JP2001504438A - アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを含有する医薬組成物 - Google Patents

アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを含有する医薬組成物

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Abstract

(57)【要約】 有効成分としてチロキサポールを含有する新規な医薬組成物を提供する。これらの配合物は、チロキサポールを0.125%より高い濃度、好ましくは約0.25%〜約5.0%の濃度で含有する。さらに、本発明は、高張性の低い医薬組成物を包含し、該組成物は、医薬として許容できる溶液中にチロキサポールを含有し、高張性薬剤または他の有効成分NaHCO3あるいはDPPCのような活性リン脂質を含有していない。高張性の低い配合物は、有効成分チロキサポールのすべての利点、例えば、低い毒性および向上した半減期を達成することができ、かつ副作用、例えば、種々の高張性薬剤または他の有効成分を含む薬剤と関連する気管支痙攣ような副作用を回避または減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを含有する医薬組成物関連出願に対するクロス・リファレンス 本出願は、1994年8月31日に出願され、現在特許になっている米国特許 出願第299,316号の一部継続出願であり;この出願は、1993年3月3 0日に出願され、現在放棄されている米国特許出願第08/039,732号の 一部継続出願である。発明の背景 発明の分野 本発明は、アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを含有する医薬 組成物に関するものである。特に、本発明は、アルキルアリールポリエーテルア ルコールポリマーであるチロキサポールを含有する医薬組成物およびこの医薬組 成物を使用して呼吸器の炎症を治療する方法に関するものである。従来技術 酸化剤により媒介された損傷についての論考 酸素は、好気性植物および酸素にエネルギー代謝を依存している動物に生命を 与える。また、酸素は、これがその安定な二酸素(O2)の状態から次の3種の 部分還元された種:a)1個の電子が還元された形態であるスパーオキシドアニ オン(2 -);2個の電子が還元された形態である過酸化水素(H22);また は3個の電子が徹底的に還元された形態であるヒドロキシルラジカル(OH) のいずれかに変化すると、酸素はこれらの同一の生物に対して致命的なものにな ることかある。生物系において、O2 -よびH22は、酸素を補助因子として用い る酵素(オキシゲナーゼ)の宿主の代謝副産物である。H22は、また、2 - からスーパーオキシドジスムターゼの酵素作用により生成する。しかし、OH は、一般的には、2 -およびH22と金属、例えば鉄、銅、ニッケルまたはバ ナジウムの移動するイオンとが、次の危険な循環的酸化還元反応:において、相互作用する場合にのみ生成する。上述の反応は、生物系に共通のス ーパーオキシドにより駆動されるフェントン反応と呼ばれている。また、このフ ェントン反応は、第二鉄およびH22の存在下にアスコルビン酸塩のような他の 還元性物質により開始することができる。 2 -およびH22はいずれも生物系に有毒であるが、OH(およびこれに代 わる仮定の形態のフェリル(ferryl)中間体FeO2+)は、反応性の著しく大きい 種であって、不飽和膜脂質を酸化し、細胞タンパク質を損傷し、DNAに突然変 異誘発性の鎖切断を生じさせることができる。通常の条件下に部分還元されたO2 種による損傷を防止するために、細胞は、抗酸化酵素(スーパーオキシドジス ムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ)および抗酸化剤分子( グルタチオン、α−トコフェロール、β−カロテン)の精巧な系を進展させた。 しかし、部分還元されたO2種の生成が、該O2種を含有する細胞の抗酸化剤防御 能力を超えている場合に、酸化剤による損傷が生起する。 次第に増加する哺乳類の疾病の実在は、現在では、部分還元されたO2種の過 剰生成に関係していると考えられ、これには、リパーフュージョン(reperfusion )傷害症候群である心筋梗塞および発作、成人呼吸窮迫症候群、肺の酸素毒性、 アスベストによる肺の傷害、パーキンソン病、皮膚の熱による熱傷および太陽光 による熱傷および非ステロイド系抗炎症薬剤による胃腸管の傷害(B.Halliwell およびJ.M.C.Gutteridge.Methods in Enzymology(1990)186:第1〜85頁の第6 0頁の表IV参照)。これらの病状の治療は、部分還元されたO2種の酵素による生 成を防止する計画および生物系および化学系における酸化剤−抗酸化剤のバラン スを回復させる外因性抗酸化剤化合物の導入のいずれかに、ますます向けられて いる。最近では、以下に概説するように、これらの病状の多くにおける炎症の治 療は、これらの病状の発生病理において重要なプロ炎症性(pro-inflammatory)サ イトカインの遺伝子発現を媒介する転写因子の活性化を阻止する方向に向け られている。転写因子およびサイトカインについての論考 転写因子は、遺伝子の調節配列に結合し、遺伝子転写の速度(rate)を上昇させ るかまたは低下させる細胞タンパク質である。転写因子は、遺伝子転写の速度に 影響を与えることにより、健康中および疾病中の細胞機能の調節に重要な役割を 演ずる。疾病における最も重要な転写因子の中には、プロ炎症性サイトカインの ための遺伝子発現を調節する因子がある。これらのサイトカインは分泌された細 胞タンパク質で、このタンパク質は他の細胞の挙動に大きく影響する。例えば、 サイトカインTNF−αは、腫瘍または慢性感染症を有する患者において体重の 減少を生じさせ、細胞の死を生じさせ、また、敗血症性ショックの重要なメディ エイタであると考えられている。サイトカインIL−1βは熱を媒介し、TNF の特性の多くを共有する。サイトカインIL−8(およびこれに極めて近い関連 物質、例えばランテス(RANTES)は、炎症細胞、例えば好中球の補充を助 ける有力な走化性信号(chemotactic signal)である。GM−CSFは、骨髄に一 層多くの炎症細胞を生じさせ、一旦生成した炎症細胞を活性化し、炎症細胞の生 存期間を延長するよう信号を送る。これらのサイトカインは、多くの他の疾病の 中でも、のう胞性線維症、慢性気管支炎、喘息およびウイルス感染症等の炎症性 疾病の発生病理を媒介するのに重要な役割を演ずる(T.L.Bonfield等、“Infla mmatory cytokines in cystic fibrosis lungs”.American Journal of Respira tory and Critical Care Medicine (1996)In Press;N.G.McElvaney等、“Modula tion of airway inflammation in cystic fibrosis.In vivo suppression of i nterleukin-8 levels on the respiratory epithelial surface by aerosolizat lon of recombinant secretory leukoprotease inhibitor”.Journal of Clini cal Investigation (1992)90:第1296〜1301頁;K.D.Pfeffer等、"Expression an d regulation of tumor necrosis factor in macrophages from cystic fibrosi s patients". American Journal of Respiratory ,Cell and Molecular Biology (1993)9:第511〜519頁;G.WilliamsおよびB.P.Giroir."Regulation of cyto kine gene expression:Tumor necrosis factor,interleukin-1,and the emerg ing biology of cytokine receptors". New Horizons(1995)3:第2 76〜287頁;C.A.Dinarello."Role of interleukin-1 and tumor necrosis fact or in systemic responses to infection and inflammation".In Inflammation :Basic Principles and Clinical Correlates 第2版、J.I.Gallin、I.M.Gol dsteinおよびR.Snyderman編、Raven Press,Ltd.,米国ニューヨーク(1992)第2 11〜232頁;W.C.Greene、“The interleukins”.In Inflammation:Basic Princ iples and Clinical Correlates 第2版、J.I.Gallin、I.M.Goldsteinおよび R.Snyderman編、RavenPress,Ltd.,米国ニューヨーク(1992)第233〜245頁;M.B aggiollni等、"interleukin-8 and related chemotactic cytokines".In Infla mmation:Basic Principles and Clinical Correlates ,第2版、J.I.Gallin、I. M.GoldsteinおよびR.Snyderman編、RavenPress,Ltd.,米国ニューヨーク(1992 )第247〜263頁;D.W.GoldeおよびG.C.Baldwin."Myeloid growth factors".In Inflammation:Basic Principles and Clinical Correlates 第2版、J.I.Gal lin、I.M.GoldsteinおよびR.Snyderman編、Raven Press,Ltd.,米国ニューヨ ーク(1992)第291〜301頁;R.J.HorwitzおよびW.W.Busse."Inflammation and a sthma". Clinics in Chest Medicine(1995)16:第583〜602頁)。 これらのサイトカインは、炎症事象を媒介する特に重要な転写因子である転写 因子ニュークリア・ファクター・カッパ−B(NF−κB)により、その発現の 調節に関与する(U.Siebenlist、G.GranzusoおよびR.Brown.“Structure,re gulation and function of NF-κB”.Annual Review of Cell Biolog(1994)10: 第405〜455頁)。また、NF−κBは、ランテス(RANTES)のようなケモカイン( chemokines)(U.Siebenlist、G.GranzusoおよびR.Brown."Structure,regu lation and function of NF-κB".Annual Review of Cell Biology(l994)10:第 405〜455頁)、および誘導可能な酸化窒素シンターゼ(iNOS)(P.J.Nelso n等、“Genomicorganisation and transcriptional regulation of the RANTES chemokine gene”. Journal of Immunology(1993)151:第2601〜2612頁)の重 要な転写調節因子であり、この酵素は、敗血症性ショックの発生病理の一部とし て生成する重要な酸化剤化合物である酸化窒素(NO)を生成する。