【発明の詳細な説明】
新規な複素環置換ピロリジンアミド誘導体
本発明は、新規な複素環置換ピロリジンアミド誘導体(以下式(1)の化合物と
称する)およびその立体異性体および製薬上許容しうるその塩およびタキキニン
受容体拮抗剤としてのその使用に関する。このような拮抗剤は喘息、咳および気
管支炎を含むタキキニン媒介の疾患および症状の治療において有用である。
発明の背景
ある種の置換ピロリジン誘導体はタキキニン受容体拮抗剤として知られている
。われわれは意外にも本発明の複素環置換ピロリジンアミド誘導体が既知化合物
よりも大幅に代謝を受けにくいことを発見した。
発明の要旨
本発明は下記式(1):
〔式中、
R1は水素、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシよりなる
群から各々独立して選択される置換基1〜3個であり;
R2は水素、C1〜C4アルキルおよびC1〜C4アルコキシよりなる群から選択され;
R3は、
(ここで、R4は水素、C1〜C4アルキルおよび-CF3よりなる群から選択される)よ
りなる群から選択される基であり;
Ar1は下記:
(ここで、R5は水素、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシ
よりなる群から各々独立して選択される置換基1〜3個であり;R6は水素、ハロ
ゲン、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシよりなる群から各々独立して選択
される置換基1〜2個である)よりなる群から選択される基であり;
R7およびR8は水素であるか、またはそれらが連結している窒素と一緒になって
ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、4−メチルピペラジンまたはピロリジン
環を形成する〕
の新規な複素環置換ピロリジンアミド誘導体およびその立体異性体および製薬上
許容しうる塩に関する。
当業者の知るとおり、式(1)の化合物は立体異性体として存在する。式(1)の
化合物の1つを本明細書中で指す場合、いずれかの特定の立体異性体または立体
異性体の混合物を包含する意味とする。記載する際には化合物は(+)−および(
−)−の記載法またはCahn-Ingold-Prelogの(R)−または(S)−の記載法に従っ
て、式(1)の化合物およびその中間体の立体化学を記載する。特に本発明の新規
な複素環置換ピロリジンアミド誘導体はピロリジンの
3位において無対称であり、(R)−型または(S)−型として存在してよく、また
はその混合物として存在する。
特定の立体異性体はエナンチオマー的に純粋な、または、エナンチオマー濃縮
された出発物質を使用して立体特異的合成を行うことにより調製できる。出発物
質または生成物の特定の立体異性体はキラル固定相上のクロマトグラフィー、酵
素的分割、または目的に応じて使用される試薬により形成される付加塩の分別結
晶のような当業者の知る方法により分割採取できる。
特定の立体異性体を分割採取する有用な方法はStereochemistry of Organic C
ompounds,E.L.Eliel and S.H.Wilen,Wiley(1994)およびEnantiomers,R
acemates,and Resolutions,J.Jacques,A.Collet,and S.H.Wilen,Wiley
(1981)に記載されている。
当業者の知るとおり、式(1)の化合物の一部は互変異性体として存在してよい
。式(1)の化合物の互変異性体の1つを本発明で指す場合は、いずれの互変異性
体およびその混合物をも包含する意味とする。
本明細書においては、
a)「ハロゲン」という用語はフッ素原子、塩7素原子、臭素原子またはヨウ素
原子を指し;
b)「C1〜C6アルキル」という用語は炭素原子1〜6個を含む分枝鎖または直鎖
のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等を指し;
c)「C1〜C4アルキル」という用語は炭素原子1〜4個を含む分枝鎖または直鎖
のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル等を指し;
d)「C1〜C6アルコキシ」という用語は炭素原子1〜6個を含む直鎖または
分枝鎖のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプ
ロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペント
キシ、ヘキソキシ等を指し;
e)「C1〜C4アルコキシ」という用語は炭素原子1〜4個を含む直鎖または分枝
鎖のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポ
キシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等を指し;
i)製造例および実施例では以下の用語はそれぞれ所定の意味を有するものとし
、すなわち、「ng」はナノグラム;「μg」はマイクログラム;「mg」はミリグ
ラム;「g」はグラム;「kg」はキログラム;「nmole」または「nmol」はナノ
モル;「mmol」はミリモル;「mol」はモル;「μL」はマイクロリットル;「mL
」はミリリットル;「L」はリットル;「Rf」は保持ファクター;「℃」はセル
シウス度;「bp」は沸点;「mmHg」はミリメートル
で得られた20℃のナトリウムD線の比旋光度;「c」はg/mL表示の濃度;「nM
」はナノモル;「μM」はマイクロモル;「mM」はミリモル;「M」はモル;「p
si」はポンド/平方インチ;「rpm」は一分当たりの回転数;「HPLC」は高速液
体クロマトグラフィー:「HRMS」は高解像度質量スペクトル;「THF」はテトラ
ヒドロフラン;「塩水」は飽和塩化ナトリウム水溶液;「L.O.D.」は乾燥減量;
「μCi」はマイクロキューリー;「i.p.」は腹腔内;「i.v.」は静脈内;および
「DPM」は分当たり崩壊を指し;
j)下記構造:
は基が1位で連結し、Rで示される置換基が2、3、4、5または6位のいずれ
に連結することもできることを指し;
k)下記構造:
はピリジルまたは置換ピリジルを指し、基は、2位、3位または4位のいずれで
連結することもでき、また更に、基が2位で連結している場合は、Rで示される
置換基は3、4、5または6位のいずれに連結することもできることを指し、基
が3位で連結している場合は、Rで示される置換基は2、4、5または6位のい
ずれに連結することもできることを指し、また、基が4位で連結している場合は
、Rで示される置換基は2、3、5または6位のいずれに連結することもできる
ことを指し;
l)「エナンチオマー余過剰」または「ee」という用語はあるエナンチオマーE1
が、2種のエナンチオマーの混合物E1+E2中で、
{(E1−E2)÷(E1+E2)}×100%=ee
を満足するように余剰である分のパーセントを指し;
m)「製薬上許容しうるその塩」とは酸付加塩または塩基付加塩のいずれかを指
す。
「製薬上許容しうる酸付加塩」という表現は式(1)で示される塩基化合物のい
ずれかの非毒性の有機または無機の酸の付加塩に適用するものとする。適当な塩
を形成する代表的な無機酸には塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン
酸、および、酸金属塩例えばオルトリン酸二水素ナトリウムおよび硫酸水素カリ
ウムが包含される。適当な塩を形成する代表的な有機酸にはモノ−、ジ−、およ
びトリカルボン酸が包含される。このような酸の代表例は、例えば、酢酸、グリ
コール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、フマル酸、
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイ
ン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、
2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸およびスルホン酸類、例えば
、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、および2−ヒドロキシエタンスルホ
ン酸である。このような塩は水和の形態または実質的に無水の形態のいずれかで
存在できる。一般的に上記化合物の酸付加塩は水および種々の親水性有機溶媒に
可溶であり、その遊離の塩基形態と比較して一般的に高い融点を示す。
「製薬上許容しうる塩基付加塩」という表現は、式(1)の化合物のいずれかの
非毒性の有機または無機の塩基の付加塩に適用するものとする。適当な塩を形成
する代表的な塩基にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたは
バリウムの水酸化物のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;
アンモニア、および脂肪族、脂環族または芳香族の有機アミン類、例えばメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンおよびピコリンが包含される。一塩
基性または二塩基性の塩のいずれかを上記化合物で形成できる。
特定の有用性を有する構造関連化合物のいずれの群についても、特定の基と構
造はその最終用途において式(1)の化合物にとって好ましいものである。
式(1)の好ましい実施態様を以下に示す。
1)R2がメトキシである化合物が好ましく;
2)R1が3,4−ジクロロである化合物が好ましく;
3)R3が下記:
(式中R4は前に定義したとおりである)の基から選択される基である化合物が好
ましく;
4)R3が下記:
(式中R4は前に定義したとおりである)の基である化合物が好ましく;
5)R7およびR8が水素である化合物が好ましい。
式(1)の更に好ましい実施態様は式(1)の好ましい実施態様1〜5の1つまた
は2つ以上を要件とするか、または、本明細書に示す実施例を参照することによ
り選択できる。
本発明に含まれる化合物の代表例を以下に示す。例はともにピロリジンの3位
における化合物の(R)−異性体および(S)−異性体およびその混合物の双方を包
含する。ここに列挙するものは代表的なものであり、本発明の範囲を限定する意
図はない。
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)
エチル)−3−(3−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3−クロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(4−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジメチルフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−フェニルピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−クロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1
−イル)エチル)−3−(3,4−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−クロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−2−イル)−4−カルボキサミドピペリジン
−1−イル)エチル)−3−フェニルピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−クロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−4−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−フェニルピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)ベン
ゾイル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イ
ル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(5−トリフルオロメチル−1H−テトラゾール−1
−イル)ベンゾイル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリ
ジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール−4−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(3−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(2−(4−
フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−
ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−
(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−(モルホリン−4−イルカルボキサミド)ピペリ
ジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジ
ン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−(ピロリジン−1−イルカルボキサミド)ピペリ
ジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−(ピペリジン−1−イルカルボキサミド)ピペリ
ジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−(ピペラジン−1−イルカルボキサミド)ピペリ
ジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン;
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−(4−メトキシピペラジン−1−イルカルボキサ
ミド)ピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロ
リジン。
上記式(1)の化合物を調製するための一般的合成操作を反応スキームA.1お
よびA.2に示す。試薬および出発物質は当業者が容易に入手できるものである
。反応スキームA.1およびA.2においては全ての置換基は特段の記載がない限
り前に定義したとおりである。
スキームA.1
反応スキームA.1、工程1では、式2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル
)ピロリジンのヒドロキシ基を適切な脱離基L1に変換し、式2aの3−(2−L1
−エチル)ピロリジンを得る。式2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リジンはR1、R2およびR3が式(1)の最終生成物において望ましいものである。式
2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンはまた式(1)の最終生成物
において望ましい立体化学を有する。式(2)の適切な化合物は本明細書に記載の
とおり、また米国特許No.5,340,822号およびPCTWO94/26735に記載のとおり製
造できる。適切な脱離基L1は式3のピペリジ
ンと置き換えられて式(1)の化合物または式(1)の保護された化合物を与える基
である。適切な脱離基には例えばクロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、トシレ
ート等が包含されるがこれらに限定されず、またメシレートが好ましい。ヒドロ
キシル基からクロロ、ブロモ、ヨード、メシレートおよびトシレートのような脱
離基への変換は当業者の知るとおりである。
例えば、L1がブロモである化合物は式2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル
)ピロリジンを4臭化炭素1.0〜1.5モル当量およびトリフェニルホスフィン1.0
〜1.75モル当量と接触させることにより形成する(P.J.Kocienski等,J.Org
.Chem.42,353-355(1977))。反応は式2の3−(2−ヒドロキシエチル)ピ
ロリジンをジクロロメタンまたはクロロホルムのような適当な溶媒中四臭化炭素
と混合し、次にジクロロメタンまたはクロロホルムのような適当な溶媒中のトリ
フェニルホスフィンの溶液を添加することにより行う。一般的に反応は−10℃〜
周囲温度の温度で行う。一般的に反応には5分〜24時間を要する。生成物は抽出
、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当該分野でよく知られ
た方法で単離精製できる。
L1がブロモである化合物はまた式2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル)ピ
ロリジンを僅かにモル過剰のトリフェニルホスフィンジブロミドと接触させるこ
とによっても形成される(R.F Borch等,J.Am.Chem.Soc.,99,1612−1619(
1977))。反応はテトラヒドロフランおよびジエチルエーテルのような適当な溶
媒中で行う。反応はピリジンのような適当な塩基の存在下に行う。一般的に反応
は0℃〜50℃の温度で行う。一般的に反応は5分〜24時間を要する。生成物は抽
出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方
法で単離精製できる。
L1がメシレートである化合物は式2の適切な3−(2−ヒドロキシエチル)ピ
ロリジンを1〜2モル当量のメタンスルホニルクロリドに接触させること
により形成する。反応はジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼンま
たはピリジンのような適当な実質的に無水の溶媒中で行う。反応はトリエチルア
ミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはピリジン
のような適当な塩基1〜5モル当量の存在下に行う。一般的に反応は−20℃〜50
℃の温度で行う。一般的に反応には1時間〜24時間を要する。生成物は抽出、蒸
発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単
離精製できる。
L1がヨードである式2aの物はL1がメシレート、クロロまたはブロモである式
2aの化合物から、Finkelstein反応のような交換反応により製造できる。
例えば、L1がメシレート、クロロまたはブロモである式2aの化合物をヨウ化
ナトリウムまたはヨウ化カリウムのようなヨウ化物塩1.0〜10.0モル当量と接触
させる。反応はトルエンまたはブタノンのような適当な溶媒中で行う。一般的に
反応は周囲温度〜溶媒還流温度の温度で行う。一般的に反応には1〜24時間を要
する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当
業者のよく知る方法で単離精製できる。
反応スキームA.1の工程2では、式2aの適切な3−(2−L1−エチル)ピ
ロリジンを式3の適切なピペリジン化合物またはその塩と反応させ式(1)の保護
された化合物を得る。式3の適切なピペリジン化合物はAr1、R7およびR8が式(1
)の最終生成物において望ましいものである。
例えば、式2aの適切な3−(2−L1−エチル)ピロリジンを式3の適切なピ
ペリジン化合物またはその塩と接触させ、式(1)の化合物を得る。反応はテトラ
ヒドロフラン、ピリジン、アセトニトリル、トルエンまたはジメチルホルムアミ
ドのような適当な実質的に無水の溶媒中、トリエチルアミン、ピリジンまたはN,
N−ジイソプロピルエチルアミンのような適当な塩基1.0〜
6.0モル当量を用いて行う。式3の適切なピペリジンの塩を用いる場合は、更に
モル当量の適切な塩基を用いる。反応はヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウム
のようなヨウ化物塩を触媒量、0.1〜0.5モル当量添加することにより促進するこ
とができる。一般的に反応は周囲温度〜溶媒還流温度の温度で行う。一般的に反
応には1〜72時間を要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーお
よび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
あるいは、トルエン/水混合物、酢酸エチル/水混合物またはテトラヒドロフ
ラン/水混合物のような適当な混合溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは重炭酸カリウムのよ
うな適当な塩基1.0〜6.0モル当量を用いて行う。上記したとおり、式3の適切な
ピペリジンの塩を用いる場合は、更にモル当量の適当な塩基を用いる。反応はヨ
ウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムのようなヨウ化物塩を触媒量、0.1〜0.5モ
ル当量添加することにより促進してよい。一般的に反応は周囲温度〜混合溶媒還
流温度の温度で行う。一般的に反応には1〜150時間を要する。生成物は抽出、
蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で
単離精製できる。
更に、式(1)の化合物の製薬上許容しうる塩は当業者のよく知る方法により式
(1)の化合物から容易に製造される。
スキームA.2 反応スキームA.2の工程1では、構造18の適切な3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジンのアミン官能基を保護して構造4の保護された3−(2−ヒドロ
キシエチル)ピロリジンを得る。構造18の適切な3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジンは式(1)の最終生成物においてR1が望ましいものである。構造18の適
切な3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンはまた式(1)の最終生成物におい
て望ましい立体化学を有する。適当なアミン保護基の選択は、T.GreeneのProte
cting Groups in Organic Synthesisに記載されており、当業者の知るとおりで
ある。スキームA.2の工程1では、t−ブトキシカルボニルのようなカーバメ
ート保護基の使用が好ましい。
反応スキームA.2の工程2では、構造4の保護された3−(2−ヒドロキシ
エチル)ピロリジンのヒドロキシ基を、反応スキームA.1の工程1においてヒ
ドロキシ基から脱離基L1への変換について記載したとおり、適切な脱離基L2に変
換して式4aの3−(2−L2−エチル)ピロリジンを得る。反応スキームA.2
の工程2では、適切な脱離基L2はクロロ、ブロモ、ヨードおよびメシレートを包
含する。
反応スキームA.2の工程3では、式4aの3−(2−L2−エチル)ピロリジ
ンを、反応スキームA.1の工程2で記載したとおり式3の適切なピペリジン化
合物と反応させて、構造8の保護された3−(2−ピペリジン−1−イル)エチ
ル)ピロリジンを得る。式3の適切なピペリジン化合物は反応スキームA.1の
工程2に記載したとおりである。
反応スキームA.2の工程4では、構造8の保護された3−(2−ピペリジン
−1−イル)エチル)ピロリジンを脱保護して構造9の3−(2−ピペリジン−
1−イル)エチル)ピロリジンまたはその塩を得る。適当なアミン保護基の除去
はT.GreeneのProtecting Groups in Organic Synthesisに記載されており、当業
者の知るとおりである。
反応スキームA.2の工程5では、構造9の3−(2−ピペリジン−1−イル
)エチル)ピロリジンまたはその塩を構造10の適切な酸誘導体でアロイル化して
、式(1)の最終生成物を得る。構造10の適切な酸誘導体は、式(1)の最終生成物
においてR2およびR3が望ましく、Y1がヒドロキシル;O−ヒドロキシスクシンイ
ミドまたはO−ヒドロキシベンズトリアゾールのような活性エステル;クロロ、
ブロモのような活性化脱離基であるもの;または、無水物を形成する構造10の他
の酸誘導体;または混合無水物である。
