【発明の詳細な説明】
カード読取り装置
本発明はカード読取り装置に関する。
カード読取り装置は例えば(但しこれだけというわけではないが)、チップカ
ード若しくはSIMカードによって準備された情報を受け取る及び/又はチップ
カード若しくはSIMカードのために準備された情報を引き渡すために、携帯電
話内に設けられた読取り装置である。
チップカード及びSIMカードは、携帯電話において、とりわけ加入者の識別
のために使用される。チップカード及びSIMカードの構造及び機能は一般に公
知であるので詳しい説明は要さない。
カード読取り装置は勿論、チップカード及びSIMカードのための使用に限定
されるものではなく、基本的には任意のその他のカードを読み取るためにも使用
することができる。
これはとりわけいわゆるMMカードにもあてはまる。MMカードは目下研究さ
れており、近い将来には記憶媒体として、正確に述べるならば大容量記憶装置と
して半導体技術において種々異なる電気的な装置に挿入されるだろう。「MM」
とはマルチメディア(mu1ti media)の省略表記であり、MMカード
の多様な使用可能性を表している。MMカードはやがて64Mbの記憶容量を有
するようになる。しかし現在はGBit範囲までの記憶容量が実現されるものと
見られている。
MMカードのサイズが小さい(多くのMMカードは目下のところSIMカード
とチップカードの間の大きさである)ことに基づき、さらにこのような形式のカ
ードのための読取り装置も同様に極めて小さくできる(モータ、可動読取りヘッ
ド又はこれに類するものを設ける必要はない)ということに基づき、このような
形式のMMカードは携帯電話にも使用することができる。MMカードは携帯電話
では、例えば電話帳、言葉(呼び出し応答機能)、ファクスの通信、ソフトウエ
ア又はこれに類するものを記憶するために使用される。
いずれにせよ携帯電話及び、MMカードを使用することのできるその他の多く
の器具は、付加的なカード読取り装置を組み込むためにごく限られたスペースし
か有していない。さらに読み取りたいカードを迅速かつ簡単に交換できるように
しなければならず、このようなカード読取り装置は有利には、複数のカードを同
時に収容するように形成されている。
本発明の課題は、サイズを最小に維持することのできる、複数のカードを同時
に読み取るために適したカード読取り装置を提供することにある。
このような課題は、本発明によれば請求項1の特徴部に記載の特徴により解決
される。
これによると、カード読取り装置が、側方でずらされて互いに上下に重ねられ
て配置される複数のカードを読み取るために形成されている。
カード読取り装置をこのように構成することにより、複数のカードとの簡単か
つ良好でスペース節約型の接触が得られる。複数のカードと接触するために設け
られたカード読取り装置の複数のコンタクトエレメント群は従って例えば、カー
ド読取り装置の、階段状に形成された1つのコンタクトエレメント区分に配置す
ることができる。このこと様々な観点で有利である。
即ち、
1)カード読取り装置の考えられる限り簡単で機械的な構成を可能にする。
2)カード読取り装置のコンタクトエレメントが、場所的に集中していることに
より、極めて簡単に互いに接続することができる(並列接続)若しくは、種々異
なるカードのコンタクト個所に接触させたい多重のコンタクトエレメントをまと
めることができる。
カード読取り装置の簡単な機械的な構成、カード読取り装置のコンタクトエレ
メントが簡単に接続可能であること及び/又はまとめることができること、読み
取りたいカードが直接に(中間スペースなしに)互いに上下に重ねられることな
どにより、使用できるスペ
ースを最良に利用することができ、換言すれば、読み取りたいカード自体よりも
殆ど大きくないカード読取り装置の構成が可能となる。
即ちサイズが最小のカード読取り装置が得られる。
本発明の有利な別の構成は請求項2以下に記載されている。
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
第1A図は、MMカードの平面図であって、
第1B図は、MMカードの側方図であって、
第2A図は、カバーが完全に及び部分的に開かれた状態のカード読取り装置を
示す横断面図であって、
第2B図は、カバーが第1の閉鎖位置まで閉じられた状態のカード読取り装置
を示す横断面図であって、
第3A図は、カバーが第2の閉鎖位置まで閉じられた状態のカード読取り装置
を示す側方図であって、