NF−κ Bは阻害タンパク質IκBとの複合体となった不活性形態で細胞質 中に存在する。未だ完全には特徴づけられていないいくつかの事象は、IκBを 、細胞質中のNF−κBから解離させる。そこで、遊離のNF−κBは核に集中 し、ここで標的遺伝子のプロモーター領域中の特異的なκB認識部位に結合して 、その発現を促進する。NF−κBは、サイトカイン自体を含むいくつかの刺激 により、またリポ多糖(LPS)により活性化される(U.Siebenlist、G.Gran zusoおよびR.Brown.“Structure,regulation and function of NF-κB”.Ann ual Review of Cell Blology (1994)10:第405〜455頁)。また、NF−κBは過 酸化水素のような酸化剤により活性化され(M.Meyer、R.SchreckおよびP.A.Ba everie.“H2O2 and antioxidants have opposite effects on the activation o f NF-κB and AP-1 in intact cells:AP-1 as secondary antioxidant response factor”.EMBO Journal(1993)12:第2005〜2015頁)、これは、NF−κBが 酸化剤ストレスに応答する転写因子であるかもしれないことを示唆している。こ れに対し、NF−κB活性化の最も有力な阻害剤のうちのいくつかは、抗酸化剤 として作用することができる化合物である。大部分ではなくいくつかの抗酸化剤 が、NF−κBの活性化をLPSにより防止し、炎症性サイトカインに対応する メッセンジャーRNAの増加を防止し、LPS注入に続く循環中にTNFおよび IL−1のレベルを低下させる(E.M.Eugui等、"Some antioxidants inhibit, in a coordinate fashion,the production of tumor necrosis factor α,IL- 1β and IL-6 by human peripheral blood mononuclearcells".International Journal of Immunology (1993)6:第409〜422頁;R.Schreck等、"Dithiocarbamate s as potent inhibitors of nuclear factor κB activation in intact cells" . Journal of Experimental Medicine(1992)175:第1181〜1194頁)。しかし、N F−κB活性化を阻害することが知られている数少ない抗酸化剤は、NF−κB の活性化を防止することができない抗酸化剤から前記抗酸化剤を区別する共通の 構造的類似性を共有しておらず、どのような抗酸化剤化合物が疾病における炎症 事象を改善する計画としてNF−κB活性化を低下させるか、また都合よくは低 下させないかということを、当業者が予測するのを妨げている。 NF−κB活性化を阻害することが知られている他の群の化合物は、抗炎症性 コルチコステロイドである。コルチコステロイドは、細胞質中でグルココルチコ イド レセプタ(GR)と呼ばれる細胞内タンパク質と結び付くこととにより作 用する。以前には、コルチコステロイドの抗炎症作用は、専ら、GR−ステロイ ド複合体が核に到達し、ここでグルココルチコイド応答性要素(GRE)と呼ば れる調節遺伝子領域に結合し、該領域に影響を及ぼす結果として生起する、と考 えられていた。しかし、最近になって、抗炎症性グルココルチコイドの活性の主 な機構は、NF−κBの阻害であることが示されている(I.M.Adcock等、"Effec ts of glucocorticoids on transcription factor activation in human periph eral blood mononuclear cells".American Journal of Physiology(1995)268(Ce ll Physiology 37):C331-C338)。GR−ステロイド複合体は、細胞質中の遊離の NF−κBと直接相互作用して、NF−κBが核に移動するのを妨害することに より、NF−κBの活性化を妨害する(A.RayおよびK.E.Prefontaine."Physi cal association and functionalantagonism between the p65 subunit of tran scription factor NF−κB and the glucocorticoid receptor".Proceedings o f the National Academy of Sciences ,USA (1994)91:第752〜756頁)。 しかし、GR−ステロイド複合体は相互抑制によりNF−κBの阻害を達成する 。細胞質中の遊離のNF−κBと結合することにより、核に移動しないようにし て、他の抗炎症事象をアップレギュレート(up-regulate)する。実際に、相互抑 制は、重症の喘息患者におけるステロイド耐性の現象を一部説明すると考えられ る。喘息発作中に気道中に分泌されるIL−1,IL−6,TNFおよび他のプ ロ炎症性サイトカインは、NF−κBの細胞活性化を高め、一層多くのNF−k BサブユニットをGR−ステロイド複合体に結合させ、核への移動に利用できる GR−ステロイド複合体の量を減少させる(P.J.Barnes、A.P.Greeningおよび G.K.Crompton."Glucocorticoid resistance in asthma".American Journal o f Respiratory and Critical Care Medicine (1995)152:S125-S142)。 チロキサポールを含むアルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーにつ いての論考 抗酸化剤は、安定な化学形態に容易に酸化される化合物である。抗酸化剤は、 極めて重要な化学分子および生体分子の酸化に優先して抗酸化剤自身の酸化を犠 牲にすることにより、化学系および生物系を保護することができる。すべての酸 化可能な化合物が、抗酸化機能を発揮することができるとは限らない。化学系お よび生物系を酸化剤から保護するのに成功するには、抗酸化剤が、保護しようと する化学分子または生体分子より酸化剤に対して大きい反応性を有する必要があ る。所望の化学系および生物系を酸化から保護するには、また、抗酸化剤が、保 護しようとする分子に隣接する位置に分配されるようにすることも必要である。 例えば、血漿、エンドソーム膜または核膜の脂質二重層内に保護しようとする分 子は、少なくとも部分的に親油性構造を有する抗酸化剤により最も良く保護され るかもしれないので、酸化からの保護を必要とする分子に隣接する膜の脂質部分 または該部分の近くに抗酸化剤を分配する。 最近になって、従来知られている群の薬剤であるアルキルアリールポリエーテ ルアルコールポリマーが、哺乳類の疾病の治療に有用な強力な抗酸化剤であるこ とが分かった。(Duke Universityへの譲渡人であるGhio ,KennedyおよびPianta dosi に対して、1995年に特許された米国特許第5,474,760号明細書 および米国特許出願第08/039,732号明細書)。アルキルアリールポリ エーテルアルコールポリマーは、界面活性洗浄剤および湿潤剤として、商業的に 用いられている(Rohm & Hass社への譲渡人であるBock およびRaineyに対して19 48年に特許された米国特許第2,454,541号明細書)。この群の最も良 く知られているものはチロキサポール、即ちを4−(1,1,3,3−テトラメ チルブチル)フェノールとホルムアルデヒドおよびオキシランとのポリマーであ る。しかし、チロキサポールの特性を共有するこの群の他の化合物は、当業界に おいてよく知られている(J.W.Cornforth等、"Antituberculous effect of cer tain surface-active polyoxyethylene ethers in mice". Nature(1951)168:第1 50〜153頁)。 エーロゾル薬理学的配合物において従来から使用されているアルキルアリール ポリエーテルアルコールポリマーとしては、チロキサポールまたはトリトン(Tri ton)WR-1339がある(M.L.Tainter等、"Alevaire as a mucolytic agent". New England Journal of Medicine (1955)253:第764〜767頁)。Winthrop Laborato ries(Sterling Drug社の事業部)およびBreon Laboratories(Sterling Drug社の 子会社)から、ALEVAIRE(登録商標)という商品名で販売され、2%の重炭 酸ナトリウムおよび5%のグリセリンと組み合わせられ、0.125%のスーパ ーイノン(SUPERINONE)(チロキサポールの登録商標)水溶液を含む組成物は、 慢性気管支炎、偽膜性咽頭炎、百日咳およびポリオのような疾病および障害を有 する患者における粘液分泌を治療するために、約30年間にわたって市販されて Aerosol forInhalation”(1961年11月)というタイトルの製品パンフレ ット参照。) ALEVAIRE配合物である新薬の使用(new drug application(NDA) が1950年代の早期に認可された時に、米連邦食品医薬品化粧品法(FDA法 )は、FDAに医薬品認可プロセスの効率を考えるよう要求しなかった。196 2年に、FDA法はFDAに効率を考え、かつ医薬品がその目的とする用途に無 効であったという実質的証拠が不足している場合には、新薬使用(NDA)が認 可された医薬品を市場から撤去する権限を部局(agency)に付与するよう修正され た。後者の法律で定められた命令に従うために、FDAは医薬品の効果検討の実 行(Drug Efficacy Study Implementation)(DESI)レビュー(review)を制定 した。ALEVAIREはDESIレビューのなかで考慮され、無効であることが分 かった。1968年7月に、FDAはそのスポンサーであるスターリング・ドラ ッグ(Sterling Drug)社に通知した。スターリング社はFDAの所見に抗議した( Sterling Drug,Inc.,v.Weinberger,503F.2d675(2d Cir.1974),384 F.Sup p.675(S.D.N.Y.1974),および509 F.2d 1236(2d Cir.1975))。法律上の 争いは13年間にわたって続き;正式な証拠に基づいた公聴会の後に、FDAは ALEVAIREについて逆の「最終決定」を発表し、スターリング社はこれに 抗議しなかった(ALEVAIRE;Final Decision Following Formal Evident iary Public Hearing in Adjudicatory Proceeding,46 Fed.Reg 56043(Nov.13 ,1981))。 FDAは、ALEVAIRE中のチロキサポールが、慢性気管支炎のような疾病による 肺における分泌物に対して単なる希釈による分泌物の希釈における水の効果以外 の何らかの効果があることを示す根拠がないこと、および製造者の参考文献中の 報文が、臨床効果(clitical impression)に基づくものであり、適切な制御を反 映していないことを見いだした。(1994年5月27日付の、本出願の共同発 明者の1人であるThomas Kennedy博士にあてた、Freedom of Information Offic e,Center for Drug Evaluation and Research,Department of Health & Human Services,Public Health Service,Food and Drug Administration(米国メリ ーランド州ロックビル)のChiefであるCarolann W.Hooton女史からの手紙を参 照)。