JP2001503473A - 成形性の高いアルミニウム合金製圧延シート - Google Patents

成形性の高いアルミニウム合金製圧延シート

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Abstract

(57)【要約】 自動車車体に使用するのが特に好適なアルミニウム合金製圧延シートを形成する方法であって、(a)約0.8〜約1.3重量%のシリコン、約0.2〜約0.6重量%のマグネシウム、約0.5〜約1.8重量%の銅、約0.01〜約0.1重量%のマンガン、約0.01〜約0.2重量%の鉄、および実質的にアルミニウム、付随的な元素および不純物である残部を含んで成る合金の塊体を準備する段階と、(b)シートを製造するために前記塊体を加工する段階と、(c)シートを溶体化熱処理する段階と、(d)シートを迅速焼入れする段階とを含んで成るアルミニウム合金製圧延シートの形成方法である。好ましい実施例では、溶体化熱処理は449℃(840°F)より高い温度で実施され、シートは迅速焼入れされる。得られたシートは優れた成形性と良好な強度との改良された組み合わせ特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 成形性の高いアルミニウム合金製圧延シート 本発明は成形用のアルミニウム合金製圧延シートおよびその製造方法に関する ものである。さらに詳しく言えば、本発明は、優れた成形性および良好な強度が 組み合わされて要求される用途に適用するのに好適で、また自動車車体への適用 におけるように焼付け塗装を施される成形用のアルミニウム合金製圧延シートに 関するものである。 特にエネルギー節約のために軽量自動車の製造がますます強調されるようにな ったことから、自動車用途に好適なアルミニウム合金製品の開発にかなりの努力 が向けられてきた。特に望ましいのは、幾つかの異なる自動車用途に有用な単一 のアルミニウム合金製品である。このような製品は、明らかなように金属管理表 (metal inventories)を簡単にするので経済的であることに加えて、廃材再生 上の利点を与える。さらに、自動車の異なる構成部材は使用形態で異なる特性を 要求し得る。例えば、車体外部パネルとして形成されたときには、アルミニウム 合金シートはへこみ傷(denting)に対する抵抗力を与える高強度を得ることが できなければならず、リューダース線(Lueder's lines)もあってはならない。 リューダース線は、一般には成形加工時の不均等な流れの結果として生じるよう に、弾性限界を越えて歪みを生じた金属の表面に発現する線すなわち跡であり、 そのような加工時の金属の流れを反映する。逆に言えば、通常は見ることのでき ない内部支持パネルとして使用されるアルミニウムシートの強度、およびそのよ うな線の存否は、それほど重大でない。一方、バンパー用途では、高強度、へこ み傷抵抗、応力腐食割れ抵抗および剥離腐食抵抗のような特性が要求される。数 多くの自動車用途に使用するためには、アルミニウム合金品は亀裂、破断、リュ ーダース線または過度の皺を発生せず、過大なプレス荷重を必要とせずに、成形 、引き抜き、曲げなどを容易にできるようにする優れた成形性を有するとともに 、適当な強度を有することが必要である。成形は典型的には室温で行われるため 、室温すなわち低温での成形性がしばしば基本的に考慮される。自動車用途でか な り重要とされるさらに他の観点は、溶接性(特に抵抗スポット溶接性)である。 例えば、ボンネット(hood)、ドアーまたはトランク蓋のような二重シート構造 の外部車体シートおよび内部支持シートは、しばしばスポット溶接で接合されて おり、スポット溶接電極の交換に関して言えば、アルミニウム合金シートによる 組み立て製造ラインの不必要な中断が生じるような理由によってその電極寿命が 過度に短縮されないことが重要である。また、このような接合は、例えば表面酸 化物を除去するための余計な段階を必要としないことも望まれる。さらにこの合 金は、亀裂や甚だしい粗面化を生じることのない高い曲げ加工性を有していなけ ればならない。何故なら、この構造製品はしばしば縁曲げすなわちヘミング(he mming)やシーミング(seaming)によって互いに固定または接合されるからであ る。 熱処理可能合金および熱処理不可合金の両方を含めて各種のアルミニウム合金 およびそのシート製品が自動車の用途に考えられてきた。熱処理可能合金は、そ れらの合金で形成される部品が溶体化処理および焼入れ調質において所定の低強 度レベルに製造でき、その後パネルが成形された後に人工時効によって強度が増 大されるという点でしばしば有利とされる。これは低強度レベルでの成形を容易 し、強度はその後に使用のために増大される。さらに、人工時効を行うための熱 処理をしばしば塗装の焼付け処理時に実施できる。一方、熱処理不可合金は典型 的には成形および(または)冷間圧延によるなどの歪み硬化によって強化される 。このような歪み硬化効果すなわち加工硬化効果は通常は、その歪み硬化効果を 部分的に軟化させるすなわち弛めることになる塗装の焼付けすなわち固化サイク ルのような加熱時に低減される。 したがって、優れた成形性と良好な強度とを組み合わせた特性を有する頑丈な シート材料を提供するのが有利である。 本発明の主目的は、自動車用途のための優れた成形性と良好な強度とを組み合 わせた特性を有するアルミニウムシートを製造する方法を提供するのである。 