第3B図は、カバーが第3の閉鎖位置まで閉じられた状態のカード読取り装置
を示す側方図であって、
第4図は、第2図及び第3図のカード読取り装置のコンタクト及びカード支持
部分を示す平面図であって、
第5図は、第2図及び第3図のカード読取り装置のカバーを示す平面図であっ
て、
第6図は、カード読取り装置の多重コンタクトエレメントの斜視図であって、
第7図は、コンタクト及びカード支持部分のガイド
・ロックアームを示す斜視図であって、
第8図は、カバーのロックアームの斜視図である。
次に説明するカード読取り装置は、MMカードを読みとるために形成されたカ
ード読取り装置である。しかしこれは本発明が上記のカード読取り装置に限定さ
れるということではなく、基本的には任意のその他のカード(例えば「通常の」
チップカード、SIMカード又はこれに類するもの)を読み取るためにも使用可
能である。この場合、このようなカードは、任意の機能及び寸法を有していてよ
い。
MMカードの読取りには以下に説明するカード読取り装置が適しており、この
MMカードは第1A図では平面図で、第1B図では側方図で示されている。これ
らの図面から明らかであるように、図示されたMMカード1の表面の縁部近くに
は、一列の表面コンタクト11の形でコンタクト面が設けられている。MMカー
ド1のこのような表面コンタクト11は、カード読取り装置によって、正確に言
うならばカード読取り装置のコンタクトエレメントによって接触されなければな
らない。
図示の実施例のMMカード1は、長さ32mm、幅24mm、厚さ1.3〜1
.4mmである。
カード読取り装置は、以下に第2図〜第8図に基づき詳しく説明するように、
上方から操作可能なカード読取り装置である。
特に第2図及び第3図からわかるように、このカード読取り装置はコンタクト
及びカード支持部分2と、この部分に旋回可能に取り付けられたカバー3とから
成っている。
コンタクト及びカード支持部分2は、図示したように前述のコンタクトエレメ
ントを有しており、複数の、即ちこの実施例では3つまでのMMカード1を収容
し、これに接触するために働く。
カバー3は特に、MMカードを所定の(読取り)位置に保持するために働く。
このカバー3は、特に第5図に示されたカバー平面図及び第3図に示されたカ
ード読取り装置の側方図により明らかであるようにピン31を有している。これ
らのピン31は、カバー3がコンタクト及びカード支持部分2と結合された状態
で、コンタクト及びカード支持部分2に設けられられた長孔21内に位置してお
り、このピン31を中心とする旋回によりカバー3を開閉旋回させることができ
る。
カバーの完全開放位置及び部分開放位置が第2A図に示されている。この場合
、完全に上方旋回された位置にあるカバーは一点鎖線で示されている。カバーが
完全に開かれた状態で、カード読取り装置に3つまでのMMカードを上方から装
着することができる。
カバー3はコンタクト及びカード支持部分2に複数の位置で係止することがで
きる。コンタクト及びカー
ド支持部分に3つのカードが装着されている場合にカバーが規定通りに占める係
止位置は第2B図に示されており、コンタクト及びカード支持部分に2つのカー
ドが装着されている場合にカバーが規定通りに占める係止位置は第3A図に示さ
れており、コンタクト及びカード支持部分に唯1つのカードが装着されている場
合にカバーが規定通りに占める係止位置は第3B図に示されている。コンタクト
及びカード支持部分とカバーとの間の係止もしくはロックの形式は後に詳しく説
明する。
コンタクト及びカード支持部分2は既に述べたように、MMカード1の表面コ
ンタクト11に接触するためのコンタクトエレメントを有している。このコンタ
クトエレメントは図面では符号22a,22b,22cで示されている。
特に第4図に示したコンタクト及びカード支持部分2の平面図により明らかで
あるように、互いに隣接する3つのコンタクトエレメントの列が設けられている
。この場合、複数のコンタクトエレメント22aから成る第1の(図面で見て右
側の)コンタクトエレメント列は、第1のMMカードとの接触のために構成され
ており、複数のコンタクトエレメント22bから成る第2の(図面で見て真ん中
の)コンタクトエレメント列は、第2のMMカードとの接触のために構成されて
おり、複数のコンタクトエレメント22cから成る第
3の(図面で見て左側の)コンタクトエレメント列は、第3のMMカードとの接
触のために構成されている。
