JP2001506394A - 電気コネクタ及びそれに関わる複数の導体間のクロストークを補償する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 クロスロークを補償する電気コネクタは、ハウジングによって決定される内部キャビティ内に少なくとも部分的に配置される複数の導体を含む。細長導体は略平行とされ、横方向に間隔をおいて置かれ、第１端に弾性接触部及び第２端に圧接接触部を含む。細長導体は少なくとも一対の導体を含み、少なくともその一部は重ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に置かれる。導体対の重なる部分は導体の横方向に間隔をおいて平行に置かれる部分よりも広幅に形成され、これによりそれぞれの補償部分を決定する。補償部分の長さはその部分の重なる部分の幅と同様に、導体間のクロストークを補償するために、補償部分間の容量結合が成されるよう選ばれる。細長導体は更にそれぞれの第１端から所定の交差位置まで略平行に横方向に間隔を置いた関係にして延びる第１及び第２の導体を含み得る。交差位置では第１及び第２の導体は電気的に接触することなく横方向に交差する。

Description

【発明の詳細な説明】 電気コネクタ及びそれに関わる複数の導体間のクロストークを補償する方法 本発明は複数の導体を有し、それらが導体間のクロストークを補償するよう配 列された電気コネクタに関連する。 多数の電気コネクタはコネクタのそれぞれの入出力を電気的に相互接続する複 数の細長導体を含む。当業者に知られるように、他の細長導体に近接するか又は 比較的近い細長導体は、典型的にはクロストークを生じる。通常クロストークは 一対のワイヤから近くの他の対のワイヤへの電気信号の不本意な結合又は伝送と して定義される。クロストークは誘導（磁場）結合及び容量（電場）結合によっ て生じる。加えて、クロストークの増加は、多数の電気導体の細長導体のような 、平行又は平行に近い関係で延びる導体間に生じる。 導体を介して伝送される信号の完全性及び定義は干渉結合された信号によって 乱されるので、クロストークは通常好ましくない。加えて、それぞれの導体を介 して伝送される信号の強度も特に比較的高周波でのクロストークで広がり浪費さ れたエネルギーによって典型的には減衰される。従って、特に複数の細長導体を 含む電気コネクタ内で、クロストークを減らして補償するための様々な試みが為 される。 クロストークを減らす高周波電気コネクタが米国特許公報第５，１８６，６４ ７号に開示されるが、それは誘電体上に配置され、少なくともその長さの一部に 渡って略平行な関係にして延びる多数の導体を含む。細長導体の少なくとも一つ は電気的に接触することなく他の導体のパス に交差して導体間のクロストークを減らしている。 技術の進歩に伴い、通信システムはクロストークの増加を招く高周波での動作 を余儀なくされる。パスを交差する導体を含むコネクタはクロストークを減らす のに効果的ではあるが、高周波での動作は、動作基準に適合するために更に大き なクロストークの減少を必要とする。本発明は更なるクロストークの減少を実現 するための導体の新しい配置を含むコネクタを提供することにある。 本発明によって解決されるべき課題は、多数の導体対間のクロストークを補償 する電気コネクタを提供することである。 この問題は、容易に製造され、組み立てられ、安価にして、更に容易に取り扱 えるコネクタにして、効率的に配線され及び再配線されることのできるコネクタ であることを特徴にするコネクタによって解決されるのが最も効果的であろう。 この問題は、内部キャビティが形成されるハウジング、そのキャビティ内に少 なくとも部分的に位置して導体間のクロストークを補償するために重なって垂直 方向に離されて位置する一対の導体を含む複数の細長導体を有する電気コネクタ を提供することにより解決される。一実施形態によれば、導体は更に、略平行に してそれぞれの第１端から所定の交差位置まで横方向に離して配置されて延びる 第１及び第２の細長導体を含む。