JP2001507642A - インクジェットプリンタのインクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 インクシステム８は、溶融した固形インクをインクジェットプリンタへ供給する。このシステムは、インク溜１０と、インク溜１０に蓄えられた溶融インクの液面を検出するためのインクセンサ１１と、固形インクを収容するための複数の室３を備えるインクカートリッジ１とを有する。接続部は、固形インクカートリッジ１をインク溜１０に取外し可能に接続し、ヒーター６は、各インク室を選択的に加熱する。制御部２０は、接続部を介してインク溜１０に溶融したインクを供給するために、各インク室３を選択的に加熱制御して、各インク室３に収容されたインクを溶融させ、又全ての室３が空になったときにインク切れ信号を発する。

Description

【発明の詳細な説明】 インクジェットプリンタのインクカートリッジ 技術分野 本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、インクジェットプリンタに インクを供給するためのインクカートリッジシステムに関する。 背景技術 インクジェット印刷に使用されるタイプの固形又は加熱溶融インクは、室温で は固体である。インクが加熱されたときインクは溶融して、インクジェット印刷 に供される。 一般にインクジェットプリンタは、固形インクが加熱されたインク溜手段によ って保持される。固形インクのインク溜を利用するインクジェットプリンタにお いては、インクがインク溜に補給される際に、インクが汚染されるという問題が 生じることがある。米国特許４８２３１４６号は、かかるインクの汚染を低減す るための装置について記載している。この装置は、封止されたカートリッジから ，直接インク溜に固形インクが入れられることを可能とする入口を備えている。 明らかに、米国特許４８２３１４６号に記載されているような開口した入口では 、依然としてインク溜内において、インクの汚染が生じる可能性がある。 更に、印刷動作中、インク溜は、常にインクが溶融するに十分な温度に保たれ ている。従って、全てのインク供給はインク溜内部にて行われるために、インク の全てが高温に保たれ、長時間経過すると、インクの質が低下してしまう恐れが ある。プリンタの大部分も又高温に保たれており、膨大な電力消費が生じている 。 本発明はインクの汚染を低減し、溶融状態に保たれたインクの体積を減少させ ることにより電力消費とインクの質低下を低減することを目的とする。 発明の開示 本発明は、インクジェットプリンタに個体インクを溶融して供給するインクシ ステムであって、 インク溜と、 該インク溜内の溶融インクの液面を検出するためのインクセンサと、 それぞれに固形インクが収納される複数のインク室を有するインクカートリッ ジと、 該インクカートリッジと該インク溜とを取外し可能に接続する接続手段と、 それぞれのインク室を選択的に加熱する加熱手段と、 それぞれのインク室に収納されたインクを溶融して該接続手段を介して該イン ク溜にインクを供給するために、各インク室を選択的に加熱制御するとともに、 全てのインク室が空になったときにはインク切れ信号を出力する制御手段とを備 えている。 好ましい態様として、該制御手段が選択的な加熱を制御する工程としては、 該インク溜内部の溶融インクの量に応じたインク要求信号を受信する工程と、 既に加熱され、固形インクが充満していないインク室を決定する工程と、 加熱手段に対して、固形インクが充満されているインク室を加熱するよう命令 する工程と、 インク要求信号が未だ受信され続けている場合には、更に別の固形イン クが充満されているインク室を加熱するように加熱手段に命令する工程とを備え ている。 接続手段は、インクカートリッジのインク通路との密封接続を形成するための カギ部（barb）を備えるのが好ましい。 溶融したインクの吐出を容易にするために、各インク室に圧力を加えるための 加圧手段を備えるのが好ましい。この加圧は、インク室に連続して配置された１ 又は２以上のバネか、又は、押しつぶされることが可能なインク室を包囲する圧 縮ガスにより達成できる。 それぞれのインク室を加圧する加圧手段は、インクカートリッジ内部又は外部 に備えられる。 加熱手段はインクカートリッジ内部又は外部に備えられる。 本発明は更に、外装ケースと、 密封されたインク室にそれぞれ収納された複数の固形インクペレットと、 各インク室に接続されたインク通路とを備える固形インクカートリッジを提供 する。 このように、本発明は、清潔で汚染のない交換可能なインクカートリッジと、 そのようなインクカートリッジから少しずつインクを供給してエネルギー効率の 高いインク供給システムを提供している。