驚くべきことには、本発明者等は、チロキサポールに代表される群のアル キルアリールポリエーテルアルコールポリマーが、強力な抗酸化剤であり、NF −κBの活性化に対する有力な阻害剤であること(後述の実施例4参照)および プロ炎症性サイトカインの細胞生産の有力な阻害剤であること(後述の実施例5 参照)を見いだした。 市場からの回収前におていも、チロキサポールのALEVAIRE配合物がある個人の 場合に副作用と関係していることを示す公表された証拠があった。PaezおよびMi llerは慢性の閉塞性肺病にかかっている20人の患者においてALEVAIREを研究し た(Paezp P.N.およびW.F.Miller.1971.Surface active agents in sputum ev acuation:a blind comparison with normal saline solution and distilled wa ter.Chest 60:312-317)。肺機能は、被検者が標準食塩水、水またはタージェミ スト(Tergemist)(2−エチルヘキシル硫酸ナトリウム0.125%および沃化 カリウム0.1%)の溶液を吸入した後に変化しなかったが、4人の患者はALEV AIREを吸入した後に気道障害の増大を示す証拠を示した。その後、Fevrierおよ びBachofenは、二重盲交差計画を使用して、喘息にかかっている24人の患者に おいて、ベーター作用物質を吸入した場合のALEVAIREまたは担体である食塩水の 作用を研究した(Fevrier,D.およびH.Bachofen.1975.Vergleich v on tyloxa pol(Tacholiquin,ALEVAIRE)mit physiologischer kochsalzlosung als inhalat ionstragerluscungen.Schweiz .med Wachr.195:810-815)。著者等は、3mlの試 験溶液を吸入してから2時間にわたって比(specific)気道コンダクタンス(気道 抵抗の逆数)を測定した。ベーター作用物質である気管支拡張剤を含有していな いALEVAIRE溶液は、比気道コンダクタンスを20分で20%低下させ(p<0. 05)、これは60分間で完全に解明された。このように、ALEVAIRE配合物は、 喘息または気道反応性をわずらっている個人のような影響を受 けやすい個人による吸入後に、気管支痙攣を明瞭に生じさせた。 チロキサポールを含有する本発明のエーロゾル配合物はエクソサーフ(EXO SURF、登録商標)ネオナタル(NEONATAL)であって、新生児呼吸窮 迫症治療用気管内点滴注入懸濁液として、1990年にFDAによって認可され 、Glaxo Welcome社によって市販されている。EXOSURFばジファルミトイ ルフォスファチジルコイン(DPPC)108mg、セチルアルコール12mg、チ ロキサポール8mgおよび塩化ナトリウム47mgからなり、滅菌水8mgによって再 構成された配合物である。DPPCは主要な機能性成分であると考えられる。チ ロキサポールが分散剤として添加されているので、DPPCは再構成された際に 乳濁液の状態を維持することができる。再構成された際に、EXOSURF溶液 は、0.1N NaCl中に、13.5mg/mlおよび1mg/mlのチロキサポールを 含有する。生成物は、乳児の予防処置および人命救助処置の両方に使用される。 予防処置を受ける乳児は、分娩後12時間間隔で5ml/kgの用量で3回投与を受 けることが推奨されている。EXOSURFの投与後に、場合によってはいくつ かの主要な不都合な作用が認められることがあり、このような作用としては気管 内投与後における気管内の管中へのEXOSURFの還流、投与のすぐ後に粘液 が詰まること、低分娩体重乳児における肺出血、および動脈中の酸素不飽化があ る(EXOSURF Neonatal.1995.Physicians Desk Reference.Medical Economics,Mo ntvale,NJ.758-762)。またEXOSURFは、成人において敗血症から誘発される成人 呼吸緊迫症について治験を受けた(Weg,J.G.,R.A.Balk等(1994)。Safety and p otential efficacy of an aerosollized suefactnat in human sepsis-induced aduit respiratory distress syndrome.J.A.M.A 727:1433-1438)。被検者には エーロゾル化したEXOSURFを12時間または24時間にわたって連続的に 、それぞれ5日までの期間投与した(12時間グループには568.4±53. 6g、また24時間EXOSURFグループには1128.4±99.3g)。 脂質DPPC成分のために、EXOSURFエーロゾル乳濁液配合物は、機械的 にベンチレータにおける吐出側細菌フィルタに蓄積し、これを閉塞する傾向があ った。ベンチレータの回路の圧力が増大し、蓄積された脂質乳濁液によって閉塞 された吸気弁のためにこの圧力が逃げられなくなった場合、1人の被検者 は、この閉塞の結果として気胸(破壊された肺(reptured lung)を経験した。背景の論考の概説 多くの疾病における炎症は、転写因子NF−κBの活性化により媒介され、こ れが、次に、例えばTNF,IL−1,IL−6およびIL−8のようなプロ炎 症性サイトカインおよび成長因子GM−CSFの細胞生産を増加させ、誘導可能 な酸化窒素シンターゼ(iNOS)のような重要な細胞酵素を増加させる。NF −κBの活性化およびこれに続くサイトカインの分泌を防止するのに使用できる 現在の治療は、抗炎症性グルココルチコイドである。最近になって、大部分では なく若干の抗酸化剤も、また、NF−κBを阻害することが見いだされた。 抗酸化特性を有する多数の化合物を合成することは、理論的には可能である。 しかし、NF−κBの活性化を抑制することが示されている少数の化学物質の間 には、予知可能な構造上の類似性がない。従って、ある化合物が抗酸化活性を示 すことを証明しても、そのまま、同一の化合物がまた、NF−κBの活性化およ びプロ炎症性サイトカインの分泌を阻害することを予測することはできない。ま た、抗酸化剤を生物系における治療薬として用いることを制限する因子は、多く の抗酸化剤化合物自体の固有の毒性である。同様に、抗炎症性コルトステロイド は、NF−κBの有力な阻害剤であるが、これをそのまま使用することは、よく 知られているコルチコステロイドの副作用により、厳しく制限されており、この 副作用としては、グルコース不耐性、高血圧、骨吸収、体重増加および白内障が ある。従って、大きな利点は、医療用薬理学的調剤において普通に用いられてい る無毒成分の群が、有力な抗酸化剤であるほか、NF−κBの活性化の有力な阻 害剤であることを見いだしたことである。このような化合物は、抗酸化剤が有価 があると予測され疾病の治療薬として用いることができるほか、生物系に対して 毒性を生じることのないNF−κBにより媒介された炎症状態に対する治療薬と して用いることができる。 後述の種々の実施例において見い出されたことは、チロキサポールが、また、 NF−κBの活性化を抑制し、炎症性サイトカインの分泌を抑制する強力な坑酸 化剤であることを示す。 チロキサポールは、このようなチロキサポールの特性のために、種々の哺乳動 物の疾病、特に気道の疾病に対する有用な抗炎症薬による治療法になる。しかし 、チロキサポールの現在の配合物であるALEVAIREおよびEXOSURFは、ALEVAIREの 場合には喘息における気道抵抗の増加、あるいはEXOSURFの場合には気道および ベンチレータ回路の閉塞の生成のような、望ましくない特性を有する。 発明の概説 本願発明は、アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーであるチロキ サポールの新規な配合物に関するものである。この新規な配合物の目的は、今ま で使用されているチロキサポール配合物の望ましくない特性を消滅させることに ある。現在、これらの特性は、チロキサポールに由来しないが配合物自体の組成 と関連する副作用のために、チロキサポールの治療における有用性を制限してい る。本発明は、チロキサポールのようなアルキルアリールポリエーテルアルコー ルポリマーを、どのようにすれば、従来の配合物の望ましくない特性を有してい ない無毒性配合物中に組み込むことができるかを説明している。この新規な配合 物の投与は、米国特許第5,474,760号明細書、同第5,512,270号明細書および1996 年4月15日出願の米国特許出願第08/632,275号明細書に記載されて いる配合物と同様に行うことができる(これらの米国特許および米国特許出願は 、アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーをどのようにすれば、酸化 剤の反応を阻止し、部分還元されたO2種による生体の損傷を阻止する際の抗酸 化剤として有用になるか、また転写因子NF−κBの活性化を抑制する治療剤と して、またサイトカインであるTNF、IL−1、IL−6およびIL−8およ び成長因子GM−CSFの細胞分泌の阻害剤として有用なるかを記載している) が、明瞭にするために以下これについて繰り返し説明する。 本発明の目的は、呼吸器疾病のエーロゾル治療に用いられるアルキルアリール ポリエーテルアルコールポリマーであるチロキサポールの新規な配合物を提供す ることにある。 本発明の他の目的は、部分還元されたO2種によって生起する酸化剤の化学反 応を抑制する方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、部分還元されたO2種による損傷から哺乳動物の組織を 保護する方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、HOCl/OCl(本明細書では便宜上HOClと記載 することもある)による気道損傷から保護する方法およびそのための医薬を提供 することにある。 本発明の他の目的は、部分還元されたO2種により生起する酸化剤の化学反応 を治療用薬剤によるエーロゾル治療により抑制する方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、転写因子であるNF−κBの活性化を阻害する(従って この調節細胞タンパク質により制御される遺伝子を活性化することにより引き起 こされるプロ炎症細胞の事象を改善する)方法およびそのための医薬を提供する ことにある。 本発明の他の目的は、サイトカインであるTNF、IL−1、IL−6および IL−8および成長因子GM−CSFを阻害する方法およびそのための医薬を提 供することにある。 本発明の他の目的は、転写因子であるNF−κBの活性化を阻止し、これによ りグルココルチコイドと受容体との複合体の結合および相互抑制を、細胞中に存 在する活性NF−κBにより防止することにより、喘息および他の疾病における グルココルコイド耐性を防止する方法およびそのための医薬を提供することにあ る。 本発明の利点は、従来市販されていた配合物中に存在する有害成分を除去する ように、治療用薬剤を配合することができる点にある。 本発明の利点は、従来使用可能であったより高い、治療に一層有効な濃度で、 治療用薬剤を配合することができる点である。 本発明の利点は、治療用薬剤が、生物系に対して毒物学的可能性の低い毒物学 的に特徴づけられた群の化合物から製造することができる点である。 本発明は、有効成分としてチロキサポールを含有する新規な医薬組成物または 配合物を包含する。これらの配合物は、医薬組成物中に従来使用されていたこと を本出願人が知っている濃度より高い濃度で、チロキサポールを含有する。