例えば構造9の3−(2−ピペリジン−1−イル)エチル)ピロリジンまたは
その塩をO−ヒドロキシスクシンイミドまたはO−ヒドロキシベンズトリアゾー
ルおよびカップリング剤例えばジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩と、ついで、Y1
がヒドロキシである構造10の適切な酸誘導体0.9〜1.3モル当量と接触させる。反
応はジクロロメタンまたはクロロホルムのような適当な溶媒中で行う。反応は、
カップリング剤または構造9の3−(2−ピペリジン−1−イル)エチル)ピロ
リジンの塩を使用する場合は、必要に応じて塩基の存在下に行い、各々1.0〜1.1
当量を使用する。適当な塩基には、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンお
よびN,N−ジイソプロピルエチルアミンが包含される。反応は一般的に−10℃〜
周囲温度の温度で行う。一般的に、反応には1〜24時間を要する。生成物は抽出
、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法
で単離精製できる。
また例えば、構造9の3−(2−ピペリジン−1−イル)エチル)ピロリジン
またはその塩をハロゲン化物、無水物、または混合無水物の形態の構造10の適切
な酸誘導体1〜1.1モル当量と接触させる。反応はテトラヒドロフラン、ジクロ
ロメタン、アセトン、酢酸エチル、トルエンまたはジエチルエーテルのような適
当な溶媒中で行う。反応はN−メチルモルホリン、炭酸ナ
トリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウ
ムまたは重炭酸ナトリウムのような塩基の存在下に行う。反応は一般的に−78℃
〜周囲温度の温度で行う。一般的に反応には1〜24時間を要する。生成物は抽出
、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法
で単離精製できる。
あるいは、例えば構造9の3−(2−ピペリジン−1−イル)エチル)ピロリ
ジンまたはその塩をハロゲン化物、無水物、または混合無水物の形態の構造10の
適切な酸誘導体1〜1.1モル当量と、Schotten−Baumann条件下に接触させる。反
応はトルエン/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または酢酸エチル/
水のような適当な混合溶媒中で行う。反応は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの
ような塩基の存在下に行う。反応は一般的に−20℃〜50℃の温度で行う。一般的
に反応には15分〜24時間を要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフ
ィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
更に式(1)の化合物の製薬上許容しうる塩は当業者の知る方法により式(1)の
化合物から容易に製造される。
反応スキームBは反応スキームA.1において出発物質として使用した構造2
のアルコールおよび反応スキームA.2で出発物質として使用した構造18の3−
(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの製造のための一般的方法である。試薬お
よび出発物質は当業者が容易に入手できるものである。反応スキームBにおいて
は、全ての置換基は特段の記載がない限り前に定義したとおりである。
スキームB 反応スキームBの工程1では、構造5の適切なニトリルをエチルブロモアセテ
ートでビスアルキル化して、構造14のニトリルビスエステル化合物を得る。構造
5の適切なニトリルは式(1)の最終生成物においてR1が望ましいものである。
例えば構造5の適切なニトリルをエチルブロモアセテート2.0〜3.0モル当量と
接触させる。反応はナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウム
ジイソプロピルアミドのような適当な塩基約2.0〜3.0モル当量の存在下に行う。
反応はテトラヒドロフランのような適当な溶媒中で行う。反応
は一般的に−78℃〜0℃の温度で行う。一般的に反応には1〜72時間を要する。
生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者の
よく知る方法で単離精製できる。
反応スキームBの工程2では、構造14のニトリルビスエステル化合物を還元し
環化して、構造15の5−オキソ−3−酢酸エステルピロリジンを得る。環化は還
元後に自発的に起こるか、または、中間体アミンの単離後の別工程で行ってよい
。
例えば、構造14のニトリルエステル化合物を、過剰量の適切な還元剤、例えば
塩化コバルト(II)六水和物の存在下のナトリウムボロハイドライド;適当な触媒
、例えばラネーニッケルまたは酸化白金の存在下の水素;またはボラン錯体、例
えばボランジメチルスルフィド錯体と、接触させる。
塩化コバルト存在下のナトリウムボロハイドライドを使用する場合は、反応は
メタノール、またはエタノールのような適当な溶媒中に行う。反応は一般的に0
℃〜50℃の温度で行う。一般的に反応には1〜72時間を要する。一般的に環化は
上記条件下で自発的に起こる。生成物は水性の酸による抽出、蒸発、磨砕、クロ
マトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
ラネーニッケルを使用する場合は、反応は、エタノール/水性水酸化アンモニ
ウム水溶液またはメタノール/水酸化アンモニウム水溶液のようなアンモニア含
有の適当な溶媒中で行う。反応は一般的に周囲温度〜70℃の温度で行う。反応は
Parr水素化装置のような加圧下に反応を行うために設計された装置中、15psi〜3
00psiの圧力で水素を用いて行う。一般的に環化は上記条件下で自発的に起こる
。濾過または蒸発により触媒を慎重に除去することにより生成物を単離できる。
生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者の
よく知る方法で単離精製できる。
酸化白金を使用する場合は、反応はエタノール、メタノール、クロロホルム、
エタノール/クロロホルム混合物、またはメタノール/クロロホルム混合物のよ
うな適当な溶媒中実施する。反応は一般的に周囲温度〜50℃の温度で行う。反応
はParr水素化装置のような加圧下に反応を行うために設計された装置中、15psi
〜120psiの圧力で水素を用いて行う。一般的にアミン中間体は上記条件下で得ら
れ、濾過または蒸発により触媒を慎重に除去することにより生成物が単離される
。アミン中間体はエタノール、メタノール、トルエンまたはクロロベンゼンのよ
うな適当な溶媒中加熱することにより環化する。反応は一般的に50℃〜溶媒還流
温度の温度で行う。一般的に反応には8〜48時間を要する。生成物は抽出、蒸発
、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離
精製できる。
あるいは例えば構造14のニトリルビスエステル化合物をボランまたはボランジ
メチルスルフィド錯体のようなボラン錯体と接触させる。反応はジエチルエーテ
ルまたはテトラヒドロフランのような適当な溶媒中行う。反応は一般的に−20℃
〜溶媒還流温度の温度で行う。一般的に反応には1〜72時間を要する。生成物は
クエンチング、抽出、蒸発、磨砕、蒸留、クロマトグラフィーおよび再結晶のよ
うな当業者のよく知る方法で単離精製できる。
反応スキームBの工程3において、構造15の5−オキソ−3−酢酸エステルピ
ロリジンを還元して構造18の3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンとする。
例えば、構造15の5−オキソ−3−酢酸エステルピロリジンをリチウムアルミ
ニウムハイドライド、水素化アルミニウムまたはボランジメチルスルフィド錯体
のような適当な還元剤の過剰量と接触させる。十分な量の還元剤を用いてエステ
ルおよびアミド官能基の双方を還元する。反応はテトラヒドロフランまたはジエ
チルエーテルのような適当な溶媒中行う。反応は一般的に
0℃〜溶媒還流温度の温度で行う。一般的に反応には1〜72時間を要する。生成
物はボランアルミニウム複合体のクエンチング、抽出、蒸発、磨砕、クロマトグ
ラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
反応スキームBの工程4では、構造18の3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジンを、適切なアロイルハライド、アリール無水物、またはアリール混合無水物
でアロイル化し、構造2のアルコールとする。適切なアリール酸、アリールエス
テル、アロイルハライド、アロイル無水物またはアロイル混合無水物、X1−C(O)
−Ph1は、Ph1が式(1)で望ましいR2およびR3を有する置換フェニルであり、X1が
ヒドロキシル;活性エステル、例えばO−ヒドロキシスクシンイミドまたはO−
ヒドロキシベンズトリアゾールエステル;活性化脱離基、例えばクロロ、ブロモ
;または無水物を形成する基−C(O)−Ph1;または無水混合物であるものである
。
例えば、構造18の3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンを、適切なアロイ
ルハライド、アリール無水物またはアリール混合無水物の1〜1.1モル当量と接
触させる。反応はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチル
、トルエンまたはジエチルエーテルのような適当な溶媒中行う。反応はN−メチ
ルモルホリン、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン、炭酸カリウムまたは重炭酸ナトリウムのような塩基の存在下に行う。
反応は一般的に−78℃〜周囲温度の温度で行う。一般的に反応には1〜24時間を
要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような
当業者のよく知る方法で単離精製できる。
あるいは、例えば、構造18の3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンを、適
切なアロイルハライド、アリール無水物またはアリール混合無水物の1〜1.1モ
ル当量と、Schotten−Baumann条件下に接触させる。反応はトルエン/
水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または酢酸エチル/水のような適当
な混合溶媒中で行う。反応は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような塩基の存
在下に行う。反応は一般的に−20℃〜50℃の温度で行う。一般的に反応には15分
〜24時間を要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結
晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
反応スキームCは反応スキームA.1およびA.2で出発物質として使用した構
造3のピペリジン化合物の製造のための合成方法を示す。
スキームC 反応スキームCでは、式21の適切に保護されたビス−(2−クロロエチル)ア
ミンを式5aの適切なアリールアセトニトリルでアルキル化して式22の保
護された4−アリール−4−シアノピペリジンを得る。式21の適切に保護された
ビス−(2−クロロエチル)アミンは保護基Pg1が(C1−C4)−アルキル、ベン
ジル、置換ベンジル、p−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニルまたはカー
バメート例えばt−ブトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルであるもので
ある。式5aの適切なアリールアセトニトリルはAr1が式(1)の最終生成物で望
ましいものである。この種のアルキル化は当業者のよく知るものであり、例えば
T.Cammack and P.C.Reeves,J.Heterocyclic Chem.23,73-75(1986)および
C.V.Berczand R.D.Ice,Pharmaceutical Sci.,21,1316-1317(1972)に記載
されている。
例えば、式21の適切に保護されたビス−(2−クロロエチル)アミンを式5a
の適切なアリールアセトニトリルと接触させる。反応はナトリウムアミド、水素
化ナトリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムt−ブトキシド、
およびリチウムジイソプロピルアミドのような塩基2〜4モル当量の存在下に行
う。反応はジメチルスルホキシドまたはテトラヒドロフランのような溶媒中で行
う。反応はヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムのような適当な触媒0.01〜0.
5モル当量の存在下に行う。反応は一般的に0℃〜80℃の温度で行う。一般的に
反応には1〜72時間を要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィー
および再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
あるいは例えば、式21の適切に保護されたビス−(2−クロロエチル)アミン
を相変換条件下式5aの適切なアリールアセトニトリルと接触させる。反応は水
中、または、有機相および無機相よりなる溶媒系で行ってよい。反応は水酸化ナ
トリウムまたは水酸化カリウムのような水酸化物塩基の存在下に行う。反応は臭
化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、ヘキサデシ
ルトリブチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメ
チルアンモニウムクロリド等のような第4アンモニウムおよびホスホニウム塩を
含む適当な触媒の存在下に行う。反応は激しく攪拌しながら行い、一般的に0℃
〜100℃の温度で行う。一般的に反応には1〜24時間を要する。生成物は抽出、
蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で
単離精製できる。
反応スキームCの任意の工程2では、構造22の4−アリール−4−シアノピペ
リジンを加水分解して構造23の4−アリールピペリジン−4−カルボン酸とする
。ニトリルから酸への加水分解は、当業者のよく知るとおり酸性または塩基性の
条件下で行ってよい。保護基と適合する加水分解条件の選択は当業者の知るとお
りである。当業者の知るとおり、工程2の前または後にアミン保護基Pg1の除去
が必要となる場合がある。例えばPg1がベンジルである場合は、保護基を除去す
ることによりニトリルの加水分解を促進し、その後、加水分解の後に再導入して
もよい。除去する場合は、加水分解後にベンジルまたは別の保護基として保護基
を再導入することにより式23の4−アリールピペリジン−4−カルボン酸を得る
、あるいは、反応スキームCの工程1および2で用いた保護基を除去して別の保
護基と置き換えることにより反応スキームCの工程4の化合物24の脱保護を容易
にすることができる。アミン保護基の除去および導入は当業者のよく知るもので
あり、T.GreenによりProtecting Groups in Organic Synthesis,Wiley-Inters
cience(1981)に記載されている。
反応スキームCの工程3では、式23の4−アリールピペリジン−4−カルボン
酸は適切なアミンとアミド化反応し、式24の保護された4−アリール−4−カル
ボキサミドピペリジンを生成する。適切なアミンは式(1)の最終生成物で望まれ
るR7およびR8を与えるものである。このような適切なアミンにはアンモニア、ピ
ペリジン、ピロリジン、4−メチルピペラジン、ピペラジ
ンおよびモルホリンが包含される。
アミド化反応は、式23の酸を介して進行するか、または、式23の化合物の酸官
能基をまず活性化中間体;例えば無水物;置換リン酸の混合無水物、例えばジア
ルキルリン酸、ジフェニルリン酸、ハロリン酸;脂肪族カルボン酸、例えばギ酸
、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、2−エトキシ酪酸などの混
合無水物;活性エステル、例えばフェノールエステル、p−ニトロフェノールエ
ステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシフタルイミド
エステル、1−ヒドロキシベンズトリアゾールエステル等;活性アミド、例えば
イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾールまたはテトラゾール;または
、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)
−3−エチルカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下に形成した中間体
に変換してよい。活性中間体は製造して直接使用するか、または、製造して単離
した後に、適切なカルボキシ置換環状アミンを添加してよい。あるいは、活性中
間体を製造単離精製した後に、適切なカルボキシ置換環状アミンを添加してよい
。活性中間体の使用と形成は当業者の知るとおりである。
例えば、式23の酸化合物を、僅かにモル過剰量の適切なアミンまたはその塩お
よび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールと、僅かにモル過剰量のカップリング剤
、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミドの存在下に接触させる。反応は、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、または、トリエチルアミンの
ような適当な塩基の存在下に行い、適切なアミンの塩を使用する場合は、添加す
る適当な塩基のモル量を更に増加させる。反応はジクロロメタン、クロロホルム
またはジメチルホルムアミドのような適当な溶媒中で行う。生成物は抽出、蒸発
、クロマトグラフィーおよび再結晶のよう
な当業者のよく知る方法で単離精製できる。
あるいは例えば、式23の酸をN−メチルモルホリンのような適当な塩基1.2〜1
.7当量とテトラヒドロフランのような適当な溶媒中で接触させる。上記したとお
り、適切なアミンの塩を使用する場合は、添加する適当な塩基のモル量を増加さ
せる。反応混合物は−50℃〜0℃の温度に冷却し、好ましくは−25℃〜−20℃の
温度に冷却し、その後、イソブチルクロロホルメート1.2〜1.7当量を添加する。
反応混合物を30〜3時間攪拌放置し、混合無水物を形成させる。−50℃〜0℃の
温度に維持しながら適切なアミンを添加する。アミンの添加終了後、反応混合物
を室温に戻す。一般的に反応には2〜48時間を要する。生成物は抽出、蒸発、ク
ロマトグラフィーおよび再結晶のような当業者のよく知る方法で単離精製できる
。
反応スキームCの工程4では、式24の保護された4−アリール−4−カルボキ
サミドピペリジンを脱保護して式3のピペリジンを得る。アミン保護基の除去は
当業者のよく知るものであり、T.GreenによりProtecting Groups in Organic S
ynthesis,Wiley-Interscience(1981)に記載されている。
反応スキームCの任意の工程5では、式22の4−アリール−4−シアノピペリ
ジンを加水分解し脱保護してR7およびR8が水素である式3のピペリジンを得る。
反応スキームCの任意の工程5では、Pg1がベンジルである式22の4−アリール
−4−シアノピペリジンを使用するのが好ましい。
例えば式22の適切な4−アリール−4−シアノピペリジンを塩基性の過酸化水
素と接触させ、4−アリール−4−カルボン酸アミドピペリジンN−オキシドを
得る。ニトリルからカルボキサミドへの加水分解のための塩基性の過酸化水素の
使用は当業者のよく知るとおりである。Reagents for Organic Synthesis,Fies
er and Fieser,John Wiley and Sons,Inc.(1967)。水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物がこの
反応のための適当な塩基である。反応は水、エタノール、メタノール、水/エタ
ノール混合物または水/メタノール混合物のような適当な溶媒中で行う。反応は
0℃〜適当な溶媒の還流温度の温度で行う。一般的に、反応には約4時間〜4日
を要する。生成物は抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶のよう
な当業者のよく知る方法で単離精製できる。4−アリール−4−カルボン酸アミ
ドピペリジンN−オキシドを還元し脱保護してR7およびR8が水素である式3のピ
ペリジンを得る。アミンの脱保護とアミン酸化物の還元は同時に行ってよく、ま
たは順次行ってもよい。アミン酸化物の還元は当業者の知るとおりである。N−
オキシドの還元の後、アミン保護基Pg1を除去する。ベンジルまたは置換ベンジ
ルのようなアミン保護基の除去は当業者の知るとおりであり、T.GreenによりPr
otecting Groups in Organic Synthesis,Wiley-Interscience(1981)に記載され
ている。生成物は濾過、抽出、蒸発、磨砕、クロマトグラフィーおよび再結晶の
ような当業者のよく知る方法で単離精製できる。
以下の実施例および調製例は式(1)の化合物の典型的な合成を示すものである
。これらの実施例は例示のみを意図しており、本発明の範囲を限定するものでは
ない。
製造例1
2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイルクロリド
2−ヒドロキシ−5−ニトロ安息香酸(21.5g,117ミリモル)、炭酸カリウム(1
62.3g,1.174ミリモル)、およびヨウ化メチル(136.8g,96.4ミリモル)をアセ
トン中(500ml)で化合させる。還流下に加熱する。18時間後、反応混合物を周
囲温度に冷却し、ヨウ化メチル(136.8g,96.4ミリモル)を添加する。更に還流下
に加熱する。56時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、アセトンで洗
浄し、濾液を真空下に蒸発させ残留物を得る。残
留物をエタノールから再結晶させ2番目の残留物を得る。二番目の残留物をクロ
ロホルム(約100ml)と合わせ、濾過し、濾液を真空下に蒸発させ、メチル2−メ
トキシ−5−ニトロベンゾエートを得る。Rf=0.38(シリカゲル、酢酸エチル/
ヘキサン 1/1)。
メチル2−メトキシ−5−ニトロベンゾエート(13.3g,63ミリモル)とメタ
ノールを合わせる。5%パラジウム/炭素(0.66g)を添加する。50psiで加圧装置
中水素添加する。17時間後、セライトで濾過して触媒を除去し、濾液を真空下に
蒸発させ、残留物を得る。残留物とジクロロメタンを合わせ、水で抽出する。有
機層をNa2SO4上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させてメチル2−メトキシ−5
−アミノベンゾエートを得る。Rf=0.18(シリカゲル、酢酸エチル/メタノール
1/1)。
元素分析値(C9H11NO3として):
計算値:C 59.66;H 6.12;N,7.73
測定値:C 59.44;H 6.04;N,7.62
メチル2−メトキシ−5−アミノベンゾエート(3.94g,21.7ミリモル)とト
リエチルオルトホルメート(12.8g,86.7ミリモル)を氷酢酸(20ml)中で化合
させる。20時間後、反応混合物を真空下に濃縮し、エタノールを除去する。氷酢
酸(20ml)およびアジ化ナトリウム(5.64g,86.7ミリモル)を添加する。70℃
に加熱する。1時間後、氷酢酸(10ml)を添加し、70℃に加熱する。更に1時間
の後、反応混合物を周囲温度に冷却し、水(500ml)で希釈する。固体を濾取し
、水で洗浄し、乾燥し、メチル2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イ
ル)ベンゾエートを得る。
メチル2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾエート(2.