本発明の他の目的は、特性、特に成形性および強度をかなり改良されたアルミ ニウムシート製品に製造することのできる組成物を提供することである。 本発明のこれらおよび他の目的は、以下の説明を参照することで一層理解され 認識されるであろう。 本発明によれば、(a)0.8〜約1.3重量%のシリコンと、約0.2〜約 0.6重量%のマグネシウムと、約0.5〜約1.8重量%の銅と、約0.01 〜約0.1重量%のマンガンと、約0.01〜約0.2重量%の鉄と、実質的に アルミニウム、付随的な元素および不純物を含んで成る残部とを含むか、または 好ましくは実質的にそれらから成る合金の塊体を準備する段階、(b)シートを 製造するようにその塊体を加工する段階、(c)そのシートを溶体化熱処理する 段階、および(d)シートを迅速焼入れする段階を含んで成る、自動車車体に使 用するのに特に好適なアルミニウム合金製圧延シートを製造する工程が提供され る。このシートは改良された成形性および強度を有する。 好適例において、この組成物は約1.0〜約1.2重量%のシリコンと、約0 .2〜約0.45重量%のマグネシウムと、約0.6〜約1.5重量%の銅と、 約0.04〜約0.08重量%のマンガンと、約0.05〜約0.17重量%の 鉄とを含んで成る。 本発明の第2の観点において、連続鋳造または半連続DC(ダイレクト・チル )鋳造によって上述の組成物の組成を有する合金インゴットを鋳造する段階と、 この合金を450°〜602℃(842°〜1115°F)の温度で1〜48時 間にわたり拡散焼鈍する段階と、要求されるシート厚が得られるまで引き続き圧 延する段階と、このシートを450°〜602℃の温度で少なくとも5秒間にわ たり保持した後に迅速焼入れする段階と、室温にて時効処理する段階とを含んで 成る、組成物を成形するためのアルミニウム合金シートを製造する方法が提供さ れる。 本発明の他の特徴は、添付図面と共に考慮すべき好ましい実施例の以下の関連 した記載においてさらに説明される。添付図面で、 図1は本発明によるアルミニウム合金シートのSi、MgおよびCu含有量の 組成範囲を示す斜視図である。 図2は引張り降伏強度に対する本発明の合金の銅含有量の影響を示すグラフで ある。 図3は平面歪み引伸し(plane strain stretching)に対する本発明の合金の 銅含有量の影響を示すグラフである。 図4は材料の曲げ性に対する本発明の合金の銅含有量の影響を示すグラフであ る。 図5は降伏強度に対する成形および塗料焼付けの影響を示すグラフである。 定義 「成形性」という用語は本明細書ではシート材料が破壊が始まる前の特定変形 工程(particular deformation process)で変形できる程度を意味する。典型的 に破壊は、局所的なシートのネッキング(neaking)または延性破壊のいずれか によってアルミニウム合金に生じる。成形性の別の尺度がこの分野で知られてお り、アルミニウム62(1986)10、738〜742頁、および同62(1 986)11、835〜839頁に、ジェー・エム・ストーリー氏(J.M.Story )による「アルミニウムシート材料の成形性」に記載されている。 本明細書で広義の意味で使用している「シート」という用語は、しばしば「プ レート」および「箔」と称される寸法、ならびにプレートと箔との中間的な寸法 を包含することを意図している。 「ksi」は平方インチ当たりのキロポンド(千ポンド単位)を意味する。 特性に関する「最小」という用語は、標準的な静的方法を使用することで製品 中の99%が95%の信頼性で適合することが予測されるときの適正レベルを意 味する。特性には強度および成形性が含まれる。 「インゴット経由」(ingot-derived)という用語は、粉末金属加工技術や同 様技術によるのではなく、周知の、すなわち引き続いて展開される鋳造工程によ って液体金属から凝固されることを意味する。この用語は、限定するわけではな いが、ダイレクト・チル(DC)連続鋳造、スラブ鋳造、ブロック鋳造、スプレ ー鋳造、電磁連続(EMC)鋳造、およびそれらの変形鋳造法を特に含む。 「溶体化熱処理」という用語は、本明細書では合金が固溶可能成分を固溶させ るのに十分な温度に加熱されて保持され、固溶可能成分が焼入れ後に過飽和状態 に保持されることを意味するのに使用されている。本発明の溶体化熱処理は実質 的に全ての固溶可能な第2相粒子が固溶されることが好ましい。 「迅速焼入れ」という用語は、本明細書では溶体化熱処理時に固溶された固溶 可能成分の実質的に全てが焼入れ後に過飽和状態に保持されるのに十分な速度で 材料を冷却することを意味する。この冷却速度は、焼入れした合金の特性にかな りの影響を有する。温水焼入れまたは噴霧水での焼入れのように焼入れ速度が遅 すぎると、早期に析出粒子が固溶体から生じる。遅い焼入れ時に固溶体から発生 した析出粒子が不均等に析出する傾向を示し、また曲げ特性に劣る。焼入れ速度 は、固溶体から粒子がそれほど析出しないのであれば、迅速であると考えられる 。迅速焼入れ速度はさまざまな方法で得ることができ、これには冷水焼入れ、強 制空冷焼入れ、および水噴射または水霧焼入れが含まれる。 したがって、本発明によれば、本明細書で広義の意味で引用される「成形パネ ル」および「車両成形パネル」は、自動車や車両の車体におけるバンパー、ドア ー、ボンネット、トランク蓋、フェンダー、フェンダーウェル、床、ホイールお よび他の部分を含むことを意図している。例えば、そのようなパネルは平坦シー トから形成することができ、車両外部から見えるパネルに関しては、しばしば平 坦シートは一般に凸形状とされる二次元形状を形成するために組み合わされた型 の間で圧搾される。