ここ に記載したように、従来チロキサポールは0.125%の濃度で組成物中に使用 されていた。本発明の医薬組成物は、チロキサポールまたは他のアルキルアリー ル ポリエーテル アルコール ポリマーを、0.125%より高い濃度、好ま しくは約0.25%〜5.0%の濃度で含有する。 さらに、本発明は、チロキサポールを医薬として許容できる溶液中に含有し、 有意な濃度の高張性薬剤(hypertonic agent)または他の有効成分を含有してい ない、高張性(hypertonicity)の低い医薬組成物を包含る。例えば、高張性の低 い配合物は、NaHCO3のような高張性薬剤、またはDPPCのようなリン脂 質を含有していない。高張性薬剤およびリン脂質はいずれも従来の配合物中に使 用されていた。高張性の低い配合物は、有効成分チロキサポールのすべての利点 、例えば、低い毒性および向上した半減期を達成することができ、かつ副作用、 例えば、種々の高張性薬剤または他の有効成分を含む薬剤と関連する気管支痙攣 を回避または減少することができる。 さらに、本発明の新規な配合物は高濃度のチロキサポールを含有し、これによ り臨床医は確認された病状を一層有効に仲裁または治療することができる。例え ば、一層濃度の高い組成物を使用する場合には、投与頻度が少なくなり、投与速 度が速くなる。また、高濃度配合物は、肺のなかでの分布が優れていて、積極的 かつ有効な治療を可能にするが、これはチロキサポールを含有する従来の配合物 では不可能であった。 本発明の組成物または配合物は、CFに苦しんでいる患者の治療に、上述の濃 度において、1日に1〜2回という投与スケジュールに従って、使用することが できる。治療する医者または臨床医は、特定の患者に対する用量又は投薬方式を 、病状のきびしさ又は患者の応答に応じて調整する方法を認識していることが必 要である。明らかに、高濃度のチロキサポールを含有し、NaHCO3、DPP Cおよび有意な濃度のNaClを含有していない、これらの新規な組成物または 配合物は、CFおよび他の呼吸障害を治療する独特な優れた能力を提供する。 本発明の好ましい実施態様においては、医薬を呼吸器系に直接点滴注入し、エ ーロゾル化により投与する。この実施態様においては、医薬を、生理的に緩衝さ れた生理食塩水、等張性生理食塩水、および標準生理食塩水から成る群から選択 し、塩濃度を約300m Osmにすることができる。アルキルアリールポリエー テルアルコールポリマーと担体との混合物のpHは、6.0より大きいが、7. 4以下であるのが好ましい。 いくつかの図および実施例を含む明細書の記載を考慮することにより、当業者 は、本発明の追加の目的および利点を決めることができる。図面の簡単な説明 本発明を、図面を参照して説明する。図面において: 図1は、サリチル酸塩の水酸化により測定した、フェントン反応によるOH の発生に対するチロキサポールの阻害効果を示すグラフであり; 図2は、糖である2−デオキシリボースの酸化により測定した、フェントン反 応によるOHの発生に対するチロキサポールの阻害効果を示すグラフであり; 図3は、100%酸素に曝し、標準の生理食塩水、チロキサポール、およびチ ロキサポールとセチルアルコールとの混合物で処理したラットにおける肺の湿潤 /乾燥重量比を示すものであり; 図4は、100%酸素に曝し、標準の生理食塩水、チロキサポール、およびチ ロキサポールとセチルアルコールとの混合物で処理したラットにおける胸膜の流 体の蓄積を示すものであり; 図5Aおよび図5Bは、ラットにおけるHOClにより媒介された肺の損傷に 対するチロキサポールの効果を示すものであり; 図6は、IL−1およびH22による転写因子NF−κBの活性化並びにチロ キサポールによるこの活性化の阻害を示すものであり; 図7は、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における、 刺激されていないヒト単球によるIL−8の基線量分泌を示すものであり; 図8Aは、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における 、TNF−αのヒト単球分泌を示すものであり; 図8Bは、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における 、IL−1βのヒト単球分泌を示すものであり; 図8Cは、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における 、IL−6のヒト単球分泌を示すものであり; 図8Dは、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における 、IL−8のヒト単球分泌を示すものであり; 図8Fは、チロキサポール処理を行った場合および行わなかった場合における 、 GM−CSFのヒト単球分泌を示すものである。発明の詳説 アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーは、一般的に、Bockお よびRaneyにより米国特許第2,454,541号(1948年,Rohmおよ びHaasに譲渡された)明細書に記載されたように、アルキルアリールアルコ ールをホルムアルデヒドと縮合させることにより、合成することができる。同出 願の開示の内容を参考のために本明細書中に加入する。本発明は、部分還元され たO2種の化学系および生物系における損傷の影響を阻害するための、治療薬と して有効量の次式: (式中で、Rはエチレンであり、R’はC4〜C14の直鎖状アルキル基または枝 分かれのあるアルキル基であり、xは1より大きく、yは2〜18である)で表さ れるアルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを含み、哺乳類において 酸化体種により生じる酸化体化学反応を阻害し、これにより哺乳類の病気の本質 を治療するのに有効な薬を提供する。この特許明細書中に開示されたアルキルア リールポリエーテルアルコールポリマーは、本発明において作用する必要がある 。若干の特定のアルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーを、前記した ようにして合成することができる(J.W.Cornforth等、“Antituberculous effect of certain surface-active polyoxyethylene ethers in mice”.Nature(1951) 168:第150〜153頁)。この群の基本型の化合物であるチロキサポールは、 米国ニューヨーク州 12144 レンセレアー 33 リバーサイド アヴェ ニュー所在のNycomed Inc.から、薬として受け入れられる純度で好 都合に購入することができる。 部分還元されたO2種および他の酸化体を捕捉し、転写因子であるNF−κB の活性化およびサイトカインであるTNF−α,IL−1β,IL−6およびI L−8並びに成長因子であるGM−CSFの生産を、アルキルアリールポリエー テルアルコールポリマー、特にチロキサポールを用いて阻害するための、患者の 治療は、本質的に米国特許第5,474,760号明細書および同第5,512 ,270号明細書に記載されている施与と同一である。 さらに特に、部分還元されたO2種の過剰生成に関連する哺乳類の呼吸器の容 態を治療するため、および転写因子であるNF−κBの活性化およびサイトカイ ンであるTNF−α,IL−1β,IL−6およびIL−8並びに成長因子であ るGM−CSFの生成を阻害するために、アルキルアリールポリエーテルアルコ ールポリマーを、注射用に無菌の0.85〜0.9%NaClおよび水に溶解し 、NaOHまたはHClを加えることにより、pHを約7.0に調整する。ある いはまた、エーロゾルの液体粒子の大きさを安定にし、良好な風味を提供するた めに、0.1%(v/v)の濃度のグリセロールを、配合物に加えることができ 、NaClの濃度を、0.8〜0.85%(w/v)に低下させて、この配合物 を、細胞外体液に対して等張の範囲(約300mOsm)内に維持する。非重合 アルキルアルコールまたは非重合アリールアルコール、例えばセチルアルコール (ヘキサデカノール)を、チロキサポールの重量のl倍〜1.5倍に相当する量 で加えて、酸化体損傷に対する保護における混合物の効果を高めることができる 。セチルアルコールを加える場合には、NaClの濃度を比例させて低下させて 、等張な配合物を提供する。例えば、本発明の薬理学的組成物は、0.125% より高い、好ましくは約0.25%〜2.5%(w/v)の、無菌の0.9%N aClおよび水の溶液のチロキサポールまたは他のアルキルアリールポリエーテ ルアルコールポリマーの濃度を有して、約300mOsmの等張溶液を調製する 。チロキサポールの濃度を、約2.5%〜約5.0%(w/v)に上昇させるこ とができ、生成した溶液の等張性を、NaClの濃度を0.85%まで低下させ ることにより、維持することができる。0.1%のグリセロールもまた加える場 合には、NaClの濃度はさらに、比較的低いチロキサポールの濃度の溶液につ いて0.85%まで、および比較的高いチロキサポールの濃度の溶液について0 .8%まで低下する。 次にこの混合物を肺に、呼吸系に直接点滴注入することにより投与する。また 、この混合物を、5ミクロン未満の質量中央径を有する呼吸可能な粒子を生成す る、臨床的に有用である正圧により駆動される噴霧器を用いるエーロゾル化によ り投与することができる。チロキサポールを気道中に投与するのに有用であるジ ェットエーロゾル噴霧器システムには、パリ−LCジェットプラス(Pari−LC JetPlus)噴霧器(米国バージニア州リッチモンド)、T−アップドラフトIIネ ブミスト(T−Updraft II Nebumist)噴霧器(米国カリフォルニア州イルビン 所在のHudsor)およびマークイストアコーンII(Marquest Acorn II)噴 霧器(米国コロラド州イングルウッド所在のMarquest Medical Products社)が 含まれる。有効な薬物の量を気道に放出するために、比較的高いチロキサポール の濃度(0.25〜5.0%)が、エーロゾル化に好ましい。チロキサポールは 、肺中に放出された際には、5〜6日の長い半減期を有するため(DeAngelis R.L .,およびJ.W.Findlay.1993.Metabolism of synthetic surfactants.Clin .Pe rinatol .20:第697〜710頁;Sachs,S.,およびS.L.Young.1995.Pharmacokinet lcsof intratracheally instilled tyloxapol in the rat:localizationof prot ection against hyperoxic injury.Am .J.Respir.Crit.Care Med.151:A645) 、濃度が高いと、チロキサポールを1日1回の療法として放出することができ、 これにより、患者の治療が大幅に容易になり、指示された療法への患者の応諾が 高まる。 例えば、チロキサポールの0.25%〜5.0%溶液を、無菌の0.85〜0 .9%NaCl溶液およびダブルガラス蒸留(double glass distilled)脱イオ ン水中に調製して、この溶液を呼吸性の分泌に対して等張とする。pHを約7. 0に調整して、極端な酸性またはアルカリ性による気管支痙攣を防止する。この 混合物を、0.22ミクロンのミリポア(Millipore)フィルターを通して真空濾 過することにより減菌し、各々3.3mlを、アルミニウムクリンプオン(crlm p-on)「フリップテア(flip-tear)」シールを用いて固定したゴム栓を有する5 mlの単位用量ガラスビン中に封入する。0.1%の濃度のグリセロールを、随 意に前述の混合物に加えて、エーロゾル化中の液体粒子の大きさを安定にするこ とができるが、NaClの濃度を、前記したように、さらに低下させる必要が ある。 