JP2001504553A - 熱保護スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 織物スリーブ１０は、織り合わされたガラス繊維糸または同様鉱物またはセラミックの繊維糸、および充填（横）糸１２としてのハイブリッド糸またはワイヤーで構成される。充填（横）糸１２はガラスまたはセラミック繊維と、弾性歪みを与えることができる重合材料および（または）弾性的に形成可能なワイヤーまたはそれらの組合わせとで本質的に構成されるのが好ましい。ワイヤーまたはハイブリッド糸は弾性歪みを与えられて弾性フープを形成し、隣接するか重なる関係状態になるように織物の両側端部が移動する性質を従動的に与える。スリーブを作る方法の１つの形態において、ハイブリッド充填（横）糸１２は織上げた織物を折曲げ装置に配置し、熱を加えて充填（横）糸１２を巻付き状態すなわち折曲げ状態に歪ませた後、冷却してその製品が歪んだ状態に弾性的に保持されるようにすることで、弾性的な歪みを与えられる。製品を作る代替方法において、製品は有ひ織機にて織上げられ、１本以上のワイヤーが充填（横）糸として使用される。ワイヤーは事前緊張スプールから供給される。ワイヤースプールに与えた張力は弾性歪みを与え、これが織物の両側端部を隣接状態また重なり状態となすようにバイアスする。

Description

【発明の詳細な説明】 熱保護スリーブ 本発明は管状織物製品に係わり、特に自動車の排出ガス再循環装置およびワイ ヤリングハーネスのような細長い対象物の熱保護を行う織物スリーブに関する。発明の背景 ケーブル、ホースなどの細長い可撓物品を摩耗や高温などから保護するために 、編物もしくは織物のスリーブを使用することはこの分野で周知である。広くさ まざまなスリーブ製品から選んだ幾つかの例は、ベントレー・ハーリス・インコ ーポレーテッド社のような製造元から購入できる。そのような１つの織物スリー ブはエクスパンド（ＥＸＰＡＮＤＯ）なる登録商標のもとで販売されている製品 である。エクスパンド（登録商標）のスリーブ製品は軽量で、ケーブル組立体、 ワイヤリングハーネスなどからの丈夫な物理的な保護を与える。これらの製品の 多くは典型的に解放構造（オープン構造）であり、耐摩耗性を与え、空気の流通 を可能にし、そして湿分が蓄えられるのを防止されている。基材はコンパクトな 状態に整然と保持され、摩耗や、近くの機械の可動部材などによって個々に破損 される可能性から保護される。スリーブ製品の他の形態は比較的密閉構造（クロ ーズド構造）のもので、ガラス繊維のような材料で成る断熱糸材（ヤーン）を織 って作られ、熱保護を与えることを目的としている。 上述した製品の幾つかは長手方向にスリットを形成され、また既に両端にて取 付けられて緊締されている細長い物体を束ねるのに使用できるように、緊締手段 を備えている。このような製品の１つはエクスパンド・ジップ（ＥＸＰＡＮＤＯ ＺＩＰ）なる登録商標のもとで販売されている。この製品はジッパー式緊締具 を備えていて、１つまたは複数の基材を取り巻いて緊締できるようにされている 。他のこのような製品は、その製品の長手の方向軸線を横断して延在する弾性歪 みを与えられた（resiliently set）フィラメントを有する編み製品である。こ の弾性歪みを与えられたフィラメントは割りスリーブの両側縁を従動的に閉じる ようにするもので、すでに設置されている細長い装置の上から簡単に取付けるこ と ができるようにされている。 この形式の製品は米国特許第５４１３１４９号に示され、説明されている。ス リーブ製品の他の例は、ガラス繊維のような材料と弾性繊維とによって構成され た編みスリーブを示す米国特許第４８７０８８７号、および被覆および含浸され た織物テープを巻き付けることによってワイヤーまたはケーブルを保護すること を開示した米国特許第４２８２２８４号に示されている。発明の概要および目的 上述した製品は意図した目的に関して満足できることは立証されているが、容 易に製造でき、緻密な織物から作られるのに有用で、不規則形状の製品に容易に 取付けることができる熱覆い製品を使用するための必要性、および複雑な曲面を 有するか、既に取付けられた細長い部品に取付けるための必要性がある。 