋳型集団が4つのサブセットに分割された場合、前のプラ
イマーより1塩基分長いプライマーを用いて各サブセットをプライム化できる。
これにより、単一塩基によって互いから分離した4集団のフラグメントができあ
がる。
【0141】 DNAプローブ配列にサンガーラダーを連結すること及びフラグメントのMA
LDI検出: 本発明の更なる態様は、溶液内で質量標識化されたプローブよりもむしろ固定
化されたプローブを使用する。この態様において、前述したように、フラグメン
トのサンガーラダーが生じる。固定化されたフラグメントはその後、固相基質か
ら切り離され、アレイ表面の離間した位置に長さNの4Nプローブをすべて持つ オリゴヌクレオチド配列に結合される。プローブをアレイ表面に付着させている
リンカーは、光開裂が可能だろう。その後、アレイは洗浄し、適切なエキソヌク
レアーゼで処理して、残っている一本鎖DNAを切り取る。アレイを再び洗浄し
、適切なMALDIマトリックスをアレイに適用されるだろう。アレイはMAL
DI−TOF分析計に置かれ、特異的なN-merプローブに対応するアレイ表面の 各位置が、レーザーによって走査されるだろう。最初はプローブを固定化してい
るリンカーを開裂する周波数で、後に用いたマトリックスを励起させるのに必要
な周波数で走査されるだろう。これは、走査した位置で表面に結合したフラグメ
ントをイオン化するだろう。これらは、タイム・オブ・フライト分析によって検
出されるだろう。
【0142】 アレイ上の各位置について、このように、各フラグメントにおける終結ポイン
ト3'のN塩基の配列、結合したフラグメントの質量及び長さ、並びに各フラグメ
ントの量が分かるだろう。これにより、毛細管電気泳動質量分析法の態様による
データマトリックスに匹敵するデータマトリックスの作成が可能になるだろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、各々のクローン化フラグメントにPCRプライマーがどのように増幅
に用いられるかを示す。 図2は、フラグメントの増幅におけるビオチン化(biotinylate)PCRプラ イマーの使用を示す。 図3は、二本鎖PCR生産物からの固定化一本鎖鋳型の製造を示す。 図4a及び図4bは、本発明の好ましい態様の方法を図式化したものである。 図5〜図10は、本発明のさらに好ましい態様の方法を図式化したものである
。 図11は、本発明に適切に用いられる垂直TOF質量分析計の概略を図式化し
たものである。 図12〜図14は、可逆的にブロックしたヌクレオチドプローブを用いる本発
明の他の態様の方法を図示化したものである。 図15は、図12〜図14までの方法の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9719284.3 (32)優先日 平成9年9月10日(1997.9.10) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW 【要約の続き】

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)DNAフラグメントの特性を同定するために各フラグメ
    ントに質量標識が開裂可能に付着された該DNAフラグメントの集団を用意し;
    (ii)該フラグメントをその長さを基にして分離し; (iii)各フラグメントを質量分析計で開裂させてその質量標識を脱離させ;かつ (iv)各質量標識を質量分析法によって測定して、各フラグメントの特性をそのフ
    ラグメントの長さと関連させることを含むDNAの特性決定法。
  2. 【請求項2】 (a)プライマーで処理された少なくとも1つのDNA一本鎖 鋳型を供給し;かつ (b)少なくとも1つの鋳型からのDNAフラグメントの集団を作製すること、 をさらに含む請求項1記載の方法であって、 前記集団が少なくとも一連のDNAフラグメントを有し、その一連又は各々の一
    連がその鋳型又は各々の鋳型に相補的な第二のDNA鎖の可能なすべての長さを
    含み;各々の質量標識で決定された各々のフラグメントの特性が各々のフラグメ
    ントの1つの末端のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列に関連し、したがって
    各々のヌクレオチドはその鋳型又は各々の鋳型の配列を導き出すように質量標識
    と結合する鋳型における位置と関連する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 一連のDNAフラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下
    、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型にハイブリッド化する
    のに充分なヌクレオチド混合物に鋳型を接触させることによって供給される請求
    項2記載の方法であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレ
    オチドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有し、該鋳型において各々のプロ
    ーブのヌクレオチドが、第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との
    更なる重合を防ぐようにブロックされており且つ質量標識とは開裂可能に付着し
    ている修飾ヌクレオチドを有し、該質量標識が前記修飾ヌクレオチドを同定する
    ための質量分析に特異的に分解可能であり、かつ各々のフラグメントがプローブ
    の1つで終結する、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のDNAフ
    ラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下に別々の反応帯の中の各鋳型を、該
    鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに
    充分なヌクレオチド混合物と接触させて供給される請求項2記載の方法であって
    、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオチドを全て含む4つ1
    組のプローブをさらに有し、該鋳型において各々のプローブのヌクレオチドが、
    第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐように
    ブロックされており且つ質量標識とは開裂可能に付着している修飾ヌクレオチド
    を有し、該質量標識が前記修飾ヌクレオチドを同定するための質量分析に特異的
    に分解可能であり、各々のフラグメントがプローブの1つで終結し、かつ各反応
    帯と結合する4つのプローブの各セットからの質量標識の各組は、質量標識の他
    の組とは異なり、前記フラグメントが工程(ii)前にプールされる、請求項2記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のDNAフ
    ラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下に別々の反応帯の中の各鋳型を、該
    鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化するのに
    充分なヌクレオチド混合物と接触させて供給される請求項2記載の方法であって
    、該混合物が、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレオチドのうちただ
    1つのみを含むプローブをさらに有し、該プローブのヌクレオチドが、第二のD
    NA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐようにブロック
    されている修飾ヌクレオチドを有し、各々のフラグメントが該プローブで終結し
    、かつ該プローブのプライマー又は修飾ヌクレオチドが前記質量標識に開裂可能
    に付着し、該質量標識が反応帯と結合しており、反応帯で用いられる修飾ヌクレ
    オチドを同定するための他の反応帯における質量標識からの質量分析で特異的に
    分解可能であり、かつ該フラグメントが工程(ii)前にプールされる、請求項2記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のDNAフ
    ラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下に4つの異なる反応帯の各々の中の
    複数の鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブ
    リッド化するのに充分なヌクレオチド混合物と接触させて供給される請求項2記
    載の方法であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化するための4つのヌクレ
    オチドのうちただ1つのみを前記反応帯の各々に含むプローブをさらに有し、該
    プローブのヌクレオチドが、第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖
    との更なる重合を防ぐようにブロックされている修飾ヌクレオチドを有し、各々
    のフラグメントが該プローブで終結し、かつプライマーが前記質量標識に開裂可
    能に付着し、該質量標識が、前記プライマーと結合しており且つ反応帯で用いら
    れる他のプライマーと結合した質量標識から質量分析で特異的に分解可能であり
    ;対応する反応対からの各々のヌクレオチドが鋳型のその位置に関連する、請求
    項2記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの鋳型が4組のDNA一本鎖鋳型であり、各
    々の組が同じ複数のDNA一本鎖鋳型を有し、一連のDNAフラグメントが、D
    NAポリメラーゼの存在下、該鋳型に相補的な第2のDNA鎖を形成するために
    鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチドの混合物と接触させて供給さ
    れる、請求項2記載の方法であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化するた
    めの4つのヌクレオチドのうちただ1つのみを前記反応帯の各々に含むプローブ
    をさらに有し、該プローブのヌクレオチドが、第二のDNA鎖と重合可能である
    が第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐようにブロックされている修飾ヌクレオ
    チドを有し、各々のフラグメントが該プローブで終結し、かつ4組の鋳型の各々
    は、質量標識が開裂可能に付着しているプライマーでプライムされており、該質
    量標識は他の鋳型に対応する質量標識から質量分析で特異的に分解可能であり且
    つそれぞれの鋳型とそれぞれの反応帯に関連可能であり、該フラグメントが工程
    (ii)前にプールされ、かつ対応する反応帯からの各ヌクレオチドが鋳型の中でそ
    の位置と関連する、請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの鋳型が複数の鋳型であり、一連のDNAフ
    ラグメントが、DNAポリメラーゼの存在下に別々の反応帯の中の鋳型の各々の
    組を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成するための鋳型とハイブリッド化
    するのに充分なヌクレオチド混合物と接触させることによって供給される請求項
    2記載の方法であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオ
    チドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有し、該鋳型において各プローブの
    ヌクレオチドが第二のDNA鎖と重合可能ではあるが第二のDNA鎖との更なる
    重合を防ぐようにブロックされており且つ質量標識へ開裂可能に付着している修
    飾ヌクレオチドを有し、該質量標識が修飾ヌクレオチドを同定する質量分析で特
    異的に分解可能であり、各フラグメントは前記プローブの1つで終結し、各反応
    帯と結合した4つのプローブの各々の組からの質量標識の各組は、他の組の質量
    標識とは異なり、かつ工程(ii)前にフラグメントがプールされ、プールされたフ
    ラグメントがプライマーに近接した3塩基〜5塩基の共通の長さをもつ副次配列
    により選別されて、選別フラグメントの群のアレイを形成し、各群が他の群から
    空間的に分離されている、請求項2記載の方法。
  9. 【請求項9】 一連のDNAフラグメントが、 (i)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を 形成する鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチド混合物と接触させる
    工程であって、前記混合物が、前記鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオチ
    ドを全て含む4つ1組のプローブをさらに有し、前記鋳型において各プローブの
    ヌクレオチドが第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重
    合を防ぐためにブロックされている修飾ヌクレオチドを有し、接触工程が可能性
    あるすべての長さの第二のDNA鎖を含む一連の鋳型を形成し、第二の鎖の各々
    がプローブの1つと終結する工程; (ii)重合しなかったヌクレオチドを除去する工程; (iii)修飾ヌクレオチドの脱ブロッキングする工程;及び (iv)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドプローブのアレイと接触させる工程により
    提供される請求項2記載の方法であって、各オリゴヌクレオチドプローブが2〜
    6の共通の長さのヌクレオチド配列を有し、配列のすべての組合わせが質量標識
    に付着しており、各プローブが質量標識と開裂可能に付着し、該質量標識がヌク
    レオチド配列を同定する質量分析の中で特異的に分解可能である、請求項2記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つの鋳型が各々が特定の濃度である複数のプ
    ライムされたDNA一本鎖鋳型であり、一連のDNAフラグメントが、 (i)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型に相補的な第二のDNA鎖を 形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチド混合物と接触
    させる工程であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオチ
    ドを全て含む4つ1組のプローブを含み、該鋳型において各プローブの該ヌクレ
    オチドが第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防
    ぐためにブロックされている修飾ヌクレオチドを有し、接触工程が第二のDNA
    鎖の可能性あるすべての長さを含む一連の鋳型を形成し、第二の鎖の各々がプロ
    ーブの1つと終結する工程; (ii)重合しなかったヌクレオチドを除去する工程; (iii)修飾ヌクレオチドのブロッキングを解除する工程;及び (iv)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドプローブのアレイと接触させる工程、によ
    り供給される請求項2記載の方法であって、各オリゴヌクレオチドプローブが2
    〜6の共通の長さのヌクレオチド配列を有し、配列のすべての組合わせがアレイ
    に存在し、各プローブが質量標識と開裂可能に付着し、該質量標識がヌクレオチ
    ド配列を同定する質量分析の中で特異的に分解可能である、請求項2記載の方法
  11. 【請求項11】 一連のDNAフラグメントが、DNAリガーゼの存在下、
    鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成するために鋳型をハイブリッド
    化するのに充分なオリゴヌクレオチドの混合物と接触させることによって供給さ
    れる請求項2記載の方法であって、各々のオリゴヌクレオチドが2〜6の範囲の
    共通の長さであり、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する共通の長さ1の可能
    性のある全てのオリゴヌクレオチドを含む一組のプローブをさらに有し、該鋳型
    において各々のプローブのオリゴヌクレオチドが、第二のDNA鎖と結合可能で
    あるが第二のDNA鎖との更なる結合を防ぐためにブロックされており且つ質量
    標識に開裂可能に付着している修飾オリゴヌクレオチドを有し、前記質量標識が
    修飾オリゴヌクレオチドを同定する質量分析で特異的に分解可能であり、一連の
    フラグメントが1の整数倍の第二のDNA鎖の可能性のある全ての長さを含んで
    おり、各フラグメントがプローブの1つで 終結する、請求項2記載の方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも1つの鋳型が、それぞれ特定の濃度の複数のプ
    ライム化DNA一本鎖鋳型であり、一連のDNAフラグメントが、DNAリガー
    ゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成する鋳型とハイブ