パネル製造に有用な他の技術は、圧延形成、流体圧形成、お よびこの分野で周知のさまざまな形成技術を含む。二重または複層パネル部材に は、2以上の成形パネル、典型的には内側パネルおよび外側パネルが含まれ、そ れらのパネルの個々の特性は上述したものとされる。内側および外側パネルは二 重または複層パネル組立体を形成するために、米国特許第4082578号に示 されるように周縁で結合すなわち連結されるのであり、この特許の教示は参照す ることで本明細書に組み入れられる。 本明細書で使用する「自動車」または「車両」という用語は、勿論自動車示す ことを意図しているが、トラック、オフロード車両および他の輸送用乗物、例え ば航空機、列車および船も含むことを意図している。 まず最初に図1を参照すれば、本発明によるアルミニウム合金シートのSi、 MgおよびCu含有量の範囲の斜視図が示されている。A点〜H点で画成される 直方体部分は、請求の範囲に記載された合金のSi、MgおよびCu含有量に関 する請求の範囲に記載された範囲を示している。A点〜D点の全ては銅が0.5 重量%の平面上に位置している。E点〜H点の全ては銅が1.8重量%の平面上 に位置している。A点およびE点、B点およびF点、C点およびG点、そしてD 点およびH点のMgおよびSiの重量%は同じである。 Si、MgおよびCuに加えて、本発明の合金はその必須成分としてMnおよ びFeも含んでいる。これらの必須元素は、以下に説明するように協力剤として 作用する働きを有する。 SiはMgと共存することで形成される元素SiおよびMg2Siの析出硬化 によって合金を強化する。この効果的な硬化に加えて、Siは成形性、特に引伸 し成形性を効果的に高める。Si含有量が約0.8重量%未満の場合、その強度 および成形性は不十分である。一方、Si含有量が約1.3重量%を超える場合 には、合金を溶融せずに熱処理の間に固溶可能粒子が固溶体に常に取り込まれる ことはできない。それ故に、得られたシートの成形性および機械的特性は劣化さ れる。Si含有量は約0.8重量%〜1.3重量%の範囲内またはその付近に保 持されるのが好ましい。 上述したように、MgはSiと共存する状態でMg2Siを形成することで作 用する合金強化元素である。この効果は、Mg含有量が約0.2重量%未満では 有効に得られない。Mgはアルミニウム合金の強度を高めるのに有効であるが、 高レベルでMg2Siの形成に必要な量を超えた量においては、Mgは合金の成 形性を低下させる。Mg含有量は0.2〜0.6重量%の範囲内またはその付近 に保持されるのが好ましい。 Cuはアルミニウム合金の強度および成形性を高める元素である。Mgおよび Siを使用すリューダースけで成形性を維持し、または向上させると同時に、十 分な強度を得ることは困難である。それ故にCuは必須である。強化および成形 性の目的のためには合金中にCuを含むことが望ましい。Cuレベルが約0.5 重量%未満であると、得られた製品は低い強度および低い成形性を示す(図2お よび図3を参照されたい)。Cuレベルが1.8%を超えるときは、得られた製 品は曲げ特性の低下を示す(図4参照)。Cu含有量は0.5〜1.8重量%の 範囲内またはその付近に保持されるのが好ましい。 Feは、再結晶粒の微細化を助けると共に、その合金のオレンジピールとして 知られた粗面化現象の発生を減少または防止する粒子を形成する。それ故にFe は粒径制御のために望まれる。しかしながら、過剰なFeはネッキングおよび( または)(and/orの意味)破壊に対する合金の抵抗力を低下させる。再結 晶粒はFe含有量が0.05重量%未満のときに粗大化し、また成形性はFe含 有量が0.2重量%を超えると低下する。Fe含有量は0.05重量%〜0.2 重量%の範囲内かその付近に保持されるのが好ましい。Fe含有量は約0.17 重量%以下であるのが好ましい。 Mnも再結晶粒を微細化するのを助ける。合金からのMnの排除は、熱処理時 の粒子の粗大化およびその結果として変形時にオレンジピールを引き起こすこと が見出されている。それ故に、Mnは組織を安定化させる合金中の分散相を形成 すると考えられる。低レベルの分散相は粒子の組織を効果的に制御できる。しか しながらMnが0.1重量%を超えた場合、平面歪み応力状態での成形性は低下 する。したがってMnの低レベルは変形時の粗面化を防止することで有益ではあ るが、合金中のMn量はその平面歪み状態での成形性の低下を防止するために制 限されねばならない。平面歪み状態での成形性は自動車用途に使用する大型の成 形パネルの製造において重要な特性となることが見い出されている。例えば80 〜85%の圧搾破壊が平面歪みにおいて生じると考えられている。Mnは最大約 0.1重量%のレベルまで望まれることが見い出された。好ましいMn含有量は 0.04〜0.08重量%の範囲内またはその付近に保持されるのが好ましい。 ここで、本発明によるアルミニウム合金シートの製造方法について説明する。 上述した範囲の組成を有するアルミニウム合金インゴットが通常の連続鋳造ま たは半連続DC鋳造法によって形成される。このアルミニウム合金インゴットは 、固溶可能な成分粒子を完全に固溶し、またその後の工程で粒子組織の制御を助 成するために第2相粒子を発生させて微細化するように、拡散焼鈍される。拡散 焼鈍の作用は、加熱温度が450℃(842°F)未満では適当に得ることがで きない。しかしながら拡散焼鈍温度が602℃(1115°F)を超えると、溶 融が生じる。