JP2001506909A - モールド成形可能な管状の治療用取り付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、整形外科及び神経科の分野で使用される可撓性の多重取り付け具である管状の治療用装置に関する。装置は人体のある部分、主として上肢の機能を維持し、位置決めし、支持し、保護し、矯正し、リハビリテーションし、予防し、楽にし、及び／叉は、代替えする目的を有する整形外科用具である。装置は補強部（３）により安定に保たれる１叉はそれ以上の柔軟な支持部（２）と、２つの両側のターミナル（４）とを備えた可撓性のケーブル（１）を有し、ターミナルの１つが付属品のための受け取りターミナルとなっており、可撓性のケーブル（１）が円形横断面を持つ可撓性材料のチューブ（１'）を有し、円形横断面の上記ターミナル（４）の圧入取り付けのためのローレット端部を有する可撓性の金属ロッド（５）がチューブ内に挿入される。

Description

【発明の詳細な説明】 モールド成形可能な管状の治療用取り付け装置 発明の分野 本発明は整形外科及び（又は）神経性患者のための新規なモールド成形可能な 治療に用いる整形外科用の取り付け装置に関する。この装置は人体、主として上 肢の任意の機能を保護し、矯正し、再教育し、予防し、楽にし、及び／又は、代 替えするために補助を行ったり支えたり適所に配置したりすることを主目的とす る整形外科用具（orthesis）である。 本発明の新規なモールド成形可能な治療に用いる整形外科用の取り付け装置は 上肢、首、胴体及び下肢にぴったり合うように治療用の位置決めを行うことがで きる。本発明の装置は可撓性の特徴を有し、単純だが実用的な形として必要にな るかもしれない任意の変化を受けることができる。 更に、本発明の新規なモールド成形可能な治療に用いる整形外科用の取り付け 装置はすべての種類の機能障害に対して手や指や前腕のような上肢の治療用位置 決めに特に適する。本発明の装置はすべての従来のモデルを適切に代替えし、そ え木、ベスト、カラー等の整形外科用具の分野における進歩を提供する。この装 置は病理状態の進行又は退化に応じて変化することができる初期の治療用位置決 めを行うことができ、または、重要な防護手段としても作用する。本発明の装置 はまた、手の把持を代替えするように開発される。 発明の背景 身体障害者にとって有効な斡旋手段としていくつかの技術が整形外科及び神経 科の歴史にわたって開発されてきた。 使用される最も普通の技術は、実質上、木、ゴム、発泡材及ぴプラスチック材 料で作られ、革、布又はベルクロ（Velcro商標名）の細長い片で締結され、例え ば刃物類、鉛筆、ワックスチョーク及び剃刀上に置かれる肉厚ケーブルの製造で あった。しかし、このような使用は、力の弱い把持、又は、脳性麻庫、AVC後遺 症、頭蓋外傷後遺症等を持つ患者達に特に共通の筋肉のトーヌスを修正する関連 する反応の開放にとって障害となる。そのうえ、極めて希ではあるが、このよう な装置は負傷した手に取り付けられることがあり、この場合は、手の不十分な位 置決めを回避するのが不可能である。 ベルクロ及び革の包帯も使用される。更に、そえ木は熱モールド成形された材 料から作るが、整形外科用具を製造するために多くの取り扱いが必要である。こ れらの熱可塑性の装置は手のひら及び手の甲を完全に覆うが、体裁が悪く、極め て希には、手の擦過する領域に擦り傷及び傷を生じさせ、感触についての感覚機 能及び物を認識できる記憶の使用の障害になる。また、腫れ物や発汗による不快 感を与えることもある。 脳性麻庫痙撃、ジストニー、ヒヨレア（無踏症）、アセトーゼ、脊椎に起因す る四肢麻痺を持つ重度の身体障害者や筋肉栄養障害、脱髄、奇形、重度の火傷、 関節リウマチ、パーキンソシ病等を持つ患者は、上肢全体が電動制御されない場 合、全体として手を使用することが不能である。 これらのタイプの装置を製造する最も普通の技術は、冒された肢体の適当な測 定、紙面への作図、ある場合はかなりの痛みを伴う傷ついた肢体のギブス（石膏 模型）の製作、石膏の鋳造の改善、鋳造物の除去、アルミニウム、革、ネオプレ ン又は類似材料によるそえ木の製造、キャッチ（catches）、ワッシャ、ベルク ロを伴う装置の提供を必要とし、その後に、この装置を用いて多くの試験を行う 必要がある。普通、各個人にとって特定の剛直な構造を有する最終的な製品を得 るためにいくつかの工程を実行し、多数の素子を使用する。