療法の有効性を高めるために、治療有効量の普通に入手できる抗炎症グルココ ルチコイド、例えばメチルプレドニゾロン(1〜5mg)、トリアムシノロン( 1〜5mg)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(1〜4mg)、フルニソリド( 200〜400μg)またはデキサメタゾン(200〜400μg、デキサメタ ゾンまたはその水溶性同族体であるデキサメタゾンリン酸ナトリウム)を、配合 物に加えることができる。アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーと 抗炎症グルココルチコイドとを結合させると、喘息または他の病気におけるグル ココルチコイド耐性を低下させる手段が得られ、これにより、グルココルチコイ ドの有効性が高まる。このことを達成するには、アルキルアリールポリエーテル アルコールポリマーの添加に加えて、転写因子であるNF−κBの活性化を遮断 し、これによりグルココルチコイドと受容体との複合体の、細胞質中に存在する 活性NF−κBによる結合およびこれによる相互の抑制を防止する。結合された 配合物の追加の利点は、界面活性剤としてのアルキルアリールポリエーテルアル コールポリマーが、水不溶性抗炎症グルココルチコイド、例えばトリアムシノロ ン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリドまたはデキサメタゾンの可溶 化を助け、これにより、気道へのこれらの有効な分布を促進する、ことである。 肺および気管支気道への有効用量の治療薬の投与のために、3mlの無菌のチ ロキサポール溶液を、エーロゾルとして、1日1回、前記した装置等の臨床的に 有用な正圧駆動噴霧器を用いて吸入させる。あるいはまた、この混合物を、機械 的通気の呼吸デリバリー回路(respiratory delivery circuit)中に噴霧すること ができる。患者が、ベータアゴニスト気管支拡張薬を用いた、独立した療法もま た受けている場合には、所要に応じて、ベータ交感神経性アゴニスト気管支拡張 薬(例えば1.25〜2.5mgのアルブテロール)をチロキサポール溶液と混 合し、一緒に噴霧して、合計の治療時間を減少させることができる。アトロピン の第四アンモニウム誘導体、例えばイプラトロピウム(500μg)またはグリ コピロレート(200〜1000μg)もまた、チロキサポール溶液に、同一の目的のた めに加えることができる。 鼻の気道への有効用量の治療薬の投与のために、無菌のチロキサポール溶液ま たは前述の抗炎症コルチコステロイドを含むチロキサポール溶液を、市場で入手 できる10mlのスクイズボトル(squeeze bottle)または微細なミストを発生す ることができる同様の装置中に入れる。鼻炎、副鼻腔炎または他の炎症を緩和す るために、この調剤からの1〜4回のスプレーを、各外鼻腔中に、1日1回また は2回吸入させる。 本発明をさらに理解するのを容易にするために、次の実施例で、主に本発明の いくつかの一層特定的な詳細を例示する。 実施例1は、化学系におけるOHスカベンジャーとしてのアルキルアリール ポリエーテルアルコールポリマーの有効な活性を論証する。実施例2は、アルキ ルアリールポリエーテルアルコールポリマーを用いて、100%酸素に曝したこ とによる哺乳類の肺の損傷を防止する治療的利点を論証する。実施例3は、アル キルアリールポリエーテルアルコールポリマーの、化学系におけるHOClのス カベンジャーとしての有効な活性を論証する。実施例4は、転写因子であるNF −κBの活性化の阻害を論証する。実施例5は、サイトカインおよびGM−CS Fの生成の抑制を論証する。実施例6は、最初のALEVAIRE配合物の極度 に高張性の性質および本明細書中に記載した配合物がいかにしてこの問題を解決 するかを論証する。実施例1 フェントン反応により生成した酸化体の阻害 第1の化学系を用いて、酸化体の標的分子としてサリチル酸塩を用いて、アル キルアリールポリエーテルアルコールポリマーの抗酸化剤活性を試験した。ヒド ロキシルラジカルは、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)と反応して、2種 のジヒドロキシ安息香酸生成物、即ち2,3−ジヒドロキシ安息香酸および2, 5−ジヒドロキシ安息香酸を生成する。これらのヒドロキシル化された生成物は 、OHの生成の証拠を提供する(R.A.Floyd等、Journal of Biochemical and Biophysical Methods (1984)10:第221〜235頁;R.A.floyd等、Journal of Free R adicals in Biology & Medicine (1986)2:第13〜18頁)。 2,3−ジヒドロキシ安息香酸および2,5−ジヒドロキシ安息香酸の検出は 、高速液体クロマトグラフィーを用いて、電気化学的検出により実施した。10 μ MのFeCl3、1mMのH22、1.0μMのアスコルビン酸塩および10. 0μMのサリチル酸の懸濁液を用いて、OHを発生させ、検出した。1.0m lの標準の生理食塩水またはチロキサポールのいずれか(最終濃度は0.0〜1 0mg/ml)を加えた。反応混合物を45℃で30分間温置し、1200gで 10分間遠心分離した。上清液を、0.22μMのマイクロフュージ管フィルタ ー(microfuge tube filter)(PGCサイエンティフィックNo.352−118) により、15000gで遠心分離した(ベックマン・マイクロフュージ(Beckman Microfuge)E)。 溶出液の100μLの試料を、C18RP HPLCカラム(250mm×4 .7mm、ベックマンNo.235329)上に注入した。サリチル酸の水酸化 生成物を、−0.40VDCの還元電位に設定した検出装置を備えたクーロケム (Coulochem)電気化学検出装置(ESAモデル5100A)を用いて定量した。 ガードセル(guard cell)(スクリーンとして用いる)を、+0.40VDCの酸化 電位に設定した。測定を2つ1組で実施した。図1に、チロキサポールを反応混 合物に加えると、OHの生成が、濃度に依存する様式で阻害された、ことを示 す。 第2の化学系を用いて、酸化体の標的分子として2−デオキシリボースを用い て、アルキルアリールポリエーテルアルコールポリマーの抗酸化剤活性を試験し た。このペントース糖は、酸化体と反応して、生成物の混合物を生成する。チオ バルビツール酸(TBA)と共に低いpHで加熱する際に、これらの生成物は、 532nmにおけるその吸光度により測定できるピンク色の発色団を形成する(B .HalliwellおよびJ.M.C.Gutteridge.Methods in Enzymology(1990)186:第1〜 85頁)。 酸化体を発生するのに用いられる化学系は、ハンクスの平衡塩類溶液中に10.0 μMのFeCl3,1.0mMのアスコルビン酸塩、1.0mMのH22および 1.0mMのデオキシリボースを含む反応混合物であった。この系は、部位特異 的なOHの生体分子上での発生を測定するのに有用である。このことは、すぐ 前に記載した文献中にHalliwellおよびGutteridgeにより記載された通りである 。0.1mlの標準の生理食塩水またはチロキサポール(最終濃度は0.0〜 10.0mg/mg)のいずれかを加えた。 この反応混合物を45℃で30分間温置し、1200gで10分間遠心分離した。 1.0%(w/v)のTBAおよび2.8%(w/v)のトリクロロ酢酸を共に 1.0ml、1.0mlの上清液に加え、100℃で10分間加熱し、氷中で冷 却し、発色団をその532nmにおける吸光度により3つ1組で測定した。図2 に、10mg/mlのチロキサポールを反応混合物に加えると、酸化体反応の5 32nmにおいて発生した吸光度により測定されたように、デオキシリボースの 酸化の顕著な阻害が生じる、ことを示す。 第3の系を用いて、酸化体を発生するための鉄の源としてアスベストを用い、 酸化体の標的分子として2−デオキシリボースを用いて、アルキルアリールポリ エーテルアルコールポリマーの抗酸化剤活性を試験した。アスベストによる酸化 体の発生は、以前に記載されている(A.J.Ghio等、American Journal of Physio logy (Lung Cellular and Molecular Physiology 7)(1992)263:L511−L518)。2 .0mlの合計容積のリン酸緩衝塩類溶液(PBS)中の反応混合物は、次の成 分を含んでいた:1.0mMのデオキシリボース、1.0mMのH22、1.0 mMのアスコルビン酸塩および110mg/mlのクロシドライトアスベスト。 この混合物を37℃で1時間かきまぜながら温置し、次に1200gで10分間 遠心分離した。 酸化体の発生を、前のパラグラフに詳細に記載したように、デオキシリボース のTBA反応性生成物を測定することにより、評価した。測定を、3つ1組で実 施した。以下の表1に、チロキサポールを加えると、酸化体反応生成物の532 nmにおける吸光度により測定されたように、アスベストによる酸化体の発生が 、濃度に依存する様式で阻害された、ことを示す。表 1 アスベストの酸化体発生に対するチロキサポールの効果 532nmにおける吸光度 チロキサポール 0.0mg/ml 0.93±0.02 チロキサポール 0.1mg/ml 0.89±0.04 チロキサポール 1.0mg/ml 0.75±0.01 チロキサポール 10.0mg/ml 0.53±0.04実施例2 100% 酸素による哺乳動物の肺の損傷の保護 アルキルアリール・ポリエーテル・アルコール・ポリマーが完全な生物系に対 する酸素損傷に抗し得るか否かを決定すべく、この処理を好適に確立された肺に 対する酸素毒性のモデル(J.F.Turrens等、臨床研究ジャーナル(1984年)、第 73巻、第87−95頁)で研究した。生後60日の雄のSprague-Dawleyラット(チャ ールス・リバー社、マサチューセッツ州、ウィルミングトン)に、気管から0.5m lの標準の生理食塩水、チロキサポール(6.0mg)、または、チロキサポール(6.0mg )およびセチルアルコール(ヘキサデカノール,11.0mg)を点滴注入した。これ らのラット(各処理グループにおいてn=10)を次に、プレキシグラスチャン バ内で10リットル/分の流速の空気もしくは100%酸素に曝した。 酸素の百分率を、ポーラログラフ電極により監視し、継続的に98%以上に維 持した。温度を20℃と22℃との間に維持した。4時間毎に実験動物をチェックす ることにより生存時間を決定した。同様に処理したラットの別体の各グループ( 各処理グループにおいてn=10)を100%酸素に61時間だけ曝し、次に、 100mg/kgの腹腔内ペントバルビツールにより安楽死させた。胸膜液の体積を、胸 膜を小さく切開して胸室から胸膜液を吸引することにより測定した。肺の湿潤/ 乾燥重量比を、60℃にて96時間にわたり組織を乾燥した後に残された肺から計算 した。生存データを以下の表2に示す。 気管内チロキサポールを受けたラットは、生理食塩水を点滴注入したプラシー ボ対照実験動物と比較して生存が顕著に改善された。チロキサポールの保護効果 は、チロキサポールをセチルアルコールと組合せることにより更に増大された。 表 2 ラットにおける酸素毒性に関するチロキサポールの効果 時間 生存率 生理食塩水 チロキサポール チロキサポール/セチル アルコール 0 100 100 1 58 100 100 100 62 83 100 100 66 42 100 100 70 17 75 100 72 17 75 100 76 8 58 100 80 8 58 100 84 8 58 100 88 8 58 100 92 0 58 100 96 0 58 100 肺の湿潤/乾燥重量比は、チロキサポールもしくはチロキサポールおよびセチ ルアルコールで処理したラットにおいては相当に低く(図3)、チロキサポール またはチロキサポールとセチルアルコールとの組合せは酸化体損傷による水腫形 成に対する防護性を例証した。