拡散焼鈍温度は、インゴットが拡散焼鈍されたことを保証するため に十分な時間にわたって保持しなければならない。 インゴットが拡散焼鈍された後適当な圧延温度にされ、その後常法により最終 寸法となるまで圧延される。この代わりに、インゴットは拡散焼鈍の後に室温と され、その後熱間圧延の前に適当な圧延温度となるまで加熱される。この圧延は 専ら熱間圧延とされるか、または熱間圧延とその後の冷間圧延との組み合わせと され得る。冷間圧延は、自動車パネルとして望まれる表面の仕上がりを与えるた めに望ましい。 圧延シートは450°〜602℃(842°〜1115°F)の温度で溶体化 熱処理され、これに続いて迅速冷却(焼入れ)が行われる。溶体化熱処理温度が 450℃(842°F)未満であると、溶体化の効果は満足できず、満足の行く 成形性および強度を得られない。一方、溶体化熱処理が602℃(1115°F )より高いと、溶融が始まる。少なくとも5秒間の保持が溶体化を完結するのに 必要である。30秒間以上の保持が好ましい。溶体化温度での保持の後の迅速冷 却は、冷却速度が特に300℃/分以上の強制空冷に少なくとも等しいかそれ以 上であるようになされる。冷却速度を考えるならば水焼入れが最も好ましいが、 強制空冷もほとんど変形を生じることなく焼入れすることができる。溶体化熱処 理は連続溶体化熱処理炉において以下の条件、すなわち2℃/分以上の速度で加 熱し、5〜180秒間以上にわたって保持し、300℃/分以上の速度で冷却す るという条件で行われるのが好ましい。2℃/分以上の速度での加熱は、溶体化 熱処理時に再結晶する粒子を微細化する点で有利である。 連続溶体化熱処理炉は、コイルの形態で大量生産されたシートを溶体化熱処理 および迅速焼入れするのに最も適当である。高い生産性を得るためには、180 秒間以下の保持時間が望ましい。良好な平坦性および小さいシート歪みを与える にはさらに遅い冷却速度が一層望ましい。 良好な成形性および高い強度を与えるためには、高い冷却速度(>300℃/ 分)が一層望ましい。良好な平坦性および歪みの無いことを得るには、5℃/秒 〜300℃/秒の範囲の冷却速度で強制空冷するのが好ましい。 また、熱間圧延と溶体化熱処理との間において、中間焼鈍処理およびそれに続 く冷間圧延が実施されて最終粒径、結晶組織を制御する、および(または)冷間 圧延を容易化する助けを成すことができる。保持温度は316°〜554℃であ るのが好ましく、343°〜454℃であるのがさらに好ましく、また保持 時間は中間焼鈍においては0.5〜10時間であるのが好ましい。アルミニウム 合金の中間焼鈍済みシートは少なくとも30%の圧下率で冷間圧延されるのが好 ましく、その後溶体化熱処理および迅速焼入れを行われる。 中間焼鈍温度が316℃未満であると、再結晶化は完結しない。中間焼鈍温度 が554℃より高いと、粒子が成長し、シート表面の変色が発生し得る。中間焼 鈍時間が0.5時間未満であると、大量のコイルの拡散焼鈍は箱形焼鈍炉では困 難になる。一方、10時間を超える中間焼鈍は工程を経済的に実行できなくする 傾向を示す。溶体化熱処理が連続溶体化熱処理炉で実施される場合、中間焼鈍温 度は343°〜454℃の範囲であるのが好ましい。少なくとも30%の圧下率 での冷間圧延が中間焼鈍と溶体化熱処理との間に介在されて、溶体化熱処理時の 粒子の成長を防止または減少させることが好ましい。 成形後、塗装および焼付け、または人工時効処理が施され得る。焼付け温度は 通常は大体150°〜250℃の範囲である。 本発明によるアルミニウム合金製圧延シートは自動車車体の内側取り付けパネ ルとしての用途に最も好適であり、熱シールド、計器パネルおよび他のいわゆる 「ボディー・イン・ホワイト」(body-in-white)部品のような、他の自動車部 品として使用されるときに優れた特性を示す。 本発明の利点は以下の例に説明されている。 例1〜例5 本発明の実施およびその利点を示すために、アルミニウム合金製品が表1に示 される組成および残部であるアルミニウムおよび元素および不純物を有して作ら れた。4つの合金が図1に示される組成ボックス内に含まれている。これらの合 金はインゴットを作るために鋳造され、シート寸法となるまで常法によって作ら れた。このインゴットは538°〜566℃(1000°〜1050°F)の範 囲で4時間にわたって拡散焼鈍され、その後3.175mm(0.125インチ )の厚さになるまで熱間圧延されて室温まで冷却され、中間焼鈍された後、1m m(0.036インチ)の最終寸法になるまで冷間圧延された。このシートは溶 体化熱処理の前に試験され、かなりの量の固溶可能な第2相粒子の存在するこ とが見い出された。 コイルは538°〜566℃(1000°〜1050°F)の範囲で溶体化熱 処理され、迅速焼入れされた。次いで、これらのシートは室温で少なくとも2週 間にわたって自然時効された。これらの合金は試験され、第2相粒子の実質的に 全てが過飽和状態で固溶体に残されていることが見い出された。 比較のために、合金例6の組成を有するAA2008合金シートが表1に示さ れている。AA2008シートは熱処理可能なアルミニウムであり、自動車用途 に商業上使用されている。AA2008は優れた成形性と良好な強度との組み合 わせ特性に関しての現在のベンチマーク材料である。典型的にAA2008は自 動車の内側パネルに使用される。 例7〜例12 例1〜例6のインゴット経由のシートは室温で自然時効された(T4調質処理 )。