このような装置が特 定の病理の時期に製造された場合、重量（減少又は増大）や寸法（子供や若者の 場合）に関して、臨床状態が変化したり、人間工学的な変化が生じると、整形外 科用具が新たな寸法に合わなくなり、新たな整形外科用具を製造する必要が生じ る。 他のプラスチック変形技術を使用して、特定の集団の通常のパラメータに適合 させるような測定の尺度（で提供される）特定の病理のためのあるモデルを得る ことができる。しかし、この技術では、人間工学的又は解剖学的な調整を行うこ とができない。また、この技術は、なんらかの通気装置を備えておらず、普通、 冒された肢体や関節の大きな領域を覆うため、著しいいらだちを伴う。 改善された技術はプラスチックシートの低温熱モールド成形であるが、この技 術は著しく正確な測定、ペーパーモールドの製造、切断、加熱、及び、冒された 肢体への高温状態のままでの製品の適用を必要とする。その後、装置を硬化させ 、縁部を研削し、構造的な支持体及びベルクロを設置することにより装置を仕上 げる。ある場合は、材料の硬度の点から、ベスト、カラ叉はそえ木の内側に保護 フィルムを施し、また、個人の解剖学的な成長に伴う皮膚についての問題を回避 しなければならない。最初に述べた技術はそれぞれの場合毎及びそれぞれの個人 毎に固有のものであって、熱モールド成形材料の性質を選択しているので、装置 は約８ヵ月以内に変化を受け、脆くなる。 別の技術は米国特許第４６１７９２１号明細書に開示されており、可撓性のコ ンパートメントのみからなる固定の構造体に言及しており、この構造体は、その 内部に、一組のロッド（ダイス材料と呼んでいる）と、上述のロッドを取り囲み （固体叉は液体に拘わらず）その物理的状態に応じて、即ち、受けている温度に 応じて、構造体に形状を与える熱可塑性の物品とを収容している。この装置は複 雑な構造を有するので、処置中の肢体に火傷を生じさせないように、製造者及び この技術で完全な訓練を受けなければならない療法士により加熱を厳格に制御す る必要がある。作業場所における（叉は、降雨中でさえ）温度の普通の変動を回 避するため、内部のロッド及びその形状（編み合わされたもの、捩られたもの等 ）を注深く選択しなければならない。熱可塑性材料は繰り返しの加熱及び冷却サ イクルに耐えられるものでなければならず、良好な熱伝導性を有するものでなけ ればならず、一方、外部のコンパートメントは膨張しないようにしなければなら ない。この装置を製造するためには、熱源及び冷却源が必要である。それ故、患 者の安全を保証するためにこの構造体の温度の正確な監視が必要となる。 それ故、現在まで、第三者の助けを借りずに、紙面上に描写又は作画でき、数 字や物を書いたり指さしたりでき、及び（又は）何かを掴んだりできるように、 任意の種類の自立性を提供するような上肢のためのアダプタ又は特殊な装置とし て有用な手段は存在しない。 発明の簡単な説明 本発明の目的は、上述の欠点を有さず、有効に適用できるような治療用に使用 する装置を提供することである。 本発明の別の目的は、支持及び取り付け手段と、取り付け、再取り付け及び付 属品の交換のための迅速かつ容易な手段とを備え、そのうえ、感覚ある接触を維 持することにより前腕及び手を有効に位置決めでき、必要なら、残りの筋肉系を 使用する機会を与えることのできる、治療への応用のための装置を提供すること である。 本発明の装置は美的な観点から極めて望ましい。装置は奇形を防止し、治療中 、より完成した把持能力を高めるために使用できる。また、装置は、年が経つう ちに神経障害を持つ人を傷つける虞れのある関連する反作用を禁止し、多くの場 合、強い把持、中間の把持又は弱い把持を容易にする助けとなる。また、装置を 弾性手段と組み合わせた場合、この装置は指を曲げたり伸ばしたりするための運 動具として使用することができる。手の機能を失った人の場合は、本発明の装置 をフォーク、スプーン、ナイフ、櫛、ヘアブラシ、絵筆、ペン及び任意の他の用 具と組み合わせたときには、本発明の装置はこれらフォーク等の代わりをなすこ とができ、そのうえ、運動具及び整形外科用の固定そえ木でもある静的又は動的 な整形外科用具となる。 本発明の装置は、必要なときに、これを調整することにより、その初期の解剖 学的な状態を予期せぬ、又は一時的に障害のある状態叉は状況に変え、または、 単に無力の進展的な状態に変える能力を有する。装置は軽量であり、また、基本 的に管状形状のため肢体の小さな部分のみを覆うので、感覚領域を重んじ、身体 の支持という点を重んじる。少ない領域を覆うことにより、また、張力及び圧力 を十分に分布させることにより、本発明の装置は、従来技術とは異なり、人体の 特定の部分を熱モールド成形材料で隠さないので、描いている人体のイメージを そのまま維持させる。