86g,12.2ミリモル)と水酸化ナトリウム1M水溶液(13.43ml,13.43ミリモル
)をメタノール/水(100ml,5:1v/v)中で化合させる。還流
下に加熱する。4時間後、真空下に濃縮してメタノールの大部分を除去し、水(
50ml)を添加し、1M塩酸水溶液を用いてpHを約4に調節する。真空下に蒸発し
て固体とし、固体を水でスラリーとし、濾過し、乾燥して2−メトキシ−5−(
1H−テトラゾール−1−イル)安息香酸を得る。
あるいは、メチル2-メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾエ
ート(13.3g,56.8ミリモル)とメタノール(150ml)を合わせる。水酸化ナトリ
ウムの1M水溶液(62.5ml,62.5ミリモル)を添加する。還流下に加熱する。30
分後、メタノール(50ml)および水(50ml)を添加し、還流下加熱を続ける。1
時間後真空下に濃縮し、溶媒の大部分を除去する。1M塩酸水溶液でpHを約1〜
2とし、固体を得る。濾過して固体を集め、水で洗浄し、乾燥して2−メトキシ
−5−(1H−テトラゾル−1−イル)安息香酸を得る。
2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)安息香酸(1.2g,5.5ミリ
モル)をジクロロメタン(40ml)と化合させる。オキサリルクロリド(0.72ml,
8.25ミリモル)を滴加し、その後、ジメチルホルムアミド(3滴)を加える。4
時間後真空下に蒸発させ標題化合物を得る。
製造例2
4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸モルホリンアミド塩酸塩
4−シアノ−4−フェニルピペリジン塩酸塩(20.0g,89.8ミリモル)と水酸
化カリウム(1.2L,3M,3.6モル)の水溶液を合わせる。還流下に加熱する。
15時間後、反応混合物を氷浴で冷却し、12Mの塩酸水溶液を用いてpHを約2に調
節し、固体とした。固体を濾取し、乾燥し、4−フェニルピペリジン−4−カル
ボン酸塩酸塩:Rf=0.2(シリカゲル、85/10/5,クロロホルム/メタノール
/酢酸)を得る。
元素分析値(C12H16NO2・HClとして):
計算値:C 59.63;H 6.67;N 5.79
測定値:C 58.19;H 6.52;N 5.72
4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸塩酸塩(2.49g,10ミリモル)、N,N
−ジイソプロピルエチルアミン(1.91mL,11ミリモル)、およびジ−t−ブチルジ
カーボネート(2.4g,11ミリモル)をジメチルホルムアミド(100ml)中で化合
させる。30時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1M塩酸水溶液で抽出す
る。有機層をMgSO4上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、乾燥し、1−t−ブ
トキシカルボニル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸:Rf=0.48(シリ
カゲル、ジクロロメタン中6%メタノール、ニンヒドリンで茶色に染色)を得る
。
元素分析値(C17H24NO4として):
計算値:C 66.86;H 7.59;N 4.59
測定値:C 66.56;H 7.72;N 4.52
1−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(1.
22g,4ミリモル)およびテトラヒドロフラン(40ml)を合わせる。−10℃に冷却
する。トリエチルアミン(0.61mnl,4.4ミリモル)次いでイソブチルクロロホル
メート(0.57mL,4.4ミリモル)を添加する。添加終了後、周囲温度に戻す。15時
間後反応混合物を濾過し、固体をテトラヒドロフランで洗浄し、濾液を−10℃に
冷却する。モルホリン(0.87g,10ミリモル)を添加する。0.5時間後、周囲温
度に戻す。15時間後、反応混合物を濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈し、重炭酸
ナトリウム飽和水溶液で3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過し、真空下に濃縮して1−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルピペリジン
−4−カルボン酸モルホリンアミドを得る。
あるいは、1−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルピペリジン−4−
カルボン酸(1.22g,4ミリモル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.77ml
,4.4ミリモル)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩(0.84g,4.4ミリモル)および1−ヒドロキシベンズトリアゾール
水和物(0.59g,4.4ミリモル)をジクロロメタン(40ml)中で化合させる。12
時間後、モルホリン(0.87g,10ミリモル)を添加する。15時間後、反応混合物
を濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で3回抽出
する。有機層を硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、1−t
−ブトキシカルボニル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸モルホリンア
ミドを得る。
1−t−ブトキシカルボニル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸モル
ホリンアミド(3ミリモル)とジクロロメタン(20ml)と合わせる。ジオキサン
中の塩酸の溶液(10ml,4M,40ミリモル)を添加する。18時間後、真空下に蒸
発させ、標題化合物を得る。
製造例2の方法で以下の物質も調製できる。
a)ピペリジンを用いて4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸ピペリジンア
ミド塩酸塩;
b)ピロリジンを用いて4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸ピロリジンア
ミド塩酸塩;
c)ピペラジンを用いて4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸ピペラジンア
ミド塩酸塩;
d)4−メチルピペラジンを用いて4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸4
−メチルピペラジンアミド塩酸塩。
実施例1
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−
(2−(4−フェニル−4−(モルホリン−4−イルカルボキサミド)ピペ
リジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン
1.1 3−シアノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ペンタン二酸ジエチルエ
ステルの合成
3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリル(20g,113ミリモル)および無水テ
トラヒドロフラン(100ml)を合わせる。ドライアイス/アセトン浴で冷却する
。ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(226ml,テトラヒドロフ
ラン中1M,226ミリモル)を滴加する。添加終了後、反応混合物を10℃に加温
し、15分間攪拌する。ドライアイス/アセトン浴中で冷却し、エチルブロモアセ
テート(37.7g,226ミリモル)を滴加する。エチルブロモアセテートの添加が
終了した後、反応混合物を周囲温度に戻す。18時間後、反応混合物をジエチルエ
ーテルと水との間に分配する。有機層を水および塩化アンモニウム飽和水溶液で
抽出する。有機層を分離し、MgSO4上に乾燥し、真空下に濃縮し、残留物を得る
。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、33%酢酸エチル/ヘキサ
ンで溶離する。残存する溶媒を真空下82℃で除去し、標題化合物:Rf=0.37(シ
リカゲル、33%酢酸エチル/ヘキサン)を得る。
元素分析値(C18H23NO6として):
計算値:C 61.88;H 6.64;N 4.01
測定値:C 61.79;H 6.62;N 3.91
1.2 (3−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル
)酢酸エチルエステル
3−シアノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ペンタン二酸ジエチルエステ
ル(1.3g,3.24ミリモル)および塩化コバルト(II)6水和物(1.54g,6.48
ミリモル)をメタノール(50ml)中で合わせる。氷浴で温度を−20℃未満に維持
しながらナトリウムボロハイドライド(2.17g,57ミリモル)を少しづつ添加す
る。添加終了後、反応混合物を18時間周囲温度で放置する。反応混合物を真空下
に蒸発させ、残留物を得る。ジクロロメタンおよび1M塩酸溶液との間で分配す
る。水層を数回ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4上に乾燥し、
濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物をシリカゲル上のクロマトグラ
フィーに付し、20/1酢酸エチル/メタノールで溶離する。残存する溶媒を真空
下82℃で除去し、標題化合物:Rf=0.74(シリカゲル、5/1酢酸エチル/メタ
ノール)を得る。融点;116〜118℃。
元素分析値(C16H21NO5として):
計算値:C 62.53;H 6.89;N 4.56
測定値:C 62.52;H 6.85;N 4.50
1.3 (3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピ
ロリジンの合成
リチウムアルミニウムハイドライド(0.99g,26.0ミリモル)および無水テト
ラヒドロフラン(20ml)を合わせる。無水テトラヒドロフラン(40ml)中の溶液とし
て(3−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル)酢
酸エチルエステル(2.0g,6.5ミリモル)をゆっくり添加する。添加終了後、還
流下に加熱する。18時間後、氷浴中で冷却する。反応混合物の温度が20℃を超え
ないような速度で水(1ml)を滴加する。10℃に冷却し
水酸化ナトリウムの15%溶液(1.0ml)を添加する。水(3ml)を添加する。15
分後、反応混合物を濾過し、濾液を真空下に濃縮し、標題化合物を得る。Rf=0.
68(シリカゲル、5/1酢酸エチル/メタノール)。
分析用試料を以下のとおり製造する。3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3
−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(0.51g,2.20ミリモル)およびシュウ
酸(0.18g,2.00ミリモル)をテトラヒドロフラン(70ml)中で合わせる。18時
間後、濾過し乾燥する。ジエチルエーテル(100ml)で磨砕し、濾過し、真空下8
1℃で乾燥し、シュウ酸塩として標題化合物を得る。融点:140〜142℃。
元素分析値(C14H21NO3・C2H2O4として):
計算値:C 56.30;H 6.79;N 4.10
測定値:C 56.15;H 6.76;N 4.13
1.4.1 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイ
ル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リジンの合成
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(2.27g,9.03ミリモル)およびN−メチルモルホリン(2.48ml,22.6ミリモ
ル)を無水ジクロロメタン(100ml)中で化合させる。反応混合物を塩・氷浴で−
5℃に冷却する。ジクロロメタン(30ml)中の溶液として2−(メトキシ)−5
−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイルクロリド(9.5ミリモル)をゆっく
り添加する。周囲温度に戻す。18時間後、反応混合物を炭酸カリウムの飽和溶液
で抽出する。有機層をNaSO4上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、標題化合物
を得る。
1.4.2 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイ
ル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジンの合成
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(5.34g,21.2ミリモル)および炭酸ナトリウム(1.24g,11.7ミリモル)を
酢酸エチル/水(4/1)(120ml)中で合わせる。反応混合物を塩・氷浴で−5℃
に冷却する。反応混合物の温度が0℃を超えないような速度で酢酸エチル(60ml
)中の溶液として2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイル
クロリド(22.3ミリモル)をゆっくり添加しする。反応温度を約0℃に維持する
。18時間後、有機層を分離する。有機層を2回、1Mの塩酸水溶液、重炭酸ナト
リウム飽和溶液、水および塩化ナトリウム飽和溶液で抽出する。有機層をNa2SO4
上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。水層を合わせ、重炭酸ナ
トリウム飽和溶液で中和する。中和した水層をジクロロメタンで抽出する。有機
層をNa2SO4上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、標題化合物を得る。
1.5 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル
)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエ
チル)ピロリジンの合成
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(0
.43g,0.97ミリモル)、トリエチルアミン(3.3ml,2.4ミリモル)および無水
ジクロロメタン(30ml)を化合させる。反応混合物を塩・氷浴で−5℃に冷却す
る。反応混合物の温度が2℃を超えないような速度で、メタンスルホニルクロリ
ド(0.082ml,1.06ミリモル)をゆっくり添加する。周囲温度に戻す。18時間後
、氷を添加して反応をクエンチングする。有機層を分離し、3回1M塩酸溶液で
、2回重炭酸ナトリウム飽和溶液で抽出する。有機層をNa2SO4上に乾燥し、濾過
し、真空下に濃縮し、標題化合物を得る。
1.6 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル
)−3−(2−(4−フェニル−4−(モルホリン−4−イルカルボキサミド)
ピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジ
ンの合成
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)
ピロリジン(1.64ミリモル)、4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸モルホ
リンアミド塩酸塩(1.97ミリモル)、ヨウ化ナトリウム(0.25g,1.64ミリモル
)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.84g,6.6ミリモル)をアセトニ
トリル(12ml)中で化合させる。還流下に加熱する。10時間後、冷却し、反応混
合物を酢酸エチルで希釈する。3回塩化アンモニウム飽和水溶液で、2回重炭酸
ナトリウム飽和水溶液で、そして塩水で抽出する。有機層をNa2SO4上に乾燥し、
濾過し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
製造例3
4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩
チオニルクロリド(25.4g,130ミリモル)とクロロホルム(20ml)を合わせ
る。クロロホルム(20ml)中のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンジルア
ミン(15.4g,130ミリモル)の溶液を約1時間かけて添加する。添加終了後、還
流下に加熱する。1時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、ジエチルエーテル
を添加して固体を形成する。固体を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し
、N,N−ビス(2−クロロエチル)ベンジルアミン塩酸塩を得る。
フェニルアセトニトリル(40ミリモル)および水酸化ナトリウム水溶液(60ml
,50重量%)を化合させる。N,N−ビス(2−クロロエチル)ベンジル
アミン塩酸塩(11.28g,42ミリモル)とヘキサデシルトリエチルホスホニウム
ブロミド(1.02g,2ミリモル)を添加する。100℃に加熱し、激しく攪拌する
。1時間後、反応混合物を周囲温度に冷却する。水を添加し、希釈した反応混合
物を6Mの塩酸水溶液で酸性化する。酸性化した反応混合物をジエチルエーテル
で抽出する。水層のpHを固体の水酸化カリウムを用いて約12とし、酢酸エチルで
抽出する。酢酸エチル層を分離し、MgSO4上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発さ
せ、残留物を得る。残留物と塩酸溶液をメタノール中で合わせる。真空下に蒸発
させ1−ベンジル−4−フェニル−4−シアノピペリジン塩酸塩を得る。
あるいは4−フェニル−4−シアノピペリジン塩酸塩(10g,44.9ミリモル)
、ベンジルブロミド(5.4ml,45.4ミリモル)および炭酸カリウム(25.5g,182
.3ミリモル)をテトラヒドロフラン/水(80ml/20ml)中で合わせる。18時間後
、反応混合物を水とジクロロメタンとの間に分配する。有機層を分離し、水で抽
出し、MgSO4上に乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を
ヘキサンから再結晶し、固体として1−ベンジル−4−フェニル−4−シアノピ
ペリジンを得る。融点73〜74℃。
1−ベンジル−4−フェニル−4−シアノピペリジン(535g,1940ミリモル
)、水酸化ナトリウム水溶液(85ml,50重量%)およびエタノール(5L)を化
合させる。50℃に加熱する。加熱を止め、反応混合物の温度が50℃を超えないよ
うな速度で過酸化水素溶液(856ml,水中30重量%)を添加する。過酸化水素の
添加終了後、反応混合物の温度を50℃に維持する。20時間後、反応混合物を水(
3L)で希釈し、35℃で真空下に濃縮し、エタノールを除去する。反応混合物を
周囲温度に冷却し、固体とする。固体を濾取し、水で洗浄し、風乾して、1−ベ
ンジル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミドN−オキシドを得る。
1−ベンジル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミドN−オキシド
(529g,1700ミリモル)、10%Pd/C(25g)および酢酸(5L)をオートクレ
ーブ中で化合させる。オートクレーブを窒素フラッシュし、次に水素255psiを充
填する。100psiを超える圧力を維持するために必要な水素をオートクレーブに再
充填する間攪拌する。水素の消費が終了した時点で、オートクレーブを窒素でフ
ラッシュし、触媒を濾別する。濾液を真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物
を酢酸エチル(5L)に溶解し、12Mの塩酸水溶液(150ml)を添加して酸性化
し、15分間還流下に加熱する。混合物を5℃に冷却し、固体とする。固体を濾取
し、酢酸エチルで洗浄し、風乾して標題化合物を得る。
実施例2
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチ
ル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン
2.1.1 3−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタンジ酸ジエチル
エステルの合成
実施例1.1の方法により、3,4−ジクロロフェニルアセトニトリル(30.0g,
0.161モル)を用いて製造する。ジエチルエーテルから再結晶させることにより
精製し、標題化合物を得る。Rf=0.28(シリカゲル、20%酢酸エチ
ル/ヘキサン)。融点;68〜69℃。
元素分析値(C16H17C12NO4として):
計算値:C 53.65;H 4.78;N 3.91
測定値:C 53.69;H 4.79;N 3.93
2.1.2 3−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタンジ酸ジエチル
エステルの合成
ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(480lb,THF中1M)を約−10℃
に冷却し、攪拌する。反応混合物の温度が約10℃を超えないような速度で、メチ
ルt−ブチルエーテル中の3,4−ジクロロフェニルアセトニトリルの溶液(34.5
重量%、溶液125 lb)を添加する。エチルブロモアセテート(94 lb)およびメ
チルt-ブチルエーテル(約125 lb)を合わせ、約−18℃に冷却し、次に60〜90分
間かけて上記で製造した溶液を添加する。クロマトグラフィーで測定して反応が
終了した後、水(18 gal)を添加する。pHが約4となるまで12Mの塩酸水溶液を
添加する。pHが3未満に低下した場合は、水酸化ナトリウムの20%水溶液を使用
してpHを約4まで上昇させる。層を分離させ有機層を塩水で抽出する。約40℃で
真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物とイソプロパノール(約45 lb)を合
わせ、約40℃で真空下に蒸発させ残留物を得る。イソプロパノール(190 lb)を
添加し、約35℃に加温し、次に約−10℃まで冷却し、固体とする。固体を濾取し
、冷イソプロパノールで洗浄し、遠心分離し、イソプロパノールを含有する湿潤
したケーキとして標題化合物を得る。
2.2.1 (3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イ
ル)酢酸エチルエステルの合成
実施例1.2の方法により、3−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ペン
タンジ酸ジエチルエステル(10g,28ミリモル)を用いて調製する。順
次3%メタノール/ジクロロメタン、次いで6%メタノール/ジクロロメタンを
溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得
る。
2.2.2(3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル
)酢酸エチルエステルの合成
3−シアノ−(3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタンジ酸ジエチルエーテ
ル(32g,89ミリモル)と(150ml)をParr容器内で合わせる。ラネーニッケル(
100g)および濃アンモニア水溶液(40ml)を添加する。24時間50psiで水素添加
する。セライトパッドで濾過し固体をエタノールで洗浄する。濾液を真空下に蒸
発させ、残留物を得る。6%メタノール/ジクロロメタンを溶離剤とするシリカ
ゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物を得る。Rf=0.34(シリカゲル
、6%メタノール/ジクロロメタン)。融点;87〜90℃。
元素分析値(C14H15C12NO3として):
計算値:C 53.18;H 4.78;N 4.43
測定値:C 53.34;H 4.71;N 4.51
2.2.3 (3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イ
ル)酢酸エチルエステルの合成
ラネーニッケル(24 lb)および濃アンモニア水溶液(19 lb)を合わせる。3
−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタンジ酸ジエチルエステル(15
lb)および(117 lb)の溶液を加圧反応容器中に添加する。35℃で200psiで水素
添加する。20時間後、冷却し、容器を換気し、窒素パージし、濾過する。固体を
エタノールで洗浄する。濾液を真空下に蒸発させ、残留物を得る。酢酸エチルに
溶解することにより残留物を結晶化させ、溶液をヘプタンで磨砕し、固体を得る
。固体を集めて標題化合物を得る。
元素分析値(C14H15C12NO3として):
計算値:C 53.18;H 4.78;N 4.43
測定値:C 53.18;H 4.72;N 4.46
2.2.4 (3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イ
ル)酢酸エチルエステルの合成
3−シアノ−3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタンジ酸ジエチルエステル
(6.7kg,イソプロパノール含有湿潤ケーキ、約3%L.O.D.)および3Cエタノ
ール(52kg)を加圧反応容器中で化合させる。水中ラネーニッケル(17.5kg,活
性触媒約11kg)および濃アンモニア水溶液(8.7kg)を添加する。35℃および200
psiで水素添加する。反応が終了した時点で、冷却し、反応容器を換気し、窒素
パージする。フィルターバッグで濾過し、エタノールで洗浄し、次に0.2ミクロ
ンのカートリッジフィルターで濾過し、固体をエタノールで洗浄する。濾液を真
空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
2.2.5 (3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イ
ル)酢酸エチルエステルの合成
ラネーニッケル(水で2回、エタノールで2回洗浄、3.6kg)、3−シアノ−
3−(3,4−ジクロロフェニル)ペンタン二酸ジエチルエステル(1260g,3.51
モル)、エタノール(9L)および濃アンモニア水溶液(1.6L)を5ガロンの
オートクレーブ中で化合させる。55psiで水素添加する。20時間後、容器を換気
し、窒素パージし、濾過する。固体をエタノール(約1L)で洗浄する。濾液を
真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を酢酸エチル(10L)と合わせ、2回
水(1L)で、次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4上に乾燥し、濾過し、真
空下に濃縮し、残留物を得る。残留物を酢酸エチル(約1.8L)およびヘプタン
(約7.2L)から結晶化させ、固体を得る。固体を集め標題化合物を得る。融点9
8〜99℃。
2.3.1 (3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジンの合成