自然時効の少なくとも2週間が経過した後、その材料は機械的特性を決定す るために試験された。この材料試験は3方向すなわち圧延方向に対して0°、4 5°および90°の方向で行われた。その結果は表2に示されている。比較のた めに出たの幾つかは表3でも繰り返し示されている。 降伏強度に関しては最小値1055kg/cm2(15ksi)が望ましい。 材料は、取り扱いおよび組み立ての間にその自然時効した材料(T4調質処理) が損傷するのを防止するために、少なくともこの最小値を有する必要があると考 えられる。本発明の代表的合金の全て(例1、例2、例4および例5)はこの最 小値を上回る降伏強度を示した。例2および例5の合金は1406kg/cm2 (20ksi)より大きい降伏強度を示した。しかしながら以下に見られるよう にそれらの材料は高強度を示したとはいえ、例2および例5の材料は高い成形性 も示した。 図2は本発明の合金の銅含有量の、横方向の降伏強度に対する関係を示すグラ フである。銅含有量が増加するにつれて、横方向降伏強度も増大する(図2参照 )。少ない銅含有量の合金で形成されたシートは適当な降伏強度を有していなか った。すなわち購入可能のAA2008より大きいか等しかった。AA2008 のベンチマーク値に一致するかそれを超えるためには、合金は0.5重量%より 高い最小銅レベルを有していなければならない(表2最小)。 例1〜例6の合金の引張り伸びも測定された。引張り伸びは成形性の間接的な 測定値であると考えられる。比較のために今日使用されている最も成形性の良い 熱処理可能合金であるAA2008は25%〜30%の間のT4引張り全伸び値 を示している。本発明の合金の全てが約28%と同等以上のT4引張り全伸び値 を示した。それ故に、これらの合金の全てがAA2008よりも良好な引張り伸 びを明白に有している。以下に説明するように、例1、例2、例4および例5の 材料は成形性に関する全ての基準に合致するかそれより優れている。 例1〜例6の合金の一様な伸びもまた測定された。一様伸びは、局部的に変形 される前に一様に変形されることのできる材料の尺度である。これはネッキング を生じる前に材料が耐えられる最大歪みの測定値である。それ故に、これはネッ キングに対する材料の抵抗力の指針である。購入可能なAA2008(表2)よ りも大きい一様伸びを有することが望ましい。本発明の材料の全ては26.0% 以上の一様伸びを示した。T4調質状態でのAA2008は、典型的に約22% 〜約25%の範囲内の一様伸び値を示した。それ故に、本発明の合金は、現在の ベンチマーク材料であるAA2008よりも良好な特性を示す。圧延方向に対す る一様伸びの変化は大きくなかった。 例1〜例6の合金の歪み硬化指数(Exp.)が計算された。その歪み硬化指 数は特定の歪み範囲内での真の応力/歪み曲線の傾きを測定して導き出された。 一様伸びと同様に、歪み硬化指数は局部的変形の前に一様に変形できる材料特性 の尺度である。購入可能なベンチマーク材料であるAA2008よりも大きい歪 み硬化指数を有することが好ましい。本発明の材料の全ては0.25以上の歪み 硬化指数を示した。T4調質処理でのAA2008は0.23〜0.26の範囲 の歪み硬化指数値を典型的に示した。それ故に、本発明の合金は、現在のベンチ マーク材料であるAA2008よりも良好な特性を示す。 例13〜例30 例1〜例6の合金はシート材料の機械的特性の変化を調べるために3つの方法 によって人工時効された。第1の人工時効は材料を177℃(350°F)で3 0分間にわたって加熱することで実施された。この人工時効方法は市販自動車製 造において材料が示す塗料焼付け性をシュミレートすることを意図した。 第2の人工時効方法はシート材料が177℃(350°F)で30分間にわた って加熱される点で第1の方法と類似していた。しかしながら、材料は加熱され る前に2%の引伸しを受けていた。この人工時効方法は典型的な市販用途で得ら れる特性の開発をシミュレートし、すなわち部品形成作業に続いて塗装およびそ の後の塗装焼付けの間に材料に歪みが誘起された。 第3の人工時効方法においては、材料は204℃(400°F)で60分間に わたって加熱された。この人工時効方法は、商業的な製造において塗料焼付けに て得ることのできる予測されるピーク強度を決定することを意図した。 これらの3つの人工時効方法の結果が表3に示されている。自然時効材料(T 4調質処理)の同じ特性が表3に繰り返して示されている。 177℃(350°F)での30分間の人工時効、および2%の引伸しに17 7℃(350°F)での30分間の人工時効を加えた結果を比較すれば、例1、 例2、例4および例5の合金は全て購入可能なAA2008(合金例6)と等し いかそれを超える強度を有している。204℃(400°F)で60分間にわた る人工時効の結果は、合金例5が購入可能なAA2008より大きい強度を有す ことを示した(表3の例27および例30を参照)。 図5は時効方法に関数として表3からの降伏強度の関係を示している。図5に よれば、合金例1、合金例2、合金例4および合金例5の材料が形成工程および それに続く塗装および焼付け工程をシミュレートした調質処理において購入可能 なAA2008(合金例6)の降伏強度よりも大きな降伏強度を有すことが分か る。CuおよびSi含有量の高い合金例1、合金例2、合金例4および合金例5 の材料は最良の強度レベルを展開する。 例31〜例36 例1〜例6の合金の成形性を予測するために、シート材料は限界ドーム高さ( LDH)試験を行われた。 