交差位置では、第１及び第２の導体は両者間に 電気的接触を行うことなく横方向に交差する。交差位置は、導体が重なって垂直 方向に離されて位置する所定位置からは離される。第１及び第２の細長導体の横 方向へ交差すること、及び少なくとも一対の導体が重なって垂直方向に離される 関係に置かれることによって、本発明の電気コネクタは複数の導体間のクロスト ークを補償する。 本発明は以下に添付図面を参照して説明される。 図１は、本発明による電気コネクタの拡大分解斜視図である。 図２は、組み立てられたハウジングを示す、本発明による電気コネクタの拡大 斜視図である。 図３は、細長導体及び後方に延びるサイロを示す、本発明による電気コネクタ の図２中の線３−３に沿う拡大断面図である。 図４は、第１、第２の支持部材及び細長導体の関係を示す、本発明による電気 コネクタの拡大分解斜視図である。 図５は、複数の位置合わせされたリードフレームを示す、本発明によるリード フレーム組立体の平面図である。 図６は、上側、中間及び下側のリードフレームを示す、図５のリードフレーム 組立体の側面図である。 図７は、図５のリードフレーム組立体の線７−７に沿う拡大断面図である。 図８は、補償部分の重なりの関係を示す、図５のリードフレーム組立体の拡大 断面図である。 図９は、導体の圧接スロットへの挿入を押圧工具と共に示す、本発明による電 気コネクタの部分断面拡大図である。 図１０は、図５に示されるリードフレーム組立体の上側リードフレームの平面 図である。 図１１は、図１０の上側リードフレームを側方より見た断面図である。 図１２は、図５に示されるリードフレーム組立体の中間リードフレームの平面 図である。 図１３は、図１０の中間リードフレームを側方より見た断面図である。 図１４は、図５に示されるリードフレーム組立体の下側リードフレー ムの平面図である。 図１５は、図１０の下側リードフレームを側方より見た断面図である。 図１乃至図３によれば、本発明による一実施形態となる電気コネクタ１０が示 される。特に、開示される電気コネクタの実施形態は、モジュラー電話ジャック の如きモジュラージャックであり、それは、通信ケーブルの如き多導体ケーブル の個々の導体と、コンピュータ及びファクシミリ装置の如き様々な通信装置との 間の電気接続を提供するよう構成される。更に詳細には、多導体ケーブルは典型 的にはディストリビューション（配線）ケーブルであり、それらは通信ジャンク ションボックス又は交差接続（クロスコネクト）装置からアウトレット部まで延 びる。モジュラー電話ジャックはここに図示されて説明されるが、本発明の電気 コネクタは本発明の本質及び範囲を超えないようにして他の型のコネクタでも実 施可能である。 図２及び図３に示されるように、電気コネクタ１０は通常内部キャビティ１４ が形成されるハウジング１２を含み、内部キャビティ１４内には、少なくとも部 分的に複数の細長導体１６が置かれる。各導体は第１端に弾性接触部１８を有し 、第１端に対向する第２端には圧接接触部２０が設けられる。図１に更に詳細に 示されるように、各圧接接触部は好ましくは、一対の対向刃部を含み、両者間に は圧接スロット２２が画定される。 ハウジング１２は、典型的にはポリエステル樹脂の如きプラスチック材料から なり、比較的強く恒久的で且つ比較的安価な構成が提供される。しかしながら、 ハウジングは本発明の本質及び範囲を超えないようにして他の材料から構成され ても良い。 図１に最も良く示されるように、ハウジング１２は通常多数の部品か ら成り、それらが互いに固定されることで組立体ハウジングが形成される。特に 、本発明の好適実施形熊のハウジングは、ハウジングの前面２６を貫通して開口 する内部キャビティ１４が形成されるハウジング体２４を含む。図示されるよう に、内部キャビティ及びハウジングの前面を貫通する開口の寸法及び形状は、好 ましくは標準の電話プラグを受容できるよう設計される。ハウジングは更に好ま しくは第１及び第２の支持部材２８を含むが、それらは、ハウジング体に挿入さ れ、後述するように、細長導体１６を支持して横方向に離して置くように構成さ れている。