チロキサポールまたはチロキサポールとセチルア ルコールとの組合せで処理したラットもまた、生理食塩水により処理した対照物 よりも少ない胸膜液蓄積を有していた(図4)。 これらの結果は、酸化体による組織の損傷に対するチロキサポールの如きアル キルアリール・ポリエーテル・アルコール・ポリマーの防護能力を例証している 。生存研究(表2)は更に、上記薬の防護性効果は、この薬をセチルアルコール などのアルコールと組合せることにより強化されることを例証している。実施例3 HOClの捕捉 OCl-1を捕捉するチロキサポールの作用を、OCl-1により媒介されたジエ タノールアミンから対応する安定なクロルアミンへの酸化体転化を防止する能力 を研究することにより試験した(“ミエロペロキシダーゼによるHOClの生成”、 Robert A.Greenwald編、酸素ラジカル研究方法便覧、CRCプレス、フロリダ州、 ボカレートン(1987)、第300頁)。 反応混合物は、pH4.5の0.1N酢酸ナトリウム緩衝液中の10.0mMのジエタノール アミンを0.9ml含んでいた。これに対し、0.1MのNaClまたは0.1MのNaCl中のチロ キサポールのいずれかを100μL加え、且つ、基準吸光度を280nmで読取った。 NaOClを、10mMの最終濃度まで添加した。 上記反応混合物を15分間だけ温置し、280nmで吸光度を測定した。NaOClの添加 の前後におけるA280の差異を、安定クロルアミンの濃度測定として用いた。実 験を3つ1組で行った。結果を以下の表3に示す: 表 3 チロキサポールのHOClにより誘発されたクロルアミン生成に対する効果 チロキサポールのマイクロリットル 吸光度(平均±SD) (10mg/ml) 0 0.505±0.002 25 0.468±0.008 50 0.444±0.023 75 0.377±0.010 100 0.319±0.025 チロキサポールが生体内でもHOClの効果的なスカベンジャーであることを例証 すべく、HOClに対する肺損傷を防護するチロキサポールの能力を、250乃至3 00g重量の生後60日の雄のSprague-Dawleyラット(チャールス・リバー・ブ リーディング・ラブズ、マサチューセッツ州、ウィルミングトン)(各処理グルー プにおいてn=6)で考察した。ハロタン(2〜5%)で麻酔した後、ラットには、 (pH6.0に緩衝された)標準の生理食塩水中の2.0mMのNaOClの0.3ml、または、 標準の生理食塩水のみ、を気管内注入した。ラットを回復させ、且つ、1時間後 に、標準の生理食塩水中の6.0mgのチロキサポール、または、標準の生理食塩水 を気管内投与した。NaOClの点滴注入の24時間後、全てのラットをペントバルビ ツールナトリウムにより安楽死させた。気管にカニューレ挿入すると共に、肺を 標準の生理食塩水(35ml/kg体重))により洗浄した。洗浄流体を変更Wright着色 剤(イリノイ州、マクグローパーク、ASP、Diff-Quick着色剤)により着色した 後、細胞の差異を500細胞/サンプルで決定した。値を、回復した細胞の合計の 百分率として表示した。洗浄蛋白質を、遠心分析器での使用の為に改変された合 計蛋白質決定用のBio-Rad法を用いて測定した。 NaOClの気管内点滴注入は急性の肺損傷を引き起こしたが、これは、肺洗浄流 体中における蛋白質濃度および%好中球(%PMNs)の顕著な増大により例証され る(図5)。チロキサポールによる後露出処理により、洗浄蛋白質濃度(p<0.0 01)および%PMNs(p<0.01)が相当に減少し、生体内におけるHOCIにより媒介 される細胞毒性に対してもチロキサポールは防護を行うことが例証された。 従って、チロキサポールはHOClの酸化体作用の有力な阻害剤であり、且つ、HO Clにより媒介される気道の酸化体損傷を防止する上で有用である必要がある。嚢 胞性線維症および慢性気管支炎などの、好中球により媒介される気道の病気を持 つ患者に対する気管への点滴注入によりチロキサポールを施せば、これらの患者 内で生じたHOClを抑制し、従って患者を酸化体損傷から防護する必要がある。も しチロキサポールに対して幾分かセチルアルコールを混合すればこの結果は更に 望ましくなるはずであり;好適には、セチルアルコールをチロキサポールの1乃 至1.5倍の重量で付加する。 患者に対して施すべき試薬の調製は、本明細書中の上述の「発明の詳説」の項 に記載したものと同様のものとし、最も好適には、1日1回噴霧によりチロキサ ポールのNaClおよび水中の0.25乃至5.0%の等張溶液を3mlだけ吸入 するものとする必要がある。実施例4 チロキサポールによる転写因子NF−κBの活性化の抑制 先に述べたように、細胞蛋白質の遺伝子発現の対照物が転写因子と称される蛋 白質により制御されるが、この転写因子は調節DNA配列に結合し、調節された 遺伝子の蛋白質生成物の生成に影響を与える。炎症に対する重要な転写因子はN F−κBであり、これはプロ炎症サイトカインに対する伝令RNAと、成長因子 と、の転写を促進する。転写因子NF−κBの作用をチロキサポールが阻害する か否かを決定すべく、培養されたA549ヒト肺上皮細胞に対して行われた電気泳動 移動度ゲル移動分析試験でチロキサポールを試験した。A549ヒト肺の上皮細胞に 、10%の加熱非活性化された胎児子牛の血清、L−グルタミン(2mM)、ペニシリ ン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)およびアンホテリシンB(250μg/ ml)を補ったHamのF-12培地で培養した。融合性細胞を10U/mlのIL-1βまたは100 μMのH2O2により刺激した。幾つかの培養物においては、100μg/mlのチロキサ ポールを刺激剤と同時に付加した。2時間の温置の後、核抽出物を、Dignam等( 核酸研究(1983)第11巻、第1,475〜1,489頁のJ.D.Dignam R.M.LebovitaおよびR. G.Roederによる“分離された哺乳動物の核からの可溶性抽出物におけるRNA重合 酵素IIによる正確な転写開始”)により記載された如く分離したが、僅かな改変 を行った(分子および細胞生物学(1994)第14巻、第7,569〜7,580頁のC.V.Gunth erおよびB.J.Gravesによる“Moloneyのネズミ白血病ウィルス・エンハンサーと 相互作用するネズミTリンパ球におけるETSドメイン蛋白質の検証)。簡単に述 べると、上清の除去の後、1mMのフェニルメチルスルフォン弗化物(PMSF)と1mMの ジチオトレイトール(DTT)を含む20〜30mlのPBS内で細胞を掻き落とした。細胞懸 濁液を遠心分離し、ペレットを再懸濁すると共に、10mMのHEPES、1.5mMのMgCl2 、10mMのKCl、1mMのPMSF、1mMのDTT、10mMのβ−グリセロールリン酸、2.5mMの ベンズアミジン、1mMのNaF、1mMのNaVO4、1mg/mlのロイペプチン、および、1mg/ mlのペプスタチンAを含む1mlの緩衝液A内で15分間温置し、次に、25Gニードル を介した懸濁液の5回の通過により剪断した。遠心分離の後、ペレットを懸濁す ると共に、25%体積/体積のグリセロールと、0.25MのNaClと、1.5mMのMgCl2と 、0.2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1mMのPMSF、1mMのDTT、10mMのβ−グ リセロールリン酸、2.5mMのベンズアミジン、1mMのNaF、1mMのNaVO4、1mg/mlの ロイペプチン、および、1mg/mlのペプスタチンAを含む緩衝液C内で30分間懸濁 し、かきまぜた。遠心分離の後、20 mMのHEPES、20%体積/体積グリセロール、100mMのKCl、0.2mMのEDTA、1mMのPMS Fおよび1mMのDTTを含む緩衝液D内での上清の透析により核抽出物が得られた。A P-1(細胞(1987)第49巻、第742〜752頁のW.Lee,P.MitchellおよびR.Tijanの“ 精製された転写因子AP-1はTPA誘導可能なエンハンサー要素と相互作用を行う” )およびNF−κB(細胞(1986)第46巻、第705〜716頁のR.SenおよびD.Baltimore の“複数の核因子は免疫グロブリン・エンハンサー配列と相互作用する”)の座 に対する野性型共通配列を利用し、次のオリゴヌクレオチドを合成した(結合部 位は下線が付されている): オリゴヌクレオチドを、ポリアクリルアミドゲルの電気泳動により精製した後、 Sep-Pak C18カラムを通過せしめた。各相補鎖を、[Υ32P]-ATPおよびT4ポリ ヌクレオチドキナーゼによるリン酸化により端部標識した。二重鎖DNAプローブ は、相補端部標識オリゴヌクレオチド鎖を徐冷し、3分間ボイルし、且つ、水浴 内で室温にて緩冷することにより生成した。組み込まれなかった放射性ヌクレオ チドをSephadex G-25カラムクロマトグラフィにより除去した。結合反応を、300 ngの牛の血清アルブミン(BSA)、1〜2μgのポリ(dI-dC)、50mMのDTT、0.5mMの PMSFおよび1〜2×104c.p.m.の32P標識プローブを含む20μL体積内の5〜10μ gの合計蛋白質により氷上で20分間行った。これに加え、所定濃度の6mMのMgCl2 をAP-1結合反応に使用した。選択されたサンプルに、DNA-蛋白質相互作用の特 異性を確認すべく、100倍モル過剰の標識無しDNAプローブを、結合反応にお いて導入した。DNA−蛋白質複合体を、50mMのトリス(ヒドロキシメチル)ア ミノメタン(Tris)、0.4Mのグリシン、2mMのEDTAおよび2.5%体積/体積のグ リセロール、pH8.5の高イオン強度条件下において4.5%のポリアクリルアミドゲ ル上で未結合DNAプローブから分離した。20mAの定電流で4℃で電気泳動を実施 した。ゲルを真空下で乾燥すると共に、強化スクリーンにより6〜24時間にわた り−70℃で膜に曝した。 図6に示された如く、チロキサポールはIL-1βまたはH2O2により誘発されたNF −κBの結合を防止するが、核抽出物に対するAP-1の結合は防止しない。融合性 のA549ヒト肺上皮細胞を、IL−1β無しで(レーン1)または10U/mlのIL−1β( レーン2および3)または100μMのH2O2(レーン4および5)と共に温置した 。チロキサポール(100ug/ml、レーン3および5)を刺激剤と同時に加えた。3 時間の温置後、核抽出物を調製した。抽出物の一定分量を、32P標識NF−κB特 異オリゴヌクレオチドおよびAP-1特異オリゴヌクレオチドと共に温置すると共に 、上記で詳述した如く電気泳動移動度シフト分析試験で分析した。特異DNA-蛋白 質複合体の位置を矢頭で示す。競合レーン中に示すサンプルに対する結合反応に おいては、100倍モル過剰の適切な標識無しDNAプローブを導入した。 従って、チロキサポールは転写因子NF−κBの活性化を阻害する。この作用は 特異である、と言うのも、他の重要な転写因子AP-1の活性化は影響を受けないか らである。NF−κBの活性化をブロックすることは、プロ炎症サイトカインおよ び成長因子の細胞生成を減少し、これにより、処理された組織内の炎症を改善す るという利点をもたらすものである。実施例5 チロキサポールによるサイトカイン生成の抑圧 転写因子NF−κBの活性化の阻害は、NF−κBにより影響を受けたプロ炎症サ イトカインの分泌を減少すると予測される。例として、激しい嚢胞性線維症肺疾 病を有する患者における悪液質および/または食欲不振は、嚢胞性線維症大食細 胞によるTNF遺伝子転写および分泌の割合増大により引き起こされる。(呼吸、 細胞および分子生物学に関するアメリカンジャーナル(1993)、第9巻、第511〜5 19頁、におけるK.d.Pfeffer等の“嚢胞性線維症患者からの大食細胞における腫 瘍壊死因子の発現および制御”参照。)