リチウムアルミニウムハイドライドの溶液(450ml,テトラヒドロフラン中1M
,450ミリモル)を氷/アセトン浴中−10℃に冷却する。テトラヒドロフラン(35
ml)中の硫酸(12ml,99.999%,225.3ミリモル)の溶液を滴加する(テトラヒ
ドロフランに硫酸を添加する際、および、硫酸/テトラヒドロフラン溶液をリチ
ウムアルミニウムハイドライド溶液に添加する際には注意を要する)。添加終了
後、1時間攪拌する。周囲温度に戻し2時間攪拌する。テトラヒドロフラン(70
ml)中の(3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル
)酢酸エチルエステル(23.2g,73.4ミリモル)の溶液を滴加する。36時間45〜
50℃に加熱する。氷浴中で冷却する。テトラヒドロフラン/水(1/1、70ml)の
溶液を滴加する。濾過し、フィルターケーキをテトラヒドロフランおよびジクロ
ロメタンで洗浄し、濾液を回収する。フィルターケーキとテトラヒドロフラン/
水/15%水酸化ナトリウム溶液(1L/70mL/20mL)を合わせ、2時間激しく攪
拌する。濾過し、濾液を上記で得られた濾液と合わせる。合わせた濾液を真空下
に濃縮し、残留物を得る。残留物をジクロロメタンに溶解し、MgSO4で乾燥し、
濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物をジエチルエーテルから再結晶
させ、標題化合物を得る。Rf=0.27(シリカゲル、9/1/0.2ジクロロメタン/
メタノール/水酸化アンモニウム)。融点;91〜94℃。
元素分析値(C12H15C12NOとして):
計算値:C 55.40;H 5.81;N 5.38
測定値:C 55.64;H 5.88;N 5.20
2.3.2 (S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩および(R)−3−
(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ
−p−アニソイル酒石酸塩の分割
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(1
.0g,38.5ミリモル)とブタノンを合わせる。ブタノン(80ml)中の(R,R)−ジ
−p−アニソイル酒石酸(1.6g,38.0ミリモル)の溶液を添加する。還流下に加
熱する。15分後、周囲温度に冷却し、次に更に塩−氷浴中で冷却する。形成した
固体を濾過し、ブタノンで洗浄する。水/メタノールから固体を再結晶し、(S)
−(−)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を得
ホキシド)。単結晶のX線回折分析により(S)−型であることが確認される。抽
出で得られた遊離アミンの分析用試料をCHIRALPAK AD 25cm×0.46cmカラムを用
いたペンタン/メタノール/トリエチルアミン(80/10/0.1)を溶離剤とする
流量1.0ml/分のHPLC分析に付すことにより、96%のエナンチオマー余剰(96%e
e)、(S)−型異性体の保持時間11.2分、(R)−型異性体の保持時間14.5分が得
られる。
2.3.3 (S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩および(R)−3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン塩酸塩の分割
(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(0.8g,19ミリモル)と12M塩酸水溶液(
0.16ml,19ミリモル)を水/メタノール(10ml)/(10ml)中で化合させる。還流下
に加熱する。メタノール(10ml)中の3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2
−ヒドロキシエチル)ピロリジン(1.0g,38.5ミリモル)の溶液を滴加する。1
5分後、ゆっくり周囲温度に冷却する。形成した固体を
濾過し、水で洗浄し、(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキ
シエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を得る。融点;201〜
204℃(分解)。実施例2.3.2に記載したとおりのHPLC分析によれば、97%エ
ナンチオマー余剰(97%ee)である。
2.3.4 (S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の合成および分割
3−(3,4−ジクロロフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチ
ルエステル(40 1b)とテトラヒドロフラン(260 1b)を合わせる。容器を窒素パー
ジする。ボランジメチルスルフィド錯体の溶液(38 1b,テトラヒドロフラン中
2M溶液)を添加する。還流下に加熱する。60時間後、内部温度が約70℃に上昇
するまで加熱し、次にメタノール(650 1b)を用いて反応をゆっくりクエンチン
グする。水(650 1b)を添加する。メタンスルホン酸(16 1b)を添加する。還
流下に加熱し、蒸留物を除去して、残存するテトラヒドロフランの大部分を除去
する。メタノール(約18gal)を(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(32 1b)
と合わせる。還流下に加熱し、上記の残留物の入った容器に移す。結晶種を添加
し、ゆっくり10℃まで冷却して固体とする。固体を回収し、メタノール(145 ga
l)および水(145gal)と合わせる。還流下に加熱する。1時間後ゆっくり10℃
まで冷却し、固体とする。固体を回収し、乾燥し、標題化合物を得る。
2.4.1 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベ
ンゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジンの合成
(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩(0.14g,0.21ミリモル)、酢酸エチル
(15ml)、アセトニトリル(6ml)、水(6ml)および重炭酸ナト
リウム(0.09g,1.03ミリモル)を合わせる。塩−氷浴中0℃に冷却する。2−
メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイルクロリド(0.21ミリ
モル)を添加する。30分後周囲温度に加温する。周囲温度で30分の後、酢酸エチ
ルと塩水との間で反応混合物を分配する。有機層を1M塩酸溶液、次いで重炭酸
ナトリウム飽和水溶液で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に
蒸発させ、標題化合物を得る。
2.4.2 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベン
ゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ンの合成
(S)−3-(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン
(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩(6.0g,8.84ミリモル)、水(40ml)、水酸化
ナトリウム(0.335g,8.87ミリモル)および重炭酸ナトリウム(3.73g,8.87
ミリモル)を合わせる。約0℃に冷却する。アセトン(12ml)中の2−メトキシ
−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイルクロリド(9.7ミリモル)の溶
液を約15分かけて添加する。3時間後、反応混合物を酢酸エチルと塩水との間で
分配する。有機層を1M水酸化ナトリウム溶液、重炭酸ナトリウム飽和溶液、1
M塩酸溶液、次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下
に蒸発させ、標題化合物を得る。
2.4.3 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾ
イル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ンの合成
(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩(1.20g,1.77ミリモル)と重炭酸ナトリ
ウム(0.75g,8.9ミリモル)をアセトン/水(5ml/5ml)中で合わせる。氷
浴中で冷却する。アセトン(20ml)中の2−メトキシ−5−(1H
−トリアゾル−1−イル)ベンゾイルクロリド(0.37g,1.6ミリモル)を添加
する。30分後、周囲温度に戻す。5時間後、反応混合物を濾過し、濾液を酢酸エ
チルで抽出する。有機層を重炭酸ナトリウム飽和水溶液次いで塩水で抽出する。
有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を
シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、順次、酢酸エチル、3%メタノール
/ジクロロメタン、次いで6%メタノール/ジクロロメタンで溶離し、標題化合
物を得る。Rf=0.38(シリカゲル、6%メタノール/ジクロロメタン)。
2.5.1 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベン
ゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエ
チル)ピロリジンの合成
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンとメタ
ンスルホニルクロリドを用いて実施例1.5の方法により製造し、標題化合物を
得る。
2.5.2 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベン
ゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエ
チル)ピロリジンの合成
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(600mg
,1.3ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.5ml,2.87ミリモ
ル)をジクロロメタン(13ml)中で化合させる。氷浴中で冷却する。メタンスル
ホニルクロリド(0.12ml,1.55ミリモル)を滴加する。15分後、更にメタンスル
ホニルクロリド(0.03mL,0.39モル)を添加する。30分後、5%重炭酸ナトリウム
溶液と水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、
濾過し、真空下に濃縮し、標題化合物を得る。Rf=0.15(シリカゲル、酢酸エチ
ル)。
2.5.3 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベン
ゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエ
チル)ピロリジンの合成
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(200
mg,0.44ミリモル)およびN−メチルモルホリン(0.97ml)をトルエン(10ml)
中で化合させる。メタンスルホニルクロリド(0.066g,0.57ミリモル)を滴加す
る。12時間後トルエン(20ml)で希釈し、1M塩酸溶液および5%重炭酸ナトリウ
ム溶液で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、標題化
合物を得る。
2.6 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル
)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(3
,4-ジクロロフェニル)-3-(2-メタンスルホニルオキシエチル)ピロリジンおよび
4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩を用いて実施例1.6の
方法で製造し、標題化合物を得る。
実施例3
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(2
−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−フ
ェニルピロリジン
3.1.1 3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステルの合成
実施例1.1の方法によりフェニルアセトニトリル(5.85g,50.0ミリモル)
を用いて製造する。シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中20%
酢酸エチルで溶離し、標題化合物を得る。Rf=0.23(シリカゲル、ヘキサン中20
%酢酸エチル)
3.1.2 3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステルの合成
フェニルアセトニトリル(5.85g,50.0ミリモル)とテトラヒドロフラン(14
0ml)とを化合させる。約5℃に冷却する。ナトリウムビス(トリメチルシリル
)アミドの溶液(800ml,テトラヒドロフラン中1M,800ミリモル)を滴加する
。添加終了後、反応混合物を周囲温度に戻し、1時間攪拌放置する。反応混合物
の温度が約20℃を超えないような速度で、上記溶液をカニューレでテトラヒドロ
フラン(500ml)中のエチルブロモアセテート(84.5m,762ミリモル)の冷却(−8
℃)溶液に移す。周囲温度で攪拌放置する。18時間後、ジエチルエーテル(1.5
L)で希釈し、塩化アンモニウムの飽和水溶液、ついで水、次いで塩化ナトリウ
ムの飽和水溶液で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し
、残留物を得る。残留物をバルブ対バルブ(bulb-to-bulb)蒸留により蒸留し、
標題化合物を得る。沸点;
140〜150℃、0.2mmHg。
3.1.3 3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステルの合成
フェニルアセトニトリル(175.5g,1.5モル)とテトラヒドロフラン(1.95L)を
合わせる。約0℃に冷却する。ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶
液(3.2L,テトラヒドロフラン中1M,3.2モル)を約15分かけて滴加する。添
加終了後、反応混合物を周囲温度に戻し、1時間攪拌放置する。上記溶液を約45
分間かけてテトラヒドロフラン(1.95L)中のエチルブロモアセテート(510g
,3.05モル)の冷却(約−20℃)溶液に移す。周囲温度に戻し、攪拌放置する。
18時間後、ジエチルエーテル(3L)および水(1.5L)で希釈する。2回塩化
アンモニウム飽和水溶液(2.25L)次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4で乾
燥し、濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物をバルブ対バルブ(bulb
-to-bulb)蒸留により蒸留し、標題化合物を得る。沸点;180〜190℃、30mmHg。
元素分析値(C16H19NO4として):
計算値:C66.43;H6.62;N4.84
測定値:C66.34;H6.57;N4.82
3.2.1 (3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエス
テルの合成
実施例2.2.2の方法により、3−シアノ−3−フェニルペンタンジ酸ジエチ
ルエステルを用いて製造し、標題化合物を得る。Rf=0.60(シリカゲル、6%メ
タノール/ジクロロメタン)
3.2.2 (3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエス
テルの合成
3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステル(93g,321ミ
リモル)およびエタノール(400ml)を2ガロンの圧力反応容器中合わせる。ラ
ネーニッケル(280g)を添加する。50℃に加熱し、200psiの水素を充填する。15分
後、反応器を換気し、濃アンモニア水溶液(120ml)を添加する。反応器に水素2
00psiを充填する。7時間後、反応器を換気し、18時間放置する。セライトパッ
ドで濾過し、固体をエタノールで洗浄する。濾液を真空下に蒸発させ、残留物を
得る。残留物と1/5ジエチルエーテル/ヘキサン(500ml)を合わせ、−20℃に
冷却する。18時間後、傾瀉し、1/5ジエチルエーテル/ヘキサン(500ml)を
添加し、−20℃に冷却して固体とする。固体を濾取し1/5ジエチルエーテル/
ヘキサン(500ml)で磨砕する。固体を濾取し、乾燥して標題化合物を得る。
元素分析値(C14H17NO3として):
計算値:C68.00;H6.93;N5.66
測定値:C67.63;H6.99;N5.81
3.2.3 (3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエス
テルの合成
3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステル(396.6g,1.37モル
)およびエタノール(4L)および濃アンモニア水(530ml)を2ガロンのオー
トクレーブ中で合わせる。ラネーニッケル(410g)を添加する。24℃に加熱し
、水素205psiを充填する。26時間後、反応器を換気し、窒素パージする。反応混
合物をセライトパッドで濾過し、固体をエタノール(1.5L)で洗浄する。濾液
を真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
3.2.4 (3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエス
テルの合成
3−シアノ−3−フェニルペンタン二酸ジエチルエステル(243g,0.84モル
)およびエタノール(2.5L)、濃アンモニア水(325ml)およびラネー
ニッケル(250g,水で3回予備洗浄)を2ガロンのオートクレーブ中で合わせる。
200psiの水素を充填する。50℃に加熱する。24時間後、反応器を換気し、窒素パ
ージする。反応混合物をセライトパッドで濾過し、固体をエタノール(1L)で
洗浄する。濾液を真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
3.3.1 3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
実施例1.3の方法により、(3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イ
ル)酢酸エチルエステル(8.7g,35ミリモル)を用いて製造し、ジクロロメタ
ン/ジエチルエーテルから再結晶させ、標題化合物を得る。融点:115.0〜117.0
℃;Rf=0.03(シリカゲル、6%メタノール/ジクロロメタン)。
元素分析値(C12H17NOとして):
計算値:C75.36;H8.96;N7.32
測定値:C75.78;H8.96;N7.45
3.3.2 3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
(3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエステル(30
1g,1.25モル)およびテトラヒドロフラン(3.5L)を合わせる。約5℃に冷却
する。テトラヒドロフラン中リチウムアルミニウムハイドライドの溶液(3.9L
,1M,3.9モル)を約45分間かけて少しづつゆっくり添加する。添加終了後、6
0℃に加熱する。18時間後、氷浴中で冷却する。反応混合物の温度が20℃を超え
ないような速度で水/テトラヒドロフラン1/1(1.95L)を滴加する。反応混合
物をテトラヒドロフラン(2.25L)希釈し、攪拌する。1.5時間後、反応混合物
を濾過する。固体を時エチルエーテル(3L)に懸濁し濾過する。濾液を合わせ
、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物とジクロロメタン(4L)を合わせ、
水(1L)で3回抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、
固体を得る。固体をジエチルエーテル
(0.3L)で磨砕し、濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し、標題化合物を得
る。Rf=0.12(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃アンモニア水、9
/1/0.1)。
3.3.3 3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
(3−フェニル−5−オキソピロリジン−3−イル)酢酸エチルエステル(17
1g,0.69モル)とテトラヒドロフラン(2L)を合わせる。約5℃に冷却する
。テトラヒドロフラン中リチウムアルミニウムハイドライドの溶液(2.24L,1
m,1m,2.24モル)を約15分間かけてゆっくり添加する。添加終了後約60℃に
加熱する。18時間後、氷浴中で冷却する。酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶
液(208ml)を添加することによりゆっくりクエンチングする。クエンチング終
了後、Na2SO4(100g)およびセライト(150g)を添加し、攪拌する。3時間後
反応混合物をテトラヒドロフラン(2L)で希釈し、濾過する。固体をジエチル
エール(2L)中に懸濁し、濾過する。濾液を合わせ、真空下に濃縮し、標題化
合物を得る。融点;106〜110℃。Rf=0.12(シリカゲル、ジクロロメタン/メタ
ノール/濃アンモニア水 9/1/0.1)。
3.3.4 (−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)
−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の分割
(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(1.10g,2.62ミリモル)を水/メタノー
ル(13.6mL/13.6mL)で合わせる。12M塩酸溶液(0.217mL,2.63ミリモル)を添
加する。メタノール(13.6mL)中の3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン(1.0g,5.23ミリモル)の熱溶液を添加する。還流下に加熱する。3
0分後、ゆっくり周囲温度に冷却し、固体とする。固体を濾取し、固体を2回メ
タノール/水から、1回メタノール/2−ブタノンから、1回エタノールから再
結晶させ、(−)−3−フェニル−3−(2−ヒ
ドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸を得る。アセトン
/水中の炭酸ナトリウムおよび3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリドを用い
て分析用試料を3,4,5−トリメトキシベンズアミドに変換後、CHIRALPAK AD(10
μm×4.6cm×250cm)を用い、ペンタン/エタノール/メタノール/トリエチル
アミン(80/15/5/0.1)を溶離剤とし、流量1.5ml/分としたHPLCによる分析で、(R
,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の(−)−異性体から製造した3,4,5−トリメト
キシベンズアミドについて、98%のエナンチオマー余剰(98%ee)、保持時間22
.30分が示される。
3.3.5 (+)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)
−ジ−p−アニソイル酒石酸塩と(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエ
チル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の分割
エタノール(100mL)中の3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリ
ジン(5.0g,20.2ミリモル)の熱溶液をエタノール(200ml)中の少量のアセト
ンを含む(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(16.46g,20.0ミリモル)の還流溶
液に添加する。添加終了後、周囲温度にゆっくり冷却し、固体を得る。固体を濾
取し、エタノールから三回固体を再結晶させ、(−)−3−フェニル−3−(2−
ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を得る。融点
:176.0〜179.0℃。
元素分析値(C12H17NO・C2OH18O10として):
計算値:C63.05;H5.79;N2.30
測定値:C62.72;H5.80;N2.33
試料を3,4,5−トリメトキシベンズアミドに変換後、実施例3.3.4の方法に
よるHPLC分析で、(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の(−)−異性体から製造
した3,4,5−トリメトキシベンズアミドについて、99.9%のエナンチオマー余剰
(99.9%ee)、保持時間22.30分が示される。
放置により上記母液から固体が得られる。固体を濾取し、2回エタノールから
再結晶させ、(+)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R
)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を得る。融点;175.0〜176.0℃。
元素分析値(C12H17NO・C20H18O10・0.8C3H6Oとして):
計算値:C62.98;H6.11;N2.13
測定値:C62.86;H5.94;N2.33
試料を3,4,5−トリメトキシベンズアミドに変換後、実施例3.3.4の方法に
よるHPLC分析で、(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の(+)−異性体から製造
した3,4,5−トリメトキシベンズアミドについて、99.9%のエナンチオマー余剰
(99.9%ee)、保持時間10.26分が示される。
3.3.6 (+)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R
)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩と(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエ
チル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の分割
3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(99.2g,659ミリモ
ル)とエタノール(2.5L)を合わせる。還流下に加熱する。エタノール(5.07L
)中の(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(212g,507ミリモル)の還流溶液を添
加する。添加終了後、攪拌しながらゆっくり冷却して周囲温度とし、油状物とす