最後にハウジングは好ましくはストレインリリーフキャップ３０を含 むが、それはハウジング３０の後面３４を形成する。図示されるように、ストレ インリリーフキャップには貫通する複数の開口３２が形成される。 図４に示すように、複数の細長導体１６は第１及び第２の支持部材２８の間に 略位置し、これにより細長導体の第１端のそれぞれは第１及び第２の支持部材の 第１側３６から延出し、細長導体の第２端のそれぞれは第１及び第２の支持部材 のそれぞれの第１側に対向する第２側３８から延出する。支持部材の少なくとも 一つは好ましくは対向する第１及び第２の支持部材間の内側に延びる複数のリブ ４０を含む。図１に示すように、第１の支持部材は複数の内方に延びるリブを含 むが、第２の支持部材は本発明の本質及び範囲を超えないようにして、リブを含 み得る。内方に延びるリブは複数の溝４２を画成するが、細長導体はその中に配 置される。このようにしてリブは横方向に離され、導体間の絶縁層を提供してそ れらの間の電気接触を防止する。 図４に示されるように、細長導体１６の第１端は第１支持部材２８の第１側３ ６の周囲に略重ねられ、例えば図示されるばねコンタクトの如きそれぞれの弾性 接触部１８を構成する。図１に示されるように、第１ 支持部材は前方への傾斜部２９を含み、その周囲での細長導体の折り重ねを実現 する。 加えて、複数の細長導体の第２端は第１及び第２の支持部材の第２側３８で所 定のパターンに曲げ形成される。図１及び図３に示すように、多数の細長導体は 略上方に曲げられ、残りの導体は略下方に延びるよう曲げられる。図示される好 適実施形態によれば、半数の導体は略上方に曲げられ、半数の導体は略下方に曲 げられる。複数の細長導体の圧接接触部２０の対向ブレード部２０も好ましくは 縦に下方へと延びるよう曲げられる。図示されるように、第１及び第２の支持部 材の各々は細長導体の曲げ部を支持するための面を提供する直立壁部４４を含む 。 細長導体１６が一旦曲げ形成されると、複数の細長導体及び第１及び第２の支 持部材２８は、複数の細長導体の第１端が少なくとも部分的にハウジング体によ って決定される内部キャビティ１４に延びるように、ハウジング体２４に挿入さ れる。第１及び第２の支持部材及びそれらに挟まれる複数の導体は好ましくはハ ウジング体にロック係合される。例えば開示される実施形態によれば、第１及び 第２の支持部材は傾斜肩を含むが、それは撓んでハウジング体から延びる相補形 状のタブの背面に係合する。しかしながら、本発明の本質及び範囲を超えないよ うにしてハウジング体内で第１及び第２の支持部材を相互係合する他の手段が適 用され得る。 その後、後方に延びる複数の圧接接触部２０はストレインリリーフキャップ３ ０内に形成される各開口３２内に挿入され得る。ストレインリリーフキャップは 更に好ましくは、一体のハウジング１２を形成すべくハウジング体２４に相互係 合される。上述されるようにストレインリリーフキャップの対向側面はそれぞれ 傾斜肩を含むが、それは撓んでハウ ジング体から延びる相補形状の一対のタブの背面に係合する。 細長導体１６の重ねられた構成及びハウジング１２の寸法、形状により、本発 明の電気コネクタ１０は比較的小型となる。従って、電気コネクタは壁板又はコ ネクタのための制限された隙間のみを提供する他の取付構造内に装着される。 本発明による電気コネクタ１０の複数の細長導体１６は近接して横方向に間隔 をおいて配置される。典型的には、複数の細長導体は更に図１及び図５に示され るように略平行に延びる。当業者に知られるように、近接する導体、特に略平行 な関係にして延びる導体は近接する導体間のクロストークを生じる。 複数の細長導体１６を含むリードフレーム組立体４６を示す図５乃至図８に最 も良く示されるように、複数の細長導体は好ましくは導体間のクロストークを補 償するために重ねられて垂直方向に間隔を置いて配置される一対の導体を含む。 好ましくは、各細長導体の第１端１８、特に弾性接触部は所定の幅を有する。導 体の重なり部は導体の端部の所定の幅よりも広くされることが利点となり、これ により比較的広い補償部分４８が決定される。 