これらのコンタクトエレメント列は特に第2図から明らかであるように、コン
タクト及びカード支持部分2の、階段状に形成されたコンタクトエレメント区分
において種々異なる高さレベルで配置されている。この場合、第1の(右側の)
コンタクトエレメント列は最下方の高さレベルに位置し、第2の(真ん中の)コ
ンタクトエレメント列は中間の高さレベルに位置し、第3の(左側の)コンタク
トエレメント列は最上方の高さレベルに位置している。それぞれの高さレベルの
差(段高さ)はMMカードの厚さにほぼ相当する。互いに隣接するコンタクトエ
レメント列の間の間隔(段奥行)は、MMカードの表面コンタクト11に自由に
接近可能であるように(MMカードの表面コンタクトがその上方に又は下方に配
置されたMMカードによって遮蔽されないように)、互いに重ねられて配置され
た2つのMMカードを側方でずらしたそのずれ寸法にほぼ相当する。このような
ずれは、図示のMMカードの表面コンタクト11がMMカードの縁部の近くに配
置されているので、この実施例では比較的僅かである。
これらのコンタクトエレメント列は、複数のMMカードに同時に接触するため
に適した、場所及び機能に
関しては分離されたコンタクトエレメント群である。
読み取りたい全てのカードのためのコンタクトエレメントが、比較的小さい寸
法のコンタクトエレメント区分内で場所的に集中していることにより、コンタク
トエレメントが、互いに上下にも、かつ外部の配線に接続するための接続エレメ
ントにも特に簡単に接続できるようになる。
それぞれのコンタクトエレメント列の互いに相応するコンタクトエレメントが
並列に接続される場合、これらの並列に接続したいコンタクトエレメントを少な
くとも部分的に多重コンタクトエレメントを成すようにまとめることができる。
このような形式の多重コンタクトエレメント22が第6図に示されている。図
示された多重コンタクトエレメントによって、3つのコンタクトエレメント、即
ち第1の(下方の)コンタクトエレメント列のコンタクトエレメント22aと、
第2の(真ん中の)コンタクトエレメント列のコンタクトエレメント22bと、
第3の(上方の)コンタクトエレメント列のコンタクトエレメント22cとが同
時にまとめて形成される。一般的に述べるならば、図示したように構成された多
重コンタクトエレメント22によって特に、個々の又は全てのコンタクトエレメ
ント列の互いに相応する(第4図によれば互いに隣接して配置された)コンタク
トエレメントが、唯1つの多重コンタクトエレメント
を成すようにまとめられる。
第6図に示した多重コンタクトエレメント22は有利には1つの薄板から打ち
抜かれ、相応に適切に屈曲される。打ち抜かれた薄板部分の成形と屈曲とは第6
図に示したように後から行うことができ、詳しい説明は不要である。しかしなが
ら重要であるのは、第2のコンタクトエレメント22b及び第3のコンタクトエ
レメント22cの製造である。即ちこれらはまず最初に、つながった1つのユニ
ットとして、第1の屈曲方向に(第6図によれば後方に)90°屈曲されて、次
いで、第3のコンタクトエレメント22cだけが、第1の屈曲方向に対して垂直
な第2の屈曲方向に(第6図によれば左に向かって)180°屈曲される。これ
により図示したように第3のコンタクトエレメント22cは側方でずらされて第
2のコンタクトエレメント22bの上方に位置する。第2のコンタクトエレメン
ト22b及び第3のコンタクトエレメント22cをこのような形式で製造するこ
とにより、特に複数のコンタクトエレメントをまとめ合わせることでもともと既
に極めて小さく構成可能であった多重コンタクトエレメントのサイズがさらに小
さくされる。もしくは多重コンタクトエレメントの製造を問題なく行うことがで
きる。同時にこれにより最小に保つことのできる薄板打ち抜き部分のサイズに基
づき材料消費も低減される。
多重コンタクトエレメント22はコンタクトエレメント22a,22b,22
cの他に、ろう接舌片22dを形成するように屈曲される付加部と、センタリン
グエレメント22eとして使用可能な付加部と、押込み加工部22fとを有して
いる。
ろう接舌片22dは、プリント配線板またはこれに類するもの(図示せず)の
相応する結合個所にろう接するために用いられる。これにより、間接的にカード
読取り装置もプリント配線板に固定される(プリント配線板へのカード読取り装
置の付加的な固定のために図示の実施例では、コンタクト及びカード支持部分2
の下面に別のろう接舌片29が設けられている)。ろう接舌片22dを多重コン