この限界ドーム高さ(LDH)試験は材料の平面歪み引伸し特性(引伸し硬化 特性および限界歪み特性)の測定に使用される方法である。標準的限界ドーム高 さ(LDH)試験は、さまざまな幅寸法の矩形試験片の長辺が圧延方向に対する 長手方向に一致するように切断された。この試験片は強固にクランプされた後、 10.2cm(4インチ)寸法の半球形パンチによって引伸された。LDHoは 評価された標本幅の範囲に沿って観察された最小パンチ高さである。これは平面 歪みまたはその付近であると想定される。標準的な限界ドーム高さ(LDH)試 験に加えて、付加的な試験片が試験され、これにおいては矩形試験片の長辺は圧 延方向に対する横断方向すなわち横方向に一致された。横方向の試験片は1つの 幅寸法、すなわちLDHoが長手方向に測定されたのと同じ試験片の幅寸法を使 用して試験された。限界ドーム高さ(LDH)試験の結果は表4に記載されてい る。 長手方向の限界ドーム高さ(LDH)試験に関しては、1.00の値が長手方 向および横方向の両方に望ましい。この値はAA2008で典型的に観察される 性能を超える目標値である。本発明の合金の全て(合金1、合金2、合金4)は 両方においてこの最小値に合致するかそれを超えている。さらに本発明の合金の 全ては、長手方向のLDHoがたったの0.950を示し、横方向のLDHoがた ったの0.870を示す購入可能なAA2008−T4(合金6)よりもかなり 良好な性能を示した。この購入可能な合金は長手方向および横方向の両方におい て最小目標値に合致しなかった。驚くことに、本発明の合金(合金1、合金2、 合金4)はAA2008よりも長手方向の限界ドーム高さ(LDH)が1.32 mm〜1.75mm(0.052インチ〜0.069インチ)もの向上を示し、 またAA2008よりも横方向の限界ドーム高さ(LDH)が5.38mm〜5 .94mm(0.212インチ〜0.234インチ)もの向上を示した。 LDHoの1.02mm(0.04インチ)以上の増大は、成形プレスにおけ る材料の性能が著しく向上した結果であると考えられる。それ故に、例31、例 32、例34および例35の本発明の全ての合金は、圧搾プレスでAA2008 −T4よりもかなり優れた性能を発揮すると考えられる。 例37〜例42 例1〜例5の合金の成形性をさらに調べるために、シート材料はガイドされた 曲げ試験(GBT)およびヘミング試験を受けた。 90°のガイドされた曲げ試験(GBT)は、本質的には材料の曲げ性を予測 するための摩擦のないダウンフランジ試験である。さらに、ガイドされた曲げ試 験(GBT)は合金が平坦ヘミングを行えるかを予測するのに使用できる。90 °のガイドされた曲げ試験(GBT)では、初期引伸し(10%)を加えられた ストリップが強固にクランプされた後、ローラーによって型半径の上で90°だ け曲げられるように強制される。この試験は、破壊が生じるまで次々に小さい型 半径を使用して繰り返される。破壊を生じることなく曲げを生じた最小型半径を 元々のシート厚さ(t)で割ることで、最小R/t比が決定される。 0.5未満の最小R/t値を示す材料は一般に平坦ヘミングが可能であると考 えられる。約0.5〜約1.0の範囲の最小R/t値を示すこれらの材料は限界 に近い(marginal)と考えられ、1.0容量も大きい最小R/t値を示す材料は 「平坦ヘミング不能」である。 製品のヘミング性を示す他の指針は、ヘミング試験である。ヘミング試験(he mming test:縁曲げテスト)に於いては、シート材料のストリップは予め7% の引伸しを加えられ、その後平坦ヘミングが可能かどうかを決定するためにヘミ ング加工される。ヘミングされた材料は曲げ半径部分の外面の見栄えに基づいて 評価を与えられる。例1〜例5の合金に関するガイドされた曲げ試験(GBT) およびヘミングの結果が表5に示されている。比較のためにA2008(例6) に関するガイドされた曲げ試験(GBT)およびヘミングの結果も含まれている 。図4において、ガイドされた曲げ試験(GBT)の結果は合金例1〜例5のC u含有量の関数として与えられている。 驚くことに、例37、例38、例40および例41(合金例1〜例5)に関し て示されたガイドされた曲げ値は、それらの合金がAA2008と同様な「平坦 ヘミング性」であることを示している。ヘミングは自動車用アルミニウムパネル の製造における厳しい要求条件である。 AA2008は自動車用途に関して購入可能な熱処理可能な最良の成形合金の 1つであると考えられる。したがって、例1、例2、例4および例5の合金のよ うな優れた成形性と良好な強度との良い組み合わせ特性を示す合金は、より要求 の強い形状を有し、また取り扱い損傷に対する良好な抵抗力を与える成形パネル の製造に使用できる。 例43〜例46 本発明の実施において鉄およびマンガンの利点およびその有利性を説明するた めに、アルミニウム合金製品が先に説明した方法に類似の方法にしたがって製造 された。例43〜例46の材料の組成は表6に示されている。例43および例4 4の組成は、鉄およびマンガンの両方のレベルを制御する利点を示すために与え られた。例45および例46は、好ましい範囲内で鉄レベルを高める効果を示し ている。 これらのシート製品は、限界ドーム高さ(LDH)試験、ガイドされた曲げ試 験、および膨らみ試験によって測定された材料特性および成形性を決定するため に試験された。限界ドーム高さ(LDH)試験およびガイドされた曲げ試験(G BT)は先に説明したように行われた。 引伸し曲げ試験は張力を作用させた状態で曲げる方法で成形性を測定するのに 使用される。