好ましくは、細長導体１６の対は重なって位置し、所定の距離だけ垂直方向に 離されて置かれる。加えて、それらのそれぞれの補償部分４８の所定部分のみが 好ましくは垂直方向に離して重ねられ、容量結合を実現する。例えば、補償部分 の重なり部は図８中に理解しやすいようにクロスハッチングで示される。特に垂 直方向に重なる補償部分の幅とともにその長さはそれらの間の容量結合を最適化 し、よって導体間のクロストークを補償するよう選ばれる。例えば、垂直方向に 重なる補償部分の幅を増し、補償部分の長さを増すことは補償部分の間の容量結 合を増大 させ、導体問のクロストークの捕償を増大させることになる。 当業者によって知られるように、通常横方向に間隔を置いて置かれる細長導体 １６の最も内側の導体は最も外側の導体に比較して高い水準のクロストークを受 ける。従って、重ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に置かれる補償部分４８ を含む導体の対は好ましくは内側の導体対となる。一つの実施形態によれば、細 長導体の第１及び第２の対はそれぞれ重ねられ垂直方向に間隔をおいた関係に置 かれる。図５、図７及び図８によれば、細長導体の第１及び第２の対は好ましく は横方向に並ぶ最も内側の導体であり、よってそれらは増大した水準のクロスト ークを受け、追加の補償を必要とする。 図５乃至図８によれば、複数の細長導体は、第１端から所定の交差位置４９ま で略平行にして横方向に間隔を置いて延びる第１及び第２の細長導体を含む。交 差位置では第１及び第２導体は電気的に接触することなく横方向に交差する。従 って、第１及び第２の導体を横方向に交差することにより、導体間のクロストー クの追加の補償が提供される。特に、導体の横方向の交差は導体間の極性が反転 すると考えられるので、クロストークの累積の影響は除去されないまでも減らさ れる。 一つの実施形態によれば、各細長導体１６は交差位置４９で他の一つの細長導 体と横方向に交差する。この好適実施形態では、電気コネクタ１０は複数対の細 長導体を含み、それらはそれぞれの第１端から所定の交差位置まで横方向に間隔 をおいて略平行に延び、交差位置では各導体対の一つの導体は電気的に接触する ことなくその導体対の他の導体に対して横方向に交差する。好ましくは、細長導 体の複数対の交差位置は並置される関係の如く横方向に位置合わせされる。 好ましくは、細長導体１６の長さに対する交差位置４９の位置は、例 えば細長導体のそれぞれの第１端と交差位置との間に生じるクロストークに対し て、交差位置とそれぞれの導体の第２端との間での十分な補償を提供するよう選 ばれる。一つの好適実施形態によれば、交差位置と第１及び第２端５０、５２の それぞれとの間の各導体によって決定される距離は等しい。 上述したように、図示される実施形態の第１支持部材２８の内方へ延びるリブ ４０は細長導体１６を横方向に間隔をあけて位置合わせしつつ、近接する導体間 の電気的接触を避ける。加えて、一つの実施形態によれば、所定の交差位置４９ で横方向に交差する第１及び第２の導体の部分は絶緑被覆により被覆される。従 って、導体は電気的に接触することなく、比較的近接配置される。絶縁被覆は、 例えばポリビニル材料又はポリアミド／ポリイミド材料とされ得る。加えて、垂 直方向に間隔を置いて重ねられる導体対の補償部分４８も、ポリビニル材料又は ポリアミド／ポリイミド材料の如き絶縁被覆によって被覆される。従って、補償 部分間の垂直方向の間隔は導体間を電気的に接触させることなく比較的小さくさ れ得る。補償部分及び横方向に交差する第１及び第２の導体の部分が絶縁被覆に よって被覆されないような本発明の他の実施形態によれば、補償部分を含む導体 は導体間の電圧ブレークダウンを防止するために十分な距離をおいて置かれる。 図９に示すように、図示された実施形態のモジュラー電話ジャックの如き電気 コネクタ１０は、壁板又は面板５４に取り付けられるよう構成されるが、それは 絶縁性を完全にするために壁又は他の支持構造に取り付けられる。図示しないが 、電気コネクタのハウジング１２の前面２６に形成される開口１４内にモジュラ ープラグが挿入されることができ、これにより通信装置（図示せず）と多導体ケ ーブルとが電気コネクタを 介して電気的に接続される。 