TNFもまた、喘息の病因論における重 要な媒介物である(胸部医療における臨床教育(1995)、第16巻、第585〜602頁、 R.J.HorwitzおよびW.W.Busseの“炎症および喘息”)。チロキサポールは、胞性 線維症患者もしくは喘息患者に対して施されたときに嚢胞性線維症および喘息病 態生理学におけるTNFの悪影響を改善する必要がある、と言うのも、以下に示す 如く、それは単核大食細胞の細胞系列によるTNF分泌の有力な抑制物だから である。TNF分泌を阻害することにより、チロキサポールは、このサイトカイン により部分的に引き起こされた喘息におけるコルチコステロイド耐性も減少する 必要がある(呼吸および臨界医療医学に関するアメリカンジャーナル(1995)、第 152巻、第S125〜Sl42頁におけるP.J.Barnes等の“喘息におけるグルココルチコ イド耐性”)。同様に、IL-8は多形核好中球に対する有力な化学誘引物質であり 、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、成人呼吸窮迫症侯群および乾癬などの種々の疾 病の病因論において輝かしい役割を演じている(臨床研究に関するジャーナル(1 992)、第89巻、第1,478〜1,484頁におけるH.Nakamura等の“嚢胞性線維症を有す る個体の呼吸上皮内層液中の好中球エラスターゼは人体気管支炎上皮細胞ライン にインターロイキン−8遺伝子発現を誘起する”;臨床研究に関するジャーナル( 1992)、第90巻、第1,296〜1,301頁におけるN.G.McElvaney等の“嚢胞性線維症に おける気道炎症のモジュレーション”、組換え分泌ロイコプロテアーゼ阻害剤の エーロゾル投与による呼吸上皮表面上におけるインターロイキン-8レベルの生体 内抑圧;ニューヨーク、Ravenプレス社のJ.I.Gallin、I.M.GoldsteinおよびR.S nyderman編、炎症:基礎原理および臨床相関の第2版(1992)の第247〜263頁に おけるM.Baggiolini等の“インターロイキン−8および関連化学走性サイトカイ ン”;を参照)。IL−8の分泌を阻害することにより、チロキサポールは、これ らの病気において炎症を起こした組織内への好中球の流入を改善するはずである 。最後にGM-CSFは、喘息における好酸球を活性化して寿命を延ばす重要な成長因 子である(ニューヨーク、Ravenプレス社のJ.I.Gallin、I.M.GoldsteinおよびR. Snyderman編、炎症:基礎原理および臨床相関の第2版(1992)の第291〜301頁 におけるD.W.goldeおよびG.C.Baldwinの“骨髄成長因子”;胸部医療における臨 床教育 (1995)、第16巻、第583〜602頁、R.J.HorwitzおよびW.W.Busseの“炎症お よび喘息”)。GM-CSF分泌を減少することにより、チロキサポールは好酸球を減 少して喘息気道に対する好酸球の影響を減する必要がある。 サイトカイン分泌に対するチロキサポールの効果を試験すべく、健康なヒトド ナーから得られた白血球(leukopaks)から遠心分離溶出により単核細胞を調製し た。精製した単核細胞を、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイ シン、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、1%のMEM可欠アミノ 酸、25mMのN−2−ヒドロキシエチル−イエラジン−N’−エタンスルホン酸(H EPES)、および、196Nutridoma(インディアナ州、インディアナポリス、ベーリ ンガーマンハイム社)、および、5%プールされ、加熱非活性化されたヒトAB 血清(ウィスコンシン州、ブラウンディアのPel-freeze)が補われたRPMI-1640 内で2×106細胞で懸濁した。この細胞懸濁液の0.5mlを、48凹所式の平底組織培 養プレートの各凹所に加えた。試験材料(所望の最終濃度の4倍で完全培地内に 希釈されたもの)を各々250μLの体積で各凹所に加えた。対照凹所に、完全培 地もしくは250μLのIL−4(所望の最終濃度50μg/mlの4倍に希釈されたも の)のいずれかの250μLを加えた。チロキサポールを100ng/mlのサルモネラチフ ス・リポ多糖(LPS、所望の最終濃度の4倍の250μLを添加)の存在下でもしく は存在無しで4種類の濃度で3つ1組で試験し、且つ、加湿5%CO2中で37℃で1 6時間にわたり温置した。このときに培養上清を吸引除去し、且つ、付着しない 細胞および細胞片を濾過により除去した。TNF-α、IL-1β、IL-6およびIL-8並 びに成長因子GM-CSFの遊離を、ELISA捕捉分析試験を用いて細胞無し上清内で測 定した。全ての緩衝液およびチロキサポールにおける内毒系の濃度は、検出レベ ル(25pg/ml)より低かった。100μg/mlに等しいもしくはそれ未満のチロキサポー ル濃度における単核細胞の温置では上清中のLDH濃度の大きな上昇が見られず、 チロキサポールによる細胞毒性の欠乏が証明されると共に、以下に示すサイトカ イン分泌の阻害は単核細胞に対する有害な洗浄効果に依るもので無いことを示唆 する。 チロキサポールは、IL-8に対する以外はいずれのメディエイタの基準遊離に対 しても影響を及ぼさないが、非刺激細胞におけるIL−8の分泌を相当に減少した (図7)。しかし乍ら、LPSにより刺激された単核細胞による幾つかのメディエ イタの遊離は、低濃度のチロキサポールで相当に減少した。TNF-α、IL-1β、I L-6、IL-8およびGM-CSFの分泌は、50%阻害に対する実効濃度(30〜70μg/ml( 下記の表4)の範囲内のEC50)で、チロキサポールにより投与量に依存して(図 8)相当に(p<0.01)減少した。但し、チロキサポールはLPSにより刺激された 単核細胞からPAFの遊離を変化せしめず、NF−κBにより影響を受けたサイトカ イ ンに関してチロキサポールの効果は選択的であったことの付加的な証拠が与えら れた。 表 4 単核細胞サイトカイン遊離の50%阻害EC50に対するチロキサポールの実効濃度 サイトカイン EC50(μg/ml) TNF−α 30 IL−1β 60 IL−6 30 IL−8 70 従って、チロキサポールはプロ炎症サイトカイン分泌の有力な阻止剤であり、 転写因子NF−κBを抑制する治療剤としての成果が期待される。故に、チロキサ ポールは、嚢胞性線維症を有する患者などの、TNFによる悪液質および/または 食欲不振の改善を助けることが期待される。エーロゾル投与されたチロキサポー ルはまた、嚢胞性線維症、喘息および慢性気管支炎などの気道の病気による気道 損傷を減少し、且つ、成人呼吸窮迫症侯群などにおける肺炎症および損傷を、化 学誘引物質IL-8、TNF、IL-1、IL-6およびGM-CSFの局部的生成を阻害することに より緩和させるものと期待される。局所的なチロキサポールは、同所のサイトカ インの局所的生成を減少することにより、乾癬および日焼けもしくは熱性熱傷に 対する応答などの皮膚の炎症疾病を改善するものと期待される。チロキサポール をグルココルチコイドと共に調製混合する場合には、結果は更に良くなるはずで ある、と言うのも、グルココルチコイド−GR受容体複合体とは異なるメカニズム によりNF−κBを阻害することにより、チロキサポールは、上述の如く抗炎症グ ルココルチコイドに対するサイトカインにより誘発されるNF−κB関連耐性を減 少するからである。一方、ステロイド抵抗の減少は、グルココルチコイドの全体 的な抗炎症作用を強めると共に、処理された体の画分の炎症の改善を高めるもの である。チロキサポールはまた、チロキサポールの1〜1.5倍の重量で加えられた セチルアルコールと混合されれば更に良好に作用するはずである。患者に対する 投与用のサンプルの調製は上述と同様である必要があるが、最も好適には、1日 1回噴霧による抗炎症グルココルチコイドと共にもしくは抗炎症グルココルチ コイド無しでチロキサポールのNaClおよび水中の0.25〜5.0%の等張溶液を3ml 吸入する。実施例6 無菌水中の0.125%のチロキサポール、2%のNaHCO3および5%の グリセロールのALEVAIRE配合物は、結核を患っている子供への吸入によ るストレプトマイシンの放出用のビヒクルとして、Millerにより最初に考 案され(Miller,J.B.,H.A.AbramsonおよびB.Ratner.1950.Aerosol streptomyc in treatment of advanced pulmonary tuberculosis in children.Am .J.Dis. Child .80:第207−237頁)、この考案は、重炭酸ナトリウムとチロキサ ポールとを組み合わせると、ストレプトマイシンに対する感受性が生体外で上昇 したという知見に基づくものである。MillerおよびBoyerは、この際 、先ず、1つの群の成人の結核患者における、この配合物の粘液破壊性効果を記 録し、これらの患者は、厚く、粘膜性であり、喀出するのが困難である気道の分 泌物を有していたが、この分泌物は、ほぼ直ちに、チロキサポール/グリセロー ル/重炭酸ナトリウム配合物を用いた療法により、薄く水っぽくなったと報告さ れた(Miller,J.B.,およびE.H.Boyer.1952.A nontoxic detergent for aerosol use in dissolving viscid bronchopulmonary secretions.J .Pediat.40:第7 67〜771頁)。この最初から、0.125%のチロキサポール、2%のNa HCO3および5%のグリセロールの配合物である、改名された(rename d)ALEVAIREは、粘液破壊療法としての使用に普及し、1950年代の 初期に、この使用に対してNDAを受けた(Tainter,M.L.,F.C.NachodおよびJ. G.Bird.1955.ALEVAIRE as a mucolyticagent.N .Engl.J.Med.253:第7 64〜767頁)。前記したように、この配合物は、1981年に米国の市場か ら回収された。 市場からのこの配合物の回収の前にも、チロキサポールのALEVAIRE配 合物は、若干の個体における副作用に関連する、という証拠が刊行された。Pa ezおよびMillerは、慢性閉塞性肺疾患を患っている20人の患者におい て、ALEVAIREについて研究した(Paez,P.N.およびW.F.Miller.1971.Su rface active agents in sputum evacuation:a blind comparison with norm al saline solution and distilled water.Chest 60:第312〜317頁)。 肺の機能は、被検者に、標準の生理食塩水、水またはタージェミスト(Tergemist )(0.125%の2−エチルヘキシル硫酸ナトリウムおよび0.1%のヨウ化カ リウム)を吸入させた後に変化しなかったが、4人の患者は、ALEVAIRE を吸入させた後に、気道の閉塞症が増大したという証拠を生じた。その後Fev rierおよびBachofenは、ダブルブラインド交差デザイン(double-bl ind crossover design)を用いて、ALEVAIREまたは生理食塩水の、喘息 を患っている24人の患者におけるβアゴニストの吸入用の担体溶液としての影 響について研究した。(Fevrier,D.およびH.Bachofen.1975.Vergleichvon t yloxapol(Tacholiquin,ALEVAIRE)mit physiologischer kochsalzlosungals i nhalationstragerluscungen.Schweiz .med Wschr.195:第810〜815 頁)。筆者は、特定の気道コンダクタンス(気道抵抗の逆数)を、3mlの試験 溶液を吸入させた後2時間にわたり測定した。