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の実施の形態を示す概要図である。 図１ａは、図１のインクカートリッジの断面を示す概要図である。 図２は、本実施の形態によるインクカートリッジの斜視図である。 図３は、他の実施の形態によるインクカートリッジの斜視図である。 図４は、本実施の形態によるインクカートリッジの接続手段の分解図で ある。 発明を実施するための最良の形態 図１、図１ａは、固形インクカートリッジシステム８と、それに備えられた固 形インクカートリッジ１を示す。インクペレット２は、インク室３の内部に密封 されており、インク室３に隣接してバネ４が配置されている。インク室３はイン ク通路５に接続されている。インクカートリッジは、ハウジング７を有し、ハウ ジング７は、インクカートリッジシステム８にインクカートリッジ１を正確に配 置するよう構成される。これは、インク通路５の中にてカギ部（barb）９の位置 を適切にするためであり、また、複数のインク室３とインクペレット２に対して 、複数のヒーター片６の位置を正確に合致させるためである。 インクカートリッジが所定の位置に装着され、制御手段２０がインク面センサ １１からのインク要求信号を受け取ると、インク溜１０にインクが供給される。 制御手段２０は、ヒーター片６に対して、所定の時間の間インクペレット２を収 容したインク室３を加熱するよう命ずる。ここに言う所定の時間とは、ヒーター 片の加熱が停止される前に、全てのインクが溶融され、インク室からインクが吐 出されるような時間である。ヒーター片６の加熱が停止されても、インク要求信 号が受け取られ続けていた場合、更に、他のインク室３に収容されたインクペレ ットが溶融される。この溶融は、インク要求信号が停止するか、あるいはインク カートリッジ１に残されたインクペレット２がなくなるまで続く。インクカート リッジ１のインクペレット２がなくなったときには、制御手段２０はインク切れ 信号を出力する。インクカートリッジが装着されているか否かを検出するセンサ も設けられており、インクカートリッジが装着されていない場合にインク切れ信 号が出力される。 溶融したインクは、バネ４の付勢力によって、インク室３から排出される。バ ネ４により、図示せぬ硬質プレートを介して、約２０Ｎ（ニュートン）の力が、 各インク室３の外壁に作用する。図示せぬ硬質プレートは、均一な圧力がかけら れるようにするためのものである。溶融したインクは、カギ部が位置するインク 通路５内に排出される。インクはカギ部９を通過し、加熱されたホース２１を通 過して、インク溜１０へ流れ込むよう構成される。インクは、要求に応じて、こ こからインク出口１３を通じて印字ヘッド１２へ供給される。インク溜は、全て の供給用インクをその中に収容しなければならなかった従来のインク溜と比較し て、容量は小さい。 図２に示される実施の形態のインクカートリッジでは、６個のインクペレット １４が、インクカートリッジ１６のインク室１５内部に備えられている。インク 室１５は、金属薄片により形成されているため、インクを排出するために圧力が かけられると、インク室１５は押しつぶされる。ケーシング（インクカートリッ ジ）１６は、カギ部９がインク通路１７に対し正確に配列されるように、対応す る容器に接続する形状をなしている。 他の実施の形態によるインク室１５は、図３に示されるように、錬り歯磨きチ ューブに見られるような、薄壁の複数の軟膏チューブの形状に形成される。この 例では、これらのインク室の形状に起因する不使用インクの量を低減するため、 各インク室１５にスラグ(slug)を充填するようにしてもよい。更に、同じくイン クが溶融したときにインクの排出を促進するために、バネが各チューブの外表面 上をインク排出口たるチューブの端部に向かって移動し、チューブを平坦に押し 伸ばしてインクを絞り出すようにしてもよい。 これらの実施の形態のいずれにおいても、隔壁１８がインク通路１７上の定位 置に保持されている。カギ部９が隔壁１８を突き通してインク通路１７と接続さ れたとき、インクはカギ部９を介してカートリッジから流れ るよう構成されている。図４の分解図に示されるように、隔壁１８は保持具１９ により定位置に保持される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１２月２日（１９９８．１２．２） 【補正内容】 請求の範囲 １．インク溜と、 該インク溜内の溶融インクの液面を検出するためのインクセンサと、 それぞれに固形インクが収納される複数のインク室を有するインクカートリッ ジと、 該インクカートリッジと該インク溜とを取外し可能に接続する接続手段と、 それぞれのインク室を選択的に加熱する加熱手段と、 それぞれのインク室に収納されたインクを溶融して該接続手段を介して該イン ク溜にインクを供給するために、各インク室を選択的に加熱制御する制御手段を 備えたインクジェットプリンタに個体インクを溶融して供給するインクシステム であって、 該制御手段は、全てのインク室が空になったときにはインク切れ信号を出力す ることを特徴とするインクシステム。 ２．該制御手段が選択的な加熱を制御する工程として、 該インク溜内部の溶融インクの量に応じたインク要求信号を受信する工程と、 既に加熱され、固形インクが充満していないインク室を決定する工程と、 加熱手段に対して、固形インクが充満されているインク室を加熱するよう命令 する工程と、 インク要求信号が未だ受信され続けている場合には、更に別の固形インクが充 満されているインク室を加熱するように加熱手段に命令する工程とを備えている ことを特徴とする請求項１記載のインクシステム。 ３．該接続手段は、該インクカートリッジのインク通路との密封接続を 形成するためのカギ部を備えることを特徴とする請求項１又は２記載のインクシ ステム。 ４．各インク室に圧力を加えるための加圧手段を備えることを特徴とする請求 項１乃至３のいずれか１記載のインクシステム。 ５．該加圧手段は、インクカートリッジ内部に備えられることを特徴とする請 求項４記載のインクシステム。 ６．該加圧手段はインクカートリッジの外部に備えられることを特徴とする請 求項４記載のインクシステム。 ７．該加圧手段は、該インク室に連続して配置された１又は２以上のバネを備 えることを特徴とする請求項４乃至６のいずれか１記載のインクシステム。 ８．該加圧手段は、該インク室を包囲する圧縮ガスを備え、該インク室は押し つぶされることが可能な壁を備えることを特徴とする請求項４乃至６のいずれか １記載のインクシステム。 ９．該加熱手段はインクカートリッジ内部に備えられることを特徴とする請求 項１乃至８のいずれか１記載のインクシステム。 １０．該加熱手段はインクカートリッジの外部に備えられることを特徴とする 請求項１乃至８のいずれか１記載のインクシステム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．インクジェットプリンタに個体インクを溶融して供給するインクシステム であって、 インク溜と、 該インク溜内の溶融インクの液面を検出するためのインクセンサと、 それぞれに固形インクが収納される複数のインク室を有するインクカートリッ ジと、 該インクカートリッジと該インク溜とを取外し可能に接続する接続手段と、 それぞれのインク室を選択的に加熱する加熱手段と、 それぞれのインク室に収納されたインクを溶融して該接続手段を介して該イン ク溜にインクを供給するために、各インク室を選択的に加熱制御するとともに、 全てのインク室が空になったときにはインク切れ信号を出力する制御手段と、を 備えたことを特徴とするインクシステム。 ２．該制御手段が選択的な加熱を制御する工程として、 該インク溜内部の溶融インクの量に応じたインク要求信号を受信する工程と、 既に加熱され、固形インクが充満していないインク室を決定する工程と、 加熱手段に対して、固形インクが充満されているインク室を加熱するよう命令 する工程と、 インク要求信号が未だ受信され続けている場合には、更に別の固形インクが充 満されているインク室を加熱するように加熱手段に命令する工程とを備えている ことを特徴とする請求項１記載のインクシステム。 ３．該接続手段は、該インクカートリッジのインク通路との密封接続を形成す るためのカギ部を備えることを特徴とする請求項１又は２記載の インクシステム。 ４．各インク室に圧力を加えるための加圧手段を備えることを特徴とする請求 項１乃至３のいずれか１記載のインクシステム。 ５．該加圧手段は、インクカートリッジ内部に備えられることを特徴とする請 求項４記載のインクシステム。 ６．該加圧手段はインクカートリッジの外部に備えられることを特徴とする請 求項４記載のインクシステム。 ７．該加圧手段は、該インク室に連続して配置された１又は２以上のバネを備 えることを特徴とする請求項４乃至６のいずれか１記載のインクシステム。 ８．該加圧手段は、該インク室を包囲する圧縮ガスを備え、該インク室は押し つぶされることが可能な壁を備えることを特徴とする請求項４乃至６のいずれか １記載のインクシステム。 ９．該加熱手段はインクカートリッジ内部に備えられることを特徴とする請求 項１乃至８のいずれか１記載のインクシステム。 １０．該加熱手段はインクカートリッジの外部に備えられることを特徴とする 請求項１乃至８のいずれか１記載のインクシステム。 １１．外装ケースと、 密封されたインク室にそれぞれ収納された複数の固形インクペレットと、 各インク室に接続されたインク通路とを備えることを特徴とする固形インクカ ートリッジ。