当業者によって知られるように、モジュラープラグは通常所定の順に配置され 、多導体ケーブルの所定の導体に電気的に接続されるよう構成される複数の導体 要素を含む。従って、本発明の電気コネクタ１０の複数の細長導体１６のそれぞ れの第１端は、好ましくはモジュラープラグの導体要素が所定の導体の弾性接触 部１８を撓ませ、それと電気的に接触するように第１の所定の順に配置される。 加えて、電気コネクタ１０の複数の細長導体１６の第２端は好ましくは第２の 所定の順に配置される。当業者によって知られるように、通信ケーブルの如き多 導体ケーブルの導体は、導体間のクロストークを減らすようにねじられた対とし て配置される。従って、細長導体のそれぞれの第２端の第２の所定の順は、多導 体ケーブルの導体の対の各導体が近接する圧接スロット２２に挿入されるように 配列される。従って、多導体ケーブルのねじられた導体対は圧接接触部２０のご く近くの位置までねじられた状態に置かれ、多導体ケーブルの導体間のクロスト ークを更に減らす。加えて、近接する圧接スロットにねじられた導体対の各導体 を成端することにより、電気コネクタを取り付け、それぞれの圧接スロットに多 導体ケーブルの導体を挿入する技術者は導体を素早くその中に挿入可能である。 更に、導体及びそれぞれの開口を包囲するハウジングの部分は好ましくは電気コ ネクタ１０の配線を実現できるように色符号化される。 図５に示すように、複数の細長導体１６の少なくとも一つは交差位置４９と少 なくとも一つの導体の第２端との間で複数の導体の他の一つと横方向に交差する 。導体は交差位置とそれぞれの第２端との間で横方向に交差するので、複数の導 体のそれぞれの第２端は第２の所定の順に配 置される。 図５乃至図７に示すように、複数の細長導体１６は、好ましくはリードフレー ム組立体４６の複数のリードフレーム５６から構成される。各リードフレームは 好ましくは、リードフレームの第１側５８に接続された第１端からリードフレー ムの第１側に対向する第２側６０に接続された第２端まで延びる。加えて、リー ドフレーム組立体は、好ましくは複数のリードフレームを位置合わせするために 、各リードフレームによって決定される複数の位置合わせ開口６２の如き位置合 わせ手段を含む。好ましくはリードフレームは、上述したように、複数のリード フレームの導体が所定の交差位置４９で交差する少なくとも一対の導体、及び重 ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に配置される補償部分４８を含む少なくと も一対の導体を含む。 図１０乃至図１５に示されるように、図示される実施形態のリードフレーム組 立体４６は３つのリードフレーム５６を含み、その各々は複数の細長導体１６を 含む。図６及び図７に示すように、３つのリードフレームは、上側、中間、及び 下側のリードフレームを含むよう重ねられる。上側、中間及び下側のリードフレ ームは図１０、図１２、及び図１４のそれぞれに平面図として、更に図１１、図 １３、及び図１５に側面方向の断面図としてより詳細に示される。しかしながら 、リードフレーム組立体は本発明の本質及び範囲を超えないようにして様々な数 のリードフレームを含み得ることは明らかである。 本発明の実施形態によれば、電気コネクタ１０の細長導体１６はリン青銅−銅 合金材料から成る。更に詳細には、複数のリードフレーム５６は複数の細長導体 を含み、リン化合物の層で被覆される青銅材料のシートから打ち抜き形成され得 る。複数のリードフレームは更にポリビニル 材料又はポリアミド／ポリイミドの如き絶縁被覆によって被覆され、複数の細長 導体間の電気接触を更に防止する。その後リードフレームは、各々のリードフレ ームによって決定される開口６２を位置合わせする等により位置合わせされ、第 １及び第２の支持部材２８は複数のリードフレームの対向側に置かれ得る。複数 のリードフレームのフレーム部はその後除去されることができ、残りの細長導体 が上述の如く及び図４に示される如く第１及び第２の支持部材の周囲に重ねて置 かれ得る。 