る。還流下エタノール(595mL)中に油状物を溶解し、エタノール(1.1L)中の
(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(49.2g)の還流溶液を添加する。攪拌しな
がら周囲温度に冷却し、固体とする。固体を濾取し、エタノール(3.2L)から
再結晶させ、第2の固体を得る。第2の固体を濾取し、エタノール(2.6L)か
ら再結晶させ、結晶種として(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を添加し、(−)−3−フェニ
ル−3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩(121g)を得る。
3.3.7 (+)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R
)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩と(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシ
エチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の分割
3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(101g,530ミリモ
ル)とエタノール(1.92L)を合わせる。還流下に加熱する。エタノール(3.9
L)中の(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸(107g,410ミリモル)の還流溶液
を添加する。還流を継続する。10分後、ゆっくり周囲温度に戻し、結晶種を添加
する。18時間後、形成した固体を濾取し、エタノール(200mL)で洗浄する。2
回エタノールから再結晶し、(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル
)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩を得
3.3.8 (+)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン塩酸
塩の合成
(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−
p−アニソイル酒石酸塩(30.9g,50.7ミリモル)および重炭酸ナトリウム(11
.6g,53.2ミリモル)をテトラヒドロフラン/水(200ml,5/1)中で化合させ
る。氷浴中で冷却し、ジ−t−ブチルジカーボネート(8.52g,101ミリモル)
を添加する。18時間後、真空下に蒸発させ、テトラヒドロフランの大部分を除去
する。酢酸エチルで希釈し、水、塩化アンモニウム飽和水溶液、重炭酸ナトリウ
ム飽和水溶液、次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空
下に蒸発させ、残留物を得る。50%酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤とするシリカ
ゲル上のクロマトグラフィーに付し、(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキ
シエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩から調製した1−t−
ブトキシカルボニル−3−フ
ェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンを得る。Rf=0.25(シリカゲ
ル、50%酢酸エチル/ヘキサン)。
1−t−ブトキシカルボニル−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジン(13.0g,44.6ミリモル)とジオキサン中の塩酸の溶液(22.3ml,4
M,89.2ミリモル)を合わせる。50℃に加熱する。1時間後、冷却し、ジエチル
エーテルを添加して固体を形成する。固体を濾取し、乾燥
タノール)。
元素分析値(C12H17NO・HClとして):
計算値:C63.29;H7.97;N6.15
測定値:C63.21;H7.86;N6.05
3.4.1 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイル)−
3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p
−アニソイル酒石酸塩(3.49g,6.48ミリモル)およびアセトン(20ml)、(6ml
)および炭酸カリウム(2.70g,19.5ミリモル)を合わせる。氷浴中0℃に冷却す
る。30分後、アセトン(20mL)中の2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−
イル)ベンゾイルクロリド(7.4ミリモル)の溶液を滴加する。周囲温度に加温
する。18時間後、反応混合物を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム飽和水溶液との間
で分配する。有機層を分離し、塩水で抽出する。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過
し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
3.4.2 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
(−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p
−アニソイル酒石酸塩(56.0g,92.1ミリモル)、炭酸ナトリウム
(19.5g,184ミリモル)を酢酸エチル(2L)および水(2L)中で合わせる
。氷浴中で約0℃に冷却する。30分後、2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール
−1−イル)ベンゾイルクロリド(92.1ミリモル)をゆっくり少しずつ添加する
。添加終了後、周囲温度に加温する。1時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈
し、水、1M塩酸水溶液、次いで塩水で記する。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過
し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。Rf=0.48(9/1ジクロロメタン/
メタノール)。
3.5 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−フェニル−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロリジンの合成
実施例2.5.2の方法により、1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−
1−イル)ベンゾイル)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン((−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ
−p−アニソイル酒石酸塩より製造)を用いて製造し、標題化合物を得る。
3.6 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチ
ル)−3−フェニルピロリジンの合成
実施例1.6の方法により、1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1
−イル)ベンゾイル)−3−フェニル−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル
)ピロリジン((−)−3−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(
R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩より製造)および4−フェニルピペリジン−
4−カルボン酸アミド塩酸塩を用いて製造し、標題化合物を得る。
実施例4
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
4.1 (R)−(+)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジン(S,S)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩の分割
(S,S)−ジ−p−アニソイル酒石酸(14.77g,35ミリモル)、水(200ml)お
よびメタノール(200ml)を合わせる。還流下に加熱する。メタノール(135ml)
中の3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン
(18.36g,70ミリモル)の溶液を滴加する。1.5時間後、水(135mL)を添加し、
ゆっくり周囲温度に冷却して固体とする。形成した固体を濾過し、水で洗浄して
標題化合物を得る。融点;201〜202℃(分解)。実施例3.3.4に記載のとおり
のHPLCにより99.9%のエナンチオマー余剰(99.9%
4.2 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾ
イル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン
の合成
実施例2.4.3の法方により、(R)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2
−ヒドロキシエチル)ピロリジン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩
を用いて調製し、標題化合物を得る。
4.3 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイ
ル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)
ピロリジンの合成
実施例2.5.2の(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イ
ル)ベンゾイル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)
ピロリジンの方法を用いて製造し、標題化合物を得る。
4.4 (S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾ
イル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1ーイル)エ
チル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロ
リジン(9ミリモル)、4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩
(8ミリモル)、および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.6g,36ミリモ
ル)をアセトニトリル(100ml)中で化合させる。還流下に加熱する。19時間後
、反応混合物を冷却し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物とジクロロメ
タンを合わせ、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、次いで塩水で抽出する。有機層を
MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
実施例5
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3
−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
5.1 (S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−
3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合成
(S)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン(R,R)−ジ−p−アニソイル酒石酸塩(40g,59,0ミリモル)、N,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(20.6mL)およびジクロロメタン(400ml)を化合させる。
ジクロロメタン(100mL)中のジ−t−ブチルジカーボネート(14.2g)の溶液を
滴加する。18時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、ついで3回水
で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得
る。残留物を、順次35%酢酸エチル/ヘキサン次いで50%酢酸エチル/ヘキサン
を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物を得る。
Rf=0.16(シリカゲル、35%酢酸エチル/ヘキサン)。
5.2 (S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−
3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロリジンの合成
(S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(
2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(17g,47.0ミリモル)、N,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン(20ml)およびジクロロメタン(300ml)を化合させる。反応混
合物を氷浴中で冷却する。メタンスルホニルクロリド(4.8ml)を滴加する。30
分後、更にメタンスルホニルクロリド(0.9mL)を添加
する。2時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、ついで3回水で抽
出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。
残留物を順次20%酢酸エチル/ヘキサン、35%酢酸エチル/ヘキサン、50%酢酸
エチル/ヘキサン、次いで酢酸エチルを溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグ
ラフィーに付し、標題化合物を得る。Rf=0.24(シリカゲル、35%酢酸エチル/
ヘキサン)。
5.3 (S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(2−(4−フェニル−4−
カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル
)ピロリジンの合成
(S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−
(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロリジン(17.9g,40.9ミリモル)、4
−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩(11g,45.7ミリモル)、炭
酸カリウム(18g,130ミリモル)およびテトラヒドロフラン/水(120mL/40mL)
を化合させる。還流下に加熱する。90時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、
層を分離させる。水層をジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、MgSO4で
乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を順次、20%酢酸エ
チル/ヘキサン、3%メタノール/ジクロロメタン次いで6%メタノール/ジク
ロロメタンを溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合
物を得る。Rf=0.40(シリカゲル、6%メタノール/ジクロロメタン)。
5.4.1 (S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1
−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩の合成
(S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボ
キサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェ
ニル)ピロリジン(1.15g)とジクロロメタン(25ml)を合わせる。氷浴中で冷
却する。攪拌しながら、塩酸(気体、約3.6g)を添加する。1時間後、真空下
に蒸発させ、残留物を得る。ジクロロメタンを添加し、真空下に蒸発させ、乾燥
し、標題化合物を得る。
5.4.2 (S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1
−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩の合成
(S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボ
キサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリ
ジン(15.0g,27.5ミリモル)とジクロロメタン(200ml)を合わせる。アィス
バス中で冷却する。ジオキサン中の塩酸の溶液(30mL,4M,120ミリモル)を
添加する。3時間後、メタノール(100ml)を添加し、約45℃に加熱する。12時
間後、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
5.5 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾ
イル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エ
チル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
(S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)
エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩(1.03g,1.99ミリモル)
、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL,6.3ミリモル)をジクロロメタン
(50m)中で化合させる。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.3g,2.2
2ミリモル)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩(0.43g,2.22ミリモル)および2−メトキシ−5−(1H−テトラゾー
ル−1−イル)安息香酸(0.52g,2.35ミリモル)を添加する。18時間後、反応
混合物をジクロロメタンで希釈し、2回水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し
、濾過し、真空下に蒸発させ、残留
物を得る。残留物を順次3%メタノール/ジクロロメタン、5%メタノール/ジ
クロロメタン、次いで10%メタノール/ジクロロメタンを溶離剤とするシリカゲ
ル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物を得る。Rf=0.17(シリカゲル、
6%メタノール/ジクロロメタン)。
5.6 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾ
イル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エ
チル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩の合成
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン(0.77g,1.19ミリモル)およびジクロ
ロメタン(20mL)を合わせる。氷浴中で冷却する。ジオキサン中の塩酸の溶液(
0.72ml,4M,2.88ミリモル)を添加し、固体を得る。3時間後、固体を集め、
くり返してエタノールと合わせ、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
製造例4
2−メトキシ−5−(4H−トリアゾル−4−イル)安息香酸
J.Chem.Soc.(c),1664(1967)の方法に従い、メチル2−メトキシ−5−ア
ミノベンゾエート(2.0g,11ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミドアジン(1.5
6g,11ミリモル)、p−トルエンスルホン酸(190mg)をトルエン(25ml)中で化
合させる。反応容器に対し、容器のヘッドスペースがアルゴンでパージされ希塩
酸水溶液を通して流出物を回収するように気体導入口をつける。還流下に加熱す
る。20時間後、反応混合物を真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物をジクロロ
メタンと重炭酸ナトリウム飽和水溶液との間で分配する。水層を2回ジクロロメ
タンで抽出する。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ
、残留物を得る。残留物を順次70%酢酸エチル/ジクロロメタン次いで5%メタ
ノール/ジクロメタンを溶
離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、残留物を得る。残留物を
酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させ、メチル2−メトキシ−5−(4H−トリア
ゾル−4−イル)ベンゾエートを得る。融点;191〜195.5℃。
あるいは、J.Med.Chem.21,1100(1978)の方法にしたがって、メチル2−
メトキシ−5−アミノベンゾエート(1.8g,10ミリモル)、ジホルミルヒドラジン
(0.97g,11ミリモル)および五酸化リン(1.84g,13ミリモル)を合わせる。160
℃に加熱する。1.5時間後、反応混合物を冷却し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液
を添加する。3回ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し
、濾過し、真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を順次、40%酢酸エチル/
ジクロメタン次いで5%メタノール/ジクロロメタンを溶離剤とするシリカゲル
上のクロマトグラフィーに付し、メチル2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール
−4−イル)ベンゾエートを得る。融点;179〜182℃。
メチル2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール−4−イル)ベンゾエート(56
ミリモル)およびメタノール(200ml)および水(50ml)を合わせる。1M水酸
化ナトリウム水溶液(62.5ml,62.5ミリモル)を添加する。還流下に加熱する。
8時間後、真空下に濃縮し、溶媒の大部分を除去する。1M塩酸水溶液を用いて
pHを約1〜2に調節し、ジクロロメタンで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、
濾過し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
実施例6
(R)−1−(2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール−4−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3
−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン6.1 (R)−1−(2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール−4−イル)ベンゾイ
ル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジンエチル)−3−(3
,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
実施例5.5の方法により、(S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミ
ドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロフェニル)ピロリジン塩酸
塩および2−メトキシ−5−(4H−トリアゾル−4−イル)安息香酸を用いて製造
し、標題化合物を得る。
6.2 (R)−1−(2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール−4−イル)ベンゾイ
ル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン)エチル)−3−(
3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩の合成
実施例5.6の方法により(R)−1−(2−メトキシ−5−(4H−トリアゾール
4−イル)ベンゾイル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジ
ンエチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンを用いて製造し標題化合物
を得る。
製造例5
2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)安息香酸
メチル2−メトキシ−5−ホルミルベンゾエート(5.0g,25.9ミリモル)、塩
酸ヒドロキシルアミン(8.55g,133ミリモル)および酢酸ナトリウム(10.25g
,125ミリモル)をエタノール/水(200ml,1/1)中で化合させる。50℃に加
熱する。1時間後、反応混合物を氷上に注ぎ込み、固体とする。
固体を濾取し、メチル2−メトキシ−5−ホルミルベンゾエートオキシムを得る
。Rf=0.76(シリカゲル、9/1ジクロロメタン/メタノール)。
メチル2−メトキシ−5−ホルミルベンゾエートオキシム(3.5g,16.7ミリ
モル)をジクロロメタン(75ml)と合わせ、氷浴中で冷却する。チオニルクロリ
ド(2.0ml,27.2ミリモル)を滴加する。20分後、反応混合物をジクロロメタンで
希釈し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4
で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物を1/1酢酸エチル
/ヘキサンを溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、メチル2
−メトキシ−5−シアノベンゾエートを得る。
メチル2−メトキシ−5−シアノベンゾエート(0.67ミリモル)、アジ化ナトリ
ウム(0.13g,2.04ミリモル)、および塩酸トリエチルアンモニウム(0.14g,1.