    リッド化するのに充分なオリゴヌクレオチドの混合物と接触させて供給される請
    求項2記載の方法であって、該オリゴヌクレオチドの各々が2〜6の範囲の共通
    の長さを有し、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する共通の1の長さの可能性
    のあるオリゴヌクレオチドを全て含む1組のプローブを有し、該鋳型において各
    プローブのオリゴヌクレオチドが、第二のDNA鎖と結合可能であるが第二のD
    NA鎖との更なる結合を防ぐようにブロックしてあり且つ質量標識と開裂可能に
    付着している修飾オリゴヌクレオチドを有し、該質量標識が修飾オリゴヌクレオ
    チドを同定する質量分析において特異的に分解可能であり、一連のフラグメント
    が1の整数倍の第二のDNA鎖の可能性のある長さを全て含んでおり、各フラグ
    メントがプローブの1つと終結する、請求項2記載の方法。
  13. 【請求項13】 複数の一本鎖の鋳型が、各々の鋳型に共通な公知の副配列
    に、前記公知の副配列及び2〜6の範囲の共通の長さの可変配列に相補的な共通
    配列を含む塩基配列をその各々が有するプライマーのアレイをハイブリッド化し
    てプライム化される請求項5又は請求項6記載の方法であって、該アレイが該共
    通の長さの配列のうち可能性のあるもの全てを含み、各プライマーに開裂可能に
    付着する質量標識が可変配列と関連可能であり、該可変配列が、配列されるべき
    特定の鋳型と関連可能である、請求項5又は請求項6記載の方法。
  14. 【請求項14】 プールされたフラグメントを選別する工程が、該フラグメ
    ントを空間的に分離されたオリゴヌクレオチドのアレイと接触させることを含み
    、該オリゴヌクレオチドはその各々がフラグメントのプライマー配列と相補的な
    共通配列及び共通の長さの可変配列を含む塩基配列を有し、該アレイが共通の長
    さの可変配列のうち可能性のあるもの全てを含む、請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 反応帯が別々の容器である、請求項4〜請求項7のいずれ
    か1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 ヌクレオチドの混合物がATP、TTP、CTPおよびG
    TPを有する請求項3〜請求項10又は請求項13〜請求項15のいずれか1項
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 修飾ヌクレオチドがジデオキシ−またはデオキシヌクレオ
    チドである請求項2〜請求項10又は請求項13〜請求項16のいずれか1項記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 プライム化DNAが固体支持体上に固定化される、請求項
    2〜請求項17のいずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 その長さに基づいてフラグメントを分離する工程を、毛細
    管電気泳動により行う、前記請求項のいずれか1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 各々の質量標識が、質量分析計の中で開裂可能なリンカー
    によってフラグメントに開裂可能に付着されている、前記請求項のいずれか1項
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 (a)プライム化DNA一本鎖鋳型を供給する工程; (b)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を 形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチドの混合物と接
    触させる工程であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオ
    チドを全て含む4つ1組のプローブを有し、該鋳型において各プローブのヌクレ
    オチドが第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防
    ぐように可逆的にブロックされた修飾ヌクレオチドを有し、該接触工程が第二の
    DNA鎖のうち可能性のある長さを全て含む一連の鋳型を形成し、各々の第二の
    鎖がプローブの一つで終結している工程; (c)重合しなかったヌクレオチドを除去する工程; (d)修飾ヌクレオチドを脱ブロッキングする工程; (e)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドプローブのアレイと接触させて一連のフラ グメントを形成する工程であって、各々のオリゴヌクレオチドプローブが2〜6
    の共通の長さのヌクレオチド配列を有し、配列のすべての組合せがアレイ中に存
    在し、各プローブがヌクレオチド配列を同定する質量分析計で特異的に分解可能
    な質量標識であって対応する質量標識に開裂可能に付着している工程; (f)フラグメントをそれらの長さを基にして互いに分離する工程; (g)各々のフラグメントを開裂してその質量標識を脱離する工程;および (h) 質量分析計によって各々の質量標識を決定して、鋳型の配列を導き出すよう
    に、対応するヌクレオチド配列を鋳型中の位置に関連づける工程を有する、DN
    Aの特性決定法。
  22. 【請求項22】 (a)複数のプライム化DNA一本鎖鋳型を各々特異的な濃 度で供給する工程; (b)DNAポリメラーゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を 形成するための鋳型とハイブリッド化するのに充分なヌクレオチドの混合物と接
    触させる工程であって、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する4つのヌクレオ