この試験は矩形試験片を端部で強固にクランプした後、その試験片 を破壊が生じるまでパンチで変形させることで実行される。説明した値(H/t )は、シート厚さによって割ったピーク荷重でパンチが移動した距離である。 膨れ試験は、2軸応力状態で大きな歪みが生じた後に変形できる材料の特性を 測定するのに使用される認識されている成形試験である。この試験は、強固にク ランプした矩形試験片を圧力を加えた作動流体で変形することで実施される。圧 力を加えた作動流体は、材料を変形させるための摩擦の無い力を発生する。膨れ 試験時に材料特性を測定するのに使用される1つのパラメータは、破壊する前に 材料が変形した最大距離(膨れ高さ)である。 第7表に見られるように、高レベルでFeを含有する合金(例45)は、低レ ベルの量のFeを含有する同様合金(例46)に比較して劣った成形性を示した 。例46の優れた成形性の数値は、高い平均N値、長手方向の一様伸び値、横方 向の引伸し曲げ、および膨れ高さの測定によって示された。 例47および例48 本発明の実施においてマンガンの存在の重要性を示すために、アルミニウム合 金製品は表8に示す組成を有して前述のように製造された。 ASTM規格の粒径および1立方mm当たりの粒子数が光学的に決定された。 この値は表9にリストアップされている。 表9によれば、マンガンを全く含有しない例47は、例48よりも1立方mm 当たりの粒子数が25%も少ないことが明かである。粗大粒径は典型的にオレン ジピールを発生させたり、変形時にリューダース線を発生させるので、材料中に ある程度の低レベルのMnを保持することが望ましい。 本発明の最良形態と考えられるものを上述で説明した。しかしながら、当業者 には発明の精神から逸脱せずに、説明した形式のさまざまな変形例が本発明に対 して成し得ることが明白となる。本発明の範囲は請求の範囲に記載された用語の 広義の一般的な意味によって定められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 630K 684 684 691 691B 694 694B (72)発明者 マーサ,ショーン,ジェイ. アメリカ合衆国15069―0001 ペンシルバ ニア州,アルコア センター,テクニカル ドライブ 100,アルコア テクニカル センター

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 自動車車体に使用するのが特に好適なアルミニウム合金製圧延シート製 品を形成する方法であって、 (a) シリコン:約0.8〜約1.3重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.6重量%、 銅:約0.5〜約1.8重量%、 マンガン:約0.01〜約0.1重量%、 鉄:約0.01〜約0.2重量%、および 残部:実質的にアルミニウム、付随的な元素および不純物、 を含んで成る合金の塊体を準備する段階、 (b) 前記シートを製造するために前記塊体を加工する段階、 (c) 前記シートを溶体化熱処理する段階、および (d) 前記シートを迅速焼入れする段階、 を含むアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方法。 2. 請求項1に記載された方法であって、前記合金が、 シリコン:約1.0〜約1.2重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.45重量%、 銅:約0.6〜約1.5重量%、 マンガン:約0.04〜約0.08重量%、および 鉄:約0.05〜約0.17重量% を含むアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方法。 3. 請求項1に記載された方法であって、段階(b)が、 前記個々の加工段階のうちの少なくとも2つの段階の間に中間焼鈍を備えた複 数の別々の加工段階を含むアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方法。 4. 請求項1に記載された方法であって、段階(b)が、 前記個々の加工段階のうちの少なくとも2つの段階の間に、約316℃(60 0°F)より高い温度での中間焼鈍を備えた複数の別々の加工段階を含むアルミ ニウム合金製圧延シート製品の形成方法。 5. 請求項1に記載された方法であって、段階(b)が、 前記個々の加工段階のうちの少なくとも2つの段階の間に中間焼鈍を備えた複 数の別々の加工段階を含み、前記値か焼鈍が約8時間未満で終了されるアルミニ ウム合金製圧延シート製品の形成方法。 6. 請求項1に記載された方法であって、段階(c)が、 約449℃(840°F)より高い温度で前記シートを溶体化熱処理する段階 を含むアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方法。 7. 請求項1に記載された方法であって、段階(c)が、 約449℃(840°F)〜602℃(1115°F)の温度範囲で前記シー トを溶体化熱処理する段階を含むアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方法 。 8. 請求項1に記載された方法であって、段階(d)が、 迅速焼入れする段階を含んでいるアルミニウム合金製圧延シート製品の形成方 法。 9. 