βアゴニスト気管支拡張薬を含ま ないALEVAIRE溶液は、20分において固有のコンダクタンスの20%の 降下(P<0.05)を生じ、これは60分以内に完全に回復した。従って、A LEVAIRE配合物は、喘息または気道の反応性を有する個体等の感受性の高 い個体に吸入させた後に、気管支痙攣を生じるのは、明白である。 塩化ナトリウムの高張性溶液により、喘息患者の個体に気管支収縮が生じる( Kivity,S.,J.Greif等、1986.Bronchial inhalation challenge with ultraso nically nebulized saline;comparison to exercise-induced asthma.Ann.Alle rgy 57:第355〜358頁)。4%の塩化ナトリウムまたは1%の塩化ナトリ ウムおよび18.3%のデキストロースの溶液(1,232mOsm)を吸入させる と、正常な被検者においても気管支収縮(喘鳴)が誘発されうる(Eschenbacher ,W.L.,H.A.Boushey等、1983.The effect of osmolarity and ioncontent of nebulized solutions on cough and bronchoconstriction in human subjects.Am.Rev.Respir.Dis .1983:127:第240頁)。新鮮なヒト肺組織から切り 離された気管支の輪において、過浸透圧(hyperosmolar)クレブスヘンセライト (Krebs-Henseleit)緩衝液(450mOsm、過剰の塩化ナトリウムを加えた) は、二段階の応答:即ち、急速な弛緩階段(ピークは5分後)およびこれに 続く緩徐な収縮段階(ピークは25分後)を引き起こし、基準の約2倍への、気 道の緊張における全体的な正味の増大を伴う(Jongejan,R.C.,J.C.de Jongste 等、1991.Effect of hyperosmolarlty on human isolated central airways.Br .J.Pharmacol .102:第931−937頁)。最初のALEVAIRE溶液の 浸透圧の計算値は、1,019mOsmであり、これは正常な被検者において気管支 収縮を生じると見いだされた溶液の浸透圧と差異がない(Eschenbacher,上記参 照)。合計の浸透圧のうち、2%のNaHCO3が476mOsmの計算値に寄 与し、5%のグリセロールが548mOsmの計算値に寄与し、0.125%の チロキサポールは0.2mOsmの計算値に寄与するに過ぎない。このことを確 認するために、0.125%のチロキサポールを含む、およびチロキサポールを 含まない、2%のNaHCO3および5%のグリセロールの水中の配合物を調製 した。これらの溶液の浸透圧を、アドバンスト(Advanced)マイクロオスモメー タ(micro-osmometer)(Advanced Instrunments、米国マサチューセッツ州ノーウ ッド所在)を用いて、氷点降下により直接測定した。チロキサポールを含む溶液 およびチロキサポールを含まない溶液の両者において、約985mOsmか測定 された。従って、チロキサポールは、その大きいポリマー特性および寸法のため に、薬として有用な濃度における溶液の浸透圧にはほとんど寄与しない。 本発明の処方は、たとえば、最初のALEVAIRE配合物の高張性を、部分 的に0.8〜0.9%のNaCl中のチロキサポールを用いることにより解消す るために立案されたものである。抗酸化剤および抗炎症療法としての、本発明の 処方の有効性を高めるために、チロキサポールの濃度を、0.125%を越える 濃度乃至約0.5%乃至約5.0%まで上昇させた。 チロキサポールを含む他のエーロゾル配合物は、エクソサーフネオナタル(E XOSURF Neonatal)(グラクソ−ウェルカム(Glaxo−Wel come))である。無菌水中に復元すると、エクソサーフは、13.5mg/ mlのDPPC,1.5mg/mlのセチルアルコールおよび1mg/mlのチ ロキサポールを0.1N NaCl中に含む(チロキサポールの0.1%溶液) 。DPPCは、本発明の配合物から排除される。DPPCは、チロキサポールの 薬理学的抗酸化剤作用または抗炎症作用のために必要ではなく、前記したように 、 不所望な副作用に関連し、この副作用には、気道の粘液プラグ(mucus plugging) および通気回路(ventilator circuit)の閉塞症が含まれるが、これらには限定 されない。 添付の請求の範囲は、本発明の新規かつ有用な種々の特徴を示すものである。
【手続補正書】特許法第184条の3第1項 【提出日】平成10年4月13日(1998.4.13) 【補正内容】 請求の範囲 1. 呼吸障害の治療に使用する医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポールおよび医 薬として許容できる担体を含有し、 前記組成物は呼吸障害を有する患者の気道ラインニング流体と等張性であり 、前記組成物は重炭酸ナトリウムを実質的に含有していない、 ことを特徴とする医薬組成物。 2. 前記医薬として許容できる担体が、緩衝されている溶液または緩衝されてい ない溶液中に、約0.8%〜約0.9%の塩化ナトリウムを含有する、ことを 特徴とする請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 3. 前記組成物が、約6〜約7.4のpHを有する、ことを特徴とする請求の範 囲第1項記載の医薬組成物。 4. さらに、約0.1%のグリセロールを含有する、ことを特徴とする請求の範 囲第1項記載の医薬組成物。 5. さらに、セチルアルコールを、チロキサポール濃度の約1〜約1.5倍の濃 度で含有する、ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 6. さらに、治療効果を向上するのに有効な量のグルココルチコイドを含有する 、ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 7. 気道中にエーロゾル化するのに適した医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポール、チロキ サポール濃度の約1〜約1.5倍の濃度のセチルアルコールおよび医薬として 許容できる担体を含有し、 前記組成物は重炭酸ナトリウムを実質的に含有していない、 ことを特徴とするエーロゾル化するのに適した医薬組成物。 8. さらに、治療効果を向上するのに有効な量のグルココルチコイドを含有する 、ことを特徴とする請求の範囲第7項記載の医薬組成物。 9. 気道中にエーロゾル化するのに適した医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポール、約0. 1 %のグリセロール、チロキサポール濃度の約1−1.5倍の濃度のセチルアル コール、治療効果を向上するのに有効な量のグルココルチコイド、および医薬 として許容できる担体を含有し、 前記組成物はジパルミトイルホスファチジルコリンおよび重炭酸ナトリウム を実質的に含有していない、 ことを特徴とするエーロゾル化するのに適した医薬組成物。 10.グルココルチコイド耐性を阻害しながら気道における炎症をグルココルチコ イドによって治療するに当たり、 有効量のチロキサポールおよびグルココルチコイドを投与する、ことを特徴 とする気道における炎症の治療方法。 11.チロキサポールおよびグルココルチコイドの投与を同時に行う、ことを特徴 とする請求の範囲第10項記載の方法。 12.チロキサポールおよびグルココルチコイドの投与を順次に行う、ことを特徴 とする請求の範囲第10項記載の方法。 13.前記炎症が気道および肺の疾病に起因する、ことを特徴とする請求の範囲第 10項記載の方法。 14.前記疾病が、嚢胞性線維症、喘息、慢性気管支炎、または成人呼吸窮迫症候 群である、ことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 15.前記炎症が鼻咽腔の疾病に起因する、ことを特徴とする請求の範囲第10項 記載の方法。 16.前記炎症が鼻炎また副鼻腔炎である、ことを特徴とする請求の範囲第15項 記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/04 A61P 11/04 11/06 11/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,CZ,DE,DE,DK,D K,EE,EE,ES,FI,FI,GB,GE,HU ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SK, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポールおよび医薬として許容 できる担体を含有することを特徴とする医薬組成物。 2. 呼吸障害の治療に使用する医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポールおよび医 薬として許容できる担体を含有し、 前記組成物は呼吸障害を有する患者の気道ラインニング流体と等張性である 、ことを特徴とする医薬組成物。 3. 前記医薬として許容できる担体が、緩衝されている溶液または緩衝されてい ない溶液中に、約0.8%〜約0.9%の塩化ナトリウムを含有する、ことを 特徴とする請求の範囲第2項記載の医薬組成物。 4. 前記組成物が、約6〜約7.4のpHを有する、ことを特徴とする請求の範 囲第3項記載の医薬組成物。 5. さらに、約0.1%のグリセロールを含有する、ことを特徴とする請求の範 囲第1項または第2項記載の医薬組成物。 6. さらに、セチルアルコールを、チロキサポール濃度の約1〜約1.5倍の濃 度で含有する、ことを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載の医薬組 成物。 7. さらに、グルココルチコイドを含有する、ことを特徴とする請求の範囲第1 項または第2項記載の医薬組成物。 8. 気道中にエーロゾル化するのに適した医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポールおよび医 として許容できる担体を含有し、 前記組成物は重炭酸ナトリウムを実質的に含有していない、 ことを特徴とするエーロゾル化するのに適した医薬組成物。 9.気道中にエーロゾル化するのに適した医薬組成物において、 前記組成物は約0.25重量%〜約5.0重量%のチロキサポールおよび医 薬として許容できる担体を含有し、 前記組成物はジパルミトイルホスファチジルコリンを実質的に含有していな い、 ことを特徴とするエーロゾル化するのに適した医薬組成物。 10.グルココルチコイド耐性を阻害しながら気道における炎症をグルココルチコ イドによって治療するに当たり、 有効量のチロキサポールおよびグルココルチコイドを投与する、ことを特徴 とする気道における炎症の治療方法。 11.チロキサポールおよびグルココルチコイドの投与を同時に行う、ことを特徴 とする請求の範囲第10項記載の方法。 12.チロキサポールおよびグルココルチコイドの投与を順次に行う、ことを特徴 とする請求の範囲第10項記載の方法。 13.前記炎症が気道および肺の疾病に起因する、ことを特徴とする請求の範囲第 10項記載の方法。 14.前記疾病が、嚢胞性線維症、喘息、慢性気管支炎、または成人呼吸窮迫症候 群である、ことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。 15.前記炎症が鼻咽腔の疾病に起因する、ことを特徴とする請求の範囲第10項 記載の方法。 16.前記炎症が鼻炎また副鼻腔炎である、ことを特徴とする請求の範囲第15項 記載の方法。
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