図１乃至図４に示されるように、ハウジング１２のストレインリリーフキャッ プ３０は複数の外方に突出する突状サイロ６４を含む。サイロはハウジングの後 面３４から後方に向けて横方向に延び。ハウジング内に形成される複数の開口３ ２の間で後面の部分から外方に突出するよう配置される。サイロの後方への突出 により、ハウジングの後面に決定される各開口を通して延びる複数の導体の各々 の圧接接触部２０は近接する一対のサイロの間に延びる。従って、多導体ケーブ ルの導体はワイヤに前向きの力、即ち図９においてハウジングの後面から略ハウ ジングの前面に向く方向の力を加えることで圧接スロット２２に挿入される。各 サイロは多導体ケーブルの導体の色符号に合わせて色符号化されることができ、 電気コネクタへの組み付け及び配線を更に簡略化できる。 必要な挿入力は典型的には、それぞれＡＴ＆Ｔ社及びＫＲＯＮＥ社より製造販 売される、製品番号Ｈａｒｒｉｓ−Ｄｒａｃｏｎ Ｄ−８１４、及びＬＳＡ−Ｐ ＬＵＳ＃６４１７ ２０５５−０１の如き押圧工具６６によって提供される。当 業者によって知られるように、押圧工具は圧接接触部２２に形成さえる圧接スロ ット２２内に導体１６を挿入するのに必要な力を提供するだけでなく、同時に挿 入された導体を成端する。サイロ６４は好ましくは、ＡＴ＆Ｔ又はＫＲＯＮＥに よって製造される押 圧工具のいずれも受容できる寸法形状とされる。加えて、各サイロは好ましくは 圧接接触部を分離し保護するよう圧接接触部を超えて後方に延びるのが良い。圧 接接触部を超えて後方に延びるサイロの部分は押圧工具が当接される面を提供し 、更にこれにより圧接接触部を保護する。 導体１６を前方に向けての力によりそれぞれの圧接スロット２２に挿入するこ とにより、導体１３は電気コネクタ１０が図９に示すように壁板５４に取り付け られた後で挿入され得る。従って、導体が圧接スロットに挿入された後で電気コ ネクタは取り扱われる必要がないので、電気コネクタの取付は単純化される。加 えて、多くの例においては相違するか又は追加の通信特性を提供するために、特 定のアウトレットの配線パターンを再配線するか又は変更することが好ましい。 本発明によれば、壁板は除去されることができ、壁から取り除かれ、電気コネク タはその中に取付られる。その後、個々の導体の電気コネクタの圧接スロットに 対する接続は、壁板から電気コネクタを除去することなく好ましいように変更さ れ得る。従って、電気コネクタの配線及び再配線は、本発明の方法及び装置によ り単純化される。 図２及び図３に示すように、各サイロ６４は好ましくはサイロの各側から外方 に横方向に突出する少なくとも一つのリブ６８を含む。リブは導体１６を圧接接 触部２０の対向ブレード部により決定される圧接スロット２２内に案内すべく作 用する。一つの実施形態によれば、第１及び第２のリブは圧接接触部によって分 離されるサイロの側面の部分から外方に横方向に突出する。例えば、図示される 実施形態によれば、第１のリブは圧接接触部の上側のサイロの側面の部分から外 方に横方向に突出し、一方第２のリブは圧接スロットの下側のサイロの底面の部 分から外方に横方向に突出する。外方に突出するリブも導体に摩擦係合される寸 法とされ得る。従って、導体の摩擦係合は導体の移動を制限して無くならないま でも減らし、導体を保持し、これにより導体の特性及び使用寿命を向上させる。 図面及び明細書において、本発明の好適実施形態が示され、特定の用語が適用 されるものの、それらは一般的、説明的な意味のものであり制限を目的とするも のではない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成９年６月３日（１９９７．６．３） 【補正内容】 クロストークを減らすために開発された他の電気コネクタが、国際特許公開公 報第ＷＯ９４／２１００７号に開示される。このコネクタも互いに電気的接触す ることなく他の導体のパスに交差する少なくとも一つの導体を含む複数の略平行 な導体を含む。