自動車車体に使用するのが好適なアルミニウム合金であって、 シリコン:約0.8〜約1.3重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.60重量%、 銅:約0.5〜約1.8重量%、 マンガン:約0.01〜約0.1重量%、 鉄:約0.01〜約0.2重量%、および 残部:実質的にアルミニウム、付随的な元素および不純物、 を含むアルミニウム合金。 10. 請求項9に記載された合金であって、 シリコン:約1.0〜約1.2重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.45重量%、 銅:約0.6〜約1.5重量%、 マンガン:約0.04〜約0.08重量%、および 鉄:約0.05〜約0.17重量%、 を含むアルミニウム合金。 11. 自動車車体に形成するのが好適な成形性と強度との改良された組み合 わされた特性を有するアルミニウム合金シートであって、前記アルミニウム合金 が シリコン:約0.8〜約1.3重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.60重量%、 銅:約0.5〜約1.8重量%、 マンガン:約0.01〜約0.1重量%、 鉄:約0.01〜約0.2重量%、および 残部:実質的にアルミニウム、付随的な元素および不純物、 を含み、前記合金はその合金のインゴットを鋳造し、インゴットを拡散焼鈍し、 スラブを製造するようにインゴットを熱間圧延し、シートを製造するように前記 スラブを冷間圧延し、前記シートを溶体化熱処理することで製造されるアルミニ ウム合金シート。 12. 請求項11に記載されたアルミニウム合金シートであって、 シリコン:約1.0〜約1.2重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.45重量%、 銅:約0.6〜約1.5重量%、 マンガン:約0.04〜約0.08重量%、および 鉄:約0.05〜約0.17重量%、 を含んで成るアルミニウム合金シート。 13. アルミニウム合金から形成し且つ時効硬化した物品を含んで成る形成 された車両パネルであって、前記アルミニウム合金が、 シリコン:約0.8〜約1.3重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.60重量%、 銅:約0.5〜約1.8重量%、 マンガン:約0.01〜約0.1重量%、 鉄:約0.01〜約0.2重量%、および 残部:実質的にアルミニウム、付随的な元素および不純物、 を含み、前記合金はその合金のインゴットを鋳造し、インゴットを拡散焼鈍し、 スラブを製造するようにインゴットを熱間圧延し、シートを製造するように前記 スラブを冷間圧延し、前記シートを溶体化熱処理することで製造される車両パネ ル。 14. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、 シリコン:約1.0〜約1.2重量%、 マグネシウム:約0.2〜約0.45重量%、 銅:約0.6〜約1.5重量%、 マンガン:約0.04〜約0.08重量%、および 鉄:約0.05〜約0.17重量%、 を含んで成る形成された車両パネル。 15. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自動車ドアーパネルに形成された車両パネル。 16. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自動車ボンネットパネルに形成された車両パネル。 17. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自動車車体パネルに形成された車両パネル。 18. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートがフェンダーに形成された車両パネル。 19. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自然時効され、約1406kg/cm2(20ksi)より 大きい降伏強度を有している形成された車両パネル。 20. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自然時効され、29%を超える引張り伸びを有する形成され た車両パネル。 21. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自然時効され、0.036ケージ寸法の材料に関して約 2 5.4mm(1インチ)の限界ドーム高さを超える成形性を有している形成され た車両パネル。 22. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが自然時効され、25%を超える一様伸びを有する形成された 車両パネル。 23. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、前記アルミ ニウム合金シートが少なくとも1%の歪みを与えられ、その後約177℃の温度 で30分間加熱されることで人工時効され、前記アルミニウム合金シートが約1 617kg/cm2(23ksi)より大きい降伏強度を有する形成された車両 パネル。 24. 請求項13に記載された形成された車両パネルであって、変形後また は形成加工後に実質的にリューダース線が無い形成された車両パネル。
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