本発明の製品は、「ハイブリッドヤーン」、すなわち限定するわけではないが 外皮押出し糸（over-extruded yarns）、混紡糸およびＤＲＥＦ処理糸を含む１ つ以上の材料成分を有する糸、の群から選ばれた糸の特徴を利用する。特に、熱 可塑性（熱硬化性）の重合材料またはワイヤーと組合わされたガラスまたは他の 材料の糸が好ましい。引用される糸は、耐熱性の特徴に、弾性歪みをその糸に与 えることができることが組合わされている。本発明の実施において、これらのハ イブリッド糸は織られて織物とされ、その織物においてハイブリッド糸は充填（ 横）方向に延在される。その後、ハイブリッド糸は周知の方法で弾性歪みを与え られ、ハイブリッド糸の両端は個々にフープを形成してそれらの端部は互いに弾 性的に押圧され、また或る種の場合には互いに重なる関係状態にされる。 本発明の実施において、ハイブリッド糸は上述した米国特許第５４１３１４９ 号に記載されている技術を使用して弾性歪みを与えられことができ、その特許は 参照することで本明細書に組入れられる。本明細書で使用される場合、またその 特許において、「弾性歪み」または「弾性歪みを与えられる」という表現は、弾 性フィラメント材に永久歪みすなわちバイアスを組合わせることを示す。このよ うな弾性歪みは、弾性歪みを与えることのできるフィラメントを有するスリーブ をマンドレル上に巻き付け、熱を加えると同時にその材料を巻き付け状態に保持 することで歪みを与えることによって、典型的に与えられる。一旦歪みを与えら れたならば、弾性歪みを与えられたフィラメント材は抑制する反力のない状態に おいて歪み状態に復元する傾向を示す。 本発明を実施するためのさらに他の有用な技術は、プラスチック被覆され、ま たは繊維を巻き付けられたステンレス鋼のような曲げ可能な弾性糸またはワイヤ ーを充填（横）方向に使用することを伴う。織上げ工程で使用されるスプール上 のワイヤーまたは糸に高張力を付与することにより、スリーブはそれが織上げら れるときに製品のまわりに巻き付くような傾向を示す。ワイヤーの使用は製品の 耐熱性および耐久性を高める利点を有する。 本発明の目的は、断熱性を有するスリーブ材料、排出ガス再循環装置のような 不規則形状の装置のまわりに巻き付けられるのに特に有用なスリーブ材料の製造 を含む。 本発明の他の目的は、両端で他の機材に連結されている既に取付けられた細長 い部品のまわりに巻き付けるのに十分に適応されるスリーブを準備することであ る。 本発明のさらに他の目的は、高断熱性および耐摩耗性を有する新規なスリーブ 材を準備することである。 本発明のさらに他の目的は、織物端部のほつれる傾向を減少させたスリーブ材 料を準備することである。 本発明の前述の、および他の目的は、縦糸方向に織り合わせたガラスまたは同 様の材料またはセラミックの繊維糸と、充填（横）方向のハイブリッド糸とで構 成された織物スリーブを使用することで達成される。使用されるハイブリッド糸 は、ガラスまたはセラミック繊維と、弾性歪みを与えることのできる重合材料お よび弾性的な成形可能なワイヤーおよびその組合わせで構成される群に含まれる 材料とによって構成されるのが好ましい。ワイヤーまたはハイブリッド糸は、隣 接するか重なる関係状態となるように移動する傾向を織物側縁に従動的に与える 弾性フープを形成するために、弾性歪みが与えられる。本発明の他の概念によれ ば、反射フィルムがスリーブの内面または外面に接着されることができる。ガラ ス繊維糸は湿分の不浸透性または高温耐性を有する重合材料で被覆されることが できる。 方法としては、本発明はガラス繊維の縦糸と、ハイブリッド充填（横）糸とを 有する織物製品を製造する織り方を伴う。本発明の方法の１つの実施例において ハイブリッド充填（横）糸は、織物を加熱した折曲げ装置に載置し、熱を加えて 充填（横）糸を巻付き状態すなわち折曲げ状態に歪ませた後、冷却してその製品 が歪んだ状態に弾性的に保持されるようにすることで、弾性的な歪みを与えられ る。第２実施例によれば、この製品は有ひ織機（shuttle loom）で１本以上のワ イヤーを充填（横）糸として使用して織上げられる。