更に、このコネクタにおいては、いくつかの導体は横方向に間隔 をおいて置かれ、ある導体が他の導体の上に垂直方向に置かれるよう導体のいく つかは垂直方向に間隔をおいて置かれる。 この問題は、ハウジング及び前記ハウジング内に形成されるキャビティ内に少 なくとも部分的に位置する複数の細長導体を有し、前記導体の各々は第１端に接 触部及び第２端に導体成端部を有し、前記導体の各々はそれぞれ略一定の幅を有 し、複数の前記細長導体はそれぞれの第１端から所定の交差位置まで略平行な関 係で延びる第１及び第２の導体を含み、該第１及び第２の導体は電気的に接触す ることなく前記交差位置で横方向に交差する電気コネクタにおいて、前記第１及 び第２の導体は横方向に間隔をおいて置かれ、各々がそれぞれの略一定幅部分よ りも広幅の補償部分を有し、該補償部分は複数の前記導体間のクロストークを補 償するために前記交差位置から離された所定の位置で重ねられて垂直方向に間隔 をおいた関係に置かれることを特徴とする電気コネクタにより解決される。 請求の範囲 １．ハウジング（２４，３０）及び前記ハウジング内に形成されるキャビティ（ １４）内に少なくとも部分的に位置する複数の細長導体（１６）を有し、前記導 体の各々は第１端に接触部（１８）及び第２端に導体成端部（２０）を有し、前 記導体の各々はそれぞれ略一定の幅を有し、複数の前記細長導体はそれぞれの第 １端から所定の交差位置（４９）まで略平行な関係で間隔をおいて延びる第１及 び第２の導体を含み、該第１及び第２の導体は電気的に接触することなく前記交 差位置で横方向に交差する電気コネクタにおいて、前記第１及び第２の導体は横 方向に間隔をおいて置かれ、各々がそれぞれの略一定幅部分よりも広幅の補償部 分（４８）を有し、該補償部分は複数の前記導体間のクロストークを補償するた めに前記交差位置から離された所定の位置で重ねられて垂直方向に間隔をおいた 関係に置かれることを特徴とする電気コネクタ。 ２．それぞれの補償部分のみが重ねられて垂直方向に間隔をおいて置かれること を特徴とする請求項１に記載の電気コネクタ。 ３．前記第１及び第２の導体によって決定される前記交差位置とそれぞれの第１ 端及び第２端との間の距離が等しくされることを特徴とする上記請求項のいずれ かに記載の電気コネクタ。 ４．前記複数の導体が略平行に延び前記第１端からそれぞれの交差位置まで横方 向に間隔をおいた関係に置かれ、前記交差位置で各導体が近接する導体と電気的 に接触することなく交差することを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の電 気コネクタ。 ５．前記導体の第１及び第２の対は、前記交差位置とそれぞれの導体の第２端と の間の所定位置で重ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に置かれるよう配置さ れるそれぞれの補償部分を有し、前記導体の前記第１ 及び第２の対は横方向に最も内側の導体とされることを特徴とする請求項４に記 載の電気コネクタ。 ６．前記第１及び第２の導体は所定の前記交差位置で絶縁被覆により被覆される ことを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の電気コネクタ。 ７．前記第１及び第２の導体の前記補償部分は絶縁被覆により被覆され、垂直方 向の間隔を最小とされることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の電気コ ネクタ。 ８．前記複数の導体のそれぞれの第１端は第１の所定の順に配列され、前記複数 の導体の少なくとも一つの導体は前記交差位置と前記少なくとも一つの導体の第 ２端との間の位置で複数の導体の他の一つと横方向に交差して、前記複数の導体 のそれぞれの第２端が第２の所定の順に配列されることを特徴とする請求項４乃 至７のいずれかに記載の電気コネクタ。 ９．