従って、人の自然皮膚呼吸を助けることにより、肢体のよ り大きな通気性を可能にする。 本発明は現在知られているどの技術によっても見つけだすことのできない概念 を有する。その理由は、各個人の人間工学的及び解剖学的な形態に調整する必要 が生じたときには、その初期の形状を変化させる能力を装置に与えているからで ある。本発明の装置は実用的で、加熱又は冷却制御を必要としない。また、リサ イクル可能であり、調整可能であり、可撓性があり、取り付けでき、取り外しで きる。各個人の病理状態における固有の条件を満たす。 精密な特徴及びそれに伴う正確な取り付け能力を有する本発明の装置はリハビ リテーションの分野で多くの顕著な利点を与える。 当分野の技術状態では、異なる応用に対して適したいくつかの形状をとること ができるようにさせる熱モールド成形又は変形特性を有する材料を使用する。し かし、これらの技術は再調整できないばかりか、中間及び固有の進展的なプロセ スの熱モールド成形にとって融通性又は適応性を有しない。それぞれの新たな応 用又は臨床状態に対しては、別の装置の製造が必要となる。 図面の簡単な説明 第１図は「ターミナル」を備えた装置の分解部品側面図、 第２図は「ターミナル」を備えた装置の側面図、 第３図は「ジョイント」を備えた装置の分解部品側面図、 第４図は「ジョイント」を備えた装置の側面図、 第５図は「ジョイントー」及びＴ字形連結部を備えた装置の側面図、 第６、７及び８図は「ターミナル」を備えた好ましい装置の種々の形状を示す 図、 第９図は交換可能な付属品無しに傷ついた人の手上に適正に配置されたターミ ナルを備えた装置を示す図、 第１０図は手の運動を補助する交換可能な付属品を備えた装置を示す図、 第１１図は付属品の取り付け及び付属品受け取りターミナルの動きを示す詳 細図、 第１２図は第８図の装置を除いたターミナル付きのすべての装置に用いる１６ 種類の交換可能な付属品を示す図、 第１３、１４、１５、１６、１７、１８及び１９図は「ジョイント」を備えた 装置の種々の好ましい形状を示す図、 第２０図は靭帯及び筋肉の萎縮を避けるために病院のベッド上に設置した「ジ ョイント」及びＴ字形連結部を備えた装置を示す図、 第２１図は適当な歩行位置に足を位置させるための「ジョイント」及びＴ字形 連結ターミナルを備えていない装置を示す図である。 発明の詳細な説明 第１、２図によれば、本発明の装置は１叉はそれ以上の柔軟な支持部（２）を 備えた可撓性のケーブル（１）有し、支持部（２）は２つの両側の端子即ちター ミナル（４）を具備した補強部（３）を介して安定化される。ターミナル（４） の１つは任意の付属品１つのための受け取りターミナルとして使用できる。 可撓性のケーブル（１）は円形の横断面を有する可撓性材料のチューブ（１' ）を備え、円形横断面のターミナル（４）の圧入取り付けのためのローレット端 部を備えた可撓性の金属ロッド（５）がこのチューブ内に挿入される。 第３、４図に示すように、本発明の装置は第１、２図と同じ素子を有するが、 この構成においては、第１、２図のターミナル（４）の代わりに、円形横断面の ジョイント（６）を備え、このジョイントは圧入により金属ロッド（５'）のロ ーレット端部を取り付けている。普通、ジョイント（６）は補強部（３'）によ り適度に安定化された柔軟な支持部（２'）で覆われる。ジョイント（６）を備 えたこの構成においては、冒された人体部分のさらなる接触及び快適さを保証す るために１以上の柔軟な支持部が使用される。 可撓性のケーブル（１）及び（１'）並びに支持部（２）及び（２'）は人体の 冒された部分に装置を快適に取り付けると共に、良好な姿勢のための必要な角度 を提供する目的を有する。従って、上述の従来のモールド成形及び再モールド成 形技術は、可撓性のため人体の冒された部分を包むことができると同時に、必要 な程度にその形状、支持及び機能の修正もできる装置により表される特徴である 。 前述の「ターミナル」付属品の交換手段は、日常の使用に必要な多数の器具、 工具及び用具を受け入れる目的を有する。本発明の目的をなす装置が可撓性であ るため、なんらの準備作業を必要とせずに最も十分で機能的な位置へ装置をモー ルド成形できる。 本発明の多可撓性の人間工学的な治療用装置は、冒された肢体又は関節上に装 置をゆっくり配置する必要があり時には多少の迅速な調整を行う必要があるよう な予備モールド成形バージョンによるモールドの製造を必要としない。 使用する材料及び製造しようとする方法については、本発明の装置は、殺菌す ることができるので、水治療法に対して有用である。 