ワイヤーは事前緊張スプー ルから供給される。張力を与えたワイヤースプールの充填（横）糸を織上げるこ とが弾性的な歪みを与えることが見出された。この弾性的な歪みが織物の両端を 隣接状態、また重なり状態となすようにバイアスする。図面の簡単な説明 図１は本発明により形成されたスリーブ製品を示し、また 図２は本発明の方法によりスリーブを製造する段階を概略的に示す。発明の詳細な説明 図１は本発明により形成されたスリーブの１例の斜視図である。複合１０で識 別されるスリーブは織上げて作られるのが好ましく、またガラス繊維の縦糸１１ と、例えばＤＲＥＦ処理によって形成された１本以上のガラス／ポリエステルの 充填（横）糸１２とで構成されている。図示例では、縦糸は約４０２テクスであ る。ガラス／ポリエステル充填（横）糸は約４０２テクスである。ガラス／ポリ エステル充填（横）糸はガラス繊維の中心コアーを有し、この中心コアーに織ら れていないポリエステル銀が巻き付けられている。ポリエステルの範囲はＤＲＥ Ｆ糸の全重量の３９重量％〜６６重量％であるが、約２０重量％〜約８０重量％ の全糸に対するポリエステルの組成が本発明の目的に好適であると考えられる。 ＤＲＥＦ充填（横）糸は９８〜８２３テクスの範囲である。縦糸方向の２５．４ ｍｍ（１インチ）当たり約１５〜３５本の糸が、また２５．４ｍｍ（１インチ） 当たり約１０〜３０本の充填（横）糸がある。 上述例と同じ縦糸を使用した本発明の他の形態において、充填（横）糸は約０ ．１〜約０．１５ｍｍ（０．００４〜０．００６インチ）の間の線径のステンレ ス鋼ワイヤーを有するガラスポリエステルＤＲＥＦ糸が使用されている。このワ イ ヤーは中心コアーのガラス糸組合わされ、ＤＲＥＦ処理を使用して織られていな いポリエステルの外側シースで覆われる。 本発明による製品の製造において、スリーブ材料はシートまたはテープの形状 に織上げられた後、加熱室１５の入口に反対されている周知の構造のスロット付 き折曲げ装置１４の螺旋状に延在する溝内を給送することにより、それ自体の端 部が隣接するか重なる関係状態に形成される。高温空気がダクト１６を通して供 給され、重合体の温度をガラスの繊維温度または軟化温度より高い温度まで上昇 させる。成形された製品は加熱室から取出され、冷却室１７内で冷却される。加 熱室から成形された製品が取出されて冷却室１７内で冷却されるとき、それ自体 の端部が隣接するか重なる関係状態となる位置で重合体はフィラメント材を再結 晶化させ、すなわち歪みを与え、端部はその位置に従動的に保持されるようにバ イアスされる。歪みの付与に続いて、スリーブは被覆浴を通して移動され、被覆 浴においてローム・アンド・ハース・カンパニー社によってエクスフレックス（ ＥｘＦｌｅｘ）なる登録商標のもとに販売されているアクリル塩のような周知の 飽和剤（saturant）の被覆が付与されて、ガラス繊維の縦糸をシールして本体を 形成すると共に端部のほつれをさらに減少させるようになされる。 また理解すべきは、マンドレル上に材料を緊締し、その後加熱室１６内に位置 されて軟化するように加熱され、その後再結晶化される、すなわち歪みを与えら れることによって、適当な結果が得られるということである。 本発明の他の実施例の製品は１本以上のステンレス鋼の充填（横）ワイヤーを 含んで成り、それらのワイヤーは限定されて、または他の糸またはフィラメント と組合わされて使用されるいずれの形態とされることができる。この製品は有ひ 織機で織上げ、織上げ工程時に使用される充填（横）糸に張力を掛けることによ って、スリーブ形状に形成されることが有利である。これは供給スプール上の充 填（横）ワイヤーを事前に緊張させることで好ましく達成されるのであり、これ は張力の解除されたときにワイヤーが自然にフープ形状を形成するようにさせる 。さらにこれは、その材料が有ひ織機から取出されたときに、スリーブが側端部 を突き合わせて、または重ね合わせて実質的に円筒形状となるように強制する。 上述した各々の実施例において、閉じた状態にバイアスされ、優れた熱特性を 有するスリーブが製造された。これらのスリーブは、既に所定位置に配置された 細長い基材のために優れた熱特性を与え、特に排出ガスの再循環装置のような不 規則形状の熱源を断熱するのに有用である。