03ミリモル)をN−メチルピロリドン(6ml)中で化合させる。150℃に加熱す
る。4時間後、周囲温度に冷却し、反応混合物を水と酢酸エチルとの間で分配す
る。層を分離させ、水層を3回酢酸エチルで抽出する。水層のpHを1M酸水溶液
で約1とする。水層を再度、3回酢酸エチルで、そして2回ジクロロメタンで抽
出する。水層を塩化ナトリウムで飽和させ、再度、4回ジクロロメタンで抽出す
る。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、メチル2−
メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾエートを得る。
メチル2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾエート(1ミ
リモル)および水素化リチウム(1.1ミリモル)を1/1テトラヒドロフラン/
水(5ml)中で化合させる。24時間後、反応混合物を0.5m塩酸水溶液とジクロロ
メタンで希釈する。層を分離させ、水層を3回ジクロロメタンで抽出する。有機
層を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させ、標題化合物を得る。
実施例7
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン7.1 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイ
ル)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン)エチル)−3−(
3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
実施例5.5の方法により、(S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミ
ドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩
酸塩および2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−5−イル)安息香酸を用いて製
造し、標題化合物を得る。
製造例6
4−(ピリド−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩
N,N−ビス−(2−クロロエチル)ベンジルアミン塩酸塩(72.0g,269ミリモル
)およびピリド−3−イルアセトニトリル(31.8g,269ミリモル)およびヘキ
サデシルトリブチルホスホニウムブロミド(6g)を水酸化ナトリウム水溶液(
50重量%、400ml)中で化合させる。蒸気浴上で加熱し、激しく攪拌する。1.5時
間後反応混合物を周囲温度に冷却する。反応混合物を3回ジクロロメタンで抽出
する。有機層を合わせ、2回10%塩酸水溶液で抽出する。有機層を合わせ、水酸
化ナトリウム水溶液(50重量%)で塩基性とする。塩基性化した水溶液を3回ジ
エチルエーテルで抽出する。合わせたエーテル層をMgSO4で乾燥し、濾過し、濾
液を得る。濾液を塩化水素ガスでパ
ージし、固体とする。固体を濾取し、65℃で真空下乾燥し、1−ベンジル−4−
(ピリド−3−イル)−4−シアノピペリジン塩酸塩を得る。
1−ベンジル−4−(ピリド−3−イル)−4−シアノピペリジン塩酸塩(7.0g
,20ミリモル)、水酸化ナトリウム水溶液(7ml,50重量%)およびエタノール
(130L)を化合させる。約50℃に加熱する。加熱を止め、反応混合物の温度が6
0℃を超えないような速度で過酸化水素の溶液(23ml,水中30重量%)を添加す
る。過酸化水素の添加終了後、反応混合物の温度を50℃に保持する。4時間後、
真空下に濃縮し、固体を得る。固体を濾取し、水で洗浄し、風乾し、1−ベンジ
ル−4−(ピリド−3−イルN−オキシド)−ピペリジン−4−カルボン酸アミド
N−オキシドを得る。Rf=0.29(シリカゲル、9/1メタノール/ジクロロメタ
ン)。
あるいは、1−ベンジル−4−(ピリド−3−イル)−4−シアノピペリジン塩
酸塩(20.0g)、水酸化ナトリウム水溶液(20ml,50重量%)およびメタノール(
380ml)を化合させる。反応混合物の温度が60℃を超えないような速度で過酸化
水素の溶液(60ml,水中30重量%)を添加する。過酸化水素の添加終了後、約50
℃に加熱する。2時間後、真空下に濃縮し、固体を得る。固体を濾取し、水で洗
浄し、1−ベンジル−4−(ピリド−3−イルN−オキシド)−ピペリジン−4−
カルボン酸アミドN−オキシドを得る。
1−ベンジル−4−(ピリド−3−イルN−オキシド)−ピペリジン−4−カル
ボン酸アミドN−オキシド(3.1g、10.5ミリモル)、5%Pd/C(2g)およびメ
タノール(200ml)を加圧容器中合わせる。水素55psiで水素添加する。71時間後
、触媒を濾去し、メタノールで洗浄し、濾液を真空下に蒸発させ、4−(ピリド
−3−イル)−ピペリジン−4−カルボン酸アミドを得る。
4−(ピリド−3−イル)−ピペリジン−4−カルボン酸アミド(3.0g,14.6ミ
リモル)、メタノール(30ml)および水(10ml)を合わせる。氷浴中で冷却し、
ヨウ化水素酸の水溶液(4.2ml,57%,31.2ミリモル)を添加する。30分後、濾
過し、濾液を真空下に蒸発させ、残留存物を得る。残留物を
メタノールで磨砕し、固体を得る。固体を集め、真空下56℃で乾燥し、標題化合
物を得る。
実施例8
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)−3
−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)
エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン
8.1.1 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベン
ゾイル)−3−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン
−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロ
リジン(1.3ミリモル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1ml,5.74ミリモル
)および4−(ピリド−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩(0.
75g,1.62ミリモル)をアセトニトリル(25ml)中で化合させる。還流下に加熱
する。18時間後、メタノール(15ml)を添加し、還流を継続する。18時間後、反
応混合物を周囲温度に戻し、ジクロロメタンで希釈し、2回水で抽出する。有機
層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、残留物を得る。残留物を順次、
酢酸エチル、3%メタノール/酢酸エチル、6%メタノール/酢酸エチル、次い
で10%メタノール/酢酸エチルを溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィ
ーに付し、標題化合物を得
る。
8.1.2 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベン
ゾイル)−3−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン
−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
(S)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)−
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロ
リジン(1.6ミリモル)、炭酸カリウム(1.1g、8.0ミリモル)、および4−(ピリド
−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸アミド(0.50g,2.44ミリモル)をテ
トラヒドロフラン/水(9ml/3ml)中で化合させる。還流下に加熱する。100
時間後、反応混合物を周囲温度に戻し、ジクロロメタンで希釈する。濾過し、濾
液を2回水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、残
留物を得る。残留物を順次、酢酸エチル、3%メタノール/酢酸エチル、6%メ
タノール/酢酸エチル、次いで10%メタノール/酢酸エチルを溶離剤とするシリ
カゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物を得る。
8.2 (R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイ
ル)−3−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1
−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩酸塩の合成
(R)−1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンゾイル)−
3−(2−(4−(ピリド−3−イル)−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル
)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン(0.3g)とジクロロメタン
(50ml)を合わせる。氷浴中で冷却する。塩酸(気体、約6.0g)を添加する。1
時間後、メタノール(約20ml)を添加し、真空下に蒸発させ、56℃で真空下乾燥
し、標題化合物を得る。
実施例9
1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(2
−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,
4−ジメチルフェニル)ピロリジン9.1.1 3−シアノ−3−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタン二酸ジエチルエ
ステルの合成
3,4−ジメチルフェニルアセトニトリル(50.0ミリモル)とテトラヒドロフラ
ン(140ml)を合わせる。約5℃に冷却する。ナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドの溶液(800ml,テトラヒドロフラン中1M,800ミリモル)を滴加す
る。添加終了後、反応混合物を周囲温度に戻し、1時間攪拌する。反応混合物の
温度が20℃を超えないような速度で、上記溶液をカニューレでテトラヒドロフラ
ン(500ml)中のエチルブロモアセテート(84.5ml、762ミリモル)の冷(−8℃
)溶液に移す。攪拌しながら周囲温度に戻す。18時間後、ジエチルエーテル(1.
5L)で希釈し、塩化アンモニウム飽和水溶液、水、次いで、塩化ナトリウム飽
和水溶液で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、標題
化合物を得る。
9.1.2 3−シアノ−3−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタン二酸ジエチルエ
ステルの合成
ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(723ml,テトラヒドロフラン中
1M、723ミリモル)を氷浴中0℃に冷却する。約1.5時間かけてテトラヒドロフ
ラン(130ml)中の3,4−ジメチルフェニルアセトニトリル(50ミリモル)の溶液
を添加する。添加終了後、反応混合物を周囲温度に戻し攪拌放
置する。2時間後、テトラヒドロフラン(250ml)中のエチルブロモアセテート
(126g,757ミリモル)の冷(−50℃)溶液にカニューレで上記溶液を移す。移
し終わった後、反応混合物を周囲温度に戻す。18時間後、ジエチルエーテル(50
0ml)で希釈し、水、1M塩酸溶液、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、次いで塩水
で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮し、標題化合物を
得る。残留物をジエチルエーテルから再結晶させ、標題化合物を得る。
9.2.1 (3−(3,4−ジメチルフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル)
酢酸エチルエステルの合成
実施例2.2.2の方法により、3−シアノ−3−(3,4−ジメチルフェニル)ペ
ンタンジ酸ジエチルエステルを用いて製造し、標題化合物を得る。
9.2.2 (3−(3,4−ジメチルフェニル)−5−オキソピロリジン−3−イル)
酢酸エチルエステルの合成
3−シアノ−3−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタンジ酸ジエチルエステル(5
6g,177ミリモル)とエタノール(500ml)をParr容器中で合わせる。ラニ−ニ
ッケル(50g)および濃アンモニア水(85ml)を添加する。50℃、100psiで48時
間水素添加する。セライトパッドで濾過し、固体をエタノールで洗浄する。濾液
を真空下に蒸発させ、残留物を得る。残留物を6%メタノール/ジクロロメタン
を溶離剤とするシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、標題化合物を得る。
9.3 (3−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ンの合成
実施例2.3.1の方法により、(3−(3,4−ジメチルフェニル)−5−オキソ
ピロリジン−3−イル)酢酸エチルエステルを用いて製造し、ジクロロメタン/
ジエチルエーテルから再結晶させて、標題化合物を得る。Rf=0.35(シリカゲル
、85/10/5ジクロロメタン/メタノール/酢酸)。
9.4 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイル)
−(3−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの合
成
(3−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン(20
ミリモル)および重炭酸ナトリウム(8.4g)をアセトン(50ml)/水(50ml)中
で合わせる。アセトン(50ml)中の2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−
イル)ベンゾイルクロリド(20ミリモル)の溶液を添加する。3時間後、反応混
合物を3回酢酸エチルで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空下に
濃縮し、標題化合物を得る。
9.5 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾル−1−イル)ベンゾイル)−(3
−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−メタンスルホニルオキシエチル)ピロリ
ジンの合成
実施例2.5.2の方法により、1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−
1−イル)ベンゾイル)−(3−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシ
エチル)ピロリジンを用いて製造し、標題化合物を得る。
9.6 1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−
3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−
3−(3,4−ジメチルフェニル)ピロリジンの合成
実施例1.6の方法により1−(2−メトキシ−5−(1H−テトラゾール−1−
イル)ベンゾイル)−(3−(3,4−ジメチルフェニル)−3−(2−メタンスルホニ
ルオキシエチル)ピロリジンと4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド
塩酸塩を用いて製造し、標題化合物を得る。
製造例7
3−(1H−テトラゾール−1−イル)安息香酸
エチル3−アミノベンゾエートを用いて調製例1の方法によりエチル3−(1H
−テトラゾール−1−イル)ベンゾエートを製造し、エチル3−(1H−テトラゾ
ール−1−イル)ベンゾエートを得る。Rf=0.51(シリカゲル、1/1酢酸エチ
ル/ヘキサン)。
エチル3−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾエート(4.93g,22.6ミリモ
ル)およびテトラヒドロフラン/水(100ml/25ml)を合わせる。水素化リチウ
ム(1.9g、45.2ミリモル)を添加し、還流下に加熱する。2時間後、周囲温度
に冷却し、反応混合物を5回1M水酸化ナトリウム水溶液で抽出する。水層を合
わせ、酢酸エチルで抽出する。水層を1M塩酸水溶液(pH約1)で酸性化し、固体
とする。固体を濾取し、標題化合物を得る。
実施例10
(R)−1−(3−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(2−(4−フ
ェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジク
ロロフェニル)ピロリジン
10.1 (R)−1−(3−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)−3−(2
−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3
,4−ジクロロフェニル)ピロリジンの合成
実施例5.5の方法により(S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミ
ドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン塩
酸塩および3−(1H−テトラゾール−1−イル)安息香酸を用いて製造し、標題化
合物を得る。
製造例8
2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)安息香酸
2−メチル−5−ニトロ安息香酸(4.98g,27.5ミリモル)、炭酸カリウム(1.