前記ハウジングは更に後面（３４）から後方に延び外方に突出する複数のサ イロ（６４）を有し、前記複数のサイロは後面のその内側に決定される前記複数 の開口（３２）の間の部分から外方に突出して置かれ、前記複数の導体の各々の 前記導体成端部（２０）が、前記ハウジングの後面に決定される各開口を通して 、一対の近接するサイロの間に延び、圧接スロット（２２）を決定する一対の対 向ブレード部を含み、ワイヤが前記ワイヤに対する前向きの力によって前記圧接 スロットに挿入され得るよう構成されることを特徴とする上記請求項のいずれか に記載の電気コネクタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ハウジング（２４，３０）及び前記ハウジング内に形成されるキャビティ（ １４）内に少なくとも部分的に位置する複数の細長導体（１６）を有し、前記導 体の各々は第１端に接触部（１８）及び第２端に導体成端部（２０）を有し、前 記導体の各々はそれぞれ略一定の幅を有し、複数の前記細長導体は略平行な関係 で間隔をおいて延びる第１及び第２の導体を含む電気コネクタにおいて、 前記導体の対の少なくとも一部は、前記複数の導体間のクロストークを補償す るために交差位置から離れた所定の位置（４８）で重ねられて垂直方向に間隔を おいた関係に置かれることを特徴とする電気コネクタ。 ２．前記複数の導体のそれぞれの第１端と前記交差位置との間の部分は所定の幅 を有し、前記導体の対の重ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に置かれる部分 は前記複数の導体の所定幅よりも広幅とされ、これによりそれぞれの補償部分が 決定されることを特徴とする請求項１に記載の電気コネクタ。 ３．前記導体対のそれぞれの補償部分の所定部分のみが容量結合させるために所 定長さに渡って垂直方向に間隔をおいた関係に置かれるよう重ねられることを特 徴とする請求項２に記載の電気コネクタ。 ４．前記第１及び第２の導体は所定の交差位置（４９）を有し、該交差位置では 前記第１及び第２の導体は電気的に接触することなく横方向に交差し、前記導体 によって決定される前記交差位置と前記第１及び第２ の端との距離はそれぞれ等しくされることを特徴とする上記請求項のいずれかに 記載の電気コネクタ。 ５．前記複数の導体が略平行に延び前記第１端からそれぞれの交差位置まで横方 向に間隔をおいた関係に置かれ、前記交差位置で各導体が近接する導体と電気的 に接触することなく交差することを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の電 気コネクタ。 ６．前記導体の第１及び第２の対は、前記交差位置とそれぞれの導体の第２端と の間の所定位置で重ねられて垂直方向に間隔をおいた関係に置かれるよう配置さ れるそれぞれの補償部分を有し、前記導体の前記第１及び第２の対は横方向に最 も内側の導体とされることを特徴とする請求項５に記載の電気コネクタ。 ７．前記第１及び第２の導体は所定の前記交差位置で絶縁被覆により被覆される ことを特徴とする請求項４乃至６のいずれかに記載の電気コネクタ。 ８．前記導体対の部分の重ねられ垂直方向に間隔をおいた関係に置かれる部分は 、絶緑被覆により被覆され、垂直方向の間隔が最小とされることを特徴とする上 記請求項のいずれかに記載の電気コネクタ。 ９．前記複数の導体のそれぞれの第１端は第１の所定の順に配列され、前記複数 の導体の少なくとも一つの導体は前記交差位置と前記少なくとも一つの導体の第 ２端との間の位置で複数の導体の他の一つと横方向に 交差して、前記複数の導体のそれぞれの第２端が第２の所定の順に配列されるこ とを特徴とする請求項４乃至８のいずれかに記載の電気コネクタ。 １０．前記ハウジングは更に後面（３４）から後方に延び外方に突出する複数の サイロ（６４）を有し、前記複数のサイロは後面のその内側に決定される前記複 数の開口（３２）の間の部分から外方に突出して置かれ、前記複数の導体の各々 の前記導体成端部（２０）が、前記ハウジングの後面に決定される各開口を通し て、一対の近接するサイロの間に延び、圧接スロット（２２）を決定する一対の 対向ブレード部を含み、ワイヤが前記ワイヤに対する前向きの力によって前記圧 接スロットに挿入され得るよう構成されることを特徴とする上記請求項のいずれ かに記載の電気コネクタ。