タクトエレメント22に組み込むことにより、ろう接舌片とコンタクトエレメン
トとの間の別個の結合は不要となり、さらにカード読取り装置を構成するために
組み付ける個別部分の総数を減らすためにも貢献する。
センタリングエレメント22eと押込み加工部22fとは、多重コンタクトエ
レメント22をコンタクト及びカード支持部分2に所定のように組み付け、固定
するために働く。
前述のコンタクトエレメント区分が多様の観点で変更可能であることは自明の
ことである。従って例えばコンタクトエレメントは必ずしも上記のように列状に
互いに隣接して配置されていなくてもよい。即ち選択
されたコンタクトエレメントの配置は、特にその都度読み取りたいカード上の接
触させたいコンタクト個所の配置に、及び/又はその他の所定の状態及び条件に
適合させることができるもしくは適合させなければならない。コンタクトエレメ
ント区分には、コンタクトを有さないカードと接触する場合には、上記のコンタ
クトエレメントに付加的に又は上記のコンタクトエレメントと選択的に相応のア
ンテナを取り付けることができる。コンタクトエレメント区分もコンタクト及び
カード支持部分に必ずしも取り付けられていなくてもよい。これはコンタクト及
びカード支持部分ではなくて、完全に又は部分的にカバーに組み込むことができ
る。
前述のように又はこれと似たように構成されたコンタクトエレメント区分によ
って、側方で互いにずらされて(有利には中間空間なしに)互いに上下に重ねら
れた複数のMMカードに所定のように接触することができる。
このようなMMカード1は、カード読取り装置のカバー3が適当な広さに開か
れた状態で、(適当に側方でずらされて互いに上下に配置されるように)上方か
ら簡単に挿入することができる。
MMカード1が所定のように挿人された状態では、第1の(最下方の)MMカ
ードの表面コンタクト11は第1の(最下方の)コンタクトエレメント列のコン
タクトエレメント22a上に位置し、第2の(真ん中の)MMカードの表面コン
タクト11は第2の(真ん中の)コンタクトエレメント列のコンタクトエレメン
ト22b上に位置し、第3の(最上方の)MMカードの表面コンタクト11は第
3の(最上方の)コンタクトエレメント列のコンタクトエレメント22c上に位
置する。
対応配置されたコンタクトエレメント22a,22b,22cによってMMカ
ードの表面コンタクト11に正確に接触するために、読み取りたいMMカードは
、コンタクト及びカード支持部分2の内側かつMMカード1の表面コンタクト1
1のコンタクトエレメント22a,22b,22cに対する適当な押圧部の内側
で、正確に規定された不変の位置を占めなければならない。
読み取りたいMMカード1が所要の正確な位置をとり保持するために、コンタ
クト及びカード支持部分2とカバー3とに適当なフレーム及びストッパ構造が形
成されている。この場合、第1の(最下方の)MMカードの規定通りの位置はと
りわけコンタクトエレメント区分の第1の端面23aと、この第1の端面23a
に続く第1の斜面24aと、コンタクト及びカード支持部分2の、反対側の後方
のストッパ面25とによって規定され、第2の(真ん中の)MMカードの規定通
りの位置はとりわけコンタクトエレメント区分の第2
の端面23bと、この第2の端面23bに続く第2の斜面24bと、カバー3が
閉じられた状態で反対側に位置する、カバー3の第1のストッパ面32とによっ
て規定され、第3の(最上方の)MMカードの規定通りの位置はとりわけコンタ
クトエレメント区分の第3の端面23cと、この第3の端面23cに続く第3の
斜面24cと、カバー3が閉じられた状態で反対側に位置する、カバー3の第2
のストッパ面33とによって規定されている。コンタクト及びカード支持部分2
内に位置するMMカードの付加的な側方の保持は特に、カバー3が閉じられた状
態で下方に向かって突出する、カバー3に設けられた互いに向かい合って位置す
る側方のエプロン34によって行われる。
コンタクト及びカード支持部分2に位置するMMカード1を、正確にはその表
面コンタクト11を、コンタクトエレメント22a,22b,22cに押し付け
るために、カバー3が、自由な(前方の)端部区分35である程度下方に向かっ
て屈曲されていて、ばね弾性的に形成されている。このような端部区分35はカ
バーが閉鎖された状態で、コンタクト及びカード支持部分2に位置するMMカー
ドを押し付ける。
MMカードを押さえつける力を、コンタクト及びカード支持部分2に位置する