93g,14.0ミリモル)およびヨウ化メチル(7.80g,55.0ミリモル)
をアセトン(100ml)中で合わせる。還流下に加熱する。4時間後、反応混合物
を冷却し、水で希釈し、5回酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ、重炭酸ナ
トリウム飽和水溶液、次いで塩水で抽出する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し
、真空下に蒸発させ、メチル2−メチル−5−ニトロベンゾエートを得る。Rf=
0.61(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン1/1)。
メチル2−メチル−5−ニトロベンゾエート(5.32g,27.2ミリモル)とメタ
ノール(100ml)を合わせる。5%Pd/C(0.27g)を添加する。50psiで加圧装
置内で水素添加する。18時間後、セライトで濾過して触媒を除去し、濾液を真空
下に蒸発させ、メチル2−メチル−5−アミノ安息香酸を得る。Rf=0.34(シリ
カゲル、酢酸エチル/ヘキサン1/4)。
メチル2−メチル−5−アミノベンゾエート(4.5g,27.2ミリモル)とトリ
エチルオルトホルメート(16.2g,109ミリモル)を氷酢酸(25ml)中で合わせ
る。12時間後、アジ化ナトリウム(7.08g,109ミリモル)を少しずつ添加する
。70℃に加熱する。2時間後、反応混合物を周囲温度に冷却し、水(250ml)で
希釈する。固体を濾取し、水で洗浄し、乾燥し、メチル2−メチル−5−(1H−
テトラゾール−1−イル)ベンゾエートを得る。Rf=0.13(シリカゲル、酢酸エチ
ル/ヘキサン1/4)。
メチル2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾエート(5.2g
,23.9ミリモル)と水素化リチウム水和物(2.0g,47.7ミリモル)をテトラヒド
ロフラン/水(50ml/50ml)中で合わせる。還流下に加熱する。2時間後、ジエ
チルエーテルで希釈し、層を分離させる。水層を3回ジエチルエーテルで抽出す
る。合わせたジエチルエーテル層を1M水酸化ナトリウム溶液(20ml)で3回抽
出する。水層を合わせ、1M塩酸水溶液(pH約1)で酸性化し、固体とする。固
体を濾取し、水から再結晶させ、標題化合物を得る。
実施例11
(R)−1−(2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル)
−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル)
−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン
11.1 (R)−1−(2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゾイル
)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサミドピペリジン−1−イル)エチル
)−3−(3,4−ジクロロフェニル.)ピロリジンの合成
実施例5.5の方法により、(S)−3−(2−(4−フェニル−4−カルボキサ
ミドピペリジン−1−イル)エチル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)ピロリジン
塩酸塩と2−メチル−5−(1H−テトラゾール−1−イル)安息香酸を用いて製造
し、標題化合物を得る。
タキキニンは共通のC−末端配列,Phe−Xaa−Gly−Leu−Met−NH2を共有して
いるニューロペプチドの1つのクラスである。タキキニンは末梢神経と中枢神経
系に広範に分布し、そこで少なくとも3種の受容体と結合する。NK1、NK2お
よびNK3受容体はそれぞれサブスタンスP、ニューロキニンA(NKA)およびニ
ューロキニンB(NKB)の優先的結合親和性により定義される。
タキキニン拮抗剤の用途は種々のタキキニン媒介疾患および症状の治療であり
、例えば膀胱炎;気管支収縮;過敏性反応;疼痛治療;末梢神経症;ヘルペス後
の神経痛;有害免疫反応;呼吸器疾患、例えば喘息、気管支炎、咳、鼻炎および
アレルギー症状など;眼科疾患、例えば結膜炎および春季結膜炎;皮膚疾患、例
えば接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および蕁麻疹;炎症性疾患、例えば関節リ
ューマチおよび骨関節炎など;胃腸症状、例えばクロー
ン病、嘔吐および潰瘍性大腸炎;血管拡張による症状、例えばアンギナおよび偏
頭痛;および中枢神経系の疾患と症状、例えば不安、抑鬱、精神病、分裂症、痴
呆などが対象となる。
タキキニン媒介の疾患および症状はタキキニンが全体的または部分的に臨床上
の徴候に関与する疾患や症状を指すものとする。更に、タキキニンの関与は必ず
しも特定のタキキニン媒介の疾患や症状の原因である必要はない。タキキニン拮
抗剤は上記したタキキニン媒介の疾患および症状の抑制やその治療緩解において
有用である。
本発明は式(1)の新規で有用なタキキニン拮抗剤およびその立体異性体および
製薬上許容しうる塩を提供する。特に本発明はNK1およびNK2受容体拮抗剤で
ある式(1)の化合物を提供する。
別の実施態様において、本発明は式(1)の化合物の治療有効量をタキキニン媒
介の疾患や症状の治療の必要な患者に投与することからなる、上記患者における
上記疾患や症状の治療方法を提供する。本明細書に記載する治療対象となる種々
の疾患や症状は当業者にはよく知られたものである。また当業者は、関連する疾
患や症状に対しても、式(1)の化合物の治療有効量で疾患や症状を現在有する患
者を治療することにより、または疾患や症状を有する患者を予防的に治療するこ
とができる。
本明細書では、「患者」という用語は特定のタキキニン媒介の疾患や症状を有
する哺乳類のような温血動物を指す。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス
、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトがこの用語の範囲に含まれる動物の例である。
ある患者は、その患者がタキキニン媒介の疾患や症状の1種または2種以上に罹
患している場合に、上記疾患や症状の治療の必要な患者とされる。
タキキニン媒介の疾患や症状の治療の必要な患者の識別は、当業者の知るとお
りである。専門医は臨床試験、身体検査および病歴/家族暦に基づいて、上記治
療の必要な患者を容易に識別できる。
本明細書では式(1)の化合物の「治療有効量」とは、タキキニン媒介の疾患や
症状を抑制するのに有効な量を指す。「抑制」とは上記した疾患や症状の進行の
遅延、中断、阻止または停止が起こるような全ての過程を指し、必ずしも疾患や
症状の完全な消失を指すものではなく、タキキニン媒介の疾患や症状の予防的治
療も包含するものとする。
治療有効量は従来の方法を用いることにより、または、同様の状況下で得られ
た結果を観察することにより、当業者である担当の診断医により容易に決定でき
る。治療有効量、即ち用量を決定する際には、担当診断医が多くの要因を考慮す
ることが必要であり、例えば、動物種、その体格、年齢、全身の健康状態、関与
する特定の疾患、疾患の関与の程度と重篤度、個体別の応答、投与する特定の化
合物、投与方法、投与する製剤の生体利用性、選択された用法、併用薬剤の使用
、および他の関連状況を考慮する。
式(1)の化合物の治療有効量は約0.1ミリグラム/kg体重/日(mg/kg/日)〜
約100mg/kg/日の範囲で変わるものと予測される。好ましい量は当業者が決定
できる。
上記したタキキニン媒介の疾患や症状を有する患者を治療する際には、式(1)
の化合物を、経口、吸入、非経腸および局所の投与経路を含む、化合物が有効量
で生体利用される任意の形態および様式で投与できる。例えば、式(1)の化合物
を経口で、エアロゾルまたは乾燥粉末の吸入により、また、皮下、筋肉内、静脈
内、鼻内、直腸内、経皮、局所投与などにより投与できる。呼吸系の疾患および
症状、例えば、喘息、気管支炎および咳の治療のためには、経口または吸入投与
が一般的に好ましい。製剤調製の当業者は選択された化合物の特定の性質、治療
対象である疾患または症状、疾患または症状の段階、および他の関連状況に応じ
て適切な投与の形態および様式を容易に選択できる(Remington's Pharmaceutica
l Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(1990))。
本発明の化合物は単独でまたは、製薬上許容しうる担体または賦形剤と組み合
わせた医薬組成物の形態で投与でき、その比率や性質は選択されたか化合物の溶
解度や化学特性、選択された投与経路、および標準的な薬剤上の慣行により決定
できる。本発明の化合物はそれ自体有効であるが、安定性、結晶化上の都合、溶
解度の向上などを目的として、酸付加塩や塩基付加塩のような製薬上許容しうる
その塩の形態に製剤して投与してもよい。
別の実施態様において、本発明は、製薬上許容しうる担体または賦形剤の1種
または2種以上と混合して、または他の方法で組み合わせて、式(1)の化合物の
治療有効量を含有する医薬組成物を提供する。
医薬組成物は製薬技術分野でよく知られた方法で調製する。担体または賦形剤
は、活性成分のための溶媒または媒体として作用する固体、半固体、または液体
であってよい。適当な担体または賦形剤は当該技術分野でよく知られている。医
薬組成物は経口、吸入、非経腸、または局所用途に適合させてよく、患者に対し
、錠剤、カプセル、エアゾル、吸入剤、座薬、溶液、懸濁液などの形態で投与し
てよい。
本発明の化合物は例えば不活性の希釈剤とともに、または可食担体とともに経
口投与してよい。ゼラチンカプセルに封入してもよく、圧縮して錠剤としてもよ
い。経口治療投与の目的のためには、式(1)の化合物を賦形剤とともに配合し、
錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース、チュ
ーインガムなどの形態で使用してよい。これらの製剤は式(1)の化合物、即ち活
性成分を少なくとも4%含有するが、特定の形態に応じて変化してよく、好都合
には、単位の4%〜約70重量%であってよい。組成物中に存在する活性成分の量
は、投与に適する単位剤形が得られるようなものとする。
錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどはまた1種以上の以下に示す補助剤、即
ち、微結晶セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンのようなバインダー;
澱粉または乳糖のような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル、コーンス
ターチなどのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロテックスの
ような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のような滑剤;およびスクロースまたは
サッカリンのような甘味剤を含有してよく、またペパーミント、メチルサリシレ
ートまたはオレンジフレーバーのような着香剤も添加してよい。投与単位形態が
カプセルである場合は、上記した物質のほかに、ポリエチレングリコールまたは
脂肪油のような液体担体も含有してよい。他の投与単位形態は例えばコーティン
グのような投与単位の物理的形態を変える他の種々の物質を含有してよい。即ち
、錠剤または丸薬は砂糖、シェラックまたは他の腸溶性コーティング剤でコーテ
ィングしてよい。シロップは本発明の化合物のほかに、甘味剤としてのスクロー
スおよび特定の保存料、染料および着色料およびフレーバーを含有してよい。こ
れらの種々の組成物を調製する際に使用する物質は製薬上純粋であり、使用量に
おいて非毒性でなければならない。
非経口治療投与の目的のためには、本発明の化合物は溶液または懸濁液に配合
してよい。これらの製剤は本発明の化合物少なくとも0.1%を含有しなければな
らないが、0.1%〜約50重量%の範囲で変化してよい。このような組成物中に存
在する活性成分の量は、適当な用量が得られるようなものとする。好ましい組成
物および製剤は当業者が決定できる。
溶液および懸濁液はまた1種以上の以下の補助剤、即ち、注射用水、生理食塩
水、脂肪油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまた
は他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベン
のような抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;
エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン
酸塩のような緩衝剤および塩化ナトリウムやデキストロースのような浸透圧調節
剤を含有してよい。非経口製剤はアンプル、使い捨てシリンジまたはガラス製ま
たはプラスチック製の複合用量バイアルに充填できる。
本発明の化合物はまたエアゾルまたは乾燥粉末として吸入により投与してもよ
い。送達は液化または圧縮ガスにより行ってよく、または、本発明の化合物また
はその製剤を分与できる適当なポンプ系により行ってよい。式(1)の化合物の吸
入による投与のための製剤は、一相、二相、または三相の系であってよい。種々
の系が式(1)の化合物のエアゾルによる投与に使用できる。乾燥粉末製剤は、式
(1)の化合物をペレット化またはミリングして適当な粒径とするか、または、ペ
レット化された、またはミリングされた式(1)の化合物を乳糖などのような適当
な担体物質と混合することにより調製する。吸入による送達は、必要な容器、作
動手段、弁、補助容器などを含む。吸入による投与のための好ましいエアゾルお
よび乾燥粉末の製剤は当業者が決定できる。
本発明の化合物はまた局所投与してよく、その場合、担体は、適宜、溶液、軟
膏またはゲル基剤からなっていてよい。基剤は例えば1種以上の以下の物質、即
ち、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱物油、希釈剤
、例えば水およびアルコール、および乳化剤および安定化剤を含有してよい。局
所製剤は式(1)の化合物または製薬上許容しうるその塩を約0.1〜約10%w/v(
重量/単位容量)の濃度で含有してよい。
本発明のタキキニン受容体拮抗剤は以下の方法により評価できる。
実施例A
推定拮抗剤によるNK1およびNK2受容体へのヨウ素化タキキニンの結合の拮抗作用
当業者は、以下のとおりin vitroでNK1受容体とNK2受容体の親和性を測定
できる。タキキニン拮抗剤のNK1受容体親和性はモルモット肺(Keystone Biol
ogicals,Cleveland,OH)において評価し、NK2受容体に対する親和性はHSKR
−1細胞(ヒト空腸NK2受容体を発現するマウス3T3線維芽細胞)において評価す
る。組織または細胞を15倍量の50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4,4℃)中Polytron
でホモゲナイズし、遠心分離する。ペレット
をTris-HCl緩衝液に再懸濁し、遠心分離し、ペレットを2回再懸濁により洗浄す
る。最終ペレットを組織では40mg/ml、細胞では20mg/mlの濃度でインキュベー
ション緩衝液中に再懸濁し、少なくとも15分間室温に維持した後に使用する。受
容体の結合を開始するために、250μlの膜調製物を二連で以下の放射リガンド、
即ち125I−Bolton Hunter Lys−3標識サブスタンスPおよび125ヨードヒスチ
ジル−1−ニューロキニンAに添加し、最終容量500μlの緩衝液の組成は50mM T
ris−HCl(室温でpH7.4)、0.1%ウシ血清アルブミン、2mM塩化マンガン、40μg
/mlバシトラシン、40μg/mlロイペプチンおよびキモスタチン、10μMチオルフ
ァンおよび種々の用量の推定タキキニン拮抗剤とする。インキュベーションは室
温で90分(NK1受容体アッセイ)または2時間(NK2受容体アッセイ)行い、結合
を停止させるために50mMTris−HCl緩衝液(pH7.4,4℃)を添加し、0.1%ポリエ
チレンイミン(NK1受容体アッセイ)または0.5%ウシ血清アルブミン(NK2受容体
アッセイ)に予め浸積しておいたGB/Fフィルターを通して真空下濾過する。フ
ィルター結合放射能をガンマカウンターで計数する。非特異的結合は1μMのサ
ブスタンスPまたはニューロキニンAの存在下の結合として定義する。特異的結
合は総結合から非特異的結合を差し引くことにより計算する。ヨウ素化SPまた
はNKA結合の被験化合物または標準物質による競合はこの最大結合のパーセン
トとして表示する。IC50値(受容体結合を50%抑制するために必要な濃度)は、
反復曲線当てはめプログラム(GraphPAD Inplot,San Diego,CA)を用いた非一次
回帰により被験化合物各々について求める。
実施例B
推定拮抗剤によるin vitroのタキキニン誘発ホスファチジルイノシトール(PI)
ターンオーバーの拮抗作用
当業者は以下のとおりNK1受容体とNK2受容体の拮抗作用の効力を測定する
ことができる。タキキニン媒介ホスファチジルイノシトール(PI,イノシトール
ホスフェート)蓄積をそれぞれNK1またはNK2の受容体の存在下
および不存在下、UC11またはSKLKB82 # 3細胞において測定する。組織を95%
酸素−5%二酸化炭素通気下37℃のKrebs-Henseleit緩衝液中でインキュベート
する。次に組織を穏やかに通気しながら60分間37℃で100μCiのミオー[2-3H(N
)]イノシトールを含有する新しい緩衝液でインキュベートする。10mM塩化リチウ
ムを含有する室温の緩衝液5ml中で2回洗浄した後、組織を30分間室温でインキ
ュベートし、その間15分に緩衝液を交換する。緩衝液を除き、被験化合物を含む
Krebs-Henseleit緩衝液(40μg/mlバシトラシン、4μg/mlロイペプチンおよ
びキモスタチンの各々、0.1%ウシ血清アルブミンおよび10mMのチオルファンお
よび10mMの塩化リチウムを含有)を添加する。15分後、SPをUC11細胞、または
、NKAをSKLKB82 # 3細胞に種々の濃度で添加し、反応を開始する。室温で6
0分間インキュベートした後、反応を停止するために、930μlのクロロホルム:
メタノール(1:2v/v)を各試験管に添加し、その後、クロロホルム310μlお
よび二重蒸留水310μlを添加する。試料を攪拌し、遠心分離し、水層(上層)0.