簡単なロッド形状の装置はその最終的な使用に応じて異なる長さ及び直径に変 えてて製造できる。 桶、そえ木、カラー又は整形外科用具を作るために本発明の装置を使用する医 師、治療士又は整形外科医は病理及び矯正的又は防止的な治療手続きに固有の知 識を必要とするだけである。それ故、融通性を考えた場合に、本発明の装置の有 用性及びその低価格が判明し、その製造のための実用的な専門技術をなんら必要 とせず、従来技術における時間の無駄を省き、負傷した人間に対してさらなる利 益を与える。 病理の全体を通して、単一の整形外科用具によりすべての必要性がカバーされ るので、本発明は極めて経済的であることが分かる。 更に、本発明の装置は他の部分を運動可能にした状態での任意の関節の固定に より、多くの緊急の後処理及び緊急事態において大なる有用性がある。 それ故、本発明の装置は主として以下の理由により従来の技術よりも際立って いる。 −支持体が小さな接触領域のみで重なり、圧迫及び擦り傷を回避する。 −固定された場所に隣接する関節を自由に動かせる。 −大半の感覚領域が覆われておらず、自由に動かせるため、感覚機能が損な われない。 −外観は、強調したように、肢体の小さな領域のみが覆われるため、冒された 肢体の美観を維持する。 −自己イメージに関しては、そえ木を本発明の技術で作った場合に、傷ついた 肢体の解剖学的な輪郭に沿って完全に適合する化合物製品のみからなるので、患 者は本来の自分の手の形状のままでいられる。 −「透明」であるため、そえ木を取り外すことなく、外傷した肢体のリハビリ テーション及び臨床発達の程度を追求でき、腫れあがった領域の再発及び感覚の 復帰を追求できる。 −使用の範囲が、数ある中で整形外科、外科、物理療法、作業療法における将 来的に固定を行う教育工具として広まっている。 −リサイクル可能であり、調整可能であり、可撓性があり、取り付けでき、再 取り付けできる材料で作られる” −外科用の固定又は位置決めのため、肢体の機能を評価する予備のそえ木とし て使用できる。 −ある一定期間にわたって試験することができ、患者の便宜に応じて微調整で きるように、重度の障害の場合に、卓越した点を見つけだす際の微調整ができる 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジスレイニ マルチン パイロット ブラジル国、サンパウロ、コチア、06700 ―000、カーザ61、1074、フーア ジオゴ アールバリエス

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． モールド成形可能な管状の治療用取り付け装置において、補強部を介して 安定に保たれたｌ叉はそれ以上の柔軟な支持部と、２つの両側のターミナルとを 備えた可撓性のケーブルを有し、上記ターミナルの１つが付属品のための受け取 りターミナルとなっており、上記可撓性のケーブルが円形横断面を持つ可撓性材 料のチューブを有し、円形横断面の上記ターミナルの圧入取り付けのためのロー レット端部を有する可撓性の金属ロッドが上記チューブ内に挿入されていること を特徴とするモールド成形可能な管状の治療用取り付け装置。 ２． 請求の範囲第１項に記載のモールド成形可能な管状の治療用取り付け装置 において、人体の任意の部分、主として上肢の機能を維持し、位置決めし、支持 し、保護し、矯正し、再教育し、予防し、楽にし、及び／又は、代替えすること を特徴とするモールド成形可能な管状の治療用取り付け装置。 ３． 請求の範囲第１項及び第２項に記載のモールド成形可能な管状の治療用取 り付け装置が、リサイクル可能であり、調整可能であり、可撓性があり、取り付 けでき、再取り付けできる材料で作られることを特徴とするモールド成形可能な 管状の治療用取り付け装置。 ４． 請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の装置は使用において、 上肢、手、指及び前腕の治療用の位置決めを行う目的を有し、任意の種類の機能 障害のためのものであることを特徴とする装置。 ５． 請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに記載の装置は使用において、 神経性障害を持つ患者に対して害を与えるかもしれない関連反作用をおこさない ものであることを特徴とする装置。 ６． 請求の範囲第１項ないし第５項のいずれかに記載の装置は使用において、 弾性手段と組み合わせたときに、指を曲げたり伸ばしたりするための運動具のよ うに作用することを特徴とする装置。