MMカードの数とは無関係であるようにするために、カバー3とコンタクト及び
カード支持部分2とを異なる相対位置で互いに係止す
ることができる。コンタクト及びカード支持部分2の係止エレメントは、ばね弾
性的に形成されたガイド・ロックアーム26a,26bに設けられている。これ
らのガイド・ロックアーム26a,26bはこの実施例では、図面に示したよう
に、コンタクト及びカード支持部分2の互いに向き合う側で平行に延びている。
カバー3の係止エレメントは、同じくばね弾性的に形成されたロックアーム36
a,36bに設けられている。これらのロックアーム36a,36bはこの実施
例では、カバー3の自由端部区分35に対して間隔をおいてカバー3の互いに向
き合う側で平行に延びている。
コンタクト及びカード支持部分2の係止エレメントが第7図に示されている。
即ち、ガイド・ロックアーム26a,26bの自由端部区分に互いに向き合うよ
うに配置された係止凹部27a,27bであって、これらの係止凹部27a,2
7bは、ガイド・ロックアーム26a,26bの端面261を起点として、ガイ
ド・ロックアーム26a,26bの互いに反対側の外面262に沿って所定の距
離を延びている。また係止凹部27a,27bの下方の制限面271a,271
bには斜め面取部272a,272bが設けられており、端面に向かって下降す
るように形成されている。
カバー3の係止エレメントは第8図に示されている。即ち、ロックアーム36
a,36bの自由端部区分
に設けられている、係止凹部27a,27bの形状に適合した係止突起37(1
つのロックアームにつき1つの係止突起)である。この係止突起はロックアーム
36a,36bの端面351から突出しており、それぞれ補強エレメント352
によって補強されている。
コンタクト及びカード支持部分2とカバー3とはさらにガイド部材を有してい
る。このガイド部材は、カバーが閉鎖されていてこのカバーがまだコンタクト及
びカード支持部分2にロックされていない場合に作用する。コンタクト及びカー
ド支持部分のガイド部材は、ガイド・ロックアーム26a,26bの互いに向か
い合う側に設けられた鉛直方向に延びるガイド溝28から成っており、このガイ
ド溝28は扁平に傾斜する側面を有している。カバー3のガイド部材は、自由端
部区分35の互いに反する側に設けられたガイドピン38から成っている。
カバー3の閉鎖時には、まず最初に自由端部区分35に設けられたガイドピン
38が、コンタクト及びカード支持部分2のガイド溝28に到り、さらなる閉鎖
過程中にこの溝内に案内され閉鎖状態で保持される。次いで、カバー3のロック
アーム36a,36bの係止突起37が、コンタクト及びカード支持部分2のガ
イド・ロックアーム26a及び26bに達する。係止突起は、カバー3のロック
アーム36a及び36bを拡開させながら、及び/又はコンタクト及びカード支
持部分2のガイド・ロックアーム26a及び26bを押し合わせながら、コンタ
クト及びカード支持部分2の外面に沿って、最終的に上方の係止凹部27aにス
ナップインするまで滑動する。このような状態ではカバーは、3つのMMカード
がコンタクト及びカード支持部分2内に挿入されている場合にとらなければなら
ない位置に達する。カバー3をさらに押し下げようとするとカバー3はカード積
み体に当接する。カバー3の、ばね弾性的に形成された自由端部区分35が、カ
ード積み体に押圧力を加え、これにより各MMカードは対応するコンタクトエレ
メントに押し付けられる。
コンタクト及びカード支持体2内に2つのMMカードしか存在しない場合には
、カバーを次の係止凹部27bまで押し込むことができる。この場合、係止突起
37は上方の係止凹部27aを離れる。このためには係止凹部27a及び27b
及び係止突起37に傾斜部及び斜め面取部が設けられていることに基づき、大き
な力をかける必要はない。係止突起37はさらにカバー3のロックアーム36a
,36bを拡開させながら、かつ/またはコンタクト及びカード支持部分2のガ
イド・ロックアーム26a及び26bを押し合わせながら、コンタクト及びカー
ド支持部分2の外面に沿って滑動する。係止突起は最終的には下の係止凹部27
bに到り、これにスナップインする。この状態ではカバーは、コンタクト及びカ
ード支持部分2内に2つの
MMカードが挿入されている場合にとらなければならない位置に到達している。
カバー3はさらに押し下げようとすると、カード積み体に当接する。カバー3の