    チドを全て含む4つ1組のプローブを有し、該鋳型において各プローブのヌクレ
    オチドが第二のDNA鎖と重合可能であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防
    ぐように可逆的にブロックされた修飾ヌクレオチドを有し、該接触工程が第二の
    DNA鎖のうち可能性のある長さを全て含む一連の鋳型を形成し、各々の第二の
    鎖がプローブの一つで終結する工程; (c)重合していないヌクレオチドを除去する工程; (d)修飾ヌクレオチドを脱ブロッキングする工程; (e)一連の鋳型をオリゴヌクレオチドプローブのアレイと接触させ一連のフラグ メントを形成する工程であって、各オリゴヌクレオチドプローブが2〜6の共通
    の長さのヌクレオチド配列を有し、配列のすべての組合せがアレイ中に存在し、
    各プローブが、ヌクレオチド配列を同定する質量分析計で特異的に分解可能な質
    量標識であって対応する質量標識に開裂可能に付着している工程; (f)フラグメントをそれらの長さを基にして互いに分離する工程; (g)各々のフラグメントを開裂してその質量標識を脱離する工程;および (h) 質量分析計によって各質量標識の同定及び量を決定して、鋳型の配列を導き
    出すように、対応するヌクレオチド配列をそれぞれの鋳型中の位置と関係づける
    工程を有する、DNAの特性決定法。
  23. 【請求項23】 (a)プライム化DNA一本鎖鋳型を供給する工程; (b)DNAリガーゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成 するため鋳型とハイブリッド化するのに充分なオリゴヌクレオチド混合物と接触
    させる工程であって、該オリゴヌクレオチドはその各々が2〜6の範囲の共通の
    長さを有し、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する共通の長さ1の可能性のあ
    るオリゴヌクレオチドを全て含む1組のプローブを有し、該鋳型において各プロ
    ーブのオリゴヌクレオチドが第二のDNA鎖と結合可能であるが第二のDNA鎖
    との更なる結合を防ぐようにブロックされており且つ修飾オリゴヌクレオチドを
    同定する質量分析計で特異的に分解可能な質量標識であって且つ対応する質量標
    識と開裂可能に付着している修飾オリゴヌクレオチドを有し、接触工程が1の整
    数倍の第二のDNA鎖のうち可能性のある長さのものを全て含む一連のフラグメ
    ントを形成し、各フラグメントがプローブの一つと終結する工程; (c)フラグメントをその長さを基にして互いに分離する工程; (d)各フラグメントを開裂させてその質量標識を脱離させる工程;及び (e) 質量分析法によって各々の質量標識を決定して、鋳型の配列を導き出すよう
    に、対応するオリゴヌクレオチド配列を鋳型中の位置と関連づける工程を有する
    、DNAの特性決定法。
  24. 【請求項24】 (a)各々が特異的な濃度のプライム化された複数のDNA 一本鎖鋳型を供給する工程; (b)DNAリガーゼの存在下、鋳型を、該鋳型と相補的な第二のDNA鎖を形成 するため鋳型とハイブリッド化するのに充分なオリゴヌクレオチド混合物と接触
    させる工程であって、該オリゴヌクレオチドが2〜6の範囲の共通の長さを有し
    、該混合物が、鋳型とハイブリッド化する共通の長さ1の可能性のあるオリゴヌ
    クレオチドを全て含む1組のプローブをさらに有し、該鋳型において各プローブ
    のオリゴヌクレオチドが、第二のDNA鎖と結合可能であるが第二のDNA鎖と
    の更なる結合を防ぐようにブロックされており且つ修飾オリゴヌクレオチドを同
    定する質量分析法で特異的に分解可能な質量標識であって且つ対応する質量標識
    に開裂可能に付着している修飾オリゴヌクレオチドを有し、接触工程が1の整数
    倍の第二のDNA鎖のうち可能性のある長さのものを全て含む一連のフラグメン
    トを形成し、各フラグメントがプローブの一つで終結する工程; (c)フラグメントをその長さを基にして互いに分離する工程; (d)各フラグメントを開裂させてその質量標識を脱離させる工程;及び (e) 質量分析法によって各々の質量標識の同定及び量を決定して、鋳型の配列を
    導き出すように、対応するオリゴヌクレオチド配列をそれぞれの鋳型中の位置と
    関連づける工程を有する、DNAの特性決定法。
  25. 【請求項25】 各プローブが、鋳型に相補的な第二のDNA鎖と重合可能
    であるが第二のDNA鎖との更なる重合を防ぐためにブロックされている修飾ヌ
    クレオチドまたはオリゴヌクレオチドを有し、該修飾ヌクレオチドまたはオリゴ
    ヌクレオチドが、該修飾ヌクレオチドを同定する質量標識と開裂可能に付着し、
    各質量標識が質量分析計でプローブから開裂可能であり、且つ質量分析により分
    解可能であり、対応する修飾ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドと関連可能
    である、請求項1〜請求項22のいずれか1項記載の方法におけるプローブまた
    は1組のプローブの使用。
  26. 【請求項26】 請求項1、2、5、6、7または13のいずれか1項記載
    の方法における1組のオリゴヌクレオチドプライマーの使用であって、各プライ
    マーが、プライム化鋳型を形成するDNA一本鎖鋳型とハイブリッド化するオリ
    ゴヌクレオチドプライマー塩基配列と開裂可能に付着した質量標識を有し、該1
    組中の各質量標識が、質量分析計でプライマーから開裂可能であり、質量分析に
    より1組中でそれぞれ他の質量標識と関連して特異的に分解可能であり、オリゴ
    ヌクレオチドプライマー塩基配列と関連可能である、上記使用。
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