ガラス繊維および重合被覆で構成さ れたハイブリッド糸は重合部材の熱保護を行い、織物端部のほつれを減少させる 。ワイヤーは要求されるような温度能力を高めた製品を与える。本発明によって 作られた製品は箔のような反射被覆を備えることができ、この被覆は製品の内面 または外面に積層されて熱保護能力を向上させることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メイドン，ジャニス，アール. アメリカ合衆国19075 ペンシルバニア州 オアランド，オアランド ミル ロード 311 (72)発明者 ビトウィンスキイ，ジョアン アメリカ合衆国19152 ペンシルバニア州 フィラデルフィア，オーガスタ ストリー ト 8645 【要約の続き】 性歪みを与え、これが織物の両側端部を隣接状態また重 なり状態となすようにバイアスする。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 細長い基材を保護するための巻付けられる織物スリーブであって、前記ス リーブは織られたガラス繊維糸およびハイブリッド糸で作られており、 前記スリーブは幅よりも大きい長さを有し、また実質的に平行な側端を有して おり、 前記ハイブリッド糸は充填（横）方向に延在し、鉱物繊維と、弾性歪みを与え ることができる重合材料、弾性的な形成可能なワイヤーおよびそれらの組合わせ で構成される群に含まれる材料とで本質的に構成されており、 前記ハイブリッド糸は弾性的なフープを形成するために弾性歪みを与えること ができ、前記弾性フープは織物両端部を隣接した関係状態に従動的に保持するよ うになされた織物スリーブ。 2. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が 弾性歪みを与えることができるワイヤーで構成された織物スリーブ。 3. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が 熱的に歪みを与えることができるワイヤーで構成された織物スリーブ。 4. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が ガラス繊維糸と熱的に歪みを与えることができる重合材料との組合わせで構成さ れている織物スリーブ。 5. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ガラス繊維糸がコ アー糸であり、重合物質がコアー糸を取り巻いている織物スリーブ。 6. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、反射フィルムが前 記スリーブの外面に接着された織物スリーブ。 7. 請求項４に記載された巻付けられるスリーブであって、前記ガラス繊維糸 がバルキー糸（bulky yarn）であり、縦糸および充填（横）糸は比較的緊密に織 上げられて前記細長い基材のための断熱層を形成している織物スリーブ。 8. 請求項４に記載された巻付けられるスリーブであって、前記ガラス繊維糸 が湿分不浸透被覆を有する織物スリーブ。 9. 請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が ９８〜３２８テクスであり、またポリエステル銀で覆われたガラス繊維糸を含ん でなる織物スリーブ。 10．請求項９に記載された巻付けられるスリーブであって、糸の全組成に対す るポリエステルが約２０〜約８０重量％である織物スリーブ。 11．請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が ガラス糸の中心コアーと、前記中心コアーを取巻くワイヤーおよび重合材料とで 構成された織物スリーブ。 12．請求項２に記載された巻付けられるスリーブであって、縦糸が比較的しな やかな糸である織物スリーブ。 13．請求項１に記載された巻付けられるスリーブであって、ハイブリッド糸が 重合材料で構成された中心コアーと、前記中心コアーを取巻くガラス繊維糸とで 構成される織物スリーブ。