、ばね弾性的に構成された自由端部区分35はこの場合も、カード積み体に押圧
力を加え、これにより各MMカードは対応するコンタクトエレメントに適当に押
し付けられる。
コンタクト及びカード支持部分2に1つのMMカード1しか存在していない場
合には、カバー3をさらに押し込むことができる。この場合、係止突起37は下
方の係止凹部27bを離れる。このためには係止凹部27bと係止突起37とに
傾斜部及び斜め面取部が設けられていることに基づき、大きな力をかける必要は
ない。係止突起37はさらにカバー3のロックアーム36a及び36bを拡開さ
せながら、かつ/またはコンタクト及びカード支持部分2のガイド・ロックアー
ム26a及び26bを押し合わせながら、コンタクト及びカード支持部分2の外
面に沿って滑動する。最終的に、係止突起37はガイド・ロックアーム26aの
端面261に設けられた段部263の下方にスナップインする。このような状態
では、カバーは、コンタクト及びカード支持体2に1つのMMカードしか挿入さ
れていない場合にとらなければならない位置に達している。カバー3は、さらに
カバーを押し下げようとすると、挿入されたMMカードに当接する。カバー3の
、ばね弾性的に形成された自由端部区分35はこの場合も、押圧力をMMカード
に加え、これにより対応するコンタクトエレメントに対してMMカードが適当に
押圧すされる。
カバー3は、最後に記載したカバー3のこのような位置を、カード読取り装置
内にカードが存在しない場合も離れることはできない。このために、カバー3を
さらに押し下げる際に、カバーのエプロンが、コンタクト及びカード支持部分2
の底面に当接する。
カバー3の閉鎖は選択的に、以下に記載するカバーの開放とは逆に行われる。
カバー3とコンタクト及びカード支持部分2との間の係止結合を解除するため
には、カバー3を水平にピン31の方向に押さなければならない。カバー3を摺
動するためには、カバーの表面に、力を加えるために適した表面構造39、例え
ば凹部及び/又は摺動方向に対して横方向に延びるリブが設けられている。カバ
ーは、そのピン31が、コンタクト及びカード支持部分2の長孔21に支承され
ているので摺動することができる。カバー3を押し戻す際に2つのことが起きる
。一方ではカバー3のガイドピン38がコンタクト及びカード支持部分2のガイ
ド溝28から外方に到り、他方では、カバー3の係止突起37が、コンタクト及
びカード支持部分2のガイド・ロックアーム26a及び26bの係止凹部27a
または27bまたは段部2
63から外方に引き出される。カバー3の十分に大きな摺動により、もともとは
コンタクト及びカード支持部分2とカバー3との間に形成された係止結合が最終
的に解除される。これによりカバー3はほぼ妨げられることなく上方に向かって
旋回することができる。
カバー3を開放旋回する際には、カード読取り装置内に存在するカードはカバ
ー3とともに上方に連行される。カバー3のエプロン34はその間にカードを挟
み、かつ/または、その下端部で内側に向かって突出する突起341を有してい
る。この突起341は、カード読取り装置内に位置するカード積み体の最下方の
カードに背後から係合し、従ってカバーの開放旋回の際に、場合によってはその
上方に配置されたカードを一緒に連行する。
記載したカード読取り装置は、読み取りたいカード自体よりも殆ど大きくない
が、簡単に製造することができ、極めて簡単かつ精巧に作動することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年12月21日(1998.12.21)
【補正内容】
請求の範囲
1. カード読取り装置において、
該カード読取り装置が、側方でずらされて互いに上下に重ねられて配置され
る複数のカード(1)を読み取るために形成されており、開閉旋回可能なカバー
(3)が設けられており、該カバー(3)が開放された状態で、読み取りたいカ
ードをカード読取り装置に挿入することができ、閉鎖された状態で、カバーが、
カード読取り装置内に位置するカードを所定の位置に保持することを特徴とする
、カード読取り装置。
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フロントページの続き
(72)発明者 アルベルト ホールホルスト
オランダ国 NL―4527 ベーエー アー
デンブルク ローマンラーン 8
(72)発明者 ペル−ハカン ペルソン
スウェーデン国 S―24491 ケヴリンゲ
リラ ハリー 2170