9mlを取り出し、二重蒸留水2mlを添加する。混合物を攪拌し、50% Bio-Rad AG
1-X8(ホルメート型、100〜200メッシュ)交換カラム(Bio-Rad Laboratories
,Hercules,CA)上に適用する。カラムを順次、1)二重蒸留水10ml、2)5mM
四ホウ酸ニナトリウム/60mMギ酸ナトリウム5mlおよび3)1Mギ酸アンモニウ
ム/0.1mMギ酸5mlで洗浄する。3回目の溶離液を回収し、1mlをシンチレーショ
ン液7ml中で計数する。有機層(下層)のうち50μlを採取し、シンチレーショ
ンバイアル中で乾燥し、シンチレーション液7ml中で計数する。
水相アリコート中のDPM(総イノシトールホスフェート)の有機相アリコー
ト50μl中のDPM(総取り込み[3H]イノシトール)に対する比率を各試料に
つき計算する。データはバックグラウンドに対するアゴニスト誘発[3H]−イン
シトールホスフェート蓄積のパーセントとして表示する。被験化合物および/ま
たは標準物質の存在下の比を対照試料(促進アゴニスト不
存在下)の比と比較する。
用量応答のグラフを作成し、被験化合物がタキキニン誘発ホスファチジルイノ
シトールターンオーバーを抑制する能力をコンピュータープログラム支援の下に
求める。データはバックグラウンドに対する総イノシトールホスフェート蓄積の
刺激のパーセントとして表し、タキキニンにより誘発された最大応答に対して規
格化する。用量応答曲線を用いてシールド分析を行い、競合拮抗剤の濃度を示す
値を求め、アゴニストの用量で予測される値の1/2までアゴニストの用量の作用
を低減する拮抗剤のモル濃度のマイナス対数値であるpA2として表示する。シー
ルド分析で得られた直線の傾きが1と有意差が無い場合、化合物は競合拮抗剤と
して作用している。
実施例C
in vivo NK1拮抗作用の評価
当業者はモルモット気管においてサブスタンスP誘発血漿蛋白溢出を抑制する
化合物の能力を測定することにより本発明の化合物がin vivoでのNK1受容体拮
抗剤であることを測定できる。毛細管後方小静脈を通るサブスタンスP誘発蛋白
漏出はモルモット気管におけるエバンズブルー染料の蓄積を測定することにより
評価する。動物をペントバルビタール麻酔し、次いでエバンズブルー染料(20mg
/kg,i.v.,0.9%塩化ナトリウム溶液中に調製)を注射する。染料投与1分後
、拮抗剤を投与(i.v.)し、その後、サブスタンスP(1.0ナノモル/kg,i.v.
)を投与し、更に5分後、0.9%塩化ナトリウム溶液50mlの経心灌流により循環
系から過剰の染料を除去する。気管および主要気管支を除去し、乾燥染色し、計
量する。
染料の定量は50℃24時間ホルムアミドで組織を抽出した後分光光度計により(
620nm)行なう。値をバックグラウンド(染料のみ、アゴニスト不存在)から差
し引く。ED50(サブスタンスP誘発血漿蛋白溢出を50%抑制する化合物の用量
)を直線回帰分析により計算する。
実施例D
in vivo NK2拮抗作用の評価
当業者は、モルモットにおいて選択的NK2受容体アゴニストである[β−Ala8
]NKA4−10により誘発された気管支収縮を抑制する化合物の能力を評価するこ
とにより、本発明の化合物がin vivoでのNK2受容体拮抗剤であることを測定で
きる。動物をウレタン麻酔し、次に頸静脈、頚動脈および気管に挿管する。頚動
脈のカニューレをt Statham圧力変換器に接続して血圧を測定し、頸静脈に設置
したカテーテルを用いて被験化合物を投与する。気管のカニューレはT−連結器
に挿入する。T−連結器の一方のアーム部は呼吸ポンプに連結し、もう一方は別
の圧力変換器に接続する。呼吸ポンプを64拍/分に設定し、供給空気量は水10cm
の吸入圧力となるようにする。安定な呼吸と血圧が得られるまで約15分間動物を
馴化させる。推定タキキニン拮抗剤または溶媒を静脈内投与し、管を水で洗浄す
る。次に1〜30ナノモル/kg,i.v.の範囲の用量のNK2受容体選択的拮抗剤[
β−Ala8]NKA4−10につき用量応答曲線を作成する。気管支収縮はアゴニスト
に応答して起こる肺吸入圧力の用量依存性増加から推定する。被験化合物の拮抗
作用はアゴニストの用量応答曲線の右側シフトおよび[β−A1a8]NKA4−10に
応答して生じた最大吸入圧力の抑制から推定する。
実施例E
in vivo NK1およびNK2拮抗作用の評価
当業者は気道感覚神経からSPおよびNKAの双方を放出することが知られて
いるカプサイシン誘発呼吸作用を抑制する化合物の能力を評価することにより、
本発明の化合物がin vivoでのNK2受容体拮抗剤であることを測定できる。意識
のあるモルモットにおけるカプサイシン誘発呼吸作用の拮抗作用は以下の通り調
べる。In vivoの実験はDunkin Hartley雄モルモット(250〜350g)を用いて行
う。意識呼吸パターンの変化を4匹において同時に、Validyne DP 45-16差圧変
換器を介して対照箱に各々連結された四つの小型のプレクシガラス箱よりなる全
身プレチスモグラフの変法を用いて同時にモ
ニタリングする。四つの箱には給気管(エアゾルの供給にも用いる)および排気
管を取り付ける。給気および排気管は同じ長さの狭い内孔を有するものであり、
共通の供給チャンバーより出て共通の換気チャンバーに出る。このシステムを用
いて給気と大気圧の変動が同期し、差圧変換器による実質信号から排除されてい
ることを確認する。アナログ圧力信号をデータトランスレーションDT2821 A to
Dボードを介してデジタル化する。データを100試料/秒/動物の速度で収集する
。圧力変化の各サイクルを以下のパラメーター、即ち、最小圧力と最大圧力との
間で求めた上昇および下行の傾き、上昇の下行の傾きに対する比、および初期平
衡圧力とピーク時サイクル圧力との間の変化の程度を用いて分析する。上記値(
および動物の観察)に基づき、System V UNIXオペレーションシステムを動かすP
CAT 286を用いて、圧力サイクルを、正常呼吸、強制呼気(腹部の上昇により観
察)、特異な呼吸状態(SRE;通常は、咳、一過性であることが特徴の少ないく
しゃみや息切れ、ノイズと区別できる極めて大きい圧力の増加)および運動/ノ
イズに分類する。呼吸困難は、動物における呼吸困難への観察可能な移行を伴う
プレチスモグラフの圧力の有意な持続性の増加と定義される。
種々の気管支収縮剤に対する気道の応答性を調べる典型的な実験の過程におい
て、エアゾルをDeVilbiss Ultraneb 99超音波噴霧器を用いて19分(0.33ml/分
)供給し、その間動物をモニタリングする。噴霧前に、休息時呼吸を1分間採取
してベースライン圧力を求める。予備実験では種々の濃度のカプサイシンを評価
して、呼吸困難を示す動物の数を最大にするが、応答の重症度は最小限にするよ
うな0.001%の濃度を選択しておく。仮想タキキニン拮抗剤はエアゾルの曝露の
開始前20分に投与(i.v.)するか、あるいは、エアゾルの曝露開始の1時間前に経
口投与する。
本発明の代表的な化合物のタキキニン受容体結合(IC50値)を表1に示す。特
にNK1およびNK2受容体結合値は本発明の実施例Aの方法で測定した。これら
の値はいくつかの実験の平均を示す。表1では化合物AおよびBはそ
れぞれ本発明の実施例5.6および8.2の化合物であり、化合物Cは、PCT WO 94/2
6735の実施例20A.1に記載の化合物である(+)−1−(2−(3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−3-イル)エチ
ル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩である。実施例F
ヒトおよびモルモットの肝における代謝の検討
当業者は肝抽出物においてin vitroでの被験化合物の消失速度を測定すること
により本発明の化合物の代謝安定性を測定できる。代謝安定性は、本試験の初期
直線期の間に被験化合物が消失する速度を測定することにより解かる代謝速度と
逆の相関を有する。
本方法はモルモットまたはヒト肝のいずれかより得られるS9またはS10肝上
澄みのいずれかを用いて行う。モルモット肝S9はVitro Technologies,Baltim
ore,Mdより購入でき、ヒト肝S9はIIAM,Eaton Paより購入できる。モルモットと
ヒトのS10上澄みはともに以下の通り調製する。即ち、計量した肝(新鮮肝また
は使用時まで−80℃保存のもの)と1.15%塩化カリウム水溶液(10〜15ml)を合
わせ、スイスKinematicsのPCU Poltronまたは同等のものを用いてホモゲナイズ
する。ホモジネートを、肝mg当たり溶液3ml(合計)を使用できるのに十分な1.
15%塩化カリウム水溶液と合わせ、混合する。上記ホモジネートは使用前は常時
氷上に保存し、長期の保存は−80℃で行う。
ホモジネート20mlを12500rpm(10,000×G)で3℃で遠心分離する。20分後、
白色の脂質蛋白膜がある場合はこれを除去し、上澄みを新しい遠沈管に移す。上
澄みを20分間3℃で12500(10000×G)で遠心分離した後、新しい保存容器に移
し、S10上澄みを得る。S10上澄みを氷上または長期保存の場合は−80℃で保存
する。
各被験化合物の保存溶液は、16mlのインキュベーション混合物にスパイクした
場合に被験化合物の初期濃度が10μmとなるようにメタノール中で調製する。こ
の方法によれば最終インキュベーション混合物のメタノール含有量は1%を超え
ない。
インキュベーション混合物の調製は、インキュベーションビーカー中、S9ま
たはS10上澄み(4ml);1.1mM NADP、6.4nMグルコース−6−ホスフェートおよ
び1.3mM硫酸マグネシウムを含有する水溶液(4ml);およびグルコース−6−ホ
スフェートの水溶液(4単位/2ml)(0.32ml);および0.1Mリン酸一水素二カ
リウム水溶液(7.58ml)を合わせることにより行う。37℃の振とう水浴上に置い
たインキュベーション混合物に被験化合物の保存溶液0.1mlを添加することによ
り被験化合物をインキュベートする。
この試験における被験化合物の消失速度を測定するために、1、3、5、10、
15、30および60分にインキュベーションビーカーから三連のアリコート(0.5ml
)をサンプリングする。全てのアリコートをヘキサン/ドライアイススラリー中
で凍結し、酵素を即座に不活性化する。試験時まで−70℃で保存する。各試料中
の被験化合物の濃度は、調製後、被験化合物の標準濃度と比較しながらHPLCによ
り測定するが、このような調製と測定は当業者の知るとおりである。消失速度は
被験化合物の濃度の経時変化をグラフ化することにより本試験の初期直線期の傾
きから求めることができる。
化合物AおよびB、即ちそれぞれ本発明の実施例5.6および8.2の化合物、およ
び化合物C、即ちPCT WO 94/26735の実施例20A.1に記載の化合物である(+)
−1−(2−(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル)ピロリジン−3−イル)エチル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン
酸アミド塩酸塩の代謝安定性は実施例Fの方法により測定した。これらの試験に
よれば、本発明の化合物は肝酸化酵素により実質的に代謝されないことがわかる
。
化合物Aの検量線用標準溶液は、メタノール(10ml)中に化合物A(遊離
塩基)10mgを溶解し、1mg/mlの保存溶液とすることにより調製した。アセトニ
トリルを用いて保存溶液1mlを希釈して10mlすることにより100μg/mlのスパイ
キング標準溶液を調製し、100μg/ml溶液をアセトニトリルで連続希釈すること
により、50、25、10、5、2.5および1.0μg/mlの濃度のスパイク標準溶液を得
る。各スパイキング標準溶液20μlを対照S9上澄み0.2mlに添加することにより
、10,000;5,000;2,500;1,000;500;250;および100ng/mlの濃度の検量線用
標準溶液を二連で調製する。ブランクおよび試料には各々アセトニトリル20μl
を添加する。化合物Aの試験で得られた検量線用標準物質およびアリコートは以
下の通り調製した。即ち、紫色のスルホン酸固相抽出カートリッジ(Varian Inc
.,Harbor City,Ca)にメタノール(1ml)および0.5%モノクロロ酢酸水溶液
(1ml)を負荷する。検量線用標準溶液またはインキュベーションから採取した
アリコート0.2mlを5%アセトニトリル水溶液(0.5ml)で希釈し、負荷したカー
トリッジに添加する。試料をカートリッジを通して真空吸引し、モノクロロ酢酸
の0.5%水溶液(1ml)、アセトニトリル50%水溶液(50mM水酸化カリウム)(1ml
)で洗浄する。60%メタノール、38%水、1%酢酸、1%トリエチルアミン(0.4
ml)を用いてHPLCバイアルに溶出させる。TSK Super ODSカラム(2ミクロン,5
cm×4.6mm)(Tosohaas Inc.Montgomeryville,Pa)、カラム温度60℃、インジェ
クション容量0.15ml、検出波長210nmおよび溶離剤60%(10%アセトニトリル、9
0%水(25mMリン酸二水素カリウム,pH3))および40%(60%アセトニトリル、40
%水(25mMリン酸二水素カリウム、pH3))、流量1.25ml/分の条件でHPLC分析を
行う。
化合物Bの検量線用標準溶液は以下の通り作成する。即ち、化合物B1.1mgと
アセトニトリル(9ml)を10mlのメスフラスコ中で合わせる。約5分間音波処理
して溶解させる。希釈して10mlとし、混合して110μg/mlのスパイキング標準溶
液とする。保存溶液2mlを等量のアセトニトリルで希釈し、55μg/mlのスパイキ
ング標準溶液とする。同様に希釈して25、12.5、6.25、
3.125、1.56および0.78μg/mlのスパイキング溶液を調製する。各スパイキング
標準溶液50μlを対照S9上澄み0.5mlに添加することにより、10、5、2.5、1.2
5、0.625、0.313、0.156、0.078μg/mlの濃度の検量線用標準溶液を調製する。
検量線用標準溶液と化合物Bのアッセイのアリコートを調製し、以下の通り評価
した。即ち、20%トリクロロ酢酸のアセトニトリル溶液(0.1ml)をインキュベ
ーションから採取したアリコート0.5ml(試料または対照)に添加する。各スパ
イキング標準溶液50μlまたはアセトニトリル(50μl)を試料またはブランクに
添加し、30秒間攪拌混合した後、5〜6分間12000rpmで遠心分離する。上澄み30
0μlをHPLCバイアルに移し、Rainin Microsorbカラム(3ミクロン、100mm×4.6
mm)(Rainin,Inc.,Woborn,Mass)、カラム温度60℃、インジェクション容量0.
15ml、検出波長216nM、溶離剤88%(20%アセトニトリル,79.15%水,0.6%酢
酸,0.25%トリエチルアミン)および12%(80%アセトニトリル,19.5%水、0.6
%酢酸、0.25%トリエチルアミン)、流量1.0ml/分の条件でHPLC分析する。
化合物Cの検量線用標準溶液は以下の通り作成する。即ち、化合物C(遊離塩
基)1.0mgをアセトニトリル(10ml)に溶解し、100μg/mlの保存溶液を調製す
る。100μg/mlの溶液をアセトニトリルで連続希釈してスパイキング標準溶液50
、25、10、5、2.5および1.0μg/mlを調製する。各スパイキング標準溶液20μl
を対照S9上澄み0.2mlに添加することにより、10,000;5,000;2,500;1,000;
500;250および100ng/mlの濃度を有する検量線用標準溶液を二連で調製する。
ブランクと試料にはアセトニトリル20μlを添加する。検量線用標準溶液と化合
物Cのアッセイのアリコートを調製し、以下の通り評価した。即ち、紫色のスル
ホン酸固相抽出カートリッジ(Varian Inc.,Harbor City,Ca)にメタノール(
1ml)および0.5%モノクロロ酢酸水溶液(1ml)を負荷する。検量線用標準溶
液またはインキュベーションから採取したアリコート0.5mlを5%アセトニトリ
ル水溶液(0.5ml)で希釈し、負荷したカートリッジに添加する。試料をカート
リッジを通して真空吸引し、
モノクロロ酢酸の0.5%水溶液(1ml)、アセトニトリル50%水溶液(1ml)で洗
浄する。60%メタノール、38%水、1%酢酸、1%トリエチルアミン(0.4ml)
を用いてHPLCバイアルに溶出させる。TSK Super ODSカラム(2ミクロン,5cm
×4.6mm)(Tosohaas Inc.Montgomeryville,Pa)、カラム温度60℃、インジェク
ション容量0.2ml、検出波長210nmおよび溶離剤60%(10%アセトニトリル、90%
水(25mMリン酸二水素カリウム,pH3))および40%(60%アセトニトリル、40%
水(25mMリン酸二水素カリウム、pH3))、流量1.25ml/分の条件でHPLC分析を行
う。
本発明の化合物の代謝安定性は、本発明の代表的化合物に関するモルモットS
9肝上澄みおよびヒトS9肝上澄みにおける代謝速度試験結果により示される。
結果は表2および3にそれぞれ示す。表2では化合物AおよびBはそれぞれ本発
明の実施例5.6および8.2の化合物であり、化合物Cは、PCT WO 94/26735の実施
例20A.1に記載の化合物である(+)−1−(2−(3−(3,4−ジクロロフェニル)
−1−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−3−イル)エチル)−4−
フェニルピペリジン−4−カルボン酸アミド塩酸塩である。本発明の化合物は、
以下に示す表2からわかる通り、特にPCT/WO 94/26735の化合物と比較して、
初期の直線期に殆ど一定の濃度であることから示されるように、代謝が実質的に
無いという明らかな差を有する。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 29/00 A61P 29/00
43/00 43/00
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,
UA,UG,UZ,VN,YU,ZW
(72)発明者 メイナード,ジョージ・ディー
アメリカ合衆国コネティカット州06498.
ウェストブルック.アンカスロードイース
ト54
(72)発明者 クドラツ,エリザベス・エム
アメリカ合衆国コネティカット州06340.
グロートン.トマス ロード24